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1966-04-12 第51回国会 参議院 文教委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十二日(火曜日)   午前十時三十二分開会     —————————————     委員の異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      内藤誉三郎君     大谷 贇雄君  四月一日     辞任         補欠選任      大谷 贇雄君     内藤誉三郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         二木 謙吾君     理 事                 北畠 教真君                 久保 勘一君                 千葉千代世君                 松永 忠二君     委 員                 楠  正俊君                 近藤 鶴代君                 玉置 和郎君                 内藤誉三郎君                 中村喜四郎君                 山下 春江君                 吉江 勝保君                 小野  明君                 小林  武君                 鈴木  力君                 柏原 ヤス君                 辻  武寿君                 林   塩君    国務大臣        文 部 大 臣  中村 梅吉君    政府委員        文部政務次官   中野 文門君        文部大臣官房長  赤石 清悦君        文部省社会教育        局長       宮地  茂君        文部省管理局長  天城  勲君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        文部省管理局助        成課長      岩田 俊一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○教育、文化及び学術に関する調査社会教育に  関する件)     —————————————
  2. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。本法案に対し質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側より中村文部大臣天城管理局長岩田助成課長が出席しております。
  3. 松永忠二

    松永忠二君 少し御質問をいたしますが、ここで問題になっているのは屋内運動場補助基準の引き上げの問題等でありますので、まず、屋内運動場整備状況というものは、小学校中学校についてはどういう整備状況になっているか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  4. 天城勲

    政府委員天城勲君) 屋体だけの実情でございますか。
  5. 松永忠二

    松永忠二君 そうです。私の聞いているのは、小学校屋内運動場施設してある学校は全体の学校の何割か、中学については屋内運動場が整備されている学校は何割あるか、こういうことを聞いているのです。
  6. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 小中学校を通じて見まして、大体全学校数の六二%程度屋体を保有しているという状況でございます。
  7. 松永忠二

    松永忠二君 それを小中別に分けてみてください。
  8. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 大体小学校が六一%程度中学校は六四%だったと記憶しております。
  9. 松永忠二

    松永忠二君 その数字は少し、どういうものですかね。まあそういうふうな状況だということは一応わかりましたが、そこで、資料をいただいたわけですが、資料の中に補助事業量と全事業量というのが出ているのですが、今度の法律によって一体これはどのくらいな改善をされるのか、補助事業量工出費面積等どのくらい改善をされていくのか、その点、どうなんですか。
  10. 天城勲

    政府委員天城勲君) 先ほどちょっと、私、資料を見そこなっておりましたので、前のことについてお答えいたしますが、四十年工月一日現在におきまして、屋体保有状況でございますけれども、小学校が六五%であります。さっき大体六〇%と申しましたが、六五%でございます。  それから、新しい基準と古い基準と申しますか、従来の基準との比較で、今度の基準状況を申し上げたらいいのじゃないかと思いますが、今度の基準によりますと、学級単位ということにいたしておりますので、小学校において八つの段階を設けております。中学校で六つの段階を設けてございまして、その段階ごと基準坪数を定めるというやり方をいたしております。たとえば小学校ですと、第四段階として大体八学級、十三学級基準的な学級規模を個々に置きますが、この基準考えますと、従来の児童生徒一人当たりの坪数で計算をいたしますと九十五坪でございますが、このたびの学級単位で換算いたしますと百二十八坪でございますので、倍率で申しますと一・四倍ほどになろうかと思います。これに寒冷地の場合に、この段階で補正としてなお八坪を加えていく考え方でおります。小学校全国平均いたしますと、大体一・三八倍くらいの規模になろうかと思います。
  11. 松永忠二

    松永忠二君 予算件を見ると、大体今度の基準が上がったことによって二割程度予算を見ている、こういうふうに出ているわけです。そうすると、いまあなたの御説明では少しパーセントが高いが、平均してやはりいままでを一とすれば約一・二くらいになるのじゃないかと思いますが、これはどうなんですか。
  12. 天城勲

    政府委員天城勲君) 予算の対前年度に対する伸び基準の新旧による伸びというものが必ずしも一致していない点だろうと、御指摘の点はその点だろうと思いますが、私たちといたしましてこの新基準を一応きめましたので、この基準に従いましてもう一ぺん実態調査を本年度いたすつもりでございます。それで、必要坪数というものを正確に把握した上で、実施の問題を考えたいと思っておりますが、本年度予算はそこまでこまかい基礎数が出ておりません。大体前年度の何%増という総額でワクは組んでいるわけでございます。なお、実態調査の結果必要坪数がはっきり出てまいりますので、それに基づいて後年度以降の予算を処置し直そう、こういう考え方でございます。
  13. 松永忠二

    松永忠二君 私の聞いているのは、やはり現行基準と新基準を比較して平均一・何%程度基準が高くなる、こういうものは出ているのじゃないかと思うのですがね。予算のほうには二割増だと、こう言っているが、そこの辺は、予算との関係はいろいろあると思うのですけれども、新しい基準にしたために現行基準より平均どのくらいよくなったのかということをはっきり聞いておかないと、法律ができてたいへんよかったというばかりには言えないので、その辺はどうなんですか。
  14. 天城勲

    政府委員天城勲君) 先ほど小学校の例で申しましたけれども、学級段階において、若干倍率は違いますが、平均いたしますと一・三八倍、三割八分アップでございます。中学校では、これも六段階学級を総合平均いたしますと一・四一になりますので、四一%基準アップするということになると思います。
  15. 松永忠二

    松永忠二君 ここに公立の学校施設設備期成同盟会要望書があるわけですが、ここに一つ出ているのでいうと、十二学級から十九学級のところ、こういうところについては丁五の倍率をしてほしいというような、そういう要望があったわけなんですが、こういう一般改善をしてほしいという基準倍率と比較して、そこまではいかなかったがこうだ、あるいは予算要求としてはこの程度倍率考えていったんだが現実にはこの程度にとどまったという、そういうことについてはどうなんですか。
  16. 天城勲

    政府委員天城勲君) いま例に引かれました規模学校倍率でございますが、期成会要望が一・五倍でございましたか、ちょっと数字覚えておりませんが、大体そのくらいの要望が出ていたと思いますが、先ほど申し上げましたように、今度小学校で申しますと七段階学級規模を分けましたので、ちょうどいま例示されました八学級から十三学級、これが四段階になります。それから、十四学級から二十四学級というものを五段階考えておりますが、この辺で考えますと、私たちの今度の案で申しますと丁四倍に当たっております。  それから、今度の案のきめ方でございますけれども、大体学習指導要領基準をもとにしまして屋内体育館における体育授業が行なえるということを頭に置いたわけでございまして、小学校で申しますと大体八学級——十三学級段階になりましたときにドッジボールができる、それから中学校で六学級から十学級規模でバレーボールができるということを一つ基準考えまして、小さいところでもリズム運動ができるとかいうような、教育課程の中身から考えてきておるわけでございます。そのようなことで、中間ではいろいろな交渉ややりとりがございましたけれども、おおむね屋体基準の最低の基本線は確保できたと、こう考えておるわけでございます。
  17. 松永忠二

    松永忠二君 予算のその要求段階のことをひとつちょっと……。予算要求というのは、初めからいま出てきているような基準予算要求していったのか、それとも折衝の段階で希望したところよりはどういうふうになったのか。先ほどまあ現実にこの法律が施行されることによって改善される。パーセントはわかったわけですけれども、最初要求する場合におけるとどういう関係があるのか。
  18. 天城勲

    政府委員天城勲君) 予算要求のときとこの基準との関係は、いまこまかく私そのいきさつを記憶しておりませんし、書類的に申し上げないと不正確になるかと思いますが、大体基準はいま申し上げたような形で、考え方で初めからおりましたので、基準そのものは私たち大体基本的なものが取れたと思っております。ただ、予算要求の過程から申しますとどうかということになりますが、総体の数字では、これは率直に申しまして約一割五分くらいはあるいはわれわれの考えていた数字よりも低い目できまったのではないかと思っておりますが、基準そのものは大体考えておった基準を貫き得たといま思っております。
  19. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、具体的には十八学級のところで教育課程として要する授業時間、その現行基準坪数が百六十二坪であるが二百八坪ほしいという、そういう要望も出ていたわけです。このところについてはいまお話しのようにそういう点も十分考えてやられたようでありますが、ここでもう一つお聞きをするのは、屋内運動場というものと講堂を併用しているというのは、割合一体どういうふうになっているのか、小学校中学校でですね。屋内運動場講堂と併用している、一つ集会の場所として併用している割合というのは小中学校どのくらいあるのか、これをひとつ……。
  20. 天城勲

    政府委員天城勲君) 私たち現在の実態について、何割が講堂を兼用しているかということを数字的にいま承知いたしておりません。しかし、実際実態として屋体講堂その他の行事に兼用されているということは、おそらくはほとんどといっていいくらいではないかと思っております。したがいまして、今度の基準におきましても、屋体がかなりほかの用途にも使われるということを前提に置きまして、また、体育行事そのものにおきましても、先ほど申しました球技だけでないリズム運動その他の体育種目もあるということを考えまして、ここに、基準の中にステージというものが入り得る要素、それから器具の格納庫というようなものもあわせて基準考えているわけでございまして、このステージを入れたということは実態に即して講堂を兼用ができるということを前提考えておるわけでございます。
  21. 松永忠二

    松永忠二君 そのお話しステージ、まあ把握をされているように、いまや屋内連動場というのは講堂を兼用している、財政も苦しくなったのでとても二つを建てていくというわけにはいかない、高等学校についてはややそういう事情は違いますけれども、小中学校はほとんど現在は屋内運動場講堂を兼ねているということになっている。そのとおりだと思うので、そういう把握をひとつ事実上もきちっとしていただかなければいかぬと思うのですよ。そこで、いまそういう点も考え改善をしてきたというお話ですけれども、一体ステージというのはどのくらいな坪数基準の中に入れられたのですか、それは。
  22. 天城勲

    政府委員天城勲君) たとえば小学校の第四段階基準的な規模、八学級から十三学級、これはドッジボールができるということを前提に置いておりますが、これで便宜坪数で申し上げさしていただきますが、百二十八坪という坪数ですが、そのうちステージ分として十八坪を含めております。
  23. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、まあ相当要望されている面も考慮して坪数基準を出しているということはわかりました。そうすると、管理局長としては、今後基準坪数の算出にあたって、こういう点は改善をしていかなければできぬ点があるでしょうが、そういうふうな点についてはどういうことを考えておられるんですか。何か今後の具体的な方針について、こういう点についてはやはり将来もう少し改善をしていって、まあいまの段階で一段落したけれども、こういう面はまだ不十分だからと、そういうものはどういうものをお持ちになっているのか、それをちょっとお聞かせください。
  24. 天城勲

    政府委員天城勲君) 先ほど申し上げましたように、まあ今回われわれできるだけの条件の中で、従来から課題になっておりました屋体質的改善を遂げたい、量的な基準も広げたいと思って案を立てたわけでございますが、なお今後これですべていいという考えではございませんし、これを実施してみまして当然幾つかの問題が出てくるだろうと思っております。それらの点については、実態を十分見た上で改善をはかっていきたいと思っておりますが、たとえばこの学級規模によって幾つかの段階を今度刻んだわけでございますが、その段階を刻んだ刻み方、まあボーダーラインの学級規模学校が適当かどうかというようなことを、実施した上でなお検討してみたい。  それから、質的な改善としては、中学校あたりになりますと、さらにもう少し質的な要素を加えるという意見がおそらく出てくるとも思っております。それらの点については十分実態に即しつつ今後改善をはかりたいと、こう思っておる次第でございます。
  25. 松永忠二

    松永忠二君 その点は、お話のように、まあステージあるいは体操用具の格納の部屋等は一応基準にも考慮がされているようですけれども、あるいは脱衣所であるとか、やはり屋内体操場として付設をされなければできないような問題が必ずしも十分だとは言えないと思うんです。そういう点で、もっと十分努力をして、ひとつこういうことを一般が理解をしていて、こういうことについてはまだ屋内体操場文部省としても要求していることである。また一般でも要望されていかにゃできぬということをやはり集約をしておいていただくということは非常に重要だと思うんです。この点はひとつぜひそうしていただきたいと思うんです。  そこで、その資料のところに出ていますことは、この全事業量の、つまり屋内体操場小学校が実際に実施をした坪数と費用と、それから実際文部省補助対象として補助した事業割合というのがそこに出ているわけですが、ここで面積については、小学校でいえば面積は大体補助事業が六割になっているけれども、工事費についてはその三分の一になっている。中学校においても五割六分ですけれども、工事費はその半分だと、こうなっている。一体この相違というのはどこから来るというふうにお考えになっておるんですか。
  26. 天城勲

    政府委員天城勲君) いま御指摘のような現状でございますが、工事費の問題につきましては、やはり予算との関係で見ますと、単価ということが一つ大きな要素になっておると思います。それから、従来基準がこういう形ではっきりございませんので、学校によりますと、屋体よりもむしろ講堂的につくろうというような、かなり質を高めたところもあったりいたしておるじゃないかと思っておりますが、まあ今回こういう基準がはっきりいたしますことによって屋体一つのあり方もはっきりいたしますし、その点は少しは改善されるのじゃないかと思います。  なお、単価の問題につきましては、御指摘のように従来とも実情に即さない点がございまして、われわれもたいへん遺憾でございまして、逐年改善につとめておりますし、本年も可能な限り構造比率単価改善をつとめてまいってきた次第でございます。
  27. 松永忠二

    松永忠二君 やっぱりさっきお話のあった点とこれは関連すると思うのですがね、その補助坪数よりも工事費のほうが非常にまあかかっているという実情がそこにはっきり出ているわけです。こうなってくると、一体あなたのお話のように、屋内体操場としての基準にふさわしからぬものをつくっているのか、あるいは屋内体操場というものが現実にどういう要素をも含んでいるのかということを考え合わせてみて、そうして考えていただかないと、基準だけを強調してこれを直そうというようなことでも困るという感じもするわけです。したがって、まあその屋内体操場として経過的に考えられるその基準というものの中には、どの程度講堂集会場としての要素を含んでいるものなのか、こういうこともあわせ考えてもらうということを、やはりその単価についても、必要以上のものをつくるというだけのことではないと思うのですが、相当やはり単価改善をしていただかないと、ここでやはり今度かりに上がったとしても、そういう面で相当大きなしわが寄ってくるということをひとつお考えをいただきたいと思うのです。  そこで、たとえば私の町の具体的に体育館屋内体操場の例を出しますと、基準が百九十坪だ。それに対して実施は三百九十二坪の実施をしているわけです。したがって、その工事費なども、基準によると千百六十八万円であるものが二千五百三十万円の金で実施をやっていると、こういう実情にあるわけです。だから、こういう点は十分にひとつ考えていただきたいと思う。大臣にひとつ、いまの質問の内容に関連して、特にひとつここで御注意をいただきたいと思うのですが、一体この不足した、たとえばいままでの基準にしても、その補助以外の金というのは一体どういう出し方をしているというように文部省考えているのか。このいまの百九十坪のには千百六十八万六千七百円かかるのですが、その補助というのは五百八十四万三千三百円というのが補助金です。補助以外のこの金というのはどういう形で支出されているというふうにまあ文部省調査をされておるのか、そういう点はどういう把握をされているのか、ひとつお聞きをしたい。
  28. 天城勲

    政府委員天城勲君) これはまあ申し上げるまでもないと思うのでございますが、まあ補助金につきましては、その補助に見合う起債というものが見込まれておりますし、地方負担分につきましては財政措置が行なわれるわけでございますが、基準外という問題につきましては、まあ原則としては設置者市町村負担しているわけでございます。しかし、中にはその負担分市町村から他の、これは結局形の上では寄付金という形で地元父兄にかかってきている事態があることは統計上からも率直に認められるところでございますが、小中学校施設の総建築費に対する寄付金割合が現在でも、総額において三十九年度で二十八億という数字が私たちのほうでも調査があがっておりますので、父兄負担がかかっている分がまだあるということは事実だと思います。
  29. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、文部省では、たとえば基準屋内運動場基準坪数が百九十坪で、その建築費事務費等を入れて千百六十八万円だ。これに対して補助金は工面八十四万であるから、あとの金は起債でもって出ているというふうに、そういうふうに把握されておるのですか。
  30. 天城勲

    政府委員天城勲君) 制度の上で申しますれば、補助金起債市町村負担分、この三つの組み合かせでやるたてまえになっております。
  31. 松永忠二

    松永忠二君 それは負担金といっても、補助金あと半分については起債で出てきていて、そして地元負担文部省の言っている基準屋内運動場をつくる場合には補助金以外の金、この場合でいうと、補助金は五百八十四万円だから、二分の一が五百八十四万だから、あと五百八十四万という金は、これは起債が出てきて、それで地元負担金というのはないはずだ、こういうことですか。
  32. 天城勲

    政府委員天城勲君) 先ほど私は補助金起債設置者負担ということを申しましたが、現在この起債措置でございますけれども、補助金に対しまして一〇〇%起債裏づけられる場合と一〇〇%でない場合とが実際上ございまして、われわれとしても自治省を通じて補助金裏起債といわれておるもののまあ目一ぱい補助金だけ見るようにいつもお願いしておるのですけれども、従来においても一〇〇%でない例がございます。そうしますと、その分については当該設置者負担一般会計でやる、そういう組み合わせになっておるわけでございます。
  33. 松永忠二

    松永忠二君 いまのお話で、本来は、とにかく文部省のつくる基準坪数範囲内で屋内運動場をつくれば補助金に見合う半額は起債が出てくるというふうなのが本来なんです。しかし、その起債に見合うものが一〇〇%出るか、あるいはなかなか出にくいかという問題はあるということのお話で、たとえばいまお話の出ました補助金が五百八十四万であとはどういう負担をしているかというと、これは二百九十二万円町が出して、二百九十二万円地元が出しているわけです、基準坪数でやった場合の金額が。だから、現実的には三百九十二坪実際に建てておるから、二千五百三十万かかって、その五百八十四万を国が補助して、市が九百七十三万円で地元が九百七十三万円出しているわけなんですよ。これは、実情はやはりしっかり、きちっと把握をされていただきたい。特に文部大臣には、とにかく基準坪数内でつくったその金についても、実は地元負担が、これは父兄負担ですが、それがかかっているわけなんです。だから、二千五百三十万の屋内運動場をつくるのに地元の住民が九百七十三万円という金を出しているのが実情なんです。それだから、よけいに基準坪数補助金というものを改善をしたということになると思うのですけれども、それで、特に文部省として把握をしてもらいたいことは、一体起債については自治省のやることであって、地方でも、教育委員会補助金のほうは、やるけれども、起債地方課がやっていてあまりタッチもできないけれども、またタッチするという意欲的な面も非常に少ないということで、やはりその裏起債というか、起債について超過負担云々している自治省自身自分補助金起債をきちっとやらないということになれば、自分自分の言っていることと違ったことをやっていることになるわけで、こういう点についてはここでは数字的にお聞きをしませんけれども、どのくらい一体補助裏づけとしての起債割合であるのか、その不足したものについてどういう負担のしかたをしているかというようなことを十分把握をしてもらって、それについての改善をしてもらいたいと思うのですよ。こういうことについてひとつ関係局長からお話を聞くと同時に、文部大臣としてもそういう点についてどういう考えを持っておられるかお聞かせをいただきたいと思うのです。
  34. 天城勲

    政府委員天城勲君) 起債裏づけをどこまでやっているかという実態でございますけれども、私たちも、かねがね町村設置者負担が非常に重いということがいわれておりますし、補助金単価とか構造比率改善をはかると同時に、この起債充当率を少しでも高めるという点で自治省と強く交渉してまいったわけでございますけれども、去年とことしの関係を申しますと、私あるいは数字は正確でないかもしれませんけれども、去年で大体七五%ぐらいの充当率であったと思います。それで、ことしにつきましてもそういう問題がございますので、いろいろ話して、大体、ことしのパーセントでいきますと九〇%ぐらいの裏づけ改善されるような段階になってきております実情を御報告いたします。
  35. 中村梅吉

    ○国務大臣中村梅吉君) 御指摘のとおり、寄付金にたよるということは好ましくないことでございまして、われわれとしましては、政府の補助金と、それから補助額でない部分につきましては、少なくとも基準坪数基準規格のものをつくれば寄付金を仰がなくてもいいというような体制を確立せなきゃならないと思います。そういう意味で、文部省としましても、例年自治省起債のワクにつきましては、ただ地方にまかせておるのではなくて、文部省自身も自治省と折衝しまして、できるだけ地元負担がございます分については起債でまかなえるように努力を続けておる次第でございます。  なお、今後の方針といたしまして、少なくとも基準坪数基準規格のものを建設する場合においては、地元でさらにぜいたくなことを考えれば別でありますが、基準のものをつくる限りにおいては、補助金起債の金額でまかなえるようにいたすべきである、かように存じておりますので、今後とも引き続いて努力を重ねたいと思います。
  36. 松永忠二

    松永忠二君 局長にお聞きしますが、それだけ九〇%の起債充当率を実現をはかるということになれば、私はやはりその基準坪数内のものについては住民負担をかけてはいけないと、かけるべきではない、こういう指導はなさってもいいのではないかと思うのです。大体自治省との関係基準坪数内の起債分がこの程度の率が充当できたので、これに基づいて基準内のものについては住民負担をかけるような措置をしないようにせよと。これは地方財政法の法律できまっておることではありませんけれども、うっかりしていると起債自分地元でもってうまいぐあいにあんばいするというようなことはできないわけだけれども、現実面としてはそういうふうな面が起こっていて、起債充当率そのものについて実情は明確にしないで、住民負担にかけるような面が出てくる。だから、今年度については自治省との間に交渉して、大体充当率はこの程度であるので、基準坪数内のものについては住民負担をかけるということについては厳に慎しんでもらいたいという、こういう指導を的確にしてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。
  37. 天城勲

    政府委員天城勲君) 率直に申しまして、従来、屋体基準が生徒一人当たりということで、実態に即していなかった、かなり低かったということが一つの原因だと思います。したがいまして、ある意味では実質的にできております屋体実態はきわめて大規模のものもあるし、今度の基準考えましても、かなり、デラックスということばは当たらないかもしれませんけれども、規模の大きなものを建てるところも出てきておるような実情でございます。それはやはり基準がはっきりしていなかったということが一つの原因だと思いますので、今回お認めいただければ、この教育課程実施ということを前提に貫きました新しい基準を中心にして、単に建設だけではございませんで、運用上の問題、それからいまお話しのように、最小限これだけがありますればこういう活動ができるのだというような今度の基準考え方についても十分指導を徹底してまいり、いたずらな父兄負担その他の負担に拡大しないような措置を、私たちも、この基準ができますれば、かなり自信を持って指導できるのではないかと思っておりますので、御趣旨の点について考究したいと考えております。
  38. 松永忠二

    松永忠二君 その点についてはひとつぜひ、さっき申しましたように、改善というような面も考え合わせて、現実の尾内体操場を使用している状況等も勘案して、と同時に、いま言ったような点の指導等にひとつ的確を期していただきたい。そういうようなことを一応お願いをしておくわけです。  それから、資料に基づいて、二番目にそこに出ております「小中学校校舎整備に係る第二次五カ年計画の社会増、一般増別整備計画面積調」というのが出ておるわけですが、これは今度のこの計画は昭和三十九年度以降七カ年計画で実施をされたもの、これを基準にやられているようでありますが、昭和四十一年から五カ年計画で新たな計画が実施をされてきている。そこで、この計画については変更するという必要はないのかどうか。この場合に、新しい場合に、建設の予定の集団住宅というものをどういうように変更されてくるのか、この点についてはどういうふうな考え方文部省として持っておられるのか、お聞きをしたい。
  39. 天城勲

    政府委員天城勲君) お手元に提出いたしました資料にございますように、三十八年の時点におきまして調査いたした集団住宅、建設予定の集団住宅というものを前提に置きまして一応推定したわけでございますけれども、これは御案内のように、現実の事態はどんどん変化しておりますし、集団住宅という新しいベッドタウンの建設等が非常に当時と違った形で進んでおります。したがいまして、私たち年度もう一ぺん新しい実態調査をし直しまして、基礎数把握して、実態に即する学校建設の措置をとりたい、こう考えているわけでございまして、従来の基礎数字は実態に即さない点があることは私たちも承知いたしております。  なお、現在におきましても、特に社会増の関係で教室不足をもっております学校につきましては、執行上はできるだけ優先配分という方針をとっておるわけでございますし、また、御案内のように集団的な住宅が三百戸以上建設される場合に、一年半先の前向きの児童生徒数を基準とすることも認める措置をとっておるわけでございまして、社会増に伴う教室不足の措置については、全体として特に意を用いているのが実態でございます。
  40. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、六百七十万戸で政府施策で二百七十万戸をやるという際に、それに伴ういま言った建設予定集団住宅というものがどのくらいあって、これに伴う文部省学校というものはどういうふうになるという、そういう計画は、全国でただ六百七十万戸の中の政府施策二百七十万戸と、こういうふうなことになっているのですか。内容を少し調べてみると、この中には本年度あたりでも公団住宅などが明確に五万三千戸つくるということを、言っているわけですけれども、この政府施策は変更されて、そのためにここで予定をされておるような集団の住宅の建設予定というものは明確になっているのですかいないのですか。調べてみてまた検討というお話ですが、一体政府の住宅計画の中にはこういうこまかいところまできちっとなっているのですか。それはもう各省でかってにやらせるのですか。この点は文部省の責任だとばかり言いませんけれども、これは文部大臣は政府の国務大臣ですから、この点はどうなっておるのですか。
  41. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 調査のことでございますので、私からお答えさせていただきたいと思うのですが、この社会増の対策につきましては、三十九年からの第二次五カ年計画の発足にあたりまして、三十八年の五月一日に全国の各学校につきまして、一つ一つ学校につきまして一斉に調査いたしました。ただ、住宅の、建設省で印しております何百万戸というマクロ的な大ざっぱな数字では、学校の教室不足というものは出てきません。と申しますのは、個々の学校につきましては、全般的に見て全国的に児童生徒数が当時四十三年度を目ざして減少しつつある趨勢にあり、またこれは都市と農村部では非常に違うわけであります。それからまた、余裕のある教室においては、たとえ住宅ができても、既存の余裕教室に生徒は吸い込まれるという事情があります。でありますから、個々の実態に即して見ないと正確な数字は出てこないということでありまして、三十八年五月に正確な調査をいたしまして、その五カ年間にどの程度一体住宅が建つか、しかもそれは通学区域がふえてどの程度学校に配分されるであろうかという推計をとりまして、その推計につきましては、当時の過去三年に基づきまして、伸び率と同時に個々の学校について今後の住宅予定戸数をとりまして調査いたしたわけであります。その結果は、全体計画の数字に盛り込んでございます。これは一応全体を盛り込んでございます。その他、学校の増加、不足の関係につきましては、たとえば危険改築によって増築される分もある、学校統合によって通学が変わってくるものもある、そういうようなたくさんの要素もございますのですが、それらを盛り込みまして調査をいたしました結果、現行数字が成り立っているわけでございまして、なお、これは三十八年の五月一日の調査でありまして、すでにこれを経過すること三年になっておりますから、率直に申し上げまして、五年先の社会増の状況、住宅が幾ら建つかということは、だんだん年数がたつに従って不正確にならざるを得ないという実情があるわけでございます。そういう関係もございますので、ただいま局長が申しましたように、本年度中間調査を行なうことにいたしております。本年の五月一日をもちましてはたしてわれわれの見込んだとおりの住宅が、学校の児童数に影響を及ぼす住宅が建ったかどうか、そういうことを調査をいたしまして、必要量を見込む。  なお、過去の実績を申し上げますれば、各学校の建築というのは、市町村の申請をまって補助を行なうわけでございますけれども、その申請に対してはおおむね私どものほうでは補助をつけるように拘束されております。ただ、個々の市町村の場合をとって見ますれば、ことし一学級、来年二学級ふえるという場合に、最近の学校は大体鉄筋でございますから、一教室分づつ鉄筋をつくっていくという実情はあまりないわけでございまして、その経過的な期間はある程度すし詰めと申しますか、余裕の特別教室等を普通教室に振りかえて充足していって、ある程度たまってから建てるという現象があるものでございますから、そういう実情からいたしまして、過渡的に多少教室が不足しているところも出てくるというような実情でございます。  大体実情と過去の経過を申し上げました。
  42. 松永忠二

    松永忠二君 まあ私たちの気持ちからいえば、私ももう少し政府施策の住宅はこまかく内容づけができているものなのかどうか調べてみましたところが、ほとんどこれはできていない。ただ閣議決定、了解で総体の戸数だけがあって、内訳のこまかいものは全然まだないのだということを言われているわけです。それでは、そういうことについては少し無責任じゃないか。特にいま言ういろいろな計画を立てる上にも、そういうものをおよその見通しをつけておらないと他の問題にも影響してくると私たちも思うのです。これは文部省としては新たにまた調査をして出発をしていくということでありますから、そうなってくると、一体文部省の進めている公立文教施設整備の第二次五カ年計画というのはどういうことになるのですか。この第二次五カ年計画というのは、この中には屋内体操場も入っているわけですけれども、こういうものを含めて当然この第二次五カ年計画というものは改められていくのですか。そしてこの第二次五カ年計画というのは一体どの程度の重みをもって実施されているものなのか、ちょうどすし詰め解消のようなぐあいに相当の大きな力をもって進められているのか。やはりわれわれとしては、第二次計画というものは完全に実施をしてもらいたいと思っているわけなんですけれども、こういう点については計画を改めるのか。改めて、そのものについて国としてこれを実施をしていくという点についてどういう措置をとって完全実施をはかろうとしているのか。この二つの点をひとつ局長から聞かしていただきたいと思います。
  43. 天城勲

    政府委員天城勲君) 五カ年計画を立てまして、本年ちょうどその三年目に当たるわけでございまして、まん中まで来たわけでございます。  この計画についての考え方でございますけれども、きめた基本線はもちろんその趣旨を貫徹して五ヵ年間でやるわけでございますけれども、とにかく五カ年という期間の間にいろいろな実態の変化もございますし、それから改善すべき問題も出てまいりますので、そういう問題は逐次改善を加えてまいります。五カ年計画を変えるということばを私たちどう取るかによるのでございますけれども、基本的なものはこの五カ年間の計画はそのまま進めてまいりますけれども、五年の間に実態の変化、あるいは改善すべき点が改善を遂げられるならばそういうものはこの中に変更を加えていくと申しましょうか、しながら進めていくという考え方でございまして、やめるとか変えるとかいう意味ではない、改善を加えながら進めていく、こう御了解いただいたらと思うのでございます。
  44. 松永忠二

    松永忠二君 この五カ年計画の中には相当はっきり、社会増分については五十八万戸に伴う校舎不足約二十二万坪及びその社会増に伴う校舎不足二十九万坪というように明確になっている、内訳がですね。だから、もしこの基本数字を変えないというならば、このためにこれに追加をしなければできない坪数一体幾らなんだということをはっきりさせるということは、それはいかがですか。
  45. 天城勲

    政府委員天城勲君) いまの、社会増の点で御指摘がございましたけれども、三十八年の時点における推計見込みに基づいてやっているわけでございますが、いま三年目に立って、かなり実態が違うのじゃないかということもございますので、中間の調査をいたします。それによってこの数字が非常に食い違っておるということになりますれば、もちろんその問題は考えるわけでございますけれども、五カ年計画の中で消化できない点はさらに次の五カ年計画に持ち込むものもございましょうし、それからプラスしてこの中に織り込めるものは織り込んでいくという措置は、この進行の過程でいたしたいという考え方でございまして、基本的には、こういう事項について五カ年間にこの程度規模の整備をするという五カ年計画は、変える、そういうことにはならないと考えております。
  46. 松永忠二

    松永忠二君 それだけその五カ年計画に、まあある意味では、これはこれだけは必ずやるのだという気持ちだというお話ですが、これは一体どうなんですか、文部省内の一つの省内決定なんですか、それともやはり閣議了解というもので推進をしているのですか、この点はどういうことになっているのですか。
  47. 天城勲

    政府委員天城勲君) この全体の計画ないしは数字につきましては、閣議決定というような形では進んではおらないわけでございます。それから、実際のやり方といたしましては、この基本線にのっとって年々予算措置していくというやり方でございます。しかし、大体この基本線につきましては大蔵省も十分理解していただいておりますので、実績等ごらんいただきますればわかりますように、大体この五カ年計画のテンポでこの全体計画を消化してきているし、あと年度でこの全体がこなし得るのではないかと私たち考えております。
  48. 松永忠二

    松永忠二君 わかりましたが、その点は、一般の第二次五カ年計画の実施状況と不足坪数というようなものをいろいろ考えて、もっと予算をつけてほしいというような要望も出てきているわけで、その点ひとつ、この計画はやはり一面学級の生徒数の減少の計画と同じようにウエートをもって、これを文部省としても推進をしてもらいたいと思うわけであります。  そこで、私はいますぐいじるということについては、いまお話しのような基本線だとすれば、一体二百七十万戸政府施策の住宅をつくるというとのほうは閣議了解でやられている。そうなってくれば、こういうことに伴う変更のための予算増、いわゆる計画変更、計画増というものについても、やはり一回閣議できちっとしてもらって、責任を果たしてもらわないと、こっちのほうはきちっとやってもらっても、片方のほうはなかなか進まないということになると、当然この政府施策を実行するにあたって伴う社会増の従来の年次計画に加えなければできないものについては、基本の五カ年計画に伴う一つの影響なんですから、これはそういう方針で文部大臣としてもまあ今後機会を見て努力をしてもらいたいと私たちは思うのです。そうしないと、実際問題としてやはり当然不足数が出てくるという結果になると思う。この点はひとつ、文部大臣、特に要望したいと思うのですが、どうですか。
  49. 中村梅吉

    ○国務大臣中村梅吉君) 住宅計画は、長期計画を立てまして、閣議決定でやっておるようでございますが、これも住宅公団、公営住宅あるいは公社住宅、あるいは厚生省、労働省の資金を使ったものも何極熱かあるわけでございますので、これはどういうふうに分布されていくかということは、実際問題としては非常にむずかしいと思うのです。それともう一つは、社会増は、こういう政府施策の住宅計画のほかに、まあ大都市周辺におきましては個人住宅の社会増というもの、これは非常に見のがせない大きな問題だと思うのです。そこで、現在建設省中心に考えております住宅政策、今度新しくまた住宅計画というものが立てられましたから、これとも見合い、それから各府県の地元としてのどういう見込み方をするか、こういうこともにらみ合わせまして、本年ひとつ詳細な社会増についてわれわれの対策を立てるべき基本調査をやってみたいと、こういうわけでございまして、まあ住宅計画のように一つの計画だけでなしに、一般社会増のほうもありますから、私どもとしても閣議決定をして寸分動かないものにするということは、なかなかむずかしいと思うのです。しかしながら、できるだけ一つの方向はきめられておったほうがよろしいのでありますから、今年の基礎的なそういう調査を、各都道府県にも御協力願いましていたしました上で、御指摘のような点はひとつやれるならばやれるように考慮をしてみたいと思います。そうしてできるだけやっぱりこちらのほうも、一般の校舎増改築、新築のほかに、社会増に伴う学校施設の建設計画というものはきちんと持っていたほうが、まあかりに途中で状況の変化等によって修正をする場合があるとしても、やっぱり基本計画はあったほうがいいと思いますから、これはぜひ打ち立てていきたい。また、打ち立てて、今年の調査結果としてできれば閣議決定ということも御指摘のように考慮してみたい、こう思うわけです。
  50. 松永忠二

    松永忠二君 大臣は建設大臣もやられて、こういうほうは詳しいわけです。お話のように、民間の場合における一団地三十戸以上というようなことが、民間では予想できないで、またそれが追加する条件になってくるとか、そういう問題もあるわけですが、とにかく住宅の政府施策を決定する際に、やはりそういうことが論議される段階で、当然これは文部省のほうへもこういう形で反映をしてくるということははっきりしているわけです。そういう段階でこの程度のことについては考慮し考えてみてもらいたいというような、こういうふうな考え方でやってもらわなければできぬと思うのです、これは。それはこまかい調査調査をしなければできないけれども、考え方としては、ただ住宅をこれだけ建てるというだけの話でなしに、それは当然公立の文教施設にも計画的に反映をされてくるものなんだから、こういうことについて従来の五カ年計画に上積みされなければできないというような点については、やはり機会を見て明確にしていってもらわなければできないと考えるわけです。  そこで、住宅公団が一千戸以上建てた場合に、学校施設について一定の基準で建ててそれを譲渡するというこのやり方は、昭和三十二年以来行なわれているけれども、昭和三十九年以降において非常に基準が下がってきているということを行政管理庁あたりが指摘をしているわけですけれども、こういう点については、やはりあれ何ですか、文部省としてはこういうものについてやはり住宅公団の責任を果たさしていくというようなことについて強く交渉しているのですか、どうですか。これはいかがです。
  51. 天城勲

    政府委員天城勲君) 御指摘のように、住宅公団が一団地千戸以上建設する場合に学校も一緒につくるという方針がございます。この個々の場合に、住宅公団から文部省に、われわれのほうに協議がございまして、こういうケースが起きて学校つくるのだという相談がございますので、その機会にわれわれとしてもいろいろ学校建築上の全体のお話はしておりますし、措置はとっているわけでございまして、特に住宅公団側がつくる学校が、いま御指摘のように基準が変わったとかあるいは質が悪いというようなことがないように努力しているつもりでございますし、また、いまの御指摘の点については、実際について私も十分存じませんが、もちろん方向としてはそういうことのないように、公団側と十分連絡をとりながら進めてまいっておりますし、今度もそういうつもりでございます。
  52. 松永忠二

    松永忠二君 これ、昭和四十年の十二月ですからね。昨年の十二月に行政管理庁で、公団の予算不足のため昭和三十七年以降は設置基準を下回る建築しかなされていない、こういうふうに言っているのです。そういう点で、これについては特にきちっとしていただかなければできぬということを言っているのですが、どうなんですか、これは。
  53. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) ただいまのお話はこういうことであろうかと思います。私どものほうで社会増によりまして教室の必要量がどれだけ増加するかということを算定いたします基準といたしまして、団地の場合、戸数一戸につき小学生だと〇・四五人、中学生だと〇・二二人と算定することにいたしております。これで一般の場合はそうなっているわけでありますが、ただ、公団が実際に必要な学校を建設いたします場合におきまして、それを下回る事例のことをおっしゃっておるのだと思います。坪数がそれだけ出てこないじゃないかというのが私どもよく耳にしているところであります。私どもこのことにつきましては、建設省を通じましてたびたび申し入れをして、所定基準のとおりやっていきたいということを言っているのでございますが、実情としてその場合こういうことがあると思うわけであります。この〇・四五と〇・二二というものは、これはずいぶん前にきまりました基準でございまして、団地が全国に建ち始めたころにつくった基準でございますので、当時団地ができて何戸かの戸数が建つ場合、どれだけ生徒数がふえるものであろうかということが当時なかなかつかめなかった。そこで、その当時の実態を見まして、平均的にいま数字を出したわけでございます。それが現在まで続いているわけでございます。ところが、公団のほうは個々の団地ごとに入居者の実情によっていろいろ違うわけでございます。置かれている団地によって非常に若い層の入ってくるところと、もうすでに子供が生まれて小学校中学校に入ってくるような団地と違うものでございますから、余分に——まあ余分にということは少しおかしいのでございますが、まあゆったりするところもあれば、少し狭過ぎるというところも出てくるわけでございますから、公団のほうではすでに入居者がわかっているような場合、そこの子供が今度どれくらい通学者が出てくるだろうかということを計算いたしまして、この基準よりも下回ってつくるという場合があるようでございます。そういうような公団側のほうの立場からするところの回答があったというような状況でございます。
  54. 千葉千代世

    千葉千代世君 ちょっと関連。公団側としてはなるべく安くあげたいわけでしょう。ですから、そういう理由をつけるわけなんですけれども、やっぱり基準を下回っていくということで、そのこと自体に対して文部省のほうで少し指導してもらわないというと、それを口実にかなり下回っていくのが多いわけです。反対に、若い人が入るから少し大き目に実施しようと思っても、基準を越えた分を全部持たなければならないという実情になるわけでしょう、補助の対象にならないわけですから。そうすると、それがまたできにくいということになってしまいますから、やっぱりその点はいまのような伸縮自在というならば、基準を越えた場合にも将来を見通して、そして補助対象にするとか、何かしていきませんというと、公団の言うなりになっておったのではこれは解決しないと思うのですけれども。  それから、子供を生まない人が入るからというようなことを言っている。それはいまの公団の中で特に高いお金を払わなければならない、いわゆる高所得者が入っていくという層というのはごく少ないわけです。いまやはりそうじゃなくて、ことに勤労者全体の人が入るというふうになっておりますから、やっぱり想定が間違って、低く低く踏もうとするほうと、その辺のやっぱりかね合いを考えていただかなければならないと思うのですけれども、いかがでございますか、実情は。
  55. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) ただいま御質疑の点は、私ども十分そのとおりだと思うのでございまして、まあ今後ともその点につきましては公団側と接触を密にしていきたい、かように考えておるわけでございます。
  56. 千葉千代世

    千葉千代世君 今後もそうなんですが、いままで、たとえば私は団地の近くに——船橋はどんどん団地ができて、そして前原団地から習志野団地から高根台団地、何か何万戸という想定があって、これは医療上もたいへんだし、つまり保健上ですね。その関係から一番困るのは学校問題なわけです。それで、おかあさん方の関心、それからおとうさん方の関心は、やっぱり一番教育のことを最重点に考えていらっしゃるわけです。そういう意味で考えていった場合には、今後ということじゃなくて、現在調査していただいたら、私がここで百万べん言うよりもおわかりいただけると思うのです。たいへんな問題になっているわけです。
  57. 松永忠二

    松永忠二君 千葉委員の言われたような点で、せっかく自治省、大蔵省、文部省、建設省、四省の事務次官了解事項としてできたこれを、やっぱりかってに理屈をくっつけて破っていくというようなことはいかぬと思う。しかも、こうした政府の管理庁でさえもこれはいかぬと言っているんですから、こんなことを認めていく理由はないと思うのです。これが結果的に十分にいかなければどこへひっかかってくるかといえば、これはまた地元市町村、また住民負担ということにいくと思うのです。これは後ほどちょっと話に出ますんですが、校地取得の問題だとか含めて、やはりこれだけ現実に集団住宅がもうどんどんできていく状況の中に、これに対処してやはり計画を改めていく、そしてこれを、第二次計画を完全に実施させることが大事だからこの数字をいじらないというならば、そのプラスする数字としてのものをまた計画的につくって、そしてこれを政府施策としてやはり了解をしていくということをやってもらわないと、やはり予算もきちっとふやしていくということも非常にむずかしいのじゃないかと思う。ぜひひとつそういう点でお考えをいただいて、ただ言うだけでなくて実行していただきたいと思うのです。  なお、こういうことが出ておるのですが、これはどうなんですか。「急激な社会増の生ずる市町村に対しては、特別なワクを明示して国庫負担金を交付することや」ということがありますが、こういう点はどういうふうにお考えでしょうか。
  58. 天城勲

    政府委員天城勲君) いまの行管の御指摘は、社会増を別の項目に立てろという意味ではないかというふうに考えるのでございますが、予算編成上の問題でございますし、社会増については私たちも事態の急なことは十分認識しておりますし、弾力的な運用をいたしますので、特にそういうことをしなくてもいいのじゃないかというふうに現在のところは考えておるわけでございます。
  59. 松永忠二

    松永忠二君 それじゃ、その点は、いまお話しの出たような点を的確にして、ひとつできるだけ早い時期に一般も計画を立てて、いまの急激な変化に伴って従来文部省がやっておる第二次五カ年計画の不足するものは、当然これはやはり国も努力しなければできないという点をはっきりさしていただいて、ひとつ充実してもらいたい。私は、屋内体操場その他の問題だってこれと同じことだと思うので、この点もひとつ努力していただきたいと思うのです。  もう一つ、ここに校地の取得について資料をいただいたのですが、ここにやはり三十九年五月二日から四十年五月一日の買収費が百九億だと、これに見合うものは(2)のほうのどこに当たるんですか。
  60. 天城勲

    政府委員天城勲君) 上のほうは小中学校義務教育の分でございまして、下の起債分につきましては、義務教育以外のいわゆる非義務  幼稚園、高等学校の分も含めておりますので、この上の百九億は、この下のほうで申しますと、三十九年度の五十二億というものと見合うと申しますか、この年度の問題も入ってくると思います。
  61. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、百九億の買収費に見合うものとして許可総額が五十二億、こういうふうな数字だと思うのですね。そうすると、昭和四十年については一体校地買収費は推定どのくらいというふうに考えられるのですか。この上のほうの百九億に見合うものとして、その四十年に百二十二億の許可総額があるとすると、買収費としては一体今度はどのくらいに見合っていくものなのか。
  62. 天城勲

    政府委員天城勲君) これはちょっと推計が困難でございまして、やはり実態に即して四十年度の分をとらなければなりませんので、現時点においてはまだ私たち数字的に申し上げるだけの作業は進めておりません。これは非常に毎年の事情が違いますし、土地の単価も違っておりますので、もう少し時間をかけていただかないと、数字把握はできないわけであります。
  63. 松永忠二

    松永忠二君 まあこの校地取得計画については問題があるので、もう少しそういう点を的確に把握をしていただきたいと思うのです。  この百九億の中ですが、先行取得費というのは一体どのくらいになっておるのか。いま御承知のとおり、校地が非常に高くなるので、事前に校地は買っておかなければできないというようなことで、その買収費の中には相当先行して取得をする費用というものが含まれておると思うのですが、そういう点については何か調査したものがあるのですか。
  64. 天城勲

    政府委員天城勲君) いま資料を持ち合わせておりませんので、何ともお答えできないのでございますが、全体の調査で先行取得の分とそうでない分の仕分けができておりますかどうか、もう一ぺん役所に帰って、資料を精査した上でお答えさしていただきます。いまここでは資料がございません。
  65. 松永忠二

    松永忠二君 いま突然ですから、なかなかあれでしょうけれども、これはちょうどその昭和三十九年五月二日から四十年五月一日の分をやはり地方公共団体あたりが概数を出しているわけです。これはちょうど百九億に見合うものとして百十九億という数字を出している。この中で当年分の取得費として出ているのは六十九億で、先行取得費が五十億だと。約その半分ちょっとしたものを先行取得費として出しておるというふうに数字を出しているわけです。その中で、結局百十九億の中でいろいろな関係で処置ができているものが五十二億というような数字が出てきているので、まあこれもなかなか問題としては頭が一番痛いところなんで、もちろん団地についての校地取得についてはいろいろと政府もめんどうを見るという形をとっておるわけですけれども、一般的なものについてはなかなか困難である。文部省としては一体この校地の取得費というのをどういう方法で解決をしていくという、こういう考え方があるでしょうか。補助対象になるのかどうか、まずこの点についてはどうなんでしょうか。これはひとつお考えをちょっと聞かしてください。
  66. 天城勲

    政府委員天城勲君) 最近学校建築に関連いたしまして、校地の取得問題が関係公共団体で非常に大きな問題になっておりますことは、私たち関係者の会議のときにもよく出る問題でございますし、また実際においてもそういう実情を始終訴えられるわけでございます。特に社会増あるいは学校統合に際しましてそういう問題が顕著でございます。  これをどうするかということでございますが、もちろん方法としては、一つは国庫補助ということもたとえば考えられる方法でございますが、これにつきましてはわれわれもずいぶんいろいろの考え方を検討したわけでございますけれども、何しろ土地でございますので、単価が土地によって非常に違う。どういう基準で土地の単価をきめるということが補助金の場合に非常にむずかしい問題がございます。それで、その点につきましては私たちまだ成案を得ておりませんし、現在のところ補助金では必ずしも適切ではないんじゃないかという考え方をむしろとっておるわけでございまして、現在ではむしろ起債でやるほうが実態に即するんじゃないかと、起債のワクをできるだけ十分にとるということのほうが実態に即するのではないかというのを基本的な考え方にいたしておるわけでございます。
  67. 松永忠二

    松永忠二君 この点はどういうふうな考えを持っておるんですか。校地起債の単独起債項目を設けて、政府資金によってその財源措置をしていくほうがいいと、まあこれではかえってワクが非常に小さくなるから、むしろ交付債、縁故債のワクを拡大するほうがいいのじゃないかというような意見を持っておるわけなのですけれども、これは考え方をまとめて、一体いつ実行に移していけるんでしょう。少なくもまあ明年はこの問題については解決をしたいという、こう腹を固めておられるのか。まあ要望は多いけれども、むずかしいということなのか。こういう点についてはどういうふうなめどをもって解決していくという考え方を持っておられるのですか。
  68. 天城勲

    政府委員天城勲君) ただいま申し上げましたような考え方で、私たち起債措置していきたいと、こう考えております。  で、起債状況でございますけれども、まあ政府資金でいくか縁故債でいくかという問題がございますが、もちろん私たちとしてはできる限り低利の資金のほうがいいという考え方で、自治省とは政府資金の拡大を交渉いたしておるわけでございますけれども、これについてはやはり金額のワクがございますので、したがって、起債をこのワクで押えてしまうことも実際に即さないので、他の交付公債やら縁故債について起債のワクを広げているのが実情でございまして、今後におきましても起債のワクというものは実態に即して確保していきたいと考えておりますし、政府資金もできるだけその中で比率をふやしていきたい、こういう考え方自治省といつも交渉をいたしておるわけでございます。
  69. 松永忠二

    松永忠二君 一体、本年度起債のワクをどのくらいにしたいということで話し合いが進んでいるのですか。
  70. 天城勲

    政府委員天城勲君) いま自治省との段階でございますけれども、この資料にも記入してございますように、四十年度大体百億余の起債措置が、まあ四十年度に可能になっているわけでございまして、まあ縁故債につきましては大体実績に基づいてやっておるわけでございますが、私の承知している範囲では、縁故債では希望するところはほとんどこれ認められているはずでございますので、実績に基づいて措置されていると思います。問題は政府債のワクをどうするかということでございますが、現在特に社会増地域につきましてこの義務教育債のワク内でもって、これはまあ政府資金でございますが、政府資金、義務教育債でもって用地購入を含め得るようにいま話を進めておるわけでございます。数字的にはいま最終は幾らということには……。四十一年度としては四百十一億というのが一応義務教育債でございますが、この中にいま申し上げました川地購入費をまあ含めるということで話をしているわけでございます。  それから、用地費が幾らという形はちょっとわかりませんけれども、全体は四百十一億、この中に義務教育債の中に土地購入費も特に社会増地域については認める、こういう考え方自治省ときめておる段階でございます。
  71. 松永忠二

    松永忠二君 その四百十一億の中に用地費を含めるというのが、実はなかなか現実には、一体一つの理由になってきていると思うのですがね。そういうことが、たとえばその話の出ているように、単独起債項目にしたいという要望が出てきていると思うのです。実際には地方で政府債で起債を認めるなんということはほとんど不可能に近いのであって、いまお話しのように、社会増の場合には少しはめんどう見てくれるけれども、やはりこれについては、このごろは交付公債でやれやれという話が出ているようですけれども、交付公債というのはなかなか、借金ですから、実際にはなかなかむずかしいので、やっぱり政府の資金というものをめんどう見てもらうと、これもちようどいろいろなプールなんかの補助金と同じように、少しでも起債が出ていればそれだけでも結局まあ地元としては推進をするのに非常に楽になるわけで、全然だめだというのと、やはりそういう点について幾ぶんでも政府資金が回るということになれば非常にまあ実行ができると、こういう点まあいろいろ交渉することもあると思うんですが、こういう問題についてはぜひ考え方をまとめて、現実に増加をしていくという方向で努力してもらいたいと思うんですがね。この点はただ懸案になっているというだけでなくて、じゃどうするかということをきちっとして、ワクがふえてきたということを明確にしてほしいと思う。  最後に、もう一つ私お聞きしたいんですが、いま適正規模にするために、統合には補助金というのは出ているわけですね。ところが、非常に過大な学級を持っている学校が分離をしていこうというときには、全然これについてめんどうが見られないというのが現状だと思う。いま文部省で適正規模と言っているのは、小学校が九百人であり、中学校が六百人である。だから、これをとにかく適正な規模にしていくためには、過大なものを解消して、市町村負担をしながら適正にやっていこうという意欲でそうやっているものを、やっぱり何らか措置をしていくということは必要だというように私たち思うんですが、まず、一体過大学級というのは小学校中学校にどのくらいあるのか。もちろん、ここで九百人という標準の人数だけでしているわけではないけれども、私たちが知っている範囲では、都市のほうには非常な実は学級の過大な学校がある。中学校なんかひどい。私の県あたりでも二千人に近い生徒を持っているところがある。これはやはりどうしても分けていかなければ実はうまくいかないわけです。ところが、何にも補助金が出ないから、結局補助対象にはならない。校地を取得する費用も、さっきお話のとおりめんどうが見られない。そうなればどうなるかというと、学校の不足坪数を建て増しするということ以外に手はないということになる。そこで、これは統合も非常に大事なことであるが、適正なものにするために分離するものにも、やはりそこで考えていく措置をとっていって当然だと思うんですが、この点について一体過大学級を適正に分離しなければいけないというように考えている学校小中学校でどのくらいと把握されておるか、いま言った考え方について文部省としてはどういう考え方を持っているか、この二つの点をひとつお聞かせいただきたい。
  72. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 御質疑の第一点の、過大学級というのは大体どのくらいあるかという御質疑でございますが、数字的にはただいま資料を持ち合わせておりませんので、的確にお答えすることができませんので、もし必要があれば、あとから御報告申し上げますが、ただいまの学校統合の場合とは逆の、過大な学校を適正な規模にするためには一体どういうことになっておるかという御質疑のことでございますが、ごもっともな御質疑だと思うのでございますが、制度的に申しますと、国の負担対象としては、学校を分離するという場合につきましては、制度的に国庫負担の対象とするというたてまえにはなっていないわけであります。ただ、実際の運用といたしましては、ここ最近数年の間におきましては、すべて危険改築、老朽建物があるという場合に、その際に建てる場所を別に適当なところに求めて分離をする、あるいは校舎の不足があった場合に、他へ敷地を求めて分離をするという運用をしております。過大学校というのは新設の社会増地帯にはわりあいに少のうございまして、県庁所在地のような大都市の古い学校に非常に多いわけでございます。でございますから、そういう学校というのはたいてい多かれ少なかれ老朽建物というものを相当持っております。そういう学校を分離する際に、これをいわゆる老朽建物改築の補助対象とすることによって、その分離を進めておるという状況でございます。大体いままでの申請のあった分はそれでもっておおよそ措置されているという状況でございます。なお、しかし、それにまっ正面から当てはまらないものもございますので、今後これは制度的になお研究を進めていかなければならないと思っております。
  73. 松永忠二

    松永忠二君 これはもうそういう考え方ではとてもしかたがない。危険校舎があれば、危険校舎を改築するとか、あるいは不足があれば、それを敷地を求めてどうこうというような話ですが、これは制度的に考えることは無理なんですか。無理だというのは、どこの理屈で無理だというんですか。これはひとつ局長なり、考え方を聞かせてください。
  74. 天城勲

    政府委員天城勲君) 無理だというのは、現行ではそういうことを規定されていないので無理だということなんでございますけれども、そもそも教育の議論からいって、適正規模というものが想定されるならば、適正でないものを適正にしていくためにいろいろな措置が行なわれれば、必要な国の援助もするとか、応援もするという考え方で出ていると思うんでございますが、実は非常にその辺が実態に即して考えますと、たとえば新しい統合学校でも土地の関係でいわゆる適正規模を越えざるを得ない実態も出てくるんですね。非常に山間地あるいは地域の関係でもって一定の基準以上にまで学校を集めてしまわないと、二つにするには新しく土地が得られないというようなことで、その場合にも適正基準というものをいろいろ想定しましても、それ以上の新築も出てまいりますし、大きな学校を二つに分けるという教育上の問題もございますけれども、いままではむしろ小規模学校があまりにも多くて教育効果があがらないので、適正な規模にこれをまとめていったほうがいいんじゃないかという考え方で、それを促進するという意味で統合という補助金の項目ができてきたわけでございまして、過大学級の解消ということがまた特に全体の問題として大きく出てまいりますれば、それは新しい問題として取り上げられると思うんでございますが、特に不都合ということは現行法で想定していないということでございまして、教育的にそれが不都合でいかぬという問題ではないと考えておるわけでございます。
  75. 松永忠二

    松永忠二君 それは少し考え方が違います。私は教育上、小学校中学校で、もうこれ以上、この程度学校では教育がもう不可能だというような学校を、たとえば小学校九百人、中学校六百人にせよと言っているんじゃないんです。やはり基本調査をやられてみれば、当然都市の学校でこの程度の人数のところはもう二つに分けなければ教育はできないじゃないか。中学校の生徒あたりが千五、六百人もいて、そうしてそこで教育をやっているということは、やむを得ずやっているということであって、これはもういいと思ってやっているわけじゃないんですね。だから、さっき申しましたのは、一体過大学級というものが調べてあって、どうもこれだけのものは、この学校だけは何とか処置をしなければできないという、こういう考え方があって、そういう数字を的確につかんでいて、そうしてこれを解消していくために、補助対象にならないものを補助にしていく必要があるというふうに考え法律を整備をされていくということは、私は当然なことだと思います。だから、このことについてはもっとやっぱり積極的に考えていっていいのじゃないか。もちろん、全体として小さいものを一つ規模に集めるというためにそういうものが出てきたことも事実だけれども、いまやまた逆に、さっき話したとおり、分けたくても補助もなんにもくれない、校地もなんにもめんどう見てくれない、みんな自分でやらなきゃできないから、どうしてもやれないということで、だんだん大きくなってしまって、そしてやっているところは、私の知っているところあたりでも、もう校長さん一人ではやれないわけなんですね。一学年十何学級もあって、もうすでにその学年主任が一つ学校の校長のようなものですよ。で、この人たちに特別に運用させるためには、よく調べてみると、いわゆる対策費というものもやらなきゃできぬほど学年を把握するのが困難になってきているわけです。だから、適当な対策の費用もやって、それで学年の統一をはかっていくわけです。これも実は地元教育委員会あたりも困っているわけだけれども、いかんせん、なんにも補助金が出なくちゃこれは手はつけられぬということでいるわけなんです。  だから、私はもっと、教育的にもうここは二つに分けなきゃできぬという学校は、一体日本全国にどのくらいあるのか、これを分けるについては、じゃ行政措置で必ず補助もつけてやるとか、あるいは法律的にこれを整備をしていくということをやっていかなければ、統合ばかり奨励するというのも私はわからないんですよ。統合というのは適正な規模にするために教育的な見地からやることであって、反対に、教育的立場から分離を必要とする学校が当然出てくるのであって、適正規模に配置するための補助というものがあって、その中に統合と分離と二つあるという性格のものだと思うんです。これについてはもっと積極的な姿勢を持ってもらわなきゃできない。こういう点については、大臣、どうなんですか。
  76. 中村梅吉

    ○国務大臣中村梅吉君) お話伺っておって、まことにごもっともに思います。そこで、従来は、大規模学校で適正規模でないというようなものは、大体歴史の古い学校で危険校舎を伴っておる。そこで、運用上、危険校舎の改築ということで分けて別の地点に別の学校をつくる、これに対する助成の道を講じてきた、これでまあさばけておると思っておりましたが、なるほどお話承れば、全部が運用だけで解決できるものだけじゃないと思います。運用では解決のできないものもあろうと思いますから、そういう点、ひとつ実情調査させまして私どもとしましても、統合の問題と類似な考え方で研究をする必要のある問題だと思いますから、ひとつ今後研究をいたしたいと思います。
  77. 松永忠二

    松永忠二君 まあ研究をしてくださることもけっこうですけれども、やはりそれを実現をしてもらわなきゃできぬと思うんですよ、これは。それから、理屈が違っているなら違っていると教えていただいて、そんな要求はだめだというならそれもいい。しかし、私たちはどう考えてみても理屈が通っているし、当然やっぱりやるべきことだと、これは教育という立場からいってもう全く統合と同じ性格のものだから、数字をどこで押えるということにはいろいろ議論があるとしても、やはりこれはきちっと制度化してもらわなきゃだめだということ。  で、危険校舎がどうのこうのというお話ですけれども、そんなに危険校舎ばかりがあるところもありません。不足坪数がどうこうと言ったって、不足坪数は、分けてしまえば不足坪数は出てこないんですからね、なかなか。こういう点もある。  で、これとやや似たようなものに、実は小中学校一つにしている学校があるわけなんですよ。これは当時六・三制の出発の当初から財政的に非常に困難であったために、小中学校を同じ学校に置いて、運動場も同じように使わせてやっている学校があるのです。これはもうだんだん進んできたので、小中分離をして中学校としての独自の教育をやっていきたいと、こういう積極的な意欲で分離を考えているところもあるわけです。これまた現状では手がつけられないんですよ。  まあ文部省としてはそういう中でいろいろくふうをして補助できる理由を発見するために努力はしているようでありますけれども、実際のところ法律的なあれがないんで、どうにもならない。教育的にはもうどうにもならないんで、運動場を広げようと思えば、運動場広げるのには金は一銭もくれない。不足坪数が出てくるかというと、学校の中のいま建ってあるものは不足坪数はないのですから、不足坪数はどこにも出てこないというようなことで、これなども、私は初中局あたりでも調べておると思うのですが、やはり統合けっこうですよ。統合けっこうですけれども、統合には何もかもいろんな措置がされているのに、やはり同じような、小中分離をして適正な教育を行なっていこうという、こういうものについても調査をしておいていただいて、これもやはり教育の向上をはかるために、同じところに小中学校があって、学校の敷地を境をして運動をさせるというような、その学校もその地域の教育委員会もこれはもうまずいと思っていても、いかんせん、何らの措置がないから手をつけられない。まあまああとにしちまうということになってくるわけで、この点もあわせて……。  まず基礎的な調査が、私は少し整理をしていただけば、現在の調査で出てきているわけだから、その上に立って、このところ、こういうところと、さっきのお話を聞くとずいぶんこまかい調査もやってきたようなので、学校に当たって調査をしていけば、この県の中でこの程度学校数は対象にしなければならない、この程度小中学校を併合したら適正なものができるというものを出してもらって、そうして一度に解消することは無理だとしても、そういうものが計画的に解消していく、そうしていける法律的な根拠というものを与えてもらいたいと思うのですよ、行政措置ということじゃなくて。やはり法律的な根拠を与えてもらって、それでそれを適正に運用をしていってもらいたいと思うのですが、最後に一つ局長に、当面仕事を進める上において、この問題についてのひとつ決意をお聞かせ願いたいと思います。
  78. 天城勲

    政府委員天城勲君) 御指摘の、適正規模を進めるために統合も分離も同じ問題ではないかという御指摘、私も全く同感でございます。先ほど私申し上げたのは、現行法で、何と申しますか、いまやりくりしている実態が頭にあるものでございますので、若干もたもたした答弁を申し上げてたいへん恐縮でございましたけれども、そのこと自体は十分認識しております。現実法律的にその根拠のないことも御指摘のとおりなんでございますが、実態がゆるがせにできないということで、可能な範囲で実態に即応する措置をしていることを申し上げたわけでございますので、将来の問題として十分この点実態把握し検討させていただきたいと思います。
  79. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 先ほど御質疑の中で数字についてお答えを保留いたしましたが、いわゆる過大学級の数は幾らあるかということでございますが、どの程度から過大学級というかということについてはいろいろ意見があると思いますが、一応四十学級以上をとりますと、三十九年の五月の調査で、小学校が百七十四、中学校も、これは偶然に一致しまして百七十四となっております。かりに三十学級以上だとするならば、小のほうは千五十二、中のほうは七百九十八であることになっております。
  80. 松永忠二

    松永忠二君 いまこまかい数字が出ましたが、数字が少なければ少ないほど私はできると思うのですよ。多ければ多いで、またその計画をすることはできるので、やはり少なければ、もうそれのために要する費用というものはある程度めどがつくわけだから、これはやはり現実裏づけをつくる。ただくふうをしているというだけじゃなしに、そう言ってくれれば、みんな一生懸命そういう点については努力をするわけですからね。これはやはりいま言ったような方針で、ひとつ大臣局長も努力をしてもらう。午前中はこれで終わります。
  81. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 午前中の委員会はこの程度とし、午後一時二十分に再開いたします。  暫時休憩をいたします。    午後零時二十一分休憩     —————————————    午後一時三十九分開会
  82. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  教育、文化及び学術に関する調査中、社会教育に関する件を議題といたします。  質疑のあるお方は順次御発言を願います。  なお、政府側より中村文部大臣、官地社会教育局長が出席しておられます。
  83. 鈴木力

    ○鈴木力君 だいぶ時間がないそうですので、簡単に伺いますが、この社会教育という分野は非常に範囲が広いので、なかなかまとまりがあるようでまとまりがないようで、文部当局としても非常に苦労をなさっていらっしゃることはよくわかります。私どもとしても、どこをどうやるかということについては非常に問題が多過ぎると思うのですが、そのうちの、社会教育一つの柱だとも思いますけれども、社会教育の対象になっておる団体について若干伺いたいと思うのです。  現在いろいろ社会教育の対象になっている団体の動きの中に、いろいろな方向を持っておったり、あるいはいろいろな性格を持っておったり、戦後の社会教育制度が始まってから今日までにずいぶんいろいろと変わってきておると思うのです。そこで、ちょっと伺いたいのですけれども、文部省社会教育の対象として今日ある団体をどうとらえていらっしゃるのか、そしてその団体に対する指導方針が現在どうなっておるのか、まずその点を伺いたいと思います。
  84. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) ただいまお説のとおり、社会教育の団体という前の、いわゆる社会教育とは何であるかということにつきましては、これは社会教育法に定義がしてございますが、「「社会教育」とは、学校教育法に基き、学校教育課程として行なわれる教育活動を除き……主として青少年及び成人に対して行われる組織的な活動をいう。」というふうに定義がなされております。それから、社会教育法の三章関係社会教育関係団体というものが定義されております。それは社会教育法の十条に「法人であると否とを問わず公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。」という定義がしてございます。で、もちろん法人であろうとなかろうとかまわない。しかも、学校教育以外の組織的な教育社会教育であるといったような前提でございますので、どこからどこまでが社会教育関係団体で、そうでないものは限界はどこかとあまり厳密に申しましても、実態がいろいろございますので、なかなかむずかしいわけでございますが、私どもが社会教育行政を推進してまいります場合に、一応少年団あるいは青年団体あるいは婦人団体——成人だけの社会教育団体というのはこれはほとんど皆無でございますが、いま申しましたような青少年の団体、婦人の団体、こういったようなものがございます。  その数はきわめて多うございまして、私のほうが都道府県等にお願いしまして調査いたしました結果によりますと、たとえば婦人の団体だけについて見ましても、三万余りも全国で団体がございますし、その会員も千百三十万以上と、こういうふうに婦人だけにつきましてもきわめて多うございます。で、その内容も、町なり、村の中の部落単位のものもございますし、町単位のものもあるということで、きわめてその内容はまちまちでございます。  したがいまして、こういうものに対する文部省の指導面はどういうことになっておるかということでございますが、これは人に教育をいたします場合、やはり学校で申しますれば年齢とか性別等に応じてある程度の特色を持たせてやるのが教育上効果的でございますが、このようにきわめてバラエティーに富んでおります社会教育関係団体でございますので、基本的には、私どもといたしましては、社会教育関係団体は要するに公の支配に属しない団体でございますので、これに対して助長行政と申しましょうか、指導をいたします場合も、干渉がましいこと、ましてやこれを不当に圧迫するとかいったようなことはないように、夢にもそういうことのないような、そうして助長をしていくというような考え方で指導いたしております。
  85. 鈴木力

    ○鈴木力君 大体いまの御趣旨はわかるのですけれども、最近特に青年団体にしても婦人団体にしても、きょうは時間がないのでどこのというような、あるいは数字についてもあまり問題にしないようにして、傾向としてだけ伺いたいのですが、たとえばある村の青年団体が一つにまとまっていないで二つないし三つにこう分かれていくという傾向が出ている。これは婦人団体にもそういう傾向が出ているという話を聞いておる。そういうように社会教育の団体が、これはまあ地域的に広くて、地域別に分かれていくということについては一向問題がないと思いますけれども、そうではなしに、一つの団体が性格的にといいますか、グループ的にやや分かれていくという傾向が出ておる。その傾向が、たとえば公の機関が、県なら県の教育委員会なりあるいは市町村教育委員会なりが社会教育面としての助長なり育成なり援助なりをする場合に非常に困難な条件が出ているということもいろいろ聞いておるのです。そういう傾向についての具体的な問題等があるならそういうことも伺いたいし、具体的なものがなければ、そういう傾向があるということについて文部省はどういうふうに把握しているのか、そういう角度でひとつお答えいただきたいと思います。
  86. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) もともとこの社会教育関係団体は、いわゆる社団、財団のような公益法人でございますと、その限りにおいて認可庁としての役所との関係が生じますが、いわゆるこういう公の支配に属しない任意団体でございますと、はっきりした役所とその団体との関係が厳密に生じないというふうに一般的に考えられます。したがいまして、私のほうとしましても、一、二いま御指摘のような例が青年団等にあるようでございます。いわゆる一つの青年団に対して何となく考え方が違うと申しましょうか、そういうことで、県団あたりが二つに割れるとかいったような事例を一、二聞いてはおります。しかし、そういう程度でございまして、十分な報告義務がそういう団体にもございませんが、県の課長さん方からそういうことを耳にいたしておることはございます。
  87. 鈴木力

    ○鈴木力君 もう少しそれでは具体的に伺いたいのですが、いまの局長の御答弁に関する限りは、青年の団体なら青年の団体がどういう行動——どういうというと少しことばが適切じゃないのですけれども、たとえば集まって研究なり学習なりをするわけです。その学習の内容や、あるいは研究の内容や、あるいは一つ行事を持つわけですね。そういう行事を持つというような中身のいかんを問わず、文部省の態度としては、これをやはり社会教育の対象団体として平等に扱って、平等にこれを助成していく方針を持っていらっしゃるのかどうか、まずその点をお答えいただきたい。
  88. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 助成という考え方の場合に、精神的な面で助長をはかっていくという場合と、いわゆる助成と申しまするか、国が補助金を出すという場合とは、二つに分けて考える必要があろうかと思います。したがいまして、一般的に指導助長していくということであれば同じだと思います。ただ、それでは具体的に補助金を出すかどうかという場合には、やはりこれは国の補助金でございますので、それに関する法律もございますし、また補助金の金額も限定がございますので、補助対象事業としてその団体が行なっておる事業が適切であるかどうか、しかも同じように適切であっても、その濃度なり緊急度なりといったようなことで、助成は実際問題として行なわれております。
  89. 鈴木力

    ○鈴木力君 そのいまの補助対象にしている団体をここであげていただければ……。全部でなくてもいいですけれども。
  90. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 大体、私どものほうとしましては、市町村単位の団体にまではちょっと手が及びませんので、国といたしましては、各県団体と申しますか、県単位の青年団体を一応対象にいたしておりますが、昨年度は四十六府県のうち約三十県の団体に助成金が行っておるようでございます。
  91. 鈴木力

    ○鈴木力君 三十県は補助対象になっておって他の十六県が補助対象にならなかったのは、どういう事情なのか、そこを承りたい。
  92. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これはいわゆる社会教育関係団体への補助金というのは、この社会教育法を改正するときにもきわめて憲法上の問題で質疑が行なわれた過去がございますが、いわゆる公の支配に属しない教育そのものに補助金を出すということは憲法に触れる、しかし社会教育そのものではなくて社会教育に関するものには補助金が出せるといったようなことでございますので、教育そのものをおやりになると、それが幾らそばから見てよくても補助金が出せないわけです。ところが、それに関する事業で大会等を開きます場合のパンフレットのようなものであるとか会場の借料とかいったようなことで、法律的に補助金が出せるものと出せないもの、こういうものがございます。それと、なぜ出せないかといいますのは、補助対象事業としていま申しましたようなものに該当するものを申請されても、これは出せない。それから、その補助金は申請して初めて交付するわけですが、申請をしてこられない団体もございます。そういったようなことで、大体十数県には行っていないようでございます。
  93. 鈴木力

    ○鈴木力君 そうすると、この十数県には、これは申請してこなかったから補助金を出さなかった、それからまた、申請はしたけれども、いまのようにいい教育はやっておっても、パンフレットとか会場、そういう行事を持たなかったから補助金を出さなかった、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  94. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 個々の一つずつを、実は十何県申し上げればいいのですけれども、大体の点ではいま先生のおっしゃるとおりでございます。
  95. 鈴木力

    ○鈴木力君 これは時間がないのでお聞きしにくいのですが、その原則的な傾向は一応それだけにしておきましょう。あとで機会があったら、もう少し詳しく伺います。  それで、あとの精神的な助成のほうです。具体的に申し上げますと、三月の何日ですか、いわゆる日青協——日本青年団協議会ですか、日青協が東京で全国青年問題研究集会という集会を開いておるわけですね。この団体から文部省に、研究集会に、これはもう補助や助成ということじゃないわけですが、いわゆる社会教育の対象となっておる団体の協議会の協議会として後援を要請をしてきたことがあるはずですけれども、ところが、私が聞いておる限りにおいては、後援は要請したけれども文部省のほうからは後援を断わられた。それから、他の農林省、通産省、あるいは公明選挙連盟その他の団体は、後援団体には入っておる。そういうことを聞いておりますけれども、事実かどうか伺いたいし、もし事実とすれば、文部省が後援 団体に入らなかったその理由を伺いたいと思う。
  96. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 御指摘の点につきましては、日本青年団協議会の会長の矢野茂文さんから文部省あてに、二月二十一日に文部省の後援名義使用願いが出ております。私のほうはこれを後援をいたしませんでした。  その理由でございますが、まあ多少話の行き違いもあったようでございますが、そのときに申請書を持ってこられたのをここに手元に持ってきておりますが、そこの中にいろいろの研究課題が——青年問題研究集会要項というのがございまして、いろいろな研究テーマ等がございますが、そこの中に、「後期中等教育と人間像」という部門と、「青年団の主体性の問題」といった特別分科会の事項がございます。で、そこを読んでみますと、その後期中等教育の整備拡充についての中教審の中間発表が用意されておると。で、「このように、低賃金若年労働力をひろく必要とする経済の要請に従って、政府は青年の教育や学習活動についての大幅な再編成を急いでいる。」云々といったようなことで特別分科会をやるようになっております。それから、「青年団の主体性の問題」のところでも、「青年団に対する補助金、団活動に対する行政からの干渉など」云々といったようなことで、まあ分科会の中でそういったようなことがございますので、私のほうの課長が、後期中等教育と人間像の分科会をやるのはいいけれども、それは一方的に、ここに書いておるような、低賃金若年労働力を必要とするといった経済の要請から青年の教育を再編成するというような意図でやっておるんではないんだと。要するに教育の機会均等あるいは中学校以上の後期中等教育について、わが国の国民として、社会の形成者として心身ともに健康なりっぱな人間をつくるには、どういう中等教育がいいであろうかという観点からやっておるのであって、君らが言うようなこういう一方的な考えから分科会をしたんでは、ちょっとまあ、するのは自由だけれども、そういう中教審で検討されたり文部省でやっているのは、君らが前提として独断的に言っておるような意図ではないんだということを話したようでございます。しかし、これの修正がなされなかったので、やはりこういう研究会を後援します以上、その研究会でやられることが文部省としてもけっこうだという前提で後援するわけですから、それでは、まあそういった点で遺憾ながら後援はできないということを課長から申し渡したのが真相でございます。
  97. 鈴木力

    ○鈴木力君 そうしますと、さっき局長のおっしゃった精神的な助成をするという場合に社会教育の対象団体となっている青年団体は、婦人団体もありますね、その団体は公の支配を受けない団体を対象としているのがたてまえであるから、したがってその団体が研究をする中身や、それからあるいは行事を持つ、そういうことについては一切干渉しない、こういう局長の先ほどの答弁と、それからいまの具体的に起こった問題とが、これは文部省としては趣旨が一貫していると思っていらっしゃるのか。
  98. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これは私のほうは、そういう一方的であってもよいから自分でおやりになるのはどうぞおやりなさいと。ただ、文部省が後援名義を与えて、文部省もその方向がよしとして後援をする、そういう中身であったら、ちょっとこれは君らの考えは違うんではないかということを申しましたので、何も文部省の後援名義なしにどのようなことをおやりになろうと、私のほうは何も申す必要はございません。
  99. 鈴木力

    ○鈴木力君 もう少し伺いますが、その要項に書いてあることを、一体文部省は、いまの青年の団体にしても婦人の団体にしても、この種の会はこれは伝達講習会ではないのですから、全国の青年の問題研究会ですからね、そうしますと、しかも分科会というのはずいぶんたくさんあるのですね。私も調べてみたところによりますと、大きく分けて分科会が五つですか、それがまた小さな柱にずっと入っております。その中の二つがいわば気に食わないからということなんですが、そういう問題提起をされておることが文部省の意に満たない場合には後援団体にはならないと、そういうことが、公の支配に属さない団体の皆さんの学習なり研究なりによって伸びていくことを助成をするのだという言い方と、どうしても私は一致しているとは思われないのです。特にこの種の問題提起はいろいろあろうと思います。事実いま局長がお読みになったような説を唱えている人もいるのですから。その場合に、全国の青年が集まってきて、それが正しいか正しくないかという議論をするのですから、それを好ましくないという言い方は、これはちょっと私どもは納得ができないのですけれども、その辺についてもう少し伺いたのです。
  100. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これは先生よくお読みいただけばおわかりいただくと思うのですが、一方的にそういう特別委員会、たとえば若年労働力の再編成といったような意味で後期中等教育をしようとしておる、だからわれわれはそういうことに対してどう対処すべきかと、そういう問題提起というよりも、そういう考えで特別分科会をやるというふうになっているわけなんです。ですから、そうじゃなくて、低賃金労働力を必要とするという見地からの再編成だという考えもあるし、また文部省が言うようにそうではないという考えもある、ついてはそういうことについてお互いに特別分科会で協議しましょうというような中身になっておれば、私のほうはそれでいいと思うのです。ところが、そうじゃないんで、一方的にこうだといってのそういう分科会だと、ちょっと文部省ではこういう趣旨じゃないのですよという注意といいますか、指導ですかしましても、いや、これは直さないんだと、ともかく文部省は後援してくれればいいんだとおっしゃられますので、その点は何も干渉ではないと思うのですが、やはり主催ではなく後援にしましても、やはりそういう前提で討議されるのがよいというふうにこっちも考えれば後援すべきだと思いますが、全然文部省のほうではそういう意図は毛頭ないのに、そういう前提を置いて討議される、それをしも後援しなければならないという理屈にはならないのじゃないかという気がいたしましたので、後援いたしませんでした。
  101. 鈴木力

    ○鈴木力君 よくお読みになればおわかりと思いますがという前提は取り消してもらいたい。おまえは読まないでかってなことを言っているのじゃないかという前提で答弁されるなら、これは非常に私も困るのです。
  102. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 失礼いたしました。私のことばが足りないのでそのような誤解を受けまして、全文ずっと読めばよかったのですが、かいつまんで読みましたので、もし誤解がございましたら、訂正さしていただきます。
  103. 鈴木力

    ○鈴木力君 それでいいのですが、今度はよく聞いてお返事をいただきたいわけです。  私がさっき質問したのは、日青協のそれに書いてある中身がどうかということの議論じゃなくて、文部省の方針と違った議論をする団体は、文部省社会教育対象団体として認めて、それをさらに研究なんかを期待していくのか、あるいはそこでつぶそうとするのか、そのどっちかということを聞いているわけなんです。
  104. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これは意見の相違というのは個人的にもあることですから、だからといって、すぐつぶすとか、あるいは社会教育関係団体として認めないとかというべきものではなかろうと思います。ただ文部省の意見に従わないというような受け取り方ですとちょっとぐあいが悪いのですが、中教審で検討されているのも、そういう意図ではないのですよということ、そういうことも一つの指導だと思いますが、そういうことでわかっていただければ幸いですし、それがわからなくて、それは文部省でかってなことを言うので、自分らはこのように解するとおっしゃるなら、おっしゃってもいいと思います。ですが、だからといって、これはもう文部省は全然こういう団体に見向かないのだというようなことは、私どもとしては考えておりません。ただ、後援名義を出すとか、あるいはまた私どもが適当と思うような助成対象にならないと思えば助成補助金を出さぬとか、あるいは後援名義を出さないということはございましても、やはりそういう社会教育関係団体を見捨てないで、できる限りいい方向へ指導していくということは文部省の責任であろうかと思います。
  105. 鈴木力

    ○鈴木力君 そこで、もう少し伺いたい。それはいま局長は、文部省の方針と違ったことを言っている団体であるから、これはもう後援をする必要がない、ただしそっちが、青年団が独自の行動としてやるのはかってだ、こういう趣旨の局長の答弁だと思うのですが、ところが、私が伺いたいのは、社会教育対象団体として日青協は認める、つぶそうということは全然考えないけれども、文部省で言っている方針との違った中身の研究をしたりあるいは学習をしたりする団体、しかもその団体ということでもないのですね、十数項目にわたる分科会のうちの二つが文部省の気に食わなかったわけです。あとはあまりたいした問題にもならなかったわけです。一つといえども二つといえども、文部省の方針と違うことを議論する団体は、補助の対象にはしないのだ、それはあたりまえだ、こうおっしゃるわけです。  ところが、社会教育の対象になっている団体としていまやってきているときに、私がさきに言いました青年団体にしても婦人団体にしても、最近は二つとか三つに分かれていく傾向がある、その分かれていく傾向の中に、これは文部省がとは直接言いませんけれども、各県の社会教育団体を扱っているセクションでもそういうことがあるから、そういたしますと、いままで文部省の後援の対象になってきた団体が、ことしはこれが理由で対象にならなかったということで、何か野党的な扱いを受けてみたり、自由な研究の場というものから一つのワクというのが文部省から示されたということになるわけです。このワクで議論をする、このワクで学習するものには、これは後援もしましょう、このワクをはずれたものには後援はしません、これを文部省がはっきり示したことになるわけです。そういうことが市町村に  そうすると、いまの日青協につながっていると、文部省が後援にならないような団体、下部機関になるから、県も公認はされなくなる、いわば非公認みたいな日陰者扱いになってきて、そうして青年の団体がだんだん分かれていき、一方は暗い方向に押しやられてきている、こういう傾向がそこから生まれておると私どもは見ておるわけです。そういう点についての文部省の見解をもう少し承りたい。
  106. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これはいまその団体がいろいろ事業をいたします場合に、ある事業は後援するとか、あるいはある事業は共同で主催をするとか、ある事業は何にも関係しないとかいうことは現実にございます。この日本青年団協議会にしましても、文部省が、これは主として体育関係ですが、体育局と社会局が一緒になりまして、この日青協と秋に青年大会をいたしておりますが、あれは共同主催でございます。したがって、一番卑近な例をとりますれば、この研究集会のほうは後援しませんでしたが、青年大会のほうは後援ではなくて一緒に共同主催をしておるというようなことでございまして、やはり後援とか共同主催とか申しますと、その難業事業で、もうこのように一度ある事業に後援しなかった団体には、もう絶対に後援も共同主催もしないのだというようなことは、私のほうは考えておりません。  それと、文部省の気に食わなかったことを十のうち一つ二つやる、それをあまり目がしら立ててどうこう言うような意味でございましたら、決してそうではございませんので、考え方として二つの考え方がある場合に、こういう考え方もある、ああいう考え方もあるというのならよろしいのですが、大臣以下文部省として、あるいは中教審として、一生懸命になって後期中等教育のことを検討しておるやさきに、その文部省がやっておる後期中等教育は低賃金若年労働力の再編成のためにやっておるのだと、そういう前提を置かれますと、それは違うのですよと言いたくなったということでございます。ですから、そこのところはひとつ御了承いただきたいと思います。
  107. 鈴木力

    ○鈴木力君 よくお読みになればという話がありますがね、もちろん定義の柱にはそういう文句が出ておる。ところが、これの案内には、地域の問題を青年の立場から自由に討論をして、いまの青年が何を考えているのか、そういう議論を出す集会だという案内になっておるわけです。  それから、もう一つ、どうもこれは局長に話を広げられて、時間がなくて非常に困っておるのですが、いまの議論をもう少し進めますと、いまの青年が後期中等教育の方針なり考え方なりにどういう気持ちになっているのかということを、もう少し文部省がくみ上げてもらわないと、そういう話だけをされるということがむしろ多少一方的だと言いたいくらいの気持ちになるのです。それは私が言うまでもない、局長のほうが社会教育の専門セクションですからおわかりのとおり、いまの青年団体の、特に地域における青年団体の主要な構成メンバーには、最近は高等学校に入った者ももちろんおります。高等学校に入った者もおるけれども、どこの団体よりも進学の過程からいうと非常に低い居ですね。そうして定時制とか、通信教育とかあるいは青年学級とか、そういうところで真剣に、学んでおる人たちがむしろリーダーになって地域で学習をしておる。その場合に、たとえば一人当たりの国で出す教育費、青少年に対する教育費が幾らか、こういうことを考えてみても、大学が一人当たり幾らだ、全日制の高校は幾らだ、青年学級やそういう全日制の高校に行けなかった青年には一人当たり幾らか、そういう数字まで青年の人たち考えておって、しかも、そういう教育計画には、そういう立場からはそれなりの不満を持っておるわけなんです。ですから、それなりの不満を持っているところから全国的に問題を出して、それは文部省考えと違うかもしれぬ、青年の考えですから。それが全国的に議論をしようとするのを、いままで後援してきたものが後援しなかった。このことは社会教育の対象団体としては決して局長が言うようには受け取れないということなんです。だから、各地域でいま問題になっておる。  そこで、もう時間がないので、その次もう少し伺いたいのですがね、局長はいまこの研究会は後援団体にはならなかった、しかし秋の青年大会には共同主催をするとおっしゃる、非常にりっぱに聞こえます。いま地域の青年団体に、この学習会の後援団体にならなかったということでですね、秋の青年大会に向けてどういう現象が起こっておるか。これは局長は御存じないと思いますが、こういう問題が起こっておるんです。この青年団体の大会ですから、青年大会は陸上競技なり、あるいはまあ意見発表なり、あるいは演劇もあったんですかね、演劇もありましたね。そういうのが東京で行なわれる。それに参加する資格がですね、村の青年が二つに分かれますと、どうやら一つがあぶなくなるというような状態が出てきておる。各県の県単位の青年団体が、さっきのようなことがあって、二つに分かれるということに拍車をかけております。そうしますと、後期中等教育文部省の言うとおりごもっともでございますという団体が、県のほうから秋の青年大会に参加する資格を与えられて、これは県にある団体が一つの団体が参加するという制約を受けるために、多少でも文部省を批判したというところにつながる団体のほうはですね、中央のほうは日青協として扱いますと文部省で言ったとしても、地域のほうは中央に参加の資格さえ奪われるということも、もう出かかっておるわけです。こういうことを、たった二つの分科会が気に食わないということで後援をしなかった、そのことがそういうような波及をしている。これが一体ほんとうに社会教育法の三条に言う精神に立って社会教育の指導をしておるのかどうかということは、どうも疑問になってこざるを得ない。  そういう意味から、秋の青年大会に共同主催をするという場合に、この場合にはいまのような心配を除去するためにも、あるいはこれに参加する資格の問題で混乱を起こさせないためにも、はっきりと文部省で方針を出してもらいたいのは、青年の団体である限りいかなる団体も参加する資格があるということを、はっきりと御指導いただきたいと思う。
  108. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) これは形式的には中央の文部省と日青協と東京都と三者の共同主催でございますが、現実の問題としましては、各府県単位でそれぞれ一回出場した者は、結局記録を競うわけではございませんので、一回出場した人はまあ遠慮して、まだ出場しない人にといったようなことで、本来のわざを競うスポーツとちょっと趣旨も異にしておりますので、そういったようなことで、その参加なりそういうことにつきましては、県の教育委員会と県の青年団とで話し合って積み上げてきておるようでございます。したがいまして、先生の、私先ほど申し上げましたように、一つ事業について後援をしなかったから、もうその団体をマークしてブラックリストに載っけたような扱いをするという気持ちは毛頭ございませんので、その事業事業によりますし、したがいまして、このことが、後援を与えなかったということが悪い意味で地方に影響を与えておるとしますれば、文部省としても適切な指導をするように県の課長会議等でも話しておきたいと思います。
  109. 鈴木力

    ○鈴木力君 その県が青年団体と話し合って積み上げて出してくる、そのことはわかっております。これは私も若手県で社会教育委員をやりましたから、特にこの秋の青年大会には、県から総動員みたいなかっこうで何べんか参加しておりますから、中身は知っております。ところが、そういう状態から、県のほうで青年団体がこう分かれてきますと、一つの青年団体のほうの代表は積み上げの中に参加しないという現象が起こっておるということです。ですから、自然にそちらのほうに所属しておる団体は、秋の青年大会には参加する資格がなくなってくる。一回出た者が出ちゃいけないとか、そういうことはもちろん前からもずっと続いてきていることですからだれも問題にしない。そうじゃない現象が起こっておるということなんです。  ですから、文部省に適切に御指導いただきたいのは、特に県単位の団体が二つなり三つなりあった場合、あるいは県単位にならないこともありますが、少なくとも自主的な青年の団体は、この青年大会に参加する前段の——よく聞いていらっしゃいますか、前段の県でも予選をやったりいろいろなことをやりますし、県の大会もやります。そういうようにあらゆる場所に青年の大会には参加する資格があるんだと、そういう行政指導はぜひお願いしたいということです。
  110. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) その県内の青年団との話し合い等が一応原則としてなされ、その積み上げをもとにするといったような従来の慣例もございますので、いま直ちにその県等の意向も無視していますぐ文部省でこうしますということも、かえって混乱を招くことにもなろうかと思いますので、鈴木先生のおっしゃいます御趣旨は十分わかりますので、そういう御趣旨のような点につきまして県等ともよく相談し、変なゆがんだ方向に持っていかれないように指導したいと思います。先生のおっしゃる御趣旨は十分わかりますので、できる限りその線に沿いたいと思いますが、ただ文部省だけでこういたしますと言いましても、積み上げ方式をとっておりますので、しばらく即答することは御猶予いただきたいと思います。
  111. 鈴木力

    ○鈴木力君 どうも私の言うことが言うとおり局長は取られていないんじゃないかと思うのですが、私はさっきから、文部省はここでどんな青年団体に入っておっても参加させろとは決して言わなかった。いまの積み上げという方式は、場合によれば県に責任がずっと出てきて、場合によればこっちのほうで中身に問題が出てきたり、それが非常に都合のいいように組み合わさっているというふうに見えるから、私が言うのであって、だから、県に団体が幾つもあっても、その団体に所属している青年は参加の資格があるんだという指導を、これは青年団体に直接指導してくれとは言いませんよ、県が扱う場合に県の社会教育のセクションに対する御指導をしていただきたいと、こういうことを申し上げておるわけです。
  112. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 私どもとしましては御趣旨のように解しますが、一応積み上げ方式をとっております関係上、県といたしましては、何かその県内の団体が当然一本になって参加できるのに、それを二木、三本になって参加されるということはまずいというような考えから、もともと違った性格の団体ならあれですが、同じ青年団で横から見てどれも同じようなものが二つあります場合に、県としてはそれをできる限り一木にしぼって何々県として出したいという気持ちが二、三の県にあるようでございます。したがいまして、鈴木先生のおっしゃるのは誤解していないのですが、お気持ちは十分わかるんですけれども、県としましては、そのように片方だけ育成しないんだ、片方だけするんだというような形じゃなくて、だれが見てもたまたま二つに分かれておるので、なろうことなら一本にまとめたいというような考え方で青年団体指導をしておられる。県におきましては、やはりできる限り一本にしぼる方法をとるというような努力がなされております関係上、鈴木先生のおっしゃる、県内に幾つ団体があっても、大体趣旨に合えば、何もそれを一つとか言わないでやれとおっしゃる趣旨はそのとおりでございますが、いま申しましたような一、二の県におきましては、そういう指導もいたしておりますので、十分検討しまして、御趣旨の点ができる限り実現できるように、そういう方向で県などとも話し合ってみたいと思います。
  113. 鈴木力

    ○鈴木力君 もう時間がないので、これでやめますが、さっきの日青協を後援にならなかったということには、たとえば若年労働者の労働力を確保する目的がある、こういうふうなことがあって、それが後援できなかったということになれば、通産省が後援したのはおかしい。ところが、通産省は後援している。それから、公明選挙連盟が後援団体に入っている。たとえば政党の考え方にしても、どちらの政党の考え方にも傾いていないという公明選挙連盟のほうは、判断してちゃんと後援に入っておる。こういうところを見ますと、局長、どんなに弁明しても、文部省の気に食わないことをやるから、これには後援の名前を貸すことができないとしか見えない。社会教育の大元締である文部省がそういうことをやった。しかも、そのことがどういう影響を受けているかというと、さっき私が言ったように、時間がないから、はしょって申し上げたけれども、これは文部省を批判するようなことになると、県段階でもそうなるという空気が青年の中に出ておるという、公の機関に属せざる団体としての社会教育の対象が、これは直接間接かは別ですが、公の機関に属するように、公の機関の中に入り込むような方向にいま社会教育の諸団体が導かれつつある。これは直接文部省が手を引いたとは申し上げません。しかし、少なくともそういう傾向に追い込んでいる一つとして日青協の扱いがあったということだけは私は譲るわけにはいかない。そういう点については、そんな私は軽はずみということばをあえて使おう、軽率にそういうような扱いをすることが、この社会教育に非常に大きな水をかけている、本来あるべき姿に。足を引っぱっておるようなことになっているとしか見えないわけです。そういう点については、どんな影響があったということをやはり少し文部省としても調べてみてもらいたいと思います。  特に後期中等教育考え方と、それから文部省が青年団体に対する態度については、なお時間をあとでもらいまして、もう少し詳しく伺いたい。もう少し詳しく御説明をいただかないと、私も軽率にあまり文部省は反動だなどと言うのも、これも軽率ですから、それを言うのはしばらく慎んでおきますけれども、いま聞いた限りではどうも反動だと言いたくてしかたがない。もう少し具体的な説明を受けたいと思う。  それから、なおあと青年学級の問題と婦人学級、そういう問題についても少し伺いたかったのですけれども、さっきの約束ですから、きょうはこれでやめますけれども、あとでまた機会をつくるようにお願いしたいと思います。
  114. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま青少年教育に対する文部省の方針も聞いたのですが、それと同じようなことが婦人教育にあらわれている事実がたくさんあるわけです。そういう意味におきまして、私も資料をひとつ要求して、次の機会に、家庭学級一万学級に対する補助のあり方、現在ではご存じのように地方へは補助が三分の一しかないのですから、地方は三分の二を持ってたいへん困っている。婦人学校の千両百八十一学級の委嘱費の問題、それからいま総理府の中に青少年局という局ができましたね。青少年局が各省にまたがっている青少年問題を調整するという名目であるわけなんですが、そういう点について、文部省との関連、あるいは労働省の婦人少年局の中の婦人課、それから社会教育の方面を担当しての婦人問題だとか、そういう関連だとか、それから講師なんかについても、たいへん片寄った講師が頼まれているわけなんです。具体的には、憲法を守るという人は講師に呼んではいけない、端的にいえば市川房枝さんを要請したところが、あの人はこのごろ憲法を守ることに一生懸命だから、やめたほうがいいということを婦人学級が言われたとか、そういうふうな例が具体的にありますので、やはりここらで青少年問題と婦人問題という日本の民主化の基盤でありますそういう方々に対するやはりやり方については考えなければならないのじゃないか、ともに考えていくべきだ、こういう観点から、鈴木さん同様に、少し今度はまたの機会にみっちり時間をとってやりたい。  そこで、資料要求は、各県で講師を呼びますね、呼んで謝礼を上げるわけなんです。謝礼については大体費用どのくらいとあるわけなんですが、人によってだいぶ片寄っているという調査もあるわけなんです。県の段階ですけれども、いろいろありますから、そういう点の資料、たとえばどこの県で何回の研修会を社会教育担当でやったとか、それからお金を補助した問題については、県で自由にさしているのかいないのか、ひもがついているのかついていないのか、そういう点についても資料を出していただきたい。  それから、さっき婦人団体を言いましたが、婦人学級委嘱してございますね。今度の予算が千五百八十一学級になっておりますが、その実施状況、昨年の実施状況について概括でけっこうですが、ちょうだいしたいと思っております。以上です。
  115. 宮地茂

    政府委員(宮地茂君) 次回までにできるだけ資料を整えておきたいと思います。
  116. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 速記をとめて。  〔速記中止〕
  117. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 速記を始めて。  他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にいたします。  都合により暫時休憩をいたします。    午後二時三十三分休憩