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政府委員(
齋藤正君) 御質問に直接お答えする前に、
現行法との
関連を一つだけ御
説明しておきたいと思います。
義務教育の諸
学校が、
学級というものの担任というものを非常に基礎におきまして、そして
教職員を考えます、ことに
小学校のような場合等。それから
現行法におきましても、
教職員定数をはじきます基礎といたしましては、
規定は
学級の数というものを考えておらないで、これは世界でいろいろな比較上行なわれておりますように、
教員と
生徒の比率というような形で
教員数を論ずる、その立て方を一応とっているわけでございますね、
現行法。もちろん、それはその背後に現実に行なわれるべき
学級組織というものは頭にありますけれども、たてまえとしてはそういう形で
現行法も組まれておる。この
現行法の表は全部そうなっているわけであります。そこで私どもも、この
学級規模が
設置基準に定められておるので、これをネグレクトしてほかの問題を全部考えたほうがよかろうということを申しておるのではなくて、ただ、
高等学校の場合はより
学級規模の要素というものだけでなしに、ほかの要素もあわして将来の課題としては検討する必要があるということを申しているだけでございまして、別に
設置基準の現行
規定の意味とか価値とかいうものを無視するという気持ちは私は毛頭持っておりません。それから諸外国との
関連でございますが、私ども手元の資料によりますと、アメリカが、一九六二年の資料で大学の前段階である
中学校について見ますと、二十二人に一人、イギリスが二十人に一人、西独が二十一人に一人、フランスが二十一人に一人、それでその比率だけを見ますと、わが国の
標準法は、普通科の場合は二十二・七ということになっているわけでございます。
それからもう一つ、中等
教育を考えます場合に、まあアメリカは別といたしまして、ヨーロッパ諸国の中等
教育というものは、イギリスのグラマー・スクールにしても、ドイツにいたしましてもフランスにいたしましても、わが国の
高等学校の
実態とかなり違っておりまして、一種の高等
教育に付設するような
教育というものが制度として本筋をなしておりまして、日本でいう
高等学校人口ほど多量なものではございませんから、その単純な比較は非常に危険なところがあると思うのであります。その点では、
学校教育としてアメリカとの比較のほうが、
学校制度を基盤にすればより目安を得るものではないかと思っておるのでございます。そこで、そういう比率というものについて、そう隔たりはないけれども、現実に不自由を感じているのは何かというようなことを、もう少し洗ってみたいと思うのであります。これはあるいは
高等学校のそういう
教員定数だけの問題じゃなくて、
高等学校のカリキュラムの問題自体にあるのかもしれませんし、あるいは
学科組織という面もあるかもしれません。あるいはもう少し端的に、
学校の管理自体の
教員の職務と、それからその他の庶務、会計等の事務というような
関係がもう少し整備されなければならぬというようなこともございまするので、以上のようなことをすべて検討の課題として、
高等学校教育の向上のために真剣に検討してまいりたい、さように考えているわけでございます。