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1966-03-22 第51回国会 参議院 文教委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十二日(火曜日)    午前十時二十八分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         二木 謙吾君     理 事                 北畠 教真君                 久保 勘一君                 千葉千代世君                 松永 忠二君     委 員                 玉置 和郎君                 内藤誉三郎君                 中上川アキ君                 中村喜四郎君                 山下 春江君                 小野  明君                 小林  武君                 鈴木  力君                 鬼木 勝利君                 林   塩君    国務大臣        文 部 大 臣  中村 梅吉君    政府委員        文部政務次官   中野 文門君        文部大臣官房長  安嶋  彌君        文部省初等中等        教育局長     齋藤  正君        文部省大学学術        局長       杉江  清君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        文部省大学学術        局教職員養成課        長        安養寺重夫君        文部省管理局助        成課長      岩田 俊一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○公立高等学校設置適正配置及び教職員定数  の標準等に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、文部大臣から提案理由説明を聴取いたします。中村文部大臣
  3. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 今回、政府から提出いたしました義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明いたしたいと思います。  現行義務教育学校施設費国庫負担法昭和三十三年に制定され、公立義務教育学校施設整備に要する経費について国がその一部を負担する制度を確立いたしたのであります。以来、政府はこの制度のもとに公立文教施設整備長期計画を立て、鋭意学校施設整備につとめてまいったのであります。特に昭和三十九年に本法の一部が改正され、小学校及び中学校の建物に関し、国の負担の範囲を広げ、また校舎の工事費算定方法を改めたことに伴い、その整備は一段と進展を見ることになったのであります。  今回は、さらに小学校及び中学校屋内運動場工事費算定方法に関する現行制度を改善し、これによりその整備を一そう促進し、かつ、学校体育進展に寄与するため、この法律案を提出いたしたのであります。  この法律案内容は、小学校及び中学校屋内運動場の新、増築または改築に要する経費にかかる国庫負担金について、現行は、児童生徒一人当たり面積を基準として算定することといたしているのに対し、これを学級数に応ずる所要面積をもって算定することに改めようとするものであります。なお、この法律施行期日は本年四月一日からとし、昭和四十年度以前の予算にかかる国庫負担金につきましては従前の例によることといたしました。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
  4. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 以上で本法案についての提案理由説明聴取は終了いたしました。
  5. 松永忠二

    松永忠二君 資料をひとつ要求しておきますが、要求した資料は確実に出してくださいね、聞いておくだけじゃなくて。ここに出ている小中学校屋内体操場について、現実実施をした坪数建築費、それから補助を受けた坪数建築費、これは昭和四十年度ということは、できればけっこうですけれども、そうでなければ、三十九年度でもいいですから、現実小中学校屋内体操場の建築した坪数費用、それからその中で補助を受けて実施をした坪数費用、これをひとつ。それから、この前これは少し話をしたのですが、校地用地買収関係資料昭和三十九年、昭和四十年等に校地を買収した費用と、それに対して政府資金あるいは交付公債縁故債でやった財源、そういうものを内訳をしたものと、それからもう一つは、第二次の公立施設計画、この第二次計画の中で社会増による計画がどういうふうに盛られているのか、これをひとつ。この三つですね。資料としてひとつ提出していただきたいと思う。よろしゅうございますか。
  6. 岩田俊一

    説明員岩田俊一君) 承知いたしました。     —————————————
  7. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 公立高等学校設置適正配置及び教職員定数標準等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、文部大臣から提案理由説明を聴取いたします。中村文部大臣
  8. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) このたび政府から提出いたしました公立高等学校設置適正配置及び教職員定数標準等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げたいと思います。  高等学校は、今日におきましては中学校卒業者の七割をこえる者が進学しており、わが国の学校教育において、まことに大きな役割を果たしております。このような高等学校教育重要性にかんがみ、先年、公立高等学校設置適正配置及び教職員定数標準等に関する法律が制定された次第でありますが、この法律は、昭和三十八年度以降の中学校卒業者数急増に伴う高等学校進学者数増加に対処する必要があったこと、高等学校教育課程の改訂に伴い、これを実施していくために必要な教職員定数を確保する必要があったこと、地方財政実情にかんがみ、高等学校設置等について国が一定の標準を示す必要があったこと等の理由により、公立高等学校設置適正配置及び規模並びに学級編制及び教職員定数標準等について国の方針を策定し、規定したものであります。  この法律が右に申し述べました必要性に基づき制定されました経緯から、高等学校生徒急増期間中のこの法律の適用につきましては、学級編制及び教職員定数標準に関する経過的特例を設けることとし、昭和三十八年度の第一学年入学者から昭和四十一年度の第一学年入学者まで、法律附則第五項及び第六項におきまして、学級編制標準については本則によれば五十人、農業水産または工業に関する学科等にあっては四十人であるところを五十五人、四十四人として、高等学校進学希望者増加に対処できるよう配慮し、これに伴って教職員定数標準については、その算定基礎となる生徒数について所定の率の補正減を行なうことといたしております。  ところで、昭和四十一年度において、すでに高等学校生徒急増期を終わって減少期に入る府県がかなり生じてまいりましたので、これらの減少期に入った府県につきまして、急増期間中の経過措置としての学級編制及び教職員定数標準に関する特例規定を適用することは、その立法の趣旨にも沿わないこととなりますので、このような実情に対処するため附則規定所要改正を行なうことといたしたのであります。  すなわち、これらの昭和四十一年度から高等学校生徒急増期を終わって減少期に入る府県のうち、減少の著しい府県につきましては、昭和四十一年度入学者から学級編制及び教職員定数標準について現行法附則経過的特例規定を適用せず、本則どおりとし、また、それほど減少は著しくないが、かなり減少する府県につきましては、学級編制標準を五十三人、農業水産または工業に関する学科等にあっては四十二人とし、教職員定数算定基礎となる生徒数については現行法によるよりも低い所定の率による補正減を行なうこととする内容法改正を行なうこととし、もって高等学校教育水準維持向上に資するため、このたびの一部改正法律案提案いたすことにいたした次第であります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容概要でございます。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いを申し上げます。
  9. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 以上で本法案についての提案理由説明聴取は終了いたしました。     —————————————
  10. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本法律案については、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  本法案に対し質疑のあるお方は順次御発言を願います。  なお、政府側より中村文部大臣中野文部政務次官齋藤初中局長杉江大学学術局長が出席いたしております。
  11. 千葉千代世

    千葉千代世君 私は国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案について質問いたします。  学校教育法の第二十八条、それから第四十条において、小中学校養護教諭の必置が規定されておりますけれども、それに加えて、同法百三条に、小学校中学校に当分の間養護教諭を置かないことができるという規定があり、また、同法第五十条二項に、高等学校養護教諭を置くことができるという任意規定になっております。そのために、小中学校高等学校の各校に必置されていないことは御承知のとおりでございますが、この学校教育法改正して、すべての学校に置くようにするために、養護教諭養成について積極的に計画を立てるようにということについて、当委員会でも再三論議され、また、当局のほうにおいても格段の御配慮をいただいておるわけでございますけれども、なかなか十分とはいえないのが現状でございます。特に第四十国会では、参議院文教委員会政府の五ヵ年計画のことを約束されたわけでございます。これはこの前の、昨年の養成所設置する法案のときにも、私、質問申し上げたんですけれども、どうもこの五ヵ年計画がなかなか実施されにくい現状だということを、ことしに入りまして再度調査いたしましたので、重ねてお尋ねしたいと思うんですが、これは御承知のように、三十八年度から五ヵ年計画で約五千二百五十名の増員をはかると、そういうことでございますが、この五ヵ年計画案の提示の中で、とにかく三十八年度は二千名増員を約束しようではないか、一ぺんにということはできないから、五ヵ年計画の第一年度として二千名と、そういう意味予算案の中には組み込んでいただいたように思います。けれども、実際にこの割り振りをする場合には、各地方にいきますと、きわめてあいまいで実効があがっていないということでございます。その証拠で見ますというと、各地方で、養教免状がありながら、養護身分にいて、任用がえのできない、困っている者がまだまだたくさんあります。いまいただきました文部省資料の四枚目でございますけれども、「公立小・中・高等学校養護職員数」という中に、養護教諭免許状を持っていながら任用がえできないでいる者、それから免許状でございませんから、当然、養護婦という身分でいる者と、こういう表が載せてございますけれども文部省資料で見ても、このとおり免状を持っておって任用がえできないというのが千十二名、それから免許状なしでいる者が二千九百十二名と、こういうふうな情勢になっているのです。これは五年計画のそのときに明らかにしたことは、まず第一番に、二千名の方々任用がえしていくという、これを重点にやろうではないかと、こういうお話であったと思いますけれども、まだまだ三十八年から三十九年、四十年、四十一年と、こういうふうに年度の途中でございますけれども、現にこのように任用がえできないでいる者がいる、こういうわけで、昨年の予算の計上ですが、今年度実施しているわけですけれども、その中で講習費を計上してくだすった、これがたしか六ヵ年計画と思いますけれども、実際には経費関係で出にくいというものもかなりある。これは後ほど質問の中に入れたいと思うんですけれども、ちょっとこれを見ましても、文部省調査の三枚目でございますが、実施県名会場受講者国費県費、計と経費内訳がございますが、これは国費のほうはあがっておりますけれども県費を計上しているのはほとんど少ない、これはやはり文部省で組んだときに、県でも少し持っていただいてという方向で話し合ったと思うんです。したがって、受講する方々は、ほとんどといっていいくらい個人負担講習を受けているのじゃないか。で、私の調査いたしましたところによりますと、その学校にある出張費だとか、それから、あるいは市役所の方ですか、その出張費をもらえた方はほんのわずかである。中にはPTAの会費でいらっしゃっている方もある。それから一生懸命貯金していらっしゃる、借金をしている方がある。たいへんお骨折りいただいて、初めて講習費を計上していただいた。文部省に言わせるというと、いろんな講習費の中で養護教諭講習費だけは非常に利点が多いのだからということを言われた。その努力はわかりますけれども現実にやはり県の指導と、それから個人負担の問題、この点についてひとつお答えいただきたいと思っております。
  12. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) それでは政府委員から。
  13. 杉江清

    政府委員杉江清君) 私どもも、こういう経費はできるだけ国費負担することが望ましいという考えは持っておりますけれども、他の一般の講習会における扱い等関連もありまするし、なお、財務当局に言わせると、本人の利益になる点も多いのであるからというようなことで、国としても、また県としても、なかなかそのような措置をなし得ない現状にあるわけであります。まあ今後とも何とか検討してまいりたいと思いますが、なかなかにわかに御要望のとおりにはまいらぬという事情でございます。
  14. 千葉千代世

    千葉千代世君 すると、この講習会は、ことしの予算も去年と同じに組んであるのでしょうか。
  15. 杉江清

    政府委員杉江清君) そのとおりでございます。
  16. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで、この講習は、ことしはいつごろから始めるわけでございますか。それから、各県で講習——二十県でしたから、大体二県に一県という割になっておりますね、で、ことしの場合、やはり同じ会場でしょうか。それとも県によって数がございますね、これを見ましてもわかりますように、無資格者の多いところもかなりございますから、地域的にかなりアンバランスも出てくると思いますが、自分の県でこれをやりたいという申請があった場合には、それを許可するのでしょうか、どうなんでしょうか。
  17. 杉江清

    政府委員杉江清君) ただいま県のほうからの要望をとっておるところでございまして、その要望にできるだけ沿って計画したいと考えております。なお、必要でありましたら担当課長から詳細にお答えいたします。
  18. 千葉千代世

    千葉千代世君 実施時期は大体去年と同じ時期なんでしょうか。
  19. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) お答えいたします。ただいま各府県にこの講習会の来年度実施希望を聴取いたしております。大体やり方につきましては、本年度から向こう六年間、ほぼ同じ形、内容実施をいたす予定でございますので、あとは各府県で、どの程度規模講習会を予定されておるかということを、事前にわれわれのほうで承知いたしました結果、来年度実行案をつくりたい、かように考えております。昨年はほぼ八月に多くの県が講習を実際に行なっておりますので、来年度も時期は大体そのあたりに大半のものが予定されるのじゃないか、こういうように考えております。
  20. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは政府養護教員充足の五ヵ年計画でございますから、そこに出席する講習者費用というものについてもう少し配慮していただかなければいけないと思うのですけれども配慮する気持ちはありますか。
  21. 杉江清

    政府委員杉江清君) 先ほども申し上げましたように、まあかつてこの種の講習会旅費公費負担したときもあるのでありますけれども、それが漸次廃止されてきた。したがって、国で負担するということはなかなか現状においてはむずかしいと思うのです。県のほうで処置していただくことが非常に望ましいわけですけれども、どうもその辺、まあ私のほうも他の講習会関連もあって強くお願いすることもいかがかと考えておるわけでありますけれども、できるだけそういうふうな方向に向けていくようにわれわれは努力いたしたいと考えております。
  22. 千葉千代世

    千葉千代世君 この表を見ますと、二十一道県で行なわれて、二十六会場でございますね。その中で県の補助金を出したというのは福井県の一万円しかないのです。これは調査未定という意味なんですか、それとも一万円だけしかほんとうにないのですか。
  23. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 福井県だけが県費、を補助したというかっこうでございまして、ほかの県は出しておりません。
  24. 千葉千代世

    千葉千代世君 それについて、個人講習に参加する費用とあわせて県費支出方について文部省はどのような指導をしたんでしょうか。
  25. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 各県に対しましては、この講習会文部省府県の主催というかっこうでございまして、本省のほうの国費経費で一切の講習をまかなうというたてまえの予算を計上してございます。先ほどから御指摘のように、で組んでおりませんものの分というのは本人出席旅費ということに相なろうかと思うのであります。この点につきましては、市町村職員であるというようなことから、なかなか県費支出が不可能であるというような話を聞いておりまして、また現実本人旅費公費でまかなうという例は少ないのじゃないかというように推測もいたしております。文部省としましては、先ほど局長から申し上げましたように、経費の性質からなかなかむずかしい問題ではなかろうか。一応われわれのほうでは、口頭で主管課長会議あたりで、市町村でしかるべく措置をして受講できるようにというようなことを指導していただくことは依頼しておりますけれども、その程度にとどまっておるような状態でございます。
  26. 千葉千代世

    千葉千代世君 これはやはりいろんな講習がございますけれども、資質の向上講習であるとか、一ぱいありますけれども、これはやはり免許状をとって正規の職員に、養護教員にしていく充足計画一つだと、こういうふうに考えていきますというと、やはりこの費用負担について本人負担にならないように、重い負担で行っているのですから、その点がやはり考慮されなければならないと思っております。というのは、免許状のない方々でございますとかなり俸給の低い方がいらっしゃる。その方々は、ここに講習会のあるたびに山の中から出てきて泊まって講習を受けるということになりますと、膨大な費用がかかるわけです。やはり養護教諭というこの資格を得るためにやる講習です。何とか個人負担にならないようなやり方、それからかりに俸給が幾らか多いにしても、やはり講習の性格として負担にならないように、国が持てないならばこれは県に持たせるとか、あるいは県が持てないなら市町村に持たせる、つまり雇用者というものがそういう負担をして、みんなの力を一緒にして解決していきませんというと、これは計画倒れになってしまってなかなかいかないんじゃないか。  養護教諭養成上の問題に進んでいきたいんですけれども、まず第一番に、現につとめている者から養成して出していくのと並行して、現にいる者の任用がえということが非常な重点じゃないか、こういうふうに考える。特に僻地学校では一番困難な立場におりますので、重ねてこの点について今後の配慮のしかたについて答えていただきたい、文部大臣どのようにお考えでございますか。
  27. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 実情はいま御指摘のございましたように、国も負担しておりませんし、府県もほとんどが負担していないような状況で、この点は講習を受ける者にまことにお気の毒であると思っております。趣旨としては私ども今後改善をはかってまいりたい、かように思っておりまして、なるたけこの講習を受ける者の負担がないように、その方向につとめてまいりたいと思っております。
  28. 千葉千代世

    千葉千代世君 次に伺いたいことは、五ヵ年計画のその後の進捗状況ですけれども、たとえば私ども調査して先ほどお配りした中にも、それから文部省調査の中にも共通して言えることは、たいへん配置アンバランスになっているわけですね。ですから、これは進捗状況とあわせて、これはどういう理由によってこうなっているのかということをひとつお答えいただきたい。
  29. 杉江清

    政府委員杉江清君) この点も正確を期するために課長からお答えいたさせます。
  30. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) お答えいたします。五ヵ年計画は三十九年度から四十三年度にまたがる計画でございまして、約五千名増員をするという形に一応なっているわけでございます。三十九年度、これはすでにその結果も確認しておるわけでございますが、大学を出ました者で養護教員になった者、国立の一年課程卒業者養護教員になった者、この点についてはほぼ計画どおりにいっておるかと思いますけれども、県府の養成機関を卒業しました者で養護教員になった者の数と、現在、市町村におります養護職員と申しております人たち養護教諭への配置がえと申しますか、切りかえの措置というものにつきましては、当初もくろみましたほどには計画の結果が出ていないんじゃないかという感じが率直にいたしております。向こう五ヵ年の計画でもございますし、そういう事態を考えまして、本年度から養護職員につきましては国が積極的に資格付与講習会実施をするというようなことも着手をいたしましたわけでありまして、できるだけ早くこの年度間におきまして計画された目標が達成できるように努力いたしたい、向こう五ヵ年の上にこれ以上の増員計画を確保するための努力ということの目標といたしましては、やはり今後大学を出ました人で進んで養護教員になっていただくという数を多くしたいというような点の手当て、それから養護教諭養成所がございますが、これに対する助成策を講じたいという点、これは、実は四十一年度予算に、公立養護教諭養成所に対しまして、設備費助成をするというようなことを考えておるわけでございます。なお、最もこの年間におきます大きな問題点としましては、やはり先ほどからお話ございますように、現在、養護教諭と似た仕事をなさっておる養護職員、この方々に、資格のある人はさっそくに、また、ない人には勉強していただきまして資格をとっていただきまして、配置がえというようなことを大幅に推進をいたしたい。かようにいたしますれば、まずまず五千名増員ということの計画としては達成が可能になるのではないかというように考えております。いろいろ問題に隘路がございまして、期待どおりいきますためには相当の関係者努力が要求されるわけであります。今後大いにそういう点についてはいろいろ手だてを講じてまいりたいと思っております。
  31. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま三十九年から四十三年までの五ヵ年計画とおっしゃったのですね。これが初めは三十八年から四十二年と、こういう五ヵ年計画であった。ところがその後養成所をつくったりいろんな関係で一年ずらした。つまり五ヵ年計画ということが養成所法案提案理由説明の中に出ておった。したがって、ほんとうからいうと三十八年から四十二年までと、こういうことだと思うのです。そうしてこの五ヵ年計画のおしまいは一体どうなるのだろう、五ヵ年計画が終わった最後の年——三十八年から四十二年だと、そのときに、小学校について九百名について一名、それから中学校については千二百名について一名と、こういうふうな話だった。その後、定数の問題がございまして、そして変わってきたわけですが、限度政令によっても超過になってる県、山形とか、岩手とか、そういう県については別に首切りをしないと、こういうお約束で進んでおった。そのことはいいんですけれども、肝心なその内容がちっとも沿っていかない。いまおっしゃったように、現在いる者の市町村支弁を切りかえていくとおっしゃったのですけれども、それも三十八年には全国で九十二名しかそれを切りかえてない。三十九年で百二名、四十年ではわずか二名しか全国で切りかえてないのですけれども、そちらのほうに、もし資料がありましたら、間違ったら指摘していただきたいのですけれども、そうすると、全然、二千名という増員という中の重心である市町村支弁の切りかえということは、ほとんどできていないということを私は把握しているのです。そういう観点であればこそ、講習会費用を計上してくださったのですけれども、その講習会も、先ほどからくどく言ったように、費用関係でなかなか出にくい、こういう条件があるわけです。ですから、このアンバランスを解消していく一番の方法についてもお述べになったのですけれども、とにかくこの一番先の現実の問題として、抜本的に考え直していく必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。少し本腰を入れてこの市町村支弁の切りかえに重点を置いていただいて、養成所と並行したらと思うのですけれども
  32. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) ただいま御指摘ございましたように、当初、三十八年度から向こう五ヵ年の計画という動きが起こりまして、いろいろその実地に取り運ぶような計画を立てたわけでございますが、いろいろ問題がございまして、三十九年度義務教育の諸学校の教官の定数の手直しの計画が立てられる際に、実は在来のいきさつを確認検討しました結果、ただいま法規にございます御指摘小学校中学校それぞれの養護教員の定数というものの積算根拠というものが定数法に明らかにされたわけでございます。自今約五千、正確に言うと五千二百名ほどに相なるわけでございますが、この増員計画並びにそれに対する現実充足計画というものを運んでまいっておりまして、国立養護教諭養成所設置を本年度いたしますし、また、来年以降につきましても、増設いたしたいというのもその計画に沿う趣旨のものでございます。ただ、この三十八年度からの議論の発端には、現在すでに市町村養護教諭の人と同じ仕事をやっている人が四千名もいる。こういう人の身分の安定をはかる、また、実際に資格を取っていただいて、養護教諭というポストを提供するということに意義があるというようなことが、実は当面の五ヵ年計画充足部分に対する第一義的な問題であったように記憶しているわけでございます。したがって、この点がうまくいきますれば、当面の養護教諭充足計画というものはまず成功を見るというように相なると思うわけでございますが、御指摘のように、なかなかその進捗がはかばかしくございません。いま数字をあげて御指摘がございましたけれども、われわれのほうで調べました結果で申し上げますと、昭和三十九年度は、養護職員から切りかえました実数が二百三十三名、四十年度の場合はまだ現に進行中でございまして、その進行の段階における養護職員から切りかえるということで承知しております数が百三十六名というかっこうになっております。多少、これは本年の講習会等の結果を見まして、もう少し結果としては数がふえるのではないかと思いますが、いずれにしましても、なお、これはさらにこの部分については努力を要する点でございます。いろいろ調べますと、やはり免許状を有していないから、定数と人事というものが、平仄が一致しないという問題がある、あるいは年齢的な制限と申しますか、支障がございまして、この際あらためて養護教諭という形に任用することが不可能である、困難であるという問題、あるいはせっかくそういう定数を提供するような人事行政の話に相なりましても、待遇の問題あるいは任地の問題、そういうようないろいろ隘路がございます。また、別してほとんどが女性でございまして、いろいろそういうような制約が男子よりも多いかと思うわけでございますが、こういう点をもう少しわれわれとしましても可能な限り行政的、財政的な措置を講ずることによって、計画の遂行度を高めたいということを考えておるわけでございます。
  33. 鈴木力

    ○鈴木力君 関連。安養寺課長一つだけ聞いておきますが、いまの年齢的制限で支障があるということは、もう少し詳しく説明しておいてください。
  34. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) ことばが足りませんで申しわけございませんが、一応、新規に教諭もしくは養護教員で採用するという場合に、各府県それぞれ年齢的なチェックをするような実態があるそうでございまして、そういう点から、われわれのほうとしては、この際あらためて養護教諭に切りかえるということをしないのだ、できないのだという話がこの計画一つの部分にあるように聞いているわけでございます。つぶさに、どの都府県が何歳ということは実はまだしさいに承知しておりませんけれども、この計画の隘路の一つだということで、かねてからそういうことを聞かされているわけでございます。
  35. 鈴木力

    ○鈴木力君 重ねて。年齢の問題だけですから。いまの答弁どうもあいまいなんですが、各県で年齢をチェックしていると聞いているというような御答弁なんですけれども、それがここで切りかえの障害条件として、年齢的条件を出されるということになりますと、きわめてこれは根拠のない話なんです。そこで、いまのこの年齢の問題に限って一つ伺いたいのですが、いまの養護教員が足りないという問題で、いかにして充足するかという議論をしているわけですね。そのときに、有資格者があって、これを切りかえられればすぐにでも使えるという人があるのに、それを年齢的に——しかも聞いてみると各県であるやに聞いているという程度のことで、そっちのほうは野放しにしておいて、足りない足りないといって充足をしない。このことについては一考を要しないかと思うのですが、この件について文部省としての所見を伺いたいのです。
  36. 千葉千代世

    千葉千代世君 それに関連して。あのときの約束があるのですけれども、そういうことがやはり論議されまして、そのときに年齢だとか、それから給与の問題、切りかえるときの給与が安くなるからいやだという本人も若干あるわけなんです。そこで、とにかくなりたくてもできないという一般の教諭、東京ですと三十歳以下でないと採用選考を受けられないと、こういう規定があるので困る、それは各県を指導するからといって約束というか、特に足りないから特別なということで、現に東京都では四十八歳ぐらいの人も任用がえをしているわけです。免状があって一ぺんやめておってなられた方、それから神奈川県の川崎、これはたしか四十歳だと思いましたけれども。それから大分等、指導を素直に受けてやっておるところはそういうふうになるわけです。ところが一般の教員が、県によって違いますけれども、選考のこれは規則も何にもないけれども、内規ですか、何か話し合いの中で三十歳以下でなきゃいけない、三十五歳以下でなければ新しく採用しないという、そういう線で運ばれてきておるという県については特例を設けるということができますか。いま速記録をさがしているのですが、なかなか古いものだからなくて——三十七年にそういうふうになっている。その約束がどうかということと、鈴木先生のこととあわせていただいて……。
  37. 小野明

    ○小野明君 いまの問題で、先ほどのちょっと関連でお尋ねしようと思ったのですが、講習会場をこれは非常に、たとえば九州なんかを見てみますと四つしかない。資格のない方が四千名からおられるというのに受講者が千二百名しかないそうですね。この点が、たとえばいまの年齢制限の問題とあわせて受講者にいろいろな資格制限を与えておるのではないか、この点もあわせて御答弁を願いたいと思うのです。
  38. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 受講生の参加資格と申しますか、条件、そういうことについては一切私のほうでは制限というようなことは考えておりません。
  39. 小野明

    ○小野明君 そうしますと、たとえば制限があるとすれば、それは文部省のほうの指導ではなくて県でやっているということですか。
  40. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 私のほうでは県のほうでそういうことをやっておるということは聞いておりません。
  41. 鈴木力

    ○鈴木力君 おかしいね。そのいまの資格と年齢と制限の問題、支障条件の問題で、課長は県でそういうことをやっているやに聞いていると、それを支障条件といったのでしょう。それといま小野さんからの質問は、これが会場ともからんで、講習を受ける資格にもそういう支障があるかということなんですから、からんでいるわけですよ。そこで、私はもうくどいことは申し上げませんけれども養護教諭をふやそうとして努力をしているということは、これは文部省の立場もそれから現場の立場も、どこの立場も同じわけなんですね。そういうときに出た問題ですから、かりに県がある年齢をチェックして、そして切りかえをしないというようなことを聞き込んだら、それが支障条件だと投げておく文部省こそ、ぼくはどうもたよりないと思う。そうじゃなしに、文部省としてはまず早急に切りかえのために府県指導すべきだと思うのです。そういう点をはっきり確認をして次に進んでもらいたいと思う。
  42. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 教職員の採用につきまして、府県によりまして、いま新規採用につきましてはいろいろな内規として制約を設けているという実情は、これは一般的にあるようでございます。それは従前の教員の構成の問題、あるいはできるだけ新進有為の方を入れて、将来にわたって教員の構成というものをバランスをとっていくということで、現実に即しながら府県の教育委員会実施されておるものと思います。これは一般の教員の場合でございます。私ども養護教諭につきまして、特に定数上の措置は十分にやる、しかし現実には未充足の県もあります。そういう場合には、できるだけ実情に即して充足をされることがいいと思うのであります。で、先ほどの御質問にもございましたように、旧標準法におきましては、養護教員、それから事務職員その他の職員一本となっておりましたので、その県によってアンバランスを生ずるということに相なりました。しかし、現行法におきましては、いわゆる仕切りと申しますか、養護教諭、事務職員それぞれ予定の計画に従ってできるだけ全国に不均等が起こらないような間仕切りをいたしまして、それぞれ充足をはかるような措置になっております。しかし、現実には、まだ全体といたしまして見るならば、約五百程度の定数に比較いたしますと未充足状況がございまするので、ただいま御質問にありましたような点は、十分にその実態に即して府県の段階で処理されることを期待いたしまして、私どもとしては、この未充足が著しいというようなところにつきまして制限を課するというような考え方は毛頭ございません。
  43. 鈴木力

    ○鈴木力君 ちょっともう一つ、どうもくどいようで恐縮ですが、私の申し上げようとしているのは、いまの局長の方針の中で、具体的な問題ですから具体的に答えてもらいたいわけです。たとえば養護教諭として養護教諭免許状は持っておるが、養護教諭の切りかえができない、その人がかりに四十歳をこしておったら年をとっているから切りかえしないという県があるとすれば、これはもう直ちにでも解除するように文部省指導すべきだ。それからまた三十数歳にして講習会を受けたい、養護教諭になろうという人が、無資格で今日までこの仕事をずっとやってきた者が、年をとったからお前は講習を受けて資格をとって養護教諭をやっちゃいけないという県があるなら、これもやはり今日までそういう仕事をやってきた熱意にもこたえなければならないし、いまのような方針にもたえてそれは解除してやる、養護教諭にしてやって、一番最後の問題はまた別の問題はあろうかと思いますが、それは別の問題として、そういう処置を講ずるように適切な処置を講ずるようにしてほしいということを申し上げておきます。
  44. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) よく府県の実態に即しまして不都合の起こらないように指導いたしたいと、かように考えております。
  45. 小野明

    ○小野明君 先ほど質問をいたしました関係上、私も要望しておきたいと思うのですが、学校教育法を見ますと、「置かなければならない。」と、こう書いてあるわけですね。ところが百三条で、「当分の間、これを置かないことができる。」と、こういうふうにしてあるのですが、言われるように、やはりすべての学校養護教諭を置かなければならない、これが趣旨なんですね。今度は二つばかり置かれる、設置するということですけれども、この間の充足というものは早急にはからなければならぬ。充足するというのは、いまのところを見ますというと講習なんですね。先ほど説明を聞いておりますと、希望するところをとっていると、こういうふうに言われるわけですね。これこそ文部省ほんとう充足をするということであるならば、むしろ積極的にお願いをする、たとえば福岡であれば長崎か都城、鹿児島まで行かなければ受けられないわけです、これは。資格取得を要する者が四千名もおられるということですから、やはりそれぞれ便利のいいようにむしろ積極的に指導していくということ、そして補助も、たったわずか五万円くらいですか、こういうことではなくて、さらに多くつけていく、こういうことなり、むしろ積極的に、この有資格者といいますか、養護教諭を置くための努力がほしいと思うのです、非常に少ない講習会でも。そういう点を私も申し上げておきたいと思うのです。この点は局長なり大臣の答弁をひとつ。
  46. 杉江清

    政府委員杉江清君) 講習会会場受講者の便宜に応じてできるだけ多く設けるということは望ましいわけであります。で、今後ともこの点については努力したいと思います。ただ、経費関係から、あまりそうにわかに早急にできがたい事情にはありますが、しかし今後努力したいと思います。会場設置県につきましては、これはにわかにその数を広げるということは実際問題としてむずかしいので、これがあまり片寄らないように、適正な配置を見ますように実施の段階で努力してまいりたいと思います。
  47. 千葉千代世

    千葉千代世君 この五ヵ年計画が終わったらば、学校教育法の二十八条と四条の趣旨を尊重して一校一名必置と、これへ向かっていくという構想の中の五ヵ年計画、そういう意味で、その一校一名必置に持っていく、そのためには大体いまの充足計画の中で見ますと、たいへんもの足りないわけなんです。で、私が伺いたいのは、全国の学校数、小学校中学校に例をとって、この学校数は日本全部に養護教諭配置していくと、そうすると、総数は何人で現在員が何人で、あるいは不足分が何人でもけっこうですが、これがいつ解消できるかと、こういうひとつ構想を明らかにしていただきたいのです。
  48. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 現行標準法は、養護教諭につきましては小学校が千人に一人、中学校は千二百人に一人ということを目標といたしておるわけでございます。したがいまして、四十三年までの義務教育学校におきますところの教職員充足計画というものは、この線に沿って進んでいるわけでございますから、五ヵ年計画の数字、三十八年度から九〇%を増して充足するという計画に向かって進んでおります。予算措置というものはただいま申した割合でございまして、これを換算いたしますれば、十二学級の規模学校には一人は置かれるというふうに相なるだろうと思います。先生御指摘のように、この四十三年までの計画と申しますのは、あくまで標準法に定められているその規定に到達するための計画でございます。で、さらに学校教育法規定等ですべての学校養護教諭を必置するかどうかという問題は、この四十三年度の到達目標を達成した以後検討すべき課題である、かように考えておるわけです。
  49. 千葉千代世

    千葉千代世君 その四十三年の終わった後に検討すべき課題とおっしゃったのですけれども、そうではなくて、この五年計画のプランというのは、一校一名必置に持っていくための努力目標ですか、努力ということになるわけです。それで、いまおっしゃったように、一校一名ですから、学校によっては小さいところもあります。私どもほんとうは分校にも必要だと思うのです。分校も大事だと、こういうふうに考えております。かなり膨大な数字になりますけれども、いまのところ百歩譲って一校一名、その中で、いま言ったように千名について標準法の一校一名を千二百について三名と、こういうふうな計算のしかたで充足していったら一番いいんじゃないかと思うのです。とにかくいまお述べになったのですが、これは文部省の指定統計を見ますと、小学校が全国で二万五千七百四十五校、中学校が一万一千三百八十四校で合計三万七千百二十九校あるわけです。現在の不足しておる養護教諭、これは四十三年度の終わったあとの勘定をしておるわけです。これは勘定しておかないと計画が立たないわけです。そうしますと、現在の不足だけでも二万五千七百八十二、こういう不足が出ているわけです。そうすると、いまの養成計画で見ていきますと、全国で大体文部省の指定が四十五あるわけです。国立でも、三十七年に国立の五カ所の予算から三十八年に三カ所、これは法律でなくてやっておったわけですが、臨時設置法の法案としては四十年度国立二カ所、四十一年度国立三カ所、合計十三カ所あるわけです。これらを含めて文部省の指定、各県にもございますが、それらを合わせた現在の養成機関で四十五年で勘定していきますと、新しく今度できたものは三年後でなければ卒業できないから、次々追って考えていきますというと、これはとてもとても足らないわけなんです。全部これは卒業生が満ぱいとして、そうして出て行っても全然これは数が足りないのです。そういうふうに考えていきますというと、詳しい数字はいま省略いたしますけれども養成計画のプランというものは大体どんなふうにお持ちになっておりますか、ひとつお答えいただきたい。
  50. 杉江清

    政府委員杉江清君) 五ヵ年計画養成計画につきましては、充足計画については、すでに申し上げておるところでありますが、この機関の養成にはあらためて申し上げますと、国立大学養成課程修了者で約二百四十名、それから大学、短期大学卒業者で約百五十名、県立等養成機関の修了者で約三百十名、それから養護職員からの配置がえで約六百人、その他百人、こういうふうに一応当初は見込んでこの計画の実現をはかろうと考えたわけです。ただ、御指摘のように、この養護職員からの配置がえが期待どおり進んでおりません。この点については、今後十分な努力をいたさなければならぬと思います。で、ここで国立大学養成課程措置については、これは一年課程の者をふやしていくというよりも、国立においてはやはりこの養護教諭養成所を増設するということに一そうの努力をいたしてまいりたいと考えております。なお、大学、短期大学、県立等の養成機関等における養成についても、先ほど課長からも申し上げましたように、県立等の養成機関に対しては何とか助成をするように努力してまいりたいと考えております。こういったところの養成計画の充実をできるだけ私どももお願いしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
  51. 千葉千代世

    千葉千代世君 昭和四十一年度予算には何カ所要求して——いま現実予算に計上されておるのは三カ所ですね。何カ所要請しているんですか、どことどことどこです。
  52. 杉江清

    政府委員杉江清君) 要求は六カ所の要求をいたしました。そのうち三カ所認められたわけでありますが、御存じのように当初計画は八つつくる計画を持っておりました。そのうち二カ年にわたって五カ所ができたわけでありますから、三カ所はぜひ早急にその実現をはかるつもりでおります。その、今後設置を予定している一応の設置予定の個所でございますが、これは一応の予定でございまして、実施にあたっては変更することもあることをお含み願いたいんですが、今後の設置予定としましては弘前大学、茨城大学、愛知学芸大学、大阪学芸大学、徳島大学、熊木大学、このうち今度設けられましたものを除いて、残りますのが茨城大学、愛知学芸大学、徳島大学、この三つでございます。
  53. 千葉千代世

    千葉千代世君 残ったこの三つを来年やるという、こういう構想、それに加えていまの充足計画で明らかになったようにたいへん足りない、もっとこれをふやしていく、まあふやすについていろんな私どものほうにも要望がございますけれども、とにかくこれをふやしていくという構想のもとに進んでいらっしゃると、こういうわけですか。一番多い東京だとか、そういうふうな人数の多いところのことは全然考慮してないわけですか。
  54. 杉江清

    政府委員杉江清君) この養成計画は全体の充足計画に沿って計画するわけでございます。で、この五ヵ年計画終了後においてもやはり養護教諭の充実ということが私は計画されると思いますので、その線に沿って養護教諭養成所も今後増加すると、こういう方向努力いたしたいと考えております。
  55. 千葉千代世

    千葉千代世君 かなり多くふやしていただきませんというとこれはとても充足できない。そこで、ふやすについてやはり今度の法律——この法律にありますように三年養成課程でやると、こういう予定ですか。
  56. 杉江清

    政府委員杉江清君) 当分の間は三年課程でやってまいりたいと考えております。
  57. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは私、いろいろ直接養護の仕事に携わっている方々に伺ったんです。それから養成所をお出になった方にも聞いたんですけれども、これは各種学校ということに、大体それに入るわけですね。それでたいへん困っているわけなんで、もう一つ、今度の法律改正の中に各種学校を統一してとか整理してとかございますね。あの法律のどこにこれは当てはまるんでしょうか。
  58. 杉江清

    政府委員杉江清君) これは法的には各種学校でございません。特別な法律に基づいて設置されるものは各種学校の範疇からはずれているわけでございます。だから、まあ特別の目的を持って特に設けられた養成機関だと、こういうことであって、各種学校規定の適用はないわけでございます。
  59. 千葉千代世

    千葉千代世君 それならおかしいと思うんです。というのは、これはちょっと話がそれますが、育英会法の改正のときですね、たとえば養護教諭にも奨学金を貸し付けて返還免除と、この問題で法律を出したんですね、この前に。そのときに国立養護教諭養成所だけ適用になったんです。そうではなくて、文部大臣指定の養護教諭養成所にもこれを適用してくれと言ったら、それは各種学校だから、いろんな美容学校とか何とか、やたらに同じになっちまうから、そっちでもこっちでも言ってくるからだめだということをおっしゃったんです。それじゃそれを取り消しますか。
  60. 杉江清

    政府委員杉江清君) 国立養護教諭養成所法律によって設置されているのでありまして、そのことのためにこれは各種学校の範疇からはずれるわけであります。しかし、公立養成機関についてはこれは法律に基づく機関ではございません。したがって、形式的には各種学校の範疇に入るわけでございます。これはいわば形式的な分け方、分数でありまして、その実態においては、法律に基づくものも基づかないものも非常に似た性格を実態としては持っているわけでございますけれども法律としてはそういうふうにはっきり分けているわけであります。
  61. 千葉千代世

    千葉千代世君 養護教諭のなり手がない、それをひとつ救う方法として奨学金の問題、これは看護婦さんの場合も保健婦さんの場合もあるわけなんですが、そういうふうにしていろいろな手だてを尽くして人を集めている。ですから文部大臣の指定の養護教諭養成所であれば、これは奨学資金の制度を適用するという、こういう方向考えてみたことはございませんか。
  62. 杉江清

    政府委員杉江清君) 先国会におきまして養護教諭設置法御審議の際に、公立の指定養成機関に育英奨学の適用をすべきである、こういう強い御要望がございまして、実はその線に沿って予算要求をいたしたのであります。しかし、この点、大蔵省の強い反対にあいまして、ついに実現を見なかったことはまことに残念であり、私どもの微力を反省している次第でございます。
  63. 千葉千代世

    千葉千代世君 それではだいぶ希望が持てたわけですが、この前には各種学校に類するからだめだと言ったのですが、実際に文部省としてはこれは要求をなさった。そうすると、これは大蔵省が悪い、一番悪い、そういうわけですね。そうすると、文部省はまたこれを予算に組んで、育英資金、奨学資金、ことしはないようですけれども、やはりそういう方向で進めていただきたい。これは要望しておきます。また新しい法律も場合によっては出したい、こういうふうに考えておりますので……。
  64. 松永忠二

    松永忠二君 ちょっと関連。いま話が出ている養護教諭が非常に少ないので、できるだけ養護教員任用もしていきたい、こういうことで、その問題で一つ出てきているのは、いまの話の育英奨学資金を公立でもほしい。それからいま話が出てきている採用の場合の年齢制限というのは現実にはなされている。しかも、それは予算との関係で年齢制限をされている。ここにもちょっと私資料を持っていますけれども、六十五名の予算中、三十五名きり採用ができない。四十歳で制限している。今度は、ことしは三十歳で制限をしている。だから現実には年齢制限なんというものが予算との関連でなされて、現実標準法できめられている定数だけを各地充足ができないという状況が出ている。それからもう一つ、免許法の切りかえという問題について、やはり前歴計算の問題でもっと換算の率を上げてくれとか、そういう措置ども検討する必要があるのじゃないか、この問題はどうなんですか。まずひとつ予算の、さっき話が出ているように、初中局長は、簡単に希望に沿うように、措置するという話だけれども現実にそれができるのか、できないのか。それから免許法の切りかえについて、経験年数の問題等で検討するものはないのかどうなのか。それからいま言うように育英資金の問題について、今後、公立についてはそういう措置をしていくという用意があるのかないのか。こういうことを一つずつはっきり確かめていかなければ、・現実には、刑等学校のたとえば実習教諭などには資格を持っていても現実には定数のために事実上採用ができない。逆にこっちのほうは定数はあっても事実上養護教員の不足しているためにそれができないという逆な現象が出ているので、そのために必要な緩和措置というものを十分現実にとっていいのじゃないかというふうに考えるので、いまちょうどその奨学資金の問題、育英資金の問題が出てきているわけです。現実にはそれをやるのかどうか、できるのかどうか、年齢制限撤廃はできるのかどうか。免許法については何かやはり検討して、経験年数の換算率などについて方法を考えていく用意があるのか。いまお話が出ているように、これはもう千葉さんが非常に熱心に、五ヵ年計画現実に立てられても、これは現実に五ヵ年計画が期限どおり来ても充足できない見通しのほうが非常に多い。また千葉さんの話では、これが計画が終われば必置制に変わるということであったが、いま初中局長の話では、そのときになって検討するんだということでだいぶここにズレもあるので、特にその点をはっきりお聞きをしておきたい。
  65. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 最初に私へのお尋ねの点からお答えいたします。養護教諭の定数の問題、あるいはそれに伴う予算とそれから任用関係について御質問がございました。先ほども申し上げましたように、旧標準法は教職員につきましては一木の立て方をとっております。で、これは府県によりまして事務職員というような点の充足を主としてはかった府県もございます。あるいは養護教諭のほうに重点を置いてはかった県もございます。ですから出発の点からアンバランスであるわけでございます、両者を考えました場合には。そこで現在の制度といたしましては、プールでなくて、先ほど申しましたように、養護教員につきましては小学校については千人に一人、中学校については千二百人に一人ということで四十三年度までの計画を立てて充足をしていくと、それが三十八年度の時点に比して五〇%の増加になるということで、年次計画を逐年遂行しておるわけでございます。したがいまして、府県におきましては、そういう出発のときのアンバランスがありますから、これはある県にとりましては事務職員のほうが多くて養護教諭が窮屈なところもある。逆のものもある。したがいまして、国庫負担をするという限度の問題では、これは十分に余裕があって、府県が置きさえすればそれだけはちゃんと負担の対象になるというところであっても、それ以下の予算を組むという実情は、これは制度上起こり得るし、また、養護教諭の非常に当初から多く置いていたところでは、負担の限度以上に地方負担におきまして養護教諭配置するということは起こるわけでございます。これはある程度やむを得ないことで、出発のときからそういうことでございますし、また、地方の政策によりまして国の標準を越えて置かれるということ、ある職種について置かれるということ自体は、これは別に差しつかえないことでございます。したがいまして、予算が少ないから、そこで任用上何人任用できるかという問題は起こってまいります。その場合にどういう要素を加味して、まず予算任用できるものをやっていくかということは、これはもう府県の判断だろうと思います。しかし、私が申しましたのは、定数上未充足であって、しかも任用しなければならないという実態にあるならば、これは十分に活用できる。市町村負担職員というものがあるならば、これは実情に即してどんどん切りかえていったらよかろう。先ほど成課長から御説明ありましたように、三十八年度九十二名だったものが翌三十九年度には相当数上がってきておるという状況でございますから、その予算の範囲内において任用というものを促進していったらよかろう、過度に、予算以外に、予算のワク内であっても、単に年齢でそれを押さえるということで供給源を封ずるというようなことがありますならば、その府県の実態に即して私ども指導をしてまいりたい、かように考えるわけでございます。
  66. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 養護教諭資格の取得の件について御指摘ございましたので、簡単に現状を御説明いたしておきます。御承知のように、養護教諭は他の普通の教諭と同じように一級、二級の区分がございまして、一級はまあ大学を出た者、二級は短大を出た者、こういう者が取得するわけでございます。そのほかに、職種のたいへん特別なものでございまして、たとえて申しますと、保健婦である者はそのまま二級の養護教員資格が取得できる、こういうような特別の制度も設けておるわけでございます。このような規定を教育職員免許法に書いてあるわけでございますが、このほかに免許法では、こういった学歴もしくは特別の職業上の免許の資格を取得しない人にも養護教員になる道を開くというような制度が設けてございます。御指摘の、いろいろ学歴の制限というようなお話がございましたが、昭和三十六年に法規の改正をいたしまして、現に学校養護教諭もしくは養護助教諭と類似の職務内容を担当されておるというような方々であれば、ある在職期間、ある単位数を取得されれば養護教員になる道を開こうというような形にしてあるわけであります。そうして、それらの養護職員である方々資格と申しますのは、準看護婦の免許資格を取っておるとか、そういうような形を一応基礎に置いて考えておるわけでございまして、普通こういうような職業にお入りの方々であれば、一応、養護教員になる道は開かれておる。なお、高等学校を出ましただけの者でも養護助教諭という資格が一応認められておるわけでございますから、そういう形から養護教諭のほうへ、正式の資格を収得されるような勉強をしていただければ、その道も可能であるというかっこうになっておるわけでございます。
  67. 杉江清

    政府委員杉江清君) 育英会の育英奨学の対象をできるだけ広げるということについては、先ほど申し上げましたように今後とも努力いたしたいと考えております。
  68. 松永忠二

    松永忠二君 いま初中局長の話ですがね。お話のように、この養護教員の定数を充足させていくために、いま言ったようなその予算的な一つのワクでもって切りかえを制限をしていかねばできない、あるいは任用が十分できないとかいうような点を考え合わせてみると、これはやはり予算的な拡大ということを考えていかなければ、現実にはそういうことは実行できないというようなふうに私たちは思うのですが、こういう点については特別な文部省指導というものがなされているのでありますか。
  69. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 文部省といたしましては、先ほど申しますように、標準法に定めます目標に向かいまして、経過的に年々養護教諭増加をはかっておるわけでございます。これは国庫負担金予算措置といたしましては、その計画に従ってやっておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたような経緯がございまして、昭和三十八年当時の状況と申しますのは、養護教諭が非常に充足しておる点もありまするし、また他の職員充足に力を入れた府県もございます。したがいまして、現状を見ますならば、各県によりまして養護教諭充足状況アンバランスでございます。一つ問題がございますのは、国の配置計画に従いましてやったものよりも、実数といたしまして未充足の数が、全国を通じて見ますれば、まあ過不足相殺して見ましても、なお五百人程度の未充足があるというのが現状でございます。これらの点につきましては、国として定数の用意があるわけでございますから、地方におきましてもできるだけ任用等の促進をはかって、この標準的な規模にまでは養護教諭配置ができるようにしていきたい、こういうふうに考えるわけであります。
  70. 松永忠二

    松永忠二君 私が言っているのは、そういうふうな点について、文部省が各県に養護教員充足について特に要望をしてきているのですが、現実にこのいま言ったような、限度政令がぐあいが悪くて、教職員定数をむしろ上回るというようなことはあるとしても、標準定数にも満たない文部省としての予算措置がしてあるのにかかわらず、それすらも充足ができないという状況は、これは異常なものだと私は思うのですよ。むしろ標準定数は非常に低過ぎるから、標準以上の数を各府県に置いていきたい。それについて限度政令のワクをはずしてほしいというような気持ちが相当強いときに、標準定数の予算措置されているものすら地方が置かれていないということについては、さっき申しました切りかえの問題とか、あるいは育英資金の問題とか、そういうふうな問題もあるし、あるいはまた前歴換算の給与の切りかえなどの問題も支障があるけれども、そういう程度の支障ではなくて、府県のこういう問題に対する熱意の不足というものもあるのじゃないか、だから、こういうことについて積極的な指導文部省としてなされているのかどうか。そのことがなければ現実にはいろいろ言ってみたところが、あるいはまたさっきお話の出ている市町村負担の問題についても、市町村職員として市町村が置いているものもある。それを児に切りかえていきたいという問題についても、県自身としてはさっき言ったとおり、なかなか現実予算が十分出せないために年齢的な制限もしていくという結果になってくるのだと思うのです。これは私は養護教員の数の問題は異常なものだと思うのですよ。だからいま言う年齢制限があるなら年齢制限を撤廃する、あるいはまた給与の前歴換算なら前歴換算も具体的に多くする。それからいま免許法であなたがおっしゃったようなことが現実にどんどん行なわれてくれば、必ずしも充足は困難なことではない。養成機関をつくらなければそれが充足できないという問題でもないし、いま言うとおり、切りかえという問題が一番停滞をしておるというのだが、しかも予算的には予算は十分用意されている。これは国として用意はあるというのだから、よほどこれは府県が本腰にならなければ、現実問題としてこれはそういう措置だけでは十分充足できないのではないか。いま約束されたようなことを実行されるような指導が強力になされているのかどうか、このところを初中局長に伺っているわけです。
  71. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 法律をもって標準を定めておるわけでございます。その標準に向かって努力すべきことは、あらためて行政指導を待つまでもなく、法律自体の精神だろうと思います。また、実際に私ども予算を組みましたならば、あらゆる職種についての負担金といたしましてはそこまでやっている。その財政計画におきましても、それは裏打ちさせているということを説明をするわけでございますから、府県といたしましては、これが現在の標準法のたてまえからいえば、こういう規模のところにはこういう教職員配置すべきだということは十分承知しておると思います。ただ一部に予算との関係で極端に困難なところが起こるというようなことがあるといたしますれば、それは他の教職員との関係におきまして、片方を押え、片方を多く持つというようなところも経過的には起こり得るのでありますが、先ほど申しましたように、とにかく国の計画といたしましては、四十年度におきましても、なお五百に近い開きが実際起こっておるのでございます。でございますから、この計画に従いまして足らない府県はなお十分に努力をいたしてもらいたい、かように考えるわけでございます。
  72. 千葉千代世

    千葉千代世君 時間もなくなりましたので、二つだけ質問して次の機会に譲りたいと思いますが、これは文部大臣にお答えいただきたいのですが、いまの養成所は、今度の法案は三年の養成課程でございます。私どもとしましては、現実学校の先生方とお会いいたしますと、やはり教員養成を四年制課程の中に入れてもらいたい、具体的にいえば、学芸大学の中に養護教諭というコースを設けてもらいたいという要望が非常に強いわけです。今度の養成所などの問題についても、文部省でも、ほかのほうはともかくとして、とてもこの点について一生懸命やっていただいたし、大蔵省を納得させるためにずいぶん骨を折っていただいたことはよく知っているのでありますが、ただ肝心なこの四年制の問題について、いろいろ文部省のそれぞれの方に話し合ってみましたけれども、どうもそれは非常にむずかしいようですね。これは三年にしたのですから、これくらいにして——そんなに四年制に入り手がありますかなんて心配してくださっておりますが、しかし、教員としての本来の使命を果たしていくということで、四年制の課程の中にこのコースを置いて免許法の改定をやっている、そういう作業の中で養護教員についてどういうふうに考えているかということを風の便りに聞いたんですけれども、今度のことははずされているということなんですが、そのとおりなんでしょうか、どうでしょうか、答えてください。そのことを一つ答えていただいて、それから文部大臣に四年制の養成課程のほうを全力をあげてやっていただく意思があるのかないのか、その点。
  73. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 現在、養護教諭資格は、大学で四年特別の電位をとるということで、学士になりますと養護教諭一級の資格、短期大学において二年のうちでやはり同様の単位をとりますと二級の養護教諭資格、こういうものが取得できる道がすでに講じてあります。お話の点は、この二月に、文部省にあります教育職員養成審議会が、教育職員の免許なり、免許法改正について文部省あて建議が出まして、この建議の中には、養護教諭資格取得の方法について特に触れた点はございません。現在、事務当局におきましても、その点についてはなお検討いたしておるという段階でございます。
  74. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 私にお尋ねの点、お答え申し上げたいと思いますが、御承知のとおり現在は充足に追われておる段階でございますので、御指摘のとおり大学に付置いたしまする養成所は三年間ということになっておりますが、この充足の進行度合いに応じて、将来は御期待に沿うような方向に検討すべきものと思いますが、現段階では、とにかくできるだけ人員養成を、人数をふやしていきたいというのが切実な問題で、先ほど松永さんからも御指摘があり、御論議がございましたが、政府としての予算措置の人数にもまだ充足されない面が相当にあるような現状でございますから、何とか私どもとしましても、この五ヵ年計画にありまする目標に向かいまして、人員の充足を期してまいりたいというのが当面の問題でございますので、お話の点はそれに引き続いた問題として検討することにいたしたいと思います。
  75. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは工業教員養成所は、三年制でつくりますときに、短大でもないし、大学でもないから困るという意見がずいぶんあって、最後に、三年卒業して今度は四年に、大学に行くときにはそのまま上がれるというような方法を講ずるということで一応落ちついたわけですね。この養護教諭養成所の三年制のときも、その点はどうかといったとき、今後考えるとおっしゃった、というのは、四年制の養成課程をつくっていくという前提の中で尋ねておるわけです。そういうふうになればその点は考慮するということであったのですが、やると約束なさったわけではないのです。しかし、現実学校につとめていく場合に、養成所でずっといきますね、片っ方は短大出、それから四年制の大学出と、こうなってまいりますと、仕事の内容について、養護教諭の任務について別に卑下するわけじゃございませんけれども学校の中にいきますと、短大でもなし、あれでもないということになってしまうと、かなり精神的にも影響していくのじゃないか。いま短大とおっしゃったのは国立ではないわけですね、ありますのは東大の看護科ですか、そこは四年制で学士がもらえる、あとは短大の、県に少しあるようでございますけれども、やはりこれは正規の教員養成機関というような、正規ということばはどうかわかりませんが、一般の教員を養成する課程の中の養護教育コースというような、こういう点からぜひ積極的に設置方向努力していただきたいと思うのです。  そこで、ちょっと戻りますけれども文部省のこの調査の中に、大学卒業の方々年度別の就職状況、その他ございましたが、この私のお配りいただいた調査の中に、養護教諭養成機関、この四十五の機関の中で、四十年度の大体卒業生と養護教諭の推定表がそこにございますけれども、それを見ていきますというと、定員に対して生徒数がやはり足りないですね、文部省国立のほうを見ていきますとやはり足りない、このことの中にかなりあれが、大学であればなあという、私は大学であろうが何であろうが本質には変わりはないと思いますけれども、しかし、現実に世の中がこういう状態になって、学校に職を置く者として、教員構成のバランス等を考えていった場合、やはりこの希望をいれて、養護教諭の一級なら一級、二級なら二級、あるいは短大、四年制と、こういう方向でやっていただきたい、そういう点で入所を渋っている方があります。いま申しましたように、四十五の機関で、大学で定員千二百八十五、生徒数が千百二十二、パーセントにすると八七・三%、養護教諭を志望する方は六百十五名でございまして五四・八%になっているのです。そうすると、約半数近くの者がどっかに逃げていってしまうのではないか、こういう点がかなりございます。これは看護婦の免許状関連しているのですが、養成所問題において、第一回目は、看護婦の国家試験を受けた方が免状を持って、高等学校を卒業して三年制の養成課程を済んだ者に一年養成を施して、養護教諭の一級をやるというのを国立で二回やったのです。それでも大学と同じに学歴がいっているのですけれども、出ていくと養成所ということになってしまうと、こういうふうになりますから、まだ保健に対する一般の概念がかなり薄いのです、方々の国と比べて。そういう場合には行政的な面で身分を補ってあげるということは大事ではないか、こういう意味で特にその点希望しておきます。  もう一つの質問ですが、養成所をおつくりになっていただいて、去年、私、質問のときに、養護教諭の実際の経験を持った者を指導のメンバーにしてもらいたい、したほうが実績が上がると、こういうことを質問しておいたのですが、その点について今度の養成所設置の中で予算が減っておりますね、一、一、一になっております。教授一、助教授一となっております。助手は去年は二であったわけですね。実際に入る余地がないようだし、その点どういうように考えていらっしゃいますか。
  76. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) いまお話の八つの国立大学にございます一年の養成課程の問題でございますが、これは当初はなかなか希望者がなかったのでございますが、最近はほぼ入学定員を満たすというようなところまでまいりまして、これ自体としては養護教諭養成として効果を発揮しておると考えております。そういう点、あるいは三年制度養護教諭養成所をどうするかという将来の問題につきましては、なお、大臣からお話し申し上げたような検討問題ということでございます。なお、本年度三カ所に国立養護教諭養成所を増設する予算審議していただいておるわけでございますが、その部分で、助手の定数が、お話しのように一名になっておるわけでございます。昨年は二名でございました。これは本年度、北海道と岡山の養成所のスタート後に、教官並びに事務官の定数の再検討をいたしまして、教授三、助教授三、助手三というような完成目標を立てようということになりました関係から、本年度二カ所の養成所につきましては、助手がすでに二名、したがって、あとは一名、それから来年度スタートします三つの養成所は、今後毎年一名ずつという形で、全体計画の定数をきめようというかっこうになりましたので、予算的にはその点が昨年と本年と不等になっております。なお、こういった助手等の具体的な人事の問題でございますが、昨年もいろいろお話がございまして、実は岡山ではそういうような人事が実はできたのでございまして、来年度設置いたします三つの養成所を含めまして、先般いろいろ打ち合わせ会をしたわけでございますが、その際にも助手、助教授クラスのところには、やはり看護その他のこの方面の経験のおありの方を採用されるのがいいんではないかというふうなお話は私のほうからもしましたし、岡山のほうから特に御主張もございました。御指摘のような点は今後にかけてうまくいくように努力いたしたいと思います。
  77. 千葉千代世

    千葉千代世君 努力していただくのはたいへん嬉しいことです。しかし、現実にはいままで設置したところで、北海道なら北海道の養成所、これはここにたいへん優秀な方がおって、その方がかけ持ちで非常勤講師でいらっしゃいます。そういうふうにいっていらっしゃる方、それから茨城でも、これまた優秀な方が講師になっていっているわけです。講師ですから年齢に制限はないわけです。一生懸命に現場で経験を積んだ方で、相当指導的な役割りを果たした方で、これはと思うような方が一ぱいいるわけです。そういうような方を活用していただくということも大事じゃないか。特に養護という学校の教員でございますから、養護の専門を持った教員でございます。ですから、実際に養護教諭の経験のある方がそこに一人入っているといないではたいへんな違いがあるということを、私たいへん大きな資料で拝見したのですが、きょうは時間がないので全部これは省略いたしますが、その点について、ここではっきり指導方針として、この養成所には養護教諭の経験を持った人を賢くように全力を尽くすという方針を出してもらいたいということ、これはお医者さまもいっていらっしゃるし、教授の方もやっていらっしゃいますが、何といったって、現場の経験を踏んだ方にはこれはかなわないです。一々例をあげると、ほかの教授をくさすようになると悪いですから、私は常識がないと思われるからやめますが、そういう意味で専門の方を配置していただきたい、これは切にお願いをするわけでございます。
  78. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) まことにごもっともなお話でございまして、そのようにぜひいたしたいと思います。なお、その際、国立養護教諭養成所の教官の人事のことに関連いたすわけでございますが、これは教育職(一)の俸給表の適用を受ける。すなわち大学相当の資格者ということも選考基準になっておりますので、そういう点とのかみ合いでできるだけいい人がくるように、これは当該養成所にもよく申し伝えまして、われわれも努力いたしたいと思います。
  79. 千葉千代世

    千葉千代世君 講師の場合はいいでしょう。
  80. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 非常勤講師のような場合でございますれば、まず相当ということで、多少、弾力的に運用ができるかと思います。
  81. 千葉千代世

    千葉千代世君 その費用がないわけなんですね。この中で操作をしなければならないこと、こういうわけなんでしょう。
  82. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 二つ問題がございまして、一年過程の養成コースを置いている八つの大学の場合には、これはすべて、その大学の保健担当の先生等が主になりまして、講師手当を積算をいたしまして、いろいろ関係者をお呼びしている。それから養護教諭養成所はこれは官制をもちまして、そこに固有の職制をつくりまして、その人事につきましては、いま申し上げたとおりでございます。専任の教官のほかに、予算的には非常勤講師の手当てが相当計上してございます。そういう点については、八大学の一年コースと同じような取り運びをするということになっております。
  83. 千葉千代世

    千葉千代世君 これはぜひひとつ来年度予算の際にも特に考慮いただきたいということを要望しておきます。まだそのほかいろいろ問題がございます。保健主事と養護教諭の問題で、保健主事は管理職にしてほしいと一生懸命陳情している。文部省のほうは、交渉にいくと、いろいろ現在違った指導もしていらっしゃるように聞いておりますから、そういう点だとか、それから勤務量の調査、たとえば超勤等の実態調査というものを進めていく場合に、養護教諭でいま授業を持っておるのがずいぶんございます。たくさん授業を持っておる者が何人というのがございますけれども、授業を持つ持たないの論は別にしまして、授業しておる者は超勤等の実態調査の勤務量の中にいれないということを各県で指導しておられるのです。そういう問題等ございますけれども、きょうは時間がございませんので、次に譲りたいと思っております。  私の質問はこれで終わります。
  84. 鈴木力

    ○鈴木力君 ちょっと関連させてください。あと、この問題はたくさん問題があるから、この次にまた質疑の時間があるようですから、この次に私もいろいろお伺いしたいことがあるのです。そのためにちょっと基本的なことを少し伺っておきたい。それは、いままでもいろいろ議論をされましたけれども学校教育法の二十八条、そこにもありますように、「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」と、こうあって、あとで、百三条に、この規定にかかわらず「当分の間、養護教諭は、これを置かないことができる。」と、ここで救済しておるわけです。この法律考え方なり読み方なりを、これは大臣にちょっとひとつ伺っておきたいのです。それはきょう、いままでこの問題が議論をされておる答弁等を伺いましても、齊藤初中局長はもっぱら標準定数法が法律だと、そこに基準を置いたような答弁をしていらっしゃる。これはそのように、現状ではそういう問題であることはわかるのです。それから五ヵ年計画は五ヵ年計画でここがずっと大きくなっていくわけです。しかし、やはり学校という一つの機能上からいったら、校長と教諭と養護教諭で、養護教諭は当分の間置かなくてもいいという規定を設けたのは、この法律ができますときは直ちに充足するだけの養護教諭がなかったから、したがって、充足する場合には直ちに置くべきであるがという意味の救済規定だと思う。ところが、この法律ができてからもう三十年になろうとしておるのに、その救済規定のほうが主たる議論になって、それが基盤になったようないろいろな施策が行なわれているわけです。定数法にしてもそうだと思います。千人に一人だとか、千二百人に一人とかいう、これはあの定数法をつくるときに、回りの事情等からは一応わかるにしても、しかし、それが基準になって五ヵ年計画とか養成計画というものができておるわけですが、まずこの法律考え方を大臣に伺っておいて、それをもう少し聞いておいてこの次にまたお伺いしたいと思うのです。
  85. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 御指摘の百三条の緩和規定は、おそらくその当時、全面的に置くということは原則であるけれども本則どおりにやりたくもそういう養護教諭または職員になっていただくような人材が養成されていない。その養成の進度に応じて充実をしていこうという精神であったろうと思うのです。したがって、養成のほうも現に関係官としても熱心にやっておるわけでありますけれども、私どもやはりそれをもっと努力をしていただけないだろうか。それから先ほど松永委員からも御指摘がありましたように、県としても国の予算措置があるのにかかわらず、あるいは人材がないためか、あるいは熱意に欠けておるためかわかりませんが、目標だけの養護教諭を置かない県もあるというような状況でございますから、これらについても人材がどうしても得られなければ別でありますが、得られる限りは努力をするように、文部省としては関係の都道府県に強力に行政指導をする必要があると、私そう痛感しておるわけでございます。いずれにしましても、本則がはっきり定められておるのでございますから、できるだけ短距離に、速度を早めて本則に向かっていくことは、当然この法律の精神だろうと思いますので、私どもとしましても、この点につきましては今後とも努力をし、また関係官にもそれを鞭撻してまいりたいと思っております。
  86. 鈴木力

    ○鈴木力君 いまの大臣の御答弁、大体わかるのですが、要するにこの本則が必置制である、各学校養護教諭を一人置かなければならないという必置制である、これは教諭と養護教諭との間に教育的には前後の差別はないという、これは確認いただいたと思います。したがいまして、私はこれは県予算の都合上、当分の間置かないことができるという、法律の解釈ではなしに、該当する教員が、発足したときは養護教諭という制度は初めてでありますから、そういうところから出ている、こういうふうにひとつ確認したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
  87. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) まあ問題は人材の養成にあると思います。人材の養成機関を設けてまいりますのについて、財政上の関係ももちろんあると思いますが、急にはまあ拡大困難であるという事情もあると思いますが、しかしながら、養成に極力努力をし、そうしてできるだけ、現在、看護婦さんも非常に不足しているそうですからそういう方面に引っ張られる可能性もありますが、できるだけいまのような授業料の徴収猶予とか、あるいは一定期間就職していただければ徴収猶予を免除に切りかえるというような制度を活用いたしまして人材の養成につとめてまいりたいと、かように思っております。
  88. 鈴木力

    ○鈴木力君 くどいことを申し上げるつもりはございませんけれども、少なくとも今日は財政という問題を気にしていないと、あとぐあいが悪いと思って、局長、だいぶ心配なさるその気持ちもわかりますが、しかし、もしさっき私が言いましたように、教諭なり養護教諭なりというものが教師としての、あるいは学校という機能からいっても差別がないのだ、必要な、必置しなければいけないのだ、こういう前提に立ちますと、もしこのときに人材があっておれば、財政は当然そこは処置されていなければならない法律だと私は思うわけです。それは財政的な都合があればということからいきますと、たとえば小学校の教員がああいう定数になっているけれども、財政がないからということになれば、学級数の半分でも間に合うというような理屈にやや似たような考え方になってくる。やはりこの教育というものは最低必要限度ということで養護教諭を望んでいるのですから。がしかし、いますぐ四月一日から全部必置せよとは申し上げませんけれども、そういう立場で文部省はこの問題には取り組んでいただきたいと思う  そこでもう一つだけお伺いしますが、そういう立場に立ちますと、齋藤局長は、いまの標準定数に立つと、四十五年ですか、そこまでの間に充足をしていきたい、その時点で考えるとおっしゃったけれども、ちょっと私はその時点で考えるという時期はおそいと思う。必置制という立場に立ちますと、あの標準法をつくったときにはこうであったけれども、いまからもう準備をするということをはっきりしてもらわないと、いまの大臣の法律考え方とはちょっと違ってくる、消極的になり過ぎると思うのです。それで、そういうことや、いまの養成制度の問題等もあわせて一つだけ私は伺って、あとこの次なおこまかいことを伺いたいのですが、一体、文部省は、いま現在の養教配置になっておるこの数から推してみて、各学校に必置という一つ本則規定考えた場合に、この養成所計画と、それからいまの講習会や五ヵ年計画やらあるいまの構想は、何年たったらこの本則充足されるとお考えになっておりますか、それを伺いたいわけです。
  89. 小野明

    ○小野明君 関連。その四十三年度五ヵ年計画の終了日までに学校に置かなければならないという数はもうきまっておるわけですが、どれくらい充足するのか、それをひとつ出してもらいたい。
  90. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 先ほど来、私のほうで御説明いたしました大学卒業者を含める就職、あるいは新たに国立の三年制の養教養成所を増設していく計画、これは一応現在の時点における五ヵ年計画充足というのが主でございまして、それを実行しながら今後の増員計画にどのように対応するか検討いたしたいという御説明をしてまいったわけでございますが、と同時に、四十三年度のこの計画の終了時期におきましては、公立小中学校で約一万五千名という形に相なるわけでございまして、これは現時点における公立小中学校の校数の百分比からいたしますと、ほぼ四、五%に該当する形になるわけでございます。
  91. 鈴木力

    ○鈴木力君 そういうことになりますと、四十三年では四五%、しかしこれも、いまも年齢という話、さっきありましたけども養護教諭の人にも退職勧奨なんか相当強硬に行なわれている節もありますから、いまの安養寺課長のように四五%にはならないわけです。ただ、そのあと、本則規定ができて、いまの大臣のような考え方に立って二十年たって、この法律を満たすにはあと何年かかるかという計画がまだないということになりますと、ほんとうにこの養護教諭という必要性文部省がどの程度に熱意を持っているかということは疑わしくなるわけです。少なくともこの法律は、「当分の間、」というのは一体何年を意味するものやら、教育ということが一番重要だ、重要だということは、あらゆる機会に政府も重要だと言っていらっしゃる。特に保健なんという問題は最近特に重要な課題に入っておるわけです。そういう時期に、この法律を満たす計画なり予想のついていないということになりますと、私はこの養成所を出したくらいでは、これはほんのわずかのその場しのぎであって、まだまだ文部省の熱意が足りないような気がしてならないわけです。もしこういう話を伺ったら、あるいは親も相当がっかりするだろうし、養護教諭はもちろん、ない学校は相当暗い感じを受けると思います。でありますから、少なくともこの次の委員会までに、やはり文部省、これを充足するためには、直ちにこれは予算が伴うことでありますから、いきなりは言えないことでありましょうが、実行という面から言いますと。しかし、いろいろな面においては、やっぱり討議をいただいて、ある程度のものはやっぱりお示しをいただきたいと思います。そうでなければ、この法律考え方とやっていらっしゃることは、まるで将来に責任を持たないようなやり方であって、とても頼りにならないような感じがいたします。そういうことを伺っておいて、この次になお伺いたいと思います。
  92. 小野明

    ○小野明君 私も要望があります。私も各学校に必置しなければならないというこの本則趣旨から考えますと、いま鈴木委員が言いますように、やっぱり標準定数法の立て方自体に誤まりがあるのではないかと思うのです。それで、五年間このままでずっと置いていくというまあ御趣旨のようですけれども、もちろんそれでも四五%、 一万五千人、やっぱり学校単位でこれはいってもらわなければならぬ問題でありますから、標準定数法をさらに検討をするのかどうか、この辺も次に御答弁いただきたいと思います。
  93. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 学校教育法本則で必置を定めて、附則で「当分の間、」としてそれを緩和ないし排除しておるということでございますから、いままで、いま御質問ございましたように、標準法自体が学校教育法に反するという問題では私はないだろうと思います。もし附則なかりせば、おっしゃるように、標準法は現時点で両方をかみ合わせて置いてみたらおかしいじゃないか、こういう御議論になると思います。そこで、それではこの本則というものについてどう考えるか、附則の「当分の間、」というものをどう考えるかということは、まさに財政あるいは教員組織というものを、どこからどういうふうに重点的になお改善をはかっていくかという立法政策の問題だろうと思うのであります。これは当時におきましては、養成の問題もございましょうし、また財政の問題もございましたでしょう、また、これは原則として置くけれども、極端な小規模学校においては一体どういうふうに考えるとか、いずれも教育の問題もありますけれども、財政的には効率的であるかというような種々検討すべき問題があろうかと思います。たとえば小規模学校につきまして、普通の教職員にありましても、非常に小規模学校にありましては異なった学年の者を同時に教育するというようなことも便法としてあるわけでございますから、これらの点は将来にわたって検討すべき課題だと存じまして、私どもは現在の段階ではまず標準法の目標を達成することにいま全力をあげたい、かように考えておるわけでございます。
  94. 鈴木力

    ○鈴木力君 私の言っているのは、標準法の法律違反とか、そういうことは言っているつもりはない。ただ、いまはしなくも齋藤局長から出ましたように、私はこの養護教諭という職種に対する認識が文部省は違うんじゃないかということを申し上げているのです。さっきから、たとえば小規模学校で異なった学年を同一の教師が持つということの是非という問題と、それと養護教諭配置するかしないかという問題を同列に考えていらっしゃるところに、私は養護教諭に対する認識が足りないんじゃないかという考えを持つのです。つまりそういう小規模学校の、さきに申されたこの一つの教諭の仕事が、現に二人あればいいところが一人という考え方が財政との関係であるわけです。しかし、そこに学校という教育の機能を果たさなければならない異なった一つの職種の場合に、全部欠けていいという問題と、同じ職種の人が何人か足りないという問題とを同じに考えていらっしゃるところに、この養護教諭に対する認識が足りないんじゃないか。だから、財政というのが頭にきたり、あるいは救済規定が先のほうにきてしまって、本則が二十年もほこりをかぶっている。政府がそういう認識に立てば、当時、憲法にない自衛隊ができたとき、絶対必置だという認識に立てば、財政というのはそういうときに出してこなければならない、私はそれが政治なり行政なんだと言っているわけです。その認識に違いがあれば、同じ教員と同列の定数の中にあるとすれば、どこか欠けることもしようがないということも理論が成り立つし、そういう立場に立って今日まできているんじゃないか。だから、いままでは前進じゃないか、手柄だろうというお話をちょいちょい承るわけです。それはいままでと比べれば確かにふえた分は手柄だろうけれども、しかし、本則なり養護教諭なりといういまの教育の仕組みという問題の発足した当時のほんとうの認識がなければ、いまのようないろいろなことが出てくるんじゃないか、こう申し上げるわけです。だから、いまどう考え方を変えても、来年度からの予算はどうしますということは私も要求いたしません。しかし、いまのような考え方で当分はこれをやるんですということで、その他はもう考えません、こういうことであっては、本則というのは何年一体ほこりをかぶせて置く気なのか、学校ということは一体どうなのか、養護教諭という任務はどうなのかということを、あらためて議論しなければならないときにきているんじゃないかということを申し上げるわけです。その過程で養護教諭養成なり、あるいは現在いる無資格の人の養護教諭資格なり、充足なり、そういうことに方向を向けながら議論をしていき、前進をしていかなければならないということを申し上げているわけです。
  95. 中村梅吉

    国務大臣中村梅吉君) 結局私どもも感じておりますことは、人材の養成が先決問題で、養成の度合いの進行に伴って本則に早く近づけていくことがわれわれのつとむべきことであろうと思っております。そこで、この資料を見ましても、いままではなかなか定員だけの入学者がなかったという経過をたどってきているようですが、昭和三十七年、八年、九年と、だんだん改善されて、三十九年のころにはやや近いところまで志願者が出てきておるようでありますが、今後はひとつできるだけこういう養成施設ができたら、養成施設の定員をオーバーするだけの志願者があらわれるようにして、そうして養成を拡充していくというたてまえを追いかけること以外にはないと思いますので、幸いいままでの数字を見ましても、三十七年あたり、あるいは三十八年あたりは三十名の定員に対して三名しか志願者がないというところもありましたが、だんだん改善されて、三十九年はややこの定員に近いところまできておりますから、やっぱりこういうことは世間一般の養護教諭に対する関心なり認識というものを大いに深めながら志願者をふやし、そうして人材の養成に力を入れるというようにいたすべきことかと思いますので、いずれにいたしましても、法律本則が定められて、当分の間、緩和規定が置かれておるというのが基本でありますから、その精神にのっとってまいりたいと思っております。
  96. 小野明

    ○小野明君 先ほど申し上げました標準定数法で、千人なり千百名でくくるというのは実態に合わないじゃないか、だから、そのくくりをさらに小さく細くして定めていく計画はないのかということを尋ねたのです。そこを間違えないように。
  97. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 繰り返して恐縮でございますが、この養護教諭その他の職員の充実改善ということは将来努力すべきことであろうと思います。ただ、いま四十三年を目標といたしまして計画を立てて、そうして実施しているわけでありますので、まだ、いまの段階では私は四十三年の目標、これも相当努力を要することでありますから、これに従ってまず努力を傾注したいということを申しているのでございまして、養護教諭がなお現在定められているものよりも、御質問にあったように、もっと小さい範囲のくくりでだんだんに改善されていくということにつきましては、もちろん異存はございませんし、そういう方向で検討すべきものと考えているのであります。
  98. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 他に御発言がなければ、本法案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  99. 二木謙吾

    委員長二木謙吾君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十八分散会