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松永忠二君
大臣は、非常にむずかしい問題で、こういうこともやらなければできぬという
お話もわかります。しかし、それなら、たとえば私はもちろん、ただ
学校の格差をなくしたからといって、これが、準備
教育が行なわれないということはなくて、大学の場合もそうですが、問題はやはり社会的な環境にある。学歴を尊重し、学較差をつけている社会に問題があるわけなんです。こういうことになってくると、たとえば、私は
政府なりのやり方というものに一貫性がないというか、たとえば池田総理が、総理の当時に、定時制の卒業生に対して、これを十分に尊重し、就職について
めんどうを見ていこうということで、実に定時制の卒業生というのは
希望を持ってこの談話を受け取ったわけなんです。何を一体やったのかということであります。何を一体具体的にやったのかということ、現に就職の条件の中に、高校の卒業生と書いてあって、カッコ定時制を除くというのは幾らもありますよ、就職のあれに。相当りっぱな、相当どころじゃない、日本の指折りの電気の会社で、
現実に定時制の高等
学校の卒業生を高等
学校の卒業生とみなさないということを明確にしている会社がある。こんなことをやっている。私はやはり、これは定時制の問題でありますけれ
ども、こういうふうな、大学で言えば
一つの学歴だけを尊重する、学較差を認めていくこのやり方をなくしていかなければ、
現実の問題として、私はこういう準備
教育の廃止とか、大学入試の問題の解決はできないと思うのです。こういうことについて、当時の総理
大臣がそういうことを言ったということで、これは総理
大臣が言ったことであって、
文部省のやることではないと
考えておられるのか知れませんが、やはりやらなければできないことがあると思うのです。具体的に、たとえば大学の問題についても、自分の会社では大学を出てくることを条件とした就職試験をやらないで、大学卒業に見合う就職の試験をやって、いかなる
学校を出てきてもこれはいい。学歴を問わずして、就職は自分の会社の試験をパスすれば、それを大学の卒業生とみなして就職していくということを、こういうことを一流の会社がやってくれれば、何もむやみやたらに
学校を卒業する必要はないわけです。もっとそういうふうな社会的な環境を整備するということが非常に重要なことであって、このことは別に入試の方法が結論が得られないからと言ってでき得ないことではない。こういうことを具体的に進めていくということが私は必要だと思うのです。こんなことは、何もやらないでおいてむずかしい問題だ、むずかしい問題だというのも、私はこれは
考えてもらわなければならない。大学入試の問題はきょうはやめますけれ
ども、すでに推薦入学制の問題についても、それを決定した北大あたりは、これをやめることにしてしまった。だめだということになった。能研テストを採用した
学校についても必ずしも問題がないわけではない。大学入試についてだって具体的に手を打った推薦入学制や能研テストのこの
文部省の
施策も、実は必ずしも受け入れられていないという
現状にあるわけです。そうなってくると、私は非常にむずかしいかも知れぬけれ
ども、いま
教育委員会が具体的な案をつくろうではないか。また何回にもわたって
父兄にも呼びかけているという
現状を見たときに、むずかしい問題だから、結論が出てこなければ
文部省としてはうっかり動かれないということではなくて、やはりできることをやられると同時に、準備
教育そのものについてはそれは
考え方として、こういう反対の
考え方を持ち、これをやめていかなければならない
考え方を持っているというような点も明らかにしながら、しかも、ある時期には
文部省としての
考え方をもって、四十二年からの入試については
地方で進んだ改善の仕方をしてもらうというような、そういう意思表示だって私はしたっていいと思うのです。そういうバックアップをしなければ、
現実に一生懸命やって進めている
地方の
教育委員会のこういう問題も実ははばまれていく、現に東京都でもいろいろな批判が出てきていることは御
承知のとおりです。しかし、私は純粋にその熱意は認めなければならない。その改善の必要性はあると思うのです。だから、
大臣の言われているように、談話でも私は見ましたように、なかなかいろいろむずかしいものがある。あるにはあるけれ
ども、これはある時期に検討して、こういうふうな時期には結論を出していきたい、根本に流れている準備
教育の問題については非常に反対なんだ、こういうことに各方面が非常な
努力をしているということは全く賛成だというような点ぐらいは、やはり積極的な意思のあらわれるものを出されるということは、私は非常にいいことじゃないかと思うのですがね。こういう点について、根本的な問題の解決には幾多むずかしい問題があって、それは慎重にやることは必要だけれ
ども、そういうことを
文部省自身も
努力をしているし、そういう
考え方を支持をして、われわれも一生懸命やろうというような、こういうことについて積極的な
文部省の意思を示されることはいままさに時期だと思うのですが、こういう点については
文部大臣どうお
考えになりますか。
それからもう
一つあわせて、さっき申しました定時制、特に就職条件に高校としてこれを認めないというようなものについては、日経連、経営者団体等について特にこれをひとつ認めてもらう、そういうことのないようにしてもらうという点についての
文部大臣の積極的な活動をお願いをしたいと思うのですが、いかがでしょうか、この二つ。