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1966-06-09 第51回国会 参議院 逓信委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月九日(木曜日)    午前十時四十八分開会     —————————————    委員異動  六月七日     辞任         補欠選任      田代富士男君     白木義一郎君  六月八日     辞任         補欠選任      安井  謙君     平井 太郎君      白木義一郎君     田代富士男君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野上  元君     理 事                 植竹 春彦君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 光村 甚助君     委 員                 小沢久太郎君                 白井  勇君                 平井 太郎君                 松平 勇雄君                 久保  等君                 鈴木  強君                 永岡 光治君                 横川 正市君                 石本  茂君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君        電気通信監理官  畠山 一郎君        電気通信監理官  野口 謙也君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員       日本電信電話公       社総裁       米沢  滋君       日本電信電話公       社営業局長     武田 輝雄君       日本電信電話公       社施設局長     北原 安定君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改  正する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 野上元

    委員長野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  初めに、理事会協議事項について報告いたします。  本日は公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。     —————————————
  3. 野上元

    委員長野上元君) 次に、委員異動について御報告いたします。  昨八日、安井謙君が委員辞任され、その補欠として平井太郎君が選任されました。     —————————————
  4. 野上元

    委員長野上元君) 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  5. 鈴木強

    鈴木強君 私は最初に、電気通信事業の基本に関する問題について、ちょっとお尋ねをしたいと思います。皆さんも御承知のとおり、最近電気通信事業一元的運営ということがまあ盛んに言われるようになっておるんでありますが、なるほど、いまの公衆電気通信サービスのいろいろの面を検討してみますと、たとえば最近、地域団体加入電話、あるいは集団住宅電話、あるいは集団住宅自動電話、さらにまた、有線放送接続する電話の問題、それから農村集団自動電話、こういったサービスが次々に開拓をされていっておるのでありますが、と同時に、けさも資料をいただきましたように、有線電気通信法第四条第五号による緊密業務ということに名をかりて、すでに五千六百九十四ヵ所に四条五号に基づく設備共同設置されておる。これは内容を見ますと、電力関係が三千八十三件、国鉄関係が二千百四十九件、これは大体わかりますが、その他の国または地方公共団体関係三十件、あるいはその他四百三十二件というようなのは、非常に私は問題をはらんだ施設であろうと思います。このことはすでに祇園の私設電話のこれに基づく施設について、本委員会においてもかなり批判が行なわれ、質疑が行なわれておることは御承知のとおりと思います。一体こういうふうな形が出てきたのはどこに原因があるかということを多少研究してみますと、そもそも、日本電気通信事業というのは、電信が明治二年に始まって、その後、電信法が制定され、少なくとも戦前、戦中、戦後を通じて、電信電話事業というのは政府独占事業として行なわれておると思います。特に旧電信法では、電信事業電話事業政府これを管掌すというふうにはっきりうたわれておって、少なくとも例外規定というものはあまりなかったと思うのです。官庁通信等において多少認められておったとしても、こんな戦後のような姿にはなっておらなかったと思うのですよ。そこで、二十八年に有線電気通信法公衆電気通信法の二つが電信法にとってかわり、また、当時はもう電電公社になっておったわけですから、昭和二十七年八月から公社になっておったわけでありますから、日本電信電話公社法、この三本によって法律的には規定されておると思います。  そこで私は、いまこういうふうにいろいろと問題が出てまいりまして、電気通信事業一元的運営、すなわち、電電公社電信電話事業を専掌していくのだ、こういう精神は私は変わっておらぬと思うのです。ところが、どうもこの改正のときに問題になりました有線電気通信法第四条によって例外規定を設け、しかも、その例外規定が六つもあるわけですね。したがって、こういうところにかなり幅を広げて、電気通信設備というものは二人以上の者が設置してはならないというにかかわらず、その設置を認めるように法律窓口を広げてきた。私はここらにかなりこのよってきたる原因をつくったものがあると思うのです。  それからもう一つは、試行制度というのがございまして、公社法上これは当然電電公社総裁がおきめになられたわけです。ところが、その後、郵政大臣認可を必要とするようになりまして今日に至っておりますが、この試行というやり方が私は非常に問題があると思うのであります。たとえは集団住宅電話試験実施のための契約約款をつくりまして、これは三十四年の二月に公達第百二十二号で当時の大橋総裁が公示をされておるわけです。今日まで、三十五年、三十六年、三十七年と改正が行なわれて、いまもこれは実施されておる。それから、三十八年に法律に入りました有線放送接続電話試験のための契約約款というのも三十六牛に制定されて、三十七年、それから三十八年の四月二十二日にまた公達第十二号ですか、こういうふうな形でいままでやられているのですが、これはすべて試行ということに名をかりてやっておるわけですね。試行というのは、実際にこの通信を新しく開拓できるかどうかためしてみることでしょう。したがって、少なくとも三カ月とか二カ月とか、あるいは半年とか、そういう短期間を区切って試験的にやってみて、それがもしだめであればやめる、よかったらそれを法律に移して実施していくというのがたてまえじゃないかと思うのです。それで、特に私は、有線放送電話との接続は、後ほどまた詳細に伺いますが、これとの関連で、たとえば別表第六類の二、「接続有線放送電話設備に係る役務に関する料金」という約款にありましたのをそのままこっちに移している、内容的には多少変えておりますけれどもね。これが一体法定料金でいくものであるか、あるいは認可料金でいくのか、内容検討してみますと、かなり問題があります。こんなものを、国会の議決を得る一般的な料金法定化ということがありながら、認可料金でどんどんやられることは、内容的に見ると、かなりこれは問題がある。しかも、この接続が三十三カ所から——後ほどまた伺いますが、かなりふえておるわけであります。こういったことは、これは郵政省のほうでももう少し法律のたてまえから——戦前電信電話料金法という、電信法と別に法律がありまして、そこできめておったわけですね。ですから、法制化すべきなのが電信電話料金なんですから、あまり認可料金でやるということは好ましくないことだと思うのですね。しかも、試行ということに名をかりてやっておるものを、今度はそのまま実施する。その実施する料金というものがそのまま認可料金になってくるというのは、少しこれは国民立場からいうと、料金制度というものを軽く扱っておるのじゃないかという気がするわけです。そういったいろいろな不備が出ておりますことは、二十八年に新しく電信法から移行した現在の関係二法というものの中に、もう少し現在の時勢に適応するような再検討を加える必要があるのじゃないかと思うのです。昭和二十八年といいますと、公社になって間もないことでありますし、当時日本政府は、国有国営事業であっては、なかなか戦後荒廃した電信電話事業を再建することはできない、したがって、公共企業体という民間のいいところを入れて経営していこうじゃないかということで、本格的に経営方針を変えたやさきです。そういう際ですから、いろいろと公社がやろうとしてもできない面があったと思います。資金的にもいろいろな方面におきましてもね。けれども、今日はもうすでに電話も七百万、八百万とふえてまいっておりますし、かなり電電公社がそのおくれを取り戻しておるわけですから、ここいらでひとつ本然の電信電話事業というのは、国民皆さんに一部負担をかけてやらせるということじゃなくて、公社責任電信電話サービスというものは提供していくんだ、全国あまねく公平に、どこにおってもサービスを均等に提供していくんだ、こういう私は強い精神に立ち戻っていくべき時期に来ておるのじゃないかと思いますね。ですから、こういう点は、いまにわかに大臣の決断を私は聞いても無理かとも思いますが、しかし、いままで一年有余やられておるから、具体的にこの国会で問題になりますようないろいろな問題が派生的に出てきておりますので、この際、全般的な立場に立ってひとつ再検討していただきたい、こう私は思うわけでありますが、その点について、ひとつ大臣並びに電電公社のほうも御意見があったら、この際、総裁から聞かしていただきたいと思います。
  6. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いまお話しのように、有線電気通信法が制定されました当時の状況は、まだ電気通信状況は、まだ電気通信の利便をなるべくあまねく提供したい、そのためには設備設置なり使用なりについてできる限り自由にするということのほうに、当時の状況から急であり、それは現在の公社電話普及がこの状態に相なったときには、当然考え直し、むしろ、ただいまはいかにして一元化をはかってまいるかという時期に来ておるかと思います。その意味で私も、有線電気通信法の四条五号ですか、あの緊密関係などの読み方にしましても、法律規定ことばをそのままに扱って、そこに許可をいたします際には十分判断を加えるべきものだと私は思うのであります。また、事情の変化もそれを要求しておるのに、ややことばの字づらにとらわれておったという点は、行政を担当する私ども、考え直さなければならぬと思います。でございますから、全般的に、根本的に再検討し、むしろ、現在の公社電話普及状況、それから将来どのようなサービス国民に提供できるかということを展望いたしまして、その上で、全体の制度について改革を加えてまいる時期に来ておると思います。このことは、公社とよく連絡をいたしまして、郵政省としてつとめてまいりたいと思います。
  7. 米沢滋

    説明員米沢滋君) ただいま郵政大臣から御答弁がありましたように、電電公社といたしましても、公衆電気通信事業一元化につきまして、郵政省の、あるいは、政府方針に沿いまして、その点で公社としてできるだけのことはいたしたいと思っております。  それから、公社が発足いたしました当時は、まだ電話が百七十万ぐらいでありました。現在すでに七百万をこえております。また、技術におきましても、現在ヨーロッパの水準を抜きまして、むしろ、マイクロみたいな技術はアメリカと完全に対等になった、世界的な水準に達しております。規模におきましても、世界的な事業になりまして、電話全国あまねく普及し、また、これを新しい技術革新等を取り入れまして、最もいいサービスを提供していくということにつきまして、一そう努力したいと思います。しかし、何といいましても、技術革新が非常に激しい事業でありますので、いろいろ先ほど御指摘のありました試行サービス等につきまして、やはり、やってみなければならぬというようなことがありまして、また、国会附帯決議等によりまして、農村集団自動電話みたいなものを新たに発足したわけでございます。そういう点を含めまして、電話普及について、一そう努力をいたしたいと思います。
  8. 鈴木強

    鈴木強君 総裁の前段の御意見については、多少消極的じゃないかと私は思うのですね。まあ、この法律を提案したのは政府ですから、大臣のほうから全般的な検討を約されましたから、私はいいのですが、とにかく電信法をずっとひもといてみますと、それから、飛躍的に共同設置なんかの場合については、門戸を開放し過ぎたような気があるわけです、私から見ると。そういうことが、いま大臣言われたような疑問のようなところまで発展してしまう。利用者はいろんな角度から検討しておりますよ。どうしたら一番いいやつができるか。それが、本来の公共通信役務から見ると、相反するかっこうになってきてしまって問題が起きるということになるのです。そこらの規制は、大臣おっしゃるようにきちっとしておきませんと、何か解釈上の幅があるようになりますと、非常に問題をかもすようになると思うのです。だから、当時、総裁、二十八年の電信二法に移行する当時、どうかと思うほど、あんな大胆な窓口を開いた。それならばそれで、日本電信電話というものは民間国有との二本立てでいくんだと、国鉄のように、それならばそれでいいのですよ。一つ考え方です。しかし、そうではない。思想は貫いていく、いまになって一元化ということを盛んにわれわれも言わなければならぬし、皆さんも考えなければならぬという形になってきておるのは、二十八年の改正のときの思想的問題があったと思うのです。そこのところは、野口さんその当時おらぬからわからぬかもしらぬけれども、この法律を提案するに際して、そこいらの経過を一応聞いておかぬと、私は納得できないと思うのです。これは電電公社のほうも、相当タイアップしてやられたと思いますが、しかし、法律提案権大臣にあるし、当時は監理官制度ができているはずですから、そこいらどうなのですか、よくわかりませんかね。どういう思想であんなに窓口をあけちゃったのか。
  9. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) おっしゃるとおり、当時二十八年に有線電気通信法ができました当時には、やはり当時の考え方といいますか、そのときの社会的な空気としては、まず電気通信はできる限り自由に使わせるというたてまえの思想が相当入ってきておったことは事実でございます。その後十三年経過しておりますし、公衆電気通信のほうも相当発達しておりますので、根本的な問題につきましては、今後の問題として検討をすべきものじゃないかと、そう思っております。
  10. 鈴木強

    鈴木強君 ですから、私は相当に設備を自由に使わせようという、そういうことは、使ってもらわなければいかぬと思うのです。しかし、だからといって、公共事業であり、低料金政策でやはりサービスを提供するというのがたてまえですから、その場合にいろんな問題が起こらないようにすることがたてまえだと思うのです。私は、電気通信事業電電公社でやるということは大原則である、これは不動のものである、こう心得ておりますから、そういう思想からいうと、どうもおかしいじゃないかという気が非常にしてならないわけですよ。だから、まあ、なぜそういうふうな考え方になったのか、当時まあ百七十万ですか、総裁の言われるような程度の電話しかなかった。そとで、非常に需要供給のバランスはくずれてしまっているし、供給需要に追いつかないということで、民間の力もある程度かりて、この際、日本電気通信事業を建て直さなきゃならぬ過渡的な一つの方法として、考え方として、まあ当時法律の中に多少そういうふうな芽ばえが出ておったのじゃないかというふうにも、ちょっと考えてみてそういう気もするのだな。それならばそれで、そういうふうな思想に立って、過渡的な措置としてやっていただいて、将来山の中におっても、海岸近辺のどんな僻地におっても、電話というものを公平にサービスを享受してもらうというのは国民の権利ですよ。それを国民自分の力によって、自分の財力によって電話設備をつくってやらなければならぬということは、これは大原則からいくとはずれているわけだ。それは国がやる責任があるわけです。そのたてまえからいうと、どうもおかしいのですよ。ひとつ民間の協力をいただいて、ある過渡的な段階的、そういう考え方でいこうというのならば、それは一つも私は否定できないと思う、ある程度。しかし、それは条件つきであって、あくまでも時期が来たら戻すということでないといけないと思うのです。しかし、経過がよくわからないようですから、それはそれで大臣の御答弁もありますし、なお、一応総裁もひとつ、弱腰のようですから、政府の御趣旨を体してなんてじゃなくて、むしろ、公社が専掌的にやる仕事ですから、積極的に皆さん意見を聞き、大臣にぶっつけて、こうやってもらいたい、ああやってもらいたいということでやりませんといけませんので、その点ひとつ要望しておきます。  それから、話はちょっとこれと関連がないかもしれませんが、ひとつ私はこの際大臣に伺っておきたいのは、実は新聞見ますと、電話料金の問題で、総裁衆議院決算委員会でございましたか、まあ現在の電話実情電話事業実情というものを率直に説明したと思うのですよ。これはかって予算委員会でも、私は質問しました。分科会でも、予算委員会の本委員会、小委員会を通じてやっておりますが、そういう意味において今日電話事業というものがどういう状態に置かれておるか、四十七年までに、申し込めばすぐつく、どこへでもすぐつながる電話、こういう思想政府も承認しているわけだと思いますが、ですから、米沢さんが決算委員会でどういうふうに説明したかしらぬが、新聞表現を見ると、もう来年からは値上げをするようになっているがごとき印象を受けるような表現のように受け取れるわけです。まだ議事録がちょっと出てこないものですから、私は確認できなかったのですけれども、だから、きょう聞くのです。そこで、きのうですか、総理大臣は、建設委員会と書いてあるのだ、新聞には。まあ委員会は別として、一応建設委員会かどうかしりませんが、そこで聞かれたら、そんなもの全然おれは聞いていない、上げないようにするのだと、こう言っておられる。これは上げる上げないは政府方針でしょう。われわれは上げてもらいたくないですから、けっこうなんだ。しかし、総理が全然知らぬという答弁をしたということは、どうもちょっと納得できないような気がするのです。ですから、特に郵政大臣としては、公社のほうから、そういうかりに意見を聞いておるとすれば、その点は総理なんかに全然話していなかったのかどうか。かつて藤山経済企画庁長官は、電話料金値上げ反対だというようなことも現に言っておりましたが、新聞なんか見ますと。ですから、おそらく知らぬことはないと思うのですね。総理はどうしてそういう答弁をしたか、きょう総理に来てもらえなかったので聞けませんから、閣僚の一人としての大臣は、一体この問題についてどういうふうに閣内においてはやられておるのか、お二人からそのいきさつを伺いたいのです。
  11. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは予算委員会その他でも繰り返し御答弁申しておりますように、佐藤委員会答申をいたした。これに基づいて公社検討をいたし、一方、政府の今後の経済見通し等の作業も行なわれておるから、それらをあわせて公社意見政府に提示して、それによってよく考えるということで一貫しておるところであります。したがいまして、私も総裁衆議院委員会における答弁は聞いてはおりませんけれども、その後、総裁からの御連絡によりますると、当委員会その他で話をしておられると全く同じことを言うておられたそうであります。したがいまして、それに基づいて予算委員会その他で申しておりまする、政府としては、公社意見の開陳を待って、そうして政府部内で検討いたすという態度がそのまま続いておるわけでございます。
  12. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先般、予算委員会、あるいは予算委員会分科会、あるいは逓信委員会においても御説明いたしましたが、先般の決算委員会におきましてお話しいたしましたのは、佐藤喜一郎氏にお願いいたしまして電信電話調査会を発足させましたが、その答申内容最初に御説明いたしまして、で、公社としては、この答申を尊重して、いま経営委員会を開き、最終的な公社の案を検討中でありますと、こう申し上げたのでありまして基本的には予算委員会で申し上げたことと変わっておりません。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、大臣郵便料金国鉄料金、さらに私鉄等、ことしの公共料金値上げするかしないかの政策論議のとき、当然この電話をどうするかということは論議にのぼったと思うんですね。先般、ここでも郵便料金のときに私あなたにお尋ねしましたけれども、そういう場合に、電話のことについてはまだ、政策会議ですね、には、正式にはもちろんかかっていないと思いますが、何らかのかっこうにおいて、閣僚関係者は、電電公社電話料金は一体どうするんだという論議は、あの一連の公共料金値上げをするかしないかの政策論議の中では全然触れなかったんでしょうか。新聞その他を見ますと、藤山さんあたりはもう、相当黒字だから反対だというようなことを言われたというような記事が出ておりましたけれども、その点はどうなんでしょう。
  14. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 四十一年度の公共料金扱い方は、一番しまいに決定したのが郵便料金でございまして、その間において、ちょうど佐藤委員会答申がありましたときに、経済企画庁長官は、まだ自分のほうで中身についての検討も全くできておらないし、自分としては——これは閣議のときの正式発言ではなく、その間私どもの接触しておったときと、他の場所で企画庁長官が話しておるのを聞きますると、私の話しておったのと同趣旨であったと思います——とにかく、四十一年度では取り上げる必要がないと思うから、今後におきまして、私が先ほど申しましたような、さらに公社としての意見を待って検討してみようじゃないか、自分のほうでも今後——これはやや郵便と違いますることは、将来の長期の展望、国全体の景気動向経済動向等ともあわせて考えなきゃいかぬ問題もあるので、よく考えようじゃないかという考え方で、政府としてはいずれも同じような考えを持っております。したがいまして、今後公社のほうから出てまいりますもの、これは経済企画庁においても検討いたします。郵政省検討することはもちろんでございますけれども、大蔵省その他の関係閣僚間の中で、十分、出た上で検討いたしたいと思います。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 この論議はまた私あらためてやりますが、問題は、需要予測見通しにおいて約四百五十万近い差が出ておるというところに、資金調達上からの問題が出てきておると思います。現に二百数十億の黒字を出して四十一年度の予算は提案されているわけですから、これを値上げすることはなかなか至難だと思います。したがって、この扱い等についてはわれわれも非常に強い関心を持っておるのでありますが、新聞等でちょっと見ると、そこいらの政府考え方がまちまちのようなかっこうで出ておりますと、何か非常に誤解を与えたり、われわれもふかしぎに感ずる点があるわけであります。ですから、その辺の扱い方についても非常に慎重にやってもらいたいと思います。われわれはもう絶対反対、こういう態度ですから、これは明らかにしておきます。  それからお尋ねいたしますが、現在、法律第四十三条の規定に基づく地域加入電話ですね、これは一体全国で現在まで何カ所、幾つついておりますでしょうか。  それから、いわゆる団地電話ですね、団地電話の共電式で組合をつくって設置をしている、いわゆる試行中のものですね。電話試験実施のための契約約款に基づいてやっているものは何カ所で、幾つか、加入者は。  と同時に、公社が新しく開発しました団地の集団自動電話ですね。それは一体何カ所、幾つありますか。  それから、この問題に関連をする有線放送接続電話試行中のもので、現在まで、県内、県外、いわゆる一種、二種の扱いでありますが、その一種、二種別がもしわかればほしいんですが、わからなければ、込みにしてもいいですから、何カ所で幾つの施設接続されておりますか。  それからもう一つは、農村集団自動電話というのが新しく試行されておりますが、現在まで何カ所、何万ぐらいが出ておりますか。  それからもう一つ、農村向けの公衆電話ですね、いわゆる赤電話、これは非常に重宝がられているんですが、この制度は三十一年度からだと思いましたが、発足しましてから現在まで、全国で何カ所に設置されておりますか。それから、その建設のために使った金は幾らか。  それからもう一つは、大体当初は百部落とかあるいは五十世帯の部落とかいうふうに、逐次一つの基準をもってやられておりますが、いま非常に、十戸とかあるいは十五戸とか、極端に言うともっと下までついているところがあるかもしれませんが、大体全然電話のない部落が幾らぐらい残っておって、それをどういうふうにしていこうとするのか。たくさんだったんですが、もしわかっておったら知らせてもらいたい。
  16. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) まず農村公衆電話でございますが、現在まで全国設置されております数が、四十年度末で四万八千百五個でございます。これを設置いたしますために公社といたしまして使用いたしました金額は、約二百九十億円でございます。  それで、設置の基準でございますが、現在のところ、半径一キロの地域に二十戸以上の部落につけるということにいたしておりますが、現実問題といたしましては、二十戸未満でありましても、御要望があれば設置いたしておるような実情でございます。したがいまして、現実に部落と言われているもので公衆電話が全然ついていないというようなところは、ほとんど解消されているのではないかというふうに思います。ただ、小字ということになりますと、これはまた問題になると思いますが、解消されているのではないかと思います。  それから、地域団体加入電話でございますが、地域団体加入電話昭和三十三年から始めたわけでございますが、四十年度末におきまして八百五十五カ所、十万五千個でございます。  それから有線放送接続電話の数でございますが、三十六年に試験実施として五カ所を始め、三十七年度に二十八カ所、その後公衆法が改正されまして公衆法上の接続通話となりましたが、それらを全部合わせまして、四十年度末で三百三十八カ所の有線放送電話に対しまして接続通話を提供いたしております。  その内容でございますが、第一種、すなわち、市内通話だけのものが十七件、第二種、市外通話が行なえるものが三百二十一件というふうになっております。  それから農村集団自動電話でございますが、これは予算に計上いたしましたのは四十年度からでございますが、実際には三十九年度の年度の半ばからつけておりまして、四十年度末で布設されております数が約九万三百六十五、個所数にいたしまして三百十七カ所。約九万三百六十五の電話機ということになっております。  それから、自動の団地電話でございますが、これも三十九年度、四十年度とやってまいりまして、四十年度末におきまして九十五団地、電話機にいたしまして五万一千六百三十二というふうになっております。  それから手動のいわゆる団地電話につきましては、自動団地電話制度をつくりましたときから試行役務を廃止いたしまして、その以後つけておりません。で、この数につきましては、ちょっといま手元にございませんので、御了承願いたいと思います。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 手動のほうは、後ほど、それでは資料でひとつ出していただきたいと思います。  それから、有線放送電話公社線との接続について、三十六年、三十七年で約三十三カ所——三十六年で五カ所、三十七年は二十八カ所と言いましたね。合計で三十三カ所になるわけですが、それで、全体として三十三カ所年度末でつけておりますが、この加入者数はわかりますかしら。  それからもう一つは、公社線と接続をしておる第一種、第二種のうちで、ダイヤルでやっておりますもの、要するに、自動農村有線放送電話ですね。こういうものは何カ所あるのでございましょうか。
  18. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 接続いたしております三百三十八カ所の総電話機数は三十五万六千でございます。大体一カ所当たり千百ぐらいの電話機になっております。  それから接続いたしております中の自動と手動の割合でございますが、現在全国で二千五百の有線放送施設が使われておりまして、その中の百カ所が自動ということでございます。で、この有線放送接続いたしました中で自動の数は、ちょっといま手元にございませんので、すぐあれいたしますが、大部分は共電——自動でないというふうに思いますが、私、いまちょっと手元にございませんので、ひとつ御了承を……。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 で、これは、有線放送電話公社線と接続することについては非常に問題がありまして、しばしばわれわれも意見を出しておったわけでありますが、ひるがえって、戦後の有線放送の歴史を調べてみると、最初は、法的にはあまり関係なく、自然発生的に、全国にどんどんどんどん有線放送という施設が始まってきたわけですね。それで、こいつを何とか規制しなきゃいかぬという声が出てまいりました。いわゆる商業広告などをやってみたり、それから、いろいろと講演だとか講談だとか、慰安娯楽等もやったのでありますが、選挙運動にまでこれが使われるということになりまして、問題になって、当時、国会のほうから実は提案をして、有線放送の規制に関する法律というのをつくって、有線放送に規制を加えたといういきさつがあるわけですね。ですから、街頭放送なども、戦争後、よくわあわあとやっておりましたが、ああいったようなものが、いうならば全国に、どんどんどんどんでき上がってしまった。それで、そのまま放置ができないものですから、国会のほうが心配して、これを規制した。そういういきさつになっていると思うわけです。  そこで、その後、だんだんと放送の設備が改良されていくに従って、相互の電話が便利だというので、今度は放送よりも電話を主にして、電話を始めてしまったのですね。ひどいのになると、公社から入っている市外線、——放送所がありますから、その放送所の中に交換があって、その交換を通じて幾つものラインの人たちが相互に話をしておったのですが、ひどいところになると、電電公社の市外線の受話器と送話器を逆に電話のほうの交換のほうに組み合わせて、それで電話をやったりしておったのですよ。私は、神奈川県のあるところを昭和三十一年ごろだったと思いますが、視察に行って見ました、国会から。そうして交換室に入って一番初めに聞いたら、放送よりも電話のほうがよほど多いというのです。扱っているのは、八割が電話で、二割ないし三割が放送だということを聞きました、交換手さんから。これはえらいことをやっていると、それは公衆電気通信法からいうと違反ですよ。その違反なことを平気でやっておるのです。それで、これは黙っておれぬというので、昭和三十二年に、私どもが国会に出た翌年ですが、例の有線放送電話というものをどうするかということで論議しましたが、当時、電話がなかなか農村のほうにまで行きわたらない、資金的な面もありまして。そこで、内部だけはしようがないじゃないか、実際やっているものをやめろというわけにもいかぬから、つぶすわけにもいかぬからということで、内部だけのそういう電話だけを、相互の有線放送電話法というものをつくった、それが昭和三十二年です。それで、そのときもわれわれはそれが精一ぱいで、それ以上公社の線と接続するなどというようなことは、これはどこを押しても出てこぬ。この点については、公社が積極的に農村に対する電話を開発して、その面から農村の方々の電話需要の御要求に応ずるように緩和をしていく、改善をしていく、そうして、もうその程度のこと以上やってもらいたくないというのがわれわれの意見だった。ところが、三十六年、三十七年と電話公社線と接続できるようなことをやってしまったのですね、これは。しかも、県外までいったのでしょう。一体、どうして三十六年、七年にそんなことを始めたのでしょうか。これはおそらく試行でやったと思うのでありますが、私にはそのところがいまでもまだわからない。そうして、いまになってからあわてて、三十三年に七カ所をどうかとかと言っているけれども、それならなぜもっと、三十六年に五カ所、三十七年に二十八カ所市外通話をやるということを試行したときに、なぜもっと真剣に考えなかったろうかという気が私はする。現に、三十三カ所の施設については、その後、当該交換局が自動交換方式になって、たとえば札幌の地方電話局のほうに入っている豊平の東部の農協の電話を見ますと、東京ほか外部三百六十カ所に電話ができるわけです。まあ近いところで千葉市の有放協会を見ますと、東京ほか二百九十五カ所、こういうふうに相当に県外の配置数というものがふえておるわけです。実際にこういう経路をやって、しかも、十分に電話の用が足せることになりますと、これをやめさせるということについては、これは大問題ですよ、やっぱり。これは技術的に皆さんのほうでどうしても不可能だということが事実として明らかになれば、これはまたやむを得ませんけれども、実際にこれだけの県外配置で十分に電話が通ずるということになっているのに、やめろということはこれは酷ですよ、国民に言わせれば。だから、そんなことをいまになってあわてるというのはおかしいので、なぜ、三十六年のときに電信電話事業というものはどうあるべきかということをもっと真剣に研究してもらわなかったか。われわれも国会におったのですが、たまたま私は社会労働委員長のほうへいっておったものだから、当時この審議に加わらなかったので、ここで私は言うのですけれども、われわれの責任でもあるから、皆さんを追及するのは申しわけないのですが、私を含めて自己批判をしているのです。だから試行ということが、非常に何か安易にやれるんじゃないかということ、さっき申し上げたように、私は、試行ということで三カ月なら三カ月、一カ所なら一カ所やってみて、何もこんな三十何カ所もやらなくてもいいのです。磁石式なら磁石式、共電式なら共電式、自動式なら自動式を三カ所ぐらい選定して、一カ所ずつやってみて、それがうまくいくかいかないかをためすのが試行制度じゃないですか。それを三十三カ所やってしまえば、その人たちがそのままうまくいけば、やってくれと言って要求するのはあたりまえのことですよ。そんな行き当たりばったりの電通行政というものが今日の私は災いを起こしていると思うし、特にこの試行についてはもっと真剣に考えなければならぬのじゃないかと痛切に感ずるのです。これはどうして三十六年、七年にそんなことをやったんですか。一応ひとつ経過をこれを郵政大臣から聞かしてください。
  20. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 当時におきまして、三十三施設についてできる限り便宜を従来どおり供与しようという考え方で、公衆電気通信そのものの一元的運営について特に深く検討はされなかったのではないかと思いまするけれども、当時のいきさつについては、政府委員のほうからお答えいたさせます。
  21. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) その当時すでに、御承知のとおり、公社電話との接続を非常に強く要望する声が出てまいりましたので、一応施行的にやってみようということで、公衆法の十二条の二の規定に基づきまして、試行サービスとして開始したわけでございます。その際に、ただいま大臣から御答弁ございましたように、公衆電気通信業務の一元的運営という原則につきまして、あまり突っ込んで検討して考えなかったということで、御指摘のようなことになったんだろうと思います。なお、その当時の事務的な、県外通話まで認めた、一中継まで認めたという考え方といたしましては、地団の乙規格と同じような技術基準にする。そうしますと、一中継の範囲内ということになるということで、一中継まで認めることにした、そういういきさつはあったようでございます。
  22. 鈴木強

    鈴木強君 非常に率直に言われますから、私も自分も一ぱしの責任があるものですから、わかりました、いきさつは。だから、結局、そういう、いうならば中腰でやっているものですから、あの法律で三年間これを認めようじゃないか、三十八年になってから、三十六年、三十七年にやったものを殺すわけにはいかないから、やむを得ず三年間だけこれは認めよう、あと、三十三カ所やっているのだ、おれのところもやれというのは当然出てきますね。それには、県外に限って一中継だけ、とういうふうにワクをはめた、そこで三十三カ所の連中との関係上、三年間でひとつやめてくれということだった。そうであれば、三年間にいままで三十三カ所が享受しておったようなサービスと同じようなものをやはり与える責任政府側にあるわけです、三年間の間に、そうでしょう。それをもっと真剣にやればできたと思う、私は。まあ農村集団自動電話なんかも、福岡の田主丸というところに、たしか第一号かなんかが設置されて、りっぱな、有線放送よりもいいのだ。これは地震があっても、火事があっても、台風が来ても、その施設がこわれたって全部これは公社がやってくれる。多少金が高くなってもありがたい。六万円の債券を買わされても、また売れば一万何ぼで引ける。これはありがたい、ありがたいということで、非常にぼくらも当時感謝をされたことを覚えているのですがね。ですから、ああいう施設がもっと早く、そうして積極的にできていけば、私はもうその人たちは納得をして、いまここに二年間も延長しなければ納得できないというような、そういうことにならなかったような気がする。ですから、いずれにしても、深く検討しないでやったという率直な自己反省の御答弁ですから、そういうことが災いして三年間余り真剣にそのことについては考えずに、日がたってしまった、そうして、もう二年間待ってくれということになっていると思うので、私はそういう点は、お互いに農村の電話というものをよくしよう、できるだけ農村の方々が辛い百姓をして、あるいは漁村に、山村に働いておられる人たちが、電話の便益によって多少でもからだを休めていただく、それによって商売が繁盛するように、地域が繁栄するようにということをわれわれは願っておる。たとえば農村公衆電話なんかも、えらい損をしているようですけれども、無理をして公社にもお願いをし、予算も、さき言ったように二百数十億をすでに計上して、全国大体赤電話はついてきたわけでしょう。そういうことは一面ではやっているが、また、それがつくと電話のありがたみがわかるものですから、全国に引こうじゃないか、そこで有線放送というものが戦後農林省、自治省あたりの、通信事業は一体どこがどうやっていくかということをあまり理解しない人たちが主になって、農事放送という名のもとに助成金を出してどんどんつくってしまったということですから、政府全体としても、電話を含めた有線放送というものについては、最初のスタートから各省がそれぞれの思惑によってやっておったというようなことも、大きな原因一つとしていま批判されると思いますね。ですから、いまの二年間延ばしてくれということは、どこを押しても私は出てこないと思うのにまた出てきているから、そんなばかなことはないと、こう思うわけです。しかし、現実には、なかなか三十三カ所の人たちも強いでしょうし、具体的には、その方々に満足していただける施策を提供しないと、代案も出さなければ、これは私らも納得しませんよ。そういうことをやらないで、いまの三十三カ所をやめてしまえなんて、それは暴論ですよ。だから、電電公社が積極的にそういう面について今後の対策を打ち出してもらって、いままでの三十三カ所の人たちをはじめ、これからの人たちが、これはなるほど公社はやってくれた、おれはこれのほうがよかったわいと、農村の有線放送、ああいったものをもっと改良して不備な点は直してどんどんやっていけば、これにみんな吸収してくれるように思いますがね。ですから、そこのところはもう少し、三年間の間の施策の足りなかった点はほんとうに自己批判しているでしょうかね。そして今度は二年間延ばしているけれども、絶対これ以上延ばさない、その間には責任を持ってやれるのだという自信と確信に満ちた話を聞かないと納得できないですね。
  23. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) この二カ年の延長の間に、確かに利用しておられる方に不利を及ぼしてはいけないことでありますから、制度を改善いたしまして、また、特に放送機能というものを持っておるのでありますから、この機能の維持について、できる限りの完全な機能の維持をはかっていくということを公社にも頼んでおり、公社もその決心をしております。したがいまして、再延長というようなことを決していたさずに、十分な措置をとる強い決心を持っております。
  24. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、いま、さっきお尋ねしますと、農村集団自動電話は三十九年の中ごろから設置をし、四十年来すでに三百十七カ所、九万三百六十五の電話機を設置されている。これはかなり需要が多いと思いますね。私たちの地元でも、一つの町はほとんどこれになる——一つはなったんですけれども、あと二カ所ばかり残っておるんですが、なるんです。これは非常に有線放送電話よりもいいんだということで評判がいいのですがね。ただ問題点が幾つかあります、率直に言って。たとえばいま問題になるのは、市町村合併になりまして町は一つになったのだが、依然として特定郵便局が三つあって、電話局は三つなり四つある。そうするとAとBの区域にまたがるのはできないということになっているのですね、しかも、その局は二年、三年たったら直轄局もできて統合するということは明らかに公社の局建の中にはあるわけですね。ところが、現実には、いまの約款その他からしまして、そういう二つにまたがるところはできないということでしょう。これは非常に問題なんですよ。それからまた、距離によって架設費が違ったりしておりますね。それから、これは加入区域というものの整理だと思いますが、そういうようなこととか、それから有線放送が放送ができなくなっちゃって困るんだという、放送ができる方法はないかという意見があるんですね。電話は便利だ、自動でいくから。ところが、放送ができればこれは鬼に金棒だが何とかできないかというのが一つあるんですね。それから、かりに有線放送を千戸入っていたところが、この農自棄に切りかえる場合に、二百戸はどうしてもうちが貧乏で一万何ぼも出せぬという人がいますよ、これは。有線放送ならいままで千戸みんな入っていた。ところが、今度農自集に切りかえるんだというんだが、わしのところは一万何千円もとても出せぬという人がいますよ。そういう人たちが二百戸も残った場合、それを放送設備だけは何とか八百戸の人たちと同じように、残った人たちにも放送設備ができるようなことを公社としても考えてもらえないだろうか、どうだろうか。そこいらが大体——まだありますけれども、いままでやってみて問題点であるわけですから、その辺をひとつ積極的に解決してやれば、私はこれでもし有線放送云々と言ったら、それはその人たちが損ですよ。知らぬですから、幾ら金がどうとか言って、維持費が幾らかかるから損だとか、そういうふうな宣伝をしている人もいるようですけれども、そういう宣伝はこっちから正しいPRをすれば消えますね。そうしておけばこれは鬼に金棒で、もう有線放送電話接続なんていうことはやめてくださいと、これはいくですよ。二百戸全部いく。これは予算公社のほうはどういうふうに考えておるかしらぬけれども、この際、私は、需要があったら全部やると、二百戸以上のやつは、工事は多少おくれても、そのくらいの、これはひとつ総裁も、郵政省大臣も腹をきめてもらわぬと、二年間延長してまたやるんだと言ったって、これはとてもむずかしいですよ。ぼくはそういう決意を持てるか持てないかがもう勝負だと思いますから、そこいらはひとつ予算的に云々言わぬと、需要があったらどんどんやるというようなことをきめて、どうですか、いまの問題点は全部解決して、そして、この三十三カ所は二年の間に全部切りかえてもらって、これから電電公社がそういうサービスをどんどんと農村僻地にやっていくという、こういう方針はここで言明してもらえますか。
  25. 米沢滋

    説明員米沢滋君) ただいま三十三カ所の施設のお話が出ました。この三十三カ所の施設内容といいますか、区域であるとか、あるいは、その他の条件をこの間いろいろ検討しておる次第であります。  最初の放送に関する問題につきましては、まあいろんな方法があると思いますが、たとえば現在の農集なら農集をつくる場合に、農集の柱に添架していくとか、あるいは、ある一部を搬送にするとか、あるいはまた、心線で弱い電力を送りまして、先に増幅器をつけて経済的にやるとか、いろいろそういう検討をいまさせておるところでございます。  それから加入区域とかその他に関する問題は、まあいろいろいま前向きといいますか、積極的にいま検討を進めているところでありまして、できだけいまの御要望の趣旨に沿いたいというふうに考えております。  こまかいことは営業部長から申し上げます。
  26. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 農村集団自動電話は、先生がいまおっしゃいましたように、非常に評判がよろしゅうございまして、一年半の間で、予算は二万でございますが、実際問題としては九万つけましたし、そのほかにもたくさん申し込み中で、工事中のものもずいぶんございます。一方、先生がお話がございましたように、この制度内容とか、あるいは、もう少し便利にしてほしいというようなお話もございます。現実の問題といたしまして、初めは、当初は組み合わせが悪かった、あるいは局線が少なかったりして話し中が多いというようなこともございましたが、これらは組み合わせを適正化し、かつ、局線をふやすというようなことで解消しております。  また、秘話式にしてほしいという御要望のものに対しましても、四十一年度は十カ所やりましたが、四十二年度からは要望に対してはすべてこたえていく。あるいは二百戸ということにしておりますが、もう少し小型のものについてもやってほしいというような要望もございますので、これもすでにつけるようにいたしております。  それから、先生が御指摘がございました加入区域の内外でいろいろ料金格差があるというような問題もございますが、これらも確かに、農村集団自動電話というものの特性といいますか、その地域の地縁社会としての性格から考えて、まあ必ずしも適切でないというような点もございますので、これらの改善についても至急検討をいたさなきゃならないというふうに考えております。  また、放送線の添架につきましては、確かに、公社電話を一元的に普及してまいります場合に、やはり地元住民の御要望には素朴にこたえていかなきゃならぬというふうに考えます。で、放送業務を公社でやるということは必ずしも必要ないと思いますので、ただ、公社の農集がつきました場合に、その設備を利用して、地元において安く、そうして国家的に二重投資にならないような経済的な形で放送が行なわれればいいんではないかというふうに思いますので、放送は地元でやっていただく。放送の設備そのものの所有も地元で持っていただく。ただし、公社はこれに対して、できるだけ電柱の添架を認めるとか、あるいは一部線を廃止するとか、できるだけ経済的にやれるような方向であれしていく。したがいまして、農集がついていないからといって放送ができないというようなことはないと思います。有線放送電話はかりに千戸ついておりまして、農集には八百しか入らなかったというような、先生御指摘の場合、あと二百の方は放送の利便は享受できるようにできると思います。それは、そういうような工事を公社で受託してやるわけでございまして、公社が放送やるわけでございませんので、十分御要望に沿えると思います。いろいろ、それからまた、加入区域をまたがる問題につきましても、公社といたしましていま検討中でございまして、いずれ成案を得まして郵政省のほうへもお願いをいたして、なるべくこの農村集団自動電話を便利にしていくようにしていきたいと考えております。  それから、また、設置の要望につきましても、公社といたしましては、御要望には全部応じていくという態度で、予算その他の仕組みにつきまして郵政省にお願いいたして、地元の御要望には率直におこたえしていくというふうなことで進みたいというふうに考えております。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 まだ、ずばり、ここで私がさっき幾つかの過去の経験に基づいて問題点をあげましたが、そのとおりだいじょうぶですという確証は得られないわけですね。たとえば加入区域を越えるものについても郵政省と相談してやりたいと言う。そこで、大臣ね、これは私はやっぱりこの法律を通すに際してね、一つ方針を示してもらいたいと思うのですよ。一体農村の集団自動電話によって、この三十三カ所をはじめですね、今後の問題については対処していくということであるならば、三十三カ所の皆さんをはじめ、有線放送電話お持ちになっている方々が納得のできる最高の基準というものをぴしっときめて、国会のほうにも、これでいくからひとつだいじょうぶです、二年間の間に必ずできますという太鼓判を押したものを出してもらいませんと、われわれはちょっとこれは上げるわけにいきませんよ、法律案は。ですから、きょうはそいつの審議ですししますので、これ何回やるかわかりませんがね、いずれにしても、この審議が採決の段階までには、との方針をぴしっと出してもらいたい、私は。そうしませんと、そういう不明確な点を残したままには、私たちはこの法律案は上げられない。これは明確に申し上げておきますが、そういう手配をしてくれますか。
  28. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 二カ年という期限のあることでありますから、私は公衆電気通信一元化と、一元的運用ということを強く言います以上は、私は公社においても十分それに応じたサービスをしませんければ、口で一元的運営だけ言っておるのでは困るということは、公社にも特に強く言っております。で、公社総裁も、そうした所見で、円満な解決をいたすことのできる決心を持っておられるのでありまするから、私は遠からず、さらにはっきりした対策と申しますか、方針を申し上げるべきだと思っております。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 これは附帯決議で皆さんにお願いするとかなんとかという性格じゃない。そういうことをすると、その次に、またこの次に二年延長してくれということが出てきますから、この際には、ひとつ具体案をぴしっと出していただいて、われわれこれでだいじょうぶだという自信が持てれば、国全体としてわれわれも陣頭に立って皆さんに、このほうが有利だという理解と納得をしていただくように努力もしなければならぬと思う。そうして、全体として有放の皆さんに訴えていけば、私はこのほうが得だということは火を見るより明らかなんですから、そういう意味では賛成していただけると思う。ですから、何か衆議院の附帯決議を見ると、たいへんなことだから、干渉するのはどうかと思いますけれども、何か第一項目なんか見ると、延長はするのだが、できるだけしないのだという意味にもとれるような気もしますし、これはそうではないと思います、衆議院の決議は。私も同じことであって、二カ年以上絶対延ばしてはいかぬぞということだと私は理解いたしますが、表現上の点で多少私は、一応拝見しましてそんな気がしたものですから、これはたいへんなことになりますから、私の感じとして申し上げただけで、決して云々するわけではありませんけれども、この場合は附帯決議などで問題をあとに残すなどということは許せぬのでございますから、公社のほうもたいへんつらいと思います。これは採算を見ますと、いま一般の住宅電話がどんどんふえて負担金が下がっているとき、なお農村に対してこれだけの建設資金を投下していくことになると、かなり重荷になると思うのですが、そこに電気通信事業の持った使命があるのですから、私はこの際、農村の各位に訴えるためには、勇断を持って公社もやる、それに対して郵政当局は積極的な、資金的にもいろいろな面におきましてプッシュしてやるという姿が出ていいと思うのです。農村に対して私は相済まぬと思う、それくらいのことをやりませんと。確かに、いま農村に行きますと、電話が引けまして、これは税金ではね返っていっているわけではない、税金取られているけれども、電話引いてくれて、返ってきてありがたいですよということを言われると、ほんとうによかったなという気が同様にするわけでして、そんなに喜んでもらえることは損をしてもやるべきだと思う。ですから、総裁もこの際、大臣のおっしゃったことばと符節を合わせて、法案を可決するまでに、大体のことをまとめて、ここで、これこれについてはこうやりますという程度の、大臣なり総裁から所信を発表できるだけのものは私はほしいと思うのですよ。それをぜひやってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
  30. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先ほどもお答えいたしましたが、三十三施設につきましていろいろ地理的な、あるいはまた、加入区域別の問題、いろいろいま分類いたしまして検討いたしております。私たちといたしまして、先ほど申し上げましたように、公衆電気通信事業一元化という線に沿いましてこの問題が解決されるわけでありますから、それに即応いたしますようないろいろな新しい方法を考え出しまして処理したいと思いまして、いま具体的な検討を進めておるところでございます。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 くどいようですが、検討を進めていることはわかりました。営業局長からも、あなたからも伺って、しかし、まだ検討段階で、はたしてそれがどうなるかという危惧を残しちゃ困ると思うのですよ。検討段階であれば、こういう点でもやっておる、これについては郵政省も最善の方法で実現するように努力しますと、やりますという確約のことばがほしいのです。そうしておかないと、何か法案が通ってしまったら、それがぼやかされて、依然として問題点が解消せぬということになると、せっかくの地域団体の農村集団自動電話ということは、その意味において反撃を食うわけです。私は、もうすでに、この問題を準備されているからには、法律案を提案するに至っては、話を聞いてみると、ほんとうならこうなりましたから御心配ありません、二カ年の間にこれによって切りかえます、だから二カ年延長してくださいというのが、提案をする皆さん立場じゃないですか。そういうことで監理官、提案しているんじゃないのですか。
  32. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先ほど申し上げましたが、何と申しますか、二年の間に解決するようにいまいろいろ進めておりますから、検討というのは何も延ばすのではなくて、三十三の中には、分類いたしますと幾つかの種類がありまして、きわめて簡単にぱっといくものと、多少技術的に検討を要するものがあるという意味検討と申し上げましたが、私は決して延ばすという意味で申し上げたわけじゃございませんから、どうぞ、そういう意味におきまして積極的に解決するということで進みたいと思います。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 郵政省……。
  34. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) この三十三施設は、農村集団電話に切りかえるという考え方でもちまして、事務的に公社のほうと、現在の農村集団電話の不十分なところ、先ほど御指摘がございましたように、改善を要するととろにつきまして、相当詰めて話をしてきております。公社といたしましては、ほぼ、いわば結論が出たという段階になっておりますので、そう遠からず、郵政省としてもこういう案でいきたいと思うというようなことを申し上げることができるかと思います。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 それではだめですよ、そんなことでは。  それから大臣に御答弁いただきたいと思うのですが、これは事務当局が確かにやっていることはわかりました、誠意を尽くしてやっていることは。しかし、私はあとからお伺いすることに関連があるから、ここではっきりしておきたいのです。そうでないと非常に危険を感じるのです。ですから、大臣がひとつ、加入区域の問題、これはたいしてぼくは問題はないと思うのですが、要するに、距離によって同一区域内における区域外、区域内というものがあるのですから、そこらのところの点が、多少ぼくもむずかしかろうという判断をするのですが、そういう点を何らかの方法において解決してやりませんと、やはり、いまそれをどんどん文句言っているけれども、ひとつ早く引きたいというつもりでがまんして引いているのですが、引いてみて、いろんな問題が組合員の中から出てきた、早く是正してくれと、われわれもしりをつつかれて弱っている点があるのです。矛盾しているから是正してやるということが筋だと思います。あなたが大臣として御所信述べられたように、一元化を唱える以上、これにかわるべきものをやらなければ話にならぬ、これは一致している、完全に一致している。そうであれば、大臣は、この法律を通してくれたらひとつやると言えるだけの自信がなければ提案できないでしょう。私、いつこれが可決になりますか、委員長理事のほうで御相談があると思いますけれども、それまでに最大限努力していただいて、ここまではきまりました、なおこの点はこういう意味において多少あとに残るなら残るということで問題を整理して、少なくとも、この委員会大臣から直接私はこの点について御回答いただきたい。そういうことでないと、私はちょっと非常に不安を感じるものですから、その点どうでしょう。
  36. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 問題点についての整理をいたしましょう。総裁もお答え申しましたように、技術的な問題、それから今後におきまする行政的な措置と、両方があると思います。それらについて、お話のように最大限めどをつけまして、どういう問題点をさらに検討するか、方針としてこの方針でこの部分はいけるという整理をいたしまして進めていきたいと思います。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 その点はぜひ結論を出して詰めてもらいたいと思います。  それから、これと関連があるかどうか、結びつけないほうがいいと思うが、どうも結びつけざるを得ないのは、この法律の審議の過程において、衆議院のほうで、今後有線放送電話をどう扱うかという問題を含めて、審議会か何かをつくってさらに検討するがごとき話を聞いているのです。私はまだたくさん質疑があるのですが、おおよそお話を伺ってみましても、電気通信事業一元的運営という、そういう立場に立っての農村の皆さんにどういうふうに施策をするか、こういう点のおよそ結論が出ていると思うのです。それなのに、なぜ郵政審議会に諮問をして、そして、そこで何か答申を得るような話を聞くのですけれども、これはどういうことなんでしょうか。衆議院のほうよくわかりませんが、私は直接聞いておりませんから、どういうふうになっているのですか、その点は。これは法律の条文には何もないからわかりませんが。
  38. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) また詳細な点は政府委員からお答えさせます。  有線放送電話のあり方、将来の問題、こうしたことについては、郵政省、自治省、農林省、濃淡の差はございますけれども、それぞれがそれぞれの立場からものの考え方を主張いたしております。それで、どこかでそれらの関係省、関係者なりが集まって相談することがいいだろう、それで総理府に持っていったらどうかという話も一時あったようです。私はそのことは賛成できないということを申しました。と申しますることは、何と申しましても、電気通信に関することは郵政省が所管をいたしております。もちろん、それに対して各方面に希望のあるということはあり得ることであります。したがいまして、郵政省の中に希望があるなら、できる限り聞いて、そして入れるべきものは入れて、そして、ものをまとめていくということは、郵政大臣責任でございます。したがいまして、郵政大臣の所管に、郵政審議会あるいは部会の形になりまするか、あるいは特別委員会のような形になりまするか、ありまするが、とにかく郵政審議会の中にそういう部門を置いて、そうして関係者の間で十分意見を戦わしてもらいたい、それも急速にしてもらいたい、こういう考え方で、諮問の方法等その他具体的なことをいま検討さしております。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、あれでしょうか、先般久保委員から出ております四条五号の共同施設の問題ですね、ああいうふうな問題も今度諮問される場合には入るようになるんですか、これは。
  40. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) 有線放送電話につきまして、将来のあり方としてどう持っていくかということは、当然に有線と申しますよりも電気通信政策全般の問題ということになってまいります。したがいまして、考え方といたしましては、有線電気通信設備共同設置につきましても、同じ考え方でいくというのが適当ではないかと思います。したがいまして、事務的に申し上げますと、郵政審議会に有線放送電話のあり方を諮問するということになり、また議論を戦わせるということになりますと、有線電気通信につきましても、同じ考え方でいくほうが便利であり、また適当ではなかろうか、こういうふうに考えております。しかし、事務的には一緒に郵政審議会に諮問していきたいと、そういうふうに考えております。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、さっき私が日本電信電話事業全体を規制する電信法から現在の二法へと、そこで再検討を約しましたね、皆さんのほうで。そういうふうな基本に関する問題を含めて、この際審議会に諮問するということになるんでしょうか。それとも、昨年行政管理庁から郵政省は、有線放送電話に関する勧告を受けておりますね。これに対して九月九日に回答をしておるわけですが、その勧告要旨の中にも、確かに、われわれが指摘しているように、有線放送ないし有線放送電話というものに対する農林省、自治省、郵政省との関係が意識統一をしないうちにスタートしてしまって、農林省は農林省でどんどん補助金を出す、自治省は自治省で補助金を出す、その補助金も私が調べてみると、農林省が昭和三十一年から三十七年までに二十一億六千四百九十一万七千円の補助をしていますね。それから自治省が三十一年からこれは三十五年で、一応郵政省との関係になっていますが、五億五千三百二十七万一千円、合計二十七億一千八百十八万八千円というものが、現在の有線放送設置について国からの補助金が交付金として出ているわけですよね。ですから、こういうふうな補助金を出す場合についても、何か農林省は農林省のほうを向いてやっているし、自治省は自治省を向いてやっているし、電気通信事業一元化なんていうことは全くどこ吹く風でもってやっている。先般私は農林省の関係担当課長を呼んで質問してみましたら、率直に言っていましたよ、これは農林省は農林省の考え方でやった、それは間違いですよ、これは。郵政省が所管をし、電電公社がおやりになることなんだから、そことあんた十分連絡をとらなきゃいけないんじゃないですかと、本来公社がやるべきものを公社がもたもたしているからやらざるを得ないので、しかし、その責任はあくまでも公社郵政省にあるんだから、その金でやはり農村に電話をつけるということでないといけませんよということを私申し上げたこともあるんですから、ですから、そういう意味において、私は、行政管理庁の勧告を見ましても、ピンぼけなところがたくさんありますよ。これはたいへん失礼かもしれませんが、事業内容をよく知らない、だからピンぼけな勧告をしているところが私は非常に遺憾と思う。こんな勧告なら、ちょっとわれわれは受け取れない点もありますがね。いずれにしても、その勧告の中に、郵政、農林、自治三省は、有線電話普及に関する意識統一を行なうことということが述べてある。これはまあ私は時間がなかったものですから、勧告をした担当官を呼んでよく事情を聞こうと思いましたが、それができませんので、文章だけ見るわけですから、あるいは誤解があるかもしれませんが、いずれにしても、その意識統一が欠けておったことは事実だろうと思う。その意識統一をやるということは、それぞれが思い思いの考え方有線放送なり電話をやっておるものですからこういう勧告が出たと思う。私はこの点は多少いいところを見たと、こう思っておるわけで、こういう点から郵政審議会というものが有線放送電話について意識統一をし、今後、地方の御要望にどうしたらこたえるかという角度からやられるのだと思いますから、そうすると、いまここで論議したことが大体大臣とわれわれとの間で確認ができ、この法案が通りますれば、有線放送に関する限りは、私は残されている点はその点を、これは政府の内部のことですから、大臣が所管大臣として閣内でぴしっと閣議でやってもらえばこれはできることですよ。何もわざわざそのことについて私は審議会を開いて、いかがでございますかという伺いを立てることはないと思うのですよ。そうであれば、有線放送に関する限りは、私はそんなに審議会開いてそこへ諮問しなければならぬということはないと思うのですよ。そういう意味で、どうもふしぎでならない。そこで、ははあ、いろいろなことを言っておるけれども、有線放送にかわるものを農林省でやると言っておるが、そういう問題がどうもうまくいかぬと、それも引っくるめてさらに御諮問を仰ぐのだというようなふうに、これは邪推かもしれぬがとれない節もないのですよ。だから、私はそんなのはおかしいと、何でそんなことはやらなければならぬかという疑問があるものですから、その審議会に諮問することになっておるならば、そういう話があったとするならば、一体その審議会というものはどういうもので、そして、それを大臣が直接具体的にこれこれこれこれについていかがでございますかというように諮問するのか、あるいは、郵政審議会のように、郵政事業は非常に赤字で困難だと、したがって、よろしく建議してくれというような抽象論でやるのか、その辺の諮問のしかたによってもこれは違うと思いますよ。そうすると、いまの郵政審議会のメンバーは一体これで足りるのか足りないのか。電通事業に深い理解を持っていらっしゃる方々がたくさんいらっしゃると思いますが、しかし、なおかつ、最近の電通事業に通暁した方に入ってやってもらわないと、ここでうまくいかないと思いますが、出ますとまたもとに戻るのですよ、われわれがせっかく築き上げてきた前向きの姿勢というものがそれはわからぬでしょう、思惑がいろいろあるから。後ほどこれに関連して、全国有線放送電話協会とか、あるいは商業放送と見られるようなスポンサーをつけたような放送をどんどんやっておる実態というのがありますから、これは郵政大臣認可した公益法人であるし、またあらためて農林大臣に来てもらって、大臣にもまた伺いますけれども、そういうような一連の問題が一方にはあるわけですよ。ですから、この審議会に付託することについての関連と、いま申し上げたような問題を含めて、私はどうもまだ委員会持つことに対する理解というものはよくわからぬのですけれどもね。大臣はどういうふうな考え方で諮問をし、また、委員会の、郵政審議会の現行のメンバーでおやりになろうとしておるのか。その点、何かこれは衆議院のほうできまっておるのですか。一つのことがきまっておるなら、どういうことになっておるか、御説明いただいて、むしろ私が疑問の点を質問したほうがいいと思いますからね。
  42. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私は根本的に学者等を加えて論ずる必要のあるような諮問事項ではないのじゃないかと思っております。ただ、いきさつから申しまして、それは初めから郵政大臣自分で判断する、これで来ておればそれでもよかったことであります。しかし、いろいろな経過——何かまた、ある意味では現実というものは、農林省でも自治省でも、それぞれこれらについての意見も持っておる。それから、それぞれ補助金等も従来出しておるいろいろな経過もございます。そうした経過から見ますならば、やはりここで郵政審議会という場で、郵政大臣の諮問機関である場で論ずることはけっこうである、しかし、これには必ずしもいまの審議会委員では十分ではない、これは臨時委員をそういう農林、自治の関係から選んで、そうして加えて、現在の郵政審議会委員のほかに臨時委員を加えて、あるいは議決に加わる人間ではございませんけれども、専門委員を加えて、そうして、これはきめてまいるということが適当だろうと考えた次第でございます。  詳しいことは政府委員からお答えいたします。
  43. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) まだ郵政審議会に対して、具体的にどういういわば諮問書を出していただくかというようなことは、まだ目下準備中でございまして、きめておりません。  委員の構成につきましては、ただいま大臣から御答弁ありましたとおりでございますが、現在の郵政審議会の委員である方、そのほかに大臣からお話がございましたとおり、臨時委員として、関係のある方々に入っていただきまして、郵政審議会全体ではなくて、特別の部会と申しますか何かそういったものによって審議していただこうということで、事務的に準備を進めているという段階でございます。
  44. 鈴木強

    鈴木強君 委員の構成については、現委員のほか、臨時委員を加える、そのほか専門委員を加えられるそうですが、その臨時委員というのは何名加わるのですか。それで専門委員というのはどういうところから大体出そうとするのか、臨時委員の大体出し方も、どういうところから出る方針ですか。
  45. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) 臨時委員は郵政審議会令などで定数が五名となっておりますので、五名ということでお願いしたいと思っております。それから専門委員は、大体四名程度お願いしたいと思っております。大体分野といたしましては、現在郵政審議会のメンバーに入っておられませんような方々、たとえば農林、自治の事務次官あるいは電電公社の副総裁にもお願いしたい、そういうふうに考えております。そのほかには、専門委員といたしましては、農林系の方とかそういった方々にお願いをしたい、そういうふうに考えております。
  46. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、諮問の方法はまだ検討中だ、そうすると、それは大体おおよそ時期としては、いつごろスタートして、そして、いつごろに答申を得るようにしようと、おおよその見当はもうきまっているのですか。
  47. 畠山一郎

    政府委員(畠山一郎君) 事務的な準備の進め方といたしましては、今月末にでも諮問をしていただきまして、でき得れば年内に結論を出していただくようにお願いをしたい、そういう考え方で準備を進めております。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 まあこの諮問のしかたですね、私はしかたによって相当影響があると思うのですよ。郵便料金値上げのような抽象論では困りますからね。ですから、やはりいままで国会あたりでも論議されたような点も十分参酌をして、そして、どの程度のものをするかわかりませんが、大臣のお考え方ですと、かなり電通事業の基本に関するような問題も当然入ってくるだろうということですし、久保委員から問題になったような点も入ってくると思いますから、それはまあ非常に半年くらいでできるかどうか、私はちょっと拙速主義でやりますと、非常にまた問題残すように思いますね。ですから、今月末やって年内というようなことも、これは実際問題としては無理ですよ。そんな拙速主義でやったら、なかなか委員のほうだって、常勤じゃないでしょう、みなどこかの社長さんだとか重役さんが来て、無給でやってくれるわけですからね。ですから、それは毎週毎日できるというわけにもいきませんでしょうし、審議会の日当でももっと上げて差し上げて、本腰を入れてもらわなければできないわけですからね。郵政審議会というのは、そういう意味でなかなかむずかしかろうと思います。ですから、私はそんな拙速主義にならないような諮問の方法についても、十分大臣の御配慮をいただいて、ある程度ワク——ワクと言っちゃ失礼ですけれども、郵政省考え方を示した上で、いかがですかというふうにしていただかないと、これは全然どうぞというようなことでは、ちょっと問題の解決にならないと思いますので、その期限等についてはあまり私はこだわりませんけれども、このまず運営の方法等については、ひとつ私は、郵政審議会の運営についても、大臣、ちょっと苦情めいたことをこの前申し上げて恐縮でしたけれども、そういう点もありますので、ぜひひとつ拙速主義にならないように、しかも、この際、どうせ諮問されるなら、これは初めてぐらいじゃないですか、電通問題まで審議会でやるということは。だから、それだけに非常に新しい試みですしするので、慎重の上にも慎重を期していただいて、まあわれわれが期待するような結論が出るようならいいんですけれども、ぼくは、どうも少しそういう点で、行管の勧告の内容その他からして、どうもちょっとぎごちない点があったものですから質問したわけです。  それから、有線放送電話あるいは有線放送設備というものが設置されて、これに対していろいろと各方面から御協力をいただいているわけでありまして、その中に全国有線放送電話協会というのがございます。これは私は、設立の趣旨並びに定款、さらに昭和四十一年四月一日から来年三月三十一日までの事業計画、収支予算書というものを資料としていただきました。向こうから持ってきていただいたんですが、これを拝見してみますと、この設立の趣旨は、もちろん、ここにありますように、有線放送及び有線放送電話に関する施設及び業務運営改善の必要性ということを取り上げて、そうして、これに対していろいろな意見を具申し、大所高所に立って日本電気通信事業に側面から協力していく、こういう趣旨だと思いますね。ただ、実際に運営されてまいっておりますのを見ますと、先般も私はこの委員会で質問しましたが、たとえば、有線放送電話なんかについても、全国どこへでもつながらせるような抜本的な法律改正をやれというような決議もされたように聞いているのですね。現にここには請願書も幾つか参りました。だけれども、それは認められないということで、全部保留にしておるわけですけれども、そういうことは、本来、もう少しこの協会と郵政省との間において、認可をした郵政省との間において、緊密な連携をとって、一体、日本有線放送なり有線放送電話というものをどういう姿で、将来どういう方向へいくのだということを深く理解し合ってもらえるように、お話し合いになっておられれば、私はあんなむちゃくちゃな決議はなかったと思うのですよ。もちろん、御要望になる趣旨はわかりますよ。そうしてもらいたいという趣旨はわかるのだが、それは現在もわれわれが唱えておる通信事業の一元的な運営方針という問題からいって問題があるのですよ、頭からきめつけないのですよ、ですから、理解してくださいというように、来れば申し上げておるのですが、幸いにして、先般関係者来ていただきますと、三つの点にしぼれるのです。大体われわれがいまここで審議しておるような形でぜひやってもらいたいという、非常に建設的な意見をはいてもらいまして心から感謝いたしました。それでこそ、ほんとうの有線放送電話協会というものは、この法律趣旨に基づいて郵政大臣認可を得た公益法人としての意味があるのだということを私はここで喜んだわけですよ。そういうふうに常日ごろあるような姿で協会がないと私はいけないと思うのですが、途中で理解もないために、本委員会に出てまいりましたような、ちょっとこの協会の趣旨からいってはき違えたようなものが請願として出てくるというようなことは、これはちょっと、提出するようなことは私はちょっとどうかというようなこともありましたのですが、幸い、そういうようなことになりましたので、これらの意見趣旨を生かすための、私はさっき力説したところはそこにもありますし、それからなお、今後、この事業計画を見ますと、予算もたいへんですよ、これは。四千六百五万七千円、これが予算でありまして、その中には日本放送協会とか日本電信電話公社ほか百六十一の会員から九百十九万六千円という賛助会費を出しているのですよ。その金を出しているところから、自分方針に反するような決議をされたんじゃ、何のために金を出しているのか、親の心子知らずだと、こう言いたいですよ。だから、そういう金を集めて、四千六百万という予算をつくって、役員も、これを見ますと、常勤の役員二人、職員が二十三名もおられるのですよ。こういう私は内容を見ました。それから大会等もおやりになるのですが、何と二百七十五万円というような予算をかけて、ことしも大会をおやりになるそうでございますが、これは公益法人としての財団法人ですから、これは民法上あなたがこの内容については立ち入りもできるし、場合によったら解散を命ずることもできるでしょう。わりにはっきりしている。それだけ権限のある、大臣権限のある協会ですから、私は、そういう意味において、もう少し全国有線放送電話協会の皆さん郵政省との間において、できるだけ理解と納得のいけるような話し合いをしてもらいたい。これは賛助会員である公社も来ているわけですから、公社も時に触れて話し合いをして、深い理解と納得の上に、ほんとうの公益法人全国有線放送電話協会らしい、ひとつ働きをしてもらわなければ、四千万円の金が泣きますからね。そういろ意味において、私は、この協会について、大臣並びに総裁の今後の所信を伺っておきたかったのです。
  49. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) この協会は、聞くところによりますると、郵政、農林、自治各省が相談をいたし、そして郵政大臣の主管の法人として認可をいたしたのだそうでありまするが、こういう協会でありまするから、会員の具体的な希望がいろいろ出てまいる。それをもって運動をいたしまして、場合によっては、その要望なり活動なりが、ある程度思いがけないと申しまするか、官庁などと違った表現になってくる場合もあろうかと思います。ただ、それは会員の自主的な要望によって動くことであろうと思いますけれども、活動が著しく行き過ぎたりすることは好ましくないことでありますから、私どももよく相談もいたし、指導もいたしまして、本来の趣旨に合うようにつとめることは郵政大臣責任だと思いますから、十分気をつけます。
  50. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 過去におきまして、全国有放協会がいろいろ運動した中に行き過ぎの点が私若干あったのじゃないかと思いますけれども、これからは十分連絡を保ちながら、よく通信一元化の線に沿って動かれるように、連絡も強化し、また進めていきたいというふうに思っております。
  51. 野上元

    委員長野上元君) 本案に対する午前中の質疑はこの程度といたしまして、午後は二時に再開いたします。  これにて休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      —————・—————    午後二時三十六分開会
  52. 野上元

    委員長野上元君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  御質疑のある方は、順次御発言願います。
  53. 鈴木強

    鈴木強君 少しあとへ戻るようになりまして、恐縮ですが、先ほど私は、これからの農村集団自動電話普及についていろいろ意見を申し上げたのでありますが、この際、もう少しこの点でお尋ねをしておきたいことがございます。それは、一つは、例の業務区域の問題に関連するのですが、この許可基準の中で、公社電話がその地域に普及している率が千分の十七をこえる場合には、これは有線放送電話というものは設置されない、こうなっておりますが、これについては、いろいろ要望が出ているようですが、電電公社としては、この基準について、電電公社というか、政府のほうでは、いま変えるというふうな考え方は持っておらないんでしょうか。
  54. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 午前中も大臣からお答え申し上げましたように、この有線放送電話についての政府の一貫した方針をどうすべきかという点につきまして、農林省、自治省とも関係のある問題でございますので、ただいま仰せになったような問題をも含めまして、郵政審議会の中に特別委員会設置いたしまして、御検討をいただいた上で措置をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  55. 鈴木強

    鈴木強君 たとえば有線放送電話は、許可制をとっているわけでございまして、許可の期間は五年間ということになっておりますね。そこで、五年間許可を得て実施したあと、さらに延長したいというときには、再延長の許可を得ることになるわけですね。その場合に、すでに設置した当時は千分の十七であったが、現に千分の二十とかあるいは三十になっているというような場合が現実問題としてあると思います。そういう場合には、千分の十七という基準は全然問題なく、再許可の場合にはこの基準は無視されていくということになるんでしょう。
  56. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 許可の延長をします際には、有線放送電話に関する法律の第五条の第二項で、既設の設備の延伸を申請することができるようになっておりますが、この場合の取り扱いについては、法律ではあまりこまかい基準はきめられておりません。それで、実際の取り扱いにつきましては、行政指導でもって、いまあるその施設の残存耐用年数とか、それから業務区域がその後二町村にまたがっていないかとか、それから町の中心部に、市街地になってしまっているんじゃないかとか、業務の運営が適正に行なわれておるかとか、いろいろの基準をつくりまして、それで延伸の審査を行なっておるわけでありますが、いまの普及率につきましては、従来使っております施設を延伸いたしますので、それをさらに範囲を狭めるというようなことは行なわないで、そのまま、最初の新設許可のときの認定の基準のままで、その範囲を認可しておるというのが実情でございます。
  57. 鈴木強

    鈴木強君 これは、そうすると、現実問題として、許可基準が一応ございますからね、その基準に基づいて許可をしたものが五年たって電電公社電話が千分の三十になったからといって、いまの施設を認めないというわけにはいかぬと、現実問題としてね、というふうな趣旨なんでしょうか。たとえば、極端な話ですけれども、五百人なら五百人、六百人なら六百人というものがこの公社の加入電話を持ったということになると、そうすると、自然に有線放送電話というものが要らなくなってくるわけですね。それじゃ、実際問題としては、まだ千人のうち五百人が公社電話は持てない。極端な話ですけれども、そういう場合には有線放送がほしいという人がある限りは、やはりそれは別に条件がないのですから認可していくということになるのでしょう。この辺は、多少、何か技術的に検討していく必要があるのじゃないかと思うのですけれども、そういう問題は具体的にはいままでなかったのですか、再認可の際に。
  58. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 先ほど申し上げましたように、その区域がすでに市街地を形成していると、そういったときで、まあ農山漁村とは言えないというようなときには、そういった問題については再考する必要がございますが、従来まではあまりそういった例は出ていないと思っております。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、その点は別に現実問題としては問題なくて五年間さらに再認可をしておると、こういうことだと思いますが、ただ、その千分の十七については、いろいろと意見があるわけでございましょう、その希望意見としては。これはいま政務次官のお話ですと、審議会のほうで御検討願ってきめようということだと思いますがね。ですから、これが将来農村集団自動電話という方向に転換してまいりますれば、この比重についても、新しく設置する場合ですからね、できるだけ有線放送電話のほうや、農村集団自動電話のほうに移行していけば、こちらのほうのパーセンテージはそう問題なくなるのじゃないかというように思いますけれどもね。その点は、そうすると、将来とも再認可の場合に、この千分の十七の最初認可の場合のこの基準というやつは、いま少し譲るというようなことは全然考えておらないと理解していいんですか。
  60. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 先ほど申し上げましたように、現在の許可の延長の場合の許可の基準については、法律上きめてございませんので、その辺は、法律規定としては不十分と言えるかと思いますが、そのあり方につきましては、先ほど政務次官からも申し上げました、まあ審議会の審議の内容についてはまだきまっておりませんが、そういったときにもあるいは出てくるのじゃないか、そういうふうに思っております。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 それじゃ、これは法律第四条と第六条に基づく認定基準というものを電気通信監理官が通達でつくったわけですね。そうですね。千分の十七というのは、一体何を根拠にしてこれはきめたものでしょうか。
  62. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) これは当時、三級局以上の電話局の加入区域における町村部の電話普及率からこの数字をきめたものというふうに聞いております。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 どうもよく理解できませんがね。どうもあまりたいした根拠はないのじゃないですか。できるだけ普及率の少ないところに有線放送電話というものを置いてやろうというようなばく然たることなんですかね。それはまあいいですね。  そこで、現在の有線放送電話の実態というものは、交換手さんがおって、そうして、そこからずっと各線ごとに幾つかぶら下がっておるわけですね。その場合に、有線放送電話法でいろいろ規定をしておりますね、公衆電気通信法との関係で。たとえば、通信の秘密についてどうするとかというようないろいろ問題が出てくると思いますがね。こういうふうな場合は、この公衆電気通信法によって、その交換手さんというのが、公社の認定資格を持った者がいるわけですね。その人が侵した場合、あるいは一般の加入者の侵した場合というのは、公衆電気通信法によって規律する。その交換台から先の運営については、これは全部その組合にまかしておるわけでしょう。そうすると、電電公社のほうでは、そこで何をやろうと全然タッチできないと、こういうことになるわけですかね。
  64. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 有線電気通信法のほうで、第十六条に「有線電気通信の秘密は、侵してはならない。」という項がございますので、一応は通信の秘密の保護はあるわけでございます。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 それはわかりました。で、あと交換手さんから先のことについては、全然タッチできないわけですか。
  66. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 公衆電気通信法におきましては、国際電気通信電電公社通信につきましては、たとえば退職後もそういった点について秘密を守らなければならないという点で、国民に対して通信を扱っておるという立場から非常にかたくきめてございますが、一般の有線電気通信におきましては、いまの程度のことしかございません。この点はPBXなんかの場合にも、そういった点につきましては、それから先の将来に対しての押えはありませんが、ただ、いまちょっと申し落としましたが、この有線電気通信法の十六条で「通信の秘密は、侵してはならない。」、こういうふうにございますが、二十三条のほうで罰則の規定もできております。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 有線放送電話で先ほど公社に質問しましたね、要するに、自動式でやっている場所、それから手動式の場合、それともう一つありましたが、それをちょっとわかりましたら、お答え願います。
  68. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 現在有線放送接続通話契約を結んでおります有線放送電話施設数は、四十年度末におきまして三百三十八施設ございますが、そのうち、有放側の設備が自動式になっておりますのは六十六施設、手動式のものが二百七十二施設でございます。なお、手動式の団地電話施設数でございますが、現在六十六組合が手動式の団地電話設置いたしておりまして、六十六組合全体合わせまして、電話機の数が二万二千五百九十一の電話機ということになっております。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 このダイヤルの六十六カ所については、これは実際問題としてはどういうふうになるのでしょうか。一つの回線に二十なら二十電話がぶら下がっているわけですね。普通のPBXの場合ですと、加入者の相互間だけダイヤルで通じて、市外にかける場合には、普通ゼロを回して通じますね。しかし、この場合にはそういうことは全然やっていないということですか。その辺、技術的なことをちょっと教えてもらいたいのですが。
  70. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 現在の公衆電気通信法によります接続通話役務と申しますのは、公社が提供いたしますのは、電話局から——もちろん委託局もございますが、有線放送の交換台まで線を引っ張ってきまして、そして、その間に通話ができるようにするということでございまして、内部通話の扱いは有線放送側でやっております。したがいまして、有線放送電話接続通話というものは、もちろん内線までの接続をする通話でございますが、責任の分界点は交換台で切っておりますので、自動式の場合におきましても、自然的に外に出ていくということはいたしておりません。その点、PBXの自動式のものと違うわけでございます。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、技術的にむずかしいでしょうけれども、本来ならば、加入者から一中継の限られた部面にはほんとうならばかけられるわけですね。だけれども、そういう場合には、技術的にかからぬようにしておいて、そうして、料金の問題もあるでしょうけれども、全部交換手のDSA台みたいになって、全部交換台に入ってそこからやるというわけですね。その場合、料金はどういうふうになっていますか。
  72. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 料金は、私のほうは有線放送電話施設者と契約を結んでおりますので、料金施設者に対しまして、すなわち、通話契約を結びました有線放送施設春に対しまして料金を請求いたしております。あと実際に使った人にそれをどういうふうに配分するかは契約者の問題、つまり、有線放送電話施設者の問題といたしておりまして、私のほうはタッチをいたしておりません。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 その点はわかりましたが、DSA台を通ると料金は高くなるでしょう、普通の加入者は。だから、この場合には、ほんとうなら一中継まではいけるわけでしょう。ところが、規制しなければならぬというのはわかりますが、有線放送ですから、その場合、加入者からかける場合、DSA台と同じように特別の料金をとるのですかということをひとつ聞きたい。
  74. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) ちょっと御質問の意味を取り違えまして申しわけございません。先生のおっしゃるとおりでございまして、有線放送接続通話はすべて局の交換手が取り扱います。一般加入者が自即でかけられる区間がありましても、手動扱いとなります。ただし、料金はDSA料金——DSA料金は一般の手即料金よりも割り高に定められておりますが——を適用せず、それよりも安い手即料金といたしております。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。せっかくダイヤルでかかるようなことが技術的にできておっても、実際の点ではハンディキャップがある、こういうふうに理解してよろしいですね。  いまのお話のように、有線放送接続をしたところだけでも三百三十八カ所、三十五万というような数字があるわけです。そのほかに全国ですと、有線放送は二千五百十六カ所で、二百七十一万三千加入という膨大な施設になっておるわけですが、この一々を私は伺うことはできないと思いますが、たとえば有線放送電話接続等について、まあ手動式、自動式、いろいろ技術開発をやっておるようですが、大体こういうのをつくっているメーカーというのは、列挙してみるとどういうところがあるんでしょうか。  もう一つ、この工事は、もちろん施設者である組合の御意向によってきまるわけですが、そういう点について、公社のほうで、いい技術者があった場合、そういうものを指導的な面においてあっせんするようなことはないのでしょうか。これは監理官のほうで内部的にやっているのかどうか、私その点はわかりませんが。
  76. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 有線放送電話施設の最近のものは、御承知のように、わりと自動交換式のものがふえておりますので、メーカーもたくさんございますが、最近三十九年度におきまして新しく設置された有線放送電話の中で、自動交換を使ったもの三十四カ所につきまして、メーカーを拾ってみますと、富士通信機、日本電気、日立製作所、沖電気、東京芝浦電気といったような五社の名前があがっております。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 工事は。
  78. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 工事につきましては、大体こういったメーカー自体が全体の契約をいたしまして、系列なりあるいは下請の工事業者を使って工事をやっておるようでございます。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、自動式のダイヤルが六十六あるようですがね、この施設費は一体どの程度になっているか、把握していますか。それで、公社の農村集団電話でやった場合と、自営方式で組合がこういうダイヤル方式でやった場合との経済比較というようなものの分析をやったようなことはありましたか。
  80. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) 有線放送電話施設と、電電公社のやっております農村集団電話との比較の問題は、御承知のように、両者の機能に若干の違いもございますし、設備する場所の地理的な条件、そういったようなこともございますので、正確な比較はきわめて困難でございますが、農村集団電話のほうにつきましては、後ほど電電公社のほうから答えていただきまして、郵政省のほうでわかっております有線放送電話施設の最近のものにつきまして平均値を出した資料がございますが、それによりますと、一加入当りの有線放送電話施設は三万五千六百円程度かかっておると思います。この数字は平均値でございますので、先ほど申し上げました三十カ年度中に設置されました自動交換方式の三十四カ所の工事費から平均を出したものでございます。
  81. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) ただいま監理官のほうから、最近の有線放送電話の創設費といいますかの御説明がございましたが、これと農村集団自動電話との創設費の負担比較ということでございますが、農村集団自動電話は、御承知のように、創設の際に、一加入者当たり設備費一万円と、六万円の電信電話債券を引き受けていただいています。現在、債券の価額は大体九五%ぐらいいたしておりますので、実質負担ということになりますと、六万円の債券は、結局、五万七千円ぐらいで売れるということになると思いますので、一万三千円ぐらいの負担ではないかと思います。したがいまして、先ほど御説明のありました三万五千円と比較いたしますと、放送の分の差はございますが、むしろ安いのじゃないか。また、有線放送と農集とでは、技術基準にすいぶん差がございます。片方は一中継しかつながらないような技術基準でございますが、農集のほうは全国につながるような高い技術基準でございますし、また、有線放送のほうは、あとの毎月の維持費とも関連してまいりますが、多くの場合、維持費を安くするために減価償却等を積み立ててないところが多いと思います。したがいまして、更改時には改めて設備費を要するというふうなことになると思いますので、そういうものを考え合わせますれば、農集のほうが実質的な負担はかなり安いのではないかというふうに考えております。
  82. 鈴木強

    鈴木強君 営業局長、この場合、債券は九五%で売れますね。そうしてみると、大体一万三千円か四千円ぐらいにできるわけですね。ただし、今後この放送設備をあわせてやるような場合、そういうのは試算としてどの程度か、見当だけでもわかっておったら、それを聞きたいことと、もう一つ、その有線放送電話を推奨する人たちは、できるだけ公社よりは安いのだというふうなことを意識的に考えながらやってるようなんですよ。そういうときに、たとえば今後農集になると、基本料金というものが月何ぼかかかってくる。したがって、これは各級別によっていろいろ違いますけれども、そういうものが、たとえば月に四百円とか六百円とかかかるから、それも永久に払わなければならないとか、いろいろ言うわけです。そういったようなものは級別によって違いますけれども、今度は、級の高いほうですか、大きい都市は——前と逆になりましたね。そういうふうに千分の十七ぐらいのところですから、基本料が、三級だか四級だか知らぬが、そういうところだと大体月額幾らということはわかるわけですね、自動の場合とそうでない場合と。ですから、そこら辺を考えると、そうぼくは高い高いという根拠にならぬと、こう言っているのですが、そこら、三級局としたら幾らになりますか、一万三千円に幾ら加わるということになりますかね、そういう点もひとつ。
  83. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) ただいま創設費の点で一万三千円と申しましたのは、電話だけのことでございますが、先ほどもいろいろお話がごさいましたように、もしかりに、これに放送設備をのせていくということにいたします場合には、放送設備、放送業務の所有権あるいは放送業務そのものは放送の主体といいますか、農協でやられる場合は農協のものであり、農協の業務というふうにいたしたいと考えますので、公社といたしましては、その工事に要します実費をいただきたいと考えております。その額は各加入者の宅内に受信機を備えつけます場合、あるいは屋外にスピーカーでやります場合によりまして非常に違うことなりますし、また、その地域の状況あるいは普及率によって非常に違いますが、かりに屋内に置くとして、平均的に申せば、一加入当たり一万円あれば十分できるのではないかというふうに考えております。  それから毎月の維持費の負担でございますが、先生おっしゃいますように、農集は大体三級局から最高八級局までございますが、三級局は月三百四十円、通話料も含めまして三百四十円。それから八級局が七百四十円となっておりますが、いま平均的に一番多く農集をつけておりますのは四級局。四級局と申しますと二百加入から四百加入でございますが、この四級局と五級局でございます。五級局が四百から八百まで。それで、その料金が月三百九十円、六級局が四百七十円というふうになっております。  有線放送電話のほうなら幾ら加入者から取っておられるかということにつきましては、その取り方が非常に区々でございまして、月ぎめで取っておられるところもございますし、月ぎめ料金のほかに個々の度数料を課しておられるというような場合もございます。しかし、総体といたしまして、基本料と度数料と通話料というふうな体系をとっておられるところが一般的かと思いますが、そういうところにおきます基本料は二百円から五百円くらいというふうになっております。通話料としては、一回にして五円から十円くらい取っておられるようであります。したがいまして、それらを合計いたしますと、大体四百円から七百円くらいの間ではないかと思われます。したがいまして、それだけでも大体農村集団自動電話とほぼ同じか、あるいは農集のほうが安いかと思われますが、そのほかに、大きな差と申しますれば、多くの場合、有線放送電話のほうは減価償却費を積み立てておらないところがあると思います。それからもう一つは、有線放送電話と農集の機能の差、特に手動式のほうにおきましては、ますます人件費が増高してくるというようなことがございますので、こういう減価償却が不十分だということと、機能の差に着目した場合には、農集のほうが毎月の維持費負担は安いのではないかというふうに考えている次第でございます。
  84. 鈴木強

    鈴木強君 それから、これはあとから示されたときに質問してもいいのですが、ついでに構想が出ましたから伺いたいのですが、農村集団自動電話に放送線をかけてやりますね。その工事は、たとえば公社が、もし御希望があれば公社が直接工事をやってやる。しかし、その施設そのものは組合のものになるわけですね。将来、保守なんかの場合も電電公社がめんどうを見てやるという点は考えているのでしょうか。
  85. 北原安定

    説明員(北原安定君) ただいまの先生の御質問、放送設備を利用した場合の工事のしかたと保守のあり方でございますが、私ども、先ほど武田が御説明申し上げたとおり、特に放送の設備を積極的にやるとかやらぬとかいうことでなく、御依頼を受けた場合にやるというたてまえでございますので、それは私たちの農集の工事をやる時点においてやる。したがいまして、公社の工事と一体になってやる場合に経済的であり、国民的にもそれが有利であると、こういう場合が想定されると考えております。したがいまして、そういう場合、私たちの直営の場合もあり得るし、また、公社の認定しています工事業者にこれをやらせる、こういうことになると思います。  それで、保守のことにつきましても、この農集の保守を私たちのほうはずっと引き続きやるわけでございますから、それに付帯してやはり同一地域にまたがるものでございますので、委託を受けた場合には保守をさせていただく考えでございます。その保守の場合におきましても、いうなれば、永久保守といいますか、償却を含めた保守のしかたもございましょうし、必要のつど保守費をいただくというやり方もあるかと思いますので、これはその地域の代表の方々と話し合いの上できめていくことかと思っております。
  86. 鈴木強

    鈴木強君 その場合、現場をあずかっている従業員ですね、かなりこの負担が加わってくると思いますけれども、当然これは要員算定の基礎に、こういうものがふえてまいりますと入ってきて、施設要員というのはふえていかなきゃならぬわけでしょう。そういう点も十分考慮しておられますか。
  87. 北原安定

    説明員(北原安定君) おっしゃるとおり、そうした物量がふえてまいりますので、作業量もふえてまいるわけでございます。同時に、平素その装備率と申しますか、作業の近代化ということに力を注いでおりますので、そういうものと相殺いたしまして、極力要員増を伴わないでこれが実行できるような施策を講じてまいりたいと存じておるわけであります。
  88. 鈴木強

    鈴木強君 それから六万の債券を売る場合、九五%に売れるということになると、かなりこれは高率ですからいいと思うのですが、一時、公社の改式等に伴って業者が殺到して、そうして、できるだけ買いたたきをするような風潮がありましたですね。暴力ざたまで起きたことがあります、埼玉、横浜等におきましては。ですから、そういった面についての、一番加入者に有利で、しかも、間違いのないような方法のやり方というのは、絶えず公社はこれを指導してやっていただいておりますか。
  89. 武田輝雄

    説明員(武田輝雄君) 債券の価格につきましては、結局、一般金利との関係においてきまってくる問題だと思いますが、公社は数年前に加入者債券が非常に値下がりをいたしましたので、これに対する対策といたしまして、需給調整資金という法律の御制定を願ったわけでございますが、そういう立法措置とあわせまして、当時は一般の市場の金利以上に非常に下がっておった。これは電話業者——電話業者というと非常に語弊がありますが、一部の人たちが金もうけのために、加入者の無知に乗じていろいろ経済の一般趨勢に反したようなことで値が下がったということもございます。したがいまして、われわれといたしましては、その点について十分周知をいたし、また、自主的に手を打っております。また、多く農集の場合におきましては、非常に地域的にまとまっておりますので、農協等で肩がわりをしてお引き受けになっておるところが大部分でございますし、公社といたしましても、そういう方面への、そういう事故につきましての加入者への通知には十分力を入れまして、不測の不利を加入者におかけしないようにつとめてまいりたい、こういうふうに思っております。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 幸いにして、いままで農自集に伴うそういう問題がありませんので、私どもも非常に喜んでおるのですが、なお、今後設置個所が多くなりますと、いろいろな角度から業者は競争意識があるものですからやると思いますので、ぜひひとつさらに御注意いただきたいと思います。  大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、これは私が昨年の三月二日、当時の徳安郵政大臣にも御質問してある問題でございますが、有線放送電話を三十二年から役務を提供することになりまして、いま論議していましたような経過になっておるのですが、残念なことに、有線放送電話を使って商業放送的な活動をされている施設がございまして、この点については、もちろん、法律その他に準拠して放送をやるということは、これはもう否定できないわけですが、しかし、一般の電話をつけてない有線放送と比べまして、電話になりますと、やはり長距離からかかってくる——長距離というか、電話がよそからかかってくる場合があるのですが、そういう場合に、 コマーシャルを流しておって電話の用を足さぬということでも困るわけですから、ですから、広告放送の扱い方については十分注意をしていただきたい。しかも、その実態はぜひ調査してもらいたい、こういうことでお願いをしておったのでありますが、有線放送電話に関する法律の四条三号に、営利を目的とする業務は当該有線放送電話はやっちゃいけない、こういう規定がございます。したがって、これに抵触するかしないかということは大いに論議のあるところでございますが、その当時、政府関係の広報活動費として千八百万円、民間の製薬会社その他から五千万円、計六千八百万円のコマーシャル費が使われておったことは、これは事実なんです。したがって、こういうコマーシャルをやっておるまた会社ができまして、たとえば日本農村放送事業協会とか全国農事研究推進協議会あるいは全国農村放送協会、こういう協会や会社ができまして、それぞれがあっせんをしておるわけなんですね。ですから、この実態をぜひ明らかにしてもらいたいということを当時お願いしたのですが、当然、大臣として、これは法律第十二条によって、その業務に関して報告を求め職員を派遣して有線放送の業務について検査させることができるというふうな条項があるわけですから、大臣の職権でおやりになれる事項でありますので、その後どういうふうにこれが処理されましたか、この機会にひとつ御説明いただきたいと思います。
  91. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 確かに御指摘のように、営利を目的としては行なってはいけないことでありまするので、これがどの程度なら対価を得て放送を行なってよろしいかという限度は、よほど厳重に考えるべきものだと思います。  調査をいたしました模様は政府委員からお答えをいたしますが、したがいまして、私はやはり鈴木さんが御指摘のように、非常に必要でないたまたま放送の間に、電話の通話がある、これが交換台までは来たが当事者に接続できないということは、これは法律上は義務はどうということではございませんが、私はそういう事態は避けてまいるべきことだと思います。この点は、むしろ、私は法律がどうということよりも、一体ものの性質が公の何と申しますか、仕事をいたしております電話というものの性格から、どこに重きを置いて考えるかということで、ひとつこれは将来考えなければいけないものだと思います。
  92. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  93. 野上元

    委員長野上元君) 速記を起こしてください。
  94. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) ただいまの広告放送の実態の調査の結果について御説明いたします。  昨年三月に鈴木先生から、広告放送の実態について把握をするようにということがございまして、私たちといたしましては、関東電波監理局管内におきまして、五百二十六施設ばかりあるのですが、その中で、放送料の徴収を、比較的金額の多い徴収をやっております三十万円以上の施設二十二カ所から十二施設を抽出いたしまして、参りまして面接いたしまして、いろいろ状況を調査いたしました。  この結果、広告放送をやっております時間の最大は四十分、最小は三分、平均十七分という数字が出ております。  それから広告の内容は、大別しますと、地元の商店等からの依頼広告のものと、それから広告放送事業者の団体等から依頼された商品等の宣伝などがございます。  広告放送収入の内容につきましては、全施設とも、その事業収入の一〇%以内というようなことでございますので、御心配のように営利を目的としてこれをやっているというところまでに至っているものは現在ないのじゃないか、適当な対価をいただいておる、この程度のものであって、これで営利を目的としているという実態はいまのところ出ていないのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、今後も引き続いてこういう問題について調査してまいりたいと思います。
  95. 鈴木強

    鈴木強君 これは一〇%だから営利を目的としていないという判断は、私はちょっと、どういう根拠でそうおっしゃるかわかりませんがね、たとえ五%であっても、営利を目的としているのかしていないのかということは、そうにわかに断定はできないのじゃないでしょうか。ですから、放送の内容とか放送時間とか、いろいろ要素としては出てくると思いますが、一〇%以内だから営利を目的としていないのだということでは、ちょっとおかしいじゃないですかね、どうでしょう。
  96. 野口謙也

    政府委員野口謙也君) おっしゃられるとおり、一〇%だからというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、実態を見てまいりますと、先ほど大臣から申し上げましたように、実際の有線放送の目的といいますか、そういったほうを阻害するような実態ではないように思いますし、必要な一般放送なり電話につきましては、随時遮断してやっているというようなことで、特に営利といいますか、こういうコマーシャルについて特に力を入れてやっているというような実態ではないのではないか、そういうことでございます。
  97. 鈴木強

    鈴木強君 もう少し、たとえば、どういうふうなものを流しているかということが、各施設ごとにわかるわけでしょう。それはいまでなくてもいいですから、あとでひとつ資料で出してください。その後わかったものがありましたら、なおひとつ安心しないで、そういう点はできるだけ注意していただいて、大臣のおっしゃるように、せっかくかかってきた電話がそのために通じないということがあるでしょう。ぼくらも経験があるのです。ですから、そういうことが、普通放送だけの施設でしたら、常識的に考えてみてわかりますよ。しかし、電話をやるということでつけたのに、せっかくかけた電話が通じないということではちょっといけませんので、そういう面からもかなり行政指導の面でやっていかないと——たとえば、やっておいてもいいけれども、極端に言ったら、そういう電話があったときには、とめてすぐその電話をつなげてやるとかいうくらいの指導をしておけば多少わかると思うのですが、営利であるかどうかということは、いまにわかに私も営利を目的にしているとは言えないものだから、あなたのほうにもお調べを願ったのだし、その結果、一応営利の目的ではないということになれば、私もいまの段階では、その点は大体了解しておきますが、なお、そういう条文をうまく利用して、裏をくぐってやろうというような動きがもしあるとすればいけないことですから、厳重にこれはひとつ行政指導の面で留意していただきたいと思います。
  98. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  99. 野上元

    委員長野上元君) 速記を始めて。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  次回の委員会は十四日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十八分散会      —————・—————