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1966-05-12 第51回国会 参議院 逓信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年五月十二日(木曜日)    午前十一時一分開会     —————————————    委員長異動  五月十一日田中一委員長辞任につき、その補  欠として野上元君を議院において委員長選任  した。    委員異動  五月十一日     辞任         補欠選任      田中  一君     鈴木  強君  五月十二日     辞任         補欠選任      久保  等君     竹田 現照君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野上  元君     理 事                 植竹 春彦君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 光村 甚助君     委 員                 小沢久太郎君                 古池 信三君                 白井  勇君                 寺尾  豊君                 松平 勇雄君                 谷村 貞治君                 鈴木  強君                 竹田 現照君                 永岡 光治君                 横川 正市君                 田代富士男君                 石本  茂君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君        郵政省監察局長  山本  博君        郵政省郵務局長  長田 裕二君        郵政省簡易保険        局長       武田  功君        郵政省人事局長  曾山 克巳君        郵政省経理局長  淺野 賢澄君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     —————————————
  2. 野上元

    委員長野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  このたび私がはからずも逓信委員長選任されました。微力ではございますが、皆さま方の御協力によりまして、その職務を全ういたしたいと存じますので、今後とも何とぞよろしく御指導のほどお願い申し上げる次第でございます。(拍手)     —————————————
  3. 野上元

    委員長野上元君) まず、理事会協議事項について御報告申し上げます。  本日の委員会においては、郵便法の一部を改正する法律案質疑を行なうことになりましたので、御了承を願います。     —————————————
  4. 野上元

    委員長野上元君) 次に、委員異動について報告いたします。  昨日、田中一君が委員辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。また本日、久保等君が委員辞任され、その補欠として竹田現照君が選任されました。     —————————————
  5. 野上元

    委員長野上元君) これより議事に入ります。  郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  6. 竹田現照

    竹田現照君 まず最初郵政大臣にお伺いいたします。  今度のこの郵便料金改定にあたりまして、本来郵政省がいわゆる挙省一致、この法律案の通過に当たっているということに考えたいのでありますが、あとからの質問にも関連がありますが、その点について挙省不退転決意をもってこれに取り組んでいるのかどうか。まあ当然そうでありますとお答えになると思うのですが、あらためてこの点についてお聞かせ願いたいと思います。
  7. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) いま竹田さんのおっしゃる点、まことに大事な点でございまして、私は郵便料金値上げをいたすべきやいなやということを判断いたしまする際にも、全国の地方局長会同をいたしました際に、ひとり幹部だけの考え方でこのような判断をすべきものではない、全体のそれはそれぞれの立場立場でその必要があるであろうか、そういうやり方をしないでも方法はあるんじゃなかろうかとか、いろいろめいめいの考え方はあろうと思います。しかしながら、いたす以上は、国民に何と申しましても御負担をかけるようになるのだ、それに応じた心がまえというものは一様に持ってもらいたい、このことを要望し、これは地方局長責任として所管する全部に徹底をしてほしいということを要望もいたしました。また、そうして、その後いよいよ郵便料金改定をいたしました際に私が言いましたことばは、これで赤字の結末がついたという終着では決してないのだ、ここから国民に対して大きい負担を負うておるのだという出発点に立つのだという決心でやってもらいたい。その前に地方局長に私から訓示をいたしましたところを自分たちもよく伝えたということを、二度目の会同のときに、それぞれの局長諸君から聞いたのであります。それで、私も多くの従業員とひざを交えて話し合うことを希望するのですが、なかなかそういう機会も持てませんので、年末、組合幹部皆さん交渉をいたしまする際等にも私が説きましたことは、とにかく立場立場として、郵便料金改定するに至った決心というものを、私の決心を説き、それについての私の気持ちを理解してもらうことを説いたのであります。したがいまして、実を申しますと、団体交渉の中で、そうした土台に立ちながら交渉している私の立場というものを深夜語り合ったようなことも実はあるのであります。したがいまして、私の接触する限りにおいては、全体が新しい責任を負うのだ、国民に対して物質的な負担に応じるだけの精神的な負担を、国民に対するサービスということの決意でもってあらわすのだという気持ちを伝え、また、幸いにして、その点については共感を得ておるものと考えております。
  8. 竹田現照

    竹田現照君 いまも大臣地方局長会議の際そういう訓示をされたと言うのですが、私は、本省首脳部に、とりわけそういう決意があるかないかということを関連してお尋ねをしたかったのです。実は昨年のたしか十一月だったと思いますが、郵政省首脳部から、昭和四十一年度の予算要求について、わが党の逓信部会説明をいただきました。当時政府は、国鉄運賃等を別にいたしまして、郵便料金引き上げについては必ずしも賛意を表しておらないように新聞等で伝えられておりました。で、審議会答申を求めておられるさなかでありましたけれども、審議会は必ずしも郵政省の言っている値上げ答申を出す情勢にはない、もし審議会料金引き上げを内容とする答申を出さない場合はどうするのだ、こういうことを尋ねたときに、田中次官は、万一答申がそういう場合は郵政省としてもその答申に従わざるを得ませんと、こういうお答えでした。そうすると、最近郵政省が何百億も赤字になるのでどうしても料金改定もやむを得ないのだ、こういっていろいろ言われていますことと、審議会答申政府決定後に値上げ答申が出ましたけれども、その当時私の受け取った郵政省態度というものは、必ずしもこの料金改定に、いわゆるこれがされなければ、郵便事業の運行には責任を持って当たれないのだというふうな、そういう心がまえ国鉄運賃に対する石田総裁のような、ああいうような気がまえというようなかっこうでは取り組んでおられなかったように私は思うのです。ですから、そういう点から考えて、そのまま郵政省にしても、政府が上げる際、この際何でもかんでもみな上げてしまったほうがいいというふうなことで、郵便料金値上げも認め、しかも、審議会答申も待たずして政府態度決定をされたわけでありますが、理由はどうであれ、私はそういう経過から考えて、この一、二カ月の、この数カ月の間の本省首脳のものの考え方が、この問題に対する態度が一致した形において意識統一がされておるようには私は必ずしも思わない。ですから、政府がそういうことを幸いにしてきめたので、この際乗っかれ、ほっとしたというような気がむしろあるのではないか、そういうふうに思いますから、大臣にこの点をお尋ねしたわけです。地方局長がまあいろいろなことを言われたにしても、本省首脳考え方は必ずしもそうではないんではないか、そういうふうに思うのですが、いかがですか。
  9. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点はあるいは私が、公共料金値上げというものは、郵便料金家計費消費者物価に及ぼす影響が軽微でありましても、やはり非常に慎重にしなければならないという態度を持ち続けてまいりました。いつも主張しながら、また、立場考え考えにゃいけないということを言うておったのであります。したがいまして、あるいは田中君等が御説明をいたしますときに、どういうものの言い方になったか知りませんが、私はむしろ、私が慎重であるので、みんなも慎重にしておるとは思います。慎重な発言をしておったとは思いまするけれども、私に対して、どうしても長く郵政事業を預かっておりまする諸君でありますだけに、大臣は幾ら慎重なものの言い方をされても、料金値上げ以外に方法はありませんよ、また、長い目で見ていく場合に、一時の単年度のやり繰りをすることはかえって将来に禍根を残しますという感じで私に進言もいたし、また、私の意見にも答えておりましたから、外にお答えをいたしますときに、非常にあるいは心裡留保を持ちながらのようなお答えをしたかもしれませんけれども、気持ちは非常に、私の先ほど申し上げましたように、大きい国民に対する責任を負うけれども、この際に郵便財政というものを建て直しをしたいという気持ちでは一致しておったと思いまするし、また、彼らの諸君が、本省幹部諸君が、地方等から材料を集めてくれまする際にも、そうした気持ちで一貫しておったように私は受け取っております。したがいまして、私は中央、地方を通じて気持ち一つになっていてくれたと、このたびの料金改定経過においては信じておる次第であります。
  10. 竹田現照

    竹田現照君 それに関連することはそれじゃあとで触れますが、この政府方針決定と、大臣審議会答申を求められた関係についてお尋ねしますが、今回のように答申を求めているさなかに、先に省が料金引き上げ決定をするというあり方、これはちょっと本末転倒しているような、礼を失しているような感じをいたしますけれども、感じというよりは、実際問題としてそうじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
  11. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点は、私が六月に郵政大臣を拝命いたしまして、それから四十一年度の予算の概算を固めなければならぬ時期までの間、時間的な経過を見まして、私自身も非常に焦燥感じたのであります。と申しまするのは、国鉄料金などにつきましては、これは私も承知をいたしておりまするが、久しい前からいろいろな検討を加えてきており、そうして、それに対しての要望等も各方面に、他の各政党にも伝えられ、学者意向も聞いており、かなり進んでおりました。しかしながら郵便事業につきましては、明瞭に四十年度の予算編成のときに実質赤字をかかえておりながら、これをいかにすべきかということについては、郵政審議会にも諮問をいたさない状態にありましたので、これは非常に急がにゃいかぬ、それで郵政審議会に小委員会を設けてお願いすることにいたしました際にも、中間答申をいただいて、その中間答申に従って政府態度決定しようかと考えたのであります。ところが、審議会が御検討をいただく期間自身が相当短い時間であります。そこで、中間答申をまとめるという手数をかけること自身が惜しいくらいな状態でありました。これは小委員長をお引き受けくださいました足立正さんからも、それで極力委員会を急ぐ、そのかわり、自分らの要求する材料は急いで出してほしい、そして、そのある段階において自分から意見を言うから、その場合にも書面であげようかというお尋ねもございました。しかし、ちょうど十三回ぐらい委員会をお開きになったあとだと思います、そのときに、一応まあ来月の初めに答申する、見当はついたからということで御報告をいただきました。それに従いまして、十一月の二十七日に政府経済政策会議を開きまして、値上げをせざるを得ない、値上げの幅は可及的低位に押えるという原則をきめたのであります。したがいまして、今度の場合は何ぶんにも忙しかったので、そういうやや手続について十分これを踏む期間もございませんでしたが、実質審議会の御意向を十分に伺えたと思っております。私自身も、審議会そのもの出席し得る期間は少のうございましたが、それぞれの委員の方に御意向を伺い、委員会全体のほかに委員会委員のそれぞれの御意向も伺いながら、そして経過を見ており、確かに足立さんのおっしゃいますように、十一月の末にはもう実質的には審議会の御意向もわかった、そういう経過判断をいたした次第でございます。しかしながら、これからの扱いといたしましては、一つは私こう考えております。保険とか貯金になりますると、かなり複雑ないろいろな他の似ております業態のものとも比較せにゃいけませんけれども、郵便はわりに簡単に収支の見通しが立て得る仕事でございました。したがいまして、国鉄のような長い検討をいたしませんでも、出しました結論には間違いはないと思っておりまするけれども、将来はやはり郵政審議会への扱い方はもう少し、少なくも一年近い時間をかけて、そして、その答申に基づいて行動する、これが筋だと思います。したがって、将来の問題としては、私はこういうぐあいに事態が追い詰められた状態でないときに、あらかじめ相当余裕をもってしてまいる、こういうやり方でまいりたいと思っております。形の上では確かにやや整わない、口頭による中間答申をいただいて、しかも、その中間答申ということでなく、小委員長郵政大臣に対する報告という形で行動いたしたわけであります。ただ、繰り返して申し上げまするが、実質的には郵政審議会の御意向を十分尊重して行動した、こう思っております。
  12. 竹田現照

    竹田現照君 大臣、非常に追い詰められた状態できめられたといまおっしゃっていますけれど、前大臣のときの予算編成のとき、すでに五十数億からの赤字予算を組んでいるわけですね、四十年。そのときにすでに郵政省が言われているように、郵便料金改定というものは必要であるというふうに判断をされておったと思うのです。ところが、大臣答申を求められたのは昨年の八月三十日ですね。そうすると、もう一昨年すでにこういったことを審議会においていろいろと御検討いただくべき立場郵政省は立たされておったと見て差しつかえないと思うのです。それを昨年の八月の三十日に答申を求めておいて、四十一年度の予算編成のときには、なかなかその答申が間に合いかねる、まあ追い詰められた状態にあると、ですから個々の御意見を聞いた、足立さんの御意見等も聞いて、まあそういうような決定をされた、こう言われているのですけれども、それを私は一番最初に、郵政省首脳部のものの考え方というものは、必ずしも大臣がおっしゃっているような状態で取り組んでおらなかったというふうに判断をするから、冒頭から質問をしているわけです。ですから、追い詰められた状態に置かないと、いま大臣おっしゃったけれども、追い詰めていったのは郵政省自体なんです。審議会責任でも何でもないわけです。当然に時間的余裕はあったと思う。そういうようなことを考えますと、この審議会に対する郵政省答申の求め方そのものに大体問題があるんじゃないかという気がするのです。これはいかがですか。
  13. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点は先ほど申しましたように、郵政省幹部諸君の方は、むしろどうしても四十年度がこうであるから四十一年度の予算では料金に取りつかなければやりようがないんだ、むしろ焦燥感にかられておったんだと思います。私はその状況というのはいろいろ説明を聞きながらも察しておったのでありまして、ただ、大臣更迭がある、そういうような状況から、審議会という形で発足をいたします手続としては、新大臣のもとで判断をしてもらい、そして審議会答申を求めるということにせざるを得ないものでございますから、そうした、たまたま大臣更迭等のために、審議会自身は、先ほど申しましたように、忙しい御審議を願ったのでありますが、決して審議会を開くまでは、郵政省幹部が、何とかやっていけるだろうという気持ちでなかったことは、私が実感をもって感じておりまするから、ただ、将来の備え方として、これは私ども考えるのでありますが、料金の問題にいたしましても、今後もさらに、ひとり郵便事業だけではございませんが、いろいろな合理化の問題にしても、一応貴重な答申をいただいている。しかし、さらに、平素において自分判断し発表することだとか、あるいは、さらに審議会等答申を追加して求めることだとか、そういうことはもう少し活発にいたしてまいるということは必要だと思います。そのような意味合いで、今後は十分気をつけてまいりたいと思います。
  14. 竹田現照

    竹田現照君 大臣お答え、それなりに了解をいたしますが、政府政策決定審議会の問題ですね。今度は政府方針としてこういうようなことをやられたわけでありますが、大臣が何と答弁をされましょうと、国民皆さんは、答申を求めているさなかに先に態度決定してしまうんであれば、答申を求める必要はないというふうにとるのはあたりまえだ、いまここでお答えになったことは国民皆さんわかりませんから。そうすると、やはりどうしても政策決定がなされた場合には、審議会答申を求めているさなかであろうとなかろうと、こういうことをやられるということであれば、審議会なんというものは、言ってみれば名目的で、たいして価値のないものだ、そういうふうに考えるのですが、そういう点については、これは郵政大臣というよりは、政府政策決定にあずかる立場としてどうお考えになりますか、こういう点について。
  15. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは政府といたしましては、四十一年度の予算をどういう見当で組むか、公債をいかにしてどの程度踏み切るべきものであるか、公共料金についてどこまで手をつけるべきものであるかということの最終決定が少なくも十一月中にいたさなければならない事態でございました。したがいまして、審議会には、そういう、おっしゃるように、外には確かに答申をちょうだいして初めて審議会の御意思が決定することでありまするが、政府の感覚としては、実質的に審議会の御意向のまとまるのはお待ちをいたしましたけれども、政策全体としては、すでに政治季節にも入ろうとしているときでございます、通常国会の召集を前にいたしまして、どのような公共料金についての判断をいたすか、もちろん、ゆとりのあるときならあれでございますけれども、四十一年度の予算のような、歳入面で無理をしなければならないときには、政策全体として決定することは早く国民の前に決意を申し上げること、そのことがより必要な事態だったというときに、政府として政策決定をいたした次第でございます。
  16. 竹田現照

    竹田現照君 それでは、その点はおきまして、郵政審議会委員委嘱される立場といいますか、基準といいますか、こういうものを一体どこに置かれているのですか。
  17. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) 郵政審議会にいわゆる郵政審議会令というものがございまして、それにのっとりまして委員委嘱を行なっております。たとえば学識経験者であるとか、貯金事業保険事業利益、いわゆる利用者利益代表であるとか、その点関係行政機関の職員であるとか、そういうような人々の中から郵政大臣がこれを委嘱すると、そのようになっております。
  18. 竹田現照

    竹田現照君 それは審議会令に書いてあることはそれはわかるのです。そこで、学識経験者というのは、これは学者か何かが通常ですけれども、利用者利益代表するというその基準ですね。これはまあいまの委員皆さんが不適格だという意味で言っているわけではないのですけれども、これは私は必ずしもそういうようなことでなくて、むしろ、これはちょっととした有名人、そういうような人を重点的に置かれているような気がするわけでありますが、この利用者利益代表する、これはどういうところに基準を置くのですか。
  19. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) たとえば具体的な例で申し上げますと、手元に審議会のメンバーの表がございませんが、記憶によりますと、市町村の市長会長であるとか、町村会議の議長であるとか、あるいは適任者であれば学校会会長であるとか、そういうような人がそのような利益代表者考えておると存じます。
  20. 竹田現照

    竹田現照君 たとえば運輸審議会のように、労働組合代表と目されるような人々、あるいはまた、郵便なんというのはとりわけ庶民利用が多いわけですから、いま官房長からお話があった貯金保険といっても、これは私が承知している限り、いわゆる庶民の側に立つというような立場の人を必ずしも委嘱をしていないと思うのです。郵政省としては、これは任命される方は都合のいい人を出すのでしょうけれども、やっぱり庶民の金を預けるというのはあまり、言うところの金持ち、こういうような立場の人というものは、郵便貯金簡易保険利用していることには間違いないでしょうけれども、事業本来のねらっている利用層を真に代表し得る人に足りるかどうかということは、はなはだ疑問だと思うのです。ですから、たとえば逓信記念日に、いろいろと貯金事業功労者、あるいは簡易保険功労者というものが表彰される人がたくさんおります。あるいは感謝状をいただく人がたくさんおりますけれども、私は、ああいう、皆さんが選ばれているような立場の人というのが、ほんとうにこの郵政事業利益代表する利用者代表だ、そういうような気がするのですがね。これはもう天下の名士必ずしも郵政事業利益代表と私は考えません。このような点については、これは官房長より大臣お答えをいただきたいのですが、いかがですか。
  21. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃる点、私もそういう感じがいたします。政府審議会の整理の法案をこのたび国会にお願いをいたしておりますのも、責任の所在を不明瞭ならしめるような種類のものもあるという点もございまするけれども、また同時に、どの審議会でも結局同じような方が兼ねておられる。これで、はたして審議が十分できるだろうかどうだろうか、こういうような点の反省もございます。ところが、なかなか一つ審議会で——私は、郵政審議会臨時委員制度がございますから、臨時委員をもう少し活用したらどうかと思います。いろいろな問題についてそれぞれに意見をお持ちになるという適格者はなかなか得られないのでございます。私はむしろ、いままでかつて選考線上にのぼらなかったような方で実は適格者がおられるのではないだろうか。しかしながら、ときどき私は題目が違います場合には、郵政審議会出席をして御意見を伺っておりますが、なかなか郵政部内と申しましても、いろいろな専門的な問題もあり、ある部分については非常にお詳しい方でも、全体についてはちょっとこう御判断がむずかしいような場合も見受けるのであります。したがいまして、ある程度普遍的な意見もお持ちになり、そうして郵政事業というものに熱意をお持ちの方は、私はむしろ広く選考もいたしたいと思いまするし、むしろ、事柄事柄によって臨時委員制度というものをもう少し活用したらよろしいのじゃないだろうか、これは私はそのように考え、また、部下にもそのように申しておる次第でございます。
  22. 竹田現照

    竹田現照君 いまの大臣お答えを具体的にこれからの委員選考の過程の中で実現をされるように、私はこの機会に特にお願いをいたしたいと思います。そうでなければ、これは公益委員なんというものは、大体どの審議会にもみんな顔を出している人です。特に利用者利益代表者というような人は、先ほどお話ししたように、リュックサックにしょって歩かなければ持っておれないという肩書きの人ばかり選んだって、これは私はほんとうの代表にならぬと思うのです。言うならば審議会屋です、実際は。そうでなくて、ほんとうに庶民事業を預かる郵政事業代表らしい利益代表というものを、少なくとも今年度あたりから選考には実際の名前があがってくるような配慮をしていただきたい。この点、大臣お約束いただけますか。
  23. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは十分私も配慮をいたしたいと思います。実を申しますると、政府部内におきまして、私の所管の委員その他の任命の相談を佐藤総理などにいたします際にも、佐藤総理それ自身が、でき得る限り適格者を広く求める努力をしてほしいという要求を総理自身からも受けるし、私自身も……。ところが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、そういう点のおう知恵を拝借したいと思うのでありますが、こうい非常にいい方があるということを聞いて私が伺ってみますと、これは余談のようでありますけれども、電気について、電波等についてというようなお話があってお会いしてみると、そうではなくて、自分の御関係の電気器具を推薦されるような方がありましたり、なかなかむずかしいなということを思います。ですから、私はどうも、だれかがあれはいいぞという思いつきではなくて、何か広く適材というものを大いいワクの中で考えて、そうして、ふだんからそういう、大げさに申せば、人脈を見出すというくふうが、私は現在の官庁組織においては非常に大事なんじゃないか、そういう気持ち審議会についても十分考えていきたいと思います。
  24. 竹田現照

    竹田現照君 お考えをいただくようになったのですが、なかなかむずかしいと言いますが、私がお願いしたいのは、市町村長とかなんとかいうのは、自分で金を払って郵便を出すのではないから、そういう人は、市長会の代表、町村会の代表というのは。たとえ少なくても自分郵便料金を払って、そうして郵便利用して、その結果、郵便料金がどれだけ上がればどれくらいの影響があるのだ、こういうようなことを実感として考えられるような立場の人、これは入れておくべきだ。自分で金を払わない連中が幾ら入ってもだめなんです、これは。それからデパートの社長が知名人だからといってダイレクトメールをごちゃごちゃ出す、こういうのは値上げになると困るからセーブしようじゃないかという意識が必ず動くのですから……。それから新聞社の代表は言論機関の代表のようでありますけれども、必ずしも三種との関連からいきますと、全部が全部好ましいかどうかということについては私は検討してしかるべきだと思うが、そういう面を合わせて、私はこの郵政審議会は、他の審議会以上に庶民性を持っているべき性格のものであると思いますから、特にこの点についてお願いをしておくわけであります。
  25. 光村甚助

    ○光村甚助君 ちょっと関連して。審議会委員のことですが、いま竹田君からお話がありましたが、私もこの委員の名簿を見ますと、有名人ばかりですが、確かに私の知っている人が二、三ありますが、前に郵政省局長をしておったというような人など、それならばやはり竹田君が言うように、やはり一般民間の人を当然これに入れなければこれはわからないと思う。その点が一つと、国鉄運輸審議会というのですが、あすこにはたしか前社会党の議員をしておった人、国鉄出身の人もおりますね、そういう点で私は非常によいことだと思う。私を入れてくれということを言うのではありませんが、少なくとも、ある程度そういう人を入れなければ官製だということを言われるのです。これが一つと、官房長に聞きますが、去年十三回委員会をやっておりますが、その十三回の委員会に、この連中が何回出てきたのか、あれを出してもらいたいと思う。そうして、これは速記をとっておりますか。
  26. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) 十三回の小委員会にどのくらい小委員のメンバーが出席されましたか、という点につきましては、後刻資料を提出させていただきます。  なお、速記の点でございますが、これは要旨のみをとっております。
  27. 光村甚助

    ○光村甚助君 意地悪い質問ですけれども、速記をとっておられなければ、出せとは言いませんが、要領だけでも、資料として出さなくてもいいですから、何か委員長か私に見せてもらいたい、どういう発言をして、ただ来て、郵政大臣から諮問があって黙ってて、昼飯くらい食って帰るのか、郵政省の言うとおりなのか、ほんとうに郵政全般のためにどんな発言をしているのか、一ぺん見たいのですよ。そうすれば、今後国会選任するときにも参考にもなりますしね。そういう面で要旨があれば、どういう発言をしているか、全部資料で出すということはたいへんですから、一部か二部でもけっこうですから出していただきたい。以上です。
  28. 竹田現照

    竹田現照君 それでは最初質問に関連をして戻りますが、大臣挙省一致この問題に当たっているという御答弁がありました。しかし、私は必ずしも現在郵政省がとっておられることは、必ずしもそういうふうな方向に進んでおらないように思うのです。郵務局の関係皆さんは、まあ、とにかく日夜これは頭に来て、郵便法がすみやかに通らないかということを、夜寝られるかどうか知りませんけれども、それくらいのことは考えておられると思うのです。当然だと思う。ところが、人事局のほうはそれに水をぶっかけるようなことをどうも各地でやっている。これは私が説明しなくても、この間から衆参の委員会でいろいろと追及されているわけでありますから、それはわかると思うのです。これは一体どういうことですか。いま現実に全国各地でいろいろなことを行なわれているということは、郵務局関係考え方、人事局関係の、とりわけ六級職とか上級職とかの若造を先頭に立てていろいろなことをやっている状態は、これは大臣お答えとは別に、挙省一致をぶちこわすことじゃないかというふうに思うのです。これはいかがですか。最初に郵務局長から……。
  29. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 省内それぞれ分担はいろいろ違っておりますし、また、その関係で関心の厚い薄いというものは自然にある程度やむを得ない。全部の勤務時間をほとんどそれに投入している者と、一部の勤務時間を投入する者で少し違うことは当然かと思いますが、しかし、このたびの郵便法の改正法案を国会に提出いたしまして、その通過を願っております点では、職務の担当のいかんは別といたしまして、全部内ほとんど変わりないものというふうに私は確信しております。
  30. 竹田現照

    竹田現照君 そういう表面上のお答えでなく、現にいま人事局が中心となって行なっている労務対策から来る現場の混乱というか、労使関係の紛争というか、こういう問題について郵務局はどうお考えですか。
  31. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) いま人事局がやっておるという事柄の内容、どういう点を御指摘なのか、私にはそれを十分理解しておらない点もあるかと思いますが、それぞれの部門で事業のためにみな力を尽くしているというふうに信じているわけでございます。
  32. 竹田現照

    竹田現照君 大臣にちょっとお伺いいたします。  大臣は、三月二十五日の衆議院逓信委員会で、自民党服部委員質問に答えられまして、この郵便法が通過をする前提のお答えでありますが、「これを出発点として、国民へのサービス、同時に十一万の従業員が全部一致いたしまして国民への奉仕という気持ちで、職場規律を高めていく、そうしたことを心がけようじゃないかということを申しまして、幸いに共鳴していてくださるのであります」、こういうお答えです。これはもう結びのほうと十一万の関係でありますが、この全従業員が、大臣お答えになるたようなことにはたして共鳴をしておるのかどうかですね、これはどういう観点に立ってこういうお答えをされておるのか、お伺いをいたしたい。
  33. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) その点をさっき申し上げたのでありまして、なるほど、私が十一万人という人間の、働いてもらっております人全部についての意向を聞き、あるいは、その全部に呼びかけるという方法は困難でございます。私はただ、ひとつこういうことを考えたのでありますが、郵政省に参りまして見ますると、何か全従業員に対するそのときどきの大臣訓示のようなものが、局などへ行ってみますと張ってあります。また、張るように指導しているのかどうかよく存じませんが、二回分ぐらい出ておりますが、どうも私これを見ますと少し暗い。何か顕著な不正事件のありましたとき等に出されたもの——これじゃないのじゃないか、いまの郵政省職員の期待するところは、もっと明るい、そうして将来への心がまえじゃないだろうか、これは私自身自分考えを盛り込んでひとつ書いてみようという決意をいたしながら、むしろ、一つの目標を万国郵便連合が日本で総会を催すときあたりを目指した何かの理想というものを、私自身書いてみる必要があるのじゃないだろうか、ただ、これはよほど多くの方の考えをいただかないと、いままで何かあるたびに、不正は慎もうというだけが局に張ってあるということは、私必ずしも適当じゃないのじゃないだろうか、それについての意向を聞きたいと実は考えたことはございます。しかし、まだそれは実際に手につけている状態にはなっておりませんが、それで私が申しましたのは、したがいまして、この郵便料金というものは何といっても、みなが共鳴してくれなくちゃならない、それで、一つ地方状況を聞きます場合は、三局長会議の際、これに対して私の考え方を言い、来ました職員に私は、ほかの事務の指図は局部長がしてくれますから、私が聞こうとするのは、それぞれみんなの考えはどうであろうか。それから直接お会いします場合は、年末でありますとか、春闘の場合——今度の春闘の場合はそう長くお話しする機会は持てませんでした。年末の場合にはかなりお話をいたす場合がある。そうすると、いろいろな点で意見はありながら、私の郵便料金というものへの考え方——それはおまえの言うことに出鳴するとはおっしゃいませんけれども、しかしながら、郵便事業というものが国民へのサービスということで、国民と強いつながりを持っていかなければいけないということについては、私はどうも御共鳴いただいているように思うのであります。ただ、その場合に、率直にこういう言い方をいたしております。自他ともに、私自身が反省すべき点もあろう、そういう点のくふうは、これはむしろ省の責任というものはそこにあるのだと、十分謙虚に私自身考えるし、あなた方のほうでも考えてください、こういう言い方をしながら、いつも私は事柄を進めているつもりであります。したがいまして、なかなかその十一万のすみずみの方全部に呼びかけるという方法は持てませんけれども、私自身が持つ限りにおいては、またその点においては、幸いに御共鳴を得ていただき、結局、私が接触する方というのは、それぞれの役所の機構において、あるいは、それぞれの組合において指導的な立場の方に限られてしまいます。そういう方については、私は御共鳴をいただき、また、その方たちを通じて、すべての従業員の方に行き届いているのじゃないだろうか。また、具体的に組合幹部の方などにも、それは君に言われぬでもこういうことをやっているよ、こういうむずかしいことを、こういうことをやっているのだよ、という具体的に例を言うてくださる。非常な御苦労をかけているなということを、実例を伺って感じるというふうで、私自身も相当これは皆さん本気で取り組んでいてくださるなという感じを持っている次第でございます。
  34. 竹田現照

    竹田現照君 大臣従業員の全部とお会いするなんということは、これは不可能なことですからあれですが、少なくとも従業員代表する立場の人とお話し合いになって、そういういま御答弁になったようなことを抱かれたり共鳴をされているというように考えられているとすれば、さらに、その共鳴をされているという、大臣が実感としてお持ちになっていたことを、より具体的にあらわしていただかなければならぬのが大臣立場だと思うのですね。しかし、どうも最近は、これは郵政の中にある組合は二つ、三つありますから、それぞれの立場代表者の言うことも違うだろうと思いますけれども、たとえば一番大きな全逓なんというところの代表者はどういうことを言ったかわかりませんけれども、その大臣考え方と受け取り方とはうらはらに、むしろ、いまの郵政省のとっておられる態度に非常に大きな不信感を持ち、むしろ、この郵便法の通過に反対をしているというのが現状ですよ。ここに、去年の年末闘争にそういうふうに思った。ところが、春闘からいまは参議院段階にこの郵便法審議が移っている過程の中で、そういうような気持ちの変化を起こさせた大きな原因は、一体私は大臣はお知りにならぬのじゃないかと思います。そこで私は、先ほど郵務局長にも、知らないとは言わせませんが、ちょっと聞いたのです。郵政省のやっている労務対策、これはどうも大臣考え方とはうらはらに進んでいる。ですから、このままでいくと、郵便法がかりに国会を通ったとしても、大臣国会を通して国民皆さんにお約束をしているようなことは、挙省一致、いわゆる人の和を第一としていろいろと国民皆さんにサービスをする、何をする、かにをするという約束をされたことが、円満に私は進まないような気がします。この点については、大臣はいまの段階でそういった事態になってきているということについて御承知ですか。
  35. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私がさっき例をあげて、組合幹部の方から承ったというのも、全逓の幹部の方が、これこれの局においてこういうむずかしい事態を、自分たちのほうが乗り込んでこういうぐあいにしたのだと、非常に具体的なお話を承った。そうして、非常な御苦労だったことを感じた次第でございます。それで、現在の状態については、あるいは私の知っていることがもし不十分でありますれば、さらに調査させまするが、私、部内において事務次官その他から聴取をいたしておりまする点では、そう全体の流れとして非常に私が申しましたことと背馳した状態にあるというふうには私は考えておりません。しかし、この点はさらに、おっしゃるように、時々刻々のまた変化ということもございましょうから、よく調査をし、また、私自身ももっと事態を正確に把握するようにいたさなければ相ならぬと思います。
  36. 竹田現照

    竹田現照君 私は、ほかの委員皆さんから過去の委員会で御質問になったようなことについて繰り返しませんけれども、たとえば前回の委員会で横川委員から、いろいろと九州等に起きていた事例について、かなりの時間をかけて質問があったようであります。ああいったことが現に省内で労務対策の思わしくない紛争が起きている。このことがいま私が質問をしたようなことにつながってきているわけでありまして、これは大臣が何と言われても、この郵便法の改正案を通過をさせたいという気持ちとはうらはらに、省内における動きというものは、これは一体——まあ先ほど郵務局長はああいう答弁をされましたけれども、人事局長も来ておりますが、大体人事局はいま、この郵便事業の円満な運営というよりは、まず省内にある労働組合の力というものを少しでもひん曲げて弱くして、それで郵政省の当局が思うように進むという、いわゆる労務管理というものをまず第一に考えて、いろいろな問題に取り組んでいるのじゃないかというような気がするのです。だから私は、郵務局の考え方と人事局の考え方と違うと言っているのです。どうですか、人事局長
  37. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 先ほど大臣並びに郵務局長から御答弁になったとおりでございまして、私どもの人事局としての立場は何ら変わりございません。ただ、人事局、郵務局それぞれ所掌がございまして、郵務局は郵便サービス並びに委託されました電気通信サービスの完全な遂行のために、第一義的に努力をしておることには間違いはございませんし、私どもは、先ほど来大臣からもお話がございました、先生もお読みになりました郵便業務の近代化、さらに、人力を中心としております郵政事業におきまして、それぞれの職場において仕事を担っておりますところの職員たちの、職場における職場規律の保持という点につきまして担当しておりますので、その点を第一義的に努力しておるという点についてのそれぞれの面はあると思います。しかし、いつかも申し上げましたように、私はそういう意味では、業務管理と労務管理というものは、いうなれば事業の車の両輪のようなものでありまして、これはお互いの平等の立場で引き合うことが、国民に対してよりよきサービスを提供する基本になるというぐあいに思っておる次第でございます。そういう意味における不当労働行為等をすることが、現在の法のもとで許されておらないことも私は十分承知しております。したがって、先生御指摘のようなことはさらさら考えておるつもりはございません。
  38. 竹田現照

    竹田現照君 人事局長国会で表面上だけうまいこと答弁してもらったって困るのですよ、事実は違うのだから。国会郵便法が通りさえすればいいと、だから国会の場で、踏まれても、けられても、雑草のごとく強く生き抜いて、野党のわれわれから何と言われようとも、いんぎん丁重な姿勢で対応して、とにかく郵便法を通してしまえば、大臣が言われているような、今後五年間ぐらいは改定をしなくてもいいそうでありますから、その間この五年間はまだ郵便法で、社会党はじめ野党にも、あまりお世話になる必要もない、頭を下げる必要もないから、その間に十分思い切ってやると、だからこの際、何と言われようと、ということで、いまのような人事局長の答弁になるわけですよ。しかし、事実は違うでしょう。いま答弁の最後のほうの、業務と何とは車の両輪だ、全くそのとおりであります。しかし、やっぱり事業の円満な遂行というものがまず第一に考えられて、その上に立って人事行政なり、それから、あるいはまた労務行政なり、こういうものがどうあるべきかということを考えるべきだと思う。所掌が違うから、郵務局は郵便屋だから、郵便がうまく配達になって早く国民皆さんに配達になればいいのだと、おれのほうは職場規律の何とかとか言いましたね、そこがやっぱり問題なんです、それはね。おれのほうはそっちのほうで一生懸命やって、おれのほうの言うことを聞くようなかっこうにさえすれば、それで人事局の任務は済むのだ、そこで歯車がかち合っていないわけですよ。だから、それが冒頭に言ったように、挙省一致この問題に当たっているというふうには考えないと。いまのような答弁を繰り返しているというのは、たいへん丁重なようでありますけれども、いってみれば、いんぎん無礼なんですよ、そういうことは。ですから、そういう通り一ぺんのことでなくて、私は現に起きているということを、もうあらためてここで百万べん繰り返す必要はないと思う、皆さんがよく知っているのですから。その事態の上に立って、率直に私はお答えをいただきたいと思うのです。法律に不当労働行為が禁止されている、よくわかっています、だから、そういうことはいたしません、あたりまえの話です、そんなこと答えるのは。あたりまえのことがあたりまえになっていないからおかしいのである。だから騒いでいるわけです。あたりまえのことをあたりまえにやるのだということを言うなら、はっきりやっていただきたい。いかがです。
  39. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 先ほどお答えいたしましたことが平板であるということでございますので、少し先生のいまの御質問に対して私の考えを申し述べさしていただきたいと思います。  私どもは、特に先生の御指摘になりました十月ごろからことしの春闘後にかけての時期に、なかんずく、九州地方を中心にいたしまして先生方の御調査になりました結果によりますと、いろいろと先般の委員会等でも御指摘のあったようなことがあった、おまえらは調査をした結果、それは事実でないということを言っているが、それは全く事実を知らないものだということでございました。いまもそれを集約しておっしゃったのでございます。ただ私どもは、先生も御案内のように、昨年ILO八十七号条約が国会で承認されて批准され、その正式の発効が、この六月十四日にこれが国内法との関係においても効力を持とうという時期になっております。御案内のとおりに、公労法四条三項もとれまして、従来とかく問題でありましたところの条文もとれました。また、公労法四条一項ただし書きがとれまして、従来組合を結成できなかった管理監督の職に携わる者までそれができるというようなことをもちまして、労働運動に非常に大きな動きがあることは御了承のとおりでございます。ドライヤー報告書等もまさに出されまして、その以降におきまして、単にわが郵政関係組合だけではなくて、公労協全体、あるいは総評等の全体といたしましても非常に関心を持っておりました。特に私どもの職員が結成しております全逓信労働組合におきましては、その機会に、いわゆるスト権奪還という形におきまして、強力にスト権奪還闘争ということを進めてまいっております。その進めた中におきまして、いわゆる組織強化という形をもちまして、全逓自身も非常に大きな組織強化運動をやっておるのでございます。また一方、従来管理監督の地位にございます特定局長等も組合を結成できる、公務員法の九十八条で、単なる職員団体しか結成できなかったものが、公労法上堂々と組合結成が認められて、しかも、御案内のように、東京を中心といたしまして組合結成の動きがございます。それから見ますと、あらゆる階層にわたりまして団結の自由というものを堂々と組織の形で戦い取っていく、あるいは実現していくというような現在時勢にあるわけでございます。そういった中で、全逓並びにほかの省を同じくするところのいわゆる第二組合、第三組合等の中におきましても、自分の勢力伸長という形におきまして、組織強化、組織強化と言って狂奔している事実がございます。そういった形の中で、私ども、組織同士のトラブルが若干でもあるということは、これは当然予期されるところでございます。しかし、先生からおしかりを受けておりますが、私どもとしましては、もちろん法律で禁止されましたところの不当労働行為等の措置はできませんし、また、しておらぬつもりでございまして、ただ、私どもといたしまして管理者に対して言っておりますことは、不当労働行為として法律でいやしくも禁止されたこと等についてはあくまでも順守してほしい。スト権の問題につきましてはいろいろ議論がございましょうけれども、私どもといたしましては、先般も申し上げましたが、現在の事態におきましても、さらに省内におきましても問題でありますところの、ほかの公企体におきましては公務員制度審議会での結論を待てばいいのでありますけれども、私どもいやしくも郵政事業におきましては、将来にわたってのその業務の必要不可欠性から見ましても、また、公共の福祉から見ましても許すべきものでないというように確信しております。そういった指導を中間管理者を通じまして、その自覚を促し指導いたしているわけでございますので、そういった中で、とかく九州におきましては、従来労使関係というものが若干不備でございまして、その程度も若干直っておりますものの、九州人の気質もあるかもしれませんが、主事、主任等がみずから、先ほど申しました全逓のスト権奪還闘争についていけないという形で、あるいはその組織から出たというのも想像されるわけでございます。その時期がたまたま去年の年末の闘争の時期あるいはことしの春闘の時期でございましたので、何らか別に私どもがそれを慫慂し、また指導したわけでもございませんけれども、結果として出てきたのが、そういった組合を出ていくという形で出てきたのではなかろうか。九州だけで出ております事態を見てもわかりますように、ほかのところでも出た。志を同じくし全逓の方針についていけないという者が出ておるのもございます。逆にまた、そういう中に、第二組合の全郵政の組織の中にありました者が、今度全逓の組織の中に入っていくという事例も多々ございます。御案内のように、東京のどまん中におきましても多々ございます。それから考えまして、私どもはお互い何を信条にし、何を向かうべき方向としていくかということにつきましてまで、組合方針にまで立ち入って指導しているつもりはございません。ただ、法治国として守るべき法の精神並びにそれぞれの規定の順守等につきましては、口をすっぱくして指導しているという状況でございます。
  40. 竹田現照

    竹田現照君 郵政省の人事局長ですから、そのくらい白々しく答えなければつとまらぬでしょう。それはサギをカラスと言いくるめる理屈ですよ。しかし、人間は生きているわけだから、生きている人間のやっていることは現に動いているわけです。死んでいるのではない。死んでしまえば過去帳に書けばいい。生きている人間が動いてやっていることが、それは人事局長が何と答弁されようと、あちこちにやっている。九州にしか出ていないというのは、九州にしか皆さんがやっていないから出ていない。ほかのほうもやっていれば出てくる。皆さんが九州に拠点闘争をやっているから出ているだけの話です。現にこういった事態について、ちょっと郵務局と人事局と違うということを先ほど私が言ったのも、この郵務局の考え方と人事局の考え方というのは、先ほど私が言ったようだけれども、人事局がそれに水をぶっかけて、一種の、現業の中に二元行政がある。私はこの間ちょっと九州に行ってきましたけれども、私が現場の局長にいろいろ話をした。そうすると、郵政局にお伺いしなければできないと言う。どこでも言うことですから同じです。現場の局長は、郵政局のお答えでこうこうこうですと答える。そんなばかなことがあるかと言って私が人事部長に電話をかけた。そうすると、私の言ったことがそのまま通っていない、熊本の郵政局には。おかしいじゃないかと言う。しかし先生はこうこうこうですとおっしゃいました。いやおれはこういうことを言ったのだ。しかし、すぐ電話で答えるなら別ですよ。現場を待たしておいて郵政局が相談して答えたというものが、人事行政の責任者の人事部長に全部通っていない。あなた一体管理課長から何を聞いているかと言ったら、私は聞いておりません。そんなばかなことがあるかと言うと、それは本省のほうからいろいろ指示がありますから、その線に沿って管理課長は答えたものと思うと言って逃げている。私はここで人事部長との電話のやりとりの中で、はしなくもその片鱗がわかましたが、私が聞くところによると、一事が万事こういうことが全般的な労務財政として行なわれているようでありますし、それで、あちこちに紛争を起こしているわけであります。それでありますから、国会議員からあらゆるものまでいまいろいろと動員をされて、皆さんのほうも、それで何とかこれを収拾しなければならぬというような動き方になる。権兵衛種まけば何とかと言うが、その種まく権兵衛のほうをまず退治しておかないと、この問題はこれは解決しない。しないままこの郵便法が通ると、私が先ほど質問したように、大臣国会を通して国民皆さんに約束していることが果たせない結果になる。それは大臣が何と言われようと、郵政省首脳部がここでインチキを答えてごまかしているということは、国会をごまかし、国民をごまかすということになるわけだから、これはただ単に郵便法を通すためのペテンの答弁としか私は思わないわけであります。もう少し端的に私が納得のいくようにお答えをいただきたいと思うのです。それから大臣も省内十分掌握をされておらないというようなお答えでありましたけれども、現にいま起こりつつある省内におけるいろいろなごたごたですね、ごたごたが生ずることと、大臣国民にお約束をしている責任があるわけでありますから、郵政——国民郵便を預かる最高責任者として、こういった問題についてどう対処をされようとしておるのか、あわせてお聞きいたしたいと思います。
  41. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私が行政全般を掌握することはその責任でありまするし、また、それにつとめておるところであります。個々の随所に起こりますることは時々報告を受けておりまするが、さらに事態についてはよく私も承知するようにつとめたいと思います。
  42. 竹田現照

    竹田現照君 じゃ、この問題はまだこれからずっと審議が続きますから、ほかの委員皆さんからも、あらゆる角度から追及があると思いますから私は次に移ります。  この郵便事業は昔から追従行政だと言われてきておりますが、それがもう現在なお、することなすことそのような状態にあるように私は思いますが、高度に近代化した今日の状態で、はたしてこの追従行政と言われているような姿勢、あるいはものの考え方、こういったことで、はたしてこれからの郵政事業というものは運営できるかどうかというのは、私ははなはだ疑問です。一歩先に進んだかっこうで、郵政事業はどうあるべきかという考え方に立って、郵政省はあらゆる施策を行なっていくべきである、そういうように考えますけれども、この点はどうですか。
  43. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 郵便事業が追従的な業務であるかどうかという点でございますが、確かにお説のように、自分で業務量を見込み、それに基づいてあらゆる計画を立ててまいるというわけになかなかいかない。どのくらい郵便が出るかということの予測はある程度いたしましても、そう的確には掌握し事前に十分に備えることができないという一つの本質的な、まあつらさというものを持っていることは事実でございます。しかし、それにつきまして、今度の法案におきましては、たとえば一時に多量の郵便物を出す利用者等につきましては、割引という形でございますけれども、出す時間あるいは優先扱いをするかしないかということ、あるいは区分協力をなるべくしていただくというような点等についての協力を求める基盤が確立されようとしているわけでございます。引き受けの規制という方法をとらない限り、郵便事業がただいまのお話のような点をある程度脱却して、業務にときどき混乱を起こすということでなく、比較的円滑にやっていくためには、今回の法案で用意されております点などがかなり寄与し得るものというふうに考えるわけでございます。  なおもう一つ、追従と申すべきかどうか問題でございますけれども、輸送手段を自分であまり持たない、ほかの手段を利用しているということも、あるいはおことばの意味の一つかとも考えられますが、これにつきましては、むしろ、全般的には外部にあります通信手段を縦横に利用できる、そういう体制をつくりますことが、郵便を早く送達するという面でむしろ好ましいのではないかというふうに考えられます。大都市内とか近郊とか近距離等につきまして、量も相当多い場合には、自分の専用の、あるいは自分の管理する輸送手段というものを持つことのほうが好ましいこともございますけれども、遠距離へ参ります航空機あるいは汽車とか船舶とか、そういうようなものにつきましては、むしろ浅く広い形で縦横に利用するのだ、その利用が自由にできやすい形、そういうものをつくっておくことが大事ではないかというふうに考えるわけでございます。
  44. 竹田現照

    竹田現照君 私は、そういう純事務的なような問題ばかりでなく、たとえば私の選挙区の北海道の総合開発計画、これなんかは、やっぱり国が政策全般として行なっているわけですね。ところが、この北海道の総合開発計画の中で、一つの青写真が出ているわけですから、そういう中で郵政事業の位置づけをどうするかというようなことについて、私は、これは例ですよ、郵政省は積極的な一つの。フランというものがないと思うのですよ。これはもうだいぶ前の話ですが、わが党の知事だったときですが、この北海道の総合開発の問題について当時の逓信局——それから、あるいはいまの郵政局長あるいは通信局長、こういうのは大体そういうメンバーにすら入っていなかった。私は知事にも進言をして、その後郵政局長やそういうのを入れました、通信局長は入っておりましたけれども。それくらい大体相手にされていないと言えば、これは語弊があるかもしれませんが、その後たとえば北海道の道議会で総合開発の問題についていろいろと検討を加えるときに、こういうふうな開発計画を進めていくときに郵政事業はとれに対応してどうしてくれるのか、こういうような一つ郵政省のプランを求めても、これに答えられないのが現状なんだな。これは一つの例です。  それから都市開発でも何でもそうでありますが、年々歳々増大をする団地造成がある。もう、たとえば私のほうの札幌なんというのは、年七万から八万くらいずつ人間がふえているわけですから、これは本州の各府県の中にもそういう例が一つや二つでないと思うのですね。こういうようなことになってまいりますと、当然に、しかも、これは大爆発で急に昭和新山ができたというようなものじゃないのですから、一つの計画のもとで進められているのですから当然にわかる。ところが、そういうことについて積極的に郵政事業はついていくというか、むしろ、そのことについて、より一歩進んで——そうすると、当然に人間がふえるわけですから、地域住民が郵便なり何なりを利用する、郵政事業全般について利用する、この利用にこたえられるという一つのプランが私は郵政はないと思う、いまのところ。だから、いつまでも、追従行政ができてしまった。ここに三万——五万の人間ができたから、地域住民が郵便局をつくってくれ、あれをつくってくれ、電報電話局をつくってくれ、郵便配達を少し回数をふやしてくれ、ポストをどうしてくれ、こういうことを言ってきたからひとつ考えようでは、これじゃ私は郵便事業を預かっている者の立場としては、明治時代はそれでよかったかもしれぬけれども、現在の近代化された社会では私はならぬと思う。そういう意味では、郵政省は追従行政の域を脱していないのじゃないか、そういう意味の質問を私はしているわけです。こういうことについて、この郵便法で通ればどうとかこうとかということとあわせて、より基本的な問題として郵政省はこういうことについてどうお考えになっておるか、これは郵政大臣にお考えをいただいたほうがいいと思いますが、いかがですか。
  45. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私もただいま、郵政省がこの次の段階に考えなければいけないのは、都市周辺の郵政事業の対策であります。これはある意味では、ここまで来れば郵政省の仕事全部、ひとり郵便といわず——電波の関係はやや別になってくる点はありまするけれども、今度の世界博覧会、札幌オリンピック等を考えまするときにあわせて考えなければいけない問題が非常に多い。それで、いま御指摘になった点、これは事実、私も他の閣僚と話をした問題があるのであります。京都と大阪の間でどんどん、どんどん人口の動きぐあいが東京とはまた違ってくる。かつて考えなかったところに、地方の当局も予想しなかったようなところにどんどん人口がふえて、そのときにこういうことをやる。まさか郵便の配達がこんな状態では困るから、配れぬものを持ってくるなとは言えぬけれども、京都府あるいは大阪府というものも、大体無計画過ぎるのじゃないか。郵便物は配らぬということは言わないけれども、国全体としては、もっと計画的に考えなければいけないのじゃないかということを言うたのであります。したがいまして、具体的にどこがどう動くからということでの対策は、むずかしいとは思いますけれども、こうしたぐあいに東京なり大阪周辺なりその他当然に膨張してまいる。また、将来計画的にものを考えなければいけない地域と、それから事態が当然、たとえば大阪の世界博覧会であるとか、札幌の、これは一時的のことではありましょうけれども、オリンピックのありまする際、そういう際に一体どういう計画を持つかということ、したがって、一般的には都市周辺対策という問題、それからやや具体的にはどこかきまりました地域、そうしたものについては大体予想する状態の道において、わが郵政事業郵便は、あるいはそのほかにも貯金、簡保それぞれ仕事はございましょう。それぞれどうあるべきかということを、ひとつ検討をしなければならない。これこそ私はある程度時間をかけても、審議会のようなものでお考えをいただきたい。そして、私自身郵政事業についても、かくのごときそういう都市周辺の非常な変化に対して対応する用意は持っておるのだということで、進んだ方針政府部内において、あるいは国民の前にも御批判を受けるという積極的な態度が必要だと思います。これは引き続き問題として、郵政部内で当然取り上げてみたいと思います。
  46. 竹田現照

    竹田現照君 大臣いま取り上げてみたいとおっしゃったのですから、それじゃ具体的に郵政省はその点について、これはいま大臣おっしゃったように、ひとり郵務局の問題じゃなしに、地方全般としていま私が質問したようなことについてお考えになったことがありますか、あるいはまた、これから考えようとしているのか。考えますと言えばそれまでの話ですが、考えられたことはあるのですか。
  47. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) こまかい点はひとつ政府委員からお答えさせますが、札幌のオリンピックについては、すでに東京オリンピックの例がございますから、この見当はつきやすいと思います。それから、万国博覧会につきましては、これは閣僚の協議会の段階で、これはまだ実を申しますと、閣僚協議会の段階は、非常に大づかみの状況しかございません。しかしこれには関係の各省の者が相談をいたしております。そういうところで内容を知って、ですから、私は省内で言うたことなんでありますけれども、別に私が省内でどう批判をしたわけではないのですが、万国博について郵政省関係で記念切手を発行する。それは実は協議会で言うような問題じゃないのだ。あの場合にどんなぐあいにあの地域が郵政事業の観点から変わってまいるということを前提として、一体うちは何を考えたらいいかという郵政プロパーの問題にそれを引きずり込んで考える、こういう具体的なものは検討してまいりたいと思います。しかし、まだ全貌はわかりませんから、ただ、したがいまして都市周辺の対策ということにつきましては、今度もこの予算に、今年度の予算なり将来の見通しなどにも都市周辺ということを、人間の面でも物の面でも考えてはおります。しかし、もっと広い視野で、もっと長期的な視野でやってまいるということは、これからの仕事でございます。詳細は郵務局長からお答えいたします。
  48. 竹田現照

    竹田現照君 万博やオリンピックはそのときで別ですから、私が言ったのは、選挙区ですから、一番北海道の例をとりやすくて言ったわけです。北海道総合開発の中の一つのプランがない。これは全国的に同じです。北海道にないからほかにあるわけはない。そういうようなことではいかぬ。それからまた、具体的に言えば、これはもう政府が住宅五ヵ年計画を持っている、あるいは道路の建設計画を持っている、あるいは運輸省が新線の建設計画を持っている。これには全部郵便というものはくっついてくる、貯金保険も当然にくっついている。そうですね。これから一つの道路が一本できる、大きな国道ができる、郵便局との間にずいぶん違ったようなことになってくる、そういうような問題というものは、降ってわいたように出てくるものではない。一つの計画というものは、国なり地方自治体なりが、何年か前に一つの計画というものを出されると思う。これに合わせる郵政省としてのそれに乗っかっていく積極的なプランというものはないのじゃないかと思う。このことについて、いままで取り組んだこと、考えたことがあるのか、あるいはこれからどうしようかと、こういうことなんです。
  49. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 先ほどから御指摘のございます北海道総合開発計画の中で郵便をどういうふうに持っていくかということがむしろおくれているという点、あるいは団地、都市周辺の対策が郵便事業は少しおくれている、その他住宅計画等との関係でもおくれがちだという御指摘でございます。ある程度本質的な問題も少しあるのではないかという感じもいたします。ほかの工場計画とか住宅計画とかの関係におきましては、郵便事業は固定設備というものをそうほかほど多く要しませんことなどもありまして、かなり機動性があると申しますか、そういうようなこと、郵便を先にきめておかなかったために、あとで絶対に郵便が配達できないようになるというようなことがあまり起こらないということなども、一つの原因かとも考えられますけれども、まあしかし、あるべき姿、それにしてもあるべき姿というものから考える場合に、若干おくれがちな点がいろいろな面であったということは、否定できないに思われるわけでございます。都市の周辺対策とか等にいたしましても、いままでの姿を見ますと、ともすればおくれがちで、世帯がふえたのに局舎も狭い、職員の数も少ない、機材も十分でない、番地も混乱しているとか、そういうようなことからして、適正なサービスができないという例が幾つかあったことも私どもも承知しているわけでございます。初めの段階では、昭和三十二、三年ごろからでございますが、業務の必要量に比べて定員も少ない、局舎の予算も比較的乏しいというようなことでございまして、昭和三十六、七年ごろから省としてもかなりその点に気がつき、意識し、相当努力して、その面の展開をはかってきたわけでございます。それにしましても、大都市の郊外の発展の度合いにともすればおくれがちであったということは、否定できないわけでございますけれども、一昨年、昨年等から、あるいはまた、今度の料金値上げを裏づけにいたします昭和四十一年度の予算におきましては、特に大都市周辺対策等はかなり充実してまいりまして、たとえば局舎等につきましても、ただいま私どもが計画しておりますのは、現在の適正な局舎面積、現在の状態での適正な面積に対して、今後十年間の必要性を見込んで、全国平均で五〇%ない一二〇%ぐらいのプラスを見込んでおりますが、都市周辺におきましては一〇〇%から二五〇%ぐらい、たとえば柿生あたりの局におきましては十二倍ぐらいの局舎面積を計画して、これを近々建てようとしております。北海道地区でも、札幌市内の琴似局などにおきましても、三十一年に建設されましたものが狭くなりまして、新しく増築をしたりしなければならないわけでございますが、三十一年に竣工いたしました局舎は、二十八年ごろの計画でございます。省が局舎対策に正面から取り組みましたのは三十一年からで、三十一年から三十六年までの五ヵ年計画、三十六年から四十年までの第二次五ヵ年計画、四十一年から引き続いての計画ということになるわけでございますけれども、少なくとも三十六年ごろからは、相当先を見込んだ計画というものも立て得るようになり、四十一年度予算からは、さらにもっと充実したものになりますので、そういう裏づけとなるべき財源並びに法律等から見ましても、相当先行的なこともやり得るようになってまいった。御指摘の追従という面からは、私どもが事業計画の面で十分配意いたしますならば、追従という域を脱し、ある程度先行的なものが十分やり得る体制が整い得るということも考えられますし、また先ほどからの御指摘のような点もありますので、広くその面に努力をしてまいるつもりでございます。
  50. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  51. 野上元

    委員長野上元君) 速記を始めて。
  52. 竹田現照

    竹田現照君 いま大臣、郵務局長お答えで、こういう問題についてもまだ突っ込んで質疑をいたしたいと思いますけれども、時間の関係もありますから、これだけで午前中区切りますが、そうすると、いまの郵務局長お答えのように、局舎の問題が出ましたから、局舎の問題をお伺いしますが、できてしまったら、そのときにもうすでに狭かったというような事態は、今後は起こり得ないというふうに解釈してよろしいですか。
  53. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) もうほとんどあり得ないことだと思っております。
  54. 野上元

    委員長野上元君) 午前中の審議は、この程度にいたします。  午後は一時三十分に再開いたします。それまで休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      —————・—————    午後一時四十八分開会
  55. 野上元

    委員長野上元君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  56. 竹田現照

    竹田現照君 これは昼食後ですから、ちょっと筋違いのようですが、最近退職者の方で、だいぶ先輩の方から、こんなことを聞いたのですが、これはこの機会にちょっと聞いておきたいのですが、郵政省というのは、非常に退職した人を大事にしてくれる役所だというのですが、どうもやめてからたとえば地方の郵政局なんか、本省なんかではあまりないでしょうが、顔を出しても、かばんも帽子も外套も置くようなところもない。せめて一坪ぐらいのそういうようなところを置いてもいいじゃないか。それがいつも言うておる郵政省らしい配慮じゃないか、こういうようなことを言われて、ぼくもなるほどな、ひとつただしておいてあげよう、こういうことを言っておいたのですが、どうですか。これは官房長の所管かな。
  57. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) それぞれ退職した人たちのグループで事業などをして、郵政事業関係の深い者等については、ある程度事務所も持ち、そういうたまりのある点もございますが、ほんとうにやめて全く関係の仕事などもしておられない方々につきましては、確かにお話のようにないと存じます。どういうふうにしてまいるか、御趣旨の点もありますので、省内関係の向きで相談をいたしてまいりたいと存じます。
  58. 竹田現照

    竹田現照君 これは官房長所管でしょう。
  59. 鶴岡寛

    政府委員鶴岡寛君) ただいま郵務局長からお答え申し上げましたように、私どもとしましても、退職者の各位は、われわれの部内の功績者でもいらっしゃいますし、また今後の事業の援助者、後援者でもあり、また何と申しますか、いろいろ貴重な忠告を賜わる方々でもありますので、なるべく私どもの職場に緊密に来ていただきたい、接触を保っていただきたいと思うわけでございます。現在、局舎のスペースその他の点からなかなか意にまかせぬところはもちろんございますが、今後ともその点には十分に配意をしていく所存でございます。本省あるいは郵政局あるいは現業でスペースのあるところについては、すでにそのような考え方で施設をしているところもございます。十分に気をつけていきたいと思っております。
  60. 竹田現照

    竹田現照君 それはちょっと余談のようでありますが、部内を去った先輩の皆さん一つの声ですから、何かの機会にひとつ配慮していただきたいと思います。  今度は業務運行の関係がありますので私、人事局長にただしたいのですが、特に特定郵便局長の問題でありますが、との特定局長の転勤制という問題についてどうお考えになっておりますか。特定局長は、AならAという郵便局長に任用したのだから、容易にその他の局には転勤をさせるということは賛成しがたいということを、私は昔言われたことがあるのですが、そういう問題と関連して、ちょっとこの転勤制についてどうお考えになっているか。
  61. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 御案内のように、普通局と違いまして特定局は、都会地以外の地方に多うございます。しかもその特定局長の任用にあたりましては、仕事の性質上、地域社会に人望のある、信用のある人を選ぶ、それがまた貯金あるいは郵便の仕事等にもはね返るというような点から考えまして、ただいまのところは、地域社会を中心にして選ぶという形になっております。もっとも原則はそうでございましても、例外的には通勤可能なところから、その地域社会以外のところがら通っておるという方もあるわけでございまして、適任でさえあれば一向差しつかえないと考えます。したがって、原則は不転勤でございますが、例外といたしまして転勤制も行なっておる、その特定局長の社会に新風を吹き込むという意味でも、必ずしもそれは私排斥することはないと思いまして、さような方針でやっておる次第でございます。
  62. 竹田現照

    竹田現照君 それはわかりました。  これは、監察局長お見えになっておりますか——にも関連がありますが、人事局長もあわせてですが、特定局長で相当長期にわたって病気で休んでいる人ですね、こういうような方が私が知っている限りでもずいぶん多いのであります。しかし、これは最近部内犯罪の防犯対策上から、局長が、たとえば郵便貯金の最終的な主務者印は局長が押さなければならない、いろいろなことを監察局から指示があるようでありますが、そうなってくると、二年も三年も、私がこの間行ったところなんかは、三年以上休んでいるそうでありますが、まだ隣の家で寝ておりましたけれども、二年も三年も特定郵便局長が休んでおって、それが兼務局長でやらなければならないというような状態は、これは私どもは最近の郵政省の防犯対策上からとっている措置からいっても、片方に行くと片方は局長がいないわけでありますから、こういうような関係についてどういうふうにお考えになっておられますか、お尋ねしておきたいと思います。
  63. 山本博

    政府委員(山本博君) 原則論といたしましては、長期にわたって局長が病気で勤務をすることができないという状態は、防犯対策上好ましくないと思っております。ただ、それぞれの局の具体的な事情によりまして、病気の性質とか、あるいは他に適当な後任者を得られないとか、それぞれの具体的な事情によりまして、いまお話のあったような例があるかもしれませんが、一般原則としては、長期にわたって局長が任についていないということは好ましくありませんので、私のほうとしては、具体的な事例についてできるだけ早く後任者をきめてもらうということが望ましいと思いますので、それぞれの例に応じて、私のほうからそういう担当の方面に希望を申し述べておるはずでございます。
  64. 竹田現照

    竹田現照君 まあしかし、実際問題として三年間も兼務発令というようなことは、事実上そこに局長がいないわけですね。こういうようなことは防犯対策上ばかりでなくても、最初にお聞きをいたしましたように特定局長はそこの固有の局長に任命をしたというゆえに、これは休職だとか何とかはできない。そして後任が発令できない、こういうような現行制度になっている。それから、兼務局長を発令するにしても、おのずから限界があると思うのですね、距離の……。北海道の支笏湖の奥に美笛というところがあります。最近戻ったか戻らないかわかりませんけれども、あれは冬になると交通機関はとまっちゃうのですね。ああいうところの局長が休んでいると、支笏湖から郵便局長が兼務で行くということになると——これは例ですよ、いまそのままかどうかわかりません、一時そういうことがありましたけれども、これは冬なんかは行ったら最後、戻ってこれない。しかもあんな山の中ですから、鉱山ですけれども、鉱山の職員寮か何かを借りなければ宿泊する設備もない、ああいうようなところですね、あるいはまた日高それから十勝の例の黄金道路の襟裳岬の突端あたりにもそういうのがありました。あるいはまた積丹半島にもありました。非常に交通不便なところで兼務局長が長期にわたって行なわれておる。これはなるほうも迷惑ですし、省の業務運行上からいっても、私ははなはだ不都合ではないかというふうに思っておりますが、こういうような現状は、これは北海道だけの例をとりましたけれども、いまあげただけでも三つも四つもあるわけです。この間私が宮崎県に行ったときの郵便局もそうであります。ですから、全国的には相当の数になると思います。この点は、実際の業務運行上好ましいとお答えになるわけはないのですけれども、事実問題としてどうかと思うのです。これは人事局長に願います。
  65. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 御指摘のございましたように、北海道地区においてもすでに先生のお知りになっておるだけでも四局ある。確かに業務の遂行上からいたしますと、しっかりした責任者がそこに専担でおることは望ましいわけでございます。ただ、先ほど申しておりますように、原則といたしまして不転勤で、しかもその地元に信用のある、かつまた当然能力もあるという人材を地域社会から発掘するという意味におきまして、特定局の予算もございますので、それを原則にいたしておるわけでございますが、相当長期にわたる、たとえば三年にわたるというようなものにつきましては、本人が病気であります場合、その病気がはたして不治であるかどうか見きわめまして、不治であるというような場合におきましては、人事の方針といたしましても、早急に補充するというぐあいにまいるべきだと思います。
  66. 竹田現照

    竹田現照君 まいるべきだというのとそうするというのとでは、だいぶ違うわけですが、そうするというふうに受け取ってよろしいですか、今後……。
  67. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) いま具体的にあげられました局につきましては、私のほうで至急に調査いたしまして態度決定さしていただきたいと思います。
  68. 竹田現照

    竹田現照君 これは私の例で、だいぶあとから、北海道だけ全部回りましたから全部知っているわけですけれども、四つや五つじゃありません、これはいまのは例だから、ここをどうするという形の質問ではありません。ここを例としてあげたのです。全国にたくさんありますから、ひとつ措置をしていただきたいと思います。  それから、特定局長の任用で、このごろ特に昔からの素封家とかなんとかでない部内任用等の問題で、かなり局舎の建設あるいは自宅建築等を含めまして、特定郵便局長のそういう経費負担の増大からくる部内犯罪が、ずいぶん新聞だねになっています。そういう状態であるにもかかわらず、特定局長に任用するために郵便局舎の自費建築を、事実上強制をしているようなかっこうが随所に見られますけれども、そういうようなことは私は好ましくないと思いますけれども、本省はこういう問題について、どうお考えになっておりますか。
  69. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 私の所管だけではなくして、ほかにもわたると思いますが、ただいま任用の関係が先に出ましたので、一応私から先にお答、えさせていただきます。御案内のように、特定局長の任用規程には、別に局舎の提供ということを義務づけておるわけではございません。能力があり、資格のある者であれば、一定の年齢制限に達しておれば、その中から適当な者を選ぶ。したがって局舎の準備の方法といたしまして、本人に資力のない場合には、あるいは互助会という、そういうような方法もあるわけでありまして、集配局になればそれは国費ということもございます。それこれ考えると、必ずしも自費建設を主体にしておるわけではありません。ただその地方に、新局のたとえば設置のような場合に、その地方適格な、しかも自分で局舎を準備する、これは必ずしも自費だけでなくて、あるいは借りるという場合もございましょう。いろいろそういった方法で準備できる者がおりました場合には、その人もまた対象になり得るというわけでございまして、私どもといたしましては、無理してまで局舎をつくって、その無理が、後ほど監察局長からお答えがあると思いますが、犯罪の惹起まで遠因を及ぼすというようなことのおそれのある場合には、決してそのような者は任用しないという方針でおるわけでございます。
  70. 竹田現照

    竹田現照君 いまの人事局長、そういう犯罪のおそれのある者は任用しない——大体犯罪のおそれのあるような者を任用したらおかしいですよ。結果的にそういう無理がたたって犯罪を犯す結果になるわけです。だから、私はあまり自費建築などを事実上強制をして任用するというようなことは妥当でない、これはやめるべきだ、こういうことを言っているのです。もう少し具体的にあとで言いますが、そういうようなかっこうで部内犯罪を防止している例というものは、あれですか、私もこれは新聞記事でだいぶ持っておりますけれども、これはどうも出身が北海道だから北海道が多くなってしまいますが、監察局長は、全国的にそういうような件数というものは、これはほんのわずかだというふうに監察局では把握されておりますか。
  71. 山本博

    政府委員(山本博君) 特定局長の犯罪の内容をいろいろ分析をいたしてみますと、私たちが現在考えておりますところでは、必ずしも局舎が自費で建てられたということと結びついて犯罪が起こったということの確証といいますか、そういうことで犯罪が起こったというととはございません。犯罪が起こりまする原因は、むしろ局舎の所有の形態ということでなく、むしろ私は個々の特定局長の個人のものの考え方とか、個人の生活態度とか、個人の仕事に対する誠実さ、そういうようなことから起こってくるのが大半でございまして、局舎の所有形態と直ちに結びついているというふうなことは、私たちの持っております資料では出てきておりません。
  72. 竹田現照

    竹田現照君 それは持っておる資料がないとおっしゃいますけれども、これは具体的に、これはちょっと逓信委員会だから、いずれまた場をあらためて決算委員会等でやりたいと思いますが、たくさんあるのですよ、私が例を持っているのは。ただ、無理の例がありますが、時間がありませんから——青森−東京上野間というのは、東北本線のキロ程からいくと七百二十五キロある、汽車の運賃の計算からいくと。ですから、実際の局長任用で五百キロも離れたようなところから局長を任用して、しかも自費建設を条件に、そういうふうなことと言うものが正常な任用ですか。もう少し具体的に言います。札幌の例ですが、稚内のちょっとこっちのほうのところから室蘭まで、鉄道のキロ数で四百九十七・八キロ、いまの改正鉄道運賃では二千三十円ですか、往復四千六十円、それから今度釧路の向こうに温泉地の弟子屈というところがある、これから札幌に任用しています。片道四百八十六・一キロ、汽車賃を全部準急から急行を入れますと、三千九百八十円一回にかかるのですよ。ここは朝六時十分の汽車に乗って、準急、急行を利用して夕方四時五十四分でないと札幌に着かない。いいですか、そういうところの者を郵便局長に、お前は自費建築だということを条件に任用して、一回に四千円もかかるものが明らかにそのことのために札幌に出てきて土地を買う、設計をしてもらう、建築してもらう、あるいは設計監督を依頼をする、市内の郵便局長にいろいろやはりお礼をしなければならぬ、十回出てくれば四万円旅費だけでかかるのです。その間、仕事のほうは留守になるわけですね。そういうようなかっこうでしかも札幌あたりに人間がいないかといったら、たとえば北海道の従業員というものは三割方いるわけでしょう。そうまでして、私は自費建設を条件にして任用をするというようなこういう状態は、私は決して正常ではないと思う。しかし、本人がなりたいのだから、そういう条件で来ると言ったからしたのだと、こう言うかもしれませんけれども、これは部内の人には、確かに終局の目標を特定郵便局長になるのだ、ぜひなりたい、そういう希望を持っている人がたくさんいることも私は十分知っています。しかし、そうかといって、そういう希望があるという本人の、弱いか強いかはこれは別として、まあ弱いのだな、弱い心理を利用してこれでどうだというと、これを断わればもう二度と未来永劫に特定局長にはなれないだろう。だからして、無理して現実にやっている例が私にはたくさんあると思うのですよ。ですから私は青森県から福島、青森県の人間を福島に持ってきて任用するというような事態というものは、少なくとも本州、四国、九州等の場合にはあまり例がないと思いますね。しかし極端な例ですけれども、局長任用ではこういうことがあるのですね。こうまで無理をして、自費建築で局長を任用しなければならない、その結果必然的に無理がくる。極端に言えば郵政犯罪まで起こす、そうして事業の信用を失墜をする、こういうことでは、私は事業の円満なる運行というものははかれないのではないか。本省のえらい方は、なかなかこういうことはわからぬと思いますけれども、いま私が具体的に例をあげたような問題は、これはもう現に任用になってしまっているからあれだけれども、こういうかっこうの任用というものを好ましいと思いますか。
  73. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) ただいま先生がおあげになりました北海道の北から北海道の南、道北から道南に、距離から申しまして青森から福島に匹敵するようなところまで持っていって、無理して局舎をつくらして、本人の希望に応じて任用したというような御指摘でございました。実は、私、たまたまその先生のおあげになりました中の一件につきまして事実を知っておりまして、その事実に立脚して申し上げますと、そのある局長はかつて札幌におりました。札幌逓信局勤務の者が樺太に転任しました。樺太から引き揚げるときに、札幌に帰るべき適当なところがなくて、稚内でもいいから稚内に勤務さしてくれという希望があったというぐあいに聞きました。したがって、そういう方がやがてとしがいきまして適格性を持ち、特定局長になりたいという希望がありました場合に、私のほうといたしましては、そういう方も加えて他の候補者とあわせて検討をいたしました結果、その中で一番適格であるというぐあいに判断してその人を任用したということがございました。したがって、全部先生のおあげになりました例がそうかどうか知りませんが、ケース・バイ・ケースで、そういう事情のある者が多いところから、道南から道北に来るというような形で任用されていることにつきましては、特に私どもおかしいとは思わないわけでございます。しかし一般論といたしまして、非常に明るいところから暗い土地に来るという者につきましては、先ほど私が申しました原則からいたしましても好ましくないと思いますので、具体的な事情をよく調べまして、その点判断さしていただきたいと思うわけでございます。
  74. 竹田現照

    竹田現照君 具体的に出たものを措置しろと言っているわけじゃないですけれども、こういうものをまる一日かかって出てきて、また仕事をして帰れば三日間はつぶれるというようなかっこうで、現にしている局の仕事はできない。それでこちらに来ていろいろ仕事をして開局の準備をしなければならない。そういうようなことは、樺太がどうとか札幌におったとかそんなことは理屈にならないと思う。そういうようなかっこうまでして無理をして任用しなければならないということは、大体私はおかしいと思うのです。人間がいないなら別ですよ、人事局長はいろいろなことを言われますけれども、私はそんなホッテントットとまで言いませんけれども、とてつもなく離れたところまで無理して行くんだ、こういうようなかっこうの任用というものは、私は決して正常でない。このことは人事局長も言っているわけだ、後段のほうで。今後こういうようなかっこうというものは、従業員の感情からいってもちょっとおかしいですから、ぜひ改めていただきたいと思います。いかがですか。
  75. 曾山克巳

    政府委員(曾山克巳君) 一般論といたしましては、先生のおっしゃるとおりでございますので、その点につきましては、十分留意してまいりたいと思います。
  76. 竹田現照

    竹田現照君 それでは次に郵便集配請負人について、これは歴代の大臣にも何回か集配請負人の問題について陳情や何かが繰り返されております。しかし一向に全然改善れない——言うと語弊がありますけれども、請負制度というものがなぜ生まれたのか、いま本省首脳は明確にこれを把握されているのですか。たいへん失礼な聞き方ですけれども、なぜ請負制度というものが生まれたのですか、どういう経緯で生まれたのですか。
  77. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 私この制度発祥のときの事情というものは存じませんけれども、郵便事業の中におきまして、ごくへんぴな土地で個数も少ない、利用者も少ない、郵便物数も少ない、そういうところでまるまる本務者を置いて配達することが必ずしも妥当でもない。一日に配達すべき通数あるいは勤務時間、あるいは郵便局からじかに郵便局長の掌握のもとにおいてそこから配達に出て、そこに帰るというようなことができないような地域、そういうものについては、むしろ請負契約によってやったほうがいいと思われるような地域などが、どうしても郵便事業にとってはありますので、そういうところについてこういう制度が止まれて、まあ現在もある程度維持されてきているものだというふうに考えております。
  78. 竹田現照

    竹田現照君 これは昭和二十七年の行政整理の一環として行なわれたことは確かですねいろいろと郵政省はいま請け負いになった人は当時は本務者だった、何とかかんとかうまいことを言って請け負いにしてしまった。ところが、わりあいこういうところによる人は純情な人です。ぼくのような純情なものだから、ですから郵政省の言うとおりやっておったが、その後さっぱり改善されない、こういうことになって今日に至っております。被服や何か貸与しているようでありますが、医療制度とかなんとかということをやっておりますけれども、私の承知している限り請負人というのはこれが本務者ですよ、仕事が。また北海道に例をとって恐縮ですが、北海道の開拓部落というのは、これは夜逃げするくらい悲惨な所です。こういうようなところは、これが本職だったのです。ひどいところはわらの上に寝ているところもある、ふとんじゃなくて。それが当時の郵政省の言を信じて請負人になった。ところが、話が違う、だんだんいまの正規の人々との間に懸隔が出てきた。だから不便なところだから、医療制度一つ取り上げてみましても、何かいま部内の医療機関をやっているが、山の中で部内の医療機関だといっても、北海道に行けば札幌か旭川の二、三の逓信病院で、出てくるだけでもたいへんな金がかかりますよ。出てくる交通費にさえこと欠く人が多いのです。昔はちゃんと郵政省に共済組合を持っておった。ところが、いま全国で幾らですか、千五百人ちょっとでしょう。だからこれは全逓との間に六百人の本務化を何年かの間にするということになっているそうですが、こういう問題について、私はいま少しく実態を見て——だましてそういうことになったのだから、十年たったのだから、そのだました非を改めてこれを直轄にする、本務化する。特に千五百人の三分の一近くは北海道にいる。今度郵政大臣札幌に日帰りで行かれたからお聞きにならなかったかと思いますが、昔は回っておられた大臣や政務次官が、このことを聞くと、必ずと言っていいくらいうまい答弁をされてきた。しかし一向によくならない。この問題について郵政省は具体的にどうこれに対処しようとしておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
  79. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 昭和二十七年の行政整理で定員を減らします際に、集配の本務者を集配請負人にすることによりまして、この数がふえたことは、ただいま仰せのとおりでございます。現在もそのころ切りかえられた人が、全国に四百五十人ばかりおります。そのときの状況はだますということではなくて、やめるにつきましての退職手当、現在はだんだん率も上がっておりますが、当事といたしましては、相当高率の退職手当ももらい、私は事情も了解してくれて切りかわったというふうに了解をいたしておりますのですが、しかしその後、物数も相当ふえてまいりましたし、交通も改善されるというようなことで逐次本務化を……、現在おります本務者とほとんど実態も同一というようなものもだんだん出てまいっておりますので、そういうものにつきましては、逐次本務化すべきものであるという考え方に立ちまして、定員の要求もいたしておりますし、六百人ほど本務化するという約束まではしていないはずだと私は思っておりますが、方向といたしまして、そういうような方向で進みたいという気持ちは、私ども持っております。数等は別といたしまして、御承知のように実行上も昭和三十六年、七年、八年と、まことに数は少なうございますが、全体の物数がふえるという関係で、物増要員の一部をこの本務化に充当してまいっているわけでありますが、三十九年度、四十年度は全般の定員事情等からいたしまして、本務化いたさないままできているわけでございます。四十一年度予算要求まるまるそれの本務化という形では、定員はとれておりませんのですけれども、実増との関連におきましては、若干本務化の問題も考えていかなければならないというふうに思っております。
  80. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連。いまの答弁の中で、それを順次返すという約束にはなっていないと思うと、こういう御答弁でございましたが、それは全然間違いで、生き証人が私なんです。当時私全逓の委員長をしておりまして、二十七年でしたか二十何年でしたか、一大定員の削減がありまして、吉田内閣のときです、大幅な定員の減があるので、何とかこれを切り抜けたいということで、当時は松井人事部長です、泣いてもらうのだから、増員があれば優先的に返しますという約束をしておるはずです。だから当然私は、増員がその整理された以上の増員になっておりますから、この約束を実行しておるとすれば、とっくの昔に解決していなければいけない。それが今日まで解決されていない。それで私もこの前の質問のときに、この請負になっていて非常に不遇な状態です。なるほど若干の請負料の増額がありましたけれども、それはいまの現職そのままとどまっていたであろうならば、相当な開きになるその請負料なので、これは社会正義のたてまえからいっても、直さなければならないのじゃないかという意味の質問をしたと私記憶しているのですが、あなた、もしそういうように理解していないとすれば、これはいまにして思えば残念だと思うのですが、当時覚え書きでも交換していればよかったと実は思ったわけですけれども、そういういきさつがあったわけですから、定員がふえれば優先的に返します、だからここはひとまず泣いてくれ、こういうことであったということをどうぞ、ここで知らなかったとおっしゃるのだから、ここで初めて知るわけですから、その方針に基づいてこれは解決してもらいたいと思う。
  81. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 先ほど六百人という数等をお示しの上での約束というお話がございまして、私まあそういう方向として、逐次本務化していこうという考え方は省として持っておりましたということを申し上げたわけです。いま、さらにそれ以前の事柄につきましてのお話を承りまして、よくまた私どもの今後の取り運びにつきまして、今後取り進める際の重要なる一つのあれといたしましてまいりたいと考えております。
  82. 竹田現照

    竹田現照君 いま永岡委員の、これはそういう約束が口約束かどうか知りませんけれども、これはやらないとなれば食言ですからね。ですからはっきり郵務局長、これは大臣もお聞きなんですから、約束は守ってもらわなくちゃ困る。そうすると、現に私が先ほど言ったように、非常に悲惨な状態——悲惨といったほうがいいな。そういうようなそういう状態の人にやはり郵便事業というものを託するというととは、これはやっぱり万一の危険ということも考えられますから、そういう意味で、医療だとかあるいはさまざまな、現に請負人である人から郵政省要望されているさまざまな問題について、いまどういうふうに差し向きの対策はされようとしているのですか、現在の考え方を承りたい。
  83. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 永岡先生退席されましたあとで私申し上げなければならぬようなことになって、たいへんあれですが、約束というような強いあれではなかったのではないかと、どうも考えざるを得ませんのですが、これはまた戻りましてさらに当時の関係者、実は私もそのときの人事課長で、関係者でございましたが、他の関係者などにもよくあれいたしまして、考えてまいりたいと思うわけでございます。  で、ただいまのお話の全国千五百八十二人おります請負人の待遇があまりよくない、いろいろ省としても進めてきているけれども十分ではないという点につきましては、私どもも実はただいまのお話と同じような考え方を、ある程度持っております。実は四十一年度の予算の際にも、内部でいろいろ議論いたしました際に、どうも郵便事業について二重構造的な現象があるのではないか。本務者とか何とかそういう者と、それから請負人、あるいは切手売りさばき所などを入れるかどうかは別ですが、そういう直轄でない者と直轄の者との間に、いろいろの面の改善のスピードの違いがあるのではなかろうかというようなことがいろいろ論議されまして、ある程度予算の上にも——ある程度と申しますか、相当反映はされていると思います。しかし、これでもう十分なんだという段階には達しておらないとも思われる点も幾つかございますし、ただいまのお話の方向につきましては、いろいろな面の改善につきまして、私ども今後も鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  84. 竹田現照

    竹田現照君 こういう立場にいる人は一番力の弱い人ですから、力の弱い者には、言われなくてもみずから進んで対策を練るということは、政治的に、皆さん方の一番の任務ですから、これは年々繰り返されていることですから、ぜひお願いいたしたい。  次に、大臣は、この間の参議院の本会議で、趣旨説明後、わが党の代表質問に答えまして、この法律通過後は、少なくとも一年ぐらいには、東京からどこまでにはどのくらいかかる、いわゆる所要日数、いま電電がやっているような、そういうようなものを全国の郵便局に表示できるようにひとつ努力をしたい、そういうようなことをお答えになっておられました。はたしてその確信はおありなんですか。
  85. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) このたびの法律案の主たる改正内容になっております料金の改正を実現いたし、また四十一年度の予算案どおりの、あるいはそれ以上の収入というものが得られますならば、そういうものを背景といたしまして、職員の勤労意欲も上げてもらい、お手元にお配りいたしました全国主要地間の送達所要日数、そのうちの相当の地域につきましては、一、二種の航空搭載を含め翌日配達を実施する、そういう意見、あるいはお手元にまだお配りしておりませんが、自府県内、あるいは近県の市街地相互間等の翌日配達、こういうものは実現してまいらなければならぬ、あるいは相当実現するものと、さように考えている次第でございます。
  86. 竹田現照

    竹田現照君 これは、なぜそういうことをお聞きするかというと、午前中からの質問のような状態がいまありますと、かつて遅配欠配で世情騒然となるような事態が、この郵便法の改正がかりに通ったとしたときに、そういうことは今後はなくなるだろうということを、国民はみな思っているわけです。皆さんはそうすると約束しているわけです。そうすると、私が午前中から質問をしたような状態の中では、私は、もういまの郵政の労使というものは、これは極端なまでに不信感です。極端にまで不信感を持っている。郵政というのは、非常に浪花節的に人間関係がいいということが言われておった。それが、このごろは浪花節もはやらなくなったけれども、ほんとうに極端なまでの不信感がある。この不信感を根本的に建て直さないと、幾らそういうお約束をされてもできかねる、そういうふうに思うから、あえてこれを質問したわけです。その上に立って、なおかついま郵務局長の言われたようなことをお答えになったわけですけれども、大臣の本会議答弁どおり確信を持ってやられますか。
  87. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 昭和三十四年、五年、六年ごろ、非常に多くの局におきまして慢性的な郵便の滞留というようなことが起こりましたのですが、その後一挙にはなかなかよくなりませんが、年を追うて少しずつ改善されてきているというふうに考えておりますし、それにつきましては職員の諸君事業の社会的な使命、あるいは公務員としての、あるいは公益事業の従事員としての職員というものを、だんだん自覚してきてもらっているというふうに考えている次第でございます。今回の料金の改正につきましても、職員の待遇の実は裏づけになるべき、待遇改善の財源としてその裏づけになるべきものであることも、おそらく十分承知していただけると思いますし、また事業遂行につきましての定員とか、あるいは局舎その他を含みます職場環境とか、あるいは機材の充実改善等と不可分の関係にあるというようなことも、私は理解していただけるものというふうにも確信しておりまするし、今後郵便関係者全員相携え、相協力いたしまして、あの目標というものは非常に無理な、不可能なことを掲げてあるわけではございません。私どもが相当の努力をし、精励いたしますれば到達できるものを掲げてあるわけでございますので、ぜひとも、職員とも力を合わせ、それぞれの分を尽くしましてあの目標を達成いたしたい、またしなければならないものだというふうに考えておるわけでございます。
  88. 竹田現照

    竹田現照君 郵務局長のお話わかりましたのですが、郵務局長が幾らそう思っても、これは生きた人間が十何万かその気にならなくちゃいけないわけですから、だからそうなるように、ひとつ最大の努力を払っていただきたいと思います。  次に、郵便事業の総収入状況、これは私も数字を持っておりますけれども、三十八年度、三十九年度の種別ごとの収入状況は、どういうふうになっておりますか。
  89. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 三十九年度を申し上げます。三十九年度の一種の収入は百七十七億、二種は百六十八億であります。それから三種が、低料が約十六億、十五億七千万、三種のその他が十七億八千万、約十八億、通信教育が約五千万、それから五種が二百十二億、次に小包ですが……。
  90. 竹田現照

    竹田現照君 そこでいいです。あといいです。いまの御説明の中で一、二、三、四、五、この中の赤字、黒字の金額おわかりですね。三十九年度種別のどれが赤字でどれが黒字なのかということ。一括でいいです、三種のような場合は。
  91. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 一種におきまして二十一億の黒であります。二種におきまして四十六億の赤であります。三種におきまして、トータルしまして六十五億の赤であります。四種におきまして四億の赤であります。五種におきまして十六億の黒であります。以上であります。
  92. 竹田現照

    竹田現照君 時間がありませんから一点にだけしぼってきょうはお尋ねしておきます。いずれまたあとお尋ねいたします。今回の改正で五種を一種に統合いたしましたね。統合したおもなる理由というのは、種類体系の合理化ということだけでありますか。
  93. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 種類体系の合理化、それから全体の能率をあげる、そういうような観点から一種、五種を統合したわけでございます。
  94. 竹田現照

    竹田現照君 これは事業上の利点というのはどんなことが出てくるんですか、統合によって。
  95. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) いまの五種の中には、印刷書状、信書の一種である印刷書状が四〇数%、半分近く入っておりまして、これらにつきましては、その中の一部のものを除きましては、やはり筆書した書状と同じように扱かわなければならないというような性質のものでございます。それからあと印刷物とか、ダイレクトメールとかというのもございますが、これらが五種は沿革上の理由などもございまして、一種よりも料金を安くしておりますために、内容が筆書した書状でないということがわかり得るようにするために、開封にせざるを得ないわけでございますが、開封の二十数億の大量の郵便物、年々の増加率は相当多い、信書も半分近く包有し、しかも全体が、開封になりましたものが、ほとんど一種と同じくらいの数、あるいはそれよりもふえようかとしているわけでございまして、これらの関係で、実は作業が郵便局で取り集めあるいは窓口引き受けしまして、内勤の作業をまず始めます際に内部の送達の順位も、送達の順位も、送達のしかたも変わっておりまして、御承知のように一種、二種は受け渡し区分といいますか、配達の区分といいますか、三種以下は分配局区分というようなやり方をとっておりますから、最初からこの二つのものを分けるというようなことにもなるわけでございますが、そういう局内の最初の段階、あるいは配達の段階等におきまして、開封の相当大型のものと、それからこれが筆書した書状も含みます小型のいわば信書というものがまぜこぜになりまして、封をあけた中にはさまつてしまうとか、あるいは全体になかなか作業がしにくいとかというようなことが、相当起こっております。郵便事業、これから大いに機械化していかなければならないわけですが、機械化という観点からいたしましても、開封いたしましたものはなかなか機械に乗らないというようなことがございます。全般的にしかも大型であるというようなことからしまして、私どもはこの際今後の年々数億ずつふえていきます郵便物を、なかなか、しかも労働力の確保がだんだん困難になってまいります今後、どういう処理のしかたをしていくかという際に、いっそこれをまとめまして、全部開封ではなくしてしまう。全部機械にかかるようにというようなことで、なくしてしまうということが大きなねらい、そういうことを一つやり、それから総体といたしまして取り扱いやすいような、どちらかといえば軽量小型のものに全部の郵便物がなっていくように、何とかなってもらいたい、そういうふうにできればしむけてまいることも、郵便事業の近代化の一つの前提条件ではないか、かような考え方からいたしまして、一種と五種を統合いたしますとともに、全体の郵便物の最大限は低くし、最小限は少し上げていく、その中で一番扱いやすいような部分、しかも機械にも一番かかりやすいような部分を、しかも信書の九九%、ほとんど一〇〇%に近いものを包含している部分を、いままで定形ということばを使っておりますが、まあこのことばの使い方は、さらに今後あるいは変えることにもなるかと思いますが、一応定形郵便物として、それ以外の非定形と区分いたしまして、結果的に二つの種類のものがあり、しかも全体として大型であるというものを一つにまとめ、開封で入りまじるとかはさまったりすることがなく、機械にはかかりやすくし、総体の重量も容積も小さくして全体を能率化する、そういうようなことを考えました結果が、一、五種統合ということになってあらわれたわけでございます。
  96. 竹田現照

    竹田現照君 その点でちょっと金額をお聞きしますが、これ値上げに伴って今度の一、二、三、四種、この中で、先ほど経理局長が黒と赤を種別にお話がありましたけれども、これはどういうことになりますか。四十一年度、四十二年度の推計になりますね、これは。どれくらい黒になるとか赤になるとか、これは出てますか。
  97. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 四十一年度におきましての、これは一種と五種を合わせましたものになりますんですが、新しい一種の収入は……。
  98. 竹田現照

    竹田現照君 純益だけでいいですよ。
  99. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 増加は百四十億でございます。現行の収入、現在の料金体系でまいりますと四百七十九億円、新しい料金体系でまいりますと六百二十億円、差し引きまして百四十億円の増加になるというふうに考えております。
  100. 竹田現照

    竹田現照君 いま三十九年度は二十一億円の黒、二種四十六億の赤と、これがどう変わるかということです。
  101. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 先ほど私申し上げましたのは、これ三十九年度でございまして、同時にこれは内国郵便ばかりでございます。その点で若干、いま郵務局長申し上げましたのは四十一年度のものでありますから、差が出てまいっております。それから三種のほうは伸びが少のうございますから、カーブはほとんど安定してまいっております。ですからこちらの線はあんまり動かないわけであります。したがいまして、一種、二種並びに一種のほうには今度五種が入っております。郵務局長申し上げましたように、その点は差がだいぶ出てまいっておると思います。
  102. 竹田現照

    竹田現照君 それですよ、結論ずばり。この三十九年度第一種二十一億円の黒というのは、この法改正に伴って一種、五種と統合して、どれくらいの黒になるのですか、赤になるのですか。まあ赤になることはないだろうけれども、黒、推定でどのくらいになるのですか、四十一年度。それくらい出なかったら百四十億収入増になるなんてことにならない。
  103. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 私が百四十億ふえると申しましたのは、料金改正以前のままでまいります場合の収入と、それから料金改正した場合の収入との差額でございます。経理局長先ほど申し上げましたのは、三十九年度での外国郵便とか特殊のものを除きました場合の一種での黒字と、それから五種での黒字の金額を申し上げましたわけで、その後三十九年から四十一年度までの二年間の物数の増加、経費の増加、さようないろいろな要素がからみますので、ちょっといまの百四十億と、先ほど経理局長申し上げました一種での原価計算上での経費と収入との差し引き額とは、直接の関係はないわけでございます。
  104. 竹田現照

    竹田現照君 いやどうも、むずかしくとっているのかどうかわかりませんがね。料金値上げしたことによって種別の、たとえば二種は四十六億円の赤と言われましたね、先ほど三十九年度。これがね、三十九年度は第二種において四十六億円の赤になりますというお答えでしたね。これは値上げになって幾ら黒になるのですか。たとえばの話です。これを一種、二種、三種、四種別に、説明をしてください。これからもうかるのだから、ちょっと推定ですけれどもね。しかし伸び率から何から全部やって、今後五年間も上げなくてもいいと言っているんだから、大体推定の金額、出るでしょう。
  105. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 二種におきましては四十一年度におきます、ただいま私どもでやっております原価計算は決算から出しております原価計算でございます。したがいまして、将来の分に対しましては正確なものでございませんから、一応の推定予算をただ割るだけになります。ですから予算即ほとんど単価に相なると思います。それによりまして四十一年度の二種の見込み単価、また見込み原価を出してみますと、はがきの単価——単位原価は六円九十一銭と推定されます。
  106. 竹田現照

    竹田現照君 ちょっと答弁中あれですが……。
  107. 野上元

    委員長野上元君) よく聞いてください。
  108. 竹田現照

    竹田現照君 これね、先ほど私が言ったようにね、三十九年度で一種は二十一億円の黒でしたと、二種は四十六億円の赤でしたと、三種はこれは何か全部で六十五億円ばかりの赤でした、第五種は十六億の黒でしたと、こういうお答えであったが、これがどういうふうに変化をしますかと、こう言っているのです。
  109. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) その点につきましていまちょっと経緯を御説明しようと思いまして……。
  110. 竹田現照

    竹田現照君 いや、もう経緯はいいですから、時間ないからそれだけ聞けばいいです。
  111. 淺野賢澄

    政府委員(淺野賢澄君) 私のほうでは決算から出したものでありますから、今度はいまおっしゃいました分を申し上げようといたしますと、推定の原価を出さなければいけないわけであります。それでいきますと、四十一年度の推定原価が六百九十一銭であります。かりにこれが七円になったといたしますと——もし法律をお認めいただきまして、七円になったといたしますと、この差の分が利益になります。そういたしますと、はがきにおきましては十億ぐらいの黒が出ます、十億円ぐらい。それから新しい一種でこれが相当なものになります。
  112. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  113. 野上元

    委員長野上元君) 速記をつけて。
  114. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 実は四十一年度の見込みの経費は、経理局長申し上げたとおりですが、四十一年度での一種だけの見込み収入。これは実は種別が変わりまして、ずっとたとえば四十一年度の物数等につきまして、利用減を全体で一億五千九百万通見込んでおります。そのほかに五種から学術雑誌に移る部分がある、それから書籍小包のほうに移る部分がある、それから一種と五種が一緒になりました上で、今度非定形から定形に移るものが——当然料金の上でございます——私ども三億通余りと見込んでおりますが、非定形から定形に移るもの、それから重量の重いものから軽くなるもの——軽量化のものがある。そういうふうなものがずっと見込まれまして、私ども金額として、総額としては一応出してありますが、新しい一種は一通当たり収入原価計算の基礎にもなるようなものとして、一通当たり幾らになるかというものを、的確に実はまだ出しておりませんです。総体の収入等につきましては出しておりますけれども、一種の分だけについてのものを、しっかりと言いますか、はっきりと出しておりませんので、ただいま経理局長からも、四十一年度の一種なら一種だけの原価計算上の黒あるいは総体の額の黒というものを、まだここに数字として的確に出しておりませんのです。
  115. 竹田現照

    竹田現照君 ぼくはあまりむずかしいこと聞いてるつもりじゃないのですけれどもね。どうもお答えがむずかしいんだが、先ほどから言っているように二種で四十六億円、三十九年度では赤になりましたと、こんなにだんだんだんだん年々歳々赤が累増しているから、三十八年度二十七億の赤なんだから三十九年度は四十六億、四十年度は幾らになるかわかりませんが、だから今度七円にするというのでしょう、はがきを。七円にしたら四十六億の赤というものはどれだけ黒になるんだということを聞いてるんです。簡単なんですよ、話は。
  116. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 先ほど経理局長申し上げましたのは、実は内国郵便郵便として取り扱われたものだけについて言っておるわけでございまして、そのほかに外国郵便につきましては、これは相当黒が出るわけです。特殊切手の収入等も、これも黒になってあらわれまして、郵便局で実際に郵便物として扱われますものについてだけ出しましたこの原価計算と、料金をどうきめていくかという資料になりますものとは、少し食い違いがあるわけでございます。で、一通当たりの原価計算というものも、もちろん料金決定上の重要な要素ではございます。個々の原価計算の中では重要な要素でございますが、料金を新しくきめます場合には、たとえば四十一年度ないし四十五年度間の収入はどのくらいになるか、現行料金を据え置けばどのくらいになるか、それから経費はどのくらいになるかということを見込みまして、不足がどの程度出るかということからしまして、その不足額をじゃどういうふうに割り振っていったらいいかということで、出したわけでございます。その際の作業としましては、一応もとの切手収入を除き、外国郵便の収入等を除いております。個々のものの原価計算とは少し離れまして、別の観点の収入見込み、支出見込み、差額、これをどういうふうに割り振っていくか、そういう作業から出しましたものでございまして、少し見方は変わっているわけでございます。
  117. 竹田現照

    竹田現照君 どうも私の質問お答えになっておらぬと思うんだな。原価計算というのはあれでしょう。はがきの資材から、それから人件費から何からみな見ているんでしょう。見て原価計算というのははじき出してるんでしょう、そうじゃないですか。それでいま現行では五円のはがきが六円幾らかかると、こういうふうにはじき出しているんじゃないですか。違うんですか。
  118. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 主としてそうでございます。ただ郵便事業の収入は、それで全部というわけでもございませんので、原価計算の対象にしにくい外国郵便物なんかにつきましては、引き受けただけで船に乗せてあと配達は向こう持ちというようなものもございまして、外国郵便は除いてあるわけでございます。で、これは見込みとしまして、相当差し引き黒になってるんじゃないかというふうに思われますし、そういうような面で料金を新しくきめる場合には、たとえば五年間で千九百四十四億はいろいろ計算してみたらどうして毛不足する。その不足を割り振るのには初年度は幾らぐらい、そういうようなことでまたそれを割り振っておりまして、決して私どもその間何らか意識的に操作をするというものではありませんけれども、作業の見方が、原価計算は従来決算主義でうしろを振り返って分析してあって、将来の値段を決定する際は、前向きで予想収支という観点から出しておりますし、しかもその中に原価計算の対象に入っていない部分が若干はさまっておりますので、すぐぴしゃっとそれがつながって出てまいらない。これは計算すれば出るべきはずであります。新しい一種を予想いたしまして、通数を出し、割って、定形化だとかそういうものを計算すれば出るわけでございますけれども、そこまでの作業を現在やっておらないわけでございます。
  119. 竹田現照

    竹田現照君 これはそういう答弁じゃあれでしょう、一種を十五円にしたと言ったって根拠がないわけでしょう。十円のを十五円にした、五円のはがきを七円にしたと言ったって根拠がないことになるんじゃないか。郵便全般としてひっくるめて何百億赤字だから平均で三〇%上げて割り振る。そうすると一種十円だから区切りよく十五円にしよう。五円は七円に、ちょっとつり銭で都合が悪いけれども、十円にするとかっこうが悪いから七円にした。三種は文化的政策の問題もあって審議会答申もいろいろあるからこれはちょっと上げた。五種は実に……。もうかっているとこばかり上げているわけですよ。これじゃまるでどんぶり計算じゃないですか。三十九年度まで説明ができるんですから、国民皆さんは、なぜ一種が三十八年度三十六億ももうかっておる。三十九年度は二十一億ももうかっているんだ。それから三種では五十一億、三十九年度では六十五億も赤字になっている。その赤字の分を一般のものまで、もうかっているものばかりを上げて埋めなければならぬという理屈はないじゃないか。第三種は文化的政策料金だからこれは押えられているのだ。これは当然一般会計にどうとかこうとか、審議会でも検討したと書いてある、答申に、そういうことを具体的に国民皆さん説明できなかったらおかしいじゃないですか。そして総体的に何とかというめんどうなことばで答えられたってわからぬですよ、一般の人は。十円を十五円にして、その結果これくらいあるけれども、文化的政策の面の三種の面も、こうやっていまの独立採算制のたてまえからいってこういうふうに措置せざるを得ないんだという説明がなくちゃ、これはおかしいじゃないですか。総体的にこれだけ赤字になっているのを年度に割り振ってこうこうこうなった、結果的には今後上げなくても事業全般での運営ができます、これでは私はならぬと思うのだ。米の値段上げるんだってそうでしょう。政策料金がどうで、生産者米価がどうで、消費者米価がどうだ。ちゃんと納得しないまでも数字が明らかだからいいわけですよ。これがあんた全然答弁できないというんじゃちょっと困るのだな。これは大臣どうですか。こんなでたらめな説明ないでしょう。
  120. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 新しい年度の物の趨勢なども、それからまた利用状況なども、大きな物の振り分けはわかりましても、その利用状況の点からいまのようなお答えをしているのだと思いますけれども、しかし大体のめどというものはつくはずでございますから、これは事務のほうでできることだと思います。あるいはわかっているのか、私もその点は確かめておりませんけれども、よくお答させるようにいたしましょう。
  121. 竹田現照

    竹田現照君 これはやはりそのことを国会で法案審議しておいて答えられないというようなばかなことじゃ、これは審議できないよ。ですから、そのお答えできるまで私は質問留保します。
  122. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  123. 野上元

    委員長野上元君) 速記を始めてください。
  124. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 先ほども申し上げましたように、基礎資料としてないわけではございません。そういう観点からつかまえて出していなかったというわけでございます。次回計算いたしましてお出しいたします。
  125. 野上元

    委員長野上元君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  次回は、明十三日午前十時から公聴会を開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時散会      —————・—————