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国務大臣(
郡祐一君) いま田代さん、
国民の受ける非常に大事な感じを御
指摘になったように思います。
それで、私
ども消費者物価指数については、これはこういう指数でありますから、非常にある
程度同じ形を踏襲しなきゃいけません。しかし、ごらんくださいましても、現在の日本の
経済指標が、国連でとっております
指標と違った
指標をとっておりますために、これはこのしばらくの間は、同じ従来のものと国連のものとを両方並べまして、そうして比較をとりながら世界全体の
指標というものは同じベースで見れるようにいたしませんと、これは予算
委員会等でも伺っておりましても、非常にそこでとり方によっての議論の差が出てきております。したがいまして、田代さんのおっしゃった点は、
一つはその点を私
ども考えなければいけないと思います。それから
物価についての問題、これはまことに確かに
国民の受ける感じは強いのであります。それで指数で出てまいりますが、一体その中で、いまも主婦連の総理に対する御要望の
お話がございましたが、生活
内容が一体向上しているかどうか。なるほど確かに肉の値が上がってきている。しかし同時に
国民全体の日々の生活の
内容が上がっておれば、それは同じような、どうも苦しさが増したような気がすると言いましても、
内容の向上した生活を営んでおれば、全体としてはそれはむしろ望ましい、望ましいと言っては何でございますが、楽じゃないぞと言いながら生活が高まっているという、その実態をとらえなければいけません。したがいまして、私もおっしゃいますように、今度
郵便料金のこれは私は
郵政部内でもしばしば言っていることで、私自身もくふうし、また部内の者もくふうしているのでありますが、七月一日から
料金の
値上げをしていただきますと、この場合に、端的にいままで十円張っていただいておったものが、同じものが十五円張っていただくのでありますから、その場合に
郵便料金の
値上げの実態というものをよく知っていただく。それからよくこれも御
指摘を受けるのでございますが、はがきが七円になるが、何か二円上げるのを弁解するために紙をよくしたり、少し大きくしたりするそうだが、そんな無用なことは要らぬ。私も舟橋聖一さんのところに、どうしても君に会いたいということでお会いして
お話をし合ったのでありますが、そのときも、自分たち文筆を業とする者は、はがき大と言えばある
程度の感じが出てくる。また名刺大と言えばああいうものだ、はがき大と言えばこれなのだと視覚が熟したものを、君らが何センチかふやすということは感情に合わないじゃないか、ごもっともであります、ごもっともだ。そのことはごもっともでありますけれ
ども、この席でもしばしば議論が出ておりますが、
機械化という問題がございます。それからはがき、封書というものはことに国際的な動きをいたしておるものでございます。日本だけがいまのような
機械にも乗らないような紙を使って、そうして国際間の規格はとにかくきめて、それにみんな合わせていこうというときに、日本だけが、日本人の持っているはがき大という感じをどこまでも維持するのだと言いましても、これはむしろ世界の水準におくれていくことだ。またある
意味では、国際間が相互に協力をいたしまして、国際的の
一つの規格で世界の各国との交流ができるようにぜひしなければいかぬことであります。決して私
ども一種と五種を寄せたことは、
郵便料金の
値上げに伴うということからしたことではない。はがきのそのような紙質の改良なり、大きさを変えましたことも、
郵便料金の
値上げと同じではない。しかしながら、それがすぐ生活の向上を伴なっていくかというと、私のところにも各種の人々からおもしろいおたよりをいただきます。いまのはがき一ぱい通信文を書くときに、このはがき一ぱいにどうやって書こうかと苦労しているが、郡のために広げられるそうだが、また一行か二行かよけいな文句を考えなければならない。まことに生活を知らぬ者は愚かなことを考えるものだという御投書がございました。その限りにおいては、そういう感じをお持ちになると思います。お持ちになるかもしれませんが、そうではない。皆さんが、非常に多くの人が外国にはがきをお出しになる、手紙をお出しになるときに、同じような形でどこの国でも
機械に乗せられるような、そういうことのためにいたすのでございますということを私はもっと申し上げて、いまもここで申しておったのですが、私
どもここで定形、非定形ということを申します。定形という
ことばはわかります。非定形、定形にあらざるものという
ことばが、はたして
国民の間に熟していくだろうか。規格でないものというならばまだわかります。そうした点はもっともっとくふうしなければならぬことがございますが、したがいまして、
郵便料金の
値上げというのは、
数字で説明すれば
消費者物価指数なりで御説明いたしますならば、統計指数としては影響のないということを説明できましても、そうでなく、
一つ一つの実態がはがきが、手紙がこうなりますことは、こういう
意味を持つのですということを申し上げて、そうして理解をしていただくということにこれから進めたいと思います。そういう点で田代さんのいまおっしゃったこと、まことに私は示唆に富んだ
お話と受け取ります。