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政府委員(長田裕二君) 一昨年の初めに、
郵政審議会に郵便事業の近代化につきまして諮問いたしました。と申しますのは、郵便物が年々数億通づつふえてまいっておりますが、これが大都会を
中心にしております。都会の膨張に伴って、いろいろ仕事のやりにくい面が、交通難その他出てまいります。労働力の需給
状況もだいぶ逼迫してまいる、あるいはまた航空機その他の交通機関がだんだん発達している、こういうような情勢で、今後の郵便を円滑にやっていくのには、どうしたらいいかということで、
郵政審議会に諮問したわけでございます。お話しのとおり、十一月の十七日に答申をいただきました。以後
郵政省の
施策は大体この答申の線に沿って、この答申を実現するという方向でやってまいっているわけでございます。その中には、予算だけで済むものもございますし、
法律改正を必要とするものもございます。予算につきましては、予算要求、それの実現等につきまして、なお
法律改正を要するものにつきましては、今回の
法律改正案の中に相当盛り込んだものもございます。
その
内容を少しく分けて申し上げますと、あの答申の
一つの
中心は、郵便の種類体系の整理と制度の合理化であろうかと思うのでございます。これにつきましては、今回の
法律改正におきまして、料金体系の改正その他制度の合理化につきまして、たとえば一種と五種との統合とか、あるいは学術雑誌の第四種への新設とか、農産物種苗の整理とか、あるいは書籍を
内容とする小包について新しい別の扱い方を設ける、そういうようなことを、今回の
法律改正案の中にできるだけ織り込んだ次第でございます。
それから、あの答申の
内容の第二の点は、料金決定の基準を明確化するようにということであったかと思うのでございますが、これにつきましては、基準そのものを法定することはまだ差し控えてございます。もう少し検討いたしたいと思っておりますけれ
ども、幾つかの料金の決定につきまして、たとえば定形と非定形の料金のつけ方、あるいはまたその他につきまして、大体答申の趣旨に沿ってきているわけでございます。なお三種の料金等につきましては、私
どもはその方向には進んでまいりましたが、まだ答申の幅どおりにはまいっておりません。方向としましては、答申の方向を尊重しつつ、いままでのいきさつ等もありまして、逐次これを実現していこうという
考え方をとったわけでございます。
第三点の郵便の送達速度の安定と翌日配達の達成につきましては、実は通信を
目的といたします郵便の翌日配達を目標といたしまして、また鉄道の輸送
方式の変革、たとえば旅客列車から手荷物、小荷物郵便車等をだんだんはずしていくという傾向に伴いまして、遠距離あての郵便物の航空輸送の拡大、あるいは近距離あての郵便物の自動車輸送の充実等を検討中でございまして、四十一年度の予算要求におきましても、その方向に相当進めているわけでございます。
それから第四の第三種郵便物のあり方につきまして
審査期間、認可申請がありました際の
審査期間の延長、これは今度の改正
法律案の中に織り込んでございます。
審査基準の明確化につきましては、
法律で定めるところまでまだまいっておりませんが、従来内規で運用しておりましたものを、これを省令に規定するということを、ただいま取り運び中——これはまだ
法律が決定いたしましてからのことでございますが、大体そういう動きで取り運び中でございます。なお答申にございます有効期間の設定や、三種の料金
内容が少し変わったら三種の料金じゃなくしてしまえというような面などにつきましては、もう少し検討いたしたいというふうに考えているわけでございます。
答申の
内容の第五点、局内作業の機械化につきましては、窓口引き受け、選別——郵便の定形、非定形の選別、取りそろえ、証印、把束等の機械化は、逐次実施してまいっております。特に今年度からは、区分作業の機械化のために——失礼しました。前年度も少しやっております。本年度は特に区分作業の機械化のために、自動読み取り機等の
研究開発を、相当積極的に進めるべく努力いたしているわけでございますし、また大都市の大量の郵便物を処理いたしますために、東京都内に小包専門の二局、大型郵便物の専門局一局を建設中でございますし、その他神奈川、神戸中央
郵便局等数局、かなり大きな規模の局を建設を進めておりますが、これらの大局にはそれぞれ搬送設備、小包区分機等を施設いたしまして、能率をあげることにいたしておりますし、
郵政審議会の中に技術専門
委員会を昨年から設けて、いろいろ郵便事業の機械化等につきまして、貴重なる意見を賜わっているわけでございます。
第六の郵便物の規格化につきましては、事業近代化の有効な分野であります局内作業の機械化の前提といたしまして、郵便物の規格化を取り進めております。この郵便の規格化は、御承知のように
昭和三十七年の十月から始まりまして、封筒の大きさ、それから紙の質等についてだんだん取り進められてきているわけでございますが、今年二月に至りましては、従来無限といわれますほどの種類がありました封筒が、大体十五種類ぐらいにまで縮められておりますし、なお今後も相当積極的な動きをしているわけでございます。
第七の郵便番号につきましては、これはまだ実施の運びには至っておりませんが、内部的には配達局あての番号の付定等が、ほぼ作業が終わっております。実施につきましては、自動読み取り装置の開発
状況ともにらみ会わせまして、実施してまいりたい、現在慎重に検討中でございます。
答申にございます第八、郵便外務員の雇用難対策につきましては、
昭和三十九年以降外務員の特殊性を考慮いたしまして、俸給の調整を設けました。内勤との間に、基本給におきまして普通局では大体五百円、特定局で三百円ぐらいの——失礼しました、内勤との間ではございません、内勤との間にはそれ以前から千四百円程度の差が設けてありましたが、さらに郵便の外勤だけにつきまして五百円程度の調整をいたしまして、三十九年からいたしましたほか、区分手当、道順組み立て手当とかそういうようなものを、
職員に対して支給してきているわけでございますし、また
職員の宿舎につきましても、これは
昭和三十七、八年ごろからだんだんその規模を拡大いたしておりまして、四十一年度におきましては、先般の予算の
内容にも大都会を
中心にいたしまして三千四百人分を建設することになっております。そのほか、優良外務員の海外あるいは国内視察等のことな
ども、だんだん始めておりまするし、被服の改良等も非常に進められてきている次第でございます。まだいずれも十分とは申しかねまして、私
どもさらにまた今後も
改善には努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
第九、住居表示制度につきましては、三十七年の五月法実施以来自治省に協力いたし、あるいはまた地方におきまして協力会の
結成等にイニシアチブをとりまして、地方自治体がこの問題に積極的に取り組み、さらにどんどん進めてまいるように努力をしているわけでございます。これにつきましても五カ年間ということになっておりますが、期限の末期にだんだん近づいてまいりましたが、東京都をはじめとして各地で非常に積極的にこれが取り進められているようでございます。
以上各項目にわたりまして御
説明申し上げました。