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1966-03-17 第51回国会 参議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月十七日(木曜日)    午前十時三十六分開会     ―――――――――――――    委員異動  三月十七日     辞任        補欠選任      久保  等君     永岡 光治君      田代冨士男君     渋谷 邦彦君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         田中  一君     理 事                 植竹 春彦君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 光村 甚助君     委 員                 古池 信三君                 迫水 久常君                 白井  勇君                 寺尾  豊君                 谷村 貞治君                 鈴木  強君                 永岡 光治君                 野上  元君                 横川 正市君                 渋谷 邦彦君                 田代富士男君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君        郵政省郵務局長  長田 裕二君        郵政省貯金局長  稲増 久義君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        郵政省貯金局国        際業務課長    黒田  猛君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会協議事項について御報告いたします。  本日の委員会においては、前回に引き続き、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、及び、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。     ―――――――――――――
  3. 田中一

    委員長田中一君) 次に、委員異動について報告いたします。  本日、久保等君が委員を辞任され、その補欠として永岡光治君が選任されました。     ―――――――――――――
  4. 田中一

    委員長田中一君) これより議事に入ります。  前回に引き続き、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、及び、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言願います。
  5. 西村尚治

    西村尚治君 郵便振替貯金法法の一部改正案からまずお伺いしたいと思うんですが、この提案理由説明を見ますと、郵便振替貯金利用の増大に資するために料金の一部を引き下げるんだということ、趣旨はたいへんけっこうだと思うのですが、この程度手数料引き下げで、どの程度利用増を見込んでいらっしゃるのか、それをまずちょっとお伺いしておきたい。
  6. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 四十一年度におきましては、口座振替では四十一万六千件が増加し、通常払い込みでは三十四万二千件、通常現金払いでは四万一千件が利用増に相なると考える次第でございます。
  7. 西村尚治

    西村尚治君 いま御説明がありましたが、これはあれですか、料金引き下げるために特に見込まれる純増ですか。毎年毎年経済活動というものが進展をして自然増というものがあるはずですね。そのほかに純増がこれだけあるということですか、込めての話ですか。
  8. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 引き下げによります利用増でございます。
  9. 西村尚治

    西村尚治君 引き下げによります利用増、ああ、そうですか。  それから、この資料の一四ページを見ますと、払い込み払い出し、それぞれに金額別手数料がきめてあるわけですね。五百円以下は三十五円、これが二十円になるというふうにずっとランクがつけてある。この各ランク別取り扱い件数というようなものがおわかりでしたら、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  10. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 通常払い込みについて申し上げますと、五百円以下は四百五十二万四千件、千円以下は六百八十四万件、五千円以下が千七百八十四万件、一万円以下が四百万件、五万円以下が四百七十万件、十万以下は九十八万件、十万超は六十五万件でございます。
  11. 西村尚治

    西村尚治君 払い出しのほうは……。
  12. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 払い出しのほうは、五百円以下が五十二万件、千円以下が三十九万件、五千円以下が百二十四万件、一万円以下は四十八万件、五万円以下は百三万件、十万円以下が三十三万件、十万円超が八万件でございます。
  13. 西村尚治

    西村尚治君 いまの御説明によりますと、払い込みのほうでは、五千円から一万円までのものが圧倒的に多い。それから、払い出しのほうですと、千円から五千円まで及び一万円から五万円までのものが大部分を占めておるわけですね。したがいまして、今回の改正案によりますと、その引き下げ恩典を受ける部分というものはきわめて少ない。大体払い込み払い出しのほうで二〇%くらいのものしか、今回の引き下げ恩典に浴さない。あと八〇%程度のものはそのままだということになるわけですが、この際、むしろ、このランクの、取り扱い件数の多いランクのところを引き下げられてこそ、利用増というものに対して大きな期待がかけられるのではないかと思うんですが、その辺につきましてはどうでしょうか。
  14. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 今回の引き下げは、利子の廃止に伴いますその範囲内におきまして料金の調整をいたそうという趣旨でございまして、料金を調整いたします場合には、振替料金のうちで、口座振替が何と申しましても、振替制度の中枢でございまして、これを重点的に伸長させたいというねらいをもちまして、三十円を十五円に引き下げたい、こういう考え方をとりましたので、残ります原資によりまして、やや安全度と、さらには、現行の利用形態の変化ないしは事務処理敏速化等も勘案いたしましたところ、原資といたしまして、払い込み払い出しとも、大体五百円以下の新しい段階を設けることで、今回は、その他の段階のところまで手が届かなかったという実情でございます。
  15. 西村尚治

    西村尚治君 お話を伺いますと、この振替の、口座振替手数料引き下げることに重点を置いたということのようでありまするが、外国の例ですと、口座振替料というものは、むしろ無料になっておる。ほとんどの国が無料になっておるはずですが、それにはおそらく何か理由、ねらいというものがあってのことだと思いますけれども、その辺がおわかりになっておれば、ひとつ御説明を願いたいと思います。ということは、ここに重点を置かれたのなら、わが国でもむしろ、思い切ってゼロにされたらどうだろうか。そうすれば、もっと利用増が見込めるのじゃないかということが考えられるわけなんです。その辺につきまして、ひとつ御説明願いたい。
  16. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 仰せのとおり、諸外国振替制度は、特に口座振替無料世界各国振替を行なっている国の特色でございますが、それは、わが国とそれらの国との日常生活、特に信用経済と申しますか、わが国におきましては、現金をもって日常生活を行なうというふうな習慣が深く浸透いたしておりますが、諸外国におきましては、信用取引と申しますか、そういうふうな現金を使わない生活が徹底いたしております。そういう関係から、口座加入者にいたしましても、フランス等では千人中百人以上が口座加入しておりますが、わが国におきましては、千人中四人が加入しているというふうな口座普及状態でございます。そういう意味から、諸外国におきましては、残高資金運用というふうな点に非常な大きな力がございまして、料金運用収入のために不要であるというふうな限度まで発達しておる結果でございます。わが国といたしましても、今後、口座振替料金低下によりまして、特に定期継続振替がこれによりまして御利用願えるように相なりますれば、口座加入する方々もしたがってふえます。口座残高もふえてまいるというふうに相なってまいるだろうと思います。理想の形態といたしまして、われわれも口座振替は特に無料の線までいきたいというふうに考えておる次第でございます。
  17. 西村尚治

    西村尚治君 昨年の七月でしたか、いまちょっとお触れになった自動振替制度というものが創設されたと思うのですが、これはたいへん便利な制度で、共かせぎの夫婦だとか、独身者アパート住まいの人とか、昼間特に家をあける人々、こういう人たちの電気だとか、ガスだとか、水道料金集金にも非常に苦労するし、支払うほろの側もたいへん不便だ、せっかくこういろ制度が設けられたのだから、大いに周知をせられて利用さしてもらえば、支払うほうも、また支払われる会社も、また、事業の収支の面からも利用増ということを来たして、たいへんけっこうだと思うわけでありますけれども、昨年七月に創設せられました自動振替制度、それはその後どの程度ふえておりますか。資料がおありでしたら、お聞かせ願いたいと思います。
  18. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) まことに、非常にわれわれが問題としている点をつかれました次第でございますが、昨年実施いたしましたが、残念ながら、まだ利用する事業体がないというのが現状でございます。その原因といたしましては、やはり料金割り高であるというような点でございます。特にこういうふうな制度を御利用いただきたい事業体は、みずから集金人を雇用いたしまして集金しておるのが現状でございますが、その集金コストが十五円――平均十五円前後であるというふうなことから、そのほかにもいろいろ理由があろうかと思いますが、そういう面から、特に制度としては利用したいが、そういうコストの点から、いたしかねるというふうなのが、今日までの状態でございます。今回提出いたしました法案を御可決いただきますれば、十五円に相なるわけでございます。これに対しましては、電電公社、東京、大阪、京都、神戸の水道局等が、十五円になりますれば、この定期継続振替利用したいというふうな態度でおるのが現状でございます。
  19. 西村尚治

    西村尚治君 ついでに、先回のこれも改正だったと思いますが、法の二十三条に非常取り扱い制度というものがあるわけですね。非常災害のときなどは、特別に、扱う料金を減免するというような、これを発動された例がたくさんありますか。
  20. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) この取り扱いは四十年四月から実施いたしましたが、現在までのところ、四十年七月の熊本県下、特に球磨川の流域を襲いました断続集中豪雨被災者救援のために、熊本共同募金会が取り扱う寄付金払い込み料金を免除いたしました。もう一つは、この一月十一日に発生いたしました青森県三沢市の大火によります被災者救援のため、青森共同募金会が取り扱う寄付金払い込み料金を免除いたしました。今日までは以上二件でございます。
  21. 西村尚治

    西村尚治君 振替貯金関係はあまりあと、そうお尋ねすることもないのですが、この制度はなかなか便利な制度だと、社会的に有用な制度であるにもかかわらず、どうもあまり世間周知徹底していないのではないか、世間の人はこういう便利な制度があるということを知らない人が多いのではないかということが懸念されるわけなんですがね。せっかくこの制度を、たしか始まってから六十年くらいの伝統を持った制度なんです。それがどうも、まだ外国の先ほどあなたの御説明にもありましたように、その普及状況利用状況というものが、外国に比べると非常に見劣っておる、はなはだしく低位にある、どうも国民経済の上で十分な機能をまだ果たしていないのではないかということが考えられるのですが、せっかく今回こういう、まあ必ずしもまだ十分とは思いませんけれども、いろいろ苦心されて、ここまで努力をして、こういう改正を出された、たいへんその御努力は多とするわけですが、こういう機会に、さらに今後利用増を来たすために、もっともっと料金引き下げ努力をされるとともに、この周知徹底加入の促進、利用の増進ということについて、ひとつ大いに御努力を願いたいと思うわけです。そろいったことについて、何か具体策を考えておられましたら、ちょっとついでに御披露願いたいと思いますが、どうでしょう。
  22. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) PRにつきましては、しばしば御指摘をいただいておりまして、為替貯金事業全体につきましても、なお不満足な点が多いかと思いますが、特に振替につきましては、PRが足らないこと、われわれ自身も十分知っておりまして、今後この法改正機会に、チラシ、ポスター等をはじめといたしまして、さらにまた、報道機関にお願いいたしまして、この制度の利点と、今後の勧奨に努力してまいりたい、特に定期継続振替につきましては、個々事業体に直接当たりまして、制度の御利用を勧奨してまいりたいと思います。
  23. 西村尚治

    西村尚治君 それでは、郵便振替貯金関係につきましての質疑は、これで打ち切りますが、次いで、この郵便切手類売さばき所関係法律案につきまして、若干御質問を申し上げたいと思います。  今回のこの改正案を見ますと、十万円未満のものについては、手数料引き上げが考えられておるわけですけれども、それ以外についてはノータッチということになっておりますが、それ以上のものについてノータッチになさった理由をひとつ御説明を願いたいと思います。
  24. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまのお話のように、十万円以下につきましては手数料の率を上げて、十万円をこえるものにつきましては据え置きの案を御審議願っておるわけでございますが、実は、十万円以下のものと十万円以上のものにつきまして、私ども手元にあります資料を演繹いたしまして検討いたしてみますと、一万円をこえ十万円以下の売りさばき所の場合は、一件あたり十三円平均くらいの売り上げでございます。それから十万円をこえ百万円以下の場合には、一件あたり三十円くらいの売り上げでございます。売りさばき金額がふえるにしたがいまして、印紙価格収入印紙等の比率がだんだんふえてまいりまして、したがいまして、金額のわりあいに、売りさばきに要する手数があまりかかっていないというような実情が見受けられました。また、いろいろな経費等も、手元にあります限りの資料で算定いたしますと、今回の改正で、なお、十万円以下、十万円をこえるもの、それぞれ若干の余裕を見ることができたというような結論も出ましたので、十万円をこえるものにつきましては据え置きにした次第でございます。もちろん、まあ財源関係もないわけではございませんけれども、検討した内容は以上申し上げたとおりであります。
  25. 西村尚治

    西村尚治君 いま財源お話がございましたが、この改正案にあります増加額というものは、従来幾らで、今度どれくらいになるか、ちょっと……。
  26. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 売りさばき所に支払います手数料金額は、四十年度の、これはまだ予算でございますが、予算で二十四億一千七百万でございます。四十一年度は、この売りさばき手数料改正もございますし、郵便料金改正による増額も見込みます、それから自然増収というようなものも見込みますと、三十三億六千万になる見込みでございます。で、増加額は九億三千九百万円を見込んでおるわけであります。そのうち、手数料の率の引き上げによります部分は五億一千万円、率にしまして一七・九%、こういうふうに見込んでおります。
  27. 西村尚治

    西村尚治君 五億何千万というと、かなりな金額だとは思いまするけれども、これによって個々の売りさばき人が直接潤う金額、これは毎月一人当たりどれくらいになるものか、資料がありましょうか、ありましたらひとつ。
  28. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 率にいたしまして、従来売り上げ額の三・三%でございましたものが、三・九%に上がりますことと、金額につきましては、これは五億一千万円、この約九万七千個所――四十一年度末の数字の見込みでございます、まだそこまでいっていませんが、九万七千個所くらいになるかと思いますが、そこで分けるわけでございますから、一カ所当たり年額にしまして五千数百円ということになるかと思います。
  29. 西村尚治

    西村尚治君 年額五千数百円ということであれば、月額にすればあまりたいしたことではないじゃないかという気がするのですす、ここまで踏み切られた御努力は非常に買うのですけれども、どうもまだ、これによって個々の売りさばき人が、大いにやってもらって、大いにこれから意欲を燃やして、ますますサービス精神を発揮してやろうというところまでいけるかどうか、若干の疑念なきにしもあらずという気がするのですけれども、その辺につきましては、今後さらに御努力を願いたいと思うのですが、他方、たばこの売りさばき手数料、それから赤電話取り扱い手数料、こういうものを見ますと、かなり高額な手厚い手数料をもらっておるわけですね。たばこのほうが、月額十二万円まで一割でしたか、それから赤電話が、市内通話が一回ごとに二円ということは、結局、これは二割ということになるのでしょうか。そういうのに比較いたしますと、どうもまだ、もっと努力してもらわなければならぬのじゃないか。しかも、全額の比較だけでなくて、赤電話の場合は、別に資金準備する必要もないわけです。ただ向こうの人がかけて帰る、それだけで、いながらにして二割もられるわけです。また、たばこのほう、これはたばこのほうは、資金準備など要るでしょうけれども、品物は専売公社のほうから月々定期的に配給してくると、店、ショーウインドーを飾ったり何かするというような経費は若干かかるかもしれませんけれども、それに比較しまして、切手のほうは資金準備が要ること、しかも、月に何回か郵便局にわざわざ取りに行って、一定額を常備しておかなければならぬ。しかも、売りさばきにあたりましては、切手を一枚くれとか、やれ、のりを貸してくださいとか、なかなか、案外われわれの想像以上の手数がかかるのですよ。場合によったら、切手をちぎるときに破損ができたりというようなこともあるようですし、そういったようなことを考えますると、もう少しひとつ、今後御努力を願わなければならぬと思うのですが、この率を、せっかく八分が九分ということに引き上げられる案ですけれども、これをさらに引き上げるということについての御努力をお願いしたいと思いますが、御見解いかがでしょうか。
  30. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいま御例示のありました、たばこあるいは赤電話等と比較いたしますと、率においてかなり劣るということがありますことは、仰せのとおりかと思います。たばこと、切手印紙とは、少し性質も異なるような感じもいたします。一方は嗜好品で、しかも、売りさばきは、専売公社は直接の売りさばき機関を持っておりませんで、全部小売り店で、売りさばき所に相当するようなところで販売するだけでもございますし、嗜好品であり、しかも、その収入専売益金として国の大事な収入一つでもあるということからして、かなり売りさばきに力を入れさせなければならないというような実情がある、切手などにつきましても同じ面もございますが、一部受け身的なものであり、あるいはまた、郵便局補助機関である、ただいまのお話のように、設備等の問題につきましても、たばこにつきましては、購買意欲をそそるようなかなり大きなかまえも要る、切手はそれほどでもないというような事情がございますにいたしましても、決して問題がないというほどの率になっているとは私どもも考えておりません。損はきせない程度になっているというところではないかというふうに考えております。  なお、今後この手数料の率をもっと上げるべきではないかというお話につきましては、実は私ども、今回の引き上げにつきましても、全部の売りさばき所につきまして相当精細な資料をとった上でやりたいと思ったのでございますが、御承知のような郵便事業財政状況等もございまして、古い資料を演繹いたしまして一応いろいろなものを算定して、こういう案をつくったわけでございます。今回の郵便料金値上げ等もお認めいただきました上で、当面の問題を片づけましたならば、売りさばき所につきまして精細な資料をとりまして、その上で、新しい資料に基づき、また、ただいま仰せのような考え方にも立ちまして、今後の扱い方について十分検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  31. 西村尚治

    西村尚治君 非常に意欲的なお話でたいへんけっこうだと思いますが、そのときに、今後検討してもらいまするときに、その九分を一割にするとか、そういうふうなことの御努力もひとつお願いしたいのですが、同時に、金頭別の刻み方が、五千円まで、あるいは一万円、十万円、こういうふうにたいへん小刻みになる。これは長い間こういうことになっているのですけれども、これをたばこのように十二万円までとは言いませんけれども、せめて五万円まで九分、あるいは十万円まで九分、さらにその上もそれぞれランクを――金額の刻み方を上げるということについても、ぜひひとつ御検討をお願いいたしたいと思います。それをひとつお願いしておきます。  それから、もう一つお尋ねいたしたいと思いまするのは、収入印紙につきまして郵政省大蔵省から受け入れております料率、これは四十一年度予算におきましても三%でしょうか。
  32. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 売りさばき手数料段階の刻み方も、今後再検討する際には十分考えろというような御趣旨でございますが、それにつきましては、先ほども申し上げましたように、精細な資料をとりまして、検討いたします際の一つの項目といたしまして考えてまいりたいと存じます。  それから、印紙の売りさばきに要する経費として大蔵省から受け入れますいわば手数料、これが…分のままであるかどうかという点につきましては、制度を始めまして以来変わらず三分のままでございます。
  33. 西村尚治

    西村尚治君 それでは、切手関係ではあとお急ぎの方もあるようですから、この程度にいたしますが、ちょうど貯金局長郵務局長おそろいですから、一つだけこの際お尋ねしておきたいと思うのです。と申しまするのは、先回、野上委員からの御質問もありまして、私も最後まで聞きたかったのですが、中座して結論を聞いておりませんでした簡易郵便局取り扱い事務範囲の問題、これは全国の簡易郵便局関係者から、この事務をもっと拡大してもらいたいということを、郵政省のほうにたびたび陳情になっておるはずであります。これが簡易局法の第六条かなんかの関係で、なかなかむずかしいということになっているようですが、先回の結論はどういうことになりましたか、ちょっとお尋ねします。いかがでしょう。
  34. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) もし御質問のありましたような福祉年金等簡易郵便局にやらす場合には、もちろん、簡易郵便局法改正はこれは必要でございますが、われわれは国民年金法をも改正する必要があるのじゃないかというふうに一部考えたのでございますが、野上委員の御質問を、法制局等と打ち合わせました結果は、いまのところ、まだ公文書の交換じゃございませんが、簡易郵便局法改正だけでやれるのじゃないかというような結論に固まりつつあるように思っております。
  35. 西村尚治

    西村尚治君 この取り扱い業務拡大の問題で、いろいろ簡易局のほうから要望が出ているようですが、恩給とか各種扶助料その他ですね、これがそれぞれできるものならと思いまするけれども、特に老齢福祉年金、これにつきまして要望切実なものがございまして、あの人たちの言うことを聞きますと、この老齢福祉年金の受給者は御承知のように七十歳以上、しかも、年額一万何千円かで、年に四回もらうのだそうですけれども、一回の受給額が四千円足らずだ。それをそばに郵便局がある人はすぐにもらえまするけれども簡易局では扱わない。せっかく、そばに簡易局があるにもかかわらず、そこでもらえないから、特に九州のような島嶼――島が多いところでは、そばに簡易局があるにもかかわらず、わざわざ船に乗って本土に行って受給しなければならぬ。話を聞きますと、その受給を受けに行く船の途中で、脳溢血で倒れてしまったという老人もあるということを聞きます。それから先般、静岡県のさる簡易局関係者から手紙が参りましたのです。いろいろ近所の老人からこの問題について早く簡易局でも支払いができるようにしてもらいたいということで言われておるんですと、ぜひひとつ、郵政省のほうへお願いしますと言って陳情しましたら、陳情して帰ったら、さっそくその老人が来て、どうですか、もう支払ってもらえるようになりましたかということを聞いたと。それで、その人が、いや実はなかなかこれはむずかしい問題があると言って答えたところが、たいへんがっかりした顔をして帰っていったと。その老人の顔を見ると、われわれどうにもこれはがまんできませんので、一日も早くこういうものが扱えるようにしてもらいたい、こういう手紙を先般ももらったわけなんですけれども、何かこれは二百五十万人か受給者が全国であるそうです。その中で、大部分の人は郵便局でもらえるでしょうけれども簡易局で僻遠の地に住んでおる人も相当あるわけです。一日も早くこれが簡易局で扱えるようにという気持ちを全国のそういう関係者が持っておるようであります。簡易郵便局というものは、国民の便益、福祉増進のためにできておるわけですので、まあ法律のたてまえでできないという立場はわかりますけれども、この簡易局制定の趣旨からしまして、この法律第六条を改正しても、ひとつ、そういう人たちの要望に沿ってもらいたい。これがほんとうの生きた行政、血の通った郵便事業の運営ということになるんじゃないかと思いますので、ぜひひとつ、法律改正が必要なら法律改正をあえてしてもやって上げるという立場で、ひとつ積極的に御努力を特にお願いをいたしたいと思います。
  36. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) ただいま仰せになりました恩給関係につきましては、まあ御承知のとおり、所得税が課せられまして、支払いの際源泉徴収をするとか、また、年末調整をいたしまして、いろいろな資料を税務署とか受給者に渡すとか、また、受給権の調査をするとか、死亡失権の届け出があるとか、なかなか複雑な事務を伴っておりますので、簡易局は一人でやっておられますので、ちょっとこの点は無理かと思いますが、お説の福祉年金等は非常に簡単な手続でございますので、われわれもそういう方向に向かいまして今後努力いたしたいと思います。
  37. 横川正市

    ○横川正市君 まず最初に、振替貯金の関係資料の三五ページの13の資金運用資金法(昭和二十六年法律第百号)の「(目的)」のところから、カッコ書きの中で「貯金を含む。」の「貯金」を削ったわけなんですが、郵便振替貯金というのと郵便振替というのとは、これは内容的にどういう違いがあるので「貯金」を削ったのか。もしそのカッコ書きというこの表現方法を従来の法律の中にとっておったのならば、「郵便振替」とするのではなしに、カッコ書きを、これを抹消する、除くというのが性格的に正しいんではないかというふうに思うんですけれども、その点を、なぜこの「貯金」だけ削ったのか。削ったことによって性格的にどう変わったか。私の意見としては、「郵便振替貯金」の「貯金」を削るならば、このカッコ書きの中全部を削除すべきではないか、こういうふうに思うんですけれども、その点をお聞きします。
  38. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 今回の法案が通りますれば、郵便振替貯金には利子がつかなくなりますので、郵便振替が純然たる送金手段並びに貸借の決済手段の本来の姿に立ち返るわけでございまして、そういう意味で、郵便振替貯金でなく、郵便振替というふうに、貯金の性格を払拭いたしたわけであります。そういう考え方から、この仰せの条項の貯金を削ったのでありますが、しかし、郵便振替貯金といいましても、郵便振替と申しましても、性格的には、ただいま申し上げましたとおり、大変革を来たしたわけでございますが、資金が滞留するというふうなことは、貯金という名前がある場合も、ない場合も同じでございまして、その資金を有効に運用いたしまして、できるだけ料金のほうを下げていくというふうな考え方から、なお貯金時代と同じように、資金運用部に預託することで運用してまいりたい、こういうので、「貯金」だけを削った次第でございます。
  39. 横川正市

    ○横川正市君 郵政大臣にお伺いいたしますが、この貯金特別会計法の法律及び施行法、それから運用資金法、この三つをずっと関連して見ますと、あなたと大蔵大臣との間に協議をいたさねばならない問題、たとえば歳入歳出予定細目明細書、これについては、「目の細分については、郵政大臣が大蔵大臣に協議して定める。」、それから第七条に、「郵政大臣が大蔵大臣と協議して定める。」、いわゆる協議という点では、こういうふうなこの定め方を施行令で行なっております。郵便貯金特別会計法の借り入れ金のところへ来ますと、十二条の二に、「郵便貯金の事業に要する経費財源に充てるため必要があるときは、この会計の負担において借入金をすることができる。」「前項の規定による借入金の限度額については、予算をもって国会の議決を経なければならない。」、これは十二条の二です。それから、余裕金の項の、十七条ですが、「資金運用資金法第二条第一項の規定により預託する場合を除く外、この会計の余裕金を資金運用部に預託することができる。」、すなわち、これは余裕金の取り扱いについてまあ規定されているわけです。こういう規定と、運用資金法の第三条、ここには「政府の特別会計の余裕金は、資金運用部への預託の方法による外、運用してはならない。但し、国債整理基金特別会計において国債を保有する場合は、この限りでない。」等々の取りきめがあるわけです。この取りきめの中で非常にふしぎに思うのは、郵政大臣と大蔵大臣との間でこの種の問題についてどういう協議をしたかを、衆議院、参議院の速記録をのぞいて十分調べてみたんですが、ほとんどその細部について、あなたの答弁、それから実際のこの種の協議についての参加ということが明確にされておらないわけですが、就任されてから、まあすでに相当日時がたっておるわけですけれども、この資金運用ないしは貯金特別会計の問題について、大蔵大臣との間にどういう折衝をいままで持たれたか、その点をひとつ、これはぜひ必要ですから克明にお願いいたしたいと思います。
  40. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 事実、法令の上で大蔵大臣との協議その他の規定をされておるのは、かなり私自身も、一つ一つについて詳しい知識を持っておりませんけれども、ややこしいなという感じはいたすのであります。ただ、それが現在の財政法、会計法によって、それぞれ同じような種類のものについて同じように規律をされております。したがいまして、貯金全体の問題等について、また、このたびの国会に当初いろいろの法案等を考えまする際に、大蔵大臣と話し合いをしたことはございまするが、御指摘の、それぞれの条文についての協議等について、私が事実上、形の上では――おそらく、それぞれの場合で、郵政大臣と大蔵大臣との間で協議のあったことに、事実上、形の上ではなっていることと思いまするが、私と大蔵大臣が直接にお話し合いをいたしたということはございませんので、特に申し上げる点はございません。もし政府委員から申し上げることがあれば申し上げさせることにいたします。
  41. 横川正市

    ○横川正市君 私は、この種の案件はもう相当長期に国会で審議をされて、それで、その場合に一番目立った答弁をされている――速記録はこれはいま持っておりませんから、速記録を見ていただければわかりますが、大蔵大臣権限の問題で、国家公務員共済組合法制定当時の国会審議の中で、大蔵大臣の権限事項に関する取りきめが相当たくさんありました。そのたくさんあった取りきめの中で、たとえば共済組合資金運用等について、大蔵大臣と郵政大臣とが協議しなければならぬというような項目が随所に出てまいりまして、一体、単位共済のときに、それほどに大蔵大臣の権限が強化されることでいいかどうか、この点を、当時の大蔵大臣が佐藤総理大臣、郵政大臣が田中いま自民党幹事長という方々であったときに、この点を審議をいたしたわけです。その審議に参加をされた方もいるわけですね。そのときの大蔵大臣の答弁は、この資金運用については、十分担当大臣の意思というものを尊重して、いわゆる大臣に上下がないのだから、当然その取り扱い大臣の意思というものをそんたくしてきめていきたいという答弁があって、私どもは、大蔵大臣のいわゆる所掌する権限については、これはいまあなたが言われたように、実は逆な意味でとっているわけなんです。この貯金法あるいは貯金特別会計法、資金運用資金法というものを見ますと、それから、いまの郡郵政大臣の答弁を聞きますと、私の印象からすれば、取り扱いの担当大臣の郡郵政大臣がもっと主体的な立場というものを持つべきではないかと判断をするわけです。そのために、貯金特別会計法、同施行令によれば、あなたというか、あなたが先になっているわけですね――郵政大臣と大蔵大臣が協議してこれはきめると、こういうふうになっているわけなんです。法律の施行上の精神からいけば、実はあなたが主導的な立場にあって、大蔵大臣はそれを受けて、預けられた金の運用だけは向こうが現在行なう、こういうことになっているんだと思うのでありますけれども、その点は郡郵政大臣の御認識はどういうふうに持っておられますか。
  42. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 横川さんのおっしゃるとおりだと思います。これはいずれ御審議を願う他の法律関係でございまするけれども、放送法において、教育に関しても、どこまでも郵政大臣が主管大臣であり、必要に応じて、また文部大臣と事実上の協議はございましょう、法律上は書いてございませんが。したがいまして、貯金等につきましても、もちろん郵政大臣が主管大臣であり、そして必要な協議をしてまいるということは、おっしゃるとおりでございます。
  43. 横川正市

    ○横川正市君 そこで問題は、前段の答弁とあなたのいまの答弁との間に、私どもは納得しがたいものがあるわけです。ことにわれわれは、日常の郵政の、いわば社会人として、いろいろな面からの取り扱いを見た場合と、それから大蔵省関係の方々の取り扱いを比較して見たときに、実は非常に差があるんじゃないかという、これはひがみでなしに、率直にそういう差を認めています。というのは、何も権限がどうこうというのではなしに、正当なものをなぜ正当に運用できないのか、法の運用はできないのかという、実は疑問を持っているわけなんです。そういう意味合いから、法律の細部を読んでみますと、もっと郵政大臣の発言が資金運用に関する限りは、大蔵大臣よりか上というか、いわゆる主導的な立場というものをとるべきじゃないだろうか、こういうふうに実は判断をいたしておるわけであります。  そこで、いま再度聞いておかなければならぬのは、この種の取り扱いについて、大蔵大臣はあなたのところに相談に来るのですか。あなたが大蔵大臣に相談を持ちかけて意見を聞くという立場をとっておられるのですか。日常の運用上のまあ何というか、力といいますか、そういったものについては、どうされておりますか。
  44. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) おっしゃるようにでございますね、貯金については、たとえば四十一年度の予算の折衝をいたしまするときに、財投がどうだこうだと言うたって、そのもとを、原資をこしらえておるのは郵政省なんだと、したがって、その要望というものは当然満たしていかにゃならぬようなかけ合いは、事実そういう際にはございました。ただ、いま御指摘のお尋ねの点は、協議になります――協議という具体的な法令上の点になりますると、これは郵政事務当局が主になって、そうして大蔵事務当局と折衝をいたしておる。したがって、大臣同士の折衝というのは別にございません。書類としても、私のところまでは出てまいりません。
  45. 横川正市

    ○横川正市君 結局、運用資金法の第一条の目的の中に、「資金運用部特別会計の積立金及び余裕金を資金運用資金として統合管理し、その資金を確実且つ有利な方法で運用することにより、公共の利益の増進に寄与せしめることを目的とする。」という、この資金運用資金法の目的のためにこの貯金特別会計と、それから同施行令によるところの郵政大臣と大蔵大臣との協議ということがあるのだと、こういうふうに考えられる節があるわけですが、さようにお考えでしょうか。
  46. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) そうでございますね、私自身は、この運用については、もっと自主的なものにしてまいりたい、こうした希望は持っております。このたびのいろいろ法案をお願いいたしましたその機会にあわせてという解決はできませんでしたが、この次に郵政省としていたさなければならない点はそういう点だと思います。ただ、基本的に何と申しまするか、そうした運用についての、これは私というのではなく、何か国全体の国庫統一という思想でございますね、これが一つの思想としてそういう資金運用に流れておる。しかしながら、私ども同時に、この貯金についての特殊性というものは十分主張をいたす理由を私ども持っております。したがいまして、おっしゃるように、そうした全体の運用という点から一つの原則は出ておりまするけれども、それに対しまして、将来は私は主張すべきものは主張する、また、法律についても改めるべき一それこそ、その点になるとかけ合いごとになりますが、これはいたさなければならぬ問題が残っておると思います。
  47. 横川正市

    ○横川正市君 非常に残念に思うことは、郡さん、あなたが大臣やめられて、たとえば郵政委員になってこられると――これはもういままでの歴代大臣が大臣のときはあなたと同じ答弁をするのです。ですから、もうこれは何回か審議をされたわけなんだけれども、その何回か審議されたときに返事をしているのは、みんなそういう返事なんですよ。いまの幹事長の田中さんなんかは、もっと積極的に、部分的に、いわゆる段階的に資金運用郵政省に移管をするようなことは考えてもいいということをここで答弁されて、さて大蔵大臣になったら、いわゆる、この資金法による統合管理の中に入っちゃうわけですね。そこで問題が残ってくるのは二つあると思うのですよ。一つは、零細な預金をしている国民の立場をどうやって守っていくかという、いわゆる事業本来の目的です。それから、それを運営するためには、いわゆる貯金部門のサービスの改善その他をどうするかという問題が残ってくるわけですね。相手側に持っていかれるのだから、あてがいぶちでやればいいでは、実は預けてくれた国民の、預金者に対する私は郵政省としての分は立たぬと思う。その点を郵政大臣としては、これはあてがいぶちだからしかたがないのか、もうこれは政治政策上の問題ですから明確にしていただきたいと思うのですが、今日の段階よりか、さらにひとつ、その点を重点を置いてやられるつもりかどうか、お聞きしたいと思う。
  48. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 今後の重点は私はそこにあると思います。現在確かに郵便貯金の会計は剰余金を出してきております。しかしながら、経営費等がだんだんかさんでまいりますと、また一瞬のような逆ざやになってくるのじゃないかというような私は心配をいたします。したがって、今持っている剰余金は大事な剰余金だなというように、一方では利用者に便益をはかっていくと同時に、これからの  いまのところはとにかく順調な経過をとっているけれども、しかし二、三年先、だんだん利ざやが狭まってきておる状態というのは、郵政省としてはもっと気をつけてもらわなければいかぬなという問題を私は感じております。それから、事実、郵便貯金の何というか、一つ考え方として、公庫みたいなものをこしらえて、そこは利用者の御便宜もはかろうし、また、郵政省の立場もはっきりいたそうというような私、希望を持ちました。ただ、そのときに、もっと利子運用ということを強く出すような色彩の法律にすべきじゃないか、どうも中途はんぱじゃないか、実は、ほんとうのところを申しますと、私と大蔵大臣が去年の秋ごろからかなり談判をいたしておりました重点は、むしろ、そこに私は置いておりました。横川ざんのおっしゃるように、確かに歴代の郵政大臣が考えなければいけない問題はそこにあると思います。ただ、弁解をいたすようでありまするが、話が途中になりましたのは、実を申しますと、郵便法、放送法、電波法の一連の法律を私自身も考えていました。そのためにやや手一ぱいでございました。大蔵大臣とかなり談判をし、これは、いまの総理大臣は大蔵大臣も最近やったが、その前は郵政大臣なんだから、両方の経験はあるのだから、ここへ持っていって論じ合わなければ、ちょっとらちはあくまいが、それほどの大問題だと言い合った経過は、去年の秋ごろかなりあるのであります。したがいまして、私はおっしゃるように解決をしなければならない問題を解決せずにおりますることは、まことに申しわけなく思っております。私自身は、十分問題の所在なり、それから、それへの情熱というのは持っておるつもりでございます。ある意味では、郵政省といたしまして、このたびの国会で御審議を願う諸法案によって懸案の一部は解決したと思いまするから、これから先には、そうした点について、貯金そのものは将来全体がどうなるかというようなことを考えながら、問題に取っ組んでまいることがほんとうに必要だと思います。そういう意味合いで、横川委員のおっしゃったこと、私も深く同感をいたしております。
  49. 横川正市

    ○横川正市君 そこで、先ほどの第一問でお尋ねをしたように、「郵便振替」と、「貯金」の文字を削ったというのは、これは答申の性格もありますし、衆議院の附帯決議等もありますし、いろいろと論議をされた趣旨からいきますと、実際にはカッコ書きを除くというのが手始めとしてやられなければならなかった問題だと思うんですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
  50. 永岡光治

    永岡光治君 その答弁の前にちょっとさきの問題で関連の質問があります。  いま横川委員から、大蔵省資金運用部と郵政省との関連について質問をして、その主体性と申しますか、自主性の問題について、特に強い要望があって、それに対して大臣から答弁があったわけです。これは従来からも、長い間の本委員会の問題であったわけですけれども郵政省にその運用権を持ってきたいというその希望、それはだれしも事業関係しておる人は持つだろうと私は思うんです。とりわけ、最高の責任の頂点にある大臣としては当然だと思うのですが、これは文章やことばの上でどう表現しようとも、そのことだけで私は解決する問題では実はないと思うのです。なぜそれでは郵政省に返ってこないのか、返らないのかという、その点を深くPRをしなければ世論の支持を得ることにならないと思うんです。同じ政府の運用なのに、資金運用部よりは郵政省のほうが有利なんだと、なぜ有利なんだと、こういう点が有利なんだと、そのことを、それは募集の面も含めまして、あるいは預金者の立場を擁護するという面から考えまして、大蔵省資金運用部で運用するよりは、郵政の独自の立場で運用したほろが、かくかくの利点があるし、これが預金者のためになるんだという大義名分を立てた主張でないと、なかなかこれは返ってくる問題では私はないと思います。そこで、そういう点について、これを機会に、ぜひひとつ大いに御奮発をしていただいて、せっかく大蔵大臣とそこまで話をしてきておるのであれば、この次の年度には必ずこれは実るように特段とお願いをしておきたいと思うんですが、それらの何と申しますか、PRの方法と申しますか、これは貯金局長からPRをしなければならぬ、料金調整問題についてもPRが足りないということを言っており、ましたが、どうもやっぱりPRがへただと私は思うんですね。ただ郵便局の前に掲示したというだけでは、これはほんとうの意味のPRにならないと思うんです。もう少し、何と申しますか、会社といいますか、会社的な考えと申しますか、そういう意味でのコマーシャルで考えるというようなPRというものができないものだろうかどうだろうかということをよく私は感ずるわけでありますが、資金部等の問題も、これは国民の世論が特に私必要だと思いますし、また、その時期も来ておると思いますので、その大義名分を堂々と当てた主張をこの際お願いをし、PRをあわせてしていただきたいと思いますが、これはむしろ要望になるかもしれませんけれども、できれば大臣のお考えをこの際聞かしていただきたいと思います。
  51. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 初めの横川さんのお話の点の「郵便振替を含む」の点は、これは率直に申しまして、秋ここにあまり気づきませんでした。なるほど、ここで一つ一城一郭をおとしいれていく手があったなという感じがいたしております。これは私自身が気づかない点だと率直に申し上げます。  それから、ただいまの永岡さんのおっしゃるPRの点でございますが、これは確かに大蔵大臣と話をしますときも、ほかの問題よりこれへの抵抗はぴしゃっとまいります。それでございますから、彼自身もよく問題が重大な問題であることを知っております。したがいまして、やはりこれは確かにはたのほうから  とにかく、これだけ郵便貯金の零細なものを集めまして、そうして国民全体の大衆とのつながりということかう、ある意味では、政府の中でもいろいろPRも必要なんじゃないだろうか。これは冗談でお許しを願いたいのございますが、私は郵政省の役人の諸君に、自治省と大蔵省とけんかするときなどは、ずいぶんはでな、いろいろ新聞を使いましたりPRをやりました。で、先に大義名分のほうをやっておって、ねらいはあとから出すことをよくやりまして、これはそのような意味合いのやり方をやっていってみないと――ことしこれは感じたのでありますが、公庫の問題を出しましたあのときに、いきなり公庫という形をあの程度で出しましたのでは、どうも力が足りませんでした、率直に申しまして。それでございますから、私はこれはもっと大がかりにひとつ あらかじめねらいはそこに置いて、大義名分を大きく立ててのPRということをやってみたいと思います。それで、ただし、私もいい知恵が、貯金についてのPRなり戦術をどうしたらいいか、私も、あまり自分自身知恵がございませんので、ただ永岡さんのおっしゃるような感じが、私は省内でも申しているようなふうであります。ひとつ真剣に考えさしていただきます。
  52. 横川正市

    ○横川正市君 私は、永岡さんの意見だけれども、単なるPRじゃ実はないと思っているのですよ。これは根本的な姿勢の問題だ。それで、私の感じからすれば、郵政の皆さんは、まあ何というかね、なれ過ぎているのじゃないかと思うのですね、現状に。メィファーズというところですね、大蔵省には。どうもやってみてもしようがない、だから、中だけで何とかうまくやっていこうということで、二重、三重に苦労をしているのじゃないかと思います。いま大臣が言ったのだから、いまからでもこれはおそくないのですが、この振替貯金の「郵便振替」カッコ書き削除、どうですか。われわれは与党さえうんと言えば、ここで削除大賛成なんですが、どうですか。
  53. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) これはただいまもうすでに御提案申し上げている現状におきましては、この点は私はとにかくただいま御審議願っている中身でひとつ御承認をいただきたい、こういうぐあいにお願いをいたす次第でございます。
  54. 横川正市

    ○横川正市君 それならもっと段階的にでもいいから、言ってみれば、貯金の一線でもって仕事をしている者のしやすいように、それからサービスが完全に行き届くように、それから、もっと言ってみれば、総体的な国民へのサービスがそのことによって増大するように、もっと郵政大臣から、きょうははっきりと、こうしますと、これから努力して、結果は、これは努力したというあとがあれば、私は実際認めますよ。とにかく、ここではおざなりに言っているけれども、あとは一向に努力しないのでね。これはもう政治責任の問題で、郵政大臣をやめられてここにすわられても責任を追及するという意味で、ひとつ明確に答弁をしていただきたいと思うのです。
  55. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 郵政省といたしましても問題がむずかしいから見過ごしているというのでは私はないだろうと思います。郵政省の部内でもそれぞれいろいろな戦術は考えていると思います。私、よくそれをさっそく尋ねまして、そうして省として必要な措置をほんとうにとるようにいたすことを申し上げておきます。
  56. 横川正市

    ○横川正市君 そこで大臣に、きのう参加をされているのじゃないかと思いますから、この際ちょっと関連してお聞きをいたしておきますが、沖縄の住民に対する戦前の貯金の早期支払いを開始すべきであると、何かあなたのほうの党が決定して、きのうの九時のニュースで報道されておりました。その取り扱いは、現実的には郵政省と相談をされてやられたのではないかと思うのですが、そのいきさつをちょっと説明していただきたいと思います。
  57. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) すでに本国会におきましても、沖縄の郵便貯金の問題は早くから取り上げられており、したがいまして、私自身としても、そのときもお答えをいたしたのでありますが、七千九百万円というものが郵便貯金だけで残っておる。これが全く他に類のない不可抗力によって支払いすることができずに、したがいまして、特別会計自身といたしましては、すでに提案をしておる見舞い金、手数料というような考え方というものが、理屈のあるものであろうけれども、それでは、この沖繩という非常に特殊な事情に対しては、納得を得るのに、また一円一ドルという御要求もそれは無理であり、そのために、いままで停とんしておったのもわかるけれども、しかしながら、もっと何かいい、もう少し見舞い金をよけい出せるという方法でこちらから提案をいたしたい。総務長官のほうにもそういうような形で、私のほうは前向きにものを考えたい、ただ、同時に、特別会計でやっておるのだから、一般の預金者の利益を考えますと、そうとっぴなことはできない、そういう含みのもとに交渉をむしろ積極的にしていこうじゃないかということは、私からも総務長官に話をいたしておったのであります。その後、沖縄の立法院の諸君も参りまして、これらの諸君も抽象的でありまするが、無理のないものの言い方をしております。したがいまして、まあ率直に申して、一般会計からでも出すようなことを考えれば、これは問題は解決は簡単でございますけれども、そこにはなかなか理屈としても無理な点もあろうと思います。しかし、私どものほうでは、民法上の延滞利子から利息を差し引いたものでは、これは無理で、定額貯金の一番高いところを押えてみたらどんなものであろうか、幾つか案は出てまいります。なかなか話のそれでつくのだという案はすぐは出てまいりますまいけれども、そのような意味合いで事柄を前進してまいろうじゃないかということについては、私として熱意を持ち、すみやかに解決するということで、関係省、関係大臣を督励をいたしておるという状態でございます。
  58. 横川正市

    ○横川正市君 これは国内にも関連のある問題で、私どもはその点で、たとえば保険なんかの契約金については、その後の貨幣価値の変動による保障、年金の支払いに対する保障等の問題も出て、非常にむずかしい問題だと思うのですよ。その場合に、戦前の預金に対して現在払われるとすれば、その後の預金高に対する利子計算方式によって出た金額を、これをまずひとつ定められるのかどうか。それから、その支払いは、いわば貯金会計から支払うのかどうか。支払い先は、これは個人なのか、それとも、別途何らかの方法がとられるのか。これは見舞い金などというのはちょっとけしからぬと私は思うのですけれども、それはどういう方法なのか、大体検討の柱というのはどこに重点を置いてお考えでありますか。
  59. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 私は、数字のことでありますから、政府委員から申し上げますが、私のほうで七千九百万と申し上げましたのは、一応利子を見て、そして現在で残っております元金に利子を見たものが七千九百万だというように私承知をして、大体頭に置いております。そして、それに対して、何と言うても、全く特殊の事情であるから、いま横川さん問題があるとおっしゃいましたが、やはり特別会計ということを前提として考えますと、手数料は別として、見舞い金というような形で、しかも、もう少し延滞利子というような、民法の延滞利子をここへ援用してまいった理屈がどういうことかと思いますが、私は、見舞い金というような形でそういうものを出すならば、それをもう少しよけいに見るというようなことは、特別会計のたてまえの中で考えてよろしいのじゃないだろうか。しかし、国会等で御議論になりますような非常に大きい、そんなものでは問題にならぬという御要求になりますと、どうも一般の預金者の保護という点からいかがなものであろうか、そういう御答弁を続けておるのでありまして、そうした私どもの姿勢を持ちながら、いま、ことに沖縄の関係は総務長官のところで窓口をいたしている関係もあり、それらのところと話をいたし、また、私自身も、したがって、何か感じで、こちらの考え方が誤り伝えられないような注意は、先般おいでになった立法院の諸君にもよく話をしており、そして郵政省でさらにいろいろな案をいま考えさしております。
  60. 横川正市

    ○横川正市君 まあ、いろいろな解決の方法があるというような言われ方ですが、それならば、立法院の方々は具体的な内容をもってこの解決方を要請されたわけですか。そうすると、その内容はどういう内容で向こうから要求されたのか、その内容をちょっと御説明いただきたい。
  61. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 私のところへ見えましたときは、具体的なことは申しておられませんでした。ただ、おのずからいままでの経過、長引いたことは私のほうでも決して本意なんじゃないんだということは申しました。で、それに対して先方から、特に私が指摘はいたしませんでしたが、一円一ドルというようなことは言いはしましたが、そういう点には私どもこだわっておりませんと、ただ何とか早く解決をいたしたいということでありますということで、こうしてほしいというようなことは一つも言われませんでした。ただ、むしろ、これから相談を密にしたいと、もう郵政大臣とお話をすることであるけれども、同時に、自分のほうでは総理府でもものを扱っているところもあるし、ひとつこれからはっきりと話し合いをしたい。それで、その話し合いの、先方の考え方というのは立法院の諸君は別に持ってこられなかったようであります。しばらく長い話をいたしましたが、一つも中身には触れられておりませんでした。
  62. 横川正市

    ○横川正市君 たてまえ上からいくと、たとえば施政権返還前ではあるけれども、社会保障その他経済援助については、日本は積極的な姿勢をとっているわけですね。ただ、まあ貯金特別会計の事務上のたてまえからすれば、これはおのずと解決の案というのは非常に数字的に明確になるんじゃないかという考え方をするわけなんですけれども、その場合でも、現行計算上出た数字では、どうもあまりよい結果としての答えにはならないから、幾らかでもプラスアルファをつけて、そのプラスアルファについては、これは特別会計で支弁をするのがたてまえではないかというふうにお考えになっているわけですか、その点がちょっとあいまいなんですが。
  63. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) その延滞利子から利子を差し引いたものを見舞い金に出すという話をして、あるいは、その延滞利子に当たるところを据え置き貯金の利子にしたらどんなものであろうかと、据え置き貯金の利子も変わってきておりますが、終戦から今日まで。それを引き出さなかったんだから、そのうちの一番高いので見てあげるというようなことは、理屈がつくんじゃないだろうか、特別会計でもこれはもっと検討いたさなきゃいけません。しかし、据え置き貯金の貯金の利子にしたらどのくらいであろう。その間の据え置き貯金の一番高い利子で考えてあげたらどうであろうか、その程度のことでございますし、したがって、その程度のことで先方が納得いたしますやらどうやらということは、私ども疑問を持っておりますけれども、しかし、私ども考え方としては、その程度で現在のところどうも出ないぞということは、これは関係省等にはあらかじめ話はいたしております。
  64. 横川正市

    ○横川正市君 大体そういうあれになるんじゃないかと思いますが、大体いつごろにそれに対する目安をつけて検討されるわけですか、まあ、できるだけこれは早いということがたてまえですが。
  65. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) これは役所の者に、ひとつよく関係省との間に話をしろということを言うておりまして、まだその報告を聞いておりません。しかし、ですから、ひとつこの問題だけでなく、沖縄との関係で、一ぺん関係大臣の間でも集まって、別にこれを解決するということでなしに、集まってみようじゃないかということを言いながら、まだいたしておりませんし、私としては、早く事務当局の間で一応これ以上は考えられぬぞとか、まあ私が申した以外に知恵があれば知恵を出してみるということを、ひとつやはり部内だけでなく、関係省の間でかけ合わせまして、その上で、早急に関係大臣の一ぺん会合はいたしたいと思います。
  66. 横川正市

    ○横川正市君 次に、貯金会計は従来からの赤字経理、決済を脱却をして、余裕金を持つようになった。しかし、細部について一体赤字か赤字でないか、あるいは余裕金がほんとうに出たか出ないかということは、相当論議の余地のある問題だと思うのです。一つ例をとれば、たとえば貯金特別会計から建設資金として幾ら出しておるのかということを聞いたら、三十六億という話ですけれども、一万数千の窓口の大半、これは貯金が主になって使っておるというような事情の中で、一体、窓口改善費というものは幾ら貯金会計で持てばいいかということも一つ問題だと思う。貯金特別会計は郵便特別会計におんぶされていて、いまはいわば支局関係だけであまり手は出したくないという会計の独善性というものは、実はこれは私は払拭するべきだというふうに思っておるわけです。だから、三十六億が妥当か妥当でないかは、これはまた検討の余地があると思います、そういう意味では。それから衆議院の速記録でだいぶ問題になりました通知書、告知書等の通信事務無料はがき郵便の取り扱い、こういういろいろなものが便利機関を持っておるから、そいつにただでおぶさっておいて、そうして黒字だと言われておる。実は私は、その意味から言っても、黒字だというふうには考えない。それからもう一つ問題なのが、借り入れ金で会計の始末をつけて黒字にようやくなった。そこで一体、累積した借り入れ金は、余裕金との間にどういう関係を持っているのだ。法的なものでなしに、大蔵省郵政省との間の何か口約束みたいなものであっちゃ、これはたいへんだと思うんですよ。その会計が赤字を出したというのは、何もそれは経営上の不始末じゃなかったと思う。相当、経理その他については節約をしながら、なおかつ周囲の情勢、いわゆる金融機関その他の情勢によって赤字が出たと判断されるわけです。ことに人件費の増高等があって。だから、そういう意味では、一体、この借り入れ金と余裕金との関係については、これは現状どうなっておって、将来これについて何らの支障というものは起こらない状態なのかどうか、こういった点はどういうことになっておるのか、説明していただきたい。
  67. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 詳細は政府委員から申し上げますが、私は私自身、実際のとにかく累積した赤字があった、それを一応解決した、その後、確かに好転はいたしておる、しかし、どう見ても、先ほどもちょっと申し上げましたが、次第に利ざやが狭まってまいる、逆ざやにならないことの保証はできない。そうすると、ただいまちょっと余裕金の出ておる現状というものは、これは私、できる限り窓口の改善だとか、窓口事務の機械化というほうに充てたいと思います。思いますが、そうした三年とか五年とかいう計画よりも、もっと長い郵便貯金の一体見通しをどういうぐあいにつけるべきであろうかということは、すでに部内にも指図をいたしております。そうして私は、経営費がやや増加の形をしてきておりますが、これは平準化する状態であり、そう大きい利ざやは出ないが、とにかく利ざやが出てやっていけるという状態で見通しがつけ得るのじゃないか、しかし、私自身それが楽観に過ぎやせぬか、やや十分な自信を持っておりません。これは私自身もひとつ部下を督励して、もう少しよく見てみることにいたします。私は部下にいま言っておりますことは、あまり、一年一年のことを見ておるが、もう少し長期でものを見ないと少しきりが悪いぞということを率直に申しております。
  68. 横川正市

    ○横川正市君 大臣の答弁で、そういう答弁なんですが、もっと根本問題があるんじゃないですか。この答申にも出ていますように、公共事業というものが立ちおくれているのは、これは一般的日本の社会情勢の共通点なんですが、しかし、その共通点の中でも、郵便事業というのはもう異常なおくれをとっているという判断をされているわけですね。最近の論評なんかを見ますと、たとえば郵便関係取り扱いの業務についても、これはもう何といいますか、料金改定とかサービスの部分改定だとかというようなものではなくて、その以前の根本問題が未解決のまま今日になっておって、もう収拾がつかないという判断さえついているわけですよ。だから、それはどう抜本的な解決策を持つかという段階に私は来ていると思うのです。それから、この貯金関係も、言ってみますと、まあ金融機関は何も独占事業じゃありませんから、いろいろな競合している点があるわけです。もし、いまの状態でこの郵政の貯金業務というものの存在価値というのは一体何なんだと、こう問われて、その特徴をあげるとすれば一体何ですか。これはもう山間僻地まで窓口を持っているという以外に、たとえば振替にしたって、取り扱い日数は一週間から十日などという、いまのような一日、一時間を争う、金利の問題でもう異常な窓口を争う、いわゆるサービス争いをするような時代に、このままでいいかと言えば、だれもがこれはこのままでいいなんと言う人はいないと思うのです。それじゃ、どう解決するか――私は、最近、NHKの計算機のシステムを見てきましたが、まあ言ってみれば、郵政本省にああいったものが一つ置かれて、一万六千の窓口のその日の日報が全部電子計算機に入ってくるように設備をされるならば、こんなものは六日とか十日なんというものはたちまちに解消する。そういうものを備えつけるだけの設備の意欲がいまあるかと言ったら、ないようですね、実際には。もっと窓口をたくさん持たなければいかぬと言うが、その窓口だって、いまどうですか。非常に経営状態、いわゆる経済的にいえば効率のあがらないところは窓口はできますけれども、経済的に効率のあがると思われるような都市の窓口というのは減少する傾向があるのですよ。これを、金にいとめをつけずとは言いませんけれども、こういう窓口をどう切り開いて郵政のいわゆるサービスの拡大をはかっていくかなんということにしたって、何にもいまのところ、これはあまり目新しい意欲というものが見当たらない。そうなってくると、今日のこの企業の段階で私どもが要望するのは、理想論と言われないまでも、現実的に何か手を打つ必要があるのではないかと、こういうふうに言われてきているのが、現状の批判だと思うのです、企業全体に対して。その解決への一つの糸口みたいなものをどこへ求めるかと、私はこういうふうに思うのです。たとえば、この座談会の中で  為替貯金業務の近代化に対する答申をめぐっての座談会の中で、浦島さんが、これは部内の先輩ですから非常にいいことを言っているわけですが、この取り扱いその他の件数からいきますと、一年の取り扱い件数は五億四千万件ですか、しかも、その取り扱い金額は七兆円にも達しておるという、それだけの巨額のものを、提案としては、窓口で取り扱ったその時点から運用されて、利殖の対象とすれば、一体どうなるのか。それから、これはいま何か段階的に一つの利子の相対的な金額として運用されておるようですけれども、そういう改善はどうか。これなんかは少しいじることによって、私はもっと相当高度な設備強化をやっても、全くだれにも迷惑をかけないで、相当な資金郵政省は保有することができるのじゃないか、そういう点も指摘をされているわけなんですけれども、これらに対して、大臣はどうですか、もっと意欲的に姿勢というものを前向きにする必要があるのじゃないですか。
  69. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 専門家の方に私が言うのはおかしいようですけれども、私もこういうことを言うとなんですが、郵便貯金の関係のお集まりの方に、確かに窓口の数が多くて、そうして、とにかく国の貯金だということで国民が信頼していてくれる、それだけの特徴を生かしていないじゃないか、一つも。金がないからなかなか機械化も進まないのですが、窓口の事務の機械化がまだ自信の持てるものでないとか、いろいろございますけれども、とにかく、いまいたそうとしていることは、横川さんのおっしゃったような意味合いにおいて、少しでも早く具体化していくために一歩一歩進んでいく、しかし、それにしても全体への意欲というものはもっとかき立てる必要があると思います。やや、私は、郵政当局にしても少し惰性になれているということは率直に反省しなければいけないと思います。
  70. 横川正市

    ○横川正市君 これは反省してもらうことはいいのですが、具体的にこれは事務的にはできないのですか。たとえば、窓口で取り扱った歳入金を事実上金利の対象としていつから運用するか、こういう点について具体的な検討をしてみて、これは不可能だった、これは大体可能だというふうに区分して検討してみたのじゃないかと思いますが、事務当局では、その検討の結果、どういう結論が出ているのですか。
  71. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 資金の問題でございますが、やはりこれは窓口に資金が入りましてから、すぐ運用するということはできないのでございまして、それは正規のルートで経理局の主任繰りかえ払い等出納官吏と、貯金局の歳入歳出外現金出納官吏との間で資金の決済をいたしまして、はっきりさせてからでないと運用はできない、こういうふうに考えております。
  72. 横川正市

    ○横川正市君 だから、歳入確認をもっとてきぱきとやればいいでしょう。日計表に基づいてこいつを、何というか、郵便が非常におくれておるから、日計表を送っても届くのは三日も四日もかかって、事実上、自分のところの取り扱っているものが、そういうような関係で日計表がおくれて、そうして入った金の確認がおくれる、その点の改善は検討してみなかったのですか。
  73. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 郵便で証拠書等は送っておりますが、ただ、電報等で通知することも一部やっております。しかし、本筋は郵便でございますので、その点の日数はちょっと現在のところ、いかんともしがたいのでありますが、われわれは毎日毎日決済いたしまして、資金運用部のほうに金を預託いたしております。
  74. 田中一

    委員長田中一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  75. 田中一

    委員長田中一君) 速記をつけて。
  76. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 振替貯金法の一部改正について、ちょっと聞くのですよ。あまりたいしたことじゃないと思いますけれども、つまり、単刀直入に聞くわけなんですが、一体、今度の改正案が実施されることによって、国民が得になるのか損になるのか、この辺のところを具体的に数字をあげて明確に答えてもらいたい。   〔委員長退席、理事光村甚助君着席〕
  77. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) この点に関しましては、利子を廃止いたしますというふうな点からは、この利子の廃止によりまして、二億四千万浮きますので、それだけは国民にとってはマイナスということでございますが、御承知のとおり、振替貯金の利子は、実際上、残高が毎月の一番最低の金額に利子をつけておりますので、一カ月のうち一回でもゼロの日がございますれば、その月は利子がつかないというふうな利子計算でございますので、実際の利子は九厘何毛という程度の利子で、一口当たり三百八十八円程度の利子でございまして、こういう意味からは、国民の方々は、加入者の方々は三百八十八円の平均マイナスというふうなことに相なりますが、その裏と申しますか、今回のねらいの一つでございます、その原資をもちまして、料金の調整をやるわけでございますが、振替制度の最も中心的な業務は口座振替でございまして、これは日本では非常に普及がいたしておりません。諸外国では、振替の九〇%の件数はこの口座振替が占めておるというふうな状態でございまして、これはノーマルな姿でございますが、これは料金が三十円から十五円に下がります。そのほか、いままで払い込み、振り出し等、千円以下の区切りでございましたが、それを五百円以下の区切りにいたしまして、そこに安い料金を設定いたした。さらには、いろいろ問題もあろうかと思いますが、振替、振り出し断るいは小切手帳等の用紙を加入者の方々には、また、振替を使われる事業主その他の方々に無償でお配りするというふうなことを考えますれば、金銭的には、われわれの計算では国民にお損をかけない。これを契機といたしまして、さらに一そう振替制度が伸長いたしまして、この利便を国民が享受いたしますれば、かえって、今回の制度によりまして国民の経済生活が近代化し、さらには、いろいろな面で私生活におきましても、公生活におきましても、利便を得るというふうに確信をいたしております。
  78. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 こういう、つまり、何と申しますか、小型な改正を今日必要とする理由がわからないのです。やるならば、抜本的に全部こういうものは料金をなしにしたほうがよろしい。これは外国でもそうだということは、先ほど自民党も、同僚議員からも質問があったけれども、よその国ではみんな利子で料金をまかなうことができるようになっているので、どうしてこういう小型な、しかも、五百円以下は半額にするとは言っているが、おそらく、これから漸減していくであろう、おそらく、五百円の郵便振替なんというものは数が少なくなっていくであろう。しまいには、なくなっていくであろうというような見通しが予想されるような金額についてだけは、確かに減ってはいるが、こういう小出しの改正を今日必要とした理由がわからないのです。どこにあるのですか。
  79. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 先ほども申し上げましたとおり、口座振替、特に定期継続振替という制度が昨年実施をしていただいたわけでありますが、この制度の普及をやりたいというのが、今回の法改正一つの重要な項目でございます。定期継続振替によりまして、事業主と一般のわれわれが口座を持ちまして、口座間の振替だけでいろいろな料金を決済できるというふうな簡便な方法でありまして、このことによりまして、今後の集金制度、特に雇用難の今後叫ばれております集金制度等に大きな変革を与えていく。むしろ、そういう集金制度の変革に対しまして、われわれが即応していくというふうなところがねらいでございます。
  80. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 どうもそういうねらいのようにとれないので、再度質問するのですが、むしろ、これはやはり業務の合理化の一端として出された面のほうが強いのではないかという印象が払拭し切れないのですが、この点はどうですか。
  81. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 事業の合理化ということを目標にいたしまして今回の改正をお願いしたのではなく、結果的にはそういうことに、たとえば利子を廃止いたしますので、その方面の要員も要らなくなりますし、事務も非常に簡素化いたします点は大いにございますが、ねらいは、国民の方々に、せっかくこのいい近代的な制度を、御承知のとおり、諸外国では非常に普及いたしておりますので、それに比べまして、ほとんど微々たる現在の普及状況でございますので、せっかくのいい制度振替制度を先進国並みに持っていきたい、こういう点が第一のねらいでございます。
  82. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 ぼくはこれでやめますが、そういうねらいというか、そういう意欲というものが、この改正案から感じられるということは、とても私は想像さえできない。抜本的な方向をやろうというような意欲はちっとも見られないのだが、今後問題を残して私はこれで質問を終わります。
  83. 光村甚助

    ○理事(光村甚助君) 午後二時まで休憩します。    午後零時十八分休憩      ―――――・―――――    午後二時十二分開会
  84. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  委員異動について報告いたします。  本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。     ―――――――――――――
  85. 田中一

    委員長田中一君) 休憩前に引き続き、両案の質疑を行ないます。  貯金局長並びに政務次官にちょっと伺いますが、実は私、この振替貯金の利用者の一人として伺うわけなんですが、貯金局としていわゆるサービス、精神的なサービス、物質的なサービスと両方あると思います。そのサービスというものが一番顕著に、われわれが常に窓口なりどこなりでもって気がつくものというのは何です。どういうものがサービスになっておるんです。これは貯金局長でけっこうです。
  86. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) まず従業員の態度、それから窓口施設の充実程度、たとえば筆記台が新しいとか、型が古いとか、あるいはインクが十分であるとか、ペンが置いてあるとかいうふうなことじゃないかと思います。
  87. 田中一

    委員長田中一君) しかしそれはね、当然なことであって、これはたとえば民間にこれをやらした場合には、民間はもっとその点のサービスがいいかもわからない、これが民業ならば。しかし、それは当然のことだと思うんです。しかし、そういうことじゃなくて、私は今度のこの法律改正により金利がなくなったかわりに、振替用紙、払い込み用紙、払い出し用紙、小切手用紙などを、これは無料として提供するということは、これは貯金の利子がなくなったと、いわゆる貯金という性格のものから変わって、実際上の流通機構の一つの支払いとか、受け入れとかという点の機関にすぎなくなったから利子を払わぬ。そのかわり、その分に見合ったサービスとして、無料でそれを提供しようということなのですか。そうしてまた、これがどのくらいの、従来どくらいの額で、金額にして、予算にしてどのくらいの金額で、これが発行されておったんでしょうか。
  88. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 仰せのとおり、利子を廃止いたしまして、そのかわりと申しますか、料金の調整をやったのでございますが、そのほかに、払い込み書、払い出し書、小切手の用紙代金を無料にいたしまして、サービスにしたというようなわけでありまして、それぞれ一冊でございますが、いままで五十円いただいてきたわけであります。
  89. 田中一

    委員長田中一君) せんだって伺うと、大体要求に見合う準備をしておる。その準備には予算として千七百万程度のものを充当するつもりだということの答弁があったように記憶しておるのですが、このただというやつですね、ただというものが非常に魅力があるのでありまして、どのくらいの部数、従来販売している部数のほかに、無料なるがゆえにどれくらい増加するであろうという見込みを立てておりますか。
  90. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 従来は払い込み書、払い出し書、小切手を合わまして、官製が五十一万冊、私製が、払い込みと、払い出し書、合わせまして五十八万冊でございますが、もちろんこのウエートは、払い込み書に数が多いわけであります。で、利用増といたしましては二千四百冊を考えておりますが、そのほかに、現在私製しておるものが、無料になりましたので私製をやめるというふうなのが六万四千冊あるのじゃないかというふうに考えております。
  91. 田中一

    委員長田中一君) そうしますと、私製用紙五十八万冊、それから販売用紙が五十一万冊、無料になったから私製をやめて無料にくるものが五十八万から六万冊ぐらいくるであろう、こういう想定ですか。
  92. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) ただいま私製で五十八万冊と申し上げましたのは、移行する部分を除いておりまして、官製の五十一万冊というほうに移行する六万四千を含めております。
  93. 田中一

    委員長田中一君) 私はこれは無料というやつは、何といっても魅力があるのです、ただというのは。従来、われわれもこういう生活をしておりますと、ずいぶんいろいろな新聞とか、雑誌とかいろいろなものがありますね。寄付の申し込みというものが、大体において私製用紙をもって舞い込んでまいります。今度は無料になれば、これはそれに置きかえて、これは千通出して二つか三つ当たれば、これはもうしめたものです。それは二つか、三つ当たろうものなら、ますますこの無料用紙に依存してゴム判で一つの要領のものをぽんぽん押せばいいのです。そんな手間はあるものです。これは比較的健全でない団体なり、あるいは新聞社なり出版業者なり、雑誌業者だの、いろいろあります。そういうものがもうこの無料用紙に大きく傾いていくという危険は多分にあるのです。私自身が感ずる。たくさんのもの、そういう例示はたくさんできます。そうした場合に、これは一体どうするか。無料ということが法律できまる以上、窓口でその要求というものを、これはほんとうに必要か必要でないかということをセレクトすることはできないでしょう。そうして、それを一応の指導要綱で、あるいは行政指導で押えつけようとしても、もしかりに加入者が訴訟を起こすならば、必ずあなた方負けますよ。いままで新聞を千部出していた。たくさん来ますよ、いろいろ新聞が。それが今度は突然五千部ずつ、そういうものを毎月要求してきた。私は今度五千部出すのです、といったらどうにもならない。これをどんな形で行政指導して、一応予算に組んである枚数でこれを充足しようとするのか、その点の自信のほどを伺いたいのです。そうして利用者の心理というものを全然考えずに、一応の計算をしているんです。私、これは非常に危険だと思うのです。  もう一つ、小切手用紙を、これも無料だという。私はこれをいつも利用していますから言うんですが、先ほどあなたから借りたんですが、こんなりっぱな小切手用紙なんです。ちゃんと通し番号が印刷してあって、これは一覧払いの形なものですから、どこの郵便局でも、適当な判こを押せば必ず払います。これは一々原簿に照合してやるものじゃないですから、私のところから北海道に送って、これを送金したといえばおそらく通るでしょう。その場合、これはこういう何でもない小切手帳でしょう。小切手といっている。これはたしか一覧払いのはずですが、どうですか、その点は。
  94. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 小切手払いの件でございますが、これは小切手払い局の指定したところからおろしていただくことになりますので、その点はちょっと違うかと思います。
  95. 田中一

    委員長田中一君) 私のところへもこういうものを送ってくるんです。むろん指定局は指定してあります。ですから、そこへ取りにいけばいいわけですね。ところがこういうものは無料ですから、おそらく管理というものはおろそかになるはずです。これはいままで五十円でも四十円でも買ったものだ。これはいわゆるわれわれの考えている、一般市中銀行の小切手というものの価値というもの、これに対する信用度というものは、これは強いものです。どこでも通ります。ましてや国立銀行みたいな貯金局の預け入れのものですから、こういうものまでも無料とするということに対する将来起こるだろうと思う犯罪とか、あるいは犯罪までいかないでも何かの間違いですね、事故というものをどんなぐあいに想定していますか。それでもって銀行を調べてみたんです。銀行は小切手帳は五十円という金を払っています。金が高いとか安いとかというんじゃないんです、私の言っているのは。こういうものが――こういうりっぱな金票であるものが、ただでこれをもらって、だれかがこれを使うということになると、とんでもない問題が起きるわけです。かえって無料にしたがために事故が起きるんじゃないかという危険も多分に感ずるわけです。その点は、いままでどういう事故等があって、それでまた今後無料にしたために、扱い人の管理、注意力というものがおそらく減ってくるだろうと思うのですが、その点はどうですか。
  96. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) これまでの郵便小切手の不渡りの統計的なものは千枚のとき三枚というものが出ております。小切手の用紙全体の交付でございますが、省令にいろいろ書き込んで、ただいま委員長から、そういうことを書いても裁判すれば負けるというお話を伺ったのでありますが、一応われわれとしては用紙を請求されました場合には、請求理由をこちらに言ってもらって、それを適当と認めた場合に交付するとか、あるいは過去の用紙交付簿がございますので、過去の交付数から見まして過大であるかどうかも調べてみたり、それからまた当該加入者口座の受け入れ状況をも照らしたりいたしまして、乱発を防止するような指導をしたいと考えております。
  97. 田中一

    委員長田中一君) 無料というものは、どこまでもただなんです。法律でもって無料ときめれば行政指導で、君のところはいけませんと言えるものですか。それはあなたのほうで言えるというなら、そのほうの法制局かどこかに聞きたいと思うのですが、そういうことは強弁ですよ。窓口でもって、あなたのところには十枚しかあげられないとか何ということを窓口でもって折衝するということは、窓口の諸君がたまったものじゃありませんよ。そういう点をどう考えておるか。  もう一つの場合は、いま言うとおり、小切手の問題ですね。犯罪が起こるような機会を与えることは、これはよくないのです。そうしたことがあなた方が払い込み制度、郵便払い込み制度のサービスと心得ておるなら、大きな間違いです。そんなことよりも、われわれが銀行で預金一の受け入れ、払い戻しをするという場合に、これは無料でやってくれています。先ほどの質問を聞いてみると、それは手数料を取っておるのですか若干は、そういう場合には。だからそうした加入者自身の他に及ぼさないものに対するサービスはいいと思うのです。これはおそらく野方図でもなく、あなた方が法律改正してお客さんに迷惑をかけるようなことに……もし行政指導で、あれにやっちゃいけない、これにやっちゃいけない、たとえば、もうろう新聞なんかたくさんできて、それなんか、千部でも二千部でも無料のやつをぶち込んで郵送することがあるかもしれない。これは二つか三つか当たればいいのです。金を送ってくれば成功なんです。そういう方面に悪用されれば――私は経験があるからすぐ悪用されることを考えるのかもしれませんけれども、いままでは、ただでないから買っていましたが、悪用するような機会を与えてはいかぬ。そういうのは社会秩序の混乱ですよ。窓口でもって、よこせ、よこさないということがあってはならないと思うのです。どこまでも法律によるところのものは無料だ、ただで差し上げますということになる。そうして見ると、たいした準備をしておるのじゃないのです。ことに小切手などは無料でやるなんということは、ちょっと考えられないのですよ、実際。これは必要ですよ。何冊だって要求してくる。かりに百万円の預け金があった場合、これを五千円ずつよそに分配するかもわかりません。送金するかもわかりません。その場合、いけないとは言えないのです。百万なんというものはすぐに……何でもないですよ。一枚でも百万円になるし、五十枚でも百万円になるわけです。それがいけないとかいけるとかいうことは、あなた方が窓口で判断するのは間違いです。できようがないのです、そんなことは。その点どう思いますか、かえって職員を困らすばかりですよ、こういう制度は。
  98. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 小切手の件でございますが、これは現在月に二冊ぐらいが最高の販売事業者につきましての販売の状態でございますし、小切手を売ります局では受け払い簿がございますので、やはり実績を第一に尊重し、なおもちろん、実績ばかりではとっさの御入り用のこともあろうかと思いますが、その点は例外的には勘案していかなければならない、断わることはなるほどできない、かように思います。
  99. 永岡光治

    永岡光治君 関連。断わることできないのですか、やるのでも、やるときは有料じゃないのですから。やるときは、ただだというだけで要求があればめちゃくちゃに何ぼでもやるというわけじゃないのじゃないですか。ぼくはそういうふうに理解するのですが、その辺はどうですか。
  100. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 一応われわれのほうでは、先ほど申しましたような観点から、一ヵ月分の数量に限定いたしたいと思っております。
  101. 永岡光治

    永岡光治君 ですから、要求があればもう無尽蔵にやるという意味じゃなくて、ただやるときは有料じゃないですよというだけの規定じゃないですか。だからその判断はどうしても貯金局なり郵便局の窓口の判断によるのじゃないですか。私はそう理解しているのですが、どうなんですか。
  102. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) われわれも、そういう観点からこういう通達、省令の改正をやりたいと思っております。
  103. 横川正市

    ○横川正市君 関連。従来の例からこれだけぐらいしか使っておらないとか、それからいま永岡さんが質問したように、無尽蔵にはやらないとかいうことは、無料で配布することの危険性を阻却するような説明になっておらぬですよ。これは、たとえば無尽蔵に出しても取り扱い規定上、取り扱いまで実際上の機構上からいって、犯罪として使われるようなことはありませんという何かの証明をしないと、あなたのほうで無料で出したということからの危惧とか心配とかいうものは、これは消滅しないのですよ。そういう意味で、いま委員長が心配されているようなそういう事実が、事務上も機構上も、組織上も全く心配ありませんという理由をあなたのほうで明確にすべきだと思うのだがね。そうでなければ心配はどこまでも……。たとえばこれは五十円で売ろうが、百円で売ろうが、一万円ごまかしてやろうと思った者にとっては五十円や百円で買うととは何でもないのですよ。無料だろうが有料だろうが、犯罪を犯そうという気持ちのある者は。だからそういうようなものは、たとえば無料であっても、五十円であっても、百円であっても、それがだれの手に渡っても犯罪のそういうことに使われるようなことは決してありませんということを、これは証明すべきなんじゃないかな。実際あなたのほうでそうしないと、疑問に答えることにならないですよ。
  104. 田中一

    委員長田中一君) 当座預金というものは、御承知のように今度の郵便振替と同じように金利がつかないのですね。一般市中銀行でも当座預金には金利がつかないのです。同じ条件になっている。したがって、小口等の支払いにはただでくれるなら、小切手帳がもらえるならば、ただでもらってやろうという人もふえると思いますね、ただの場合には。いわゆる当然入ってすぐに支払うというようなものがあります、実際。入金したらすぐ払うというやつが。ことに銀行上り郵便局のほうがちょっと時間がかかるから、金利かせぎにいいというので使う方もあるかもしれません。需要がふえますからね。先ほども同僚委員の話を聞いたとおり、郵便局のすべての事務というものは、五日も一週間もかかる。そうなれば支払い者側は一番ぐあいがいいのです。交換が長くなればけっこうなんです。銀行ならそうはいかぬです。一日半でもってすぐに交換に回ってしまうはずです。それなら手当てにたいへんです。これならかえってふえるかもしれない。ましてやただくれる。私は需要がふえると思うのです。そういうことが一つと、それに対する準備があるかどうかという問題。もう一つは、ただというものがこれはどこまでもただでもって、ただでやるからサービスだというような間違ったサービス精神というものはいかぬと思うのです。それならばもっと加入者にじかに利益になるような諸手数料というものを軽減なさい。そのほうがずっといいです。それはすべきです。犯罪や悪用するような機会を与えるようなことはしないで、そうして加入している一つのあるいは発行したばかりの新聞でも、それが千部出したやつを二千部出した、ところが二千部出してはいかぬということはありません。実際に二千部出すつもりで刷っているものなら、当然あなた方はそれに対して、加入者に対して二千枚の用紙を無料で配給すべきです。これは当然ですよ。営業まで侵すなんということは憲法違反です。お客さんはいままで千枚だから、二千枚あげませんよということは言えないです。いままで私製用紙に依存して、これは大量に出すところは、みな私製用紙をつくります。ところがそうでない形の悪用というよりも、悪用じゃ決してありませんよ。実際郵便振替というよい機関を善用するから、ますますこれを利用するという度合いがふえるのであって、その場合に予想される事故というものは、無料にしたために起こる事故というものは、いま横川委員が言っているようにどうして防ぐか、これは加入者というものは、どうしてもただのものはこれは何というか、感覚的にそれに対する管理精神というものが弱くなるものです。そうしてこれを無料にするなら無料にするだけ、ほかのもので実際に加入者にサービスしたほうが私はいいと思うのです。この点はそういう、実際にあなたは利用したことがないでしょう。私は毎日利用しているのです。これは人に聞いてみると、これも利用しているし、振替、受け入れもそうだがみんな利用しているのです、私は団体なんか持っているものですから。何とかそういう、それがサービスだと考えるならば、これはたいヘんな間違いです。銀行だってちゃんと五十円――あれは一冊五十円でできませんよ。五十円で売っている。ちょっと小切手を持ったことがある人は、どれも一つの金券と思いますよ。でたらめな名前で、でたらめの判こを押していても金券と思います。銀座辺に行けば必ずこれで物を売ってくれますよ。こうした小切手なんというものは、社会的に信頼すべきものだという外国の例は御存じのとおりです。おのおの自分でサインしておればそれで済んでしまうのだから、日本はまだ判こなんか押しますけれども。小切手なんというものに対して、経済的にも社会的にも信頼感なんというものは非常に強いんですよ。そういうものをただで交付するのだということは、どうもぼくはこれから起こる事故等を考えると納得できないです、そういう点は……。
  105. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 小切手口座を開設いたします場合には、誓約書もいただいておりますし、保証人も二人立てるような厳重な口座開設のやり方をやっておりますし、ただで交付いたしますといいましても、小切手口座を持った方にのみ、しかも実績等を勘案してお渡しするというふうなことでありますし、不渡り等が起こりますれば、もちろんわれわれ郵便局関係の信用も落ちますので、われわれも大いに困りますが、不渡りを出した方もそれ相当の処分を受けるというようなことそれこれ考えまして、現在先ほど申しましたように千枚で三枚ほどの不渡りを出して申しわけないと思いますが、これ以上、若干甘い考え方かもしれませんが、無料交付のためにさらに不渡りがふえるというふうに考えないで、こういう制度をとったのでございます。なお、当然料金のほうに直接還元すべきである、まことにそのとおりでありまして、われわれもそういうつもりで料金の調整をやりましたが、たとえば千円以下を現在のような料金にいたしますれば、二億近い減収になりまして、この現在の制度よりも一億以上もよけい減収になるというようなこともありまして、そこまでは今回の料金調整はできないというので、せめて用紙を加入している方々に無料であげることにより、利子をなくした償いの一端にしたい、こういう考え方でございます。
  106. 田中一

    委員長田中一君) それは、あなた方はそういうような感じ方をもって今度の法律案を提案したんでしょうけれども、私ども利用しているほうの側から見れば、非常に危険を感ずるのです。いま申し上げたようにできるだけこれは修正してほしいと思う。せめて小切手帳くらいは、これは若干の費用、金を取ってやるべきだと思うんです。小切手帳、かつて昔は、戦前は小切手帳はただでした、銀行は、一般市中銀行も。けれども、小切手についての当座を開くということは非常にむずかしかった、昔は。いまは市中銀行やかましくなっていますが、当座を開くということは。しかしあなた方の場合には、これはもう保証人二人とかなんとかということは、何も一々調べてくるわけでもないし、あなた方はそんなことを言うけれども、すぐくれますよ。預金高の有無じゃないです。預金がたくさんあるから小切手帳を交付するのじゃないのです。だれがあなた、利子もつかない郵便振替なんかに金なんかおくもんですか。当然払うときに払い込んで、そこから払えばいいのですから、当座預金なんてどこだってたくさん持っているところはないですよ、瞬間的に多いときがあるだけであって。そういう利用するのが目的なんです。これは本来の貯金じゃないのです。そうしたら、一体これが正しいとか正しくないとか、信用があるとかないとかということを考えるのはおかしいですよ。基準にちゃんと合えば、だれだって契約していますよ。それが一般市中銀行と違うところの、政府金融機関じゃないけれども、何というか、郵便振替のほんとうの精神じゃないですか。私は、ただというものがどういう犯罪を犯すか考えると、当然これは料金を取ってもいいから、そのかわり別の面でサービスをするということのほうが望ましいと思うんだ。だから、これどうなんです、自分の意見言っているのじゃないのです。あなたのほうで修正する意思がないかということを聞いているのです。
  107. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) もう修正の意思があるかないかと言われますと、もちろんないとお答え申し上げたいと思います。
  108. 田中一

    委員長田中一君) それじゃ、この無料の用紙の扱い方について、あなた方で準備しているいろんな形の政令か省令か知らぬけれども、そういうものを出してください、きょうじゅうに。そうして、もしそれが窓口でもって無料とうたいながら、こういう状態じゃあげません、あなたにはあげません、あそこにはあげませんというようなことになれば、これは窓口の職員が一番迷惑するのです。そうして、もしもそういう制限、制限というか差別をつけるならば、これは法律無料に変えたということが、ほんとうのものじゃなくなってくるのですよ。ごまかしですよ。ごまかしはいけません。信頼されなきゃいけないんです。貯金局は信頼をされる政府機関じゃなくちゃいかぬのです。幾ら請求してもくれない、そんなことじゃいかぬのですよ。この点はどういう行政指導をしようとするか。省令で出すのか何で出すのか知らぬけれども、その案を採決の前に出してください。
  109. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 省令と通達を案をつくってただいまございますので、お出しいたします。ただ請求理由を聞きまして、もっともであれば、もちろん要求どおりお渡しするということに相なるわけであります。
  110. 田中一

    委員長田中一君) そのもっともであるというのは、窓口の職員がもっともであると思うのですか。それともこれを一週間なり二週間なりどっかの機関でもってこれを判断して、あなたはだめですよとくるのですか。
  111. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) この払い出し用紙と払い込み用紙は、地方貯金局からお渡しすることになりまして、地方貯金局では実績を的確につかんでおりますから、さよういたします。
  112. 田中一

    委員長田中一君) 実績々々というけれども、一般市中銀行は実績でもって物をするかしらぬけれども、この郵便振替なんというものは、国民のための一つの流通機関なんですよ。決済機関なんですよ。何が実績ということを言えるのですか。新しく新規に加入する人たち、この人たちも一々調べるのですか。その調べるということは、その人間がどういう人間か、資産がどのくらいあるか、保証人がどうということを調べるのですか。そういうことをするから、このいい郵便振替制度というものが、そういうものの国民的な普及が阻害されるわけなんですよ。まあこの郵便振替の小切手ならば、これは絶対に心配ないのだという信頼感を持たれなければならぬ。これは社会に流通するのですから、金票として。金票ですよ、これは。それはひとつその点は困るから、政令か何か出して見せてください。いまのようなことでは困る。窓口でそういう判断をしたらいいじゃないかというのじゃ困る、受付の窓口じゃ。
  113. 永岡光治

    永岡光治君 議事進行ですけれども、ちょっと休憩してそこらあたり打ち合わせたらどうですか。
  114. 田中一

    委員長田中一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  115. 田中一

    委員長田中一君) 速記を起こして。
  116. 横川正市

    ○横川正市君 先ほどの質問に続いて、窓口で取り扱いをいたしました金が利子を生むまでに相当な日数がかかるということは、実際の金利運用の面からいってみると、たいへんロスを生んでいるのではないかと、これは意見としてたしかあったはずなんですね、この答申をめぐっての論議の中にあるわけですから。そこで、取り扱いが窓口を通じて、まず一部郵便局の金庫の中に滞留をしておく金額を残して、これは期間はその局その局でどの程度の滞留をするかというのはさまっているんだと思いますが、それを残して、たとえば三時の締め切りないしは三時半の締め切り後のおのおの取り扱いは、これはどうなっているのか。それから締め切りまでの金額は、すぐこれは銀行その他へ預け入れるわけなんだけれども、その預け入れた金は、逆に日計表に基づいて郵便局で集計された記録が貯金局まで郵便で動いて、それが到着して事実確認がされたときから、国庫金の、いわゆる利子を生む金として取り扱われる、こういうことなのか。それとも、実際にその日の日計後の滞留金額、それからその後の取り扱い金額はこれは別として、三時なら三時で締め切ったまでのものは、銀行に送り込まれると、それから利子を生む金になるのか。それはどういうふうになっているのですか。
  117. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 過超金となりまして、それを銀行へ、普通預金いたしますれば、その過超金には普通、銀行の利子がつくわけでありますが、それはまあ、郵便局が支払いする必要な金として、金庫の中にしまっておくのを、たまたま安全を考えまして、小さい郵便局等は、近所の金融機関にその過超金を、限度をきめまして預けておくというふうな制度でございますが、これには利子が、その金にはつく次第でございます。
  118. 横川正市

    ○横川正市君 ちょっとその点がはっきりしないのです。たとえば、中央郵便局が締め切りが三時だとしますね。三時になりますと、どこかの銀行が、それまでの過超金の授受で来るわけなんです。それから取り扱うたとえば四時までだとすると、三時から四時までの金は、事実上いまその局に滞留しておりますね。それと同時に、その局で翌日、早朝に銀行から過超金を持ってくるのに、その間の何といいますか、取り扱いに対して即日払えるような金で、一部分局には金庫に寝せておく金があるわけでしょう。その。パーセンテージは幾らかわかりませんけれども、そういう金の取り扱いについて、金利を生む金として運用することができないかというのが、一つの点なんです。  それからもう一つは、郵便局の金庫の中に入れておくかわりに、銀行に持っていく、これは思想的には、少しおかしいわけですね。日歩金であっても、一日でもつくんだったら、銀行に預けて翌日出してもかまわないわけですからね。そういうことで預け入れられた日に利子がついて、出した日にたしかこれは利子がつかないわけですね、一日の利子がつくわけですね。出した日にも利子がつく一わけですか、つかないでしょう、前日だから。そういう取り扱いをする方法というのは、これはやられているのかどうかということ。利子のつく金として、取り扱われているのかどうか。ことに、この中にあります窓口で扱った金が利子を生むまでには、相当な日数がかかるわけで、これは一般には、そういうことは是正したほうがいいではないかという意見が、たしか答申を前に出されているわけなんだけれども、そういうような意見の検討をした結果として、取り扱いその他に改善を加えられたのか。それとも、改善を加えないで、現行どおりでいいと思っているのか。ただ時間的に間に合わないから、将来の課題にされたのか。その点をひとつ、事務的に説明していただきたいと思います。
  119. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 郵便貯金といたしまして、郵便局の窓口で受け付けましたときが、その間、その金の原簿への登記が地方貯金局でおくれましても、利子は郵便局の窓口でいただいた時点を起点とするわけでございます。
  120. 横川正市

    ○横川正市君 これは利子を払うという立場からすれば、その月の一日から十五日までで、十五日以降については実際上計算しないから、翌月になってしまうわけですね、郵便局の窓口の取り扱いは。利子をつける側でなくて、その預かった金に実際上の利子をつける、たとえば資金運用部へ何日からこの金は幾ら入りましたというのは、貯金の日計表がすっかり集計されて、貯金局でそれが確認されなければ、資金運用部へ幾ら金が入りましたということにならないわけでしょう。資金運用部へ入れば、その日から六分五厘なら六分五厘の預託利子がつくわけだね。その間の何日かというのは、実際上は利子を生む金としては扱ってないのじゃないですか。
  121. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 仰せのとおり、その間は利子を生んでおりません。
  122. 横川正市

    ○横川正市君 だから、その金に利子を生ませるような方法を考えていませんかということなんです。
  123. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) そういうお考えに対しては、十分じゃございませんが、いわゆる銀行預金局というのは、そういうできるだけ金に利子を生ませたいという考え方から出てきた制度でございます。
  124. 横川正市

    ○横川正市君 ちょっと貯金局長、頭が混乱してきたのじゃないですか。私の言っているのは、そういう金に利子を生ませるための方法としては、たとえば何といいますか、送達の方法とか、ここで言っているわけですね、あなたが。郵便の送達日数がもう少し早くなるようにならないかとか、それから、そういうもののネックを発見して短縮をはかるような努力をするとか、郵便局の授受方式をさらに考える余地があるとかということを、あなた自身が言っているんですよ。だから、もう少し具体的に――私は貯金会計は余裕金を持っているから裕福会計だとは思っておらんですよ、実際は。いま田中委員長が小切手の話をしましたが、これはたとえば残高証明書なんか出すわけでしょう、口座の中で。出さないんですか……。そうすると、たとえば口座保有者は、出し入れについて、誤って不渡り小切手を出すということはあり得るわけです。銀行あたりは、いま非常に丁重に、あなたの預金は幾らですといって、残高証明書を出しますね。これは普通には、そのために郵税があなたのほうは無料だからいいということではないわけですよ。実際はやはりそれだけ式紙もかかるし、人員もかかるし、いろいろな意味で手間がかかるわけです。その手間はみな金です。だから裕福な会計だとは私どもは思っておらないのだが、やりようによっては、ある程度の金は生み出せる会計だということも言える。そのためには、前段として、余裕金は運用させてくれないか。そうすると、六分五厘より七分で回ったほうがいいわけです。国債買ってもそのくらいに回る。あるいは地下鉄の債券を買っても、電電債を買っても七分に回るわけです。そういうような方法で、いわば貯金特別会計が運用する金を生むか、それともいま言ったように、利子が当然もらえるようなシステムにかえれば、それだけ利子を生むわけなんだから、そういう方法を考えて余裕を持つのか、いずれにしても、私は考えようによっては、貯金会計というのはある程度の金を生む会計だと考えているわけです。そういう方法というものをとれないかどうかということを、それを事務当局として検討しているのかどうか。検討していないということじゃないと思うのです。あなたのほうでは答弁しているわけだから。ただ、やってみたけれども、どうしてもいまの機構上できないのだということなのか、こうやればできるということなのか。その点の事務当局の判断をお聞きしたいと思います。
  125. 黒田猛

    説明員(黒田猛君) ただいま御質問をいただきました資金の効率化ということでございますけれども、結局はおっしゃるとおりに、いわゆる郵便局現金出納計算というものを早い方法でもって中央に報告いたしまして、それでもって現金の内訳をはっきりさせまして、その内容によってそれぞれ資金運用部等に早く預託するということが、一番いい方法でございまして、結局現金出納計算事務を一日も早く中央に反映させるということが必要だと、こういうわけでございます。この点につきましては、やはり機械化といったような問題が必要だろうと思いますわけで、これは今後の問題だろうと考える次第でございます。
  126. 横川正市

    ○横川正市君 これはですね、答申の中に非常に明確に出ておりますように、経営コストのうちに物件費わずか一割程度にすぎない。まあいってみると、たいへん経営の内容その他は節約をし、それからぎりぎきの経営をやって、そして忠勤を励んでいるということだけはわかるけれども、実際にはもっと効率的な運用をするという方面で損をしないように、私はこれは努力をすべきだと思うのですよ。その努力の問題は、あとでまた機械化の問題と関連してお聞きしますが、そこで問題なのは、振替の件で郵便局の窓口に行きますと、窓口では振替加入しなさいということよりか、振替の貯金、これは今度は振り替になりますが、これは非常に安全だけれども、一週間も十日もかかりますから、急ぐときの金融としてはこれは不適当ですから、どうですか、やめたほうがいいんじゃないですかと、郵便局の窓口で郵便局の局員が断わるという話があるのですよ。これは実際に私どもは現地の取り扱い者といろいろ懇談したのですが、なぜそうなんだと言ったら、非常に苦情が多いと言う。窓口にまだこないか、まだこないかと言って、それで苦情を聞くのがいやだから、一週間も十日間もかかりますよ、それでいいか、それでは困る。それじゃ入らないでくださいと、そういうことで、送達とかその他のことで普及のできない一つの原因になっているのだと。これは現実に窓口の人がそういうふうに言いますよ、これは私たちが懇談をして。そこでそういう事実を貯金局では認めているわけですか。もし認めているとすれば、それに対する対策が必要なんですが、認めてないとすれば、これは非常に現状不認識もはなはだしいことになる。それでいわゆる送達の方法としては、きわめて安全だ。安全は確保している。しかし、敏速のほうはいまもってカメのようにのろのろというかっこうでは、これは実際上利用度は増大しない。そうすると、あと残された敏速の方法について、何らかの手だてというようなものを考えているのかどうか。これは非常に大切だと思うのですが、予算がないからできないなんということはだめですよ。予算は生み出せばあるということを、先ほど私のほうで質問しているのですから。
  127. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) ただいま処理日数の点でございますが、われわれもたびたび実地に調査いたしまして、なるほど加入者の方々の御不満も、もっともな点があるというふうに考えておるのでありますが、たとえば通常払い込み等の場合に、どうしても郵送日数を入れますと、早くて三日から五日ぐらいかかる。また土曜、日曜が中に入りますと、五日ないし七日程度要しておるようなことで、この点まことに申しわけない次第でありますが、処理の促進につきましては、これはこれから始まることではございませんが、郵便局払い込み書を受け付けました場合は、最先便で発送するとか、また口座所管庁では加入者において毎日発送いたします書類は、できるだけ最終の列車便に間に合わすよう、直接集配区等に持ち込む等いたしまして、逓送の敏速化をはかっております。なお、今回の利子の廃止に伴いまして二億四千万円が浮いてまいったわけでありますが、そのうちの六千万円を使いまして機械化をはかっていきたい。機械化と申しましても、郵便局及び口座所管庁に対します会計機、名あて印刷機というような種類の機械を増備いたしまして、迅速化をはかりたい、こういう考え方でございます。
  128. 横川正市

    ○横川正市君 だからそういう説明をしておる段階では、実際には早くならぬということですね。だからその敏速化ということについては、もっといまの機構に新たなシステムを入れて、そしてそれをたとえば年次計画で東京とかあるいは大阪とか、名古屋とかいうような中心局へ、そういったものを年次計画で入れて、そしてそれをやることによって、大体まあ一日ないし二日じゆうには現金送達の目的が達せられますようになりますというようなそういう何か前向きのやつを、ぼくは年次計画か何かで考えてみたらどうかと思うのですがね。それはどうですかな。それのためのこれは設備投資、一般の経営でいえば設備投資になると思いますが、そういう設備投資をするのに予算がないというのではなくて、予算はどこか別のことをやるかして生み出す。たとえばそういうことをやりながら現金送達について日計表その他の集計について三日も四日も早くなる。そうするとその間の金が、相当高額の金が資金運用資金資金運用資金の金利を生むことができる。その金利を設備資金に入れるとか何とか、そういうくふうがあっていいんじゃないかと思うのですが、それはどうですかね。
  129. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 処理日数の点でございますが、口座所管庁におきましての処理は、東京を除きましては、大体お説のような一日で受けまして口座に登記いたすことになっておりまして、先ほど申しましたような数字は東京のことでございまして、東京では三日くらいかかるようなことになっておりますので、われわれといたしましては、事務敏速化委員会を本省と東京地方貯金局と一緒になりまして、現在の執務でいいかどうかというような点までいま討議いたしまして、今回の法改正によりますことに対しましてのサービス向上というふうなことでおこたえしたいという考え方で、いま作業を進めております。
  130. 横川正市

    ○横川正市君 これを言うと、いろいろな面から反対の意見も出てくるんだけれども、貯金の機構とそれから保険も同じですが、郵政の機構と会計別に一つの指導法を守っておるわけですけれども、逆に事務系列化からいくと、そのことはかえって事務の促進を阻害しているんじゃないか。たとえば統括局に調査課がありますね。それから東京のような場合には、中央郵便局に調査課はなくて、これは郵政局に調査課があるわけですね。その調査課とそれから今度は地方貯金局との関係ですね、これは全部送達方式というものは、これはいわば汽車に乗っけてどこどことか、あるいはその間の車でどうとかということで、一つ一つシステムはこう動くわけですよね。だから、原簿が送受されてくるのは、たとえば統轄局に送受されてくる。統轄局から貯金局、あるいは郵政局に集まる、郵政局から貯金局にいく。こういうかっこうなんだけれども、あの調査課という、統轄局の調査課ないしは郵政局の調査課というのは、これはたとえば貯金局の中へ含めてしまう。そういう方法はどうなるのか。それからもう一つは、郵政局長というこのいわば権限範囲といいますか、それと地方貯金局の局長という職務範囲といいますかね、これとは、おのずとやっている業務が違うのだけれども、いまそれほど上下があるようでないようで、たとえば地方貯金局は本省直轄でございますというようなかっこうで動いているわけなんだけれども、そういうことは検討済みで、――これがいいとか悪いとか、まあそろそろサービスをするという面から考えてみて、結論を出していいのじゃないかというふうに思うのだけれども、その点はどうですか、貯金局長は。
  131. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 調査課と地方貯金局の問題でございますが、仰せの点は、われわれの局内の討議におきましても、そういう構想も出るのでございまして、これはひとつもう少し検討さしていただきたいと思います。それから、郵政局と地方局との関係も、貯金局といたしましては、現在のように本省直轄のほうが仕事の面にいいというふうに考えておりますが、郵政省全体といたしましても、またいろいろ考え方もあるように見受けられるのであります。
  132. 横川正市

    ○横川正市君 これは貯金局長は、あっちこっち回っているから、あなたの場合にはいろいろな意見が言えると思うのだけれども、私は、郵政局の育ちの人から見れば、一本にしたらいいという意見になり、貯金支局の人たちの立場に立てば、一本はいやだ、これはもう常識になっているのですよ。なぜいやかというと、貯金局も困っているのですよね。どういうふうに困っているか、実は保険局はもっと困っている。人事の頭打ちの問題で、級別定数その他。ところが動きたがらない。これはいってみると、業務上の問題じゃないようですね。それ以外のことでそういうことが起こってきているのですよ。ことにひどいのは、まあこれはざっくばらんに言いますと、郵便局の者とおれたちとは違うんだという意識を、非常に強くいままでつちかってきた結果なんじゃないかという点が一つあると思うのです。それが現実にどうかといったら、もう最もたくさんな職員がおりますね。少なくとも二百人とか三百人。だから厚生施設なんかも非常に違っている。これはまあ郵務の場合には、郵便料金の場合には、私はその点は十分質問したいと思っているのだけれども、それじゃ同じもので、給与上とかあるいは厚生福利施設だとか、日常の勤務条件とかで差があるのですよ。だから、本来ならばその差をなくすれば、私はもっと人事なんというものは融通無碍に動かされるようになると思うのですよ。そのほうがいいと思う。そんな点を、私はやはり事務能率の場合に、もう非常に金がかかってそしてどうもなりません、あるいは機械化すると労働問題が起こってきてどうもなりませんというようなことで頭打ちをいつもしておらないで、金があまりかからなくても能率があがるとか、あるいはそれをやっても実際上の定員その他についてはどうだとか、もっと詳細な検討というのが必要だと思う。それが本省の任務だと思うのですがね、実際は。その点をやらないといかぬと思うのですけれども、まあ検討するというのですから、含めてひとつ検討していただきたい。  それから次に、これは奨励関係の問題なんですが、第一にお聞きをいたしたいのは、全国の貯金の目標策定のためのいろいろな作業なんかが行なわれるわけですが、目標の策定のときには、これは何を基準とされるのですか。その地方の経済状態とか、あるいは従来からの実績とか、そういったもので割り当てられるのか。ことに経済は流動的で、しかも非常に動く場合があるわけてすが、そういうような場合に、これに対処するにどういうような処置をとられるのか。それから、これは私は実際には、帳簿面では目標額に達しているけれども、実際にはその目標に達しないというような、まあ言ってみると非常に歓迎すべからざる実例というものが出ているようですよ。これはまあ目標をあまり与えて努力をさす結果からもあると思うのですけれども、この目標の策定には、一体どういう要件をもって策定されるのか、これが第一点。  それから第二点は、預金の預け先の実績からいいますと、大体郵便局が六〇・四%、銀行が五二・一%、農協とか漁業協同組合が三〇・九%、社内貯金に  これまた問題が起こっていますが、社内貯金に一五・九%、あるいは信用金庫が一五・六%、相互銀行一一・三%、この預け入れ先のいろいろな先ありますけれども、その利用度というのは違っておるわけですが、こういうような預け入れ先の違いと、競合している同じような金融機関に対して、郵政の貯金としてはどういうまあいわば特徴といいますか、ものを持って配慮されているのか。先般も野上委員質問のときに関連して聞かれておったように、たとえば利子の問題とか、それから安全確実の問題とか、あるいは犯罪の防止の問題とか、いろいろな対処というものが行なわれていると思うのでありますけれども、いわゆる信用を高めるための特徴として、どういう方策をとっておられるかお聞きしたいと思うのです。
  133. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 郵便貯金のまず目標額の策定でございますが、全国目標額をきめます基準といたしましては、過去五ヵ年の郵便貯金の増勢、あるいは今後の金融経済等の予測、それから財政投融資面からの要請、あるいは最も一番大事なことは、事業経営面からこれこれの目標を達成しなければならないというふうな制約等を勘案して、全国の目標額をきめるのでございますが、これを郵政局別に配分いたしますときには、この全国の目標額から、資金部からいただきます元加利子を除きました純増加額につきまして、管内の所得を三〇%、人口を一〇%、貯金関係の職員の定員を二〇%、郵便の窓口の局数を二〇%、さらに既往三年の貯金の純増加実績を二〇%見まして、各郵政局に配算いたしております。  それから他の金融機関等に対する特色でございますが、何と申しましても、全国に一万八千の窓口機関を持って、いつでも国民のどなたからも利用できるような店舗を置いております。さらには通常あるいは定額につきましても、他の金融機関とその利子を比較していただきますれば、郵便貯金のほうが、一部有利でない場面もありますが、全体といたしまして非常に有利であるというふうな気持ちでおります。
  134. 横川正市

    ○横川正市君 これはね、まあ一つ例をとりますと、この庶民の日常の生活、経済生活と非常に密接な関連を持って動いている。その特色を抜かしては、私は郵便貯金というのはないと思うのですよ。だから、そういう意味では、滞留する金は相当高額だからそれは全部定額で長期のものだということではないと私は思うんですね。実際やはり出し入れがあって、その出し入れのうちの滞留する金額というものが相当大きく累積されているんだと見ていいのではないかと思うんです。もちろん月掛け貯金とか定額だとかいろいろありますから、その面は一般市中銀行と比べてみて金利が有利だということだけで特色だということにはならぬのじゃないか。もっともサービスの面から言うならば、やはりこの日々出し入れする普通貯金等の取り扱いに対しても、ある程度の特色というものを出していいんじゃないか、こう思うんだけれども、この点はどうですか。検討する余地は残っておりますか。
  135. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) ただいまの点は、特に通常貯金につきましては、私たちの郵便貯金の現在高のウエートにおきまして、定額にとってかわるような立場におるのでございますが、金利におきまして市中銀行の二分一厘何がしに比べまして、庶民の金融の保護というような観点から三分六厘をつけておるのでございます。
  136. 横川正市

    ○横川正市君 これは何も一ついいところがあるから一つ悪いところがあってもいいということじゃなくて、悪い面は直すということで努力してもらいたいと思います。  それからもう一つ社内貯金の取り扱い、これは貯金局に聞いても、実際は問題がそうやすやすと返事がもらえるとは思わないのですが、先般、私は社内貯金の問題と、もう一つは金融を何らかの形で有利にせしめる、ないしは蓄積された金がその会社の資金として運用できる等々の理由によって、まあ金利も高いということもありましょうが、等の理由で社内貯金がされておる。もう一つ加えれば、これは強制貯金というふうなかっこうのものもあろうと思うのですね。そこでこの社内貯金にかわるような、たとえばその会社から団体貯金として出されたものについで七〇%か八〇%はその会社へ、たとえば別の機関を通しても融資をしてやれるとか、そういうような方法で社内貯金などというような非常にあいまいな、言ってみると保証のない、そういうことでの取り扱いはおかしいのではないかという意見を出したことがあるのですよ。ところが、それは何か郵政省だけの問題でなくて、他に問題があって検討もされないで済んだようですけれども、こういう貯金のもので、きわめて不正確で、しかも預け入れた個人に対しての保証というものがあいまいな取り扱いにかわり、新しい種類の貯金制度というようなものを考えてみる、そういうことが必要なんじゃないかと思うんだけれども、その点はどうお考えですか。
  137. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 社内貯金を吸収するような制度を考えろというお話でございますが、先ほど仰せになりましたとおり、金利の問題につきまして、とうていとの郵便貯金のいかなる業種を新設いたしましても無理かと考えております。
  138. 横川正市

    ○横川正市君 だいぶだれているね、場内が。やめようか。
  139. 田中一

    委員長田中一君) お静かに願います。
  140. 横川正市

    ○横川正市君 政務次官ね、この前は労働省所管のようなことで、大蔵省も一部関係をいたしたようですけれども、この半ば強制的に貯金をさせられて、その企業のための資金として活用される。ところがその金には何ら保証がない。経営者がたまたまこれはその能力がなくて破産をすると、その預金についてもどこからも払い戻しすることができないというような、そういう制度を私は置いておくというのはおかしいというふうに思うのですよ。あくまでもこれは預け入れた者に対しては犠牲をしいない、安全確実な貯金でなければならぬと思いますがね。この社内貯金問題はたまたま起こって、そのときは一時問題になりましたけれども、そのあとはしり切れトンボで何ら検討されておらないということは、非常に残念だと思うのですが、どうですかね、そういう問題で、これは取り扱いとしてはやはり郵政あたりが積極的にならないと解決が立たないと思うのですが、解決をするための検討をする必要を感じないですか。
  141. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) ただいまも貯金局長からお答え申し上げましたとおり、郵政省だけで検討すると申し上げても、これは大蔵あるいは労働省関係等との関係も非常に深いわけでございますので、確かに、強制的に社内で貯金をさせられて、それが最も確実な方法で運営されて預金者の利便に資しておるということでおそらく始まったんだろうと思いますけれども、まあ倒産したような場合に大きな損害を出しておるということも、実際上あったわけでございます。したがいまして、横川委員から検討すべき価値ある問題じゃないかという御指摘もいただきましたので、労働、大蔵方面とも連絡をいたしまして検討さしていただきたいと思います。
  142. 横川正市

    ○横川正市君 私はどういうふうにやってみても、六分五厘の預託利子で運営しているというそのワクをどこかで突破口を求めないと、貯金特別会計というものは、実際に国民の利便機関としてその体を完全にするということはできないと思うのですよ。だからどっかで突破口をつくらにゃいかぬ、その突破口ということになれば、いま言ったような余裕金の運用の問題とか、それから事実上そういう新種をつくって――会社はこれは資金がほしいからそれをやっているわけですよ。しかも強制的に。なら、それを預けた者については還元貸し付けができるというような方法で、職員にとってみれば、企業が安泰で、金利は確実について、倒産をしても確実に郵政省から払ってもらえる、そういう安全確実な貯金が出れば、これは一挙三得じゃないか。会社もいいし、預け入れた者もいいし、郵政省もいいということになれば。何かそういうことで、これは事務当局が幾らものを考えたって、その実現をするのはこれは大臣、政務次官ですよ。それをむずかしいからといっていれば、やっぱり預託利子で運営しなければいかぬということになるので、何かこれは私の一つの思いつきみたいですが、これはずいぶん前からそういうことを言っておるわけで、何かでそういう運用の妙味というものが出てくるような突破口を郵政省が持つ、そのことの努力が  実は郵政省の役人が何も得することじゃないですよ、国民が得をする、こういう結びつきをぜひやってもらいたいと思うのですよ。これは委員会のときにたまたまなるほどと言った、さあ考えてみたらあっちも壁だ、こっちも壁だ、どうもだめだからまた引っ込んでしまったというのでなしに、どうやったら壁に穴があくか。この間の公庫みたいなもの、あれは私は別に賛成しませんよ、あんなものはね。もっとやはり名のある、実のある、そういったものをつくってもらうように努力してもらいたい。これは大臣が来たらまたあなたのほうから言っておいてください。  それで、今度はもう一つ、この奨励関係でお聞きしたいのは、この間もちょっと野上委員質問中に私関連で質問しましたが、奨励関係経費の使用の問題です。私は事業経営のためにあまり会計制度がしゃくし定木で企業が弾力性がなくて、角をためて牛を殺してしまうようなそういう極端な考え方は持っていません。だからある理由の立つものなら、使われることについては一向かまわないのですが、一体四十年度の奨励関係経費の使用状況というものを見てみましたが、たとえば各郵政局に割り当て金額がずっとあります。この割り当ての金額が一体どういうふうに使用されて、実際上貯金の目標達成のためにどういう貢献があったのかと、これを知りたいわけなんですよ。貢献の度合いというやつ、これが一つです。  もう一つは、実はこれは俗に言っております交際費と称せられるようなもの、これと同じような性格のものでつくられた会計処理規程で会計処理しても、別におとがめがないというような性格のものなのか。使用については、きわめて小さな金だから効率的にしかも有意義に使えということで、その使われた結果については、一般の会計処理規程と同じような処理をされるものなのか、これが第二点です。  第三点としては、一体この奨励費は、現状、各郵政局ないしは現場段階でこれについてどういう認識を持っておられるのか、たとえば少ないとか多いとか、このぐらいじゃもらったって焼け石に水だとか、あるいはこれは余り過ぎるとか、あるいはこういうふうに使いたいが新規な使い方について道を開いてくれとか、私は現場のくふう創意というものは、こういう金で貯金目標というものを達成しようとすれば、おのずと意見というものは下部から出てくるものだと思う。そういうようなものは一体どういうふうに把握されているのか、ひとつ一、二、三とお答えをいただきたいと思います。
  143. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 第一の点は、この奨励施設費を有効に使っていただいておるという証拠は、各郵政局ともここ連年目標額以上の成績をあげていただいておるということが、一番そのことを如実に物語っておると思います。  第二点は、奨励関係経費の使用にあたりましては、一般の経費の場合と同様、会計規程の定めるところによりまして支出の手続をいたしまして、物品を購入したりあるいは会議費関係の支払いに充てております。  下部からの意見といたしましては、仰せのとおり少ないと、たとえば団体の集金費の謝礼等が百円であるとかいうような単価で少ないという意見も聞きますが、そういう点につきましては、本年度の予算におきまして約五倍に上げた予算を組むことができましたが、全体といたしますれば、われわれといたしましては、この程度の奨励施設費で、所期の目標を達成し得る経費であると考えております。
  144. 横川正市

    ○横川正市君 いまの一の問題は、私は奨励費なんていうものを一銭も出さなくても、いまぐらいな目標は達成できるような状態じゃないかと思うのですよ、使い方の面その他から言って。私がなぜこれを聞くかと言うと、先般岩手県の盛岡郵便局で起こった事件というものを、あなたは知っているでしょう。そのときに監察局長が私に答えた内容によると、これは会計規程による一般費用とは違うので、どういうふうに使われても、使われた内容が領収証になっておれば違法でありませんと答えているわけです。それで使われ方を今度は調べてみた。そうしたら、これはいまあなたが言ったように、団体とかなんとかに全然金は使っておらない、どういうように使ったかというと、貯金局長と郵便課長と、それから庶務会計が五、六人行って飲み食いしてしまって、その領収証をつけて処理規程として出している。ところがそれは違法じゃないというのだ。郵便課長にもいろいろ奨励の件についてお世話になっておりますからというわけだ。だからそういう金の使い方をするならば、大体こんなものは一銭も出さなくても、いま貯金会計の人たちは一生懸命仕事をしますよ。目標くらいは達成できますよ。私は三番目になぜこれを聞いたかというと、もっとやはり苦労をしておる者、あるいは世話になった者に、ほんとうに貧者の一灯であっても微々たるものであっても報いる気持ちで金を使うということがなければ、ほんとうに奨励費というものは出した意味がないと思う。いまここであなたの説明を聞けば、何かきわめてまじめに使われたようなことを言われておるけれども、下部の実情の中で聞くと、そうでないという実例が出てきて、いわゆる奨励費というものは、交際費か何かのように少しくらいならばインチキとまで言わなくても、方向が違った使い方をしておっても、処理規程上何か書類が整っておればいいんですというような金の使い方を、あなた方のほうでは認めるのですかどうですか、この点が問題だと思う。  もう一つは、たとえば渡し切り経費というのがありますね。特定局のこれは公経済ですよ。ところがこの公経済を局長ないしは職員が違法な方法でもって、そして犯罪に類することをやったとしても、NHKの聴視料をごまかしたという、そういう案件と比べると、渡し切り費については、何か情状酌量の余地を残しているようですよ、そうじゃないですか。私は渡し切り経費であっても、公経済の場合にはこれは当然それを犯罪に類するものがあれば、他の会計の行なった犯罪と同等に罰せられるべきだ、こう思っているんだけれども郵政省考え方はそうじゃないらしい。渡し切り費のようなものの犯罪については情状酌量があって、その他の会計の犯罪については酌量の余地がないというような差別取り扱いをしているんじゃないか、そうじゃないですか、それは実例を私のほうは説明してもいいですよ。
  145. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 奨励施設費の使い方につきましては、先ほども申し上げましたとおり、会計規程の定めるとおりにやるべきでありまして、それは一般の庁費支弁局の普通局と、渡し切り支弁局の特定局におきましては、会計基準の定めるところは違っておりますが、精神は同じでございまして、その規程に従いましてこの金は使うべきものでございます。
  146. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、この金は一般の費用とその性質において、あるいは使用の目的においては差はない、こういうふうに確認していいですね。
  147. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 使う道は違いましても、そのとおりであります。
  148. 横川正市

    ○横川正市君 それじゃあこの金は、目的として非常に多種多様だと思うのです。もういろいろな目的がある、主観もありますね、客観性もあって、普通それは貯蓄奨励に、あるいは労を多とすることについての慰労というような意味も含めて妥当だと客観性を持たせている金なのか、使うほうの主観によってどうにでもこれは決定されるのか。しかも、多種多様な使い方というものがあるわけですが、どういう範囲で使うことを考えておりますか。
  149. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 奨励施設費は大きく分けまして、周知宣伝費といたしまして、これはポスター、ちらし等の印刷物、貯金箱等の贈与広告物品、懸垂幕等の展示物を作成するときに使う周知宣伝費でございます。二番目には、表彰関係経費でございまして、部内の貯金奨励、成績優秀な郵便局職員等を、または部外の優秀な協力団体、協力者に対しまして表彰する場合の経費でございます。第三は、募集技術等の指導経費、職員の募集技術の向上をはかるための資料を作成いたしましたり、またセールスの研究会等を開催する場合に使う金でございます。四番目には、貯蓄増強推進のための打ち合わせ経費、これは目標額の配分とか、貯金をひとつふんばってやろうというふうな推進方策を打ち合わすために使う金でございますが、現在郵便局におきまして、打ち合わせ会等に使用する経費は、年間の予算示達額の五割以上使ってはならない、五割以内にとどめよ。また一方、ちらし、ポスター等周知宣伝関係経費は、全体の経費の三割以上をこれに充てろというふうなことを指導いたしております。
  150. 横川正市

    ○横川正市君 それは上のほうの気持ちを下のほうが知らないのだから、一万八千も窓口があって、職員も非常に多いのだから、一々指摘されても、上局としては責任が負えませんというようなことではないと思うのですよ。金という点から言えば差別にありません、こう言うのなら、それは、監察局長きょう来てないから、この前私に答弁した内容とだいぶん違うと思うのですがね。この前のときは、たとえば岩手県の釜石大松郵便局の局長の犯罪は、渡し切り経費を仮空な臨時職員を雇ったことにして、そしてその金を着服をして、一部机の中に入れてあった。確認された金については、これは明確に着服した金と机の中に入れていた金とが別に金額的に明確にされている。ところが、そういう金は、まあ言ってみれば、石炭費をごまかして会議費に使ったとか、会議費だといって何かはかのものから金を回したとかいうような、そういう違法であっても違法でないような意味合いにとれる金と同じだというような解釈をしたようです、あのときは。そこで、今度は、このいまの言った金は、職員と課長との間で、あの課長は常日ごろあまりおもしろくねえから、おまえと酒を食むのはいやだ、奨励費が何ぼきているから一緒にめし食ってくれ、いやだ、ああそんならおまえたちと酒を飲む必要はないと言って、郵便課長と酒を飲んだ。しかし、だれと飲みましたといって受領証はとってない。ところが、それであっても、郵便局長とそれから郵便課長、あるいは庶務課長その他にお世話になっているのだから、奨励費は使っても違法ではありませんという理由ということは成り立たぬということになりますね、いまあなたの説明から言えば。
  151. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 成規の手続をとりまして――もちろん、それはできるだけ部内の者とのそういう打ち合わせ会は、おのずから制限がございますが、われわれといたしましても、成規の手続を経てやれば、一年に一回ぐらいはそういうことも、やらないほうがいいかもわかりませんが、成規の手続さえ経れば、そのこと自身は悪いときめつけるわけにいかないのじゃないかと思います。
  152. 横川正市

    ○横川正市君 そういうふうになるから、問題というのはやっぱり出てくるわけですよ、あなたのいまの答弁でいけば。さきの答弁でいけばそういう使われ方はしない。まさかあなたのほうで貯金の無料郵便をいつも扱かっておってもらうから、郵便課長と一ぱい飲みましょう、こういうことじゃないでしょう、実際は。郵便課長が貯金の奨励に貯金課の職員よりか、より以上に貢献する度合いがあるとすれば一体何ですか、郵便課長が。一年に一ぺんぐらいいいとしてだね。
  153. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 一年に一ぺんぐらいいいと言ったのは、ことばの一つのあやになるわけでありますが、それはそういうことはしないほうがベターでございますが、成規の手続を経ましてやるならば、というこの大前提がつくわけでありますが、まあ、郵便課長も、考えますれば貯金の募集その他に若干の間接的な貢献はしていないとは言えないと思うのであります。
  154. 横川正市

    ○横川正市君 稲増さん無理して答弁しなくてもいいですよ、それは、そういうことはね。私の言っているのは、大前提は、自分の直属の部下と一年に一回もめしも食わないでおいて、そしてそのために部下とひとつ折り詰めでも二合びんでも立ててやりましょうと言ってきた金を、職員がどうもお前の顔見るのもいやだと言ったということで、それじゃおまえたちと飲まない。ほかに幾らでも飲む相手がいると言って郵便課長を引っぱっていって飲むなんという、そういう金の使われ方をしてもいいんですかということなんですよ。
  155. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) それはいけないことでございます。
  156. 横川正市

    ○横川正市君 私はまあ具体的な事例でたまたま問題にしたから、そういうことをやった貯金課長が栄転をするというのはどういうことなんですかね、これは。他に何か功績があったかどうかわかりませんがね。これはひとつ、あなたの貯金業務を実際上運営していく面でのこれは多様多岐にわたる問題の解決の一つの一端ですから、常時ひとつ心がけておいていただきたい。その点はひとつ注意をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それから次に、犯罪関係の防止問題ですが、これは前の貯金局長のときから犯罪防止のため窓口に簡単な機械の設置であるとか、あるいは取り扱い用紙の規格であるとか、いろいろ考えられておったと思うのですけれども、一体この貯金犯罪が長期にわたって判明をしないで、相当な高額に犯罪額が累積されるというのは、これはどこに欠陥があるのですか。機構上ですか、それとも他に何かあるのでしょうか。いままで起こってきた相当高額な犯罪等から、その犯罪の起こる要因について、どうとらえておられるか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
  157. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 郵便貯金の犯罪の、特に部内犯罪の多くの事例は、定額貯金関係が多いのでございまして、一応利用者の方から受け入れました金額そのものの証書を預金者の方にはお渡しいたしますが、地方貯金局ないしは調査課を経由する預入報告書というふうなものを少額に経理いたしまして、その差額を着服するというのが、その著明な例でございまして、定額貯金等はある期間が来るまで払い出しとかそういう行為が行なわれませんので、比較的潜伏しておる期間が長いというふうなことがおもなことでございます。
  158. 横川正市

    ○横川正市君 その比較的潜伏している期間が長いというのですが、長いやつになると数年潜伏するわけですね。これは監察局長がいないから、監査が一体どの程度行なわれておるのか、その内容についてどういうふうにやっておるのかわかりませんが、たとえば帳簿引き上げによる監査の実施、原簿と通帳との引き合わせですね。それから実際に預入者に対しての探問、これは実際行動ですね。それからもう一つは預入簿その他のいわゆる実際上取り扱った帳簿からの調査、それから報告物との対照というふうに、私は、この犯罪の起こる余地のないほどに実際上は厳格なんじゃないだろうか、犯罪は判明することがわかっておってもやるのじゃないかと思うほどに犯罪というものを起こし得る余地というものは実際上はないのじゃないかと思っているけれども、ところがそう言っているやさきに、数年にわたって、しかも数千万円が実際上国損をかけるような犯罪が起こってくる。こういうことになると、たとえばいま言ったような探問とか、あるいは通帳の引き上げとか、あるいは帳簿の照合とか、原簿と帳簿の照合等々、そういうもの以外に何か欠陥があるのじゃないか。これは監察制度の問題もあろうかと思いますし、それから事務上の処理の問題もあろう。言ってみれば、犯罪を犯そうと思えば、たとえば預入通知書を書いて、預入通知書の主務者印を押すのは局長が押すわけです。それから現金が、窓口で十万円受け取ったやつを預入簿に一万円と書きまして、しかし証書には十万円とやって向こうに渡した、そういう何か操作というものが窓口ですらすらと手口よくやられて、そして局長が主務者印を押すときに、局長としては、一万円ですねと言って、その証拠書を見た上で確認をする。そういう中で出てくるとすれば、不在局長ないしは共謀等々の問題があると思うのだけれども、一体どういうことなんですか。それはどうにもそういうことをじかに発見するすべというのは、やろうと思っている場合にはないという、不可抗力のことだと判断しているのですか。それとも、対策はあるというふうにお考えなんですか。武田貯金局長のときには、窓口に、全局にはできなくても、主要局には何かタイプみたいなものを配置したいというようなことを言っておりましたけれども、そのことでどういうような犯罪が防止される、こういう見込みなど持っておられるのか、その度合い等についてひとつお聞きしたいと思います。
  159. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) われわれといたしましては、犯罪のないように完璧を期した布陣をしておるつもりでありますが、たとえてわれわれが元通と申します制度で、預入者の方々に現在の元利合計をお知らせしまして、そういう郵便局員の不正を事前に早く知りたいというふうな制度をやっておりますが、そういうのを郵便で出しましても、集配局であればその犯罪者がそれを取っちまうとか、また、預金者がすぐ地方貯金局のほうに変だということをお知らせくだされば、犯罪もつかみやすいのでありますが、やはり、特に地方におきましては、郵便局に対する信用が絶大でございますので、その犯人のところにおかしいということを申し出られるケースが多くて、その場合に、犯人でございますので、それは間違っておるだろうからというふうなことで、おれが処理してやるというふうなことで、だらだらといっておるというふうな盲点がございまして、要は国民の郵便局に対する信頼を逆用したというふうな点が盲点でございます。
  160. 横川正市

    ○横川正市君 たとえば特定局長あたりが、常時、出し入ればひんぱんでありましても、預入をされている人たちについての、何といいますか、お礼の意味も含めて、実際上の探問活動をするとか、まあいわば機械にたよらないで何かの防止策を考えるという必要はあるのじゃないですか。共謀以外であれば、これはわかるわけですが……。それから家族従業員について規制をするとか、いろいろまあ処置というものはあると思うのですが、そういうまあいわば現場の管理者に対する教育といいますか、それともう一つは、人間の手ではどうにもならない、いわゆる機械による犯罪防止の方策とか、機械化によるとかというものは考える必要があるのじゃないか。いわゆる、先ほど委員長が言っておったように、取ってくれと言わんばかしのかっこうに置いておかないで、どうやっても取れませんというようなかっこうに、これは金銭を扱うところというものはぼくはすべきだと思いますよ。そういう意味からいえば、窓口だけでなしに、いま金庫にたよって防犯対策をやっているわけですよね、郵便局は。そこは木造でもって類焼もするだろうし、ガラスでも破ればいつでも侵入ができるだろうし、この間の九段の郵便局のように、三回ものこのこ入ってきて、とんまだから三回目につかまったけれども、そういうような局舎管理の問題だって私はこれは十分考えていいのじゃないか。いまはそういうことなんだけれども、木造のぼろな床の上に床が落ちるような金庫を据えつけて防犯対策をやっているようなことで、実際上はそういう面からも考える余地というものはあるのじゃないか。いわば物による防犯、それから人による防犯、機械による防犯、そういった点を一体これから十分検討する必要があるのじゃないかと私は思うのだけれども、どうですかそれは。
  161. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) まあ家族構成局というようなものは、御承知のとおり、だんだん減っておるような趨勢でもありますが、やはり相互牽制組織というものを確立していかなければならないと思っておりまして、そういうふうな手段を講じておるわけであります。  なお、先ほど申しましたような証票面、通帳面と預入報告書とが違うというふうなことでその差額を横領するというようなことのためには、機械化を行ないまして、同時に通張にも証拠書にも印示するというふうなシステムをただいま考えて、その機械を開発中でございます。
  162. 横川正市

    ○横川正市君 政務次官、この座談会の記事、ちょっと読みますとね、「隣にある信用金庫はがらがら。その隣にある勧業銀行、これもがらがら。しかも、両方とも建物、施設が近代的でりっぱ。これを見ていかに郵便局利用度が高いかということを感ずるんだが、その設備はこれはもう全く話にならない。一体こういうようなことでこの郵便局利用者の実際の貯金の管理その他ができるとは考えられないんだが。」というような意見があります。郵便局はずっとこの行列をつくっていたら、そうしたら郵政の人は何と言ったかというと、「それは記念切手でも売っているときじゃないですか」と、認識していないのだな、実際上郵便局利用度というやつを。これはまあ常時ですよね。それぞれの月のうちの何日ということでなくて、集中的に忙しい。ことに東京都内の特定局なんというのは、四六時中一ぱいですよ、利用者が。ところが、対比して見ると、信用金庫も相互銀行もそれから勧銀の支店もがらがらだと。ところが、そういうがらがらな銀行は鉄筋コンクリートの、しかも控え室はばんとしたソファーで、ドアは自動ドアで、入っていくとがらがらとあくというような、そういうことでいいのでしょうかというのが、これは一般の私は郵便局利用している人たちの、意識するとしないとにかかわらず、疑問を持っていることだと思うんですがね。この点は一体どういうふうにお考えですかね。解決策をあわせてひとつお伺いしたい。
  163. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 横川委員の御指摘をいただいたように、郵便局舎の非常にお粗末な面が多くあるわけでございます。私も、政務次官就任以来、東京都内の特定局、特にまあ新宿とか、あるいは上野とか、下谷とか、あるいは日本橋とか、だいぶあちこち歩いてみました。新宿の伊勢丹の裏、それから上野の松坂屋の裏にある特定局、もうほんとうに立錐の余地ないほどの利用者でございます。しかも、中に入ってみますと、腰かけて休む場所もない。また、たくさん並んでるものですから、二十分ないし三十分も待たされるといったような例も、私も十二分に承知いたしまして、四十一年度の予算編成にあたりましても、この局舎改善という面には、郵政省としてもできるだけの馬力をかけなけりゃいけないという感じを持ちまして、まあ予算的にも、建築関係の面におきましては、できるだけ最大の努力をいたしまして、百七十五億だったと思いますが、予算計上に努力をしておるわけでございます。しかし、なかなかこの東京都内、特に繁華街における特定局――銀座とか、新宿とか、あるいは渋谷とか、もうほんとうに、郵便局といいますか、郵政事業といいますか、そういうものを心から愛している人によってかろうじて維持されておるという感じを持ったわけでございます。そこで私も、建設省のほうにお願いしまして、今後建築基準法と申しますか、何か時定の目抜き通り等に大きなビルができるような場合には、できるだけ郵便局をその中に置いてもらえるような方法はできないものだろうかということでいろいろ相談をいたしておるのも、その一つ努力のあらわれと御承知いただきたいと思う次第でございます。
  164. 横川正市

    ○横川正市君 私有権の問題がきわめて高く守られているわけですから、あまり法律をつくって、これを侵害するようなことは、これはまあ論外だと思うんですけれども、たとえば東京のようなところだけでなしにも、私の実際上の経験からすれば、旭川の駅前に一条七丁目西局というのがありました。これはすぐ駅前じゃありませんが、駅から二町半くらいですかね、離れたところで、それでも駅前郵便局としての利用度というのは旭川で一番高い利用度だったんです。この間私帰ってみましたらね、そこへ郵便ちょっと出しに行こうと思って行ったら、郵便局がないんですよ。おかしいなと思って、それから今度は気がついて聞いてみたら、二条五丁目か六丁目に移転したというのです。それは、郵便局長が定年で退職すると同時に、目抜きなものだから局舎を貸さない。それでとうとう窓口は閉鎖をされる、こういうことになりましてね。私は、旭川のような都市でもそういう問題が起こっているわけですから、これはもう推して知るべしですよ、東京とかその他大きなところは。そこで、どうですかね。たとえば局間距離などというものがあるわけですからね。しいて言うならば、その密度に従ってそれを縮小するとか、その他何か、ここには郵便局は必要なんだというやつは、あらかじめ地図の面で明確にしておいて、そしてそこに何らかの変更のあるような場合、たとえばビルが建つとか何とかというときには、積極的にそこと折衝するというようなかまえというものがあっていいのじゃないか。まあだれかから言われるとようやくそこへ折衝するというのじゃなしに、もっと積極的に窓口の開設をするような動き方をしたらどうか。  もう一つは、郵政省からそう言われれば、スペースについては――実費は郵政省で負担するならば、これは当然スペースをさいて郵政省に貸さなきゃならぬというくらいな法律でもつくれば一番いいわけですがね。それもなかなか困難でしょうから、そのくらいな程度の窓口開設についての努力というものがあってもいいのじゃないか。そう言えば必ず、いやその努力はしています、あすこにも建ちました、ここにも建ちましたと言うだろうと思うのだが、あすこにも建ちました、ここにも建ちましたじゃ足らないのですよ。ことに、今度の予算でも、特定局の新設計画がありますね。あの新設計画は、経営上からいったら赤字のところだけ建つのですよ。経営からいって黒字になるところは建たないのですよね。いかに公共性が高いと言ってみても、これでは私はほんとうに国民の利便機関としての窓口を開設していることにはならないのだ、結果的にはね。そういう点も含めて、私はその窓口開設についての努力とくふうがあってしかるべきだと思うのですがね、どうですか。
  165. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 横川委員の御説、まことに私どもの気持ちを表現していただいた次第でございまして、郵政省といたしましても、そのような方向で各地方の郵政局等を督励をいたしまして、特に大都市の繁華街と申しますか、そういう点からだんだん郵便局が消えてなくなっているような現状でもございますので、できるだけデパート等にお願いをしてやっていただきたいということを強く指導いたしておるわけでございますが、デパートで郵便局をやっていただいているのは、私の知る限りでは大阪に一カ所、あとはみな追い払われてしまったという現状でございまして、ああいう非常に利便な、人の利用しやすい場所等には、できるだけ郵便局設置をしたいというふうな気持ちで、各郵政局を鞭撻いたしまして努力をいたしておるわけでございますが、なかなか思うようにいっていないのが残念ながら現状でございます。今後とも御趣旨に従いまして努力をしてまいりたいと思う次第でございます。
  166. 横川正市

    ○横川正市君 たとえば、東京のあの中央ステーション、東京駅ですね、あれはいまあちこちに駅の建物が改築されて、そして商店や何かどんどん入って、半デパート化しているというような、そういう、国営とまでいかなくても、いわゆる公共用地にそういう建物が建っているわけですね。ああいうところは特定局の窓口開設のための折衝なんというのを全然やらないんですかね。たとえば中野が今度改築いたしますね。最近は蒲田がやったとか、いろいろ国鉄のいわゆる利用度合いに従って、その周辺の店屋さんが困ろうが何しようが、高層建築を建てて、そうして飲み食いするものとか、衣料品とか売っている店があるわけですね。ところが、郵便局だけはそういうところにあまり見当たらない。東京駅のところに電報受け付けのための何かが一階か地階かにありましたがね。そういうことで、私ども歩くたびに、なぜ郵便局は国鉄と話し合って郵便局の窓口のスペースを取らないのだろうかと、こうふしぎに思うわけだけれども、こんなに全然無関心なのですか。折衝しても貸さないというのですか。貸さないということならば、郵政大臣と運輸大臣との間で折衝すればいいわけですがね。どうなんですか、それは。
  167. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 横川委員から御指摘をいただくまでもなく、私どもとしましては特にデパートとだいぶ交渉いたしたわけでございますが、やはり借り上げ料の問題等がネックになりまして、やはりそこに売店を置いたほうが経営上デパートにとっては非常に有利だというようなことから、なかなか話が思うように進んでおりません。ただいま民衆駅というようなものがあちこちに出ておるわけでございますが、事務当局も、また私自身も、運輸政労次官等を通じて、何とか割りつけの中に郵便局を考えてほしいということを申し入れをいたしておるわけでありますが、これもなかなか思うように進んでおりません。ただ、御承知のように、団地関係につきましては、建設省住宅局の方面においても非常に理解を示してくれまして、この方面は逐次整備をされつつございますが、御指摘のこともございますので、今後とも郵政省として従来以上に強力な折衝をして公衆の利便をはかるようにしてまいりたいと考えております。
  168. 横川正市

    ○横川正市君 全く歯がゆいと思うんだね。国鉄だって資金運用部の金を借りているわけでしょう。だれがそれを集めているんですか。何か窓口の人たちは、これはどうなのかね。与えて取るという、与えているんだからもらうんだという気持ちはないのですかな。あれだけの施設を、設備投資をする、たいへんだと言ってわれわれは大騒ぎをしてやっているわけだけれども、一体その金のうちの、私どもの同僚がやっている貢献度合いというのはうんと強いはずでしょう。民衆駅ができて、駅前は地価が高いから、窓口をつくろうと思ったって、だんだんつくれなくなっているから、それならば民衆駅ができたときに、そのスペースの中に郵便局をつくろうといって、われわれは公共性が高い高いと言っているんだけれども、相手側が公共性を認めないという。そういうことを黙っているというのもおかしいわけですね。資金についても十分貢献しているわけでしょう。だから、どの民衆駅を見ても郵便局のないのは、非常にふしぎだと私は思っているわけですよ。どうですか。やってみてもだめですなという、そんなことでなしに、これはもっと強力にやってもいいんじゃないですか、どうですかな。
  169. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 先ほど来申し上げておりますとおり、郵政省といたしましても強力に折衝を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  170. 横川正市

    ○横川正市君 これは大臣のときの質問も同じですから、あなたからひとつ大臣にぜひ強く伝えていただきたいと思います。それは、コーヒー店が一軒なくたって、郵便局のあるほうが、これは絶対必要ですよ。コーヒー店があるのに、郵便局がないのは、さかさまだと僕は思う、実際。これはぜひひとつ進めていただくように、それから同時に、各必要地点における郵便局の開設については、これはぜひ努力をしていただきたいと思います。  それから、事務の処理の問題で機械化の問題が答申をされておるわけですが、いまのところ地方局に大体四局程度しか機械化の設置されたところはないようですが、これは将来どういう計画なんですか。二十八局全部同じようなシステムの借り上げ計算機というものを配置するという考え方ですか。もしそうだとすれば、それは何年年次に完成するわけですか。
  171. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 御指摘のとおり、現在四つの地方局におきましてPCSの機械化をはかっておりますが、最近に至りましてPCSよりもさらに効果の多いEDPSが世界的に採用されてまいりましたので、一応四局でPCS方式はとどめまして、今後はEDPS化してまいりたいというような考え方で、まだ具体的な計画というものまでは固まっておりませんが、ここ数年のうちにEDPSを逐次地方貯金局に入れてまいりたいという構想を持っております。
  172. 横川正市

    ○横川正市君 衆議院の速記録の中でも取り上げられておったのですが、業務の集中処理の問題と、それからサービスとの――それがサービスを伴うかどうかということでいろいろ質疑がかわされておるようです。たとえば定員とか、あるいは戦後処理の関係とか等から、事務の能率化というものを度外視して定員に見合う業務の割りつけみたいなかっこうで、実際上の受け持つ仕事の種類といいますか、これが割り当たったようなところがありました、私どもの経験では、たとえば東京、長野、山梨、あるいは仙台、秋田、山形などというように、それぞれ二十八局の中で業務の種類別によってこれが能率的にやるのではなくて、定員その他の勘案から仕事をそっちに持っていくというような、そういう傾向というものがあったと思うのですがね。まあ相当長期にわたって貯金関係では定員の増強を行なっておらないようですし、集中処理の方式で、不便な点についてはこれの担当を改正するというような、そういう考え方がありますか、それとも現行を相当長期に持続しよう、こう思っておられるのか、どちらですか。
  173. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 担当を変えるというふうな考え方も、意見としてはございますが、目下のところ現在の機構でまいりたいと思っております。
  174. 横川正市

    ○横川正市君 このEDPSは実際上何年ぐらいで残った二十四局に配置されるのか、その年次計画を聞きませんでしたが、これと要員関係の対策はどういうふうにお考えになっておりますか、年次計画的なものがあれば、それに付加してひとつお答えいただきたいと思います。
  175. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 先ほども申しましたとおり、まだ現在、昨年から主としてEDPS化の研究をする予算がとれておりまして、研究段階で、一応の構想というものはございますが、計画はまだ持っておりません。
  176. 横川正市

    ○横川正市君 要員対策はどうですか。
  177. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 全地方貯金局がEDPS化されますと約四割の能率アップでございますので、現在貯金関係要員は一万三千人従事いたしておりますので、この面から言いますれば、二十八局にEDPSを入れますれば、その四割、五千人余りが要らなくなるというか、浮いてくるという計算に相なります。
  178. 横川正市

    ○横川正市君 これは計算上のことなんですか。実際にはこれあなたのほうではEDPSを配置するというための準備に入っているわけでしょう。そうすれば、それに伴ってもっと要員関係については厳密な方策というものが付随していなければならないということになりますね、どういうことですか。
  179. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) われわれは今後十年の間に大体現在の貯金に関しまして事務量が倍になるというふうな計算をいたしておりますので、EDPS化によりましての浮きました要員はその倍になる物増の処理に当たるというふうに現在は計算いたしております。
  180. 横川正市

    ○横川正市君 だから、私は、現行のようなサービス度合いでは、これはもう実際上これ以上の利用者というのはそう期待するほど増加しないと思うのですよ。いくら金を突っ込んでみても、実際上はいまの振替貯金なんかでも、その利用度合いは、フランスあたりでは七〇%、八〇%というのに、うちのほうは四・何%というように、そういう度合いにとどまっておるわけでしょう。それをどう高めるかというやつを具体的にやらなければ、私はサービスも向上しないし、それから実際上の企業の中の矛盾の解決もできない、こういうことになるので、これは容易でないと思うのですよ、実際上は。だから、もう少しやはり本省はそういう点でもって真剣に取り組んで、いまのあなたの言うままでいけば、五千人もそれじゃ配置転換しましょう、希望退職しましょうと言ったって、実際上はできないでしょう。そうすると、労働力というものはいわゆる過剰なかっこうで存置されるのか、どうなのか、ますます企業経営を悪化させるというようなことになるわけだから、そうなればおのずとこれはサービスの向上なんということは望めないことになるわけですよ。その点で私どもは、これは理想論ばかり言っているわけじゃなくて、もっとじみちな研究や実施をやれば問題の解決ができるのではないかと思われる点が多々あるから、その点を指摘したわけです。ことに、今度の問題で四つの柱を立てられたわけですね。この答申で四つの柱を立てたのだけれども、今回はこの振替法の部分修正だけで、あとのことについて計画はどうかといったら、衆議院の速記録を全部読んでみましても確たる答弁をしておらない、これはいかぬと思うのですよ。この答申は非常によく、何といいますか、くろうとも入っていただいたんでしょうが、非常につぼを押えて出されていると思うので、これに基づいて柱がもっと的確に事務当局によって処理をされる、あるいは年次計画によって逐次これが実施段階に移っていくというような、そういうことがなければ私はならぬのではないかと思うのですけれどもね、どうですかなこれ。ただ、たとえば、あなたの御答弁のように、第一の現金封筒はどうしたかと言われれば、それはいま利用者の選択にまかせておきますのだと、こうでなしに、もっと振替が確実迅速に、しかも安全でやれるということになれば、これは現金送達は要らなくなるわけでしょう。赤字を出してやるよりも、いわゆる四・何%の。パーセンテージを、これを三〇%、五〇%に高めるのにはどうしたらいいかということをやって、そうして現状で停滞するということは、これはもう明日にはどう変わるのだというような、私は一つの前向きの方針というものは立てらるべきだと思うのですよ。どうですかね、実際こういう面では。
  181. 稲増久義

    政府委員稲増久義君) 今回の振替法の改正も、実は仰せのような普及をねらっておるわけでありまして、まだわれわれといたしましても十分ではございませんが、さらに制度改正によりまして運用収入等がふえてくる見込みでございますので、一そう料金等を調整する等でますます口座を持っていただく方がふえていくと、特に定期継続等によりまして飛躍的に口座加入者もふえるというふうなことで、振替も電話と同じようになるべく多くの人が持っていただくほど効率が高くなる制度でございますので、そういう連鎖反応的に制度が発展していく、こういうふうに考えております。
  182. 横川正市

    ○横川正市君 大臣来られたから、前段でいろいろ質問をいたしまして、政務次官からあなたにお伝えをいただくことにお願いをいたしておきました。それで、さきに余裕金の問題等を一つのきっかけとして振替のいわゆるこの制度について大臣の決意を聞かせてもらったわけですが、ぜひひとつ政務次官のほうに、二度と繰り返しませんが、窓口の開設のための努力であるとか、それから企業の努力によって当然収益があがるものについてはどんどん改善してもらうとか、いま郵政事業――郵便、貯金、保険事業の落ち込んでいるその状態を克服するために真剣にこれは取り組んでもらわなければいかぬという点をるる申し上げましたから、この点をぜひひとつお聞きいただいて、事務当局を督励して一体となって解決に努力していただきたい、この点を最後に一つ私から要望して、きょうはこの程度にとどめておきます。
  183. 永岡光治

    永岡光治君 ただいまの質問に関連いたしまして、大臣がお見えになりましたから、二つだけ。一つ質問一つは要望になります。  その第一点は、横川委員のほうから質問いたしました沖縄の貯金の問題でございますが、関係の閣僚の皆さんと相談をしてやるということですが、私の聞きたいのは、いずれはこれは措置をしなければならぬと思いますが、そのときの支出会計ですね、特別会計から出ることになるのかどうかということです。大臣の話では、慰労金と申し上げるのが適当なのかどうかわかりませんけれども、完全にそれを弁償するという意味についてはどうかということになりますと、なおさらこれは問題があるわけですが、その点はどういうことになるんでしょうか、腹がまえだけ。
  184. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 横川さんのおっしゃいました御趣旨は、よく政務次官からも聞きまして、御趣旨を体して急速に考えることにいたしたいと思います。  いま永岡さんのおっしゃいました点ですが、私は特別会計で、また預金者全体のことを考えます場合には、沖縄の方に御同情申しながら、その限度はきわめて限られておると思います。私は、このことは郵政大臣の考え方で、会計の中でいたすことならば、ほかに別にだれとも相談する必要があるわけではございません。ただ、先般沖縄立法院から参りました方から、具体的には何も言われなかったのでございますけれども、本土に来てみて、来る機会が割りに少ないのに、沖繩の窓口は総理府だとかいろいろ言われる。しかし、それぞれのところに関係があるから、どうかその関係の各大臣、各省が、ひとつどっかへ行ったらそれを持ち寄って相談してくれるような形にしてほしい、その点だけ御要望でありました。これは聞いてみると、ごもっとものことであります。ごもっとものことでありますから、それは一般会計でどう考えるか――これは大蔵大臣の多分に考えることでございますけれども、特別会計だけとして考えれば、もう私のほうの考え方だけでいたすことであります。私のほうの考え方でいたすこととすれば、非常に限られた幅においてものを考えてまいる。ただ、いままでの見舞い金よりはやや割りのいい率を考え得るのじゃないかという程度だと思います。しかし、さらに沖縄の方全体について、必ずしも郵便貯金ということにこだわらずにものを考えようというようなことが、政府部内で考えがあれば、それはまた私一案だと思いますが、たてまえといたしましては、いままで考えておりましたことで、何とか先方の御了解を得れば、早く解決をいたしたい、こんなぐあいに考えております。
  185. 永岡光治

    永岡光治君 これは完全な、内容がぴったり一致するわけじゃありません。少しケースが違うと思いますが、韓国あたりの引き揚げ者及び韓国人そのものに対する払い戻しと申しますか、その問題は処置されたと私は思うんですけれども、たしか韓国人に対するこの前の処理は、全部込めて一般会計から幾らということで措置されたように思うわけです。そのときにはたしか特別会計から出ていなかったんじゃないかと思いますが、そういう例もあるわけですから、これは十分勘案をして、いやしくも特別会計の危殆に瀕するようなそれほどのたいした金額でないかもしれませんけれども、そういう配慮というものは十分考慮していただきたいと思うんです。  それから第二点は、これは要望ですが、これも先ほどちょっと、そのこと自体に対する質問じゃありませんでしたけれども、中に触れてまいりました貯金に従事をしております職員ですね、職員の人事が非常に行き詰まっておるんじゃないかということのお話でありますが、私ども地方に参りましても、確かに実情はそうだと思います。度合いは多少違いましても、保険の場合もやっぱり同様な悩みを持っておるんじゃないかと思いますが、人事についての配慮ですね、これを十分にひとつ大臣、関係当局と考えてもらわなきゃならぬと思いますが、これは要望でございますが、近くまた異動期にもなろうかと思いますが、そのときには十分配慮していただくように  人事が停滞してあまり勤労意欲を欠くようなことでは困りますが、そういう配慮をしていただきたいと思うんですが、この点についての大臣のひとつ考えと申しますかね、それをひとつ、要望を込めて、答弁をいただきたいと思います。
  186. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 人事全体については十分考えなければいけないことでありますし、ことに、いま御指摘のように、停滞しておるようなことがありますれば、当然考えなきゃいけないことでございます。よく実情を私もさっそく聞きまして、御要望のお気持ちを体して、ひとつよく考えてみることにいたします。
  187. 永岡光治

    永岡光治君 以上で私の質問を終わります。
  188. 野上元

    野上元君 手数料引き上げの問題について、二、三質問しておきたいと思うのです。  今回、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案として、手数料改正が行なわれるわけでありますが、この中に改正理由として、「適正なものに改めようとするものであります。」と、こういうふうな理由をうたってあるわけでありますが、郵務当局としてこの適正であるという基準というものは一体何に置いておられるのですか、それをちょっとお聞かせ願いたい。
  189. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 私どもとしましては、いろいろかかっておりますコストをまかなう程度手数料、でき得れば経費に若干の余裕をつけた手数料を差し上げたいというふうに考えております。
  190. 野上元

    野上元君 非常に抽象的なお答えなんですが、たとえばこの法案を提出されるについて、参考資料として、たばこの販売手数料が載っているわけですが、いま私はこれを見ながら両者を比較検討してみたのですが、これについて何か参考にされたということはございますか。
  191. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) たばこ手数料は、実は午前中の御審議の際にもちょっとお話が出ましたのですが、いろいろ事情の違いからいたしまして、切手の売りさばき手数料につきましては、直接このたばこ手数料のまねをするといいますか、これに追随するといいますか、似たような形には、まあ財政状況からもいたし得ませんし、またそこまでいかなくとも、切手手数料というものは事情の違いからしてやむを得ないものだというふうに考えているわけでございます。
  192. 野上元

    野上元君 念のためにこれとちょっと比較してみたいと思うのですが、たとえば十万円の売り上げがあった場合に、切手あるいは印紙の場合には百分の五ですから、それに十二をかければ一年分の手数料が出るわけです。そうしますと、大体六万円というものが手数料になると思うのですが、そういうふうに計算してよろしいですか。
  193. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 切手印紙を十万円一カ月買い受けました場合の手数料は、五千四百円になります。たばこの場合は、これは月額十二万円までは一割でございますから、十万円の場合は一万円ということになります。
  194. 野上元

    野上元君 そうしますと、いま私が計算しましたように、切手は、月額十万円の手数料については、それが一年間続くとして計算すると、百分の五をかけて得た数字に十二をかければ年間の手数料が出るわけです。そうすると、六万円ということになるのです。一方たばこのほうを計算してみますると、大体年間百万円の売りさばきがあれば十万円の手数料ということになるわけで、その十万円対六万円の差があるわけです。そういう点については、計算して比較されたことがありますか。
  195. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 月額十万円が、たばこのほうの収入一万円に対しまして五千四百円でございますので、これを一年にいたしますと、十二万円と六万四千八百円に相なるかと思いますが、今度の手数料改正案をつくるにつきましては、たばこと直接そういうふうに比較をいたしましていたしたことはございません。一応たばこ手数料というものを念頭に置いては考えますけれども、主たる基準というふうにいたして考えませんので、従来からのいきさつ、それから手元に持っておりました資料などからしまして、十万円以上売りさばくところの経費、これは金利とか労賃とか雑費だとか物件費、それに若干の余裕、そういうものを込めまして算出しまして、今度の改正をお願いしております程度のものが、ほぼ経費をまかない得てなお若干の余裕を差し上げることができるというふうに考えたわけでございます。
  196. 野上元

    野上元君 それじゃたばことの比較は一応その程度にしまして、今回ばかりではなく、前回からも、この一万円以下、それから一万円をこえて十万円以下、それからさらに十万円をこえて百万円以下、百万円をこえて百五十万円以下、さらに百五十万円をこえる金額、こういうふうになっておるわけですね、分類が。ところが、一万円の場合には、今度百分の九になるわけですね。今度一万円をこえ十万円以下の場合には百分の五になるわけです。今度は十万円をこえると百分の一・五になるわけです。そうすると矛盾が起きると思う。たとえば十一万円売れた場合には、一万九千八百円に手数料が私の計算ではなるのです。ところが、十万円の場合には百分の五をかけるのですから、逆にこれは六万円くらいになるのですね。そういうふうに、たくさん売ったほうが少なくなる、手数料が。この落差が大きいために、そういう関係がずっと全部起きてきやせぬか、こういう心配があるのですが、その点の救済方法というのがないわけですか、それとも私の計算方法が違っていますか。
  197. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 今度の手数料は、相当高額に売りました場合でも、たとえば十一万円売りました場合には、十一万円に対して一・五%をかけるのではなくて、最初の一万円には九、それから一万円をこれて十万円までの九万円の部分については五分、それから十万円をこえた部分だけにつきましては一分五厘、そういうような手数料を加えていくわけでございます。
  198. 野上元

    野上元君 そうしますとね、いま私がちょっと自分でかってに出した数字で、誤りがあったようですが、十一万円売った場合の手数料は幾らですか、すぐ出ますか。
  199. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 十万円が五千四百円でございましたので、その上の一万円は百五十円、五千五百五十円というふうに考えております。
  200. 野上元

    野上元君 それは総計幾らになりますか。一年間の計算として、毎月十一万円売れたとして、一年間の計算では幾らになりますか。毎月々々に計算するのですよ。
  201. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 毎月月ごとに大体計算して手数料を支給いたします。五千五百五十円の十二倍ということになるわけでごさいますが、いまちょっと計算しておりませんです。
  202. 野上元

    野上元君 十万円売った場合に、月の手数料は百分の五でしょう。そうすると、それは五千円じゃないですか。五千四百円というのはどういう計算ですか。最初の一万円のところの計算のやり方が違うわけですね、私のほうが。それで五千四百円ということになる。それで、十一万円の計算の場合には、三つの段階に分けて計算するから、それが五千五百五十円になる。そうすると、結局百五十円だけ十一万円のほうが手数料が多い、したがってよけい売ったほうが少なくなるというような計算はいずれの場合にも当てはまらない、こういうように承知してよろしいですか。
  203. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。
  204. 野上元

    野上元君 それでは、三十万円を売った場合の一カ月の手数料というのは幾らになりますか。
  205. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 八千四百円になるのではないかと思います。十万円までが五千四百円で、上二十万円につきまして一分五厘、三千円になりますので、八千四百円かと思います。
  206. 野上元

    野上元君 そういう計算は、百万円であろうが、百五十万円であろうが、全部そういう計算でずっとやっていくわけですか。
  207. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。
  208. 野上元

    野上元君 そうしますと、全体的にはバランスはとれる、私が心配したようなことは起こらないというふうに認識してよろしゅうございますか。
  209. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。
  210. 野上元

    野上元君 それでは、旧来の手数料の総額は幾らで、今回ふやしてどれくらいの総額になるのか、お示しをいただきたい。
  211. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 四十年度が二十四億千七百万円、これはまだ予定でございます。四十一年度におきましては、この手数料の改定による増額の分五億一千万円を含みまして、自然増と、それから郵便料金の値上げによる増加と、全体合わせまして三十三億六千万円ほどになる予定でございます。
  212. 野上元

    野上元君 郵便料金を値上げしないとすれば、この改正による増額は一千万ということですか。
  213. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 五億一千万でございます。約一七・九%の引き上げになるわけでございます。
  214. 野上元

    野上元君 ここに、資料に売りさばき所の数が出ておりますが、この中で、あなたのほうにもし資料があればお聞かせ願いたいのですが、最高の手数料を取っているところはどれくらいあって、どれくらいの額を手数料として取っているか、それはわかりますか。
  215. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 東京都内に二千五百五万円ばかり売っているのがございまして、これが私どもの知る限りでは最高でございます。
  216. 野上元

    野上元君 二千五百万円というのは、それは手数料ですか。
  217. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 一カ月の売り上げでございます。
  218. 野上元

    野上元君 そうすると、その手数料は幾らになりますか。
  219. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 十四万円ほどになります。
  220. 野上元

    野上元君 一番下のやつは三千円ということにみなして出しているわけですが、その三千円とみなしているようなところはたくさんありますか。
  221. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 新しい基準によりますと、五千円以下のところが手持ちにございまして、それは約四万三千五百カ所ばかりございます。三千円未満のものは、たしか全体の三割強ぐらいでございまして、四割まではいっておらなかったと思いますから、ほぼ三万カ所をちょっと上回る程度だと存じます。
  222. 野上元

    野上元君 最低の売りさばきをやっているところが、大体全体の三割何ぼあるということですね。これはたばこの売りさばき所というのは数はわかりませんか。
  223. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) たばこの小売りをいたしますところは、全国で約十八万カ所でございます。
  224. 野上元

    野上元君 大体わかりました。それで、これを決定される場合に、おそらくいま売りさばき所の組合みたいなものがあると思うのですが、そのほうから来た陳情というものの要求は、一体どれくらいだったのですか。
  225. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 財団法人の切手売りさばき協会がごさいましたが、そちらから公式に参りましたのは、幾らまでは何%、幾らまでは何%という形では参りませんで、非常に手数をかけるわりあいに手数料は低いので、みんな困っているから、相当引き上げてもらいたいと、そういうようなことでごさいました。
  226. 野上元

    野上元君 相当引き上げてもらいたいという要望は常々私たちも聞いておったのですが、この場合それでは相当引き上げたということになりますか。
  227. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 先ほど申し上げましたように、一七・九%でございまして、三十七年からのことでごさいますので、非常に引き上げたということには、そこまではまいらないかと思いますが、ただ、年々売り上げが相当伸びておりますので、総体の手数料収入について見ますと、三十七年度が十六億七千二百万円でございました。売りさばき所の数も少しはふえておりますが――年々千四、五百ずつふえておりますが、これが四十一年度に、これは予算でございますけれども、三十三億六千万円くらい、倍になっておるということなども考え合わせますと、まあ全体として事実上相当改善はされているというふうに私ども考えておる次第でございます。
  228. 野上元

    野上元君 倍になったと言っておるのですが、その倍の、もとの数は、それは何年のやつですか。
  229. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和三十七年でございます。三十七年の四月から現在の手数料に改められたわけでございます。
  230. 野上元

    野上元君 そうしますと、この沿革を見ますと、大体四年に一ぺんくらい上げてきておるようですが、大体そういうつもりで計画的にやっておられるのですか。
  231. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) そこまでは考えておりませんで、確かに、仰せのように、二十四年、二十九年、三十三年、三十七年というふうに改正はされておりますけれども、今後につきましては、私たち、実は午前中も申し上げたごとでしたが、相当精細な資料をとりまして、しっかりした検討を加えまして、この次にどうすればいいか、いつごろどうすればいいかということを研究いたしたいというふうに考えております。
  232. 野上元

    野上元君 最後に、さっきもお話ししましたように、少額のものと中額のものと多額のものと分けて、ランクがあまりにも落差が大き過ぎるように思うのですが、これについては、当局としては不合理だというふうには考えておられないのか、大体これでよろしいというような見方ですか。
  233. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ちょっと将来の問題といたしましては、ただいまも申し上げましたように、詳しい資料を検討いたしました上でこの問題は取り組んでまいりたいと思いますが、当面のこのたびの改正につきましては、実は手持ちの資料につきまして、要ります金利とか人件費とかをずっと計算したり、あるいは部分的には実地に当たったりいたしましたのですが、今回の改正で、一とおり、一万円以下一万円から十万円、十万円から百万円、それぞれこのたびの改正いたします手数料でほどほどのところになるという結論を得た次第でございます。
  234. 田中一

    委員長田中一君) ちょっと関連して。精算は、これは何日目にやるわけですか。
  235. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 毎月の計算でございます。
  236. 田中一

    委員長田中一君) 毎月の計算が、何日間かかって精算されますか。
  237. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) これは大体一カ月目、あるいは最後の一カ月目に、次は一カ月目になるという最後の買い受けに参りましたときに計算いたしまして、金額手数料に相当するものを実際上差し引いて切手代を納めてもらうわけでございます。
  238. 田中一

    委員長田中一君) ひとつ大臣に伺っておきたいのですが、こうして何万とある売りさばき所は、おそらく切手印紙を常時持って販売している。局までどこからでも売りさばき人が現金を持って、その現金も通貨で持って買いに行くことになるわけでしょう。そうして買って帰ってくる。これは一ヵ月たって売れて、足りないものを補充するでしょう。これはみんな現金でしょう。そうして一カ月目にようやく向こうへ持っていくと、おそらく、先ほどから各委員の話を聞くと、郵便局というのはだらしがなくて、どんな事務でも三日や四日、普通の経済機関と比較すると四、五倍かかるというようなことを聞いておりますが、おそらく現金をもって買った手数料をもらいに行くのにやはり三日や四日かかるのじゃないかと思います。そういうことをすると、売っている局へ買いに行くのと、局へもらいに行く歩合と、精算をしに行くわけです。こういうところに、いまお話しの三千円とか五千円とかしか売ってないところは、足代にもならぬということになってしまうのです。たとえ、今度の改正で一万円以下の金額のところは五千円とみなして、百分の九としても九百円ですね。五千円なら四百五十円、離島とか僻地から買いに行った場合には、とても話にならぬわけですね。四百五十円ではどうにもならぬです。そこで、こういう方法をとったらどうかと思うのは、委託売りさばき制度、これはむろんさっきお話のあったように、二千五百万も売るようなところにはそんなことをする必要はございません。一定の、たとえば一万円、あるいは五千円以下しか売らないというところは全国に何万かあると聞いておりますが、その辺までは、売りさばき人に委託するわけです。そうすると、売ってもらって、月に一ぺんなら一ぺんでもいい、たばこ屋へたばこを配給して歩いている。そして精算して歩く。だから、委託して、次の機会にまた行って、売れたものの金をもらって、手数料を払って、また新しいものを覆いてくる、ちょうど富山の売薬みたいに。このぐらいのことをしなければ、名誉とか、精神的な一つの誇りを持たしているだけでは、今日の日本の経済社会では、あなた方がその人間をだますことになるわけです。その人たちの労働力というものをだまして搾取するわけです。これはいけません。だから、一定限度の、いま三万といわれているところの、今度値上げして五千円以下の人たちは、保証人何名なら何名つければこれはもうよろしい。そうして、月に五千円を着服する人もいるかもしれません。けれども、五千円程度のものなら、これに対しては逆に委託制度郵便局が委託をして、精算に出かけていって、その費用を払ってやる。手数料を払って、またお願いしますということ、こういう制度をとらなければ、かりに三千円の分を、三千円売らなくても、五千円にみなして四百五十円の金をやったところが、そんなものはどうにもなるものではないのです。バスに乗るのだって何だって、特にこれが僻地とか遠隔地、離島、これは適当にやっているかもしれないけれども、一々四百五十円取りに三里の道を往復歩いたってどうなりますか。バスに乗ったって二百円や三百円かかるものですよ。そういう不親切なことを、かつての天皇制時代の美名に隠れてまた押しつけているということは、私は手数料の問題にも、こうなった以上は、少し伸びたんですから、とやこう言いませんが、制度そのものを変えるべきであると思う。単に、何ですよ、二千万売るところにやれというんじゃないんです。せいぜい五千円以下しか売れないところに対しては、これはもうサービス機関なんですから、サービス事業なんですから、国民のものなんですから、この郵便なんていうものは。だから、これはまあ職員の方々もたいへんだろうけれども郵便局はあなた五円のはがきをちゃんと相手まで届けるんですよ。もう何十里でも何百里でも、汽車や飛行機に――飛行機には乗らぬかもしれぬけれども、汽車や船に乗って、局から五里も離れた山の中へ届けるんです。一方でこうしたサービスをしながら、四百五十円の手数料をもらうために、五千円の現金を先に払って、それで切手なりあるいは印紙なり買ってきて、そうしてまた今度は四百五十円もらうために、何里かしらぬけれども、そこへもらいに行くということです。こういう制度は、これは手数料の問題じゃないです。制度の問題です。これは根本的に改めて、愛情のある政治をするならば、郵便法と同じような精神に立ち返らなければいかぬと思う。私は、郵務局長が、一方において郵便物の配達にはこれだけの愛情とりっぱな奉仕の姿を見せながら、それをこのはがき、切手印紙等に対してはこんな過酷な制度でもってやるなんていうことは、これは今日の日本の社会のあらゆるものと比較して一緒になりません。こういう収奪、こういうことは許せるものじゃないです。手数料は要りませんから、どうかこれはいままでもできるわけなんですから、どうしてもこれは委託売りさばき制度、特殊の一定のものに対しては、これはほんとうのサービス精神です。郵便法と同じような精神に立ち返ってやるという考えはございませんか。
  239. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 現在は、一カ月目に買い受けに参りますとき、手数料を差し引いて渡しておりまするから、手数料を受け取りに行くために二度も三度も足を運ぶことはないそうでございます。これも私は、実際の手続は知りませんで、聞いておるのでございますけれども、何か買い受けに参りますときに手数料を差し引いて  ちょうど一カ月目ぐらいになりましょう、手数料を差し引いて売り渡しておるそうです。
  240. 田中一

    委員長田中一君) それじゃあ返事になりませんよ。そういうことは返事にならぬよ、それは。
  241. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) それで、いまのところではそういう手数を別にかけていないから、とにかく郵便局に行くと。行くことは行くんですよ。行くんだけれども、その一ヵ月分の手数料を差し引いて渡してくれると。
  242. 田中一

    委員長田中一君) また一カ月に行くんでしょう。
  243. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) ええ、一カ月日に。
  244. 田中一

    委員長田中一君) 四百五十円の手数料をもらうために行くんでしょう。
  245. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) いやいや、その切手を買い受けに行くと、そのときにその手数料というものはあげて、だから安く渡すということですよ。だから、その全部あなたの言うようにぐるぐる歩いて、郵便局には来ぬで、委託して、こっちのほうが全部出張しろということも、一つ考え方ですよ。これらもそれは研究はしてもらいます。してもらいますけれども、とにかく切手を買いに行ったときには、あなたのところの手数料はこれだけあるから、だからその切手金額よりもこれだけ安く渡しますということでやってるそうです。
  246. 田中一

    委員長田中一君) そのやってるということは、あたりまえのことなんでしょう。今日のすべての経済社会では、仕入れするときにはやはり仕入れ原価で買うものなんですよ。しかし、それも最近のことであって、いままでやってなかったんですよ。いつからやりました。いままでやってないですよ、それは。
  247. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 現在の会計規程を最近改正いたしましたときからでございまして、もう数年実施しているわけでございます。  なお、そのほか制度といたしましては、売りさばき所が非常に遠いような場合につきましては、集配人による売り渡しという制度もございまして、集配人に申し込みをさせる。申し込んで金を持って行かせると、集配人が次の配達のときに切手とその他郵便局の受け取りを持って届けるという制度でございます。あまり非常に広くは活用しておりませんが、売りさばき所が相当遠いような場合にはこの制度も使われておるはずでございます。
  248. 田中一

    委員長田中一君) 大臣ね、そういう制度があるそうですから、全面的にそういうものを活用して、おそらく知らない人もいると思うのです、売りさばき所の。なるだけめんどうでないことにしたいという気持ちも郵便局にあるでしょうから、配達するほうの側と一緒になって、全部そういうことにしてあげるというような制度をとる、これが一つの注文です。  もう一つは、委託ですよ。有価証券か何か知らぬけれども、とにかく五千円の切手やはがきぐらい委託しておくのですよ。郵便局にはそれだけ資本出さないでも、五千円の金出さないでも、手数料だけ払ってやるというシステムにしたらどうなんですか。それぐらいの資金、一定の資金まで、五千円なり一万円の限度をきめて、この限度なら貸しましょうと、そういうことになれば、三万何千軒もあるのですからね。かりに一万円買ったところが九百円ですよ、一ヵ月の手数料がですね。そのくらいのことがですね、一万円の金を持って行かないでもですよ、委託されて、それで何枚残りましたか、あと補充いたしますということで持ってくるようなことをするのが、これが、郵便法の精神というものはそとにあるのですよ。ところが、売りさばき人に対しましては、そうでなく、そういうような、それこそほんとうに切手を売るという労働ばかりじゃないのです。資本を出し、かつまた仕入れのための労働なんかまでさせるなんということは、これはどうも九百円ぐらいの、一万円で九百円ぐらいの手数料ではこれはいけません。その制度をひとつ検討してください。いまのような集配人が、そういうようなものは全面的にそれを採用するようにしてほしいと思います。大臣、もう一ぺん、さっきのようなああいうのでなく。
  249. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 私現在の実情をあまりよく存じませんから、ひとつ郵務局長からお答えさせます。
  250. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) ただいまの委員長お話、委託販売にするようなことも検討しろという点、十分検討をいたすつもりでございます。まあ一通り考えられますのは、実はまあ切手の管理の問題で、かなり手続、手数等はまあたいへんなような感じもいたしますのと、現在一万円以下の売りさばきのものにつきましては、大体二千円程度資金を動かして、私どもの調査の結果によりますと、二千円程度資金を動かしてやっているようでございますので、まあ金利もそれほどでもないというようなことなどから、ただいまあのような制度にしているわけでございますが、お話の点につきましては、精細な資料をつくりますときに十分検討さしていただきたいと存じます。
  251. 野上元

    野上元君 もう一度ちょっと聞きたいのですがね。たばこの場合ですね、これ一千万円売れたとすると、千分の八十ですから、年間八十万円の手数料ということになりますね、単純に計算すれば。郵便切手の場合ですね、年間千万円売れるということになると、大体月にまあ百万程度売れるものと比較してみないと比較検討できないわけですが、一千万円たばこで売れた場合に、年間八十万円の手数料になる。それを月に直してみますると、大体六万六千六百六十六円になるわけです。ところが、それを切手に引き直した場合には、月百万円のものと計算しないと比較できないのですが、百万円の場合に月額幾らですか。
  252. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 一万八千九百円になります。
  253. 野上元

    野上元君 六万六千六百六十六円と一万八千円と相当開きがあるわけですが、これらについては、何といいますか、切手印紙を売りさばく手数と、それからたばこ類を売りさばく手数と、その間に労力あるいは手間というものが相当違うというので、おおむねこれでバランスはとれているのだと、こういう考え方ですか。
  254. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) たばこ嗜好品でございますのと、それから専売益金による国の収入をできるだけふやしたいという政策も一方ではあるわけでございまして、おそらくこのたばこのほうの手数料には奨励費的なものがかなり含まれているのではないかというふうに考えられます。
  255. 野上元

    野上元君 最後に一つだけ御質問しておきたいと思いますが、この資料によりますると、切手の売りさばき所において売りさばいた売りさばき金額は八百五十九億九千七百六十三万余円ということになっておりますが、このうち切手印紙はどのくらいの比率になっておりますか。
  256. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 売りさばき所で昭和四十一年度じゅうに売ります切手印紙、合計八百六十億ばかりでございますが、そのうち切手が三百十八億、印紙が五百四十一億余りと予定しております。
  257. 野上元

    野上元君 この売りさばき所において売りさばく予定の三百十八億円は、郵政省の総切手売り上げ高に対してどれくらいの比率になるのですか。
  258. 長田裕二

    政府委員長田裕二君) 昭和四十一年度において予定されます郵便切手の売りさばきは千二十七億を予定しておりますので、ちょうど三一%に当たります。郵便収入はもっと多いわけですけれども、別のほうなどの収入も相当ございますので、切手による収入切手の売りさばき額という点だけについて見ますと一三%でございます。
  259. 野上元

    野上元君 以上で私の質問を終わります。
  260. 田中一

    委員長田中一君) 他に御発言もなければ、両法案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  261. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認め、それではこれより討論に入ります。  まず、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の討論を行ないます。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  262. 光村甚助

    ○光村甚助君 私は、日本社会党を代表して、本案に賛成の討論をいたします。  しかし、無条件賛成というものではなく、後に述べる附帯決議案文にもありますように、貯金事業の現在の制度のあり方に根本的な問題として、郵政省で集めている郵便貯金総額は現在二兆六千余億円の巨額に達し、これがそっくりそのまま大蔵省資金運用部に預託され、せっかく郵政従業員が汗水流して集めた金なのに、郵政省にはほとんど発言権がなく、郵政省が自主的に預かり金の効率的運用によって運用収入の増大をはかる余地がないのはまことに遺憾であります。このままでは貯金の募集に当たる第一線従業員の士気を阻喪させることはなはだしいものであります。  ことに、今回の郵便振替制度改正によって、従来の振替貯金の観念から債権債務の決済の送金手段となり、その間に滞留された金こそは、資金運用部に預託することなく、郵政当局において運用できるように改善することが最も望ましい機会でありますので、われわれは本委員会で大蔵当局にもただしたいと思いましたが、時間の関係上今回はこれができなかったのは残念であります。  郵政当局は全従業員の念願でありますところの貯金の運用の改善について今後さらに格段の努力をせられるよう要望し、次の附帯決議を付して賛成いたします。     附帯決議(案)   今回の法改正によって、郵便振替制度はかなりの刷新をみることになるが、この制度本来の目的に鑑み料金によらず、預り金の効率的な運用によって運用収入の増大をはかる等の措置を検討するよう政府に要望する。  右決議する。   以上。
  263. 田中一

    委員長田中一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  264. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認め、それではこれより採決に入ります。  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  265. 田中一

    委員長田中一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました光村君提出の附帯決議案を議題といたします。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  266. 田中一

    委員長田中一君) 多数と認めます。よって、光村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  267. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討いたすことといたします。
  268. 田中一

    委員長田中一君) 本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  269. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  270. 田中一

    委員長田中一君) 次に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の討論を行ないます。御意見のある力は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  271. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  272. 田中一

    委員長田中一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  273. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は三月二十三日を予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会      ―――――・―――――