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林塩君 やはり
戦地、
事変地の
勤務というのは
相当激務でございます。
看護の
仕事自体がそういう激務であるということが、
当局には
考えられていないというような思想があるのでないかと思うわけでございます。
それで、もう
一つ伺いたいのでございますが、これは全般に通ずることでないかと思います。先ほど
加瀬先生も言われましたように、同じような
仕事をしているのだと、それから、あるいはそれよりもっと責任の重い
仕事をしたかもしれないのにかかわりませず、そういう
仕事の面から
考えられていないということは、私もしみじみ思うわけでございますが、今回の
措置として、御
当局のお
考えもわからないことはございません。ございませんが、将来におきまして、やはり
看護職というものについての
勤務、そういう重要さについてものを
考えられますときに、
考えていただきたいわけでございます。
それで、先ほども申しましたように、
看護はたいへん
聖職である。
聖職でありますから、われわれも
考えることでございますけれども、黙ってしていればそれでいいという
考え方が過去にずいぶんございまして、
当局は、やはり社会は、そういうことについて黙ってしていれば、いつかはそういうことを
考えて、適当な
措置をしてもらえるものだというふうな甘えた気持ちがあったかもしれませんが、しかし、そういうふうに、当然
仕事というものは、それは形をやはり認めて、そうして
戦地、
事変と書いてありまして
——他の
軍人の場合には、これは
恩給法からいきますと、それは当然かもしれません。いまのような
措置、お
考え方からいきますれば、
考え方はそれで理屈に合うと思いますけれども、しかし
看護そのものについて
考えますときに、やはりそれと同じような、あるいはそれ以上に心労であった
戦地並びに
事変地のそういう
看護の
仕事というものを評価された場合には、ただ機械的にそういうことをしたというのでなくて、その
仕事の
内容そのものも、やはりものを
考えられますときに重要な要素として
考えて、そうして
相当のこれに対する処置を
考えるのが私は政治でないかと思うわけでございます。そういう点の
考慮が足りませんために、人の命を預かり、あるいはまた自分の身を挺して、そうして傷病者の
看護に従事したと、しかも
戦地の場合は非常に不自由なところでございますし、もうそれは私がいまさら申し上げるまでもございませんが、将来とも、
内地におきましても、いろいろ命を守ったり、あるいは人の傷病の
看護をしたりすることはたいへんなお
仕事であります。その
仕事を評価するという姿勢が国策の上にないものでございますから、いつも適当な
措置がされていないということをしみじみ
考えるわけでございます。
恩給法の中に今度
召集期間というものを
通算されましたことは、私は一歩前進であろうと思うのでございますけれども、しかしながら、ここにもやはり
看護を軽視しているという思想があります。
戦地の場合は、
軍人の場合は一年が四年になっておりますのに、
看護婦の
仕事については、それがそのまま
通算さえすればそれでいいというお
考えもあったように思うのでございますが、この思想がやはりいつでもついて回っているということでございます。現在、
看護婦は非常に不足をしております。そうして
看護者になる人が少ないということは、その評価をあらゆる面でされていないということの如実な問題であろうかと思うのでございます。
私はここで
政府当局に申し上げたいと思いますことは、
看護職のあり方自体についてもっともっと真剣にお
考えいただいて、価値ある
仕事に対しては価値ある評価をしていただきたいと思うのでございます。今回のこの
恩給法の
改正並びに
地方公務員共済組合法については、一応ここまで御努力いただいたことには感謝いたしておりますけれども、あらゆるところにそういう
看護という職に対するところの評価が正しくされていないという面で申し上げているわけでございますが、そのことをぜひ将来ともお
考えいただきまして、
加瀬委員も言われましたように、
内地におきますところの
仕事についても、
仕事の
内容を評価するというたてまえから、この問題もやはりそういう面で将来とも評価をしていただきまして、そしてできるだけ有利にこの幅を広げてもらうようにぜひお願いしたいわけでございます。
そういう
意味におきまして
考え方を申したわけでございますが、このこと自体がやはり現在、
看護婦不足という非常に困った
状態が起こっております。医療の上にも、それからまたあらゆる面に、国民の健康保持、福祉の増進の上から
看護婦は必要なのでございますが、それが国策の上に反映していないということをあらわしているというふうに思いますので、御
考慮をお願い申し上げたいと思うわけでございます。それについて、御無理ではございましょうが、ひとつ御見解をお願いしたいと思います。