運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-06-23 第51回国会 参議院 石炭対策特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十三日(木曜日)    午後一時二十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大河原一次君     理 事                 剱木 亨弘君                 小林 篤一君                 小柳  勇君                 鬼木 勝利君     委 員                 沢田 一精君                 高橋雄之助君                 豊田 雅孝君                 阿部 竹松君                 小野  明君                 大矢  正君                 宮崎 正義君    国務大臣        通商産業大臣   三木 武夫君    政府委員        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省石炭        局長       井上  亮君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞寿君    参考人        北海道空知郡上        砂川町長     中野 与作君        日本炭鉱労働組        合北海道地方本        部委員長    小笠原亀五郎君        北茨城市議会議        員        今井  廣君        日本炭鉱労働組        合九州地方本部        事務局長     山口 健次君        福岡炭鉱離職        者福祉援護会専        務理事      倉田 茂樹君        産炭地域振興事        業団理事     堀坂政太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○当面の石炭対策樹立に関する調査  (産炭地実情に関する件) ○参考人出席要求に関する件 ○産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。  本調査の一環として、産炭地実情に関する件について、本日、参考人といたしまして、北海道空知上砂川町長中野与作君。日本炭鉱労働組合北海道地方本部委員長小笠原亀五郎君、北茨城会議員今井廣君、日本炭鉱労働組合九州地方本部事務局長山口健次君、福岡炭鉱離職者福祉援護会専務理事倉田茂樹君、以上の方々の御出席を願っております。  この際、参考人に一言、委員会を代表いたしまして、ごあいさつを申し上げます。御多用中のところ、遠路わざわざおいで願いまして、まことに感謝にたえません。まことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。  本日、当委員会産炭地実情に関する件について調査を行なうことになっておりまするが、本件についてそれぞれ関係をお持ちになっておる参考人各位の御意見を拝聴いたしまして、もって調査参考にいたしたいと存じますので、各位におかれましても、それぞれのお立場から、忌憚のない御意見を十分にお述べ願いたいと思います。参考人には最初十分程度の御意見を順次お述べいただき、その後各委員の質問に応じていただきたいと思います。それでは、中野参考人小笠原参考人今井参考人山口参考人及び倉田参考人の順序でお願いいたしたいと思います。  まず、最初に、中野与作参考人にお願い申し上げます。
  3. 中野与作

    参考人中野与作君) 私は北海道上砂川町の町長中野でございます。  炭鉱三井砂川鉱業所でございます。きょうは、後ほど各専門の組織の方々から具体的な数字等をあげてお話があろうと思いますが、私は、主として産炭地域自治体としての立場から、特に北海道自治体としての立場から一言申し述べたい、こう存じます。  まず、私の町の現況から申し上げますと、現在人口二万六十二人で、職業別に見ますると、商店及び小規模企業の約四千名程度人々を除きましては、他のほとんどが炭鉱に働く労働者とその家族であります。しかも、上砂川町は、三井鉱業所の開発とともに開拓され、昭和二十四年に独立して町制が施行された比較的新しい町でもあるわけであります。系統的に見ますると、三井鉱業所一つの山で、いわば一町一山という、全道的にも珍しい純炭鉱の町であるわけであります。したがって、炭鉱への依存度がきわめて高いわけであります。町の固有財源の約六五%以上は三井鉱業所財源によってまかなわれているわけであります。このような関係で、炭鉱の好不況が、労働者はもちろんのことでありますけれども商店自治体にも重大な影響をもたらしておることは、あえて言うまでもないのであります。昭和二十四年分町当時の人口は三万をこえていたものが、昭和三十三年の三万二千人をピークといたしまして、昭和三十五年から四十年のわずか五年間に、特に、しかも、三十七、八、九の三年間に八千六百余人という多くの人々が山を去りまして、人口急減を来たしておるわけであります。これを近隣農村人口比較いたしてみますると、優に農村の一カ町村に匹敵する人口減になるわけで、合理化のいかにきびしかったかということが十二分にうかがわれるわけであります。このことは、単に上砂川町だけではなくて、全国炭鉱所在地市町村は軒並みに急激な人口減を示し、多い市では二万をこえるところもあるのであります。この結果、直接市町村財政に重大な影響を来たし、同時に、関連企業や、あるいは、また、商店等にも多くの欠損を与えておる現状にあるわけであります。  今回、人口急減による産炭地自治体に対しては、政府当局におきまして特別補正措置が講ぜられることに決定いたしておるのでありますけれども減収分の八割程度の補給と仄聞いたしておるのであります。これで試算いたしますると、私どもの町でも約千六百万円から千八百万円、わずかの予算の中からこれだけの財政減収と相なるわけであります。このことは私どもの町だけではなくて、関係市町村共通の問題であるのであります。  一方、関係市町村の行政の面から見ますると、たとい閉山あるいは縮小いたしましても、相当数が山に残留する。そういう結果、保育所、あるいは病院、水道、道路、橋梁等公共施設事業施設のごとく簡単に撤去縮小は不可能であるのであります。かつ、また、従来会社が経営をしておりました分まで肩がわりせざるを得ない自治体としての苦しさがあるわけであります。また、教育施設にいたしましても、児童生徒急減によりまして、せっかく新増築したものが所々に廃校、あるいは、また、学級減となりまして、反面、ばく大な起債のみが残されており、これが償還には年々苦慮いたしておるところであります。これらの対策につきましても特段の御配慮をお願いしたいと、切にお願い申し上げる次第でございます。  なお、今日まで産炭地振興対策として、ある程度企業誘致は見ておりますけれども現状では必ずしも期待する効果はあげておらないように考えるわけであります。これらの面に対しまして、政府機関による中核企業等誘致を強力に推し進めていただきたいという特段のお願いを申し上げるものであります。  以上、非常に簡単に産炭地自治体立場から合理化後の現況の要点のみを申し上げたのでありますけれども、もし第三次の答申がわれわれの念願する五千五百万トンを下回る場合、一そうこれに拍車がかかり、将来に一るの望みを抱き、山の火を消すなという合いことばに、あらゆる困難を排除して営々として努力しております炭鉱労働者はもとより、われわれ自治体としても重大な危機に直面する結果と相なるわけであります。三井砂川炭鉱の場合、第一次の答申に基づき、多くの困難に直面しながらも、労使一体となり、当時の大体昭和三十五、六年には稼働人員三千六百有余名をこえておったものが、現在二千百名に急減をいたしておるにもかかわらず、出炭能率においては約二倍の五十二トン、職場によりましては六十トン台に上昇いたしておるのでありまして、当然そこには時間延長等のほか、相当労働過重と相なっておるわけでありますけれども、それには何としても五千五百万トン台を維持し、これ以上町を疲弊させてはならないとの必死の願望が秘められておるわけであります。しかるに、今回の第三次の答申内容を仄聞するとき、五千万トン台を基点に、上下限四%台と相なりますと、当然全炭鉱に波及し、閉山縮小合理化のあらしが再び吹きまくり、今日まであらゆる困難に耐えて、歯を食いしばって再建への意欲に燃えつつある多くの労働者生活の根拠を奪うと同時に、場合によっては市町村の存在すら維持できない結果も招来するのであります。特に上砂川町の場合、炭鉱あっての町であり、山が消えてはあとには一切残るものがない現況から、住民は、あげて悲壮感すら抱いて今次の答申に多くの期待をかけておるところであります。このことは、ひとりわが町のみならず、産炭地域住民の一致せる願望であるとも考えられるわけであります。われわれも、現況置かれております石炭産業非常事態に対しましては十分認識いたしておりますが、事は関係市町村の存廃にもかかわる重大な問題でもございますので、何とぞ本特別委員会において深く御賢察の上、ぜひとも五千五百万トン台を確保できますよう、切にお願い申し上げる次第でございます。  他の問題につきましてはほかの方から申し上げると思いますので、私は自治体立場から、以上申し上げて口述を終わりたいと思います。
  4. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ありがとうございました。御苦労さまでした。  続いて、小笠原参考人にお願いいたします。
  5. 小笠原亀五郎

    参考人小笠原亀五郎君) 私は、日本炭鉱労働組合北海道地方本部執行委員長をいたしております小笠原でございます。  わが国最大産炭地におりました北海道で直接石炭に従事いたしております者の立場から、少しく石炭問題について考え方を述べてみたいと思うのであります。  すでに先生方御案内のように、石炭産業労働集約産業でございますので、そこに働く労働者安定確保ということが、石炭産業将来の安定にとりましてきわめて重大な課題であることには間違いありません。したがって、この労働力確保ということが現況どういう情勢にあるかということについて考えてみますと、きわめて各事業場とも、この労働力確保については困窮をいたしておるのが現況であります。特に次の世代をになう若い労働者確保につきましては、ほとんど困難をきわめているというのが実情であります。昨年北海道にある大学関係最高学をおさめた人で炭鉱に就職をした者はわずかに一割と聞いておるのであります。このように、炭鉱労働力が供給されなくなってきておる。あるいは流出をする理由はどのようなところにあるのだろうかというようなことを考えてみますと、私は次のようなことが言えるのではないかと思うのであります。  それは、一つには、何といいましても、石炭産業、自分の所属をする石炭産業の将来ということについてきわめて不安を抱いておるというところに大きな原因があると思うのであります。昭和三十四年の十二月の十九日に石炭鉱業審議会の炭価一千二百円の引き下げ合理化計画答申されまして、その後昭和三十七年の十月の十三日には石炭鉱業調査団の第一次答申があり、これに対しまして石炭対策の大綱の閣議決定もあり、さらに引き続いて昭和三十九年の十二月の十六日には第二次石炭鉱業調査団答申等があったわけであります。  このようにいたしまして、この十年間に約三回にわたる石炭問題に関する国家にとりましてきわめて重要な答申をわれわれに示唆をしたのでありますが、さらに国会におきましては、昭和三十六年の十月三十一日、衆議院の本会議におきまして石炭鉱業危機打開に関する決議決定を見ておりますし、昭和三十九年の六月の十一日、二十五日、それぞれ衆参両議院の本会議におきまして総合エネルギー政策に関する決議決定をされておりますし、昭和四十年の八月の十一日には、衆議院会議におきまして、参議院の石炭特別委員会におきまして、それぞれ石炭鉱業安定対策樹立に関する決議がなされる等、国家石炭政策もいろいろと変遷をきわめておりますが、しからば、このような施策の中で、過去を振り返り、今日と比較をいたしましたときに、石炭鉱業が安定をしておるのかどうか。このように、また、実際に石炭鉱業に働く労働者にとりかして、前より幸福感があるのかどうかということになりますと、事実はこれを否定せざるを得ないのであります。その現実体験からくる労働者石炭鉱業に対する不安定ということに対して、きわめて労働流出原因になっておると判断せざるを得ません。これを北海道実情比較をいたしますると、昭和三十七年に北海道では百二十二の炭鉱がございました。昭和四十年の末には八十三炭鉱であります。労働者昭和三十七年に、直轄の従業員臨時従業員、下請に働く従業員職員等を合計いたしまして七万四千七百十九人の労働者がおったのでありますが、昭和四十年の末には六万二千十人に減少いたしておるのであります。これを三十七年、四十年の比較をいたしますと、炭鉱数では三十九炭鉱閉山をし、労働者の数では一万二千七百九名の減になっているのであります。加えて、若年労働者の獲得がきわめて困難でありますから、重労働であるにかかわりませず、炭鉱労働者老齢化がきわめて顕著な事実となってあらわれておりまして、北海道昭和三十七年における平均年齢は三十五・九歳であり、四十年の末には三十七・三歳であります。このようにいたしまして、重労働北海道石炭鉱業におきましても、炭鉱若年労働者確保が困難であるとともに、現在いる炭鉱労働者も、これを固定せしめることがきわめて困難になっているところであります。加えまして、最近の政府発表経済諸統計によりまずと、昭和三十年度における日本国内炭総合エネルギーの中に占めるウエートは四七%と公表されておるのであります。中期経済計画昭和四十三年における見通としては一六・九%、本年度発足をいたしました総合エネルギー調査会昭和四十五年における試算によりますと一三・八%というふうに公表されているのであります。これらを一応考えますときに、炭鉱現実に働いている労働者も、これから炭鉱に働こうと希望を持つ労働者もすべて含めて、石炭産業の将来に対して安定感を持っていないことについても、まず、第一が労働力確保に困難を与えておる現実だと思うのであります。  二つには、あらゆる産業に働く労働者炭鉱労働者との特異な違いは何かということになりますと、これは何といっても炭鉱労働者は、地下産業でございますので、太陽光線を受けない労働環境にあることが絶対的な差異だと思うのであります。これはこの地球上に石炭鉱業がある限り、洋の東西を問わず、われわれに与えられた労働条件であります。きわめて苛酷な労働条件だと思うのであります。したがって、いかなる国家におきましても、この最も恵まれない苛酷な労働環境で働く炭鉱労働者に対しまして、最も少ない労働時間を最も高い給与の保障をしているのが、いずれの政治形態国家でありましても、共通する石炭鉱業労働者に対する処置というふうに私どもは知っているのであります。  しかるに、日本における炭鉱労働者に対する幾多の取り扱いにつきましては、まず、時間の問題にいたしますと、長時間労働炭鉱必要悪であるというふうに、きわめて簡単に割り切られていて、一向に改善のきざしがないのであります。また、賃金もきわめて低いのは、すでに御承知のとおりであります。本年の六月の日経連の調査発表によりますと、今年行なわれました春闘の主要十八業種の平均賃金妥結額との前年比は、賃金上昇額が三千百九十六円。前年比上昇率が九・六%。炭鉱におきましては、特に炭鉱の中で大手の六社の炭鉱だけが上昇額が一千七百四十八円、賃金の前年比上昇率が七%といわれておるのに、しかし、これは炭鉱の全部がこのように保障されたのでなくして、これ以外に九百円前後の政府管理炭鉱といわれる炭鉱労働者もありますし、また、現実北海道閉山の問題として高く社会問題となっております豊里の炭鉱におきましては一銭の賃上げもされておらないのであります。  このように考えますと、きわめて、最近の物価高の中から、生活が困難であるにもかかわりませず、特に同じ労働者でありましても、バスの車掌さんは生活的にそれほど生活負担度はないと思うのでありますけれども、やはり今度の春闘では三千五百円の増給が一般的に認められておるのにかかわらず、最も危険な坑内で働き、しかも、四人近い平均家族の責任ある炭鉱労働者がわずかに千七百円の賃金よりもらえないとするならば、この炭鉱労働者労働環境というものが、はたして満足を持ち、あるいはこの炭鉱に魅力を持つかどうかということは、きわめて困難だと判断をされるのであります。特に最近国会で問題になりました祝日法の問題にいたしましても、およそこの問題は、炭鉱労働者に関する限り、無縁な法律でありまして、われわれはこの恩恵に浴することができないのであります。  三つの問題といたしまして、私は、炭鉱における災害の問題があると思うのであります。炭鉱には災害はつきものであるというふうにいわれながらも、政府も、あるいは要路関係者も、あげて炭鉱災害撲滅幾多の手段をとられてきたことについては、私たちも承知するところでありますが、しかし、現実は、炭鉱災害はどうなっておるのだろうか、一応北海道における炭鉱災害と、特に最近社会問題化しております交通災害との比較を試みてみたいと思うのであります。昭和四十年度における北海道における交通災害は一万四千百七十一件であります。しかるに、北海道における炭鉱災害は、件数にいたしまして一万五千百九十四件であります。軽傷以上の人体損傷を受けた者が一万五千三百四十四名の多きにのぼっておるのであります。わずか八十三の職場で、一年間に北海道全域に発生する交通災害よりも、この限られた職場で発生する炭鉱災害がはるかに上回っておるという現実であります。もちろん政府も、三池の災害をはじめといたしまして、重大災害の発生のつどにいろいろな諸施策を講じていることは事実でありますが、結果において、よい効果があがっておるかどうかということに触れるならば、事実としては見るべき成果をあげておらないのを私どもはきわめて遺憾に考えておるところであります。戦争が終わりまして、平和産業でありますから、平和産業のもとでも生命に不安があるとするならば、労働者の定着を望むのはきわめて私は困難な実情かと思うのであります。先ほど触れましたように、石炭産業に対する安定ということと、一つ待遇、もう一つ災害、この三つのきわめて困難な問題でありますけれども、この課題が解決されない限り、今後幾多石炭政策がいろいろとられましても、この石炭政策の一翼をになう労働者の協力を積極的に求めることは、私は困難ではないかと考えておるのであります。  特に炭鉱労働者は、率直に言って、戦争が終了後、祖国再建のために原動力として国の傾斜生産方式のもとで懸命な努力をしてまいりました。結果におきまして祖国再建がなり、一般産業が安定をするや、合理化の名で、国の方針のもとで、生活権を奪われるような今日の情勢が約十年続いておる限り、政治に対するきわめて不信の念を持っておりますし、同時に、石炭資本に対しましても限りない怒りを持っておるのは、これは炭鉱労働者の置かれた環境からくる問題だと理解を願いたいと思うのであります。  石炭産業に対する国の基本原則たる私企業による自立安定の過去幾多の諸方針というものが、結果におきまして労働者の一方的な犠牲においてのみ強行されておる現実を十二分にひとつ御理解を願いたいと思っておるのであります。昭和四十年の十二月六日、石炭鉱業審議会中間答申並びに昭和四十年の十二月十七日の閣議決定による石炭鉱業安定対策について、これらの方針に従いまして、近く石炭鉱業の将来の方針決定をされるというふうに私どもには伝えられておるのであります。過去の幾多体験から、この石炭鉱業に関する将来の方針の確立にあたりまして、労働者立場から次のようなことについて、ひとつ十二分なる御配慮を特に、訴えるものであります。  一つは、過去幾多再建方式が、あくまでも私企業による自立安定方策であったことには間違いありません。しかし、この私企業による自立安定方策がどれほどの効果をあげたかということを考えるならば、もはや私企業による自立安定方策は限界にきているという立場の認識から、根本的な解決に当たる方針を打ち立てていただきたいと思うのであります。  一つは、保安確保の問題であります。人命の尊重ということはもちろん重要なことであると同時に、政治の中心で私はなければならないと思うのであります。いままで国のとられました保安に関する方針は、あくまでも自主保安という考え方から、自主保安尊重という判断から、積極的な保安に対する監督権の強化をとらなかったのであります。少なくとも、国民生命を守ることは国の重大な責務であるし、任務であると思うのでありますから、このように石炭鉱業現状から判断するならば、直接国が国民生命をあずかるという立場から、積極的な施策をとっていただきたいと思うのであります。  一つは、国は、炭鉱労働者のいままでの体験からくる石炭政策に対する政治不在不信にこたえて、ぜひ首切りをしないことを保障していただきたいのであります。  もう一つは、待遇の問題であります。先ほど触れましたように、諸外国並み最高待遇を私どもは望んでおるのではありません。しかし、最も危険で、最も恵まれない環境で、しかも、重労働で、働く炭鉱労働者が、少なくとも鉄綱産業労働者並み待遇を期待することは、私は無理でないと思うのであります。これらの点を十二分にひとつ御思案いただきまして、ぜひ今後の石炭対策の根本を打ち立てるにあたりまして、ぜひこれらの問題を十二分に織り込んでいただくことを特に付言いたしまして、私の口述を終わりたいと思うのであります。
  6. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ありがとうございました。御苦労さまでした。  次に、今井参考人にお願いいたします。
  7. 今井廣

    参考人今井廣君) きょうこの特別委員会にお招きをいただきまして参考意見を申し述べさせていただくことを、衷心から感謝申し上げる次第でございます。  すでに御承知のことではございまするけれども、一がいに常磐炭田と申しますが、これは福島、茨城両県にまたがっているのでありまして、私は、その中の茨城県の北茨城市に市会議員という立場で籍を置いて、今日まで石炭産業変遷に伴って、そのつど石炭問題が自治体議会の中において取り上げられ、何回となくたび重なるこの問題についての議会決議等を経まして、いろいろとそれぞれの要路に対する陳情やら対策を進めたその中に携わった一人でございますので、そういう意味で、いろいろとその立場から申し上げたいと思うのであります。  特に今日のごとく、石炭問題が重大な時期を迎えるにあたりまして、産炭地自治体地域住民ともに、今後の石炭対策安定策実施方について、これを強力に推進していただきたい、そういうことを強く求めている実情について、これから率直に申し上げたいと思うのであります。  私がただいまから申し上げますことは、あるいは諸先生方につきましては、すでに何回となくお聞きになっていることでありまして、あるいは、また、現地における調査等に際しましても目に触れていることでございましょうけれども、これは私が先ほど申し上げましたように、産炭地区の住民の訴えとして申し上げたいと思うのでございますので、その点をよろしく御理解を願ってお聞き届けを願いたいと思います。  常磐地区は、石炭合理化法が実施される前は、約八十に近い炭鉱の数を数えたわけでありますけれども、今日では十六炭鉱に激減をいたしております。それも常磐炭鉱という、大体地方大手といわれておりますが、これを除いたほとんどが中小炭鉱でございます。中小炭鉱の特徴として、資金の調達にしても、あるいは政府資金の借り入れ等につきましては限られた範囲になっておりまして、聞くところによりますと、市中銀行からの借り入れには個人の財産担保等を差し入れるなど、かなり無理をした資金繰りを経なければ経営がやっていけない、こういう実情にあるわけであります。また、中小炭鉱労働賃金、あるいは福利厚生施設等の再生産に欠くべからざる諸条件におきましても、大手炭鉱とは大きな格差が生じているのが事実であります。先ほど小笠原参考人からも御指摘がありましたように、他産業炭鉱との賃金の格差は大きくなっております。それに加えて、なおさら中小の場合は格差が生じているということをあらためて御認識を願いたいと思うのであります。加えて、中小の場合は同じように多額の異常未払いが出ております。その結果は、賃金あるいは期末手当、退職手当、その他あらゆる面にわたって労働者の上にこれがいろいろな形でしわ寄せになってきているのも事実であります。ある炭鉱では数年来退職金が凍結されておるところもあります。あるいは退職金の制定されていない炭鉱もあるわけであります。長い間からだをすり減らして定年退職という時期を迎えた、これから老後の生活設計をするという時期にあたって退職金がもらえない。もちろん労働組合が強力なら会社と交渉しておりますが、それでもかろうじて月に米代程度の月割りでこれがなしくずしにされるという、そういう炭鉱も数多いわけであります。中小炭鉱は、私企業という限界の中で、この異常な状態の中で生き抜くというために、労働組合が無関心でいるわけではありませんけれども、そういう苦しみも耐えしのんでいるということもひとつ十二分に御認識を願っておきたいと思います。したがって、中小炭鉱の異常債務の解消につきましては、ここで何らかの特別の措置をとっていただくことが必要なのであります。そして正常な経営の姿に戻してもらいたいという強い要求が出ております。  次に、生産保安体制の確保につきましても、今後における中小炭鉱の設備の近代化、機械化、そういうものを促進していくためには、現行の近代化資金、あるいは中小向けの資金のワクの問題等、こういう点につきましても、これを拡大してもらうということもあるいは考えの中に入れていただく必要があるのではないか、あるいは機械の貸与等につきましても、その基準ワクを強化してもらうという必要もあろうかと思います。特に炭鉱の特別年金の問題でありますが、お聞きするところによりますと、これは制定をするという方向に動いておるということでございますが、これはぜひ早急に実施するような処置をしていただきたい。特に、御承知とは思いますけれども炭鉱労働者は筋肉労働でございます。特に坑内労働者の場合は、若いうちはそれほどでもありませんが、年をとるに従って収得賃金は低下するのでありますが、そういったものを基本にして退職金の支払いというものがなされるのであります。よその産業労働者とは違って、長くつとめれば収得がふえるという状態ではありません。したがって、老後の問題、さらにいま問題になっております適正労働力確保するという点を十二分にお考え願いまして、この点は特に早い機会に実現をはかられるようにお願いをしたいと思います。常磐地区のほとんどの炭鉱が中小であるということは特異的な現象であろうかと思いますけれども、今日までにおいていわゆるスクラップ・アンド・ビルド政策によりまして、弱小非能率炭鉱はもう消滅してしまいました。現在残っている炭鉱は能率も比較的上昇線にありまして、生産の計画、あるいは自立体制に対する意欲はきわめて強い状態にあることがいわれております。従来は、常磐地区は消費地に近いために地の利がよいということで、あるいはこういった実際の窮状がそれほど深く御認識願えなかった点があるのではないかと私どもも考えるわけでありますけれども、今日における中小炭鉱の苦境というものが、そのまま労働者生活の上にのしかかっているという、この現実を十二分におくみ取りくださいまして、今後の対策の上に何とぞ御配慮くださいますよう御要請申し上げる次第であります。  このような実情にある中小炭鉱でございますけれども産炭地自治体の多くは、石炭産業を唯一の基盤として発展しているのであります。私の住んでおります北茨城市に例をとってみましても、ここは以前は三十以上の炭鉱があったわけであります。現在はわずかに四炭鉱に減っております。人口も五千五百と、十年前に比較しますと減っております。それでも市の人口五万五千人のうち、炭鉱労働者家族で一万八千人であります。炭鉱を対象として生活している商工業者を加えますれば二万に近い人口となるのでありまして、市の財政的な面でも、鉱山税、あるいは固定資産税、住民税、そういったものの税収の約三二%がこの石炭関係に依存しているというのであります。いまだにもって炭鉱影響が大きく、したがって、一たん炭鉱に重大な危機が訪れるということになりますと、町は直ちにこのことが大きく響きまして、いわゆる町の経済的な支柱を失うということになるわけでありますから、いま住民の率直な気持ちは、これ以上首切りによる合理化はやらないでほしい、もうこれ以上山をつぶすのはたくさんだからつぶさないでほしい、産炭地住民のこの叫びは、これまでの長い間数多い炭鉱閉山というものに味わった苦しい、にがいこういう不安な体験からにじみ出たので、何としても炭鉱の存続を守っていく、そういうことについて、現在炭鉱労働者産炭地住民は、同じような考え方の強い決意になっておるのであります。こうした点は、各産炭地自治体住民の共通した気持ちであり、姿であろうと思います。  次に、産炭地域振興事業の点につきましてちょっと触れておきたいと思います。北茨城市におきましては、現在、本年から産炭地域振興事業団の手によりまして工業団地が開発されようとしております。約工業団地として二十一万坪、住宅団地が約七万坪であります。この工事は着々進んでおりますけれども、その土地の買収やら造成費、あるいは道路、上下水、工業施設等、そういったものの経費を合わせると約十億をこえるわけでありますけれども、もちろんこの内容は、国、県、市、あるいは産炭地域事業団というふうに分かれておりますけれども、これとても、いままで数多く炭鉱がつぶれた上に起こった町のさびれを盛り返そうとするために計画されたものでありますから、市では、団地造成と並行して、優良企業誘致に一生懸命奔走しておるわけでありますが、なかなか思うようにこれまで話にのってこない。他の地方では、団地ができ上がっても依然として企業の誘致がない、ペンペン草が生えているということをよく聞かされます。まことにもったいない話だと思います。また、かりに企業誘致の話が軌道に乗ったといたしましても、そのほとんどが弱小企業では、地域住民の希望にこたえたいわゆる効果というものはないわけであります。先ほども御指摘にありましたように、地域で強く望んでいるのは、それはあくまでもその地域の産業基盤を確立した上で、中核的なものとなる企業であってほしいということを望んでおるわけであります。せっかく巨題の経費を投じたものでありますから、こうした産炭地域振興の事業に一貫した施策の指導があってほしいと考えます。したがって、企業の張りつけなどについては、政府の責任ある立場でこれを推進していただくよりしかたがないというふうに、強く期待をしておるのであります。お聞きしたところによりますと、ただいま参議院では産炭地域振興事業団法、産炭地域振興臨時措置法等の二法案が審議されているということでありますが、内容については、まだ十分な点が欠けておるということを聞いておりますが、せっかくこういう時期でありますので、あるいは従来より前進的なものとも考えますから、ぜひこの点につきましては、諸先生のお力で早く成立させていただいたらけっこうなのではないかと思います。  次に、ついででありますから、鉱害の問題をちょっと述べさしていただきます。石炭の問題がいろいろ表面的な社会問題になっておりますとともに、並行して、やはり鉱害の問題が農民から大きな問題点として突き上げられて出てきております。北茨城市の例で申しますと、その鉱害量は約十億といわれております。出炭の規模が進行してくるにつれて鉱害の地域も広がってまいります。しかし、現在の炭鉱実情においては、農民のこういった要望にこたえて、これを完全に消化するということは困難であります。当然そこで農民と炭鉱の間に幾多の大きなトラブルが発生しております。農民は、問題を解決するために、全市内の被害地の農民を結集して組織をつくって、そして炭鉱に迫っております。あるいは自治体にその問題を持ち込んでおります。自治体ではどうにもこうにもしようがない状態であります。勢い、そのことのほこ先は政府に向かっていろいろな行動を起こすわけでありますけれども、悲しいかな、現在の予算ではどうにもこうにもなりません。したがって、こういう点につきましては、農民の希望は、こういう鉱害問題についても、当面は現在の予算をふやすなりするとしても、これはやはり国の立場で施業案その他を認可しておるわけでありますから、国の立場でもこれらの問題を解してほしいという血のような叫びを訴えているのであります。  以上、概略的なことを申し上げましたが、いずれにいたしましても、いまの炭鉱をつぶさないでほしいということ。そのためには、やはりいま問題になっております総合エネルギーの中における石炭の位置づけ、特に昭和四十五年度においては五千五百万トンというものを確立して、その需要を必ず確保していただくということを基本として、炭鉱労働者、また、それをかかえている産炭地自治体住民生活をこれ以上苦しめないように、今後先生方のより強い施策の面における御援助、御協力をお願い申し上げまして、簡単でございますけれども意見を申し上げたいと思います。
  8. 大河原一次

    委員長大河原一次君) ありがとうございました。  続いて、山口参考人にお願いいたします。
  9. 山口健次

    参考人山口健次君) 私は、日本炭鉱労働組合九州地方本部事務局長山口でございます。さきに小笠原参考人が申し上げました石炭対策に対する総括的な要望は重複いたしますので、省略をさしていただきます。  そこで、石炭鉱業審議会がいわば近く第三次の石炭答申を明らかにするとの状況と、その大綱が新聞その他で報道されていますが、もしそのような内容のものならば、結局今度の石炭政策現状肯定のワク内を意味するもので、真の石炭政策ではないと、山で働いている炭鉱労働者は、現状、毎日焦燥と不安におののいています。それだけに、この石炭特別委員会にかける炭鉱労働者の期待はことばに尽くせぬものがあります。私は、このような労働者の切実な心情を代弁して、以下、九州産炭地における実態と御要望を率直に申し上げてみたいと思います。  第一ですが、閉山と離職者の現状です。すでに御調査のとおり、昭和三十年、九州一円で四百四十の炭鉱がありましたが、四十年に百十四炭鉱閉山、縮小されております。もちろんこの中には終掘閉山等もありますが、それはごく一部にすぎません。その結果、十一万人の離職者のうち、高年齢、経済不況等に災いされて再就職をはばまれ、産炭地に滞留している失業者は四万人をこえております。その大半が集中的に筑豊地方に、今日スラム街化して悲惨な生活状態を続けておるところでございます。産炭地に公営企業を設置して離職者の救済をはかるという佐藤首相の公約も現地でありましたが、ついに実現を見ないまま今日に至っております。一握りの誘致工場もできました。それでもあまりにその誘致工場が低賃金のため、皮肉にも、結果は炭鉱関係外の子弟が家計の補助という意味で就労しているのが現実の姿といっても過言ではありません。しかも、これらの零細企業も、今日の経済不況等に影響されて、倒産など、きわめて不安な操業を続けています。  次は、能率と労働時間と賃金の問題です。私ども九州の炭鉱労働者は、この七年間で能率は十五トンから四十トンに上昇せしめました。もちろんこの間、機械も新しくなりましたから、労働者のみの努力ばかりとは決して申し上げません。しかし、地下産業労働者としては異常だといわれる四十歳に達する平均年齢、先進諸国の中では世界最高の長時間労働は能率四十トンに無関係のものでないということを強調いたしたいと思います。反面、賃金は、その労働の危険度、重労働に反比例して、政府労働省調べによっても、基幹産業中十七位という低賃金にあえいでいるところです。食えないから十一時間労働だとも言えますけれども、本質はもっと深いところにございます。それは石炭産業政治が及ぶ日が必ずくる、それまでは山を持たせてがんばり抜こうではないかという、素朴な炭鉱労働者の悲願につながることを御認識願いたいと思います。そういう暁には若年労働者確保も可能な魅力ある炭鉱となることを私は確信をいたしております。  三点目は、未払い賃金と退職金でございます。これは特に九州の実情として訴えたいと思います。先般第二次調査団が九州に参られたおり、未払い賃金、退職金の残が私は十八億残っていますということを調査団の方々意見を具申いたしましたところが、調査団の各位は事の意外に驚かれておられました。特にあわれをとどめているのは元大正鉱業の労働者です。買い上げ交付金が支給されましたけれども、企業負債の弁済にその大半が吸収されて、未払い賃金と、全額に近い退職金が今日まだ野ざらしにされておるという実情でございます。昨年そのために狂って自殺した炭鉱の主婦がございます。無資力鉱害などの処置で労務債の優先支払いに行政措置を可能とすべき時期は今日きておる、その程度の方法はとれるというふうに私は皆さま方に訴えたいと思います。  四番目は、保安でございます。毎日炭鉱労働者は、平均しますと、二、三人炭鉱災害で死亡しております。毎日です。炭鉱保安の異常性をこれは実証する何ものでもありません。あの大災害の続出で、坑内は屠殺場だといってみずから自嘲し、そのようなことばがささやかれたのも先般まででございました。特に生けるしかばねとして、三池のCo患者とその家族の暮らしは、本石炭特別委員会の諸先生方が現地で先般十分調査され、把握されたところであります。十一月には、労使の協約上、雇用の関係は期限が迫まられております。Co立法は、今日産業災害から人命を守る、もはや人道上の問題とされています。本委員会が強力な決議をいたされることを切望してやみません。  次は、中小炭鉱でございます。九州は非常に中小炭鉱が多いのでございます。何といっても大手資本の陰に取り残されて、あらゆる面で苦悩しているのは中小炭鉱そのものでございます。国会の良識は私は不偏でなければならないと思っております。彼らが果たした役割りを、いまこそ妥当な位置に引き戻すべきすべての対策が望まれなければならないと思います。  最後に、小笠原参考人も申し上げましたが、もうこれ以上、私ども地下産業労働者として、首切りのある政策はおやめになっていただきたい。それから、もう一つは、災害のない明るい職場産業にしていただきたいということを最後の結びとして強く御要望申し上げ、口述を終わりたいと思います。
  10. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御苦労さまでした。  最後に、倉田参考人にお願いいたします。
  11. 倉田茂樹

    参考人倉田茂樹君) 私は、福岡炭鉱離職者福祉援護会の専務理事をいたしております。なお、そのほかに炭労の離職者対策議会福岡県失業者労働組合連合会の事務局長をいたしておりますので、総合的立場から実情を申し上げたいと思います。  なお、全般的な問題については、産炭地代表、あるいは、また、炭労代表の方から述べられておりますので、私は、すでに炭鉱を追われた離職者の問題について訴えたいと思います。  福岡県の場合を例にとって申し上げますならば、先ほど山口参考人からも述べられましたように、今日なお再就職ができないまま失業のちまたに放り出されている炭鉱離職者は四万を算しておるわけであります。なお、このほかに、石炭産業関係をいたしております中小企業関連産業の失業者を含めて数をいたしますならば、さらにその数は膨大なものになることは申し上げるまでもないと思います。たくさんな炭鉱離職者の処置について政府はいろいろ雇用対策を立てられております。産炭地の地方自治体も真剣にこの問題に取り組んでおるわけであります。しかしながら、今日までの政府の雇用対策も、あるいは自治体の雇用対策も、決して完全なものではないわけであります。私たちは、まず炭鉱労働者に再就職の道をということをお願いしておりますし、希望いたしておりますし、したがって、働くことを私たちは希望いたしております。働かないで生活を安定さしていただきたいということは考えておりません。まず働いて生活の安定をするように施策を立てていただきたいということを願っておるわけであります。ところが、今日の現状は、炭鉱離職者の老齢化とともに、ここ数年の不況による炭鉱離職者の再就職というのは非常に困難な情勢にあります。炭鉱離職者に雇用促進手当制度が設けられました。そして再就職促進の措置が講ぜられておりますけれども、いま申し上げますような事情から、なかなか再就職の道はないわけであります。その中にすでに三年という促進手当の受給期限が満了いたしまして、何ら生活の保障もなく、再就職の道もないままに、完全失業のちまたに数多くの炭鉱離職者がほうり出されております。四十年度の期限切れになりました離職者は七千を数えております。さらに四十一年度に期限が切れると予想される数字は、福岡県下で千八百九十九名という数字が出ております。私たちは、こういう期限が切れる炭鉱離職者の問題について、過日労働省あるいは大蔵省にいろいろ対策の要請をいたしました。要請といたしましては、あくまでも安定した職場への再就職を希望いたしますけれども、今日の状況から完全な就職が困難であるということから、せめて現在とられております炭鉱離職者の緊急就労対策事業について、事業の延長とワクの拡大を訴えておるわけであります。ところが、労働省あるいは大蔵省の関係窓口で聞きますところでは、緊急就労対策事業を延長拡大することは非常に困難だと言われております。昨日も労働省に参りまして有馬安定局長といろいろ炭鉱離職者の今後の対策について話をいたしましたが、いま申し上げました緊急就労対策事業の現状維持ということにはどうやら理解をしていただいたようであります。ところが、さらにワクの拡大をということについては、できないということを明言されております。いま申し上げました炭鉱離職者の一応期限の切れる離職者については、これを公共事業に吸収したいということを言われております。ところが、公共事業と緊就事業というのは、御承知のとおり、全く根本から予算措置が違うわけであります。緊就事業については直接補助金が八〇%ついておりますし、さらに起債その他の方法が講ぜられるときに、九〇%以上が政府補助金によって工事をするようになっておりますが、公共事業の場合は五〇%ないし六〇%の補助率でありますし、先ほど各参考人が述べられておりますように、産炭地自治体は非常に財政的に疲弊をいたしております。こういう状態にあって、公共事業に政府がいかに予算を拡大し、ワクを広げられて炭鉱離職者を吸収しようとされても、自治体にはその能力がないわけであります。こういうことから、私たちは緊就事業の延長とワクの拡大を訴えておるわけであります。なお、また、緊就事業と公共事業との相違点の一つは、緊就事業は、事業の施行主が直接自治体でありますし、失業者の救済が完全に消化されるわけでありますが、公共事業の場合は特定の業者に一切がまかされるわけであります。そうなりますと、業者は少しでも労働者に能率をあげさせて、その中から利潤の追求をすると、こういう形になるわけであります。その結果、高年齢者の炭鉱離職者を雇わない、こういう結果が出てまいるわけであります。言いかえるならば、公共事業では、緊就事業のように、完全に炭鉱離職者の問題を吸収することができないということであります。このように、政府はいま緊就事業をなくして公共事業に切りかえようといわれておりますことについては、いろいろな問題点が、申し上げたとおり、あるわけでありますし、産炭地の地方自治体も、当局自体、また、議会においても、一致して緊急就労事業の延長と拡大を希望されておるわけであります。  なお、緊就事業が産炭地において産炭地振興事業に大きな役割りを果たしておることは、これまた申し上げるまでもないと思いますが、産炭地に振興対策として企業を誘致しようといたしましても、道路あるいは水の問題、あるいは通信の問題、こういつたいろいろな条件が備わっていないとなかなかいい工場がこないわけでありますが、特に道路の問題については非常に重要な問題であります。産炭地企業誘致の条件としては絶対欠かせない問題であります。いま緊就事業がおもにやっております事業の内容というものは、道路の建設、整備がその作業の中心になっておるわけであります。したがって、こういう事業は、ただ炭鉱離職者の雇用対策ということだけでなくして、産炭地振興対策一つとしても当然続けられなくてはならぬ問題だと私は考えるわけであります。産炭地振興対策とあわせて、炭鉱離職者の雇用対策がこれによって一時的であっても、当面の現状からやむを得ない処置として私たちの願いが達せられるというのであるならば、あらゆる努力をして政府もこの処置を、私たちの訴えを聞いていただきたいと思うわけであります。つきましては、本委員会において十分実情を御賢察の上、よりよき対策を打ち出していただきますようお願いを申し上げまして、ただ、炭鉱離職者の当面する要点だけを申し述べましたが、私の口述にさしていただきたいと思います。
  12. 大河原一次

    委員長大河原一次君) どうもありがとうございました。  以上をもちまして参考人各位よりの意見聴取を終了いたします。  これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  13. 大矢正

    ○大矢正君 ただいま参考人からたいへん貴重な御意見をお聞かせいただきまして、心よりお礼を申し上げたいと存じます。  本来でありますれば時間をかけて十分質疑を重ねたいところでありますが、残念ながら、この参考人の御意見を承りまして、終わった以降、法律案がありまして、その質疑をしなければなりません関係上、ほんの一、二点だけ、特に小笠原参考人及び中野参考人にお尋ねをいたしたいと存じます。  先に小笠原参考人にお伺いをいたしまするが、先ほどの口述の要旨は、現下の日本石炭鉱業というものを維持していくためには、労働力流出をいかに防止するか、特に若年労働力確保の問題、第二が、給与その他を中心とする労働条件の向上をいかにするかという問題、最後に、災害等の現状から考えて、生命を守る問題をどうこれから対策として樹立をしていくかという問題等々、いろいろと貴重な御意見が述べられましたが、ただ、ここで私は、二年前の第二次有沢調査団の答申にさかのぼって考えてみますると、当時有沢団長は、結論的に、日本石炭鉱業というものが私企業で存在することの最後の機会であるということを言われたことをいまにして思い出します。特に参考人が言われた、今日の石炭産業の置かれた現況から見て、国有化が当然の帰結であるという考え方、この考え方に私も共鳴をするものでありまするが、遺憾ながら、現在審議会において議論をされております内容は、依然として私企業の形態のままにおける石炭鉱業対策並びにその施策の樹立ということになっておるわけでして、その点、第二次調査団の有沢団長の言われた当時の意見とは若干異なっていると言えば言えますし、しかし、また、同一の審議会委員が同じことを言っておるということにもなるわけでありますが、いずれにいたしましても、今日日本石炭鉱業が置かれておる現状というのは非常に重大な内容のものであり、したがって、単に私企業として存続することの是非だけを論ずるのではなしに、広く日本の国全体の立場から考えて、石炭鉱業というものがはたして私企業として今後もなお残り続けていくことができるものであるかどうかということの検討もなされなければならぬと、こう思うのであります。したがいまして、この際、簡潔に申し上げまするが、小笠原参考人から、国有化後必要だと思われるその基本的な考え方についてお述べをいただければ幸いだと、かように思います。  続いて、中野参考人にお伺いをいたしたいと存じまするが、各参考人意見を承らしていただきました以降、産炭地域振興事業団の業務の方法その他について、実はこれから法律案の審議をいたすことになっておりますが、これに関連をして私これからお尋ねをしてみたいと思いますることは、今日まで産炭地振興のために政府も若干の施策を講じてまいりましたし、もとよりわれわれもそれに対して各種の意見を述べてまいりましたが、なかなかこの産炭地振興というものは、たとえば企業誘致におきましても、必ずしもよい成果をおさめているというようにはどうも見られない節があります。したがって、この際、産炭地振興の中の特に重要な一環として、産炭地域に企業を誘致する上においていかなる障害があるのか、また、どう具体的な対策を立てるならば企業を産炭地誘致することができるのか等について何か御意見がありましたならば、この際、具体的にお聞かせをいただければ幸いだと思います。
  14. 大河原一次

  15. 小笠原亀五郎

    参考人小笠原亀五郎君) 国有化の問題につきまして、一つは、国際的に石炭問題をかかえている資本主義社会の国家におきまして、一、二の例外を除きまして、そのような処置をとっているという国際的な情勢一つであります。それから、昭和三十四年からとられました千二百円の炭価引下げのときに打ち出した考え方というのは、三十八年度におきまして炭価を引き下げることによりまして需要を喚起するという背景は、ある程度石油との競合がそれによって可能であるという推論をしておったはずであります。その後、第一次有沢調査団の答申の要旨としては、石炭と石油を将来競合せしめる、価格において競合せしめるということは不可能であるということをまず是認の上に立っていろいろな諸施策をとられてきたはずであります。ですから、その意味では石炭と石油が将来も競合できるということは、日本現状としては考えられないのではないか、そういうことが一つと、それから、第二次調査答申のときにも、当然先ほど大矢先生のほうからお話がありましたように、これが私企業として行なえる最後の方法だということも明らかでありますから、しからば、その後石炭鉱業現況というものはどうか。大手の会社の経理の実情を株式市況からとらえましても、経理内容にあるいは多少の操作があったといたしましても、一、二の会社を除きますと、軒並みこの二、三年は無配状態であります。本来の会社のあり方から見まして、これは私企業として存立し得なくなる。それから、いろいろとられようとしている諸対策にしましても、巷間伝えられるところによりますと、それらはほとんど私企業としてはやっていけなくて、これから五年くらいの間は国家の助成によってささえていくというふうに伝えられておりますから、これらを判断をいたしましても、経済的にも私企業の存立という基盤がなくなっているというふうに判断するわけであります。  それから、もう一つは、保安上の災害防止の問題でありますが、この災害の問題でも、私企業はあくまでも利益追求の根本を貫き通す企業体でありますから、いかなる施策をとりましても、利益がやはりあらゆる問題に優先することは間違いないと思うのであります。ある意味では、資本は利益についてはきわめて鋭敏な反応を示しますので、これから残された炭鉱におきましても、能率をあげるということを一つ課題にされますので、当然、産業の最も重要な炭鉱災害の撲滅ということについては、私企業の間には確立することは不可能ではないか、このように私どもは過去のいろいろな実情と、これからのそういう諸施策と照らし合わせまして、そう断ぜざるを得ないのであります。そうすると、究極として経済上も成り立つ基盤がないし、働く労働者生命の保証もない。それならば、もはや私企業の限界はとうに到達をしたという時期にきているのではないか。当然国有化によって、日本の国だけではなく、諸外国でも実施している方法によってやらるべきである、こういう判断であります。
  16. 中野与作

    参考人中野与作君) 企業誘致の点について、いろいろ諸先生方、あるいは政府当局からもそれぞれの御援助をいただいておるわけであります。しかし、大矢先生も御承知のように、炭鉱地帯とい5ものは非常に立地条件がまず悪い。それから水利の便もきわめて悪いわけであります。そうした関係から、私どもの町においても一、二の企業はございますけれども、非常に零細といいますか、むしろいろいろと助成はいたしておりますけれども、なかなか効果があがらない、こういう非常に悩みがあり、あるいは、また、養鶏であるとか、あるいはシイタケ栽培であるとか、ほんとうに個人単位の非常に零細な企業しか育たない、こういう関連があるわけであります。あるいは美唄とか歌志内等においても、それぞれ本州方面からもいろいろな企業の誘致はなされておりますけれども、これとても市あるいは町村においてある程度の助成はいたしておりますけれども、なかなか思うようにいかない。規模が小さいせいか、あるいは、また、流通機構の欠点といいますか、そういう面でなかなか直接的に市町の財政といいますか、繁栄につながっていかない、こういう面がたくさんあるわけで、したがって、美唄市のごときは、たくさん企業は持ってまいりましたけれども、それだけではとうていいけないということで、自治体誘致さえも考えておる、こういうような実態にあるわけであります。  そこで、でき得るなら、ある程度の市あるいは町の繁栄に少しでも役立つような中核的な規模の工場、あるいは工業を誘致できないものであるかどうか。そのためには、もう一度諸先生方に御検討いただき、また、政府当局においても、十二分にその町の疲弊を少しでも防いでいく、そのためには、もっとある程度の町の財政につながるような企業を誘致できないものであるかどうか、こういう点について、政府機関で持っておられる、たとえば造幣であるとか専売であるとか、そういうものの分散ができないだろうか、こういうこともひとつ御検討いただきたい、こういうふうに考えておるわけなんです。
  17. 小柳勇

    ○小柳勇君 貴重な御意見、心から感謝する次第でありますが、時間がありませんから、私は倉田参考人に一応質問いたしたいと思うのでありますが、あなたのきょうの代表の資格は福岡炭鉱離職者福祉援護会専務理事ということであります。ほかに炭労の失業者の組合の代表もしておられるようでありまするが、その仕事の内容、それから、あなたがお世話されている参加している組合の数、それから、県なり市なり、地方公共団体と連係があるのかどうか。それから、将来われわれがどういうお手伝いをすれば炭鉱離職者が就職なりあるいはその他相談ごとなりがスムースにやっていけるか、そういう点についていろいろ仕事の上で心配、苦悩がありましょうが、専務理事として苦悩がありましょうが、でき得れば、こういう機会でありますから、率直に申し聞かせ願いまして、われわれがお手伝いできるものは十分に今後お手伝いをしていきたいと思いますので、お述べ願いたいと思います。
  18. 倉田茂樹

    参考人倉田茂樹君) 質問に対してお答えいたします。  まず、炭鉱離職者福祉援護会の趣旨でございますが、これは先ほどちょっと申し上げましたように、炭鉱離職者の措置をいろいろ政府なり自治体対策を立てられておりますし、直接政府の窓口機関としては、職業安定所、雇用促進事業団、こういった窓口で処理されております。また、地方自治体の中では社会課あるいは住民課、こういうところを窓口にして再就職のお世話等をなされておるわけでありますが、なかなか政府機関、あるいは自治体の機関の窓口だけでは十分血の通った指導ができていないと考えるわけであります。したがって、援護会は、昭和三十九年の七月から、炭労の指導と経済的支援、さらに福岡県当局の指導、さらに、また、経済的支援等によって援護会が発足をしたわけであります。  日常の業務については、職業安定所の窓口、雇用促進事業団の窓口、地方自治体の窓口と常に連絡をとりながら、再就職あっせんを中心に、離職者並びに家族の毎日の、あるいは身近な生活相談に応じておるわけであります。  なお、具体的業務の遂行については、県下各地域に生活相談所を開設いたしております。現状では、県下の各地区労事務局の窓口、北九州遠賀中間地区の場合は、これは地方自治体等の協力も得まして、昨年の一月から北九州遠賀中間地区事務局を開設して、常任指導員一名と書記一名を置いて離職者の指導に当たっております。  なお、炭鉱離職者協議会、炭労協議会と援護会との関係、これは大体表裏一体の一身同体といいますか、そういう組織でございます。さらに福岡県失業者労働組合連合会というのは、ただ関係各官庁窓口と自治体の窓口、それから、また、私どもがそれと連絡をとりながら就職あっせんをいたしますけれども、必ずしも炭鉱離職者全員に私たちのこの事業が十分理解されておらない面があるわけであります。率直に申し上げますならば、県外就職は反対、また、いまのような低賃金では再就職は反対、したがって、まず就職という前に、生活保護受給といったような指導がごく一部に福岡県ではあるわけであります。私どもは、さっきから申しますように、まず働く職場を与えてもらいたい、働いて生活の保障をしていただきたいということでありますので、そういった指導がごく一部ではありますけれども、組織的に指導されておる。私どもの運動とは反対の指導が運動的になされておりますので、援護会の業務、あるいは炭労の離職者対策議会の任務を遂行するために、やはり組織的に指導をしなくてはならぬということで、福岡県失業者組合連合会というものを組織しております。これの参加人員は現在約五千であります。  最後に、諸先生方が私どもの運動にどのような協力をすればよいかというお尋ねでありますが、まず、政府施策について、もっと具体的に血の通った、たとえば再就職が困難であるという現状においては緊急就労事業への収容もやむを得ない措置でございますので、ぜひとも緊急就労対策事業の延長とワクの拡大に御協力を願いたいということ。それから、やはりそういった指導をやる場合に、血の通った指導をやろうとすればするほど常駐指導体制が必要であります。こういった常駐体制をとるために指導員を増員いたしますと必ず費用がかかるわけでありますが、私どもの団体では別に財源の生まれるところはないわけであります。現状はほとんど炭労の経済的援助の中で運動を進めております。なお、一部自治体にも御協力をお願いしておるところでありますが、自治体の協力は、自治体自体が非常に財政難におちいっておる現状でありますので、趣旨には賛同していただくわけでありますが、具体的に経済的な援助についてはなかなか実現ができない現状であります。諸先生方に御協力していただきたい点は、まずそういった点だと私は考えております。
  19. 小野明

    ○小野明君 山口参考人に二点ほどお尋ねをしたいと思うのです。先ほどの御意見の中に、当初十一万人程度炭鉱労働者がおったんだけれども、いま閉山、廃山によってみな山を追われてきた。そういうことで四万人程度がいわゆる筑豊地帯に滞留をさせられておる、こういうお話がありました。聞くところによりますと、誤りであれば御訂正を願いたいと思うのですが、北海道あたりでは閉山、廃山になりますというと、あまり滞留者が沈でんしてしまうという現象がないようにお伺いをしておるのです。で、筑豊地帯にのみそれだけ非常に膨大な失業者の洪水になって滞留をしておる、そのためにいろいろな経済的、社会的、あるいは教育的にも問題をかもし出しておるのですが、なぜこれは滞留をしておるのか、滞留をするのか。その原因。  それから、また、産炭地振興が叫ばれて久しいのですが、それが一向に産業も育たない、あるいは来ない、これを救済し得ない産炭地振興の実情産炭地振興政策の実情といいますか、そういうものについてひとつお話をお伺いしたいのと、いま一つは、私企業として石炭産業はもう限界にきておると思います。しかし、答申があるたびに石炭産業が追い詰められる、あるいは炭鉱労働者労働条件賃金で追い詰められておる、こういった状態になりながら、国がつぎはぎだらけの政策をやっておる。そして、それがまた経営者がこういうふうになった産業を一向に手放そうとしない。大手、中小の経営者がやはり私企業として存在させようとしておる傾向が見えると思うのですね。そういう意向が強いと思うのですが、そういった経営者の動向あたりについてひとつお話を二点目としてお伺いをしたいと思うのです。
  20. 山口健次

    参考人山口健次君) お答えします。  第一点の、四万人程度の筑豊方面に滞留した失業者群、先ほど私スラム街化しておるというふうにお答えを申し上げました、この原因についてはいろいろの面から主張されておりますけれども、私ども炭労という組織の立場、かつ、また、炭鉱労働者という立場から本件をながめますと、次のような理由が言えるのではないかというふうに考えております。それは、第一には、率直に申し上げまして、十一万人の十年間にわたる失業者群の大半が、筑豊方面、遠賀一帯の失業者であるという物理的現象でございます。御承知のように、佐賀、長崎県は同じく失業者がありましたけれども、それは十一万人の中の構成から見ますと、きわめて少ない数でございます。そういう意味で四万人のスラム街化は、筑豊一帯の終山、閉山による大量の失業者が一時激増したという意味で滞留は地域的に多いということが言えると思います。  それから、第二点目は、そういう大量の離職者に対して、政府施策なり、また、雇用関係にある企業主の再就職のあっせん努力等がきわめて低劣であったということであります。僭越でございますけれども、先ほど私は吉田総理の現地における公約を御参考までに申し上げました。専売、公営企業などを設置して大量にここに失業者を吸収することができる、私はそうしますという公約がなされておりますけれども、一向に実現の運びがない。政府部内ではその公約の協議すらされてないというような実態を知っております。そういう一連の諸政策がほとんど行なわれなかったといっても過言ではありません。そういう理由でございます。  それから、二点目の、産炭地の政策でございますが、これもいま申し上げましたことと相関連することでございます。各種の調査団なり、失礼でございますけれども、国会議員の諸先生方が現地を調査していただいて、異口同音に、これはひどいというような表現をお使いになります。ひどいということは、その実情をわかった、何とかしなければならぬというふうに私ども理解をいたしておりますが、事実は具体的諸政策が一つも生まれない。先ほど申しましたように、工場誘致の問題も、わずか一握りの、しかも、五十人や七十人しか収容できない企業でございます。そういうところに先ほど言った四万人の大量の失業者を吸収しようといってもとてもできない。かつ、それらに対する賃金労働条件等になりますと、お話にもならない低賃金でございます。だから、五人、六人の平均家族をかかえる炭鉱失業者がそういう企業で生活が安定するはずがないわけなんです。そういうふうに、産炭地に対する工場誘致の政策等についても、率直に申し上げまして、見るべきものは何もないということでございます。  それから、同じく本件について二点目でございますが、産炭地振興を推進するにあたって、中央政府と地方自治体の関連がきわめて粗雑だということが私は原因の一因をなしておるというふうに思います。これらを何とか具体的に解決をして、そして先ほどの言にもありますように、血の通った連係の十分とれた中央と地方の政策というものが進められなければならない。そのために思い切った財政投融資を産炭地にしなければ、問題は十年たっても私は解決しないと、こういうふうに思っております。それらが理由でございます。  三点目の、経営者がこれほど落ちぶれた石炭産業をいまだに手放そうとしない、なぜかということでございます。私どもは、先ほど大矢先生からも御指摘のように、あるいは参考人の御答弁のように、今日すでに石炭企業は私企業ではだめだというふうな考え方に立っております。にもかかわらず、石炭問題の協力を労働組合幹部に求めますが、政府に対する要請なり希望なりの協力は労働組合に求めますが、みずからの前途をかんがみて今日の限界を厳正に判断しようという経営者は、率直に申し上げまして、一人もおりません。むしろ手放したくない。その裏には、卑近な表現で恐縮でございますけれども、まだいまだに私企業のワクの中で事業を経営することに何らかのうま味が残っておるという根性が経営者の中にあるということだと思います。その証拠に、今回の石炭問題でも、いたずらにみずからは努力しないで、政府、諸先生方経済的援助を求めることによって私企業が継続できるというような無責任な態度をとっておるということでございます。そういう点では私どもは、ある意味で経営者に対する激しい憤りを感じておるわけでございます。  以上です。
  21. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 他に御発言もなければ、参考人に対する質疑は終了したと認めます。  この際、参考人各位にあらためてごあいさつ申し上げます。  本日は、公私ともに非常に御多忙のところ、なお、かつ、北海道、九州、常磐という遠隔の地よりわれわれ当委員会のためにおいでを願いまして、ほんとうにありがとうございました。皆さんの述べられました貴重な意見を今後法案審議の上に十分に参考にしたい、追って善処したいと考えております。本日はほんとうにありがとうございました。(拍手)
  22. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 次に、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案の二法案を一括議題といたします。         —————
  23. 大河原一次

    委員長大河原一次君) この際、質疑に入る前におはかりいたします。  右両案の審査のため、本日、産炭地域振興事業団の堀坂政太郎理事を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  25. 大河原一次

    委員長大河原一次君) それでは、両案に対する質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  26. 大矢正

    ○大矢正君 先日の当委員会で、私は、産炭地域振興事業団が現に行なっている業務の方法とその現状についてお尋ねをいたしました。具体的にお答えを願ったのでありまするが、今日産炭地域が特に希望しておる諸点を私はこの席上で述べて、事業団としても私の意見を十分検討をし、当委員会でお答えを願えることになっておったと思うのであります。したがいまして、先般の私の質問に対する、また、私の意見に対する集約された事業団としての意見をここでお述べいただきたいと思います。
  27. 堀坂政太郎

    参考人堀坂政太郎君) 先般の大矢先生の御質問に対しまして、きょう御回答を取りまとめておきましたので、それを述べさせていただきたいと思います。  第一の、貸し付け金の限度についての考え方でございますが、事業団の設備資金の貸し付け限度は、業務方法書では原則として一件につき四千万円となっておりますが、実際の運用としましては、この規定にかかわらず、通商産業省の指示に基づいて限度を廃止し、四千万円以上についても貸し付けを実施し、これにより、現在までにも一件二、三億円の貸し付けも行なっており、機会のあるごとに関係企業等、各方面にこの旨を周知させております。しかしながら、御指摘のとおり、現行業務方法書については、運用の実態と異なった表現となっておりますので、これにつきましては通商産業省と関係行政機関にその改正方の了解をお願いいたしまして、その改善に努力いたす所存でございます。  それから、第二の、償還期限及び据え置き期間についてでございますが、当団の融資の償還期限及び据え置き期間の決定につきましては、申し込み人の申し出に基づき、その企業の収益状況等を検討し、当該企業が正常な経営に入って一定の収益があがる時期等に合わせて定めております。この場合、他の政府関係金融機関及び一般市中銀行からの協調もあるので、これらの貸し付け償還期限等、比較的短いのでございますが、それらを特に考慮いたしまして、当団の貸し付けにつきましては、できるだけ企業が合理的、かつ、無理のない返済計画ができるよう、他の金融機関よりも弾力的に償還期限等を定めております。  また、近時のように、不況の影響を受けて、当団の見込みどおり操業が進まなかった場合と、返済に困難を来たしましたときは、据え置き期間の延長、償還期限の延長等を行ない、具体的実情に応じ、不都合を来たさないよう措置をいたしておるのでございまして、その件数は相当多くなっておるのでございます。しかしながら、産炭地域への企業の進出を促進させますためには、企業がより一そう無理のない返済計画を立てられるよう、融資条件等の緩和をはかっていくべきものと考えますので、償還期限等につきましても、先般お話がございましたように、できる限り、より一そう弾力的に運用いたすよう決定してまいりたいと存じます。  それから、第三の御質問でございました貸し付け業務の迅速化についてでございますが、当団は、貸し付け業務につきましては、極力迅速を旨としてまいっておりますので、その迅速化を一そうはかりますため、本年度は次のような体制をとることといたしたいと存じます。  第一、申し込み金一千万円以下のものにつきましては、支部、支所等で貸し付け業務が、すなわち現地で処理できるようにいたしたいと思っております。  第二に、申し込み金一千万以上四千万円以下のものにつきましては、従来本部で行なっておりました審査事務を大幅に支部、支所等に移しまして、極力現地で貸し付け事務が処理できる体制といたします。  以上、当団といたしましては業務の迅速化に鋭意努力いたしておるところでございますが、今後におきましても一そうこれを進める所存でございます。  それから、申し込み者側におけるところの提出書類等の不備等によりまして生じておりますところの遅延につきましては、今後適切な指導を行なう等、十分考慮していきたいと存じております。  以上、お答え申し上げます。
  28. 小柳勇

    ○小柳勇君 私は、石炭局長に質問いたします。  日炭高松炭鉱の施業案の認定をめぐって関係当局の御努力を願って、いま高松炭鉱の北進の方向で希望を持って施業をいたしておるところでありますが、労働者の問題は先般質問いたしました。したがって、働いておる労働者の問題及び失業いたしました労働者の問題は誠意を持って、通産省も労働省も責任を持ってこれがめんどうをみてもらいたいと思うところでございます。地上の北九州市が所管いたしておりまする若松地区の将来の開発の問題について、きょうはこの関係法律の質疑の最終でありますから質問いたしておこうと思うのでありますが、日炭と、それから北九州市は、市の地上計画との調整について、去る五月九日に通産省立ち会いのもとに採掘計画の説明がなされたが、北九州市も石原調査団の趣旨を体して振興計画の基本構想を立てて白炭と具体的に話し合いを進めておる。したがって、調整つき次第、道路整備事業、土地区画整理事業、公園の整備事業など、昭和四十二年から四十七年度を第一期振興計画として進めることとしたい。日炭問題の政府の窓口である通産省としても、日炭にお示しくださっておる熱意と同様に、地上計画に対してもその実現に対してお骨折りを願いたい、こういうことでありまして、第一の問題は、産炭地域振興改定五カ年計画に乗せてもらいたいというのでありますが、市のほうの地上計画は昭和四十二年から四十七年の六カ年計画となっておる。産炭地域振興改定五カ年計画は四十三年から四十七年までの五カ年計画と聞いておりますが、この計画が一緒になりますので、これにひとつ乗せて地上のことも考えてもらいたい。建設省関係の仕事もありますから、ひとつ通産省として特別の御配慮を願いたいということでありますが、いかがでございましょう。
  29. 井上亮

    政府委員(井上亮君) ただいま述べられましたように、先般北九州市と日炭の今後の地下の採掘計画、この話し合いを行なったわけでございますが、その際、同様の申し出が北九州市側からもございました。私どもといたしましては、ただいま先生おっしゃいましたような趣旨に沿って努力してまいりたい。しかし、さらに申し上げれば、ただいま産炭地振興計画はいま改定いたすつもりにいたしておりますが、各関係の道県から今後の改定計画の素案をいま提出していただいている最中でございまして、この道県の計画をもとにいたしまして、今後の長期にわたる産炭地振興計画を大体来年の六、七月ごろまでかかりまして相当具体的に検討してまいりたい。この検討に際しましては、単に通産省だけでなしに、もちろん建設省その他関係各省も参加いたしまして、共同して検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、そうなりますと、実際の実施は、予算的には、形式的には四十三年からということになろうかと思います。しかしながら、じゃあその間四十二年度計画は何もしないのかということになるわけでございますが、これは各県のやはり要望もありまして、産炭地振興の問題につきましては、そうその四十三年度から新規の計画というわけにもまいりませんで、やはりできるだけ至近年次から長期にわたって計画的に処理するというようなことでやっていきたい、つまりその便法といたしましては、四十二年度はつまり本計画に入るつなぎ計画というような形でもとりまして、脈絡のある計画にしてやっていきたいというふうに考えておりますので、ただいま先生おっしゃいましたような北九州市の地上計画等につきましても、この産炭地振興計画の中にできるだけ溶け込ませまして、ただいまのような便法を盛り込みまして善処してまいりたいというふうに考えております。
  30. 小柳勇

    ○小柳勇君 第二の問題は、建設省関係事業の予算の確保に対しても御協力を願いたいという問題でありますが、道路整備事業、土地区画整理事業、住宅建設事業などについても建設省予算を確保するよう努力をするとともに頓田の貯水池周辺の公園事業についても、四十一年度実施された都市開発基金制度の融資が得られるなど、いろいろ御協力を賜わりたい、こういうようなお願いでありますが、いかがでございましょう。
  31. 井上亮

    政府委員(井上亮君) ただいま先生から言われましたような事業につきましても、当然これは産炭地振興計画の中の一環として、北九州市の場合であれば県の計画の中にまず入れていただいて、そうして出していただきますれば、それにつきましては私ども全面的に御趣旨に沿うような措置をとってまいりたい。特にこの振興計画につきましては、建設省ほか関係各省全部参加してきめていきたいというふうに考えておりますので、そういった協力は、もう極力いたしてまいりたいというふうに考えております。
  32. 小柳勇

    ○小柳勇君 ただいまの問題は六カ年計画で、大体の予算七十億くらいかかるようでありまして、そのうち、建設予算約六十億、水道で約十億くらいのことでありますので、六カ年計画でありますから、ひとつ十分御協力を賜わりたいと思うところであります。  第三の問題は、鉱害対策の問題でありますが、石原調査団の報告にもありますように、答申にもありますように、若松地区開発のかぎは早急なる鉱害復旧にあるので、日炭の誠意もさることながら、すでに現地では国の予算の関係から復旧が延びる可能性が出てきており、地元民の不信を招いている点もあるから、鉱害復旧については、法のたてまえは日炭の責任ではありますが、本件に関しては、日炭で不十分である点は国で責任を持って復旧を進めていただけないであろうか、こういうお願いでありますいかがでありましょうか。
  33. 井上亮

    政府委員(井上亮君) 日炭が今度新地域で採掘計画を進めてまいるわけでございますが、既往の鉱害はもとよりでございますが、今後の鉱害につきましても、私どもとしましては、日炭の鉱害賠償計画ともあわせまして、特に国におきましても今後の鉱害復旧につきましてはできる限り計画的に措置してまいりたいと考えておりますので、その中の一環としてこの鉱害の処理に当たってまいりたいと考えております。ただ、日炭のできないところは国が全責任を持ってと言われますと、これはことばが少し重過ぎると思いますけれども、日炭ができるだけ鉱害復旧についての所定の負担に耐え得るように措置をすることによりまして、この鉱害復旧の処理が円滑に行なわれるように応援してまいりたいというふうに考えております。
  34. 小柳勇

    ○小柳勇君 第四点は、鉱害影響調査の範囲を広げてもらいたいということであります。昭和四十一年ごろ頓田貯水池の影響調査として約四百四十一万円がついております。江川沿線にも若干測点が設けられるよしでありますが、石原調査団が指摘している江川及び蜑住団地についても国において測量するよう予算措置を行なっていただきたい、この点についてもいかがでございましょうか。
  35. 井上亮

    政府委員(井上亮君) 御趣旨に沿うよう努力してまいりたいと思います。
  36. 小柳勇

    ○小柳勇君 第五点は、鉱害安定地における地耐力調査を継続していただきたいという点であります。昭和四十一年度二百五十万円で日本建築学会に調査を委託されているが、鉱害安定地に中高層建築物が建つかどうかは当地域開発のキーポイントでありますので、来年度以降も調査を継続していただきたい、こういうお願いでありますが、いかがでありますか。
  37. 井上亮

    政府委員(井上亮君) 御指摘のように、ただいま私どもの予算をもちまして地耐力の調査をいたしておるわけでございますが、この地耐力調査の結果も見まして、さらにこの調査を続行することが必要だと思います場合には、最大限の努力をいたしまして、そういう努力を継続してまいりたいと考えております。
  38. 小柳勇

    ○小柳勇君 最後の点、第六項でありますが、北進いたしますと、将来宇部鉱区の調査を——宇部鉱区が希望でありますので、現在宇部鉱区の調査をしておられるようでありますが、昭和四十年度二本、四十一度一本試錐が行なわれておるそうでありますが、その結果はいつごろわかるのか、また、われわれにお聞かせ願えるのか、お聞きいたします。
  39. 井上亮

    政府委員(井上亮君) 四十年度におきましては、ただいま先生御指摘のように、宇部興産の鉱区につきまして二本ボーリングを実施いたしておるわけでございますが、これは四十一年度、ことしに繰り越されまして、現在実施しておりますが、現在約六百メートルくらい進行しておりまして、九月末までには完了する予定になっております。  なお、本年度分の一本分につきましては、ほんとうは四十年度の完了後にやろうという予定にしておりましたが、四十年度の計画がずれて九月末完了ということにおくれましたので、それを待つことなく早急に実施しまして、早く宇部興産の持っております鉱区が、どの程度の価値、あるいは今後の活用についてどの程度の内容を持つものか、そういった調査をできるだけ早くわかるように努力したいというふうに考えております。  それから、こういったボーリングが行なわれまして内容がわかりますれば、これはまあ実際には鉱業権者の了解を得なければいけませんが、極力私どもも鉱業権者に話しまして、その内容につきましては、必要なら地方公共団体等に御連絡申し上げたいというふうに考えております。
  40. 小柳勇

    ○小柳勇君 質問の点は以上でありますが、私の希望を述べ、質問を終わりたいと思うのであります。  日炭高松炭鉱が北進いたしまして、もう施業案を着々出したり、あるいは次に出していかなければなりません。そのほうも、ひとつこれをなるべく早く炭鉱経営ができるように指導し、かつ、守ってもらいたいと思うのであります。同時に、失業いたしました労働者が現在非常に不安な生活をしておりますので、いまでは失業者が労働組合をつくりまして、お互いに励まし合いながら、生活を守っておりますが、これも緊急のことでありますから、労働省とも連携をとりながら、ひとつ責任を持ってめんどうみてもらいたい。第三点は、ただいまのこの問題、地上の問題は北九州の石炭特別委員会が非常に心配をして、先般から再々委員会を開いて協議しているようであります。何をいいましても、市だけではいかんともしがたい問題でありまして、県なり国なり、特に石原調査団の答申に基づく方針でありますから、国の援助なり施策を期待しているわけであります。したがって、今後も、このただいま申し述べました問題になりましたような点を、ひとつ十分通産省としてめんどうをみてもらいたいと思うところであります。  以上で質問を終わりますが、ただいまの点、大臣いかがでございましょうか。
  41. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 地上の諸計画につきましても、通産省は極力協力いたします。
  42. 大河原一次

    委員長大河原一次君) おはかりいたします。  産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案についての質疑は尽きたものと認めて御異議こざいませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  45. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 大河原一次

    委員長大河原一次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十八分散会