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1966-06-27 第51回国会 参議院 商工委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十七日(月曜日)    午前十時五十五分開会     —————————————    委員の異動  六月二十七日     辞任         補欠選任      山崎  昇君     亀田 得治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村上 春藏君     理 事                 赤間 文三君                 豊田 雅孝君                 柳田桃太郎君                 近藤 信一君     委 員                 井川 伊平君                 大谷藤之助君                 剱木 亨弘君                 近藤英一郎君                 宮崎 正雄君                 吉武 恵市君                 大矢  正君                 亀田 得治君                 小柳  勇君                 鈴木 一弘君                 矢追 秀彦君                 向井 長年君    国務大臣        通商産業大臣   三木 武夫君    政府委員        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省企業        局長       熊谷 典文君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    説明員        通商産業省企業        局参事官     瀬谷  徹君    参考人        日本万国博覧会        協会会長    堀田 庄三君        日本万国博覧会        協会会長    井上 五郎君        日本万国博覧会        協会事務総長   新井 眞一君     —————————————   本日の会議に付した」案件 ○日本万国博覧会準備及び運営のために必要な  特別措置に関する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○中小建設業の新局面打開に関する請願(第三〇  号) ○菓子中小企業近代化設備融資に関する請願(第  三一号)(第三二号)(第三〇九号) ○日本工業権自家出願者協会創立援護に関する  請願(第三三号) ○電気工事業に関する法律制定に関する請願(第  九七号)(第一八九号)(第二四二六号)(第  二七三六号)(第二七三七号)(第二八三〇  号)(第二八三一号)(第二八三二号)(第二  八三五号) ○工業所有権制度改正に関する請願(第七四四  号) ○体温計販売業登録制を薬局、薬店に限り除外  する等の請願(第八七九号)(第九一六号) ○発明、発見者及び考案者バッジ交付請願  (第一五六九号) ○電灯線引込口避雷設備設置に関する請願(第  一五七〇号) ○豪雪地帯対策特別措置法完全実施に関する請  願(第一五七一号) ○中国経済貿易展覧会開催に関する請願(第一六  〇六号) ○一九六六年中国経済貿易展覧会開催に関する請  願(第二一二二号) ○九州地区セメントがわら調整規則実施事務等  調査に関する請願(第二六六二号) ○群馬県渡良瀬川の水域指定並びに水質基準設定  に関する請願(第二八九七号) ○特許法の一部を改正する法律案及び実用新案法  の一部を改正する法律案に関する請願(第二九  二六号) ○がん具、雑貨の輸出貿易振興に関する請願(第  二九三九号) ○継続審査要求に関する件 ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     —————————————
  2. 村上春藏

    委員長村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、理事会において協議いたしました事項について御報告申し上げます。  本日は、日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案及び請願審査を行ないました後、継続審査調査要求及び委員派遣の御決定を願うことにいたしましたので、御了承願いたいと存じます。     —————————————
  3. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 委員の変更について御報告いたします。  本日、山崎昇君が辞任され、その補欠として亀田得治君が選任されました。     —————————————
  4. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 衆議院送付日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。  本日は、本案につきまして御三人の参考人方々の御出席をいただきましたので、これから順次御意見を伺いたいと存じますが、その前に参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人方々には御多忙中のところ、当委員会のために御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員一同にかわって厚くお礼を申し上げます。御出席皆さん方から本法律案に対する御意見日本万国博覧会準備状況及び実施経過、諸外国における博覧会経験等につきまして、御忌憚のない御意見の御開陳を願い、当委員会参考に資したいと存じます。  なお、議事の進め方について申し上げます。まず初めにお一人十分程度で御意見をお述べ願いまして、そのあと委員から質疑がありました場合にはお答えを願いたいと存じます。  それではまず堀田参考人にお願いいたします。
  5. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) 私、ただいま御指名をいただきました協会の副会長をいたしております堀田でございます。  去る五月初旬、商工委員会の諸先生方には、わざわざ御来阪の上親しく現地の様子を御視察賜わりまして、地元関係者要望等もあわせ御聴取いただきましたことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。また本日は、参考人としてわれわれ協会関係者所見開陳機会を賜わりましたことに対し、これまた厚くお礼を申し上げます。  さて、先般私は石坂会長とともに、五月十一日パリで開かれましたBIE理事会出席をいたしまして、その後かけ足ながらブラッセル、 マドリッド、 ロンドンモントリオール、 ニューヨーク等を訪問いたしまして、万国博関係者あるいは世界博経験者等について、面会をいたし、日本万国博へのアドバイスをいろいろと受けてまいったのであります。  ところで、まず五月十一日のBIE理事会の模様でございますか、すでに新聞その他で御承知のとおり、当日は分類委員会の結果報告を行なったポルトガルの代表の日本に対する非常に好意的な発言もありまして、ほとんど質疑らしきものはなく、わずか二、三十分の審議満場一致可決になったのでございます。聞けば、これほどすらりと承認された例は過去の万博には珍しいケースであると承っておりますが、この原因は、直接にはパリ日本大使館、通産省の方々や、あるいは事務総長はじめ協会関係者が事前の了解工作努力されたことにもよりまするが、私が直接BIE会長並びに萩原大使から承ったところによりますと、何といってもこんなに日本を支持するものが多いことは、日本の最近における目ざましい国力の発展がしからしめているのだ、特にしばしば東京オリンピックということばが出たのでございますが、このオリンピックをきわめて整然と充実した成功裏に終わらしたという日本組織力、こういうものに対する評価が意外に問いのでございます。それがさらにアジアで初めて開く、こういう興味も手伝いまして、日本に対する満場一致可決が非常に簡単に行なわれた、こういうことであろうと思うのでございます。  次に、各国万博その他博覧会経験者から聴取した話は非常に参考になり、示唆に富むものが多かったのでございまするが、後ほど御質問があれば申し上げまするが、時間の関係上すべてを御披露することはこの際省かしていただきまするが、そのうちでいろいろの質問を総合し、日本博成功に導く重要なかぎとでも申しまするものについて、幾つもありまするうち二点だけを申し上げたいと思います。  第一に、各国異口同音に指摘されましたことは、わが国民の総力を結集すれば、博覧会成功するに疑いないと思うが、準備期間があまりにも短か過ぎるということであります。たとえばブラッセル博は六年前から組織され、海外PRを始めておる。モントリオール博も四年半前から本格的に着手をしておる。モントリオールデュピイ会長は、当初から博覧会の成否は「時間との戦い」にある、こういうスローガンを掲げておりまして、毎日毎日あと何日、あと何日という掲示を場内に掲げておりまして、みなを激励しておるような状態でありました。また、ニューヨーク博をやりましたポレティという会長代理の言をもっていたしますると、これはむしろどちらかというと、失敗の博覧会と言われておるのでありますが、それだけにわれわれには非常に参考になることが多かったのでございますが、この人の話によりますと、四年前から海外招請なり、宣伝なりを始めたが、そのときすでにおそ過ぎたという感じがしておるくらいであるという話を聞いたのでございます。ところが、日本の場合、余すところ三年九ヵ月しかないわけでございます。しかも他と違っております点は、会場は大体よそは市内またはその市内連結地にあるのでございまして、多くは市の所有地土地の買い上げの必要がないところが多い。しかも起伏もありませんし、土地造成にはきわめて簡単なるところが多いのでございます。今回開きます千里丘陵はその点におきまして、近畿のどの都市からも相当離れておりますために、会場に至ります鉄道、道路網相当整備をしなければならない。内外のPRも先ほど申し上げたとおり、これから急ピッチで十分に行なわなければならない、こういうことを考えますると、総力を結集してこれに当たらなければならないというふうに考えるのであります。  第二の点は、アジアにおける最初日本万博でありまする関係上、なるべく多くの国が参加するように努力をしなければならないというのでございますが、わけても私はAAグループ参加を多数に望みたいと考えておるのでございます。そこで、ニューヨーク博経験を聞きますと、ぜひともアフリカ館をつくりたいということでずいぶん骨を折ったが、ああいう新興国で財政的には非常に余裕のない国でありますから、政府補助をし、アフリカ館をつくらない限りはなかなか出てこない。もっともエジプトは参加したようでございますが、アフリカ全体として出てこない、こういうふうなこともありましたが、政府アフリカ館をつくる財政援助をしなかったために、ついにアフリカ館建設ができなかったというようなことを聞いておるのでございます。したがいまして、こういう点につきましても、なるべく政府の御援助をお願いしたいと思うのでございまするが、いずれにしましても、万国博開催には周到かつ早急な準備と、これに要する膨大な資金を必要といたしまするわけでございますが、それだけに協会当事者としましては、かねてより国の全面支援を願ってまいったわけでございます。特に現在御審議中の万国博法案協会資金調達の根拠となる重要なる法案だけに、一日も早い成立が望まれておる次第でございます。もちろんわれわれの側でも、限りある資金範囲で効果の大きい運営を行なうためにくふうをこらしておる次第でございます。たとえばニューヨーク博を見ますると、数千万ドルの建設費をかけたと言われるジェネラル・モーターのパビリオンは、さすがに延べ入場者のうち千三百万を吸収したのでございまするが、金をそんなにかけたと思えぬのに、これに匹敵する入場者を集めたところは、何とローマのバチカンのパビリオンであります。これには例の門外不出と言われるミケランジェロの。ピエタの像を特に出品して、特に人気を呼んだためであります。その他スペイン館が非常に評判がよかったということも、門外不出プラドー美術館陳列品を出品した、こんなようなところにあるようでございます。  要するに万国博というものは、御承知のように一八五一年にロンドンで初めて開催されて以来、相当の年数をけみしておるのでございまするが、第一次大戦までの万国博というものは、これは科学とか技術とか、産業展示場として、各国が競争した、こういうことであります。つまり機械文明の粋を誇る。ところが、第一次大戦の惨禍をみるに至って、その後第二次大戦までは、機械文明のほかに文化、芸術等を入れたものになってまいったのでありますが、第二次大戦後は、さらに性格が一段と飛躍いたしまして、世界の平和とか、繁栄とか、人類の幸福というものにつながるというところにテーマが置かれるようになったのでございます。そういう意味合いから申しますと、日本開催されます万博というものも、実は博覧会ということばが持つイメージとはだいぶ違うのじゃないだろうか、私は国際的にはエキジビションということばがありますから、それを使ってもいいのでありますが、いまからではおそいのでありますけれども、この博覧会見本市であるという感じのものとはおよそほど遠いものであるということを承知しなければならない、そのために、むしろ博覧会ということばはいまさらどうにもなりませんが、本来はもっとほかの次元の高いものにすべきものではなかろうかと思うのであります。しかしこれを主張する気はございません。ところで、先般渡欧した際、そんなようなことを多少耳にしておりましたから、フランスやスペインでは、あるいはルーブル、あるいはプラドー美術館が秘蔵しておるところの大事なものを万博に出展してもらうように頼んでまいりましたのでございますが、十分考慮しようというようなお話があって、まだ結論が出ておりませんが、好意的だと思ったのであります。かようにわれわれ協会の側でも、万博成功のために大いに創意くふうをこらしたい所存でございまするので、諸先生方におかれましては、予算その他諸補助の面、また全国的にこれを盛り上げるようなムードをつくる面、これらは私どもは率先してやらなければならぬのでございますが、どうか先生方のお力添えを願いまして、ちょうどオリンピックで聖火を全国四通り回してムードを盛り上げたようなふうにしないと、これはなかなか所期の目的を達することができないのではないかということを危惧いたしておる次第であります。  何とぞよろしく御支持をお願いいたしたいと思います。冒頭に所見開陳する次第でございます。後ほど私の話につきまして、何か御質問があれば、お答えさしていただきます。ありがとうございました。
  6. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、井上参考人にお願いいたします。
  7. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 副会長の一人をつとめさしていただいております井上でございます。  私は名古屋を中心といたしまする中部地区事業をやっておりまするし、また経済団体にも関係いたしております。今回大阪万国博関係をいたしまして、直接事業地関係者ではございませんが、この大阪万博は、決して大阪博覧会ではない。日本の国をあげて開催せられるべき博覧会であり、また先刻堀田会長からも御指摘がありましたけれども、東洋におきまして初めて日本で開かれる万国博であるという意味から、この博覧会日本全体として、国をあげての博覧会である、かような考え方と申しますか、意気込みと申しますか、につきましては、ほとんど全国の各方面とも御協力を得ておると思いまするが、さような意味で微力を尽くしたいと考えておる次第でございます。つきましては、国会各位におきましても、この上とも格段の御協力、御支援をちょうだいをしたいと考えておる次第でございます。  博覧会の直接の投資以外に、当然あらゆる公共投資博覧会のみならず、この機会に多くの外客を迎えるにあたりまして、当然大阪中心とはいたしましても、全国、ことに西の地区には、いろいろとこうした意味での公共投資が行なわれると思います。オリンピックを契機といたしまして、東京中心とする地域のこうした公共投資の面が格段の進歩をしたことは、まことにけっこうでございます。今回大阪中心とする地域ばもとより、西日本全体にわたりまして、この機会にそうした面の格段改善が行なわれる、これが決して大阪のみの博覧会ではなかったという結果を残すように、格段の御配意をちょうだいしたいと思うのであります。これには主管大臣もきまりましたことでありまするから、行政上の各官庁の総合的な施策、また中央官庁地方官庁との間の一貫的計画、こうした面におきまして、これを機会格段改善、改良が行なわれることを強く切望する次第でございます。  次に、私実は六月上旬に出発をいたしまして、米国で開かれましたある電気関係の会合に出席をいたし、そのついでをもちまして、モントリオールに参りまして、カナダの来年の博覧会状況を見てまいりまして感じましたことの一、二を申し添えさしていただきたいと思うのでありまするが、ただいま堀田会長からもお話がございましたが、カナダ博覧会開催したいと考えまして、最初名乗りをあげましたのは一九五八年でありまするから、その間九年間の余裕があったわけであります。カナダ建国百年祭を記念して、万国博を開きたい。ところが、当時ソビエトと競合したといったような関係で、現実に正式な立候補をいたしましたのが一九六二年でございました。直ちにBIE承認を受けまして、その承認した近々一カ月の間にカナダでは特別立法をいたしまして、カナダの国の事業として万博を開くということに決定をいたしております。おくれました関係で、非常にそうした意味では、立法格段配意をして、一カ月の間に立法をしておるといったような急ぎ方をいたしております。この立法は、申し上げるまでもないと思うのでありますが、公式博覧会でございますので、当然国が責任を持ってやるわけでございますが、しかし、国が直接やるということでもどうかということであるかと思いますが、博覧会一つ協会をつくりまして、これに全責任を負うべき人をきめたわけでございますか、予算といたしましては、カナダ連邦政府が五〇%、ケベック州が三七・五%、開催地であるモントリオール市は一二・五%を持って、総額一応三億三千万ドルと考えられているものを、全部政府並びに当該州、市等責任においてまかなう、こういうことで発足をいたしている次第でございます。率直に申しまして、こうしたことでスタートしたのでありまするが、いかにも準備期間が短い。短い上に、いろいろとやはり問題がありまして、存外工事が進んではおらないのではないか、あるいはその間はいろいろな困難があるのではないかといったような、まあ評判と申しますか、耳にいたしました。さような点についても、今回行って見聞をいたしてまいった次第でございますが、私が見てまいりました限りにおきましては、当時非常にカナダとして困難を感じておりました荷揚げ労務者、仲仕と申しますか、のストライキは、私が行っております間に解決をいたしまして、それやこれやで、物価騰貴等の問題もあったやに聞いたのでございますが、これらにつきまして、当事者に私が聞きましたところでは、きわめて僅かな物価騰貴はあるけれども、全体の予算としては、当初予算範囲内で済むし、工事の工程については、ごらんのとおりであるということで、会場等を見てまいりましたが、その限りにおきましては、一応工事期間には完了し得るものと見てまいった次第でございます。しかし、ただいま堀田会長からもお話がございましたとおり、事務所の入口には時計がしかけてございまして、その時計は逆算をしているわけであります。開場の日までの時間を刻々と表示をしているというようなことで、非常に急いでいることは事実でございます。  どういう点に特徴があるかということについては、これまた御案内のとおりでございますが、私が関係者に会って聞きましたところにおきましては、非常にテーマを強調しておった。これは決して単なる商品の陳列ではない、各国館もすぐれた品物を並べるというだけでは、この博覧会の意義はない。あるテーマを強調した形で、それはただに展示というだけではなく、たとえばある国にはどういうテーマについて協力をしてもらう、オランダが海の問題につきまして特徴があるとすれば、海洋と人間というテーマにおいて協力をしてもらうというようなことで、テーマごと配置等も考えております。さようなことで、外国館であるとか、国内産業館であるといったような配置をいたしておりません。これがかなり一つ特徴であるかと存じます。  それから敷地につきましては、これまた御承知のとおりセントローレンスの川の中にあります二、三の島を選定をしているわけでございますが、そのうち一つのセントヘレナ島というのは、元来そういう島がありましたものを、その前後に埋め立てをいたしまして、敷地造成しております。もう一つのノートルダム島というのは、島と申しますか、浅瀬を埋め立てて新しい敷地をつくっております。環境から申しまして、非常に特徴のある、川の中にあるいい地であると思います。これらも今回大阪で開きますときにも、やはりその地域環境を生かして造成をするということをぜひ考慮すべき点かと考える次第でございます。いずれにいたしましても、非常に短期間カナダの場合におきましては四年半の間にああしたことをやるということについては、関係者が非常にその点に強い関心を払って、せっかく努力をいたしておるかと存じます。日本におきましては、ただいまお話が出ましたように、さらに短い時間でございます。国会各位におかれましても、これらにつきましても格段の御配慮をちょうだいしたいと存ずる次第であります。ありがとうございました。
  8. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、新井参考人にお願いいたします。
  9. 新井眞一

    参考人新井眞一君) 昨年秋、協会事務総長を拝命いたしました新井でございます。まずもっていろいろ参議院の諸先生方に、万博協会の問題につきまして何かと御協力いただきまして厚くお礼申し上げます。  私、今後の計画進め方、並びに現在どのような段階にあるかということをごく簡単にお話を申し上げたいと思いますが、先ほど両副会長から異口同音に申されましたように、きわめて時間が少ない。こういう中でいま一生懸命やっておるわけでございますが、まず第一は、海外招請の問題でございます。幸い五月十一日に国際理事会のアプルーバル、登録承認を得ましたので、早急に海外招請をやっていただきたい。これは私どもお願いをいたしまして、国のほうで公式の外交ルートを通じまする招請問題がございます。それに関連をいたしまして、国内への呼びかけでございます。これも両副会長からお話がございましたように、国内のほうがやはり万国博というものの本質の理解、それを踏まえた上での御参加という点につきましては、私ども実はPR等もたいへんおくれておるわけでございますので、ほんとうは見本市とは違うという意味におきます万国博覧会の御理解をいただきますということと、それからテーマに基づきます御参加という点につきまして、今後海外招請と相伴いながら十分の活動ということをやっていただかなければならぬかと考えておるわけでございます。  それから、その次は会場計画でございますが、これは何と申しましても中心の問題になるわけでございまして、ようやく会場計画委員会方々の第二次案というものが先般提示をされたわけでございます。これは諮問委員会のほうの案でございますので、これを土台にいたしまして、協会のほうでいろいろ問題点を整理いたしますとともに、各方面の御意見を拝聴いたしまして、早急に会場計画骨子をつくっていかなければならぬかと考えておるわけでございます。とりわけ予算問題いよいよ迫っておりますので、早急に会場計画骨子というものをつくり上げてまいりたいと思っております。大体八月末ぐらいまでには会場計画の大体の考え方を確立いたしますとともに、詳細につきましては、十月末から十一月までに会場計画をつくりたい。むしろそのときには会場計画の模型ができるという段階まで進めてまいりたいと思うわけでございます。実は先般パリ堀田会長のお供をして参ったわけでありますけれども、やはり諸外国のほうも、ことしの秋ごろには会場はどうなっているのか見に行きたいが、いつごろがいいかと御相談を受けたような次第でございまして、かなり私どもとしては立ちおくれておりますので、会場問題を早急に進めてまいりたい。  なお、会場計画のほかに、この上に建ちます施設計画テーマ館でございますとか、劇場でございますとか、あるいは美術館の問題でございますとか、そういった施設の問題、もちろんこの施設の中には、御参加いただきます方々のおつくりいただくのもございますけれども協会みずからやっていかなければならぬ施設計画等もあるわけでございます。これも含めまして検討しなければならぬ。  なお、この間、ごく近くの周辺の交通問題との関係、それから直接私どもの問題でございませんけれども、非常に万国博覧会成功のけじめになります関連公共投資事業あと三年九カ月しかございませんので、そういうタイミングからみましても、工事量はある程度制約を受けるかと思って心配いたしておるわけでございますけれども、このような問題も関連的には出てまいるわけでございます。  それから、その次に運営計画でございますが、御承知のように昭和四十五年の三月十五日から九月十三日の百八十三日間打ち上げるわけでございますので、その間、いろいろな六カ月間の行事、催しもの、これは先ほど副会長お話のございました美術品等も含めまして、六カ月間の催しものの編成計画というものも急いで計画をいたさなければ相ならぬわけでございます。こういう計画によりまして、相手のほうと御相談申し上げるというようなことに相なるわけでございます。そのような運営計画がございます。  それから、その次がPRでございますが、これがたいへん先ほど申しましたようにおくれております。国内に対する特に観客動員と申しますか、三千万人の全体の観客動員のPRはむしろちょっと先でもいいかと思いますけれども、少なくとも参加者に対するこういうもののPRというものは非常におくれておりますので、特に対外関係等もたいへんおくれておりますので、これを早急に計画をしてやっていかなければならぬ、こういうふうに思っております。  それから最後に、こういう問題を含めまして、特に会場計画の詰まり方を中心にいたしました全体の資金計画、この資金の中にはいろいろな分担問題でありますとか、各般の問題が含まれようかと思います。そういう全体の資金計画の見通しというものをこれも早急に立てまして、それを踏まえた上での四十二年度の単年度の予算というものを計画をしなければならぬ段階にあるわけでございます。先般四十一年度予算につきましては、先生方の十分な御協力、御指導をいただきまして、まずさしあたりの予算を十分いただいておりますけれども、今度はほんとうに本番になるわけでございますので、全体の考え方をどうするか、その上で四十二年単年度でどうであるかというふうな問題を決定をしていかなければならぬ状態に相なるわけでございます。時間もございませんので非常にはしょって申し上げましたけれども、そのような問題をやはりことしの夏から秋にかけまして、こまかい問題等はなかなか決定ができない点があろうかと思いますけれども、ほんとうにいまこそ時間と競争しなければならぬ段階にあるわけでございます。さしずめいろいろ御審議をいただいております法案の問題につきましては、特にこれは、海外にまいりました際にも公認博という関係がございまして、公式の国の行なう博覧会ではなくて、国が認めた博覧会というような観点で、特に国と協会とのかかわり方の問題がいろいろ理事会でも議論があったわけでございます。若干の修正をいたしまして通過をしていただいたわけでございますが、さような問題もございまして、いろいろ御事情があろうかと思いますが、法案審議につきましては、何とぞよろしくお願いいたしたいと思います。
  10. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 以上で参考人の方の御意見開陳は終わりました。  それでは参考人方々に対して質疑のおありの方は順次発言を願います。
  11. 近藤信一

    近藤信一君 まず最初堀田参考人にお尋ねするわけでありますが、私のノートに、博覧会国際事務局長バルティエ氏のことばとして、「日本万国博は、何よりも東洋と西洋とを結ぶ友情を深め、世界平和に貢献するものと思う。」と、こう書いてあるわけなんです。いつ言われたのかちょっと覚えておりませんが、とにかく西洋と東洋、言いかえればアジアを結ぶものである。したがって東洋に貢献するということも相当大きいであろうと、こういうふうにもまた言われておる。この点は、私も同感でございます。堀田さんはその西洋を博覧会のことでずっと視察してこられたと聞いておりますが、この西洋と東洋とどんなふうに一体これが結びつけられたらよいと思われるのか。また西洋諸国がその点に関しましてどんな希望を持っており、また今度アジア最初に開かれるというこの博覧会に対する関心を持っておるか、こういう点について、堀田さんの御所見をまず承りたいのであります。
  12. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) いま近藤先生から非常にむずかしい、また有意義な御質問を受けまして、お答えをする次第でございます。私が申し上げた、東洋・西洋を結ぶ友情ということは、まさにそうでなければならぬと考えておるわけであります。どうかすると、従来の博覧会は西欧中心である。しかも大きな力を持つ米ソの威信の展示場になるという傾きが非常に多い。私は日本博覧会も金を持てる国、あるいは力のある国が相当大きいことをやるだろうと考えておりますが、それだけでは今回の博覧会意味は少ないのじゃないか。従来アジアの国情なり文化なり芸術なりあるいは産業なんというものが、西洋の博覧会にあまり多く展示されておらないのであります。したがって、今回アジアに開かれる博覧会に興味を持つというのは、われわれみずからがアジア人であり、アジアの一国であるということのために、AAグループというものは何らかの形でより多く参加してもらいたい。そしてアジアにも古い伝統のある文化があり、芸術があり、また特殊の産業がある。特に米などにつきましては、西洋人にはあまり見られない特殊の産業であると思うのでございます。こういう意味におきまして、日本のみならずアジアのそういう文化、芸術、産業というものを展示し、アジアの存在を明確にする。それとともに西欧文化の流れがかなり入ってきておりますので、そういったものが融合して、今日日本については、こん然たる日本的なものの上に西欧的なものが入って、今日の文化を築き上げておる、こういうようなことを展示するのが一つの意義ある行き方である。かように存じておりまして、西洋におきましても、アジアにおける初めての博覧会ということには、多分に従来の欧米における博覧会と異色なものであろうということを期待をしておると思うのであります。
  13. 近藤信一

    近藤信一君 いま堀田参考人からも、アジアで初めての博覧会であり、さらにこれはどなたか参考人の方が言っておりましたように、アジアの文化というものを広く博覧会を通じていろいろとこれを広めていきたい、こういう点からいきますると、私どもが先日来いろいろと質問の中で政府にもお尋ねしておるわけでございますが、堀田参考人も御存じのように、アジアの国々におきましては、いろいろと複雑な国際関係というものがございます。たとえば朝鮮は南北に二つになっておる。またベトナムがしかり。お隣の中国におきましては共産圏である等々、複雑な国がアジアには相当包含されておるわけでございます。そこで私どもといたしましては、こういう万国博というふうなものは、いろいろと思想を超越して、広く文化、科学というものを広めていかなければならぬ。こういうたてまえで私どもはあらゆる国に参加要請というものを出すべきじゃないかというふように政府に要望しておるわけでございまするが、この点は、いわゆる国交を回復してない国には何とかかんとかというふうなことも政府は言われております。堀田さん自身は、この点どのようにお考えになりますか。
  14. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) いまの御質問にお答えを申し上げます。私自身といたしましては、先ほど来申し上げているように、なるべく多くの国が参加するということに非常に意義を感じておりまするから、思想やイデオロギーを越えても差しつかえないというふうに思っておりまするが、過般、先ほど申しましたように各博覧会を担当した人に会ってその国の事情を聞いてみますると、やはり外交ルートを通じて招請をしておるようであります。ブリュッセルにおきましても中共を呼んだかということを私は念を押して聞いたのでありますが、呼んでおりません。モントリオールも招請をいたしておりません。ニューヨーク博覧会は中共を呼ぶということを非常に主張したものであるらしいのですが、しかし、最終的には国務省が許さなかったということで呼んでないのでございます。そこで私は、これは最終的には政府決定するものであると考えております。しかし、国際情勢はなおかつ非常に流動的になっておりまする現在、今後三年余りの日数のうちにどういうふうに変わらぬともいまから予想しがたいと思いまするので、個人としてはいま近藤先生のお話と同じように考えておりまするが、今後のことはいまから予測しがたいのみならず、最終的には公認博といえ、政府が対外的に最終責任を持つ博覧会である以上は、政府が呼ぶか呼ばないかについては責任をとるべきである、かように考えております。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 よくわかりましたので次に移りますが、ただいま私ども審議しておりまする法案の中でいろいろと問題になっておるのですが、記念切手や記念たばこ、あるいは国鉄、電電公社のこういうところの広告によりまして資金調達の方法について特例を設けようとするものがあります。そこでオリンピックに際してもとられた措置と同様な方法をとっていこう、こういうことでいま政府は考えておられるようでございます。これは私は資金調達としてあまり知恵のある方法ではないのじゃないかと思う。そこで堀田さんはこれらの方法による資金調達がオリンピックのときには成功したと見ておられるかどうか。さらに万博に際してはもっと別のうまい方法がとられてもよいとお考えになっておられたら、もし新たに何かほかにお考えがあるようでしたならひとつこの点について教えていただきたいと思うのです。
  16. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) いまの御質問にお答え申し上げます。オリンピックのときは主催が東京都でございます。これに国がいろいろと援助したわけでございまするが、そのときいろいろな援助方法、特定事業収入におきましては大体四十五億ぐらいの目標を立てておりましたが、実際は六十億に達したと、こういうことで相当のこれによって財源を捻出し得たと思うのでございます。ところが、今回は対外的には国が責任を持ち、条約に対する調印者も国でございますので、国として実際は外部に責任をとっていただくことになりまする関係から申しましても、国としていろいろな方法を通じての、直接の予算のみならず、こういった事業収入等を通じての拠金ということが、私はぜひ必要と考えるのでございまするが、カナダの例を、たしかでございませんが、仄聞するところによりますると、一般からも五ドル、十ドルというふうな献金を募集しておるやに聞いております。したがいまして、そういうような方法も将来必要とあらばあわせ用いる余地があるのじゃなかろうかと存じまするが、何ぶんにも実業界あたりではパビリオンをつくるわけでありまするが、これに相当資金を要するわけでございます。したがって、各会社あるいは団体というのは、そちらのほうにだいぶ資金を捻出しなきゃならないというのでございまするから、経済界が直接大きな金を拠出する余地はどうもあまりないのでなかろうかというようなことをいま考えておる最中でございまするが、御指摘のように、オリンピックでやりました特別事業収入は私は必要であるが、なおそれでも足りないときは、さらに一ぺん考えてみる必要があるんじゃないかと、かように思っております。
  17. 近藤信一

    近藤信一君 堀田さんもさっき言っておられましたが、今度の万博については、日本の場合には期限的にも非常に短い、もう準備期間というものが四年もない、こういう点から考えましても、私はオリンピックのときには長い期間宣伝、PRしまして、そして特にこれは勝ち負けを争うというふうなことで、国をあげてのオリンピック熱というものがあがっておって、予想外に資金調達というものがうまくいった。いわゆる基金は集まった。四十五億くらいを予定したのが六十億を突破したというふうなことも出ておるわけでありまするが、非常にPRの点からいくと、なかなか万博PRはむずかしいんじゃないか。そういたしますと、やはり資金調達という面についても、オリンピックでは一応成功したけれども万博オリンピックと同じように成功し得るとは私なかなか考えられないわけなんでございますが、その点特に金融関係ではベテランでありまする堀田さんはどういうふうにお考えになっておられますか。
  18. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) いまの点でございますが、オリンピックは先ほど申しましたように東京都の主催で、今度は国の主催であるという点から申しましても、スケールの点におきましても、また期間の点におきましても、相当あれよりも大仕事であるということが言えるわけでございます。したがいまして、問題は、先ほど来博覧会の性質について申し上げましたとおり、これは単なる見本市ではないというこの事態の徹底を、国全体に、国内全体に普及させる。同時にオリンピックのときにはムードを盛り上げる方法が聖火その他でありましたのですが、今度はそういうきめ手がないかわりに、私はやはり各府県にそういった後援団体といいますか、もう少し徹底してこれをやらなきゃならない。国の最大の、少し大きく言えば政府事業であるということをひとつ十分理解していただいて、全国的なそういう後援方式をとっていただくと、こういうことが望ましいと考えておる次第でございます。
  19. 近藤信一

    近藤信一君 次に、万博は黒字になるか、赤字になるか、こういうことで、また国会でもいろいろな意見があるわけなんでございますが、これは当委員会でも一昨日議論されましたし、また博覧会そのものがたとえ赤字になっても、長い目で見ますれば、有形無形のプラスが多いことは、これは私が言うまでもなく明らかなことでございますし、また業界もこれで一もうけしようなんというような考え方で取り組んでおられることは私はないと思います。ところが、日本の業界といいますか、何かあるとすぐ一もうけしようというようなことがよくことばに出されるわけでございますが、まあそういう点から考えまして、今度の万博を通じて、やはり将来長い目で見た場合に、日本の業界にも私はいろいろと貿易面において好転してくるようなことも考えられるんじゃないかと思っておりますが、これについて何か御感想がございましたらばお聞かせ願いたいと思います。
  20. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) 万博が最終的に黒字になるか、赤字になるかは、やはり私どももわからないのでございますが、万博協会は全力を尽くして赤字を出さないようにするという決意のもとにいま行動いたしておるのでございます。まあ黒字になるか、赤字になるかの原因をなすところのものは、この万博自体が非常に興味のある博覧会であるかどうか、したがって、入場者が多いかどうか、さらに入場料金を幾らにするか、こういうことに関係するかと思うのでございます。その点につきましていろいろ国内海外の有名なリサーチをやる団体に頼んで、いろいろ調査をいたしておるようなわけでございまして、最終的には何としても赤字を出さないようにしたいという決意で動いておる、これをまず申し上げるよりほかないと思います。それには、先ほど申しましたように、万博自体が、博覧会自体が非常に興味のあるものであり、しかも有意義なものであるというものをつくることが第一義的であるというふうにお答えしたいと思います。  さらに、これを通じて、貿易その他外貨収入に関係があるかどうかというお話でございますが、これは大なり小なりあると思うのでございます。まあ数字をどれだけと申せというお話はなかったのでございますが、私もまたそれだけの自信はないのでございまするが、先ほど申しましたように、オリンピック自体が、あれによって直接外国人が来て、大きな外貨を稼ぐとは想像していなかったが、かりにあのエスティメーションは十万人来るとか十五万人来るとかと言っておったのが、三万五千人しか来なかった。そのために直接の外貨はなかったとしても、あのために日本の評価は非常に上がった。今度の万博決定の経緯を見ましても、あれが一つの素因をなしておるということば明らかな事実でございます。そういたしますると、そこに展示される商品の妙味、あるいはこの万博全体からかもし出すところの雰囲気というようなものが、やがて日本の貿易に直接間接に大きな影響を与えるだろうということを信じておる次第でございます。直接そのことから、つまり万博自体で行なわれる取引の数字は、確たるエスティメーションはいま持っておりません。
  21. 近藤信一

    近藤信一君 まあ資金というと、すぐ銀行ということになるわけでございますが、銀行側から万国博覧会への資金貸し付けというものがどのくらいになっておるか。これはある雑誌で見ますると、三月末までに約二億四千万円と、こうあるわけなんです。それから、これが三月末になっておるわけですが、今後一体どれくらいこれは銀行融資というものはのぼっていくか、こういうお見通しがございますれば一応お聞かせ願っておきたいと思います。
  22. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) これも見通しでございますので、はっきりしたことは、そう的確に申し上げられないかもしれませんが、現在三億八千三百万円にのぼっております。そのうちで短期のものは二千八百万円、あとは長期のものでございます。これは主として運営費に充てておるわけで、建設費予算あるいは補助金その他いろいろなものから捻出することになろうと思うのでありますが、いまのところはよくわかりませんが、この全体の計画会場計画はじめ、どういうふうになるか、そのこともございましょうし、予算がどれくらいまでいただけるか、そのこともございましょうし、確たる見通しはつきませんが、私の予想では、ピーク八十億から多くても百億にとまるだろう、銀行借り入れば。さように考えております。
  23. 近藤信一

    近藤信一君 まあいまのお話でございますと、八十億から百億ぐらいになるだろう、こういうお話でございますが、そこでこの銀行融資について国の保証なり、また担保が必要だという話もあるようでございますが、その必要というものはないかどうか。それから融資ということになりますと、今度は利子率の問題になってまいりまするが、利子率はどういうことになるのか、この点いかがですか。
  24. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) 銀行の融資はただいま無担保でございます。何ぶんにも土地自体がまだ完全に入手されておらない状態でございます。したがって、これを有担保とするわけには現段階においてはできませんわけでございます。そこで国の保証という問題もときどき話には仲間で出るのでございますが、私どもの伺っておるところでは、最終責任はひとつ政府がとるから心配するなというお話もありますし、先ほど申しましたように、これは最後はやっぱり黒字にしなくちゃならないという私どものかたい決意がございます。その黒字にする原因は、結局たくさん入場者が入り、相当な入場料をいただく。それからさらに、国の援助もいろいろな角度からいただくということで、総合して黒字を想定しているわけであります。銀行としては無担保で保証もなく、おかしいという御見解もあるかもしれませんが、国をあげての行事でございまするので、そういった状況でいますべり出しております。  なお、金利でございまするが、長期は二銭、短期は一銭八厘、長期は七分三厘、短期は六分七厘くらいのところで融資をいたしております。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 いまのお話でございますると、無担保で融資しておる。それは国をあげての行事だから大いに協力しておられる、非常に吾ばしいことでございますが、過去の万博の例を見ますると、おおむね赤字が多いんですね。赤字が多いとなると、日本万博の場合もこれは赤字ということも見込んでいかなければならぬと思うのですが、その場合、あなたのほうは無担保で不安はないのですか。
  26. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) 私は過去全体の博覧会の収支関係を実は存じません。ブラッセルで開かれた博覧会ば黒字になっております。大体三千万人の入場者を予定したのに対して四千万人以上入っている。モントリオールは大体三千万人を予定しておりますが、そのうちアメリカが五割何分、カナダが四割何分ということで十分ペイするというそろばんでございます。入場料も二ドル五十セントを予定しておるようでございます。ただ、最近開かれたもののうち、ニューヨーク博が赤字になっておる。これは事実赤字でありまして、入場者は七千万ないし一億と予定しておりました。これは一年間であります——半期ずつを二回繰り返して一年間でございますが、それが私の聞くところでは五千三百万ぐらいにとどまり、そこから大きな損を来たしたということでございます。これはどうも国が直接に関与した博覧会じゃなく、民間のベースでやった博覧会で、そのあと始末に弱っておられるということを聞いておりますが、今回はそうでなく、性格がだいぶ違うということと、先ほど来決意を申し上げておりますように、是が非でも赤字を出さないように、節約と創意くふうと、万全の努力を払ってやるつもりでありまするから、いまから赤字が出るかもしれぬという弱気では実はないのではございます。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 この万博は国をあげての行事でございますから、私どもも銀行の御協力に対しましては大いに感謝するわけであります。やはり大事業でございますから、金融業界もまた工業業界もやはりほんとうに国の行事だという考えでひとっこれを進めていただきたい。いまの金融の問題ですが、これは話が違うが、できれば中小企業関係にもこういうふうにひとつ協力していただければ大いに助かると私は思うのです。  他の委員の御質問もありますから、あまり私一人で御質問しておってもいけませんので、次に移るわけですが、次に井上参考人に一、二お伺いいたすわけでございますが、万国博の表徴としてモニュメントは実に重要なものでございます。日本としてはどんなものが最も適当であると考えておられるか、この点いかがですか。
  28. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 万国博最初ロンドンで開かれましたときにクリスタル・パレスができ、あるいはパリでエッフェル塔ができた。当時からいろいろモニュメントができ、それが非常に時代を表徴するものになったことは御指摘のとおりでございまして、今回日本万国博にいかようなモニュメントをつくるべきであるか、これは非常に大きな問題であり、私どももいろいろと考えておる問題でございまするが、まだ正式に議題になっておりません。そこで私個人といたしましては、やはりモニュメントはつくるべきである、そうしてつくるとすれば、それはテーマを表徴するものでなければならない。このテーマが御案内のとおり進歩と調和という点でございまして、進歩ということは比較的わかりやすい観念でありますし、宇宙時代を表徴するような科学技術の先端をあらわすということは比較的考えやすい問題と存じますが、調和という問題、ことにこれが先刻からしばしば御指摘がありますように、アジア地区におきまして第一回に開かれる博覧会が、調和という東洋古来の観念に立脚したテーマを選んだ、それがインドシナの哲学、宗教であるか、あるいは日本古来の和という精神であるか、御案内と存じますが、この調和ということばをいかように英語で表現するかということについてはいろいろと議論がございまして、はたしてハーモニーということばがほんとうにわれわれが東洋的な気持ちで考えておる調和というものをぴったりと表現するであろうかどうであろうか。また進歩と調和というものは、それ自体相反するとまでは申しませんが、若干そこに調和しがたいものを持っておるのではないかといったような考え方もあるわけでございまして、これを一つのシンボル、一つのモニュメントにあらわすにはどうすればいいのか。もし科学技術の先端をあらわすとすれば、それは進歩に偏重されるでありましょうし、もし文化という広い意味、あるいは哲学、思想、宗教というのみに限定いたしまするならば、あるいは進歩という面があらわれにくい。この間をいかように表現するのかということについては、私自身何ら結論に達しておらない次第でございまするが、ただいまの御質問にお答えし得るといたしまするならは、私は今回の博覧会にモニュメントは建てるべきである。そのモニュメントはテーマを十分に表現するものでありたいということだけを申し上げておきます。
  29. 近藤信一

    近藤信一君 いまの井上さんのお考えで、ひとつ大いにこれからしっかりやっていただきたいと思います。  それから先ほども井上さんが言っておりましたように、カナダモントリオール博覧会が来年行なわれるわけで、それを御視察になられてお帰りになったわけでございますが、もう来年という間近に控えておるカナダ万博は、いわゆるカナダ全体としてどんなムードになっておるか、こういうこともはだに感じてこられただろうと思うのですが、その状況、もし若干でもおわかりでしたら御説明順いたいと思います。
  30. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 僅々二日間見聞してまいりましただけでございますので、十分であるかどうか存じませんが、たとえば新聞を買ってみますと、毎日各新聞にEXPO67というコラムが設けてありまして、それは必ずしも博覧会そのものの記事ではないのでございまするが、毎日博覧会について何らかの紹介記事を書いておる。こういったことから考えましても、カナダが非常にこの博覧会というもので自分の国を世界に表現したい、先ほど申しましたように、カナダがかって南北に分かれておったり、内戦、外戦いろいろ戦争をしまして、結局統一をいたしまして百年、その百年をこうした気持ちで祝いたいという点においては、何となく国民の気持ちとして一致しておると思います。と申しますのは、これまた申し上げるまでもないのでありますが、カナダは国情といたしましては、イギリス系とフランス系が分かれておりますし、国内にはいわゆるセパラチストの運動というものも相当根強くあったかに聞いておるわけでございます。これがただいまのピアソン首相の主張のもとに統一して、ことにケベック州の地域にこの博覧会が開かれたという意味から考えまして、十分国をあげての体制というものが整えられておるというふうな印象を受けてまいったわけでございます。
  31. 近藤信一

    近藤信一君 この日本万国博覧会ももう間近に迫っております。一九七〇年でございまするから、もうすぐだと思うので、そこでやはり日本としてももっとカナダ万博に対して関心を持たなきゃならぬじゃないかと思うのですが、まだまだそこまでは国内の関心というものはないわけであります。私たちのようなしろうとでも、この剛も笑いながら委員会で言っていたわけですが、来年万博カナダで開かれれば、ひとつ委員会からも視察に行こうじゃないか、そうしてひとつ実際現地の模様というものをこの目で見て、そしてはだに感じてこなきゃ実際のPRなんかもむずかしいのじゃないか、こういうふうに私は思っておるわけでございますが、そういう点から考えましても、いわゆる日本万国博覧会というものは、最初計画されましたのは明治時代からだというふうに聞いておりますし、明治時代から日本万国博覧会をやりたいと計画しておったのが、やっと五十年後の今日、日本で、しかもアジアで初めての万国博覧会ということになるわけでございまして、やはりこれは大阪地区におきましては、関心をもっていろいろといまムードというものが出てこようとしておると私は思うのですけれども、やはりこれをさらに発展させるためには、国内的にこのムードをつくっていかなきゃならぬと思うのですが、この点井上さんの実感といいますか、そういうふうなものをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  32. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 全く御指摘のとおりでございまして、ただいま申しましたように、カナダにおきましては必ずしも国内PRとは申しませんが、そうした新聞等が全面的な協力体制をとっております。国内におきまして、もちろん大阪におきましては格段の関心が払われておると存じますし、私たまたま名古屋の者であるということで考えてみまして、名古屋におきまするいろいろな団体、なかんずく経済団体等幾つかございまするが、いずれも全面的な協力をしようという心がまえと申しますか、ムードにおいては決して心配はないものと考えまするが、さて具体的になっているかといえば、まだ残念ながらその段階にきておらないということを申し上げざるを得ないと思います。したがいまして、来月の十五日に——毎月のようにもちろん私ども当聖者といたしまして理事会、常任理事会等を開いておりまするが、名古屋で開きまして、関係方々全部名古屋に集まっていただいて、その機会理事会以外に名古屋における博覧会の披露等をいたしまして、これをきっかけに商工会議所、中部経済連合会、同友会等々ございますけれども、一丸といたしまして何らかの協力体制の発足をしたいと考えております。これは一名古屋地区に限らず、次々そうした方向に全国をやはり勧誘と申しますか、宣伝をしていくべきであると思います。それから先ほどモントリオール博について申し上げたのでありますが、いろいろと参考とすべきものが多々あると思います。さような意味で私どももたまたま参りましたほかに、事務局といたしましては、むしろ常時駐在連絡員を派遣いたしまして、今後開催までの期間参考とすべきものを十分吸収し得るような体制を整えたいと考えております。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 次に、新井事務総長にお尋ね申し上げるのですが、法案の第五条は出向する官公吏についての恩給、退職金についての規定がございます。国、府県、市町村、会社、団体等からの出向者で構成する寄り合い世帯というところに万博協会の性格というものがあるわけなんです。これがうまくいけば、特別の技能を持った専門家の集まりでもございまするが、へたをすると烏合の衆ということにもなりかねないと思うわけなんです。そこで先日も大臣に申し上げたように、人の和ということがとても大切なことになるわけでございまして、そこで三点ほどお聞きしたいのでございますが、現在の職員は出向者が何人くらいおるか、そのうち国から、それからまた府県から、市町村、会社、団体等からそれぞれの出向者がおると思うのですが、それはどういうふうな区分になっておるのか。協会で採用した者についてそれ以前の所属はどうか。それからこういう数字はできていないと思うのですが、大体のところでよろしいと思いますからそれを伺って、それとあわせまして、最盛時の人員機成というものは、相当必要になるんじゃないかと思いまするが、日本の場合にそれをどのように見ておられますか。外国の例などからみましてこの点をひとつ伺っておきたいのであります。
  34. 新井眞一

    参考人新井眞一君) 協会の人員構成につきまして、特に各般の分野から集まってやっております関係上、寄り合い世帯の問題があるという非常に重要な問題を御指摘いただきまして、十分私どももさように考えておるわけでございますが、人の和と申しますか、そういう面で今後十分御指摘の点は努力をしてまいりたいと思っております。  それでまず現在の人員構成と出向者の関係でございますけれども、六月十五日現在で百六十九名おります。その中で大阪府のほうから四十二名、それから大阪市から三十三名、もっとも府の四十二名の中には現地の吹田市の人が一名出て入っております。それから民間の出向でございますけれども、早くから各銀行の方、平均的にお一人御出向いただきましたのと、つい最近さらに一名、したがって十三行からそれぞれ二名を御出向いただいております。なお、特に大阪のここにいらっしゃいます堀田会長、それから芦原副会長さん、この住友銀行さんと関西電力さんのほうからは、特に副会長との連係を十分にやるという意味で、出しにくいというところを御出向いただいておるわけでございます。それから協会みずからの採用いたしましたものが五十八名、これは主として女子が多うございます。なお国の点でございますけれども、現在御審議をいただいております法律の関係等もございまして、府からきていただいておりますものの中に、一応国から大阪府に出られまして、そうして府からこちらに御出向していただくという形がございます。私は完全に万国博覧会の団体職員でございますので、それからの出向は一人もまだないわけでございます。  それから最盛時の人員構成でございますが、この点が非常に今度の全体計画予算をやります際の重要な問題でございまして、来年四十二年、それから四十三年、四十四年、この辺の長期人員計画を現在検討中でございますが、主としてどういう事業計画をやるかという全体の問題がございますので、それを詰めながらやっていかなければならないことと、それからできるだけ外の既存の団体なり既存のものに委託できるようなものがあれば、極力そういうようにしたいというような考え方で現在長期計画を練っておりますので、最盛時の人員構成につきましては何人というところは、まだ現在申し上げにくいわけでございます。ほかの例を見ますと、いま申します内部でやる仕事、それから外にどの程度のものを出しておるかというようないろいろな関係がございますけれども、おおむねモントリオールで最盛時やはり千名、そのほかにアルバイトといたしまして、お手伝いをいただくというものもほぼ同数のものが予定されておるやに承っておる次第でございます。
  35. 近藤信一

    近藤信一君 いまもお話がございましたように、現在百六十九名で、それぞれのところから出向しておられる。これはどうしても寄り合い世帯でございますから、給与の点についてもアンバランスができておるんじゃないかと思うのですが、この点はどういうように調整をはかっていかれるか、それともそれは将来の問題としていくのか、それからこれはまた委員会政府にもいろいろと詳しく尋ねますから、簡単でよろしゅうございますから、その点お願いいたします。
  36. 新井眞一

    参考人新井眞一君) 給与の点でございますが、出向でございますとかあるいは民間から出ていただいている方、全部平等な形で、協会内部といたしましてはその間バランスがとれておるような形で運営をさしていただいております。
  37. 近藤信一

    近藤信一君 最後に、協会はいわば出先機関でございますし、各人が別に実家があるので、どちらかといえば実家の利害というものが先に考えられるわけなんですが、協会のためにということになりますと、これはその次というふうなことにもなる危険というものがある。しかし先ほど来いろいろと言われておる点から考えて、非常にこの事業というものはもう国際的に、また国をあげての事業である、こういうことになると、やはりどうしてもそれに打ち込んでいくというふうなことでなければならぬと思うのです。そういう点について現在いる職員といいますか、その人たちのお気持ちといいますか、そういう点も私は事務総長として十分に考えていただかなきゃならぬ問題じゃなかろうかと思うのですが、この点はどうですか。
  38. 新井眞一

    参考人新井眞一君) 御指摘のとおりでございまして、当初ちょっとまあそういう問題もございましたかと存じますけれども、ようやく体制もできつつございますし、そういった献身的な国家的事業に対する熱情と申しますか、さような面につきましては十分私ども努力をいたしまして、職員全体そういう気持ちでやっていくようにいたしたいと思いますので、何ぶんとも御指導いただきたいと思います。
  39. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 私は時間の関係上、お一人お一人に御質問したいのでありますけれども、まとめて御質問をいたす項目をおわかり願う程度に申し上げまして、時間の節約をはかりたいと存じますので、さように御了承をまず願いたいと存じます。  まず第一は堀田さんにお尋ねしたいのでありますが、先ほど日本に何らのトラブルなく今回の万国博が誘致せられるようになったことは、オリンピックがうまくいったことがまず第一だというお話がありました。それもそうでございましょうが、私はアジア最初万国博覧会であるということが、一番日本に誘致することに何らのトラブルもなくて早期に決定できたゆえんだと考えるのであります。それだけに今回の日本万博に対しましては、世界がやはりさような期待を持っているので、したがってこの万博の構想は世界人にアピールするものでなくてはなりませんけれどもアジア最初万博であるというその特色は出さねばならぬのじゃなかろうか。これについてどういう構想をお持ちであり、また今後お進めになろうとしておられるだろうかという点をまず第一に伺いたいと思うのであります。  それから第二には、従来日本世界万国博覧会につとめて参加してきたのでありますが、しかしいずれの場合においてもあまり大きな成功をおさめ得なかったのであります。これは日本産業文化というものが御承知のとおり特殊の産業文化でありまするので、従来の万国博覧会開催せられたるその土地においてやったのでは、日本の特殊の産業文化の真髄というものがほんとうにあらわれ得ない点があったと思うのでありますが、それだけに今回は日本産業文化の精髄を世界に顕示する、そういう意味において日本のホームグランドでこの万博をやったらいいということで私どもは提唱し、それが実現するに至ったのでありますが、それだけに今回の万博の出品計画あるいは会場計画、これについてはよほどの創意くふう、努力が必要だと思うのでありまして、日本といえば、いまなお芸者ガール、フジヤマ、桜、その程度の印象しか世界にはまだ持たれておらぬと言われるぐらいでありますので、それにはそれなりのいい面もございましょうが、そうでなくてほんとうに日本産業文化の精髄をこの際世界に明らかにする、それによって日本の輸出振興、日本といえばチープレーバー、ダンピングというような印象を深く与えておる面がありますので、これらを一掃する絶好のチャンスであり、またそれがために一つはやるということにもなるでありまして、これにつきましていかなる構想でお進めになろうとしておられるか、これを承りたいというのが第二であります。  それから第三には、今回主催団体といたしまして、万国博覧会協会ができ、りっぱな会長、副会長それぞれ御就任でありますが、別に万国博覧会それ自身の問題になりますると、名誉総裁としてはどなたであるとか、あるいは総裁としてはどういう人であるとかいう構想があり得るのではないだろうか、主催者団体というものとは別個にそういう考え方があるのではないだろうか、これらについてはどんなお考えをお持ちであろうか、これによって国内、国外に対しまするPRも非常に変わってくるだろうという感を深くいたしまするがゆえに伺うのであります。  それからもう一つは、PRもうまくいっておらぬ、これは時期の関係もありまするけれども、いろいろ話が出たのでありますが、このPRの方法といたしまして、さっき堀田さんからは、各県に一つの後援会的なものをやったらどうかと思うというお話、これは私の考えておりますることともぴったりするわけでありまして、実は昨日も三木通産大臣に質問をいたし、私は各県に万国博の協賛会をつくり、そうしてたとえば知事を会長にして、そして各県のPRが自然にできるというようなふうにしたらどうかということ、それと共通するようでありますから、この点についてはもうお答え願わぬでもいいんでありますが、もう一つは、資金にもかれこれお困りのようであります。さっき近藤委員からの質問の結果を承っておりましても、なかなか容易でないと思われますので、これについては前回の万国博覧会のときには前売り入場券を発行いたしたのであります。これが資金調達の面においても大きなプラスになりましたけれども、これがまた事前のPRに非常に効果を発揮いたしたのであります。この点について、これも三木通産大臣には質問いたしましたけれども、同意の答弁がありましたが、主催者側としてそれを早急にやらねばならぬぐらいのお考えがあるかどうか、これを承りたいと思うのであります。  もう一つ、いまの資金関係をいたすのでありますが、これまた堀田さんから赤が出ようというような弱気じゃない、黒字を期待しておるというお話、私はもう万博それ自体の運営からいいましても、全く黒字が出るであろう、またそうしなきゃならぬのでありますが、今回大阪府はばく大なる土地を買収したのでありまして、これのあと地利用という意味に私は二つあると思うのであります。それは公共的なものに残しておく、それからもう一つは、あとで処分していく、売却する、この後段の処分、売却のほうを考慮の中に入れますると、私は大きな黒字が出てくるだろうというふうに考えまして、それを見込んで資金調達あるいは最後の収支に対する責任の分担、国、府、市あるいは博覧会協会、いかにするかということを早急におきめになる必要があるであろう、これがおそくなればなるほど、すべての計画はおくれてまいりまして、極端に言えば、借り入れ金でずっと急場をしのいでいかざるを得ぬということになると、とんでもないことになると思うのであります。そういう点で、あと地利用に二つの意味がある。処分されたものを加算するときには、もう全く大きな黒字が出る、これをいかに考えていくかという点をお答えを願ったらどうかと思うのであります。以上が堀田さんでありまして、次は井上さんにお答え願ったらと思うのであります。  それは、さっきモントリオールを御視察になりまして、テーマも非常に重要視し、また会場計画地が川の中にある、そういう点を非常に感銘して帰られたようでありますが、それに対応いたしまして、今回の大阪中心でやりまする万博敷地についても特色を出していきたいというお話があったのでありますが、これはどういうふうに特色を出していこうというふうにお考えになっておるのか、この点は万国博覧会は水面を利用するということが殺風景になることを防ぐ大きなポイントでありますので、人造湖をつくるということをわれわれ提唱し、実現いたしておりますが、いかにしてこのモントリオール万博に劣らぬ千里丘万博開催地の特色を発揮せられるか、それについて伺いたいと思うのであります。  もう一つは、テーマについて非常にモントリオールは力を入れておるというお話、全くわれわれもさようであろうと思うのでありますが、今回の日本万博の「人類の進歩と調和」、これはまあまあいいテーマだと思うのであります。しかしサブテーマを四つつくられているのでありますが、その第一は「よりゆたかな生命の充実を」、それから第二は「よりみのりの多い自然の利用を」、第三が「より好ましい生活の設計を」、第四に至りまして「より深い相互の理解を」、こういうことになっておるのであります。これを見ました場合に、第一の「よりゆたかな生命の充実を」、第二の「よりみのりの多い自然の利用を」、第三の「より好ましい生活の設計を」、これはさっき井上さんが御指摘になりましたように、進歩のほうは非常にはっきりしておるのであります。しかし調和、ハーモニーの点がはっきりしておらぬじゃないか、むしろ進歩に偏し過ぎておるのではないか、こういう点を非常に懸念をいたし、また今後の内外にわたるPRの上において、この点をどういうふうに解説をして、そうしてむしろ今回の日本万博テーマというものが進歩と調和とあるが、ほんとうは調和、ハーモニーに重点があるのだ、その点をどういうふうにしてサブテーマとの関連性を説明していく、だろうか、この点井上さんにお尋ねをいたしたいと思うのであります。  事務総長には、もう特にお尋ねを項目的にはいたしませんが、もしも堀田さん、井上さんに対する御質問に関連して、事務当局の責任者として、こういうふうに考えるという点がありましたら、ふえんしていただけばそれでけっこうだろうと思います。  以上で私の質問は終わりますから、どうぞ十分に御答弁をお願いしたいと思います。
  40. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) いま豊田先生の御質問のございました点は、非常に重要な問題をはらんでおると思うのであります。確かにアジアにおける最初博覧会ということに世界の興味、期待というものがつながっておると思うのであります。したがって、アジアは、さっき申しましたように、日本を除いては、あまりいままでたくさんの出品がないわけであります。今回はどうしても、アジアというものにかなりウエートを置いて考えなければならぬ、むしろ中心に考えなければならぬというくらいにすら思っておるわけでございます。したがって、その特色をいかに出すかということは、実は非常にむずかしい問題です。アジアにおける工業国というと、何といっても日本が第一で、それに続くものはずいぶん距離があるということでございます。したがって、工業の展示だけでは、とうていアジアからは大したものは出ない。したがって、農業という問題、あるいは長い間のアジアの伝統的な手工業というようなもの、さらには、できれば仏教というようなものといったような方面から、何とかしてアジアの特色というものを出したいというふうに考えておるわけでございますが、これはニューヨークで聞いた失敗の例の一つでございますが、ニューヨークでは宗教館をつくろうと考えた。世界のあらゆる宗教を網羅して、そこで宗教を信ずる者、つまり神を信ずる者は同胞であるという考えに基づいて、「理解を通じての平和」というテーマに忠実ならんとした。ところが、遺憾ながらマホメットが参加しなかったということのために、画竜点睛を欠いた。まあ七、八〇%は成功したが、マホメットでいけなかったということを申しております。日本で宗教を取り上げるかどうかはなかなかきまらなくて、このサブテーマ委員会でも問題になったそうでありますが、宗教というものは非常に多岐にわたっておりまして、キリスト教国と非常に違っております関係上、国内ですら宗教は紛糾を来たす、あるいはインドとパキスタンも紛糾を来たすというようなことがありまして、どうしたものであろうかということをさんざん論議した結果、このサブテーマには宗教は出ておりません。けれどもこれは、何らかの形で仏教国としてのアジア、少なくともそれだけでも意義のあることではなかろうか。仏教国ばかりではないかもしれませんが、そういう共通のものははめ込んでいく必要があるのじゃないかと考えておりまするが、せっかくこれはいま研究中でございまするから、もう少し瞬間をおかし願いたい。  二番目に御質問のありました、いままでずいぶん万博日本は出品したが、あまり成功しなかったじゃないかというお話でありますが、私もやはりそういうふうに考えておるわけであります。というのは、非常にスケールが小さい出品でありまして、あまり多くの費用をかけておらない。ブリュッセルの例をみましても、手先というようなことに重点を置いて、カメラとかトランジスタとか、そういうことが日本のお家芸であるかのごとく誤解されるという危険があったのではなかろうか。今度地元でやります以上は、世界水準に達しております産業はかなりあります。おくれているものもありますが、この地元のホームグラントの計画といたしましては、相当日本の文化なり産業なりを世界に徹底せしめる絶好の機会である。かように存じておりまするから、従来世界の各地に出したような展示のしかたとは全然違った、りっぱなものにしたい、かように考えております。  第三番に、名誉総裁、副総裁を置くかどうか、こういうことは、私どもまだあずかり知らぬことでございまするが、博覧会そのものと博覧会協会とは違うと思います。紀元二千六百年、昭和十五年でしたか、そのときの構成をみますると、博覧会の名誉総裁は秩父宮殿下であったと記憶しております。会長は近衛公爵、副会長は藤原銀次郎さんというふうに承知しております。したがいまして、万博協会でなく、博覧会の名誉総裁とか副総裁というようなものは、あるいは今後政府との話し合いによりまして、そういう偉い方が御就任になる可能性がなしとしないわけであります。これはPRに役立ちますことは私も全く同感だと思います。だから、きめるならやはりちょっと早目のほうがいいのではないかというふうに考えております。  その次に、各府県に協賛会をつくるというお話につきましては、私と全く同意見のような御主張でございまして、たいへん喜ばしく存じます。この前昭和十五年に企画しましたとき、やはり前売り券を出しております。よく記憶しておりませんが、私の記憶では十二枚綴りを十円で出したのじゃないかというような気がいたしておりますが、これは明らかでございません。いずれにしましても、前り売り券を出すことによって相当PRが行なわれるということであれば、これはひとつそう遠からざる機会に企画をしていただこう、かように考えております。さらに第五番目に、あと地の利用の問題がございました。これはもうこの際御指摘のとおりで、あと地を売却するとなると黒字になり、売却しなければ、それではどうしてその費用を捻出するか、こういう問題は非常に重要な問題だと考えるのであります。これはまだ実は方針がきまっておりません。しかし、私個人の理想から申しますれば、せっかくあれだけの土地を設営して、そのあとを全部売却して資金を回収するということは、はなはだおもしろくないのではないか。なぜかならば、先生方も御承知のように諸外国を見ますると、大都市の中には非常に大きな緑地帯、つまり公園を持っている。ブリュッセルの例を申しますと、ブリュッセルの公園は幅は十キロ、長さ二十五キロあると聞いておりますが、これはブリュッセル市がすぽっと入ってまだ余りある。これは市民のレクリェーションにかなり役立っているということを聞いております。フランスではブローニュの森一つを考えましても、相当な大きな緑地帯を持っている。ロンドンは御承知のようにバッキンガムのそばにハイドパーク、ケンシントン、キューの三つの公園がありまして、おそらくロンドンのシティが入ってしまうのではないかというぐらいの緑地帯を持っている。東京ですら、三つあった公園が、いまやなきにひとしいような状況であります。この大きな人口を持つ大都市には、やはりそういうレクリエーションの場が必要ではないか。大阪などはほとんど公園らしいものがないのであります。それからまた近畿の都市を見ましても、これまたそんな規模の公園はありません。せっかくできましたものは、何か文化センターを兼ねた、あるいは学園都市を兼ねたレクリエーション・センターあるいは緑地帯といったようなことで、相なるべくは大部分をそういうものに残していただいたらどうだろうか。あるいは一部売却してそれを大阪府の府債、市の市債というものの回収に充てるということもあるいは可能かもしれませんし、またそうしたほうがあるいはいいのかもしれませんが、その辺のところはまだ実はきまっておりませんが、御指摘のようにこのあと地利用ということを早くきめなければ、いろいろな点において本格的な計画がきまらないと私も考えているものでございます。ただ、相当な買収費に金をかけておりますから、せめてその利息の補給ぐらいは国にお願いしたいというのが、府当局などの希望のように聞いております。いずれにいたしましても、あと地の問題は重大でございますので、できるだけ早い機会決定をみたい、かように存じております。
  41. 井上五郎

    参考人井上五郎君) 質問の第一点は、モントリオール博がセントローレンス川の中島であるという非常に環境のいいところであるのに対して、大阪に対してはどういう構想を持っているかという点であるかと存じますが、たしかにセントヘレナ島というのは、私が現地で聞きましたところでは、当時セントローレンス川をさかのぼって探検にまいりましたフランス人があの鳥を発見しまして、自分の奥さんの名前をつけたのだそうでありまして、できるだけ自然の環境を残しているわけであります。在来から公園と申しますか、市民の一つのレクリエーションの場であり、それが会場百万坪の一角でございますが、その点だけは手をつけずに、そのまま博覧会では利用するようであります。その他の先刻申しました埋め立て地域等には若干の植樹等いたしておりますが、これは正直に申しまして、実は三、四メートルの木を植えたので、とうていこれが来年に見ごたえのあるりっぱな植樹になるとは考えられません。さようなことで、あの千里丘の丘陵地帯には幸いにいたしまして相当在来の木がございますし、なかなか竹林が非常にあるわけでございます。こうしたものはできるだけやはり残していくべきである。新たに植樹をいたしましても、なかなかほんとうの意味での味わいと申しますか、趣が出にくい。私はてまえみそを申して恐縮でございますが、あの敷地からすぐそばの男山八幡の一帯は竹があるわけでございますが、その竹を取ってエヂソンが最初に電球をつくったということが非常に電気の方面では神話のようになっておるくらいでございまして、竹という東洋の特徴のある植物を残すといったようなことが考えられるのではないかと考えております。また、川はございませんけれども、やはり博覧会の全体の景観に潤いを与える意味においてはどうしても水が必要でございます。幸いに起伏のある土地でございますので、その間に相当大きな湖と申しますか、池をつくるのがいいのではないかと、かように考えております。せっかく会場計画委員会のほうでいろいろ案が練られておる次第でございます。  それから第二番の問題は、進歩と調和という大きなテーマが、はたしてサブテーマに十分表現をされておるかどうか。実は私外国に行っておりまして、先般の常任理事会に出なかったのでございまするが、あとで伺いますと、この常任理事会でサブテーマについていろいろと論議が取りかわされたようでございまして、御指摘のとおりに、このサブテーマには進歩の面と調和の面がいかように表現されておるかということは実はむずかしい問題であると思います。私の率直な印象を申しますと、ただいま御指摘のように三番まではあまり調和の面が出ておらないのではないかといった御懸念があるかと存じますが、考えようによりますと、進歩という面がはたして十分あれで表現されるかどうかという反対の懸念も私個人といたしましては持っておるのでありまして、今日の宇宙科学の最先端がはたしてあのサブテーマにあらわされるかどうかという面もございます。と申しますことは、一つテーマがあって、これをサブテーマに展開をしたということだけで、何らのコメントなしに、これが直ちに十分の理解が得られるということはなかなかむずかしい問題であると思います。ということは、サブテーマテーマとの関連ということは、十分その間にやはりPRと申しますか、了解をつけなければならない。ことに東洋的な観念でありまするところの調和といったようなものを外国あるいはまたアフリカ、東南アジアその他の諸外国方々に了解をしてもらうということについては十分この間についての了解工作と申しますか、念晴らしをする必要があると思います。そうした意味において、このテーマが真の意味において了解をされ、それが展示物に表現されるように努力すべきもの、かように考えております。
  42. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 一つだけ希望を申し上げておきたいと思うのでありますが、いま井上さんからのお答えのテーマとサブテーマ関係なんでありますが、万国博覧会関係におきましては、テーマの解説的なものがサブテーマだ、そのサブテーマを読むことによってテーマはより一そうはっきりしてくる、これによって内外ともに出品をしてくるということになるわけなんでありますが、どうもサブテーマを読んでみるというと、 テーマよりももっとわかりにくいということになってきておりまして、下世話で言う、話を聞けば聞くほどわけがわからぬと、こういうことに近くなりやしないか、それを非常に懸念するのでありまして、今後内外にわたってPRをせられる際に十分に創意くふうをこらし、また最善の努力をしていただきまして、ざっぱくな万国覧会に日本万博がなることのないように、絶対に御留意をせられるように希望を申し添えて、私は質問を終わります。
  43. 向井長年

    ○向井長年君 時間がございませんし、各委員からの質問もございましたので、私は一、二点簡単に質問をいたしたいと思います。  非常にむずかしい質問なんですが、堀田あるいは井上両副会長どちらからでもけっこうですが、本日まで特に会場中心とし、いろいろな計画を立てて推進されてきておりますが、特に先般来、府が中心となったと思いますが、土地の買い上げ、これが非常に問題であって、大体これが済みつつあると、こういう中で今後推進されるうちで最も困難だと予想される問題はどういうことであるか、まずお聞きしたいと思うのです。  それからもう一つは、特に井上会長からも先ほどお話がありましたが、会場整備はいいんでございますが、それに関連して市あるいは府、あるいは近県のいわゆる公共事業、こういう問題が、これが少なくとも一つ万博開催計画として、そういうものを中に織り込んで進められておる問題もあると思いますし、あるいは場合によれば府県なり市が別個関連してこれも必要だと、こういうかっこうで実施に当たろうとする問題もあろうと思うのです。そういう問題について、協会としては事業計画の中でそういうものを全部含めて出されておるのか、また今後出していくつもりなのか、こういう点をお聞きいたしたいと思います。  それから先ほどからたびたび言われておりますが、このPR問題でありますが、オリンピックというのはこれは成功したという大きな評判でございますが、これはやはり若い人たちは相当関心を持っておりますし、オリンピックにつきましては。しかしながら万博というのは、若い人たちは何らか一業界とかあるいは事業者とか、こういうところが中心であり、われわれはあまり関心がないと、こういう気分が若干あるんじゃないかというふうに思うわけなんです。しかし、国民的規模であり、あるいは国家的な万博である、こういう立場から、このPRの問題についてはよほどこれはやはり徹底しなければならぬのじゃないか。そのためには先ほども言われたように、見本市ではない、そういう意味から考えて各府県の協賛会ですか、こういうものもつくっていこう、こういう形でございますが、これは協会としてそういう方向をどれだけ堀田会長は考えられておられるのか、あるいは政府が、国が府県を通じてそういうことにやってもらおうとするのか、この点をお聞きしておきたいと思います。簡単でございますが、三点あわせて質問いたします。
  44. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) 第一の御質問でございますが、土地買い上げは大体において私有地はほぼ完了に近い状態と承っております。あと阪急その他とかえ地の問題があると存じておりますが、基本的な了解はついておるように聞いておりますから、その問題は日ならずして解決をする、かように存じておりまするが、今後最も困難な問題という御指摘に対しましては、私はこう思うのであります。これはニューヨークの博覧会を実際担当した会長代理のポレティという人から聞いたのでありますが、博覧会の成否ということは会場の内外のトランスポーテーションをどうするかにかかると言ってもよいくらいである、これは非常に私は意外に感じたのでありますが、一日に五十万、六十万、日曜になりますれば人を呑吐する可能性もある博覧会会場内のトランスポーテーションというものはたいへんやっかいなものです。これをうまくさばいたり、あるいはうんと待たせなく、けが人も出さなくするにはどうしたらよいか、このことに対してはいませっかく研究中でございまするが、まず会場内のトランスポーテーションをどうするかということが一つ。それからいま一つは、あとの御質問に関連をするのでありまするが、関連公共事業をいかにスムーズに間に合うようにするか、この問題だと思うのであります。これは少なくとも交通に関しましては、会場まで持ってくる交通機関、これはすなわち会場外のトランスポーテーションでございまするが、これは何としても、便利に相当な人間が短時間ではけるようにしなければならない。ところが、先刻先生が御出席でないときに申し上げたかと思いますが、今度の会場の予定地は市内ではなく、ちょっと離れております。そして起伏もあって非常におもしろいが、同時にそれを土地造成をするには困難もあります。したがいまして、会場内のほかに、会場まで持ってくる交通機関というものが相当な難事業であり、しかも金がかかり、開催期間中は十分なる乗客がありまするが、会期が済みましたあとにおきましては、あるいは不採算の線になるのじゃないか。地下鉄を引きましても、その他の鉄軌道を引きましても、そういうことになるのじゃないかという懸念が非常に持たれておるわけであります。したがいまして、これを一企業あるいは市で大阪から地下鉄を延ばしていくということに対しては、いまだ結論に到達しておらないのでございます。何らかの政府の助成策が要るのじゃなかろうかと承っておるようなわけでございまして、こういう点について私はむしろ困難を感ずる問題と承知いたしております。  井上さんのほうからお答えになることもあると思いますから、それはそのくらいにしておきまして、先ほどPRの点につきましては、若い人たちはオリンピックに大きな関心を持ったが、それ以外の人は必ずしもそうでない。全く私も同感であります。したがってこれも御不在の際申し上げたかと思うのでありますが、この博覧会ということばからくるイメージが、非常にわれわれ明治生まれの者には見本市に通ずるものになる。第二次大戦後の万博というものはもはや性格がまるで違って、世界の繁栄、幸福、人類の平和といったようなことに連なった大きな意味を持つものになってきておる。こういうことを周知徹底さして、この問題を老若男女を問わず関心を持たせることが必要であると思うのであります。  なお、府県にいろいろ協賛会をつくるということに対して協会として考えているか、あるいは政府なり、他の自治体がみずから発起されて、そうすべきものだというお話がありましたが、協会はお願いするほうでありまして、これに対しては多分に政府御当局の、あるいは立法院御当局の御賛成なり御援助がないとうまく運ばないのではなかろうか。そのためには、全国の知事さんとか市長さんに協会の役員になっていただいて中へ入っていただくことも、その熱を入れていただく一つの方法ではなかろうかというぐあいに考えている次第でございます。
  45. 井上五郎

    参考人井上五郎君) モントリオールで見てまいりましたことで、若干補足をさせていただきますと、第二の御質問でありました関連地域の公共施設と博覧会そのものの施設との関連でございまするが、これはもう当然でございまして、モントリオールで申しますと、モントリオール市が川の北側にございます。それから南側からアメリカの国境までが四十五マイルでありまして、アメリカ人はほとんど全部自家用自動車で来るのではないか。さような意味で、大きなアプローチが南からのアプローチと北側、モントリオール市からのアプローチと分かれておりまして、駐車場の両側にあると同時に、地下鉄をそこまで乗り入れる。また橋はすでに完了いたしております。さような意味で、公共施設と博覧会施設との関連ということは、当然これは協力関係が十分考慮されるべきであると同時に、さようなことを申していいかどうかしりませんが、ニュヨーク博覧会一つの失敗は、あれだけ広い構内の乗りものがほとんど有料であった。そこでモントリオール博では幹線に相当するモノレールその他の輸送設備は全部無料にする。一時間三万人に相当する輸送能力を持つ幹線輸送機関だけを構内枢要なところに回して、それだけを無料にするかわりに、入場料をそれに相当する五十セントだけ上げるのだというような打ち明け話も一聞いた次第でございます。  それから第三の、オリンピックほど若い層の方々の関心を引かないのではないかと。これにつきましても、モントリオール博ではこういう見解を言っておったんでございますが、博覧会は先刻申しましたように、非常にテーマを展開するということで有意義にしたいのではあるけれども、われわれは三千万人の人間を期待をしておって、その大部分の人はやはり勉強に来るのではなくて、おもしろいから来るのであるから、博覧会は、魅力があるおもしろい施設にしなければならない。そのためには世界中のあらゆるりっぱな第一流の催しものを誘致をするので、私たまたま参りましたときに、総裁のデュピー氏がソビエトに行っておったのでありますが、デュピー総裁はただいまボリショイ・バレーを誘致することでソビエトに交渉に行っている。百八十日の会期ほとんど全部が世界第一のそうしたショーと申しますか、いろいろな催しものを次々と誘致することで一ぱいになっておりまして、日本でもただいま歌舞伎が行くか行かないかということが問題になっておるようなわけでございまして、ビートルズがいいかどうか知りませんけれども、いろいろ世界第一流のそうした催しものが誘致されるということで、若い方々の関心も当然高まり得るものと考えております。
  46. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 時間の関係でまとめて質問いたしますので、適宜お答えを願いたいと思います。  一つは、テーマの具体化という問題でありますが、「人類の進歩と調和」という統一テーマが出ました。またサブテーマも先ほどお話になりましたように出ておりますが、はたしてこれをどのように実際にあらわしていくか、非常にむずかしい問題であると思いますが、いろいろ協議はされておると思いますが、今後どのように具体的に展開していくか、そういった方針というものをひとつお願いしたいと思うのです。  それから先ほどから海外でのお話もありましたが、日本に対する現在の関心度、まあオリンピックの問題も出ておりましたけれども、次の万国博に対してどれほどの関心があって、実際どのように盛り上がってきておるか。そして特にそれに対応して日本万国博としてどういったものを持っていくか。さっきバチカンの話もありましたように、非常にそういう珍しいものが一般の人たちの好感を呼んでおるようであれば、やはり日本に多くの外人を引っぱってくるためには相当日本としてのもの、特に東洋的なものを出すということも考えられますが、それもテーマとの関係において先ほどからお話も少し出ましたけれども、どのような具体的なお考えをお持ちか。  それからもう一つは、出品につきまして各業界でいろいろ言ってくると思いますが、日本でも一つ産業をとらまえてもたくさん会社があります。そういった各業界がこま切れに出すよりも、むしろ一つのものにして、各業界が協力をして、日本としてもこれだけの優秀なものがあるんだ、優秀な作品があるんだというふうな各業界との協力体制の上からやられるふうな方向になっているのか、それとも各業界がばらばらに出すのか。国としてはむしろ協力体制をしたほうがいいと思うのですけれども、それに対していろいろ海外との技術提携というような問題もありますし、その点についてどのようになっておるか。  最後に、先ほどお話に出ました公式博と公認博の問題でございますが、これの理事会において問題となりました事項をもう少し詳しくお願いしたいと思います。  それから公認博になった場合の責任の所在ですが、もっと国が責任を持たなければいけないと思いますが、公認博という上から、どのようにしていけばもっと国が責任を持っていけるか。今回の法律案につきましても、国の責任という問題はあまりうたわれていないわけですけれども、そういったことについてのお考えなり、今後の進め方をお聞きしたいと思います。
  47. 堀田庄三

    参考人堀田庄三君) テーマの具現化という第一の御質問でございますが、これは正直に申し上げまして非常にむずかしい問題であります。あまりにも次元の高い——第一次大戦後はみなそうでございますが、ブリュッセルでも同じような「科学文明とヒューマニズム」というような問題、モントリオール市は「人間とその世界」、今度は「進歩と調和」、したがってこれをどうしてわからせるかが必要であると同時に、どういう組み立てをするかということは非常に実はむずかしい点でございます。したがいまして、先ほど豊田先生からも御指摘がありましたが、サブテーマというものをつくりまして、その第一のテーマをブレークダウンする、さらにサブテーマの中にもっと砕いたそれぞれの分野をここに抽出しているわけであります。たとえば第一主題の、「よりゆたかな生命の充実」、これが第一のサブテーマでございまするが、それを例示的に申しますると、「生命の科学」、その「生命の科学」をさらに砕きまして例示しますと、「生命の起源、生命の神秘」。それから「病気とのたたかい」、それを例示いたしますると、「医療、防疫、薬」。「心の科学」となると、「心理、精神の発達」。「健康の管理」となると、「出産、育児、保健、体育」。「生きるよろこび」となると、「趣味、創造活動」。こういうふうに砕いてあるわけであります。したがいまして、そういう趣旨に沿って、各国にこの範囲でできるだけ創造的な、創造といいまか、クリエーティブなものを出してほしいという要請をするわけでございます。国内におきましても、実はいろいろなプロモーターが要ると思うのです。出品する側において、どういうものをこういったテーマに比較的忠実な範棚において出すかという演出家が要るわけだと思います。実は私どもプライベートなことでございまするが、私どものグループでは、グループで出品することをきめまして、独得な専門家を雇って、いま何がいいかという、あるいはどうしてそれを演出するか、こういう出品に関する相談をよりよりやっておるようなわけでございますから、おそらく皆さんもそういうような立場からいろいろ研究をされることと思いまするが、総じてテーマの具体化ということは非常にむずかしい問題である、かように存じます。  二番目に、日本に対する関心度でございまするが、それに対応してどのようなものをというお話でございますが、これは先刻申しましたように、日本というのは非常に外国では高く買っておるということは、国力の発展、オリンピックというような現実の問題もございますが、やはりアジアで始めてやるということも一つの興味になっておると思うのでございます。したがいまして、まだ専門家の域、そういうことに直接に関係している人の域内では非常に関心はあると思いますが、一般大衆におきまして、あるいは各国政府におきましては、具体案が日本から示されてはおりませんし、招請状もまだ出しておりませんから、具体的な関心はそれほど高まっておらない。これからであると思うのでございます。それに対処するためには、これも聞いてきた話でありますが、ブリュッセルの博覧会事務総長の話では、会長みずからが主要国を訪問されるほかに、各国に通暁しておるところの外交官を縦横無尽に使っておる、こういう話があるわけであります。それからモントリオールのデュピーという人に会って話を聞いてみますと、その人は驚くべき精力家でありまして、もとフランス大使でありましたのを連れ戻して会長にしたのでありますが、何とみずから前後延べ百四十回も海外に行って、九十七カ国を回った、こういうことを聞くにつけ、私どもみずからも非常にこれは反省をさせられると同町に、なかなかそれだけのタレントといいますか、アビリティを持った人は、日本の実業人には得がたいという気もいたしておるのであります。したがって、これはどうしても出先の外交官をうんと使う。さらに、いま待機しておられるような形の日本の外交官にうんと働いていただく、そういうことでないと、PRは十分にいかないのではないか、かように考えております。  第三番目に出品について、各業界に対して、協力して出すか、個人で出すか、個々の会社で出すかというお話でございますが、これは私率直に言って双方あるのではないだろうか。景気がいま非常に悪いものですから、あまりみすぼらしいものを出してはどうにもならないわけでございますが、それにしても数億ものものを一つの会社でやるということは相当な負担になると思いますし、ニューヨークは特別でございますけれども一つの会社で数千万ドルを費やしたという例もあるわけでございまして、それらに比べまして、非常に貧弱なものを出すよりは、グループで出すとか、あるいは業界が相談して出すというようなものが相当数多くあってよいのではなかろうか。海外の規模に匹敵する程度のものをやるのには、個々の会社では、日本の現状ではまだよほど自信がなければ無理であるような気がいたします。したがって景気の動向いかんによりましては、個々で出すところもあろうと思いますし、グループないしは業界で出す、双方のところがあろうかと思います。  公式博、公認博の問題は、日本の例は、実は従来各国で行なわれた例にはあまり経験のない例でございまして公認博、公式博ではないわけで、しかし最終の責任は国が持つということは、これはもうはっきりしている問題で、事対外的な責任は全部最終の責任を国家においてやっていただく、これだけは世界各国もそうでないと承知をしないと思いますし、現に政府もそれを了承しておられる、かように存じております。
  48. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、参考人方々に対する質疑はこの程度にいたします。  この際、参考人方々に一言御礼を申し上げます。本日は、きわめてお忙しいところ御出席いただき、また、長時間にわたり御意見開陳質疑に対するお答えをいただきましたこと、まことにありがとうございました。重ねて委員一同にかわって厚く御礼を申し上げます。御苦労さまでした。  午後は二時より再開することにいたし、これにて休憩することにいたします。    午後一時十分休憩      —————・—————    午後二時三十一分開会
  49. 村上春藏

    委員長村上春藏君) これより商工委員会を再開いたします。  午後は、まず請願審査を行ないます。  第三〇号中小建設業の新局面打開に関する請願外二十五件を一括して議題といたします。本請願につきましては、慣例によりまして理事会において慎重に検討いたしました。  以下お手元に配付いたしました資料によりまして、その結果を御報告いたします。  第三一号菓子中小企業近代化設備融資に関する請願、他に同趣旨のもの第三二、第三〇九号。それから第八七九号体温計販売業登録制を薬局、薬店に限り除外する等の請願に同趣旨のもの第九一六号。第一五七一号豪雪地帯対策特別措置法完全実施に関する請願、第一六〇六号中国経済貿易展覧会開催に関する請願、第二一二二号一九六六年中国経済貿易展覧会開催に関する請願、第二八九七号群馬県渡良瀬川の水域指定並びに水質基準設定に関する請願、以上九件の請願を、いずれも本院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。以上御報告いたします。  ただいまの報告のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  52. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、継続審益要求についておはかりいたします。  特許法の一部を改正する法律案実用新案法の一部を改正する法律案の両案につきまして、閉会中もなお審査を継続することとし、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  55. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。この会期中に産業貿易及び経済計画等に関する調査を完了することが困難であると考えられますので、閉会中も引き続き調査を行なうことにいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  58. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、閉会中の委員派遣の件でありまするが、本件の取り扱いにつきましては、便宜委員長に御一任願っておき、必要が生じました場合には派遣目的、派遣地、参加人員の人選等を定めてこれを行ないたいと存じますが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  60. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案につきまして、政府に対し質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を題います。
  61. 近藤信一

    近藤信一君 前回の委員会で資料を要求しておきましたが、各委員に資料が配付されておりまするので、一応この資料の御説明を願いたいと思います。
  62. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 資料の御説明を申し上げます。  まず、東京オリンピック資金財団資金調達実績について御説明申し上げます。表の第一欄のほうに掲げてありますように、上段に寄付金つき郵便切手、電話番号簿広告、たばこ広告、オリンピアス、それから国鉄広告でございますが、これを特掲いたしましたのは、今度の特別法にこれに見合うような法律がございますので、これを特掲いたしております。それからそのほかに以下書いてございますように、地下鉄の広告、それから競馬、割り増し金つき定期預金、宝くじ、その他等々ございまして、一応これによりまして、この一番最後の欄にございますように総計六十億二百万集まったわけでございますが、この募金のためのコストが約七億ほどかかりまして、これを差し引きましてオリンピックの組織委員会、武道館、その他選手強化のために使ったわけでございます。その配分の先でございますが、組織委員会には二十四億四千万、それから日本体育協会には十一億四千万、その他武道館等に配分いたしたわけでございます。  それから第二表でございますが、日本万国博覧会特定事業収入見込みでございまするが、これを見ますと、事業の種別といたしまして、寄付金つき郵便切手、それからたばこの広告、それから国鉄の広告、電話番号簿の広告でございまして、そのあとオリンピック東京大会時の調達実績というのがございますが、これが寄付金つきの郵便切手の場合には九億六千三百万、それからたばこの広告がオリンピアスを含めまして三億四千四百万、それから国鉄の広告が八千六百万、電話番号簿の広告が九億五千九百万でございまして、大体これで二十三億になっております。今度の法律が出まして、こういった事業でわれわれが一応努力目標として掲げておるのが第二の欄にございますか、一応二十五億という数字でございますが、もちろんこれ以上にひとつ努力して募金をしたい、こういうふうに考えております。
  63. 近藤信一

    近藤信一君 いま資料説明を願ったのですが、オリンピックの場合にも四十五億を目標として六十億集まった、予想を上回った。ここでやはり目標は四十五億置いておられます、先ほどの参考人のときにも申し上げましたように、期間的に非常にもう逼迫しておるという問題、それから先ほどどなたか質問されておりましたが、オリンピック万博との重要性というものというのか、この目的とするところは、オリンピックは競争して、そうして何か争ってやるということで、若い層にも非常に何といいますか、興味というのか人気というのか、そういうものがある。そこでいろいろな募金にもずいぶん協力されたと私は思うのです。それで努力目標以上の成果をあげたわけですが、今度の場合にはこの目的は非常に大きな目的であり、また国民的な行事として政府も取り組んでおられるけれども、やはり受け取る側の国民としてみますと、オリンピックというとびんとくるけれども、やはり万国博覧会というと、これは一部の者の考え方だというような受け取り方をする国民が多いと思うのですね。そうすると、この募金の問題にいたしましても、なかなか協力体制というものがオリンピックのような体制ではないのじゃないかと私は思うのです。そこでこの四十五億を目標にしておられる、あくまで目標でございますが、この目標というものが私は甘い考えじゃないかとこう思うのですけれども、この点あなた方の確信のほどをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  64. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 確かに先生の御指摘のとおり、この案は私どもも非常に心配しておりまして、確かになかなかこれだけ達成するには非常にむずかしい。といいますのは、やはりオリンピックと違って盛り上がりがまだ少ないというようなことと、それから期限が非常に迫られまして、まあ法律が通ってからすぐ始めましてもあと三年というような時期でございまして、その点では計画よりもだいぶ出足がおくれているというような感じでございます。できるだけオリンピックに負けないような人気をこれからあおり立てるといいますか、PRしていかなければならぬというように考えておりますので、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。
  65. 近藤信一

    近藤信一君 それから入場券のことを一つ考えても、オリンピックの場合は、開会式とまた閉会式の入場券にはえらいプレミアムがついて、相当に奪い合ったという状況があったのですけれども、今度の万国博覧会というものがそこまで盛り上がってくるかどうか、これはこれからのいろいろとPRによってそういうムードというものが出てくればそういうことにもなるかもしれませんけれども、いま私がここで考えてみました場合には、そこまでのムードというものはなかなか困難じゃないかということも考えられる。そうすると、募金の問題においてもしかり、また入場券の問題においてもしかりと、こういうことになってまいりますれば、やはり赤字ということで、まず目標を立てても、さらに大きな赤字になるというふうな危険性というものもあると私は思うのですが、その点はどのように考えておられますか。
  66. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 入場券の問題でございますが、昨日も御説明いたしましたように、一応の目標としては入場者三千万、そのうち有料の入場者二千五百万という見当にしております。これも博覧会のやる内容あるいは今後のPRによって入場者の数の動きも変わってくると思いますが、そういったものを計算にいたしまして、約八十億程度というふうに踏んでおりますが、そのほか敷地内の小間料その他を含めまして雑収入約七、八十億ということで、一応の目標といたしましてはその運営費に見合うものが約二百億程度考えております。昨日御説明いたしましたように運営費といたしまして百三十億ということから、その点だけではできるだけ黒字にしたいということでございますが、おそらくこれはまあ努力目標で、あるいはそれを下回るということも考えられるかと思いますが、できるだけひとつ運営費は赤字にならないようにしていきたいと考えております。
  67. 近藤信一

    近藤信一君 資料の問題についての質問はこの程度にいたします。  先ほど参考人方々に御出席を願って、参考人方々の御意見というものを拝聴いたしまして、局長もそこにお聞きになっておられましたが、堀田会長はぜひAA諸国がたくさん参加のできるようにしていただきたいということを意見としてお述べになりました。またAA諸国がこの日本万国博覧会に多く参加するということが、この万博成功させるかぎでもあるのじゃないかと私思うのです。またそのことを強調されました。AA諸国は局長も御承知のように裕福な国が少ない。そういたしますると、みずからの資金力によって会館を建てたり何かするということは非常に困難になるのじゃなかろうかと思うのです。参加はしたいけれども、会館を建てる費用等々でいろいろと困難があるから参加できないというふうな国も出てくるのじゃなかろうかというふうにも思います。そこでやはりそういう国が多く参加でき得るような手だて、たとえばアフリカ会館を日本で建ててあげるとか、そういうふうなことをやっていただきたいという副会長の御意見でもあったわけなんです。このことについて政府は一体どのような努力をしようと考えておられるのか、これは局長では無理かもしれませんけれども、この点一応の御相談がなされていると私思いますので、この点についてお答えが願いたいのであります。
  68. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 協会のほうと具体的にどういうものをつくるかということはまだ相談はいたしておりません。ただ御承知のように今後の貿易を発展さす、あるいは世界的に見て物資の交流、文化の交流をはかるという意味からいたしまして、先生御承知のように、低開発国に対する経済援助という問題は一つの大きな現在のわが国に課せられた題目になっておるわけでございます。そういう意味からいいましても、またできるだけ多くの国に参加していただくという意味合いからいいましても、この資金のない国につきまして、何かそういう会館をつくりたいという気持ちは現在のところ事務当局として持っております。もちろんこれは今後政府がやります会館につきまして、中小企業会館もございましょうし、美術会館もございましょうし、いろいろなものがたくさん実はあるわけでございまして、その中で総合的に見てどういうものに重点を置いていくかという政治レベルの問題もございますので、一がいには申し上げられませんが、事務当局といたしましては、経済協力、このような面から見まして、可能なればこれを推進していきたい、かように考えておる次第でございます。
  69. 近藤信一

    近藤信一君 それと申しますのは、やはり今度の万博テーマである「人類の進歩と調和」、こういうことが万博テーマであり、この方陣というものの意義というものはそこにあると思うので、ただ工業国の製品を出品するというそういうことだけじゃないわけなんです。後進国といえどもやはり古い歴史を持つ後進国はいろいろ人類に貢献する、   〔委員長退席、理事豊田雅孝君着席〕 そういう資料等々過去におけるところの文化、そういう貴重なものが私は存在するとこう思うんです。そういう点から考えると、工業的には後進国と言われるけれども、古い歴史の国にはそういう古い歴史のいろいろな貴重な資料というものがあろうかと思うんです。そういうためにそういう国々が多く参加できるようにという、こういうことを政府として、いま局長は政府としても考えておるということでございまするから、より強くこういう国々も参加でき得るような方向でひとつ進んでいただきたい。さらに、堀田さんの御意見の中に、バチカンやスペインから門外不出の貴重な文化財の出品があって博覧会が大いに盛り上がった例を話されました。堀田さんもフランスのルーブルの美術品の出品を頼んできたとも言っておられたのでありますが、こういうことは非常によい示唆ではなかろうかというふうに思います。そういうことを考えまして、政府はやはりこの点もひとつ努力して、副会長そういうことにいろいろと苦慮されておられまするから、各国政府の立場からこうしたことを要請し、貴重な文化というものを要請する。そこで、やはり今度出す国にしてみれば、一つの心配が出てくる。いわゆる火災にあった場合の問題、特に地震の多いわが国のことでございまするから、地震のあった場合、また日本でいろいろ行事が行なわれますると、その会場から品物が消えたりなど、盗難といいますか、そういうことが頻々と出てくるわけなのでありますから、そういうものに対しても出品国は心配をされると思うので、それに対するところのいわゆる安全を期する体制というものが政府としてとられなければならないと私思うのですが、そういう点はいかがですか。
  70. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) まず文化財の問題でございますが、われわれといたしましても、国内のそういう美術品はもちろん、海外につきましても、できるだけそれを集めたいということを考えておる次第でございます。  なお、第二点の御指摘の点は、非常に私は大事な点であろうと思っております。実は先般のパリの会議におきましても、警備の問題、あるいは損害が出た場合の賠償問題等につきまして、いろいろ議論があったようでございます。そういう意味合いにおきまして、先生御承知かと思いますが、そういう対外責任を負うために、政府代表というものが任命されるわけでございます。従来は日本の規定におきましては、それを協会が一応責任を負うというような形になっていたわけでありますが、政府代表のそれが権限になったわけであります。そういう意味合いにおきまして、諸外国もこの点については非常に関心を持っておるわけでございまして、われわれといたしましても、できるだけ早い機会政府代表を任命していただきまして、そういう点について諸外国に安心をしていただけるような規則なりあるいは体制を早急につくりたいと、かように考えておる次第でございます。
  71. 近藤信一

    近藤信一君 どこの万国博でも、開催地でば一つ問題になることは、先ほども井上参考人が言っておられましたように、やはり若干物価が上がるのじゃないか、上がってきたということをモントリオールでも聞いてきたと、こう言っておられます。そこで、やはりこの物価問題ということをまず考えていかなければならぬ。特にわが国におきましては、そのためいま物価問題対策特別委員会というふうな委員会までつくって、現在それに対処をしておるようなわけでございます。これは物価が上がると同じように、出てくる問題はいわゆるそれに対するところの賃金の値上げ問題、資材の騰貴、そういうふうなものが出てくるのじゃないかと思う。カナダの例をとりましても、そのことがはっきりあらわれておる。建築労務者が要求して二五%上がっておる、また建築資材が一〇%から一五%ぐらいの値上がりをみておる、こういうふうにずっと上がってきておる。特に日本の経済の激しい動きというものは、何か台風だとか、地震だとかあると、局長御承知のように建築資材等はぽかぽか上がって、悪徳商人というのですか、そういうのがはびこって、そしてずいぶん値上がりした例というものはたくさんあるわけでございます。今度大きな事業として万国博覧会というふうなものが大阪地区で行なわれるということになると、大阪域区の資材だけではとうていこれは不足でございましょうし、やはり国内の各地から資材を集めなければならぬことにも相なろうかと思います。そうなりますると、やはりそれらの値上がり等というものも予想されるわけでございます。こういうものの上昇ということに対しては、非常に私どもといたしましては好ましくないと思いまするけれども、やはりそれを目的に、一もうけしようというふうなのも出てくることは当然でございまするから、これらに対する施策というふうなものも、国は前もって考えていかなければ、大きなそごを来たすのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。   〔理事豊田雅孝君退席、理事柳田桃太郎君着   席〕
  72. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 御指摘の点は、無計画的にやりますと、確かに起こり得る問題であろうと思っております。物価問題については、万博関係いたしまして、私は二つに分けて考えたいと思っておりますが、一つは御承知のように、来年くらいから工事が始まるわけでございまして、そういう建築資材、あるいは労務者の問題というようなことが一つあろうと思います。それからもう一つは、御承知のようにこれは相当長い会期、半年という長い会期にわたる問題でございます。相当入場者が集まりますので、そういう意味合いにおきまして、食料品関係中心としまして、物価の高騰を来たすのじゃなかろうかという二つの心配があると思います。  前段につきましては、台風のお話もございましたが、私どもといたしましては、この万博というものは、政府計画にいたしましても、地方の計画にいたしましても、計画的にある程度の見通しが立つわけでございます。現在の日本の工業製品の能力といいますのは、先生御承知のように現在は余っておるわけであります。よろしき指導を得れば、物資の需給についてはうまくやれるのではなかろうか、かように考えております。したがいまして、私どもといたしましても、今後現局なり、あるいは工業界とも連絡を密にしたいと思っておりますが、これはあに出品のことのみでなくて、こういう建築資材とか、あるいはそのほかの建設過程における問題についても、計画的に御協力をお願いしたいという意味がありまして、現在すでに連絡体制を整えつつあるわけでございます。  なお、消費者物価、特に生鮮食料品等の関係につきましては、私どもといたしましては、現在東京、名古屋、大阪等を中心にいたしまして、できる限りやはり流通機構を整えたい。それによって物資の需給をうまくしたい、かような考え方努力いたしておるわけでございます。大阪地区等につきましては、そういう流通機構の問題も、最近手がけたばかりではございますが、二、三年後には相当改善されてくることと思いますし、特に私ども考えておりますのは、冷凍食品等もそれまでには相当普及してまいる、またそうしたい、かように考えております。いずれにいたしましても、相当多人数が一ぺんに集まる問題でございますので、物価の問題については、よほど配慮が必要だろう。この問題につきましては、私どもとしては経済企画庁とも十分連絡をとりながら、万博をやるがために、一部にしろ地方の物価が上がる、あるいはそれが全国に波及するということのないように、この点については十分配慮をしてやってまいりたい、かように考えている次第でございます。
  73. 近藤信一

    近藤信一君 それからいま一つ私は重要なことは、これは局長も御承知のように、わが国にはちょっと外国とは違った商売というのがありますね、いわゆるテキヤさんというのね。露店商でございまして、これは大きな勢力を日本では持っている。特に国内博覧会とか品評会とか、いろいろな催しがありましても、その露店の商人の組合というのか、組というのか、そういうのがお互いになわ張り争いで問題を起こすことがしばしばあるわけなんです。やはりこれは国際的な博覧会でございますから、そういう点は万全を期しておられるでありましょうけれども会場の中の問題はさておいて、いわゆるああいう事業がありますと、会場の外にもいろいろとそういう商人が出るわけなんです。そこでいざこざがよくあるわけなんです。そういう点は、これは通産省だけでなくなるわけのものじゃないのですが、やはり関係各省庁とそういう点を十分に連絡をとって、そうして万全な取り締まりということをやらなければ、国際的に恥をかくようなことも出てくる危険性というものがありますから、そういう点についても心して、政府としては考えていかなければならんのではなかろうかというふうに私思うのですが、この点はどうですか。
  74. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 非常にごもっともな御指摘だろうと思います。実は昨日も申し上げたかと思いますが、この万博の関連事業とか、会場計画とか、いろいろ進めていく上におきましては、何といいましてもやはり地元の体制というものが大事だろう、かように考えまして、こういうものの推進協議会を実はつくったわけでございますが、先生御指摘のような点にも私ども多少配慮いたしまして、実は地元の警察にも入っていただくというふうな配慮をいたしているわけでございます。これは何も初めから取り締まるという意味ではございませんが、やはりそういう面も総合的に配慮して、部分的にならないようにしていこうという配慮でございまして、そういう点は十分今後注意して運営してまいりたい、かように考える次第であります。
  75. 近藤信一

    近藤信一君 いま一つは、これはオリンピックのときでもそうでございますが、PRがあまりきき過ぎて、外国からどれだけのお客さんが来るから、ということでホテル等が相当設備投資をして準備をした、オリンピックに。ところが、外国から来たお客さんはホテルに泊まらずに、安いところをいろいろとあれした。それでホテル等においては準備しておったのがすっかり当てが狂った。オリンピックが終わってから、ホテル業者は倒産したのもだいぶあるわけなんですね。そういう点から考えまして、今度の場合でもやはりPRがあまりきき過ぎると、とんでもないほうのPRになってしまって、一もうけしてやろうということでホテル業者等がまた関西地方に設備投資をして、今度万博が終わってしまえば、また倒産だというようなことが起こらないように、今度は十分そういう点にも注意をしていただきたい。これはやはりオリンピックの例が私はよく物語っていると思うのです。このことは局長も御存じのことだと思いますが、そういう点を十分に考えていただかなければならぬと思うのですが、この点についてのあなたのほうの心がまえというものをひとつお聞かせしていただきたいのであります。
  76. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 私どもといたしましては、オリンピック万博におきましては、先ほども申し上げましたように、期間相当こちらのほうが長うございます。それと同時に、やはり来る層も私ども相当違うというようには考えておりますが、あまりにも向こうの来る数字を過大に考えまして、むだな設備を、ホテル投資をするということは将来に非常に禍根を残す、かように考えられます。したがいまして、ポイントは、どの程度の外国人がこれに来るだろうという見通しを立てるということに問題はあるわけでございますが、   〔理事柳田桃太郎君退席、理事豊田雅孝君   席〕 現在われわれといたしましては、三千万人のうちの百万人というような見通しを立てておるわけでございますが、これは運輸省ともいろいろ相談いたしまして、観光客というのはだんだんふえてまいっておりますが、運輸省のいままでのベースをもとにした推定によりますと、四十五年ごろに七十万ぐらいの年間の観光客がある。万博機会にそれのプラス・アルファーということで立てておるわけであります。この百万人というのは、もちろんPRは必要だと思いますが、非常に過大な数字というようにも考えていないわけであります。そういう意味合いにおきまして、御指摘の点は、計画が過大にならないように、むだな投資をしないように十分配慮してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  77. 近藤信一

    近藤信一君 いろいろとその決意のほどをお聞きしたわけでございますが、それともう一つは、いろいろと国鉄のほうにも御相談なさって、輸送の方面においてもいろいろと考えておられることたと思うのですが、現在の輸送関係からいいまして、この点なかなか困難な一つの問題にもなろうかと思うのですが、あすこに外国だけでなくして、国内からもうんとPRすれば、また博覧会を見物する客といいますか、それが殺到してくる。新幹線で東京から三時間で行けるわけでございますが、東京からは便利になったわけですが、一方、じゃあ西のほうからはどうかというと、なかなかそういう点はまだいまのところ政府としても見通しは十分でない。こういうふうなことを考えると、輸送面におけるところの混乱といいますか、なかなかたいへんじゃないかと思われるのですが、こういう点は順調に計画にのっておるかどうか。この点はどうなんですか。
  78. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 御指摘のように、輸送が一番やはり問題があると思います。たとえば会場のあの周辺に、大阪の周辺から会場へ入ってくる、これはやはり地下鉄を延ばす問題、あるいは阪急を会場の中に乗り入れる問題等、これは至急に解決をしなければならぬ問題点がございます。これは私どもも閣僚会議等を通じて方針をきめて、この問題は早急にその方針はきめなければならぬと思っております。また東海道新幹線の問題も、これは山陽線の新幹線というのはなかなか万博までにはできませんが、ある地点まではひとつ考えてみる余地があるのではないかというふうにも考えておりますので、この点は御指摘のとおり大問題でありますので、むろん道路の問題もございますが、早急に方針をきめて万遺憾なきを期したいと考えております。
  79. 近藤信一

    近藤信一君 大臣から、そういう点についてはひとっこれは十分に相談してやっていきたいということでございますが、それといいますのは、条約の二十五条に、開催国に輸送上の便宜義務が課せられておるわけですね。それで非常に私はそういう点を心配いたします。  それからこの決議の中にも私どもちょっと入れたらどうだというようなことをあれしておりましたが、万博というものを至上命令にして、いろいろと業者の基本的権利というようなものが制約されるんじゃないか、こういうことを私どもは心配するわけなんです。先ほどもちょっと物価騰貴の問題に関連してカナダの問題も例に出ましたが、やはり早くやらなければならぬということになると、それに対するところの過重労働ということになりまするから、これはたとえばの話でありまするが、労働者が賃金の要求をしてストライキをやる、またいろいろな輸送の面で、輸送に出たっておる労働者がまた問題を起こす、こういうふうなときに、いや、万博は国際的な行事だから、まあひとつそういうことに対してはどうのこうのというふうなことが出てくると、これは労働者の基本的権利というものが失われるわけでございますから、そういう点については、政府としては当然私は制約はされることはないと思うのですけれども、念のため、この点を一点お尋ねしておきたいのであります。
  80. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 万博万博、労働者の基本的権利は権利でございます。これが相関関係は私はないと思いますが、しかし何ぶんにも期間が限られた期間内に準備を整えなければならないのでありますから、この会場計画を進めていく上においての管理者あるいはまたその事業の重大性から考えて、働いておる人たち、この相互の良識によって、そういう近藤さんの御心配の事態のないようなことをわれわれは期待いたしておる次第でございます。まあそういう御心配はいらないのではないかというふうに私は見ておるのでございます。
  81. 近藤信一

    近藤信一君 次に、私は企業の参加体制でございまするけれども、この万博ば何も工業面だけの博覧会でもない、しかし先ほど私が申しましたように、日本の業界というものは、何かあると、一もうけしてやろうかと、こういう考えの持ち主というのが多いように私児受けるわけでございます。そこで今度の万博に対しても非常に業界としてこれは関心を持っておる。しかしこの関心が、「人類の進歩と調和」という大テーマに向かっての関心ならばいいのですが、金もうけのための関心であってはならないと私は思うのです。やはり長い目で万博というものを見て、それが日本に対してプラスであるかマイナスであるか、こういうことを業界の方々自身が持てば、必然的にこれは結論は出るわけでございます。やはりそういうことを私どもは考えた場合に、この主催される協会なり政府と業界の考え方というものは、やはりその見方が違うのじゃないかというふうにも見受けられるわけでございますが、そういう点については、これからのPRいかんによって、また業界の考え方も変わってくるのじゃないかとも思われますが、こういう点はいかがですか。
  82. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 御指摘のように、万博はもうけ仕事ではないのでありますから、人類の進歩と調和というまことに次元の高い目標を掲げて万博開催するのでありますから、   〔理事豊田雅孝君退席、委員長着席〕 われわれは、PRを通じて、格調高く万博開催できるように努力をいたしたいと思います。
  83. 近藤信一

    近藤信一君 万国博機会に、日本の企業から世界の企業への地位というものを固めていくのもこれは万博一つの意義だと思うのです。やはりそれは技術の向上等に、またその他プラスの面が相当あろうかと思うのです。これも私は指導いかんにかかっておるのではないかというふうに考えるのです。そこで、この指導が悪いと、あとに残ったものはマイナスになる。プラスになる面がなかったのじゃないかというふうな結果が出てくることも考えられる。また、出品のための、これは大企業でございますれば、出品に対するところの資金等についてもいろいろと準備はされるわけでございまするけれども、必ず大企業だけが優秀な技術を持っておるとは考えられませんし、中小企業でも、相当大企業が及ばないような技術的な面もあるわけでございますし、そういう企業がいろいろとそういう費用に対してまた積み立て金等をやっていく、そういう面に対するところの税の問題ですね。たとえば免税を考えてやるとかなんとか、そういうふうなことを政府としても何か考えておられるのか。そういう点はいままだ考えていないのか、この点はどうですか。
  84. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは日本国としても主催国でありますから、まあ貧弱な出品であることは主催国としてはどうも形のいいものでもござ一いませんし、できるだけ主催国は力を入れたい。そういうことになってくると、出品者の負担等も考えまして、何らかの出品のための準備金制度、これが税法上の何か特典が与えられるような方法を検討をいたしたいということで、これは来年度の予算とも関連をするわけでございますが、をいたしたいと考えております。
  85. 近藤信一

    近藤信一君 条約の第十八条に免税輸入が義務づけられておるわけでございますが、万国博覧会特別法にこれを規定する必要はあるのかないのか。それから免税の輸入、通関手続など、国際見本市でこれはいつもこういう点が問題を起こしておるわけでございますが、そういう点について遺憾のない準備というものも必要であろうと私思うのでありますが、その点はどうですか。
  86. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私も近藤さんのように、何か関税法の中に立法措置が要るのではないかということを事務当局に言ったのですが、いまの税法上でそれはできるというような解釈でございますので、十分研究いたしまして、これはまあもっともまだ時間もあることでございますから、そういう必要があれば立法的な措置を講じることにいたしたいと思っておりますが、そういう必要もなしに税法のワク内でできるということでございますので、この点は今後研究してみたいと思います。
  87. 近藤信一

    近藤信一君 そういう点はひとつまだ期間もあるわけでありますから、十分研究して、あとで問題の残らぬようにしてもらいたい。国際見本市なんかにおいても、しばしばこういう点が問題になっておるのでございますから、この点はひとつ十分研究していただきたいのであります。  それから大阪の地元では、万博の出品物に国の補助金を出してもらいたいと、こういうような要望が強いというふうに聞いておるわけでございます。これは科学技術振興の上からいっても、やはりそういう出品者に対するところの何といいますか援助というのか、便宜というのか、そういうふうなものを与えてやったほうがいいと私は思うのですが、こういう点については何かお考えになっておられますか。
  88. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は補助金を出す意図は持っておりません。やはり準備金のような制度を認めて、税法上の特典ということをいま考えておるわけでございます。ただ個々に補助金ということになってくると、なかなかやっぱりやっかいなことで、ですから企業が積み立てしておいて相当大きな出品のできるように、税法上の特典を与えるという方式が好ましいので、直接の補助金は考えておりません。各企業が出品するような場合に補助金は考えていないのですけれども、まあ何か技術的新技術などを博覧会に出品するというような場合には、多少考える余地があるのかもしれませんが、これは非常に例外的なことでございまして、まあ新技術を開発して出品しようというようなときには何か研究の助成でも要るという場合があり得るのではないか。これは例外的にこの点は研究をしてみたいと思うのであります。それを出品できるまでの技術を開発していく研究の助成ということ、そういうことだけは例外的に研究はしてみますが、一般の企業の出品に補助金は考えていないということでございます。
  89. 近藤信一

    近藤信一君 先ほども参考人の方に、万博の副会長にお尋ねしたのですが、モニュメントの問題についてお尋ねしたところが、まだ十分その点は考えていない。ただ万博テーマである題目に向かっていろいろと検討しておると、こういうふうに言っておらたれのですが、このモニュメントについて政府として特に意を用いて、せっかく明治から計画された万博で、やっとその思いがかなった、しかもこれがアジアで初めての万博である、こういう点から考えると、これが未来永劫残る壮大なものを私は考えるべきじゃないかとこういうふうに思うのです。政府としては、いまそうした問題について何か構想を練っておられるのか。先ほど万博の副会長はそういう点を十分これから検討して、りっぱなものにしたいということを言っておられたのですが、大臣としてその点の考え方というものをひとつお聞きいたします。
  90. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは当然にこれだけの大行事をやるのですから、モニュメントはつくるべきである。それで大阪府としてもあの会場あと、これを何かやはりモニュメントをつくりたいということで検討を加えているようでございます。いろいろな案が出ておりますが、まだ結論には達してないようであります。あの会場あとを森林公園のようなものにして、そしていろいろな文化的な施設を残したいというような案もあるようであります。これなどもなかなか一つのいいアイデアの一つだと思う。日本の大都会が何か森林と言うのですか、あまり森のない日本の都会というものは、諸外国に比べてみて非常にさびしい感じがいたすので、あそこに大森林ができて、そこにいろんな文化的な施設ができるということになれば、これは非常にいいモニュメントの一つである。その会場あと地の利用ということが一つと、これを機会に大きな国家的な事業、まあ一つの四国——本土の連絡架橋なともそれまでに完成しないけれども、これを着工したという、そしてこの記念にしたということは一つのモニュメントとなる、そういう会場あと地利用と、それ以外に大きなやはり事業を後世のために残す、こういうことでモニュメントを考えてみたらいいというふうに私も考えておるわけでございます。
  91. 近藤信一

    近藤信一君 私どもが聞くところによりますると、やはり民間ではそういうモニュメントについて大いに協力してやろうという意欲に燃えておるわけですが、まあちゃちなものであるならば、これはそうわれわれが骨を折ることもなかろう、やはり永久にこれが残るものであるならば、われわれとしても大いに力を入れて、そして全力をあげてつくってもよろしいというふうなことも私ども聞いておるわけでございまするから、当初からの計画でやはりあと地問題が考えられて、そういう計画がされるわけでございまするから、一たんつくってこわすようなものなら、金かけるだけ損だ、こういう論も業界にはあろうかと思うので、そういう点を配慮して、当初からそういう計画をして、それでずっといけるというふうなことを、政府としても私は考えていただきたいと思うのですが、その点はどうでしょう。
  92. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ごもっともなことでありまして、将来会場のいよいよ本計画を策定する場合には、その中でモニュメントとして残そうというような建物に対しては、初めからそういう予定で建てることが非常に効果的でありますので、それは一応モニュメントというものをどうするかということも頭に入れて、いよいよ開場の実施に入れるようにしたいと考えております。
  93. 近藤信一

    近藤信一君 あと地問題、いまちょっと言いましたので、ついでにお尋ねするわけですが、たとえばオリンピックあとの問題、これなどは、せっかく施設が残っておりましても、なかなかこれらの利用ということが十分にいまいっていないように私聞いておるわけなんです。私はせっかくものをつくっても、観光客の見物くらいにさせていくのじゃ意味ないと思うので、やはりあとそれが利用できるようなことを考えて、あと地問題というものは、私はもう終わったらどうなるんだ、終わった後にどう利用するのだ、こういうふうなこともひとつ十分に考えてやっていただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
  94. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ごもっともだと思います。このあと地は、やはり一般大衆がひとしく利用のできるような形であと地の利用を考えることが適当だと思います。まあスタジアムのような場合には一般と言っても——ああいうものもやはり日本が持っておるということは非常に必要で、ある程度利用も、ときどきテレビなどで大集会などあそこでやられておるのを見ますし、スポーツのああいう会合もひんぱんにあるようでありますが、今度の場合はちょっとオリンピックのスタジアムとは違いますから、一般大衆が常に利用のできるようなあと地の利用にすべきものと考えております。
  95. 近藤信一

    近藤信一君 それから、この特別措置法の第二条に、「博覧会準備又は運営に要する経費について、予算範囲内において、その一部を補助することができる。」とこうあるわけですが、オリンピックの場合に、これは東京都主催でやったのですが、政府としてもこれに対するところの援助をされたと私は思うのです。で、万博の場合これがどのくらい見込んでおられますか。
  96. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 万博予算が本格化されるのは昭和四十二年度からですね。ことしはわずかのものですが、来年度の予算の場合に、政府と地方公共団体等の経費の割合というものをきめたいと思っておるのであります。予算折衝のつどにいろいろ割合をきめていくということもいかがかと思いますので、来年度の予算編成の場合には、国の負担すべき割合というものを明らかにして、予算要求を出したいという方針でございます。
  97. 近藤信一

    近藤信一君 先ほどオリンピック資金調達の資料をいただいたのですが、これによりますると、競馬が入っておるんですが、今度の場合なんか、この前衆議院でも委員会でちょっと問題にしておりましたが、競輪等、新たに入れるのか入れないのかというふうなことも言われておったわけでございます。これは、私は競輪の上がりからどうのこうのということでなく、振興会から寄付することではなかろうかというように思うのです。もし、競輪だとか競馬だとかいうふうな、ギャンブルの金を大いに活用してなんということになると、せっかくの意義ある万国博覧会というものがあまりにも意義がなくなってくるのじゃないかと思うのですが、しかしそれかといって、資金調達のためには募金もせなきゃならぬ。先ほど私は、いまの計画からいうと、ちょっと甘いんじゃないか、こう思ったのですが、甘いからよけいまたこういうものも考えていかなきゃならぬということになって、競馬等の問題もまた入ってくるのじゃないかと思うのです。一体オリンピックの場合の競馬の上がりというか、競馬からの協力の金が六億四千万からあるわけなんですが、この点万博のほうでは一体どのような計算をしておられるのか。こまかいところでは、そういう先ほどいただいた資料のほうでは万博のほうはないわけですが、この点はどうですか。
  98. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 万博のために特別に特別競馬とか特別競輪をする意思はございません。ただ、先生御承知のように、従来から交付金という形で、競輪につきましては御指摘のように、自転車振興会が交付金を受けまして、それによっていろいろな機械振興、あるいは社会福祉、そういう面に金を支出しておる面がございます。このオリンピックに出ましたのも大体そういう種類の金でございまして、競馬から六億、それから競輪その他から九億、合計十五億の金が出ておるわけでありますが、特に競馬、競輪を特別にして、それから金をいただくということはいたしません。振興会を通じまして、普通のルートで御協力をお願いしたい、こういうふうに考えております。そういうものも含めまして、先ほど申し上げましたような四十五億という計算をいたしておる次第でございます。
  99. 近藤信一

    近藤信一君 全体で四十五億と見込んでおられるのですが、私が尋ねておるのは、たとえば競馬、競輪、この関係でいわゆるどれぐらい見込んでおられるか。
  100. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 今後数年間にわたるわけでございますが、合計いたしまして、約十億程度を予定いたしておるわけであります。
  101. 近藤信一

    近藤信一君 四十五億見込んでおられるところを競馬と競輪関係が十億ということになると、相当額は占めるわけですが、私はそういう点あまり好ましくないと思うのですが、どうですか。
  102. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 実はオリンピックのときも六十億のうち、先ほど申し上げましたように、競馬から六億、競輪から九億、十五億ということで、大体四分の一という形になっておるわけであります。万博の性格からかんがみまして、四十五億のうち十億程度ということで、オリンピックよりも少し遠慮した数字になっておる次第であります。
  103. 近藤信一

    近藤信一君 私どもは、ただでさえ競輪や競馬は廃止せいと主張しているので、それを、なおこれからまた大いに活用していこうというのでございますから、どうも私どもの趣旨とは合わぬような気持ちがします。ほかに資金調達のめどがないということになれば、必然的にそういう方向にいってしまう。やはり私ども相当資金面においても大きな、直接投資が千二百億も要るというふうなこういう事業でございまするから、あまりけちなことは言いませんが、なるべくそういう競輪だとか競馬というふうなものは、少なくとも国の責任を持ってやる事業に対してはあんまりこれは当てにしないほうがいいんじゃないか、こういうふうに私思います。そういう点も通産当局は、いつまでも競輪でやっていくのだ、こういうことでなく、今後そういう金などはあまり当てにして計画しないようにひとつしてもらいたい。  本法によりまして、協会の理事それから監事及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、公務に従事する職員とみなされることになるわけなんです。オリンピックに際しても、大臣御承知のように、汚職問題でいろいろとマスコミの材料になったわけなんです。そして世間のひんしゅくを買ったことは御承知のとおりでございます。先日も私申し上げましたように、特に万国博覧会というものにはそういうようなくさい、黒いうわさというものがつきやすいわけでございまするから、そういう点については格段の注意が必要であり、オリンピックのときのような汚職問題が発生しないように、いまから十分に心がけて、そうして十分準備をしていただく、こういうことでなければならぬと思います。すでに民間の会社の中には、会社内に万博対策委員会というふうな機構まで設置していろいろと考えているところもあるようでございます。万博にかける期待というものは非常に大きい。それだけにまかり間違いますると、汚職の危険性というものが予想されるわけでございまするから、万博はひとつ汚れのないきれいな万博として、名実ともに世界の人々を受け入れ、そしてりっぱなものにするということが政府のこれから指導していく重要な点でなかろうかと私思うのですが、この点についての心がまえといいますか、それをお聞きしておきたいのであります。
  104. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) えてして、こういう国際的な大きな行事に汚職がつきまとうということはいかにも残念なことだと思います。今度の万博だけは、近藤さんも御指摘のように、きれいな万博にしたい。これは私の心からの願いでございます。そのためには、ただそういう気持ちだけでなしに、会計の機構あるいは仕組み、これにも十分な注意をいたしまして、今度こそはあとでいろいろ世間から非難されることのないような万博にしたいと、十分な厳重な今後監督を行ないたいと思っております。
  105. 亀田得治

    亀田得治君 すでにいろいろ詳細な質疑があって、したがってまた重複し、多少蛇足と思われるというふうなことになるかもしれませんが、私なりに若干疑問を持っておるところを端的に聞きます。  まず第一は、万博責任、これもたびたび各方面で言われたことでありますが、私はこれは対外的には政府が一切の責任者だというふうに、はっきり断定しなければならぬ問題だ、こういうふうに考えておるんですが、その考え方でいいのかどうか。三木大臣からひとつ……。
  106. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は、対外的にはやっぱり責任者は政府である、こういうふうに割り切って考えております。
  107. 亀田得治

    亀田得治君 そういたしますと、たとえば万博事業に関連して、主催国のほうで約束に反したことをやったために加盟国が損害を受けたとか、そういったような問題等が発生した場合、当事者間の話し合いできまらないという場合には、たとえば法廷で争うということになれば、当然これは日本政府責任者、当事者になる。決して万国博ではないというふうにもさらに理解するわけですが、それはどういうふうにお考えでしょうか。
  108. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) いろいろなケースがあり、そういうふうなことがあり得ることは予期しておりませんが、そういうふうなケースの場合ということによっていろいろありましょうけれども、まあそういう場合には、政府が相手方になるという解釈が妥当ではなかろうかと思っています。
  109. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、非常に政府の立場がはっきりしてくるわけです。オリンピックの場合などとは質的に違うわけですね、そういうふうに理解していいわけですね。
  110. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ここは博覧会条約にもよっておるわけであります。オリンピックとは相当質的に違いがあると考えております。
  111. 亀田得治

    亀田得治君 なかなか答弁が筋が通っているから時間が……。万国博の条約第十五条に、「政府委員又は代表を指名しなければならない。」こういうことが明確にされておりますが、これは具体的にはいつごろ、またどういうクラスの方をきめていくというふうなお考えでしょうか。
  112. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 政府代表は日本政府を対外的に代表して、いろいろな会合に出たり、各国に対して勧誘したりするような、そういう対外的な仕事のほうが多いわけでありますから、外務省のOBといいますか、そういうところを政府代表にしたいという意図のもとに、これはいま急にという必要もないのですけれども、むろん今年じゅうにはこの政府代表をきめたいと思います。
  113. 亀田得治

    亀田得治君 それは外務省の関係の方を兼務でやらせるわけですか、専任になるわけですか。
  114. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) いまは専任にしたいと考えておりますが、兼務でも問題はないのであります。しかし、いまの考えはできるだけ専任にしたいという考えでございます。
  115. 亀田得治

    亀田得治君 外務省に籍を置きながら仕事としては専任させると、そういう意味ですね。
  116. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 外務省にも籍がなくて専任できるようなのが一番まあ好ましいのではないかと思いますが、具体的な人選でなかなかそういう人でいい人がないような場合には、現職の場合を兼任をさすという場合もあり得ると思います。また、それは可能だと考えております。しかし、それは非常に最後までというわけのものではない。おしまいまでということになれば、現職の者であれば、仕事の制約を受けますから、最終的にはやはり外務省の現在の職を持たない人が好ましいと、こういうふうに考えております。
  117. 亀田得治

    亀田得治君 第一次的には現職でない方で、外務省のOBクラスで適当な方、こういうことのようですが、そうしてそれは具体的にはどういう仕事をすることになりましょうか。
  118. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 各国に対して万博参加を勧誘するのは、これは政府がやるわけでありますから、そういう勧誘の仕事、あるいはいろいろな解釈の問題で紛争が起こった場合には、これに対して政府を代表して政府の見解を述べる、こういうことでありますから、ここでちょっと読んでみましょう。一つには、「外国参加者に対する約束の履行を保障すること。」、二、「展示物品の物的損害に対する保護について必要なすべての措置を執ること。」、三、「外国参加者が施設またはその集団を呼称するためにわが国に関係がある地理的名称を使用する場合に、これを承認すること。」、四、「日本万国博覧会準備状況等について博覧会国際事務局に報告すること。」、それから五として「参加政府代表会議を招集し、その議事に参加すること。」、六として、紛争の起こった場合に政府を代表して見解を述べるというようなことがまあ主たる仕事であります。
  119. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、まあ国際的な関係でいろんなことを実行しなきゃならぬ、あるいは問題が起きた場合に、まず政府委員または政府代表となった方が前面に立つと政府が一々前に出るのではないと、そういうかっこうになるようですから、これは非常に重要な人事になるわけですね。まあぜひひとつ適当な人を早く御決定願いたいと思います。そういうわけで法的な性格というものが、これは政府責任ということが非常に明確になってきたわけですが、そうすれば当然指摘されておるいろんな国内の施設の整備とか、そういったような問題についてもやはりこれは最終的には政府責任なんだと、この理解の上に立ったいろいろたくさん問題が、すでに要求も出ておる。それらの問題に私は対処しなければいかぬと思いますね。外に対しては政府責任だけれども、内は違うのだと、そんなばかな分裂したような考え方はおかしいと思うのでして、やはり根本は、私は内部においてもこれは政府責任万博の事務局というものは政府の仕事を代行していくんだという形であるべきだと思うんですね。もちろん実際の負担は、これは政府責任と言ったって、根本は国民の仕事なんですから、いろんな負担、できるところが負担していくということはあり得ると思いますか、土台はやはり政府責任じゃと、内部においても。そういう考え方に立って、今後やっぱり進めてもらいたいと思うんですが、その点どうでしょうか。
  120. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはやはり政府責任というふうに割り切って私はいいと思いますが、しかし地元のやはり協力というものも必要でありますから、モントリオールなんかでも、いろんな経費の負担の区分を法律できめまして、国はこれだけ、それから州はこれだけ、市はこれだけというパーセンテージなどを、財政負担のような場合に、こういうふうな区分をきめて、そうして政府がもう全責任で、経費も全部というのではなくして、地元の協力も入れて、そして政府と一緒になってこの万博開催をやっておるのが国際的な慣例のようでありますので、亀田さんの御質問かすべてこれ政府責任だと、何もかも政府でやれということになれば、そういうことじゃないと思います。
  121. 亀田得治

    亀田得治君 そういうことじゃない。
  122. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) やはり最終的には政府責任を持っておる。そして万博にしても政府が公に認めた団体でありますから、かってに万博をつくったわけではないわけでありますので、最終的には政府責任であるが、これを成功さすためには、やはり地元大阪府とか、市というものも協力しなきゃならぬし、第一番に政府の公に認めた万博協会というものが中心になって万博運営に当たってもらわなきゃならぬのでありまして、そういうふうに政府が直接にはやらないで万博協会がやるし、またそれに対する経費は地方公共団体も負担してもらわなきゃならぬが、そういうふうな内容についての協会あるいはまた地方公共団体の協力ということが前提になってはおるけれども、最終的な責任はやはり政府にあると考えたほうが私はいいと思っております。
  123. 亀田得治

    亀田得治君 まあ非常にその点も大臣の答弁、明確でございますので、この点は一応打ち切ることにいたします。いずれにしても、来年度の予算がすぐまた国会が終われば着手する時期になるわけでして、いま大臣がお答えになったような立場で、国が全部持つというんじゃないんですよ、もちろん。そういう精神を失わないで、ひとつ善処してもらいたいと思います。  そこで第二は、今度の万博アジアの特色を出すんだということが非常に意味のあることとして取り上げられておるわけですが、私はこの点非常に同感です。そこでアジアの特色を出そうというのに、たとえば中国、これが参加するかしないかということは非常に大きな影響が私は出てくると思うんですね。人口から言ったって、過半数がとられてしまうかっこうになるわけなんです、欠けるということであれば。それじゃほんとうのアジアの特色なんというものは出てこない。だから、そういう点をどういうふうに政府理解しておるのか。私はぜひこれは参加できるように政府として腹をきめるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
  124. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この万博に対する参加を勧誘することは政府がやるわけですね、政府が向こうの政府に。したがって国交回復しておる国、これは在外公館もございますし、非常に簡単でございますから、最初の第一段階としてはやはり国交回復国に対する参加の勧誘をしたい。国交未回復の国については、これは在外公館もないわけでありますから、普通の国交回復国のようにスムーズにはいかないわけです。まあそういう問題等もあわせて今後の推移などもよくにらみ合わして、第二段的にこの処置を検討いたしたいという考えでございます。
  125. 亀田得治

    亀田得治君 この招請状の発送というのは、これは期限があるはずですね、開催日から計算していつまでにという。その点はこれは事務当局でけっこうですが、どうなっていますか。
  126. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 三年前でございますから、来年の三月まででございます。
  127. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、まだ若干日のゆとりがあるわけですかね。こういう万博に中国が参加できるということは望ましいことであるということは大臣お認めになるでしょう、踏み切れるかどうかは別として。
  128. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 中国に限らず、できる、だけ多数の国に参加してもらいたいというのが原則でございます。したがって、この万博というものに非常に多数の国が参加したということは、万博の精神から言って好ましいと思いますが、いろいろ手続をする上においては、どうしてもやはり二段がまえにならざるを得ない。そして国交回復の国々、何といったって万博をやる場合には国交回復の国々が中心になることは間違いないのですからね。中心になるというのは、どうせこれはモントリオールでも約八十カ国ぐらい集まってきて、モントリオールには中共も参加していない。日本と国交のある国ばかりであります。モントリオールもそういう国々はかり集まって——まあこれは在外公館もありますから、最初に招請することになる。その後できるだけ多数の国々に参加してもらいたいと、こういう原則の上に立って、国交未回復の国に対してどうするかという問題については十分に検討を加えたいというのが現在の私の心境でございます。
  129. 亀田得治

    亀田得治君 まあ中国が参加できることは望ましいという気持ちがおありになるようですが、それは第二段だというふうに言われておるわけです。そんなにあせる必要もないのだというふうにもまたとれるわけですが、まあその例として、モントリオールのことをちょっと出されて、あすこには中共が参加しておらぬのじゃというようなことを言われるところを見ると、どうもその例でいくのだというふうにもとれるのですがね。それはまあモントリオールはこれはアジアじゃないのです。アジアの特色を出そうとこう言うとるんでしょう。なるほど日本でやった場合に、政治的ないろいろな問題はあるけれども、その障害をこえて、もう全アジアの者が集まってきた、ここに非常に大きな質的に大事なものが私はあろうと思うのですよ。だから、モントリオール参加しておらぬから、こっちもそんなにやらぬでもいいんじゃというような気持ちがちらっといま見えたような気がするのですが、私はそうじゃなしに、これは万難を排してやはり中国なり北朝鮮なりを、ともかくアジア全国参加できるように努力する、それが望ましいんだ、こういうことが良識のある三木大臣から私は聞けると思うて、わざわざ質問を間に合わせようと思って飛んできたんですが、これはどうなんですか。
  130. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 亀田さんを失望さしてまことに恐縮ですけれども、私は担当大臣として、それは用心深くお答えをしていかないと、三木がうそを言ったということでは相済まぬと思って慎重にお答えをしておるわけです。モントリオールなんかの場合でも、もう割り切って国交回復国だけを招請したんですね。それが国際的な慣例としては、国交回復しておる国を招請するというのが大体の慣例ですよね、国際的にも。それは外交関係もないですから、招請状を政府が出すといっても非常にやっかいなんですね。これは政府政府ですから、国交回復していない国には政府政府のコミュニケーションがないわけですから、非常にやっかいなので、それをもう割り切ってしまって考えておるわけなんですね、モントリオールは。私が言うのは、したがって日本の場合も第一段階としては国交回復の国だけですが、モントリオールのように割り切ってはいないんです。第二段がまえとして、国交未回復の国に対しどうするかということを慎重に検討いたしたいというので、そういうモントリオールに比べたら、これをどう処理するか、この万博の意義などとも照らし合わして検討したいというのですから、よほどやっぱり……。
  131. 亀田得治

    亀田得治君 前向きですか。
  132. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 硬直的な考え方ではないということでございます。それ以上のことはあまり申し上げておいて、それが実際と違うような場合のことがあってはかえって相済まぬと思って、このようにお答えをいたしておるわけでございます。
  133. 亀田得治

    亀田得治君 藤山さんでしたね。大阪万博にはやはり中国などを参加さすべきだというふうな意見を出しておりますが、ああいうことは閣議ではどういうことになっているんですか。やはり話題になるんだろうと思いますが、大体の政府の傾向というものはどういうところにあるんですか。
  134. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 藤山さん、閣議でああいう話を私は聞いたことはない。新聞で見て、そういうふうな発言があった模様でありますが、まあ、いろいろな意見がある。こういう問題について話し合ったことはないんです。これはやはり将来閣僚会議などにおいても、いろいろ検討の材料になり得ることは明らかでございますが、閣議では話したことはない。ただ、藤山さんとしては個人的な見解を述べたんでしょうが、万博の担当大臣としては、やはりこの場合は慎重にお答えをしておくことが適当であるということで、申し上げておるのでございます。個々の意見をまだ聞いたことはないので、やがてこれは閣僚会議などにおいても十分に検討いたしたいというふうに考えております。
  135. 亀田得治

    亀田得治君 これは事務当局からお答え願っていいと思いますが、なるほど条約には「外交上の経路を通じて」招請するというふうなことばが使われておりますけれども、これは通常の場合のことを言っておるわけであって、ただ個人間でやらぬのだ、普通のほかの博覧会とは違うんだというふうに私は理解すべきだと思うのです。未承認国であっても、何といいますか、非公式な外交ルートといいますか、何かそういう式で招くということは、これは私は少しも条約を無視したということにはならぬのだと思うのですね、条約の解釈として。その点はどうなんですか。
  136. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 条約の第五条には一応「外交上の経路を通じて」云々と、こういうふうに善いてございまして、この表面の解釈だけから申しますと、外交関係のないところは非常にむずかしいというような感じを受けますが、一応一般規則の十条でこういった何と申しますか、公式参加、非公式参加という分け方では非公式参加の場合の規定を置いてあるわけでございまして、その辺の問題は政治上の判断の問題になるかと思います。
  137. 亀田得治

    亀田得治君 私は非公式参加にそういうものを持っていくのじゃなしに、やはりこれは当然条約に別に違反するわけじゃないのだというふうに解釈するのがほんとうだと思うのですよ。そこの正しい理解をしておきませんと、これは三木さんがわざわざ積極的に考えようとしても、なかなか閣議等でそういう手続上の問題で異論を言われて前進しないということがあるわけでして、非常に重要だと思うのです。だからやはり条約で外交上の経路といっておるのは、これは通常のことをさしておる。そういう外交関係がある国の間で、政府を抜きにして別個なルートでやってはいけない、むしろそこに重点があるわけなんです。だからこれは政府が一切責任を持っておる。会社同士が連絡をしたり、そういうことはいけない、こういうことをきちんと言うておるわけであって、未承認国に対することをこれは封じておる意味ではないと私は思うのです。たとえばこれは日本開催する場合だが、ソ連で開催するとする。そうすると、開催場所によって違ってくるわけですね、中国に対する扱いが。ソ連であれば外交上のルートで招請できるわけですね。そうなるでしょう、条約の文字どおりの解釈から言ったって。そんなことはおかしいので、場所が変わることによって招請されるかされぬかという資格ががらっと一変するというようなことは、これはおかしいですよ。だからそれはやはり開催する国の政府が未承認国であっても、ともかく適当な連絡をつけて招こうという気になれば、これは国の承認の問題とは別個だという立場を明らかにして、そうして連絡をする、これは私は一種の未承認国に対する外交ルートだと思うのですよ、そういうやり方は。それは外交上のルートというものを狭く解釈しないで、たとえば米中の関係にしたって、ワルシャワで御承知のように接触をやっておるわけです。あれは広く解釈すれば一種の外交ルートでしょう。だから未承認国との関係では、もうそんな招くということはできないのだ、そういう解釈はこの条約からは私は出てこぬと思うのですよ。だから決して条約に反したことをやるわけでもないわけでして、その点の解釈ですが、いまあなたのおっしゃったのは、ちょっと私は狭過ぎると思うのですよ。何だったら、もうちょっと検討してもらって、正確なところをお答え願ってもいいのですが、間違った解釈を二回も三回も速記録に載せられると困りますから、いい解釈が出るならもう一回答え直してください。
  138. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) 条約上の問題でございますが、この一般規則の参事官が申し上げましたのは、九条と十条の関係を申し上げたと思います。条約に基づきまして九条は主催国が外交ルートを通じまして正式に向こうを招聘する場合を規定いたしております。そうすると外交といいますか、国交回復国以外はどうなるかという問題でございますが、十条に規定がございまして、この場合は主催国が招聘するわけではございません。向こうの希望に応じまして参加さすかどうかを主催国、日本でいいます場合は協会が判断する、こういう規定になっております。したがいまして、これは今回きめました一般規則でそういうふうになっておるわけでありまして、国交の回復していない国が全然入ってくる余地がないということは現在相なっていないわけであります。ただこの希望があった場合に、これを認めるかどうかという問題は、先ほど大臣が申し上げましたように第二段階の問題として今後検討してまいる、こういうことに相なろう、かように考えます。
  139. 亀田得治

    亀田得治君 その一般規則というのは先だってのパリの会議できめたわけですか。
  140. 熊谷典文

    政府委員(熊谷典文君) そのとおりでございます。
  141. 亀田得治

    亀田得治君 それはちょっと何ですね、そういう規則を先につくってしまうということは多少この万博の条約の精神にもとるような気がするのですね。外交上のルートという問題はそんな承認国間だけの問題じゃないと思うのですよ、一般にそう言われておりますけれどもね。しかしこういう万博といったような政治を抜きにした問題を考える場合には、これは適当な接触だってやはり外交ルートですよ、一種の。政府を代表して向こうの政府と話をするわけですから、米中のワルシャワの接触みたいなもんですよ。あれをだれが外交ルートじゃないと言えるのですか、やはり一種の外交ルートなんです。だからそういう規則、これは国内法であればそれは憲法違反なんだというような話にもなるかもしらぬが、そういう規則をつくってしまうと、何かその規則の第十条にいうところの扱いの対象になるような感じがしますけれども、そう狭く私は解釈すべきじゃないと思う。しかし私はそれを見ておらぬもんですから、またそれを資料として渡していただいて、私なりにまた検討してみたいと思います。いずれにしてもこのアジアの特色を生かそうというのに、歴史的に見ても非常に関係の深い中国がおらない、こういうふうなことでは非常にまずい。私はこれがうまく実現したら日本の評価というものは非常にあがると思うのですよ。だからぜひこれは努力を願っておきます。  それで政府が中国との関係、政経分離、こういうことをずっと言っておるわけですが、万国博などは当然これはいわゆる政経分離の中のものでしょう、性格的には。これは大臣。
  142. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは何ですね、政経分離というのは私はあまり好きでないのです。
  143. 亀田得治

    亀田得治君 私もあまり好きでないが、政府がおっしゃるからしかたなしに……。
  144. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 好きじゃないのですが、まあまあ政経分離といえば、この万博というのは政経分離の中に入るでしょうね、政治そのものだとは言えないですから。万博はそういうように思います。
  145. 亀田得治

    亀田得治君 まあそういう立場でひとつ中国並びに北朝鮮、この問題もあるわけですね。ぜひひとつ取り上げてもらいたい。これは中国に対するアメリカの最近の考え方ども非常に幅を持ってきておるわけですね。だからぜひひとつ日本が率先して問題の糸口をつけるということになればこれは非常にけっこうなことだし、努力を願っておきます。  それから次は万国博の条約等を見ましても、主として生産部門のことが取り上げられておるわけですね。しかしそういう狭いものではないというふうに運用はされてきているようです。非常にけっこうなことだと思う。今回の場合においてもぜひそういう角度でひとつやってもらいたいと思うのです。その一つとして、たとえば日本並びにアジアの伝統的な芸術、絵画なり美術関係なり、そういうものに対する比重ですね、これを相当高いものに私は置いてもらいたいと思うのです。それは何といってもいろいろな生産部門の関係については、欧米における万国博などの中身は、これは相当水準が高いものだと思います。現実がそうですからしかたがない。やはりアジアの特色を出そうということであれば、そういう生産部門だけじゃなしに、やはりアジアの伝統的な精神文化、そういうものをやはりこの際高揚することが非常に大事だと思っておるのです。どれだけ来るのか知らぬが、ずいぶん百万人とか二百万人とかやってくるというふうに言われておるわけですから、その諸君だけがそういうものに接していきましても、非常にやはりいい影響が出てくるわけなんです。それに対してはどういうふうな考え方を持っているでしょうか。具体的にこの計画案の中に、たとえば美術館を置くとか何とかいうことを書いてありますが、どうもちょっと添えもののような感じがするわけですが、どうなんです。大臣の基本的な考え方を聞いておきたい。
  146. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは亀田さんの言われるように、生産関係というのは一つの基礎的なものでしょうね。しかしこの万博というのは文化というべきですね。一つの全体としてそこに展示され、あるいはまた現在までのものが紹介され、将来の展望もなされるという、それは単に生産とか、産業関係という狭い範囲内で考えるべきではなくして、一つの文化というものですよ。だからそういう産業関係も大きな基礎であることは事実でしょうが、そればかりでは万博の目的は十分達せられないので、いま言われたような産業あるいは生産、物の生産という以外に、あるいは各国の優秀な美術をできるだけたくさん陳列するような機会を持ったり、あるいはまた精神面というようなものでそれに関連をするようなこともその博覧会の中にいろいろなアイデアを生かして、そういうふうな精神も取り入れられるようにして、もっとこう広い範囲万博にすることが必要であろうと私も考えて、そういうことで今後の運営に対して当たっていくようにわれわれも努力をいたしたいと思います。
  147. 亀田得治

    亀田得治君 この基本的なテーマが進歩と調和、こうなっておりますですね。調和という面は、これは結局はそういう文化、芸術というものを取り入れなければ出てこないのじゃないですかね。それを抜きにして言うてもきわめてそれは抽象的だし、取ってつけたような理屈にしかすぎないわけでして、あの調和というのは一体どういう面でこう具体化していこうとしていくわけでしょうか。
  148. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まあこの博覧会には百カ国近くのものに参加してもらいたいと思っているわけです。それはみな生活の様式も違えば歴史も伝統も違う。そういうようなものの中にありながら、やはりそれには世界という一つの調和されたところに平和というものもあるのだろうし、だから違っておっても人類が目ざしていくところの理想は一つであるというところにこの調和ということばが出てきたに違いない。おのおのの考え方が違っても、それは違ったものと理解しながら、お互いに平和で共存できるようなやはり世界をつくっていこうという、そういう雰囲気を万博を通じて出そうという、そういうことにやはり調和というものがテーマの中に使われたものだと私は思っております。
  149. 亀田得治

    亀田得治君 そのとおりだと思いますが、それを実行する場合、各国の生産部門なり産業を幾ら並べてみても、これは調和が出てくるわけはないですよ。ただ経済的に有無相通ずるといったような意味のこの調和というものは、それは考えられぬことはないかもしれません、国際的な分業というような意味での。しかし、これらはきわめて何といいますか、経済的な相当無理をして考える理屈ですよ。各国が並べているものはただ物にしかすぎないわけですね。だからほんとうの調和というものを出すのなら、どうしても文化、芸術というものを、各国のいいものを取り上げる。民族的なものが出ておるが、同時にこれが全人類的な性格をみなが持ってつくり上げておる。これは必ずそういう雰囲気というものは出てくるわけです。これがほんとうに訴えるわけでして、スローガンだけ幾ら大きくあちこちによけい書いてみても、それはスローガンの過剰ということになってしまう。そういう意味で、これから基本的にいろいろな作業の方向などをおきめになるのでしょうが、出発点において、その部分についての分量といいますか、そういうものを大きくとっておきませんと、あとから気がついてもなかなかはめ込む余地はないわけでして、そういう意味で思い切ってアジア的なそういう文化というものを全面的に出してほしい。私はすばらしいものになると思うのですよ。いままでそういうものはないわけですから、そういうように大臣ひとつ大きくやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
  150. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) たとえば低開発諸国などは、まあ生産技術といってもそう見るべきものはないですから、だからどうしてもやはり欧米諸国とは違ったような形の陳列館にならざるを得ない。その中には多分に亀田さん言われるような、そういうような方向づけをされるのじゃないかと思います。しかし各国へこれから日本が手紙だけでなしに、人を派遣して勧誘するわけですから、何かこう東洋と西洋的なもの、物質的なものと精神的なもの、いろいろなそういう大きく万博を通じて調和というものがはかられるような、そういう出品が出されるようなことは、これから人を派遣するような場合に先方にもそういう希望も申し述べるようなことにいたしたいと思います。
  151. 亀田得治

    亀田得治君 あといろいろあるのですが、時間もないようでございますから、以上三点だけ私のほうから希望を強く申し上げて質問を終えておきます。
  152. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 まあいろいろありますけれども、だいぶ時間もたちましたし、簡単に終わりたいと思いますが、先ほど少しテーマの問題でお話が出ておりましたが、人類の進歩と調和、特に調和面で出ておりましたが、いまのお話を伺っておりますと、世界的ないろいろな各国のものをうまく並べれば、何か調和がとれるようなそういうお話も出ておりましたけれども、この統一テーマの基本理念の中には、現在の人類というものは非常に不調和に悩んでいる。ここを読みますと、「このような今日の世界を直視しながらも、なお私たちは人類の未来の繁栄をひらき得る知恵の存在を信ずる。しかも私たちはその知恵の光が地球上の一地域に局限されて存在するものではなく、人間あるところすべての場所にあまねく輝いているものであることを信じるものである。この多様な人類の知恵がもし有効に交流し刺激しあうならば、そこに高次の知恵が生まれ異なる伝統のあいだの理解と寛容によって、全人類のよりよい生活に向っての調和的発展をもたらすことができるであろう。一九七〇年の日本万国博覧会は、このような信念と希望にもとづいて設計されるものである。」と、このようにあるわけですが、この「人類の未来の繁栄をひらきうる知恵の存在」ですね。これについて大臣どのようにお考えになっておりますか。
  153. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 結局調和という中には、この調和づけるものは人間の知恵だと私思います。みなそれぞれの考え方が違うのですから、そして社会の発展の過程も先進国と後進国といろいろ違うわけです。それでまた歴史も伝統も違う。その中に一つの調和というものを打ち立てていくということは、これは人間の知恵というものを信ずる以外にはない。しかもその調和というものはずっと停滞的なものでなくして日ごとに進歩していく中に、流動的な中に調和を求めなければならぬ。こうなってきたら非常に注文はむ、ずかしい。それはやっぱり人間の聡明さ、あるいは英知、これを切り開いていくものは人間の聡明さであるとか英知、これを信ずるほかにはないというようなことが、いまお読みになったことの基礎だというふうに私は解釈をいたします。
  154. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 そういったことをこの万国博で実際やるわけですけれども、いまいったようにいろいろな技術革新によるいろいろな出品物が出たと、後進国がたとえ先進国に劣るような技術であってもいいものを出したとか、あるいは伝統ある文化を出した、ただそこに出しただけで、はたして現在の人類の不調和というものを、こういったものが解決されるか。むしろそれよりもこの万国博覧会というものに出品する、参加する国はもちろんのこと、全世界というものがこれを一つの的として現在のいろいろな問題を解決し、ほんとうにその世界の平和ということを目標にして現在のいろいろな問題を解決して、そうしてやっていく。そういうふうなやはり全世界の人々がほんとうにこの万国博に対して本気になってやらなければいけない。そういうことに対して、はたして日本協会側としても、また政府としても各国に働きかけなきゃ、ただ出してくれとかということだけでは私はだめだと思うんです。こういった精神というものを全世界の人たちに浸透させなければいけない。いろいろ過去の万国博の実績は、一つ博覧会を契機に何かの形で残っているわけです。だから一つは、そういった精神を理解した上で協力を求めることと、もう一つは、日本万国博覧会が終わったあと、歴史上に大きな意義があった、そういう何か形の上で残らなければ意味がないと思うわけです。そういった点について大臣はどのようにお考えになっておるか。
  155. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この万博というのは見本市と違って——見本市はみな寄って出すわけです。これはテーマがあるわけです。「人類の進歩と調和」、これは一つの考えるものを提供します。参加国も一つのこういうテーマによって出品をしてくれというわけでありますから、何でも出品すればいいというのではなくして、テーマの趣旨に沿うたような出品を各国に要請するわけでありますから、非常にみな考えてみると思うのですね。だから、そこで出されたものというものも、そういうことを頭に入れながら出品をされるのですから、おそらくはこの万博の全体の会場の雰囲気というものが何ものかを見る者に与えるに違いない。そういうことで私は大きな意義を持つ博覧会になるであろうということを信ずるものでございます。
  156. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 それはもちろんそうだと思いますが、さっき質問したように、各国に対してもっと強力に、特にこのテーマは非常にむずかしい命題だと思うわけです。そういったことに対して、日本としていままでの万国博と違った意義があるんだと、そういう強力な推進、これに対して具体的にどうなっておるかということです。
  157. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これはしばしば言われるように、アジア最初に開かれる万博である、しかも一九七〇年というその年というものは世界的にもかなりいろいろ重要な年であろうと思います。そういうことを背景にしてこのテーマに沿うていろいろ趣向をこらしてもらって、この万博というものが非常に人類の歴史の上に一つの大きな意義を持つような万博にしたいという主催国としての日本の熱意は十分に相手国に対して説明をして、そして意義のある万博にするように協力方を要請をするつもりでございます。
  158. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 今度は日本国内でありますけれども、まだまだPRが行き届いてないと思うんですけれども、広報委員会というのがありますけれども、今後PRを強力にしないと、まだ一般大衆はそれこそ見本市みたいに思っている人も多いし、特にそれに対して強力にしていかなければいけないと思うのですが、もう少し具体的に、強力にとそういうことだけじゃなしに、具体的にどのように今後進められていくのか。プログラムでもあれば伺わしていただきたいと思います。
  159. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) この間豊田さんが提案しておった各府県に協賛会をつくって、知事でも協賛会長になってもらって、万博というものをもっと東京とか大阪というものばかりじゃなしに、全国的に万博PRをしたら目的を果たす上においていいのではないかというお話があった。私も非常に一つのいい考えだということで、ばかりでなしに、日本国民の万博にしたい、そういう点でいまのような案も取り入れて研究をしてみたいと思っています。そうして地方地方で万博というものの意義、あるいは万博というものに対しての理解、こういうものを深めていきたい、こういうふうな方法をとったらどうかということで研究をしたいと思っております。
  160. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 そのPRをただやろうということじゃなしに、実際に日本の国全体がこのテーマにふさわしいような国づくりをしていかなければいけないと思うわけです。ただ万国博をやったところに日本の最優秀なたとえば機械がある、ただ文芸作品が置いてある、美術品があるということでなしに、外国人も来ることですから、来てみて、実際日本は表面では非常にりっぱな建物がありますし、ある面では驚くと思うのです。三年前に私はパリーに行って、ある博物館に行って驚いたのは、明治初期の東京駅を絵にかいて置いてありまして、これが日本だという紹介が出ておったわけですけれども、非常にそういった点ではそういうものを見てきた人は、おそらく見てびっくりすることだろうと思いますけれども、やはり日本全体がもっともっとこのテーマにふさわしい国づくりを万国博までにしないと、これは来た人が、その会場中では非常にりっぱだけれども、まわりは非常に悪い、日本の国の中を歩いてみたら、実際進歩もなければ調和もない、それでは非常によくないと、こう考えるわけです。また国自体もこのテーマがほんとうに理解をされていくような、そういったことも考えなければいけない。特に日本の文化というものは、御承知のように非常にアンバランスで、西洋文明をまだまだ消化し切っていないし、日本独自の文明というのとそういった西洋の機械文明との調和というものは、まだうまくいっていないと思います。そういったことを、やはりまわりのほうから充実していかなければいけないと考えておるのですけれども、ただPR——この博覧会だけを成功させるのではなしに、そのまわりをちゃんとする、ただ道路をつくったとか、交通を便利にするだけではいけないと思うのです。日本人自体の持っておる力をよくしなければいけないし、日本文化自体も、ほんとうに進歩と調和にふさわしい文化に持っていかなければならないと思うのです。そういったことに対して大臣はどういうふうに考えておられるか。
  161. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 非常にごもっともなお話で、これは単に会場だけでなしに、この万博を開く限り、日本が進歩と調和の国にふさわしいような国になっていくということができ得るならば、これはたいへんに大きな意義を日本のためにも持つわけでありまして、これはなかなか一朝一夕のものではありませんが、われわれとしては十分に考えなければならぬ点だろうと思います。
  162. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 そのためにやはり具体的にこれらの予算にしても、いろいろな事業にしてもやっていかなければいけないと思うのですけれども、たとえば大阪だったら、身近な例ですけれども、釜ケ崎にスラム街があって暴動をやるとか、これは不調和の典型的なものだと思うのです。そういった国土開発、これを行なわなければいけないと思うのですけれども、これについてただ通産省が担当になってこの万国博を進める、もちろん各省と連絡をおとりになるだろうと思います。そういった点で、これから国会審議される法律案にしても、またいろいろな各省の方針は、一つはここに的を置いて進めなければいけないと思うのです。そういった点でもっともっと政府が強力な対策を講じていかけなればならないとこう思うわけですけれども、それに対してどういうふうになっておるか、お考えをお伺いしたい。
  163. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 進歩と調和というものは万博の一時期のものでなくして、ずっと日本の国づくりのこれは基礎になる精神だと思います。しかし、万博にはたくさん諸外国からも来るわけでありますし、そういう人たちが万博会場だけでなしに、日本の社会の中にも秩序のある社会、しかもそれが固定的でなくして、たえず進歩しておる社会、この日本ということで印象を持って帰るならば、非常に日本のためにもいい機会になると思いますので、これは万博ということと結びつけてというよりかは、今後の政治の姿勢として、こういう問題はいろいろな政府予算、政策の立案のときに、この万博の精神がいかされていくような努力をいたさなければならぬし、できるだけいたしたいと考えております。
  164. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 それには、一番根本的な政治というものを、ひとつどうか進歩と調和があるようにお願いしたいと思います。  これは昨年お聞きしたことでありますけれども、安保改定の年に当たりますし、非常な混乱が予想される。この質問をいたしましたときに大臣は、そういうことは心配していない、混乱は起こらない、このようにお答えになったのでありますけれども、いろいろな回りの精勢等から考えますと、やはり相当な混乱が考えられる向きが出てきておりますし、もしそういうことがあれば、東京ではデモをやっておる、大阪では万博と、全く不調和の限りでありまして、それに対してどのようにお考えになっているか、再度お伺いしたいと思います。
  165. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はよく一九七〇年の危機危機ということばを聞くのですが、私は危機が起こらぬと思っているのです、私自身は。そんなに危機危機といって、みなが何か暗示にかかるようなことはよくない。そんなに危機は起こらない、万博は平和のうちに開催できるものだ。あまりみなが危機だ危機だと言って、何かみなが危機説を、そういう暗示にかかるような行き方は私はよくないと思う。危機といっても、日本が一九七〇年に安保問題をどう解決するかということは、これだけの日本人の良識を持ったならば、これはそんなに危機なんかもたらさないで解決できなければなりません。だからあまりいまから危機だ危機だと言って、みな宣伝しないほうがいい。このことが、かえって逆作用が私はあると思う。この万博は、だから西洋人でも、万博のときは安保のことを知って質問をする人もあるが、大したことはありませんよ、いらっしゃい、平和のうちに万博かできる、こう言っておるのであります。これはまあ一九七〇年がきてみなければわからぬとことではありましょうが、私は危機説には賛成しない。何の危機だ、大したことはない、平和のうちに万博ができる、こう確信をいたしておるものでございます。
  166. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 まあ確信はけっこうなんですけれども、やはりそれに対して、大臣のような話だけではなくして、もう少し日本の政治を安定させるようにやはりやっていかないと、危機説はぬぐわれないと思うわけです。そういった面でやはり政府のこれからの政治に対する考えとか、政治をやっていく上においては、まだまだ現状では、そういった危機が出てくるのをやはり憂える状態でありますので、そういう点は善処していただきたいと思います。  少しこまかい点に入りますけれども、規則の問題でありますが、出品の問題でいろいろ各国が出しますけれども、それに対して、十七条でありますけれども敷地を「適正な比率をもって無償で配分」する。いろいろアメリカなりソビエトなりその他の各国が出す場合、基準ですね、どこにどれだけの敷地を与える、その「適正な比率」という、適正という基準をひとつお示し願いたい。
  167. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 条約によりまして、今度承認されました一般規則にも、十七条に「展示地区」について書いてありますが、一応ここでは、外国側に供される面績の総計と日本側の面績の総計がつり合ったものでなければならないということでございまして、各国の割り振りにつきましては、まだ目下検討中でございます。モントリオールの場合その他を参考にいたしてやりたいと思いますが、たとえば参加時期の早いものからずっと占めていくというようなあれもございますし、これについては今後十分会場計画の作成と相まって考えていきたい、こういうふうに考えます。
  168. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 その適正の考え方が、国力に応じてやるのか、向こうの出す規模の、たとえば出品計画の規模ですね、たとえば何億円の予算でこの国は出してくる、だからこれに対してはこれだけの土地を与える、こういうふうな考え方なのか、その考え方の基準。
  169. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 決して国力によって区別をする、あるいは参加の費用によって区別するというようなことでございませんが、国によってはどのくらいというような希望もございますので、割り当てられた結果が必ずしも全部均等というわけではないと思います。
  170. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 いま海外からまだ具体的には来ていないと思いますが、いろいろ各国でも考えていると思いますが、そういった情報といいますか、最近のいろいろの情報があまり新聞とか報道では出てないように思うのですが、まあないのかもしれませんけれども、やはりそういった点では、全体的なPRの上からいっても、そういった情報をそういった新聞をはじめとしていろいろな機関でやることは必要だと思うのですけれども、もし最近の情報があれば教えていただきたいし、今後そういったことに対して、どのような計画PR並びにそういった情報を皆に発表するかということを教えていただきたい。
  171. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 現在まだ正式に招請状を出しておりませんので、各国から具体的にアプローチはございませんが、先般ニューヨークの総領事館を通じまして、アメリカのほうで日本の情報を提供していただきたい、予算の措置もあるからできるだけ早く、できれば予備招請状というようなかっこうのものをほしい、こういうような話がございました。それからこの前のBIE理事会等に行って、協会会長はじめ副会長がヨーロッパ、それからアメリカ等を回られたわけですが、各国ともぜひ参加したいというような意向を、もちろんアメリカ、カナダ、あるいはフランス、イギリス等でございますが、参加したいというような意向を各国政府当局では持っておられるそうであります。
  172. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 その出品でありますけれども、外囲がかなり力を入れてくることも考えられるわけですが、それに対して日本の出品が海外の物と比べて見劣りした場合、やはり見に行っている日本人も失望すると思いますし、そのために相当強力な体制か必要じゃないかと思うのですけれども、それに対して何か特別に日本の出品を海外に対して互角に持っていくような、具体的な方策に対する計画はおありかどうか。
  173. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 現在協会の中にまだ委員会ができておりませんが、将来そういった国内の企業者に対する出品の案内と申しますか、あるいは指導と申しますか、そういった委員会を設けたいというような意向がございます。  それから各業界では、おのおのグループ別に研究をし、あるいは業種別に研究をしているものもございまして、たとえば電気事業においては、一本でなにか電気事業館といったようなものをひとつつくろうかというような構想を練っております。ただいまそういう段階でございますので、これから十分そういう面について研究していきたいと思います。
  174. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 これは午前中の参考人にも質問したのですが、いまいわれた業界を中心としたグループで進めている、いわゆるグループ単位、電気なら電気で同業者がお互いに知恵をしぼって、日本全体として一つのものをつくっていく。特に私は後者のやはり業界それぞれ出すのもそれは必要と思いますけれども、もちろんそれよりも、たとえばエレクトロニクスならエレクトロニクスについて日本はこれだけのものがあるのだ、やはり各界協力して一つのものにしぼっていく。これは私はそうしていかなければやはり外国製品に対していろいろな点で劣る面が出てくるのじゃないかと考えるわけですが、したがって、そういったことに対しては国から相当の指導といいますか、やはり協力ということをやっていかなければならないと思うのですけれども、ところが、実際各業界ではいろいろ自分のところの一番最新のアイデアがもし漏れたら困るとか、うちのほうはこれだけあるのだというやはり競争意識もありますし、またそういった秘密が漏れたら困るというようなことで協力ができない面もあるのじゃないか、こう考えるわけです。それに対して大臣としてどのように指導していかれるか。
  175. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは日本開催するわけでありますから、日本の最高の技術というものを全部駆使して、日本からも二、三千万人見に来ます。勇気づけなければならぬ、日本の科学技術を。だからこれを出品すれば、これでその技術が他にとられるのではないかというような、そういうふうな考え方ではなくして、やはりできるだけ大胆に日本の技術というものを紹介してもらうように、そういうふうにわれわれとしても民間側に対しても慫慂をして、最高の日本の技術といものが出品されるように努力したいと思います。
  176. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 中小企業の出品についてはどのようにお考えですか。
  177. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 中小企業はやはり個々に陳列館を持つということは無理ですから、政府のほうで中小企業館というものをつくって、中小企業がみんなその館の中に出品できるような、そういう施設を政府でつくりたいと考えております。
  178. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 その場合、中小企業の出費の問題ですが、それはどういうふうにお考えですか。
  179. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 出費は、出すのは中小企業のやはり責任において出してもらいたい。入れもの、そういう中小企業館のようなものは政府がつくる。ただ税法上の何かこう便宜を与える方法はないかということは研究したいと思っております。しかし、出費まで皆補助金を一々出すというふうには考えてないのです。
  180. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 その場合、日本の中小企業でそこに出して、外国の中小企業に太刀打ちできるような現在の中小企業のシステムとか、またはその内容があるかどうか、またこれを伸ばしていこうという計画があればやはり伸ばしていかなければいけないと思います。その点に対して大臣どのようにいまの日本の中小企業をお考えですか。
  181. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) なかなかいまの日本の中小企業というものも、これは世界的に見ても恥ずかしくない中小企業の分野というものはたくさんにありますから、だから現在において世界にも恥ずかしくないようなもの、あるいは将来伸ばせるもの、いろいいな点で中小企業の陳列館を一館つくっても、相当内容の充実したものに私はなり得ると思います。日本の中小企業はなかなか国際的に見ても進んだものがたくさんありますから、だから相当充実した陳列館になるだろうと考えております。
  182. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 ひとつそのためにもあまり倒産は今度出さぬようにお願いしたいと思いますが、次に第四章の営業のところですが、これは会場の中で営業行為を、二十七条ですか、「営業行為を希望する者は、協会に申請しなければならない。」、第三番に、「協会は、会場の秩序維持に支障がないと認める地域における営業行為を許可することができる。」、相当いろいろな営業をしたいという申し込みは出ると思うのですけれども、これを許可する場合、どういうふうな判定基準で許可されるか、その点について。
  183. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) いまのところまだはっきりきまっておりません。
  184. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 やはりたとえば食堂なら食堂は相当いろんな業者がくると思うのですが、どうか機会均等と不公平にならないようにお願いしたいと思います。それからその場合に、先ほど近藤委員のほうからも質問が出ておりましたが、料金ですけれども、わりあいああいった博覧会とか見本市とか、そういったところで商売をやっておるもので食べると食堂あたりが高いわけです。大体がそういった催しものに便乗して値段がわりあい高くなる傾向が強いわけですけれども、そういった場合にやはり料金の規制がなければいけないじゃないかと思うのですけれども、その点についてどのようにお考えでございますか。
  185. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 各国の例等も徴しまして十分研究いたしたいと思います。
  186. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 そういった食堂なんかできますし、この会場全体の衛生問題ですね、これなんか非常に大きな問題になると思います。それから汚物処理とか、こういったことについては相当きちっとやっていかなければならないと思いますけれども、こういったことについては一応条約等にも出ておりますけれども、基本的にはどのようにお考えになっておりますか。
  187. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 今度の会場計画委員会の中でも、いろいろと場内の水の問題、下水等の処理施設等につきましてそういった点を考慮して、外国人も来ることですから、りっぱなものをつくりたい、こういうふうに考えております。
  188. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 会場の管理のことでありますけれども、警備の問題ですけれども、ここに第七章に出ておりますけれども、実際にもう少し詳しく教えていただきたいと思います。たとえばアメリカ館であった場合にはどういう人が警備をするか、また全体の治安には警察なんかも入ると思いますが、どういうふうな形で行なわれる方針でございますか。
  189. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 場内全般の管理については当然協会側の責任になりまして、これは営造物管理規則というものの範囲でございますが、それとまた各国パビリオンと申しますか、敷地内においては各国ごとに責任を持った警備体制をつくるということがいままでの慣行になっております。そういう点で各国政府代表とも十分連絡をとって警備をやってまいりたいと思います。
  190. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 会場全体については……。
  191. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 会場全体については協会責任を持ってまいります。
  192. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 実際の警察等は……。
  193. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 実際に警察官あるいは特別の警備員というものを整備するということになるかと思います。
  194. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 この警備のことでありますけれども、最近日本でいろいろ大事なものが盗まれたり非常に日本人として一面においてだらしない行為があるわけですけれども、この間京都でもありましたし、また奈良のほうで石仏が削り取られたり、それが案外海外あたりに売られておるということがあるわけですけれども相当いい品物がくるわけですし、そういった点について相当厳重にしないといけないと思いますけれども、そういう点について万全の対策をとられるようになっておるかどうか。
  195. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 警備については、この警備のことについて政府代表が責任をもって対象をきめるというようなこともございますし、それから第五十条にこの制裁規定もございまして、違反者については営業の停止あるいは補償、違反者に対する請求権というようなものも規定されておりますので、その点については十分やっていきたいと思っております。
  196. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 少しこまかい質問になりますが、先ほど美術関係のことが少し質問に出ておりましたが、日本に古来からある美術品とか芸術品とかはやはり陳列されることもあり得ると思いますし、またそうしなければならぬと思いますが、いま日本の国で国立博物館とかそういったいわゆる国でつくっている博物館、また公の博物館等も多いのですけれども、財閥等がつくっております私の博物館ですね、その中に非常にたくさんいいものがあるわけです。こういったときに、そういった人の協力で出されるものか。もちろんその人たちの良識に待つよりないと思いますけれども、どうしても出したいという作品があれば、こちらから要請をした場合には出さなければならないというようなむちゃなことはできないと思いますけれども、かなり出せるような強力な体制をひかなければならぬと思います。きょうも午前中に来ておられた参考人の中からのお話でも、海外においても門外不出の美術品が出品されて非常に人が集まったということがありますので、そういったときに、日本人はそういった面の協力に欠ける面があるわけです。これに対しては相当強力な手を打てるような仕組みになっておるのかどうか。なっていなければ、しなければならないと私は思うのですが、この点についてどのようになっているか、お聞きしておきたいと思います。
  197. 瀬谷徹

    説明員(瀬谷徹君) 現在協会のこの一般規則等においては、強制的にそういった出品を要請することは規定しておりませんし、また強制的にやるという考えはいまのところ持っておりませんが、十分この博覧会の意義を強調いたして御協力を願うというふうに努力したいと思っております。
  198. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 最後に、いまの問題も含めまして、ほんとうに日本人が、ただ、自分たちの利益だけではなくして、ほんとうにこの万国博世界人類のためにやるのだと、こういった思想を徹底しなければならないと思うのです。それに対して大臣として今後どのように働いていただけるか。特にきょうも午前中参考人から話がありましたが、非常に精力的に海外を全部回ってみずから海外に働きかけた会長もいたと、こういうお話もありましたけれども日本国内はもちろんのこと、全世界に対して今後どのように働いていただけるか。決意のほどをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
  199. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは、班を分けましてね、そうして世界各国にも代表者を派遣したい。何分にも国だけで百二十カ国、班を分けて北米班、ヨーロッパ班あるいはアフリカ班、中南米班、アジア班とか、こういうふうに班を分けて、そういうことで各国相当なチームで回って、そうして日本の熱意を各国に説くつもりでおります。国内においても、御承知のように協会石坂会長以下、石坂さんもこれはもう相当の年齢でありますから、本人はぜひとも自分の人生における最後の大事業だという覚悟でやっていられますから、そういうことで協会も熱意を持っておるし、政府のほうもこれから馬力をかけて全面的に協会協力をしながら、これは万博というものが成功のうちに開催することができて、そしてしかも大きな成果があがったということにしたいと考えております。
  200. 向井長年

    ○向井長年君 本法案に対しましては、先日来また本日も各委員から詳細に質問されまして、私の質問しようと思っておったところをほとんどされております。したがって多くは質問いたしません。ただ私が最も心配する問題は、先ほど矢追委員も触れられましたが、今度のテーマが人類の進歩と調和、こういう一つの理想的なテーマを持っておられるし、そういうテーマに即応した万博成功を国民こぞってやらなければならぬと、こういうところに今回の大きな使命があると思うのです。そういう意味から考えますならば、国会におきましても、衆参両院あわせまして各党ともこれはもう万全を期そう、こういうことで質問なりあるいは意見が述べられております。ところが一番心配は、先ほど矢追君も言われましたような一九七〇年度という、三木通産大臣は危機というようなことはないと否定されておりますが、しかし非常に私は問題があると思う。これはなぜならば、特に関係担当大胆という立場じゃなくて佐藤内閣の実力者である三木通産大臣、この立場で私は質問申し上げたいのですが、一九七〇年度の安保改定期に対しましては、御承知のごとく、いま自民党においてもあるいは社会党においても、わが党民社党におきましても、一つの安保に対する態度を出している。したがって、この問題は簡単に万博成功さすためにそんな問題は別だ、こういう考え方をするべきでないと思うのですよ、時期を同じくしておりますから。しかも社会党と自民党の現在の態度というものは百八十度違う。直ちに破棄である、安保改定破棄である、こういうことと、継続であるということで百八十度違うわけです。したがってそういう問題は、このテーマに言うところのいわゆる進歩と調和、これはもう国民が求めておる問題は人類の理想的な平和である、こういう立場から、私はそう簡単に三木通産大臣がそんな危機はないとか何とかそう軽く言われますけれども、ないことをお互いが望むのですが、事実上はこれは院内外の大きな問題である。こういう点が万博にどう影響するか、いわゆる国際信義上ですね。こういう問題は私は簡単なものではない。したがって、担当大臣でなくて佐藤内閣の実力者大臣として、ひとつ答弁を願いたい。
  201. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はやはりこの場の発言としてでなくして、そうやっぱり危機だというふうには考えていない。しかしそのためには前提があります。自民党内閣として、この国の防衛問題というのは大問題ですから、国民にこの問題に対して十分な説得を行なって、あるいは党派いろいろ意見は違っても、各野党に対しても、政府の国の防衛に対する重大な問題に対して見解は違う場合があっても、十分に政府の立場というものを説明して、そしていくならば、これはおのずから国民の良識の向かうところ、そう大きな混乱が起こるとは思わない。しかし政府がこの問題と真剣に取り組んで国民に対して十分説得するという努力を怠ったならば、危機危機と言っていかにも何か起こるようなこういう雰囲気の中に巻き込まれる懸念がないとは限らない。政府の態度というものが非常に私は大事である。政府はこの問題に真剣に取り組んで、国民に対して政府の見解というものを率直に述べて国民の理解を求めるならば、そんな一九七〇年が大きな危機などというふうには考えない。だから私の危機ではないと思っている前提の中には、政府のそれだけのやっぱり誠実な態度、こういうものが要るという前提はつけておるのであります。ただじっとこまねいておっていいということではないのですが、政府がそれだけの努力を積み重ねていくならば、一九七〇年がそんな危機になるとは私は考えていない。その努力政府がするのだ。これはもう社会党にも、民社党にも、公明党にも大問題ですから、国の防衛問題は政府というものが責任を持っているのですから、国民は何となしに不安な気持ちを持っておるわけです。この国民の不安に対して政府はこたえなければならない。国の防衛に対して、これはやっぱり政府が誠実な態度で国民に対しても、野党に対しても、自民党が説得しようというその真摯な努力を前提にして私は危機はない、こういうふうに申し上げたのであります。
  202. 向井長年

    ○向井長年君 防衛論争をいまやろうとはいたしませんけれども、しかし政府のいわゆる国民に対する理解のための説得、こういうことを大臣言われておるのですが、現にやはり政党政治ですから、したがって社会党は一つの構想を発表している、自民党も政調で先般いろいろ検討されて出しております。なおわが民社党も出しております。こういう中でそれぞれ防衛問題あるいは安保問題に対しての態度が明確に出ておるのですよ。これは少なくとも国民がそれに対して大きく批判もし、あるいは検討されると思う。しかしながら政府がやはり国民の声を声として、そして一つの方向を防衛の問題、安保の問題あわせて責任ある説得はけっこうでございますけれども、この国民の声というものを十分考えた上でこの問題を処理しなければならぬと思うのですよ。そこで、先ほど申しましたように百八十度違う見解が現在出されておる。これからの院内外において国民にお互いそれぞれの政党がこれは説得なり理解を求めていくと思う。もう完全に違った形が出ているわけですよね。そういう中で、やはり政府としては防衛の問題、安保の問題あわせまして、大きく日本の今後の問題として取り組まなければならぬ。ただ説得するというのは、一方的な説得になっちゃうのですね。政府自民党が考えていることを説得しよう、これで理解を求めようと、こういう形になると、いま言った百八十度違う問題が、私はやはり国会だけではなくて、院外においても大きな世論に各党がアッピールしている。私はやはり防衛問題あるいはまた安保問題に対する一つの国民的な思想の統一が必要である、まず第一に。そういう問題を私は真剣に取り組まなければ、この万博は各党とも賛同し、国民的規模で成功さそうということが、同じ時期にかかるところのこの問題が非常に国際信義に大きな影響を及ぼすことを一番わが党は心配するのですよ。この問題について、簡単に説得説得と言いますが、それは一方的な説得なんです。したがって各党の言い分も十分政府は聞き入れ、そういう中から日本の防衛をどうするか、あるいはまた一般国民にどう理解せしめるか、こういう問題を重ねて私は質問いたしたいと思います。
  203. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それは自民党の考え方を押しつける説得というのではなくして、政府はこれはもう最大の——防衛問題というのは、安全というのは政治の基本ですからね。でき得べくんばこれは超党派的に取り扱うべき課題でありますが、残念ながらそういう状態ではないわけであります。だから政府責任ある者の立場として日本の防衛をどう考えるかという政府考え方は、いろんな意見をとり入れていいですよね。とり入れて、こうだという政府意見が固まるならば、国民の理解を求めて、そして国民に対してよく政府の意図というものを理解してもらって、ただ、何にも政府の意図もわからぬのにそのままほうっておくといえば、それはいろんな騒ぎになるかもしれぬですから、手回しよく防衛に対する政府の見解というものを述べて、それの理解をはかるという努力がなければ、ただ何もなしに急に一九七〇年を迎えるということは私はよくない。相当事前にいろいろ——政府でもまだ、自民党でもまだ中間的に検討を加えているわけですから、そういうことで、自民党の防衛に対する方針というものを、いろんな各方面意見もとり入れて、方針をきめて、これはやっぱり広く国民の理解を求める。また各野党に対しても、話が違っておるからといって、これはもう全然お互いに何ら話し合いをしないというような姿はよくないですから、話し合って、そうして国民の深い理解のもとに一九七〇年を迎えれば、そんな危機などということは起こらないで回避できると私は思う。その責任は非常に政府にあると思うのです。それだけの努力をしなければいかぬということで、そういうことをいままで申し上げているわけでございまます。
  204. 向井長年

    ○向井長年君 これは万博直接の問題ではないんですが、関連をし、時期が同じくしておりますから、私は一番この問題が、いまなお日本国内においての問題として心配があるわけですが、これは政府にも大きな責任がある。政府が大きな責任を持つという立場において、やはり各界各層、あるいはまた各党の意見をとり入れて、このテーマにあるように調和をはかっていかなけりゃいかぬのじゃないか、ただ単にこれが最も最善の防衛だ、こういうものの考え方は、私は国民の意見をやはりいろいろ異ならす問題じゃないか。したがって与党の中においても非常に見解を異にする人たちがいるんです。したがって、それぞれ各党も違う政策を持っておりますけれども、これはやはり広く万博成功さすためにも現在の防衛問題というものは十分慎重に考えて、先般の安保騒動とか、あるいはまた日韓関係はそこまでいかなかったけれども、やっぱり院内外においての大きな抗争を排除する、そういうことがないようにするための最善の努力をまず私はお願いしたいと思う。
  205. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まことにごもっともだと思います。いままで防衛問題というものが政治の論争の外にあったことは私はよくない、これはたいへんなやっぱり重大問題ですから、やはり防衛問題に対して、各党が真剣に取り組んでおる最近の政治の姿勢というものは私はいいと思う。これをいままでは、何か防衛問題といえばタブーのようになっていることはよくない。政治の基本でありますから、自民党も、ただ単に足して二で割る式の妥協はよくない。しかし国民の声というものはそれをとり入れて、自民党の方針をきめる場合にはそういう声も耳に入れて、そうして最も妥当な日本の防衛問題に対しての安保と結びつけての防衛問題というものの結論を出して、手回しよく国民の理解に訴えるだけの準備をしておけば、御心配のようなことにならないで、万博というものは平和のうちにやれることになる。そういうふうにしなければならぬと、内閣の一員として考えておるわけでございます。
  206. 向井長年

    ○向井長年君 まあそういうことで努力をお願いしたいのですが、少なくとも日本の防衛というような問題につきましては、イデオロギー的な問題ではない。あくまでも日本の本来の安全とあるいはまた繁栄、あるいは国民的な利益、こういう立場に立ってこの問題と取り組なまければならぬ、こういう気持ちで私たちはこの問題に取り組んでおる次第でございますが、いま大臣が言われましたので、そういうことで今後とも御検討をいただきたいということをお願いいたす次第でございます。  第二番目は、先ほどからもたびたび言われておりますから、もう重複もしますので省略いたしたいと思いますが、まず、万博成功さすために、この万博の意義というものは少なくとも国民に十分理解せしめなければならぬと思うのですよ。ただ博覧会があるのだ、あるいは万博があるのだ、一ぺん見にいこうじゃないか、こういうことじゃなくて、成功さすためにはこの意義というものを十分国民に理解させ、あるいはまた協力するという立場のまずPRが必要である。場合によれば、きょうも参考人に申し上げたのですが、オリンピックはこれは非常に若い人たちが関心を持ったと思うのですよ。したがって、ああいう競技は非常にどの国に開かれても国際的に関心が深い。しかし博覧会という問題につきましては、一部の業界とかあるいはまた一部の財界、そういうところに偏するおそれがあるわけなんですが、こういう問題についてやはり国民的規模においてのPRという問題については、先ほども言われておったように、各府県に協賛会を持つとか、いろいろ言われておりますが、そういう中で、もし協賛会を持ちましても、官選的に知事が会長になって、そして若干地方の財界とか、あるいは一部文化人とか、こういうところだけされると、これまた一部の人たちの協賛になってしまうと思うのです。だからこの問題につきましては、少なくとも各界各層の諸君がともに協力し、あるいは推進するという立場を強く打ち出すべきではないだろうか、こう思うわけであります。したがって、豊田先生なり赤間先生等とともに、われわれが国会の中においても衆参両院が推進協議会ですか、これをもってひとつ有志として政府を督励し、あるいは一般のPRをやろうではないか、こういう気持ちもただいま盛り上がっておる中です。したがって、国民に対する万博の意義を徹底するために積極的な行動に移さなければならぬと思いますが、ただこうやったらいいと思うじゃなくて、これはやはり政府がみずからそれを検討し、最善な方法を直ちにとるべきではなかろうか、こう思うわけなんですが、いかがでしょうか。
  207. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) お話しのように、これは財界人というものを中心とした万博ではないわけです。国民の万博でありますから、そういう協賛会の組織ができるような場合には、つとめて若い人たちにその協賛会のメンバーになってもらって、国民の万博という感じが協賛会の組織を通じても出るように今後努力をしたいと考えております。
  208. 向井長年

    ○向井長年君 それとあわせて、やはり財界とか業界の中においても、やはり大阪中心として関西地域、こういうところにおいてはこれからますます積極的に推進することによって関心も出てくると思います。あるいはまた恩典が大きいから、こういうところに非常に成功の度を加えてくるかもしらぬが、しかしその他のいわゆるブロック地域におきましては、推進しても直接のわれわれ恩典がない、こういうことで若干何と申しますか、関心が薄くなると思うのですよ。そういう問題を、もちろん国家的な、あるいは地域的全般についてのこれに対する関心とあるいは協力体制、こういうものもあわせてとっていかなければならぬ、これについて具体的に直接いろんな諸問題をどう対処していくか、この点あわせてお答え願いたい。
  209. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 地元が一番熱心になるということはまあ自然の成り行きとしてそうならざるを得ないと思いますが、しかし国民の万博というためには、たとえば陳列館でも、いま言ったような中小企業なら日本全体の中小企業館をつくる、青少年のための施設をつくったりして、そういう万博の設計自体の中に全国民的なものであるという精神が生かされるような設計をすることによって、そしてこれが大阪万博であるという感じを払拭していくように努力したいと考えております。
  210. 向井長年

    ○向井長年君 それからもう一つは、特に国としての関連する公共事業ですか、先ほどもお話ありましたこういう問題について、四十二年度の予算で国の負担、あるいは地方負担ということをまず比率をきめたい、こういうお話でございますが、これはもちろん道路整備、あるいは交通輸送、あるいは観光というようにいろいろな分野にわたると思うのです。そういう問題について地元からは国に強い要望が出てくると思います。直接の大阪市、あるいは大阪府の問題もありましょうし、会場に近い問題とあわせて関連的に近府県の整備という問題が起きてくると思うのです。こういう問題についても根本的な対策を政府は講じようとするのか、この点についてお伺いしたい。
  211. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) どうしても関連する公共事業というものは、大阪だけというわけにはいきませんですから、だから広く近畿にまたがって関連公共事業を推進するということになると思います。先般も大阪で推進協議会を開きまして、集まった者は近畿の各府県の代表者が集まって、そしてそういう地域の要望というものをできるだけ調整をして、そしてこれを単に大阪だけの会場に関連しておるいろんな公共事業というだけでなしに、もう少し広い範囲内で、この万博が開かれた機会に近畿全体についていろんな公共施設がだいぶ進んだということにしたいものだということで、政府も考えておるわけでございます。
  212. 向井長年

    ○向井長年君 そういう関連する近府県の整備という問題についてば、関連はしますけれども、直接協会の分野ではないと思います。これは政府なり地方公共団体が責任を持って実施に移す、こういう形になるかと思いますが、こういう点で、やはりいま申し上げましたように、相当範囲な地方公共団体から政府に対する要望、陳情があると思います。そういう問題は、年次的にやる公共事業と、これに関連する問題とはおのずから政府のほうでは区分をするのではなかろうか、こう思うのですが、こういう点で各近府県ではいろいろと、悪く言えば便乗しょう、よく言えば、この際ひとつやはり大きな関連をするのだ、こういうことで出てくるかと思うのですが、この点についてどういう所信を持っておりますか。
  213. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私はこういう機会に、地域開発が進んでいくことは悪いことじゃない、便乗と言えば便乗かもしれませんけれども、何かやはりこういう機会があったことをきっかけに、地域開発が進んでいくということならばそれはいいではないか、ただ、その場合に、万博というような短期間のものを目当てだけの開発ということには、それはそういう開発であったのでは一時的なものになりますから、全体の大きな基本計画があるわけで、それを万博と結びつけて工事の時期を五年かかるものを三年にするとか、そういうふうな時間的にも短縮をして、そして万博が済んだ後においても、その地域の開発に非常に役立ったというような形の公共事業にすべきものである。ただ、短期間万博だけということであってはならないのではないかということで、大きな国の基本計画をこれによって大きく変更するということにはならない、その年度計画というものを早めるということは大いにあり得るのだというふうに考えております。
  214. 向井長年

    ○向井長年君 これで質問を終わりますが、大体各委員からも万博成功さすための熱心なる御意見が述べられておりまして、われわれも同感でございます。ただ、冒頭に申し上げました問題は、時を同じくする非常に重大なる問題であるので、これはひとつ政府といたしましても、万博成功さすために万全の、国内においてのそういう問題が起こらないように披露の努力を特に要望いたしまして、質問を終わります。
  215. 近藤信一

    近藤信一君 いま聞いておりますると、向井君がえらい社会党の一九七〇年の安保闘争まで御心配になっておられるようでございますが、いまの佐藤内閣がそこまで続くかどうかもこれまた疑問でございますし、そのときには進歩的保守党を主張しておられる三木通産大臣があるいは総理になっておられるかもわかりませんから、私は安保闘争とどうのこうのということは、この場合そう問題にならぬのじゃないかと思うのです。  そこで、第二条には、予算範囲内で一部を補助できることにしておられるわけです。そこでもちろん四十一年度予算にはすでにこれが計上されておると私は思うわけでございまするが、この計上がされておるかどうか。さらに、計上されておるけれども、もしこの法律案が成立をしなかった場合には、その予算が使えないのか、法律は成立しなくても一応準備金として使ってもこれはかまわないということにあなたのほうでは判断をしておられるのか、この党をひとつお聞きしておきたいのであります。それによってやはり私どもは考えなければならぬから。
  216. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 近藤さんは、これが通らなかったらこの予算が使えるかどうかという、また御心配の種をおまきになりますけれども、しかし、実際はこれは予算は別ではございますが、私が問題にするのは、近藤さんにもいろいろな御主張はあるだろうけれども、ぜひ御協力を賜わりたいと願うゆえんのものは、これだけ世界アジア最初に開く博覧会であるといって、大きな期待のもとにこれは開かれようとしておるわけなんですね。いままではもう万博といえばヨーロッパのものだったんです。感じは、万博は欧州のものだ。それが遠くアジアへ来たんですから、非常に世界もこの日本で開く万博に対して期待を持っておるのであります。国民の中でも、盛り上がりは少ないとは言い条、だんだんと万博に対する意義、期待というものが国内に盛り上がりつつあるわけです。それがこの国会においてこの法律案がもしも——まあさようなことは、近藤さん心配のように言いますが、そうは思いませんけれども、そういうことになったらこの予算——何億円の予算ということではないのです。この万博というものが出ばなに国会という国の最高機関で最初に頭をたたかれたということからくる内外に対する不信、日本の熱意、日本パリに行っていろいろ言っておったことと国会は違うじゃないかという国際的な不信、あるいは国会でこの法律がすなおに通らぬという日本国民の熱意のいろいろな尺度にされたりして、そういうことからくる損失というものははかり知れないものがある。そういうことで、この今年度の予算が使われるか使われないかということではなくて、もっとやはり根本的な大きな問題を含んでおるわけでございますので、どうかこの問題につきましては、いろいろな事情をこえて御賛成を賜わりたいと私が申しておるゆえんのものでございます。
  217. 近藤信一

    近藤信一君 まあ三木通産大臣のお気持ちはよくわかりますし、私ども決してこれは反対しておる法律ではございません。やはりこのことは他党にまさるとも劣らない、双手をあげて賛成したい、する法律案でございます。それだけに私はよけい心配し、さらに国会期間というものももうあと六時間で終わるわけでございますから、もしこの法律が通らなかった場合ということを考えると、なかなか私も心配で、賛成であるがゆえにこれは心配であるわけであります。それでまあいろいろと大臣にお尋ねするわけでございますが、それかといって、じゃ全部これは満幅に賛成だからあとの結果はどうなろうとも、法律は成立してしまえばいいわということには私はいかぬ。やはり立法府として、またその責任を持っておる一人として、やはり詳細に知っていかなければならぬことは知っていかなければならぬ。こういうことで、まことに通産大臣にはいじわるな質問も出ようかと思うけれども、その点は私も通産大臣と同じような気持ちでこの国際的な行事であり、またアジアにおける初めてのことでもございまするから、大いに私も賛成しておるわけです。そこで、補助金の問題や何かをへたなことをしていくと、また今度はあとで決算委員会のほうでいろいろとまた問題が出てくるだろうから、そういう点も私は明確にしていきたいと考えておるものでございます。そこで補助金の問題でございますが、この内容からいきますと、いま通産大臣も言われましたが、運営に要するものとしておりますが、この補助金は準備または運営費として一括してこれを補助されるのか、それとも区切って、この分は建設費だとか、この分は人件費だとか、こういうふうに項目を分けてこの補助金を対象にしておられるのか、この点はいかがですか。補助対象です。
  218. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 予算としては形は一括になると思いますが、中身はやっぱり区分せざるを得ない。つかみ金というわけにはいきませんから、国分はあるけれども、全体としての予算は一括の形をとるけれども、内容はみな区分があるということでございます。
  219. 近藤信一

    近藤信一君 たぶん私もそういうことであろうとこう思ったわけですが、そこで与党の諸君もたいへんおなかがすいたようで、ここらで一ぺん休憩したらどうだ、こういうふうな御意見もありまするから、あと一点だけ質問いたしまして、次にまた残しておきたいと思うのですが、この法律は施行の日は交付の日とこうなっております。しかし、廃止の日については別にきめてないわけでございますが、廃止するときは別に法律でこれは定めなければならないのか、それともこれはオリンピック特別措置法の現在まだ効力を持っているかいないか、これも私わかりませんが、あとの問題は一体どうなるのか。いわゆるしめくくりでございますが、この点はどうですか。
  220. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは執行者の何か規定もございまして、万博が終わってからすぐというわけにもいかぬので、しばらく猶予期間を置いて、そうして法律でもってこれを廃止することにしたいと思っております。
  221. 近藤信一

    近藤信一君 そういたしますると、まあ万博が終われば、まだあと地の問題なんかも当初きめていたけれどもあとからまたいろいろ問題が出てくるから、半年なり一年なりの期間を置いて、その上においてさらに廃止案を出す、こういうことでございますね。そういうように理解してもよろしいですね。
  222. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) それでけっこうでございます。
  223. 村上春藏

    委員長村上春藏君) これにて休憩いたしまして、午後七時三十分に再開いたします。    午後五時五十二分休憩      —————・—————    午後十時五十三分開会
  224. 村上春藏

    委員長村上春藏君) これより商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き本案の質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  225. 近藤信一

    近藤信一君 最後に一言だけ意見をまじえて大臣の決意をお尋ねするわけでございますが、大臣も御承知のように、本委員会で実際に本法案審議いたしましたのは一昨日と本日の二日間でございまして、この二日間では、私は当初申し上げましたように、審議日程としては非常に少ないとこう思いまして、私どもといたしましては、法案の要点だけを御質問いたしまして、そうして最終段階にきたわけでございます。そこで、まだ足りない点はたくさんございます。しかし、一昨日以来大臣も言っておいでのように、本万博の意義というものは非常に重大である。そういう点から考えまして、私どもまだただしたい点は多々ありますけれども、この程度で私どもは終止符をつけたい、かように考えておりますが、この二日間にわたりまして、要点のみ私ども質問いたしました。その質問の内容については、大臣もいろいろとお答えになっておる。したがいまして、やはり明治以来から計画いたしましたこの万博を、アジアで初めてという大きな意義、こういう点を十分にしんしゃくされまして、万遺漏のない、りっぱな万博にしていただきたい。私が質問の中でも申し上げましたように、いろいろとこういう問題については、汚職等の問題があとあと出てまいりますから、そういう点も万全のひとつ対策を講じて、そうしてこれを成功さしていただきたい。このことを私といたしましては大臣に申し上げると同時に、大臣の決意のほどをお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。
  226. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 近藤委員の御指摘のように、審議期間は短こうございましたけれども、非常に充実した御審議を願いまして、いろいろな問題について私からも答弁をいたしましたが、その御答弁申し上げた諸点についてはもちろんのこと、いま御注意があった汚職などのないきれいな万博にするようにという御注意は私も強くそのようなことにしたいことを願っておりますので、十分今後万博開催運営については、そういう点も注意をいたしたいと考える次第でございます。
  227. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  228. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。  それではこれより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。ーー別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。  それではこれより本案の採決に入ります。  日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  230. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 総員挙手、全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  231. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後十時五十八分散会