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1966-02-24 第51回国会 参議院 商工委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月二十四日(木曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         村上 春藏君     理 事                 赤間 文三君                 豊田 雅孝君                 柳田桃太郎君                 近藤 信一君     委 員                 井川 伊平君                 岸田 幸雄君                 剱木 亨弘君                 近藤英一郎君                 宮崎 正雄君                 大矢  正君                 小柳  勇君                 永岡 光治君                 鈴木 一弘君                 矢追 秀彦君                 向井 長年君    国務大臣        国 務 大 臣  安井  謙君    政府委員        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省重工        業局長      川出 千速君        工業技術院長   馬場 有政君        中小企業庁次長  影山 衛司君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○私的独占禁止及び公正取引確保に関する法  律の一部を改正する法律案内閣送付予備審  査) ○工業標準化法の一部を改正する法律案内閣提  出) ○土地又は建物に関する計量単位統一に伴う関  係法令整備に関する法律案内閣提出) ○産業貿易及び経済計画等に関する調査中小企  業に関する件)     —————————————
  2. 村上春藏

    委員長村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、理事会におきまして協議いたしました事項につきまして、御報告いたします。  本日は、工業標準化法の一部を改正する法律案外二法案提出理由説明を聴取いたすことといたしましたので、御了承をお願いいたします。
  3. 村上春藏

    委員長村上春藏君) まず、予備審査のために本委員会に付託されました私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。安井総理府総務長官
  4. 安井謙

    国務大臣安井謙君) 私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  本改正案は、私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律等運用強化するため、公正取引委員会事務局機構拡充し、定員を増加しようとするものであり、その内容は、第一に、公正取引委員会事務局に、地方支分部局として新たに広島地方事務所を設置し、第二に、公正取引委員会事務局定員二百七十七人を三百七人に改めようとするものであります。  これらは、第四十八国会において下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、第四十九国会において私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案が可決された際の附帯決議の御趣旨を尊重いたしたものでありますが、このように公正取引委員会事務局機構等整備拡充することにより、物価対策として違法な価格協定等の取り締まりの強化並びに再販売価格維持行為及び管理価格実態調査とその対策の強力な推進をはかり、あわせて、中小企業対策として、特に下請代金支払遅延防止に関する業務の強化をはかろうとするものであります。  以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。     —————————————
  5. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、本院先議工業標準化法の一部を改正する法律案及び土地又は建物に関する計量単位統一に伴う関係法令整備に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。堀本政府委員
  6. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) 工業標準化法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  現行工業標準化法は、適正かつ合理的な工業標準制定及び普及により工業標準化を促進することによって、鉱工業品品質改善、年産の合理化取引単純公正化使用、消費の合理化等をはかる目的をもって、昭和二十四年に制定されたものでありますが、制定後十余年を経た今日、その後における技術革新を背景とする社会経済情勢の著しい変化に適合しない面があらわれてきております。このような新たな事態に対処いたしますとともに、工業標準化法制定以来の運用に当たって得られた経験に照らしまして、なお改善すべきであると認められる諸点につき、その不備を補うことによりまして、工業標準化のより一そうの推進をはかるため、この法律改正を提案することといたした次第であります。  次に、この法律案の主要な改正点につきまして御説明申し上げます。  第一は、日本工業規格表示制度加工技術適用することといたしました。日本工業規格表示制度につきましては、現行法のもとでは鉱工業品製造業者だけが、主務大臣許可を受けてその製造する鉱工業品日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示を付することができることとされております。ところが、近時鉱工業において生産工程の分化及び専門化が著しく進みまして、立法当時と比較してメッキ、金属熱処理金属表面処理等加工業重要性の増大は目ざましいものがあります。したがいまして、鉱工業品製造業者のほかに、加工業者につきましても、主務大臣許可を受けて、鉱工業品に施した加工技術日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示を付することができるようにすることによりまして、鉱工業品品質改善生産合理化品質保証徹底加工技術向上等をはかることといたした次第であります。  第二は、従来にも増して、日本工業規格普及を助長し、工業標準化推進をはかる見地から、国及び地方公共団体は率先して、鉱工業品に関する技術上の基準を定めるとき、その買い入れる鉱工業品に関する仕様を定めるとき等においては、日本工業規格を尊重しなければならないことといたしました。第三は、現行法規定を欠いておりました事業承継事業廃止届け出報告徴収等諸点につきまして、類似の法令にならい、明確な規定を設けることによりまして、運用上の不便を取り除くことといたしました。  以上がこの法律提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  本日、ここにご審議を願います土地又は建物に関する計量単位統一に伴う関係法令整備に関する法律案につきまして、その提案理由をご説明申し上げます。  わが国の計量単位メートル法統一することにつきましては、つとに大正十年の旧度量衡法改正によって方針として確定をみたのでありますが、その後実行上の困難もあって実施は延期され、ようやく昭和十四年の度量衡法施行令改正に至って、国内における取引上または証明上の計量につき昭和三十四年一月一日以降原則としてメートル法によるべきものとし、尺貫法及びヤードポンド法使用禁止することとされたのであります。しかしながら昭和二十六年旧度量衡法にかわる計量法制定の際、経過措置として、土地または建物に関する計量につきましては、例外的に昭和四十一年三月三十一日まで尺貫法により得るものと明定され、今日に至っております。  このように本年四月一日以降は、土地または建物に関する計量につきましてもメートル法への統一が行なわれることになりますので、これに伴い、登録税法関税法等現在尺貫法による計量単位条文中に使用されている諸法令につきまして、関係規定メートル法による計量単位に基づく規定に改める等の必要があり、このためこの法律案を提出した次第であります。  政府といたしましては、法の趣意を体し、今後とも国民各層に対するメートル法普及徹底につき一そうの努力を払い、法の運用に遺憾なきを期する所存であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
  7. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、ただいま説明を聴取いたしました本院先議の二法案補足説明を聴取いたします。   まず、工業標準化法の一部を改正する法律案について説明を聴取いたします。馬場工業技術院長
  8. 馬場有政

    政府委員馬場有政君) まず、ただいまの提案理由の御説明がございました順序に従いまして、補足をさしていただきます。  第一の要点でございますが、これはここにもございまするとおりに、加工技術に関しまして、表示制度適用できるようにしようということでございます。この理由にございまするとおりに、最近のいろいろな技術の進歩、あるいはその他の経済の発展、あるいは経済状態変化等によりまして、メッキございますとか、染色、あるいは焼鈍、焼き入れといったような加工専業者がふえてまいったわけでございます。こういうような関係技術向上、あるいは品質管理徹底需要者の便宜をはかるというような考えから、こういった加工に関しても、表示制度適用するようにいたしたい。こういうことでございます。  それから、第二の尊重してほしいということでございますが、この問題につきましては、訓示規定ではございますが、これによって標準化の促進を一そうはかりまして、この法律ができました目的に一そう合致するようにいたしたいと、こういうことでございます。  第三の問題でございますが、これは従来いろいろこの法律を運営してまいりました経験にかんがみまして、一そう事務を簡素化し、またその能率を向上しようという目的のためにこういうふうな改正考えたわけでございます。  まず、承継の問題でございますが、たとえばその仕事内容が変わらないで相続があった場合、あるいは事業全部が合併されたような場合、あとの引き継がれたところが、従来はさらにもう一度審査を申請するというようなことになっておりましたが、ここにそういうふうな仕事内容の変わらない場合にはその承継を認めるというふうにいたす。この場合には届け出の義務はもちろん残るわけでございます。  それから廃止のことでございますが、許可の効力の期限を明確にいたしたいということのために、この廃止規定を設けたわけでございます。   また報告のことに関しましては、従来こういう問題に関しましては立ち入り検査規定がございます。しかしながら、次第にこういう指定工場がふえてまいりますると、そういうことも事務相当困難になってまいります、量がふえてまいりますので。それを補足する意味最小限度報告を徴収いたしまして、それによってこういった点の不便を補完しようという考えでございます。   以上がこの改正に関しまする補足説明でございます。
  9. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、土地建物計量単位関係法令整備法案について説明を聴取いたします。川出重工業局長
  10. 川出千速

    政府委員川出千速君) 土地又は建物に関する計量単位統一に伴う関係法令整備に関する法律案につきまして補足説明をいたします。  土地または建物に関する尺貫法使用計量法によるメートル法への統一の例外といたしまして、本年三月三十一日まで経過的に認められておりましたが、四月一日以降におきましては、土地建物に関する計量についても尺貫法使用することがなくなるわけであります。これによりまして、大正十年に決定されましたメートル法への移行が、輸出関係のやむを得ない場合を除きまして完全実施になることになるわけでございます。現在法律条文の中で尺貫法計量単位使用されているものがなお相当残っておるわけでございまして、この際にこれらの十三の法律につきまして、メートル法計量単位に改める必要があるわけでございまして、先ほど提案理由で御説明いたしましたように、その法案を提出する運びになった次第でございます。  なお、土地建物につきましては尺貫法メートル法との換算率の問題でございますが、それは計量法施行法第四条で定められておりまして、一例をあげますと、一尺は三十三分の十メートル、一坪は百二十一分の四百平方メートルで換算したもので取引をする、あるいは証明をするということに四月一日以降になるわけでございます。土地建物に関する尺貫法使用猶予期間の満了に伴いメートル法への切りかえを円滑にするために、政府といたしましては、従来からメートル法実行期成委員会を通じての指導、パンフレットの作成、配布、あるいは第一線の行政機関を通じての直接指導関係業界大会等における説明指導報道機関を通じてのPRというようなことを従来もやってまいりましたが、今後さらに一そう展示会あるいは従来の方法等によりまして、メートル法への移行広報活動を継続してまいりたいと存じております。  なお、土地建物に関しまして、土地台帳と申しますか、登記簿のほうの書きかえが現在非常に膨大なものでございますので、本年の三月三十一日まで猶予期間を認めておりますけれども、そちらのほうは相当まだ残っておるのでございます。それから完全書きかえにはまだ相当の時間がかかると思いますが、これは法務省のほうの御担当になると思いますけれども、なるべく早く書きかえを完了されることを期待しておるわけでございます。さような問題はなお残されておるわけでございます。  以上によりまして、補足説明を終わりたいと思います。
  11. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 以上で三法案説明は終了いたしました。自後の審査はこれを後日に譲ることにいたします。
  12. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査議題とし、川崎地区コンビナート上空の飛行問題に関する件、及び小規模企業問題の調査を進めます。  御質疑のおありの方は順次発言を願います。
  13. 近藤信一

    近藤信一君 実は、きょうは大臣がきておられれば相当突っ込んでいろいろと質問をいたしたいと考えておりましたけれども大臣が衆議院の予算分科会のほうへ出席されて、こちらへ出席されない、こういう連絡がございましたので、一点だけ質問したいと思うのですが、これは特に昨年の暮れ本委員会審議いたしまして、中小企業の問題に関して倒産関連会社に対する法律案審議されました。一体、その後倒産関連中小企業に対する対策というか、指定、こういうことは一体どういう経過になっておるか、長官から若干説明が願いたいと思います。
  14. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) お答え申し上げます。昨年の暮れに中小企業信用保険臨時措置法を御審議願いまして採決していただいたわけでございますが、倒産関連企業をその法律の第二条に基づきまして指定をする段取りを進めたわけでございます。さしあたりといたしまして、昨年の暮れに間に合わせますために、例の姫路におきまして播磨鉄鋼会社更生法の申請をいたしました。それをまず十二月一日付で第一号として指定をいたしました。その後各通産局を通じまして指定をすべき会社につきまして調査を進めておりましたが、近く北九州の八幡及び住金関係につきまして指定をいたすつもりをいたしております。それから例の山陽特殊製鋼についても指定をいたすことにいたしております。その他また通産局を通じまして鋭意調査中でございますので、その結果が出次第、次々と指定をするというふうに考えております。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 いま御答弁がございましたように、現在調査中であるということでございますが、播磨鉄鋼だけが即日指定になったようですが、私の調べているところによると、まだいまお話のございましたサンウェーブの問題、それから日本特殊鋼の問題、それから山陽特殊製鋼の問題、こういう点についてはまだ指定がされていない、目下調査中だと、こういうことでございますけれどもやはりサンウェーブにいたしましても、日本特殊鋼にしても、山陽特殊製鋼にしても、これは金額的にも相当大きなものでございますし、これは早く指定しなければ、この三月は、来月の決算期を控えて相当中小企業倒産するのではないかということが新聞等に報道されておりますので、大至急指定してもらいたい。それから北九州の問題で、いまこれまた調査中だということでございますけれども、御承知のように、北九州は昨年相当中小企業倒産を見ておることは御承知のとおりでございまして、これも北九州は時期的にずれていくということになれば、これまた三月決算期を控えて相当また混乱してくるという危険性があるのではないか、政府では景気調整に対していろいろ国債を発行して云々ということを言われておるけれども、もう目前に迫っておる問題であるから、こういう点は私はもっとすみやかに指定すべきではなかろうかというように考えておりますし、それから昨年の暮れに私ども法案を本委員会審議いたしました際に、本、委員会においても附帯決議として、できる限り広範に中小企業対象になるように、こういうことで附帯決議がなされておるわけなんです。その前にも、大臣は、御趣旨に沿うようにというごあいさつがあったわけなんですが、その点も、法律案審議し、また附帯決議をいたしましたその趣旨に基づいて、できるだけ広い範囲中小企業に対する対策を配慮してもらいたい、こういうふうに思うのです。特に、私は鉄鋼だけの関係でなく、産業全般にわたって中小企業は三月危機ということが非常にいま叫ばれておるおりからでございまするから、この点は通産省としても至急に対策を立てなければ、三月を越えてしまってからあれあれということでは、私はこれまたたいへんなことになるのじゃないかと思うので、特にこの点は通産省としても考慮してもらわなければならぬ。
  16. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) ただいま御指摘になりました倒産関連会社等の問題につきまして、御注意がございましたサンウェーブの問題あるいは山陽特殊鋼日本特殊鋼の問題はもとよりでございますが、ただいま北九州の問題も含めて急に指定をいたしたいということでございますので、広い範囲にわたってこの問題の調査をすみやかにいたしまして、御期待に沿うように努力をいたしたい、かように存じます。
  17. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 関連して。念のため聞いておきかいのですが、いま近藤委員から具体的の対象についてそれぞれ要求をする意味の御質問があったわけでありますが、これをできるだけ広く適用対象にするようにしなければならぬと思うのでありまして、そういう線で大いに進んでもらいたいと思うのですが、それに関連して、あの特別立法は、十二月一日までさかのぼってやるということになっておるのだけれども、さっき近藤委員の指摘せられた、たとえばサンウエーブであるとか、あるいはこの日特関係であるとか、これが昨年の十二月一日にさかのぼって施行することで間に合うのかどうか、まかなえるのかどうか、その点念のために聞いておきたいと思うのです。まずこれを一つ
  18. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 法律適用が十二月一日にさかのぼっております。そういう関係もございまして、形式的にやはり十二月一日までしかさかのぼれないわけでございますが、実態をいろいろ聞いてもおるわけですけれども、まあまあ十二月一日にさかのぼってやってあげれば何とかなるというふうに私ども考えております。
  19. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 十二月一日にさかのぼることで天体いけるといういま次長答弁ですから、それで  一応期待をしますが、そこに相当無理もあるのじゃないかというふうに思われるのでありまして、その点からは、近藤委員の要望せられたことをできるだけ広く適用対象にしていくという線に沿って、十二月一日までにしかさかのぼれないそのについての対策な極力研究せられ、これを具現化するように努力してもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
  20. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 御趣旨に沿って努力いたしたいと思います。御承知のように、昨年の暮れに通していただきました中小企業信用保険臨時措置法におきましては、その他といたしましても、無担保保険制度もございます。それから無担保保証のものにつきましても、限度額の引き上げあるいは保証条件の緩和というようなことをいたしまして、そういうものをあわせていたしたいと脅えております。
  21. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 いまの無担保保険をつけるほうは二百万円までですし、いわんや無担保保証人融資のほうは五十万に引き上げたけれども、とにかくこれは五十万円までで、サンウェーブ関係だとか、日本特殊鋼関係だとか、いわんや山陽特殊鋼関係になりますと、なかなかそんな金じゃ問題にならないので、例の一千万円に別ワク上のせ、あるいは組合対象になる場合には二千万田の特殊別ワク上のせをやれるということにならないと、これは問題にならぬと思うのですね。その点でもう一つ問題があると思うのですが、この点はどうですか。
  22. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 第二種保険限度額が一千万円までということになっております。それを下請関連倒産企業の小さいところなどは、限度一ぱいまで保証をつけてもらうということで余裕かなくなっておるという点が一つの問題なわけですが、私どももこの点は認識をいたしているわけでございます。一方におきまして、保証協会の能力というような点も考えてみますというと、相当この前の法律改正によりまして、新しい制度をたくさんやっていただきました。そういうところにまず重点を置いて活用して保証拡充をはかっていきたいと思っております。第二段階の措置としては、私どもはそういう一千万円の限度拡充ということもぜひやっていきたいというふうに考えております。
  23. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 十二月一日までにしかさかのぼれないというそこに制約があるものですから、同じようなケースについて、一方は別ワク上のせができる、一方はそれができないというようなアンバランスが出てくることは非常に問題だろうと思うのです。そういう点で真剣に研究せられて、もし足らざるところがあれば、これほど中小企業が困っている際ですから、またあの法律緊急事態に処する特別立法なのですから、研究をせられて、て、もし足らざるところがあれば、これに対するさらに追加的な措置を講ずる、またそれについての立法も緊急に考えられるということでいくべきだろうと思うのですが、その点はどうですか。
  24. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 中小企業が現在当面いたしておりますいろいろな困難にかんがみまして、いろいろな問題が出てくるに応じて、直ちにそういう状態に適応していけるような体制というものをいろいろ進めていきたいというふうに私どもとしては考えております。
  25. 赤間文三

    赤間文三君 ちょっと関連して。影山次長に伺いたいのですが、不況がだいぶ続いておりますが、去年の十一月十二月、ことしも一月、二月も大体終わりに近づきました。中小企業不況影響を受けて、去年の十一月、十二月等に比べて、現在どういうふうに不況中小企業影響しているか。言いかえてみれば、ますます強くなっているか、きつくなっているか、あるいは大体横ばいか、あるいは少しずつ政府の政策で不況が減っているとは言えないが、よくなるような状況にあるか、そこのところをちょっと聞いておきたい。不況の及ぼす影響、ひどくなっているか、あるいはゆるくなっているか。
  26. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 私どもも常に中小企業がどういう条件にあるかということをいろいろと直接あるいは間接に聞いているわけでございますが、最近の情勢といたしまして、御承知のように今度四十一年度におきまして、政府といたしまして、予算財投等において大幅積極予算というものの体制を打ち出して、総需要というものがある程度規模がきまったわけでございます。そういうことをあれいたしまして、従来中小企業の皆さんのお話を聞きますと、何をやってほしいかということを聞きますと、受注が欲しいというようなことを言っておられるのであります。そういう状況が変わったとは申し上げられませんけれども、そういうところを好感いたしまして、前途に将来の希望を持ってきたということが一つ。それから日本経済全体の情勢も、一口に申しまして、最近は生産が多少の上昇を示しており、あるいは出荷もそれ以上の上昇を示しておりますので、在庫が多少減少ぎみというようなことになってきまして、そういう点から申しまして、景気もある程度底を究いたのじゃない、だろうかというような、統計的に見ましても情勢も出ておりまして、まあ政府が行ないました需要喚起策等とも相まちまして、今後明るい方向に進んでいくのじゃないかというふうにまあ考えているわけでございますが、なかなかやはり、たとい明るい情勢がありましたとしても、中小企業にそういう効果が及んでまいりますのには相当の時間もかかりますので、そういう点につきましては、中小企業対策を怠るというわけにはいかないというように考えているわけでございます。
  27. 赤間文三

    赤間文三君 お話の筋はわかりますが、私の見るところでは、なかなかもってこの不況は、中小企業にとって、ずっと倒産件数が減ってくるとかというようなことも、その倒産する会社の規模なんかによっては減るところもあるいはあるかもしれないが、まだ少なくともやはり三月のころまでは、ある意味からいうと不況があがるどころではなくて、まだ悪くなってくるのじゃないかと思うので、影山先生と大いに所見を私は異にしているのですか、あなたの考えからいくというと、倒産件数は何か幾分減ってくる。それから一番中小企業が希望している仕事を多くくれ、多くくれというようなことも政府の施策から見て、あるいは土木事業中小企業を使えとか、あるいは官需を中小企業に回せとか、あなた方のいろいろな努力によってよくなろというようなことだが、中小企業に潤ってくるところにはなかなかまだこない、ずっとおくれている。一般に景気がきても、不況から中小企業が景気の恩恵に浴するのはおくれてくる、どっちかというと、いいことはおくれてくるが、悪いことは早くしわがくるというように考えておりますが、少し考え方が、あなたのところではずっと大体あまり深刻にもならずに、まあ少し気分だけは明るくなったからということで、深刻の度合は、そこがぼくと違うように思うのですが、何かいい材料がありますか。倒産件数が減るとか、あるいはもうそろそろ施策がしみ込んできたとか、仕事がふえてきたとか、何か具体的にいいものがありますか。私はまだ三月ころまでは、よくなるなんて考えられない。いままで何とかやっておったが、もういよいよしようがないから、そろそろまだ小さな零細なようなものは、だいぶこれは整理をせざるを得ないような、とにかく深刻に実質はなるのじゃないかと思います。こういう見方です。そこのところをお聞きしたい。
  28. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 基本的な考え方といたしましては、私どもも先生と同じように考えておるわけでございまして、最近の情勢といたしまして、多少政府の施策等を好感をしておるというようなところが、徴候が出てきておるというだけでございまして、基調的にはやはり中小企業にまでそういう恩恵、市場喚起の効果があらわれてくるということは、早急にまだ結果は出てきていないわけでございます。だから、そういう点におきまして、まだ景気は、特に中小企業に関してはまだ上昇のきっかけはつかまれていないというふうに私ども基本的には考えているわけでございます。  倒産の件数でございますけれども、これはずっと四十年中は大体月五百件以上という線が続いておったわけでございますが、昨年の十二月におきましては六百十一件ということで、六百件の台をこしたわけでございます。ところが、一月になりまして三百七十八件というふうに非常に数が減りまして、昭和四十年の一月は四百二件ということになっておりましたが、倒産件数を一月だけを比べますと多少減っております。しかし、二月の半ばごろまでの情勢では、また五百件を突破するのではないかというふうな観測をいたしております。決して楽観はできないというふうに考えております。
  29. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 関連。いま影山次長からは、一番中小企業界が熱望しておるのは何かというと、需要の喚起と言うのでありますが、そのとおりだと思うのであります。民間の設備投資のほうはなかなかもう期待もできないだろうということで、財政投融資で御承知のとおり需要を喚起しようとしておる。この際最も必要なことを政府がやるべきなのが、ちょっと抜けておるのじゃないかというような感がすることが一つあるのですが、それは官公需の発注確保法律をこの際なぜつくらぬかということなんです。これは中小企業基本法の中には、官公需発注を確保するということが表に出ておる。その裏づけの法律が出ておらぬ、中小企業基本法関係で表に出ておるもので法律の裏づけができるておらぬというのは官公需の発生確保だけだと私は思うのです。しかも、いま需要喚起のために財政投資、これに重点を置いて国債発行までしてやろうという、それに官公需の発注を中小企業のために確保するという法律制度というものがまだできておらぬ。ここにぼくは非常に問題があると思うのです。この点をどういうふうに考えておられるのですか。
  30. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 基本法にいろいろと中小企業対策が述べられておりますが、その中で残っております施策は官公需の発注確保であるということはお説のとおりでございます。基本法を制定いたします当時に、官公需の発注につきまして、いろいろと中小企業庁といたしましても検討いたしたわけでございますが、各省の発注の実績をその当時調べてまいりましたところが、県段階も含めまして、全体の五〇%まではいっておりませんが、四〇数%までいっておりましたということを前提といたしまして、アメリカあたりではたしか三〇%ぐらいを確保するための努力をしている。そこでむしろそういうふうに各省それから各県あたりが積極的に中小企業のほうへも官公需発注を確保してやろうというふうな体制も、私どもは連絡会議を持ちながらお願いをしておりますので、まおそういう点さしあたりは各省との間の連絡会議、及び中小企業者がせっかく官公需発注の機会があるにもかかわらず、手続等を知らないためにそういう機会に恵まれないという場合もありますので、そういうところの啓蒙宣伝ということに力を注いできておったわけでございますが、こういう情勢になりまして、やはり官公需につながるところの中小企業は、たとえば電電公社につながっておりますところの電気通信機械というようなものはわりあい不況影響を受けていないというような点もございますし、まあ今後はやはり中小企業の安定した一つの受注先という意味で、官公需の発注につきまして何らかの措置をとらなければいけないということを私ども考えて検討いたしておるわけでございます。その場合に、官公需の発注の確保法律をつくるか、あるいは御承知の会計法に基づきます予決令を改正いたしまして、ある製品を指定するというようなことをいたしまして、その場合にまあ大企業中小企業と、品質においても価格においても同じなら、できるだけ中小企業のほうを買ってやれというようなことができるかどうかというようなことを、私どもとしては現在検討いたしておるわけでございますが、御承知のようにそういう政府関係機関の発注と申しますものは、やはり国民の税金から出てきておりますものでございます、財源が。だからできるだけ合理的な、経済的な発注をしなければいかぬという大原則があるものでございますから、それを中小企業対策の面からどの程度これを曲げていくかという点に一つ問題点があるかと思いますが、そういう点も含めまして、私どもといたしましても検討中でございます。
  31. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 官公需発注を確保するために、従来中小企業庁でもいろいろ研究もしたり、各省とも連絡をしたりしておることも聞いておるし、それにこの委員会に配った資料だけでもこれくらいの厚さのあるたいへんな資料でしたが、しかし、そういうようなことだけでいいとは言えぬのですね。これは中小企業基本法にすでに頭を出しておる、それの裏づけの法律がいまもってないという、そういう政治的な立場からしても、これは何としてもやらなければいかぬ。ことに各省から発注する場合に、お話のように経済的な合理的な発注もしなければならぬという一面制約があればあるほど、法律制度というものが確立せられぬと、そこの基準というものがはっきりしない。ことにわれわれ懸念しておるのは、個人会社相手の場合には、中小企業者だというのでついつい軽く扱われる。そんなら協同組合で共同受注をしたらいいんじゃないかということで協同組合でいくと、はたしてその協同組合を入札のときに認めるのか認めないのか、あるいは認めるということにはなっておるかもしれないけれども、実際はどうも二番三番せんじのほうに回されるというようなことであるようですから、そういう点から見てもこの共同受注ができる、それには協同組合あるいは商工組合、こういう制度をどういうふうに扱っていくかというようなことをはっきりさせないといかぬと思うのですね。そういう面からも、この際官公需発注の法律制度を早急にやる必要があるのじゃないか。これは民間設備投資本位でなくて、財政投資本位になるというだけに、ここからしばらくの年次については、特に官公需の発注確保、これの法律制定が必要だと思うのです。これはもう非常に早急にやるべきだと思うのです。もしもやらぬのだったら、議員立法でもやらなければならぬということにぼくはなると思うのです。そういう点で真剣に、急速に研究してもらいたいと思うのですが、その点どうですか。
  32. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 先生の御趣旨よくわかるわけでございまして、早急に大蔵省あたりとも相談をいたしまして、この制度を検討してみたいというふうに考えております。
  33. 永岡光治

    ○永岡光治君 関連。ただいま次長の御答弁によりますと、中小企業に対する発注確保と申しますか、そういう意味法律をつくったらどうかという鶴田委員の質問に対して、いや、いまでも実際調べると、中小企業のものが外国よりはかなり実績としていっておる、こういう御答弁があったのですが、にもかかわらず、なおかつ不況だということになれば、それはもう七割も八割も確保するという法律がなくてはこの不況は乗り切れないと私は見ておるのです。だからアメリカやイギリスが三割あるいは四割にいっておるから、日本はそれ以上にいっておるからいいじゃないかということにはならないのですからね。アメリカ以上に実績があるにもかかわらず、なおかっこの不況が乗り切れない、中小企業倒産が続いておるということを考えなければならないわけですから、ぜひ私は七割なり八割をこの際ぜひ確保するという立場に立っての御検討を願いたいと思うのですが、どうでしょう。
  34. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 基本法制定当時におきまして、中小企業庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、実績と外国の例等も比較いたしまして、まあまあと考えておったわけでございますが、先生のお説のように、最近の不況状況というのは相当深刻化いたしておりますので、その程度で満足してはいけないというふうに考えておるわけでございます。
  35. 永岡光治

    ○永岡光治君 そこで、この実績の見方ですが、いろいろあるだろうと思うのですが、いま電電公社の発注状況について御説明がございました。これは相当いっておるということですが、私は必ずしもそうではないと思うのです。むしろ私ども逓信関係考えておることからいえば、もっともっと中小メーカーに対して大幅な発注をすべきだというのが私どもの年来の主張ですよ。ついては、この商工委員会のこれは資料にしていただきたいと思うのですが、電電公社の発注の先と金額、製品、それをひとつここに提出してもらいたいと思うのです。むしろそういう次長考えておる甘いものではないと私は思うのです。中小メーカーは非常に困っておるのだ、何とかしてと泣きついてきておるのが私の認識なんです。大メーカーにはやるけれども、それは一次なり二次産業の下請に行ってしまって、結局は中小メーカーというのは非常に苦しい状況にあると私は認識しております。その点ははたして私の認識が間違っておるのかどうかも、この際中小企業の担当者としての立場から資料をひとつ私は要求して提出をしていただきたいと思うのです。
  36. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 電電公社の例を引きましたのでございますが、電電公社につながる通信機械関係が現在のところ不況影響をあまり受けてないという例といたしまして申し上げたんでございますが。
  37. 永岡光治

    ○永岡光治君 いや、そんなものではないですよ。
  38. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 電電公社につきまして、郵政省あるいは電電公社とも相談いたしまして、早急に資料をつくって提出いたしたいと思います。
  39. 井川伊平

    ○井川伊平君 ちょっとお伺いしますが、承りますと、中小企業の倒破産の数が少なくなっているということは喜ばしいことでございますが、大体無担保で融資をいたしましたものを、月割りにいたしましてどのくらいの資金が融資されておるか、金額を知りたい。口数及び金額、これを知りたいので教えていただきたい。
  40. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) ちょっと手元に資料がございませせんが、例の特別小口保証の実績につきましては、現在十二月末までに十九億二千二百九十六万円という実績がございます。
  41. 井川伊平

    ○井川伊平君 一月……
  42. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 一月の実績はまだあがってきておりませんが、早急に調べて提出いたします。
  43. 井川伊平

    ○井川伊平君 なお、私どもこれを心配いたしますのは、そういうような利用していけるものが、日本全国の地域的に見まして、大体口数、中小企業の数、そういうものから平等な割合で利用されておるか、それから一地方にかたまって利用されて、それは多いところはおのずから一つの地域でも融資を受ける者が多くなることは、それは当然  ですけれども、何かの標準に基づいて不公平にこれが利用されているのではないかという心配もあるが、こういう点についてはどういう御配慮を持っておられるのですか。
  44. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) この保証承諾の実績を件数で眺めてみますと、大体中小企業が密集しておりますところの東京、あるいは愛知県、あるいは大阪というようなところの実績が伸びておりまして、大体中小企業者の分布に応じてこういう特別小口保証も伸びておるものだと私どもは推定いたしておるわけでございますが、ただ、御承知のように、信用保証協会が全部で五十一あるわけでございますが、おのおのまあ県の力の入れ方等にもよりまして、保証協会自体の力というものも多少の差がございます。ただそういうところを補強いたしますために、私どもといたしましては、各県の積極的な出損等の援助を要請いたしますとともに、御承知中小企業保険公庫からの融資基金をこれに流してやりまして、それで積極的に特別小口保証あるいは無担保保証の実績の少ないところを補強するようなかっこうで融資基金を流すというようなこともやっております。そういうふうに積極的にやることを考えております。
  45. 井川伊平

    ○井川伊平君 その当時多少疑問になっておったことでありますが、地方の五十一あるという保証協会は、これに協力しなければならぬという法律上の義務はありませんね。法律上の義務はないけれども、それは公平に行きわたるであろうという見越しでやっているのであるから、そういうことは法律上の義務はなくても、五十一の保証協会はそういう点を十分注意してやっているかどうかという調査はきわめて必要な行政事務だと思うが、まだそういう点で全然調べていないような口ぶりであるが、そういう点はどうですか。急いで、うまくやっているかどうかということを各五十一の保証協会について調査することが急務ではありませんか。
  46. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 各保証協会につきまして、特別小口保証の実績、これは保証承諾の件数及び金額は手元にも持っておりますが、調査をいたしております。ただいま申し上げましたように、東京であるとか、あるいは愛知県、あるいは大阪府というようなところ、あるいは福岡県もそうでございますが、件数等もそういうところが非常に伸びておるということは、その調査の結果でございます。
  47. 井川伊平

    ○井川伊平君 それは東京、大阪、それから名古屋のほうが多いことは当然わかることでありますが、調査しておるというのなら、そればかりでなく、日本全国五十一の保証協会について、予定しておるとおり円満に履行されておると言えますか。
  48. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 私ども期待いたしておりますようにやっていただいておるところもございますし、やはり県によりましては、まだちゃんとやっていただいてないところもございます。
  49. 井川伊平

    ○井川伊平君 わかった。そういう遺憾な県については、どういう処置をとっておりますか。
  50. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 私ども強制権というようなものもございませんし、先ほど先生もお話しございましたように、法律上の義務づけも行なっていないわけでございますが、私どもといたしましては、もう常に、先般も保証協会の役員の会合を開きまして、常にこういう特別小口保証の実績を増加するようにということを頼んでおります。また県を通じても依頼をいたしております。強く要請いたしておるわけでございます。
  51. 永岡光治

    ○永岡光治君 これはもちろん商工委員会の所管事項とは若干違うと思いますが、しかし私は中小企業という見地から考えるとするならば、当然関連が出てくるわけでありますが、官公庁の建築ですね、そういう関係についても大手筋に重点を置き過ぎて、中ぐらいのところでもできるようなものを指名から除くという傾向が非常に私は強いと見ているわけです。こういうことも、中小企業庁としては直接の主管管庁でないけれども、軌を一にする問題だと私は思うんです。だからひとつ政府みずからが進んで官公庁の建物は全部私はそういう方向で中メーカーで、しかも地元ではこれをやってもらえば助かるのだというところがあるにもかかわらず、大手筋が東京あたりから地方にどんどん入ってくる。官公庁の建物ですよ、民間は別として、そういう傾向が非常に強いですよ。だから地元としても、地元の育成なり、あるいはそういう中小業者を助ける、中小業者ということになれば、当然やはり中小メーカーからいろいろな品物を入れるについての関連があるわけですが、ぜひ率先してやってもらいたいと思うのです。この点に対するお考えはどうですか。
  52. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 官公需のいろいろ実績等も調べてみますと、わりあい各県のほうは、地元の業者をできるだけ使っていこうという傾向が強いようでございます。特別にそういう県庁の建物とか各省庁の建物につきまして、できるだけ中小企業建設業者を入れていくということは望ましいことだと思います。最近オリンピックの建設工事が一段落して以来、やはり大企業の建設業者も仕事がなくなりまして、中小企業の分野にまで進出してきて、中小企業の建設業者が困っておられるということも私ども承知をいたしておりまして、相当に強い関心を持っているわけでございます。そういう点につきましては、やはり官公需の発注の連絡会議もやっておりますので、そういう席上で要請をいたしておるわけでございます。
  53. 永岡光治

    ○永岡光治君 これは単なることばの上の表現でどうするとか、大いに努力しますということでなしに、私は現実の施策の上にあらわれることを期待するわけです。いまのお話によりますと、地元のその地方の官公庁の建物は、その地元の者に資格があれば、そういう者に持っていきたいという考え方があるようだということですが、これは全然うそです。全く現実は違っております。だからそういう点もし皆さんがそうでないと言うなら、私は資料を出してもいい。現実に私の知っているものはたくさんあります。いま連絡会議を持ってやっていくということでありますから、これもけっこうであります。当面少なくとも四十一年度の工事は四月から始まるわけですが、その際にはぜひ地元重点で、大業者に重点を必ずしも置くのでなくて、中小メーカー、これを育成していくというか、立て直しに協力していくということについて確約できますか。
  54. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 中小企業庁の立場といたしましても、その方向に向かって推進いたしたいということはただいま申し上げられますが、現実に県庁にそういうことで発注させるということまでは確信がないのでございます。
  55. 永岡光治

    ○永岡光治君 そういう程度だからだめだ。その連絡会議というのは、大臣の連絡会議ですか。次官の連絡会議ですか。
  56. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 中小企業庁が中心になってやっているわけでございます。
  57. 永岡光治

    ○永岡光治君 各省からは……。
  58. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 各省からは建設省、自治省等が出てきております。
  59. 永岡光治

    ○永岡光治君 二つだけですか。
  60. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 大蔵省も出てきますし、防衛庁も出てきますし……。
  61. 永岡光治

    ○永岡光治君 主催は企業長官ですか。
  62. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) そうでございます。
  63. 永岡光治

    ○永岡光治君 具体的に出てくる各省の名前と、その各省からはどういう地位にある者、まあ次官が出るのか、あるいは担当の局長が出るのか、課長が出るのか、その辺のところをちょっと明確にしてもらいたいと思うのです。
  64. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) たいてい局長クラスをメンバーにしているわけですが、現実に出てくるところは課長クラスも出てきます。官庁によって違います。
  65. 永岡光治

    ○永岡光治君 その官庁は、各官庁全部出ますか。
  66. 影山衛司

    政府委員影山衛司君) 各省全部出ます。
  67. 永岡光治

    ○永岡光治君 これはおそらく私もそうじゃないかと思うのですが、お座なりの会議になってしまうのです。やりましたというだけですよ。それでは実行上生きてきません。次官あるいは大臣が出る、そういう規約ぐらい、文字にあらわさなくてもいいけれども、はっきりしたものをつくって、それを忠実に守るというぐらいの申し合わせをして、必要に応じて連絡会議で各省の結果を報告して、中小企業庁はその報告に基づいて足りないところをなお叱吃激励するという、そういうところくらいにならないとこれはだめだと思いますよ。おそらく毎月開いているのじゃないだろうと思うのです、私は。これはときどきしか開かないだろうと思うのですが、そういう点をもう少し迫力あるもの、実行力のあるものにしてもらいたいと思うのですが、これは次長に要請しても無理かもしれません。しかし、政務次官がそこにおいでになるわけですから、堂々とぜひやっていただきたいと思うのですが、政務次官どうですか。
  68. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) ただいまお話しになりました官需、ことに地方の公共の事業につきましては、ここで申し上げるほど正確なものではないのでございますが、つい先般、企業件数の上から考えても、中小建設業者の倒産がきわめて多いのであります。そういう関係から、今後受注の促進をいたしましても、大企業メーカーだけで、企業者だけで請負をするということではその工事自体が伸びないというような弊害等もありまして、建設省におきましては、中小請負業者というものの活用を今後積極的にはかることにしたいというような話を私は承ったのでございます。しかし、これは単にその局の話でございまして、正確な資料を持っておりませんが、ただいまお話しになりました問題は、御指摘のように単に会合をしてその趣旨を申し合わせるというだけでは実効があがりにくいことであろうと存じまするので、少なくともそれぞれ申し合わしたことは、中央で申し合わしたそのこと自体を各地方官庁に通達なりあるいは指導なりをいたしまするようなことにいたしまして、的確にそれが実行されるようなふうに考慮をいたしたい、かように考えます。
  69. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 関連。そういう点を考えても、やはりこの際官公需発注確保に関する法律というものをつくって、その中へ官公需発注、受注の連絡協議会というようなものを明記して、そうして各省の事務次官くらいがそれへ出るというようなことにすれば、初めてある程度促進せられてくると思うのです。それはいま連絡協議会があるとかいうけれども、課長がせいぜい出てくるくらいなことでは、それはもう推進力をかけるわけにはいかぬし、その一事から見てもこの際官公需発注に関する法律というものをつくる必要があると思うのです。この点大いに政治的な関係ですが、政務次官あなたにひとつ御答弁を願っておきたい。
  70. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) ただいま次長からお答えを申し上げましたようなことでございまして、直ちに、いますぐ法文化してこの国会に出していくというようなことはなかなか困難であろうかと存じますが、そういう根拠のあるしっかりしたこの官公需発注確保に関しまする手配をいたしたい、かように考えます。なお、できればいまお話がございましたように、中小企業基本法全体の中からもこの問題が等閑視せられているうらみがございますので、この問題につきましては、部内でよく検討をいたしまして、早急にこの対策を立てるよう一にいたしたい、かように存じます。
  71. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 この点については、官公需発注がいまの景気直しの重点になっている。ですから、それだけにこの際懸案になっている官公需発注確保に関する法律制度というものを確立しないと、いつのときにかこれをやるのであろうということになると思うのです。その点じゃ堀本政務次官も内心では必要だと思っておられるのでしょうけれども、まだちょっといろいろ相談があるからということかもしれませんが、早急にひとつ三木通産大臣と御相談願って、次回には通産大臣出られるようですから、その際にまずこの問題をどうするかということを三木通産大臣から答弁があるようにひとつお計らいを願いたいと思いますが、いかがでございますか。
  72. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) ただいま御要請のありましたこの問題につきましては、きわめて重要なことでございますので、この本日の委員会で各委員から御発言のございました御趣旨を十分に大臣に伝えて善処をいたしてまいりたい、かように存じます。
  73. 向井長年

    ○向井長年君 ちょっと関連で一つ。  いま官公需の問題が出ているのですが、これは先ほど皆さんが言われたとおりなんですが、実際問題として、最終的にはやはり入札で大企業に負ける可能性があると思うのですよ。負けるというか、実際問題としてはそういうかっこうになってくるおそれがあるのです。それをカバーしようとすれば何といっても、これは建設問題だけじゃありません。一般の産業ですが、いわゆる産業分野を確立しなければならぬのじゃないかと思うのです、根本は。したがって大企業中小企業の分野までいま大きく系列的に進出してきている、こういう状態が強いわけでしょう。したがって、やはり産業産業によってこれは第一次産業であるとか第二次産業であるとか、こういう分類の中からやはり産業分野というものを中小企業にはっきり与える、こういうような産業分野の確立の法律をつくらなければ、最終的にはこれは根本的にそういうものを育成できないと思うのです。こういう点についてどうですか、検討する余地ありますか。非常に大きい問題です、産業分野の問題ですから。
  74. 堀本宜実

    政府委員堀本宜実君) この問題につきましても、先ほど来申し上げておることと変わりはないのでありますが、要するに御指摘になりましたように、中小企業の請負し得る限度それ自体の改正が基本的に行なわれなければ、やはり大企業が優先して入ってくるおそれがあって、幾ら地元で手持ちの人数を持ち資材を持っておりましても、入札なりに参画する資格というもの自体が与えられておらないという基本的な問題が御指摘のようにございますので、この問題につきましては、やはり建設省その他とこの官公需の必要性等を勘案いたしまして、その受注し得る能力を引き上げて、限度を引き上げてそのクラスに入れてくるということが行なわれなければやはり問題があろうかと考えますので、その点につきましても十分に関係官庁と協議をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  75. 村上春藏

    委員長村上春藏君) 他に御発言もなければ、本問題に関する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会      —————・—————