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1966-06-22 第51回国会 参議院 災害対策特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十二日(水曜日)    午後一時十一分開会     —————————————    委員異動  六月十四日     辞任         補欠選任      浅井  亨君     宮崎 正義君  六月十五日     辞任         補欠選任      園田 清充君     土屋 義彦君  六月二十二日     辞任         補欠選任      大倉 精一君     羽生 三七君      伊藤 顕道君     鈴木  力君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         成瀬 幡治君     理 事                 青田源太郎君                 稲浦 鹿藏君                 永岡 光治君                 白木義一郎君     委 員                 大森 久司君                 近藤英一郎君                 土屋 義彦君                 藤田 正明君                 山内 一郎君                 米田 正文君                 鈴木  力君                 瀬谷 英行君                 羽生 三七君                 森  勝治君                 宮崎 正義君                 高山 恒雄君    国務大臣        建 設 大 臣  瀬戸山三男君        国 務 大 臣  上原 正吉君    政府委員        総理府総務副長        官        細田 吉藏君        科学技術庁研究        調整局長     高橋 正春君        農林政務次官   後藤 義隆君        中小企業庁次長  金井多喜男君        気象庁長官    柴田 淑次君        消防庁次長    川合  武君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        国税庁直税部所        得税課長     林  大造君        文部省管理局教        育施設部長    中尾 龍彦君        農林大臣官房参        事官       来正 秀雄君        農林省農林経済        局保険業務課長  井戸 吉次君        郵政大臣官房電        気通信参事官   鳥山 好三君        自治省財政局財        政課長     佐々木喜久治君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (松代地震に関する件)  (昭和四十一年六月の降ひょうによる農作物等  の被害対策に関する件) ○冷害被災農家経済安定のため、救農土木事業実  施促進に関する請願(第二〇四号) ○長野県松代地震対策に関する請願(第二七五  号)(第三一八号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告を申し上げます。  六月十四日、浅井亨君が委員辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。六月十五日、園田清充君が委員辞任され、その補欠として土屋義彦君が選任されました。また本日、大倉精一君、伊藤顕道君が委員辞任され、その補欠として羽生三七君、鈴木力君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  本日は、松代地震に関する件、降ひょうによる農作物等被害対策に関する件の順序で調査を進めます。  なお、政府側出席者につきましては、お手元に配付いたしました出席者一覧表をごらん願いたいと存じます。  それでは、最初松代地震対策について、質疑の通告がありますので、これを許します。永岡光治君。
  4. 永岡光治

    永岡光治君 松代地方地震対策について関係政府当局質問をいたしたいと思います。同時にまた、これは強い要望もあることでありますので、格段の熱意をもった御答弁をいただければ、非常に幸いだと思っております。  先般、当委員会におきましては、昨年の暮れだと記憶いたしておるのでありますが、松代地方にまいりまして災害状況を視察してまいりまして、当委員会にも報告し、政府に対する要望もし、また政府からは、それに対する善処されてまいりました措置も承ってきておるのでありますが、さらに先般委員長以下各党各派代表がこれに加わりまして、松代地方のその後の状況を視察してまいったのであります。そういう立場から、地元の強い声を承りつつ、私ども考えて、ぜひこのことだけは政府のほうにも実施をしていただきたい、こういうことで五点にわたる要綱をまとめまして質問をいたします。  第一点でありますが、実は有線放送施設の問題であります。地震災害設備がこわれる、当然のことでありますが、その設備をこの際補強しなければなりません。有線放送施設補強及び緊急に備えての発電機設置でございますが、これに対して特別な財政措置を講じていただきたい、これが第一点でございます。  それから第二点は、地方財政に関する問題でございますが、これを二つに分けまして申し上げますと、市民税あるいは市町村民税、これは地方税であります。固定資産税等もこれに含まれるわけでありますけれども、その地方税の減免に対する財源補てんについて、特別の財政措置を講じてもらいたい。多くを申し上げぬでも十分御理解をいただけるものと思いますが、それが一つ。  それからもう一つは、災害対策援助について欠けているのは、個人災害というふうなものは、従来どうもあまり大きなめんどうを見てもらえなかった傾向があるわけでありますが、今回の場合もそれが顕著にあらわれているわけでありまして、特に地震関係でありますから、住宅補強というものが非常に緊急を要する問題でございまして、まあかわら、柱、壁、いろいろあるわけであります。そういう意味で、おふろなど、地震がやってまいりますと、ひびが入ってまいりまして、全部もとをこわしてまた新しくつくりかえなければならないという状況が起こっているのが、現実のようであります。そういう意味で、個人住宅補強に対する補助、それからもう一つは、消防用ホースの購入、また養蚕保温のための施設、その他震災対策に要しました諸経費について、特別の財政の御援助をいただきたい。これが地方財政に対する二つのまとめた要望なり、質問でございます。  第三番目は、国税に関する問題でございます。地震のため建物補強または補修に要した経費を、全額必要経費として算入されるよう特別の措置を願いたい。これはまあいろいろな会社等で、建物補強のためにかなりの経費を使うわけであります。あるいはまた、かわらが落ちてしまうとか、壁がくずれてしまうとか、そういうことがあるわけでありますが、そういうときには、どうしてもほっておきませんで金をつぎ込むわけでありますが、そういう意味で、損金と申しますか、そういう意味で特別にこれを必要経費として算入した上で国税の計算をされるように特別の措置をお願いしたい。こういうのが第三番目でございます。  それから第四番目は、地震科学研究センター設置をこの松代に置いてもらいたいということでありますが、これは同僚の羽生委員地元事情もつぶさに御検討されておるようでありますから、この項はあらためて羽生委員にお譲りすることにしたいと思います。  それから第五番目は、観光施設融資に対する返済緩和措置と申しますか、そういうものをこの際ぜひ講じていただけないだろうかというお願いであります。あの地方はかなり温泉場があるわけでありますが、地震が非常に大きく全国的に宣伝されておりますために、どうもあそこに行くとあぶないというので、お客さんも減ってくる、自然収入も少なくなるということで、せっかく融資をいただいた金でありますけれども、なかなか返済が困難である。そこで、この返済方法についてこれを緩和してもらいたい、こういう要望であります。  以上、私は五点と申しましたが、地震研究センターについては、羽生委員にかわって質問をしていただきますので、四点でございますが、これについて地元からの非常な熱望もあります。私ども、ぜひ政府当局にも実施をしていただかなければならぬ。こう考えまして、要望を兼ねまして政府質問を申し上げた次第でございます。どうぞ冒頭に申し上げましたように、懇切丁寧に誠意のある御答弁をいただきたい、かように思う次第でございます。
  5. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  6. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起こして。
  7. 羽生三七

    羽生三七君 ただいま永岡理事から要望のありました松代及びその周辺地震関連をする政府対策、これにつきましては、率直に申して、現行法律の許す範囲では、よく政府はやっておっていただいておると存じます。このあと、国でない県がやる仕事について、交付税なり特別交付税交付金でどういう処置をしていただくかは、今後の問題になると思いますが、それとは別に、地元要望の中の一つに、松代地震科学研究センターをぜひ設立をしていただきたいという要求がございました。この松代及びその周辺地震による住民の困難は、すでに申し上げるまでもないと思います。物質的な問題のみならず、精神的にたいへんな困難を経験いたしております。これは単に松代だけの問題ではなしに、地震国日本として、今後この種の地震をどう予知するかは、非常に大きな問題であろうと存じます。その地震予知の科学的な研究を発展さしていくということは、単に松代及びその周辺地域の問題のみならず、日本全体の問題として十分検討に値する重大な問題であると考えております。したがって、これは局地的な問題ではないと思います。そういうこととともに、八月がくればほぼ一年この地震が続いておるわけでありますけれども、普通ならば二十年、三十年を要するであろう研究を、このわずか一年足らずの松代地震によって、地震研究としてはかなり大きな成果をあげておると思います。そういう意味で、ある意味では、松代及びその周辺地域住民が非常な犠牲を受ける、その中で、いま、こういう長期にわたる研究が短時日に進められておるという事情もあるわけであります。その意味でも、この地元住民要望にこたえる何らかの国家的な科学研究センターをつくっていただけるならば、単に地元民要望にこたえるのみならず、国家的にも重大な利益があると考えるわけであります。それともう一つは、すでに大臣その他政府委員御存じのように、本年の五月二十三日から四日間、スウェーデン核探知クラブが結成されました。これには日本からは、東大地震研究所及び外務省の軍縮室等から四名の代表が参加し、主催国スウェーデンのほかに、日本、インド、オーストラリア、カナダ、アラブ連合、ポーランド、ルーマニア、西側三カ国、東側二カ国、非同盟国三カ国、計八カ国で核探知クラブが発足したわけであります。これは昨年九月、スウェーデン提案地下核爆発探知のための国際協力に関するメモランダムというものから発展をしたわけであります。この会議の結果、御承知のように、声明を発表いたしております。その中で、「全世界を通じて——これは核実験のことでありますが——この禁止協定のすみやかなる締結に非常な大きな——地震研究がですね——非常な大きな利益があり、地震学がこの目的に役立つならば、その能力資源はできる限りすみやかにかつ有効に動員されるべきであるということが承認された」と述べ、さらに終わりにおきましては、「将来この行動の決定は各国政府にゆだねられるが、今回の会議で高まった関心と勢いを持続するために、スウェーデンは暫定的に非公式の書記局を提供し、近い将来さらにアイデアの交換をするための行政的基礎を提供するであろう」、こう結んでおります。こういうふうに、国際的にもいまこの地震科学研究を深めるということは、核探知とも関連をして非常な大きな問題になっておるわけであります。したがいまして、もし松代にこの種の地震科学研究センターがつくられるならば、松代及びその周辺地区、及び日本全体の地震予知のために非常に貢献するのみならず、いまの八カ国世界会議のこの要望にもこたえ得られる問題であると思います。したがいまして、そういう意味で、今日まで私は各方面にこの要望を述べてまいりましたが、幸いに当委員会でも、いま永岡理事から要望がありましたように、地元民要求としてこれを取り上げて政府の意見を問われておりますので、この機会にひとつ関係大臣から、これに関する積極的な御見解を承らしていただきたいと思います。
  8. 上原正吉

    国務大臣上原正吉君) この地震予知その他の研究につきましては、専管省庁運輸省建設省と、それから研究機関としては大学、こういうことでございまして、科学技術庁——ただいま委員長から、科学技術庁長官が急ぐからということで特別におはからいいただいたわけで、私からもお礼を申し上げるとともに、お断わりする次第なのでありますが、専管省庁運輸省建設省と、それから大学ですから文部省のわけなのでございます。ただ、私のところにも防災科学技術センターというものがありまして、地すべりその他の研究を続けております。それからまた、地震実験装置を、予算をちょうだいして、少々日本としてはまあ分に過ぎたかしれませんが、大規模人工地震実験装置を建設することになりまして、予算をちょうだいしてことし着手しておる次第でございまして、そういう意味で大きな関係があるわけでございます。そこで、お答え申し上げるのでございますが、わが国地震ではまことに有名な国でございまして、ことばが過ぎるかもしれませんけれども先進文化国家の中では、最も地震災害を激しく受けており、将来も受けるおそれがあると、こういう国なので、羽生委員のおっしゃるような、りっぱな完備した地震研究所が、大規模なものが早期に設置されるということは、非常に大事なことだと思うのでございます。この点は、専管省庁でなくても、心からそういうものができますることを祈念せざるを得ないわけでございます。これをどこに置くかということは、実は私の所管から遠く離れてしまいますので、御相談には乗らしていただいておりまするけれども松代につくるべしということをここで申し上げられないのを、まことに残念に思う次第でございますが、この点は、専管省庁でありまする建設省とそれから運輸省、また大学にも御相談申し上げて、御都合のよいところにお定め願うと、こういたすよりほかないと思うのでございます。私どものほうで着手しております地すべりに関しまするものは、実は松代にもたいへん関係がありまするので、松代へも出かけてまいって調べておりますし、また、地震実験装置は、できる限り早く筑波の学園研究都市につくりたいと、こう考えておるわけでございまして、このことだけは申し上げられますけれども、それから先は、実は寄り集まりまして、いろいろ相談をいたしておりますけれども、まだまとまっておるというところまでまいりませんので、きょうひとついろいろと各省庁お話をいただきまして、促進されるように委員会の方々の御努力をお願いする、こう申し上げたいのでございます。
  9. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 羽生委員その他からお話があります地震科学研究センターといいますか、研究所といいますか、これがどういう御構想、お考えのものであるかよく承知いたしておりませんが、いまお話の中で科学技術庁長官お話もありましたが、わが国地震というのは、御承知のような事態でございますから、従来から地震研究については、世界でも一番というのでしょうか、非常に進んでおるということを聞いております。建設省所管の中の建築研究所の一角にも国連の一部の機構がありまして、諸外国から来て研究をしておるという事実もあるわけであります。これは今年度で終わるということになっておりますが、いずれにいたしましても、建設省地理院でまた所管調査をしており、研究をしておる。また運輸省気象庁でも熱心に研究しておる。あるいは文部省所管ではそれぞれの大学東大地震研究所その他で研究しておる。最近特に政府は力を入れまして、その研究予知と申しますか、地震予知が正確にできるところまで研究を進めてもらいたいということで専門家に督励をしておる。こういう事態でありますが、そういうものを統合した地震科学研究所と申しますか、センター、そこまでいきたいと、いくことが必要じゃないか、こういうことで現に検討は続けております。けれども、各省庁それぞれの専門調査をし、研究を進めておりますので、直ちにこれが統合してある特定の地域に一カ所にできるかどうかという問題は、きわめてこれは専門的な検討を要しますので、そう簡単ではなさそうでございます。私らそういう点はしろうとでありますが、そういう状態であります。かりにそういうものを設置いたしますといたしましても、松代はああいう状態でありますが、松代観測所がございますけれども、あの地点で日本の最高の地震科学研究センター、あるいは研究所というものをあそこでやることが適当だろうか、多くの研究科学者があそこに集まってやることが適当かどうか、こういう問題があると思います。これは私はもっと検討をさしていただきたい。ただ、最近私ども考えておりますのは、ざっくばらんに申し上げて、羽生委員からも指摘せられました、また地元に行きましたときにも、何かこういう地震で非常に苦しんでおるのであるから、地震に関した何かの機構でありますか、しろうと考えでありますけれども研究所とか何かできないものかというお話があったわけであります。しごく私どもも御同情申し上げると、まことに恐縮でありますが、お気持ちをよく察して、そういう声は佐藤総理の耳にも入っております。佐藤総理も私が直接そういう担当というわけじゃ、機構の上からそういう担当でございませんけれども松代地震対策の本部長あるいは協議会という立場で、何か松代についてそういう科学研究センターということでなくても、何か地震関連した施設はできないかということを、ひとつ設置するというたてまえで検討してくれぬかという指示と申しますか、話がありまして、そういう意味でこれは私どもしろうとでありますから、これもやはり関係専門家協議と立案をまたなければなりません。そういう意味で両方を兼ねて、いま科学技術庁長官お話しのとおり、関係専門家に御協議を願っておりますが、研究センターというのは、いま申し上げたような状況でございます。  その他松代観測所を中心にして一般大衆に、地震というものの発生の原因その他、いわゆる専門的でなくてもある程度わかるような、これはまた構想段階でありますが、修学旅行であそこへ行けば、地震のことがしろうとにも早わかりがするような方法施設といいますか、展示といいますか、そういうものをひとつ考えてみようじゃないか、観測所にじゃまにならない程度に何かの施設等にして、松代のあの非常に長い地震のあったところに、地震に関する資料がこういうふうにあるという程度のものを、ひとつつくることは可能性がある。いまの段階でそういうことでありまして、ぜひそういう趣旨というか、種類のものをつくることにして、そうして地元の人の地震に苦しんでいるものについて一つ対策、ほかの災害対策関連した一つ対策のうちに入れてみたい、いまのところはさような程度でありまして、また各委員さん等のお考え等がありましたら、ひとつむしろ知恵をかしていただきたい、かように考えておるわけであります。
  10. 柴田淑次

    政府委員柴田淑次君) 先ほど羽生先生の御質問地震研究センターに関する件でございますけれども先ほど上原長官建設大臣からもお話がありましたとおり、私のほうも考えているのでございまして、まあこの基本的な考え方としましては、どうしても地震国日本というようなことで、日本の国は地震が多い国でございますし、かつまた地震研究技術先ほどお話がありましたように、世界的なレベルに達しておることも自負しております。そういうような国柄といたしまして、地震総合研究センターと申しますか、広く地震研究センターというものが日本の国に一つあっても差しつかえない、あるいはあるべきであるというように考えておりまして、そういうものをつくるということにつきましては、気象庁としては異議がございません。ただ、このたとえば研究センター内容が問題になるわけでございますけれども、たとえば松代群発地震に限った内容というようにかりに考えますと、御承知のように松代地震は約一年間続いておりますけれども、そう三年も五年も続くものかどうか、それはわかりません。近い将来に松代地震がなくなってしまいますと、松代地震だけに限った研究センターというものがありますと、いわば開店休業みたいなかっこうになってしまうわけでありまして、その点まずいわけでございますので、このセンター構想といたしましては、そういった最初から松代群発地震に限らずに、広く一般日本あるいは日本付近地震総合研究センターとしての構想のもとに出発したほうが適当ではないかと気象庁のほうでは考えております。このようなセンター設立しますには、先ほどお話がありましたように、この問題が各省庁にまたがっている現時点でございますので、すぐにあしたから実施に移すということは困難であろうと思いますけれども気象庁としましては、少なくとも先ほどから述べましたような考えのもとに、たまたま今回異例の地震現象松代町に発生したということ、この機会をつかまえましてそういった総合研究センター設立を真剣に考えたらいいんじゃないか、国としてそういう総合研究センター設立考えるべきではないかというふうに、気象庁のほうでは考えております。以上でございます。
  11. 羽生三七

    羽生三七君 それぞれ御答弁いただいてありがとうございました。ただ問題は確かにお話しのように、実に運輸省建設省文部省科学技術庁あるいは気象庁非常なたくさんな広範囲にわたるそれぞれの機関があって、それを統合して一つセンターにするということは、容易ならぬことでありますから、私は一挙にそんなに理想論を言っておるわけではないのであります。しかし、そういうことによって問題がうやむやにされるということは私は欲しません。それからもう一つは、たまたま松代にこういうことがあったからこそ、こういう問題が出てきたので、おそらくああいう長期にわたるあの地震がなかったならば、たとえば相当大きなものがあっても一回で済んでしまう、また今度次のところに行って起こるというそういうことだったら、必ずしもこの種の問題は出てこなかったと思います。そういう意味では約一カ年にわたる長期松代地震というものの被害を受けた住民から直接の要望があって、たまたま当委員会でもこれを取り上げたということでありますので、お話政府のお気持ちはよくわかりました。わかりましたが、どうか非常な各省庁広範囲にわたるゆえに検討ということで、どうも問題が先へ追いやられて、結末が満足に得られないようなことであっては、はなはだわれわれとしても本意でありませんので、その点は十分お考えをいただきたいということと、いま一つは、あそこに現にある施設、行ってみたところが必ずしも完備したものではありません。機械設備そのものはいいかもしれませんが、施設としては実に貧弱なもので、地震には直接関係があるかもしれませんが、あの例のボーリングなんかも、とりあえず二百メートルだけやるということで二キロ、三キロやるだけの費用がないということ、それからやっておる場所を見ましても、お宮ですか、神社か何かの休憩所だか社務所みたいなものを借りてまことに驚くべき貧弱なものであります。こういうものをなぜもっと拡大してりっぱなものにできないのか、幾らでもあるんです、やろうと思えばやることは。そうでありますから、機構問題であまりこだわり過ぎて、かえって現実のそういう対策がおくれないようにお願いをいたしたいと思います。特に、先ほど申し上げて、くどくなりますけれども、これだけ長期にわたって物質のみならず精神的に被害を受けておる地域住民としては、国が何らかの施策に踏み切ってくれたということで、それによって値らかの安心感というか満足感かあれば、という希望もあるようであります。そういうことにもこたえる意味でありますので、どうか建設大臣科学技術庁長官それから気象庁長官等から、それぞれ好意ある御答弁をいただきましたが、これを実現する方向で積極的に進めていただくことを、特に強く要望をさせていただきます。
  12. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 総合的な研究機関というものは、先ほど申し上げましたようにややこれは時間がかかると思いますが、松代につきましてはさっき申し上げましたような事情もありますし、何らかの、いまの観測所を中心として、あるいはもう少し整備する、その他の施設もして、松代の記念塔というとおかしいですけれども、それにふさわしいものをぜひつくりたい。内容については専門家検討してすみやかに結論を出してもらう、かように考えておるわけでございます。
  13. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  14. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記始めてください。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 いま羽生委員から建設大臣地震研究センター設置について質問があって答弁があったわけでありますが、ちょっと、ことばじりではないと私は思うんで、そういう意味でないように、誤解されないようにということを、私の個人の立場から御要望申し上げたいと思います。それは全国に地震研究所があると思うんですね、それぞれの所管に応じてまた設けられておるところもあると思うんですが、おそらく、あるいはその全部がなくなる、ここへ全部集めろという意味ではないと私は思う、必ずしも。それはそれとしてとにかく総合的なものを、この際記念するものをあそこへつくる必要があるんじゃないかと、こういう気持ちだろうと思う。そうしてまた松代というものの地域住民がそれだけ被害を受けたので、これが何かの役に立てばと申しますか、自分たちのとうとい経験というものが無にならないようにという、そういうやっぱり熱意も私は確かにあるんじゃないかと思う。そういう意味大臣も積極的にひとつ考えていただきたいと、こういうことを特に私申し上げるわけです。
  16. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 御趣旨は決して誤解しておりませんから御了解願います。
  17. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) 先ほど永岡先生の御質問でございますが、具体的な問題で多岐にわたっておりますので、先に関係の各省からお答えを申し上げまして、あと全般的な問題で私、要すればお答えを申し上げるということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  18. 鳥山好三

    説明員(鳥山好三君) 先ほど永岡先生から御質問ございました有線放送電話関係補強工事並びに予備電源の設置に対する財政措置という問題でございまして、実はこれ財政問題でございますので、当然大蔵省に関係し、また御承知のように有線放送電話の関係は、郵政以外に農林省あるいは自治省、いろいろ関連しておりますので、各省いろいろ協議いたしまして、できるだけ何かの方法考えよう。で、当初国庫補助という道があるのかどうかという点をいろいろ検討したわけでございます。しかしながら、現在の制度上の問題といたしまして、国庫補助という問題は非常にむずかしいのではないか、そういうような点に至りまして現段階におきましては、融資あるいは起債制度、こういう措置によりましてこの御要望に沿いたい、こういうふうに考えております。
  19. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) 地方財政関係についてお答えを申し上げたいと思います。  まず第一点の地方税の減免の問題でございますが、地震によりまして地方税の減免の必要が生じますのは、主として固定資産税についてであろうと考えております。災害関係の税の減免につきましては、自治省のほうから、その基準等につきまして各地方団体についての指導を行なっておるのでありますけれども、今回の松代地震関係につきましては、関係町村が相当数ございますので、現在県において具体的な減免の基準について各市町村の調整を行なっております。それに基づきまして各市町村において適切な処置がとられるであろうというふうに考えておりますが、その減免措置に伴いまして、当然に税の減収という問題が出てまいるわけであります。この減収分につきましては、それぞれ各団体の財政状況が異なってもおりますし、あるいはその減収の程度も異なるであろうというふうに考えておりますけれども、私ども措置としましては、そのそれぞれの市町村の財政状況なり、あるいは減免措置状況に応じまして、特別交付税の算定にあたりまして考慮してまいりたい、かように考えておる次第でございます。  それから第二点の、その他のいろいろな災害対策経費につきましての財源措置の問題でございますが、この災害対策のための財源措置といたしましては、単に特別交付税のみならず、まあ政府各省の配慮によりまして国庫補助、負担金が支出される経費もございます。またそれに伴いまして国庫補助、負担金の地方負担分につきましては、地方債の措置によって措置することも現在検討いたしております。なお、こうした特定財源によってまかなうことのできない部分につきましては、当然これは一般財源で措置しなければならないということになるわけでありますが、こうした災害対策関係経費は、一応一般財源としましては、特別交付税措置をする、こういうことになっておるわけでありまして、この災害対策費の各市町村の実態等も十分調査いたしまして、客観的な基準によって各市町村、公平な財源の配分ができますように十分配慮してまいりたい、かように考えている次第であります。
  20. 林大造

    説明員(林大造君) 第三点の国税に関する事項でございますが、家屋その他の補強などのために支出が行なわれた場合に、必要経費にできるだけ見るようにという点でございます。本件につきましては、家屋その他いわゆる減価償却資産につきまして修理とか、あるいはその他いろいろな工事が加えられました場合に、それが資本的支出であるか、あるいは資本的支出でないかという認定の問題でございます。先生方御存じのとおり、資本的支出になりますと、これは法人税につきましては損金になりませんし、また個人の所得税につきましては必要経費に認められないわけでありますが、しかし、松代地区におきましては、現在補強その他いわゆる修繕費として支出されているものがかなり多い。で、そのようなものにつきまして、そのような支出が資本的支出であるかいなかということにつきまして、税務当局と納税者との間にいろいろなトラブルが起こることは好ましくないという趣旨から、実はちょうど一週間前になりますが、六月の十五日に所轄の関東信越国税局長あてに国税長官から通達を出しまして、そのような場合には、顕著に、明らかに資本的支出に属すると認められる場合、すなわち改造、改良等、資産の状況を著しく変更することが明らかである場合を除きまして、しいてこの問題については追及しないということにいたしまして、その旨全国の国税局長に伝える措置をとりました。一応これで御報告を終わります。
  21. 川合武

    政府委員(川合武君) 個人住宅補強の問題でございますが、自分の資力でもって補強できないというような方々も相当数あるわけでございますので、これは実はほかの文教施設とか公立の文教施設とかたとえば医療機関等も補強を要する面がございますので、各省にまたがっておりますので、かつまた、こういうものをほっぽっておきますと地震火災の場合の、大体一種の火災予防というような見地もございますので、私のほうの消防庁が便宜上窓口と申しますかでやっているわけでありますが、個人住宅の分につきまして、県からただいま申しましたような観点で認定しましたものにつきまして、国有林の国有林材を払い下げを受けましたとき、その二分の一以内ということでございますが、これを補助する、県に補助する、こういうことで県がかような個人住宅についての補強を現在いたしておるわけでございます。  それから、合わせましてホースの問題についてお答えいたしますが、ホース、これはかねがね御要望もあるわけでございますが、何せその補助ということには、ざっくばらんに申しましてまいりませんものでございまして、先ほどの自治省の財政課長からの答弁にも関連いたしますのですが、私のほう、このホースだけというわけではございませんので、たとえば消防の出動手当とか、その他の消防関係経費も補助で見られない分もございますので、こういうものを考慮いたしまして、特別交付税一つ考え方の中に入れてもらうということで努力いたしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  22. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 稚蚕関係について申し上げます。  火災等に対する未然防止の対策といたしましては、危険地域の稚蚕共同飼育所に簡易飼育ハウスを設置することを指導いたしております。また、壮蚕の飼育につきましては、最近発達いたしております屋外飼育に積極的に切りかえるように指導いたしております。その施設設置につきましては、農業改良資金というものがございまして、これは無利子でございますが、この資金の融資をするように指導いたしております。また、松代地震による被害地域にある稚蚕共同飼育所につきましては、百七十六カ所のうち火災発生の危険があると思われます練炭あるいは炭等を使っておるものがございますので、比較的危険性の少ない電熱器等の切りかえにつきまして指導いたしまして、これについては農業近代化資金の融資をするように指導いたしておる次第でございます。
  23. 金井多喜男

    政府委員金井多喜男君) 中小企業関係につきましては、現地の地震発生に伴いまして、非常に商工業者あるいは旅館業者等の方々が、現地に対する不安から商売が非常に減るとか、あるいは観光客が少なくなって営業上非常に困るというような問題が発生いたしまして、それにつきましては、中小企業庁のほうとしまして、昨年の十一月に県の信用保証協会に保険公庫のほうから一千万円の特別の貸し付けを行なうことを中心に、その後五月二日に中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫の政府関係中小企業三公庫の融資につきまして、貸し付けにあたっての限度の拡大、担保の緩和、償還期限の延長等を中心に救済の措置を特別にいたしまして、さらに現地におきましては、激甚災害並みに金利をぜひ下げてほしいという要望がございまして、五月の末に、閣議決定によりまして、先ほど申し上げました三公庫につきまして、激甚災害発生の場合と同じように金利を六分五厘に特別下げるという措置をいたしまして、六月一日から実施しておる次第でございます。その後の模様につきましては、大体これによって円満に貸し付け等が進捗していくものというふうに判断いたしております。
  24. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) ただいまの永岡先生の御質問に対しまして、関係各省が現在まで手配している状況についてお答え申し上げたわけでありますが、全般的な問題といたしまして、二、三補足を申し上げたいと思います。有線放送の問題につきましては、実は衆議院の災害対策特別委員会で非常に問題になっており、私ども、郵政省を中心に数回この点についてはいろいろ議論をいたしたわけでございます。もちろん災害にすでにかかって、柱が倒れたとか、その他のものがございます。こういうものにつきましては、一応災害でやっておるわけでございます。ただ補強、特に予備電源というようなことになりますと、実際、予備電源というのは、いまの農村における有線放送の効果から考えますと、相当広範に実は持ったほうがいいんじゃないかという議論もあるわけでございまして、そういう点から起債金融でごしんぼう願わざるを得ないのじゃないか、こういうふうな結論に到達しておる。こういうことでございまして、十分、この点については私ども連絡会議のほうといたしましても、各省に何とかできないだろうかというようなことで、検討した結果でございます。  それから個人災害の問題でございますが、特に日本災害のいろいろな法規の関係個人災害につきましては、あくまで融資とか、応急の災害救助法なんかの場合は別でございますが、それ以外にはやはり融資とか、そういうことでやるたてまえになっておるわけでございますけれども、しかし、今回の地震の場合には、かりに個人のうちがつぶれる、それが火事を起こすということは、結局大火になるのじゃないか。むしろこれは個人といっていいかどうか非常に問題じゃないか、こういう基本的な考え方に立って、国有林材に対する補助金という制度がいま汝でにはないわけでございます。いままでは御案内のように、災害救助法が発動しました際には、国有林材を安く払い下げる、林野庁が収入が減るわけでございますが、安く払い下げるという方式をとっておりましたが、今回の場合はそうでなくて、補助金を特に交付するという形に新しい例を開いたわけでございます。  さらに、観光施設その他、中小企業の問題でございますが、この点は、実は私ども連絡会議といたしましては、まだまだいろいろな点から検討しなければならぬ問題があると思っております。と申しまするのは、委員の諸先生方のところへも陳情が参っておると思いますが、北信一帯、松代中心はもとよりですが、北信一帯ないしは長野県全体に相当大きな打撃を中小企業、特に観光業者関係が受けております。で、これは単に旅館業者だけではなくて、観光に関連する各般の仕事をしておるものが全部影響を受けるわけでございますことは、申し上げるまでもありません。もっと極端に言いまするならば、付近の農民の皆さんにも大きな被害になるというような、私は一種の社会問題が起こっておるのじゃないか、かように思っておるわけでございまして、これにつきましては、実は私どもは何か特別な措置を今後講じていかないと、これがさらに長期に続いていくということになりますると、非常に大きな問題が、一種社会問題として起こってくるのではないか、かように実は考えておるわけでございます。ただ、問題が非常にむずかしゅうございまして、何とかお客が行ってくれればよろしいわけでございます、商売ができればよろしいわけでございますが、なかなかそうは参りませんで、実はもう少し知恵を出して対策がめどを立たないと、集まりましてもみんな何とかしてあげたいということだけでは困りますのでございます。こういう点につきましては、今後の問題として、私ども真剣に取り上げていかなければならない。少なくとも、いま中小企業庁の次長からお答えがありましたが、金融の面というようなものについては万全を期してもらいたいということで、中小企業庁から政府関係三公庫に対しまして、利率の問題も閣議で特にこれは激甚並みに六分五厘に決定しましたし、融資のワクの問題その他については、文句の出ないようにやってもらいたいということで、実はやっておるような次第でございます。  全般の問題としまして、特別交付税にも関係いたしますが、何にいたしましても異例なことでございまして、対策を立てますにつきまして非常にこまかい問題、また思わざるような問題が随所に起こってまいるわけでございますので、この点につきましては、長野県の災害対策本部が中心になって、臨機応変、随時随所に対策を立ててもらうということが、何としても必要なことでございます。また、県の指導のもとに市町村長がおやりになるということが、実際的に必要なんでございまして、結局政府としましてはそれらのものを、いうならば県知事さんがひとつ大いにいろいろやっていただいて、それを御連絡いただいたあと始末を政府ができるだけのことをする、こういう基本的な態度でいろいろ進めておるわけでございます。問題が実はあとからあとから起こってまいりまして、県からも随時連絡をちょうだいしておるようなわけでございますが、この上とも私どもとしましては、いまだかってないような長い地震でございますので、対策の万全を期していきたいと、かように考えておるような次第でございます。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 それぞれ御答弁いただきまして、ただいま感謝もしておる次第でございますが、特に法規典例等がありまして、その解釈なり運用については、実情に適した方向で善処いたしておるように非常に概括的に理解するわけで、特に副長官からのお話によりまして、思わざる、法規では考えられなかったことも起きてくるということでありまして、それについても適切な措置を講じていきたいという話でありまして、私どもぜひそうしてほしいと思うわけでありますが、何と申し上げましても、物質的にも精神的にも、しかも長期にわたって非常に苦しんでおる状況でありまするので、地元お話にありましたように、知事を中心とする対策本部と事前に、あるいは必要に応じては事後でもけっこうでありますが、適切な連絡をとりつつ、これに対して万全を期していただく、こういう方向でお進みになっておるようでありますから、一段とその方向をとっていただくように特に要望して、私の質問は一応この程度にとどめたいと思います。
  26. 羽生三七

    羽生三七君 いまの問題に関連して。永岡理事から一応の要望がありましたが、先ほど長官からかなり実態を把握した御答弁をいただいたわけですが、当委員会が今月初旬に行ったとき現在で旅館等予約取り消し十六、七万人、ほぼ二十万人近くに達するのではないかと思います。それから東京都の教育庁の名前で、林間学校へ行く生徒についても警戒をしようというような指令が出たために、さして心配のない林間学校まで同じ状況が起こってきている。先日私あの近くに行きましたが、一晩に十回ぐらい爆音のような音が地震とともにうなりを立てておりますので、あれでは、なかなか宣伝しても完全に地震がおさまらぬ限り、そう予定どおり客が行くかどうか非常に疑問だと思う。だだからそういうことから、確かにお話しのように、これがもし長期にわたると長野県の財政全体にかなり——県の財政だけではなしに、個人個人としても非常な大きな問題となると思いますので、その辺をどういう形で最終的に結着をつけていくのか、これは個々の関係者あるいは県当局、あるいは市町村当局それぞれが自主的に最善を尽くさんならぬのは、当然でありますが、その最終の段階でどういう決着をつけるかということについて、まだおそらくだれ一人名案があるはずはないと思いますけれども、その過程にそれぞれ具体的に要望もまとまってくると思うのです。それからいい知恵も出てくるかもしれません。それに即して、さらに一そうの善処方を特に要望をいたしておきます。
  27. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 一点お聞きしたいと思いますが、先ほど地震センターの話がありましたが、これは気象庁ですか、科学技術庁ですか、どちらの関係になるかわかりませんが、いままでの話を総合しますと、結局あと始末だけなんですね。つまるところは地震ばかりはどうにもわからぬという結論になってしまう。まあ地震センターやら何やらそういう知恵をしぼって研究をしたり、解明をしようとしておるけれども、なぜ松代にこういうふうに集中的に地震が起こるのかといったような問題は、いまのところどうしてもわからぬ、それからじゃあ今後続くのかどうか、こういうことも予知できないということに落ちつくのかどうか。もし英知を集めて地震センターその他こういったようなものをこしらえて研究をすれば、ある程度これらの問題についてその原因を究明したり、あるいは今後の問題を予知するという可能性はあるのかどうか。その点について一点だけお聞きしたいと思います。
  28. 柴田淑次

    政府委員柴田淑次君) ただいまの御質問は、地震予知問題に関連する御質問であろうかと思うのでありますが、地震予知問題につきましては、数年前から地震学者が寄り集まりまして、この問題を将来どういうふうに進めるかという計画につきまして、たしか五年計画だと思いますが、五年計画を立てまして、昨年あたりからそれの実施に入っているということは、先生お聞き及びのことだろうと思います。ただし、この地震予知に関する研究については、これは松代地震というものには限定しないで、全般的の、地震がどうして起きるか、一般にその地震をどういうようにして予知するかということが主目的でございまして、松代地震ももちろんその中に含まるものとは思いますけれども松代地震には限定するものではございません。がしかし、少なくともその中には松代地震というような性質の地震も含んでおると思いますので、そういった地震予知に関して現在立てられておる長期計画というものに沿って進めば、松代地震も究明されて、やはりその中に含まれておりますから、だんだん明らかになってくる、そういう次第じゃないかと思います。その松代地震だけの原因を究明するというような、研究センターみたいなものを松代設置しまして、今回の松代地震に対しての将来の予知というものを進めるというような、その考え方もあろうかと思いますけれども、まあそれよりもむしろさっき申しました松代地震を含めた、全体の、この地震国としての日本地震予知問題というものに大きく取り組むということが、日本としての国策としていいのじゃないかというように私のほうは考えておる次第でございます。少し答弁の的がはずれたかもしれませんけれども、大体の趣旨はそういうことでございます。
  29. 羽生三七

    羽生三七君 いまの瀬谷委員質問関連してですが、そういう地震予知予知にかかわらず、とにかく地震全般の研究をしていく場合に、いまの松代の広大な地下壕ですね。ああいうものは簡単にできるのですか、ほかにも。ですから私の言いたいのは、いまその他にあるいろいろな研究をみな廃止して松代へみんな持っていけと、こんなことを言っておるのじゃない。これは永岡理事先ほど御指摘のとおりであります。あるものは生かしていくが、おそらくあれだけのものを生かしていくということは容易ならざるものがあります。現にそれがあって、しかもいろいろな機械が入っておるのです。それをさらに完備して一そう拡大したものにして、地震国日本研究の中心に値するようなものにしてもらいたいというのが私の要望なんで、ほかにあるものをやめてあそこへ統合しろなんということを言っておるわけでもないし、また政府もそんなことは考えていないと思いますが、あれだけの設備というものは、一朝一夕にできるものではありません。あれは大本営が全部あそこへ入ろうとしてつくった大きなものなんですから、しかもそれがあって、そこに機械が備わって、不十分であっても、とにかく一つ研究が進んでおるのですから、——研究技術を言うのじゃないのですよ、いろいろと施設のあることですから、それをさらに生かしていくことが望ましいのじゃないかと思います。
  30. 柴田淑次

    政府委員柴田淑次君) 羽生先生が御指摘のとおりでございまして、あそこの機械をフルに使うということについては、気象庁としても現在そのようにやっておるところでございます。なおいろいろな新式の機械が将来もできてくると思います。そういう機械をあそこが適当であろうと思われれば、どんどんあそこへ備えつけて、松代地震のみならず日本地震に対しての観測のほうの整備拡充ということを、気象庁としてもやりたいというように考えております。
  31. 羽生三七

    羽生三七君 それからもう一つ要望いたしたいことは、一応この問題の窓口は、科学技術庁とこの地震科学研究所といいますか、センターというかですね、この問題をかりに進めていく場合には、一応その窓口には科学技術庁ということにしてくださったようですが、先ほど申し上げたように、実に五つ六つにわたる各省庁にわたっておるので、よほどその当該の関係の皆さんが積極的な意思を持ってくださらぬと、どっかから話があれば研究してみようということじゃ、とてもこれじゃらちがあきませんので、その点は、みなその関係の方々が御列席されておりますので、十分ひとつ熱意を持って推進していただくことを希望いたしておきます。御両所頼みますよ。
  32. 細田吉藏

    政府委員(細田吉藏君) いまお話がございましたように、少なくとも四省にまたがっておりますし、また影響その他から考えますと、非常にたくさんの省にまたがっているわけでございまして、私ども松代周辺地震対策のための連絡会議を持っておるわけでございます。瀬戸山建設大臣が会長で、私は副会長をやっておるわけでございます。この会議といたしまして、この問題を真剣に取り組んでまいるつもりでございますので、御了承いただきたいと思います。
  33. 鈴木力

    鈴木力君 文部省の方が来ていると思うのですが、文部省のほうにお伺いしたいのですが、この公立文教施設対策で、まあいままでに危険校舎の補強はずっとおやりになっていらっしゃる。それから、仮設校舎の建設もなさっていらっしゃるし、入られておる。そこまではいいんですが、私がお伺いしたいのは、学校あたりでもだいぶ心配している向きもあるのですが、倒壊による危険度は、これでほぼ対策ができたとしても、火災対策にはどういうぐあいになっているのかということをちょっと伺いたいと思います。つまり、一つは、仮設校舎となりますと、相当の寒気に対してはこれは弱いわけでありますから、あそこは非常に寒い地域でありますので、それに対する暖房がどうなっているかという問題が一つございます。もう一つは、いまある校舎等でも、火災ということを考えますと、一番危険なのは、たとえば集合煙突というような設備に、そしてストーブから集合煙突に集めておる。ところが地震ということを考えますと、たとえば集合煙突なんかは亀裂を生ずるというような、学校火災のうちの原因で私ども聞いておりますところは、集合煙突の亀裂なり故障なりというのが、ずいぶん大きな原因のうちの数に入っておるようでありますから、そういたしますと一つの面では暖房を相当考慮しませんと、地震による火災を誘発するおそれが出てくるわけでありますから、これを冬になってからあわてますとまた金の問題にひっかかるわけで、相当早期に取り組んでもらいたいと思うのですが、こういう一つは仮設校舎あるいは補強した校舎の暖房がどうなるのか、これは学習との関係もあります。と同時に、地震による火災予防としての対策がどうなっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  34. 中尾龍彦

    説明員(中尾龍彦君) 地震に伴う学校火災のお話でございますが、お話しのような集合煙突のようなものは、きわめて地震に対して脆弱な構造でございます。こういうものも、つとめてこれをほかの構造のものにするように指導いたしております。  なお、この火災予防も含めまして、地震に対して予防的な広報等につきましてパンフレットをいま製作中でございまして、このパンフレット等を通じまして火災予防等、あるいは災害予防というようなことを指導してまいりたいと考えております。
  35. 鈴木力

    鈴木力君 もう一つ、もう少し具体的に伺いたいと思うのですが、私が考えますのは、火災予防を知識としての指導も必要だと思うのですけれども、問題はそうでなしに、それはそれとしてやっていただかなければなりませんが、具体的にたとえばいまの長野県で使っておる火気は大体石炭ストーブ、それから薪炭によるストーブ、それと、もっとも鉄筋校舎のスチーム暖房のところはいいわけなんですけれども、問題はスチーム暖房のない暖房施設ですね。現在の暖房施設そのままですと、おそらく何かの手を加えないと、地震と火災という問題は、結びつく危険性が相当にあると思う。それをパンフレットで指導したからだいじょうぶだと文部省が思っていらっしゃるとすれば、これはちょっと警察庁にしかられるのじゃないかと私は思いますので、パンフレットと同時に、具体的にできればやはりスチーム暖房に切りかえれば一番いいわけなんですけれども、一ぺんにそうはいかないという事情もあるかもしれません。そういう冬季の暖房と火災予防という問題は、普通の場合の校舎の火災予防というだけで追及していっても解決つかない問題があると思うのです。そういう意味で伺っているわけなんです。
  36. 中尾龍彦

    説明員(中尾龍彦君) ただいま火災予防についてお話がございましたが、いろいろなケースの問題もございます。たとえば石炭ストーブあるいは火ばちというような熱源につきましてもいろいろございまして、お話しのように、これをスチームに切りかえるというのは、膨大な経費と時間を要します。これはもうとうてい私どもも不可能と思いますので、現在の熱源に対して、これを火災の発生源にならないように、何らかの措置は講じなくちゃならぬと思っております。なお、この点につきましては、現地の教育委員会とよく連絡しまして、十分研究さしていただきたいと思います。
  37. 鈴木力

    鈴木力君 これはもう要望になりますが、さきに私が申し上げましたプレハブ校舎ですね、仮設校舎です。これはもう実験済みというほどではないのですけれども、あの寒さに耐えないというふうになっておりますね。ことに普通の木造校舎に使っている程度の暖房では、いまの小学校の学童はこれには耐えないということが、これは私は学問的な統計から言っているのじゃなしに、学校側からの意見としては、やってみたところでどうにもならぬわけです。そういたしますと、そこで学習をするという場合には、プレハブ校舎と同時に、暖房という問題は、一面からいえば、これが保健衛生の面からも、ひとつ考えてもらわなくちゃいけないと思う。と同時に、私はまだそういうことは聞いておりませんけれども、いま思いついたのですが、夏になりますと、プレハブ校舎は暑さに対してどういう抵抗力があるものなのか、そういう学童の保健衛生面から相当研究していただきませんと、あぶなくない校舎を建ててやったから、地震はだいじょうぶだと突っ放されても、学童の保健衛生という面は、それでは済まないと思う。すべてが満点にいくというわけにもいかないとは思いますけれども、そういう面については、同時にやはり御検討をいただきたいと思いますので、特にこの火災予防の場合、熱源という問題もある。私はほんとうは金もないということはわかるけれども、いろいろいままでの御議論でも、ずいぶん政府でも御努力をいただいておるわけでありますから、できるだけ熱源は、学童のいる場所には熱源を置かない暖房ということを、やっぱり考えてもらわなければいけないと思います。そうすると、まあスチームということになるわけなんですが、時間的にはいまから始めると間に合わないわけではございませんで、たいていラジエターを持っていって、パイプをつないで、熱源を一カ所に集めるということは、いまからでも間に合わないわけではございません。問題は金をどうするということが、いまから間に合わないということだと思いますから、そういう面についても具体的に御検討をいただいて、事前対策に万全を期してもらうように御要望を申し上げておきたいと思います。
  38. 中尾龍彦

    説明員(中尾龍彦君) パレハブ校舎につきまして、昨年とりあえず十一月中に間に合わせ的に深い研究もしないで間に合わした結果、主として冬の寒さということは、一応念頭に入れておつくりになって、その結果が現在のように暑気が強くなってまいった季節には、かなり不適当な状況になっております。したがいまして、ほとんどもう本年度分のプレハブ校舎はでき上がっておりますが、これをつくる際には、特に暑熱に対する考慮を取り入れまして教室内の天井高も十分とり、それから天井を張る断熱材についても改良するというようなことで、その点については若干適切な構造を取り入れたのではないかと考えております。  なお、暖房に関しましてお話がございましたが、スチーム暖房あるいは温風暖房というものもございます。そういう点もございますが、いずれにしても、かなりな経費を要する問題でもございますので、なおそれらにつきましても、十分研究さしていただきたいと思います。
  39. 鈴木力

    鈴木力君 ぜひお願いします。
  40. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) ほかに御質問なければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  41. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、降ひょうによる農作物等被害対策について、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
  42. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 去る六月七日の降ひょうによる災害のあとの対策については、十三日の災害対策委員会で一応御質問は申し上げておきましたのですが、その後委員長さんはじめ委員の方々が、現地を一緒に私と視察してまいりました。一番地元で痛切に要望していることは、やはり災害というやつは、早く対策を立ててくれ、また対策を立ててやるべきだ、こういうことにしぼられてくると思うのであります。  そこで、この前私が質問したときに、天災融資法の発動をしてもらいたい。なお、それに関連して、激甚地の指定あるいは自作農維持資金の特別融資関係等についても質問したわけであります。そこでそのときの答弁では、調査の結果がまとまるのが、大体六月の下旬だろうという御答弁があったわけでありますが、ところが現実にわれわれが行ったのは十五日なんですけれども、わずか一週間くらいしかたたないのに、行ってみると非常に現況が変わってきていると思う。だから調査が手間取ってくると、ほんとうに激甚地なのか、あるいはどうなのかわからなくなるようなことになりやしないか、こういう心配が一つあるのでありまして、私が聞いた情報というか、これは実際はどうかわかりませんけれども、あのときの十三日にわれわれに資料が渡ったその総計額は大体五十一億、こういうふうにわれわれは見ておったのですが、何かその後の農林省の調査が進んでくると、大体半分程度、六割まではいかないのではないかというようなことが言われて、大蔵省では三十億を下るというような形で天災融資法の適用がむずかしいというようなことが、これは確実な情報ではありませんが、そういうことが流れてきているわけであります。そうすると、現地ではもう事実行かれた委員の方はおわかりのとおり、収権皆無、ほんとうにあしたからどうして食っていくのだ、こういうような激甚地が非常に多いわけであります。まして、ところによれば三十七年から四回も降ひょうを受けているというような地域があるわけであります。そういうところは、自作農維持資金の融資を受けてすでに返還の時期がきている。どれに対して延ばしてもらいたいということ、あるいは利子なんかについては、完全にこれを負担をしてもらいたいというような要望があるわけであります。そこで農林省に伺いたいのは、調査の結果の現況はどうであるか、いつ調査がまとまるのか、それから、もしもわれわれ心配するように、実際に、じゃ、市町村が出した被害金額と農林省がいま調査している段階において、何かその三十億ということにこだわって、どうもそれが欠けそうだということになると、天災融資法の適用にならないのではないかというような懸念があるわけであります。地元はもう天災融資法の適用を受けるものと、また激甚地の指定をしてくれるものと、こうした考え方に立っていろいろと対策を練っておるようでありますけれども、その間の現在までの状況について、まず第一点に伺いたいと思います。
  43. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) ただいまの御質問の、いつごろこの結果がわかるかということでありますが、これは先日申し上げましたように、おそくも六月の末、今月末までにはその結論を出したい、こういうようなふうに考えております。  それから、ただいまこの三十億に達しないときは一体どうなるかということでありますが、これは統計調査部のほうでもって鋭意調査中でありまして、これが三十億に達するかどうかまだはっきりわかりませんが、三十億に達しなければ、従来の例から見て天災融資法を適用することがちょっと困難ではないかと、こういうようなふうに考えられます。  それから、自作農維持資金の追加ワクのことでありますが、これは実は時期をほとんど同じくいたしまして九州のほうに麦の被害がございますから、そのほうとにらみ合わして目下検討中でございますから、一応さよう御承知を願いたいと思います。
  44. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 そこで、まあこれは群馬県の例でありますが、まあ委員の方に行っていただいて、野菜の産地あるいは麦をつくっておる方々の全滅の状況を見てきたわけでありますが、それで非常に心配されて、県では、県の教育委員会でいま検討されておるのは、特に激甚地は収入がなくなってしまうのだ、こういう点から考えて、県の教育委員会がいま検討中でありますけれども、公立のいわゆる高等学校の生徒の授業料まで免除しようというところまで話が進んでおるわけであります。そういうような実情とにらみ合わして、やっぱり被害を受けた町村が非常に災害のこの対策については苦慮しておりますし、いまの財政事情から考えると容易でない現況であることも、おわかりのとおりであります。そこで、災害対策の費用は、特別に特交で完全にひとつ補てんしてもらいたいという希望も出ておるわけであります。これについては、関係各省として自治省あたりではどう考えておられるか。自治省、だれか来ておられますか、
  45. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) 災害に伴いまして地方団体にそのための財政需要が出ます場合には、ただいまお話がありましたように特別交付税措置をするということにいたしております。一応現在こうしたひょう害等による災害の場合におきましては、いわば公共施設等被害がほとんどないというのが、非常に特徴的でございます。したがいまして特別交付税の算定は農林省調査によりますところの農作物被害額に対しまして、県及び市町村それぞれ千分の五を一応原則として特別交付税で算定をしていくという方式をとっております。なお、これは原則的な算定方法になりますので、さらにそれぞれの県あるいは市町村の財政の実態に応じまして、適切な措置をあわせとる方針でございます。
  46. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 もう一点お伺いしたいと思うのは、たとえば明後日これは一都五県の災害を受けた知事さんはじめ県会議長等がお集まりいただいて東京で大会を持って、どうしてもその天災融資法の適用、激甚地の指定、こういう問題についてお願いしたいということで、いろいろと連絡があったわけであります。そこで、先ほどまあ次官に質問したように、たとえばわれわれの考えておる情報による三十億を下回るような場合には、まあ聞くところによると、九州にやはり気象のいろいろの激変による農作物の被害があるのでありますが、これと相関連さして、そして天災融資法の発動に持っていけるのかどうか、この点についてもお考えをまず伺いたい。  それからもう一つは、麦類のまあ共済金の早期支払いの問題でありますが、これもこの前のお答えでは、できるだけ早い機会にきめて、そして概算払いにしたいということを言っておられましたが、その後どのように進んでおるかお伺いいたしたい。
  47. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) ただいまお尋ねのございました農業共済の保険金の支払いでございますが、これは去る二十日に仮払いをするように、もうすでに通達済みでございまして、それからそれのみならず、いろいろこの制度金融がございますが、そのほうは条件を緩和するようにということをあわして通達もしてございます。それからなお、やはりこれは麦——直接先生のお尋ねに合うかどうか存じませんが、麦の等外麦のことでありますが、それもやはり買いつけ量と政府のほうでもって等外上麦を買い付けるようにということを、すでに通達をいたしてあります。  それから九州の麦の被害とあわせて、そうして天災融資法の適用はどうかということでありますが、これはひょう害だけで直ちに私は天災融資法の金額に達しないということを申し上げておるわけでは決してないわけでありまして、ただいま目下調査中でありまして、決してそのことを確定的に申し上げておるわけではありませんので、それから九州の分と合算して三十億以上になればどうかといういまのお尋ねでございますが、そのほうは同種の原因でほとんど同時期に発生した損害は、私どもはやはり一緒に見るべきものだというふうに考えておりますが、九州の黄さび病、あるいは黒さび病とこのひょう害とが同一の原因であるかどうかというような多少やはり検討の必要があると思っておりますが、ただいま先生の御注意もありましたので、さらにその点はあわせて検討いたしたいと思っております。
  48. 近藤英一郎

    近藤英一郎君 やっぱり災害を受けた方については、災害被害農民の立場に立たれて、あたたかい措置も私は必要だと思うのです。そういう点から考えまして、ただいまの答弁には、私も敬意を表するものでありますが、ぜひ地元とすると、どうしても天災融資法の適用をお願いしたいという点にからんで、いろいろ対策が進められておる。言いかえればなるのだというように信じておるのであります。そういう点を考慮されまして、ぜひ九州のものと一緒にしろということだけにとらわれないで、やはり被害農民の苦しい立場、現況をひとつつぶさにやっぱり検討されまして、できるだけ早い機会に統計がまとまったら、天災融資法の適用に持っていっていただきたい。この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  49. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 農林省といたしましては、農村の被害に対しまして十分な考慮を払っていきたいと思っております。
  50. 森勝治

    ○森勝治君 御承知のように、六月七日東京都をはじめとして茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉というふうに関東一部五県にわたって激しい降ひょうがあったわけであります。なかんずく埼玉県北部が激じんの地でございまして、埼玉県におきましては、同日汽車はとまり、電車は脱線するというような騒ぎが起こりました。本席取り上げられている問題は、農村地帯における農作物の被害の問題についておもに取り上げられておりますが、県南の地区におきまして、市街地におきまして、この降ひょうによる出水のために、床下あるいは床上の浸水等のおびただしい被害もまた出ておるということを見のがすわけにはまいらぬわけであります。特にこの埼玉県の北部地帯に起こりました本件につきましては、埼玉県のこの地区におきますと、衆議院では第三区に相当いたしまして、この地区はいわゆる農村地帯と称されるところであります。埼玉県は人口三百万を擁する大きな県に相なってまいりましたが、この農業地帯といわれるこの三区におきますと、逆に人口が減少を来たしております。これは最近の国勢調査を見てもわかりますように、県南の地はいずれも激増したにもかかわらず、この地区においては、農村人口が減少を来たしたというこの現実の姿を、私はまた見のがすわけにはまいらぬわけであります。日本の農業が曲がりかどに来ておるとよく言われますが、この埼玉県の北部においても、そういう姿を随所に見ることができるわけであります。したがいまして、今次の被害におきましては、蔬菜、園芸等がおもなる被害でありますけれども、これらの地帯につきましてもかつて米麦の単作地帯であったわけであります。しかし御承知のように、これだけではどうにもやっていけないというところから、都市近郊に位する地理的条件を地元の農民が考えまして、蔬菜、園芸というふうに転換をしたわけであります。これは皆さん御承知のとおりでありますけれども、この地区は過去百年間に六十回も降ひょうがあった、こう言われておるわけであります。先般のこの委員会のここに速記録を持ってきておりますが、先輩の皆さん方のお話の中にもあるように、この地帯では過去三回も降ひょうがあって、なかんずく昨年の十月に、ことしまた六月ということになると、一年間に二回というこういう非常にお気の毒な状態を現出しているわけであります。したがって、私どもはこれらの地帯の皆さん方に対して最善の努力をし、これらの方々が一日も早く更生し、農業のより一そうの振興のために努力くださるように、われわれもまた側面から協力をして上げなければならぬと思うのであります。  いま近藤委員がるる先般の問題に関連いたしまして御発言をされたわけでありますけれども、なるほどこの前の特別委員会におきましては、この関東一都五県は五十一億という数字が出ましたが、その後それぞれの県で取りまとめをいたしました数字をここに若干読み上げますと、埼玉県では二十五億一千百九十五万四千円、群馬県が三億八千六百八十万八千円、東京都が三億八千二百九十一万円、茨城県が六億七千六百五十万二千円、栃木県が二千三百三十七万六千円、千葉県九千六百七十二万円、合計四十億七千八百二十七万円ということになります。被害面積は二万一千五百六十二ヘクタールという広大な地域にわたるこの被害状況であります。近藤さんのお話にもありましたように、この農林省の統計と当該地域町村の被害概数というものは、いつも各地区にわたっても相違があるということを、よく言われておるわけでありますけれども、私は少なくとも本件に限っては、農林省の調査と各当該県の調査が著しい調査内容の変化があるものとは考えておりません。したがいまして、いま近藤さんは九州の例を引き合いに出されましたが、この九州の例を待つまでもなく、関東一都五県のいま私が読み上げました四十億七千万という数字を、だれが見ましても当然天災法の適用があってしかるべきだと思うのであります。もちろん、農林省自体の調査によってこれをきめることは、それは立場上重々わかりますけれども、少なくとも私はこういう問題が毎年毎年起こる、しかも農民の責任ではない、文字どおり天災であります。したがって、ただでさえ農村人口が減少するというこの地区において、毎年のように降ひょうによって、精魂を込めた作物があたら烏有に帰すということであったならば、農村の子弟は農村にとどまることをきらうでありましょう。いわんや、一戸の戸長と言われる農業の主体でありますこの主人公も、農村を捨てて他に職を求めようとする風潮すらも見受けられるわけであります。私は、こういう点を心から心痛するものであります。そういう面からも、わが国の農業政策という立場からいきましても、これは手厚い援助の手を差し伸べるのが当然だろうと思うのであります。本件については、大臣からその所見についてお伺いをしてみたいと思ったのでありまするが、大臣は、何か米価審議会へ出席のために欠席だそうでありますので、次官からお伺いしてみたいと思うのでありまするが、私は、埼玉県のこのひょう害地方の問題についての内容について、若干触れて申し上げたわけでありますが、高度な農業育成という立場、特に東京近郊の蔬菜、園芸を主とする農家における今後の更生について、本件に関連する農林当局の御見解を承りまして、あとは具体的な質問に入りたいと思います。
  51. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) ただいま先生から、各府県にまたがるところの損害の額をお示しになって御質問があったのでありまするが、これは各府県からの報告でありますが、いずれにしましても、非常に大きな被害を出しておりまして、農民の皆さまには非常にお気の毒にたえないのであって、私ども農林省といたしましては、実際に生じておる被害を特に過小に評価するというような、そうして農民を圧迫するというような気持ちは毛頭ございません。ただ、公平適正に調査することを念頭に置いておるわけでありますが、現在、私ども農林省の立場といたしましては、統計調査部が現にいま調査しておりまして、その最終の損害額がまだ参っておりませんから、何とも申し上げようがないのでありますが、先ほど申し上げますようなふうに、特に私どもはこれを過小に評価をする、調査をするというようなふうな気持ちは毛頭ありません。  それから、先生いまお話しになられましたようなふうに、畑作農民の方々がこういうようなひょう害を毎年受けられまして、非常に大きな被害を受けておられますことについては、非常にお気の毒に思っておるのでありまするが、これはどういう方法でもって救済するかということには、現在の状態は、まあ麦でありましたならば、本件にもありますが、麦でありましたならば、共済の方法もありますけれども、そういうふうなことが、麦でない蔬菜でありますから、そういうふうなこともないわけでありますが、もし、これは私あまり行き過ぎと考えますが、でき得ることならば、畑作共済というものができ得れば、これが一番やはり農民を救うことになるのではないか。しかし、これは昭和三十三年以来、いまずっと調査中でありまして、いまいろいろ検討しておりますが、まだその結論に達しておらないのでありますが、そういうようなふうなことになったならば、実際に起こった被害について保険金を受けられるというふうなことになって、私はそれは非常に好都合ではないかというふうな、これは私だけのいまの考えでありますが、まあそういうふうなことも考えておるのでありまするが、やはり現在の法律のもとでは、これに対しましてはこういうようなふうに、いまどうして救済するかということではありますが、自作農のワクを広げるとか、あるいはまた種子の購入代金を補助するとか助成をすると、そういうようなこと、あるいはまたその他に、農民の方がもし必要とするならば、政府が持っておりますところの輸入ふすまを安く売却するとか、あるいはまた食用の麦や小麦が必要であるということならば、これをやはり政府のほうでもって売却のあっせんをするとか、そういうふうなことは現在の状態でもでき得ることだし、また、これはやっていくつもりでございます。さように考えております。
  52. 森勝治

    ○森勝治君 あなたがいま後段で言われた野菜等に対する共済の範囲の問題ですね、いま触れられましたが、先般の委員会でも、たいへんむずかしいと言われて、これから十分検討したい、こういう御答弁でありました。ただいまもそのように言われましたが、そこで私は、本件についてさらに進んだおことばをいただきたいと思うので、あえて質問をするわけですが、あなたがただいま発言された内容を私なりにそしゃくをいたしますと、従来は米麦ということであったが、今後は農林省としては、こういう蔬菜関係もその中に包括したい、そういう前提のもとに御検討をわずらわしておられる、こういうふうに理解をしてよろしいでしょうか。
  53. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) はやり、ただいまお尋ねでございますが、畑作のうちでもって果樹については、これも近いうちに、何年か、あまり遠くならないうちに結論が出ると思いますが、出したいと思っておりますが、やはり私の考えでは、被害農家を救済する方法としては、果樹以外の畑作についても、でき得ることならば、やはりこれは共済の範囲に入れることが好ましいことである、こういうようなふうに考えておるわけであります。
  54. 森勝治

    ○森勝治君 きょうあなたは大臣を代理しておられますので、ただいまの御答弁は農林大臣の御答弁と私は拝聴するわけでありますが、よろしいですね。
  55. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 大臣は私と十分に打ち合わせたわけではないから、大臣気持ちは存じませんが、先ほど私が前提に申し上げましたふうに、私としては、政務次官の私としてはというふうに申し上げたわけでありますが、やはり私は、できる得ることならば、これも共済の目的、範囲に入れるほうがいいというふうに考えております。しかし、これは直ちになかなか実行ができない。いま目下これは検討中でありますが、いろいろな点でもって、直ちにこれを実行に移すことはやはり困難で——直ちに移すということは困難であって、なおこれは検討を要することだということを申し上げておきたいと思います。
  56. 森勝治

    ○森勝治君 その、直ちに移すことは困難だということを二回繰り返されたのですが、私はそれほど困難ではなかろうと思うのであります。農林省が決断を下せば済むことで、一人一人の農民は申すに及ばず、農業団体も、その他の関係の皆さんも、こぞって本件の適用を願っておられるわけであります。したがって、そういうことは十分熟知されているあなたであります。しかも、きょうは農林大臣を代理されるあなたでありまするから、当然、ただいまの御返答は農林省の公的見解と私は拝聴いたしておるわけであります。まさか、個人後藤などということを、何十年か昔の古いことばを出すような、そういうようなお方とは私は承っておりませんので、十分この点は積極的なおことばとして拝聴したわけであります。したがいまして、それは一つのものをつくり出す、生み出すというのはたいへんむずかしいことかもしれませんけれども、いま申し上げたように、果樹については、もう間もなく結論を出される、包括するということでありますから、それならば、この野菜についても、あえて、そんなに強調されるほどむずかしいものではなかろうと思うのであります。ですから、したがって、本件については、こういう事故が起こって、事件が起こったから農民がかく申し上げているのではなく、常日ごろ絶えず長い間の願望でありますので、可及的すみやかに、ひとつ米麦と同じような措置をおとりくださるように、重ねて御検討をわずらわしたいと思うのであります。
  57. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 十分に検討いたします。実は、私もこのことについてあまり深い知識がないのでありますが、現在のところ、農林統計が未整理であること等の理由によって、基準収量の決定、損害評価が困難であります。また、作物によって保険需要の格差が非常に大きいということもあります。それから作物総合農家単位方式は、農家の作付構成が年々変動するので実施が容易でないというようなふうなことも言われておる面もあります。そういうようなふうなものをどういうようなふうなぐあいに見ていくかということなどがあって、すぐ直ちにこれも共済に移しますというようなことをなかなか申し上げにくい点がありまして、十分にこれは前向きでもって検討してまいりたいと思っております。
  58. 森勝治

    ○森勝治君 前向きの御答弁でありますが、いまのおことばの中に、農林統計が未整理であるという一言があります。あげ足をとるわけではありませんが、農林統計が未整理ということは、ことばをかえて申しますならば、これは職員の数が足りない、こう申し上げても過言でなかろうと思うのであります。したがって、職員の数が足りなければ、数をふやして、農民の期待にこたえる農林行政の具体的な実施をはかることが、当然農林大臣として、農林政務次官としての責任だろうと思いますので、ひとつこの点についての職員の配置の問題については、この前の委員会でも瀬谷委員から発言を申し上げたところでありますので、ひとつ十分職員の配置をしていただきたい。したがって、次官のほうから未整理ということが出たのでありますが、未整理だと言われて、はあそうですかと、われわれは引き下がれませんので、一日も早く整理していただきたい。整理するためには職員が足りない、それならふやしなさい。これはもうあたりまえのやり方でございますので、この種関係の職員の整備についても、ひとつお約束いただきたい。職員の充足ですよ、そのほうについてのお約束もいただきたい。
  59. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 先生から職員を充足するということを約束せよということでございますが、それは私がここでもって、職員を十分に充足するということを明言するわけにもいきませんが、とにもかくにも、前向きの姿勢をもってそうして検討いたしますから、その程度で御承知を願いたいと思っております。
  60. 森勝治

    ○森勝治君 わかりました。農林という仕事はなるほど積極的に前向きでなければなりません。じみであります。したがって、はなやかなところはございませんから、せっかく前向きの御努力をなされるわけでありまするから——前向き前向きといって前のほうでひっくり返ってしまっては何にもなりませんから、ひとつ農民が大地にしっかと足を踏んまえて作物を育成するように、がっちりとひとつ前向きの足を踏んまえた姿の農林行政の実現をはかっていただきたいと思うのであります。  そこで、具体的な問題についてお伺いしたいのですが、たとえば先ほど近藤さんからお話がありましたように、麦作の場合、収穫が皆無であります。もう、くしゃくしゃになった麦わらが畑地に散乱をいたしております。埼玉県の例でいうと、このあと片づけに自衛隊の火災放射器をもってひとつ清掃をしてもらいたい、こういう話をしましたところ、反当たり清掃費だけで二千円もかかるということであります。これでは、せっかく昨年の秋から麦の種をまいて今日まで粒々辛苦、収穫を待っておったところが、一朝にして、もとのもくあみということでは、文字どおり泣くに泣けないわけであります。あまつさえ、あと始末をしなければなりません。そうなりますと、これはたいへんな人手が要るわけでありますけれども、私ども先般来視察をした当時は、当該農民は文字どおりぼう然自失、前後の措置すらも考えが及びつかないという状態であります。さらに、この事件が起きましてから、生活の困窮者がもう直ちに出てまいりました。したがって、これは先ほど私も若干冒頭に触れましたように、農業を捨てて他にややもすれば走らんとする、こういう傾向も見られがちであります。ナスにせよ、キュウリにせよ、夏大根にせよ、日ぜにが入ってくる、それを楽しみにしていたが、全然入ってこない。したがって、キュウリでも、ナスでも、この出荷を当てにして他から借金をするのが農村の常でありますけれども、その借金を返すわけにもまいらない。そうなりますと、これはその日から路頭に迷うわけであります。したがって、私は、これら困窮する農民をいま直ちにもちろん天災法を適用していただきたいけれども、これは農林省が幾ら総力をあげても、今月末、さらにまた後日ということになると、いま直ちにきょう、あすの問題には間に合わないわけであります。したがって、私はここで特にお願いを申し上げたいのは、生活困窮するこのしいたげられたこれらの方々に対するきょう、あすの問題についての対処をお願いしたいと思うのであります。たとえば、今日のようにもう至るところ、山林原野のそれのごとく荒れほうだいでございますから、手のつけようがございません。したがって、農民はいずれかの場所において、あるいはまた、いずれかの会社、工場等において日ぜにを、何がしかの金を獲得しなければならぬ必要に迫られておるわけであります。したがって、たとえば、こういう場合には農業土木を起こすとか、あるいは、これは労働省の所管でありますけれども、緊急失業対策法の適用ができないものかどうか、ひとつそういう点についての早急な御検討をわずらわしたいと思いますけれども、この点についてはどうされるか、お伺いしたい。
  61. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) いま御質問がございました救農土木とか、あるいは、その他の労働省関係の緊急対策等、いろいろあるかと思いますが、これは関東近県という関係もありまして、場合によっては、むしろ工場のほうへ行くほうがいいというような、いろいろな場合もあるかと思いますが、こういう点につきましては、十分現地を調査いたしましてさらに検討いたしたいと思います。
  62. 森勝治

    ○森勝治君 それはひとつお約束願えますね。検討検討ということばがこの中にもたくさん出てくるわけでありますが、その後、具体的な進め方がおそらくされておるだろうと思うのですが、この速記録が記録された当時よりもだいぶ日柄がたっておりますけれども、きょうの近藤さんの質問、私がまだ全部質問しておりませんが、断片的な質問の中でも、この速記録の残った当時の事態よりも、農林当局の答弁内容というのは、どうもまだ心底を見せてないような私も邪推を持つものでありまするので、しつこいようでありますけれども、御検討の点をもう一度重ねて御返答願いたい。
  63. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) ひょう害につきましては、これは申すまでもなく、非常にわれわれとしても心を痛めておる点でございまして、何とかして、できるだけ早く可能な限りの救済の手を伸べるべきであるというふうに考えておりまして、まず、災害としまして最もわれわれとして可能な、しかも比較的有利にできます天災融資関係とか、あるいは自創資金の問題とかいうふうな点に、現行制度で少なくともできます点につきましては、急いでやれるようにいたしたいという考えで、現在、統計調査部を督励中でございます。したがいまして、われわれといたしましては、月末が大体目標ではございますけれども、それ以前にできるだけできるように督促をいたしておるような次第でございまして、どうか現在の制度その他を十分御了解願いまして御納得を願いたいと思います。
  64. 森勝治

    ○森勝治君 自作農維持資金あるいはまた政府資金の融資を、すでに本庄、深谷地帯におきましては、前二回受けておるわけであります。もちろん、融資の場合には、それぞれの資格認定その他があるわけでありますけれども、今回の場合には、そういう制約がありますけれども、なおかつ、資金を直ちに必要とする農民には融資をしてもらえますか。
  65. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) いわゆる低利資金といたしましては、制度的に確定する必要がございますので、直ちに乗る問題はない場合もございますが、たとえば自創資金などで現に配分された分もございますが、そういう点で、県段階措置できる問題もあろうかと思いますが、国のほうの制度といたしましては、先ほど申し上げましたように、統計調査部の調査を待ちまして、その上で措置をするようにいたしたい、これをできるだけ早くするように努力をいたしたいというふうに考えております。
  66. 森勝治

    ○森勝治君 たとえば、前二回の降ひょうによって融資を受けましたね。すでにもう一部償還の期限が来ております。ところが、不幸にして、たまたま今回の事件が惹起されたわけでありますので、これはもう償還どころではございません。したがって、この利子すらも返せないということになります。ところが、規則その他があってだめだということになると、農村の、特に当該地帯の諸君は営農を続けることが至難になります。規則をたてにとって、私は先ほど次官の前向きということばは、拡大する、温情ある農政、こういうふうな含みのある発言と承っておりますので、こういう質問をするわけでありますが、いま申し上げたように、規則一点ばりでおやりになると、どうしても必要欠くべからざる農民の諸君の手にその融資が渡らない。こうなると、いま申し上げたように、ただでさえ農村を離れようとするこの地帯の傾向でありますから、そこへ持ってきて、もう農民の責任ではございません、天災でございますから、御承知のように。やぼの発言をして恐縮でありますけれども、そういう農民の責任でない、不可抗力な、そういう天災による被害を受けた、しかも、おまえのところは二回も金貸しておるから、これ以上限度があるからだめだと言って、もし政府から突っ放されたら、これはもう何をか言わんやであります。でありまするから、この上は、ひとつ前向きの農民行政として、法の許す限り最大の配慮と措置と指導と善導をされるようにお願いをしておきたいと思うのであります。したがって、その点についての措置方法についての御意見をいただきたい。
  67. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 融資の点につきましては、天災融資法に関する限りは、これは法律でぴしゃりときめられておりますので、現在の段階では何ともしかたがございませんが、それ以外に制度融資がいろいろございまして、こういう関係につきまして、償還期限が迫っておるとかというふうな農家が非常に困窮するということになりますと、われわれとしても困る問題でございますので、これにつきましては、先ほど政務次官から御説明申し上げましたように、条件緩和の措置をするように、すでに通達を二十日に出しております。そういう点で御了承願いたいと思います。
  68. 森勝治

    ○森勝治君 条件緩和の通達をすでに出しておるから、私のようなやぼの質問は御無用と、こういうふうに理解してよろしいですか。おのずから条件があるわけでありますが、よろしいのですね、そういう点は。
  69. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 私の答弁、非常にまずい申し上げ方をしたかと思いますが、農林省といたしましては、できる限りのことをいたしたいということで、現在の可能な限りの措置をとるようにしたいと考えております。
  70. 森勝治

    ○森勝治君 食い下がって恐縮でありますがね、可能な限りというのは、個人も法人も欲望には限りがございませんから、可能というものさしがないわけですね。あなたの可能と私の可能はおのずから違うのであります。ですから、きょうはもっと、可能などと言わずに、私は具体的に申し上げている。すでに前二回の降ひょう融資を受けておる、これも返さなければならぬ、利子も返さなければならぬ。しかし、現実にまた被害を受けたのであるから、こちらのものも返せないでしょう。当分返せないでしょう。しかし、現実に復旧の資金が必要でありますね。立ち上がりの資金が必要であります。そのためには、愛情のある農林行政の具体的な実施の一環としてお貸し願えるでしょうかという具体的な質問をしているわけです。可能な限りというのじゃ、いま申し上げたように、近藤さんが言ったように、各県庁がたとえば今度四億七千万円と出しておりますけれども、何か大蔵省あたりでは六割削ってしまうというようなことになると問題になるわけです。ですから、可能な限りなんというのじゃ、そういう抽象的なことばでは、もう農民はこの金を待っておるわけでありまするから、もう少し具体的な御答弁をいただきたい。
  71. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 現在の制度におきましても、たとえば農業近代化資金とか、あるいは公庫の災害資金とかいうふうな低利の融資の面もございますので、そういう点につきましては、われわれとしては、できるだけの融資をするように指導いたしたいというふうに考えております。
  72. 森勝治

    ○森勝治君 くどいようでありますが、今度お借りすると三度ですよ。三度でもお貸しくださるという御理解のもとに、ただいまの御発言がなされたわけですね。くどいようですが、これはたいへん大切なところなんで、くどいようで恐縮でありますが、明快にひとつ願いたい。
  73. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 限度額というふうな問題はございますが、融資につきましては、われわれとしては、できるだけの措置を講ずるようにしたいというふうに考えております。
  74. 森勝治

    ○森勝治君 非常にありがたい、これこそ次官の言う前向きの御答弁をいただいたわけであります。そこで、甘えた発言をして恐縮でありますが、さらにお願いを——お願いなんて恐縮でありますが、農林省の見解を尋ねたいのでありますが、完全利子補給措置というのも、また同じように、いま御答弁いただいたような立場で講じていただけるわけですか。
  75. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 現在、いま申し上げたような制度上の問題がございますが、利子補給の制度は現在はございませんが、先ほど申し上げましたように、天災融資法その他の問題が今後検討の結果におきましては可能かどうかというふうなことになっていくかと思います。
  76. 森勝治

    ○森勝治君 ですから、私はさらに甘えてお願いをしたいと申し上げたのは、そういう措置がないけれども、次官が再度にわたって前向きの姿勢でおやりになるとおっしゃるから、そういう措置を講じていただくことができますかと、こういう質問なんです。いままでじゃない、これからやっていただけますか、さらに。こういうことなんであります。ですから、さつきの次官の答弁なら、検討するとかなんとかという、こういう文字どおり前向きの答弁があってしかるべきだ、また、そういう期待感を持っての御質問でありますから、お答えを願います。
  77. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) たびたび申し上げましたように、農林省といたしましては、これはもちろん、国会の御要求があったという意味ではなくて、農業共済の仮払いを早くするとか、あるいは制度融資につきまして、必要なものにつきましては条件の緩和をするとかいうふうな措置を前向きの姿勢でどんどんとってまいっておるつもりでございます。さらに可能な限りの努力はしてみたいというふうに考えております。
  78. 森勝治

    ○森勝治君 御承知のように、壊滅状態であります。特定な例といたしまして、隣のうちが全滅、こちらのうちはあまり激甚な被害を受けなかった。たまたま、まれな例があるにいたしましても、そういう例外があるにいたしましても、当該地方においてはほんとうにむざんな姿であります。したがって、陸稲も水稲も被害地は全滅であります。その他大根もニンジンもゴボウもブドウもナシも、文字どおり空に帰しました。ナスは棒が立っておるだけ、ブドウはつるがあるだけ、キュウリに至りましては、ささえの棒だけが残って、軸は根元からありません。御承知のとおりであります。文字どおり空でありまするから、なるほど、ブドウですと三年くらい待てばどうやらまた花が咲くという話もありますけれども、三年間も農民は待っておれません。したがって、こうして苗しろに要する種子その他、いわゆる農業の再生産に対するもろもろの措置をしなければなりません。したがって、これらに対しての助成はどのようにはかっていただけるか、お伺いをしたいと思います。
  79. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 種子の補助につきましては、過去におきましてもやったことがございますが、災害の実情その他、県と十分打ち合わせいたしまして、必要なものにつきましては検討するような方向でやりたいというふうに考えております。
  80. 森勝治

    ○森勝治君 文部省の方がお帰りになったそうでありまするから、農林省のほうに一つお願いをしておきたいと思うのであります。これは農林省にお願いするのは筋違いかもしれませんけれども、この主たる所管が農林省でありますのでお願いするわけであります。文部省の方がおられれば、ここで直接お願いしたいと思いましたが、この席上でお願いしておきたいのは、先ほど松代の問題が出ましたように、学校の災害の復旧の問題があります。たとえば、当該地方におきまして、一校について七百五十枚もガラスが破損をして散乱をした、こういう例もあります。さらには、今回の災害のために就学の困難な児童がすでにあらわれてきた、こういうのが出ておりますので、学校給食法やその他の問題についての国の援助適用の拡大をお願いしたいわけであります。いずれもこれは農村の子弟でありますので、いま申し上げた問題については、文部省所管にかかわるところでありますけれども関係省として、ひとつ農村振興の面からも、文部省と連絡をとっていただいて、こうした就学困難な農村の子弟の救済も、ひとつ最善の措置をはかっていただきたいと思うのであります。その点について、ひとつお答えをいただきたいと思います。これはお答えいただくのはまことに恐縮な発言でありますが、関連省としてお願いをするわけであります。
  81. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 学校給食につきましては、もちろん、われわれとしても関係ございますので、文部省のほうに十分連絡をとるようにいたしたいと思います。
  82. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 自治省のほうから何かありませんか。
  83. 佐々木喜久治

    説明員佐々木喜久治君) 私どものほうには、公立学校等についての災害関係の数字がまだ入っておりませんが、こうした公立学校についての災害等について、もし災害復旧費が要ります場合には、現行制度によりましてできるだけの措置を講じたい、かように考えております。
  84. 森勝治

    ○森勝治君 この被害激甚の地は、いま申し上げましたように、果樹、園芸の地でありますので、被害農作物の病害——病害虫ですね、のための防疫措置が必要だと思うのであります。えてして、この種の問題が起こりますと、こうした野菜等、申すに及ばず、人間にもいわゆる伝染病が発生するなどということがよく言われますが、被害地につきましては。私が申し上げたのは、先ほど県南地帯における市街地のこういう防疫の問題もさることながら、農村の再生産の場における農作物がとにかく壊滅状態にありまするから、当然これは本来ならば噴霧機か何かでずっと畑作のものを消毒する時期でありますね、これやっておるわけであります。それが御承知のように、この降ひょうによって当分放任されておりますから、当然これは病害虫が発生することは、もう目に見えてわかるわけであります。したがって、これらの措置を農民がしようと思っても、いま言ったように、もう収穫は皆無でありまするから、現金収入がございません。したがって、これらの措置もとるすべがないのでありますので、国からもそういう問題についてのひとつ対策考えていただきたいと思うのでありますが、この点については、どういうお考えでありますか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  85. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 野菜、あるいは肥料等につきまして、過去の大きな災害におきましても、農林省といたしましてはこの補助を出すというふうな考え方で、政府部内で打ち合わせをいたしたのでございます。これはいままでの経過といたしましては、なかなかその壁は打ち破れなかったというのが実情でございます。もちろん、われわれといたしましては、今後の問題もございますので、さらにこれは検討さしていただきたいというふうに考えております。
  86. 森勝治

    ○森勝治君 蚕の問題についてちょっと聞きたいんですが、御承知のように、桑が全滅であります。桑の木の枝は折れ、葉はもぎ取られて、もう何もありませんから、蚕は飼うわけにまいりません。したがって、蚕を廃棄の措置をいたしたわけであります。こういう被害もたくさんあるわけでありますが、これらの問題については、やはり助成金等の措置を講じていただけますか。
  87. 井戸吉次

    説明員(井戸吉次君) 今回の凍霜害の起こった時期と、それから掃き立てといいますか、上蔟との関係なんですが、まあ幸か不幸か、あの起こったときには、大体もう完了しているのが多かったと思います。一部にはやはり完了しないで、買い桑その他でやったという点もございますが、そういう買い桑にも、被害のために買い桑せざるを得なかったというのは、これは共済のほうの対象にいきまして、そういう被害を合わせましてそれが三割以上の被害となればお金を払うという、そういう式になっております。
  88. 森勝治

    ○森勝治君 そういたしますと、やがて秋になると秋蚕を飼うことになりますね。ところが、桑の木が全滅でありますから、秋は蚕を飼うことができません。そうなれば、桑の木のそうした損傷についても、まあこの場合、損傷ということばは適当でないかもしれませんけれども、そういう問題についての具体的な救済措置をとっていただけるわけですね。
  89. 井戸吉次

    説明員(井戸吉次君) 私がただいま申し上げましたのは、春蚕についてのお話でございますが、夏秋蚕につきましては、もうすでに共済責任が発生しておりますので、夏秋になりまして木自体がやられて、それの掃き立てが減少するということになりますれば、当然それは保険のほうの対象になります。
  90. 森勝治

    ○森勝治君 御承知のように、これはくどいようで何回も申し上げて恐縮でありますが、見渡す限り全滅のただ荒れ野原と申していいのが現状であります。先ほども申し上げましたように、昨年で六十回の被害、ここ続けて三年連続ということになると、農民は生産の意欲が減殺されるどころではなくて、全く失おうとしております。したがって、これから先のこと、畑地で何をつくろうか、たんぼでどういう作物を植えつけようか、こういう知恵もまだ浮かんでおりません。文字どおり、ぼう然自失のていでありますから、あしたに対する計画というよりも、今日をどう生きるかということで精一ぱいでありますから、なかなか未来に対する計画がわきません。しかし、今日のように、毎年毎年同じようなこういう問題に見舞われますと、従来のような仕事を続けておってよいものやら、あるいはまた、この地帯が、先ほど申し上げたように、米麦単作から多角経営ということで、蔬菜、園芸、果樹等の栽培に移ったわけでありまして、せっかく、このことによって更生しようとしたこういう地方が、今度の問題でまた打撃を受けておるわけであります。したがって、そうなりますと、やはりもうやめちゃおうというのがすでにもう出ているわけですが、したがって、それではならぬと思いますので、田畑の作物の指導にしても、適正を期さなければならないと考えております。したがって、もう天災法を適用して見舞い金をやり、救済資金をやれば、あとは自力更生するだろうという政治は過去の政治であったわけであります。進んで地域の適作という、そういう客観的にも、主観的にも正しい農業行政の指導があってしかるべきだと思いますので、この被害の激甚地につきましては、今後どういう措置、どういう農業指導をされるか、見解を承っておきたいと思います。
  91. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) ひょう害につきましては、たいへんむずかしい問題がございまして、地域が比較的重複する問題もございますが、また同時に、時期的に必ずしも、たとえば六月なら六月というふうに降ひょうがあるわけではないというふうな点で、どういうふうな営農指導をしたらいいかという問題は、まことにむずかしい問題を含んでおります。われわれといたしましても、過去のデータその他を見表して、特に関東地方が大きな問題になっているわけでございますから、そういう点につきましても、時間的な問題もあると思いますが、十分被害県あたりと打ち合わせまして、今後の営農指導等につきましても検討をしてみたいというふうに考えております。
  92. 森勝治

    ○森勝治君 そこで、進んでお伺いして恐縮でありますが、このように毎年毎年同じような問題に見舞われますと、作付転換ということになりますが、こういう地帯においては一体何が最も適作なんでしょうかね。こんなことを聞くのはまことに恐縮でございますけれども、これは別に深谷、本庄地方のみだけが降ひょうのところではなくて、その他に至るところあるわけでありますから、被害を最小限度にとどめるためにも、これは適切な行政指導があってしかるべきだと考えておりますので、ひとつ降ひょう地帯における被害を最小限度に食いとめるための農作物というものは、若干抽象的な御答弁になるだろうと思うのでありますが、差しつかえなかったら、ひとつお教えいただきたい。
  93. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) お教えするほどの能力は実はございませんが、農作物の中にも、比較的ひょう害にやられましても回復力の早い作物というものもあろうかと思います。ただ問題は、それが必ずしも経済的に有利な作物であるかどうかというふうな問題もありまして、非常にむずかしい問題を含んでおります。これは過去の歴史なり、その他今後の気象学の発達等によりまして解決できる問題もあろうかと思いますが、これは先ほど申し上げましたように、短時日でできる問題ではもちろんございませんので、今後の何といいますか、経験の積み重ねなり、あるいは学問の発達によりまして解決する、こういうふうな方向で考えざるを得ないのではないかというふうに考えております。
  94. 森勝治

    ○森勝治君 この被害は作物のみにとどまりません。家畜にまで及んでおります。したがって、この地方は酪農も案外盛になところでございますが、牧草等は御承知のように全滅であります。畑地において、ここはニンジンをたくさんつくっておりますけれども、ニンジンを豚や牛に食べさせようとしてやると、こういう被害の後のニンジンでは、豚や牛も下痢をする。まず人間様が食えないものを豚にやっても、人間が食えないものを何でわれわれが食えるかということで見向きもしないということであります。そういう状況で、これは酪農関係にも著しい影響を及ぼします。したがって、酪農関係についての救済措置はどのようにとられるのか、この点もお伺いいたしておきます。
  95. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 酪農関係になりますと、えさが主体になるかと思います。牧草は場合によっては、回復力のある牧草もあると思いますが、さらに、えさがなくなったという場合につきましては、政府所管しておりますふすまにつきまして、これは政務次官が先ほど御説明いたしましたが、多少の安売りはできることもありますので、そういう点につきましても、県当局と打ち合わせをしたいというふうに考えております。
  96. 森勝治

    ○森勝治君 ブドウの回復は三年かかるそうであります。牧草の栽培牧草は、他の農作物と同様に作物でございますから、またそれを、芽を出してどうこうということになると、これはちょっとおぼつかないわけであります。したがって、これは普通のたとえば土手、路傍の草ですと、これは雑草ははびこると申しまして、風や雪にもめげず復活いたしますが、肥料を与えた作物は、人間と同じように弱くなるそうです。したがって、回復が非常におそい。ですから、その牧草の回復を待っておったのじゃだめなので、これは新しく種をまきつけるかどうかというやり方をしなければならぬと思うのです。したがって、その措置についてお伺いしたいと思います。
  97. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 私、詳しくは存じない点がありまして、ちょっと申しわけないのでございますが、牧草などにつきましては、年何回かの収穫をするようなものもございますし、わりあい牧草の中には回復力の早いというものもございます。それで、牧草につきましては、年三回とか四回とかいう収穫があるわけですから、そういう点については、種子の再播を急ぐ、また、先ほど申しましたように、不足の分につきましては、ふすまの払い下げ等につきまして考慮するというふうな考え方でいきたいと思います。  ちょっと私、先ほど間違えて申しましたので、訂正させていただきたいと思いますが、ふすまを安売りというかっこうでは実はございませんが、政府が売り渡します場合の価格が市価よりも比較的安いという問題がございますので、政府の売り渡し価格で安く入手できるように措置するというふうな考え方で処理していきたいというふうに考えております。
  98. 森勝治

    ○森勝治君 それはぜひやっていただきたいのですが、いま牛や豚の餌料の話が出ました。この前の委員会では、農民の食べる問題点について近藤さんから出されましたが、御承知のように、当該地帯は、私も何回も繰り返すようですが、米麦からこういうふうに多角経営に移ったわけでありますので、米麦の収穫が比較的各農家とも少ないわけであります。したがって、蔬菜等の生産物を売って主食をあがなうという、こういう生活を続けている方が、農村でも比較的多いわけでありますが、今度はその米、みそを買う金もないまあキュウリかナスで一食しのごうと思って畑に出てみたら、もとのもくあみで何にもないということになると、これはもう天を仰いで長嘆息する以外ないわけであります。したがって、そういう問題についての措置もあってしかるべきだと私は考えておるのですが、近藤さんは、具体的に伊勢崎地方においては、多年、米のかわりに麦をもって、麦すなわちうどんをもって食糧としておったのであるから、この麦がとれなければ、収穫皆無になったので、そのことについては政府が適切な措置をとってほしいという発言もすでになされ、この点については、われわれが群馬の被害地を訪れたときでも、被害の農民や県知事、群馬県当局からもそういうお話もあったわけでありますが、この点についての措置についてのお答えをいただきたい。
  99. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) これは十分県の事情をお伺いいたしまして、これはまあ過去にも例のあることでございますが、農家あるいは農協の希望によりまして、製粉工場あるいは精麦工場から普通の入手価格よりも安く入るようなあっせんの方法でもとりまして、農家に有利な方法考えたいというふうに考えております。
  100. 森勝治

    ○森勝治君 先ほど農業土木云々ということで、若干そういう点で緊急失対法の適用等がないかというふうにからませて発言をしたわけでありますが、この災害復旧の補助対象事業の単価の値上げですか、そういう補助単価の値上げということはできませんか。
  101. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 災害につきましては、これはしばしば問題になることでございまして、かなり制度的に整備されておるという状態でございます。それで、風水害等につきましては、かなりの大きな災害が出てくるというふうなことで、災害程度によりまして、具体的にかさ上げの方法がいろいろ法律上きまっておるわけでございますが、現在、ひょう害というふうな天災につきましては、現行制度では、おっしゃるような方法は現在はございません。また、これをやるということは、なかなか、何といいますか、大蔵との折衝でもまずむずかしかろうというふうに考えておりさす。
  102. 森勝治

    ○森勝治君 むずかしいことはわかっておりますが、不可能ではないわけでありますね。前向きの姿勢でおやりになるわけですから、万難を排しておやりくださるだろうという期待を込めて私は質問しているわけです。
  103. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) どうも大体お答えがまずくて恐縮でございますが、農林省といたしましては、とにかく農民を保護するという立場から、何につけても前向きの姿勢ですべて交渉するつもりでおります。御了承願いたいと思います。
  104. 森勝治

    ○森勝治君 今度はあげ足をとりますよ。前向きの姿勢ということばをあなた三回おっしゃられたわけです。次官は二回おっしゃられた。一体、行政の中でうしろ向きの行政というのはあるだろうか、どうでしょう、うしろ向きの行政というのはあるでしょうか。全部前向きではないでしょうか。きのうよりきょう、きょうよりあすと、だれもが未来のしあわせに向かってばく進しているわけですね。行政にうしろ向きなんというのはありはせぬと私は思う。したがって、前向きの婆勢などというのは、それはまことに恐縮だが、から念仏のようなものであって、うつろに響く、私はうつろに響く。私は根が百姓でありますから、生まれが百姓出でありますから、上品なことばは知りはしません。しかし、当該地方の農民が四十億になんなんとする被害を受けて、生死の境を彷徨している切実なる農民のこの願いというものを少なくとも一身に集めて、私はいま農林当局の皆さんに質問しているつもりでおります。前向き前向きとおっしゃっても、具体的な措置、愛情の手というものが形にあらわれなければ何にもなりません。私はそう思うのであります。したがって、前向きということは、私が申し上げたもろもろの問題、要求もあります、お願いもあります、さらにまた、先輩諸君がるるこの問題については発言をいたし、政府の果敢なる措置を、具体的な措置を訴えておられます。こういう問題については、そちらさんでは、なるほどもっともだ、理解をする、同情をする、前向きでやります、積極的にやりますとおっしゃっておられるけれども、さて現行法令で、われわれが本席において発言したとおり、さっさと実現しようとは私は思っちゃいない。たいへんなことだと思う。にもかかわらず、あなたのほうから見れば、前向きです、さっさとやりますとおっしゃっておられる。私は、そこに、まことに失礼だが、前向きなどという表現をうつろに響くことばだと申し上げたわけであります。したがって、そういうことばでなくして、最もいま必要欠くべからざる、必死に国の救済を念願し続ける一都五県、さらには、東北のリンゴ、その他また中国地方でも被害を受けておるわけでありまするから、これら農民の切なる願いが具体的に実現できますように、ひとつ具体的な答弁をいただきたい。したがって、この辺でひとつ、農林大臣を代理する次官から、私がいまあげ足をとったわけでありまするから、ひとつ具体的な御答弁をいただきたい。
  105. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) いま私から、並びに来正氏から答弁いたしまして、その中に、前向きで検討するからということばがありましたが、それについて、うしろ向きにやる行政があるかというふうなお話でもございますが、私どもは、まあ前向きということは積極的に意欲的にそれはやるように努力をいたしますということばでありまして、そこで停滞せずに積極的にやるという私どもの意欲の表現でございますから、さようにおとりを願いたいと思っております。いままでお答え申し上げて、前向きでやるということを申し上げたのはもちろんのこと、その他、そういうことばは使わなくても、私ども答弁いたしましたことは、でき得る限り積極的に、ひとつ至急にやるつもりでありますから、どうぞさように御承知を願いたいと思うのであります。
  106. 森勝治

    ○森勝治君 真摯なる御答弁でありますので、あげ足とりのことばという問題は私も今後慎んで、より真摯な質問を続けたいと思うのであります。  御承知のように、農業というのは、釈迦に説法で恐縮でありますが、非常にじみであります。昔流で申しますと、まあ星をいただき霜を踏むなどということばがあります。しかし、近代的な農業経営というのは、やはりこれはもう八時間程度働けば、ささやかながら二月をささえるに足る収穫ができる収入がある、そういう農業が近代的な農業経営じゃなかろうかと私は思うのであります。ところが、この当該地方の皆さんは、とにかく夜の夜中も、あるいはまたあしたも、文字どおり、ししとしてうまずたゆまず努力してきたけれども、天の悪さのなせるわざで一朝にして畑作物が全滅をしてしまった、まことに気の毒であります。したがって私は、こういう問題につきましては、先ほど近藤委員も申し上げましたが、私は三十億円とかなんとか絶対ありはせぬと思う。あるいは三十億円以下だということになれば、農林省の職員の手薄なために十分な調査ができないために、そういう線が出るのではないかというふうに理解をせざるを得ないのであります。したがって、よしんばこれが十億であろうとも五億であろうとも、まじめに働いた農民が、額に汗をして、人々のよき生活のための疎遠園芸、単作の米麦を切りかえて、時代の要求に従って作物の作付転換をしたわけであります。したがって、まさにこれは時代の要求によってそういう作付転換という農業経営の姿が生まれたわけでありまするから、これら諸君の自分のいわゆる自業自得ではなくして、天災によってそういう被害を受けたわけでありまするから、いまの法律は、なるほど三十億以上でなければ救済の措置は講じられないということになっておりますけれども、このように去年もそうだ、あるいは三十八年もそうだ、過去さかのぼって見たら六十回もあったというような当該地方について、画一的に三十億円以上でなければならぬというものさしをはめることは、必ずしも当を得たものではない、生きた行政の姿ではないと私は思うのであります。そういう点についても、とくと御勘考いただいて、どうかひとつ、このしいたげられた、いままさに、政府の天災法の適用がなければ、離農せんとするその一歩手前の、ほんとうにせっぱ詰まった農民諸君の心情を、私は口べたでございますので十分この被害地の農民諸君の訴えんとするところを、農林当局に伝えることのできないもどかしさを私はいま痛切に感じておるのでありますけれども、どうかひとつ、これらの諸君が、農業を離れることなく、これからもより一そうわが国農業の第一線に立ってがんばることができるように、ほんとうに最善の措置を農林当局が適切に、果敢に、ひとつ大蔵省とけんかすることはどんどんけんかしていただいて、農民のために農業行政の進展のために御努力を願うことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
  107. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) いま切々としてお述べになられましたことを十分念頭に置いて処理してまいりたい。ことにまた、農林省だけで決定することではなしに、いまお話しのありましたように、大蔵省などと協議をする必要もございますので、いまのおことばを十分念頭に置いてやっていきたいと、こういうふうに考えます。
  108. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 私からちょっと質問したいと思うのですが、すでに森委員から質問されておりますけれども、いままでこういう災害は何回もあったわけです。何回もあって、そのたびに地元からいろいろ陳情が来る、いつもいつも同じような内容なんです。ぶつかる問題は、たとえば蔬菜類は共済の対象にならない、これはどうするんだ、非常にむずかしい問題で検討しているというような話なんです。それから天災融資法の適用の問題にいたしましても、ただいま森さんからもお話しあったとおり、三十億云々ということがございました。しかし、現実にそのひよう害を受けて現金収入がなくなってしまった農民がいるということは事実なんですね、これは否定できない。当委員会としても現地を視察して、その状況をつぶさに見聞してきたわけですね。こうなると、この法の適用というもの、法律というものはきわめて抽象的なものであって、型どおりにいけば適用になるとかならぬとかいう問題が出てくるわけですよ。これを生かして使うときには、現に現金収入の道を断たれて困っている農民がいる以上は、適用するということは私は当然だと思う。それから共済の対象になる、ならないという問題にしても、もういつもいつもむずかしい問題だというので、検討ばかりしているのではらちがあかないので、そこでその障害なり隘路というものはどこにあるのか、その点を具体的に私は聞いてみたいと思う。その隘路は予算の面にあるのか、技術的な面にあるのか、あるいは要員の面にあるのか、こういうように分類をしてみて、もしそのどこに該当するかということがわかったならば、その隘路なり障害を克服するためにはどうしたらよろしいのか、そのことを明らかにしてもらいたいと思う。そうでなければ、どうも話が抽象的なばかりで終わってしまっておる。前進しないと思う。その点をお伺いしたいと思う。
  109. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) たとえば被害農家がかりに非常に深度の深い被害を受けたという場合があろうかと思います。こういう場合にほかの災害もいろいろあると思います、何も農家ばかりではなくて、一般災害。そういうふうな点でどういうところの災害を全般的に拾うか、あるいは県単位で救済できるものは県でやるとか、いろいろな問題があると思います。そういう点で現在の天災融資法は、御存じのとおり、国民経済に重大なる影響を及ぼした場合という前提が加わっているわけであります。ただ、ひよう害のような場合には、かなり深度があり、あるいは連続というような場合もあると思います。そういう点で大蔵省と話をしているわけでありまして、これは必ずしもしゃくし定木でそのままいく問題ではもちろんないと思います。金額につきましても、大蔵省との折衝その他につきまして、かなりそのたびごとに論争しているという点であります。その点は、大蔵省といたしましてはやはり全般の均衡の問題なり——全般と申しますのは国民全般の均衡の問題であります、それからまた財政の負担の問題というふうな点で具体的にはきまっていくというふうに考えております。簡単にこの被害が発生したから直ちにその農家を救済するというふうになかなかいかないのが現状であります。それから共済の問題につきましては、これはたいへん技術的にむずかしい問題がしばしばございます。現在の米麦につきましても、しばしば問題が起こっておるような状態でございまして、野菜につきましては、これは種類も多うございますし、また年何回もとれる、あるいは組み合わせがどうというふうな問題もございまして、また危険の分散ということが地域的に非常に違っておるということ、たとえば関東地方ではひよう害を受けることがひんぱんに起こるところがあるとすれば、そこのところの負担をどうするかというような危険分散の問題——保険というのは当然危険分散の問題が伴ってまいります。そういうふうな技術的な問題で非常にむずかしい点を含んでおります。そういう点を十分検討いたしませんと、共済制度をつくってもすぐつぶれる、あるいは成り立たないというような形になると困るというふうな問題があるかと存じます。
  110. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 いまの後段のお話は、技術的な面のむずかしさを言われた。しかし、この技術的な面の問題は、被害を受けた種類であるとか内容であるとか、あるいはその被害の度合いであるとかそういうことを調査をすることによって認定を下すということはさほどむずかしくないのではないですか。その認定を下す場合のむずかしさがあるとすれば、その認定を下すに至るまでのプロセス、その間にたとえば要員の不足の問題であるとか、そういう手の届かない事情が介在するのかどうか。もしそういうことがあるとするならば、これは機構の問題やら要員の問題に関連をしてくると思うんですが、その点の隘路、障害というものが、今日こういうひょう害等に際して具体的にあるのかどうか、その点もお伺いしたいと思う。
  111. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) これは作物によりましても若干違う点がございます。たとえば果樹などにつきましては、これは一年一作のものでもございますし、また比較的被害が、何といいますか、全国的に比較的平等だというふうな点もございます。ただ野菜というふうなものになりますと、これは何といいますか、具体的な作物の組み合わせなり、あるいは被害を受ける地域が非常にバランスがとれておりません。どれだけの保険金をかけるかということになりますと、個々の農家について変える必要も当然起こってまいるわけでございます。個々の農家と申しますか、地域的にそういう点につきましてどういうふうな負担をかければいいか、あるいは時期的にどういうふうな作物をつかまえていくかというふうな非常にむずかしい技術的な問題を含んでおりまして、これは容易な調査では実行が不可能であるというふうに考えるわけでございます。そういう関係で、調査に相当な時間をとっておりまして、いまだに結論が出ないという状態でございます。
  112. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 調査に時間をかけていて結論が出ないというふうにいま端的に言われましたけれども、やはり調査に時間をかけるということは必要なことだと思いますけれども、結論が出ないというのはまずいですよね。で、われわれの回って見たのはもちろん部分的だから、簡単にそれは判断を下すことが妥当かどうかは、これはむずかしい問題と思うんですけれどもね、現実の農家では現金収入を、たとえば蔬菜なら蔬菜、果実なら果実に依存をしておったという点がはっきりしている。そうすると、それがひょう害によって壊滅状態になったということは、現金収入の道が断たれたわけですね。つとめ人でいえば夏期手当と預金通帳をどろぼうに持って行かれてしまった、こういう状態と同じになるわけですね。そういう状態と同じになった場合に、つとめ人がわが身に引き比べて考えてみて、これはたいへんだというふうに私思うわけです。そういうことを考えて、そういう認定をすることはそんなにむずかしいことじゃないんじゃないかという気がするのです。それはどれくらいの面積でどれだけのものをつくって、その現金収入がどのくらいいままでの家計においてどういうパーセンテージを占めておったかということは、個々の農家の場合で違いがあるかとは思うけれども、調べることは私はそんなにむずかしくはないような気がする。その点の調査が非常に広範囲にわたって、技術的にむずかしくてできない、こういうことになるのか。もしできなかったならば、今日電子計算機のようなものもあるのですから、それらをまとめて調査をして結論を出すということは、まあ科学的にやればそんなにむずかしいことじゃないのだという気がするのです、が、その種の障害を克服できないものかどうか。それで、早期に結論が出せないものかどうか、この点もあわせてお聞きしたいと思うんです。
  113. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 被害の点もいまちょっとお話しございましたのでお答えいたしますが、被害の具体的な個々の農家については、査定はもちろんできるわけでございますが、保険という、要するに共済という名前のごとく、相互の損害を保険し合うという形のものでございますから、一般の補助金とちょっと違いまして、どれだけの保険負担をするか、個々の農家にさせるかということが非常に大きな問題になってくるわけでございます。で、非常に被害を受けやすい地域のところは入るけれども被害を受けないところは入らないということになるので、危険分散の問題等で非常にむずかしい問題がございます。そういう点につきまして、野菜は、たびたび申し上げておりますように、種類が非常に多うございますし、また時期的にも必ずしもきまっておるわけではございません。また農家の野菜のつくり方の組み合わせも必ずしもきまっておらないというふうな点、共済制度として成り立ち得るかどうかというような制度上の問題に非常にむずかしさがあるということで、検討に時間を要しておるということでございます。
  114. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 制度上の問題に難点があるとすれば、やはり制度上の問題から根本的に考えていかなければならないと思うのです。せっかく制度があっても、それが活用されないということになると、これはつまらないと思うのです。たんすの奥にしまっておいてめったに出さない骨とう品みたいなものになってしまうと意味をなさないと思うのです。だから、制度上の問題があるとすれば、制度上の問題を含めて私は根本的に検討して、法律改正の必要があれば、私はその法律の改正を行なう、こういうことも、この際は、私はやるべきじゃないか、こういう気がいたしますけれども、その点はどうです。政務次官のほうからは、だいぶ前向きの発言ということをしきりに言われたが、あまり抽象的なことを言われるとなんだけれども、具体的な問題はどうです。現実にそういう災害があった。天災は忘れたころにやってくると言うけれども、埼玉県なんかの場合は、忘れるひまがないところです。だから、こういう忘れるひまがないうちにやってくる問題になると、対策のほうが後手に回ってもまずいと思うので、これはこういう現実に即応するような法の適用ができるように、方法を具体的に講ずるということですね。この点はできるかどうか、その考えがあるかどうか、お答えいただきたいと思う。
  115. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) この点につきましては、先ほど申し上げましたように、畑作共済につきましては、政務次官の私の考えといたしましては、やはり被害を受けた農民を救済するのにその方法が非常によいことだとは思っております。それで、それについて、はたしてそれが実行できるかどうかということは、長い間、いま検討しておって、まだ結論がでないわけでありますから、それを積極的にやはりなるべく早くひとつ結論を出さして、なるべくならば私は、これは畑作共済に持っていくというふうにすることがいいことだというふうに考えているわけですが、それでは、いよいよやるかどうかと詰められると、まだ私はそこまで研究を積んでおりませんから、はい、やります、ということは申し上げにくいわけであります。
  116. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 別に警戒しなくてもいいですよ。あなたがそういう気持ちを持っておられる、それは農林政務次官としてけっこうなことだと思う。できないからと言ったって、別に——できるかできないかわからぬことはわれわれにもわかっているわけです。ただし、その結論は早く出さなければならないという問題だという気がするわけです。  委員長、どうでしょうか。各要望事項というのが関係地方から出ているわけです。これらの要望事項というものを総括してみると、大体同じものにまとめられると思うのです。災害対策委員会として視察をして回ってきて、われわれがこの要望事項を見た場合に、まあ無理もないという気がするわけですよ。これはたくさん、各県関係要望事項もあるし、農業会議所の要望事項もいろいろありますけれども、似たり寄ったりです、言っていることは。天災融資法の早期発動であるとか、あるいは自作農維持資金の融資ワクの拡大であるとか、貸し付け限度の拡大であるとか、あるいはすでに貸し付けを受けている各種制度資金の償還期限の延伸措置であるとか、利子補給措置であるとか、こういうような事柄と、税金関係でいうなら、所得税の減免措置、あるいは被災市町村に対する特別地方交付税の交付についての措置こんなふうに言われてきているわけです。これらのことは、もうこの委員会でも毎々言われておって、それから陳情の際にも同じようなことが言われておる、こういうことなんです。こういう要望事項等に対するまとめた結論というものを災害対策委員会としても私は出すべき段階ではないか。それに対する政府としての答えを、あまり抽象的ではなくて、ここに用意すべき段階ではないか、こういう気がするのですが、その点について、政府代表するという形でもって、これら関係地方からの直接の陳情に対する答えはどのように出していかれるのか、その点をお伺いして質問を終わりたいと思います。
  117. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) 先ほどお答え申し上げましたように、このひょう害に対しまする根本的なことは、天災融資法の適用ができるかできないかということが非常に大きく響いてくると思うのでありますが、それは今月中にはその総額が決定いたしますから、今月中には大体結論が出ると思います。そして、それによって非常に違ってまいりますが、もしその結果いかんにかかわらず、いまいろいろなこまかい点をお尋ねがあったのでありますが、農林省といたしまして現在の法律でもってできる限りのことは、お気の毒な農民のために善処する、やっていきたいと、こういうようなふうに考えておりますから。
  118. 宮崎正義

    宮崎正義君 るるといろいろ質問なりお答えなりがありまして、私の申し上げるところも、だいぶん先輩の委員の方々がおやりになりましたので、ごく一つ二つ伺っておきたいと思うのでありますが、三十九年度の、これは農林省の統計調査部の調べですが、天災融資法の適用を受けた金額というものが一千四百六十九億円ある。それからその他の災害を受けた損失額といいますか、それが二百九十一億ある。それから四十年度では、天災融資法を受けたものが千六百二十八億円、その他のものが百四十七億ある。四十一年度になりますと、九州の先ほどお話の六十三億と、あるいはひょうの問題、豪雨、霜の問題等入れて、今日に至る間に百三十億ばかりの災害が計上されているわけですが、こうした天災融資法を受けていない、いま問題になっております今回のひょうの問題につきましてもそうだと思うのですが、豪雨だとかあるいは霜でやられたとか、病気でやられたとかいうその他の被害というものがこのように累積された金額になっておる。この金額の裏には、先ほど来からお話がありましたように、農民が血を吐く思いで戦ってきた姿がこの中にあるわけです。こういう立場から、その人の立場に立って考えますと、当然天災融資法以外の国として災害法というものをもう一歩突っ込んだ考え方をしなければならない、こういうふうな時期に来ているのじゃないかと私は思うのですが、また、この点についてもまずお伺いいたしますが、気象庁長官が時間等の都合もおありだと思うので先にかいつまんでお伺いしておきたいと思いますが、今回の、前にも論議されたようでございますが、熱界雷といいますか、そういう気象状況というものは、週間気象情報等発表なさっておられますのですが、これをもう少し分解されて農民の人に早くわからせる方法はないものか。先ほど申し上げましたように、お聞き及びと思うのですが、豪雨とかあるいは霜だとか、そういったような問題も、週間気象とかというものがもう一歩突っ込んでいかれたならば、ある程度までのことは防げると思うのですが、あの広い範囲にテントを張ってキュウリも麦もみな守るわけにいかないですから、その天災というものの今日までりっぱな気象事業をやってこられた立場において、もう一歩突き進んだ科学的な発表のしかた、また農民にそういう知識を与えていくということを、私はこの際あわせてお伺いしたいと思います。
  119. 柴田淑次

    政府委員柴田淑次君) この熱界雷のことでございますが、これは週間予報におきまして、こういうような天候だから雷があるであろうということは——週間予報と申しますと、一週間前に出す予報でございまして、御承知のように、一週間後までの毎日の予報を出すのが週間予報でございます。それにも、雷があるであろうということは、その程度はわかるのでそれをつけ加えておりますけれども、何月何日にどの地方でどの程度の雷があるかという非常に具体的な問題になってまいりますと、残念ながら現在の技術水準としては、そこまで詳しくは前もってわからないような現状でございます。ただ御承知のように、最近あちらこちらに気象庁の気象レーダーが設置されております。この気象レーダーをもって観測いたしますと——毎日観測しておるのでございますが、観測いたしますと、どの辺に大きな雲があるということがわかるのでございまして、非常に濃い雲があるということになりますと、当然雨も降っておりまして、その雨はレーダーでつかまえることが下さるのでございます。しかし、それはそういった雨の現象が始まらないとレーダーではわからないのでございまして、その点で前もって対策に間に合うだけの時間を置いて、そういったものの予報をお知らせするというような段階になりますと、レーダーをもちましてもやはりそれだけの時間の余裕がない場合がむしろ多いというような現状下ございます。したがいまして、こういった雷とか、ひょうだとかいうような局地的な現象と申しますか、比較的局地的の現象につきましての予期技術というものは、現在のところ非常にまだ立ちおくれておりまして、レーダーをもちましてもそういった状態でございますので、なかなか御満日のいくほどの技術水準には達しない現状でございます。  それで、立ちましたついでにちょっとつけ加えて申し上げたいと思うのでございますが、気象庁のほうでは、ひょうにつきましては、まあそういった状況で、なかなか現在の技術では予報がしにくい、ほとんど困難であるが、何とかこれを改良して予報ができるような段階にできるだけ早く持っていきたいというように考えまして、いろいろ検討はしておるのでございますが、先生御承知のことだと思いますけれども、ひょうというものができるのは、いわゆる一口に申し上げますと、非常に猛烈な上昇気流がなければならぬわけでございまして、この猛烈な上昇気流を何とかして機械でとらえたいという、そういう機械が開発されればこれは可能でございます。そういう機械の開発が必要でございまして、そういう機械がないものかというように考えておるのでございますが、現存の段階におきましては、ある種の機械をもって観測をすれば、ある程度の上昇気流が把握できるのじゃないかというように思われる機械も考えられるのでございまして、しかし、実際そんな機械をもってやってみても、はたして降ひょうの現象が予報できるかどうかということにつきましては、ここで何とも申し上げられませんけれども、少々くとも、そういうような機械も考えられますので、気象庁のほうといたしましても、そういった上昇気流をとらえるような機械の開発に現在も努力しておりますし、将来もなお一そう努力したいというように考えておる次第でございます。
  120. 宮崎正義

    宮崎正義君 私はしろうとでわかりませんけれども、いまお話を伺って、結局、上昇気流が発生して、その熱界と季節に関係のない冷たい風が空気を押し上げた場合に、何ですか、寒冷前線付近ですか、に達して、そうしてそれが二つの層の界となってひょうが落ちるということになるというふうに聞いているのですが、その上昇気流がつかめないというのは、きょうのようにたとえば蒸し暑い、こういったような状況に起きやすいんじゃないかというふうに思うのですが、こういうきょうのような状態から推しはかっていってみて——もう少しきょうの時点から推しはかってみて、何とかつかめないものかなというふうに思えるのですが、この点、よろしかったらひとつお答え願いたいと思います。
  121. 柴田淑次

    政府委員柴田淑次君) ちょっと技術的な話になって恐縮でございますが、ひょうが降るというような状態は非常に特殊な状態であろうというように考えられるので、上昇気流があるところにはひょうが降るというんじゃなくて、ひょうが降る場合に上昇気流があるというのでございまして、上昇気流がございますと、必ずひょうが降るというのではございません。そこのところの段階が非常につかみにくい、予報しにくいということであります。上昇気流がありましても、ひょうは降らずに猛烈な雨が降るとか、つまりひょうにならぬで雨で降ってしまうというような状態が大部分なんでございます。そういうような点がまだ、技術的に上昇気流というものはつかめても、それがひょうになるのか、ならぬで雨のままで降ってくるのかというところが、現在のところの技術水準としてはまだそこまでいっていないのでございまして、はなはだ残念でございますけれども、そういうような現状でございます。
  122. 宮崎正義

    宮崎正義君 せっかくどうか研究なさって、天災を未然に防いでいけるような行き方をさらに積極的に御研究願いたいことを希望を申し上げておきます。気象庁、ありがとうございました。  先ほど農林省のほうに質問いたしましたことについて御回答を願いたいと思います。
  123. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) もちろん仰せのとおり、天災融資法だけが現在の救済措置ではございませんので、共済制度とか、あるいは先ほど申し上げましたような被災対策とか、いろいろな制度がございます。そういう点でもかなりのことはやれるように農林省としては常に心がけておるつもりであります。
  124. 宮崎正義

    宮崎正義君 どうもいまの御答弁ではもの足りないと思うのですが、今回の場合でも、これは私は申し上げるようなことではありませんのですが、先ほどからお話がありましたのですが、自作農維持資金が最高五十万で、五年据え置き二十年の償還期間で年利五分、経営資金は最高が二十万で、三年の償還期間で年三分五厘というふうになっておりますが、それで先ほど森さんのお話がありましたように、相次いで被害を受けているこの農家の方々が再建資金を最高まで受けているわけですね。そして今度は利子を払わなければならないとかという段階に来ておるし、この年利五分だとか、あるいは三分五厘だとかいう金利等も、もっと農家の人たちにあたたかく金利を下げてあげるとかいう点について、国税庁のほうからもお答え願いたいし、また、こういうふうな状況に置かれている農家の人のことを代表してやっておる農業協同組合等の、今回のある場所の農協等の実情を申し上げますと、ある農協の組合員は七百二十六戸で、そして昭和三十八年のひょう害で被害を受けて、借り受けたものが二百三十七戸あって、総額五千三百万、それで現在までどのように返済されたかというと、これは一割に満たない金しか返されていない。そのほか、天災融資法によるところのものが二百七十一件あって、千八百九十万、そのうち千三百三十四万円の未済分がある。四十年のひょう害の自作農維持資金として、五十五戸あって、千五百四十三万というものが返済がゼロになっている。天災融資法による百五十五戸の分では、二千七百五十万円も返済ゼロになっている、このような状況にある農協の実態もあるわけですから、こういうところから考えていきましても、償還期間の延期をしてやるということを、これは実情に即した考え方で考えてやるのが政府立場じゃないかと、こう思うわけですが、国税庁のほうと農林省のほうからひとつお答えを願いたいと思います。
  125. 来正秀雄

    説明員(来正秀雄君) 御説明のとおりでございまして、自創資金等につきまして、もちろんこれは返済につきまして延期等の措置を当然とるべきものにつきましてはとるように、二十日の通達で出してございます。それから自創資金等のワクにつきましても、これは今後の検討の問題がもちろんございますので、これはただいま府県の普通ワクの中で県の単独でやるという場合もございますから、そういう点で県の中の操作というふうな問題も当然起こってくるかと思いますが、これは国でやる場合、あるいは県でやる場合、いろいろあるかと思いますが、今後天災融資法がどうなるかということによりましても、さらに検討をしたいというふうに考えております。
  126. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  127. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起こして。
  128. 林大造

    説明員(林大造君) 災害被害者に対する租税の減免関係につきましては各種の措置が講ぜられておりまして、大きく分けまして、所得税関係の減免、それから諸期限の延長、さらには徴収猶予という措置が講ぜられております。所得税関係、これはものによりましては法人税関係の減免まで及ぶものでございますけれども、これも法律的にいろいろの方法が講ぜられておりまして、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律という単独法がございます。それによりまして租税の減免、徴収猶予をいたします。これは所得税に限りませず、他の諸税にも及んでおります。  それから個人が住宅その他家財などについて受けました損失につきましては、その納税者の方の担税力が減殺されることを考慮するために、所得税法の規定によりまして雑損控除という制度も設けられておりまして、雑損控除によりまして、税を結局結果的に全く納めなくて済むようになりましたり、あるいは税が減額されるということになっております。  それから今回のひょうその他のように、農業の場合で申し上げますと、生産関係経費が収入を上回ってしまうという場合には、結局年間を通じまして所得の金額が赤字になってしまう場合がございます。そのような場合には、通常でございますと翌年に繰り越すことはできないわけでございますけれども、そのマイナスの金額を翌年に繰り越しまして、そうして翌年に所得が出ましたときにその所得と相殺をいたしまして、結局そのマイナスの金額だけ、翌年、翌々年というふうにマイナスの金額を繰り越していくという制度が認められております。  それから予定納税額の減額という制度がございます。これは、農家の場合、その他、所得税のいわば予備的な予納といたしまして、七月と十一月に予定納税をすることになっておりますが、大きく災害を受けられました方々は、この七月及び十一月の予定納税の金額をゼロにいたしましたり、あるいは減額されたりするような措置が講ぜられております。  そのほかに、国税通則法の規定によりまして、第十一条と第四十六条でございますが、各種の期限の延長、それから徴収の猶予などの措置が講ぜられております。  私どもは、このように法律上かなり万全な措置をとっていただいておりまして、また、租税法律主義のたてまえ上当然のことでございますけれども、この法律にのっとりまして、具体的に、いろいろの災害が起こりましたときに、中央からも指図をいたし、また各国税局、各税務署で適切な措置をとっているわけでございます。今回の北関東を中心といたしましたひょう害につきましても、従来もたびたびこの種の災害は起こっておりますが、関東信越国税局におきまして、所要の措置をとっている次第でございます。
  129. 宮崎正義

    宮崎正義君 いまお話しありましたように、マイナスになった面が、ことしの収穫高から足りなければまた翌年に越し、またそれが足りなかったら翌年に越すというふうに——これは農民が悪いんじゃなくて天災によってそうなっていくわけなんですから、こういうところにももう少しあたたかい行き方というものがないものだろうかと思うわけですが、将来に向かってこういう点にもお考えおき願いたいと思います。  ただ、先ほどお話しありましたように、ほとんどの、八割、九割は、春の収穫をあの地方の方々は一年の収入としておるわけです。たとえばキュウリは、一反に大体資材費や肥料を含めて十五万円くらいかかって、大体約四十万円の現金の収入を得て、そうしてキュウリの栽培というものには全面的に力を入れて、正月から一生懸命にやり始めて、そうしてやっと六月、七月の収穫時になって、ひょうのためにたたかれてしまった、そういう実情に暗たんとして生きる望みをなくしている人たちが多い現状、それでこういう方たちに、先ほどお話がありましたように、農林省でその調査をしてから、今月の末に調査が終わるから、そうしたら天災融資法に適用されるかされないか、その上によって考えていこうというお話でありますが、お役所仕事がおそいおそいといわれているそのことを、からを破っていただきたい、こう私は思うわけであります。視察団の方々が、何回も何回も入れかわり立ちかわり行きますと、そのたんびに現地の人たちはよけいな労力と、よけいな費用とを費やして受け入れもしなきゃなりませんし、そういうところにも、視察の問題についても私は今後考えていってあげなきゃならないのじゃないかというふうなことも考えられるわけであります。  いまの免税の点につきましても、こまかく私はお伺いいたしたいし、また農業問題等につきましては、こまかく野菜の問題についても、あるいは深谷の中央市場が火の消えたようになっている、こういう事態において、どうこれから処置していこうとするのか、そういうこまかい点について、いろいろお伺いいたしたいのでございますが、ともかくも、ことしやっと高校を卒業して初めての自分の畑作として、いままで学問的に、学問を学んできたことを、今度は実地にやっていこうとして卒業した高校生が、第一年目にこのような被害を受けてきた、その高校生の将来をまた暗くしていくような事態が起きて、それがまたすみやかに救えないような行き方では、私はまかりならぬと思うんです。個々の農家の人たちの生活のことを考えますと、また深くそれを知るごとに、いっときも早く——今月の末じゃなければならないという、もう末なんであります。少なくともそのデータがそろうまでなんて言ってないで、データはそろえなきゃならない、そろうのを待つんじゃなくて、積極的にそろえていって、その被害が起きた短時日の間に農民の方々を救っていかなければならないのじゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。今後もまたないとも言えません。そういうことにおきまして、先ほど一番先に申し上げましたように、年間、三十九年度は二百九十一億、四十年度は百四十七億、また本年に入っては百三十億ぐらいの被害をその他の災害地で受けております。そういう事態をよく見詰められて、積極的な対策を講ぜられるように私は希望して、私の質問を終わりたいと思います。
  130. 後藤義隆

    政府委員(後藤義隆君) ただいまの御要望に対しましては、御期待に沿うように努力をいたします。
  131. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 他に御質問なければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  132. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、第二〇四号、冷害被災農家経済安定のため、救農土木事業実施促進に関する請願、第二七五号、長野県松代地震対策に関する請願、第三一八号、長野県松代地震対策に関する請願を議題といたします。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  133. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 速記を起こして。  それでは請願三件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  136. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  139. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 次に、委員派遣についておはかりいたします。  ただいま議決いたしました継続調査要求につきまして議院の議決を経ました場合、閉会中委員派遣を行なう必要があろうかと存じますので、委員派遣要求の取り扱いにつきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 成瀬幡治

    委員長成瀬幡治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十七分散会