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政府委員(
川合武君) 御
報告を申し上げます。私のほうでここに
教養課と書いてございますが、
消防庁教養課が
調査いたしましたガリ版の印刷物をお配りいたしましたので、それに沿って御
報告を申し上げます。
最初の一ページ目の
出火原因でございますが、
ガスこんろに火をつけたまま二階で掃除中
ガスこんろが過熱し、近くの
壁板に燃え移ったものと推定されております。
次の二ページは、ここにしたためましたとおりでございますので、省略さしていただきます。
三ページの次の四ページへまいりまして、ここにしたためましたように、
消防隊の
出動状況の
出動ポンプ台数総合計は五十一台でございます。そこに
応援出動隊の内訳がございまして、他
市町村からの
応援隊、他
機関からの
応援隊と書き分けてございますが、他
市町村からの
応援も後に申し上げますように、比較的
応援はよく行なったというふうに私
どもは考えております。五ページにありますように、他
機関からの
応援、すなわち
自衛隊及び
米軍航空隊からの
応援も非常に御
協力を得た次第でございます。
六ページにまいりまして六ページの
まん中ぐらいに書いてございますが、焼け残った
建物の
状況から見まして、約二〇%
程度の
モルタル塗りの
木造建物と
鉄筋コンクリートの
建物はほとんど数少なうございまして、要しまするに八〇%
程度は全くの
木造建物というような
状況の町であったわけでございます。
七ページにまいりまして、
三沢市の
消防の実勢力でございますが、ここにしたためましたとおりでございますが、他のこの
程度の市に比較いたしますと、私
どもの考えでは、むろん十分というわけにはいきませんが、他の市に比較いたしますればそう劣ってないと申しますか、まあわりあいと市としては
消防整備に
努力をしておったんではないかというふうにも思う次第でございます。
ちょっと進みまして恐縮でございますが、一一ページの
焼失状況並びに
消防活動について御
報告をいたしたいと思います。一一ページの(6)
焼失地域の
状況というところに書きましたように、ほとんどこの
地帯におきましては、先ほどの副
長官の
お話のありましたあの
地帯につきましては、ほとんど残念ながら焼け切ったわけでございますけれ
ども、
ガソリンスタンドの二ヵ所と
鉄筋コンクリートの二棟、それから
裸木造でございますが、二階
建ての
家屋の一棟が残存しただけでございます。この一番終わりのほうに地図——簡単な
略図を添付いたしてございますが、その
略図で
ガソリンスタンドが二ヵ所書いてございまして、これが残ったわけでございます。それからこの地図の
まん中辺のところで
破壊消防をやった
バツバツのしるしがやってありますが、これは
あとに申し上げますように、
破壊消防は成功いたしておりません。ちょうど図面の
まん中にある黒いのが一軒残っているかっこうになっておりますが、これはただいま申しました
裸木造二階
建ての
家屋でございまして、これは小
破壊消防をやって助かっておるということでございます。すなわち回りの
階段等をこわしまして
破壊消防を行ないまして、これは残ったわけでございます。
ガソリンスタンドは、私
どもの
消防法の
基準に従ってこれがつくられておりまして、それによって焼け残ったわけでございますが、それを思いましても、
防火構造の
建物があればという感をいたす次第でございます。
一一ページの終わりの
消防本部、署のとった処置、すなわち
消防活動でございますが、当日は、御
承知のように
風速強く
湿度が低かったわけでございまして、
強風注意報が
発令されておりました。
消防長は
司令車兼
広報車及び
消防ポンプ自動車を使いまして、
市内に
強風注意を巡回広報しておったわけでございます。その最中の
火災でございます。で、私
どものほうで
火災警報の
発令基準を示しておりますが、この
基準は
全国一律というわけにいきませんので、風の日ごろから強いところの
特殊地帯におきましては、
気象官署長とも
協議の上、独自の
火災警報を
発令していいという
指導ということになっておりますので、この
地帯、この
状況におきましては、
強風注意報の
発令のみで
火災警報は
発令いたしておりませんでございました。
一三ページに参りまして、(4)の
応援のところでございますが、
消防ポンプ自動車積載の
無線で
消防本部に
応援要請を指示しようとしましたが、それはできませんでございました。ただ十和田市の
消防署の
消防自動車の
無線がこれを傍受、キャッチしまして、かわって他
市町村への
応援要請方を、
青森県庁への
連絡等を行ないました。その間の適宜の
措置をとったと考えております。
(5)の
防御線の設定でございますが、先ほどちょっと触れましたように、午後三時ころブルトーザー二台によりまして
破壊消防を試みましたけれ
ども、これも突破されまして、さらに
延焼を続けたわけでございます。
一五ページに参りまして、午後六時半ごろようやっと
延焼防止をすることができました。その
延焼防止をいたしました
状況をつけ加えて申し上げますと、風がこのごろはやわらいで、ないできたということでございまして、風が
中心へ求めて流れていった。この二九ページの上のほうにしたためましたように、
火事場特有の気流によって、すなわち酸素を求めて風向きは
延焼した
地域の
中心部に向かって吹いたという、
火事特有の現象を示したわけでございます。さらにこの
火事は
飛び火をいたしておりません。その
理由は非常に風が強かったからでございまして、私
どもの統計と申しますか研究によりますと、大体
風速一メートルについて十メートルくらい、
風速十メートルについて千メートルから千二百メートルくらいの
飛び火をする、こういうような
経験率を持っておりますが、ただ今度は逆に、いまのは十メートルの場合でございますが、今度逆に十五メートル以上に強過ぎてしまいますと、火の粉は風で消されてしまいまして
飛び火がないという
経験でございますが、この
三沢の場合は
飛び火がなかったということでございます。
で、
最後の
延焼を防止しました場面でございますが、十メートル
程度の道路のところへ
消防隊を集結いたしまして
努力をいたしたわけでございます。若干ではございますけれ
ども半焼の家を残して消しておりますので、この点
消防隊もそれなりの
努力、がんばったものと私
どもみなしております。
一六ページの
最後のほうへ参りまして
米軍の
協力状況でございますが、先ほど申しましたように、
土地柄でもございますので、
米軍が
協力を活発に行なってくれたわけでございますが、
ヘリコプターの
出動がございまして、一部では
消火弾を投下したというふうに伝えられましたが、これは誤りでございます。
ヘリコプターの
活動は地上の
消火活動への
指揮を行なったわけでございます。で、私
ども余談になりまして恐縮でございますけれ
ども、
消火弾の投下という問題につきましては、私
どもの
消防研究所でも研究しておりますが、まだ各国とも未開拓でございますが、ただ
ヘリコプターによるかかる
大火の場合の
消火の
指揮というものは、非常に有効であるということを思ってもおりましたし、また今回の
米軍の
活動も、その点において非常に参考になったわけでございます。私
どもいま御審議をいただいております四十一年度の
予算案におきましては、初めてでございますが、
東京消防庁へかかる
意味におきましてもの
ヘリコプターの
設置の
補助を、
予算案に盛っておる次第でございます。
一七ページの
最後の15の
延焼拡大の
理由でございますが、第一に
通報の
遅延でございます。約十四時二十分ころに
覚知をいたしておりますが、もっと五分ほどのその間に
通報の
遅延があったものと私
ども認定をいたしております。
第二が
気象の影響で、これは御
承知のように特に
風速が、風が強かったというようなことでございます。
その他(3)、(4)に述べましたものは、ことに(4)に述べましたものは私
どもの反省であるわけでもございます。
以上の
状況でございまして、今回の
三沢の
大火を招きましたことにつきまして、
指導的立場にあります私
どもとしましても、まことに申しわけないと思っておる次第でございます。