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1966-06-21 第51回国会 参議院 建設委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十一日(火曜日)    午前十一時三十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松永 忠二君     理 事                 石井  桂君                 稲浦 鹿藏君                 山内 一郎君                 小酒井義男君     委 員                 青木 一男君                 内田 芳郎君                 大森 久司君                 奥村 悦造君                 小山邦太郎君                 中津井 真君                 平泉  渉君                 米田 正文君                 田中  一君                 竹田 現照君                 達田 龍彦君                 前川  旦君                 白木義一郎君                 片山 武夫君    国務大臣        建 設 大 臣  瀬戸山三男君    政府委員        経済企画庁調整        局長       宮沢 鉄蔵君        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        建設政務次官   谷垣 專一君        建設省計画局長  志村 清一君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省道路局長 尾之内由紀夫君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        農林省農林経済        局消費経済課長  堀川 春彦君        通商産業省企業        局商務第一課長  林 信太郎君        運輸大臣官房開        発課長      原田昇左右君        建設省都市局参        事官       小林 忠雄君    参考人        日本道路公団副        総裁       浅村  廉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○土地収用法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○土地収用法の一部を改正する法律施行法案(内  閣提出、衆議院送付) ○国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○流通業務市街地整備に関する法律案内閣提  出)     —————————————
  2. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  土地収用法の一部を改正する法律案及び土地収用法の一部を改正する法律施行法案を一括して議題といたします。  これより両案について、提案理由説明を聴取いたします。瀬戸山建設大臣
  3. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。  近年の地価高騰の実情にかんがみ、政府は、総合的な地価対策を逐次実施しつつありますが、その一環として、公共事業のための用地取得制度改善をはかる必要があります。  すなわち、公共事業における用地費は、事業費のうち大きな割合を占め、しかも年々増加の一途をたどっておりますが、公共事業のために値上がりした、いわゆる開発利益を含む土地価格用地買収することは、公共事業施行国民全体の負担において行なわれているものだけに、きわめて不合理であり、何らかの改善措置が早急に講ぜられる必要があります。  現行土地収用法は、収用する土地損失補償について、収用裁決の時の近傍類地取引価格等を基準とすることとしておりますが、裁決時においては、事業が実施されることによる値上がりの期待をもって近傍地地価は著しく騰貴しております。収用の時期がおくれればそれだけ値上がりを招き、いわゆるゴテ得弊害を生じ、早期買収について協力を得ることが困難であったのであります。  そこで、このような現行制度改正して、開発利益の帰属の合理化をはかることが、社会の要請にこたえる至当な措置であると考える次第であります。  すなわち、今回の改正案におきましては、収用する土地に関する補償額算定の時期を原則として事業認定告示の時とし、またこのような補償額算定原則をとることに伴い、被収用者収用裁決前においても起業者に対し、補償金支払い請求を行なうことができることとし、その利益保護をはかるための措置をとることといたしました。  以上が、この法律案提案の趣旨でありますが、以下この法律案要旨を御説明申し上げます。  第一に、収用する土地に対する補償金の額は、近傍類地取引価格等を考慮して算定した事業認定告示の時における相当な価格に、権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じた額とすることといたしました。  第二に、右の改正に対応して、土地所有者等利益保護をはかるため、事業認定告示があった後、土地所有者等は、いつでも起業者に対し、補償金支払いを請求することができることといたしました。  第三に、大規模事業等におきまして、全体の用地取得を初年度に完了することができない場合等を考慮いたしまして、起業者は、事業認定申請にあたって、起業地の全部または一部について、収用手続を一時保留することができることといたしました。起業者は、この保留した土地について、必要に応じ都道府県知事に対し、収用手続開始告示申請するものとし、補償額算定補償金支払い請求等につきましては手続開始告示の時を事業認定告示の時とみなすものといたしました。  第四に、収用裁決権利取得裁決明け渡し裁決とに分離いたしました。  土地に関する対価補償を、物件移転料等補償と切り離して、すみやかに権利取得裁決をすることとし、起業者が、実際に土地を必要とするとき、または土地所有者等が希望するときに、あらためて、移転料等損失補償土地物件明け渡し期限等内容とする明け渡し裁決を行なうこととしたものであります。  なお、補償金支払い請求制度を設けたことに伴い、事業認定において起業地を確定することとし、そのため不要となる土地細目公告手続は廃止することといたしました。  その他これらの改正に伴い必要となった事項について所要の改正を行なうとともに、経過規定及び関連法律改正につきましては別に法律で定めることといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律施行法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明いたします。  政府は、地価対策一環として、さきに土地収用法の一部を改正する法律案国会に提出したのでありますが、この改正法施行期日及び必要な経過規定を定め、並びに関係法律改正を行なう必要があります。  まず、改正法は、公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしました。  次に、改正法施行の際すでに現行法による事業認定を受けている事業については、土地細目公告を終わったものは現行法手続によることとし、その他のものは改正法による手続保留事業認定を受けたものとみなすことといたしました。なお、事業認定申請中のものも、手続保留とすることといたしました。  第三に、土地収用法を適用して収用または使用をする旨を定めた都市計画法等各種事業法及び公共用地取得に関する特別措置法不動産登記法その他の関係法律について、必要な規定整備を行ないました。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
  4. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記つけて。  本案についての審査は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  6. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。  なお、政府から瀬戸山建設大臣及び尾之内道路局長、また、参考人として日本道路公団から浅村総裁が出席しております。
  7. 達田龍彦

    達田龍彦君 先回に引き続いて御質問申し上げますが、前の委員会有料高速道路の、特に今回の国土開発縦貫自動車道建設法に基づくところの道路管理について、若干問題点を投げかけ御質問をいたしたのでありますが、その答弁の中で、道路局長答弁でありますが、有料道路については元来建設大臣管理責任者であるけれども、この有料期間については、道路公団委任を受けて管理をする、そして償還が終わり、無料道路となったときに、建設大臣一般道路と同様の管理形態に変える、こういう御説明であります。それで私は、この管理のあるべき姿として、有料であるがゆえに元来日本道路網幹線道路動脈となり、あるいは鉄道にかわるべき高速道路のあるべき管理の姿としては、有料無料のいかんを問わず、幹線あるいは動脈道路であれば、これを国が管理をする、一般道路と同様の管理の立て方をとっていくことが、基本的には管理のあり方としては正しいのではないかという意見を申し上げたのであります。そこで、有料であるからその管理運営道路公団がやるから持たせておるのであって、元来のあるべき姿は、私は国が有料高速道路について管理を持っていくというのが正しいと思うのであります。でありますから、そういう方向管理をしていくということが、また規模においても内容においても、適当ではないかと考えるのでありますが、この点重ねて大臣に質問いたしますけれども、その考え方で今後の管理をしていくことについて、どういう不都合があるのか、お聞かせをいただきたい。
  8. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 不都合があるかと言われますと、二つ考え方があるわけでありますから、特段に不都合があるとも思いませんけれども、前にも局長から御説明いたしましたように、有料道路という制度をつくって道路公団にその建設管理をさせるという、まあ政府一つ機構があるわけであります。したがって、いわゆる国土開発縦貫自動車道建設法に基づき、有料制でいこうということでありますから、やはり同じ性質でありますので、一貫して建設いたしました後に、料金を徴収する、あるいは維持管理をするということを合わせたほうがよかろう、かような立場をとっておる、こういうことであります。建設公団にやらせるが他の機関でこれを維持管理をするというよりも、そのほうがやや一貫性があってベターである、かように考えているということであります。
  9. 達田龍彦

    達田龍彦君 建設省としてこれを直轄して管理をする、これは必要性の問題から言ったら、私は、それが至当ではないか。ただ、この管理形態というのが、この全体の機構の問題として、道路公団委任をするということが、料金の問題との関連から、その後の必要性から管理委任するという事情が私は非常に強いのじゃないかと思いますが、その点どうですが。
  10. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 本筋はただいま大臣が御答弁されたとおりでございますが、実は、建設大臣管理するということになりますと、実際の管理する主体は地方建設局になっております。しかし、御承知のとおり、国道網として二万七千キロのものを持っておりまして、実はまだその全部の管理を行なっておらない状況でございます。約半分の旧一級国道についても、現在全部が建設大臣管理下に入っておりません。都道府県知事委任しているかっこうになっておりますが、建設省といたしましては、現在すでに国道網として二万七千キロをみずから管理するということが先にございます。そのほうの管理もきわめて重要でございまして、逐次移しておるのでございますが、そのためにかなり人員を要するわけでございます。道路公団では建設のためにかなり人員を要して建設いたしておりますが、料金を徴収するという事務とあわせて、その建設維持、修繕をしていくということをやるために、道路公団人員をもってやっていくというのがいまの段階においては妥当である、管理一体性からいっても妥当である、そのような考え方でそういうような仕組みでやっておるわけでございます。たてまえといたしましては、建設大臣管理をするというのが本筋であろうと思います。
  11. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで次に質問いたしておきますが、道路建設にあたって、私は、道路用地買収、同時に、それに対する地価の問題、これは道路をつくるほうの大きなポイントであろうと思うのであります。まあ見方によっては、この二つの問題が解決をすれば、ほぼ道路建設というものは見通しがついたといいますか、完成したと見ても差しつかえないくらい重要な二つの問題であろうと思うのであります。そこで、七千六百キロにわたっての道路用地買収を今後行なうわけでありますけれども、御承知のとおり、いま日本高速道路工事単価を見てまいりますと、一キロ当たり単価にいたしましても、外国よりも四倍ないし五倍高い結果になっておる。つまりその結果、有料でございますから、使用料についても、外国の場合については一キロ当たり二円、高くても四円という状態でありますけれども日本の場合については、これが大体平均をして十円というように高い。その結果、効果的な利用、効率的な産業経済の発展という問題についての影響も出てくる、こういうことになっておると思うのであります。そこで、要するにこれだけの投資をするわけでありますから、これをより全体的な利用を高めるためには、地価対策が大きなウエートを占めるわけでありますが、この道路買収地価対策に対して具体的な根本的な対策をお示しを願いたいと思います。
  12. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) おっしゃるとおり、いわゆるこの国土縦貫自動車道ばかりでございませんけれども、おおむね、公共事業をやります場合に、一番重要な問題は土地取得及びその価格の問題であるわけであります。特に大規様な自動車道路網建設するについては、それが非常に重要なものである、かような認識に立っておるわけであります。今後この建設を進めますについては、土地取得価格の問題に取り組まなければならぬ。しかし一面において、何も不当に価格を押えていこうという、所有者に不当な不利益を与えようと、これもとるべき道ではないと思います。ただ不当な価格と申しますか、高い価格取得する、あるいは不当な利益を与えるということは、国民負担の面からいいまして、また、いまお話しのように、コストの面からいいましても、厳に戒めなければならない、こういう立場で、これは総合的な対策と申しますか、施策を講じなければならぬと思います。いま土地取得及び不当な地価高騰を押えてスムーズにいける一つ手段として土地収用法改正を、先ほど申し上げましたように、事業認定時の価格によってこれを評価すると同時に、やはり先行取得といいますか、土地取得を大規模に先にやる、これが非常に必要だと思います。現に逐次土地取得をするということであると、どうしても従来の実例からいいましても、幾らでも値上がりを来たすという弊害が、多いのでありますから、できるだけ先行取得をやる——今後検討すべき問題もあると思いまするが、前にも申し上げておりますけれども、やはり地元地方公共団体あるいは所有者の御協力、理解を得て各種の総合的な努力を続けていかなければならない、かように考えておるわけでございます。
  13. 達田龍彦

    達田龍彦君 取得地価対策、これは非常に重要な問題でありまして、一つ収用法改正によって強力にやっていく、あるいは総合的な対策に立たなければ、地価対策は困難であろうと私も考えます。考え方としてはそういう方向努力をされるわけでありますけれども、具体的にもう少し収用法以外の具体的な地価対策具体案があれば御説明をいただきたいと思います。
  14. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほどお話しございましたように、非常に用地取得に時間がかかる、あるいはそのために高価な代金を払うということで、建設費がほかの部分に比べまして確かに高いことは事実でございます。そこで、私どもはできるだけ地元協力を得まして、しかもなおかつ全体の工事を安くするような方法はないかということで検討いたしておりますが、この高速道路地元に与えるいろいろ影響が大きいわけでございますので、都市周辺におきましては、都市計画事業、あるいはその他の農地、農業地帯におきましては、土地改良事業、あるいは土地区画整理事業等を同時に行ないまして、土地長期計画、あるいは関連公共事業を実施いたしまして、できるだけ高速道路を平面的に築造するということによりまして、できるだけ使用する用地の面積を少なくする。あわせて、いま申しましたような都市周辺土地環境整備を行なうというようなことで、結果として用地取得が円滑に行なわれるような措置考えたいということで、関係の省内、あるいは他省といろいろ相談をしながら進めておるわけでございます。このようなやり方は、単に私ども事業者だけでは単独でなかなか実行困難でございますので、特に地元関係府県の積極的な協力を得るというようなことで、用地取得について、早期にかつ安く取得できるような方法考えたいということで、今後は特に関係府県協力を強く期待する、場合によってはそういうところに委託するというようなことを考えてみたいと思っております。また用地取得を容易ならしめるために、用地先買いということにつきましても、従前もやっておりますが、さらに積極的にやっていきたいというようなふうに第二の手段考えております。  第三の手段は、土地収用法改正等によります地価対策とあわせて実施する、大体このような三つの方法をできるだけ推進することによりまして、いま御指摘等もございましたような、用地対策を推進したい、かように考えております。
  15. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで、収用法はこの国会にかかっておるわけでありますけれども、そこで問題は、道路建設に対する地元協力対策は非常に私は重要だと思うのです。で、この協力対策地方公共団体等地元協力対策、これをどういうふうに推し進めになるのか、具体的にお進めになっている内容があればお示しをいただきたい。
  16. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) これは、この構想を立てました当時から、あるいは御承知かもしれませんけれども全国にまたがっておりますので、全国のいわゆる各地域ブロック別に県知事あるいは県議会議長、その下部町村、あるいは町村の議会と、こういう組織的な建設協力会を、それぞれ強弱はありますけれども地域によってはいまできつつあるのであります。全国網として連合体みたいなようなものができることになっております。そこで、これはいわゆる従来の道路建設とやや考え方といいますか気持ちも変えて、国民的な気分でやっていきたい、こういう意味で、特に用地取得についていわゆるコストが高くならないように、コストが高くなるということ自体がしばしば議論がありますけれども地域開発に将来長く悪影響を来たす、こういう考え方から用地取得協力をしようと、こういう強い各地元の御協力気持ちがありまして、そういう組織もほとんど全国にいままたがってできております。これはただ期待するだけではありませんから、いよいよこれを今年度から着手する計画でありますが、私ども積極的にそういう熱意と申しますか、御協力をお願いして進めたい、これが現状でございます。
  17. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで、そういう考え協力対策を進められる、それから私も思うのでありますが、用地を買い上げる、買収する場合に、地方公共団体あるいはその他の団体協力を得る場合については、これは地価対策も含めて、あるいは用地取得する場合に、取得を容易にするためには、先ほどお話がありましたように、いうなれば、先行投資でいかないと、なかなかうまくいかないのじゃないかと思うのであります。そこで、先行投資をすることになると、それだけの資金といいますか、財源的な措置裏づけとして持たなければ、地方公共団体はなかなか買収が進まないということになると思います。それで、この用地買い上げのための先行投資に対して、どれだけの政府として財政的な裏づけ考えているのか、それから一歩進んで、七千六百キロに及ぶ高速道路建設を今後するわけでありますから、ただその場その場で協力を求めて問題を解決するというやり方では、この大規模事業の完成は非常に困難であろうと思うのであります。したがって、もし地方公共団体協力を求めて先行投資をするという考え方を持つならば、できれば私はこれを一つ制度化して、制度として考えて強力に実行するという姿勢がなければ、実行が非常に困難ではないかと思うのであります。場合によっては機構をつくる、場合によっては法律をつくってでも制度化を行なって、強力にやるという姿勢がなければならぬと思うのでありますが、そこいらの問題は、今日の段階ではまだ明確ではありません。また政府の決意も、ただお話ではありますけれども、体制、制度の問題としてそこまでいっているように私は受け取っておりませんが、そういう問題について一体どうなのか、大臣のお考えをお聞きしたい。
  18. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) おっしゃるとおりであります。そこで、先ほど来用地先行取得努力をする、これは何といっても年間予算を立てますいまの制度では、必ずしもそれが万全に国家予算だけでまかなえるとも思いません。そこで現在お話に出ておりますのは、これは衆知を集めて、やはりそういう制度と申しますか、先行取得の別な方式考えつつあると思っておりますが、各ブロック地域によりましては、各都道府県において先に先行的に取得をしたい、こういう希望と申しますか、お話が相当出ております。これはしかしまだ制度としてできておりませんから、各県、各地域におしなべてというわけにはいまのところまいりません。しかし、どうしてもいまお話しのようにこの大規模事業をできるだけスムーズにやるについては、新たな先行取得制度をつくる必要がありますけれども、あるいは地方自治体先行取得をするといいましても、ただそこの財政の問題があるわけでありますから、特別の起債をする、そのための起債を認めるか、こういう問題がある。地方自治体あるいは大蔵省等と協議をいたしまして、別にまた名案があるかもしれませんが、そういう制度をぜひつくりたい、そうしなければ、単年度の予算のみで、将来の相当長期にわたる先行取得というものは、いまのような制度だけでは必ずしも万全ではない、かように考えておりますから、御意見等を参酌いたしまして、ぜひそういうふうな進め方をいたしたい、いまさように考えておるわけでございます。
  19. 達田龍彦

    達田龍彦君 それでまあ当面やられるいわゆる先行投資、どうせやるわけでしょうけれども、当面どの程度資金をもって——地方公共団体にそれだけ協力をいただくならば、その裏づけがないと先行投資ができないので、制度として確立していけません。当面やられる制度資金をどれだけお考えになっておるか、それから具体的にどういう配分の方式をもっていかれるか、それはまあ着工順位との関係もあると思いますけれども、そういうものが具体的にあれば、具体的に御説明をいただきたい。
  20. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) ただいま考えております、すでに基本計画を決定いたしましたいわゆる五道、この中には、この基本計画のきまりました区間につきまして整備計画を出しまして、道路公団としてそれによって着工いたすわけであります。一番初めに要するのはやはり用地費でございます。さきに考えております地域といたしましては、前年度、本年度合わせまして、おおむね百億でございます。そのほかに債務負担として百億予定されておりますので、おおむねその先行投資資金としては約二百億持っておるわけであります。整備計画の出ました区間につきましては、この資金をもって用地先行取得をしたい、かように考えております。  それから実は整備計画が出ておりませんが、先ほど来、大臣お話しになっておりますように、非常に地元が熱心に用地取得をしたい、こういうようなところもございます。あるいは整備計画が出ましても、あるいは全線に対して用地を一斉に買うわけにまいりませんが、そういう区間につきまして地元府県が先行的に用地対策をしたい、こういうような動きもございますが、そういうところに対しましては、私どもは自治省に対して、地方が用地取得する資金として特別な起債考えるようにという要請をいたしております。しかし、どのくらい要るかどうかわかりませんので、自治省としては、一応四十一年度に対しては、道路についておおむね百二十億でございましたか、そのくらいの事業債等も持っておりまして、それらを、もしそういう事情があった場合には、そのうちの一部を充てる、こういうようなお話があるようであります。しかし、まだ実はそこまで受け入れる側のほうでも進んでおりませんので、これについてはそういう可能性のワクとしてあるという程度でございますが、まあ来年、再来年となりますと、ますますそういうような額についても要望が出てくると思いますので、やはり先ほどお話がありましたように、地方に対しての財政措置を、やはり私ども、あるいは自治省と相談いたしまして、準備していかなければならぬ、かように思っております。とりあえず、本年度よりいたしておりますのは、実額として約百億、それに債務負担額として、同額の約百億、こういう額があるわけであります。
  21. 達田龍彦

    達田龍彦君 そうすると、それの配分の順序というか、基準があれば……。
  22. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほど申しましたように、私どもは、近く基本計画を出しました区間の一部につきまして、整備計画を出そうと思っております。これは五道でございますから、東北自動車道から九州自動車道に対しまする五本に対して出そうと思っております。それに対しましては、ただいまおおむね全体としまして約千キロを目標にいたしまして作業中でございます。できるだけ早い機会にどういうところを着工するかを明かにいたしたい。そのために縦貫道審議会等におはかりして、そういう具体的な区間等をきめたい、かように考えております。
  23. 達田龍彦

    達田龍彦君 何かそれで、聞くところによると、この予算の配分について、用地取得を先にしたところから重点的に配分をしていこうではないかという考え建設省にあると、それで早くやれという地元の何か態勢が出てきておる、こういうことをちょっと聞いたんでありますが、そういう考え方で配分をされるのか、それとも総合的な立場に立って一つの基準を求めて、その基準に基づいて全体の割り振りを考えるのか、そこら辺が聞きたいのですがね。
  24. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 私どもは、用地の準備ができたから整備計画を出すというのではございませんで、整備計画を出すためいろいろ諸調査が必要でございます。そこで、全体の千五百四十キロにつきまして、大体、路線経過地の具体的な調査、あるいはインターチェンジをつくる個所の具体的な調査、そういうことをやっております。そのほかに、これは有料道路でございますから、全体として採算がとれるという条件が一つございます。そういうようなことから、事務的に準備が完了した区間について整備計画を出そうというふうな考えでおりますので、特にいまお話しありましたように、用地を先に取得したとかあるいはそういう態勢かできたところに着工する、こういうような考えはいまのところはございません。
  25. 達田龍彦

    達田龍彦君 わかりました。  それで次は、この事業の財源ですが、この財源のためにほとんど有料で償還が式をとっているわけでありますから、借り入れ金によってまかなわれておるわけでありますが、従来までの一般有料道路の借り入れ金の資金構成ですね、これをひとつ御説明いただきたいことと、その資金構成の中での比率ですね、含めて御説明をいただきたい。
  26. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 道路公団資金構成を申し上げますと、四十一年度は、政府の出資金が百五十四億でございます。これに対して借り入れ金が千百十三億。借り入れ金の内訳としましては、政府財政投融資とか政府関係が二百八十億、道路公団債が五百四十七億、そのほかに、世銀からの借款が百十六億、産投からの借り入れ資金が百七十億、合わせましてこれが千百十三億円でございまして、政府資金百五十四億と合わせて千二百六十七億というのが道路公団の財源というふうになっておるわけでございます。  パーセンテージにつきましては……。
  27. 達田龍彦

    達田龍彦君 いいですよ。  それで大体、そういうことが四十一年度の資金構成の内容でありますけれども、まあ高速道路を今後つくるにあたっても、借り入れ金制度という、いわゆる資金構成というものはそう変わりないと思うのでございますが、そこら辺どうお考えですか。  それからもう一つは、従来の借り入れ金の平均利回りですね、利子を払っているわけですから、それは一体どの程度になるのか、将来もこれは私は相当安くしていかないといけないのではないかと思うのでありますが、それに対する具体的な資金構成との関係があります。また地価対策との関係がありますが、どの程度へ押えていこうとする見通しなのか、見通しがあるとするならば、こういう具体的な構想で見通しはこうなるのだ、こういうものが考えられているとすれば御説明いただきたい、こう思います。
  28. 浅村廉

    参考人浅村廉君) 私からお答え申し上げます。  道路公団有料道路をやらしていただいておるわけでございまして、資金といたしましては、ただいま道路局長が御説明いたしましたように、政府資金とか、道路公団債等の発行であるとか、世界銀行からの借り入れ金であるとか、いろいろございます。たとえば道路公団債券について申しますれば、七%というのが金利になっております。それから別に、また産投特別会計というようなものから借り入れ金をいたしておりますが、その金利は、ある場合には六分七厘であり、ある場合には七分、いろいろございます。それから世界銀行からすでに五回にわたってわが国の金で約一千億程度の借款をいたしておりますが、この金利も毎回変わっておりまして、あるいは六分二厘五毛のときもあり、あるいは六分五厘のときもあり、いろいろでございます。さように金利がいろいろございますので、私ども政府から出資金をちょうだいいたしまして、その出資金の働きによって全体の金利が六分になるよう、大体六分におさまるように出資金を出していただいて運営をいたしておるわけでございます。
  29. 達田龍彦

    達田龍彦君 将来の計画は……。
  30. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) ただいまの制度では、いま御説明ございましたように、平均金利が六分という趣旨になっております。これによりましていままで高速道路をいろいろやってまいりますと、先ほど来御指摘かございましたように、大体料金として平均十円くらい取らなければ、要するにペイしない、こういう勘定になるわけでございます。ところが、これから全国的に幹線をやってまいりますと必ずしもそういうような料金では有効に道路利用されないということもございますし、料金考え方をいままでいろいろ申し上げておりますように、むしろ政策的にきめるべきであるという考え方を持っておりますので、今後の私ども考えといたしましては、ただいま御説明申し上げました資金構成を大幅に変えまして、もっと政府の持ちます分の率を多くいたしまして、そういうような地方におきましても幹線高速道路建設ができるようにしていきたいと思っております。ただ構成を出資金といたしますかあるいは政府の他の補助金あるいは分担金といたしますか、そういうことにつきましては、今後のいろいろ制度のからみ合いもございますので検討いたしておりますが、かなり政府負担を持たせる、持たせなければできない、持たせるべきである、かように考えて、なおこれから十分事務的に詰めていきたい、かように考えております。
  31. 達田龍彦

    達田龍彦君 非常に私はそれが重要だと思いますが、いま六分ですね。そうすると、政府資金の投入によってはこれが五分になったり四分になったりするわけですから、目安として一体政府がどの程度で平均利回りを押えていこうとするのか。そうなれば政府投資というか、政府資金の投入というものの大体規模というものが出てくるわけですが、一応の目安を持って進めら検討されていると思うのですが、その一応の目安、検討しておる中心的な課題、そういうものがあれは説明いただきたい、こう思います。
  32. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 私どもいろいろな計算をいたしておりますが、たとえばいまお話しございましたように、六分をかりに三分にしたらどのくらい有料道路として採算がとれるか、区間が延びるかというようなこともやっております。しかし、三分にしたということだけではやはり基本的には従来の考え方と同じでございますので、それによって有料道路としてやれるところと、やはりどうしても有料道路でやれないところが出てまいります。そこで、全般的に全国プールとして有料道路が経営できるというためにはどのくらい逆に要るかというようなことで、そういう面からの政府負担額というものを計算しております。その程度につきましては、先般この委員会でちょっと申しましたが、大体四〇%くらい負担する必要があるだろうというような計算をいたしております。しかし、これらもいろいろその負担のさせ方によりまして計算方法も変わってまいりますので、詳細な説明はまだ時間をかしていただいてから答弁さしていただきたい、かように思います。
  33. 達田龍彦

    達田龍彦君 一応の目安というものはわかりましたけれども、できるだけこういう基本になる料金体系の問題等については、早急に検討いただきまして結論を出してもらいたいと思います。これは将来の道路の敷きぐあい、あるいはその地域開発の問題と大きく関連をいたしますから、早急なる結論をお願いいたしたいと思います。  さらにもう一つは、この道路建設方式ですが、これも相当この料金が高くなるあるいは安くなる、これに影響をいたします。それからもちろん建設費影響をいたすのであります。で、専門家でないからよくわかりませんけれども、いま名神の高速道路建設方式は、何か土地を盛り上げてやる、何というのですか、その方式だそうでして、それとそうでない方式二つ大別すればあるのだそうでして、その長所、欠点——名神はそうされておるけれども、聞くところによると、今回以降つくるやつは高くしないで地表面というのですか、そういうものにしていきたいと、そういうふうに変えられるということだそうですが、一体どちらを採用されるのか、それからどこにおのおの長所、欠点があるのか、技術的な問題ですけれども伺っておきたいと思います。
  34. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 御指摘のように名神高速ではむしろ高架方式あるいは高盛り土方式というのでやってまいりました。大体私どものいろいろの検討によりますと、市街地付近、都会地付近はやはり高架方式あるいは高盛り土方式でございませんとできないだろうと思います。それは非常にたくさんの市町村道がございまして、それらを高架にするとか上げるわけにまいりません。むしろ逆に高速道路がそれらを越えていったほうがまあ実行性が多い。構造物でございますから非常に高価、すなわち高くなりますが、まあしかしそれ以外に方法がない。といって地下にいたしますと今度は空気の問題、照明の問題、排水等いろいろございまして、さらに高価に、高くなりますので、やはり高盛り土方式あるいは高架方式になるのが普通でございます。しかし、地方部に参りますと、むしろ日本のいろいろ土質条件を考えますと、高盛り土方式は適策ではございません。それから用地取得も高架にしたためにさらに十五メートルなり二十メートル幅がよけいに要ります。したがいまして私どもは、むしろ高速道路を地表におろしまして横断する道路あるいは水路等それらを別に、道路は上に上げる、あるいは水路はサイホン等によって処理するというようなことによりまして、高速道路によって必要とする用地の幅を少なくする、用地の必要度を少なくするというようなことのほうが全体としては工費は安くなるわけでございます。ただ、この場合に一番問題になりますのは、主として沿線の農民が自分の畑がその道路の両側に分断されまして非常に不便であるというようなこともありますので、先ほど申し上げましたように、土地区画整理事業を一緒に並行してやる、そういうことによって農地の、土地の改良事業もあわせて行なう、あるいは小さいものは交換分合等をやっていくというようなことによりまして沿線の農民に対しての処置をしていく。もちろん両側に必要な農道を並行してつくるというようなことをやりまして環境を整備していくということによってやりますと、結果的にはそのほうが高盛り土方式、高架方式よりもかなり安くなる、かように考えております。従来高架方式でやりますと、大体キロ当たり平均して大ざっぱに七億近くかかっておりますけれども、そういう方法によりますとそれらをかなり軽減できる、二、三割うまくすれば軽減できるのではないかというようなことを検討をいたしております。今後そういう指導をいたしまして、できるだけ地方におきましては平面方式でいきたい、都会付近はやはり高架方式によらざるを得ないのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  35. 達田龍彦

    達田龍彦君 わかりました。それは、大体長所、欠点わかりましたけれども、やっぱり中心になるのは経費の問題が中心に考えられておるのじゃないかと思うのですが、私も、確かに高速道路をつくりまして土地を分断する、あるいはそのために不便を来たすという事情があるようですから、こういう問題については専門家の皆さん十分御検討だと思いますけれども、そういう点も十分御検討いただいてそういう弊害がないように御配慮を願いたいと思っております。  それから今後、先ほど御説明がありました、このすでに決定をしておる五道については整備計画を決定をして実行するということになるわけでありますが、この整備計画を決定した後において実は着工に入ると思うのです。その着工の順位ですね、順序、それは一体どういうふうにお考えなのか。
  36. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 整備計画は、先ほど申しましたようにおおむね千キロくらいの区間についていたしたいと思っております。整備計画がきまりますと、あまり時を経ずして、建設大臣から道路公団に対して施工命令というものを出すわけでございますが、道路公団は、したがいまして、ほとんど整備計画と同内容の施工計画をつくりまして、先ほど申しました資金をもって建設に入るわけでございます。どういう順序でやるかと申しますと、大体千キロでごさいますから、各道ごとにやる。あるところでは百五十キロ、あるところでは二百キロということになるかと思いますが、それらにつきまして、道路公団は、おそらく最初にやるのはやはり用地買収でございますから、所要の路線につきましての幅をもちまして、地元といろいろ用地の折衝に入ると思います。一方、それらにつきましては、用地をきめる際に、いろいろ経過するための周辺との設計士の技術的な協議がございます。それは沿線のおおむね地方公共団体と行なうわけでございますが、そういうような設計協議を行なった上で用地の幅ぐいを打つという段取りになるわけでございます。したがって、そういうような設計協議が円満に進み、幅ぐいが打たれましたところを、あまり短区間は別でございますけれども、まとまった区間では用地買収に入っていくということになりまして、道路公団の手に移りまして、初めてその区間について整備計画を全線につきましして、公団がそれぞれいま申しました手続によって、用地を獲得するということがまず第一段階にくると思います。どういう順序かと申しますと、結局そういった路線の設計協議を全線にわたって行ないますので、それらが早くまとまった区間ごとにやっていくということになるのではないかと思いますが、もし私の申しましたことに誤りがございましたら、総裁から補足していただきます。
  37. 達田龍彦

    達田龍彦君 そうすると、それは、ほとんど着工の順序というのは、用地買収の進捗いかんが大体おもな進捗順位をきめる結果になると、こういうことに理解していいですか。
  38. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 着工は全線の着工でございますから、結局用地のいろいろな話が進まないところは、工事をやろうと思ってもできませんから、やはり結果的には、話のまとまったところから工事に着手する、着工は、整備計画を出しました区間全線に着工するわけであります。
  39. 達田龍彦

    達田龍彦君 大体わかりました。  そこで、これは前回の委員会であったと思うのでありますが、例の四国と本土を結ぶ架橋の問題を田中先生から御質問が出ているようでありますが、実は、このことは、有料高速道路をつくるにあたっては、私は、一つ道路法律一環としてきめなければならぬ性格を持っていると思うのであります。でありますから、この機会に、この問題について大臣のお考えを二、三確かめておきたいと思っております。それは、御承知のとおりの瀬戸大橋、あるいは明石−鳴門ですか、それからもう一つ広島のほうから引く線があるのだそうでありますが、この三つの線が浮かび上がってきているのは、建設省が調査をしたために線が浮かび上がったのか、それとも、そういうことをまず構想として出して、地元協力関係等を要請したのか、一体どういうことからこういう三つの線というのが出て来たのか、まずお尋ねをしておきたいと思います。
  40. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 御承知のとおりに、瀬戸内海の中の島を伝って四国と本土と申しますか、本州とをつなぐ橋をかけたい、それが全体の国の開発に資すると同時に、四国地方の開発に寄与する、こういう構想が各地元で検討されているわけであります。現在は、すでに三地点にしぼられております。最初は五地点、岡山から香川に至る点が三地点ございました。いずれについても、建設省と申しますか、政府といたしましても、四国と本土とを連絡する橋あるいはトンネル、こういうものの必要性を認めているわけであります。九州においても、橋、トンネルが御承知のようにありますが、あるいは北海道についても、いまこれは鉄道でトンネルを開さくをしている。国全体をつなぐという施策であります。必要性を認めておりますが、そういうことで、地元から強い——この地点がよかろうという各地元の県等でも、予備調査などをされておられましたし、そういう地点が一体可能性があるのかどうか、適当であるかどうか、こういう意味で、この五地点について数年間調査をしているのであります。先般御承知のように技術調査の基本的な考え方、一体そういう架橋というものが技術的に可能性があるかどうかという問題について、可能である、こういう報告があっておるというのが現状でございます。
  41. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで、この前の御質問の中で出ておりますけれども、大体三つの線を、これは一つで押えるのか、それとも三つとも順序をつけて、期間は長くなっても架設するというお考えなのかどうか、これを聞いておきたいと思います。
  42. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 率直に申し上げて、できれば私は三カ所あれば非常にけっこうだと思います。あの地形を見ましても、また島の状況を見ましても、長い将来を考えますと、三カ所、欲をいえば五カ所でもけっこうでありましょうが、ただ問題は、日本の経済力と国民の力、それから全体からいって経済開発と申しますか、地域開発、そういうものの度合いというもので判断をしなければならぬ、まあ、一挙に三カ地点ができるのは正直なところ、いまの力では無理であろう、かような判断をしております。そこで、各地区ともいろいろここが必要である、こういうことをおっしゃっておりますけれども、厳密な検討がまだ政府としては結論を出しておりませんから、必要性は認めておりますけれども資金的に、あるいは工期の問題等を考えまして、どれを一体先に着手するか、こういう判断をいずれしなければならない、かように考えているわけでございます。
  43. 達田龍彦

    達田龍彦君 そうしますと、そのうちたとえば一つをきめる、あとの二つはつくらないこともあるのか、それともつくるという構想で、時期的におくれるのか、そこら辺を明確にしてください。
  44. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 最終的結論でございませんけれでも、先ほど申し上げたように、私はつくることはいいと思います。これはまだ政府としての最終的結論ではございませんけれども、私ども考えていることは、できればつくったほうがいいと思います。力があれば、年月がかかるけれども、一挙に三カ所同時にやれというような御注文では、事実不可能であろう、こういうことを申し上げております。
  45. 達田龍彦

    達田龍彦君 それでまあ、私ども実は困っておるのですけれども、この何ですか、これもそうなんですが、これは淡路島と四国との連絡橋架設促進協議会からもらったのですが、この陳情が瀬戸大橋のほうもありますが、それで、名県からは陳情がくるし、非常にむだな経費を使っておる。これには私どもも、実は建設委員であるがゆえに陳情があるわけなので、われわれのきめるわけのものでもないのでして、非常に一面では迷惑に思っておる。それで、まあそれを知らないで建設委員かといった話も陳情団からあるわけです。だから、それでわかったようなわからないような話をしておかなきゃならぬ。これも、困った問題だと思っております、実は。それで、できれば私は決定の時期について、早目にやってもらいたいと実は思っております。できれば、きょうでもあすでも早くやって、そうしてそういうくだらぬ運動はやめて、必要性に基づいたものを決定していくという形を早くとらすべきではないかと思うのであります。それで、その決定の時期ですね、ひとつ私は早目と思いますので、一応大臣はいつごろに考えておるのか、これは早く言ってもらわないと、長引けば長引くほど陳情合戦、運動合戦が出てまいりまして、弊害はあっても、私はいいことはないと思います。そういう意味では早急に決定すべきであると思うのです。慎重ということもけっこうだけれども、その時期決定をいつに目安として置いておるのか、はっきりこの場で私は出してもらいたい。そうしないと、国会委員会の場では全然それがわからないで、どこか大臣が行ったところで、どこにするとか、いつごろにするとかやられたのでは困るわけでありまして、そういう点明確にしてもらいたいと思います。
  46. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) おっしゃるとおりに、よく地元関係者の気持ちはわかるわけでありますが、しかし、運動といいますか、あまりむだというとしかられるかもしれませんが、そういうお話のようなことではあまり経費を使われないということを私どもは願っております。ただ、これは前にも申し上げたと思いますけれども、非常に技術上も、まだ資金の問題など積算ができておりませんけれども、しろうと考えでも膨大な経費がかかる仕事でありますから、そう簡単に結論は出ないけれども、できるだけ早く結論を出したい、かような考え方でございます。いま目下、先ほど申し上げましたように、日本のそういう意味の学界総動員して各種の調査を、建設省ももとよりでありますけれども、いたしまして、三カ所、あるいは五カ所とも、いわゆる横断と申しますか、瀬戸内海横断の橋をかけることは可能性がある、可能である、投術上。この結論に基づいて、こまかい各部門についての積算をし、そうしてまた総合した上での工期なり、あるいはコストなり、建設コストなり、あるいはさっき申し上げましたように、現在及び将来にわたっての経済開発の効果、こういうものを専門家に真剣に検討を願っておるところであります。  そのほかに、もう一つ問題なのは、御承知のとおり、鉄道建設公団でも、やはり本土と四国とを結ぶ鉄道の建設が必要であります。こういうことで同じ地点——同じ地点といってもこの場合には、たぶん明石−鳴門、岡山と香川との間だと思いますが、あわせてやるという鉄道をつけるという前提で検討をされておる。そういうものを総合して、あるいは道路橋オンリーにするのか、あるいは鉄道橋の併用の橋にするのか、こういう問題、これは厳密な技術的なあるいは経済的な検討が必要でありすから、しかも、前にも申し上げましたように、日本といたしましても、まあ世界にもあまり例がないというような架橋をやるわけでありすから、注意に注意を払った技術的な結論を出さなきゃならぬ、こういう問題でありますから、今日ただいまというわけにはなかなかまいらない。けれども、ああいう運動と申しますかは、できるだけやってもらいたくない。そのためには可能な限り早く結論を出すべきだ、こういうことでありますが、建設省関係の橋だけの問題でありますと、七月の上旬ないし中旬には結論を出すということになれば出します。けれども、さっき申し上げましたように、鉄道との関係、これは両々協議をしながらやっておりますが、そのほうがまだそういう早期には結論が出せない、こういう事情でございます。
  47. 前川旦

    ○前川旦君 ただいまの達田委員の質問にちょっと関連をしてお伺いします。  決定の時期について、いまなかなか出せないとおっしゃいましたが、ちょっとこれ資料がありますか、瀬戸山さんは、昭和四十一年一月十九日に愛媛の県庁で、八月に建設地をきめるとおっしゃった。一月三十一に高知の中村市で、おそくとも八月までに建設地をきめたいと発表されております。四十一年の五月二十三日に、これは永山自治相が八月までに首相の裁断できまる、こういうふうに発表されておる。いずれにせよ八月に決定をするのだということが各地で責任のある方が発表されております。そういうことと、いまの大臣の発言は少し私は食い違いがあるように思いますが、八月に決定をするというのが初めからの方針だったように思いますので、そのとおり八月におやりになればよろしいと思いますが、どう考えられるか。
  48. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 各地で申し上げておるのは、いま申し上げておることと別に違っておると私は思いません、まあ新聞に何と書いてあるかしりませんが。少なくとも、おそくとも八月ごろまでにきめたいと、これは専門家の技術調査がそれに間に合えばということがもちろん前提であります。といいますのは、この問題は相当長年経費をかけて調査しております。先ほど申し上げましたように、建設省の橋だけの問題でありますと、七月の上旬ないし中旬にはおおむねその調査上の結論が出る、どこにするかということの判断であります。ところが、鉄道との関係をどうするか、これが重なっておりますから、ややおくれるかもしれない。道路の面からいいますと、そこにもいまおっしゃったように、私どもはかねがね申し上げておりますように、道路整備計画を改定しなければならぬ。四十二年度を起点とする第五次の道路整備計画を立ててこういう作業を進めておりますから、少なくともこれに織り込む必要がある。それにはやはり来年度予算との関係もありますから、おそくとも八月ごろまでにはきめたい、こういうことであります。そういたしませんと、道路整備計画に入ることがなかなか困難であろうと。ただ技術上の結論がそれに間に合いませんと、このものをそれじゃ取り上げるかということがきまらなくともどれかは取り上げるという構想のもとに道路整備計画を立てなきゃならぬ、こういうことを申し上げておるわけでございます。
  49. 前川旦

    ○前川旦君 この構想が新聞で大きく出ましたときに、いわゆる万国博覧会までに間に合うように完成するのだ、こういうことをいろいろ論議され、新聞に出たことがありました。そういうお考えはやはりいまお持ちであるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  50. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) そういうことを地方に出ましたときによく聞かれまして、私率直に申し上げておるわけであります。間に合うものならば、それはそれこそアジアにおいて初めての万国博覧会であるから間に合わせたいと思うけれども、実際上間に合わない、そう三年や五年でできる橋じゃありませんから、そういう考え方でこの大事業に着手するわけにはいかない、かようなことを申し上げておるわけでありまして、いまもそうであります。いまから計画いたしまして三年や五年でできるようなそういうものではございませんので、しかも、さっき申し上げておりますように、きわめて技術上も慎重に建設しなければならない橋でありますから、工期を切って何月までに間に合わせるというようなことでは将来悔いを残す、これは私は技術の専門家ではありませんけれども、従来の経験からそういう判断をいたしておりますから、さような博覧会に間に合わさなければならないということで取り急いでやるというしろものではない、こういうことをいまも考えておりますし、従来も申し上げておるわけでございます。
  51. 前川旦

    ○前川旦君 もう一つお伺いたしたいのですが、先ほど達田委員からも指摘がありましたように、非常にはでな陳情合戦というものが行なわれております。おそらくそれに使われる費用もずいぶん多いことだろうと思う。岡山と香川の場合、私ちょっと調べてみましたが、大体一億八千万円ぐらいを両県で使っておる、こういう話を聞いております。おそらく徳島なり兵庫県のほうもこれはもっと多くのあれを使っておるだろうと思うのです。ホテルを借り切ってたくさん集めてお願いをする、こういうことをやっておる。私はこういうことは非常にむだなことであるし、また、そういうことで一体左右されていいものだろうかと、これは大いに疑問を持つわけです、そこで、いま建設大臣がそういうようなことはやめてもらいたいとおっしゃいましたが、もう一つ突っ込んで、そういうのをやめさせるためには、私は、大臣そのものが陳情あるいは政治的な圧力では一切左右されませんと、こういうことを大臣みずからがはっきりとおっしゃるということが非常に大きなチェックになるのじゃないか、こういうふうに思います。その点について大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
  52. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) どのくらい経費を使っておられるか知りませんけれども、私は要請がありましたけれどもそういうところに出ておりませんから、うわさに聞くと相当はでな大会と申しますか、お集まりがあったということをうわさに聞いております。私は、いまおっしゃったように、そういうことをこちらでやめなさいというわけにもまいりませんが、まあ良識で判断して自粛をしてもらいたいという考えを持っております。同時に、私のところへたまたまそういう方々が陳情と申しますか、その有効性を説きに見えました場合にも、いまお答えいたしましたような実情を申し上げて、この問題は気持ちはわかりますけれども、運動によって左右される問題とは私は思っておらない。さっき申し上げたように、これはいろいろなデータを専門家も検討されておりますけれども、まず第一番に、一番大切なことは技術士の問題、建設後の安全の問題、これはもう当然であろうと思います。それから建設コストの問題、あるいは工期の問題、それからまた重要な、先ほど申し上げておりますように、現在より将来にわたっての国全体から見た経済開発、地域開発も含めての効果の問題、そういうおおよそのデータを比べて、どなたが見てもなるほどこうだということで判定を下すべきだ、かように考えております。見えた方にはさように申し上げております。当然しかるべきであるという考えを持っておるわけでございます。
  53. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょと速記をとめて。   〔速記中止
  54. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記を起こして。
  55. 達田龍彦

    達田龍彦君 それで橋の問題は終わります。  それで最後に、この問題は私も委員会で四回くらい質問をいたしておりますけれども、納得のいかない面、それから私の考えといま建設省側が持っている考えと違っている面とあるのであります。ただ、まだ私は全体の意見をまとめて、総合的な私の意見を述べる段階ではないのでありますけれども、最後に質問をしておきたいのは、有料無料のやはり考え方です。この前私が触れましたように、地域の開発あるいは国土の普遍的な開発ということになれば、有料道路——元来収益性をその基礎に置いて道路建設するわけでありますから、収益を求めながらの地域開発 低開発地域の開発ということは、本来的に私は開発それ自体の効果を非常に少ないものにするのではないか、本質的に私は矛盾があるのではないかという考え方を持っております。その意味においては地域の開発については、高速道路有料制というものについては、むしろ無料という原則を決定をして進めることが開発により貢献をしていくという考え方に立っております。場合によっては日本の現在の国力から考えてみて、あるいは経済力から考えてみて、あるいは地域の力から考えてみて、むしろ一般の旧道の車線の拡張、改修を行なって、それの中心のところに建設して高速道路に結びつけていくというほうが、私は日本の国情からいってより効果的ではないかという考え方を持つのであります。そういう意味で、今後また資金構成の面においても、先ほどお話がありましたように、資金構成全体の利回り率、いわゆる資金コストを下げるということも御努力いただくと思うのでありますけれども、それとあわせて、いま申し上げましたように、有料無料の問題について、特に地域開発関係において、地域の開発を促進するためにはより低兼でなければならぬし、場合によっては無料という制度に抜本的に踏み切る必要があると私は思いますので、根本になると思いますので、こういう考え方をもとにして建設大臣がどう今後これに熱意を持って積極的に努力をされるか、最後に決意をひとつお伺いをして、私の質問を終わっておきたいと思います。
  56. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 前にも申し上げたわけでありますが、道路無料であるのが一番望ましいと思います。一般にいわれております道路無料公開の原則とかいわれておることばがございますが、これは一番望ましい。けれども、現時点における国力と申しますか、あるいは国家財政と申しますかだけでは、現時点に対応する道路を、いわゆる無料道路を満足に建設する資金的なお金がない、しかも、道路交通上は資金の有無にかかわらず必要性が生じている、ここに矛盾といえば矛盾がありますけれども、そういう現実があるわけであります。したがって、ここにいわゆる有料道路という考え方、これは有料道路は収益性というお話がございましたけれども、厳密な意味における収益を求めているわけじゃございませんで、長期間にわたっての国民努力を、長期間の努力を一点に集中する、ことばが悪いかもしれませんけれども、そういう考え方であります。現在必要な道路をつくる、それを長期にわたって利用者が建設費を支払っていく、こういうことでございまして、必ずしも収益を求めるという構想ではないと私どもは判断いたしております。  そこで、前にもお話がありました、いまもお話がありましたが、地域開発の問題とは矛盾しはしないか、全然矛盾しないとも考えません。しかし、これは完全に矛盾するとも私ども思っていないわけであります。といいますのは、やはりいま申し上げましたように、有料道路をつくらなければならない現実の必要性という意味でやっておるわけであります。その他の一般国道あるいは地方道、それはしばしば私からも、局長からも申し上げておりますように、これは積極的にできるだけ早く整備をする、これはたゆまずやるわけであります。そういう道路網全国的につなぎたい、そうして効用を広域にわたって発揮し得るような状態をつくるための一つの構想である、こういうことを申し上げておるわけであります。それならば、あるいは全国道等を拡幅したらどうか、そういう部面もあるわけであります。しかし、日本のこの現状を見ますと、いまたとえば四車線の国道を六車線にするなどということは、ほとんどその道路に集中して市街地あるいは各種の施設ができておるわけでありますから、それは容易ならざることであります。同時に、私は道路経済学は知りませんけれども、従来の経験から申しますと、同じ地点に路線を広げるよりも、別に路線をつくるほうが道路流通上の効果がある、必ずしも一線に集中するということは道路交通上は必ずしも適切ではない、こういう現実があらわれております。しかも、日本の領土は狭いですから、未利用のところにもう一線つくって、このほうが現道路を広げていくよりも、ずっと経済的にもまた技術的にも、未開の地と申しますか、未利用の地に新たに道路をつくっていくほうが道路経済と申しますか、流通上からも非常にいいじゃないか、こういう考え方を持っているわけであります。ただ、しばしばお話がありますように、経済開発の上ではそれに効果あらしめ、同じ有用性でもそれに寄与し得るような有用性をとる、これを検討しなければならない、ここに問題がある、かように考えておるわけでございます。
  57. 前川旦

    ○前川旦君 まだ私関連が残っておりましたので、さっきの橋の問題でなお二、三点お伺いしたいと思います。  政治的なものに左右されないで、純粋に経済効果あるいは技術的な可能性、あるいは費用の点で判断する、こういうふうに大臣はおっしゃる、たいへんこれは正しいことであると思います。そこで、ちょっとお伺いしておきたいのは、この橋をつける場合の投資限界というものを幾らぐらいに考えておられるのか、お伺いしておきたいと思うのです。
  58. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) ただいま道路橋としていろいろ検討しておりますが、やはりこれだけの大きな仕事でございますので、私どもは一応有料でこういう橋をかけるという想定のもとに検討いたしております。そのときの投資限界でございますが、投資限界に関係いたしますのは、想定される交通量、料金の問題、交通量のほうは、これはまたそれぞれ経済の専門家に委嘱いたしまして、こういうものができた場合どのくらいそれに交通量が乗るかということを詳細に検討いたしております。数字は一応出ております。そういう数字をもとにいたしまして……。料金でございますが、料金は現在、いずれの地点も並行してヘリーがございます。海上運送によりまして車両その他を航送いたしております。そういうヘリーの料金を参考にいたしまして、これに大体同等あるいはそれ以下というか、料金率でただいま申しましたような交通量を掛け合わせ、それによって投資限界はどのくらいになるということを検討いたしております。各路線につきましてのそれぞれそういうようなデータがございますので、それらを中心に建設費との関係でいろいろその可能性といいますか、有料道路としての可能性を検討いたしております。
  59. 前川旦

    ○前川旦君 ただいまの投資限界の額について、いまおわかりであれば、資料があればちょっと教えていただきたいと思います。
  60. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 実はこの作業は私どもの近畿地方建設局でやっておりまして、まだ手元に資料が来ておりません。大体計算は終わっておるはずでございますが、近日中に来ると思います。いま現在持ち合わせておりません。
  61. 前川旦

    ○前川旦君 経済効果、それから技術上の可能、不可能、それから建設費と、この三つが決定の柱であるとおっしゃいましたが、そのほかに、たとえば既存の交通体系との関連性というものは考慮の中にお入れになるかどうか、この点お伺いしておきたいと思います。
  62. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) もちろんそれは考慮に入れるべき問題だと思います。それが私が申し上げた現在、将来にわたっての日本全体あるいはその地域開発を含めた経済効果、あるいは経済開発効果、こういうものをやはり専門家に詳細に検討願っておりますから、そういうことを申し上げておるのであります。
  63. 前川旦

    ○前川旦君 昭和三十年ごろから橋の調査の調査費というものを計上して使用されております。いまのところ調査費として使用された金額が、建設省で二十二億ちょっと、国鉄で二億三千万円、それから鉄道建設公団で七億と、合計三十一億七千三百六十万という調査費が使用されておる。この調査費の使用でありますけれども大体大まかでけっこうでございますが、どのルートにどれだけ使われたか、いまおわかりであれば概略の数字でけっこうですがお聞きしたい。
  64. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 建設省関係で約二十二億でございますが、いま御質問のどのルートに幾らかということは非常に出しにくいのでございます。と申しますのは、耐震構造、あるいは耐風構造、そういった基礎問題はどの橋にもすべて共通するものでございます。それらは私ども土木研究所を中心にいたしまして、風洞あるいは耐震設計台、そういうような施設をつくっております。それを各ルートにどういうふうに充てるか問題があります。しかも、その金は大きいものでございます。その次に大きいものは、現地におけるボーリングでございます。これは本数によって違いますが、これについてのアロケートは実はむずかしい点があります。それは私どもと国鉄で共同してやっておりまして、国鉄ではここを調べる、私どもはここを調べようということで、本数を調整いたしております。したがって建設省だけについて見ますと、ボーリングの現地調査については明石−鳴門が多いかと思います。特に明石ルートが一番金をかけております。ただ、いま申し上げましたように、他の地区については、国鉄で調査をしておる、私どもも調査をしておるということで、これをかりにアロケートいたしましても、正確な調査費の使途にはならぬと思います。そういうことで、どのルートに幾らかけたかということが非常にアロケートしにくうございますので、ちょいとお答えはできかねる問題でございます。
  65. 前川旦

    ○前川旦君 このルートの優先順位については、たいへんこれが問題になっておるわけですが、いままでのいろんな大臣の方々での言行をちょっと私調べてまいりましたが、三十八年六月七日には河野建設大臣が明石−鳴門ルートだと、こうおっしゃっています。六月二十八日に同じことをまた別のところでおっしゃっておる。それから十月三日にも河野建設大臣同じことをおっしゃっておる、明石−鳴門ルート優先とおっしゃっている。それから三十九年の二月二十六日にも同じことを言われております。それから三十九年の三月十五日にも小豆島で河野さんがおっしゃられております。六月七日も同様。八月二十五日には小山建設相が岡山でやはり同じことを、言われておる。それから九月二十七日にやはり小山建設相が徳島でおっしゃられておる。四十年の四月五日には櫻内通産相が同じことを言われております。同じ四月十一日には松浦運輸相、それから四月十二日も松浦運輸相が同じこと。六月十二日には佐藤総裁がみずから、まず明石−鳴門架橋が先になるだろう、こういうことを神戸で発表されております。なお、六月二十一日には三木通産相が徳島で同じこと。八月二十九日には中村運輸相が神戸で同じこと。こういうふうに、ずっと明石−鳴門ルートということを一貫して言われておるわけなんです。ところが、先ほどの瀬戸田建設大臣お話では、優先順位はきまっていないというふうに、まだこれからきめるんだというふうに伺ったわけです。そこで、従来の建設省関係の方々のお話が明石−鳴門ルート優先ということを言われ、で、瀬戸山さんになって、いや技術的にきめるんだ、こうおっしゃられるようなことで、変わってきたように思いますが、建設省の方針としてそういうふうにお変わりになったのか、やはり従来と同じように、明石−鳴門ルートが優先だということを前提としていろいろお調べになっていらっしゃるのか、その辺、まあたいへん答えにくいかもしれませんけれども、御意見を伺っておきたいと思います。
  66. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) 前の関係大臣の皆さんがどういうふうにおっしゃっておられるか、詳細は知りませんが、河野大臣がしばしば言われておりますことは、これは率直に言って、技術的に調べてみなけりゃわからぬことですから、調査優先という意味でおっしゃったということを私は聞いておるわけでありまして、調べない先にどこをやるということは、おっしゃってもできない相談であります。気持ちはそうだというふうに考えております。私は、建設省自体の方針というものは過去から現在変わっておらない。これは先ほど申し上げましたように、きわめて技術優先の仕事でありますから、技術上できないものを幾らやるといっても不可能であります。で、まあ技術上は結論が出た、あとは、いましばしば申し上げましたように、繰り返しませんが、そういう要素をどなたが見ても、もし優先順位をつけるんならこういうふうにすべきじゃないかということを従来から考えておりますが、そういたしませんと、これは政治的な判断でやるというような、ざっくばらんに言って、ほかの人たちは一体どうなるんだということを私ども考えなきゃならない。これはやはり、あるいはそういうことであれば納得する。どうせ一ぺんにできないというようなことは、関係者どなたも知っておられるようでありますから、いまの日本の国情では、そういう理由であれば、そこからやるのはやむを得ないといいますか、しかたないといいますか、そういう結論でなければこの問題は困る、これはもう一貫しておるわけでございます。
  67. 前川旦

    ○前川旦君 どこを優先するんだというあらかじめ前提があって調査しているのではなくて、純粋に技術的な結論が出てから判断するんだと、こういうように大臣おっしゃったと思います。そのことをお伺いすればけっこうでございますから、私質問を終わります。
  68. 竹田現照

    ○竹田現照君 いまの前川君の質問で大臣がお答えになったのは、まことに表面上はいいんですけれども、自動車道路の予定路線ですか、こういう問題も含めまして、ちょっと政治的な問題についてお伺いをしたいわけですけれども、路線選定基準、建設省のこれを見ますと、将来の交通量だとか、あるいは人口密度ですか、こういうものを予測して利用度の高い地域を大体取り上げたと、こういうことをいっておるわけですが、必ずしも自動車交通の需要予測だけでは説明のつかないような路線が私はあるような気がするわけです、詳しくはわかりませんけれども。たとえば、これは週刊誌でもずいぶん話題になっておりましたけれども大臣のおひざもとの九州の小林−宮崎という線がぽつんと引かれてみたり、あるいは大阪の吹田−山口間−これはもう現に中国縦貫道路があって、これは一級国道で十分に補てんが、できるのが、岡山−山口間ですか、広島を通過する山陽道路が乗っかかってみたり、あるいは北海道の場合、長万部−小樽−札幌というのが当初の計画だったようでありますが、これが室蘭回りになっておりますね。ところが、これは北海道の場合、室蘭回りといいますと、これは国道三十六号線と並列ですね、ですから並列して走るようなかっこうになります。こういうようなことを考えますと、いまの橋の問題じゃありませんけれども、政治的にとやかくということではないというのですが、この点はどうも私は納得がいかない。予定路線、これはどういうことですか。
  69. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 今回御提案申し上げております全体の七千六百キロのうちで、五千五十キロは、実はすでに議員立法等で法定されました路線の経過地でございます、大部分は。若干修正いたしておりますが、既存の高速道路網として存在しておるものでございます。私どもは、今回、それをもとにいたしまして、全国的にバランスのとれておりませんものを一応バランスをとるという趣旨で、むしろ補完していったということでございます。その補完する際に、地方開発の中心となります都市、あるいは新産都市、あるいは工業整備特別地域等の主要な拠点地域を相互に連絡する——もちろん、その際に、現存の一般の国道利用いたしますが、そういうものを含めまして相互に連絡するということを一つの要件にいたしております。それから、低開発地域を含みます全国の都市、農村地域からおおむね二時間以内で到達し得るというところに路線の経過地を設けたいというようなことも一つの要件といたしております。それから、先ほどお話しございましたように、こういうような、相互にいま言いました要件を満たすために、たくさんの線を入れてみたわけでございます。全体で約一万キロの路線を入れてみたのでございますが、その比較線がある場合に、いまお話しのように、将来の交通量からいたしまして、交通の要請が高いものをその際に選んだと、あるいはまた、各路線につきまして沿線人口等を算出いたしまして、そういう比較される路線がある場合に、それらのいずれを選ぶかという場合には、そういう、将来、路線一キロ当たり沿線の人口に裨益すると思われる路線を選んでみた、こういうことで選んでおるわけでございます。したがいまして、すべて人口量が多いとか、あるいは交通量が多いとかいうところから選んだものではございません。もしそういう選び方をいたしますと、おそらく、東京、大阪、阪神地方を中心にしてうんと密度の高いものが入ると思いますが、そういう選び方ではなしに、さきに申しましたような三つの要件、それらを満たすためにどういう経過地が必要であるかということを判断する場合に、いま申しました、将来交通需要、あるいは人口密度というものを勘案して路線を決定した、こういう選び方をしておるわけでございます。  なお、吹田から山口に至ります路線について申し上げますが、もちろん現在の二号国道ございますが、これらはすでにもう満ぱいいたしておりまして、むしろ都市地域についてはほとんど二次改良を要する、しかし二次改良しただけではやはり全体として結ぶ機能を持ち得ない、ちょうど東海道、中央道両方ございますように、東海道にはもちろん現在一号国道ございますが、それと同じように、東京−大阪からつなぎますところの瀬戸内海沿岸についてもやはりそういう網が必要であるという観点から入れたものでございます。
  70. 竹田現照

    ○竹田現照君 これはこれから十五年かかってできるということですけれども道路行政に政治的圧力がつきものだということをいわれていると私は聞いているわけです。それでそういうようなことから道路の問題について、いま七千六百キロと出ておりますけれども、これがいろいろな有形無形のそういうような圧力その他によって、このいま出されている計画というものは修正の可能性というものはどうなんですか、修正というか追加というか。
  71. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) その問題は、先般の当委員会においてもお話が出ました。現在ももっとこういうところに必要じゃないか、これは政治的圧力というよりも、やはりここにも必要であるという考え方があるわけであります。けれども、先ほど来御説明をいたしておりますような基準に従って、現在においてこの程度——ほかの一般国道その他とつなぐ総合体系でこの程度のものがよかろうというようにずっと切り詰めてきておるわけでありますが、ほかにも御希望といいますか、こういう点が必要であるという路線が何カ所かございます。けれども、先般もお答えいたしましたように、いまこれをそういう路線を追加するという必要性を認めておらない、将来の各種の変遷、変更がありまして、必要性がある場合は——これはもうそういうことは起こり得ると思いますけれども、いま私どもはそういうことは考えておらない、かように申し上げておるわけでございます。
  72. 竹田現照

    ○竹田現照君 時間が制約されておりますから。それじゃ、達田君の先ほどの有料関係する質問に関連して二、三点だけお伺いしたいと思いますが、約五兆円以上の予算計画のようでありますが、これは全部有料。先ほどからもお伺いがありましたけれども、国土縦断といえばたいへん聞こえがいいわけですけれども、通過地点は一々歩いたわけじゃありませんからわかりませんけれども、ほとんど山の中じゃないかと思うのですけれども、そうなってくると、道路と主要都市間の経済交流というようなのはこれはあまり活発でないというようなことになってまいりますと、あまり交通量の多くなるものは期待できないのではないか、そういうふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
  73. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) この路線を選ぶにつきましては、先ほど申しましたように、つくった以上交通事情が多いような路線ということで計算いたしております。ただ現時点で見ますと、なるほど地方の拠点といいましても、十分開発が行き渡っておらぬというようなことで、直ちに現在つくって交通量が発生するかという点については問題がある路線もあろうかと思います。ただ道路は、特に国土開発という意味をもちましてこの道路をつくることによって地方が開発されるという機能を持つべきものと思います。したがいまして私どもは、現在交通量があるからそこにつくるということもさることながら、この道路をつくることによって、先ほど来申しましたようないろいろ拠点が開発され、そこに新しい都市あるいは農村の建設が行なわれる、いろいろの点に立ってやっておるわけであります。したがいまして、今後これを十五年あるいは二十年とつくり上げていくわけでございますが、それらを建設するいろいろ順序につきましては、いまお話しのような点もいろいろ勘案しなければならぬと思っております。これら全部手をつけるということは、いろいろ資金の効率からいって適当ではない、かように判断しておるわけでございます。
  74. 竹田現照

    ○竹田現照君 それで建設費ですけれども道路公団資金コストというのは年六分ですね。そうすると、こういうコストではたして建設費の償還というのはどうなんですか、可能なんですか。
  75. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) これは、先ほど達田委員の御質問に対してもお答えいたしましたが、いまの六分の平均利子の金では、つくりましても採算はとれないという計算を私どもいたしております。したがいまして、こういう有料道路、従来の有料道路制度では、とても、せっかくつくりましても交通が乗らない、したがって、ペイできないということになりますので、かなり資金構成を変えまして、料金についても従来の料金制度考え方を変えまして、むしろ政策的な料金という考え方でいきたいということで、資金構成を大幅に変えることによってこの道路が生かされ、建設できるというふうにしたいと考えておる次第でございます。
  76. 竹田現照

    ○竹田現照君 それは一般会計から出資金をふやすとか、あるいは一部を公共事業費で受け持つとか、そういうような制度改善というものを考えているんですか。
  77. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 政府資金をふやすという形になりますか、あるいは国がこれに対して負担をするという形になりますか、あるいは国が補助するという形になりますか、いろいろ国の負担のしかたがあると思います。それにつきましても、いろいろ他の制度とも関連いたしますので、私どもはこれは財政当局と打ち合わせまして、この出し方について十分検討いたしたいと思います。
  78. 竹田現照

    ○竹田現照君 そうすると、いま法案を審議しておる過程では、まだ具体的にこの法律に基づく道路網というものの資金というか建設費というか、そういうような問題に対しては、はっきりした自信はいまの段階で持てない、むしろいまのところは絵にかいたもちにすぎないというふうに受け取ってよろしいですか。
  79. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) もちろんこのうちのある程度のものは、現在の有料道路制度でもやれると思います。しかし、それが何キロになりますか、これは路線ごとにいろいろ積み上げてみなければならぬと思いますが、私ども、そういうことをやりましても、では残りはどうするかということについての将来のことをいろいろ考えますと、やはり現在の制度で現在できるものだけやるということは妥当ではなかろう、むしろ全体が高速道路網一体として運営できるような仕組みを考えるべきであるということで、そういう考え方をつとに持っておるわけでございます。私どもがきのうきょう思いついて言っておることではございませんで、いろいろ縦貫道審議会及び経験者の方々その他財政当局ともすでに寄り寄り話を進めておりますが、ただどの程度どういう出し方をするかということにつきましては、今後の資金の問題でございますので、今日の段階で、国が出資するとか負担するとかいうことを確言申し上げることはできない、こういう意味で申し上げたのでございます。
  80. 竹田現照

    ○竹田現照君 しかし、実際に建設費を通行料金収入でまかなうことは現実に不可能、いま全国に九十ばかり有料道路があるそうですけれども、採算とれないところが三分の一からあると言われておりますね。最近できた名神でも、ことしの四月から三〇%から引き下げておるわけですね。そういうような状態の中で、いま私がお伺いしたような建設費、できたあとの償還、こういうような問題にもう少し確たる一つの自信といいますか、方針というものを持たなくては、先ほど私が言ったように、法律はできたけれども絵にかいたもちにすぎなくなってしまう、そう思うわけですけれども、その点はどうなんですか。
  81. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) その点はもうしばしば当委員会でも各委員からお話があってお答えいたしておるわけでありますが、これを絵にかいたもちにするようなことでは、もうわが国のいわゆる総合的な進歩は非常におくれる、したがって私ども、これを絵にかいたもちにしない制度をつくるべきである、こういう前提に立っておるわけであります。ただ先ほども申し上げておりますように、いま積算をして、こういう資金構成でたとえば——いまの想定は、少なくとも四〇%ぐらいのペイしなくてもよろしい金を出さなければできないかもしれぬということを想定していろいろ計算しておりますが、その点の確定的な結論がまだ出ておりませんから、申し上げないだけであります。いまのような年六分を回るような資金でそれをペイする、こういう道路をつくるという考えではないということをしばしば申し上げているわけでございます。
  82. 竹田現照

    ○竹田現照君 それで先ほどちょっと触れました北海道の室蘭−札幌線のような、国道との並行路線ははたして有料として維持できる見通しというのはあるものですか、実際問題として。しかも、北海道−ほかのほうでもそうですけれども、詳しくは知りませんけれども、開発道路整備がいまの段階でなおまだ強く要請されているときに、そういう地域有料道路にするというようなことが、はたして地域開発の趣旨に沿うものかどうか、これは道路行政の根本に触れる問題だと思うのですけれども、この点についてどうお考えになっていらっしゃいますか。
  83. 尾之内由紀夫

    政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほど北海道の路線のお話を落としまして申しわけございません。北海道の路線については、縦貫自動車道法によって路線網がきまっておりまして、今回若干修正したことになっております。ただその際に、室蘭を回るかあるいは小樽を回るかという議論はございましたけれども、今回積雪の問題等で室蘭を回るのが調査の結果妥当であるということで路線をきめたわけでございます。したがいまして、路線についてはそういういきさつできまったわけでございます。  ただいまの問題でございますが、北海道でこの道路をつくって、北海道だけでペイできるかということになりますと、私はむずかしいと思います。これは先ほど申しましたように、高速道路全体として、内地全部を含めてプールして計算するという考え方であって、やはり一般的には都市中心付近でどちらかといいますともうけまして、他のところでは赤字であろう、それらを合わせて全体として成り立つ、まあいまの国鉄がおそらくそうであろうと思います。そういう姿になろうと思います。したがいまして、料金を高くいたしますと、やはり特に後進地域ではその点が悪うございますから、その辺に料金政策的な考え方を入れるべきではなかろうか、といって、無料にすればそれでよろしいのでありますが、無料にすればこれは建設大臣建設する立場であって、考え方としては全額国庫ということになります。非常にほかのバランスという問題がまた起きてまいりまして、むずかしい問題もありますので、そういう意味で先ほど来、今後の建設に対しての新しいアイデアを出したいということを考えておるわけでございます。
  84. 竹田現照

    ○竹田現照君 まあそういう地域開発を阻害するような結果にならないように、全国的な観点に立って政策料金その他お考えになっておるようでございますけれども、そういう点も考えて、とりわけ何でもかんでも、特にまあ北海道なんというような場合は、北海道の特殊性というようなことでいろいろなことをやられておるわけですけれども、いま私が質問をしたような趣旨も十分くんでいただいて、阻害のないように進んでいただくようにお願いしたいと思います。
  85. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 松永忠二

    ○委員員(松永忠二君) 御異議ないと認めます。  なお、討論、採決は、後日に譲ることといたします。  これにて暫時休憩いたします。午後二時三十分に再開いたします。    午後一時二十三分休憩      —————・—————    午後二時四十二分開会
  87. 松永忠二

    委員長松永忠二君) これより委員会を再開いたします。  流通業務市街地整備に関する法律案議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。  なお、瀬戸山建設大臣、竹内都市局長のほかに、経済企画庁から宮沢調整局長が、運輸省から佐藤港湾局長が、また農林省および通商産業省から説明員が出席しております。
  88. 田中一

    ○田中一君 最初に、各省から、三十八年三月十五日並びに三十八年十一月一日に、大都市再開発問題懇談会の結論として答申があった内容について、おのおの所管の方から、所管の分担する業務、それからその業務に対する国としての助成措置、あるいは当面される流通センター、流通団地に持ってこようという現実の業種、それらを総括的に説明をしていただきたいと思います。
  89. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 大都市再開発懇談会の結論に基づきまして、建設省といたしまして実施いたしておりますことを申し上げたいと思いますが、これにつきましては追加資料で、「流通業務市街地関係資料(2)」で、東京および大阪についての過密対策というので実際にやっております事項を書いてございますので、簡単に御説明いたします。
  90. 田中一

    ○田中一君 書いてある問題はいいから書いてない問題を言ってください。
  91. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 東京のまず副都心の整備でございますが、副都心の整備につきましては、東京では池袋と、それから新宿において副都心の整備を進めております。新宿につきましては、淀橋浄水場のあと約九十六ヘクタールにつきまして、現在敷地の整備道路整備等を行なっておるわけでございます。池袋につきましては、今年都市計画として決定をいたしまして、巣鴨の拘置所あとを含む七・五ヘクタールの地区につきまして、業務地区の造成を目的として、街路、駐車場、公園等の土地計画決定をいたしております。近く事業主体をきめまして、調査その他に入るという段階になっております。  それから大阪につきましては、新大阪駅前におきまして現在都市改造事業で区画整理事業をやっております。あそこを業務地区と考えております。それ以外に弁天町、堺というようなところにつきまして計画をいたしております。  それから流通団地につきましては、再開発懇談会の結論に基づきまして、東京におきましては板橋——この法律のできる前でございますので、やや変則的な形でございますが、住宅公団が区画整理事業ということによりまして区画整理事業をやっておりますが、それにトラックターミナルでございますとか、あるいは卸の協同組合でございますとかというようなものが、一部土地先買いをいたしまして、最終的には先買い地と保留地を求めて流通団地を確保するというようなことで、区画整理事業で現在やっております。それから京浜二区というところも一応考えておりますが、そこにつきましては、現在埋め立て事業を東京都が行なっております。これは四十一年度で大体完成するという予定でございます。  それから大阪につきましては、東大阪の布施河内というところで、これは中央環状線と築港枚岡線の交差のところでありまして、大阪府より四〇%出資いたしました大阪府都市開発株式会社が、現在区画整理事業を大阪府がやっておりますので、それと一緒になりまして土地先買いをいたしております。それからその他の地区につきましては計画中でございます。  それからもう一つは、工場の移転の問題でございますが、これも御承知のように、既成市街地の中におきまして工場、学校等の整備をいたしております。公害といいますか、首都圏、近畿圏の内部におきましては、都市開発区域において工業団地の整備をやっておりますが、今年度は特に都市開発資金特別会計というのを、これも本委員会法律も通していただいたわけでございます。それに新しく特別会計を設けまして、この資金によりまして既成市街地内の工場あと地を公共団体が買い取ります場合に融資をするという特別会計をつくりまして、これも今年度から仕事にかかろうとしておるところでございます。  それからその他交通施設の整備、これはこまかくなりますので省きますが、こういうような都心及び副都心、副々都心というものを結びます幹線街路網の整備、あるいは都市内高速道路整備、あるいは地下鉄道の整備というようなことをやっておるわけでございます。さらに東京の環状六号線の内側におきましては、容積地区を設けまして建築物の容積規制をやっておるわけでございます。  大体概要は以上でございます。
  92. 田中一

    ○田中一君 都市開発資金特別会計はどのくらいの資金ですか。
  93. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 十五億でございます。
  94. 田中一

    ○田中一君 次に、どの省でもいいですから、他の省——委員長、会期がありませんので、これは次国会に回すつもりならけっこうです。しかし、今国会中にこれを成立させようというならば、もう少し簡潔に、それから要を得た答弁がないと、だんだんこまかい質問をしなければならなくなりますから、いま申し上げたように、たとえば都市開発資金特別会計は十五億の予算を持ちました、こういう説明をしてくれると、再質問しないで済むわけです。そういう点をひとつ各省の諸君も心得て答弁してくれるように、委員長から注意を願いたい。
  95. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 田中君からの御意見がありましたが、ひとつ簡にして要を得た御答弁をお願いいたします。  それでは関係の各省庁で御発言をひとつ……。
  96. 佐藤肇

    政府委員(佐藤肇君) 私は倉庫関係でございますので、運輸省全体につきましては、官房の開発課長が参っておりますので、開発課長から説明さしたいと思います。
  97. 原田昇左右

    説明員原田昇左右君) 本法案に関連いたしまして運輸省の所管いたします部分は、鉄道貨物駅、トラックターミナル及び倉庫ということになっております。そこで鉄道につきましては、鉄道の貨物駅の流通団地と一体として整備する必要がある場合は、これを中核施設として流通団地の中に整備いたすことによりまして、関連の施設、たとえば倉庫あるいはトラックターミナルを通して、トラック輸送に切りかえる問題、あるいは卸売り市場、あるいは問屋その他との連関を有機的につけることによりまして二次輸送、三次輸送が節減できるという効果がございます。  それから次に、トラックターミナルでございますが、トラックターミナルをこの流通業務施設の中に持ちます効果といたしましては、これによりまして路線トラックの大型化が促進でき、それは高速道路を通じて大型トラック輸送いたしたものをトラックターミナルで小型のものに積みかえて都市輸送が可能になる。それから同時に倉庫、卸売り市場その他が隣接して所在いたしますので、これらと有機的な連関関係を持ちまして二次輸送、三次輸送を節減できる、こういう面とがあるわけでございます。また倉庫につきましては、従来都心その他に位置しておりました倉庫がこの流通業務施設の中に取り入れられるということによりまして、鉄道輸送あるいは貨物輸送と密接な関連を持ちまして二次輸送、三次輸送の節減ができる。それから生産と消費の将来の動向を考えますと、生産と消費をできるだけ直結させるという一つの保管、ストックポイントとしての倉庫の機能がこういう団地に倉庫を建設するということによって達成できるのではないか、こういうように考えております。
  98. 堀川春彦

    説明員(堀川春彦君) 大都市再開発問題懇談会におきまして、大都市におきます再開発の構想が出まして以来、農林省といたしましては、中央卸売り市場につきましてこの再開発の構想をどのように取り入れることができるか、また、取り入れるべきであるかということについて検討いたしたわけでございます。その結果、昭和三十八年に中央卸売市場法に基づきまして、中央卸売り市場の開設、整備の八カ年の計画をつくったわけでありますが、この計画の中におきまして、大都市再開発構想というものにつながる市場建設計画というものを取り上げたわけでございます。その後、その市場の配置の具体的あり方等について研究をいたすため、昭和三十九年におきましては、東京における市場配置の問題をさらに研究をいたすため、若干の予算をとりまして委託調査をいたしました。たとえば東京都におきます五つの流通センター構想のうち、そこに中央卸売り市場を設置することとすれば、立地上の優先順位といいますか、どの地区が最も中央卸売り市場の位置として適当であろうかというような観点からの委託調査をいたしました。この結論をさらに中央卸売市場法の規定に基づきまして設置されております中央卸売市場審議会等に報告をいたしまして、四十年度の末からさらに具体的な検討をきわめるということを実施中でございます。  なお、この中央卸売り市場整備八カ年計画におきましては、この再開発構想でいろいろ取り上げられました構想の中で、東京都におきましては板橋地区に流通センターをつくるという構想があるわけでございますが、ここには整備計画におきましても、中央卸売り市場の建設をいたしたいということで計画上きめておりまして、これは四十一年度におきまして用地取得をするということで、これについての東京都における予算措置も一応手当てはしてあります。農林省といたしましても、これらの措置に対しまして起債の充当等について目下関係省と折衝中であります。  以上のとおりでございます。
  99. 林信太郎

    説明員(林信太郎君) 通産省といたしましては、卸を所管いたしておりまして、卸が都心のまん中で麻痺状態になっておる、しかも、それが交通の逼迫に拍車をかけておるというような状態でございます。これを緩和いたすべく二つ措置を講じております。  昭和三十七年から卸商業団地の助成措置を始めております。これは私どものほうの中小企業庁で無利子の金を所要資金の四分の一、あと四分の一を府県が出しまして、全体として所要資金の二分の一を貸し付けることによって、問屋さんが周辺部に集団で移転する、こういう構想で、すでに十四地点で実施に入っております。  それからもう一つは、昨年の産業構造審議会で答申を得ました卸総合センターの設置促進という構想でございます。これは卸取引に伴います集荷あるいは保管あるいは配送といったような仕事をもっと有機的に遂行するために、いまの一点集中的に存在しております卸を多点分散的に分散させよう、多極的な形で分散させようという構想でございます。昨年の十二月に答申をいただきまして、同時に予算措置で開発銀行の大都市再開発及び流通機構の近代化というワクの百八十億の中から適当なプロジェクトに対して融資が行なわれることになります。大阪及び東京で数カ所候補地点があがっております。  以上でございます。
  100. 宮沢鉄蔵

    政府委員(宮沢鉄蔵君) 各省所管の流通施設についての御説明は以上のとおりでございまして、経済企画庁では、こういう各省のそれぞれの近代的な流通業務施設の建設等について施策を講ぜられます際に、開発銀行の融資の際、いまのような施設に対して重点的に金を出すようにということで、これは開銀の融資を、閣議決定をいたして開銀等に流しております。予算額も四十年度の場合には約三十億円ぐらいでございましたが、四十一年度の場合には百十億というふうに予算をふやしております。
  101. 田中一

    ○田中一君 いま伺った五つの主務官庁の中で、何かこれに対する機構上の窓口を持っておるのかどうか。  それから予算は、四十一年度の分のいま伺ったものはいいのですが、そうでなく、方々の省の四十一年度の予算、これをひとつ明らかにしていただきたい。だから建設省、具体的に伺いたいのですよ。四十一年度は大阪なら大阪、東京なら東京のどこそこに区画整理事業で何々をするとか、あるいはこの法律が通ったならば、流通センター、団地をこの法律によるところのこういう事業をするとか、これに対してはこれだけの予算がついておるというものを、各省からひとつ説明してください。
  102. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 先ほど申しましたとおり、板橋につきましては、区画整理事業を行なっております。今年度、四十一年度板橋の区画整理事業につきまして七億四千三百万円事業費を充てております。  それから東大阪の地区でございますが、これは先買いをいたしておる段階でございますが、大阪府の都市開発株式会社といたしまして、四十一年度取得費を含めまして五十一億の計画を立てております。  以上でございます。
  103. 堀川春彦

    説明員(堀川春彦君) 中央卸売り市場の整備を所管をいたす部局といたしまして、当消費経済課が農林経済局に置かれております。それから中央卸売り市場の整備に関します予算は、補助金といたしまして、四十一年度全体で五億五千万円計上されております。なお、補助金の残の建設費に対しましては、起債手当てをするわけでございまして、これの起債ワクは一応四十五億ということにきめられております。先ほど申しました板橋地区の市場建設は、当年度といたしましては、まず用地取得から始まるわけでございます。これにできるだけ起債を充当いたしたいということを考えておるわけでございます。
  104. 林信太郎

    説明員(林信太郎君) 通産省といたしましては、窓口が中小問屋さんの場合の団地の助成の窓口と、それから一般卸総合センターの仕事を扱います窓口と二つに分かれております。前者は中小企業庁指導部商業課でございます。後者は通産省企業局の商務第一課でございます。で、卸総合センターの場合の予算は、先ほど申し上げましたように、大都市再開発及び流通機構近代化という開発銀行のワクの中に含まれております。  それから卸団地、中小問屋さんの団地助成の場合には大体年々予算が余っておりまして、本年度六件を一応予定しております。金額の詳細は後刻中小企業庁の担当の者が参ることになっておりますので、すぐ御説明申し上げたいと思っております。
  105. 原田昇左右

    説明員原田昇左右君) 運輸省といたしましては、鉄道につきましては鉄道監督局、それからトラックターミナルにつきましては自動車局自動車道課、それから倉庫につきましては港湾局の倉庫課が窓口をいたしております。そしてそれを総合的にまとめますのが官房のほうでやることになっております。  昭和四十一年度の予算といたしましては、この団地関係関係いたしますので、コールドチェーンの推進ということでパイロット調査、あるいは総合調査ということで五百八十五万円。  それから国鉄関係は、これは一般的に国鉄貨物輸送の整備ということで考えておりまして、予算額はこの本法案のものということに分離できませんので、省略させていただきます。  それから新線の建設については鉄建、鉄道建設公団が当たっております。  それから港湾の関係といたしましては、港湾整備五カ年計画として四十一年度の予算が計上されておりまして、それからさらに倉庫の関係といたしまして、団地倉庫の整備促進のために東京の板橋地区及び京浜二区の流通センターに四十一年度分としてそれぞれ一万三千平方メーター、あるいは十万平方メーターの土地を確保して、団地倉庫の建設を促進することにいたしております。これについては財政投資として、四十一年度の金額は開発銀行に申し入れておりますが、いまだに金額はきまっておりません。  それから自動車ターミナル関係予算といたしましては、トラック輸送の合理化道路交通の円滑化のための大都市及びその周辺においてトラックターミナル事業を行なう日本自動車ターミナル会社の助成を計画いたしておりまして、四十一年度予算で一般会計から二億五千万円、それから財政投融資の回転貸金のほうは目下開銀と折衝中でございますが、まだ未定でございます。  以上でございます。
  106. 林信太郎

    説明員(林信太郎君) 先ほど省略いたしました中小卸問屋の団地造成のための助成の予算額でございますが、本年度国の負担いたします分が十億七千七百万円でございます。同額を府県で出されますので、貸し付け金額といたしましては二十一億五千四百万円という形になります。
  107. 田中一

    ○田中一君 そこで、これを調整する何か連絡機関でもできておるのですか。
  108. 宮沢鉄蔵

    政府委員(宮沢鉄蔵君) 現在までのところは、それぞれ各省が各省所管のこういう施設の建設等につきまして計画を立てまして、それぞれ個別に大蔵省と折衝してきめるということになっております。ただ私、先ほど申しましたように、開銀の融資の問題につきましては、これは一括して予算に取ってありまして、これは先ほど申しましたような方針に基づきまして、今後開銀がそれぞれ各省と相談して具体的にきめるということになっているのでございます。
  109. 田中一

    ○田中一君 私は、こういう各省にまたがる行政というものは、ことにこれは単なる行政というよりも建設事業であります。それぞれの流通団地が完成して、正常な業務を開始してから後は、これはおのおのがおのおのの立場で、助成なりあるいは監督するならいいでしょうが、建設完成までの問題、予算の問題すらまちまちで、おのおの力関係で取る、予算というのは御承知のように、建設省局長はいるけれども、力関係なんですよ。大蔵省はほんとうにこれらの仕事を納得して、財政当局がこれにほんとうに腰を入れてやろうという立場でやらないと、各省にまたがるこうした計画というものは立たないのです。おのおのがおのおのの計画というものを持ちながら、その計画だけの予算をぶん取ってくるというようなことは、経済企画庁が大きな口を聞いても、事業そのものはいい、しかしながらその事業を実現さすには金の問題なんです。はっきりとこの全体計画ができて、所要のその地域資金というものを積み重ねて、これこれの事業として確保できたのだということにならなければ、こんなものを計画立てたところで、かたわになる。これはあなただってずいぶん長い間いままで役所の立場におって、いろいろ触れていると思いますけれども、どっかに強力なそうした機関ができなければ総合性が発揮できないのです。一番大きな面をいままでの問題で言うと、鉄道にしても、鉄道はむろん土地取得が先行しますけれども、それにはやはり鉄道を敷くということは一番最初です。道路をつくることは最初です、計画では。そういう総合的な建設を行なうという事業である以上、どこかにそれを強力に推し進めるというものがなくちゃならないのです。いままでの行政機構の中では、みんななわ張り主義で、てめえがてめえのことだけやっていればいいのだというような空気が非常に強くて、そのために経済企画庁は昔の安本時代から、安本時代のことを想定してもわかるとおり、ああして予算というものを全部握ってチェックできるという立場でやるのなら完全に完成し得るというような見通しもつきますけれども、私はいまお話伺って、各省の考えている考え方が、ほんとうにこれを実現しよう、どこか一カ所に——というような総合性というものが欠けているんじゃないかと思う。こう点が質問の最初です。建設大臣どういうぐあいに——これは閣内の問題ではないのです。ほんとうに政策として、佐藤内閣が政策としてこれを取り上げてやる以上、その建設の本部長というものが、関係するどこにも強力に、この計画に対しては君のところはこれだけの資金計画的に出すんだというような強い発言力を持たなければかたわになるのです。ましてや運輸省の分担する鉄道なんというものは、これはいつだって鉄道なんというものはあとからくる、一応できてから。道路にしてもそうです。どういう道路をつくるか、またその地域道路ができたって、これに続く道路が、いま言っているとおり高速道路とか何とかいうような考えられているものを中心に考えて、想定して考えられておるでしょうけれども用地買収の問題等はいつもぶつかっておる。私はこの中に強力な推進する建設本部的なものが、単にこの事業の主体というものは住宅公団または地方公共団体になっておりますけれども、それを強力に推進する窓口が政府の行政官庁のどこかになくちゃならぬと思う。その点は建設大臣どうお考えになりますか。
  110. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) おっしゃるとおりでありまして、従来こういう大都市の過密問題の解消の一つの要素として、流通機構整備あるいは分散、こういうことが唱えられて、それで各省、先ほど来説明がありましたようにそれぞれの所管の業務について検討し、推進しようという形であったわけでありますが、御承知のとおりに各省がなかなか必ずしも歩調が一致しない、予算的にも総体の計画を立てて、これが総合的な機能が発揮できるような建設計画が進められない、こういう率直に言って弊害と申しますか、現実の事実があったわけであります。そこで今回は、あるいはこれでも不満足という御意見かもしれませんけれども、御承知のように三条、四条等に基づいてそういうものを、各省にまたがっておりますから、経済企画庁長官が中心となって関係の農林、通産、それから運輸の、建設だったら建設大臣、協議をして総合的な基本計画を立てる。これは第三条にいろいろ書いてありますが、その位置、地域、あるいはその各機構規模、数量、こういうものを基本計画できめて、それを推進する、こういう体制を整えるというのがその目的であります。さらにそういう基本計画が立ちますと、そういう立地条件のところを特別にまた指定いたしまして、建設大臣所管としてそれを設置する。総合的な都市計画を立てて、いまお説のとおりに住宅公団、あるいはところによっては地方公共団体が総合的にその建設に当たる。もちろん各施設についてはそれぞれの所管がやりますけれども、総合的な計画に基づいてやる。こういう体制を整えようというのが今度の法律であります。一つの機関で、あるいは流通機構整備公団というような考え方もあるかと思いますけれども、住宅公団がその建設に当たる、こういうことにこの法案には方針をきめておはかりいたしておるわけであります。
  111. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記をとめて。   〔速記中止
  112. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記をつけて。
  113. 田中一

    ○田中一君 その調整機関が予算をチェックする力を持つように法律改正しなければこれはだめですよ。大体たとえば住宅公団が団地をつくる、一千世帯の団地、二千世帯の団地をつくっておっても病院もなければ何もない、総合性がない。一番悪いのは鉄道です。運輸省に文句を言ってもいいけれども、鉄道が足りないから、実際それに交通機関が——どっちがいい悪いという問題ではなくて、ついていけないということです。私はかって、中央線にやたらに団地をつくる、多摩平とか何とかあの辺にやたらに団地をつくる。そうして輸送とか交通を考えないでやっておる。最近はあの辺をやめて、鉄道は鉄道で複々線にするということでやっておるから緩和されるでしょうし、また地下鉄等も延びておる、しかし学校の問題にしても医者の問題にしたって、何もやっていやしない。また地方公共団体ではできない。流通センターを国が単行法をつくってこれだけのものをこしらえてやるというなら、予算を要求する確固たる計画の数字というものは経済企画庁に持たすべきです。経済企画庁がもし総合的なプランをつくるならば、そのプランに基づく予算というものは経済企画庁の要求どおり全体が分担する。もちろんそれはタイミングがありましょうけれども——というくらいの関係大臣の申し合わせ、閣議決定でもなければ、これはできないのです。必ずびっこにこれはなる。どこまでも総合性です。これは私はまだ運用の問題まで触れておらぬのです。実際の建設段階で非常な困難に逢着する。まあ大阪のようにいろいろあれやこれや、大阪府、大阪市が形を変えた、土地先買い等にしても弾力性のある——役所がなかなかできないような問題でも何とか株式会社にすれば、これは少し安くても高くても適当な、それこそ贈収賄を行なってもこれは文句ございませんよ。役所はそれはできない。また十円と思うものを十五円で買ったって、これは民間の企業的採算からいけばいい場合がある。これも一つの大阪らしい行き方だと思います。しかし、もとをなすところの政府がもっと総合的な協力体制というものができなければだめです。これは何と言ったって経済企画庁なら経済企画庁に、要求する予算を必ずつけるんだということをきめるのです。大蔵省の問題ではございませんよ。前向きで仕事を完成するという熱意があるならば、これは容易であります。一番大きな問題は用地取得の問題が先になりますけれども、これはいまの瀬戸山さんの答弁のような程度では、これは瀬戸山さんの答弁であって、これは政府委員です。所管だけはこれだと言いながらも全体的な答弁にならぬと思うのです。藤山さんが来てくれると一番いいのですけれども、どういうふうになっておるのか。いまの瀬戸山さん程度のことではだめなことは、御承知のように国土総合開発事業においてもこれはだめだということは明らかですよ、あの法律ができて何年たちましたか、ああして調整金というものをようやく今年何億だったか、十億ぐらいあったかな、十五億ぐらいあったかな——四十五億か、四十五億ふえるということになるということは、あなた方がまともでないということですよ。総合性がないから四十五億になったのです。初め五億から始まって、ようやくとって総合開発計画というものが一応結びつけができた、これにおいてもしかりですよ。この問題はほんとうに実行するには、それぞれ伺ってみるとたいへんな金がかかります。これに対してやはり三十億でも五十億でも経済企画庁が持って、足りないところはそれで補ってタイミングを合わせて完成するということにならなければだめなんですよ。そういう考え方はひとつどうお考えになりますか。またそういう話がないのかあるのか、これは建設大臣建設大臣、おれのところはおれがと言うきりでもって、農林大臣は知らぬ、何は知らぬではこれはできません、経済企画庁長官が私のほうでやりますという答弁なら……。
  114. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっと発言をして行ってください。
  115. 瀬戸山三男

    国務大臣瀬戸山三男君) おっしゃるとおり、これはちぐはぐになったのでは、前後になったのでは効果を発揮しないわけであります。一つの経済企画庁なら企画庁に権限を与える、こういうことも一つ考えでありますが、御承知のとおりそれぞれ機構が分かれておりますから、それぞれ所管が担当がありますので、それを総合して進めよう、これが今度の考え方であります。問題は、これを実行する政府姿勢、こういうことになるわけでありますから、この法律を出し、しかもこの困難な問題を解決するについては、それを実行するという政府姿勢の問題だと思うのです。それで、総合開発のお話がありましたが、おことばを返すようでありますけれども、それとはやや問題が違うのじゃないか、かように私は考えております。恐縮でありますが、あとはひとつよろしくお願いいたします。
  116. 田中一

    ○田中一君 政務次官に、それではあと引き続いていま大臣答弁を受けた問題について伺いますが、国土総合開発とは変わっているといってもちっとも変わってないんですよ。経済企画庁はおそらく設置法の中に、各行にまたがる行政何とか、そういうふうなことがある。それから調整金というものが、各省にまたがる行政という分についてのぶんどりをしているわけですね。そこからきているんでしょう。行政上の調整としての調整金でしょう、各省にまたがる行政事務の、事業の。そうなると同じことなんですよ。私の言っているのは、ただ単に各省のおのおのの自分だけの計画でなくして、やはりいま言っておりますマスタープランといいますか、経済企画庁が調整されたプランができ上がったならば、それが年度なら年度別に経済企画庁が一応の調整金をもってしなければこれは実現しないのは、いままでの例がたくさんあるのですよ、この例というのは何かというと、十五年ぐらい前でしたか、調整金という制度ができて十年ぐらいになるかな。それが四十五億になった、四十五億になったということは、各省間の分担がスムーズに行なわれないということです。調整が行なわれるということの証左です。だから、どっかでそういう推進役、具体的な金を持った、予算を持った推進役ができなければこれも非常に危険です。ましてや、たとえば建設省は都市計画そのものを決して自分がするんじゃない、補助事業としてやらせるにすぎない。運輸省だって、鉄道は鉄道建設公団にやらせる、おのおの自分が直接にやるんじゃなくして補助事業なんです。相手方の補助事業というものは、その地方公共団体の財政力の強弱にかかわらず一定の補助しかやらないわけです。地方公共団体は財政規模なりあるいは負担力なり、これはばらばらです。そうすると、そこにびっこの状態が生まれてくるわけですね。いまこの提案の代表的な主管大臣建設大臣になっているから、建設大臣ああいうこと言っているけれども、これはもう道路その他の自分の所管する問題を中心とした考え方であって、決して全部の各省の意思を代弁するとは私は考えていない。調整されるであろう、しかしできない問題は経済企画庁がやってくれるであろう、これはいままでの各省にまたがる事業は同じことなんです、行政上のあり方というものは。これは政務次官、実際にいま瀬戸山さんが言っているように、ほんとうに了解をし合って、お互いの分担分担を了解し合って仕事をするのか。それから経済企画庁としても——これは藤山さん来ないと困るんだが、ほんとう言うと。そうか、宮沢さんは調整専門屋さんだな。あなたのところにいつ調整局なんかできたかちっとも知らなかったけれども、専門官だからね、調整屋の。だから予算を取りなさい。各省から三分でも五分でも取り上げてあなたが持ってやるという決意がなければだめですよ。ひとつ経済企画庁、建設政務次官から、いまのに対する自信のほどをはっきり言明していただきたい。
  117. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 大臣が先ほど申し上げましたとおりでありますけれども、御存じのようにこれはなかなかむずかしい問題でございまして、各省のそれぞれ持っております事業、これをフルに使わしていく方法として、総合的な計画なり何なりというものの決定が必要だ、総合的な決定をいたしますものか実際の実施官庁的なところまでいくかどうか、そこの問題を田中委員は御指摘になっていることと思います。これはまだどういう方法がいいかということにつきましては幾多問題のある点でございまして、この法律で言っておりますように、それぞれの担当いたしておりまする省庁がそれだけでやっていったんではばらばらになる。どうしても基本計画等につきましては総合性を持たなければならぬということで、いまの基本計画をそれぞれの大臣が協議をしてやるということにいたしたわけでございます。この場合、経済企画庁の役割りが議長と申しますか、まとめ役になっていくだろうということはこれは当然考えられることでございます。しかしながらそれぞれの問題があるわけであります。たとえばその基本方針に基づいた道路計画という問題、これも膨大な金がかかると思います。あるいはその計画に基づいての中央市場の設置、これ一つとりましても、相当にこれは大きい仕事になると思います。もちろんやっております過程におきまして、先ほどの調整金のような制度が必要であるというようなことになりますれば、これは確かにそういう方向一つの検討すべき問題だと思いますけども、まず各省がそれぞればらばらにいたしておりましたものを基本計画ということによって一つにまとめていく、まとめていって、そしてそこで各省がそれぞれの分担においてやっていく。で、やっていきます主体は、この場合は地方自治団体あるいは公団等のようなことになると思いますが、そこにおいても問題の調整は可能でございまして、総合いたしましたところが実施的な仕事を全部遂行するほうがいいという観点に立つか、あるいはそれぞれの実施をいたしまする責任のある官庁が基本的な計画についての協議またはその基本計画というものをやっていったほうがいいか、これは後者の場合をとってまいったわけでございます。何せたいへん大きな仕事でございますので、まずやってみまして、いろいろな問題点は出てくると思いますが、私たちの考え方といたしましては、先ほど申しますように、各それぞれの担当の省庁がばらばらでなく、まず意見を調整をして、その調整に基づいたもので各自の仕事を遂行していく、こういう形でまずやらしていただきたい、こういう考え方でございます。
  118. 宮沢鉄蔵

    政府委員(宮沢鉄蔵君) ただいま建設政務次官からのお話でほとんど尽きているような感じでございます。先生御指摘のように、いままでこういったような種類の行政につきまして、総合性がやや欠けておったということはまさに御指摘のとおりだと思います。そういう点から、今度はこの法案にありますように、関係大臣が協議して、そしてその基本方針をきめる、そしてその基本方針に沿って各大臣が仕事をしていくという仕組みを考えておるわけでございますが、それはいままでの姿から見れば、非常に大きな前進であるというふうに考えておるのでございます。  それから国土総合開発事業の調整費との関係で、調整費が要るのではないかというようなお話もございましたが、国土総合計画の場合の調整というのは、全国にまたがる各省庁のいろいろの事業の調整をほんとうの末端においてまで完ぺきに予算編成の段階においてほとんどやることができませんので、予算の一定割合を調整費ということで企画庁で組んであるわけでございます。公共事業費の額がだんだんふえるに従って調整費の額もふえてきているというのが実際の姿でございます。今度の場合には、東京でありますとか、大阪でありますとか、そういう特定の地域を対象といたしまして、基本方針をきめるわけでございまして、その際に、たとえば東京でありますと、何カ所かほぼ具体的な構図がその際に描かれるわけでございます。したがって、その土地の造成事業につきましては、府県であるとかあるいは住宅公団だとか、こういうところにも集中してやらせるというふうなことを考えておるわけでございます。したがいまして、この基本方針を作成する段階で、実際そこで基本方針ができ上がりますと、あとはそれぞれ各省が各省の所管に従って予算を取ってやっても相当効果が上がるのではないかというふうに考えておるのでございます。もちろん仕事をやってまいりまして、どうしてもぐあいが悪いということになった場合には、将来そういうようなことも考えなければならないことになるかもしれませんけれども、一応現段階におきましては、いままでの姿から見れば、いまここに提案されているような形というものは相当大きな前進であり、かつまた、それで十分効果が上がるというふうにわれわれは現在のところは考えておるのでございます。
  119. 田中一

    ○田中一君 前進であることは間違いないのですよ。だけれども、仕手を完成するにはどうするかということを心配しておるのです。  そこで、ちょっと伺いますが、板橋は大体計画されているもので行なった場合には、いま区画整理事業でやっているというけれども、完成するのはいつごろになって、総事業費建設費ですよ、どのくらいになりますか。
  120. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 基本方針がきまりましてから、実際に板橋で流通団地をどれくらいにするかということがきまってくるわけでござますが、建設省のほうで一応推算いたしておりますのは、大体事業費といたしまして、用地買収費、それから造成費でごさいますけれども、大体規模がきまりませんと事業費がはじけないわけでございますが、大体規模を七十万平方メートル、七十ヘクタールぐらいというふうに考えますと、百五十億くらいの事業費がかかる。事業年度といたしましては大体四十三年ぐらいまでにはわれわれとしては完成したい、こういうふうに建設省としては考えておりますが、これは法律ができ上がった暁におきまして、基本方針の段階でだんだん固まっていく問題であろう、こういうふうに考えております。
  121. 田中一

    ○田中一君 これは各省聞いていると時間がなくなりますから、経済企画庁でひとつ資料を出してもらおう。これはだめですよ。建設省建設省でもって大体七十ヘクタールくらいのものを百五十億ぐらい考えていますと言ったって、各省がどういうこれに対して考えを持っているか。全くこれをつくるのに建設省だけではでませんというのでは困るので、経済企画庁がわかっているだろうから、経済企画庁で板橋地区だけでも、一つ計画だけでも示していただきたい。だめだよ君、建設省だけ言ったって、竹内君が言ったって、ほかの者が知らんと言えば……。
  122. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 先ほど先生のお話ございましたけれども土地建設省のほうで整備いたしまして、上ものは、これはそれぞれのたとえばバスターミナル、卸売り市場というものは、それぞれあるいは用地の又買いするわけであります、分譲するわけでありますが、その資金用地費というのはそれぞれの施設のほうで金を用意する、こういうことでございます。
  123. 田中一

    ○田中一君 それはわかっているのです。全体の問題を知りたいから伺っているのです。全体の構想をモデルとして伺いたいから伺っているのです、知りたいから。なぜ七十ヘクタールにしたかということは、積み重ねていくところの倉庫はどれくらい、これに対するところの消費面はどのくらいの人口に対してどのくらいのものを持つのだ、どういう品物を持つのだということになればおのずからきまってくるでしょう。それはどうなっているかということを聞いているのです。これからやるのだというのじゃ、この法律は来年できてからつくったって間に合うのです。この法律は立てないでも、そういうものを経済企画庁が中心になって計画を立てて、それからできても間に合うわけです。だからその全体の計画、板橋なら板橋区、それから大阪の——竹内さん言っていましたね、東大阪地区ですか、これはどのくらいの規模でもってどういうことになるのかという全体の計画が、何もこまかい数字が違ったってかまわない、違ってもかまわないから一応の構想として話してください。われわれの頭の中に入ってこないんです。そういうものがいますぐできなければ、何か大まかな構想を書いた具体的な実行、ほんとうにマスター・プランでいいから出してください。委員長それをもらってください。質問しても切りがない。
  124. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 資料の点どうですか。  速記をとめて。    〔速記中止
  125. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記をつけて。
  126. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 東大阪につきましては、全体で用地買取、それから造成関係が八十二億、それから建物関係につきましては、トラックターミナル駐車場、本屋ビル等考えまして四十三億、合計いたしまして百二十五億、完成は四十五年度ということを考えております。
  127. 田中一

    ○田中一君 鉄道、道路、それらの公共事業公共事業というか交通関係で費用はどのくらい、計画はどのくらいか。
  128. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) あそこは鉄道はいま具体的には考えておりません。それから交通は、中央環状線と築港−枚岡線の交差点でございます。幹線道路につきましては、別途街路事業費考える、それから団地内の道路その他はただいまの造成費の中に入っております。
  129. 田中一

    ○田中一君 そうすると、東大阪は百二十五億の規模のものだと、こういうことでいいんですね。板橋は……。
  130. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 施設関係の建物のほうの費用が、まだちょっと全体の施設のセットができておりませんので、はっきりいたしません。
  131. 田中一

    ○田中一君 それじゃひとつこの次の委員会までに出してください。その計画の大体大まかなものでいいんですから。
  132. 松永忠二

    委員長松永忠二君) それじゃ出してもらうことにして……。
  133. 田中一

    ○田中一君 一体住宅公団がなぜひょこっとこんなところに顔出すの。
  134. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) この流通団地造成事業は、東京都とかあるいは大阪市だけに関連する問題でございませんで、たとえば東京の卸売り市場で申しますと、卸売り市場に買いに来るものは東京都の人だけではなくて、近県からも来るわけでございます。そういう意味におきまして、広域的な観点で考えるべき問題である。したがいまして、この法律におきましても、大都市及びその周辺の地域を含むというふうにいたしておるわけでございます。そういうような広域的な観点から考えるということになりますと、当然広域的な処理をいたす公団ということが考えられてくるというのが一点でございます。  それからもう一つは、東京で申し上げますと、外側の環状線の沿線に何カ所か張りつけるということを考えておりますし、大阪で言いますと、中央環状線の沿線に張りつけるということを考えております。そういうような道路整備というものが、相当高速道路あるいは中央環状線の建設というものが進んでおりますので、やはり早急にこれは仕事をしていかなきゃならない。そういたしますと、必ずしも一つが終わってから次をやるというようなことでは間に合いませんので、数地区並行して仕事をしていかなきゃならない。そういう場合に、公共団体だけではしょい切れないという問題がございますので、公団というものを考えざるを得ない。その場合に、公団といたしましてはどこが適当かというと、今度宅地開発部門を拡充いたしました住宅公団が適当であろうということで、住宅公団利用したいということでございます。
  135. 田中一

    ○田中一君 うそおっしゃい。今日の東京都の都議会は、多摩団地等の開発を行なおうとしても、社会党、公明党等の野党勢力が強いんで、都の行政としてはなかなかできないから、多摩団地の追加の宅地造成すらできないんだから、どうにもならぬから、それにかわるべきものを何かさせようということがほんとうの気持ちだろうと思うんだがな。そんなことをちょっと聞いたことがあるんだがな。もう一つは、今度の都知事選挙で社会党が勝つかもわからない。そうなった場合に、取り上げておかぬとえらいことになるぞということでやっておるんじゃないかな。そんな政治的配慮があるんじゃないの。一体住宅公団なんというのはね、いいですか、住宅公団法の目的をごらんなさい。何と書いてあるか。なるほど宅地造成はある。これはどこまでも——工業団地もあろうけれども、主たる目的は住宅建設なんですよ。工場団地ということも出てまいりましたけれども、だんだん一つ法律をすりかえすりかえて、自分の都合のいいように解釈を発展させるということはいけないことなんですよ。そうしたものはおやめなさいというのです、しいて行うなら。住宅公団国民の住宅供給のためにある機関です。工場団地をつくりたいならば別の機関でおやりなさい。住宅公団の住宅はまだまだ解消されておらないのですよ。こういうところにまで顔を出す必要は——君らは法律をつくれば適当に解釈し、また改正案も出すから、これはもう合法でございますと言うかもしらぬけれども国民感情はそういうものじゃないのです。そんな流通センターの建設とか、あるいは工場団地をつくるなんてことを、工場団地には住宅は一戸もつくっちゃならないという規制があるのですよ。わかっていましょう。工場団地には住宅を一戸もつくっちゃならない、人が住んではならないということをきめている。それを住宅公団の業務とするなら法の悪用ですよ、これは。国民の住宅政策というものはまだまだ完成されないのですよ。どうも何か別にほかに意図があってやっているんだと私は思うのですが、正直に言ってごらんなさい、正直に。なぜ工場団地なんかをやたらにつくって、そしてそれには住宅を一戸もつくっちゃならないという規制があるのですよ。知っていましょう、あなたは。
  136. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 東京都のいろいろな政治分野の問題とはこれは関係のないあれで考ております。いずれそのほかのことにつきましては、局長のほうから答えさせますから……。
  137. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 住宅公団法は今度の国会改正になりまして、工業団地造成事業を行なうことを業務範囲に加えておりますし、また機構面におきましても宅地部門の整備拡充が行なわれました。目的におきましても、大規模な宅地の供給及び新市街地の造成を行なうということを目的にいたしておりますから、まあ流通市街地というのはちっと違ったものではございますけれども、市街地の造成という面において住宅公団にやらせることが、その経験を生かし、あるいは能力を持っているという点で適当であろうということで住宅公団にさせたわけでございます。
  138. 田中一

    ○田中一君 あなた方は多数の力で——多数と言ったって、公団設立の当時の目的というものをだんだんすりかえて持っていくのはよくないです。国民は住宅公団に流通センターの建設を期待しておりません。法律を変えれば何でもできます。これはわれわれは弱いのだから、政府与党が強いのだから何でもできましょう。しかし、公団の設立の主目的であったところの住宅供給、住宅建設というものは完全に——まあ八割ぐらいでも完成した場合には、その業務の目的変更というものはもう差しつかえありません。私はほかに何か理由があると思うのです。ごらんなさい。きっと来年の地方選挙が済んだあとに首都整備庁か何かをつくって、ちょうど北海道における北海道開発庁をつくったと同じような形でもって、また適当にいじくり回すという考え方なんです。あの考え方と同じ考え方を政治的に持っているのじやないかと思うのです。そこで、そうした形の適当に多数で法律を変えりゃ何でもできるのだという考え方は、これは竹内君のようなよい官僚は抵抗すべきですよ。これはいけないです。地方公共団体に力がないなんてとんでもない話だ、ありますよ。また、住宅公団の宅地開発部というものがある。その人間がその機構を全部持って東京都へ入ったらできますよ、そんなものは。そういうごまかし半分な、その場限りの政策じゃいけないのです。国民は納得しないですよ。ことにこの流通センターのいまの計画にしても、これは流通センターという流通センター建設法案なんですよ、整備法ですからね。流通センターのほんとうの目的はそれこそ流通面にあるのですね、これには非常に広範な地域に対する影響力というものを、利便というものを考えながらその大きな構想がなくちゃならないのです。既成市街地の再開発の問題については、これはいまは常識になっておりますね。そこで今度は見方を変えて言いますが、三条に大都市、「東京都、大阪市その他政令で定める大都市」、こうなると、これは大体大都市という考え方は自治省などでは五十万以上の都市、ある面では百万以上の都市ということを言っております。どのくらいの都市を想定しているのか、政令で何をきめようとしているのか。既成都市の人口をもって流通センターをつくろう、建設しようという考え方は前進、前向きじゃないのです、うしろ向きなんです。私は将来考えられる中小都市をも含めた政令の決定を見ることを期待しておるのです。そこで、大体ここで政令できめようとする都市はどういうところを想定しておりますか、これは少なくとも東京都、大阪市というものはこれは入っている。その他政令できめる都市というのは、まあ百万以上の都市といいますとこれは数えるほどしかございません。五十万以上の都市だってたいしてございません。
  139. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 答弁してもらいましょう。竹内都市局長
  140. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 政令できめるわけでございますが、おおむね人口五十万以上の都市で、都心の区域にこういうような流通業務施設が集中しているために都市機能が低下しているというふうに考えられるような都市を政令を指定していきたい、こういうように考えております。と申しますのは、都心部にかえってあったほうが非常に能率的にいくというような都市もございますので、人口五十万以上の都市で都心地区にそういう施設が過度集中しているというようなものにつきまして指定していきたい、こういうふうに考えております。
  141. 田中一

    ○田中一君 旧幕時代には、明治の初年まで続いておりますが、いわゆる藩政の中心であったところの城のあったところがこれは流通センターなんです。完全なその地域の流通センターなんです。これは生産地じゃないのです。むろん今日の近代と違って工場なんというものはありませんでした。その物資の流通センターがその城下町だったのです。いいですか、これは御承知のとおりです。そこで周辺に、これはここにもあるとおり、「周辺の地域を含む。」ということになると、五十万以上の都市というのはどのくらいになりますか。「周辺の地域を含む。」ということは五十が以上のうちの百万を単位にしているのか、五十万を単位にしているのか、どっちですか。
  142. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 母都市を五十万以上と考えておりますが、周辺は場所によってだいぶ違うと思います。母都市とそれから周辺の都市を加えたもの……。
  143. 田中一

    ○田中一君 それではずばり、言いますがね、仙台市がいま流通センターをつくっているのです、これは該当しますか。
  144. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) たしか四十年度の国勢調査では四十九万幾らだったと思いますので、現在あるいは政令指定の段階におきまして五十万以上の地域になるのではないかというふうにわれわれは考えております。
  145. 田中一

    ○田中一君 仙台市は新産都市であり、四、五年来懸案となっている町村合併が行なわれようとしておるわけです。これは塩釜、多賀城その他で御承知のとおり大体八、九十万人になるでしょう。この流通センターがうしろ向きの整備だけ、過去の混乱を整備する、ただすための整備だけじゃこれは真の流通センターの目的じゃないのです。将来に備えた先行投資というものがよい都市づくりをするもとなんです。したがって政令をいつ出すか知らぬけれども、昨年の国勢調査でもっていまは四十七万か八万でしょう、きっと。それは入るなら入ると言ったらどうですか。現在向こうはやっているんですよ。それも明日の町村合併、おそらく来年になるんでしょう、これに備えて準備しているのですが、これは入りますね、そうすると。
  146. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 入れたいという方向で検討したいと思います。
  147. 田中一

    ○田中一君 これは大都市というのは何も五十万以上とか、四十九万九千はだめだということになっておらないのです。大都市は五十万だという定義は法律のどこにありますか。
  148. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 地方自治法におきまして、「人口五十万以上の市」というふうに、地方自治法上の大都市はそういうふうに定義しております。
  149. 田中一

    ○田中一君 流通センター整備法の大都市はどの辺に押えます。
  150. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 先ほど御答弁したとおりです。
  151. 田中一

    ○田中一君 これは政務次官、竹内君はどっちみち政治家じゃないから答弁できぬ。いまお話にあったように、仙台は、おそらくこの政令は、これは八カ月か六カ月かだったね、そのくらいには五十万こえると思う。こえないでも来年町村合併をやって百が近くになるのです。そういうものは既定の事実としてわかっている場合には当然入れなければならぬと思うのです。何のためにそういう投資をするか、これは先行投資以外にないのですよ。いま考えられているところの東大阪は百二十五億で完成しますといっても、いつの間にかあの辺の湿地帯はどんどん市街地化されます。これはたいへんだ、規模を大きくしてもっと二百五十億かけなければならぬということになるかもしれません。そこに政治のあり方があるわけなんですから、五十万に近い都市なら、ことにそういう計画をやっているのです。仕事をやっていますよ。それで建設省も都市局でこの流通センターの都市計画をも承認しております、その中へ入りましょうね。
  152. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 不敏にしてそこまで詳しく勉強しておりませんが、この法律の精神が、すでに過大都市になりましてどうにもならぬ問題がまず頭に浮かぶことは当然でございますが、そういうような状況を生み出すおそれのある対象は、この法律の精神から当然考えまして入れるべきものだと私は考えます。この法律に基づく大都市が一体何十万が適当であるかどうかという問題については、私まだ不敏にして勉強はいたしておりません。しかしこの法律の出ます立法趣旨から申せば、そういうような対象がありますれば入れるべきものだということは、これまた私は申し上げることができると思うのであります。
  153. 田中一

    ○田中一君 政府委員の政務次官が言ったことだからそうなると私も考えます。  最後に、これは総括的なことを問題として質問しておきます。私は非常に近ごろ心配しているのは、各省がばらばらに自分の予算で施設をするとなりますと、とんでもない町が生まれるのではないかという危険を多分に感ずるのですよ。さっき専門員に調べてもらったのですが、建築基準法には、建築協定という一つの条文があるのです。これは、この町はこういうような建設物を建てようではないかという、これは私有地がたくさんありますから、協定をやって、少なくともその環境をこわさないようにいこうじゃないかというような、精神規定みたいなものがあるのですよ。多摩団地の例をいいますと、多摩団地に住宅公団が団地をつくった。多摩団地は全部鉄筋コンクリートなんです。ところが、同時に売り出したところの分譲宅地、分譲地ですね、これには木造をつくって、一向に差しつかえなくなっているのですよ。一つの団地の中で木造の家があったり鉄筋の家があったり耐火構造の家があったりということは、実際の考え方からいってこれは間違いなんですよ。やはり生活の安全性を考えた場合には耐火建築がいいのです。これは法律がそうなっているものだから。ところが、建築協定で何とか調整をとってまいります、という答弁をしておりました。そこで、ここにできあがった施設そのものの構造が書いてないわけなんですよ。どんな構造のものをつくるか、どんな規模のものをつくるか、その点はどういうことになっていますか。
  154. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) この法律におきましては、流通業務団地に関する都市計画というものをきめることになっておりまして、第七条の第三項におきまして建築物の建蔽率、あるいは容積率、建築物の高さ、壁面の位置というようなものにつきましても、制限を都市計画としてきめるということになっております。さらに第二項におきまして、流通業務施設の敷地の位置と規模、公共施設、公共施設の位置、規模というものを決定するようになっております。
  155. 田中一

    ○田中一君 容積制限というやつは御承知のように、かりに五階建てとしますね。五階は何メートルか知らぬけれども、その場合には地上に出るのは二階で地下が三階になるわけです。あるいは地下室がなければ地上五階の家が建つ、こういうことになる。容積制限地区はそういうことになっていると記憶しています。地下と地上とが同じ容積を持つということになっている地区なんですよ。それは一種から十種まであったはずです。そうした高低のあるのもまたいいじゃないかという人がいるかもしれないけれども、まあ少なくともあまり建物が不ぞろいなのもみっともいいものではないと思うんだ。そこで、さっき言った基準法にあるところの建築協定という問題を持ち出したわけなんです。これは一つの意思というか、一緒の意思でもってきまればいいのだけれども、そんなものまで大臣がお互いに話し合ってきめることはしないと思うんだ。かりに各省大臣がきめたところで、用途によって非常に違うのですよ。それを使う用途によって五階のいい人もいれば、三階のいい人もいるのです。しかしながら、その場合にどうきめても用途でもって変更される。同じように、またいい環境のセンターをつくるならば、これはやはり建築協定的な、一つの都市美というものをそこに現出さすのが、これはいわゆる政治のあり方だと思うのです。したがって、土地に対する利用の問題も、たとえば建築の容積制限の問題についても、やはり都市美というものを十分に考慮しなければいかんと思う。いわゆる流通センターの市街地の美ですね、美しさというもの。容積制限というものは非常に大きな問題を残すと思うのです。むろん、そこには倉庫もできるし、停車場もできるだろうし、いろいろなものができると思うのですが、それがばらばらでやられたのでは、これはぶちこわしです。私どもはこうした住宅街にしても市街地にしても、美しさというものがほしいのです。その点は容積制限の場合にはどういうことになるのかな。
  156. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) 建築基準法の施行令の第二条におきまして、建築物の延べ面積の計算方法が書いてございます。それによりますと、建築物の各階の床面積の合計が延べ面積になるということになっておりますが、建築基準法五十六条第三項のいわゆる空地地区制限の場合においては、地階の床面積を算入しない。それから法五十九条の二、すなわち容積地区の制限の場合におきましては、地階が算入される。それから同じく特定街区の場合においては地階が算入される。ただし自動車のガレージでありますとか、あるいはパーキングの施設、そういうものは算入されない。こういうようになっております。
  157. 田中一

    ○田中一君 そこで、だからこの団地はそうした地上、地下の区別はございませんと——もし高さを六階にきめるなら全部六階に、用途のいかんにかかわらず、可能ですか。
  158. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) これは都市計画のきめ方でございますから、その実情に応じまして、いかようにもきめられるわけでございますが、ここで特に容積制限あるいは建築物の高さ、壁面の位置の制限を定めましたのは、主としてそこに集まります物資の集散量なり自動車交通量等、計画的に調節をいたしますために、倉庫なり市場なりの規模を空間的面積的に押えよう、こういう意図でございますので、地上階の高さあるいは地上階の容積率、建蔽率、あるいはその物資の量ということになりますと、あるいは地下の場合も、入れるのが適当なものは当然算入できるというふうに考えております。
  159. 田中一

    ○田中一君 そうすると、これもひとつどんなものができるか、絵を書いてくれんかな。
  160. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) お手元に流通業務市街地関係資料というのがございます。それの三一ページを開いていただきますと、三一ページに平面的な計画案の例がございます。次のページを開いていただきますと、これが立体的な透視図になります。三一ページが平面図、三二ページが立面図でございます。
  161. 田中一

    ○田中一君 この一番高いのは何階ぐらいあるの。三十階ぐらいあるの。
  162. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) 大体二十階程度でございます。
  163. 田中一

    ○田中一君 高い所にいったほうが、時間的にも便利だから高いところにいくの、不便だから低いところにいくの、どっちなの。
  164. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) この中央の高い部分は、中央管理センターでございます。
  165. 田中一

    ○田中一君 説明してくれよ、図面で。
  166. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) この立面図について御説明をいたします。  まず、左側のほうのトラックターミナルという平らな建物がずっと並んでおります。これがトラックターミナルのそれぞれブースでございます。それからその手前のほうに四階建て程度の建物が問屋センター、これが問屋の集まりでございます。それから右手の一番はずれに、代々木の屋内競技場のような丸い屋根の建物がございます。これが一応青果市場、それからそのもう一つ中央寄りのところに問屋センター。その隣が各種の、下が倉庫でございます、上がサービスセンター。それからまん中の部分が中央管理センターでございます。平面図、つまり前に戻っていただきますと、これは平面図の一例でございまして、一番左側のがこれが高速の道路でございまして、高速道路から直接アプローチできるようなランプがついております。中央のところに無線が左のほうから入っておりますが、これが鉄道の引き込み線でございます。まん中の白いところが、この法律で申します流通業務団地と申しますもので、この市街地の中核をなします部分でございまして、その中核をなしますのがトラックターミナル、卸売り市場、それから倉庫分並びに問屋、問屋の中でも問屋センターというのがまた別に考えております。それらの中央の管理するセンター、それからサービス施設、事務所等が中核になっております。でその外側に、黒あるいはハッチしてございます倉庫街、問屋街、工場街等がございますが、これはこの法律で申します流通業務地区でございまして、用地事業者が取得をしないで、建築の用途制限においてこういう市街地を形成するように誘導しようという部分でございます。
  167. 田中一

    ○田中一君 そうすると、この団地の用地を買おうという人たちには、これは分譲するのでしょう。それは全部この制限を受けるということですね、容積制限を受けるということになりますね。
  168. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) 分譲いたしますところは、この平面図の白い部分でございまして、白く中央に書いてございますのが流通業務団地でございます。都市計画で容積制限をこの法律に基づいていたしたいと考えておりますところは、この中央の中核の部分でございます。まわりの部分はこれは用地事業者が取得いたしませんで、用途制限で押えるところでございますので、少なくともこの法律の流通業務団地に関する都市計画法律案第七条及び八条に定めております都市計画の対象になっておりますのはこの白い部分でございます。外側の黒い部分に関する建築の制限は主として用途制限でございまして、法律案の第五条各号に掲げる施設がこれに一致することを意味します。
  169. 田中一

    ○田中一君 よくわかりました。そこで、工場街はどんな工場がくるのでしょうか。
  170. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) これはこの法律の第五条に書いてございますけれども関連工場でございまして、第五条の六号、八号に書いてございます。たとえば紙の切断でございますとか、木材の引割り、製氷、冷凍、それから自動車の修理工場、整備工場、そういうふうな流通施設に関連のあるものでございます。
  171. 田中一

    ○田中一君 そうすると、あれは煙の出る工場はないですね。煤煙を出す工場はないですね。
  172. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) ほとんどないと思います。
  173. 田中一

    ○田中一君 もし煙の出る工場があれば、煤煙をなくすという施設をしなければ許可しないのですね。
  174. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) そうなると思います。
  175. 田中一

    ○田中一君 そこでね、今度この団地計画に対する屋外広告物、これはおそらくまわり全部広告でもって、看板で埋まってしまうと思うのですが、その点の規制はあるのですか。
  176. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 屋外広告物法に基づきまして、いま条例で制限しておりますけれども、この条例の中でここを特別の地区にするかどうかということは、今後の検討問題かと思います。
  177. 田中一

    ○田中一君 これはぜひやってほしいと思います。ぜひともこの周辺相当大きくやってもいいと思うのですよ。野立ち看板でも何でもそんなものは撤去させるのです。むろん建物には一切させない。これは商品その他を表示するためのものは、これは当然あってもいいと思うのですが、あるいは私企業のかってな広告物その他は周辺に持たせないという規制をひとつしてほしい。これは政務次官そういうふうにしてほしいと思うのですが、どういうふうにお考えですか。
  178. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) とくとひとつ検討させていただきたいと思います。
  179. 田中一

    ○田中一君 検討することは、やらせないように検討しようというのか、やってもいいじゃないかというのですか。
  180. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 都市の美観、さらにまたこの流通団地の持っておりまする性格、これに全然——たとえは卸売り市場の場合に扱っておりますその会社なり何なりの名前を全然出してはいかぬというわけにはあるいはいかぬかもしれぬ、そういうような問題があろうかと思います。しかしながら都市の美観というものを考えないわけにはいかない。しかしここはまた都市の流通団地でございますから、その性格に応じて検討してまいりたい。町がむやみときたなくなっておる現状に対しましては、せっかくこれだけの施設をやるわけでありますから、そういうことのない方向考えていきたい。まあこういうふうに考えております。
  181. 田中一

    ○田中一君 だからね、商品とか会社の表示は差しつかえない。同じマーガリン売っておるのだって、雪印か何かわからなくなっては困る。それはよろしい。そうではなくて、自分の品物を売らんがための、しいて言えば誇大広告ですよ。こういうものは一切おやめなさいと言うのですよ。先ほども言っておるところのこれは都市美の観点から言っているのであって、せめて一カ所ぐらいそういう清潔な流通センターでなければならぬと思うのですよ。そういう意味で申し上げているのであって、これはひとつ十分に考えてもらいたい。だからしたがって、このセンターの周辺におけるところの規制というものをどうするかと言うのです。これはおそらくどのくらいになったか、これはどこの案か知らぬけれども、かりに七十ヘクタールにするということね、周辺が今度はとんでもない町になるのですよ。こういう点もひとつ何ですよ、高速道路の周辺なんか野立ち広告などは取るようにしなければならぬじゃないですか。いまのところはまああまり目立ちませんが、こういうものをなくすようにしたければいかぬじゃないですか、どうです。いいですか。
  182. 小林忠雄

    説明員(小林忠雄君) 実はこの法律の第四条におきまして、流通業務地区というのを定めておりますが、この流通業務地区の中核になりますのは、この法律案の第七条に定めます流通業務団地でございますが、この流通業務地区というのは、流通業務団地を中核として建設をいたしますと、これはまあ計画的に土地を造成し、公の資金を投入してつくるわけでありますが、そういう中核となる施設ができますと、個々の問屋でありますとか、個々の運送業者の車庫であるとか、あるいは個々の問屋の倉庫とか、そういうようなものが、この回りにばらばら立地いたしますと、住宅地と混在をいたしまして非常な悪い環境を生む、さらに住宅に密接して建ちました場合、トラック等が終夜出入りをして騒音が非常にやかましい、あるいは青果物の市場がそばにあるためにいろいろ野菜のきれ端があってきたないというような、いろいろ住居の安寧を害するおそれがございますので、実はこの流通業務地区というのは一面におきましては、各種の流通施設を建築制限によりましてここに誘導しようということもございますが、他の一面から申しますと、こういうような各種の施設がこの地区内にかってに住居地域に侵入をしない、逆に住宅がこの地区の中に乱立しまして、公害を発生させない、こういう配慮でこの制度考えております。
  183. 田中一

    ○田中一君 農林省にちょっと具体的に、もう時間がないから伺っておくのですが、これは先ほど言っているように陸港と言ってもいいくらいなもの、そのとおりです。そこで魚介類はどういう形で持っていこうとするのか、これは全部内陸です。内陸地域ですから、魚介類の場合にはどういう形で卸売り市場なり問屋なりに持とうとするのか、東京では御承知のとおり築地にあります。あの築地は閉鎖するのですか、築地は築地でもって魚介類はあそこをいわゆる陸揚げ場として、あそこに現在と同じようなものを持たせようとするのか。それからいま考えられておるところの流通センターがすでに内陸部分ですね、加工処理できるものはどういう構想を持っておるのですか、水揚げのものを。
  184. 堀川春彦

    説明員(堀川春彦君) 魚介類を扱います卸売り市場の立地は、魚介類の取引がまだ十分サンプル取引を行なう程度にも達しておらないという現状から、やはり現物取引が中心になろうかと思いまするけれども、その場合における立地といたしまして、御承知のように、たとえば東京の築地市場では臨海部にございまして、遠洋漁業に行って漁獲をしました、たとえばカツオ、マグロのごときものを築地市場に直接陸揚げいたしまして、その岸壁に近接した場所において卸売り場を用いまして商いをするというようなことも見られておりますために、その立地は相当慎重に検討しなければならぬと思っておるわけでございます。現在のところ、たとえば板橋地区というようなことで考えますると、ここは内陸でございまして、直ちに魚介の中央卸売り市場を建立することはいかがかと思われます点もございまするので、農林省といたしましては青果物を中心とする市場というふうに考えておるわけでございます。  なお、流通センターの具体的な場所が臨海部に設けられるというような場合におきましては、たとえば大都市におきまして非常に狭隘化しておる魚介類の市場の過密化を緩和する、あるいは根本的に考えればその市場を移転するというような場合に、これを十分考慮に入れて考えていかなければならぬ問題あると思っておるわけであります。現在の段階では直ちに築地市場の移転というようなことで、まだ十分計画が立ち、成算を持っておるようなわけではございません。今後の大きな問題として、私ども真剣に検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
  185. 田中一

    ○田中一君 いまの問題けっこうです。  もう一ぺん都市局に伺います。このセンターの周辺に非常に簡易な加工易が生まれるおそれが多分にあるのじゃないかという心配をいたしております。各メーカーは集荷して加工するというふうになっておりますが、これはいろいろなものが集まりますから、すぐそんなものができるのではないか、同時にまたそれに関連をして、たとえばここにきめておりますけれども、こんなものを置いちゃだめだと、団地の中には。たとえば紙袋をつくるとかいろいろな問題があると思います。そういうものが生まれてくるのじゃないかと思います。あなた方が考えておらないような業種が、これはもうみんな考えていますからね。あなた方が法律で規制しないから盲点としてそこにひょっと生まれてくるおそれが多分にある、あなた方が考えていない業種です。だから、はっきりと政令にも何もうたってないけれども、そういうものができた場合に、盲点をついてできるような加工工場は政令等でとめるという方向をとったらどうかと思うのです。その点はどうですか。
  186. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 法律で予想しないような加工工場が出てくるという問題は、第五条第九号におきまして、「流通業務地区の機能を害するおそれがない施設で政令で定めるもの」という中で、関連工場でこの地区の機能を害するおそれがないものにつきましては政令で定めるということになっております。したがいまして、政令の段階におきまして、全体の流通業務地区のあり方と関連して、どういうような種類の加工工場を認めるかということはきめてまいりたい、こういうふうに考えております。
  187. 田中一

    ○田中一君 加工工場もでき得るということですね、前提に立っているわけですね。それに関連をしていろんな相当な物資が、動くのは相当な消耗品ですね、そういうものをつくる工場ができると思うのです。われわれやあなた方が考えつかないようなものを考える人が多いですから、そういうものは一々あまり法律で明記しちゃうと困るおそれがあるといって政令にまかして、これはセンターをだれが支配するか、地方公共団体が支配するのか、あるいは株式会社が支配するのか知らぬけれども、その辺の配慮だけにまかしておいては、政治的ないろんな忌まわしいことが起こる危険が多分にあるのです。その点はどういうふうに調整するのですか。
  188. 竹内藤男

    政府委員(竹内藤男君) 政令をきめる場合におきましては、関係各省が協議いたしましてきめるということになっております。それから第五条のただし書きにおきまして、一応政令で掲げましたけれども、これから書きますものを含めまして、一応建てていい施設を書いてあるわけでございますが、ただし書きがございまして、「知事が流通業務地区の機能を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」ということで、弾力的な運営をはかる、こういうふうに考えております。
  189. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 本件についての審査は、本日はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十九分散会      —————・—————