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1966-06-08 第51回国会 参議院 決算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月八日(水曜日)    午後一時三十二分開会     —————————————    委員異動  六月七日     辞任         補欠選任      津島 文治君     八木 一郎君      小林 篤一君     稲浦 鹿藏君      楠  正俊君     内田 芳郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 佐藤 芳男君                 仲原 善一君                 八木 一郎君                 相澤 重明君                 竹田 現照君                 二宮 文造君     委 員                 内田 芳郎君                 川野 三暁君                 木内 四郎君                 久保 勘一君                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 内藤誉三郎君                 野知 浩之君                 山崎  斉君                 山本茂一郎君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 達田 龍彦君                 中村 波男君                 高山 恒雄君                 岩間 正男君    国務大臣        大 蔵 大 臣  福田 赳夫君        厚 生 大 臣  鈴木 善幸君        農 林 大 臣  坂田 英一君        通商産業大臣   三木 武夫君        運 輸 大 臣  中村 寅太君        郵 政 大 臣  郡  祐一君        労 働 大 臣  小平 久雄君        建 設 大 臣  瀬戸山三男君        自 治 大 臣  永山 忠則君        国 務 大 臣  松野 頼三君    政府委員        内閣総理大臣官        房会計課長    高橋 弘篤君        人事院事務総局        管理局長     小林  巖君        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        警察庁長官官房        会計課長     土田 国保君        皇室経済主管   並木 四郎君        行政管理庁長官        官房会計課長   北山 恭治君        北海道開発庁主        幹        窪田  譲君        防衛庁経理局長  大村 筆雄君        防衛施設庁長官  小幡 久男君        防衛施設庁総務        部会計課長    大浜 用兵君        経済企画庁長官        官房会計課長   財前 直方君        科学技術庁長官        官房会計課長   藤井孝四郎君        法務大臣官房経        理部長      勝尾 鐐三君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵大臣官房会        計課長      瀬戸山孝一君        大蔵省主計局次        長        鳩山威一郎君        文部大臣官房会        計課長      岩間英太郎君        厚生大臣官房長  梅本 純正君        農林政務次官   後藤 義隆君        農林大臣官房長  大口 駿一君        農林大臣官房経        理課長      稲垣  元君        林野庁長官    田中 重五君        通商産業大臣官        房会計課長    佐々木 学君        運輸大臣官房会        計課長      須賀貞之助君        郵政省監察局長  山本  博君        郵政省経理局長  淺野 賢澄君        労働大臣官房会        計課長      上原誠之輔君        建設政務次官   谷垣 專一君        建設大臣官房会        計課長      多治見高雄君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  古賀雷四郎君        自治大臣官房長  松島 五郎君        自治大臣官房会        計課長      薄  津芳君         —————        会計検査院長   小峰 保栄君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局経理局長   岩野  徹君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵省証券局企        業財務課長    安井  誠君        林野庁林政部調        査官       斉藤 清三君        会計検査院事務        総局次長     宇ノ沢智雄君        会計検査院事務        総局第一局長   斉藤  実君        会計検査院事務        総局第四局長   小熊 孝次君     —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選の件 ○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十八年度特別会計歳入歳出決算昭和三十八年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十八  年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  (第四十八回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第四十八回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  (第四十八回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  昨六月七日、津島文治君、小林篤一君、楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として八木一郎君、稲浦鹿藏君、内田芳郎君が選任されました。     —————————————
  3. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) この際、理事補欠互選の件についておはかりいたします。  八木一郎君の委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。それでは、理事八木一郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより、昭和三十八年度決算外三件を議題といたし、審査を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 相澤重明

    相澤重明君 会計検査院次長、きょうの私の質問は、補助金等の中で特に委託費関係、これを会計検査院検査をした結果についてお尋ねをしたいと思うのです。そこで、特にその中でもきょうの重要と思われるのは、外務農林運輸郵政建設、これを摘出をいたしまして、この摘出した中で、最初にひとつ、まず内容に入る前に、次長が、会計検査院として、補助金等については改善意見を今日までも政府に求められたと思うが、特にいま私が申し上げたこれらの関係のたくさんある委託費の問題について、検査の結果どうお考えになったか、まず会計検査院のお考えをひとつお答えをいただきたい。
  7. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま先生指摘のように、委託費につきましては、お手元に出してございます調書をごらんになっていただいてもわかりますように、外務農林運輸郵政建設につきましても、大小取りまぜまして相当な数の事故件数があるわけでございます。それで、まあその各所管別によって多少——私のほうの検査の陣容なり予算その他による制約がございますので、多少各所管につきまして、委託費検査につきましてはバランスがとれない面もございますけれども、大体金額事故当たり三百万円以上のものにつきましては、計算証明規則によって私どものほうに書面による証明を出していただきまして、それには詳細な、どういう事項委託して調査していくかというようなこととか、あるいはそれに使った金の使途内訳、そういうふうなものが提出されてまいりますので、そういうものについて一応書面上は確認しておるわけでございます。  それ以下のこまかいものになりますと、これは一括して証明されておるということで、なかなか一件一件当たりのものにつきまして書面検査でもそこまでこまかく実は検査はいたしておらないというのが実情でございます。  で、なお大きなものにつきましては、これはまあ本省関係がおもでございますが、本院に参りました際に、そういうようなものについての内容、それからその結果をどういうふうに報告書なり何なりによってまとめられて委託の結果が出されておるかというふうな点について、しさい担当の者が実際の検査をしているわけでございます。これにつきましても、なかなか全部、委託費ばかり検査しておるわけではございませんので、ほかに相当農林省あたりにつきましては補助金が重点的に検査されておりますので、委託費のほうまで、手がいきかねるというわけでございますが、できる限り委託につきましてもおもなものについては検査を実施いたしておるというのが実情でございます。  ただいまも申し上げましたように、経費の使途につきましては、これはいろいろ内容がございますが、庁質的なものとか、あるいはその委託調査内容報告書の形でまとめて出すものとか、いろいろございますけれども、そういうふうなものをできるだけ確認できるだけの資料に基づいて、確かにその委託費が使われておるということを確認しておるようなわけでございます。
  8. 相澤重明

    相澤重明君 次長、その委託費調査対象基準金額にして三百万以上、それからこまかいものについては、たとえば出金伝票なり一とにかくそういう伝票等についての資料会計検査院に来てもらって聞く、そういうことですか。いま一度その点、はっきりしなかったので……。
  9. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 一事故三百万円以上のものにつきましては、計算証明規則で、こういうものに委託費を使いましたという詳細な使途別内訳のようなものを本院に提出させておるわけでございます。それで、その他のものにつきましては、以下のものにつきましては、実はこれは一括証明のような形で書面上は取っておるわけです。ただし、実施検査に参りました際に、そういうもの大小取りまぜまして、これは全部というわけにはまいりませんけれども、できるだけこまかいものについてもあとう限り検査はするようにはっとめておる、こういうことでございます。
  10. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、会計検査院検査を行なうのは摘出検査ですから、実際に全部というわけにはいかないわけですね。そうすると、たまたま摘出に当たったところがその対象になるのであって、しかもその対象の中で三百万円以上のものについては、こまかい点まで添えて提出させると、それ以外のものについては、こまかい点については結局伝票等で、いわゆる内容的なものというよりは、実際に使いましたというだけの伝票で終わってしまうと、こういうふうに考えていいんですか。  それはそういうことだと思うのですが、それから会計検査院主務大臣にそれぞれ改善意見を求める事項が非常に多いわけです。この委託費と、いわゆる全体でいえば補助金等ですね、これは補助金等の問題について、そういう内部監査というものを各省庁がどういうふうにやっておるかというのは、これは必ずしも画一では私ないと思うのですよ。各省庁によってかなり違った組織なり機構というものがあると思う。そういう点については、会計検査院は、内部牽制組織相互監査というもの、あるいは内部監査、監督というものについて、全部各省庁摘出をして、つまり各省庁のそういう監査機構というものを拾い上げて、これにメスを入れたことはございますか。機構組織、そういうものに、いわゆる金を使っているところに対して、この金を使って、こういうところがいままで検査をやってみたところが欠陥があるのじゃないか。あるいは具体的には金額の返納を命ずる場合もあるだろうし、減額の措置を命ずる場合もあるだろう。それから主務大臣にこういうふうにしてはどうかという改善意見を求める場合もあるだろう。しかし、総体的にそういうふうなことをやってきて、やはり各省庁内部監査機構というものについて、もっと統一的な組織なり機構なりというものを考える必要があるのではないかというようなことを、会計検査院として、そういう監査組織そのものについてメスを入れたことでございますか。
  11. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 第一点でございますが、金額の小さなものにつきましては伝票を見ているかどうかというようなことですが、伝票ではございませんで、向こうへ参りました際に、大体伝票まで見ればいいんでありますが、そこまでなかなかこまかい点について一々見ることは、実際上これは不可能なわけでございますので、大体向こう帳簿などによってそういうものは確認をいたしております。  それから第二点の御質問の、受検庁内部監査機構についていままで批判したことがあるかというようなことでございまするが、検査の際にやはり、内部監査機構がどうなっているかとか、あるいは内部牽制機構がどういうふうに整備されているのかというようなことは、当然これは私たちとして非常な関心を持って検査に臨むわけでございまして、内部監査の結果どういう事態が発見されたかというようなことにつきましても、検査の際にできるだげそういうような点については私たち十分関心を持って検査をしているわけでございます。現に、検査機構が不十分なために、相当指摘事項検査院検査報告に載りまして、それで内部検査機構をもう少し充実する必要があるのじゃないかということで、これは数年前でしたか、農林漁業金融公庫などについてはそういう改善意見を出しまして、その後農林漁業金融公庫におかれましても、そういう内部監査機構というものを十分整備いたして、大体いままで会計検査院指摘した事項が減少してきているというような実績はございます。
  12. 相澤重明

    相澤重明君 簡単に言うとだね、会計検査院の中には、各局部を設けている。それぞれの担当を明らかにしている。その局部は、たとえば一つ例示なら例示をしておいて、この際にはこういう監査機構があるのだ、庁の責任者はだれで、どういう組織になっている、機構にもなっているというようなことまでは、全部スタッフをつかんでいるわけですね。それは各省庁の、そうしてこの内部監査の段階で、不正不当のないように、予算執行が適正に行なわれているかという、まず各省庁自体が正しくできるようにしておかなければいかぬ。これは会計検査院検査をして、自分でただあらをさがすとか、不正不当であるというのを指摘するのが能ではないわけですね。各省自身もやって、その上になおかつ会計検査院が法律に基づいて処置をすると、こういうことでありますから、その各省庁がそれだけできておらなければ、これをやはりまず第一に組織化させなければならぬ、機構を整備しなければならぬ、こういうことが、私は、検査をした結果、不正不当の件数が少なくなるとか、改善意見によってたいへんよくなったとかいう結果になると思うのです。そういう点が把握できておれば、私はけっこうだと思う。しかし、それには少し会計検査院の人数が私は足りないのじゃないか、こういう点を前回の、いわゆる前年度のときにも、会計検査院長を呼んで若干の人員の増加を認めてもらうようにしたのだけれども、どうもいまの御説明を聞いていると、三百万以上についてはかなり詳しく調査対象も出るようでありますが、その他のことについては一括して記入をされたものを調べると、いわゆる末端におけるところの使用した伝票等も実際には調べる能力はないと、こう私は受け取っているのですが、事実はそういうことじゃないのですか。実際に末端には、全部支払ったその支出伝票等を調べることじゃなくて、各省庁がいわゆる会計簿に基づいて記入してあるものを検討されると、この程度しかできないのではないかと思うのですが、いかがですか。
  13. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) これはものによりけりでありまして、私先ほども申し上げましたのは、委託費に限定して申し上げたのでございますが、少なくとも委託に関する限りは、先生のただいま御指摘のように、こまかいものについて、一件一件伝票までしさいシラミつぶしに、全部について伝票を一々めくって検査をすることはいまの実情ではできかねる、これが実情であります。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 大蔵省お尋ねをいたしますが、大蔵省予算編成過程において、各省庁予算要求に対して、これが当然である、あるいはこれはもっと減額しなければいかぬ、減らさなければいかぬ、こういう意見もそれぞれの折衝の中で出てくる。しかし、その新規予算は、これはもう新たに検討を加えることが十分できると思うのですが、従来からの継続案件あるいはあまり目立たないようなものについては、そういう特に目をつけるというようなことはなくて、各省庁のいわゆる要求に、大体全体の総額について、ことしの予算規模はこれだけだから、そのうちにおさめればいいというような形に予算要求については大蔵省協力をしていくと。だから、使ったあと会計検査大蔵省自体が行なうのに、いま会計検査院の言うような形で、実際に多額のものについてはこれはメスはある程度入れられるだろうけれども少額部分については実際は報告を受けたままと、あるいは、このとおり、この帳簿のとおりになっておりますということの帳簿を調べることぐらいしかできないんじゃないかと私は思うんだか、大体使うことは——予算をつけるときにはいろいろ折衝しても、一たん予算がついてしまえば使うのは各省庁にまかしてしまうと、こういうのが今日までの大蔵省がとっておることではないかと思うんですが、いかがですか。これは主計局次長ですね。
  15. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 相澤先生に特に誤解のないようにお願いしたいんですが、私が伝票を一々こまかいものについてやれないと言うのは、実地検査に行った場合のことでございまして、本院に計算証明提出されてまいりまする書類については、これは一応伝票まで全部提出されたものについては検査をいたしておる、こういうことでございます。それで、委託費につきましては三百万以上のものだけを書面によって提出させておると、こういうことでございますから、その辺ひとつ誤解ないようにお願いします。
  16. 鳩山威一郎

    政府委員鳩山威一郎君) 主計局におきます予算査定やり方につきましては、ただいま相澤先生おっしゃったような大体のやり方になっておるわけでございますが、私どもといたしまして、まあ特に補助金等につきましては、例年ずっと認め、計上されてきたものにつきましても、極力洗い直して、常に節減ないしあるいは廃止できるものはないかというような口で毎年見てまいったわけでございますが、ただ、いろいろ説明聴取が大体のわれわれの査定資料の大半の方法でございまして、その際に各種の見方をした資料提出願って、それによって判断をしていくというふうな仕事をやっておりまして、相手方の支出のいわゆるレシート等の直接伝票を調べるということはわれわれとしてはやっておらないのでございます。いろいろな見方による資料要求を通じましてその予算緊要性判断をするというようなことを通じてやっておるわけでございます。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 まあ大体がこまかい数字、いわゆるいま会計検査院で言う一科目三百万以下というようなものについては、こまかいところまで実際目が届かぬと、そういうこまかいところに一々手をつけておったらとてもじゃないけどこれは一年のうちにはできぬと、これが実情だと私は思うんです。それからまた、大蔵省予算査定のときには火花を散らしても、実際に使ったあとを今度はその各省庁内部監査ができるかということになると、これもこまかい点についてはなかなかできぬという実情で、各省庁のいわゆる予算執行がその省庁責任においてこれはもうやってもらう以外には方法がないと、こういうことだと思うんです。ところが、私がなぜそういうことをしつつこく聞くかというと、この補助金等という中における金額というものはばく大なものなんですね。ところが、個々のこの科目に充ててみると、きわめて少ない金額なのです。そこで、いやこんな小さい金をそうやかましいことを言われたってこれは使い道に困る、こういうのが私は実際ではないかというふうに考えられる。しかしながら、私ども決算委員会から見れば、やはり一億にせよ、五億にせよ、たとえ委託費であろうと補助金であろうと、これは国民の血税である、こういう立場から言えば、その個々に渡ったものは千円にしろ二千円にしても、それは国家全体からまとまったら、これはばく大な金額である。これをやはりなおざりにされ、粗末にされたのでは、われわれ決算委員会としては自分たちの職責を全うすることができないわけです。そこで、何とかしてこの補助金等、特に委託費等について合理化でき、あるいは予算執行が効率的にできないものかという点を私ども考えるわけです。ですから、国会の中に実は、土地等の問題は国有財産に関する小委員会、あるいは補助金等に対しては補助金等に対する小委員会、こういうものを持って、もっとメスを入れたいというのが私ども決算委員の実は考えなんですけれども、なかなか政治情勢もあるし、事実会計検査院報告をしたものだけを審査するにもかなりの日数を食ってしまう。事実私どもの勉強が十分でない。これは私どもは、単に政府会計検査院に文句を言うだけでなくて、私ども国会議員自身が反省しなければならぬ点がたくさんあるわけです。こういう点について私どもも反省をしているわけでありますが、これはみなして協力をしなければよくならぬと思う。こういう面で実はお尋ねをしておったわけです。  そこで、二、三こまかい点について、ひとつ会計検査院並び大蔵省に聞いておきたいし、それからあと担当政府の者が来たら聞いてもよいと思うのでありますが、たとえばこれは会計検査院の、一番上の一ページの外務省の項の委託費の中で「旧ソ連領事館建物其他管理事務地方公共団体委託費」、これは三十七年、三十八年を見ても二十四万円しかないのですね。こういうものを北海道に二十四万円出しているのでありますが、どういうことがこの中で行なわれているのか。二十四万というのは、これは年額でしょう。少なくとも相当の私は、北海道で実際に管理をするとすれば、北海道庁はもっと予算を増額し、人件費等もかかると思うのだが、これは一番上に載っている項だから簡単に言ったのですが、こういう点についてどういうふうにお考えになっているのかというのが一つと、それからいま一つは、民間団体等委託費、これのちょっといま調へるのが——農林省の項で、牛乳のいわゆる調査あるいは酪農関係のいわゆる調査、こういうものを各都道府県に委託しているのがあると思うのです。その金額というものはまことに少ないと私思っておったのですが、その点たしか私は農林省の項を調べて見たら、たとえば二十都府県くらいでわずか二十万かそこらのような気がしたと思うのですよ。そうすると、一都府県に対しては一万円前後しかこの委託費が出ていない。一体それで仕事ができるのかできないのか、こういうことが考えられるわけですよ。だから、これは全部初めからやっていくと時間が相当かかるが、私は、そういう委託費という名目による金が出ているけれども、実際に国民の税金というものが予算執行の中で正しく使われているだろうか、効率的に使用されておるだろうかという点を実は疑問に思う点が多々あるわけです。こういう点について、会計検査院検査をした結果、どのようにお考えになっているか、これをひとつお尋ねをしたいわけです。  それから大蔵省には、そういう委託費というものは、もらい得だという形で、とにかくせっかく言ってきたんだからしかたがない、金をつけましょう、しかしその金はとても使えるものじゃありませんから、政府が出したということで、あとは都道府県、市町村が上積みをしてお使いなさい、こういうことであっては、地方自治体が全く政府から金をもらうことによってかえって苦労するじゃないか、こういう面もあるのではないか、こういう点で委託費のいま一つ二つをあげたのですが、そういう点についてどうお考えなのか、ひとつお答えをいただきたい。
  18. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの第一点の函館にございまする旧ソ連領事館建物その他管理委託、それは三十七年度、三十八年度二十四万円ずつ出して北海道庁に管理委託しておる。これは検査実情検査担当しておる者から話を聞きますと、何かこの建物を見回るというか、そういうために一人くらいの留守番みたいなのがおりまして、それに対する人件費がおもだというようなことでございまして、二十四万円が少ないじゃないかとおっしゃられると、確かにそういう気もしないではございませんが、これは実は三十八年度限り終わっておりまして、現在は先生御心配になるような点は解消しておるわけでございます。三十八年度に終了いたしましたから。  それから第二点の牛乳の関係でございまするが、これはなるほど御指摘のように、北海道ほか十九県で総額二十三万円とか、そういった金が出ておりまして、一県当たりにしますとこれも一万円程度のことでございますが、実はこの仕事の委託費内容について、一体どういうことを調査さしておるのかわからないので、あるいはこれはその人間かこれにだけ専属していないで、本来これに従事している人はほかの固有事務を相当量持っていて、あるいはこの調査のためには政府としては大体一万円程度の、これは庁費的なものになるかどうかわかりませんが、そういったようなもので調査ができるんじゃないかというお見込みでおやりになっておるんじゃないかと思いますが、ちょっと私そのこまかい積算の内訳について聞いておりませんので、これが非常に少ないかどうかというような点については、いまちょっとお答えいたしかねるのでございますが、おそらく専属……。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 大蔵省に答弁をさせましょう。
  20. 鳩山威一郎

    政府委員鳩山威一郎君) 委託費の非常に少額なものについて御指摘がございました。一般の補助金が少額になるのは非常に困るというので、統合等で、同種の補助金を一本化するようなことでやってまいったのでございますが、委託費につきましては、これは国がこういった調査をやるとかということで、補助金にできないというようなことがありまして、いろいろ各省の、特に調査委託費というものが非常に件数が外いのでございます。ただいま検査院次長から申し上げましたように、おおむね旅費とか通信費とかというものが理論上、こういう調査をしますと、通信費が幾らかかるというのが調査の枚数によりまして出入りしまして、こういった通信費とかあるいは旅費とかというものがどうしても理論上必要になるというものが計上されているものが多いものでございますから、こういった非常にこまかい委託費が計上されているという状況でございます。なお、調査関係につきましては、年度によりまして、非常にその必要性等も変わってまいると思いますが、そのような点につきまして毎年詳細に検討はいたしておるのでございます。そういった点で、非常にこまかい委託費がある。補助金に比べますと、こういった委託費は非常に零細なものが多いのは確かであります。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 会計検査院が調べた農林省委託費の中で、いま牛乳の点を取り上げたのですが、たとえば、これは単に通信費じゃないんですよ。科目にこうなっているのだ。家畜畜産物流通調査委託費、牛乳、乳製品生産費調査委託費、牛乳小売実態調査委託費、しかも実態調査委託費の中で、牛乳の小売店の飲用牛乳の種類、配達経費、施設費等の調査、これは北海道ほか十六県で、三十七年に二十三万九千円です。その次が北海道ほか十九県ですよ、十九県で三十八年、三十九年、四十年とも二十三万九千円なんです。一体幾らになるのか、実際は。ところが、同じそういう調査をするのに、全国牛乳協同組合連合会には五十七万円を支給しているのじゃないですか。各都道府県に対しては一万円そこそこで、全国牛乳協同組合連合会には五十七万円をそれぞれ毎年出している。これは、通信費だけではなくて、実態調査と、こうなっている。私は、そういう点について実際にやる気があるのかないのか。だから、学校の子供になま乳を飲ませようたって、なかなか予算があるとかないとかで、いつまでたっても計画が立たぬ。こういうことで、せっかく国会予算をきめたけれども予算の使用不可能になったというのが、この前の国会で、決算委員会報告された。今日はよくなりました。今日はよくなりましたが、前にはそういうことだった。そういうことを考えると、この予算というものが、委託費という名前によって、国民の血税というものが目的に沿った効率的な使用があるのかないのかということを、私はたいへん疑問に思うわけです。  それから、民間団体の委託費についてひとつ例示をしてみたいのですが、三十七年から四十一年までの私資料提出してもらいましたが、その中で、最も厳正とも言われる裁判所の例をひとつとってみたいと思います。三十七年度に裁判所の司法修習生の研修委託費が弁護士会に交付されておるものがわずか三百六十八万六千円ですね。これは年額ですよ。それで弁護士会というのはどこの弁護士会か、いわゆる私は日弁連をさしているのじゃないかと思うのだが、各都道府県にも弁護士会がある、東京にももちろんある、全国のもある。そうすると、司法修習生のこの大事な仕事を教育するのに、それらの委託費についても年間わずか三百六十八万円やそこそこの金を出して、これで能事足れりなんていうのは、これはずっと出ておりますが、こんなことで一体いいんだろうか。私は、むしろこういう点について、人の養成なんていうものは金がかかるもんだ。だとすれば、本省の予算でこういうのを組むべきであって、委託費なんていうもので組むというのはそもそも間違いじゃないか。ともすれば一般予算がなかなか組み切れないから、いわゆる陰に隠れた、まあこれだけそれではひとつ足りないところだけれどもこういう名目で金を出すから、ひとつあとは寄付を仰ぐなり、みんなの会で会費を集めるなどしてひとつやってくれぬか、こういうようなことが、私は委託費の中にあらわれているんじゃないかと、こういうふうに私は思うのです。この点、会計検査院も裁判所のことをやったと思うんだが、これどう検査をしてみてお考えになったか。大蔵省はまた、この弁護士会というのは一体どこの弁護士会、まさかアメリカの弁護士会へ持っていったはずはないと思うのだが、そういう点の説明を少しつけてもらいたい。
  22. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 法務省の関係につきまして、私いま手元に資料ございませんので、ちょっと正確な御答弁いたしかねますけれども検査の結果、おそらくそういう点については、担当者としては十分事情を聴取しておることと存じますので、いずれあらためまして調査した上でお答えいたしたいと思います。これにつきましては、やはり私まだ内容よく報告を受けておりませんので、法務省のいろいろ御見解もあるだろうと思いますので、そうしたような点も十分われわれお聞きした上で御答弁申し上げたいと思います。
  23. 鳩山威一郎

    政府委員鳩山威一郎君) 司法修習生の研修は多額の国費をもってやっておるわけでございますが、ここに計上されております委託費は日本弁護士会に対する委託費でございますが、この実習期間は四カ月ということになっておりまして、年間通じて研修しておるものではないというふうに聞いております。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 まあこれは法務省の者がここにいて説明をするわけじゃないから、私も質問もしにくいし、また会計検査院大蔵省も的確な回答にはならぬと私も思う、確かに。その点はわかるが、いま申し上げたような、本来ならば当然一般当初予算に組み入れたほうがいいと、こう思うものが、この委託費なる名義によって実は支出をされておる。その支出の額を見るとまことに僅少で、これで一体目的が達せられるだろうか、こういうことを考えてくると、どうも予算の編成があまりにもなれ過ぎちゃって、一つも新味がない。むしろ新味がないどころじゃない、むだづかいにさえ通ずるように私ども決算委員としては思われるわけですよ。そういう点の改善というものが、こういう中から私は指摘をされなきゃいかぬじゃないかというのが、まず第一の考えなんです。そして、この委託費補助金等については、合理化をすると同時に、この目的の十分達成できるものについては、私は大いにそれは出していい。何も補助金であるから、委託費であるから全部削っちまえなんていうことを私は言ってるんじゃない。むしろ必要性のあるものについては大いに効果あらしめるように私は出してもいい。しかし、こういう総花式な、各省庁に何でも補助金等の名前によって、特に委託費政府機関、民間団体に出されるということは、私はいま少し改善すべき余地があるんじゃないか、こういう点を実は常々考えておるわけです。私実は、先ほどこの昭和三十八年度だけの補助金等委託費を中心に資料を集めてみました。このくらいになりますよ。私の机の上に積んだとすれば、このくらいに関係省庁の書類ができるわけなんです。この点についても私自身一年かかっても調べ切れません。それをいまあなた方がやると言ったって、とにかく四兆円以上の予算の中で会計検査をするのでありますから、いやでも摘出検査をしなければならない。検査したのは氷山の一角だというのは、私はあたりまえだと思う。そういう意味で、非常にむずかしいことではあるけれども、やはりだれかがやらなければならぬ、いつかはやらなければならぬということで、決算委員会としては補助金等についてメスを入れたいわけです。メスを入れるということは、全部が悪いからメスを入れるというんじゃない。いいものは大いに伸ばす、悪いものはやめてもらう、改善すべきものは改善する、こういうふうなひとつお考えをいただきたいと思うのです。この点については、あらためて、いまの私と会計検査院なりあるいは鳩山次長との間では、これは全部とてもお互いにやりとりできません、多過ぎて。問額がもっと深いと思うのです。私はそういう意味で、いま少し会計検査院補助金等の問題についてはひとつ御検討をいただきたい、こう思うのですが、やる気がありますか。
  25. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 相澤先生の御指摘のように、確かにこの問題は補助金検査と並んで重要な検査対象事項ではあると思うのでございますが、何分にも、先生もすでに先ほどから何回も御発言のように、非常にわれわれとしても困難な仕事で、やはりこれくらいやってもいまの陣容では限度があると思うのです。ですけれども、そういったようなことも言っておれませんので、先生の御趣旨は十分わかりましたので、われわれとしてできる限りのことはまあやってみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。ただこれが、やったからといってすぐ一年や二年で結論が出るかどうか、そこのところは私としても自信ございませんけれども、この点につきましては、補助金同様委託費につきましても十分検査を強化していきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 それから、会計検査院がとにかくこの補助金等について徹底的な御検討をいただくという御答弁で、私も了承いたします。そこでひとつお願いしたいのは、特に委託費の中でも、政府関係機関というよりは、民間団体、これを少し詳細に調べて見てください。私はこれはあまりに実は重複しておると思われるようなものもあるし、まあどの代議士が言ったから、どの有名人が言ったから、実力者が言ったからということではなかろうと思うけれども、とにかく外務省をはじめ各団体、民間団体に委託しておるものを見ると、私はやはりこれいま少し整理統合しなければいかぬ、あるいはこれをもっと節約をしなければならぬ、もっとできるならば本省の予算の中に組み入れなければならぬ、こういうようにも考えられる。そういう点で、一般予算の中に組み入れるものは組み入れる。そして、あまり誤解を生んだり、将来にわたってそういう決算委員会指摘をされるようなことがないように私はするためにも、この民間団体等委託費についてもひとつ、三十七年度から四十一年度までちょうだいいたしましたけれども、私自身もまだ不勉強です。これは各団体についても当たっておりません。ですから、会計検査院がいま少し詳しく当たって、そして内容を私はひとつ出してもらいたい。調べた結果こういうところがあります、こういう点は改善すべきでありますというような意見を付して、ひとつ資料で私は提出を願いたい。これは時期は半年かかるか一年かかるかわらぬけれども、とにかく時間をかけてもかまわぬから、真剣にいまあななたの取り組んでいただくということで了承いたしますから、この意見を付してお願いいたします。  それから、大蔵省には、これは委託費だけでなくて、先ほど申し上げた補助金等について、いま一度御返答願いたい。それは、政府自身もお考えになっておるだろうし、特に行政管理庁は三十八年以来何回も改善意見をお出しになっておる。確かに改善意見を出されておるけれども、一番ネックになっておるものは何かといえば、人事交流です。そういうものが実際に行なわれないために、各省庁のなわ張り争い、予算ぶんどり争い、こういうようなものが実は行なわれる可能性が強い。これは事実政府自身も認めているわけです。なかなかそういったようなことでむずかしいと言っている、人事交流は。それがために、たとえば私がこの前三十九年度の決算報告に対して本会議で質疑をしたように、学校のいわゆる施設、設備等の問題についてもなかなか進まない、こういうことを私は申し上げたのでありますが、ひとつ行政管理庁が勧告をしたことについて、それぞれの行政庁が積極的にこれに取り組んでもらいたい。そのさいふのひもを握っているのは大蔵省でありますから、大蔵省補助金等の問額についてもっと真剣に、会計検査院のいま言われたようにメスを入れてもらいたいと思うのだが、そういう御意思についてひとつ承っておきたいと思う。
  27. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) 補助金行政は、きわめて重要な問題でございます。ただいま御指摘の点につきましては、大臣にも御報告申し上げ、十二分御趣旨に沿うようにいたしたいと、かように考えております。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 あと大森君の質問がありますから、いまこれから申上げることだけで私きょうは終わりたいと思いますが、とても補助金等の話に入っていくと、幾日やっても足りないほどの問題点があるわけです。そこで、竹中政務次官のいまの御答弁を了といたします。ぜひひとつがんばっていただきたいと思うのです。  そこで、これは前からの話でありますから、大蔵省にも関係すると思うのですが、建設次官と、それから大蔵省国有財産の問題は竹中政務次官担当ですから、その二人でそれぞれ答えてもらいたいのは、一つは、きょう参議院の本会議でも首都圏整備に伴う緑地保全の法律が通りました。その中で、私がかねがね国有財産委員長として皆さんにおいでをいただいて討議した中に、多摩川の緑地化、多摩川の公園化、こういう点について昨年建設省に御要望申し上げておきましたが、建設省は、来年になりましたらばそういう手続をとり、予算もそうたいしたことじゃないから御趣旨に沿うようなことができるというようなことを決算委員会で御答弁になっておるわけです。したがって、そういう点について、事実この四十一年度ももう六月半ばでありますから、そういう意味で、建設省は仕事が進んでいるのかどうか、国会で法律をつくっても、実際に行政を担当している皆さんが仕事をサボタージュされたのでは何も意味がないわけです。サボタージュしているとは私は思いません。したがって、私は、補助金等の問題の締めくくりの一つとして、ひとつ政務次官から、多摩川の広場、多摩川の緑地化、こういう問題について、どういうふうになっているのか、いつごろ完成をするのか、それをひとつお答え願いたい。  いま一つは、竹中政務次官には、国有財産管理処分きわめてよくない、こういうことはいままで言われたところでありますが、政府の努力のあとを私どもは認めます。認めるが、なお一そう努力してもらわなければならぬわけです。そこで、その一つとして、先日当委員会で私から、横浜市における高射砲陣地解除について、これを公園にするように、政府は努力をしてもらいたい、こういうことを松永局長に申し上げておきました。松永局長は、当時の回答は、これは高射砲陣地を国に返されたけれども、それは条件つきであって、国家公務員の宿舎を建てるためのいわゆる返還である。これがために、地元横浜市民の希望する公園化等については、なかなか実は問題がある、こういう答弁でありましたが、さらに私から、それはできるだけひとつ地元民の希望に沿うように、公園にできるようにひとつ努力をせよ、場合によったらかえ地のことも考えてもよろしい、ここまで私申し上げておきました。先ほど申し上げたように、本日本院において、この首都圏内における緑地の確保についての法律が通ったわけです。したがって、いままでのグリーンベルトではなく、積極的に政府はその施策を進めなければならぬ義務がある。同時に、この中におけるところの丁政府がいわゆるいままでの補助金等の問題で私ども提出している行政管理庁の改善意見というような中にも、できるだけ公園化をすべきであるということがこの中にたくさん出ている。そういうことを言っておりながら、政府は一方において、解除されたものについて、いやこれはもう大蔵省国有財産局がもらっても、これはもう公務員の住宅をつくるのだという、そのばかの一つ覚えだけは、私は国会というものに対してほんとうのいわゆる誠意は認められない、こう思うので、本日の本院の本会議において法律が通ったことと同時に、補助金等のこの行政管理庁の勧告、改善意見、そういうものによるこの公園化、緑地化というものについて、ひとつ大蔵省の御意見を出してもらいたい。私は場合によれば、もし横浜でこの高射砲陣地をせっかく解除したのに、大蔵省が横車を押して家を建てるというような場合には、すわり込みをして排除するつもりです。そのぐらいの決意を持っておりますから、きょうの本院における本会議の精神が生きるようなことがとれるのかとれないのか、ひとつ次官からお答えいただきたい。たまたまきょうの本会議で法律が通った直後でありますから、建設省と大蔵省にその決意のほどをお伺いして、私の質問を終わります。
  29. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 河川の公園あるいは緑地等の利用の問題につきましては、いつかの委員会におきましても御答弁申し上げておいたとおり、河川審議会の答申の趣旨に基づきまして、それぞれ通牒を出しております。ことに、都市にあります河川の緑地化の問題につきましては、ただいまの御質問がございましたように、特に多摩川につきましては、具体化を進めているわけでございまして、二子玉川上流の右岸地区の土地は、これは建設省が直轄でやるという工事でございますが、これはおよそ四千万の事業費で四十一年度六万平方メートルぐらいの予定をいたしておりましたが、少しやり方を、まず土地の広がりを持たせることを考えまして、少し面積は広くなります。十一万平米ぐらいになる。これはいますでにそれぞれの請け負いをさせる段階直前に至っております。もうすぐに着工できると思います。  それから、川崎市あるいは東京都等が分担いたします事業がございます。これは六千六百万ほどの事業費で、東京都がおよそ六万平米、神奈川のほうが十万平米ぐらいの工事になると思います。これはいま設計をいたしております。これももうすぐに着工ができるという段階になってきております。  多摩川全域におきます緑地化の問題は、この前もお話し申し上げたかと思いますが、もう少し長期の計画を立てましてやってまいりたいと思いまして、鋭意いま関係のところとその具体的な措置案を練らしておる段階でございます。これももう一カ月か二カ月ぐらい余裕をかしてもらえば具体的な計画が立ち上がる、こういうように考えております。
  30. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) 本日の本会議における緑地保全法に関連いたしまして、ただいま非常に地元民の熱意と申しまするか、そのあらわれとして強く高射砲陣地の問題について、先生の御意見を拝聴したわけであります。その後、財産局長から経緯、事情等を私、詳細に承知いたしておりませんので、いまここではっきりしたお答えをいたしかねるわけでございまするが、当然緑地保全ということが必要であるということは、すでに万人の認めるところでありますので、そういう御意向につきましては、十二分に私も理解できるわけでございます。ただ、先ほどおことばの中に、ばかの一つ覚えのように公務員宿舎にするんだというふうなのは困るという御意見でございましたが、御承知のように、国有財産の土地が非常に減ってまいりましたことと、公務員宿舎に対しまする大蔵省の従来の予算査定方針が、土地は国有財産の中の土地でもってやる、宿舎の建造費については予算を出そうというような方針でやってまいりました関係等もございまして、おそらや松永局長としては、そういう点についての明年度予算折衝等にも関連して何かいま苦慮しておるのではないか、これは私の想像でございまするが想像しております。その事情を十分に御了察いただきますれば、私はここで善処するということで御了解していただけると思うのですが、いかがでしょう。
  31. 相澤重明

    相澤重明君 もう私はこれで終わるんだからね、政務次官、考えてもらわなければいかぬのは、国家公務員の宿舎だからといって、平屋建ての木造建築でバラックみたいなものをつくったり、全く細い丸太で二階建てつくったって十年たたずにだめになってしまう。そんなもので幾ら土地をたくさん使っても長いこと役に立たぬ。むしろ国損ですよ。だから、同じ国家公務員の住宅をつくるというんなら、四階建でも五建てでも鉄筋のものをつくってやりなさい。そうすれば、土地を使わないでも実際の収容能力がある。しかも火災等にも風水害等にも安全なんです。ともすると大蔵省予算を出し渋るから、逆に言えば、結局できるものは悪いものしかできぬし、広い土地を占有してしまう、こういうことになるので、そういうところにも実は問題点があるわけです。だから、むしろ国家公務員の宿舎が足らないのは、私は大いにつくってもらいたい。つくり方を考えるならば、いま言った膨大な二十万坪以上が、いますぐなくちゃいけないというようなものではない。そういう点だけ申し上げて、先ほど申し上げた本院における本日のこの法案が通ったことの趣旨を私は生かしてもらいたい。生かされないようなことならば、われわれも考え直さなければならぬ、こう思いますので、よく局長と相談をして、趣旨に沿うように努力してもらうことをお願いして、私はきょうは質問を終わります。
  32. 大森創造

    ○大森創造君 前回から山の問題について林野庁長官を中心にして私は質疑をしましたが、どうも考えれば考えるほど、私は長官の誠意は認めるが、納得しがたいので、きょうはいささか時間もあるようだから、さらに前回に続き徹底した点についての質問をいたしたいと思う。問題は美福株式会社、これが一もうけしようと計画をした。ところが払い下げということについては、前回の委員会で長官が言明されたように、ややこしい制限条項があるので、交換ということになるというと、国の土地を民有地と交換すれば、その国有地の処分はかってであるというのが法の盲点であって、それをねらって株式会社が工作したものと私は理解している。その美福株式会社の取締役八人のうち五人は現職の国会議員でございます。元農林大臣もいる。その交換が成功してから、すぐにその連中はやめてしまった。前回私が長官にお尋ねしたところ、百町歩以上交換した実績が過去においてあるかということを聞いたところが、たった二件しかない。全国でおそらく林野庁始まって以来百町歩以上の交換は二件しかない。その一つは伊豆長岡で、相手は公共団体の静岡県である。残された一つは、私のいま提起している美福株式会社の問題である。だから、これは異例中の異例だという。その面積たるや百町歩ではない、三百七十一町歩、百十六万坪余り、大体計算してみるというと八十二円から七十二円ぐらい、坪ですね、払い下げている。現在めぐりめぐって藤田組なり藤和不動産からは八千五百円から九千六百円で売却されている。七十二円から八十三円で交換をして、半年を出ずしてその同じ土地が八千五百円から九千六百円で一般に分譲されている。美福というのは一般の不動産業者、前の静岡県のような公共団体とは違う。まだ三十万坪しか売れておりませんけれども、これが分譲全部できたとすれば、膨大な利益が上がる。そしてその土地は、問題なのはあとから説明いたしますが、その分譲した土地のうちほとんどが美福や藤和不動産の所有ではないのであります。これは公取のほうの方もいらっしゃいますから、私の質問は全部関連がありますから、ひとつ、ずっとお聞きいただきたいと思いますが、これだけの広告したって手のつかない部分が多い。だからどうにもできない。幾ら前農林大臣の肩書きをもってしてもどうにもならない、こういうあらましの概要でございます。そこで長官は書類の上で、形式の上で御答弁になることはわかるのでありますが、この問題は背景が非常に大事、形式だけは幾ら書類が整っていても、その書類作成の過程、道程が一番大事でございます。以上のことを前提にして、私はいまから個々の問題についてお尋ねいたします。  本件の受けとですね、国が受ける山林と、那須の渡しの林野の合計は、いま申し上げたとおり八百ヘクタール、三百七十一町歩、百十六万坪、相手の美福株式会社は、これは公共団体ではございませんよ。八項目の定款によるというと、事業科目がございますが、実績を洗ってみるというと、これは不動産業者に違いはない。その交換に際しては、法の規定からも実測することが要求されていると思うが、実測をいたしましたか。
  33. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 実測をいたしております。
  34. 大森創造

    ○大森創造君 また八百ヘクタールについて一本一本の樹木を実際にその径口をはかったり、石数の計算をしてその集計をなさらねばならないはずでございますが、そういうことをいたしましたか。
  35. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 材積調査につきましては、どういう方法をとったのか、いま手元に用意ございませんけれども、普通は林相の異なるごとに標準値をとって、そうしてその標準値における材積から全体の材積を出すというような場合、それからまた場合によったら毎木調査をいたしまして、材積を出すというような場合がございます。まあいずれにいたしましても、材積の調査については、国有林野事業として行なう場合の材積の調査方法を採用しておると、こういうふうに考えております。
  36. 大森創造

    ○大森創造君 それは了解いたします。  そういう計算をして、その集計をなさらねばならないはずであります。それから今度は評価が始まるわけですね、値段の評価。これはたいへんな作業だと私は思う。まあ実際の作業をするのには現地営林署の、これはわずかな職員だろうと思うんです。そうでしょう、人数少ないと思うんです。で、一年のうち数カ月はこれは積雪地帯ですよ、その新潟県の国が取得した土地については。前回申し上げたとおり、これは興国人絹パルプの所有であって、美福株式会社のものではないんですよ。美福が大体林野庁と交換可能であるという見通しが立ってから、江商から一億九千万円の金を借りた。これは長官御存じない。そして交換するために、その直前に興国人絹パルプからばっと第三者からの民有地を買ったんですがね。この土地は私は見てきましたが、ほとんど調査が不可能です。積雪地帯。そこでこの作業はほとんどストップですよ。この実測から評価完了までの期間はどのぐらいかかると思いますか。いかがですか。この実測から評価完了までの期間は、いまの職員の人数、それからあなたがいまお答えのような方式で調査、測量、評価を了するまでにどのくらいの期間を要すると思いますか。実際この件についてどのくらいの期間を要しましたか。
  37. 田中重五

    政府委員(田中重五君) この実測についてどれくらいの期間を要したか、いまその材料を持っておりませんけれども一、いま先生のお話しのように、その測量にかかる職員の頭数、それによって長短あるわけでございます。それから、調査する量の大小によって、期間は相当長短があるということでございます。
  38. 大森創造

    ○大森創造君 まあそういうことでございましょう。しかし、私が推定するところ一年半を要していると思っております。大体そんなものとして、第一回の評価の完了は昭和三十九年の一月でございます。で、実測や評価の手続の時間から推して、一年間を差し引くと、交換の内決定を見たのが三十七年末から三十八年初めと考えられますが、どうでしょう。
  39. 田中重五

    政府委員(田中重五君) いまもし先生がお話しのように、その実測についてそれだけの期間を要するものといたしますと、その調査に着手した初めはそういうことになるかと思いますけれども、実際に着手した時期について、いま資料を持っていないわけでございます。
  40. 大森創造

    ○大森創造君 これはわかることですから、長官ひとつ資料あとでお出しいただきたいと思うが、私の推定でもおそらく誤りはないはずです。私は調べましたから。そうすると、そのときの長官はあなたであり、それから農林大臣は重政氏ですね。そうでしょう。
  41. 田中重五

    政府委員(田中重五君) いま先生の御指定になりました、三十七年の末から三十八年の初めということになりますと、そのときの大臣は重政大臣でございますし、長官は吉村前長官でございます。
  42. 大森創造

    ○大森創造君 そこでその事実は確認しております。で、交換のですね、起案、文章をつくることは、前橋の営林局長の権限と思うがいかがですか。
  43. 田中重五

    政府委員(田中重五君) そのとおりでございます。
  44. 大森創造

    ○大森創造君 そこが問題だ。そのときの営林局長はいまの営林局長とは違うでしょう。どなたですか。
  45. 田中重五

    政府委員(田中重五君) いま先生のお話の時期がやはり三十七年の末から三十八年ということになりますと、営林局長は長又壽男でございます。
  46. 大森創造

    ○大森創造君 私の予想したとおり長又壽男氏ですね。この長又壽男局長が辞任したのはいつですか。
  47. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 三十八年の六月でございます。
  48. 大森創造

    ○大森創造君 三十八年の六月。起案の権限があって、長又局長が全部この交換の問題について起案をしている。で、やめたのが三十八年六月。そうして衆議院に立候補したのは三十八年の十一月です。この前の選挙に立候補している。一前橋の営林局長が六月にやめて、七、八、九、十、十一月に衆議院に立候補して——河野派といわれております——次点で落選しております。で、現在また次の選挙に出るために、東松山というところに事務所を持って盛んに運動を展開しておるようでございます。これは全部事実でございます、長官が知ろうと知るまいと。ですから、本件のそのような交換は、現地の営林局が交換の意思決定をする——いいですか。長又局長が意思決定をして、現実に測量や調査を開始すれば、あとは事務的な手続ですうっといくのですね。私が調べたところによると、長官がお知りにならないうちにずっといく。関門は長又局長ですよ。ここのところでいろいろな工作が行なわれる。私はこれは証人を引っぱり出せばすぐわかる。そうして六カ月目に衆議院に立候補している。前橋の長又営林局長。これは事実ですからね。で、これは証人を呼んでもらわなければ困るのだが、まず確実。長又元局長は交換を自主的に推進をして、謝礼として美福から多額の選挙資金を出してもらったということを私は聞いております。これは本委員会が許すならば証人を出します。長官はそのようなうわさを聞いておりますか。聞かないはずはないでしょう。
  49. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 聞いておりません。
  50. 大森創造

    ○大森創造君 長官は非常にりっぱな長官だし、清廉潔白な方であるし、部下思いのこともよくわかる。だけれども、この私の質問については、まず書類上形式上の問題で終始しようとしておられるでしょう。しかし、私は冒頭申し上げたように、そうではない。学校の入学試験にたとえましょう。百点満点で八十点以上が合格としましょう。合格している人はみんな八十点以上なんですよ。しかしそこに実際は四十点しか取れない場合でも、八十点という数字になってあなたの机の上にあがってくる。これが合格ということになる。私がいままで半年調査した限りでは、いかほど長官が部下を思い、あなた自身が清廉潔白であろうとも、絶対にこれは八十点取っておりませんよ。あなたのほうでは評価価額はこうだ、地元の足利銀行はこういう評価価額を出した、評定書はこうできておるということは、これは八十点にできているだけの話だ。もとが問題なんですよ。四十点のものを八十点にしたということが、完全に私は想像できる、ばかでない以上。そこなんですよ、私が聞こうとしているのは。  具体的な事実を申し上げます。この前橋の長又局長、それから評価調査担当しているのが経営部長ですね、それから総務部長、これは名前をあげればわかりますがね。もう一回申し上げます。経営部長、総務部長、これをお客さんにして美福による文字どおりの酒池肉林のめちゃくちゃな供応が続けられました。もし長官が御信用にならなければ、私はいつでも、本委員会の許しを得て証人を呼んでごらんにいれます。そうすると、おかしいじゃないですか、長官。長官はここで私との問答で、この点は書類が整っております、この点は違法性がございませんと言っても、さっき長官のわきの方がお認めのように、この交換について起案の権限は長又局長にあって、あとはめくら判にひとしいのだから、そこの局部の長又局長のところに集中的に供応がなされたという事実は、その事実があったらいかがお考えか。四十五点しか点数取れないけれども、八十点にすることが可能である。大学でも不正入学がございますが、これは不正入学の最たるものです。なぜその必要がございますか。美福から酒池肉林の供応を受ける必要がございましたでしょうか。適正であれば、そういう事実がないというならば、証人を呼んでいただきたいと思います。そういう事実を、念のために聞きますが、これはおそらく否定されるでしょうが、事実を聞いておりますか。
  51. 田中重五

    政府委員(田中重五君) そういう事実は聞いておりません。
  52. 大森創造

    ○大森創造君 それでは私は一つお伺いしますが、こういう供応、収賄、六カ月目に選挙に立候補していますよ、営林局長は。まあ相当財産家のせがれだろうと私は想像するのだが、われわれの常識ではちょっと考えられない。そこで私はあの辺の選挙区を調べたところが、たいへんな選挙運動ですよ。自民党といわず社会党といわず、営林局長をやめたという電報をどのくらい出していますかな。ものすごい量出しておりますよ、電報を。そこで交換があったんですよ、立候補の六カ月前に。そこで私が言うのは、これが事実とすれば——事実なんだから、そうすると、そのために土地評価に影響を与え、かつ交換処分が可能となったとしたら、この交換という法律行為の構成要件に重大な欠陥が出てくると思うのだ。これはぼくはそうだと思うのですね。この一つで行政処分は取り消しの対象となると考えますが、どうでしょう。
  53. 田中重五

    政府委員(田中重五君) この交換と、いまお話の立候補、供応等と関係があるとは考えておりません。そういうあるいは供応等があったとは聞いておりません。
  54. 大森創造

    ○大森創造君 長官は聞いておらないんでしょうかな。——そういう答弁をするほかないでしょう。私は、この前質問してから、実は怪電話がきのうからきょうにかけて四つかかりましたよ、おどかしの電話が。この山の交換の問題は、スヌーク号の原潜寄港で政府筋があわてましたが、それ以上の大問題ですよ、自民党政府の受け取り方は。週刊雑誌など押さえましたな。その事実も生き証人を本委員会で許せば私はお目にかける。なぜ金を使って週刊誌を押えたか。マスコミを押えたか。本決算委員会は投げやりであってはいけない。限界があってはいけない。長官はもう私の想像では、私のほうにあれだけの圧力があるんだから、肝心かなめの長官のところには、大森がいかほど委員会で大きな声を出しても、どんなことを言おうと、この事実は発表しないことになっているのと違うか。それがいまの自民党政府のもとにおける忠実な官吏ということになっているのか。このうわさを聞かないはずはない。現地の人は全部知っている。美福から酒池肉林の供応を受けたこと、交換の起案は長又局長である、長又局長が収賄したということ、それを選挙運動資金にして衆議院に出たということ、私は途中でございますが一つ……、委員会が適当なもので国費の予算、決算の審議をするならばいざ知らず、悪いことは悪いという立場をとるならば、超党派的に参考人として呼ぶべきだと思う。そうでなければどんなことがあったってだめですよ。長官のような答弁に終始されてしまう。あなたの立場はよくわかる。実際私のところに圧力がきている。週刊雑誌をつぶす。その他の方面に手を入れているんですよ。現実にだれが入れているか、私は必要であればここで発表いたしますよ。おえらい方です。なぜその必要がありますか。仮定の問題についてお答え願いたい。私の言うたことが事実であるとすれば、この法律行為は無効でしょう。
  55. 田中重五

    政府委員(田中重五君) いまお話の圧力ということでございますが、これは私は全然知らないわけでございます。
  56. 大森創造

    ○大森創造君 ではこの問題についてはあとにいたします。これは重要なポイントですからね。私は常識では考えられない。交換の一番の関門が長又局長です。局長がやめてから六カ月目に立候補した。供応——めちゃくちゃな供応、そうして交換ができた。立候補。これは私は証人があるんですよ。しかしこれは押し問答になりますから、田中長官はそれ以上出ないでしょう、答弁。この次か、その次あたり本音が出るでしょう。  次に移ります。評価の点について、お尋ねいたします。  前回の長官の答弁は、評価は近傍類地価格も十分勘案して決定するとのことであったが、どのように勘案したか、具体的にお答えいただきたい。
  57. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 斉藤調査官からお答えいたさせます。
  58. 斉藤清三

    説明員斉藤清三君) 先生お尋ねの価格をきめます際、どのような価格の決定をしたかということでございますが、しばしば当委員会におきましても、評価の決定方法についてお答えを申し上げたかと思いますけれども、一般的には相続税でありますとか、あるいは固定資産税でありますとか、あるいは売買実例等をもとにしまして、価格の基準をつくりまして、それから、その土地の利用をはかるために必要な費用を控除し、さらに第三者の公正な価格を勘案をいたしまして、価格決定をするたてまえになっております。本件の場合もそのような方法によって評価をしたわけでございます。
  59. 大森創造

    ○大森創造君 それは、前回聞きましたから、ただ、ここで一つのサゼスチョンを与えましょう。那須は高原別荘用地として開発が、現在行なわれているのですよ。不動産業者の常識として、標高百メートルあたり千円というのが一般の通り相場でございます、いいですか。標高百メートル千円というのが大体通り相場になっている。つまり標高八百メートルならば八千円、千メートルなら一万円ですよ。そういうふうに言われている。これは、実際地元へ行って当たってみた。また温泉の湯元に近いところほど、その価値が高いと言われている。そこで問題の国有地は七百メートルから八百メートルから、千メートルの部分のところだから、大体高いのですよ、この場所は。一般の土地と違って分譲するときには高く売れるところですよ。大体十社程度の不動産業者がひしめいておりますが、ぼくはずっと聞いてみた、大体そうなんです。相当高いところなんですよ。林野庁が、国が手放したこの問題の国有林は、非常に値段の高いところなんですよ。低いところが高いのではないのですよ。いま申し上げたとおり百メートルについて千円なんだから、林野庁の問題の土地は八百メートル、千メートルだから、相当高い部分が多いのですよ。そういう那須のこれは一般のじゃないのですよ、現実にそういう那須の土地の評価の常識を踏まえた上で、具体的な近傍類地価格を示して坪当たり八十三円、または七十二円ということに値段をつけたけれども、その妥当性について御説明いただきたい。
  60. 斉藤清三

    説明員斉藤清三君) 百メートル当たり千円というお話は初めて伺いまして、そういう形で評価をいたしておりません。ただ本件の土地につきましては、御指摘のように相当高いところでございます。風が強いし、また水もないし、そういう地帯でございまして、いわば林業的に見ましても、あまり条件のよいところではございません。あるいはその他の目的に使用する場合におきましても、水利の不便を考えますと、相当の費用を投じなければ完全なる土地の利用ができない。そういうふうなことを考えまして、山林の評価によることが本地の評価上適切な方法である、こういうことで山林の評価をいたしたわけでございます。
  61. 大森創造

    ○大森創造君 大体そういう御答弁になると私は予想していた、長官と同じ。だけど私は、あなた方より努力しているのです、この問題については。そこで、そのうちの十社程度ございますから、本社に私は一々当たってみた。そうするとこう言っている。まあその十社全部当たったわけじゃありませんが、数社について当たった、自分で訪問していろいろ聞いてみた。すべてに一致する結論はこうです。標高千メートル前後のところは、高原別荘地としては最適なんだ。この問題の国有地は最適の場所なんです。業者垂涎おくあたわざるいい場所なんだ。ところが、そのいい場所が全部国有地であって、政治力のない者には、とうてい手がつかないとなげいておりました。問題のその土地は、二、三年前でも、つまり二千円から三千円ならば現金で幾らでも買います。しかし、われわれにはおしいことに政治力がないとこう言っている。数十町歩でも数百町歩でも買います。確実にもうかると、業者みんな言っております。私、どういうふうにあなた方の答弁が口うら合わせられても、納得ができない。そこで、こういう事実も一つ申し上げましょう。この三十八万坪、百何ぼですか——売り渡したのは三百七十一町歩、百十六万坪というものを、前に美福株式会社が取得したけれども、そのうちの三十八万坪は藤田組のほうに売ったのだ。三十八万坪を——いいですか、メモ書いてください、数字がわからないと、あなた方だめだから、百十六万坪国からもらって、そのうち三十八万坪を藤田組のほうに売ったのですよ。そこで藤和不動産という株式会社、それから藤和那須開発株式会社が、すでにそのうち八万坪−残りの三十万坪をもう売り渡しちゃった。ところがここに問題がある。みんなで払い下げたのがいま申し上げたように百十六万坪だけれども、その藤田組のほうに渡った三十八万坪を除いてはあとの残りの大部分、これはあとで申し上げます、この数字は、計算すると出てきますから。それと、そのもよりの十二……、ちょっと待ってくださいよ、間違ったことを言ったら私もえらいことになりますから、慎重を期しますから——どこに書いてあるのか、あとから出てきますから、そのとき申し上げますが、とにかくこうなんです。大部分の土地三十八万坪を、国からもらった分を、これを藤田組に売った。そのうち藤和不動産、これは子会社ですね、藤田組の。藤和開発株式会社は三十万坪をすでに分譲した、一般の市民に。残りの七十八万坪だと覚えております、それと、そのもよりの民有地百二十万坪というものは、これは公取のほうにも関係してくるわけですが、これはあるいきさつがあって、こういう広告というか、こういうもので宣伝している。美福株式会社並びにこれは衆議院の、前農林大臣、美福株式会社取締役会長重政誠之、それからずっとこう書いてありますけれども、これは美福の所有でもないし、いまこうして広告をしている藤田組や藤和不動産や、藤和那須開発株式会社の所有ではないんですよ、これは。江商の所有なんです。だから問題なんです。そこで、これはあとから問題になってきますが、美福と江商の間にトラブルがある。なぜかというと、美福が借り手ですよ。美福が江商から十八億円の借金をしてこげついている。これが雪だるま式にふくれて三十億円になっておる。だからこれは押えられちゃったんですよ、江商のほうから。だから、これは幾らになりますかな……、これはえらいことを出していますがね、ごらんください、これ。だからこれはみんな架空のことなんですよ。温泉をつくる、プールをつくる、それから何つくる、かにつくると書いて、それでこのことに引っぱられてみんな土地を買っているんですよ。ところが、いま申し上げたとおり、この正面の会社の所有ではないんですよ。というのは、美福が三十億円——元金が十八億円前後の金を江商から借りておりますから、江商から押えられているんです。これはこうなんです。そこで、交換のうち美福名義の分も江商が所有権の移転登記を行なったのです。これは四十年の五月です。いいですか、書いてくださいよ、四十年の五月。その前後、江商は……。今度は登場しているのは銀行です。東京銀行。東京銀行からこの金が出ているんですね。三十億前後の金が、東京銀行から江商へいって、江商から美福のほうにこげつき債権になっている。それで、美福が交換をしたこの土地を押えちゃったのですよ。そこで、江商が東京銀行に同一の土地の鑑定を依頼している。東銀は、これは真剣ですからね。勧銀に不動産鑑定者が再依頼をして、その評価は、あなた方が六十二円とか七十二円とか八十二円とか評価したその土地について八百円前後であったという評価をしているのです。で、営林局の二回目の鑑定依頼は三十年九月でございますから、いま私が申し上げた江商の依頼による、これは権威のある不動産鑑定者か、あるいは勧銀が責任を持って評価をしておる価格は八百円前後なんですね。わずか半年前後でもって六十円の土地が八百円に値上がりしたとは考えられない。この点についてどういうふうに考えられますか。
  62. 田中重五

    政府委員(田中重五君) いまお話しの八百円に評価されたという部分が、いま議題になっております国有林野の交換地だけなのか、あるいはそれから下のほうも含んでいるのか、あるいはまた議題になっている場所であるにしても、その全部についての平均の価格なのかによって違ってまいると思うのですが、そういうふうにいまのお話を伺いますと感ぜられるのであります。
  63. 大森創造

    ○大森創造君 それで、まあそういうお答えはお答えとして聞いておきます。その鑑定書の写しを私は持っておるが、同じ日付なんですよ。足利銀行だとか、それから相互銀行だとか、黒磯にある信用金庫だとか、これは大体同じ日付にできている。これが問題なんです。で、前回私が質問している。その局長——長又局長、これはよくよく供応されて、収賄をしたという事実がある。これが一つの関門。  それからもう一つは、私は市中銀行へ行って聞いてみたところが、こういうことになっているらしいのですね。大体一銭の報酬もないことは、前回長官の答弁になったとおりだから、頼まれたってやらないというのですね、普通の市中銀行は、ただですから。普通は権威のある不動産鑑定者か勧銀に再依頼をしておる。だから、この鑑定の評価をどうしてくれというて、いいですか、美福が——林野庁でなくて美福が、評価価格の事前の打ち合わせをしたという事実がはっきりすれば、この交換は無効でしょう、いかがですか。
  64. 田中重五

    政府委員(田中重五君) まあ議題になっております土地を、まあ受け財産にしろ、渡し財産にしろ、こういう価格にしてほしいという希望をもって鑑定を依頼するというようなことは考えられないことでございます。
  65. 大森創造

    ○大森創造君 まあ法的には違法とは申し上げないが、実際私がじかに当たってみると、そういう依頼があったって、それほど重要性を認めなくて簡単に書いてくれるのですね、いままでの通例で。一銭にもならないのですよ。これはどうっていうことはありませんから、簡単に書いてくれるのですね。そこで私は、国の財産を保管する責任にある林野庁としては、もっと慎重でなければならぬ。百万や二百万じゃないですよ、何十億というやつですから。どうしてその不動産鑑定者だとか、あるいは権威のある勧銀だとかいうところに、この鑑定を頼まなかったのでしょうか。幾ら慎重にしても慎重過ぎることはないですよ。あぶないですよ。しかもその鑑定書の評価額の価格を事前に美福株式会社と打ち合わした、こういう事実が発覚すればどうでありますか、無効でありませんか。
  66. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 渡し財産としての国有林野あるいは国有林野となるべき受け財産につきましては、これは先生のお話しのとおりに慎重の上にも慎重を期して評価がなされるべきものであると考えます。そういう意味からいいまして、権威のある、評価能力のあるところにその鑑定を依頼して、第三者の評価を参考にしてまいったということでございます。特に国有財産の評価については、その具体的な方法等を下部に示しまして、その適正を期している次第でございます。
  67. 大森創造

    ○大森創造君 前橋の前営林局長の長又局長、これが一つの関門です。これがめちゃめちゃな供応を受けている。退官して半年を出ずして衆議院に立候補しているという事実。金をもらっているという事実。それからもう一つ、土地の関係は、確かにあなたの手元に、机の上にのぼってきたものは適正妥当でございましょうが、先ほど私が申し上げたとおり、八十点以上は高等学校合格だというても、不正入学というのがあるのですからね、世の中には。実際は四十五点ぐらいしか取らなくても、不正をしてこれは入れろ——石部金吉みたいな人だって、そういうことでかなり不正入学というのが行なわれているんだから、長官や、きょうおそろいの林野庁の方はおかたいでしょうが、長又局長はかたくないのですからね。飲んだり食ったりいろいろやっているのですからね。そこで四十五点のものが、すぐあなたの机の上に出てくるときは八十点になっている。それに違いない。あなたはそのことを答弁しているのです。そういう答弁だと思います。これはどうしても背景が大事なんですよ。  そこで申し上げますが、私が調査した資料ではこうなっています。この交換に前後して答案までできているのですよ。あなたのほうの答案は、答案を幾ら読んだってこれは解けないのですよ、不正入学ですから。不正入学というのはわからないのですよ、証人を引っぱり出さなきゃ。そうでしょう、見ている前で四十五点を八十点に直すばかはないのです、裏工作なんですよ。これは申し上げましょう。私がずっと調べた限りでは、元大臣、現知事、国会議員十数名がずらずらと登場しているわけであります。まあ私はだんだんわかると思うのだ。ここ二、三日のうちに、その一人一人の役柄についてはだんだんわかってきますから、次回の委員会で申し上げます。しかし確信を持っていることはこれですね。長官や林野庁の方が、いかようにどんなことを言われようと、政治的圧力が働いたことは、私は断言してはばからない。私はばかじゃないのですよ。それでは決算委員がつとまらないのですよ。私どもにつとまらないですよ、それほどばかでありません。断青します、これは。懲罰委員会にひっかけるならひっかけてもいい。絶対に私はこれは断言してはばからない。それを知らないのは長官だけだ。また前橋営林局内に汚職のにおいも濃厚です。長官の部下をかばおうとする気持ちは、苦しい答弁はぼくもわからないでもない。あなたが清廉潔白の能吏であることは定評があります。また、あなたの部下の方が有能かつ清廉であることも聞いております。しかし、この際、私がいままで質問をしておらない問題で——輝ける国民の公僕としてのりっぱな官吏生活に花を飾る意味においても、この際、この件以外にもあるのですよ。幾つもあるのですよ。そういう国有林野の払い下げについて厳重な再監査を行なって、不当なものについては取り消し処分を行なったり、あるいは関係者を処罰するなどして、思い切った粛正措置をとってもらいたいと思うが、田中長官にできますか。
  68. 田中重五

    政府委員(田中重五君) 国有林野の交換のみならず、売り払いその他国有林野の管理、処分につきまして、不正不当な事実がもしありとすれば、これは厳正に処分をされなければならない、そういうふうに考えます。
  69. 大森創造

    ○大森創造君 公正取引委員会に伺います。前回この問題について、藤和不動産が美福と共同して那須ハイランドを目ざして大々的に宣伝しております。ごらんなさい、これを。大衆に土地を三十万坪分譲を行なっていることについて、不当表示防止法の規定に違反しておるかどうかということをお尋ねしたが、時間の都合でやめましたが、あらためてお尋ねしたい。どういう経過になっていますか。
  70. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) 先般もお答え申し上げましたように、関係の会社の者を呼びまして、目下事情を聞いております。しかしやはり現地へ行きまして、その土地の状況を調査しなければ、確たることは申し上げられませんので、ここ数日のうちに、係官が現地へ行って調査をいたすことに相なっております。
  71. 大森創造

    ○大森創造君 さすがに公取だけあって、厳正公平にすぐ調査を始めておる、非常に頼もしい限りでありますけれども、問題の焦点と思われる土地の所有権の所在については、これはどの程度お調べになったか。つまり先ほど申し上げたように、藤和不動産に分譲したのは三十八万坪ですから、国のほうから交換を受けた土地で、結局美福が取得している土地はさっき言い忘れましたけれども、七十八万坪に相なる。つまり国有地の交換分のうち三十八万坪を藤和不動産のほうに、藤田組のほうに売りましたから、百十六万坪のうちから三十八万坪を引いて七十八万坪残っている。それと隣接地約百二十万坪は、那須ハイランドの分譲予定地、各種施設の建設予定地として藤和不動産がその販売会社である藤和那須開発及び美福の連名で出しております。これは土地分譲用の宣伝カタログ、パンフレットの重要部分に掲載されて、−その点が客の購買意欲に決定的な役割りを果たしております。いいですか、ここは他人の土地が多い、さっき申し上げたとおり。ところがこれらの土地は、すべて美福が江商から借りている元本十八億円返済の担保となっておりまして、いずれも大部分である国有地の交換分約五十三万坪及び民有地約百二十万坪の所有権は、昨年の五月七日にすでに江商に移転登記されております。この事実について公取はお調べになりましたか。
  72. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) ただいま大森委員が言われたのと、私のほうで現在まで聞いておりますところでは、多少数字が違いまして、私のほうで聞いておりますところは、交換分と民有地を購入した分を合わせて二百三十万坪、このうち藤和不動産が譲り受けましたものが、五十三万坪、さらに今後百十万坪を譲り受けたいということのようでございます。五十三万坪のうち二十八万坪を造成いたしまして、今日までに売却いたしているようでございます。で、いま大森委員のおっしゃいますことは、いわゆるそのパンフレットに出ておりますグリーンベルト地帯、グリーンベルト施設地帯というものがございまして、そこへ高原ホテルをつくるとか、あるいはユースホステルをつくりますとか、林間学校をつくるとか、野外劇場をつくるとかということをうたっておりますので、そういうのが他人の所有に移っては、その施設ができないんじゃないかということで、これは不当表示ではなかろうかということをおっしゃったのだと思いますけれども、私のほうといたしましては、その土地がだれの手に移りましても、藤田組とその関係会社との間で話し合いがつきまして、そういう施設ができれば、これは問題はないと思うのです。しかしそのような点につきましては、これからも十分調査いたしまして、その上で考慮いたしたいと思います。
  73. 大森創造

    ○大森創造君 私の調べたところによると、ただいまのお話したようなことで、私の言ったことは事実です。局長の言ったこととちょっと食い違いがあるようですが、私の調べたところはそういうことです。私の調べたところでございますと、江商の所有権移転の登記の原因は、譲渡担保になっている。——聞いてください林野庁、他人事ではないのですから。原因は譲渡担保となっているが、美福の江商からの借金は、元利合わせて三十億円に達している。現在の美福では、とうてい払えるものではない。江商が美福に対する巨額の債権を回収するために、国有地交換先の新潟の土地の買収資金、これを江商が出している。美福ではない。江商が三十億の金を貸して、江商が東京銀行で金を借りて、そうして美福にこげつき債権が三十億あるから、ここで交換ができたならばいいなということで、その他人の興国人絹の所有の新潟県の土地を、買い取り資金として江商が金を出している。美福ではない。林野庁聞いてください。一億九千万円というのは江商が出している。それを交換の那須の土地約三十八万坪を、美福がさっそく今度は藤和不動産に売却している。その代金は、今度は藤田組が請け負う施設の工事費と相殺することになって江商に返さない、借金返済にならない。そこで江商と美福との争いが始まった。そこで、江商が公正証書記載の返済期限切れを理由として問題の土地を処分しようとしたが、美福が先手を打って昨年十一月大阪地検に、公正証書不正記載、私文書偽造、印鑑盗用の理由で、江商を逆に告発した、問題の土地に譲渡禁止の仮処分を行なった、これが真相なんです。その間に児玉譽志夫氏とか笹川良一氏などの親分が仲に入った、それから政界筋のあっせんもあった、すったもんだのどろ仕合いの結果本年二月九日に東京銀行の顧問弁護士久保田保氏のあっせんによって、十八億円を払うということで示談が成立して、美福は仮処分を解くに至りました。ところが、今度は、この十八億の金は東京銀行から江商に出しておる関係から、東京銀行側が承知しない。そこで、目下、美福、江商、東京銀行の三つどもえで争いが起きておる。つまり、現在江商に所有権のある那須ハイランドの大部分の土地が、このようにいつ果てるとも知らない争いのうちに、美福、さらに藤和不動産がいっこの土地に手をつけることができるのか、見通しが立たないのが真相なんであります。それを、このカタログの絵図をごらんのとおり、実はこの土地にはプール、ゴルフ場、スポーツセンター、水源池など、それからダムができるように宣伝して、それによって購買意欲をそそっておる。このことは明らかに、不当景品類及び不当表示防止法第四条第一項にいう、商品の品質、規格その他の内容について、実際のものより「著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、」お客さんをつって「公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」と思われるんですが、どうですか。
  74. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) 大森委員がいま言われたようなことが事実とすれば、不当景品類及び不当表示防止法で禁止しております不当表示に該当する疑いがあるかもしれませんけれども、私どものほうでは、まだ十分その点確認しておりませんので、時間をかしていただいて私のほうで調査をいたしたいと思います。
  75. 大森創造

    ○大森創造君 これ相当金がかかっているんですよ。ずっと見てみますと、これは全部だめなんです。これは温泉もプールも何もできないですよ、これは。そこで、私の考えでは、この実際のものより「著しく優良であると一般消費者に誤認されるため」と法律には書いてある。ここに書いてある広告では、コピーやイラストレーションで、お客さんの目を引くために実際よりいいように書く。これを厳密にいけないというのはどうかと思われるので、「著しく」云々というその字句が採用されたものだと思う、法律的に。しかし、本件の場合、カタログを見ればおわかりのとおり、購買意欲を決定づけておる。また、単価を安く見せるなめに、重要な部分として各種の施設を絵図で説明しておる。この各種施設のことがなければ、この土地が売れるかどうかわからない。私、買った人に聞いてみたんですが、このことができなければ買わない、いまから返すと言うんです。それはそうでしょう。つまり、他人の土地で、いつ手をつけられるかわからない。この土地にいろいろな施設をつくるということでお客をつっておる。その土地の商品価値決定の重要なファクターを持っておる。このようなことも不当表示防止法第四条第一項に該当しないということになれば、もうこれはザル法だと思う。少なくとも立法者の意思に反すると思いますが、どうでございましょうか。
  76. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) 該当しないと私は申し上げませんので、大森委員はそのように言われますけれども、私どもは、江商とも、あるいは東京銀行とも話し合いはしておりませんし、現地も見ておりませんので、それらの点を十分検討いたしまして、その上でないと、私どもの結論は出せない、そういうことでございます。
  77. 大森創造

    ○大森創造君 竹中局長の答弁、そのとおりだと思います。私も局長の立場に立てば、そういう答弁をすると思います。私がいま申し上げたような事実が明らかになれば、法律違反でしょう。
  78. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) もしそのとおりであるとすれば、法律違反の疑いは濃いのではないかと思います。
  79. 大森創造

    ○大森創造君 圧力に負けないで、竹中局長、がんばってくださいよ。おどしの電話なんかが二回や三回はかかってきますよ。やってくださいよ、お願いします。再度答弁を求めます。
  80. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) 努力いたします。
  81. 大森創造

    ○大森創造君 また、その那須ハイランドの売り出しの宣伝文句の中に、水道、温泉、電話なんか、みんな書いてありますよ。予定施設の中にみな書いてありますが、予定と未定とは私は全然違うんじゃないかと思いますが、予定ということは、ある期間内にできるはずですよということだし、未定ということは、できるかできないかわからないということで、お先まつ暗ということです。たとえば電話など、藤和不動産のセールスマンに私自身聞いたところが、いつできるかわからない。これはお客をだましたことになります。また、この土地のために電話回線が急にふえることになり、また、電話局が新設されるということは聞いておりません。そういう事実はない。つまり、いつできるかわからないことを予定施設として宣伝していることは、さきの所有権と同じように、土地そのものが他人になっているんですから、これは虚偽の表示ではないか。水道にしても、カタログにある水源池は江商の土地になっている水道なんです。こういうことについてどう思うか。ひとつめんどうでも現地をよく調べていただきたい。そうして公取の今後の調査を、もう圧力にめげずにやっていただきたい。これは要望しておきます。やりますか、三回目、もう一回念を押しておきます。
  82. 竹中喜満太

    政府委員竹中喜満太君) 私どもの聞きましたところでは、電気は七月の十五日、給水も同日ごろ、したがいまして、八月に入れば給水もできるし、電気もできる。それで、電話は来年の二月というようなことを聞いておりますが、これは現地の電話局なり何なりにおいて、十分調べなければわからぬことだと思います。しかし、大森委員のいま言われたようなことは、当然私のほうとしましても、不当景品類及び不当表示防止法の問題になるようなケースでございますので、十分検討いたしたいと思います。
  83. 大森創造

    ○大森創造君 次に、大蔵省の証券局長にお伺いいたします。おられますか。——証券取引法の第二十四条によると、有価証券報告書は、一応公認会計士の監査を受けてから、大蔵大臣に提出することになっているが、その内容について大蔵省において再度検討しているかどうか、同法二十六条の検査権はいかなる場合に発動しているのか、双方関連させて御答弁をいただきたいと思います。
  84. 安井誠

    説明員(安井誠君) 証券取引法第二十四条と申しますのは、証券取引法に基づきまして届け出書を提出いたしました会社が、その後事業年度ごとに、三カ月以内に会社の営業状況——経理その他の状況につきまして、一定の様式に従いました有価証券報告書というものを提出する義務を負わしている規定でございます。で、この有価証券報告書提出されますと、大蔵省側といたしましては、それを審査する権限を持っているわけでございます。で、審査する権限を持っているわけでございますが、全部これを審査しなければならないというたてまえではないわけでございまして、その中で特に、証券取引法では二十六条という規定がございまして、公益または投資者保護のために必要かつ適当であると認めるときには、この報告書提出いたしました会社その他の関係者に対しまして、資料提出を命じたり、あるいは当該職員をいたしましてその帳簿その他の書類の検査をさせることができる、かようになっているわけでございます。
  85. 大森創造

    ○大森創造君 ひとつ林野庁もよく聞いてくださいよ、全部関連があります。ここに江商が一昨年、昨年と提出している有価証券報告書の公衆縦覧用のコピーがございます。これはいずれも公認会計士の検査報告書がついております。私にどうしても納得できない点がございます。これは大蔵省お尋ねしたい。今日私の問題にしている国有地交換問題に関連して、江商が美福に対し、元本十八億、元利合わせて約三十億という巨額の債権を有している事実が明白であるにかかわらず、この両報告書には、短期貸し付け金のほうに、わずか一昨年の九月のには二億一千百二十万円、昨年九月のには一億九千五百七十二万円しか載っていない。これは過去五年間にわたって二億円くらいしか載っていないことも、あなたのほうの業務課を通じて私は確認しておる。で、他の項目にまぎれているのではないかと会計士に検査をさせてみたところが、調査をさせてみたところが、該当する数字は遂に発見できなかった。つまり、江商の有価証券報告書は証取法二百五条の二の二で処罰の対象となる虚偽の報告の疑いがあると思うが、このことについて証券局長は知っておりますか。
  86. 安井誠

    説明員(安井誠君) 先生いま御指摘の江商の有価証券報告書に美福という字が出ておりますのは、短期貸し付け金に関しまして御指摘のとおり、四十年九月一億九千五百七十二万円という金額が出ております。それ以外に、有価証券報告書の中には、たとえば長期貸し付け金というのが全体で九千九百万ばかり掲上されておりますが、これは美福のものであるかどうかということは、これは有価証券報告書の上からはわかっておりません。それで、先生指摘の債権金額十八億ということにつきましては、私どもまだつまびらかにいたしておりませんけれども一つの単なる推定でございますが、江商の受け取り債権というものが、総額で四百六十九億ばかりございます。売り掛け金ないし受け取り手形とい形で四百六十億ばかり債権金額がございますので、あるいはその中に含められて入っているのかという感じがいたしますが、私どもとしては確かめておりません。
  87. 大森創造

    ○大森創造君 まあ元本だけでも十八億円といえば、昨年九月の報告書記載の江商資産合計八百三十四億円の約二%に当たる数字であって、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第十九条によって、別の科目で掲記しなければならないものと思うが、それが載っていない。これは、この債権を隠したのか、株主にわからぬように各科目に分散させたのか、それとも、いまあなたがおっしゃるようなことをやっておるのか、あなたのほうでもまだはっきりしないはずだ。そこで、いずれかと思うが、このようなことは証取法上許されていいものかどうかをお伺いしたい。この点を考えるというと、江商の決算報告には、相当の美福にからまる粉飾が行なわれておる疑いが出てくるのだけれども、どうでしょうか。これはお調べ願えませんか。いまのあなたの答弁は、そう思われるというだけであって、事実ではないでしょう。
  88. 安井誠

    説明員(安井誠君) この有価証券報告書提出いたしております会社が他の関係会社に対しまして持っております債権の形が、いわゆる証券取引法に基づきまして提出いたしますこの書類につきまして、その記載方法等を定めております財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則、あるいはそれの取り扱い要領に従いまして、貸し付け金の概念に入るのか、受け取り手形の概念に入るのか、あるいは売り掛け金という概念に入るのかといういろいろな問題があろうかと思います。で、現在のところ、その内容につきまして私ども、焦げつき会社に対しまして特に調査をまだいたしておりませんので、どのような状況になっているか、存じていないわけでございます。
  89. 大森創造

    ○大森創造君 まあお調べ願うということにいたしますが、この江商から美福に出た十八億の金の出資は東京銀行であるが一いいですか、東京銀行なんですよ。これは江商の報告書のどこに載っておるのか、お調べがついておるならひとつお教えいただきたい。
  90. 安井誠

    説明員(安井誠君) 東京銀行からの借り入れ金につきましては、これはたまたま四十年の九月の報告書でございますが、長期借り入れ金というものだけが明細書があがっております。そこに東京銀行から当期残として十一億の残があがっているようでございます。ページにいたしますと三〇ページでございます。
  91. 大森創造

    ○大森創造君 これは、この金の焦げつきぐあいから見て、当然長期借り入れ金の形で処理されなければならないと思うが、それとも、短期借り入れ金のほうに入っているのか、あわせて教えていただきたい。  また、これは蛇足になりますが、一説に、東京銀行は江商に対して相当額の焦げつき債権があると言われているが、東京銀行からの報告書に、そのような報告がなされているかどうか。後日でもけっこうですからお調べ願いたい。どうでしょうか。
  92. 安井誠

    説明員(安井誠君) 有価証券の報告書に記載されておりますことにつきまして御報告申し上げたいと思います。
  93. 大森創造

    ○大森創造君 証券取引法の目的は、いまのような国民経済の適切な運営及び投資者の保護にあります。監督官庁たる大蔵省は、法の趣旨を尊重して、企業経営の内部について鋭く監察し、融通無碍な財務諸表の作成のしかたを積極的に批判して、正確で合理的な企業計算の実現を見るように指導してもらいたい。特に本日の質問内容は、一国有林不正払い下げの疑惑もあるものと関連があると思う。この際、徹底的に江商、東銀に対してお調べ願いたいと思うが、どうですか。
  94. 安井誠

    説明員(安井誠君) 証券取引法の趣旨は、先生指摘のとおりでございまして、私どもとしても、できるだけのことをいたしたいと思います。
  95. 大森創造

    ○大森創造君 私はここで委員長並びに理事、それから委員会の皆さん方にお願いを申し上げますが、私は実際、きょう採決をするそうだが、ほかの大臣もやがてお見えでしょうけれども、この問題が納得しない以上は、これこそ予算そのもの、決算そのものでございますから、このことで徹底しない以上は、私個人はどうしても承認しがたい、この決算書については。予算そのもの、決算そのものですから。そこで、武州鉄道の問題もいまから何年か前に私は取り上げたことがある、決算委員会で。それから東海道線の新幹線の汚職の問題についても中地眞吾——当時の関係者を全部参考人として呼ぶことを依頼したことがある。完全に押えられた、自民党に。名前を言おうか。東海道新幹線の汚職の問題については、中地眞吾君アメリカに飛んでいっちゃった。中地眞吾君と、それから三和銀行の頭取と関係者を私は呼ぶことを要求して、これはとうとう押えつけられた。前尾幹事長だ、当時の。それから自民党の理事諸君だ。そういうことでは決算委員会の意義がない。だから、ここでお願い申し上げますが、私と田中長官や、それからその他の方々との問答は、これは徹底できない、あなた方はワクを出ないのだから。これは何回もお聞きしますが、不正入学ですからね。しかし、不正入学は表から見ると、やはり八十点取っていることになる。点数は八十点になっている。しかし、実際は四十五点なんですからね。ここのところが大事なんですよ。四十五点の証拠は、大体物証がなければこれは論証できないが、決算委員会できわめなければきわめるところありませんよ、これは。だから、どうぞひとつ委員長理事、それから委員の皆さん方に、超党的に参考人を呼び出すことをお願い申し上げます。これはそうでないというと、どうも八百長の疑いがあると言われますからね、参議院の決算委員会は。絶対に呼んでほしいと思う。そうして私は自民党に申し上げるが、松村謙三氏は、自民党は二つに割ったほうがいいなんということをおっしゃっておりますけれども政府を持っているだけに、私は、社会党と違ってなかなか御苦労な点もよくわかりますよ。だけれども、きたないところは切って捨てなければいけない。これはそうでなければ自民党だめですよ。東京都の汚職だって、わずかな金でもって、参議院も二名も落選しているし、それから都会議員候補も社会党に第一党をとられちゃったのだから、公明党もぐんぐん伸びてきたから。だから、いまの自民党としては断然きたない部分を取って捨てると。政府をやっている御苦労はわかります。それから、長官、私はいまの自民党のそのお偉い方々の筋で、この私の質問について、この間の原潜寄港以上、ある意味ではILOの国内法の問題よりもこれは関心を持っておりますよ。私もそれをひしひしと感ずる。だけれども、こういう問題を厳正にがっちりやらなければ、決算委員会の意味がない。これはやってほしいと思う。私の一方的な説明であって言いがかりだという偉い方がおりますが、言いがかりかどうか、本決算委員会で参考人を呼ぶことをあくまでも主張して、本日のところはこれで終わりますが、この次の委員会にも、またこの続編をいたします。終わります。
  96. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔午後三時五十一分速記中止〕   〔午後四時十一分速記開始〕
  97. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十八年度決算外三件を議題といたし、審査を行ないます。——別に御発言がなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  なお、昭和三十八年度決算についての本委員会の議決の内容の案文につきまして、委員長及び理事打合会におきまして協議いたしました結果を取りまとめましたものは、委員各位のお手元に配付いたしました案どおりでございます。  これより専門員にその案文を朗読させます。
  99. 池田修蔵

    ○専門員(池田修蔵君) ただいまから朗読いたします。二ページの終わりのほうの「本件審査の結果」というところから朗読いたします。  以上朗読を終わります。
  100. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それでは、討論の通告がございますので、これより順次発言を許します。
  101. 相澤重明

    相澤重明君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和三十八年度決算外三件について、審査報告による警告を付したほか、異議ないものとして議決することに賛成するものであります。  まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は三兆二千三百十二億円、歳出の決算額三兆四百四十二億円余であり、特例会計は四十一であり、その決算総額は歳入において五兆三千八百三十三億円余、歳出において四兆七千八百五十八億円余というまことに膨大なものであります。  政府はこれら予算執行にあたり、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いたというのでありますが、会計検査院摘出検査をしただけでも、不当事項は六百十六件、金額にして総額二十三億二千二百万円余となっているのであります。  これら不正、不当事項内容は、第一に、租税収入で徴収決定が漏れていたものが実に四億六千七百万円余、工事や物品購入代金等の積算にあたり処置当を得ないもの、あるいは物件売り渡し代金を低額にしたもの、検収処置不当なもの等により、支払いが過大になったもの等で一億八千八百万円余、保険については、保険金の支払いが適切を欠いたり、保険料等の徴収不足などで、二億一千万円余、補助金で交付額が適正を欠いているもので返納または減額を要するものが実に十一億一千百万円余、職員の不正行為による国損は四千三百万円余、その他三千七百万円余であります。前回、三十七年度決算審査の際も、再びこのようなことのないよう、強い要請、警告をいたしておいたのでありますが、今年もまた、総理府、大蔵省農林省建設省、郵政省、防衛庁、厚生省、労働省、運輸省と各省に及ぶほか、国鉄、電電公社、日本道路公団、首都高速道路公団、帝都高速度交通営団等、政府関係機関及び団体が依然としてあとを断たないのは、まことに遺憾であるとともに、政府に対し再び警告を発するとともに、猛省を促す次第であります。  かかる事態を直視してまいりますと、決算の取り扱いについては、本年初頭において、三十九年度決算検査報告を本会議で質疑を行なったのは、若干の前進であったとはいえ、政府の基本的態度が、白書を国会報告する程度で、国会本会議における議題としての取り扱いを渋ること、そのこと自体が大きな原因であると同時に、われわれ議会側も、国民の血税がいかに正しく効果的に使用されておるかという立場に立って、あるいは国有財産管理処分について、また、補助金等についても、徹底的に討議できなかった点を反省しなければならないと思うのであります。  第二は、綱紀粛正についてであります。高級公務員の地位を利用して官舎の居すわりや、不当に安く払い下げをしている白ネズミ族、また、競輪、競馬や酒色におぼれてつまみ食いする公務員の綱紀の紊乱は、いかに理由をつけられてもこれを容認するわけにはいかないのであります。中には、国会で取り上げられたのが不運であり、見つからなければよい、日常茶飯事のごとく考えている不逞のやからをなくさなければなりません。内閣総理大臣をはじめ、各省庁責任者はえりを正して相互監視、監査等、内部検査を充実して、これら不心得者の出ないよう努力されんことを望むものであります。  以上のごとく、決算検査の結果は国民に正しく報告するとともに、政府は、決算の結果は次年度予算編成の上に大きく寄与するよう努力されることを要望し、賛成の討論を終わるものであります。
  102. 仲原善一

    ○仲原善一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和三十八年度決算につきましては、お手元の委員長及び理事打合会決定の議決案に賛成いたします。  昭和三十八年度決算の審査にあたりましては、前年度決算と同様、会計検査院検査報告中心の審査ということではなく、国会として独自の立場から、国民の道義的な声の反映としての批判を通して、国会が議決した予算及び関係法律が、はたして適正かつ効率的に執行されているかどうかという点を主眼といたしまして、さらに必要ならば政策の批判に及ぼうという大きな心がまえで審査を行なった次第でございます。  その結果、政府に対し、将来の財政運営上改善を望みたい事項は、議決案列記のとおりでありますが、この際、特に次の点を申し添えたいと存じます。  まず、書省庁において、不当事項、不正行為が、その件数においても、金額においても、旧態依然たるものがあるのは、はなはだ遺憾であります。これは、当該責任ある公務員の綱紀の厳正が十分に保たれていないということに基づくものであります。これは毎年繰り返し声を大にして申していることでありますが、この不正、不当事項は、何としても取り除かなければなりません。ことに、この三十八年度決算審査の過程にあらわれた綱紀粛正の問題を顧みますと、高級公務員に関するものが認められたのであります。綱紀を引き締めようとするならば、まず、政府の高級者が率先範をたれなければなりません。上級者は国民に対し、公平無私、常に正道を踏むの気慨を持することに特段の努力を傾け、公務員が全体の奉仕者として国民の信を失うことのないよう、一そうの御自重を要望する次第であります。  次に、国有財産管理処分の適正化につきましては、三十八年度決算審議の過程において、最も多く取り上げられた問題であります。国有財産は国民資産だとも言われております。つまり、国民全体のものとして取り扱われるべき国有財産が、一部の者の利益に奉仕するために管理処分されているのではないかとの疑惑を国民に与えることは、やがては政治全般に対する国民の不信感を招くに至るのであります。したがって、政府は、いやしくも疑惑が生じた場合には、まずもって、これが単なる疑惑にすぎないか、それとも事実であるかを明らかにするとともに、疑惑である場合には、そのことを国民の前に解明して、国民の誤解をぬぐい去るべきであります。万一、不幸にして、事実である場合には、ためらうことなく、事件発生の根本原因にさかのぼって追及し、もって禍根を取り除くために、格段の努力を傾けていただきたいと存ずるのでございます。  以上をもちまして、私の討論を終わります。
  103. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計歳入歳出決境外三件を承認できないことを表明するものであります。  ただ、この際特に申し述べたいことは、先ほど朗読されました本件審査の結果に関する案文は、今後の予算執行及び国有財産管理処分にあたって、政府みずからの姿勢を正しくするためには、まことに重要であり、まさしく国民大衆の政府に対する警告であります。したがって、それに異議を抱き、あるいは反対いたそうとするものでないことを明らかにしておきます。  不承認の意思は、前記決算審査報告案文の「(二)前記決算については右の警告を与えることとしたほか、異議がない。」という字句に対するものであります。  以下、先ほどの本委員会の警告案文と重複することを避けながら、若干の点につき、承認できない理由を申し述べます。  第一点は、この決算が国会提出されますまでの経緯について疑点が残るからであります。御承知のように、憲法第九十条におきましては、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会提出しなければならない。会計検査院組織及び権限は、法律でこれを定める。」と規定しているのであります。そして、会計検査院法第一条には、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する」となっているのであります。このような内閣に対する独立の地位が会計検査院に与えられておりますゆえんは、言うまでもなく、民主主義政治の基本として、会計検査がきわめて重要な機能であり、時の内閣から独立する地位に立たなければ、その機能が十分に発揮できないがゆえであります。ところが、検査報告を見ましても、また、委員会での審議の過程で明らかになった点を見ましても、この院法第一条の精神に雲がかかっているとの印象がぬぐい切れないのであります。三十七年度決算の議了に際しても申し述べたところでありますが、地方財政再建特別措置法に違反する地方公共団体からの寄付採納については、当時、「検査院としても好ましい事態であるとは考えられない」と意思表明をしながら、これを否として、三十八年度決算検査報告に掲記することもなく、内閣の実勢に押し流されて今日に至っているのであります。また、たとえば本委員会国有財産に関する小委員会の審議で明らかになったように時の内閣の周辺にある有力国会議員に関連する国有財産管理措置について、不当な事態を知りながら、これを検査報告に掲記して、国民大衆に国有財産検査の結果を明確にする使命を果たしていないのであります。さらに、政財界の大きな力のもとに、貴重な国民の財産が不法または無法状態に処理されていても、会計検査院はあたかも、われ関せずの態度で看過してきたかの感さえも抱かせるのであります。これも最近の委員会で明らかにしたところでありますが、政治的論議の一つの焦点ともなったような内閣の対外救援事業について、五億余万円という血税が外国に譲与されたにもかかわらず、会計検査院は相手国の受領証を照合することもなく、会計検査を了したとの態度をとっているのであります。これら一連の事態は、会計検査院が院法第一条、すなわち、「内閣に対し独立の地位を有する」を実践しきっていないことを明確に物語るものであります。もちろん、この院法第一条の確固たる実践は、検査官の内閣任命制によっている以上、不可能だとの議論があることも承知しております。しかしながら、法の精神を堅持し民主国家における会計検査機能の重要性に対する自覚と責任感は、今日最も強く要請されるのであります。  昭和三十八年度決算について、会計検査院当局が検査をしたとしましても、それは国民に直結する真の検査とは言い切れないのであります。よって憲法及び法律の定めるところによる検査を十分に実施しないで提出された本決算の内容を承認できないのであります。  第二点は、本決算は、国立高専用地の地方公共団体の寄付採納という違法な措置や、国民大衆に対する税外負担という租税法定主義の憲法の原則を破綻におとしいれた決算と言わなければならないのであります。  たとえば、今日ほとんどの全国のPTAは、義務教育諸学校または公立高等学校の文教施設や設備整備費の調達機関と化し、父兄という名において国民は、税金のほかに、法律に基づかないで金銭負担をさせられているのであり、地方財政の窮迫とともに、その傾向はますます大きくなっているのであります。PTAの名のもとに、施設整備のため、市中金融機関から数千万円の貸し出しを求め、それを各年次の入学寄付金あるいは毎月の施設協力費の名目で分割返済していることは、すでに周知の事実であり、国民の深く疑惑としているところであります。この税外負担あるいはその原因となる地方公共団体の超過負担については、三十七年決算の議了についても指摘したところでありますが、本決算において再び指摘せざるを得ないことは、政治の根本的態度について理解に苦しむところであり、政府の善処を強く求めるものであります。われわれは、昭和三十八年度当初予算の反対討論にあたり、政府の高度成長政策に対する疑点、ひいては、その予算案が国民の生活を圧迫するものとして、物価対策、地価抑制対策、さらに、義務教育費の父兄負担軽減をあげて、政府の反省を求めたのでありますが、本決算は全くその誤りをおかしたままとなっているのであります。これすなわち、承認できない第二の理由であります。  第三点は、内閣の国会に決算を提出する趣旨についての疑義であります。御承知のように、三十九年度決算は、両院の本会議で内閣から概要説明を聞き、代表質問をするという新しい例を開いたのでありますが、内閣の決算提出の趣旨は、相変わらずあいまいもことしているのであります。本日ただいまの決算議決の取り運びも、委員長から御提案されて、賛否の意思が問われておりますのは、昭和三十八年度決算そのものではなく、審査報告書案に対してであります。それが決算取り扱いの慣例とは申せ、はなはだ不本意なものが残るのであります。決算審議の過程を通じて、財政運営の姿勢を正し、その効率的運営の指針とすることが最も望ましいわけであり、決算提出の趣旨を明確にし、その方式も改正すべきであります。したがって、ここに従来の慣例どおり、おざなりの報告扱いの提出方式をとっている三十八年度決算につきまして、承認しがたいのであります。  以上、会計検査院及び政府の格段の配慮を強く要望して、不承認の討論といたします。
  104. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私は、民社党を代表し、本決算について、次の警告をし賛成するものであります。  政府の国債発行によるわが国の財政運営の画期的展開は、経済行政全般に及ぼす財政政策の比重は一段と大きいものがあると考えます。反面また、政府が今日までとった所得倍増計画は、膨大な倒産とひずみが生し、不況の襲来となり、したがって、今日の財政に内包する重大な諸問題は見のがすわけにはいかない段階に至っていると考えます。たとえば、依然として大きな浪費予算の不当支出等が繰り返されているのであります。これは検査院指摘をまつまでもないのでありますが、また一方、地方財政は四兆億をこし、地方債、交付税の増額と臨時地方特例交付金等によって当面の糊塗的施策を行なってよしとしておりますが、まさに瀕死の重症であります。国と地方の財政の今日の実情に照らして、国会は憲法による財政の監督の重責あることを理解して、この際、その欠陥を追及するとともに、対策を樹立し、真に健全財政を打ち立てていくことが、政府としての緊急要務かと考えます。私は、これら諸目的達成のために、国会政府が特に厳粛に政治、行政、財政の姿勢を正すことを強調しておきたいと思うのであります。  以上です。
  105. 岩間正男

    岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっている昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算外三件の承認に反対するものであります。以下簡単にその理由を述べます。  まず第一に、本決算は、自民党池田内閣のいわゆる所得倍増政策第三年目の予算執行のまぎれもない足跡であり、その正体を示しています。昭和三十八年度予算提出にあたって池田総理は、日本は自由主義陣営の三本柱の一つにならねばならぬと力説し、大国主義をあおり立てるとともに、海外進出の意図を明らかにし、あわせて人つくりを強調しました。当時、高度経済成長政策は、その行き詰まりから、ようやく国民の前に馬脚をあらわし、過剰生産恐慌は深刻となり、物価はウナギ登りになりました。また、国際的には、主要資本主義諸国の経済発展の停滞から、市場争奪が激しくなり、貿易為替の自由化や関税の一括引き下げを行ないました。政府はこの自由化をてことし、日本商品に対する差別撤廃を要求して海外進出をはかったが、進出どころか、反対に、国内市場がアメリカやEECの進出に脅かされ、重要産業や農業の合理化、体質改善を急速に強行せざるを得ない結果となりました。こうして自民党池田内閣第三年目の経済政策は、対米従属のもとで独占本位の資本蓄積、集中強化を断行し、帝国主義、軍国主義的復活をはかるとともに、その一切のしわを国民に押しつけ、ウナギ登りの高物価、重税低賃金、首切り、合理化、弾圧と収奪体制を強化しました。そうして、これはまた、アメリカの中国封じ込め政策に従い、アジアにおける反共軍事同盟の重要な一翼をになうとともに、日韓会談を推進し、アメリカのベトナム侵略戦争準備に一役を買うための経済的、物質的基礎でもあったのであります。現に、三十八年二月には、アメリカの国防次官ギルバトリックが日本に来て、一、日本をアメリカの核のかさに入れること、二、安保条約を長期固定化すること、三、日米共同作戦を具体化すること、四、近く予想される中国の核実験に対応して、日本の防衛体制を強化すること、五、そのための三次防の経費を国民総所得の二%にすること等を押しつけたと言われております。こうして自民党池田内閣は、アメリカの新たなる核戦略構想に、日本の国土と国民をあげて編入する新たなる体制に突入する、そのための国内の戦争協力体制を再編強化することが重要な課題であったのであります。三十八年度予算は、まさにこのような中心目的を遂行するために運用されたのであります。現に、三十八年六月には、日米共同作戦を根幹とする三矢計画がつくられ、また、同年度には二次防第二年度として、ナイキ、ホーク大隊の設置をはじめとする自衛隊の装備強化、防衛費の増加が行なわれ、今日の三次防計画に引き継がれているのであります。  本委員会における一カ年にわたる連日の審議が、むろんこの観点からだけ運用されたとは言いません。しかし、それらの片りんが至るところにつめあとを残しているのであります。たとえば税収奪の問題があります。政府は、大衆収奪のための徴税機構をファッショ的に強化し、水増し更正決定を押しつけ、とことんまで国民をしぼり取りました。ところが、その反面、大資本に対しては、数々の租税特別措置や、利子配当所得の優遇強化の方法などで、大幅に減免税を行ない、また、なれあいで大口の脱税を見のがしています。指摘事項の中には、申告所得の徴税不足として三百七十七件、二億二百三十四万円が指摘されています。ところが、昨年の本委員会の追及でも明らかなように、森脇事件の脱税額は、多年にわたり百億とも八十億とも言われています。政府はいすだにその脱税額を明示していませんが、明らかにそれを指摘し得なかった背後には、自民党、政界と高利貸しとのなれあいや、醜悪な取引関係が伏在していることは、いまや公然の秘密であります。しかも、政府は、一方ではこのような大がかりな脱税はのがしておきながら、中小零細企業に対しては、自主申告をすら常に無視して、有無を言わさず、更正決定を強行しているのであります。かかる措置がはたして許されるであろうか。  また、本委員会の審議では、国有財産の食いつぶしや不正運営が精力的に取り上げられました。その背後には、いつも政界のボスや顔役がからんでいます。甘い利権に群がる醜悪な顔々、その様相はまさに亡国のきざしと言わなければなりません。国庫補助金委託費の乱脈な運用がまた数限りなく指摘されました。国民の利益どころか、なけなしの生活保護費や厚生福祉費、労働保護費の中にさえひそむ不正の数々、しかも、これらの指摘は九牛の一毛にしかすぎず、大口は常に見のがされて、小口だけが摘発されているにすぎないのであります。  時間の関係から、私はその詳細を指摘することはやめますが、それなら、これら不正腐敗汚職の根源はそもそも何であるかという問題です。結論的に言って、私は、その根源を、安保体制下の自民党政府の政策そのものにあることを断ぜざるを得ません。アメリカナイズされた対米従属の半植民地的支配の体制が根源であります。政府みずからの政策が過酷な徴税、大衆収奪によって得た血税を、公共投資や財政投融資の名で、アメリカの戦争協力と独占擁護に奉仕し、独占との腐れ縁をますます深めています。この腐れ縁を断ち切り、その資金を国民の生活擁護、厚生福祉、社会保障、教育文化向上のため使わない限り、不正腐敗のあとを断つことはできません。いわば汚職は、安保体制下の不正不義の半植民地的経済に咲いた悪の花であります。幾ら政府が声を大にして綱紀粛正を唱えても、この大もとを変革しない限り、汚職はやまない。みずからのよこしまを棚上げにしておいて、他を顧みてものを言うのは、まさに天につばするのたぐいであります。  最後に私の指摘したいことは、会計検査院機構、運営の問題であります。決算報告書には、防衛費、対外援助費、警察費、内閣広報室、公安調査庁に対する指摘はほとんどないかあってもきわめて微弱です。公安調査庁の調査費のごときは、全くの秘密で、会計検査の立ち入りを許さないのが現状である。検査はまことにずさんをきわめていると言わねばなりません。これは一体何を意味するでしょうか。これらの官庁機構は権力の直属機関であります。権力によって任命された会計検査官が、権力機構や弾圧機構に対して全く弱く、その機能をすら十分に発揮できない現状であります。むろん、会計検査院そのものの機構の脆弱さ、人員の不足等にも問題はありましょうが、問題はより以上にその性格にあります。会計検査院を名実ともに強化して、真に人民の利益に奉仕させるため、いかなる権力の支配からも独立した存在たらしめることを私は強く要求するものであります。  最後に、最近の本決算委員会の運営が単なる事務的審議にとどまらず、漸次政策審議の場に高められつつある現状に心から賛意を表して、私の反対討論を終わります。
  106. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 以上をもって討論通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決を行ないます。  まず、昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十八年度政府関係機関決算書を問題に供します。本件につき、お手元に配付しました案のとおりに議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  108. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 多数と認めます。よって昭和三十八年度決算は、多数をもって配付案のとおり議決されました。  次に、昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書を問題に供します。以上三件につきましては、いずれも異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  109. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 多数と認めます。よって昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書外二件は、多数をもって異議がないと議決されました。  なお、ただいま議決されました案件の、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書内容等につきましては、本委員会の議決内容によりこれを作成することにいたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、政府から発言を求められております。これを許します。福田大蔵大臣。
  111. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御決議の点は十分尊重いたしまして、各省各庁と十分連絡をいたし、その趣旨の徹底をはかりまして、遺憾なきを期したい所存でございます。
  112. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 鈴木厚生大臣。
  113. 鈴木善幸

    ○国務大臣(鈴木善幸君) 献血対策については、一昨年八月閣議決定してから、厚生省としても鋭意努力をしてまいりました。最近においては、漸次献血量も上昇してきておりますが、なお不十分でありますので、今後とも献血推進対策を強力に実施してまいりたいと存じます。  医薬品等の安全性対策につきましては、今後とも製造許可の体制を充実強化するとともに、品質管理等についても、特段の配意を加え、医薬品等の副作用についても、情報収集体制を早急に確立する等の措置を講じて、安全性の確保に最善の努力をいたしたいと存じます。
  114. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 坂田農林大臣。
  115. 坂田英一

    ○国務大臣(坂田英一君) ただいま承りました決議の諸事項につきましては、政府といたしましても、十分にその御趣旨を体して善処する所存でございます。
  116. 鶴園哲夫

  117. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) ただいまの御趣旨を体して、今後とも善処いたす所存でございます。
  118. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 中村運輸大臣。
  119. 中村寅太

    ○国務大臣(中村寅太君) ただいまの本委員会の決議の趣旨に対しましては、十分尊重いたしまして、運輸行政における最善を期してまいりたい所存でございます。
  120. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 郡郵政大臣。
  121. 郡祐一

    ○国務大臣(郡祐一君) 部内職員の不正行為につきまして、なおあとを断ちませんことは、はなはだ遺憾に存じます。挙省一致、業務運営の上におきましても、監察活動の面においても、犯罪防止に全力をあげており、漸次効果をあげておりまするが、なお、長期高額の犯罪も発覚いたしておりまするので、自粛自戒、その絶滅をはかるために懸命の努力をいたす所存でございます。
  122. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 小平労働大臣。
  123. 小平久雄

    ○国務大臣(小平久雄君) ただいま御指摘のございました問題点につきましては、今後とも一そう注意を払い、万遺憾なきを期してまいる所存でございます。
  124. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 瀬戸山建設大臣。
  125. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) 当委員会の審査中に、いろいろ御指摘御注意ありましたことを、今後十分注意をいたしたいと思います。  なお、本日御決議になりました中で、公営住宅の地方移管の問題、あるいは河川敷の公共的使用の問題等、御指摘がございましたが、全力をあげたいと心得ます。
  126. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 永山自治大臣。
  127. 永山忠則

    ○国務大臣(永山忠則君) ただいま御指摘をいただきました地方公共団体の超過負担の現状等につきましては、御趣旨に沿いまして、今後ともさらに善処をいたしたいと存じます。
  128. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 松野防衛庁長官。
  129. 松野頼三

    ○国務大臣(松野頼三君) 御指摘を受けました点は、まことに遺憾に存じます。今後格段の努力をして、十分御趣旨に沿うようにいたします。
  130. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会