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1966-04-04 第51回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月四日(月曜日)    午前十時二十五分開会     —————————————    委員異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      岩間 正男君     春日 正一君  三月三十日     辞任         補欠選任      中津井 真君     山本茂一郎君      大森 創造君     林  虎雄君      石本  茂君     山高しげり君  三月三十一日     辞任         補欠選任      林  虎雄君     大森 創造君      春日 正一君     岩間 正男君  四月二日     辞任         補欠選任      塩見 俊二君     古池 信三君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 道子君     理 事                 仲原 善一君                 相澤 重明君                 二宮 文造君     委 員                 久保 勘一君                 古池 信三君                 山本茂一郎君                 大森 創造君                 佐野 芳雄君                 柴谷  要君                 竹田 現照君                 中村 波男君                 高山 恒雄君                 岩間 正男君                 山高しげり君    国務大臣        国 務 大 臣  安井  謙君    政府委員        人事院総裁    佐藤 達夫君        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        行政管理庁行政        監察局長     稲木  進君        法務省刑事局長  津田  實君        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵大臣官房会        計課長      瀬戸山孝一君        大蔵省主計局次        長        鳩山威一郎君        大蔵省主計局次        長        武藤謙二郎君        大蔵省銀行局長  佐竹  浩君        厚生省保険局長  熊崎 正夫君        社会保険庁医療        保険部長     加藤 威二君        農林省農林経済        局長       森本  修君        農林省農政局長  和田 正明君        農林省農地局長  大和田啓気君        農林省園芸局長  小林 誠一君        通商産業省企業        局長       島田 喜仁君        通商産業省重工        業局長      川出 千速君        中小企業庁長官  山本 重信君        労働政務次官   天野 光晴君        労働大臣官房長  辻  英雄君        労働省労働基準        局長       村上 茂利君        建設省計画局長  志村 清一君        自治省行政局長  佐久間 彊君        自治省財政局長  柴田  護君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵省主計局給        与課長      辻  敬一君        国税庁次長    中嶋 晴雄君        農林省畜産局参        事官       太田 康二君        水産庁漁港部長  瀬尾 五一君        会計検査院事務        総局次長     宇ノ沢智雄君        会計検査院事務        総局第一局長   斉藤  実君        会計検査院事務        総局第三局長   佐藤 三郎君        会計検査院事務        総局第五局長   保川  遜君    参考人        日本住宅公団総        裁        林  敬三君        日本住宅公団理        事        関盛 吉雄君        国家公務員共済        組合連合会理事        長        今井 一男君     —————————————  本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十八年度特別会計歳入歳出決算昭和三十八年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十八  年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  (第四十八回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第四十八回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  (第四十八回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調  書(第四十八回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————
  2. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  去る三月三十日、中津井真君、石本茂君が委員辞任され、その補欠として山本茂一郎君、山高しげり君が選任されました。  また、四月二日、塩見俊二君が委員辞任され、その補欠として古池信三君が選任されました。     —————————————
  3. 藤原道子

    委員長藤原道子君) この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  昭和三十八年度決算外三件の審査のため、本日の委員会に、国家公務員共済組合連合会関係者出席を求め、国家公務員共済組合連合会運営等に関する件について意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 藤原道子

    委員長藤原道子君) これより昭和三十八年度決算外三件及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書を議題といたし、前回に引き続き、昭和三十八年度決算外三件の総括質疑及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書の質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  7. 大森創造

    大森創造君 まず会計検査院にお尋ねいたします。  予算の第四分科会で、三十日の日でございましたが、私は主として労働省の問題についてお尋ねした。どうも私は労働省答弁が当てにならないのですね、はっきり言って。二割ぐらいほんとうのことを言っているけれども、私の勘からすると八割はうそだと思っている。それで会計検査院——権威のある会計検査院に、ひとつ率直にお尋ねしたい。  で、会計検査院の当日出席された人は、こういうことを答弁している。マル特会計ですね、労働省の。このことに関連して私が質問した際に、外務の基準協会、その他の団体ありますよ、外部外郭団体——私はそのほうから金が出ているのは億単位だと思っている。依然として億単位だと思っている。局長寄付は受け入れてないと言うけれども、来年役所が払うべき金を、外郭団体が私は相当額流していると思っている。その一部を、会計検査院はさすがに正直だから、指摘をされた。備品設備を買っているということですね。これは速記録に書いてあります。基準署基準局などについて、労働基準協会からいろいろな設備備品、こういうものを寄付されたりあるいは金を受け入れて買ったという事実をお認めになっている。マル特会計について、それだけしか御存じございませんか。
  8. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 先般予算分科会お話のありましたマル特会計につきましては、私も当日出席しておりましてお聞きしておりますが、先生お話のような事態については、本院としてはあまり把握いたしておりません。
  9. 大森創造

    大森創造君 会計検査院は、そういうはずはないと思うのだ。それではお尋ねするが、この間答弁をされた限りでも、備品などについて外郭団体労働基準協会から寄付を受けた事実があったので、これは注意をしたということを言うたですね。これはお認めになりますか。
  10. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 先般答弁したとおりでございまして、その事実は認めます。それから、さらに詳しく調べましたところ、三十年、三十一年、三十二年あたりの検査においても、似たような事態がございまして、指摘した事実がわかっております。
  11. 大森創造

    大森創造君 私は人が悪いようだけれども、私が調べた限りでも、マル特会計というのはもうたいへんなものですよ。お教えいたします。まず、この「労働基準」という雑誌ですね。これは前回指摘したとおり、記事の欄が二十八ページで、あとの三十四ページがこれは広告ですよ。一コラム二千円、あるいは一ページ一万円だ。これはほとんどマル特会計に入っている。そこで、基準局長の私に対する答弁は、地方色がないから、これは地方色を出すようにやったという。これはうそですね。この記事を見るというと、地方色なんか全然ないですよ。地方色のあるのは、ただ三十四ページのこの広告の部分だけですな。私の調べたところによるというと、現地の署で、局で、これを破って、うしろを破って、そうして両方に広告欄を取っているんですよ。これが事実だ。これがマル特会計に入っておる。福岡労働基準局では、このほかに福岡労働基準というものを広告に出している。福岡だけでもこの雑誌の収入が約二千万と私は推察される。それから大阪で去年七月か八月にやったはずだ、労働衛生大会なるものを。このときに業者から一人当たり二千五百円取った。会場費やその他のほうの費用もあるかもしれないが、残りの金はマル特会計に入っている。それから三百四、五十の労働基準署ごとに労働災害防止協議会なるものがあって、これはいろんな行事に使っている向きもある、宴会費用などそこから出している、せんべつ費用どもこの中から出している、余りはマル特会計に入っている。それから、全国労働基準署のうちで、多いのは人数が十五、六人いるだろう。少ないところでも五、六人いる。その中で女の子がいるとすると、これはマル特会計から人件費が全部出ている。ほとんど例外なしだ。これは基準局長も、臨時職員がおるということを認めた。だけれども協会仕事をやっているとか、あるいは労働省本来の仕事をやっているとかいって、この点があいまいだ。それから、近く労働省が計画している行事であるけれども労災保険説明会なるものを催している。そこで法律解説書なるものを相当出している。国会によって法律が改正されるたびに、それの解説書労働省の役人が書いて、それを出している。このマージン、これはマル特会計に入っている。で、労災保険説明会には、これは誤りならばあと労働省のほうから説明求めたいが、その解説書は百五十万冊用意しているそうだな。十五万冊の間違いかな。——あとで聞くよ、私が聞かないうちは答えないでくださいよ。これは原価が百五十円か——のはずであって、売り出すのが三百円だ。これは相当な金額になるでしょう。数字の間違いならば。こめんください。四億五千万円、そのうちの半分にしたって、これは相当な金額が入っている。それから前段に戻るけれども、労働災害防止協議会なるものがずっとできていて、これが業種ごとにグループができていて、そっちのほうからも出ているはずだ。そこでその一部を署のほうで備品設備を買ったりあるいは全体のためにレクリエーションをやったりするために使われていることを私は認めるにやぶさかではないけれども、これは労働本省基準局長知ってか知らずか、あるいは会計検査院行管などの月をかすめてそういうことが行なわれている。これが事実。それを扱っているのはどこかといえば、各署の庶務係長庶務課長局長段階で別途の金銭出納帳を持っている。これが事実。そこで会計検査院に聞くが、備品設備寄付されているということを認めたのだ、あなた方は。三十一年、三十二年、三十三年とそういう事実があった。どこにあったか、そういうことが。それから基準局長——ほかのことは答弁する必要はない、あとから聞くから。あなた自身も、初めは外部団体からは寄付は受け入れないと言ったけれども寄付は受け入れているのだ、現実にこれほど。そして臨時職員、本来国のほうで負担すべき臨時職員というものが、現実に私の計算では二百人いるのだ。こういう事実をわからない行管てあるものか。こういう事実をわからない会計検査院は私は考えられない。全部知ってんだね。会計検査院は知っているのに隠しているのと違うか。お答えいただきたい。
  12. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) いまお話のありましたようなマル特会計の巨額の部外資金の運用という問題については、私のほうといたしましては、正直申し上げまして把握いたしておりません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、固定資産無償貸し付けを受けたりあるいは物品無償供与を受けたりいたしております事実は、これは把握いたしております。しかし、それがマル特会計関係があるかどうかにつきましては、私のほうといたしましてはまだわかりません。それから、いま御質問のありました具体的な事例でございますが、これは、三十一年におきましては、大阪局建物十二坪を無償提供受けている。それから青森岩手局部外物品がございました。それから、局が自動車の車庫の寄付を受けている。それから三十二年に参りますと、愛知労働基準局建物を五坪ばかりやはり無償貸し付けを受けております。それから北海道の管内の局署におきまして、物品無償貸し付けを受けております。それから千葉監督署におきましても、同様な事態がございました。ごく最近では、渋谷労働基準監督署物品の四、五十万の無償貸し付けがありまして、これは先般予算分科会で申し上げたとおりでございます。そのような状況でございます。
  13. 大森創造

    大森創造君 私がお聞きすると、だんだん出てくるな。いま言うただけでも、あなたは小さい声で言っているけれども全国にわたっている。北海道渋谷千葉青森岩手全国だね。福岡申すに及ばず、全国ですね。あなた知っているのですよ。会計検査院は私以上に知っているはずですよ、一千何百人の人をかかえてこういうことをやっている。なぜ言わない。この前の委員会で、決算委員会ではないけれど、きょうは決算委員会ですからね。予算委員会と違いますからね、きょうは。予算委員会でなぜあの程度のことしか言わない。きょうになったならばずらずら出てきたじゃないですか、私の知らない事実が。北海道物品愛知局舎を受け入れた、渋谷じゃどうだ、あそこはどうだ。だから私が思うのに、私のほうで小声で言うたならば、しかも時間でも制限されたならば、このまま黙って済まそうという量見だろう、会計検査院は。一番権威のあるべき会計検査院がそういう態度では、決算委員会意味がない。しかも、私の調べたところによるというと、二百人か百五十人か、そこらのところはわからないが、数字は多少違いがあるが、本来国で持つべき臨時職員給与が、旅費超過勤務手当ども外郭団体から出て、それでいいと思うか。それではほんとの基準行政なんかできるはずがない。これはもう少し出してみろ、もっとあるはずだ。これを資料にして出していただきたいと思う。それから、労働者には頼まない、会計検査院のほうを信頼しているから。まだ会計検査院のほうがたよりがあると思っているから。会計検査院のほうで全国マル特会計を書いて出せよ、全部、洗いざらい。しかし、そういうマル特会計から流用することがいいという理論的根拠があるなら、示していただきたいと思う。なぜ小出しに出すのか。だんだん出してくるという態度は、私は虫が好かない。予算委員会なんかでインフレ問答なんかしたって、みんなすれ違いだ。しかし、決算の場はだめだ。行き違いなしだ。私の言うてることが間違いか、あんたや労働省の言うてることが間違いか、これは二者択一ですよ。会計検査院というものはなれ合ってはいけない。私の推測では、会計検査院マル特会計ごちそうを受けてるんだろう、贈りものでももらってるんだろう、そうとしか私は推察できない。それに違いないと思うんだ。行管もそうだ。担当省会計検査院なれ合いをしてるんじゃないか。そこで私はお聞きしたい。会計検査院が行くというと、ちゃんと寄付された物品は隠すことになってるんだろ、労働省は、局は。もうここらで勇断をもって労働省の改革のためにやってほしいと思う。どうだ、いまの段階でも全部知ってるんだろう。私の出方いかんによっては、時間切れになるから、そのまま伏せておくんだろう。あるならばいますぐ出してもらいたい。いま言うただけだって、この間の予算委員会から見るというと、もうあの何倍かの証拠をあんたのほうではつかんでるんではないか。全部わかってるはずですよ。ただ会計検査院が、会計検査院権威に隠れてマル特会計ごちそうになってるんだろう、いかがですか。
  14. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) まず資料小出し云々という問題で、ございますが、これは決してそういうつもりではございませんで、先般予算委員会分科会で申し上げた際は、何分早急のことでございましたので、ごく最近の記憶だけをたよりに申し上げた次第でございまして、帰りましてさっそく古い文献をも、申報書等も調べまして、調べました結果こういう事実がわかりましたので、本日ここで御質問に応じて申し上げた次第でございます。  それから、これ以上にあるかないかという問題でございますが、もうこれ以上は私のほうはございませんので、洗いざらい申し上げておる次第でございます。  それからもう一つ、労働省側なれ合い検査をしてるのではないかというようなお話でございますが、私ども公務員といたしまして、その責任は十分存じておる次第でございまして、そういうようなことは絶対ございません。それから今後の検査にあたりましても、そういうような趣旨がありましたあれもありますので、この昭和四十年度の決算検査におきましては、その点を特に重視いたしまして、従来ともそういう点は、過去にそういった事例がございますので、気をつけてはおりましたのでございますけれども、今後検査におきましては、特に注意いたしまして検査していきたいと、こういうふうに存じておる次第でございます。
  15. 柴谷要

    柴谷要君 関連して。局長いまたいへん明確に答えられたのですが、絶対ないと。絶対なんということばは使えるはずはないですよ。あなたが絶対と言うなら、私も言いたくないのだけれども資料を持っている。持っているけれども、これは大森委員質問された趣旨と少し違った見解を持っているから、これは質問しないのだけれども、絶対なんて言い切れる筋合いのものではありませんよ。それで、要求されておりますから、全国のやつを詳細に調べて資料として出してやってください。それはあなたはきれいごとを言うようだけれども、まだ会計検査院としては絶対なんというきれいなことは言えませんよ。いいですか、その点。あなた言い直すならいまのうちですよ。
  16. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) いま先生のおっしゃいました絶対という意味は、こういった事実が絶対ないというふうにおとりになられたわけでございますか。——その点は、いままでわかっておりますのはこれだけでございますとこう申し上げておるのでございまして、今後の検査ではどういう事態が出ますか、そういうことでございます。
  17. 大森創造

    大森創造君 絶対かどうか知らないが、私にうそをついたら承知しないぞ。ここまでになったからには、全国マル特会計なるものを徹底的に洗って持ってこい。このことの約束ができるかできないか、答弁
  18. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 私どもとしては全力を尽くして御趣旨に沿うような線で検査をしていきたい、こういうように存じております。
  19. 大森創造

    大森創造君 なぜこの前の予算の第四分科会で、それだけの事実があるのに、部品の一部を寄付されて注意したという一言しか言わないのか。どういう事情だ。こっちの出方いかんによっては時間切れをねらってそのまま済まそうという量見か、答弁
  20. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 先ほども御説明申し上げましたように、予算委員会での席上におきましては、早急なあれでございましたので、記憶にございますごく最近の具体的な例で申し上げますと、渋谷労働基準監督署ですか、この例を頭にありましたので申し上げたのでございまして、決して小出しに申し上げるというようなことは絶対いたすつもりはございませんし、またそういう事実はございません。この点はひとつ御理解いただきたいと思います。
  21. 大森創造

    大森創造君 大阪安全衛生大会で、業者から二千五百円ずつ取って、会場費その他の運営費を除いてはマル特会計に入っておる。こういうことでいいと思うか。これは昨年のことだ。毎年やっている。
  22. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) この労働衛生安全大会ですか、これがどういう性格なものか存じませんけれども、これが官の主催したものであるとしますと、そういう部外者の金でこういうことをやるということは、これはよろしくないと、もちろんそう考えております。
  23. 大森創造

    大森創造君 よろしくないとすれば、どうする。どういう性質のものか、これは。
  24. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) もちろん、こういうものにつきましては、それぞれ予算、それに該当する旅費予算があるはずでございますから、それからまかなうのが当然でございます。
  25. 大森創造

    大森創造君 それはそのとおりだろうと思うが、実際に寄付を取ってそれで全部まかなったとすれば、どうなんだ、行政のあり方として。会計検査院の措置として。
  26. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) こういった好ましくない事態が事実発生しておるといたしますれば、私どもとしては問題とせざるを得ないことと存じております。
  27. 大森創造

    大森創造君 問題とするというのは、どういうふうに問題にするか。
  28. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) いわゆる本院の不当事項としてあげざるを得ないかと思うのであります。
  29. 大森創造

    大森創造君 それではもう一つ聞くが、同じく大阪でこういう事実を知っているかな。年末手当プラスアルファに相当するものを三百人の職員が約一万円ずつもらっているという事実を知っているか。
  30. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 私は存じておりませんでした。
  31. 大森創造

    大森創造君 よっぽど私はこれは間抜けだろうと思う。年末手当に相当するような金額を三百万円支出して、一人平均一万円と聞いている。そこで、それがなぜ問題になったかといえば、いいかね会計検査院全国労働組合大会があって、同じ労働省職員でありながら、片方は一万円もらって、おれたちはもらわないということが全国大会議題になった。これほど明々白々たる事実を会計検査院が知らないとはどういうわけだ。給与の一部に相当するものを大阪では出している。この事実を知らないか、お答えいただきたい。
  32. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) そういう事実があったかどうか存じておりませんことは、これは先ほどから申し上げますように、わかっておりませんでしたので、そのとおり申し上げるよりどうもいたし方ないと思います。
  33. 大森創造

    大森創造君 これは昨年からなくなったことになっている。なぜなくなったことになったかといえば、いま申し上げたとおり、組合全国大会があって、北海道職員や四国の職員や東京の職員から、大阪はいいなあ、一万円よけいにもらえて、こういうことで、これは労働組合との間で自覚が出てきて、こういうことをやめるようになったと聞いている。それまでの間は歴年やっていたのだぞ、これは、大阪では。こういうことを知らない会計検査院というのは、どういうものだか私わからぬ。それからもう一つ、そのことについて、それが事実とすれば、どういうことになると思う。会計検査院行管の人がいたら、両方お答えいただきたい。総理府長官がいたら、お答えいただきたい。
  34. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 手当がどういうかっこうで出ましたか、そこら辺の事実関係は、一応私のほうでわかりませんので、仮定の問題として申し上げますが、手当がいわゆる官の手当の一部として出されたようなことでございますれば、これは、はなはだまずいことをやってくれた、こういうふうに感じます。したがって、そういうことになりますれば、やはり不当事項の問題になると、こういうふうに考えております。
  35. 大森創造

    大森創造君 だいぶ不当事項労働省だけでも抜けているな、重大な問題が。当たりさわりのないやつだけ出しているのじゃないか、不当事項として。ここらあたりまでのところは不当事項として出して、ほんとうにまずいところは国会で指摘でもされない限り出さないというのがあなた方の方針と違うか、お答えいただきたい。
  36. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 私のほうは絶対そういうふうな心がけで検査報告を出しておりません。不当なものはあくまでも不当事項として出しているつもりでございます。
  37. 大森創造

    大森創造君 それでは、このことはどう思う。総理府長官来ておりますか、お答えいただきたいと思うのだが、このことはどう思う。全国の二百五十か幾つか知らぬが、支署、労働基準署、その中で少ないところは五人ぐらい、多いところは十八人ぐらいいるらしいが、さっき言ったように、女の子がいるとすれば、例外なしにこれは寄付によってまかなわれている。本来国がまかなうべき人件費というものを、外部団体からまかなわれている。この事実はわかっているのかいないのか、会計検査院行政管理庁。
  38. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 手当の問題につきましては、先般から申し上げておりますように、私どもとして事実を承知いたしておりません。
  39. 大森創造

    大森創造君 いいですか、これは委員長やほかの方にもお聞きいただきたいと思うのだけれども、これは国の予算につながる問題ですよ。この前基準局長は、労働基準協会なるもの、あるいは災害防止協議会なるもの、そういう外部団体のことについては調査ができないとはいうけれども労働基準協会というものは、労働省自体が災害の安全や衛生や深夜営業や、そういうものを取り締まるべき対象の事業所から会費を集めているのだぞ。そうして、もちろんその基準協会自体ではいろいろな仕事はあるでしょう。だけれども、月額幾らとか、あるいは年額幾らとかいうて、基準署あるいは局のほうに金が出ているのですよ。その金でもって備品設備を買ったり、臨時職員を二百人も雇ったりしているのですよ。これは国の予算にかかわる部分ですよ。そうでしょう。外部団体だからわれわれと関係ないとは言わせませんぜ。この三十四ページの広告を取る福岡労働基準局というもの、それからその他のもろもろの雑誌広告解説書、こういうものは、全部本来国がまかなうべき予算をそういうものによってまかなっているということになれば、これは関係なしとは済まされない。決算の立場から、私はマル特会計全部をひとつ洗ってもらいたい。と同時に、労働省に、基準協会とこれほど密接不可分の関係にあるから、癒着関係にあるから、まともな基準行政できるはずはないから、基準行政は半年や三カ月ストップしてもよろしいから、いままででもそれほど仕事やってないから、だからこういうものの事業計画も全部私のもとへ出してほしいと思う。会計検査院いかがですか、労働大臣いかがですか。
  40. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) マル特会計の問題につきましては、先ほど来申し上げましておりますように、今後の検査におきまして徹底的に検査をいたしまして、その結果についてはまた御報告いたしたいと存じます。
  41. 大森創造

    大森創造君 このマル特会計の中で、災害防止対策協議会なるものがあるのです。基準協会とは別だよ。その中で、いろいろな懇談会の費用を出している。それから肝心なのは、通信費を出しておりますよ。ここからほとんど通信費を。それから電話を出させていますよ。たとえば署のうちで三本電話があったら、そのうち一本は寄付と思って差しつかえない。私の調べた限りでも、二本あったら一本寄付臨時職員がどっちの仕事をやっているのかわからない。基準協会仕事をやっているのだか、あるいは署の仕事をやっているのだか、わからない。これは二百人いるのですよ。電話は三本のうち一本、二本のうち一本寄付させている。おぶさってて何が基準行政なんかできるものか。刑事局長来ていますか、きょう呼んだはずです。刑事局長会計検査院、冗談じゃないですよ。第五十三海洋丸なんか、帰ってきたから、これはいいのです。私が問題にするのは、国会だけすり抜ければいいのだという精神が好かぬ。しかも、これは労働省のみではないですよ。いまの日本の官僚機構全体に通ずる問題だから、私はこういう大きい口を言っているのだ。労働省ばかりではないのです。そこで、前段労働大臣は正直だから、どうも大森委員の話を聞いていると刑事事件になるかもしれない、そのときには断固処分するということを言った。あとから刑事局長に来てもらいたいと思う。私が指摘した問題についても、刑事事件になるはずだ。だから、労働省にこの際申し上げて、一カ月か二カ月ストップになってもよろしいから、基準行政などは。これから立て直していくべきだ。総ざらいに出してしまえ。きょうの決算委員会で無事に済めばそのまま済むなんというあさましい量見でなくして、断然これは出してもらいたい。そうでなければ、決算委員会意味がない。もう一回申し上げます。臨時職員の問題、給与関係、それからいろいろな備品設備の問題、電話、三本のうち一本、二本のうち一本。それからいろいろな行事についての寄付マル特会計、こういうものを全部、国の予算関係した問題だから、会計検査院、ひとつ責任を持って総ざらいに出してもらいたい。これはお約束できますな。
  42. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) いままでのお話、よくわかりましたので、責任を持って検査を実施いたしまして、その結果をまた御報告いたしたいと存じます。
  43. 大森創造

    大森創造君 通信費だとか、電話代とか、それから臨時職員の問題などは、この前基準局長も知っていたはずなんだけれども、知っているか。
  44. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) この前も申し上げましたが、労働基準協会その他、たとえば労働衛生協会とか、工業会とか、いろいろな名前の団体がいわゆる会員組織によりましてできておる。これは労働省のほうで指示してつくらしたという性質のものでなくて、労働基準法施行直後、法の普及その他の目的でそういった団体が、名称も、それから組織も、活動内容もそれぞれまちまちでございましたが、自然発生的に出てまいった。しかし、大森先生御指摘のように、いろいろの問題がありますので、労働省としましても、再三にわたりまして、そういった団体労働基準監督機関との関係を厳正にいたしまして、誤りのないようにいろいろ指導してきたわけであります。そこで、先ほど職員につきまして、臨時職員——役所の臨時職員であるという御判断でいろいろ御質問がございましたが、その団体自身が団体事務を処理するために、一カ所で多くて四、五人、少なければ一、二名といったようなことで、協会職員を置いておるわけでありますが、たまたま人数が少ないので、労働基準局または監督署に同居さしてくれというので、その一、二名の職員監督署にいるということから、非常な誤解を生ずるということで、事務所を貸してはならないということで、かなりの大きなところは全然建物を別にいたしまして、その関係についてまぎらわしくないように処理してきたのでありますが、まだ労働監督署などに同居している者などがございますので、役所の臨時職員であるというような印象を与えたかと思います。これははなはだ遺憾でございまして、十分この点ははっきりいたしたい。要するに役所の中にそういう者がおるから問題が起こりますので、これは役所から外部に直ちに排除せしめるというふうにいたしたいと考えておりますし、また広告の問題にいたしましても、たとえば「労働基準」につきましては、ふだんのものは広告は取っておりません。これは全国一本の広告が載っているだけでありますが、たまたま新年号につきましては、いわゆる年賀あいさつを兼ねまして事業所名がたくさん掲載されている。この点、私ども先生から御指摘を受けまして、はなはだこれは適当でないということで、かりに年賀あいさつ程度の会員の会社名を謹賀新年というレッテルをつけて出すにいたしましても、御指摘を受けました趣旨からかんがみまして、これは今後十分誤解のないように処理すべきであるというふうに考えまして、この点は厳正に処理さしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  45. 大森創造

    大森創造君 あなたの言うことは、私は信用しないのだ。この間おとなしく聞いていたけれども、なぜ信用しないかというと、うそが多い。うそのことを具体的に申し上げる。第一、年賀広告ですね。これを取っているのは基準協会職員だというが、これは労働省の役人が取っていますよ、ほとんど。労働基準監督官という名刺を持っていって、そして権威にものをいわせてみな取っていますよ。基準協会職員はほとんど取っていないですよ。私はこの前の質問のときに、何かある新聞——東京新聞に出ましたけれども、あなたの談話によるというと、大森さん、投書によってこういう指摘をしている——投書なんかについてじゃない、これは私は事実に基づいて言っているのだ。あやふやな投書に基づいているのじゃない。私とあなたの問答して以来、無数の電話がかかってきた。村上局長の言っていることはうそだ、そこで再三再四ずっと厳重に注意したのにかかわらず、厳としてあるじゃないか。いままで会計検査院に指摘したように、広告取りは中央ばかりでない、現実に三十四ページも取っているじゃないか。やめてないわけですよ。臨時職員もありますよ。電話、三本のうち一本、二本のうち一本、これだけ全部寄付でまかなっていますよ。あなたはちゃんともらっているじゃありませんか、マル特会計からのあれを。だから、何としても私の質問に対して明々白々思ったことをずばりと答弁できないと思うのですよ。ほんとうのところも少しありました、私調べてみたら。大体がうそだ。そこで、いままでやってきてもできないことが、どうして今後徹底できる、あなたの手で。これはここで要望したい。その臨時職員なるものは、協会仕事をやっているのじゃない、労働省仕事をやっているのですよ。これは政府も悪い。これでまともな基準行政ができるか、できるはずがない。航空事故もできるのも当然だ、タンカー事故もできるのは当然だ、これでは。全部洗いざらいにこの際は姿勢を正しなさいよ。ごまかしたら承知しませんぜ。私は八百長やらないから。いいですか、この広告職員がいやいやながらやっているのだぞ。これをあなたに教えおく。あなたは知っているくせにそれを言わない。基準協会職員がやっているのじゃないですよ。職員がやっている。それがどんどん私のところへ電話くれる、恥ずかしくてしょうがないと。そこで、広告をもらって、そのあとで事故が起きたときに、どういう態度をとるか。宴会費を出させて、マージャン代を出させている。労働省へちょくちょく行って聞いてみると、どっかへ出張するときには、片道切符を買って、あとは向こうでごちそうになって、おみやげもらって、帰りの汽車賃は出してもらう。宿賃払ってきたというのは自慢話になっているのだぞ、あなたの部下は。これは厳重に監督いたしますとか、監督するとかなんとか言いますけれども、できない。それから、この前あなたは就任早々だと言ったけれども、あなたの就任はいつだ、就任した年月日は。
  46. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) だいぶ誤解があるように思うのでございますが、私は就任いたしましたのは三年ぐらい前でありますが、就任早々からこのような問題が生じないようにえりを正したいということを再三にわたって申し上げてまいった。しかるに、御指摘を受けまして、はなはだ残念でございますと申し上げたわけであります。私自身も出張も非常にまれでございますが、ここ五カ月ぐらい出張しないというようなことでございますが、私自身はえりを正しまして、このようなことのないように十分注意をいたしております。しかし、いろいろ疑惑を招くというようなことがありますれば、これは個人の問題ではございませんので、何とかしてこういった点について改めたい、そういう観点から、この前も御答弁申し上げましたように、消極的には団体関係、積極的には行政そのものを推進するにある。それを口で言うてもわかりませんから、昭和四十年における送検件数あるいは使用停止処分が圧倒的にふえておりまして、行政としては極力本来の行政を進めてまいりたい。それが成果となってあらわれております。行政処分として、危険な法規違反の機械などは三千件にわたって使用停止をさせたと——かつてないことでございます。一方においてはそういうふうに行政として姿勢を正すと同時に、団体をめぐる諸問題については、御指摘もございますので、いま先生はできないだろうという御判断でございますが、協会関係につきましては、大臣の指示もございまして、事実はともかくとして、早急にそのように疑惑を招くことは改めさせなければならない、こういう御指示をいただきまして、命によりその旨を通達いたしますと同時に、ただいまの事務所を役所に置きますがゆえにいろいろな問題が起こる。それから広告取りといったような問題につきましても、私どもは、某局におきましては、ふだんの月はやってないが、年始だけはむちゃくちゃにふえておるというような事例、あるいは独自な雑誌がいろいろできて、出ております。私もことごとくを承知いたしておりませんでしたが、この前の御指摘もございましたので、できるだけ取り寄せまして、いま内容を私は検討いたしております。非常に細部にわたっての御指摘でございましたので、私どもはおことばをちょうだいいたしまして、もう極力この関係を正しまして、行政に対する疑惑を正したい。かなりもう厳格に処置してまいる所存でございまして、具体的処分内容はまだ決定いたしておりませんが、とりあえず大臣の命によりまして、疑惑の生じないように厳正に処理するようにという通達を出しますと同時に、近い機会に具体的に指示をいたしまして、厳正にこれを正したい、かように考えておる次第でございます。
  47. 大森創造

    大森創造君 まあ答弁は、その限りではもっともらしく聞こえるが、私の調べたこととは違うので、具体的な例を一つ申し上げる。名古屋の基準局でこういうことがあったな。これは最近ですよ。本代ですね、本代は業者のほうから正直にもらっちゃったんだ。ところが、局長が使っちゃったんだな。これが三十万円。これは本省のほうに返却すべき金だな、三十万円。それから料理屋代の金が四十万円とおぼえておるが、合計七十万円。現にこの間だね、これ。マル特会計から出している。この間。さらに広告を取ることをやめるということを組合の間と約束せざるを得なかったんだ。あたりまえですよ、これは。しかし、それにもかかわらず、これは名古屋の例でございますが、料理屋の代金が四十万円と、本代——これは業者から現地でもらっちゃったんですよ。しかし、本省に送らにゃならぬと、本省のマル特会計のほうに、それが三十万円。合わせて七十万円というものをマル特会計から払っているんですよ。会計検査院も聞いてくださいよ。この間なんだぞ、これは。そこで、一たん、こういうことがまずいからというて、薄給の職員から、組合から言われてやめたはずであったのに、こういうことがあったからまたほしいというて、四十年末からまた復活した。こういう姿勢どういうものだろうな。この事実知ってますか。
  48. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) そういった事実は、私は承知いたしておりません。  なお、愛知関係につきまして特に詳しい御指摘がございましたので、局長を先週直ちに呼びまして、いろいろ調査をいたしております。しかし、ただいま、その四十万円の宴会費云々といったようなことにつきまして、私は承知いたしておりません。そういった関係は、単なる話だけじゃなくして、私どもはもっと事実を明確にいたしまして、適正な措置をいたしたいと考える次第でございます。
  49. 大森創造

    大森創造君 だから、私はね、ここでお願い申し上げるが、決していやがらせではないんですよ。いいですか。ここでどうしても基準行政というものの姿勢を正しゅうせにゃいかぬから、そして臨時職員でも二百人現実に頼んでいるんだから、これは。国でまかなうべき予算協会で他におぶさっているのだから、電話でもそうなんだよ。職員もそうなんですよ。本代もそうなんですよ。  ここでひとつ、全国のまあ大きいところ、名古屋の基準局長、それから大阪基準局長福岡基準局長並びにマル特会計を扱っている庶務係長課長、これ全部参考人として呼んでほしい。  それからもう一つ、わからないから、あなたと私との話では水かけ論になって、聞いている人は、天下の基準局長だからうそは言うまいと思っているから、私自身思っているから、ひとつ基準協会事務局長、名古屋、大阪福岡、これ呼んでいただきたいと思います。これは国の予算関係する問題だから、呼ぶの当然ですよ。これは委員会の皆さん方にお願いしたい。そうでないと審議ができないのだ、国の予算の審議が。これは委員長はじめ皆さん方にしかとお願いしておきます。予算の審議なんですから、決算委員会は。  それからもう一つ、こういう一連の問題の責任はだれにあると思うか。これは安井さんにひとつお答えいただきたい。会計検査院もお答えいただきたいと思います。人事院総裁お答えいただきたいと思います。
  50. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) いま大森さんとのるる問答を承っておりまして、おっしゃるごとく、この政府の行政責任において当然なすべき、また予算を組んでやるべき仕事が、民間からの寄付金等でまかなわれるというような事実があるとすれば、これは非常に遺憾なことでございます。万難を排してこういうものは絶対にやめなきゃなるまいと思っております。ただ、いま伺っております問答だけでは、まだ私どもどの程度の真実性のあるものかについての事実の確認がございませんので、現実の事柄自体についてはとやかくちょっといま申し上げかねると思います。事実上、政府がいろいろと行政施策をやりますにも、民間がこれに協力をして、そうしてそれを周知徹底させるために民間がいろいろな機関をつくっておることは、御承知のとおりでございます。まあそういう機関自身は、これは政府が補助金を出す場合もございます。まあ民間自体の寄付金その他によってまかなっておる事態も、これは相当あるわけでございます。まあそういう点についての御指摘じゃなかろうと思います。私ども、いま最初に申し上げましたように、当然やるべき行政事務を民間へかぶせておるというようなことは、今後厳としてないようにあってほしいと思います。また、そういう御指摘の事実については、十分調べて、そういうものの根絶を期したいと思っております。
  51. 大森創造

    大森創造君 安井さんの御答弁、そのとおりだと思う。で、私は、あなたがおっしゃるとおり、協力会とかですね、あるいはどうのこうのという、そういう通常な問題については問題にしたくない。私の指摘しているのはそれ以上の問題なので、そこで、それが私は事実と確信をしている。基準局長のほうは、ある面は認めたが、ある面は認めない。会計検査院は、この前小出しに出したが、きょうは大出しに出してきた。さらに責めればもっと出す、マル特会計。こういうことが事実であったとすれば、これはだれの責任だと思うか、会計検査院
  52. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) こうしたまあ事実があったとしてのお話でございますが、行政責任につきましては、私どもといたしましては、だれに行政責任があるかという点につきましては、検査院の性格上答弁いたしかねる点がございます。ただ、会計法上の責任はだれかと、こういう問題になりますと、今度は問題になりました金の性質が、どこからどういうふうにして、いわゆる官の金というあれが入ってくるかどうか、そこら辺の事実を調査いたしました上で、いわゆる会計職員としてだれが一体責任者だということをきめていかなければならないと、こういうふうに考えております。
  53. 大森創造

    大森創造君 私はね、会計検査院、いいですか。帳簿の上にちゃんと記載されていることなんだ。会計検査院でなくてもわかるのですよ。マル特会計などというものがですね、白昼公然と行なわれていて、そうしていままでずっと指摘したようなことがあるから、そういうものをある程度わかっておる、あなた方は。きょう言うただけでも大事件ですよ。指摘事項にあがっていますか、いままであなたの言われたようなこと。北海道だ、渋谷だ、千葉だ、やれ鹿児島だ、ずっとありましたね。そんなことあがっていますか、指摘事項に。
  54. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) 先ほど申し上げました三十一年、三十二年の事態につきまして、これは指摘事項にはあがっておりませんが、おのおの直してもらうということで指摘事項にあがっていなかったと考えております。それから渋谷の分は、これはつい先般の会計検査で発見されて照会をいたしたばかりでございますので、今後の問題かと思います。
  55. 大森創造

    大森創造君 私が三十日に質問してから、大臣命によって、確かに基準局長言われるごとく、「労働基準」というやつをもっと増刷しようと思ったのだけれどもこれはやめろとか、いろいろな指示を流したこと、私知っておりますよ。これはたいへんだということで全国に流しましたね。それはきのう——おとといかな。  そこで、私は今度別の角度からお伺いしたいのだが、労働省から出た労働省関係国会議員は何人いて、だれだ、これを言ってごらんなさい。
  56. 辻英雄

    政府委員(辻英雄君) 労働省関係とおっしゃいます意味が非常にお広いかと存じまするが、あるいはよくわかりかねますけれども労働省の現職の幹部をしておられてから国会に出られた議員の方について申し上げますと、参議院の吉武恵市先生、衆議院議員の齋藤邦吉先生、澁谷直藏先生、それから参議院議員の亀井光先生でございます。
  57. 大森創造

    大森創造君 大体福島県と福岡県が多いだろう。
  58. 辻英雄

    政府委員(辻英雄君) いま福島県の方がお二人かと存じます。
  59. 大森創造

    大森創造君 落選したのも入れたら、福島県と福岡県が多い。そこで私が申し上げることは、選挙運動活発だな、この事実を認めるか認めないか、労働省職員が、小林章さん以上だな。
  60. 辻英雄

    政府委員(辻英雄君) 前回の予算委員会でも申し上げましたとおり、私どもとしては具体的な事実は承知いたしておりませんけれども、再々そのようなことにつきまして内閣官房からも御質疑がございまするし、当然のことでございますので、さようなことが起こらないように常々、またおりあるたびに注意はいたしておるつもりでございます。
  61. 大森創造

    大森創造君 それ注意するのは当然であるけれども現実——私は選挙運動をやって悪いというのじゃありませんよ、執務時間中にはがきなんか書いてはいけませんな、特定の人について。私が調べたところでは、一日二百枚がんばって書いた人がいる、一日に、デスクの上で。五十枚、少ないところで。これは福島の安定所がすごい、選挙運動で。そこで、こういう事実を知っておるか。九州に出張すると称して一週間の休暇をとる。そうして、九州の入り口まで行って、今度は福島県にずっとターンバックして、選挙運動に五日間従事して、そうして役所に帰ってきてすましている。これをかわりばんこにやっている、この事実知っているか、官房長。
  62. 辻英雄

    政府委員(辻英雄君) そのような事実を私は存じておりません。
  63. 大森創造

    大森創造君 あなたは存じていないが、私は存じている。それで、こういうことはいけないことだ、こういうことはから出張だ、これは一種の詐欺行為だぞ、こんなことは。それから、さっきから申し上げているようなことは、これは基準協会というものをトンネルにした一種の収賄だぞ、これは。  そこでもう一つ申し上げるが、選挙違反になった人物、個別訪問、ある特定の代議士について一生懸命選挙運動をやった一課長がいる、基準局課長がいる、わきから見れば。この前は村上基準局長は妥当な人事と言ったけれども、罰金だぞ、これはそのあと休職になっているのだぞ。あなたが入ってくる前は、大臣は知らないのは当然だ。大臣はこう言った。私も選挙中なのでよくわかりませんでした、それから、警察も手が入らないし、検察庁でも問題にしなかったから、そういう事実はなかったんでしょう、こういうことを言っていた。しかし、村上局長はそういう事実は認めない。そこで私はお伺いするんだが、いいですか、ある地方の局の課長が、論功行賞によってと私は見るのだが、ある局長にぽんと栄転する。しかも、これは選挙違反の罰金刑だぞ。こういう人事は妥当と思うか、人事院総裁
  64. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) よんどころない公務のために、いまかけつけてまいりましたので、詳しい前のお話は承わっておりませんけれども、私どもとしては、公務員が選挙違反に連座するということはまことに悲しむべきことだと思っております。そのいまのお尋ねは、それにひっかかったけれども、あるいは任用上優遇するというようなことにからめてのお話だと思いますけれども、これはなかなか事と事情にもよることと思いますけれども、一般的にはもちろん好ましいことではない、これは申し上げ切れますけれども、しかし、たとえば非常に古い事件でございまして、その後の経過等がたいへん変わっておるというような場合には、これまた考慮すべき事情もございましょう。公民権が現に停止中のものを昇格させた、優遇したというような場合は、またこれ大きな批判がありましょう。事と次第によってその辺の判断は下すべきことではないかというふうに考えます。
  65. 大森創造

    大森創造君 私は、刑事局長あとからおいでになっておわかりにならないから、しかしかわりの人が出ていたようだから、いままでの私と会計検査院並びに労働省との問答の概要をよく調べていただきたいと思う。というのは、この前の委員会で私と労働省会計検査院と問答した内容は、刑事事件じゃないかと思うのですよ、私は。りっぱな刑事事件であろうと思う。行政的な問題をこえていると思う。そこで、小平労働大臣は、これはもう正直な人だから、どうせ内閣改造であと二カ月くらいでやめるのでしょうから、労働大臣はこうさっぱりとおっしゃる。大森さんの言うことが事実ならば、これは刑事事件になってもやむを得ないということをおっしゃっている。いまは答弁できないと思うが、この前の第四予算分科会、三十日です——と、きょうの問答、これをよくごらんになって、それに基づいてあなたの見解を聞きたいと思う。いかがですか。
  66. 津田實

    政府委員(津田實君) 私ただいま席に参りましたので、この場の御質問答弁は承知いたしておりませんが、ただいま御指摘のありました委員会、それから当委員会速記録を拝見いたしまして、その上で御答弁を申し上げたいと思います。
  67. 大森創造

    大森創造君 総務長官に一つ聞くが、選挙違反になって罰金刑になった人が、妥当な人事だと村上局長は言っているけれども、私は妥当な人事だと思わない。警察の次に監督権限を持っており、世の中の人にみせしめになるような、そういう権限のある局長だぞ。それになった場合に、不偏不党の誓いなんということをさせているのだな。その局長が、初めのうちは二、三日しか出ないのだぜ。この局長が、トラの威を借るキツネ、月のうち、二、三日しか出ない。ああいう局長がおっていいんだろうかと職員が全部言っておる。そうして、だんだんやかましくなったので、月のうち半分くらい出るようになったそうだ。最近は、三十日からこっちは皆勤しているだろう。そういう人が、不偏不党の誓いなんということをできるかな一体。これ特定の候補者だぞ。その人について、罰金刑になって、休職にさせられて、その人が不偏不党の誓いをさせるなんて、労働組合がどうだなんという勤評なんということが扱えるのか、どうですか、勤務評定できるかな。
  68. 安井謙

    ○国務大臣(安井謙君) 一般論としてお話し申し上げるならば、いま、人事院総裁もお答えしましたように、公務員が選挙に関連をする、あるいはまたそれによって罪に問われたという場合に、これがよりよい場所へ就職するとかいうようなことは、これは好ましくないというのは、いま人事院総裁お話のとおりであろうと存じます。  私、いま、大森委員の御指摘の事件はどういう性格なものかよく存じませんが、公務員といえども、いまの規則においては、国の保障というものがございまして、起訴をされましても、それが禁錮以上の刑に処せられない場合には、これは復職をして、その本人の身分を保障するということも、現在一般にもこれは法律認められていることでも、ございます。しかし、いま道義的に言われますように、そういうもので明確に処分を受けた者がりっぱな地位へつくというようなことは、これは道義的にも決して好ましいことじゃないので、これは行なわれないのが妥当だろうと思います。ただしかし、事実関係が五年も十年も前のことであったと、あるいはそれが非常に軽微なものであったといったような場合に、その本人の勤務状況あるいは人柄というようなものを勘案しました場合、この非常に古いきずはきずだが、その後の数年間非常に勤務状況がいいといったような者の場合に、それがそれぞれ適当な部署につくというようなことはあり得るんじゃないかと私ども考えておる次第でございます。
  69. 大森創造

    大森創造君 了承いたします。しかし、私の言うのは具体的な事例でございますから、第四分科会速記録をごらんください。その具体的な事例について、妥当な人事だと思うかどうか。小林章さんの問題、それに伴う専売公社の職員の問題、聖成事件の問題などに比べてみて、身分が監督局長だぞ、その場合に妥当な人事だと思うか。しかも、そういう特定の政党の候補者を応援したがために、そのトラの威をかって、そして勤務状態がよろしくない人が部下の勤務評定をやる、これでみせしめになるかどうか。私の言うのは具体的な事例でございますから、あえて名前は申し上げません。速記録をごらんください。そして、私に対する回答を文書によってお寄せいただきたいと思います。これで終わります。  それから、刑事局長へのお願いは、この前ときょうの私の問答を吟味して、事実ありとすれば、これはりっぱに刑事事件になると思う。これはお調べください。  それからもう一つ、会計検査院は、労働省にまかせないで、私が幾多の事例をあげましたから、これを洗い、ざらい持ってきてください。私は、いままでの答弁では、労働省はあまり信用しないので、あなたのほうに頼む。あなたのほうでできないならば、これはあなたのほうはマル特会計で年じゅう。ごちそうになるというふうに私は断言する。私は単なるスキャンダルあばきではない。こういうものが慢性化してるんじゃないかと思うんです。しかも、労働省ばかりではなく、この程度はしかたがないなんという空気、雰囲気がびまんしていると思うんです。こういうものを一掃しなければだめだ。インフレになるとか、海上保安艇がどうだとか、飛行機が落っこったとか、そのつど済んでしまう。しかし、これは単なるスキャンダルでなくして、官庁全体の姿勢の問題です。いくら佐藤総理が国会答弁をしても、委員会でやりとり問答したって、すれ違いだ。このことをがっちりとマル特会計について資料を出してもらいたいということと、これは前段申し上げたように、二度と繰り返したくない。名古屋の局長大阪局長福岡局長が、金づかいが荒くて困っているといって、外部団体事務局長がこぼしている。こういう関係の人、それぞれの関係の係長、局長、こういう人たちを参考人として近い機会に呼んでいただきたい。このことをお約束できるならば、時間がないので、きょうはこれで打ち切ります。
  70. 柴谷要

    柴谷要君 関連して。大森委員から、基準局に関連して外郭団体の問題がいろいろ言われたので、私は、そのことも大事なことで、各関係機関の調査が必要だと、こう思うのですが、それよりもっと大事な問題がある。それについて、労働大臣がおいでになっておりませんから、ひとつ安井大臣からお答えいただきたいと思うのです。と申しますのは、昭和三十年当時の労働省のいわゆる基準局の担当しておった、つまり法人の工場の数、昭和四十年度まで十年間に一体どのくらい工場の数がふえてきておるか、十年間に法人の工場がふえてきておる。ところが、労働省の基準監督署職員の数というのは、そうふえておらぬと思うのです。そこで、いわゆる基準監督署の業務というものが、非常な困難に逢着をした。そこで、苦肉の策として、外郭団体などをつくって、一面の協力を頼んでおったというのが今日の現状じゃないか。そこに多少の——多少というか、いろいろの問題が発生をしてきておる、こう思うのです。そこで、私も労働省の労働委員を四年ばかりやったんだ、いろいろの詳しいことは知っておる。各省の中で外郭団体の一番少ないのは労働省じゃないかと私は思うのです。ほかの各省は、外郭団体をたくさんお持ちになって、退職高官がみんな就職をされて、高給を取っている。ところが、労働省外郭団体というのはごくまれで、幾つもないと思う。たまたまこの基準協会あたりが問題になるくらいが代表的なものだと思う。だけれども、一体、基準局なるものの、いま申し上げたように、三十年から四十年までの十年間における状態、これをひとつ局長からお聞かせをいただきたいと思う。それが一問。  それからそのあと、またその答弁によってもう一問聞く勘定ですから、その二つをお願いしたい。これをお伺いしたいと思う。
  71. 村上茂利

    政府委員(村上茂利君) 労働基準行政の対象となります労働基準法適用の事業場の数について申し上げますと、昭和一二十年度では九十四万七千程度でございましたが、四十年におきましては二百十七万二千、倍以上にふえております。監督官の数は、昭和三十年度は二千三百八十五名でございまして、昭和四十年度は二千五百九十八名と、差し引き二百十三名ふえておりますけれども、事業場の伸びから見ますれば、もちろん低いわけでございます。
  72. 柴谷要

    柴谷要君 それほどでね、つまり十年間における基準行政の上において困難性が増してきているということは明らかだな。それをつまり外郭団体等に協力を依頼しているという部面が一面あるわけだ。つまり、先ほど局長はこういうことを言われた、その協会職員が部屋の一隅を貸してくれと言うから貸しておいた、こういうのを追い出すのだと、こう言っておる。ところが、私は、そういうことはあまり——国会だから大みえを切ったようだけれども、それは得策じゃないと思うのですよ。私は労働省委員を四年もやってみたけれども、むしろそういうのは、協力関係のために一人や二人の人間に部屋の片隅を貸しておくことは、かえっていいと思う。それを追い出すのがあたかも労働省が潔白性を発揮するんだなんて考えたら、大間違いです。これは辻官房長もよくおわかりだと思う。大みえばかり切ることが、労働省にとって潔白だとは私は思わない。こういう実情に置いてあることが、一体労働行政を後退させていることだと思う。そうなるというと、いろいろな問題が発生してくる原因になる。単に問題が発生をするばかりじゃない、それを探求していくというと、根本は政府の施策が十分でないからこういう結果が生まれてきていると思う。これをひとつ大臣、閣議等で大いに強調してもらいたいと思うのです。これは全く大森委員の指摘したような事例全国にあると思うのですよ。しかし、それを根本的になくそうとするには、その根源であるものをもっと追及してもらわなければならぬ、これが大事だと思う、その点を特に申し上げます。村上基準局長も最近は非常に大臣の命を受けてやっておられるようですけれども、私は労働委員をやっているときに一番あれしたのは、監督官の数が少なくて、もっともっと徹底的に調査をしなければ、労働問題にしても労働基準法違反の行為をたくさんやっておる、これを徹底的に調べてくれということで、これは監督官の派遣を要請したのです。ところが現実は、一日も休日もとらないで毎日出て行ってやっても、三年に一ぺんか四年に一ぺんないしは五年に一ぺんしかできないというのが労働省現実じゃないかと思う。こんなことでは基準法の適用が完全にできるとは思わないので、そういう点をもっと政府としては力を入れてやるべきだと、こういうことをこの機会に私は強調したいと思う。関連質問ですからこれで終わりますけれども、またいずれ機会があったらば大いにやりたいと思う。
  73. 大森創造

    大森創造君 私は、一分間だけ申し上げる。繰り返しますが、刑事局長、それから会計検査院労働省、私がそれぞれお願いしたことは頼みますよ。そこで、会計検査院のほうでマル特会計について洗うならば、私のほうはお手伝いに参上いたしますから、そして、これにインチキがあったならば、あなた方も当てにできない。マル特会計で。ごちそうになっていると思う。会計検査院ならき然としてやってほしいと思う。それから、もう一つ、刑事事件に私はなると思うのだが、一体この問題の責任はだれにあるかということだ。行政的にだれに責任があるかということが、これはけじめをつけてもらいたい。総理大臣なり、総務長官なり、官房長官なりで閣議を開いて、私は一回こういう労働省の姿勢を直すために一ヵ月や二ヵ月ブランクになってもよろしい。スクラップしろ、そうしてビルドしろ、そうでなければ、労働基準行政はいま柴谷同僚議員が言ったようにだめだ。マンネリズムにおちいっているから、顔を洗って出直せ。そのためには、洗いざらい労働省会計検査院に協力をして、刑事局長に協力をして、一切の私の要求したものを出すこと、その前に参考人は呼び出すこと、委員会として。それからもう一つ、この問題の責任は一体だれにあるか。これは一係長なんかではないぞ、アル特会計の係長がやっているのは上司の命令なんだから、そういうかわいそうな人の立場にならなければいかぬと思う。労働基準行政は実際行なわれてないぞ。一日の日当百円だ。旅費が、一人割り当て一日三カ所回っておったらば、往復の電車賃六十円だ、昼めしも食えない。一方ではそういうふうにたたいておきながら、非常に低い給与に甘んじながら、片方ではゴルフだ、マージャンだ。いままで私が言ったように、少し器用な局長ならば何でもできるということだ。金がほしいときは、ためようと思ったら何千万でも、何百万でもたまるのですよ、いまの機構では。このことを申し上げて私は終わります。
  74. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 申し上げますが、会計検査院で、先ほど要望のございましたマル特の会計、これ全国的なもの調べまして、資料として御提出願えますか。
  75. 佐藤三郎

    説明員佐藤三郎君) いま先生お話のありましたうち、労働基準協会とかいう外郭団体自体の経理は、私のほうで検査できませんので、この関係を明らかにすることはできませんけれども、いわゆる国の会計とやや接触する部分、この部分については、会計検査院の本来の権限でございますので、この分については、先般来申し上げておりますように、厳重に検査いたしまして、その結果を御報告いたしたいと思います。
  76. 藤原道子

    委員長藤原道子君) なお、大森君に申し上げます。参考人を呼ぶということにつきましては、理事会にはかりまして、十分相談した上で決定したいと思います。
  77. 大森創造

    大森創造君 私は、会計検査院の言うとおりだけれども、私の言うのは単なる外郭団体でないということはですよ、そこから二百人以上の臨時職員が出てきているということですよ。そうすると、これはみんな労働省予算の中に入っているということですよ。ファニチェアも出したというのですよ。だから、私はその限りにおいて調べがつくだろうと思う。それからもう一つ、外郭団体は単なる外郭団体でありませんことですね。国の予算の審査をする決算委員会として、当然呼ばないと審査できませんから、その点申し上げておきます。
  78. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 天野労働政務次官、ちょっと御答弁願います。
  79. 天野光晴

    政府委員(天野光晴君) いまの問題についてですか。
  80. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 全部。
  81. 天野光晴

    政府委員(天野光晴君) 総体的にですね。——きょう大臣公用出張で欠席でございましてはなはだ遺憾でございますが、予算委員会分科会で大臣が答弁した趣旨に沿いまして、労働省としてはさっそく手はずを整えて、疑惑を解くための努力をいたしております。きょうも大森先生からいろいろ御指摘を受けました点につきましては、具体的にその内容を出しまして、これの是非善悪をはっきり確かめて、その措置を講ずる意思でございますから、その点御理解願いたいと思います。
  82. 藤原道子

    委員長藤原道子君) なお、私、社会労働委員会でもたびたび問題になりましたのは、監督官の数が少な過ぎるということなんですね。いま伺うと、工場はたいへんふえているのに、監督官の数はわずかに二千幾らしかふえていない。これでは正しい労働行政ができるはずがないと思いますから、そういう点からも問題が起こると、柴谷委員の御指摘のとおりだと思います。この点につきましては、とくと今後改正を願いたいということをここに要望いたしまして、この問題はきょうはこの程度にしたいと思います。  たいへんおそくなりましたが、二宮君。
  83. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は、前回に引き続いて、住宅公団関係についてお伺いしたいと思うんです。  最近、住宅団地とかあるいは工業団地について、住宅公団のほうが多角的な活動をされておる。今後もますますそういうふうな需要が多くなってくる。その際に、その用地の取得とかあるいは団地の処分にあたって若干疑義のある面もありますので、前回以来問題にしてきたわけですが、この前は光明池団地についてそのアウトラインだけお伺いしたわけですが、きょうは時間の関係で順序を変えまして、工業団地の問題についてまず最初にお伺いしたいと思うわけです。  大都市周辺とかあるいは産炭地の周辺に住宅公団が鋭意工業団地をつくられている。そうして、その処分にあたっては、当初は原価主義をとられたのが、最近には時価主義に変更されているというようなことも伺っているわけですが、非常に工業団地の需要も一時は強かったわけですが、それなりに公団としてはその造成した団地の処分について条件をつけられておる。たとえば、買い受けたものは二年以内に工場施設をつくらなきゃならぬとか、あるいは他目的に何年間は使用してはならないとか、いわゆる非常に安く処分をする関係で、その後の運営について条件をつけられてきたと思うのですが、まず最初にその条件についてお伺いしたいと思います。
  84. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 工業用地の造成につきましては、処分にあたりまして、建設省の省令の基準に従いまして、譲渡契約をいたします場合に条件を付しております。その内容は、公団の定める期限内に工場の建設をやってもらうというのが一つの条件でございます。さらに、この工場用地は、本来の工業用地の目的に合致した施設をつくっていただくための実施の方法といたしまして、条件違反の場合に買い戻し権の特約を登記することによって確保するというのがそのおもなる内容でございます。公団が工業用地を造成いたしました趣旨は、関東地方におきましては、東京を中心といたしました既成市街地の区域におきましては、工場の新増設の制限措置が行なわれておりますので、それに対応いたしまして、首都圏計画におきましては、いわゆる市街地開発区域というものを決定いたしまして、その区域に企業活動を開始するに必要な工業用地の場所を公団が提供するという部面についてその役割りを果たすということから来たものでございます。
  85. 二宮文造

    ○二宮文造君 具体的に問題をしぼりまして、深谷の工業団地についてお伺いしたいのですが、この該当の地域の造成の年月日と、それからその造成した坪数、さらに現在造成した坪数のうちでまだ処分されていない坪数、この点についてずまお伺いします。
  86. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 深谷の工業団地の概況でございますが、日本住宅公団といたしましては、深谷に工業用地を造成するために、区画整理の手 法によりまして実施することといたしまして、昭和三十四年から用地買収に着手をいたしておるわけでございます。そしてその施行面積は三十一万一千余坪でございますが、区画整理でございますから、中に民有地が残っております。その民有地の所有者の方々にも、区画整理区域の中でそれぞれその用途に適した土地の利用が得られるような換地が行なわれまして、公団が処分をする——法律上では取得面積と、こういうふうに申しておりますが、それが二十六万七千坪余りでございます。これが日本住宅公団が譲渡の対象面積として取得したものでございまして、この深谷におきましては、工業用地は二十五万四千八百十二坪、これがすでに処分済みでございます。大部分はもう処分済みでございまして、その工業用地以外の緑地に相当する部分、これが五千坪余りでございますが、これを地元公共団体に引き継ぎをすると、こういうことですべての仕事が終わるようになっておる次第でございます。  処分を開始いたしました時期は、昭和三十七年ころからだと思います。
  87. 二宮文造

    ○二宮文造君 いま伺いまして、大体、この造成された、公団が処分の対象にし得る坪数についてはほとんど処分をされたと、こういうお話でございますが、さて、この深谷の地区におきまして、処分をされて、買い受けて、いまだに施設が——公団との公正証書を取りかわして契約されたはずですが、施設のできてない、要するに公団の意図に沿ってない買い受け者は何件ぐらいありますか。
  88. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 一社でございます。
  89. 二宮文造

    ○二宮文造君 氏名を申していただきたいのですが……。
  90. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 国際家畜研究所でございます。
  91. 二宮文造

    ○二宮文造君 その国際家畜研究所の売却の年月日と、それから坪数と単価、金額、これを明らかにしていただきたいのです。
  92. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 国際家畜研究所に対しまして譲渡をいたしましたのは昭和三十七年の七月でございます。で、この面積は八千五百三十四坪でございます。譲渡単価は坪二千七百円でございますので、譲渡価額といたしましては、二千三百四万三千七百四十四円、こういうことになっております。
  93. 二宮文造

    ○二宮文造君 先ほど公団のこういう工業用地の処分については、施設を何年以内につくると、あるいは申請の他目的には使わせない、そのために買い戻しの特権をつけていると、まあ一般的な回答でございましたけれども、問題の土地については具体的にどういうふうな両者の申し合わせになっておりますか。
  94. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 譲渡代金が支払われておるわけでございますが、この工場は、先ほど申しましたように、予定の期限内に工場の建設に着手できない状態が発生いたしましたので、住宅公団といたしましては、この企業の建設着工についての督促をいたしまして今日まで来ておるわけでございます。その間、この工業団地全体といたしましては、この譲渡契約を他の企業と締結いたしました企業間におきましては、二年内に景気がちょうど下向きになる時期に遭遇いたしまして、したがって、国際家畜のみならず、他の企業につきましても、予定の期限内に経済的な関係で企業が着工できない、建設ができない、こういうようなことで、個別にその期限の正当なものについて延期をいたしまして今日まで来ておりますが、その延期の期限を承認いたしました範囲内においてそれぞれ他の企業は建設、操業と、こういうように今日なっております。ただ、国際家畜につきましては、そういうことに、同類の状況を示しておりませんので、昭和三十九年の十月に、公団の首都圏本部におきましては、工場の建設の履行、それから建設計画の善後処置について文書でもって回答を要求いたしまして、さらに催告もいたして今日まで来てございます。さらに、この工場につきましては、当事者間においていろいろ話し合いが行なわれたのでございますが、文書によりましてあらわれましたのは、その後昭和四十年の九月二十八日に至りまして、工場の建設に六カ月以内に着手するから着工の延期を待ってほしいと、こういう旨の願い出があったのでございます。公団といたしましては、具体的に工場建設及び資金計画の説明がなければ正式の延期承認はできないから、ぜひひとつ工場の建設に着手するならば具体的な工場建設計画及びこの資金計画についての提出を求めて今日まで至っておったのでございますが、去る三月の下旬に、この会社から正式に、この企業の立地につきまして、五月に着工いたしまして、六月以降工場の建設に、工場が第一期計画と第二期計画に分けまして、そうしてこの年内に工場が予定の計画を完了するようにして進む、こういう、何といいますか、資金計画あるいは建設の具体計画の提出が行なわれたのでございまして、これを一つの審査の対象といたしまして今日おるような状況でございます。
  95. 二宮文造

    ○二宮文造君 ちょっと伺いますが、四十年の九月二十八日に、そういう工場建設を延期してもらいたいというふうな願い出をした名義人、及び四十一年の三月の下旬に、より具体的な計画を出したというその名義人はだれになっておりますか。
  96. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 国際家畜研究所でございます。
  97. 二宮文造

    ○二宮文造君 それで、私はちょっと前にさかのぼりまして、非常に重要な目的をもって造成されたこの工場用地、それが処分をされます場合に、非常に具体的な部面にわたっての申請書が提出されるわけですが、これも公団のほうから資料として、工場用地譲り受け申し込み書という副のほうを私どものほうに資料として提供をしていただいておるわけですが、公団側がこういう造成した土地を処分いたしますとき、この申請書、申し込み書をどういうふうな立場で検討をされるのか、その点をお伺いしたいのですが。
  98. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 住宅公団といたしましては、企業が現実に工場を建設するまず能力の問題が第一点でございます。そのためには、企業の資金計画なりあるいはまた建設にかかる具体的な時期等を審査をいたしまして、さらにこの企業の関係では、関係の各省、これともよく協議をいたしましてきめておる、こういう状況でございます。
  99. 二宮文造

    ○二宮文造君 関係の各省とも協議をされたというのですが、たとえばその資金計画あるいは会社の業績というものを見るために国税庁に照会をされるというふうなこと、それからまた問題のこの土地につきましては、申請のほうで非常に農林省の畜産局と関係の深い事業内容になっておりますが、畜産局ともこういう事態について打ち合わせをされて、公団側として、はたしてこの申請が実情にマッチしているかどうかということは検討されたかどうか、その点をお伺いしたい。
  100. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) この畜産関係なりあるいは資料の作成等——公団自身としては、必ずしも行政の分野において将来の需給関係の見通しについてのふえてな点もございますので、この事案について担当者がどのようにいたしましたか私承知いたしておりませんが、私たちが担当いたしております時期の問題につきましては、そのようないわゆる生産計画等についての問題につきましては、関係各省とも相談をいたしまして、企業の建設の緊急度と申しますか、そういうようなことを相談をしてきておるのが事実でございますが、ちょうど昭和三十七年当時のこの事案については、私そこまで調査をしてまいりません。農林省と協議したかどうか、この点をいま調査をしてきておりませんので、その点だけは御了承願いたいと思います。
  101. 二宮文造

    ○二宮文造君 私が問題にしたいのは、先ほどは工場用地を買い受けを受けたけれども、たまたま景気が下降した、そういうことで工事の着工がおくれておる、こういうように公団側は理解されているのじゃないかと理解されておるようなお話でございましたけれども、私どもがつぶさにこの申請書を見てみますと、相当に事実誤認がある。買い受けの当初から、はたしてこの当初の申請のとおりに運営されているかどうか、この書類自体において、はなはだ疑問な点がある。私しろうと考えにずっと並べてみても、以下申し上げるような疑問が出てくるわけです。たとえば国際家畜研究所が公団に申し入れた坪数は、たしか三万何千坪になっておったと思う。したがってそれだけの事業計画書を出しておられるわけですが、第一に農林省にお伺いしますが、今日非常に畜産が盛んになってきた、そうしてその飼料の問題については、規格をきめ、あるいは製造工場においては農林省の許可事業にもするというふうなさまざまな行政指導がなされていると思うのですが、この国際家畜研究所がこれからやっていきたい、また現に二十九年以来やってきたと書いておりますその内容が、鶏卵、鶏肉、初生びな、それから畜肉、淡水魚、さらに養鶏飼料、養鶏薬品、こういうふうな事業名をあげてきております。そうして昭和二十八年の十二月九日に現在地、すなわち世田谷で、事業を開始、三十一年十二月現在地で飼料工場を設立、三十二年十月貿易部設立(初生びな、養鶏薬品等)で、輸出業務開始、こういう説明をしておりますが、私どもいままで農林省にお伺いしてきたんですが、畜産局の関係としては、の部面においても、あるいは飼料の面においても行政指導の対象にもならないし、許可工場の対象にもならないし、全然存じておりませんというふうな説明でございますが、この点をもっと明らかにしていただきたい。
  102. 太田康二

    説明員(太田康二君) いま先生からお話のございました国際家畜研究所の業務の問題でございますが、実は私のほうの飼料の品質改善に関する法律によりますと、配混合飼料と魚粉につきましては、製造業者が製造業を開始する場合、二週間前までに農林大臣に届け出をしなければならないことになっております。いまお話のありましたこの研究所が、私のほうにそういった届け出をしたというような事実はございません。  それから医薬品の販売につきましても、これはたしか薬事法で都知事の許可になっておりますが、そういった許可を受けた事実もないようでございます。ただ、私のほうで承知いたしました関係で申し上げますと、先ほど先生のおっしゃいました初生びなの輸出業務の開始というのが、三十二年十月にあるという話でございますが、私どもが調べましたら、これは家畜伝染病予防法の四十五条の規定に基づきまして、こういったものを輸出する場合には、家畜防疫官の検査を受けることになっております。そこで私のほうの動物検疫所の報告をとってみたのでございますが、昭和三十二年はございませんが、三十三、三十四、三十五、三十六という四カ年にわたりまして約十一万五千羽程度の輸出をしているようでございまして、また三十七年以後はそういった事実もないようでございます。以上のとおりでございます。
  103. 二宮文造

    ○二宮文造君 これはよく御承知いただきたいと思う。  それからさらにお伺いいたします。同じくここにその過去三カ年にわたる事業報告書が出ております。で、その損益計算書とか、あるいは貸借対照表を見ておりますと、相当数の、その期その期で相当数の利益剰余金を出しております。これはこの会社がさらに事業を拡張する、あるいは拡張できないかということを判断する貴重な材料になる、こういう会計資料でございますが、たとえば三十三年には二百数十万円、三十四年には三百数十万円、三十五年には四百数十万円という利益剰余金を出しておりますが、そこで国税庁にお伺いしますが、国際家畜研究所が三十三年、三十四年、三十五年、それぞれの法人の決算期にですね、どのような事業報告をしたか、さらにはそういうこまかい問題について御答弁がしにくいのでありましたら、利益金を計上して申告をされたか、あるいは欠損で申告をされたか、その点だけでも明らかにしていただきたい。
  104. 中嶋晴雄

    説明員(中嶋晴雄君) ただいまお尋ねの年度でございますが、国税庁——これは国税局のほうの調査部門での課税実績はございますが、申告所得はいずれの年度におきましても欠損申告になっております。
  105. 二宮文造

    ○二宮文造君 公団の側は非常に大事なこういう事業報告書なんですが、その事業報告書の信憑性というものを、処分のときに審査の対象にされますかどうかお伺いしたい。
  106. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) われわれが処分をする際に、会社の事業成績というものを、企業の側から取り寄せまして審査しておりますことは事実でございます。
  107. 二宮文造

    ○二宮文造君 取り寄せたのが事実というのではなしに、取り寄せてそうしてその業者のほうから出した資料をそのままうのみにするのか、あるいは先ほども申されたように、はたして譲渡した用地が目的のために使用されるかどうかということを検討する材料として、その事業報告書のこまかい数字にわたって検討してその事業が継続されていくか、あるいはこれだけの必要性があるかどうかという面にまで目を通すのかどうかということをお伺いしておるわけです。
  108. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) できるだけいまお尋ねのような内容にまで審査をいたしまして、そうして関係の方面と所要のチェックをしながら進めるようにやっておりますことを申し上げたいと思います。
  109. 二宮文造

    ○二宮文造君 それはことばとしては受け取れるんですが、私いま二つ問題にしたわけです。飼料の問題、これは農林省のほうもそういうことは知りません、薬品の問題、それも知りません。さらに今度国税庁のほうに、おたくもお手持ちしておるとわかると思いますが、三十五年の四月には四百十三万円の当期純利益、三十四年四月には三百二十一万円の当期純利益、三十三年四月には二百九十八万円の当期純利益、これを計上してきておるようですが、しかもその年度々々で前年度を受け継いで繰り越し利益金を計上しておるようですが、国税庁の側の話によりますと、国際家畜研究所はその年度においては欠損の申告をしておる。要すれば公団に出されたこの営業報告は架空のものである。こうなってまいりますが、その架空な、事実に基づかない申請書で、当該企業に対して用地を処分されることは、公団側としては非常に手落ちじゃないか、こう思うんですが、この点はどうでしょうか。
  110. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) ただいま仰せのように、理詰めに議論をされますとそのようなことになろうと思います。ただ、公団側といたしましては、できるだけこの信憑性のある資料ということで担当者が審査をいたすのは、実際でございますけれども、この企業の一々の裏づけ資料まで調査をしておったかどうか、その点は当時のことでございますので、私そこまで調べてまいりませんでしたので、申し上げかねますけれども、もしそのようなことがあれば、今後繰り返さないようにいたさなければならないと思っております。
  111. 中嶋晴雄

    説明員(中嶋晴雄君) 先ほど申し上げました説明がやや簡単に過ぎましたので、補完させていただきたいと思いますが、それぞれの期におきましては申告税額はゼロ、欠損ということで出しております。しかしながらいわゆる、これはもう二宮委員御存じのように、企業会計と税務会計とは、これは一応別ものでございまして、会社の確定決算に基づきまして申告調整をいたしまして、その上で税務上の計算をいたすわけでございます。したがいましてそれぞれの自己否認の内容を見てみませんと、ただ会社決算では黒字であるが、税務のほうでは赤字申告をしておるというだけでは、私まだ問題が残ろうか、かように考えております。
  112. 二宮文造

    ○二宮文造君 いまの次長のあれは了解いたしますが、私が問題にいたしておりますのは、その事業主体——企業側から出してきた申告書、それに対して責任の立場にある公団側が、事実を浮き彫りにするような検討をしてきたかどうかということを、私問題にしておるわけです。で国税庁の、先ほどの欠損で申告されておるということが、私の申し立てている議論のほうを、ややそちらのほうを証明することばになってくるわけです。そういう意味で理解していただければけっこうだと思います。  さらに私この申請書を問題にしたいと思うんですが、非常に公団の姿勢が私はよろしくないと思うんです。たとえば一番最後の年度として提出されているのに、三十五年四月三十日現在の貸借対照表がありますが、それをあけていただきたい。その貸し方側に、下から五行目ですが、長期借り入れ金として九千四百八十万円何がしが計上されております。さらに今度は申し込み書を見ていただきたい。申し込み書の第四番目に取引先との取引状況、おもなる金融機関というのがあります。住友銀行成城支店となっておりますが、当初借り入れ金千五百万円、現在借り入れ残高千百万円。長期借り入れ金九千四百万何がしが計上されておりながら、その具体的な内容を示す申し込み書には、千百万円の借り入れ並びにそれがおもなる取引銀行であるという明細しか書いておりません。もしもこういうような一見、会計に明るくないしろうとが見ても、矛盾が指摘できるような申請書を、一介の市井人が公団に申し込みをした場合には、公団はそれを受け付けない。それは公団住宅の分譲の申請においても非常にきびしい審査をされて、分譲住宅を決定されるわけです。つくられた団地、それがしかも坪当たり原価二千七百円ですそれで処分される場合には、公団にはより強い権限があるはずです。なぜこのような一見して非常にあいまいもことした申請書でもって八千五百坪の土地の分譲を決定されたか、いまの問題について御説明をいただきたい。
  113. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 私ちょうど当時はおりませんもんですから、まことに無責任なことだと思いますけれども、ただいまのようなことは私たちが就任いたしましたときは、もう分譲し、かつこの企業に土地が所有されておりまして、もっぱら工場の建設が予定どおり行なわれていないということから生ずる問題をいろいろ催促し、また督促しながら今日まできているわけでございますので、いまお尋ねのような点につきまして、理詰めにお尋ねになりますと、まことに申しわけない、こういうふうにお答えせざるを得ないと思うのでございます。
  114. 二宮文造

    ○二宮文造君 私が問題にしているのは、この用地については、まあ公団の扱う金額としては、非常に少ない金額の部類に属します、総額で二千万円少々ですから。しかし巷間、住宅公団が非常に政治的な圧力に弱い、こういうふうなうわさがあります。前回私が問題にいたしました光明池団地につきましても、公団がどのように説明をされようとも、そういう黒いうわさを払拭するだけの的確な資料をお持ち合わせでない。この場面におきましても、大事な工場用地、それを原価で処分をされるときに、この背後にある勢力について非常に公団が弱い。ただ、申請書というのは出しているだけなんです。内容は支離滅裂です。事実を全然列挙しておりません。数字を合わしているだけです。私ども会計にあまり詳しくありません。詳しくありませんが、この資料を見ますと、いま申し上げたような疑点が出てまいります。公団側として会計経理に明るい職員の方もいらっしゃるわけですから、この点は見のがすはずがない。なぜこうなったか。連帯保証人に、田中彰治氏が連帯保証人になっております。田中彰治氏といいますと、衆議院における名うての決算委員として、しばしば問題をひっさげて議場に立たれているんです。私はその人を云々するわけじゃありませんけれども、世に李下に冠を正さずということばがあります。もしこういう事実が明らかになってまいりますと、田中氏自身の名誉にも私は関すると思う。公団が巷間、政治的な圧力に弱いというこれは明らかな例ではないか、こういうふうな思いもいたすわけです。  で、さらに問題を進めていきたいんですが、この土地は昭和三十九年に大映株式会社に売られていますね。公正証書を見ますと、十年間は他の用途に転売してはならない、使ってはならないと相互にかたい約束があります。大映株式会社に、社長は永田雅一氏だと思うのですが、転売されるについて、公団とこういう取りかわしがある。しかし、ひとつこういうような事情に基づいて転売をしなければならぬので了解願いたいというような申し入れが、国際家畜研究所から公団のほうにありましたね。
  115. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 私たちがこの企業の建設の督促をいたしております過程におきまして、現実にこの宅地管理を実施している責任者のほうにおきまして、昭和三十九年の四月に大映に登記簿上土地の所有権が移った、こういう形になっておったのを発見をいたしました。私たちは、公団といたしまして、このような企業が工場の建築義務も完成していないほかに、また公団の承知もしていない発記簿上の所有権の移転が行なわれていることはけしからぬということで、このことを関係者に申し伝えますと同時に、工場の建設の督促をいたしたのでございますが、その後当事者は、そういう契約内容を十分知らなかった、こういうことで、三十九年の十月十四日に国際家畜の名義に登記が変更されて今日きておるわけでございます。ただいまお尋ねのありました大映と国際家畜との間における取引は、公団が知っておったかということでございますが、そういうことは全然公団が介入いたしておらぬのでございます。
  116. 二宮文造

    ○二宮文造君 これは明らかに国あるいは政府機関とそれから契約を取りかわす場合には、相互に公正あるいは真実ですか、信義に基づくという、そういう原則を大義名分を立てて契約というのはかわされるはずです。ですから、公正証書をつくっておきながら、そういう条件があったのを知らなかったということは、公の場所では通らない。また、そういう事実があって公団が指摘をしたからもとに戻ったから、ないものと同じだというふうな論理も、法律の場合には私は通らないと思うのです。もし公団が指摘をしなければ、そのままで終わっておるかもしれない。指摘をしたからもとへ戻したということでは、これはもともとなかったというふうに考えてくれと言われても、私どもはそう理解するわけにはまいりません。  さらにもっと具体的に、現在国際家畜研究所という会社はありますかどうか。
  117. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 国際家畜研究所というのは、これは当時走坂伝馬町に所在しておって、深谷にこの研究所の新設を行おうというものであったわけでございます。したがって、その時点においてこの工場の建設を督促いたしたのでございますが、現在もこの国際家畜研究所といういわゆる研究所といいますか、これは新設を計画しておるわけでございますので、現在の事業といたしましては、どのような内容のことになっておるのか、承知いたしておりません。
  118. 二宮文造

    ○二宮文造君 私お伺いしたいのですが、この国際家畜研究所という会社を調べてみたのですが、ないのです、現在。で、ありますのは、東京都港区赤坂伝馬町二丁目一番地、住所地番は同じです。ただし会社名は株式会社田中牧場となっております。そうしてその会社の設立年月日は昭和二十八年十二月九日、すなわちこの申請書に書かれた年月日と同じ設立年月日になっております。したがって、私の推測ですが、国際家畜研究所というのは、公団が知らないうちに株式会社田中牧場に変わっております。先ほど私が四十年九月二十八日に公団に出した書類並びに四十一年三月下旬に公団に申請のあった書類の名義人はだれになっておりますかと伺ったのは、この点です。もしもこの時点で国際家畜研究所云々という名前が使われておるとすれば、実体のない会社の名前を使っております。この点はいかがですか。
  119. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 現在まで公団と契約し、また実際に交渉をして公団の意思を伝え、また督促しております法人は国際家声研究所でございます。ただ代表取締役の名義は変わっておりますけれども、やはり国際家畜研究所として新設を計画しておる法人である、こういうことで公団と交渉をしておる次第でございます。
  120. 二宮文造

    ○二宮文造君 どうでしょうか、公団から国際家畜研究所で買って、そうして国際家畜研究所で建てます、こういうふうに誓約をしておるのですが、その後紆余曲折があって今日まで建っていない。ところが会社の実体は、昭和四十年にすでにもうその名称が変更されてしまっておる。変更されてしまったことについて、公団に了解もとらない、並びにもう社名も変更しておるにもかかわらず、もとの社名で、いかにも国際家畜研究所という会社があるようなかっこうで書類を出してくるその会社に対して、公団は今後も信憑性を持って応対ができますか。この点総裁いかがですか。
  121. 林敬三

    参考人(林敬三君) 先ほど来御質問の深谷の国際家畜研究所のことでございますが、譲り渡してから二年後までには建てなければいけないという約束をいたして譲り渡したものでございます。それが満二年経過いたしまして、さらにそれからあと一年半経過しておるというのが現状でございます。全部で二十社ほど深谷では譲渡したのでありますが、みなそれぞれ苦心しながらもやっておるときに、これだけがいまだに建てないということ。それぞれの当時者にはいろいろな説明もありますし、また事情もありましょうけれども、何としても遺憾千万なことでございます。公団としては、正式に内容証明で直ちに督促状を出し、それからあともここには何十回にもわたって督促をして、この問題はどうなるかどうなるかということをやって今日に至っております。さらに、さっき関盛理事から申し上げましたように、昨年の九月には今度は文書をもちましてあと半年待ってくれ、そうすれば具体的にやる、何としても景気が悪くなって高金利を借りなければならなくなった、このやりくりのむずかしさがあるから、しかし必ずやるからということでございました。しかし、こちらとしてはそれを猶予を承認したわけじゃなく、とにかく早く具体的計画を出した上で、それの信頼性、信憑性のいかんによってこっちは処置するということで今日に至りました。さらにその六カ月も過ぎてまいりますようになりますので、この三月もう一回内容証明で督促いたしました。そしてその結果が、結局さっき申しましたように、五月に着工をして六月以降第一期と第二期に分けて年内には必ず完成するからという向こうの話でございます。それでその点についてはこちらももう文書だけでも三度目のことでございますし、これはよく今後接触をいたしまして、ほんとうにやれるか、これはもうここらで切らなければいけないかということをよくよく見きわめまして、そして最も適切な措置というものを、これからとりたいと思っておるのでございます。まことに遺憾なことなのでありますが、まあ一応その当時としては、これは一番いいと思って当時の方は譲渡されたと思うのですが、そしてそうなってまたもう少し待ってくれ、すぐですからと言われると、この不景気のときでもあるし、そこでもう少し待というかということでずっときて、いろいろな行きがかりがあって、それでもできるものなら、ここで打ち切ってしまってまた白紙に戻してということよりは、これだけのいままでの関係のあるところだからというようなことがありまして、今日に至っておるわけでございます。最近、非常にまあいままでにない具体的な話が出てまいってきておりますので、それの内容についてよく検討いたしまして、ここでどういう措置をしていくかという最も適切な判断というものを下してやってまいりたいと存ずる次第であります。
  122. 二宮文造

    ○二宮文造君 総裁がいまおっしゃられたことは、状況論としては私はわかると思うのです。しかし公団もやはり権威のある存在ですから、そして権威のあるこういう公正証書というものを取りかわしになったんですが、この公正証書というものは権威のあるものですか、一片の約定にすぎないものですか、これはどう理解されておりますか。
  123. 林敬三

    参考人(林敬三君) もちろん権威のあるものと存じます。ただ二年を経過したらすぐ直ちに解約をして、ぼそっともう血も涙もなしといいますか、切ってしまうかというと、そういうこととも違いまして、それぞれの会社の事情によりまして、それからやむを得ざる世の中のいろいろな状態というような変化もあります。そういう場合に、その約定どおりに厳密に執達吏がやるように執行するかどうかという点については、そのときにおいての最善の判断をとるというふうな心がまえで、いままで処置をしてまいっております。
  124. 二宮文造

    ○二宮文造君 それでは具体的にお伺いいたします。公正証書の十二条をあけてください。あると思います。「乙又ハ連帯保証人ハコノ契約二基ク譲渡代金ノ支払ヲ完了シ、カツ、本土地ニ工場ノ建設ヲ終ルマデノ間ニ、次ノ各号ノ壱ニ該当スルニイタッタトキハ、甲ニ対シ、直チニソノ旨ヲ通知シナケレバナラナイモノトシマス。」見てください、その二です。「乙又ハ連帯保証人ガソノ氏名、名稱、商号、住所又ハ代表者ヲ変更シタトキ。」公団に連絡がありましたか。通知がありましたか。さらに第十四条「甲ハ、乙ガコノ契約ヲ締結シタ日カラ工場ノ建設ヲ終ルマデノ間ニ第壱号カラ第六号マデノ壱ニ該当シ、又ハコノ契約ヲ締結シタ日カラ拾年以内ニ第七号二該当スルト認メルトキハ、コノ契約ヲ解除シ、又ハ本土地ヲ買イモドスコトガデキルモノトシマス。」その五に「申込書ニ虚偽ノ記載ガアッタトキ。」あるいは「乙が第八条第貳項ニ違反シタルトキ。」第八条第二項といいますのは、「乙ハ契約ノ締結ノ日カラ拾年間ハ、本土地ヲ工場用地以外ノ用途ニ使用スルコトガデキナイモノトシマス。」こういう三つの点を私は具体的に指摘したいと思いますが、これに対する公団の考え方をお伺いしたい。
  125. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) これはこのとおりでございます。工場の代表者といいますが、代表者の変更のありましたことは、連絡によって承知をいたしておりますが、ただいまその他の事項について御指摘のありましたうち、期限内に工場が建設されない。こういうことについての事項につきましては、公団のほうで普通の企業につきましては、正式の資金計画なり、あるいはまたこの建設計画の具体的な遅延理由を添えられまして延期承認を与える、こういうような方法で認めてきた企業が相当な数にのぼっております。したがって、この連絡は、事務的にも十分行なわれている企業が多いのでございますが、今回の場合は非常にこまかい連絡をしょっちゅうやっておったのでありますが、正式の文書になってくる時期が、非常に間隔的に期間が長かった、こういうのでわれわれも事務的にも困難をきわめたわけでございます。したがって、この公正証書に掲げてある事項につきましては、公団として契約解除権を留保いたしておることでありますことは、間違いのないことでございます。
  126. 二宮文造

    ○二宮文造君 まだ公団の説明がないんです、転売の問題、それから商号変更の問題について具体的な回答がないんです。
  127. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) この公団の承諾なしに登記の所有権の名義が書きかえられたということについて、これは事実でありました。したがって、これの事実をもってすれば、ただいま御指摘の契約の解除が理論上は可能であります。が、これは実は知らなかったんだということで、十月にもう一ぺんこの国際家畜に登記の名義を変更されまして、そして工場の建設をやるんだというお話が事実上ありましたので、この規約のとおりにはいたさなかった、こういうことでございます。  それから、商号の変更と申されましたが、商号というのは、これは当初から会社の名称は国際家畜研究所でございます。
  128. 二宮文造

    ○二宮文造君 私が赤坂の関係の芝出張所で、いわゆる港区赤坂伝馬町二丁目一番地に本社所在地を有するその法人登記を調べてみたところによりますと、国際家畜研究所というのは現在ないんです。で、芝の出張所で調べてもらいましてもないんです。これではないかというので、出されてきたのが、田中牧場というんです。それはここに事実記載が、これは様式が昨年変わりまして、ちょっとその資料が不足をしておるんですが、たしか昭和四十年の二月ごろに商号変更をしているはずなんです。したがいまして、もしも私の調査が間違いなければ、問題になりますのは、ありもしない会社の名義を使って公団に四十年の九月の二十八日に出した書類、三月の下旬に出した書類はありもしない会社の名前も使ったということになりますが、もしもそういう事実がありましたときは、公団としてどうされますか。
  129. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) ただいまのような事実が現実にありました場合は、この契約条項に基づきまして、公団が契約の解除をするということになる。契約の解除をすることができるわけでございますから、そういうこともよく調べました上で、判断をする一つの具体的な措置を講ずる内容だと思います。
  130. 二宮文造

    ○二宮文造君 もう一つ解除の要件があります。「申込書二虚偽ノ記載がアツタトキ。」、こうなっておりますが、この点についてはどう解釈されますか。
  131. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) この申し込み書の虚偽の記載につきましては、これは内容自体につきまして、こちらが要するにだまされておって、そしてこちら自身が損害をこうむるとか何とかいうような場合と、それから事実の違反についての内容等がいろいろあろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、申し込み書の虚偽記載につきましては事実問題でございますので、これもやはりただいま申し上げましたような当事者間の契約を締結することについての事後の処置といたしまして、解除することがもとよりできることになるんだと思います。
  132. 二宮文造

    ○二宮文造君 総裁にお伺いしますが、総裁はそういう事実が積み重なってきても、血も涙もない、ばっさり切るようなことはできない、従来の関係もあるからという先ほど答弁でございましたけれども、ただいまの関盛理事が、もしも商号の変更、あるいはそういうことを公団に通知もしないで、かってにあるがごとき形で書類を出すというような、その状況のもとにおいては、それはもう契約解除も考えなきゃならぬというふうな関盛理事の答弁でございますが、総裁はいかがされますか。
  133. 林敬三

    参考人(林敬三君) 先ほど一般的なことを申し上げたわけでございまして、幾ぶんこれに引っからんだような御説明を申し上げたわけでございます。血も涙もないというような処理で公団はいくわけにはまいらないと存じます。しかしながら、時と場合によっては、これは公益のためにばっさり切らなければいけないということも、過去いろいろなことがありましても、何でもこのやらなければならないということも当然だと存じます。いまかりに——かりにというか、相当証拠をもって調べますが、これとこれの場合にはどうかということでございますが、これはひとつ私のほうも、恐縮でございますが、よく調べさしていただきました上で、その出てきた結果によっての処置ということにさせていただきたいと存じます。なすべきときは断然いたさなければいけないと思っております。
  134. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は、もう一点念のためにお伺いしておきたいんですが、当初公団は、こういう工業用地については、いわゆる原価主義でよろしいということで採算をはじかれて、こまかい原価計算のもとに二千七百円という最低の分譲価格をおきめになった。さらにその後河野大臣のツルの一声であったと伺っているんですが、原価主義というのはおかしいじゃないか、ある程度時価を加味したほうがいいということで、その後工業用地の処分についても、時価主義というものを若干取り入れて、この土地については四千五百円というふうに処分をされたとも伺っているんですが、さてその後三年何がし経過しております。土地としては当然上がっております。一般の考え方からしますと、契約を解除される場合の、買い戻しをされる場合の坪単価の基準になる数字は、どういうようなことを考えてはじかれますか、これは一般論になりますが。
  135. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 契約解除いたします場合は、これは契約時に納付されました譲渡代金を返納するということになるわけでございまして、いわゆる処分時の、契約時の価格で公団が土地の返還を請求し、かつ買主のほうが譲渡代金を公団から契約代金に相当する額を受け取る、こういうのが公団の取りきめでございます。
  136. 二宮文造

    ○二宮文造君 その場合に金利の計算はしませぬか。たとえば具体的な問題になりますが、国際家畜研究所は、指定された期限に必ず納めておりませんので、二回、三回にわたって延利を取られております。納付の期限がおくれております。延利を取られておりますが、今度は買い戻しされた場合に、その延利も買い戻しの価格には入れないんですか。
  137. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) その計算はいたしません。公団は契約締結いたしまして、土地を引き渡しますと、直ちに当該土地の使用権が譲受人に発生するわけでございますから、したがって、いわゆる一方的な契約解除の場合におきましては、契約の際に納付されました譲渡代金から、譲受人が使用いたしました、いわゆる譲渡時期から契約解除時点までの間における使用料相当額を譲渡代金から差っ引きまして支払いをする、こういうことになるわけでございます。
  138. 二宮文造

    ○二宮文造君 関盛理事お伺いしますが、非常に政治的な立場に力を持っていらっしゃる方が背後にいるわけですが、あなたが申されたような公式論でこの契約の解除ができますか、自信がありますか。もしも解除するだけの自信があるならば、今日までじんぜんと日にちは過ぎてないと思う。さらに私ども先ほど申し上げたような公団の存在をないがしろにするような事務の交渉の事態はなかったと思うんですが、いかがですか、自信がありますか。あなたが先ほど新たな時点に立って契約を解除するということも考えなきゃならぬというふうに——裁のところへいって多少やわらかくなりましたけれども、それは総裁の立場上しかたがないと思います。しかし、主として答弁に立たれたあなたの決意としては、やるべきであるというふうに私は受け取ったのです。そのように受け取ってよろしいか。
  139. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 私がお答えいたしましたところは、この工業用地の譲渡契約の公正証書、これはどの企業とも同様の書類で締結いたしておりますが、これの内容の契約の解除に相当する事項の問題なり、あるいはまた契約解除後の代金の精算方式の一般論としてのお尋ね、こういうことで具体的に申し上げたのでございますが、ただいまお尋ねにございましたように、この企業の譲渡後における宅地管理の実相は、いろいろ企業の内部事情もありましょうし、また公団側としても、とにかく建設を期待して今日までに進んできておる実情でございますので、この当初の建設計画が延び延びになっておりますけれども、できるだけ実施されることを期待しながら今日まで進んでおりますので、いまお尋ねのように、この事案の具体的処理につきましては、もっと具体的な御指摘の事実を調査いたしまして、さらに事実の実際面においてある程度弾力的な運営をいたさなければ、この土地利用の具体化というものが、契約の約定書自体の解釈、適用だけではなかなか困難かとも考えておる次第でございます。
  140. 二宮文造

    ○二宮文造君 もっと指摘をしておきます。田中牧場の定款目的の中にはもう餌はないのです。入っておりませんよ。種馬とか家畜類の改良、それから受託管理ですね、魚の改良ですね、農産物の生産、畜産物、酪農品の処理、加工並びに販売、林産物の生産及び加工並びに販売、前各号に掲げるものに関連する業務と、非常に抽象的に定款目的にございまして、公団にありました事業目的のために使いたい、たとえば飼料は日産三百トン、あるいは農薬は月産五百万円というふうに事業目的を書いて公団に申請しておりますが、田中牧場にもしも商号が変更されたとしますと、田中牧場の定款目的にはそれはございません。また往々にしてこういう場合にうまく抜ける道は会社ごと合併する方法があるんです。大蔵省の見解によりますと、会社ごと合併をするのは、そして、定款目的が変更されるのは、商法上妥当であるという見解が、この前の委員会で述べられました。公団の場合には用途がはっきりされておるわけですが、もしもいま申し上げたように会社ごと合併をして、いわゆる国際家畜研究所は被合併会社になり、公団に申請をした営業が全然なくなった場合にでも、その合併は認めますかどうか。商法上の発展行為であると認めますかどうか、この点をはっきりさしておいていただきたい。
  141. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 具体的に事案が展開した場合の想定は、これは具体的な事案が出てまいりませんと、具体的にお答えできませんが、企業の目的が、いわゆる家畜の餌料の生産であるとか、いろいろ掲げております国際家畜の業務目的というものがございます。この業務目的をさらに拡充し、またさらにそれを発展するというような一つの形を実現するための事業形態として、あるいはこの国際家畜の資本の内容が変わるとかいうふうなこと等も考えられる。これはまあ私はその相談を受けておるわけではございませんが、お尋ねでございますからあれするわけでございますが、やはり公団といたしましては、法人の相続のような関係なり、あるいは合併のような関係なりということがあることは、理論上も可能でありますが、そういう場合にはやはり当初分譲いたしました目的、業務というものが遂行されるということが、一つの条件になると考えております。
  142. 二宮文造

    ○二宮文造君 くどいようですが、この申請書に掲げられた農薬の製造、家畜の飼料の製造、施設ということが国有財産法に規定されておる用途指定、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
  143. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) そういう意味の用途指定ではないのでございまして、ここは工業用地として土地利用がはかられることが目的でありますからして、工業以外の用途に供する施設はつくってはいけない、こういう意味の用途目的外使用禁止、こういうことでございます。
  144. 二宮文造

    ○二宮文造君 そうしますと、あるいは機械工業に転用されてもよろしいというふうな意味でございますか。私がお伺いしているのは、申請書は農薬の製造設備、それから飼料の製造設備、具体的に、飼料について日産三百トン、それから農薬については月産五百万円、こういう申請になっております。もちろんそれが三万二千坪の申請ですから、八千何百坪に用地が変更されまして少なくなってまいりますと、そのワクは小さくなってくると思いますが、それに見合うだけの設備は絶対必要条件と考慮されるのか。あるいはそれは単なる申請であって、その後経済情勢の変化に基づいて、国際家畜研究所が生々発展してほかの業種も含むようになって、そうして合併もされて、そこに機械工業なんかが設備されても、工業用地として売ったんであるから、そういうふうなことに使われてもよろしい、こういう答弁ですか。その辺はっきりさせていただきたい。
  145. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) 工業用地ということが、制約を公団側が受けておる一つの大きな条件でございます。企業に分譲した土地の使用目的が、その企業の建設当初の事業もくろみそのものの内容として、いわゆる生産計画の具体的内容が三百トンとかというように必ずしも限定される必要はないと思います。あるいは今回の場合は、当初の要求面積から見まして、現実に分譲いたしました面積は三分の一ぐらいになっておりますし、その時点において、またその後の事態において具体的の計画を妥当なものと認めれば承認を与えることもできる。こういうことになっておりますが、工業の用地としてのいわゆる土地利用がはかられるということが、一番大きな問題になっておるわけでございます。
  146. 二宮文造

    ○二宮文造君 ちょっと答弁が、私がほしい答弁と、それから理事がおっしゃる答弁とちょっと食い違っている点があるんです。私は設備のワクが小さくなることは承知します、坪数が減ったんですから。しかし、その設備が飼料と全然関係のない、あるいは農薬と全然関係のない、しかも、国際家畜研究所がどっかの会社に吸収されてしまった新たな会社が、国際家畜研究所が申請した業種と全然違うような用地にそれを使うとしても、公団は認めるのですかという質問なんです。
  147. 関盛吉雄

    参考人関盛吉雄君) ただいまのお尋ねの全然違うという目的であれば、これは国際家畜という事業目的からも逸脱しておることになりますので、いわゆるそういう場合におきましては、いまここで適当じゃないと、こういうふうに申し上げるほうがいいと思います。
  148. 二宮文造

    ○二宮文造君 時間がきましたので二、三点にしぼってしまいたいと思うんですが、会計検査院は、工業団地のこういうふうな、いわば契約を履行しない譲り受け人があった場合について、公団に照会をし、さらにそれを解決を督励するような措置を現在までとられたことがありますか。もちろん、これは深谷の団地については一件だけでございますが、この点については指摘をされたことはありますか。
  149. 保川遜

    説明員(保川遜君) 現在までそういう趣旨の指摘をした事例はないということでございますが、ただしかし、検査の立場と申しますか、検査のやり方と申しますか、そういった面で、こういう検査はこれはやらねばいかぬし、またやっておると思います。そういうことで、ただ問題として、契約条項に違反した、これに基づいてすぐ何らかの処置をとらねばいかぬという点は、なかなかむずかしい問題でございます。契約の条項どおりにやっていくように運用をすることは、その運用がなかなか困難な面が多々あると思います。そういったことで、われわれの検査でも、あるいはそういう——まあ問題として一線を画して、これから下はだめ、これから上はいいと、そういったような問題のきめ方はなかなかむずかしい分野がございます。おそらくそういったことでいままで指摘がなかったんではないかと考えております。ただしかし、先ほども申し上げましたように、われわれの心がまえとしましては、これはもちろん検査をやって、場合によれば指摘をせねばならぬと、こう考えております。
  150. 二宮文造

    ○二宮文造君 前段のほうはちょっと私聞き漏らしたんですが、後段のほうははっきり耳の中に入ってまいりました。それでこの問題は、今後の推移、公団の決意、あるいは具体的な措置を、もう少し時日をおいて見さしていただきたいと思います。  それから光明池の問題ですが、前回私のほうで質問をいたしまして、その後納得ができませんので資料を出していただきました。その資料を見ますと、前回の関盛さん並びに大庭さんの答弁と、それから出していただいた資料との間に相当の食い違いがございます。しかし、前回の会議録がまだできておりませんので、この問題は次にしたいと思います。で、その会議録と対照しながら公団の考え方をお伺いしたいと思うし、問題のあり方をはっきりさしたいと思うんですが、ただ、刑事局長さんにお伺いしたいんですが、起訴状によりますと、あの用地課長が起訴をされておりますその起訴状には、昭和三十七年の十月ごろ、三十七年の十月三十一日という内容で、「同人らが東洋棉花株式会社ほか一社所有にかかる」云々の三十四万坪と、こういう起訴状になっておるんですが、その土地の謄本を見ますと、三十七年の十月ごろは東洋棉花の所有になっていないんです。日本電建の所有になっておるように私承知するんですが、この食い違いのところを、後日でけっこうですから御説明願いたい、こう思います。——いま御説明いただけますか。
  151. 津田實

    政府委員(津田實君) ただいまのお話の、起訴事実の中に「東洋棉花株式会社ほか一社」というふうになっておりましたことは事実であります。ところが、その後贈賄者側の柴山関係につきまして検討いたしました結果、ただいま御指摘がありましたように、この点は、当時日本電建株式会社所有であったということが明らかになりましたから、これは公判において起訴状を訂正するということになろうと思っております。  それで、この土地の関係を申し上げますと、光明池の山林の所有名義は、当初は多数の地主名義になっておりましたのですが、それを神港建設工業株式会社が買い受けて名義人となり、それをさらに東洋棉花株式会社が買い受け、次に日本電建株式会社、それからまたこれを東洋棉花株式会社が買い戻して名義人となり、これがさらに興亜建設株式会社とそれから東洋殖産株式会社というふうに所有名義が変わっておりまして、その後に日本住宅公団が取得した、こういうことになっておるわけです。
  152. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから公団にもう一点お伺いしたいんですが、前の警察庁の刑事局長であられたと思うんですが、宮地さんが大阪支所長になられたのはいつですか。
  153. 林敬三

    参考人(林敬三君) ちょっと明確な日付を覚えておりませんが、昨年の九月か十月でございます。四十年の九月の終わりか、十月の初めごろだったと思います。
  154. 二宮文造

    ○二宮文造君 期せずして一致をしたのですが、公団の用地課長が起訴されましたのが十月の二十九日、そして前回刑事局長さんに、逮捕されたのはいつかと、こうお伺いをしましたら、よくはわからぬけれども、スムーズにいっていれば大体二十日ぐらい以前じゃないかというふうなお話でございました。これは偶然の一致であろうとは思いますが、この点につきましても、今後の時点でまだ若干御説明をいただきたい部面も出てくると思っておりますが、本日はこれでとめておきます。
  155. 林敬三

    参考人(林敬三君) いまの宮地支所長のことでございますが、これはたしか九月にあちらへ参ったと思いますが、全然こういう問題の、あの事件とは何にも関係もなく、全く別の関係であれは監事から理事にかわって大阪へ参ったと。参って一カ月ぐらいたちましたところが、遺憾ながら勝又事件というものがあそこの昔の関係で出てきた、こういうことでございまして、これはもう何の含みもなければあれもないというのが、もう私の全く信じておる実際でございますが、それを申し上げておきます。
  156. 二宮文造

    ○二宮文造君 私はそういうことは申しておりません。偶然の一致であろうと申しております。誤解のないようにお願いいたします。
  157. 林敬三

    参考人(林敬三君) よくわかりました。
  158. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 他に御発言もなければ、午前中の審査はこの程度にとめたいと存じます。  なお午後二時まで休憩いたします。    午後一時九分休憩      —————・—————    午後二時十分開会
  159. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和三十八年度決算外三件及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書を議題といたし、昭和三十八年度決算外三件の総括質疑及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調書の質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言願います。
  160. 相澤重明

    ○相澤重明君 午後の冒頭は、補助金等に関する問題でありますが、前回の当委員会におきまして、前回の私の質問の中でブドウ糖工業会あるいはでん粉製造業等の問題について、農林省なり通産省なり大蔵省にそれぞれ御質問を申し上げましたが、若干舌足らずの点があり、資料の要求をいたしておきたいと思いますので、まず、その点を先にお答えを関係者からいただきたいと思うのであります。  農林中金なり農林漁業公庫等が、これら業界に対する融資については、説明を前回聞きました。そしてまた特に農林中金等については、これは当委員会としては、直接の問題でございませんから、ただ、貸し付け条件等については、十分、農民、漁民等の期待にこたえるように、融資を行なった場合には、その返済条件あるいは担保条件、こういうようなものを粗末にしないようにということを申し上げ、農林中金の場合にも担保はとっておる、こういう御説明をいただきました。そこで、具体的に、私は次の会社について、ひとつ御説明を求めておきたいと思うのでありますが、それは共和精糖、共和糖化、東洋果糖等について、前回、私が、各業界の十三社の名前をあげたわけでありますが、いま申し上げたものが、貸し付けを受けている場合に、公庫と中金の場合は説明を受けました。したがって、これらの担保物件がどうなっているのか。それからその担保が第一抵当なのか、第二抵当なのか、こういう点についてもひとつ御説明を願うために、資料を御提出をいただきたい。それから担保物件を出す場合に、その評価はどういうふうにして出しているのか、あるいは順位、そういうようなものもこれは大事なことでありますから、ひとつ農林省からお出しをいただきたいと思う。  いま一つは、共和糖化、共和精糖の問題について、宮崎県のコンビナートの問題を私は提供いたしましたが、その後説明を受けると、地元のいわゆる労働者を採用する、こういうような話でございましたが、この前御説明をいただいたのは、現在の従業員の数を御説明いただいたわけですね。したがって、これからコンビナートがいわゆるでき上がったときに、地元の人をどのくらい採用するのか、人を採用しないで、機械化だけでもって、人は要らないのだ、こういうようなことだというと、どうもたいへん地元の県として困るようでありますから、その点はやはり明らかに、計画があるならば、その計画を出してもらいたい。それからこの共和精糖が、私の名前まで含んでいわゆる東京から横浜から、広島から千葉からそれぞれの地域に本社を移転したことは前回申し上げました。そこで国税庁長官泉君に、この前は一体この会社が税金を納めておるのかどうか、本社を年中移しておったけれども、一体その期間に税金を納めているのかどうか、それを調べてみろ、こういうことを、会計検査院及び国税庁長官に私は要望しておきました。その後、これらの関係会社が税金を納めておるかどうかということについては、これは返事がない。もしきょうわかっておれば、御返事をいただくのはけっこうでありますが、もしきょう直ちにそれができなければ、前回に引き続きでありますから、ひとつ資料を御提出をいただきたい。お調べになって資料提出していただきい。その際に、資料提出していただく際に、三十六年か七年ころだと、私記憶にあるのでありますが、事実かどうかよくわかりませんから、一応、この大阪府の高槻市付近に国有林約二十万坪たしかあったと思うのですが、これは、きょうは大蔵省国有財産局長松永君呼んでおりませんから、この会社に関係する問題でありますから、それがどういうふうにして払い下げられておるものかあるいは払い下げられていないものか、これはひとつお調べになって資料を御提出いただきたい。  それから、前回農林中金にお尋ねをした際に、この共和精糖が九州で四十億余のいわゆる資金をもってコンビナートをつくり、さらには第二期工事計画もあったけれども、それは公庫としては、今度の資金貸し出しについては十分検討しなければならぬ、こういうことで具体的にはそこ一社だけということでなくて、糖業界全体に対するいわゆる検討を加えておるということで、共和精糖には貸し付けは第二次計画についてはきまっていない、こういう御報告でありましたし、中金は、当時延滞があるかないかという問題については、若干延滞があった、こういうようなことを聞いたのでありますけれども、公庫並びに中金に対して、この会社が延滞をしておったことがあるのかないのか。それは資料で、まだこの前の説明だけでは不十分ですから、資料で御提出を願いたい。そうして、その金利、元本ですね。これはこの前一部資料提出いただいたので、わかっておりますが、金利、元本をひとつ出していただければ、それがお答えができると思うのです。この共和精糖という会社がいま東京の日本橋に大きなビルを建てるというようなことをやっておるようでありますが、その資金はどこから出るのか、前回では、ほとんど宮崎県のコンビナートに大体の金をつぎ込むということにきまっておったのでありますが、今回は、東京に地上九階地下二階とかいう膨大なビルを建てるというようなことを言っておるのでありますが、その資金計画はどうなっておるのかということも、ひとつお出しをいただきたいと思うのであります。これはあるかどうかわかりません。よくわからぬけれども、前回でそういう説明をいただいておるから、その説明のあとにそういうふうな話が出ておるので、ひとつ御説明をいただきたい。  そして、大蔵省銀行局としては、これら公庫及び中金等関係の機関が、決算委員会議題にせられた際に、こういう一社に対する多くの資金を投入するよりは、全体の業界自体を育成すべきではないか、こういうことで、前回私がこの委員会で申し上げたのでありますが、監督省として銀行局は、いまのいわゆる九州コンビナートの問題を契機に、全体の業界と共和精糖との関係というものはどうなっておるのか、そういう金融関係というものはどういうふうに行なわれておるか。監督者の立場でひとつ資料を御提出を願いたい。以上が、前回決算委員会において説明をいただいた中で不十分な点がありますので、資料要求だけこれは願っておきたいと思うのでありますが、関係者からお答えをいただいてこれは終わりたいと思うのであります。
  161. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいま御要望の資料提出について、それぞれ御答弁をいただきたいと思います。
  162. 森本修

    政府委員(森本修君) ただいま御要求のございました資料は、できるだけ早急に整えましてお出しをいたしたいと思います。
  163. 中嶋晴雄

    説明員(中嶋晴雄君) この前も御答弁申し上げましたが、共和精糖につきましては、三十八年九月期は相当程度の申告所得の赤字を出しております。それから三十九年九月期は、これは公表利益は黒でございますけれども、繰越し欠損がございます関係上、課税所得の上では税額はゼロということに相なります。それから四十年九月期につきましては、公表利益は赤字で欠損であると思いますが、税務所得上は、まだ実は調査をいたしておりませんので、どういうことになりますか、まだいまのところわかっておりません。資料というお話でございましたが、課税上の資料はひとつただいま申し上げました程度でお許しを願いたいと、かように考えております。
  164. 相澤重明

    ○相澤重明君 国税庁は、いまの共和精糖、私の申し上げたのは共和精糖は四グループ、たとえば横浜の磯子の私の地元に本社を置いたとき、東京に本社を置いたとき、千葉に置いたとき、広島に置いたとき、こういう転々としておるが、そのグループのそういう本社を移転をしたようなときに、そこの地帯に税金というものは納めておるのかおらないのか。あまりにも激しく本社を移転をしておるので、しかし結果的には六十億も、七十億もの資金を銀行並びに公庫等から引き出しておる。そして大事業を行なうということになっておるけれども、一体その間どうなっておるのか、こういう点をお尋ねしておるので、いま共和精糖の話はわかりましたが、いわゆる共和糖化とか、東洋果糖とか、そういう共和精糖のグループの四グループをひとつお調べになって、そして報告をしてもらいたい。共和精糖だけはこの前も御説明があったし、きょうもあったけれども、そういう点を申し上げておるわけです。それというのが、この四グループが九州の宮崎のコンビナートをつくる大きな原動力になっております。その中心が共和精糖である、こういうことを申し上げたわけです。よろしいですか。
  165. 中嶋晴雄

    説明員(中嶋晴雄君) この前相澤先生から、実は調査課所管法人と同様に、実は小さい法人につきまして、所在地が転々としておるというようなお話しがございまして、私調べますということを申し上げた覚えがございますが、調査いたしましたところ、いわゆる所轄税務署がはっきりしないようなものもございまして、全部につきまして調査が行き届いておるというわけにまいっておりません。しかし、かなりの部分が調査課所管法人に吸収されておるということがわかっておりますので、その部分につきましては、私ども資料を実は持っております。したがいまして共和精糖と同じ程度のことはいまでも申し上げられるのでございますが、先生お話資料としてということでございますので、そろえまして提出いたしたいと思います。
  166. 佐竹浩

    政府委員(佐竹浩君) ただいま相澤先生の最後の点でございますが、これは共和精糖に対する融資につきましては、開発銀行からの融資もございます。また市中金融機関からのものもございますので、これらを取りまとめて整理する、それから東洋果糖に対しては、これは農林漁業金融公庫のみならず、農林中金からの融資もあるようでございます。それらをまとめて整理した表ということでよろしゅうございましょうか。
  167. 相澤重明

    ○相澤重明君 けっこうでございます。
  168. 佐竹浩

    政府委員(佐竹浩君) 承知いたしました。
  169. 相澤重明

    ○相澤重明君 政務次官、ちょっと聞きそこなったと思うが、先ほど申し上げましたのは、共和精糖が九州に大きなコンビナートをつくる。その資金は、いま銀行局長国税庁次長言うように、各グループ会社、そして膨大な資金を集めておるわけですが、その中でたしか三十六年か七年だと思うのですが、大阪府の高槻市付近にある国有財産約二十万坪だと私は思う。これが払い下げの手続を私は申請されたと思うので、払い下げられておるか、あるいはおらないか。それを調べて報告してもらいたい。で、払い下げられておるとすれば、坪数並びに価格これを年月日を含んで御報告願いたい。
  170. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) さっそくに調査いたしまして資料として提出いたします。
  171. 相澤重明

    ○相澤重明君 それではいまのは追加の資料の問題でありますから。  次に先ほど申し上げました補助金等の問題について移っていきたいと思うのであります。それで補助金等については、当委員会といたしましても非常に関心を持って各委員から毎年強く指摘をしておるところであります。また会計検査院においても行政管理庁においても、それぞれ指摘をしておるところでありますが、まずこの前回、「補助金等」というのは一体どういうものなのか。こういう点について説明を求めました。それで「補助金等」については、補助金あるいは負担金、交付金、補給金、委託費、それにこの助成金等がいわゆる「補助金等」と言われるものであります。その総額は実に一兆四千億円余に及ぶ膨大なものなんだ。そこでこの本院としては、国民の血税を予算に組んで、そしてこの最も効率的な運用をしなければならぬ立場にある決算委員会は監視しなければなりませんから、そういう意味で補助金のむだ使いをなくし、効率的な運用をはかっていくというのが、この決算委員会で常に言われていることであります。そこで三十八年度の中で、前回私はこの補助金等という中に委託費の問題を提案いたしました。委託費の中では、庁紙費、図書費等の問題を前回は取り上げました。たとえば外務省の問題を取り上げたわけでありますが、きょうはそういう全体の中でやはり問題があると思われますので、二三ひとつお尋ねをしていきたいというのは、厚生省と農林省であります。そこでまず農林省の所管の補助金等に対する点でございますが、この農林省の所管のいわゆる補助金、三十八年度は全体で幾らあったんですか。まず三十八年度、三十九年度、ひとつ御報告いただきたい。これはすでに国会に提案しているんですが、いま一度御報告いただきたい。
  172. 和田正明

    政府委員(和田正明君) いま先生のお尋ねの農林省全体の委託費の総額は、私ちょっと手持ちをいたしておりませんので、官房のほうへ尋ねまして、後刻御報告いたします。
  173. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは全体のはあと資料として御提出をいただきたい。  その次にいまのあなたの当面の問題になる農業構造改善事業、この関係についての補助額をひとつ三十八年度、三十九年度御説明いただきたい。
  174. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 三十九年度の構造改善事業が百二十三億三千六百五十万五千円、それから三十八年度が七十三億九千三百六十三万円。
  175. 相澤重明

    ○相澤重明君 農業構造改善事業でいまの補助額の御説明いただいたんですが、これはちょっと数字が、だいぶ私の記憶しておるのとは、少し補助額が違うように思うけれども、これはあとでいま一度御検討いただきたいのですが、その中で農業構造改善事業を推進するための協議会ができておりますね、協議会。その農業構造改善事業の全国農業構造改善協会、この協会に対する補助金は幾らになっておりますか。
  176. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 三十八年度が千三百五十六万一千円、三十九年が千六百四万二千円でございます。
  177. 相澤重明

    ○相澤重明君 この全国農業構造改善協会はどういう活動をしておるんですか。
  178. 和田正明

    政府委員(和田正明君) この協会は三十八年に設立をされました社団法人でございますが、御承知のように、構造改善事業が農民の自主性を尊重しながら農業の近代化に資そうという事業でございます関係で、地元の町村、それから関係農業団体等のいろいろな協力を必要といたしますので、それらを会員として設立されたわけでございますが、主たる事業は四つございまして、一つは構造改善事業に関しまする啓豪普及宣伝でございます。それから二番目はコンサルタント活動ということで、構造改善事業の実施をいたそうと考えます町村が、その町村としての事業の計画等をどのように考えたらよろしいかということを、専門家等にいろいろ協議しながら考え方を固めていく必要があるわけでございますが、そういうことを希望いたします町村に対しまして、この協会で相談に応ずるというコンサルタント活動というものでございます。それから三番目には、構造改善事業の中には、基盤整備事業を含むわけでございますが、それらの基盤整備事業をやるにつきまして、地元の設計能力等がない場合に、この構造改善協会が調査設計を担当してめんどうを見てやる、それから四つ目は、諸般の調査研究を行ないまして、構造改善事業の実施のために、非常に総括的な調査研究を実施をいたしたい、大体その四つの仕事をしておるわけでございます。
  179. 相澤重明

    ○相澤重明君 この構造改善協会に対する国の補助は、どういう形式で交付をされますか。
  180. 和田正明

    政府委員(和田正明君) ただいま申しました四つのうちの、コンサルタント活動につきましては、定額補助でございますが、そのほかはいずれも事業費に対する二分の一の補助として実施をしておるわけでございます。
  181. 相澤重明

    ○相澤重明君 それではいまのあなたが指摘をしたコンサルタント及び啓蒙宣伝、それから調査研究、調査設計、項目に分けていまの御説明をいただいた予算額をお示しください。事業計画……。
  182. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 三十八年で申し上げますと、啓蒙宣伝費の決算額が九百五十八万七千円でございますが、それからコンサルタント活動が千十八万二千円、それから調査研究費が百七十七万一千円でございます。それから調査設計というのは、先ほど申しました基盤整備等の場合の設計等についてお世話をするほうは、四十年度から始めたことでございます。
  183. 相澤重明

    ○相澤重明君 三十九年度は幾らですか。いま三十八年度の説明をいただいたのでございます。
  184. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 同様三十九年度の決算額は、調査研究費百五十九万三千円、啓蒙宣伝費九百三十五万円、コンサルタント活動費千三百五十四万五千円、これは二分の一補助の部分については、団体で負担した部分も含んだ金額でございます。
  185. 相澤重明

    ○相澤重明君 ここに従事しておる職員は何名ですか。その四つの項目に分けて御説明ください。
  186. 和田正明

    政府委員(和田正明君) ちょっと項目別の資料を持ち合わせませんので、至急に調査をして御報告申し上げます。
  187. 相澤重明

    ○相澤重明君 特にこの会のいわゆる中心をなすのは、コンサルタント活動だと私は思うのです、そうですね。ここの農林省に、本省に、要求をした額というのはどのくらいありますか。毎年ふえておりますか。それともこの三十七年度以来そう変わっておらないのか、この点はいかがですか。それで、もしたとえば、三十七年以来のこの農業構造改善事業に対する補助金というものが、歴年これはふえておると、こう見ておるのですが、そのふえておるものが、たとえばコンサルタント活動の中でどの程度の費用が満たされておるのか。五〇%満たされておるのか、あるいは七〇%満たされておるのか。こういう点について本省としてはどう考えておるのか、御説明をいただきたい。
  188. 和田正明

    政府委員(和田正明君) コンサルタントの関係の経費は、三十八年以来毎年少しずつ予算要求額としてもふやしてまいっております。先ほどもちょっと申し上げましたが、三十八年が千十八万二千円、三十九年度が千三百五十四万五千円、四十年度が千四百三十万円、わずかずつでございますが若干ずつふえておるわけでございます。いまのお尋ねは、この活動費だけで、実際にコンサルタント活動を希望する町村なり農協なりの構造改善事業の、事業主体からの希望を満たしておるか、こういう趣旨のお尋ねだろうかと思いますが、四十年までの実情から申し上げますと、大体一町村ごとには相当濃密な指導をいたしまして、ほぼ需要にこたえておると私は考えております。
  189. 相澤重明

    ○相澤重明君 全くあなたはめくらと同じだね。需要にこたえておるなんてとんでもない。わずか二〇%か二五%しかないじゃないですか、実際のこの必要な資金というのは。そんなことだから満足な仕事ができないのだよ。ひとついま一度聞き直そう。農業構造改善に対する予算額と支出額、翌年度の繰り越し額を三十七年から三十九年までそこへ出してごらんなさい、述べてください、どのくらいになっておるか。
  190. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 前段のお尋ねでございますが、あるいはおことばを返すようで恐縮でございますが、お尋ねの趣旨が若干誤解をしておられるのではないかと思いますのは、実は需要にこたえ切れずに、予算額としても、現実の問題としてやや不足で困っております実情は、コンサルタント活動ではなくて土地基盤整備のための設計調査費のほうが、需要が現実には多いわけでございます。で、たとえば昭和四十年度について考えますと、予算としては六十地区程度の予算を組みましたわけですが、需要としては百五十九地域というような申請がまいりまして、大体三割から四割程度の現実の需要しか満たしておらない。で、おそらく先生の御指摘は、そのほうのことをおっしゃっておられるんではないかと思うんでございますが、コンサルタント活動は、私たちは先ほどお答えを申し上げましたように現実の需要と予算額との間には、それほどの食い違いはないわけでございます。  そこで、土地基盤整備に対応いたします地元の設計調査につきましては、ただいまも申し上げましたように、実際の需要が多いにかかわらず予算額が少ないという実情がございまして、カバー率で申し上げましても、いまのように百五十九の希望に対してわずか六十地区程度しか予算がないということでございますので、現実には橋梁——橋をかけるような設計をいたしまするとか、あるいは暗渠排水のような工事をいたしまするとか、特に困難な事業を構造改善事業の中での土地基盤整備事業として実施をいたすようなことを計画しようとしております町村に対して、優先的に配分をするということを考えておるわけでございます。なお、四十一年度の予算編成につきましては、その個所数をごくわずかでございますが、少し大蔵省との話し合いの中でふやしたのでございますが、なお需要には十分ではございませんので、今後できるだけそれらの点については、私どもとしては努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  191. 相澤重明

    ○相澤重明君 その次のほうも答弁しなければだめじゃないの。事業費の補助金の三十七年から三十九年までの歳出規模と支出規模、繰り越し金。
  192. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 三十七年度の国庫補助金は、これは団体への補助でなくて構造改善事業そのものの補助金でございますが、三十九億二千五百万円、三十八年度が七十三億九千四百万円、三十九年度が百二十三億三千六百万円でございます。なお、繰り越し金額につきましては、調査をいたしましてあとでお答えを申し上げます。
  193. 相澤重明

    ○相澤重明君 ここは決算委員会だよ、君。繰り越し金というのは決算上明らかになっているじゃないか、え。だから、歳出に対して昭和三十八年度のいま決算をやっているのです。三十七年度の支出というものはどのくらいあるか、そんなことはわかり切っている。三十八年度、支出を幾ら出したか、繰り越しを幾ら出したかということはわかり切っている。三十八年度はすでに国会に上程されている。われわれはすでにその報告を受けているのだよ。どうして君はこれがわからないか。そのくらいのことを農林省がわからないんでは困るじゃないの。それは一局長答弁するかしないかは別として、農林省のそういう決算の指摘をされたなら、それに対する答弁ができないでは困るじゃないか。どういうふうに考えているの、この決算というものを。
  194. 和田正明

    政府委員(和田正明君) ちょっと資料の手持ちをいたしておりませんので、いま資料を取り寄せましてお答えいたします。
  195. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料を取り寄せて——そんなことを一々聞いていたら五時になっても六時になっても終わらないよ。今後そういうことは気をつけなさい。
  196. 和田正明

    政府委員(和田正明君) はい。
  197. 相澤重明

    ○相澤重明君 あとそれを三十七年度から三十九年度までのいまの歳出、支出ね。歳入、歳出、いわゆる繰り越し、そういうものをひとつ資料提出してもらいたい。
  198. 和田正明

    政府委員(和田正明君) はい。
  199. 相澤重明

    ○相澤重明君 その次に、このいわゆる構造改善協会なるものは社団法人ですね。先ほど申し上げたこの社団法人の会員というものは、どういうふうになっておりますか。
  200. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 会員は先ほどもちょっと申し上げましたように、関係の農業団体が大部分でございますが、申し上げますと、全国農業会議所、それから全国農業協同組合中央会、全国町村会、全国購買農業協同組合連合会、全国販売農業協同組合連合会、全国共済農業協同組合連合会、全国農業共済協会全国養蚕農業協同組合連合会、全国開拓農業協同組合連合会、全国土地改良事業団体連合会、全国市長会、全国信連協会、  日本園芸農業協同組合連合会、農林中央金庫、中央畜産会、家の光協会全国森林組合連合会それから全国農業構造改善事業協議会それだけでございます。
  201. 相澤重明

    ○相澤重明君 酪農関係は入っていないですか。
  202. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 入っておりませんようです。
  203. 相澤重明

    ○相澤重明君 よく調べてみてください。農業関係関係のあるものの中に入っているかい。それで役員は本院の同僚ですから、私も無理にここでとやかく申しませんが、役員の構成も本来なら時間があれば十分聞いて話を進めていくのですが、それはそれでよろしいから、その次に先ほどのコンサルタント活動諮問委員会というのがあるのですが、この諮問委員会というのはどういうことをやる。だれがこれは任命するのですか。どのくらいの人数ですか、どういう人が入っている。
  204. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 諮問委員会は、大学の先生とか、それから農林省の関係でございますれば試験場の人とか、そういう技術関係、もちろん一部の方々の中には、経済面でのその道の権威者、たとえば京都大学の名誉教授の大槻先生ども入っておられるわけであります。それで任命をいたしますのは、この会長と申しますか、会議所の会長が御委嘱を申し上げてやっていただくわけでございます。それから内容と申しますのは、先ほども申しましたように、この構造改善事業を実施をいたしていくにつきまして、この地域ではどのような作目を選定したらよろしいのか、どのような計画を立てたらよろしいかというようなことを、その地帯地帯の特色に応じて、いろいろとコンサルタント活動を地元の要望に応じてこたえるわけでございますので、それにつきましていま委嘱を申し上げているような方々は、それぞれ各界の権威者でありますので、必ずしも直接お出かけをいただくわけにもまいらないので、そのコンサルタント活動をいたしますについての一般的な方針でございますとか、あるいは具体的な問題につきまして、それぞれの関係者の御意見を伺い、そういうことでコンサルタント活動そのものを、より万全のものにしようという趣旨でつくっておるようでございます。
  205. 相澤重明

    ○相澤重明君 これはひとつお調べいただきたいのですが、このコンサルタント諮問委員会が各界の名士をそろえておる。名士をそろえておることはよくわかるが、実際に構造改善事業を進めたいという希望の問題について、十分これらのえらい人たちが、その希望に応じられなかったのではないか。だから事業が私は具体的に十分進まなかった、どうも問題点が私はあるように思う。ということは、先ほど申し上げた不用額になったり、繰り越し金になったりということは、そういう農林省が非常に期待をかけて、各界のえらい人たちを集めてやったけれども、事実は活動が不十分である、そういうところに、私は計画あるいは実際の仕事というものが十分できなかったのじゃないか、こういうふうに思う、これは私の疑問ですよ。そういうふうに思うので、ひとつせっかくつくって農林省が力を入れるとするならば、そのことはやはり万全の対策をつくっていかなければ私はいかぬとこう思う。そこでこの三十八年から三十九年にかけて繰り越し金とか不用額というものは、農業構造改善事業費の中でどのくらいあったかということを資料あとで出してもらうわけですが、このコンサルタント活動が十分できなかったということの考えだけれども、政府がどのくらい活動ができたかということは、資料で私は提出してもらわぬと、やはりこの委員会としては、補助金等を支出しておっても、なかなかそれはやはり問題があとに残ってしまうと思う。しかも先ほども御答弁いただいたように、この会については直接国の補助は二分の一はストレートに行くのです。実際は、そうでしょう。ストレートに行って、そうしてなお地方の公共団体あるいは農業団体等がやはり活動をする場合に、足りない分はその市町村が納めるのでしょう、これは。そういうふうになってくると、国費というものの重要性から考えて、これはやはりその仕事が十分期待にこたえられるようにしなければ、だんだん格差の激しくなる農業問題などはたいへんなことではないか、こう心配するわけです。そういう点についていま一度ひとつ御検討をいただいて、そういう問題については、資料を私は提出してもらいたいと思うが、いかがですか。
  206. 和田正明

    政府委員(和田正明君) できるだけ早く調製をいたしまして御提出を申し上げます。
  207. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでその次に、いまの農業構造改善はけっこうですが、水産業振興に関係して、この政府の事業補助金等を支出をしているわけですが、これについては農林省のだれが担当ですか……じゃ経済局長のほうを先に、消費関係をやりましょう。  この野菜等の消費動向調査委託費、これは三十八年、三十九年、幾らづつ出しましたか。
  208. 小林誠一

    政府委員(小林誠一君) 消費動向調査委託費といたしまして三十八年、五十二万六千円、三十九年、五十二万六千円でございます。あと加工流通調査委託費といたしまして、三十八年に二百七十三万七千円、三十九年に二百七十三万七千円でございます。
  209. 相澤重明

    ○相澤重明君 この農林省関係のいま申し上げた補助事業あるいは委託費、こういう点は、私は補助金等の問題でやはり一番大きいのは、農林省関係だと思うのですよ。その一つを私は申し上げたのですが、実際の効果をあげるのに、こういうような各事業主体に対する委託費とかあるいは補助金というものは、必ずしも私は効率的になっておるとは考えられない。前回は外務省の情報文化局の例を取り上げたけれども、一体この委託費というのがいま報告をされたけれども、具体的にこういう委託費を出されたその対象者は幾人くらいですか、どういうふうに活動したのでしょうか。私、どうも予算というものはぶんどり主義という、ことばは悪いかもしれぬが、項目をつけて予算さえつけば、それでもう能事終われりというのが役所の仕事じゃないか、そういう心配をしているわけですよ。これから決算委員会は、おそらく与野党を通じて補助金等に対するメスを入れるのが、大きな仕事に私はなってくると思うのです。私もそういうふうにいきたいと思うのです。そういう意味で、この国民の納税をいかに執行するかという、政府にまかされたことであるが、それで、私は効率をあげないということじゃ困るわけですから、そういう意味でいまの点をお尋ねするのですが、どんな点にこの委託費というものは実際に使用されるのですか。どういう人たちに、何人ぐらいの人に実際にこれは配分されたのですか。そういうことも経過報告を含んで簡単でけっこうですから御説明をいただいて、あといずれ資料でお出しをいただいて、十分この補助金等の問題にはメスを入れたい、こう思っておりますが、お答えをいただきたいと思うのです。
  210. 小林誠一

    政府委員(小林誠一君) お答えいたします。  青果物並びにその加工品の流通消費の関係の調査委託費でございますが、この関係につきましては、実は統計資料等なかなかないわけでございますので、鋭意先ほど予算をもちまして調査いたしたわけでございまして、たとえば、くだものの消費動向あるいは野菜の消費動向、階層別にどういうふうに変わっているのか、あるいは世帯別にどういうふうに変わっているのか、あるいはかん詰め、青果物の加工品につきまして、それがどういうふうに流通され、また消費者がどういうふうに受け取っているかというようなことにつきまして調査いたしたわけでございまして、これはこの調査につきましては、三十六年度からずっと実施いたしておりますのでございますけれども、その委託先でございますけれども、これは博報堂労働科学研究所、国民生活研究所、綜合統計研究所、あるいは、日本罐詰協会というようなところに委託いたしまして、その資料もいろいろ、園芸、青果物の流通あるいは消費というようなものに利用いたしますために印刷いたしまして関係方面に配りますと同時に、園芸局におきますその行政の指針ということで利用しておるわけでございます。
  211. 相澤重明

    ○相澤重明君 時間がないから、これは前回の竹下官房副長官に、各省庁の補助金等に対する明細を出せと、こういう中で、庁紙費、図書費等の問題を申し上げておきました。まだ全部でき上がっておりません。しかし、いまたとえば委託費問題についても、いまあなたが説明したように、実際に不明確な点が多い、実際に報告できないじゃないですか、実際の話が。そこで、いまの御答弁をいただいたことに関連をして、ひとつ農林省の、三十八年からでけっこうです、三十八年から三十九年までの委託費の総額、件数、それに伴うところの、どういう種類のものに出したか、数のほう、あわせてこれは資料で御提出を願いたい。  それから、会計検査院には、補助金等の各項目について一度にやれと言ったってこれはできませんから、そこで、局長には、この委託費の中で三十七年から四十年度までは、これはもう大体わかると思うのですね、四十一年度の予算もすでに二日に本院を通過いたしましたからその額もわかる、件数も、各省の要求があるわけですから、これは件数も出る。そこで、その四十一年の——四十年は使った内容、件数、それから項目別に使った内容を報告してもらうと同時に、四十一年度のはどういうものに使うかという、ふえていますから、目的について、件数とあわせてひとつ御報告いただきたい。これは資料で出してもらいたい。  前回この当院で、いまたとえば図書費等の場合に、三十七年度までは必要であったが、三十七年度に終わったものはもう三十八年度はなくなったわけです。三十七年よりは多くなったというのは、新しい要求に基づくものがふえてきたと、こういうことを私は前回も申し上げたんでありますが、そういうふうにして委託費だけでけっこうでございますから、ひとつ会計検査院は早急にこれを調査して、当院に資料提出してもらいたい。農林省は農林省のそれだけをひとつ御報告いただいてけっこうです。そこで、大蔵省には、この委託費の性格がやはり議論をされなければならぬと私は思うのですが、大蔵省もそういう点について、どういう点でこの委託費で改善をすべきことがあったかないか、これを——答弁を求めておりますと時間がかかりますから、暦年度、三十七年度以来四十一年度までの間にそういう増減があったり、途中でもう完成をしたり、新たな要求だったり、そういうものに対する意見というものが出されておりますから、それをひとつ資料で御提出をいただきたい。鳩山次長いいですか。関係者それぞれ資料要求を……。
  212. 鳩山威一郎

    政府委員鳩山威一郎君) さっそく検討いたしまして、できるだけ早く御提出いたします。
  213. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま相澤先生から御要求の資料を早急に調製いたしまして御提出いたします。
  214. 小林誠一

    政府委員(小林誠一君) 相澤先生からの資料につきましては、早急に調製いたしまして御提出いたします。
  215. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、厚生省は組合管掌の健康保険、この付加給付状況がどうなっておるのか、ひとつ報告をいただきたい。この組合管掌の健康保険の付加給付と、他の医療保険との違いはどうなっているのか。それから、たとえば、また他の医療保険についても付加給付があるとすれば、どういうものにそういうものがあるのか、どの程度の付加給付というものが行なわれておるのか、これを厚生省から御説明いただきたい。
  216. 熊崎正夫

    政府委員(熊崎正夫君) 付加給付につきましては、政府管掌健康保険で給付いたしておりますのは、これは法定給付でございまして、あと共済組合なりあるいは組合管掌健康保険組合で付加給付を実施することができるようになっておるわけでございます。それぞれの組合によりまして多種多様でございまして、詳細に申し上げますと時間がかかりますけれども、簡単に給付内容につきましてよろしゅうございますか。——申し上げてみます。種類別に申し上げますと、傷病手当金につきましての付加給付実施組合数が七百三ございます。それから傷病手当金の付加給付を延長するという形でやっておりますのが、これは支給期間を一年以上、あるいは六割以上やるというふうなことでやっております組合が四百三十八ございます。それから出産手当金の付加給付、これをやっておりますのは百六十九、それから埋葬料の付加給付、これは御承知のように五千円以上、これが九百七十三、それから分娩の付加給付三千円以上、これが八百七十七ございます。それから育児手当の付加給付、これが七百三十二、それから家族療養給付金につきまして、御承知のように、家族給付につきましては五割でございますけれども組合の場合にはこれを五割以上支給することができることになっております。これが千三十七ございまして、これは重要でございますから内訳を申し上げますと、九割以上というのが五百九十七ございまして、七割以上九割未満が三百九十、七割未満が五十ということでございます。  以上、四十年の四月一日現在の数でございます。
  217. 相澤重明

    ○相澤重明君 この付加給付を行なっておる中で、国から補助金を交付されておる組合というものはどのくらいありますか。これは三十八年度何組合、三十九年度何組合ということおわかりになりましたらお答えいただきたい。
  218. 熊崎正夫

    政府委員(熊崎正夫君) 組合管掌の組合につきましては、健保組合につきましては、政府の補助金は付加給付につきましても出ておりません。健康保険組合につきまして補助金が出ておりますのは、少額でございますけれども、大体ことしの予算で二億一千万円でございますが、この中身は、相当の付加給付をやっております場合には、組合自身が非常に富裕であるという場合でございまして、私のほうの健保組合の補助金は、いわゆる弱小健保組合、御承知のように、たとえば石炭関係組合、あるいは京都の西陣あたりの組合その他付加給付ぐあいが政府管掌に比べて悪いといった場合に、弱小健保組合として一組合について、金額は一千万とか二千万とかでございますが、非常に零細な補助金でございますが、対象数も五十前後でございまして、いわゆる付加給付につきまして国が補助するということはやっておらないわけでございます。
  219. 相澤重明

    ○相澤重明君 この国庫補助をもらいながら付加給付が実際に基盤脆弱でなかなか思うようにいかない、こういうところもあると思うのですね。いまのあなたの中の四十幾つか五十組合の中にも私はあると思う。そういうものと他の社会保障関係に見られる保険料率の問題、これはやっぱり比較になるわけですね。社会保障という一つの観点からいけば、そういうような状況は具体的にはどうなっているのですかね。もしできれば、時間がかかるでしょうから、資料でひとつこの比較を私は御提出いただきたいと思う。  それから、せっかく健康保険組合等に国庫補助金を交付しておっても、その目的に十分沿うことができない、有効に使用されていないというようなものがあったとするならば、その指導、監査というものは一体どうするのか、どういうふうにやってそういうものを是正させるか、こういうことはやはり厚生省としては大事なことじゃないかと思う。そういう面は具体的にどういうふうにおやりになっているのか、これもお答えができると思う。そういう点をひとつお答えいただき、前段のほうは、私は資料をひとつ要求しておきたいと思います。
  220. 熊崎正夫

    政府委員(熊崎正夫君) 健康保険法の中身としまして付加給付につきましては、法定給付以外に付加給付を認めないことになっておりまして、この分につきまして、事業主、被保険者とで料率をきめておるわけでございます。したがいまして、政府管掌の場合には、現在保険料率は六十三、事業主折半でやっておりますが、組合の場合には、これを八十まで認めておるわけであります。したがいまして、付加給付が多いということは、結局、料率がそれだけ六十三よりも高い場合もあるということでございまして、その料率の高さによって、付加給付の組合の中身が深い、中身がいいか悪いかということは、その組合の標準報酬がいい悪いという問題とも関連して、一がいには申し上げられませんけれども、政府管掌に比べますと、組合管掌のほうが、財政的にもまた標準報酬がいい。つまり、大企業が主体でございますから、そういうことは一般的に言えるのではないかと思います。  それから補助金を出すことによって健康保険組合の指導をやるということでございますが、これはいわゆる弱小組合という数も先ほど申し上げましたように、五十前後の組合でございますし、政府の直轄でしょっちゅう私どもと連絡をとりながら、年間の財政計画、それから決算状況、その他逐一連絡をしてやることになっておりますので、私のほうにも保険課という課をつくりまして、その中に組合係というものを置きまして、そこで密接に連絡をして、常時組合の指導なり監督なりをやっておるわけでございます。
  221. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 資料のほう、よろしゅうございますね。
  222. 熊崎正夫

    政府委員(熊崎正夫君) はい。
  223. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私は、これは静岡県の単独事業の問題ですけれども、問題は、沼津市の獅子浜の沿岸工事ですが、この沿岸工事をやりました問題で、工事が終了して十カ月たたないうちに相当の亀裂を生じ、かつまた、工事そのもののずさんがあるということで、かなり地元漁民がこれに批判を加えたわけですね。そのことを聞いて、県の決算委員会において一議員がいろいろこの問題の探求をしたわけです。ところが、どうもその事実はない。漁民は設計の誤りか、もしくは手抜き工事か、この両面でいろいろ追及をしておるわけですが、たまたま、県の決算委員会では、その不正はない、こういうことで結論を出しておるのであります。そこで、それではどうも納得がいかぬというので、さらに漁民のほうでは、これに対する再調査をする必要があるんじゃないか、こういうことで私はいま質問をしようとしておるのであります。その点をひとつ答弁のときには御理解を願いたいと思います。  そこで、大体地方行政に対してですが、私は、公共団体の工事請負契約は国のいわゆる工事契約と全く相違ない方法でやっておられるものと信じておるわけです。この公共事業における契約について行政指導をどういうふうに政府としてはやっておられるのか、ひとつ御答弁願いたいと思います。
  224. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 地方公共団体における工事の契約でございますが、御承知のように、地方自治法の中に、契約につきまして規定がございます。この規定の内容は、国の場合に大体におきまして準じたものになっております。この指導でございまするが、自治省といたしましては、この地方自治法の規定の趣旨を地方に通達として流しておるわけでございます。個々の工事につきまして、契約についての格別の指導はいたしておりません。
  225. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 大体政府の規定に準ずるということであれば、そのとおりだと私ども考えます。請負契約に対して、法人資格を持たない業者に対する請負をやらす場合があるのかどうか、この点どうですか。
  226. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) それはあり得ます。
  227. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 もしそれを許されるとすれば、それに対する条件がやはり必要だと思うのですね。いろいろ工事に対しては、相当の金額の工事をやっているから、危険性その他が起きてくるのじゃないか、そういう問題の、つまり防止方法はどうしておるのかですね。
  228. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) これは地方自治法の中にも規定がございまするが、入札に加わりますものの必要な資格につきましては、それぞれの地方公共団体が規定を設け得ることに相なっております。  それから、なお、この入札にあたりましては入札保証金、契約にあたりましては契約保証金をそれぞれ徴収をいたすことにいたしております。
  229. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そのとおりだと私も思うのですが、そこで、商法あるいは建築法等に基づく方法で、中央に準じた方法でやっておられるということについては、私もそのとおりだろうと思うのです。そこで、業者が市と公共事業の契約を行なっておるときに、もしその業者が無登録業者であった場合はどうするのです。登録してなかった場合、無登録業者とそういう工事を契約した場合はどう考えているのですか。また、その責任はだれが負うのですか、この点ひとつ。
  230. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 業者の入札に参加をいたしますものにつきましては、先ほど申し上げましたように、資格につきまして地方自治法の施行令に規定がなされておりまするので、その資格を具備したものでなければ入札に参加させることができないわけでございます。
  231. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 無登録の場合はしないということですね。ところが、無登録でもやった場合はどうなんですか。無登録の場合はやることができないということは判然としたのですが、もし無登録でそれに下請をやらせた場合、だれがその責任を負うのか。
  232. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) この資格を具備しておりませんものがいたしました場合につきましては、当該地方公共団体が責任を持つわけでございます。
  233. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 地方公共団体が責任を持つことはわかりますが、地方公共団体の、つまり契約者がその責任を負うということになるのですか。公共団体全体としては、ばく然としているのですね。一体、契約者がその責任を負うのだ、そういう場合には、政府がそれを、もし違反的な契約を結んでおった場合には、政府はそれに対してどういう処置をとるのか、どういう指導をするのか。無登録業者に請負をやらせて、その工事が不正であった、そういう事実が明らかになって、その責任を追及するためには、政府としてはどういう指導と追及をしてこの責任を全うさせるのか、この点はどうです。
  234. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) もちろん、この地方公共団体の中で、その契約締結の権限を持っておる執行機関の長でございます。それが違法な契約を締結をいたしました場合の措置といたしましては、地方公共団体におきまして、議会がこれを調査をするという権限もございまするし、また、監査委員が監査をいたしまして、それによって改善を求めるという方法もございまするし、さらにまた、住民から監査請求を求めるというような方法もございます。  それから中央政府についてのお尋ねでございまするが、地方公共団体の単独事業につきましては、これはたてまえといたしましては、地方公共団体がただいま申し上げましたような自主的な方法によって是正、改善をするというのがたてまえでございます。ただ、地方公共団体が自主的な改善の手段によって改善されないという状態の場合につきましては、地方自治法によりまして、自治大臣が状況を視察する、あるいは報告を徴する、検査をするというような手段はございます。
  235. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 わかりました、それで。  それで、私は、沼津市の東静組というところがこの作業の下請をやっておるのですが、この東静組の代表取締役である、沼津市の市会議員であるのです、これは県単独事業ですから、市会議員であってもやることはできないという解釈は成り立ちますね。ところが、その工事をやっておるのはだれかと言いますと、このむすこの土佐谷浩という男なんですね。で、調べてみると、無法人、無登録で、昭和三十二年にこの会社を設立して、四十年に解散しておる、この会社は。この間に、幾多の公共事業を行なっておるわけです。しかも、三十八年には六件やっております。大体、概算してみて千四百万円。それから三十九年にはこれが二件ですか、千二百万円、こういう工事をやっておるのですね。こういう登録のないものを、かりに市がその工事を請け負わせて、それで、途中でこれは認可申請をした、あるいは追申行為をとったとか、こういうこともあり得ると思うのです、そういうことも往々にしてあることですから。しかし、それもやっていない。そうすると、全然、法律上から見て、これは違法な下請をやらせておるという事実が明らかになっておるわけです。いまあなたのおっしゃったように、それが事実とすれば、大臣——自治大臣でもいいですが、あるいはまた建設大臣でもいいですが、これを再調査する用意があるのかどうか。しかも、県では一ぺん決算委員会にかかった。かかったところが、逆に不正工事ではない。しかし、設計の誤りなのか、あるいはまた、その設計じゃなしに、工事の手抜きなのか、この二つを追及したにもかかわらず、この新聞で見ましても、こういう問題が出ておるわけですね。これは官庁の姿勢の問題だと私は思うのです。この問題をどう皆さんは判断されるのか、意見を伺いたいのです。現場で検査したかどうか。破損部を指摘した地元民に、県と沼津市の某職員が、災害復旧で修繕するから黙っていろと言った事実があるのですと、きびしい態度で逆にその地元民を、つまり、市の土木職員がそういうことを言っておるというこの姿勢ですね。いいですか、手抜きの工事があってもいい、工事または図面に対するミスがあってもいい、もう一ぺん災害でこれをやり直せば君たちよくなるからいいじゃないか。そうすると、漁民はこれに対して、何を言うのだ、災害でやっても国民の税金じゃないかと、こういうことを指摘しておるのですよ。こういうことが許されますか。どうです。県単独事業であろうと、何であろうと、職員がこういうことを堂々と新聞にも出るほどの豪語を言って市民をいじめておるこの姿勢ですね。どうお考えになります。これはひとつ次官のほうからでもいい、お答えを願っておきます。
  236. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) 御指摘の件、はなはだ政治の姿勢といたしましては遺憾なことであり、当然きびしく監督官庁としても、そういう地方自治体に対しましては、厳重な注意をしなければならぬと私は考えます。
  237. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それから、この問題でもう一つお伺いしたいのは、検査院のほうですが、大体あれは二十三条でしたか、第二十三条には、地方団体の会計検査については、広義解釈によりますと、当然これは県単事業であっても、中央の検査院として検査する必要があるというふうに私たちは解釈しておるのだが、検査院としては、こうした単独事業に対してどうお考えになりますか、この点をお尋ねいたします。
  238. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ただいま先生から御指摘の、二十三条の三項によって検査ができるかどうかというお尋ねですが、われわれとして従来やってまいりました態度としましては、やはりその事業に対しまして補助金なり何なりが出ておるというもの、あるいは貸し付け金とか、そういうものがひもつきで出ておるというような場合には、それについて検査をいたしてまいりましたが、ただ、一般財源として地方交付税のものを当該県内にやっていく、それが、県がほかの地方財源とひっくるめて単独事業としてやっておるようなものに対しては、検査はできないと、これは地方自治法のたてまえ上検査はできないというふうに解して、そういう検査をやっておりません。
  239. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうなると、もし地方検査員がですよ、不正工事であっても、それをぐるになって、その解決がつかないという場合はどうするのです。検査院としては、それで済むのですか。それは検査院の統一した意見ですか。県単独事業については、中央における検査院としてはタッチすることはないのだと、あくまでも県の検査員が自主的にこれを判断すべきだと、こういう解釈をしてもいいのですか。
  240. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 従来、県などの単独事業につきましては、検査の権限はないというふうに解釈されております。
  241. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 もし、検査院のほうでこれを検査する権限がないということになれば、地方の検査員がぐるになって、そうして不正工事じゃないと、こういう場合はどうするのです。次官、どうです、この点、押えるところがないじゃないですか。法律なければ、法律のミスですか。
  242. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 地方団体の単独事業につきましては、ただいま会計検査院から御答弁のありましたように、国の会計検査院検査することはできないのでございますが、これは地方自治のたてまえからいたしまして、先ほどちょっと申し上げましたように、県議会もございまするし、さらに住民の側から監査を請求する、そして、もし違法なものがございますれば、それによって是正する道がございまするし、さらに、この住民の監査請求でなお是正されない場合には、住民訴訟の道がございます。  それから、なお、地方公共団体には監査委員の制度がございまするので、これらの制度を活用いたしまして、地方公共団体が自主的にあやまちなきを期するというのがこの制度のたてまえになっておるわけでございます。  なお、先ほど答弁申し上げましたことにつきまして補足をさせていただきたいと存じますが、登録してない業者の件でございますが、地方自治法の規定によりまして、それぞれの地方公共団体が入札に参加するものの資格を定めることになっております。で、この資格を定めております内容におきまして、未登録業者はいかぬということになっておりますれば、もちろん未登録業者は工事はできないわけでございますが、ただ、建設業法自体では、五十万に満たない工事は登録がないものでもできる、こういうことになっておるわけでございます。ただ、大きな工事につきましては、もちろんできないわけでございまするし、地方公共団体も、資格といたしまして通常さような定めをしておる、かように考えております。
  243. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 時間が多くありませんから、ちょっとあなたの答弁があいまいになってきたんだが、私の考え方では、工事人の登録がしてないものには請負をさせることができないんだと、こういう私は認定をしておるんだが、あなたは、できる場合があると、そのときに何人かの入札者が来て、そうして、その資格があると認めた場合には工事ができると、こうおっしゃるんですか。この点、はっきりしておいてください。問題は重要な問題ですから。五十万以下じゃないですよ、そんなもの問題にしてないんだ。
  244. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 五十万をこえるものにつきましては、むろん登録業者じゃなきゃできません。
  245. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 ところが、これは県から資料が来ておるんです、静岡県の管理課長の山口幸作さんという方から。これを見ると、個人営業であって、これは何の法人資格も何もないということですね。建築法に基づく届け出がなされてないため不明でありますと、こういう県から報告来ておるんです。これが請負業やっているわけです。こういうことがなされておって、これは、この問題は法的に考えて別問題だと私は考えますけれども、一番大きな問題は、この不正工事だという事実はもう竣工されて十カ月以内に相当の破損がいっておるわけです。その破損いっておるにもかかわらず、そのときの検査はしないで、竣工前の検査はしないで、竣工後の、しかも、決算委員会でことしの一月ですか問題になって再検査して、これは二十三、四の台風の被害だと、こう言っているわけだ、県当局が。決算委員会がこれを言っておるんですよ、決算委員会が。漁民の方は、あまりに自分たちの目の前でやっておる不正工事であるから、もう見るにも忍びないから、県当局に対して、市当局に対して、土木課に対して、おかしいじゃないかと、つまり、基礎石も入ってないじゃないか、こんなことをしておいたらすぐもう使えないようになっちゃう、だめではないかと言って、個人で漁民組合の幹部が忠告しておる。それにもかかわらず、先ほどのような、新聞にも発表されておるような不正工事をそのままやらせておる。そうして決算委員会で問題になってくると、今度は二十三、二十四の台風だ、こう言っておる。ところがですよ、二十三、二十四の台風だと言っているのに、漁民は全部写真をとっておる。これ県もとっておりますが、今度の決算でとっておりますが、漁民もその前にとっておる。この写真は、工事が終わって亀裂が出て、四十年の七月二十九日にこの写真をとっておる。そうして、たくさんなこういう亀裂も入り、しかもまた、この波打ちぎわの捨て石ですね、これもない、こういう事実がちゃんと出ておるわけです、写真にね。そういう事実が出ておるにもかかわらず、県会の決算委員会でですよ、これは二十三、二十四の台風のいわゆる被害だ、こういうことを言っておるわけですね。こういうことが見のがせますか。台風前にあったことをですね、見のがせますか。これは台風じゃないんです。前からの写真が、みんなこれであるんです。さらに、それはまだいいとしましても、一体、この後に、その検査当時に、質問者の県会議員が——飯田県会議員というのですが——私も現場に行くから連れて行け、こう言ったところが、連れて行かぬ。そうしてA岸の工事だけを調べて、B岸のほうの工事は全然調査していない。調査しようと思っても調査ができないほど満潮だ。満潮で調査ができない。そうなってきますと、全くの不正工事か、設計の誤りかということになるわけです。こういうふうなこの黒いところは、皆さん、これ全部すきが入っちゃっている。これは干潮のときでないと調べることができないんですよ。満潮のときに調べて、台風の被害だと言っておる。そうすると、県の決算委もごまかし、さらにまた、豪語しておるこの新聞記事と同様に、不正工事があっても、おまえたち、また今度の台風の被害だと言って直せばいいじゃないか——このくらい、いわゆる市民を愚弄する行政というものはぼくはないと思うんです。時間がありませんから、最後に皆さんに、次官にお願いしますが、一体、政府としては、こういう不正工事に対して調べる意思ありますか、どうですか。なければ、私は決算委員会で調査してもらう提案をします。政府がこれを大臣の指命によって再度一ぺん調査し直す、根本的に図面から、実際のこの基礎石が入っているか入ってないか、こういう点は全部追及して明らかにこれをしていく。これは私は一カ所じゃないと思うんですよ。長い間の、市長は五選もやっておる、あるいはまた、一方においては、県の職員はぐるになって、そうして、こういう不正工事をそのまま見のがす。全くこれは政府の指導の姿勢の私は大きな誤りだと思うのです。どうですか、再度調査する用意があるかないか。なければ、私は決算委員会に提案して、決算委員会でこの調査をしたいと考えております。
  246. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) 大蔵省といたしましては、所官が異なっておりまするので、私に御答弁をお求めになりましても、責任ある答弁はいたしかねますが、ただ、御承知のように、大蔵省といたしましても、地方交付税を交付いたしております関係からして、広い意味では地方財政に責任はございます。ございますが、先ほど来の御説明のとおりに、単独事業に対しましては、地方自治の侵犯あるいは地方自治に対する干渉ということを極力避けて、従来も、会計検査院が申しましたように、地方は地方の機構によって、機関によってこれを指導し、監督し、完全な工事をするというたてまえに行政上なっておるわけであります。ただ、中央庁といたしましては、いま申し上げましたように、交付税を出しておりまする関係からいたしまして、全然どうでもいいんだということじゃないと思います。所轄建設省なり自治省なりの大臣、次官あるいは局長から、この点につきましては御答弁さしていただきたいと、かように思います。
  247. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それじゃ、行政管理庁の監察局長ですか、水産庁の漁港部長、建設省計画局長、続いて三人の答弁をしてください。どういうふうな処理をされますか、それいかんによっては、私はまだたくさんの資料を持っておりますから質問します。
  248. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ちょっと私から申し上げたいのですが、いま高山さんの言われる以上にひどいものでございます。ことに、御案内の、あそこは狩野川台風で放水路をつくろうということになった。放水路をつくられると漁民の生活の問題になる。魚族保護の意味で、あそこに護岸工事ができるということになったことは、特に漁港部長は御案内だろうと思うのですが、その工事が非常にひどくて、いまおっしゃる以上のものなんです。しかも、その前に写真をとっているにもかかわらず、問題になったら台風の被害だ、こういうことで押し切っているという、まことに許すべからざる問題でございます。高山委員からいま追及があったわけでございますが、それぞれの御答弁をお願いしたいと思います。
  249. 瀬尾五一

    説明員(瀬尾五一君) 静浦の埋め立て工事の護岸の問題でございますが、この護岸工事は御指摘のように、静岡県が単独で実施したものでございます。漁港区域内の埋め立て工事につきましては、一般に第一種漁港及び第二種漁港がありまして、漁港の利用を著しく阻害しないものに限り、農林大臣の認可を必要としない、こういうことになっておりまして、私もこの問題は最近耳にしたわけですが、この埋め立て地は漁業施設用地として使うということでございまして、漁港の漁業の目的に対しまして目的を阻害しないものに該当いたしますので——ちょっと申しおくれましたが、この静浦漁港というのは第二種漁港でございますが、そういうことでございますので、農林大臣の認可を必要としませんので、水産庁のほうまでは上がってきていないわけでございます。しかしながら、ただいまもいろいろお話がございましたように、この埋め立て地の護岸が粗漏であったりなどいたしまして、これが決壊をしたり、あるいはその他利用上の不便ということになりますと、漁港の管理上好ましくないことに相なるのでありまして、私どもとしましては、ごく最近このことを聞いたわけでございますが、十分調査をいたしまして実態を把握し、これに対して適切な指導を行なっていきたい、かように考えておる次第でございます。
  250. 志村清一

    政府委員(志村清一君) 建設省は建設業法の施行をやっております。その関連から申し上げますと、軽微の仕事以外は必ず建設業法による登録をしなければならないことになっております。お話のように、もし登録をせずして相当大きな工事をやったといたしますと、業法違反でございますので、罰則の適用もあるわけでございます。その辺のことにつきまして、ただいまつまびらかにいたしておりませんが、県等とも連絡をして調査いたしております。
  251. 稲木進

    政府委員(稲木進君) 行政管理庁の行政監察局といたしましては、行政管理庁設置法に規定してありますように、監察の対象としては、国の行政機関のやった仕事、また、地方公共団体等のやった仕事につきましては、その仕事が国の委任に基づいてやったという場合と、国の補助金をもらってやった場合と、こういうように限定して地方公共団体に対しては監察を実施する、こういうことになっております。ただいまのお話は、そういうような国の委任の関係もないようでございますし、また、補助金ももらっておらない、こういうことでございますので、行政監察の対象としてはちょっと取り上げにくい、かように思います。
  252. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 わかりましたが、大体漁港部長のほうからの回答で、処理していただくということで、もしその処理ができないとすると、私のほうは私のほうで、もう一ぺんこの決算委員会で私は問題にして、そうしてやっていきたいと思います。できるだけその点はひとつ善処する方法を考えていただきたいと思います。  以上であります。
  253. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま高山委員が補助金等の関係を問題として、地方自治体の問題も取り上げられたわけでありますが、先ほど補助金等の問題で私も若干の質問をいたしましたが、次に資料要求をそれぞれ行なっておきたいと思うのです。  そこで、まず最初に政府に対して、竹下官房副長官からは、庁紙費あるいは図書費等については、資料提出していただくことになっておりますので、今回は、補助金等の委託費、助成金、これは法律等によって明確になっておるものは予算決算で明らかでありますが、予算できまっておっても、その内容が十分にわからないというのが私はたくさん見受けられると思いますから、委託費、助成金についてだけ、ひとつ御報告をいただきたい。それは、昭和三十七年度以来新年度、四十一年度の予算要求まで含めて、ひとつその種類、件数、金額等をそれぞれ年度別に御報告いただきたいわけであります。特に、地方自治体における問題は、金額も少額だと思うし、また、件数も非常に多いと思うのでありますが、自治省としては、どういうようなものがあるのか、そういう資料をあわせて御提出願いたい。  それから行政管理庁は、こういう助成金、委託費、補助金等については勧告を行なっておる。しかし、その勧告が具体的にどう実施されたかということは、これは行政上たいへんに重要なことであると私は思う。したがって、勧告がしっぱなしということであっては相ならぬ。私は本院の本会議で三十九年度の決算についての質問をいたしましたが、その中にそういうものも取り上げてきた。したがって、行政管理庁が勧告を行なったことが、どう実際是正をされたか、行なわれたのかということを含めて、いま申し上げた委託費、助成金等のそれについても、ひとつ行政管理庁に資料を御提出願いたい。  それからいま一つは、最近各都道府県がいま言う県単事業ということで、いわゆる国の交付金なり、あるいは、そういう助成金等によらない、いわゆる純然たる県費によって行なうから、これは自分のもので自由である、こういう解釈をとっておるように思う。会計検査院のお答えも、自治省のお答えも、そういうことなんです。これは広い意味で言えば、すべては私は国民の税金であるから、それが中央、地方にただ分担されておる。したがって、一応の行政上からいけば、地方自治体を育成するのが私は本旨だと思います。そういう意味では、会計検査院行政管理庁がそれぞれ答弁されたことは誤りでない。それを一方においては、交付税を増額をしろ、交付金額を大きくしろ、こういうことを言いながら、これは純然たる自分のものですからということで、それだけで済まされるものがどうかということは、地方自治の中でも問題があると思う。したがって、これは悪いことばで言えば、東京都の議会を解散しなければならなかったという、あるいは新潟県の知事がやめなければならなかったという、兵庫県で土木問題で議論があったという、岐阜県でどうであった、最近では神奈川県の県の庁舎のいわゆる落成式に記念品がどうであった、こういうふうなことが、いわゆる新聞紙上をにぎわすことになっておるわけです。やはりこの県民、市民からいえば、できるだけ冗費を節約をして、そうして、いわゆる行政にプラスになるようにしてもらいたいというのが、これはだれでも願っていることだと私は思うのです。そういう意味で、自治省はこの地方自治育成のためにどうしたならばこういうむだづかいというものがなくなるのか、こういうものはむだづかいであるという一つの基準があるのかというようなことも、私は検討しなければならぬ。行政管理庁は勧告をしておる、自治省はその勧告は確かに見たけれども、いやそんなこと言ったって、これはむずかしくてできるものじゃないと言ってしまえば、一体どこに責任があるかということになってしまう。そういう意味で、私は、幸い、神奈川県の場合は、庁舎落成に伴う千六百万円余の記念品代と飲み食いの費用等について再検討を行なっておる、こういう報告を受けておるから、私は神奈川県のことについてとやかく申し上げません。申し上げませんが、少なくとも、苦しい中から税金を納めておる、あるいは、つとめ人は天引き税金を引かれるというような実情から考えてみて、何としても税金のむだづかいというものはやめたい、冗費は節約をする、こういうことは地方自治体においても当然ではないか、国もそういう指導を行なわなければいかぬじゃないか、こういうように思うので、自治省としてはどうするのか、そういう指示を出すのかどうか、こういう点もあわせて私は検討を願わなければならぬと、こう思うのです。そういう意味で、行管の勧告に対する是正というものは実際に行なわれたかどうか、それから地方自治に対するところの自治省としての通達はどういうふうになっているのか。で、あとは具体的に委託費、助成金のひとつ資料を御提出いただきたい。これを求めて、きょうはこの補助金等の問題は私は終わりたいと思う。参考人も待っていることですから、できるだけ時間を詰めたいと思って資料要求をしましたが、いまの前段の二点だけは、それぞれお答えがいただけるものと思う。それぞれお答えをいただきたいと思います。行管と、それから自治省。
  254. 稲木進

    政府委員(稲木進君) 補助金等の問題につきましては、行政管理庁は昭和三十八年に調査を実施いたしまして、その結果に基づきまして、三十九年の四月にそれぞれ関係省庁に勧告をいたしたわけでございます。この勧告に対しましては、それぞれ関係省庁からの回答を求めまして、大体三十九年のまあ早いところとおそいところと回答がございましたが、三十九年度中には、それぞれ関係の省庁から回答をいただいております。勧告の項目は二十二でございますが、それも各省にダブっておる、共通している点がございます。それを延べにしますと、七十七項目になるかと思いますが、この七十七のうちで、回答いただいたときにすでに是正といいますか、改善措置のとられましたものが十二、それから部分的に改善措置のとられたものが二十三、それから近い将来において改善をいたしたい、しかし、それにはなお時間がかかるという関係のものが二十五、それから改善について将来検討したいというものが十七と、こういうようなことになっております。で、その後、回答いただきましてから相当期間もたっておりますので、実は昨年の暮れに、さらにその後まだ未改善のままに残っておるものについては、その後どういうふうに措置されたかということについて、さらに照会を出しております。この照会に対してはまだ回答がそろっておりません。なお、その点を督促いたしまして、それを整理した上で……。
  255. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料として出してください。
  256. 稲木進

    政府委員(稲木進君) 資料として提出いたしたい、かように考えております。
  257. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 地方公共団体の財政運営指導につきまして重々御指摘がございましたが、私どもといたしましては、地方公共団体の財源といえどもお話のとおり税金でございます。したがって、在来から冗費の節減ということは口やかましく言ってきておるわけであります。しかし、何ぶんにも、三千四百をこえる地方団体でございますから、中には、はめをはずすような団体もなきにしもあらず。この点につきましては、私どもの指導がまだ十分じゃないということでございまして、常にそういう事件が起こりますたびに、やり方等につきまして反省をいたすわけでございます。しかしながら、やはり現行法のたてまえから申し上げますならば、第一義的には、地方公共団体の中に設けられております各種の機関によって批判糾弾さるべき問題であります。もっとも、その機関も眠っておりますということになれば、やはり最終的には住民によって批判されるものだと考えておるわけでございます。しかし、それはそれで、中央庁といたしましては、やはりさようなことが起こりませんように、機会あるごとに注意を喚起することは当然であります。神奈川県の問題につきましても、事件が起こりました直後、私のところに関係者を招致いたしまして、その内容を聞きただし、善処を求めたようなわけでございます。なお、十分そういう方向で冗費節減に強い指導を行なってまいるつもりでございます。
  258. 鳩山威一郎

    政府委員鳩山威一郎君) ただいまの補助金等の資料につきまして、できるだけ早い機会に御提出いたします。
  259. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 ちょっともう一つ資料……。二十三、二十四の台風のためにそういう破損がいったということを言っておるのですが、私が問い合わせた限りにおいては、二十三、二十四の災害手続は政府で何もしていない、調べさせたけれどもしていないと考えておりますが、その資料をひとつ、県に求めてもまだ何も資料来ません。したがって、この資料を出してください。二十三、二十四台風のその被害があった通知が政府としては掌握しておられるかどうか、その点ひとつ資料を要求いたします。
  260. 瀬尾五一

    説明員(瀬尾五一君) 静浦漁港の先ほど問題になりました獅子浜の埋め立て地の護岸につきましては、被害報告は出ていないわけでございますが、被害報告は出ておりませんけれども、その当時どういうような状況であって、どういうような、その付近の施設等に被害があったかというようなことも、あわせて私どものほうでは調査をいたしたいと思っております。
  261. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 今井参考人には、たいへん御迷惑をおかけいたしました。失礼いたしました。
  262. 相澤重明

    ○相澤重明君 これからは国家公務員共済組合連合会の今井参考人を中心にお尋ねするわけでありますが、本院でもすでに共産党の岩間君からも質疑があり、また、今井参考人関係する労働金庫等の問題については、労働福祉団体の問題についても、公明党の二宮君からも若干の質疑がかわされておった問題でありますから、私は二つほどに問題点を整理をしてお尋ねをしていきますので、まことに御苦労でありますが、お答えをいただきたいと思うんです。  まず最初に、この国家公務員共済組合の問題につきましては、先ほど委員長、理事の打合会でも私は申し上げたわけでありますが、国家公務員法の規定が適用されるまでの官吏任免等に関する法律、これは第一国会で実は衆参両院の決算委員会に付託せられた事項であります。第二国会におきましては、国家行政組織法という法律が付託をせられた問題であります。常にこの問題については、国会始まって以来、両院の決算委員会でその重要性を実は指摘をせられておるところでございまして、私としても、その法律の持つ大きな意味から言っても、たいへん関心の深い問題である、こういうふうに考えておるわけでございます。  そこで、まず第一にお尋ねをいたしたいのは、第一条の目的による事業が行なわれていると思うのでありますが、その中で、住宅団地、住宅等の供給を行なうということは、いつからそういうふうになったのか。また 具体的にはこの事業計画は大臣の認可を得るということになっておりますけれども、理事長として、この運営についてどういうふうに御相談をされておるのか。運営審議会の委員の構成メンバーというようなものについても、あわせてひとつ御報告をいただきたいと思うんであります。第一はそれであります。
  263. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私ども団体は、御案内のとおり、共済組合が二十集まりましてつくっておる団体でございます。で、沿革がございまして、最初のうちは財団法人という形で行なわれました。そのとき、各共済組合が出資金を三百万円ばかり持ち寄りまして、それが現在も基本金になっております。その後、制度が変わりまして、特殊法人ということになりましたけれども団体の加盟であるということに特色がございます。したがいまして、各団体の代表者からなります評議員会というのが、いわば最高機関というたてまえになっております。  で、その評議員の方々のうちから、俗に申せば、交代制で役員会が構成されております。その役員会の中に別に常勤者が入っておる、こういう形で運営しております。したがいまして、単独共済組合でありますれば、労使といいますか、職員側と管理者側が集まりまして評議員会式のものを構成いたしますのが法律にもございますし、また、どこでも例でございますが、私どものところは、それは間接的になりますために、職員側が直接加盟員でないために、その法律的な形から、従来そういうふうな運営をいたしております。  ただし、それでは、お話がたぶん出てくると思いますが、職員側の意向が反映しないではないか、こういう御指摘が当然出てまいります。したがいまして、それを補強いたしますためにどういうふうな方策を講ずるかという点は、従来からたびたび議論になりまして、一時——あれは昭和三十二、三年ごろであったと思いますが、二、三年間、各組合にあります——この組合は共済組合でございますが、運営審議会のいわば労使側の代表の委員を一名ずつ集めまして、その協議会の結論によりまして実際上の仕事をやっていく、こういうふうに運営した時代がございまして、これがいつのまにか形がこわれてしまいまして、最近になりますというと、やはりその問題をもう一度形を変えてでも何とか復興しようじゃないかということが、昨年あたりから議論になりまして、ただいま検討中でございます。職員側の、いわゆる労働組合側の希望としては、評議員会にそのまま入れろと、こういう意見が前から強く出ております。で、私個人としましては、その御要望もそう無理と思うわけでもございませんが、とにかく、代表者ということになりますというと、一名ということになる。一名ということになりますというと、管理者側になる。これは共済組合のみならず、健保連合会等の例を見ましても、やはりそういうことにならざるを得ない。それが従来とも通じてとってまいった形でありまして、それを、いかに職員側の意見を代表させるためにどういうふうに補強していくか、これは管理者側の意向、職員側の意向、私はいわばあっせん役のような立場におきまして従来苦労してまいったのでありますが、なかなか歩み寄りが時間がかかりまして、最近ややめどがまたつき始めた、こういう段階でございます。  で、住宅の関係は、実は、年は忘れましたが、たしか、二十七、八年であったと思いますが、職員側の——職員側というよりも、各共済組合の御要望によりまして、常磐線の柏に三万坪ばかりの分譲をいたしたことがございます。その後、適地がないために、しばらくやっておりませんでしたけれども、最近は——最近ってこの数年間は非常にその御要望が強くなりまして、したがいまして、いろいろと手をつけておりますけれども、しかし、ものになったのはきわめてわずかでございます。何と申しましても、団地をつくるということはなかなかの難事業でございまして、ほとんど具体的に完成したものは今日まであげられる段階に至っておりません。
  264. 相澤重明

    ○相澤重明君 ただいまの今井参考人の御答弁では、この共済連の最高の機関というのは評議員会である。その評議員会というのは、評議員は連合会加入組合を代表する組合員であるものの代表が一人ずつ出るというお答えですね。しかし、それでは、いわゆる国家公務員等の組織しておる労働組合、そういうところの代表が直ちに参加をそのままストレートにできない。こういうところに問題点があると指摘を前回もされたのでありますが、いまのお話では、検討中で、その検討という意味を含めて、これは大蔵省もそうでありますが、いつごろをめどにそういうものを成案を得るお考えがあるのか。これは大蔵省は大蔵省であるならお答えをいただきたいし、今井参考人も、そういう点を御相談をされるのはどういうところでされるのか、機関ですね。あるいは大蔵大臣と御相談をされるのか。御構想がありましたならば、単に検討ということじゃなくて、その検討の意味も少し含めていただいて、御答弁をいただきたいと思うのですが。
  265. 今井一男

    参考人(今井一男君) いわゆる検討ではございませんで、真剣に具体案はこしらえたのであります。すでにことしの一月あたりから、私、具体的にその考え方を各共済組合の運営審議会——各共済組合の運営審議会には職員側の代表がみな参加しておる、そういう方のお集まりの席で構想をお話しいたしまして、そうして、それを中心にして、何とか成文化し、さらに、その成文をもとにして皆さんで具体的に練ってほしい、私、別にこうでなければならぬという詰めた考え方は持っておりませんが、各省の管理者側の御意見もやはり必要なわけであります。で、労働組合の中にも御意見が、必ずしも二十の組合は一致しません。というのは、組合の悪いことといいますか、二十の組合の中には、労働組合結成権のない、たとえば刑務であるとかというようなところも入っておる関係とか、また、御承知のとおり、労働組合が代表いたしますのは所属員だけでございますので、この場合に組織化するためには、いまの五現業三公社の、完ぺきにカバーしておられる場合は問題がございませんが、非現業の場合には、その点非常にあいまいな点も出てまいります。そこで私どもとしては、やはり運営審議会という、各省におきましてとにかくオーソライズされました職員代表——大部分がこれは労働組合代表でございますが、そういう方からピックアップするということが、この際、やはり問題のない方法じゃないかという線で、そこの権限等の問題も、定款には少なくとも書いた資格があるものにぜひしたい。それから評議員会というのは法律できめておりますから、評議員会をいわゆる最高機関として置かなければなりませんが、しかし、これはいわば認証のような、最後に判を押すような機関にいたしまして、実質の議論はそのもとの各省の運営審議会の代表である、これは労使側一人ずつでありますが、そういうところによってきめていくような方向で、そこで少なくとも一、二年、実績を残していったらどうか。そういうことから、また管理者側のほうのいろいろの意見も出てこよう。それを積み合わせていく中から、その次のステップもおのずから生まれてくるんじゃないか、そういう私は提案をいたしましたが、不幸にいたしまして、今回御案内のような不祥事件等も起こった関係から、過日もその案の御審議に入ることをお願いしたのでありますが、残念ながら、先月の会議ではそこまで入れませんで、私といたしまして、なるべくこの問題はひもを切らないでほしい、何かの形でまた話し合って、これをものにする方向でひとつ御援助願いたい、こういうお願いをしたのでありますが、その点は、よろしいという返事でもないが、いけないという返事でもないというような形で前回の懇談会は別れております。私どもはこのひもを切らないで、何とかかっこうをつけたい。それには、私が最初に出しました案というのはいわゆるたたき台にしかすぎないのであって、決してこだわるものではないから、いかようにも話を進めてひねってほしい、ただ、ひねる場合には、職員側だけでもいけませんから、そこは管理者例と両方でひねってほしい、こういう態度で私は取り組んでおる現段階であります。
  266. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) いま今井理事長から詳しくお話しになったので、特に追加することもございませんが、事実上、四十年度と四十一年度の問題に関してそういう励議会なるものを開いておりまして、また、資料としてお配りしましたが、運営協議会設置要綱案というようなもの、こういうものをつくっておりまして、そこでいま理事長がお話しされたような段階を経て、かためるのにどういうふうにやったらいいかということは、もう少し時間を必要とする、そう思っております。
  267. 相澤重明

    ○相澤重明君 前回の本委員会でも岩間委員から御指摘があったのですが、やはり民主的な運営という、まあ、ことばの使い方もあると思いますけれども、なるべくより多くの人に理解をしてもらう、そうして、その掛け金あるいは政府の出しておる金、そういうものは絶対にうまく運営ができるようにしなければいけないと私は思うのです。そういう意味では、先ほどの今井理事長の御報告によると、すでに労働組合員側の委員も入れるようにという見当でたたき台が出されておる、こういうことで私はたいへん喜ぶわけですが、いままでのお話ですと、今井参考人労働組合から面会を要求されてもなかなかお会いにならないということだから、もちろんそういうような案もないというように思っておったのですが、たいへんよいことを聞きましたので、ぜひこれは検討をして、できるだけ早く成案を得るように私は希望しておきたいと思うのです。  その次に、共済連の役員構成の問題でありますが、二十七条による役員で、いわゆる常勤の方と、いわゆる非常勤といいますか、その選出の方法は法律で規定をせられておるわけですが、率直に申し上げまして、理事、監事の中に大蔵省の出身者は何人ぐらいですか。
  268. 今井一男

    参考人(今井一男君) 現在、私一人でございます。非常勤の理事及び監事は交代で、いわゆる輪番制によって二十の各組合から選ばれております。それから常務理事は現在三人おりますが、その三人は、一人は防衛庁、一人は会計検査院、一人は満州国出身、それから常任監事は参議院出身になっております。
  269. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうして事業の実際の遂行をするのは、先ほどの最高機関の評議員会が承認をする。しかし、事業の運営については理事長中心の理事である、こういうふうに私ども考えておるのですが、そのことは間違いございませんか。
  270. 今井一男

    参考人(今井一男君) そのとおりでございます。ただし、毎月一回必ず定例理事会を開き、あるいは、ときによっては臨時の理事会を開きまして、毎月の財産のおもな移動関係及び重要事項については御相談申し上げてやっております。
  271. 相澤重明

    ○相澤重明君 法律に基づく十八条の責任準備金の積み立てでございますが、この長期給付の積み立て金が現在はどのくらいになっておるのでしょうか。
  272. 今井一男

    参考人(今井一男君) 大ざっぱに申しますと、千五百億と御承知いただいてよろしいと思います。
  273. 相澤重明

    ○相澤重明君 この長期給付金は、これはどういうふうに運用されておるのですか。十九条による資金の運用というものとの関係について御説明をいただきたい。
  274. 今井一男

    参考人(今井一男君) 千五百億をきわめて大づかみに申し上げますと、そのうち、四百七十億というものが各共済組合に貸し付けられまして、各共済組合を通じて職員に、いわゆる還元融資と申しますか、住宅融資その他に使われております。それから職員の住宅、これは公務員宿舎と同じベースに引き直しました、いわゆる俗には特借り住宅ということばを使っておりますが、国の公務員宿舎法に基づく宿舎でありますが、資金だけ私どものほうから提供する、これが約百三十億、両方合わせまして約六百億でございます。そのほかに、連合会プロパーの福祉事業と申しますか、連合会が職員のために——職員といいますか、公務員のためにこしらえております病院でありますとか、あるいは宿泊所でありますとか、これが百四十億ばかり、両方突つくるめまして職員に直接福祉として還元するものが、千五百億の半分でございます。残りのうちの約半分、四百億足らず、三百七、八十億のものが資金運用部に入っております。残りの、全体の四分の一以下のもの、金にしまして三百五十億ぐらいが、いわゆる有利運用と申しますか、私どもが予定利回り以上に運用することにできるだけ努力をしなければならぬ範囲というものがその程度でございます。
  275. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、法律十九条に基づく資金の運用の、資金運用部に預託されているものは約三百七十億、それから、あなたのほうの手持ちとして実際に運用できるのは三百五十億程度のものですか。その三百五十億程度のものはどのくらいの運用率になるわけですか。
  276. 今井一男

    参考人(今井一男君) おそらく、いわゆる、あまりよろしいことばでございませんが、一時言われた虎の門金利という系統の話のことじゃないかと思うのですが、御案内のとおり、一時、金融逼迫のためにコールが非常に上がりまして、どの銀行も堂々といわゆるマル公以外のレートを出した時代がございます。その時代には、私どもも一応その当時における世間並みとしてはちょうだいいたしました。私ども別にイニシアチブをとったわけでもございませんが、ちょうだいしたことは事実でございます。そのころは平均いたしましてその部分の四分の一近いもの、四分の一でもありませんが、まあ五分の一ぐらいのものは、平均しますと三銭五厘ぐらいには回ったのですが、しかし、それは、最近は三十八年以来全然なくなりましたので、いまはその部分がせいぜい二銭から二銭一厘という、いま二銭一厘までいけばいいほうでありまして、まあ二銭を中心にして動いておる。したがいまして、全体を突っくるめますというと、利回りとしては六分をようやくこして六分二厘ぐらいのところ。と申しますのは、組合員に還元いたします資金並びに連合会のいわゆる福祉事業に使います、いわゆる公務員のために使います宿泊所その他の資金、そういうものがこれは五分五厘の運用にしかなりませんので、資金運用部へ預けますと六分五厘になりますが、全部突っくるめますというと、実は六分五厘まではまいらないのでありまして、六分二厘ぐらいの実績かと思います。
  277. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま少し、この資金の中で、先ほど特借り住宅というお話だったのですが、この住宅団地造成、住宅建設ということで約百三十億、公務員用の連合会として福祉関係等に百四十億ですか、そうすると、この住宅の百三十億というのは、大体どの辺にこれはできているか、先ほどの柏というところは一つお話があったのですが、どの地域で、どの程度のものがその地域に存在するのか、おわかりになったら、ひとつお答えをいただきたい。
  278. 今井一男

    参考人(今井一男君) ちょっと先ほどの説明とこんがらがりましたために誤解をいただいたようで、はなはだ申しわけないのでありますが、私どもがプロパーで、私どもの資金で私どもの責任において工事をし、職員に分けているというものは、実績としてはこれまでに柏しかない。その後もいま問題になっております厚木並びに奈良の近所にやっております団地ぐらいしかない。特借り宿舎と申しますのは、それとは全然性質が別でございまして、国が公務員の住宅問題を解決いたしますために、国の予算によりまして五千戸ですか、毎年一定の公務員宿舎を建てておられます。それだけでは非常に解決するのに時間がかかる、そこで、連合会に金を貸せと、それで自分たちの公務員宿舎と同じような形において公務員のために必要な場所に建てる、土地は国有地を必ず使うことになっている、国有地の上に連合会の資金で普通の公務員宿舎と同じ規格のものをこしらえる、そうして、それを公務員宿舎と同じ値段で職員に還元する、要するに、はいらせてやる、ただし、従来の国の予算でやりますと、高級公務員しかはいれません。われわれの資金でやりましたものは、それ以下の下級公務員のほうに充てる、そのかわり、連合会としては、その資金を、工事も官のほうでやるから、その資金は払っておけ、払っておいて、率直に申しますと、六十年たったら、それはそのときに国にもらいます。国としてこれは会計法上問題がありますので、公式な契約ではありませんが、そういう了解のもとに、要するに、連合会の資金を使って、国の公務員宿舎改築を御援助申し上げておると申しますか、われわれ必ずしも有利な運用とは思いませんけれども、しかし、職員の利益になることでございますので、そこで設置場所、規格等は一切国のほうでおきめ願う。のみならず、公務員のあっちこっちに勤務しておる状態が非常に入り組んでおりますので、あるときは、国の予算で建てたほうにいわば下級公務員を回し、そのかわり、あるときには、こっちのほうに高級公務員を回す、全体の数ではとにかく一本でいく、要するに、国家公務員宿舎法のルールに従ってやる、しかし、金のけじめはそこにはっきりつけておく、したがいまして、全国に何十カ所ということに相なります。北は北海道から南は鹿児島まで、そういうふうに区々に建てられまして、それで、ことばははなはだ不穏当かもしれませんが、要するに、勘定書きは私のほうにいただくということでございます。それを昨年までは五分五厘の運用でありまして、私どもも非常に利回りが低いからというのでお願いをいたしました結果、四十年度からこれを六分五厘に、資金運用部に預けると同じレートまで引き上げていただきました。ですから、私どもとしては、いまの段階においては有利な運用でもありませんが、若干見ていただいておると、こういう現状でございます。
  279. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは大蔵省はどうなんですか。いまの今井参考人お話では、国のいわゆる公務員用住宅を、いわば肩がわりしてやっている、めんどうを見てやっていると、こういう逆を言えばそういうことにもとれるわけなんです。大蔵省としては、国家公務員用の宿舎、住宅を年間において計画をしているわけでありますが、その計画のうちこの共済連に、いまの今井参考人の言うようなふうに共済連に頼むのは全体のどれくらいですか。全体の何分の幾つくらいになるのです。
  280. 今井一男

    参考人(今井一男君) 大体半分近い数でございます。五対四くらいの比率になっておるかと思います。私のほうが四、国のほうが五くらいでございます。両方で一万戸は建ちませんが、それに近い数を建てて、五カ年間でできればひとつ公務員の住宅問題を解決したい、こういうねらいのために行なっておる次第でございます。
  281. 相澤重明

    ○相澤重明君 この前、松永国有財産局長は本院で私の質問に答えて、この東京付近だけでも国家公務員住宅用地が二十一万坪余まだ不足しているのだ、こういうお話で、何とか早急に公務員の住宅を建てたいということになって、その要求があり、いま共済連からは大体五対四くらいで、その四割くらいを受け持つという、いまの年度から考えると、たいへんまだこの共済連に負担をかけることが多いということが考えられるわけですね。したがって、それだけの共済連に、本来の目的と言ってはおかしいが、住宅問題等でそれだけの費用を負担をさせるということは、私はやはり国自身がよく考えてやらなければならないことじゃないか、本来もっともっとほかにたくさんの仕事をやってもらうことがこの事業計画の中にあると思うのですが、そういう面で、先ほど利子をたとえば五分五厘を六分五厘にしたと、こういうのですが、それはもっと是正をする考えはないのですか。運用率を向上させる意味で、大蔵省自体としてはもっと、共済連の実際の内容について考えた場合に、住宅資金等のこの運用については、もっと利子を実際考えてやる必要があるんじゃないか、そういう点はどうなんですか。
  282. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) この特借り宿舎と、それから普通の公務員宿舎の関係でございますけれども、私、公務員宿舎のほうの担当じゃないのですけれども、私が聞いております範囲では、いきさつは、公務員宿舎というのは、これは公務員としてはなるべく多く建てたいのですけれども、片や、住宅施策として国の施策でいろいろやっていく、それとのバランスもありますので、そう普通の公務員宿舎を急激に伸ばすということもむずかしい。そこで、幸い、国家公務員組合のほうで資金があるから、その資金を使って宿舎をさらに、一般会計で普通に見る以上に建てよう、そういうことでできておりまして、別にあちらの分が、連合会の特借り宿舎がこれだけあるから、こちらの分はそれだけ落とすというのでなくして、その分はなるべくプラスになるようなふうに配慮はしております。  そこで、さらにその金利をもっと上げたらどうかということでございますが、運用部に預けておりますのが六分五厘でございますから、六分五厘ならば金利としては妥当ではないかと思います。おそらく、公務員としての希望は、その金利をどうするかということよりも、なるべくたくさん宿舎ができる、早くできるということが非常に強い要望だと思います。で、いま相澤先生おっしゃられましたように、問題はいまの宿舎も、それから特借りのほうも、公務員の宿舎もそうでございますが、非常に困っているのは、これで土地を買ってつくるということになると、資金が非常に要るわりに宿舎は建たない、こういうことになってしまいます。いま国有地ということでやっておりますけれども、だんだん国有地が宿舎用に使えるものはなくなってくる、ここが一番問題だと、そう思って頭を悩ましておりますが、金利はこの辺でごかんべんを願っていいんじゃないか、そう思うのであります。
  283. 相澤重明

    ○相澤重明君 いや、私は、やはり先ほど申し上げたように、第一条の目的から考えるならば、広義の社会保障の問題、国家公務員のいわゆる身分の安定をはかる、その家族の生計の安定をはかること、遺族も含んで、そうですね。そういう意味からいけば、できるだけ共済連合会の運用が楽になるのは私はいいことじゃないか。その中の一つとしては、掛け金を安くしなければいけない問題があると思うのです。国の負担をもっと多くしてもらいたいと思うのです。現在のこの九十九条による掛け金は幾らになっておりますか。
  284. 今井一男

    参考人(今井一男君) 組合員のほうが千分の四十四でございます。国が千分の六十一出しております。
  285. 相澤重明

    ○相澤重明君 長期給付等の問題については、もっと組合員の掛け金を引き下げろという意見がずいぶん私はあったと思うのですが、下げられる見通しはないですか。国の負担をもっと大きくして、そうして組合員の掛け金を下げる、そういうことはできないですか。これは大蔵省ですね。やはり答弁は大蔵省……。
  286. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) ほかのいろいろな社会保障制度との関係がありますので、いまのところはこの辺が妥当だと、そう思っております。
  287. 相澤重明

    ○相澤重明君 だってあなた、当初はそうではなかったでしょう。いまの千分の四十四と千分の六十一ですか、というお話がありましたけれども、最初はもっと安かったでしょう。当時は四十二か、四十二・五か、もっと安かったでしょう。あなた方のほうも、国の支出がなかなかたいへんだということで、国のほうもふやすけれども組合員からもよけい取ろうと、あるいはベースアップをして金額がふえたからよけいにその資金になるんだということではなかったですか。最初から四十四ではないでしょう。どうなんですか、大蔵省。
  288. 辻敬一

    説明員(辻敬一君) 新共済制度になりましたときの掛け金率はやはり千分の四十四でございまして、そのときの国の負担金が千分の五十五で、それを三十九年十月からただいまの数字、つまり、掛け金は据え置きまして、千分の五十五の負担金のほうを上げまして千分の六十一にいたしたわけでございます。
  289. 相澤重明

    ○相澤重明君 それをもっと国のほうを引き上げるということは可能ではないのか、こういうふうに聞いているのですよ、いまひとつ。
  290. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) 先ほど申し上げたように、ほかの制度とのバランスがございますので、現状ではこれが妥当だと、そう思っております。
  291. 相澤重明

    ○相澤重明君 まあ、これは平行線になりそうですが、私は、少なくとも、国の社会保障制度の一環、こういうことから考えれば、私はもっと国の費用を増大して、そうして組合員の掛け金というものはできるだけ少なくしていくというのが、社会保障制度の前進だと思うのです。組合員の掛け金を多くしていくというのならば、これは何でもできるということになる。あまり国は心配しなくてもいいということになる。私はそういうことじゃないと思う。そういう意味で、こういうことをやっていると、あと岩間君の質問の時間を制限されますからはしょりますが、私はやはり組合員の掛け金はなるべく下げてもらいたい、国の費用はふやしてもらいたい、こういう素朴な国家公務員の要望があることも政府はひとつ御検討を願いたいし、今度は、今井参考人に、そういう点についてひとつ審議会なりあるいは運営委員会等で御相談をされることはないのですか。そういうことはいままで意見はありませんでしたか、いかがですか。
  292. 今井一男

    参考人(今井一男君) 掛け金が安いことに異議のある人間は一人もおりませんので、これは絶えず話は出ますが、問題はやはり法律問題になりますので、法律問題でありますというと、連合会の運営を議論する場は適当でないと考えます。これはほかの場でひとつ、これこそ、労働組合運動なり、あるいは他の社会保障全般に関する場のほうにお願いをしたいと私いつも申しておるのですが、しかし、実際問題としてはよく話は出ます。これはもう、安いのに越したことはないことは確かでございます。ただ、いまの共済組合はぐあいが悪いことに、恩給法をのみ込んだ形になっております。それで、その恩給法とつなぐ関係から、計算関係は別に切ってありますけれども、だから、その恩給のいわば悪いところといいますか、そういうところをそのまま共済組合のほうに取り入れているというのが、私のほうの社会保障の一つの専門家の立場からいうと、そのために必要以上に実はよけい金が要る。もっとかゆいところに手が届くような体系に切りかえたならば、掛け金は安くて、しかも給付は比較的公平にいくのじゃないか。ところが、いま中途はんぱでありまして、恩給法の分が入ったばかりに、それをどかんと下げるわけにいかないものですから、いろいろ経過的に共済組合全体がゆがんだ形になっておる、こういうふうに大ざっぱに申し上げられるのではないかと思います。
  293. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、これはまあ四十一条の給付の決定及び支払いですが、国家公務員の災害補償法、それによると、実施機関の意見を聞くということや、あるいは長期給付の支払い事務を郵政省に委託するというようなことがそれぞれ出ておりますね。事実問題として、こういう実施機関の意見を聞くのは、その問題が起きたその省庁に対して聞くというのか、それとも、やはり理事会ならば理事会として、いわゆる関係各省庁を呼んでお聞きをするというのか、その点、私どもにちょっと不明確なように思えるので、扱いの責任者として今井参考人から意見を聞いておきたい。
  294. 今井一男

    参考人(今井一男君) これは全部事故の発生いたしました省庁の意見でございます。省庁が公務と認めるということを基礎にいたしまして処理をいたしております。省庁が公務と認めたものは、もうすべて原則としてそのとおりやる。したがって、この問題につきまして理事会等が口を出したことはございません。しかし、公務としないために当人から不服が起こるのでございます。その場合には、別に審査会という連合会外の組織がございまして、そこの三者構成による審査会で、これを公務ととれとかとるなとか、こういう決定をしております。
  295. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、法律九十八条の福祉事業の資金、いわゆる短期給付費の九十五分の五ですか、現在はどのくらいの資金になっているんですか。
  296. 今井一男

    参考人(今井一男君) 約四億近い金でございます、三億……。来年度は四億こえると思いますが、四十一年度は、四十年度は四億ちょっと割っております。
  297. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、九十九条の再計算の問題ですが、どうもいまのような経済変動の多いときには、五年間というのは少し無理ではないか、こういうような意見もだいぶあるわけです。こういう点については、運営をしておる立場でどうお考えですか。
  298. 今井一男

    参考人(今井一男君) 御説のような点が確かにあると思います。一応法律の規定では五年以内となっておりますので、五年ごとにやってまいりましたけれども、やはりいろいろ事情が違いますと、保険計算としてはもうちょっと早目にやることも必要じゃないか、こういう気がいたします。
  299. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、第百条の三項の、いわゆる頭打ちというんですか、限度、それと四項の掛け金の調整、こういうものについてはどういうふうにお考えでしょうか。
  300. 今井一男

    参考人(今井一男君) これは私、この団体の理事者としてお答えするのは少し適当でないんでありますが、共済組合法をきめますときに、三者構成の審議会におきまして意見が出まして、私なども、実はそのほうの賛成者というよりも推進者の一人であったわけですが、厚生年金のように、例の平均標準報酬でやる場合には、こういう問題ございませんけれども、やめるときの月給ということで、恩給のように基礎にいたしますと、やめたときのちょっとのことによりまして非常に給付に不公平が起こるのであります。それを防止いたしますために、共済組合法に頭打ちの規定が入りまして、それで十一万円ということに押えたわけでありますが、この十一万円が現在適当かどうかというのは問題もございますが、これは法律問題としては関係者の間でやはり議論を戦わさなきゃならぬ問題だと思います。要するに、掛け金も下げるかわりに給付も少ない、そういう頭をつくっておかぬと、ぽんと十万円から十一万円に上がる、あるいは二十万円に上がる、その上げた人が二十万円の割合で年金をもらって、しかも構成が、本俸の中に管理職手当も入る、超勤も入るというような仕組みで本俸のきまっておる人もあります。そういう人が非常に得をするわけであります。端的に申しますと、ある程度の線で切らないというと、いまの役人の俸給の体系からいえば不合理であろう、こういう見方でできた規定でございます。
  301. 相澤重明

    ○相澤重明君 以上が大体私の聞きたい点の条文上に基づいたものを聞いたわけなんですが、そこで、いま一度全体を見まして、いまの共済連が約千五百億に及ぶ資金を運用しておるということになってくると、これはたいへん大きな額だと思うんです。そこで素朴な考えでいけば、これだけの大きな資金があるんだから、われわれの掛け金というものはそう値上げしなくてもいいじゃないか、むしろ他の、先ほども御説明をいただいた事業をやっておるとすれば、その事業の収益というものもたいへん上がるんじゃないか、こういうことも一般に持たれるわけです。そこで、どうなんですか、いままで、先ほどの資金運用の面で三百五十億ほどの点についてはお話をいただきましたが、巷間いわれることは、利差益というものがあったのに、実際に計上をされていないのじゃないかというようなことまで実はかなりいわれておるわけです。こういう点について、連合会自体としてそういう事態があったのか、あったとすればどのぐらいあったか、現在は、どうなっているか、こういう点については、率直にひとつお答えをいただきたいと思うんです。
  302. 今井一男

    参考人(今井一男君) いわゆる長期給付の財源としていただきました各組合からの掛け金並びに国庫負担金、こういうものはそのまま銀行振り込みでわれわれのほうに入ってきます。それをそのまま小切手で銀行へ回すなり、あるいは有価証券に取りつけるなりするのでありますが、これまでのうちでは何と申しましても、いわゆる一時ありました特利が非常に大きかったわけであります。三銭五厘平均まで回った時代がございます。たとえば当時の定期預金は年六分だったと思いますが、六分とのさや、それを私どもは俗語ではオーバー・レートと言っておりますが、こういう式のものが、大づかみに申しますと約六十億程度はあると思うのです。で、それをそっくりそのままわれわれのほうで受けまして、帳面にあげまして、そうしてそのままそれぞれのいわゆる長期給付の原則として、長期給付の財源の中に利子及び配当金というような形で計上いたします。したがいまして、それがどこかで消えてなくなるというようなことは、これは絶対ございません。そのまま利差益というものがあるから、六十億も七十億もあるとすれば、それだけ掛け金が安くなっていいじゃないか、こういうふうに一応お考えになる向きがあるのでありますが、ただそこが厚生年金と共済組合制度の非常な根本的な違いでございまして、掛け金を五年ごとにきめます際には、そのときから将来にわたりまして、ちょうどいわゆる平準保険料で収支相償うという形で、いまの四四がきめられてまいります。ところが厚生年金のほうは、御案内のとおり、ことし掛け金をいたしますと、たとえば三万なら三万円の月給に対して掛け金をする、そうすると、もう三万円で必要な掛け金をいたしますれば、それで三万円の月給時代におけるその人の年金としての分け前は確定します。したがいまして、ベースアップがありましても、そのあったときからの影響が、四万円に上がれば、四万円に上がったときの掛け金を払う。ところが、公務員は毎年、ベースアップがあります——昇給じゃございません、昇給は一応見込んでありますが、ベースアップの分は全然見込まずに、要するに、やめたときの月給でいくというたてまえに切りかわりますので、ベースアップのたびごとに過去の掛け金に対する穴というものが出てまいります。私は、いまの制度でいくと、共済組合というものは将来どうなるのかということを心ひそかには実は心配しておるのであります。厚生年金の仕組みでいきますれば、そういう点はございません。せいぜいいままでに給付を受けた人間の既裁定の年金をどうしてスライドアップしてやるかという問題だけの財源でいいのでありますが、共済組合の場合には、全部ベースアップのたびごとにそういう問題に接します。したがいまして、これを計算いたしますと、大ざっぱに申し上げましても、たいへんな額でありまして、その穴だけで、六十億、七十億というのはすぐすっ飛ぶ関係になりますので、優先的にはそういうことに充てざるを得ない。のみならず、そのほかに、保険計算として余命年数が延びるとかなんとかという問題も若干あります。私はベースアップに反対するわけじゃございませんが、仕組みを変えるということが、そのうちどうしても考えなければならぬことになるのじゃないか。もしそうなりますれば、この利益差というのはすぐさま掛け金の引き下げに使うことができます。
  303. 相澤重明

    ○相澤重明君 つまり、いま問題になっておるのは、栗田理事が住宅団地の問題で司直の手になった、こういう点がたいへん大きく取り上げられておったわけでありますが、その内容については、もちろん司直の手にゆだねられておるわけですから、事実の中にその経過が明らかになってくると思うのです。しかし私は、先ほど今井参考、人が答弁するように、国家公務員がいわゆる住宅事情で非常に苦しんでおる、それを一日も早く解決をしていこうということはわかるが、こういう事件発生を見て——内容の問題じゃありません。事件発生を見て、こういうことはどうであるのか、こういう点について、私は、理事長としては当然役員会でやはり御相談もあったことと思うのです。そういう意味で、私は、三十二条による役員の解任、こういうような問題が、やはり議論をされるのじゃないかということも考えられるわけです。ですから、皆さん方が非常に苦労されておることはわかるが、そういう点については今後どうするかということについても、慎重なる御検討がなければいかぬと思うのです。この一点をお伺いして、この問題については終わりたいということと、大蔵省には、百十二条による時効による金額というものは、一体、どのくらいあるのか。共済において時効によった場合にはもう請求権がなくなる、そういう額は実際に現在まで、どのくらいあるのか、おわかりになったらお答えをいただきたいし、なければ、あと資料で御提出をいただきたい。  その次は、時間が——まことに申しわけないが、中央労働福祉センターのことでちょっとお伺いして、あと岩間さんと交代したいと思います。  大蔵省には、いまのことをお答え願いたい。
  304. 今井一男

    参考人(今井一男君) おことばのとおり、ただいまそういう司直の段階でございますので、かれこれ——十分役員会等において検討いたしまして、結論を出すつもりでございます。  ただ、この機会に一言述べさしていただけますれば、問題になりました厚木の土地を最初に物色いたします段階から、不完全ではありますが、管理者側、職員側代表、三者構成的なものが、ずっと現地に参りまして、そして土地の物色、それからいろいろの注文からずっと、住宅委員会というものを設けまして、役員会に毎回報告は受けておりますが、実際の折衝並びに取り運び等は、この委員会がほとんどリードする形でありまして、私は、その委員会の報告を中心に事を運んだような次第でありますので、まあ事実といたしますれば、まことに申しわけないのでありますが、また、ああいうふうに新聞に報道されますれば、疑惑を持たれることは、まことに残念ながら、やむを得ぬと思いますけれども、その点におきましても、職員に分ける、公務員に分ける団地関係の手続としては、まあ、方法としてはかなり注意を払った、また公務員により高いようなものを、不当なものが入ったようなものを分けたようなことにはならぬ、という点につきましては、万々遺憾ないということをいまのところ申し上げられると思うのでありますが、いまのお話の、常務の扱い方自身は、お話のとおり、慎重に善処したいと思います。
  305. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) ただいまの数字、これは調査に相当時間がかかると思いますが、金額は非常にわずかだと思います。なるべく急いで調査をいたしまして、提出いたします。
  306. 相澤重明

    ○相澤重明君 金額は少ないかもしれませんが、また、件数はどのくらいになっているか存じませんけれども、やはり掛け金をかけておる者としては、大事なことなんです。したがって、この時効制度というものがありますが、具体的にそういうことはやはり国会に御報告をひとついただきたいと思うのです。  そこで、共済連の問題としてはそこで終わりますが、今井理事長が、今井参考人が、労働金庫協会の、あるいは全国労働金庫の責任者をも兼ねているので、本院で、実は同じような問題が出ているのは、中央労働福祉センターの問題であります。これは、公明党の二宮委員から、高輪の元東久邇邸の国有財産の処分について話がありました。これについて大蔵省からも答弁をいただいているのでありますけれども、中央労働福祉センターの設立発起人というのは一体だれであったのか、どういう団体の人が関係をしておったのか。これは、私はいま一度、理事長としておわかりになったらお聞きをしたいと思うし、それからその次は、この高輪御殿なるものが、実は京浜急行に譲渡をされるという、大蔵省の土地交換、こういうような点が明らかにされつつあるわけでありますが、その中で、京浜急行から設立団体といわれる四団体が七千万円からの金をもらった。そうして、その金をもらって、実は今日は他に国有地を求めて中央労働福祉センターというものを建設する計画がある。しかし、その計画の中で、自己資金と借り入れ金とを含んで、労働金庫から借り入れをして建設するのだ、こういうことを本院でいろいろ議論されたわけであります。  そこで、これは率直に、そういう中央労働福祉センターなるものがあり、そうしてまた、その中央労働福祉センターが、高輪邸でなくて、他に建設をする計画があって、あなたのほうに、共済連のいわゆる責任者ということじゃなくて、おそらく労働金庫だろうと思うのですが、そういうところに借り入れ金の申し込みがあったのかどうか、こういう点は本院で、たまたま何回か当委員会質疑がかわされたので、この機会にひとつお答えを願っておきたいと思う。
  307. 今井一男

    参考人(今井一男君) その御指摘の団体は、いわゆる労働四団体——総評、同盟、新産別、中立と、この四団体が組織したものでありまして、四者の申し合わせで、たしか五百万円だと思いましたが、分担割合も四、三、二、一——一は新産別、中立が二であります。そういう割合で出資いたしまして、せっかく厚生年金の還元融資の道が確立した事態に、ひとつ模範的なものをこしらえようということで、私も一、二の団体であればお相手したくもなかったのでありますが、日本において四者団体で、少なくとも共通のものをこしらえようということは画期的なことであるという意味で、代表者となれというおすすめに乗っちゃった、といいますか、承知したわけでありますが、初めに、場所としてかなり苦心をしてさがしました。さがしましたが、なかなか適地が見つかりません。御指摘のように、品川に土地をさがすべく非常に運動を重ねたことも事実であります。あの半分ばかりを実はお貸し願うか、払い下げいただきたい……。ところが、あの所有権とからみましては、一部に伝えられますように、東久邇氏の非常な主張がありまして、その関係はかなりごたごたしたものであります。ところが、いろいろの経過を経まして、何年間かの、実質的に二年半くらいだったと思いますが、経過を経まして、とにかくこちらはそこから手を引く、要するにあきらめる、こういうことになりました。で、その際、競願者と見られる京浜急行側から、御指摘の金額をいただいております。これは、私に言わせますれば、この種の不動産取引には普通の例でありまして、要するに、いろいろの取引関係では、それまでかかった経費というものは、一通りあとの人が見ていくという意味におきまして、別に商取引としては珍しいことではないと考えまして、そのお話に応じたわけであります。で、結局——そこまで申し上げる必要もないかもしれませんが、その中から、借金でありますとかいろいろの、それまでかかりましたもろもろの経費を差し引きまして、結局のところ、私もまあ大ざっぱなことしか覚えておりませんが、五百万ないし千万、その程度の金が手元に残ったかと思います。そのくらい、それまでにいろいろの経費を使いました。もちろん、その余った金を私ども一文ももらったわけでもなければ、また妙な方向に使われたことは全然ございません。まあそこはきわめて公明正大に処理したことをはっきり申し上げておきたいと思います。  なお、その後、この新しい土地へ移ることになりまして、その払い下げを受けると、そのためには土地の交換が要る、新しい土地を取得するためにまたいろいろ金が要ると、そういう金は、その四団体の性質からいたしまして、四団体保証のもとに労働金庫から借りました。これに連合会の資金がどうのとかいうような意味合いのような御発言にも見えましたけれども、これは絶対ございません。別に、共済組合連合会の金の中には労働者の資金も入っておるから、労働金庫に預けてくれという主張は、これはかなり前から労働組合側から、あっちこっちから出ている意見でありますが、私個人といたしましては、人のほうへ預けた金を集めて、それで労働金庫の資金をふやそうという、そういう量見では労働金庫は大きくならぬと。労働金庫を大きくしようと思ったら、自分たちの貯蓄を向けるべきだ。実は私もそういう考え方で、私は説教めいたこともやったこともございますけれども、しかし、健康保険組合にも若干預けておりますので、そこで、たしか三年ほど前だと思いましたけれども、これと全然関係なく、一億だけ預金しております。一億の金は、切りかえて現在に至っておりますが、労働金庫の今回の、いまのこの福祉センターが借りました時期というのは、昨年になってからの話でありまして、その間に、それを見てもおわかりだと思いますが、全然関係はございません。
  308. 相澤重明

    ○相澤重明君 これで終わりますが、そうすると、労働福祉センターというものは、事業計画としてこの四団体はすでにつくるという確信を持って進めておると。ただし、その資金の運用等によっては、どういう機関から自己資金を出すとか、あるいは借り入れを行なうとか、こういうことはこれからの問題と拝聴していいわけですね。要は、中央労働福祉センターというものはつくるのだという意欲は、この日本の大名数の労働組合がつくっておる四団体が持っておるのだと、こういうことは考えてよろしいのですか。
  309. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私はそのようにお見受けしているから、いまだに引き続きこれを預かっておるわけでありますが、ただこれがおくれまして、資金計画等がおくれました最大の原因は、一番中心に考えられるべきいわゆる厚生年金の金、この金をきめますのに、どうしても土地がきまらなければとにかく話にならぬ、土地がきまった上でひとつ相談しようというふうなことから、途中の計画はいろいろなものをいろいろな人がつくっております。おりますが、土地が固まるまで話はお預けだというふうなことから、ことしの一月にようやく登記が済みまして完全に所有権を取得いたしました。したがいまして、これからがその具体化ができる。しかもそういう形におきまして、労働組合側の意見によりますと、これを非常に組合員の中にPRしてきまして、自分のものができ上がれば——率直に申しますというと、利用料金といいますか、あとのでき上がってからの切符の割引のような形におきまして、自己資金もひとつ大いに集めよう、こういうお話ができております。したがいまして、計画は具体的に、何億何千万のものになるかということは、まだ申し上げるのにはちょっと早いかもしりませんけれども、どうしてもこしらえるということは、関係者の間から聞いております。
  310. 相澤重明

    ○相澤重明君 けっこうです
  311. 岩間正男

    岩間正男君 時間があまりありませんから、私も要領よく聞きますから、要領よく答えてください。  まあ今度の共済連の汚職の問題は、当委員会で取り上げられたわけですね。これは非常にやはり性格は大きいと思うのですが、私は氷山の一角だと考えています。したがって、この運営の問題が、同時にまた取り上げられて大きくメスを入れなければならない、こういうふうに考えておるわけですが、大体今度の問題の経過について、概略最初にまあお伺いしたいと考えます。
  312. 今井一男

    参考人(今井一男君) てまえども事務局長以下三人の者の、上の事務局長と営繕課長は、ある土建屋から十万円、それからあとのもう一人の嘱託は三、四カ所から、二万、五万、十万という式で、正確な金額は忘れましたが、収賭をしたというのが起訴状の内容でございます。
  313. 岩間正男

    岩間正男君 共済連合は現在何ですか、店を締めているようなかっこうになっているのですか。この前二月の二十八日ですか、この警察の調査では、何かあそこのよろい戸を締めて帳簿を全部引き揚げたと、こういうことになっているのですが、そういうことですか。
  314. 今井一男

    参考人(今井一男君) 事業は別に一日も休んだことございません。ただ家宅捜索をやります間、警察当局は外部との出入りを一時遮断したことはございます。おそらくその誤解じゃなかろうかと思います。
  315. 岩間正男

    岩間正男君 この栗田千足常務理事は事務局長をいまやっているわけですね。事務取り扱いですか。どんな業務を担当しているのですか。この事務局長でしかも常務理事といえば、ほとんど中心的な任務だと思うのですが、現在どんな仕事を担当しているのですか。
  316. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私のほうでお預かりしております仕事を大別いたしますと、先ほど相澤委員からも御指摘のありました、年金の徴収並びに給付という関係、それからそのほかに、特別な法律によりまして、旧陸海軍の共済組合の年金者並びに外地の年金者に対する資金給付、いわゆる年金給付の問題及びその残余財産の管理、この二つそれぞれ部を設けまして、これに常務理事が一名ずつ担当しております。まあ外局的な行動をとって、そして残る福祉事業面を中心とする事態につきまして、私のひざもとに事務局というものを置きまして、これに常務理事の資格を与えて、さらに御指摘のようなことをやっております。
  317. 岩間正男

    岩間正男君 この中でですね、会計担当の常務理事というのはだれなんですか。それからこのような住宅の問題なんというのは、これは事務局長として、総務的な役割りをしているわけですか。栗田常務理事がこれを扱っている、こういうことですか。
  318. 今井一男

    参考人(今井一男君) ただいまも申し上げましたように、年金やそれから旧令と申しますか、そのほうはそれぞれの担当でやっておりますが、御質問ありました住宅関係は、これは栗田のほうでやっております。
  319. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、直接は関係しなくても、それを総括して見ていると、こういう立場になりますか。この住宅関係ですね、このために今度の汚職が発生したように思うのですが、どうなんですか。
  320. 今井一男

    参考人(今井一男君) 住宅は栗田が見ております。
  321. 岩間正男

    岩間正男君 三人の常務理事の担当というのは、もう一度これはおっしゃっていただきたいのです。どういう分担になっていますか。
  322. 今井一男

    参考人(今井一男君) 掛け金及び負担金の受け入れ並びに年金の給付、いまの年金の関係のことですが、これは年金部というところで一人の常務が担当しております。
  323. 岩間正男

    岩間正男君 だれですか。
  324. 今井一男

    参考人(今井一男君) 筒井。それから陸海軍の古いつぶれました共済組合の清算事務といいますか、その年金者に新しいベースによる年金を給付する、並びに残余財産を管理する、この残余財産は実は残っておりますのは病院だけでございます。それからさらに、外地——朝鮮、台湾等の古い年金者、共済の。それも旧陸海軍共済と同じような形におきまして、いま法律ができましてやっておりますが、これがまあ創立以来、司令部のディレクティブが出まして、法律ができまして、私どものほうで管理しております。その分は高橋という常務が会計一切を扱っておると、こういうことでございます。
  325. 岩間正男

    岩間正男君 これは栗田常務が事務局長として就任されたのはいつですか。大体最初に就任をして、それからいきなり事務局長ではなかったでしょうね。どんな経歴なんですか、この共済連に入ってから。
  326. 今井一男

    参考人(今井一男君) 初めは職員の数も数人でございましたのでありますが、そのころから事務長をいたしておりました。その後、ある程度スタッフがふえましてから、事務局というふうに名前を格上げしたのでありますが、格上げいたしましたのは二十四、五年だったかと思います。
  327. 岩間正男

    岩間正男君 今度の事件ですね、起訴された直接の事件として、これはまあ資料をわれわれも法務省からもらったわけですけれども、野村工事取締役営業部長川脇常信から、同会社が神奈川県厚本市中郡伊勢原町所在の公務員住宅用地約七万八千坪の宅地造成工事を右連合会から請負施行することについて便宜の取り計らいを受けたこと並びに今後も同様の取り計らいを受けたい趣旨のもとに現金十万円供与というのが起訴状の起訴理由になっておるようなんです。そこでどうなんですか、これは共済連の実際の運用面についてお伺いしたいのですけれども、理事長としては、ことに、先ほどあなたの御説明を聞きますというと、住宅問題を解決するというのは共済連の中でいま非常に一つの緊急に迫られた問題だということで、しかも、いままで扱ったところは非常に少ない。柏でやっておった。ところが今度は、厚木その他のところで二、三カ所でやっているが非常に少ない。したがって、非常に珍しいケースなんですから、当然理事長は報告を受けておったと思うのですが、この点はどうです。
  328. 今井一男

    参考人(今井一男君) もちろん私も最初から特別な注意は払っております。ただ問題の性質が、直接私どものほうの手から各省を通じまして各公務員に分けるたてまえの仕事でございますので、最初から各省のそういう住宅に関心のある人たちの委員会をこしらえまして、まずその場所の決定からタッチしてもらうようにした、それからさらにまた入札関係、あれは農地を譲り受ける関係等も、最初からブローカー等と相対しますというと必ず問題が起こりますので、厚木市並びに伊勢原町当局と折衝いたしまして、その当局が私どものほうに参りまして、ぜひ公務員の団地を歓迎したい、こういうことを確認いたしまして始めまして、関係者に対する農地買収等を市や町が中心となってやっていただくという仕組みをとりました。また、工事設計等の要望も、企画等につきましては、そういう委員会の御意見を中心とし、なお、この場合の入札の見積もり価格は、私、特にうちにも若干の、少数の営繕の専門家はおりますが、これを除外いたしまして、外部の見積もりをとりましてやらせた次第でございます。   〔委員長退席、理事相澤車明君着席〕 ただ、入札そのものも熊谷組と野村工事が展後まで切り合いをいたしまして、そうして最終的には予定額に落ちついた、こういう経過になっております。  で、住宅の問題は確かに緊急であること、私ども認めておりますが、最近東京付近等は、まとまりますというと、公共施設というか地元の市町村から、相当ばく大に要求がまいります。学校に対する寄付であるとかあるいは道路であるとか、その他いろいろの要求がございます。現に厚木の分などは、最初はあちらからぜひ来いということだったのでありますが、最近になりまして、それに対する負担の大きなもの、何億という要求がさらに追加して出てまいりました。坪当たり一万円ぐらいのような要求が出てまいりました。それではとても低価格で分けられない、その辺で行き悩んでいることも、これも事実であります。そんな関係から今後、職員といいますか、公務員の住宅の要求はわかるが、少なくとも連合会という形でやるものは、そんな大きなものはやめよう、公共負担に直接かかわらない、せいぜい五千坪とか六千坪という程度にとどめないというと、とても話は、これは東京付近のいまの首都圏の問題として解決いかない、こういうのが私だけでなく、全体の関係者、役員会あるいは評議員会における意見でございます。
  329. 岩間正男

    岩間正男君 これは時間の関係から、この経過を詳細にお聞きしているひまはないわけですから、これは資料で実は出していただきたいのですが、用地を決定して、さらにこれは請負が入札をやったと思いますね。それから宅地造成に入っていったその経過、これを簡単に資料として出してもらいたいですね。そのときの価格はどうか、それからこのときの担当者は、最初は西尾治郎氏がやっていたわけですか。そしてある程度になってからこの栗田常務に移した、こういうふうになるわけですか。今井さんのこれを知ったのはいつごろからですか。
  330. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私は最初から知っております。この工事を厚木の市役所が持ってまいりましたころから、西尾という嘱託は全然これにつきましては決定権も、意見も述べる立場にございません。ただ、登記所に行って登記簿謄本を確認してくるとか、あるいは市会における議論を傍聴してくるとか、こういう、ことばは悪うございますが、使い走りには使いましたけれども仕事の決定には全然使っておりません。
  331. 岩間正男

    岩間正男君 その資料を出していただけますか。
  332. 今井一男

    参考人(今井一男君) 何かひとつ考えて、一覧表のようなものをひとつくふうしましょう。
  333. 岩間正男

    岩間正男君 この問題で、野村工事あるいは寿産業ですか、こういうものと関係を持ったのはいつごろなんですか、共済連として。
  334. 今井一男

    参考人(今井一男君) その前に一カ所か二カ所工事をやらしたことがあると思います。もちろんこれは小さなものでございましたが、関係を持ったという意味が入札工事に指名をしたということでありますというと、この前に一、二回例があるということでございます。しかし、収賄事実というものは、これは入札後しばらくたちまして、もう工事のでき上がる三カ月ほど——直前くらいのときに、私もこれは知らないのですが、起訴状によりますというと、年末のごあいさつの中の、弁護士から聞きますれば、菓子折りの中に入っていた、こういう報告を聞いております。
  335. 岩間正男

    岩間正男君 こういう事件が発生して、しかも起訴されるという事態まで引き起こしたわけなんですけれども、この指名入札をやるときから、もう栗田常務は中心者として関係しておったわけですか。西国治郎というのは走り使いだと、そういうもののあっせんみたいなことやった、そういうものでしょうね、嘱託ですからほとんど権限がない。西尾と栗田常務の関係はどうなんです。何か同郷関係だというふうに聞いておりますけれども、この関係はどうです。
  336. 今井一男

    参考人(今井一男君) 全然そういう同郷その他の関係ございません。また、走り使いをやっただけでありまして、西尾が収賄のあっせんをしたなんていうことは、これは司直の手で調べなければ確定的なことは申し上げられないということになりましょうが、私、どうしたって、てんで想像できないことでございます。最初から栗田事務局長はこの問題の実態を全部つかんでおりまして、指名競争入札の業者は五社でしたか、六社でしたか、忘れましたが、相当の数の過去の経験等から押しまして、それできめたことでありまして、最終的には私が判を押しております。この実績をいま正確な数字申し上げられませんが、この定価を見ますというと、いわゆる切り合いをしたということは確かだと申し上げられます。
  337. 岩間正男

    岩間正男君 私ちょっと違いましたが、課長の後澤信吾ですか、この人と同郷関係だったというふうに聞いているのですが。そうしてこれはどういう関係で後澤氏は課長に就任したのですか、いつですか。
  338. 今井一男

    参考人(今井一男君) これも非常に古いのでございます。私ども職員の中には、特に幹部クラスには、偶然と偶然でないのが重なっておりますが、長野県出身が非常に多いのです。二人とも長野県の人間であることは承知しております。別に中学の同級生とかなんとかいう関係ではないはずであります。
  339. 岩間正男

    岩間正男君 時間の関係から、詳細にお聞きする時間ないわけですけれども、また当委員会の主要な目的がそこにないわけですから、大体以上のようなことだけただす程度にきょうはしておくわけですけれども、さて、理事長として今度の問題についてはどういう反省を持っておられるか。   〔理事相澤重明君退席、委員長着席〕 とにかく三人の起訴者を出したわけですね。これは軽々しく見のがすことのできない問題だと思うわけです。したがって、この問題自体は非常に重大だし、これをまたあなたたちの常の運営との関連で、これは反省するところはないのかどうか、この点についてお聞きしておきたい。
  340. 今井一男

    参考人(今井一男君) ことに今回の事件に対する新聞報道は、ごらんのような形で出た等もございまして、この不祥事件を契機として、ただいま岩間委員のおことばにもありましたように、氷山の一角というふうにも見られる向きがかなり出てまいります。また、事実新聞報道等から押せば、そういう印象を受けられるのは私無理からぬことだと考えます。しかし、私どもこの連合会の運営につきまして、むろんいろいろの御批判がふだんからあることは承知しておりますが、そういう面に関しましては、相当の努力なりしてまいったつもりでございます。特にいわゆる公経済と申しますか、そういう方面に非常に疑いを持たれることはまことに、私のように何も他に野心のない男としては実に残念しごくでございます。私どもはできればなるべく少数の人間で、なるべく経費をかけないで、本部の金というのは結局公務員の負担になるのだからということで、一切のものを切り詰めて実はやってまいりました。これをかなり各方面から、以前から御批判もありました。で、少なくとも今回の事件によりまして、まだ真相は、私いまの起訴状そのものが一〇〇%正確かどうかについては、若干の疑念のある点も多少ございますが、しかし、とにかくこういうことを引き起こして、これだけいろいろの方、面に御迷惑をおかけした以上、虚心にひとつあらゆる面を反省はしたい。で、どういうふうにどうすべきかということは、各方、面の御意見を十分に伺った上で、ひとつ具体的に、まあきまったものは手っとり早く、また検討すべきものは時間をかけまして、機構だけでなく、あらゆる面について反省を加えたいということは、これは十分決心しておる次第であります。  ただ、あえてここで率直に申し上げますれば、このために、私どもとして十何年の間、私どものやってきたことは一から十まで悪いのだ、こういうふうな意見を言う向きもあるのでありますからして、その点はこういう不祥事件を起こしながら、ある意味において言うのははなはだあつかましいのでありますが、そこまでのことは少しあれじゃないかという気は実はないでもありません。しかし、すべてを、一から十まで、私は反省するつもりであります。しかし結論を、全部一から十まで一切がっさいが白から黒へということになるかどうか、その辺は取り組んだ上で逐次ひとつ問題を解決してまいりたいと、かように存じております。
  341. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、当然、機構あるいは運営の問題について根本的に検討するということが、私は必要な問題を持っているというふうに思うのですが、この点はどうお考えですか。
  342. 今井一男

    参考人(今井一男君) それも、私のプログラムの中にはむろん入っております。
  343. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、なるだけ金のかからないために小人数でやっていきたいという、これはあなたのいままでとってこられた方針についてはわかったわけです。しかし、このことと今度の問題はやはり関係があるのじゃないでしょうか。少数精鋭主義というようなことを大蔵当局も言ったわけですけれども、これはどうなんですか。私は、そこで具体的にこれと関連してお聞きしたいのですけれども、時間がありませんから資金運用の問題についてお聞きしたいと思います。資金運用の問題で、ことに貸し付けをやるわけですね、それから預託をやる、あるいはまた銀行、あるいはまた有価証券に切りかえるとか、いろいろな操作をやるわけです。それをやる場合に、これはどこできまるのですか、機構の上で。審議会に全部かかっているんですか。それとも理事間の協議で理事長がこれを裁断してやるというふうになっておりますか。それからこのような額、これをきめるのはだれなのか、決定権はどこにあるのか、これはむろん理事長だと思うのですけれども、しかし、その運営のしかたがどうなのか、それから金利のきめ方、こういうものも一体どういうふうになっているのか、この間の事情をちょっとお聞きしたい。
  344. 今井一男

    参考人(今井一男君) 千五百億と申しますと確かに大きな金額でございますが、預金部へ入れますものは法律できまっております。金額も時期もきまっております。それから各省にお貸しする分は、各省の代表者と御懇談の上で数字をきめております。これは五分五厘ときまっております。貸し付け時期もきまっております。それから特借りの時期もきまっております。それから私どもの大づかみの運用に関する範囲というものは、先ほど申し上げた三百何十億ありますが、これにつきましては、前から基本的な方針がございます。要するに、株式には手を出さぬとか、あるいは投資信託はやめるとか、で、現在与えられているのは、中心は金融債と、それから預金でございます、御承知のとおり貸付信託。ですから、その間なるべく有利に運用いたしますと申しましても、私ども、十二月末に預金部へ相当まとまった金を預入しなければなりませんので、また、いつ各省からお金を借りにこられても、それに応ずるだけの用意をしなければなりませんので、いろいろ短期のもの、長期のものを組み合わせるということは、ある意味においてはしょっちゅうやらなければならぬ。したがいまして、大づかみの考え方はすでに役員会で御相談をし、それから一年間を通ずる見通しというものは、これは事業計画で御承認いただいておりますが、毎月毎月のそういう右から左へ、左から右へ置きかえるような作業は、これは私が判を押してきめております。最近におきましては、もう金融債と預金だけが、あと貸付信託、この三つだけの間でございますから、要するに、できるだけその間に及ぶということでございます。もっとも前に非常にコール・レートの高かった時代におきましても、銀行の指定数というのは確定しておりまして、別に新しい銀行は入れておりません。したがいまして、一定の銀行のワクは、これは役員会で御相談したものをそのまま踏襲しております。一日の日常のことは、これは今後とも御相談はできにくいのじゃないか、かように存じます。
  345. 岩間正男

    岩間正男君 その点であなたの裁断するウエートが非常に重いということはこれは言えると思うのです。こういう問題について、もっと基本的には、あくまでこれは共済組合員の福祉のためにこれを運営していくという基本的な理念に変わりはないと思うのですね。ところが見ますというと、これはあなたの責任だというふうに私は言えないと思いますが、これは法律そのものの中にひとついろいろ問題がありますから、たとえば掛け金の問題にいたしましても、先ほどどうしてもベースアップ等の問題があって、それに対する対抗策をいまのうちから考えておく必要がある、したがって、四四%は必要だ、まあこういうような点については、これは根本的にわれわれは検討しなくちゃならぬ、あまり諸外国に例がないのだから。つまり、共済組合員の掛け金が大半になっている、そして政府の出資、雇用者側の出資が少ない。この問題なんかは、基本的にいえば、もう雇用者側が全額を出すという完全な社会保障の態勢を組んでいくという方向に対策を変えていけば、いまの問題は全然これは解消する問題ですね。それから特借り宿舎の問題も出ました。共済連の資金でもってこれを政府に出す、それでそこから援助を受けるという形で現在の当面する問題を解決するんだからいいんじゃないかというような話がありましたけれども、基本的にはやはり政府が、国家公務員の福祉の立場からこれは国家投資をしてつくっていくというのが基本的にやはり私は必要だと思うのです。共済連という機構があるからいまのような運営をされているので、それが常態だというふうになっていけば、これは社会保障のさか立ちという方向になるのですから、そういう点からいいますと、私は非常にこれは、あなたはこのほうのいわば執行者ですから、そういう面からあなただけの責任とは言い切れないのでありますけれども、その運用する面で非常にやはり独裁におちいっていくというようなそういう面がある。また操作の面で、かれこれやはり国の方針に拘束されるという面が出てくると思うのですけれども、こういう点については、今井さんとして、ことに社会保障の問題と取っ組んでいられる専門家の立場としてはどういうふうに考えておられるか、この点の意見をお聞きしておきたい。
  346. 今井一男

    参考人(今井一男君) 社会保障全体と通ずる問題ですと非常にむずかしい、お答えしにくい問題になりますが、ただ、こういうことは申し上げられると思うのであります。一般の民間の場合におきましては、かりに不幸があった、すぎ見舞い金を出してやる、こういうふうに簡単にまいります。ところが国の場合におきましては、これはもう立場上当然でありますが、すべてが国会の御審議をいただき、法律予算というものの中でなければ一寸も動けない、こういう形になっております。したがいましてその意味において、いまの共済組合制度が適当かどうか、共済組合制度は、法律によるいわゆる社会保障を受け持つと同時に、何かそこに民間のそういうものに代行するような面もあり得るんじゃないか、そうしないというと官民権衡という立場からいって問題があるんじゃないかということは、かねがね考えて申し上げておるところであります。そういうことではこれは今後相当研究しなければならぬあれじゃなかろうかと存じます。  なお私の、これも少しこういうことを申し上げてかえって誤解を受けるかもしれませんが、私は、実は、たとえば私どものほうのいわゆる工事契約というものは、せいぜい年に二十億か二十五億程度でありますが、この工事の予定入札価格は、私がきめております。それで、絶対に専門家といいますか、うちの技術者あるいは外部の見積もり者の意見をそのまま採用することはございません。これも、私としては汚職を防ぐねらいを持っておるからであります。どこの官庁でも、これが漏れますこと自身があらゆる問題の種になるのでありまして、それは私の多年の経験上承知しておりますので、最初からもう一件も実は例外なく、事工事に関する限り、そういうふうにやっております。  それから、どこの銀行に預けろ、こういうような問題等も、これもいろいろ外部から大なり小なりの注文だとか圧力だとか、かかってまいりまして、これがまたいろいろスキャンダルやなんかを生むもとであります。そういうことを職員がやりますというと必ず弊害が起こりますので、これも絶対に職員ではきめさせない、こういう、いわゆる独裁とおっしゃれば、そういう意味では私は、そういう何といいますか、悪いうわさが立つのならおれが受けてやる、こういう立場で、職員にはやらせておりせん。こまかいことではありますが、職員が年に一回、バス等で出かけるレクリエーション等の場合におきましても、その日にちも極力取引先には秘密にするくらいの配慮を、気をつけてやってまいったつもりでありますが、はなはだ遺憾ながら、今回のような事態を起こしまして、そのために、新聞にああいうふうに出まして、そのためにまたいろいろ全体的に疑惑を起こしたということは、繰り返しますが、まことに残念でたまらないという気がいたしております。
  347. 岩間正男

    岩間正男君 職員に相談しないというけれども、それは共済連の職員の問題でしょうね。これは当然私はもっと共済組合員の意見を聴取する、それからその結果については公表する責任があると思うのですが、これは大蔵省からの資料として出してもらったのですが、三十九年度ですか、の損益計算書を出してもらった。この内容で、利息及び配当金の項目があるのですが、これだけではわからぬですよ。六十四億の利息及び配当金がある。この内容、内訳というのは、もう少し明細に、もう一ぺん出してもらう必要があるのじゃないかと思うのです。五・五%の公定の金利が適用されているのはどれか。それから六・五%、これは預託金なんかそうなりますか。そのほかに銀行、融資、そういう問題での内容というものは出されなければならぬと思うのです。それからこの問題と関連しまして、裏金利の問題が出てくると思うのですが、この裏金利は最近非常に少なくなってきた、こういう話ですけれども、これは厳正に守られているのですか。銀行局が、三十八年ですか、通告を出したと思うのですが、どういうことなんです。これは共済連に対していままでそういうことをされたその事実について承りたい。
  348. 佐竹浩

    政府委員(佐竹浩君) 御指摘のように、かつては、ことにコール市場のレートが非常に高い時代がございまして、そのころに金融機関が、いわゆる臨時金利調整法に定められたところの所定の預金金利を上回りまして、いわゆる特利を付しておった時期がございました。これはよくないということで、一掃しなきゃいかぬというので、いま先生御指摘のようなことで、昭和三十七年の六月二十一日付でございますが、銀行局長名をもって、全金融機関に通達をいたしました。預貯金等の特利の自粛について、ということで出したわけでございます。その際に、これは銀行をはじめ相互銀行、信用金庫等々各種金融機関がございます。そういったような金融機関に対して、臨時金利調整法に定める法定金利をこえてお客に対して金利を提供しておるようなものはすみやかに是正しなさいということを申したわけでございます。ただ、その中に期限の限りのある、たとえば定期預金のごときものがございまして、それは期限が来ないと切りかえがきかないといったようなものも中にはあるものですから、そういったようなものについては、極力期限が切れたらどんどん変えるし、いよいよやむを得ないものがあっても、一年間で整理しなさいということを出したわけでございます。すなわち、三十八年の六月二十一日というのを最終期限にいたしまして、それまでに一切整理ということを指導いたしました。これはつまり利息を出しておるほうの金融機関に対してやったわけです。同時に、預けるほうのお客があるわけです。お客にはなかなか大口がありますものですから、その大口のお客さんたちの御協力も得なければならないということがございまして、当時、ただいまお話が出ておりますような各種の団体がございます。政府関係団体なんかございますものですから、それらにつきましては、同時に、理財局長名をもって、その自粛の協力体制をしいてもらいたいということを出しておるわけでございます。
  349. 今井一男

    参考人(今井一男君) ただいま私どものほうのいわゆるそういう特利と申しますのは、俗に申します裏金利ではございません。表金利でございます。銀行側はとにかくこれだけ出すからこっちへこれだけと、こういう形でだんだん上がっていったものでございまして、銀行も表から銀行小切手でちゃんと払う、こちらもそのまま預金利息として計上する、そして支払い利息などにもどんどんあげてまいったり、利息及び、配当金の中にそのままあげてまいった、こういう経過でありまして、俗に申す裏金利のようなそういう銀行取引外のかげでやるようなものでは絶対ございません。私どもは、かねがね理屈といたしましては、少なくとも千円、二千円という、そういう零細なものを集めていく金利と、われわれのようにコストがかかって全国から零細な金を集めていったコストそのままを持っていくものを同じレートにするのは、資本主義の原則のもとでおかしいじゃないか、それを何か見ろというのは、実は私が理屈として大蔵省の人や銀行の人にときどき言う理屈であります。これが理屈が通らぬところまで追い込まれまして、銀行局長のやかましい通牒が出て以来、銀行側は一切きれいにそれに沿いまして、三十八年六月ですか、一年間で私どものほうも全部整理いたしました。ただいまいわゆるマル公以外のものはございません。
  350. 岩間正男

    岩間正男君 これは過去に、そういうような点から、公定よりはみ出した金利の記載については、これは帳簿上明確になっていると思いますが、これはどうなんですか。これは大蔵省のほうから説明してもらいたいんだが、この前前歴調査の問題について質問しましたがね、あなたたちよくわかっておりませんので、調査してお答えしますということになっているのだが、これはどういうふうになっていますか。
  351. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) 前歴調査の関係は、時間がないようですから簡単に申しますと、どうしても、いろいろと努力しましたが、うまくいきませんので、それで特別の金利の分を充てるということで、三十六年と三十七年と二度出しております。二つに分けて出しております。
  352. 岩間正男

    岩間正男君 金額は。
  353. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) 総額が千五百九十万五千円でございます。
  354. 岩間正男

    岩間正男君 これは当然大蔵省が支払うべき金じゃないですか。国家公務員の前歴を調査するということについて、なぜ一体共済連にこれを負担させるのですか。この点はどうも筋が通らねと思うのですが、どうですか。筋が通らぬじゃないですか。おかしいじゃないですか。当然国家のなすべき仕事でしょう。いまのような裏金利があるから、そこから出しなさいと言って出させて、その分だけあげてやって、残った分だけは帳面に記載する、こういうような、何といいますか、前近代的な帳簿の経理のしかたというのがありますか。
  355. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) これは、初めこういう経費を各省に配らなくても、新しい年金制度が連合会の仕事になりましたので、やれるだろうと思っておりましたところが、なかなか進まない。そこで、各省にこういう金を配賦したわけでございますけれども、これは裏金利をあれしたので帳簿に載せてないという御質問でございますが、その点、先ほど御説明いたしませんでしたが、帳簿にはちゃんと載っております。
  356. 岩間正男

    岩間正男君 収入、支出が明白になっているのですか。その点について資料を出してもらいたいが、これは栗田理事が話したということは、この前私はやりましたね、この分を差し引いて出したのだということを説明会でやったということを。これは今井さんにもお聞きをしたいと思うのです。それから当然大蔵省が出すべきでしょう、こういう金は。共済連というものにとって、やはり額にしては千五百九十万ですか、それほどのなんじゃないかもしれません。しかし、こういうものが掛け金を四〇%取られている、そういう共済組合員の金から出されて、そうして、それを今度肩がわりして大蔵省は知らぬふりじゃ、これはまずいと思うのです。当然大蔵省が出すべき金ですよ。それを共済連のほうに負担をさせる、そういうやり方が非常に不明瞭だというかっこうなってきては、やはり問題が起こり得る可能性というものは、こういうところに伏在してくる。この点どうですか。これは次官からお答え願いますか。次官どうでございますか。
  357. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) こまかいことを先に私からお答えしますが、帳簿はどうなっているかということですが、初めの年は借り受けになっておりまして、そういうやり方は好ましくないということで次の年には損益にちゃんと出しております。これは大蔵省が一般会計から出すべきではないかというお話がございましたけれども、新しい年金制度を連合会がやるということになりますと、その事務費であるという考え方で、連合会から出してもおかしくないだろうと考えたのであります。
  358. 岩間正男

    岩間正男君 それはどうですか、理事長はどう思いますか、私はおかしいと思う。
  359. 今井一男

    参考人(今井一男君) やはり筋としては、これは大蔵省から出してもらうのが望ましい性質の金だと思います。ただ、先ほどあれしたように、すべて帳面には載っておるのであります。ただ、いろいろ他の共済組合には例がございます。これはいい例ではありませんから、私は推奨するわけではありませんけれども、私どもはオーバー・レートと呼んでおりますが、こういうオーバー・レートの金を事務費に使ったりということ、これはもちろん各組合がかってにできません。それぞれ必要に応じて主務大臣の承認を得るなり、あるいは役員会の手続をとるなり、みんな手続をとってやるのですが、そういう例はほかの共済組合でもちょくちょくございました。私どものほうではこういう異例なことをやりましたのはこれだけでございます。
  360. 岩間正男

    岩間正男君 こういう異例なことはやらないようにするのが当然のたてまえですよ。こういう異例なことで、そこが理事長の含み運用というようなことでやられてしまうと、そこのところが大蔵省との関係で非常に問題になってくるわけでして、これはもっと明確にすべきですよ。なぜかというと、六十九万のやはり共済組合員というものを中心に考えていけば、そういうことをやっていいか悪いかということは、おのずから判断がつくわけなんです。そこのところがあいまいになっているためにそういうふうになっていく、そこのところが非常に私は危険だと思うのですよ。今度の汚職というものとの関係が全然ないなどとは言えない。これは氷山の一角だ。というのは、実際は私たちはこういう事態をよく知らないのだ。これはたくさんあるんじゃないか。ほんとうに氷山の一角だ、いまのような例をあげることができるというのは。われわれそう調査機構持っているわけじゃないんだから。しかし、実際はどうなんです、そういう点が非常にやはり世の疑惑を招いているんですから、この点では、私はこれは明らかにする必要があると思うんですね。  それからもう一つの問題ですが、当然少数精鋭主義と関連してきて人事の問題になるんですね。これは評議員会で——この前の四・四%に上がるときですね、これは評議員会の決定によってきめられた。しかも多数の組合員が、ことに労働組合の立場から言うと、この前の掛け金の値上げにはずいぶん反対したわけですよ。私たちもこの辺にすわり込みまでやっている国家公務員の姿さえ見たこともあります。切実な要求だったと思う。しかし、これはもう評議員会できめられた。その評議員会は、先ほどから話がありますように、官製の、天下り的にこれは任命されるという形になってきていると思う。そうすると、ここの機構の問題ですけれども、これは非常にやはり検討する必要があるところだと私は思うんですけれども、そういう点については理事長はどういうふうに考えられますか。この点の御見解はどうです。
  361. 今井一男

    参考人(今井一男君) その点、先ほど相澤委員の御質問の際に申し上げた次第でありますが、要するに、連合会というものが、組織として二十の共済組合の複合体である。したがって直接会員は各共済組合である。で、法律には、各共済組合の代表者をもって評議員にすると、こうなりますというと、代表者となるというと一名だ、普通なら一名。そうするというと管理者側が出てくる。こういう形で評議員会が行なわれたわけでありまして、で、確かに四四というものは、組合員として、その前は三九でありましたから、 のみならず、恩給から共済組合へ切りかわる、恩給がそのままであれば百分の二で済んだ、そういう意味においては、共済組合に振りかわったばかりに、給付はよくなりましたけれども、それでも四四に上がるということは、これはまあ非常に急増であります。したがって、一応反対するのはまあ労働組合としては当然だろうと思うんです。しかし、共済組合に切りかわるということは、法律として国会を通ったことでございますし、しかも、時間のぎりぎりぎっちょんの施行の時期も来たわけでありますので、そこでいろいろ各省の関係者も苦労されたようでありますが、結局評議員会において定款をもって定めるのですから、定款変更のために評議員会の議決でやったと、こういう経過になっております。
  362. 岩間正男

    岩間正男君 これは法律の問題ですから、当然に立法府の論議を呼ばなくちゃならぬ問題だと思ってわれわれは論議しているわけです。そこで、いわば過渡的なやり方として、さっきの運営協議会ですか、これがいま考えられているのだと、この前の政府の説明では、もう去年の四月からですか、これは行なわれていると言っていますが、違っているんじゃありませんか。それと、これは諮問機関的なかっこう、それからまあ各二人というのだが、これも任命のやり方、そういうことでは非常にまずいんじゃないですか。もっと、ほんとうにこの実態をささえているこの組合員、つまりこれを具体的にいえば労働組合ですね、これが大多数だと思うのですが、そういうところに——これは組合としてやらなくたっていいと思うのですね、方法はほかにあると思う。組合の手を通じたりしてやることはできるのだが、そのような選挙の制度で、もう少しこの機構を民主的に改変していくというような、そういう努力はできないものですか、どうなんですか。
  363. 今井一男

    参考人(今井一男君) 前回でありますか、大蔵省のほうからお答え申し上げました線というものは、私ども、いまルールはございませんけれども、各省の運営審議会の代表、これを労使から一名ずつお集まりをいただくということを、役員会、評議員会以外に持ちまして、重要事項の御説明なり、あるいは御意見を伺う場なりということに活用してきているわけです。それで、その例は三年ばかり前からやっております。しかし、それだけでははなはだもって不十分でありますので、昨年の暮れからもっとそれを機構化いたしまして、さらに自主的に強力なものにするという線で、私はたたき台をつくって、いわば積極的に私は労働組合に投げたと、こう言ったほうがいいと思いますが、これを話がまとまればすぐさま実行する用意々私は持っております。まあ、できれば、これがしばしば会合をして実質的なことをきめる。しかし、最終決定はやはり評議員会というものが、いまの法律のたてまえから申せば、最高決定機関とならざるを得ない。ただ、法律論からいたしますというと、いまの共済組合法では、どうも全部諮問機関というふうなことになりそうなんであります。で、諮問機関と書きました原因を、法律論という立場で申したのでありまして、ちょうど政府のいろいろな審議会がございますが、この中でも非常に尊重されるものもあれば、尊重されないものもある。私は実績の中で、この今度できる新しいものというのが実態的な各省の運審の延長のような、要するに連合会におけるほんとうの運営審議会になるような形に持っていきたい。しかし、やはり新しいものをつくりますためには、そこに出ます労使間のいわゆる信頼関係なんというものを確立しなければならぬというと、口で言うのはやさしいのですが、実行にはかなり手間がかかります。それもなるべくうまく私なりの立場におきましてリードいたしまして、一、二年のうちに信頼感を育てられ、そうしてやがていまおっしゃっている評議員等の問題にも触れ得る時期が早からぬことを期待しておるわけでございます。
  364. 岩間正男

    岩間正男君 あなたは、いままで特に国公共闘の代表が百回も面会を申し込んでいるのに、ほとんど会っていられないと聞いているのですが、これはこの機会にそれを変えますか、どうです。
  365. 今井一男

    参考人(今井一男君) 国公共闘の諸君に対する面会は、本件とは少し問題が違うように思います。
  366. 岩間正男

    岩間正男君 違いますが、この問題で。
  367. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私は、この前岩間委員からの御質問があったのですが、この際に申し上げておきたいのでありますが、実は数年前まではしょっちゅうお目にかかっておりました。しかし、常にお約束が違うのであります。二、三人というのが二、三十人であったり、五分というのが一時間になってみたり、会議そのものも、私どものやっております会議の中に乱入されたこともあります。私、実はそのために抗議文を正式に国公共闘の事務局あてに出しました。この抗議文を事務局長が私のところへ受け取らぬと言ってきたわけでありますが、少なくとも労使間——労使間じゃありませんが、少なくとも団体との話し合いをするためには、お互いに意見は一致しなくても、ルールは守る必要があると思うのです。向こうから出すものは、どんなことを書いても受け取れ、おまえのよこしたものは書面は受け取れぬ、これでは私話にならぬと思ったのです。それで私は、会わぬとは言わぬが、これから会うルールをつくろうということで私は条件を出しまして、たとえば時間とか面会人であるとかというルールを出しました。それに対してどうしてもお答えがないのであります。その答えをするために会いたい、その反対提案があるなら反対提案持ってこい、反対提案持ってくれば、私は文書を通してやり合う、しかし反対提案を出さないで、とにかく反対提案の交渉のためにまた会おうということは、これは繰り返しになりますから、その意味で私は面会を謝絶しております。ですから、反対提案を書面でお出しになれば、いつでも反対提案に基づいていろいろと話をしていく用意はございます。ですから、この問題とは少し別でありまして、御了承願いたいと思うのであります。
  368. 岩間正男

    岩間正男君 そういうふうに言われるけれども、必ずしもそれだけじゃないと思うのですね。この点については、この機会に十分に努力すべきだ、こういうふうに考えます。この前の掛け金の値上げの問題のときなんかも、これはやはり一つのしこりになっているわけです。天下り的にきめられて、組合員の意思というものはほんとうに尊重しているかというと、ほんとうにそういうかっこうになっていない、そういう上に立って、運営のそこだけ問題にするというかっこうではこれは問題の解決はつかぬわけですから、もう少しやはりそこのところは、お互いに意見を出し合う態勢をつくる必要があると思います。  時間がもうありませんので、私は最後にお聞きしたいのですが、どうしてもこの制度は、全般的にこれは再検討を必要とする、そういう段階にきているのじゃないか。ことにこれと関連して当面する問題ですが、掛け金の再計算の問題がありますね。今度の三十九年度ですか、三十九年の再計算は行なわれなかった。四十四年には当然これは回ってくるわけですね。こういう物価高の中で、四四%をもっとこえる、こういう事態が起こることを非常にこれは心配しているわけです。  まあ、私は時間の関係で経理の問題でもっと詳細にやりたかったわけでありますけれども、手っとり早くいえば、とにかく掛け金が四四、長期のやつだけでも二年間に一カ月、これは掛け金として取られているわけです。短期のやつを入れれば一年に一カ月ずつ引かれていることになるわけです。短期、長期を計算すれば、四四、三七ですか、八一ですから、ちょうどもう一カ月、十二カ月のうち一カ月だけは掛け金として取られているというのが公務員の立場なんです。これはやはり重大な問題です。そうしてしかも、運営された金利でもって、実際支出している共済金その他がまかなわれておる。三十九年を見るというと、支払い総額は六十四億、そうして金利はどうかというと六十四億、これが四十年度予算書を見ると、支払いのほうが金利よりも少なくなってきます。七十六億ですか、金利及び配当金が七十六億。それに対して支払いのほうが七十……、ちょっと詳細がありませんけれども、大体それくらい。そういうかっこうで、しかも、運用面で相当大まかな三百七十億というのが資金運用部資金の預託というかっこうで、国家の資金繰りに奉仕しているというかっこうになっている。こういう性格を大きく考えてみるというと、こういう態勢の中で、これはこのたびの四年後の再計算のうちこの問題が出てきている。そうして非常に物価高です。ベースアップがあるだろうということで、先にそれに対する一つの態勢をつくるのだというので、どうしてもこれは掛け金の引き上げが行なわれる、こういう事態というのは、これは全く正しくない。基本的には社会保障の根本的なこういう精神と反してくるのじゃないかというふうに思います。  それからもう一つ大蔵当局に伺いたいのは、この問題を根本から検討するためのそういう態勢をつくる、そのことを私はこの前要望したわけです。それできょうの委員会までどういう態勢でこの問題と対処するかという点で、はっきり返答いただくことになっていたわけです。この点はどうなっておるのか。同時に、これと私は関連して要望したいのは——私がこのことを要望しておるのは、決して共済連の自主的な運営に対して大蔵省が監督権を強化して、そうしてこれに介入をするということを私は望んでいるわけじゃない。もしそうと聞こえたとしたら、それは私の本旨ではない。根本的なこれは間違いです。ただ監督が非常に不十分です。そうして実態をつかんでいない。したがって、この点の所在が明らかでない。何よりも七十万の組合員のこの要望というもの、組合員のほんとうに願っておるものは何か、そうして当然共済連というものが発足したところの一体社会福祉的な、社会保障的な任務からいえば、その任務を貫いていない面が今日大きな問題になっているのですから、その点についての積極的な、これは改善の方向を考える必要があるのです。ところが、そのことを私は言っておるのであって、これを契機にして大蔵当局が共済連の中に介入するとか、自主的な運営を破壊するとか、そういうことにはこれは少しも考えていないわけです。したがって、この点について政務次官の意見を伺っておきます。  以上の、先ほどから幾つかまとめて出した問題について答弁をいただいて私の質問を終わります。
  369. 竹中恒夫

    政府委員竹中恒夫君) 先刻来いろいろと御論議がございまして、その御論議の内容はきわめて重大な問題であり、特に多数の国家公務員の福祉につながる問題でございます。決してこれは軽率に取り扱うべき問題でないわけでございます。大蔵当局といたしましては、前回の決算委員会におきまして、早急に具体的な考え方を整理をしてお答え申し上げるということであったのでございます。ここにいろいろとプリントが、書いてございまするが、要は、現在のこの組合の事業量なり資金量というものが非常にふえてまいりました。従来のような考え方で通していくということについては、必ずしも適当でないという考えを持っておるわけでございます。ただその事柄と、いま法によって定められておりまする役員なりあるいは評議員の構成の問題とは、一応別の角度から、やはり民主的な運営を行なうという角度から考えていかなければならないのじゃなかろうか。事業量の多寡というよりは、組合自体の運営ということが民主的に行ない得るような方向で検討してまいりたい、こういうような考えを持っておるのでございます。  特に連合会の民主化の問題につきましては、次のようなことを考えておりますが、それは、連合会はそれぞれ独立した法人である共済組合の連合一体であることは御存じのとおりでございまするので、その運営にあたりましては、最高諮問機関であるところの評議員会はそれぞれの加入組合の代表者をもってなすということでございまして、きわめて結果的には少数な人によってものが処理されるということであり、特にその組合代表というものは、先ほど来御指摘のように、組合の事務を担当しておられる厚生課長とか各官庁のそういう立場の方のみによって組織されておる、ここにまた問題があろうと思いますので、そういう点につきましても、連合会の運営委員会というものが昨年の四月からできたということでございまするが、なかなかその運営自体もまだ草創当初でございまして、十二分に機能を発揮いたしておらぬように思われるわけでございまするが、そうした点をも加味いたしまして、今後十二分に組合側とも話し合いをいたしまして、具体的な方策を立て、また、立法措置の必要なものにつきましては、先生方の御協力をいただきまして、適当な解決方法をとりたい、こういうことでございます。
  370. 岩間正男

    岩間正男君 介入の問題、どうですか。これははっきりさせてもらいたい、この機会にですね。この監督権を強化して介入するというかっこうはまずい。これはやはり次官だろうな。
  371. 武藤謙二郎

    政府委員武藤謙二郎君) 前回次官が出ておりませんでしたので、その点私からお答え申しますが、岩間先生の御質問、こちらの介入を強くしろというふうには承っておりませんが、私どもがもっと十分な監督をするようにと、責任を持って監督をしろと、その点はこういうことがないようにわれわれ注意するという意味だと思いますので、そういう意味ではわれわれも今後さらにこういうことが起きないように、十分責任を持って監督いたしたいと思っております。
  372. 岩間正男

    岩間正男君 今井さん、もう一つ。評議員会はあの原案にとらわれないのですね。十分にあれを検討し、そして組合員の意向を反映してつくり直す、こういう点は確認してようございますか。
  373. 今井一男

    参考人(今井一男君) 私は、先月のこれの懇談会の席上ではっきり申し上げたのですが、これはたたき台でけっこうであります。とにかく話の種、というのは少しことばは悪うございますが、とにかくこれを根拠にして、どんな案にでもひねくり方をしてやってくださいと、こう申し上げてきたわけでございます。決して原案の一字一句にとらわれる考えは毛頭持っておりません。
  374. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 参考人には、たいへん長い間お待たせして、また、長時間にわたってのおつき合いをいただきまして、まことにありがとうございました。  他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時十分散会