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1966-07-02 第51回国会 参議院 決算委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年七月二日(土曜日)    午前十時十四分開会     ―――――――――――――    委員の異動  七月二日     辞任         補欠選任      内田 芳郎君     楠  正俊君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 八木 一郎君                 相澤 重明君                 二宮 文造君     委 員                 木内 四郎君                 楠  正俊君                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 内藤誉三郎君                 山崎  斉君                 山本茂一郎君                 柴谷  要君                 黒柳  明君                 高山 恒雄君                 岩間 正男君    事務局側        事 務 総 長  宮坂 完孝君        事 務 次 長  岸田  実君        議 事 部 長  海保 勇三君        委 員 部 長  小沢 俊朗君        記 録 部 長  佐藤 忠雄君        警 務 部 長  二見 次夫君        庶 務 部 長  若江 幾造君        管 理 部 長  佐藤 吉弘君        渉 外 部 長  荒木外喜三君        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    法制局側        法 制 局 長  今枝 常男君    弾劾裁判所事務局側        事 務 局 長  内田 喜一君    裁判官訴追委員会事務局側        事 務 局 長  中川  衞君    国立国会図書館側        館     長  河野 義克君        副  館  長  岡部 史郎君        総 務 部 長  斎藤  毅君    説明員        中小企業庁長官  影山 衛司君        会計検査院事務        総局第一局長   斉藤  実君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、審査を行ないます。  まず、過日の総括質疑において質疑を保留いたしました通産省関係の問題について審査を行ないます。
  3. 高山恒雄

    高山恒雄君 私は、中小企業中心とする倒産の問題について、中小企業庁長官質問したいと思うんですが、昨年の倒産率は大体六千百四十一件で、例年にない膨大な倒産をしており、なお今年に至って、興信所調査によると、四月までは倒産も減退する傾向が見えておったのですが、再び、この景気回復期に向かいつつあるという政府の宣伝にもかかわらず、さらに五月は増加しておるという傾向が出ておるわけです。一体、この倒産実態ですが、この内容的なものはどういう企業倒産が多いのか、またその倒産の起こってくる原因というものはどういうところにあるのか。たとえば、経営がルーズなのか、それとも不況が長期化し、さらに運転資金不足のためにいたしかたなく倒産に追い込まれておるという実態なのか、そういう点をひとつ詳しくお知らせ願いたい。
  4. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 中小企業関係倒産趨勢でございますが、先生指摘のとおり、ことしに入りましてから大体高水準横ばいという状況でございますけれども、まあ四百件台になりましたり、あるいは五百件台になりましたりして、高低があるわけでございます。昨年は一貫いたしまして五百件以上の倒産件数が続いたわけでございますけれども、ことしに入りましてからは、そういうふうに四百件台あるいは五百件台というところを上下いたしておるわけでございますが、大体の趨勢といたしまして、大口倒産はほとんど見られなくなりまして、小口倒産が大部分を占めておるというような状況でございます。  そこで、最近の状況でございますが、業種別に見ますというと、製造業全体では大体不安定ながらも減少傾向でございます。その内容でございますが、これは業種によりましていろいろと様子が異っておりまして、景況回復に向かっておりますところの輸送用機械あるいは電気関係というものは漸次減少傾向にございます。ただ業種がさほど不振でないような木材業木製品食料品というような業種につきましては、もうかえって高水準にあるというようなこともございます。また、あるいは繊維関係は慢性的な不況でございますが、こういうところは相当の試練を経ておりますので、繊維関係につきましてはむしろ減少しつつあるというような状況でございます。製造業以外の業種状況といたしましては、業況が好転のきざしが見られるところの建設業ではむしろ減少傾向にはないというようなことが言えるわけでございまして、大体におきまして、どうも業種によりましていろいろと実情が違っておりますが、そういうところを原因別に一応ならして考えてみますというと、不況回復段階には向かってはおりますものの、依然として販売不振というものが第一を占めているようでございます。  そこで、先生の御指摘の、不況が長期化してくるために運転資金不足をしてこういう状況が起こっているのではないかという御指摘でございますが、そういう傾向もまさに見られるわけでございまして、最近の倒産の多くは、三十九年、四十年の不況期経営内容が悪化したところが、相当そこでいろいろと運転資金等の調達をやっておって、高利のものを借りたり、あるいは融手操作を行なったりというようなところが行き詰まってきまして、ついに破産に至っておるというようなものももちろんあるわけでございます。それと、先ほど申し上げましたように、まだ景況回復いたしておりませんので、受注がまだ増加をいたしていないというようなことから倒産に至っておるものもあるわけでございます。また、最近の状況――これは相当の前からの趨勢でございますけれども、やはり放慢経営的なものも相当これはむしろ増加をいたしておるというような調査の結果が出ているようでございます。  いろいろと原因につきましても一律には申せないわけでございますけれども、まあ結局のところ、今後の見通しも申し上げさしていただきますと、最近のこの五百件台なり四百件台というところを上下をいたしておりますところから推察いたしますというと、結局のところ、不況影響によって、不況が長期化いたしたことによりまして、その余震がまだ続いておる。それが小規模層において特に大きな影響を与えておるというような状況が見られますわけでございます。この状況は、やはり景気回復ということにより、中小企業段階にまでこの景気が浸透してくるということに従いまして、漸次この傾向減少をいたしていくのではないかというふうに考えておるわけでございます。それと同時に、運転資金不足のものというものにつきましては、私どももできるだけめんどうを見てあげていきたいというふうに考えておるわけでございます。それから、最近大手中堅企業倒産自体減少をいたしてきておりますので、それに伴いますところの関連倒産というものは少なくなっております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、融手操作を行なってお互いに倒産し合うというような意味での連鎖倒産が多少ふえてきておるというような状況であろうかと考える次第でございます。
  5. 高山恒雄

    高山恒雄君 まあいまのお話聞いておると、倒産というのはほんとうに種々雑多の様相が出ておるということは否定できない事実ですが、私が聞きたいのは、成長産業斜陽産業も四十年度はほとんど同率、むしろ成長産業のほうが倒産したと、こういう実態のほうが出ておるわけですね。で、現在の、この今年度になってからの倒産というものは、斜陽産業的なものが倒産が多いのか、それともやはり成長産業も同様に倒産率が多いと、したがって依然として変わらない情勢の倒産があるんだと、こういう見方なのかどうか、この点ちょっとお伺いしたい。
  6. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 慢性的な不況産業であるところの繊維関係、これはむしろ減少いたしております。それから成長産業の中で、昨年中におきまして、むしろ成長産業でありながら倒産が非常にふえたところの輸送用機械電気機械関係につきましては、景気回復いたしますに従いましてこれは倒産件数減少傾向にございます。しかしながら、成長産業と見られております、あるいは景気の不振でない産業と認められておりますところの木材木製品食料品、あるいは建設業というのは、まだまだ減少には至っていないというふうな傾向があらわれておるわけでございます。
  7. 高山恒雄

    高山恒雄君 中小企業庁としては、業種によってはものすごい滞貨をまだ持っておるわけですが、この全体的な滞貨が、見通し的に見て、どういうふうに減少しつつあるのかですね、依然として変わらないものもあるし、滞貨減少して平常滞貨に返ろうとする産業もなきにしもあらずですが、総体的に見てまだ相当滞貨を持っておると、したがって、平常滞貨に返るという時期ですね、一体中小企業庁としてはどういうふうにお考えになっておるのか。これはむしろ企画庁長官に聞くのがほんとうですけれども、まあ中小企業庁中小企業庁の立場ですね、私はお伺いしておいて、そうしてなお藤山長官なりあるいはまた通産大臣の見えるときにこの問題を深く追及していきたいと、こういうふうに考えるわけです。その点は中小企業庁としてはどう見ておられるのか、この点をお伺いいたします。
  8. 影山衛司

    説明員影山衛司君) お答え申し上げます。  中小企業関係事業活動調査をいたしました結果によりますというと、大体最近に至りまして中小企業全体といたしましても受注増加してきたという傾向があらわれてきておるわけでございまして、それに伴いまして在庫というものも漸次減少する傾向にあるわけでございます。  で、数字を申し上げさしていただきますと、生産者製品在庫指数、これは三十五年を一〇〇として季節修正済みでございますが、四十一年二月以降売り上げ、受注回復を反映いたしまして減少する傾向をたどっておりまして、四月には一八九・一と対前月比三・四%の減少を示しておるわけでございます。また、生産者製品在庫率も四月には一一五・三と大企業の四・三%の減少に対しまして、むしろ一一・二%と大幅の減少を見せておるわけでございまして、こういう統計指標の面から見ましてだんだんと景気回復影響が次第に中小企業に浸透いたしておりまして、漸次滞貨等減少いたしていくのではないかというふうに私どもは期待をいたしているわけでございます。
  9. 高山恒雄

    高山恒雄君 そうしますと、長官のお話を聞いておると、結論的には、この不景気余震的な倒産がいま多いと、それで五月はふえてきたのだという見方にならざるを得ないのです。滞貨減少から考えてきますとですね。そうしますと、成長産業であろうが、あるいはまた斜陽産業であろうが、同様の余震的な倒産が六月もふえると、私はそう見ておるわけですが、この点は長官はどう見ておられるのかですね。
  10. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 先生指摘のとおりだと私も考えるわけでございまして、だんだんと受注増加をいたしていきまして、景気回復中小企業に侵透はいたしてまいりますものの、これが増収増益というところまでいきますのはまだ多少の時間がかかると思いますので、まあ倒産件数は大幅な増加はいたさないと思いますけれども、まだ横ばい状態では進むのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  11. 高山恒雄

    高山恒雄君 それでですね、まあ倒産防止するという中小企業庁の私は対策がなけりゃいかぬと思うのですよ。いろいろこの白書を見ますとね、非常にいいことが書いてありますけれども倒産に対する防止対策というのは何ら出てないわけですね。既存の企業に対する援助対策としては、税金の問題、あるいはまた雇用の問題、さらに機械化する、いわゆる近代化設備をやるとか、あるいはまた環境整備をやるとか、こういう点は白書に十分出しておられますけれども、実際に倒産するものに対してですね、先ほど長官も言われたように、いまここで運転資金の何がしかの融資をするなら解決がつく問題だと、しかも景気は上昇しておると、私はこういう倒産がこの五月、六月、七月続くのじゃないかと思うのです。それに対する対策中小企業庁としては何もないのじゃないかと、まあこういう見方をするわけです。失礼な話ですけれどもね。そこで、中小企業庁としては診断指導事業充実をはかると言っておられるのだが、一体各都道府県に指導所の設置をされてどのくらいの要員を持っておられるのか、そうして具体的にはどういう指導一体しておられるのか、この点聞きたいのですがね。
  12. 影山衛司

    説明員影山衛司君) お答え申し上げます。  まず、中小企業庁倒産防止対策についてどのような対策を立てておるかという御質問でございますが、これにつきましては、昨年来からの深刻な不況に対処いたしまして、私ども相当防止対策につとめてきたつもりでございます。具体的な施策を御説明申し上げますと、まず昨年の十二月に信用保険関係特例法を通過成立さしていただきまして、倒産関連補償特例でございますとか、あるいは特別小口保険あるいは無担保保険というような制度も実施いたしてきておるわけでございます。それから、各地方通産局臨時中小企業不況対策相談室というものを設けまして、具体的に中小企業者の中で倒産に瀕しておる、あるいは金詰まりに困っておる人、そういう人たちの具体的な相談を引き受けまして、それで倒産防止をいたしておるというようなことでございまして、具体的な数字を申し上げますというと、四十年九月から四十一年の四月まで八カ月間におきまして、不況対策相談室――これは通商産業局でございますが、そこへ持ち込まれたのが五百七十八件というふうな多数にのぼるわけでございまして、これを一々具体的に金融機関政府関係金融機関も含めまして、あっせんの労をとってあげておるわけでございます。また、大規模な倒産が起きました場合、たとえば山陽特殊製鋼のような場合が具体的な例でございますが、大阪通産局局長みずから中心になりまして、下請中小企業者関連倒産防止対策に、関係金融機関等とも一緒になりまして努力をいたしまして、実際上ほとんどの下請企業倒産がなかったというような実績も出ておるようなわけでございまして、そういうふうに各地方通産局不況対策相談室中心といたしまして、個別具体的にめんどう見て差し上げておるわけでございますが、もちろんこれはなかなか十分行き渡っておるというわけにもまいりませんので、先生指摘のとおり、まだまだこれから余震が続くわけでございますので、今後とも各通産局局長みずから陣頭に立ちまして相談には応じていきたいというふうに指導いたしてまいりたいと思っておるわけでございます。それから、各政府関係金融機関におきましても、倒産防止のためのつなぎ資金的なものの融資というものも相当実績をあげておるわけでございます。  それから、第二点といたしまして先生から御質問のございましたところの、中小企業の各県におきましてお願いしておりますところの診断指導事業でございますが、これは四十一年度から総合指導所を設置するということで、大幅に診断指導員増加するという予算を取ったわけでございまして、従来二百八十四人が補助対象になっておりましたけれども、今度は四百四人を補助対象といたすというふうに、診断指導員の数及び質の充実をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  13. 高山恒雄

    高山恒雄君 政府めんどうを見ていただいておるということは一応わかりましたが、この不況相談室というものを私は中小企業経営者がまだ知らない面もあろうかと思うのです。それで、なべて倒産が五百件以上も五月になって出ておるという実態から、政府が年間を通じて五百数十件のそういうめんどうを見たと、こういうのと大体対比してみて、倍は倒産しておる。知らなかったのかわかりませんけれども倒産の比率と同じくらいのめんどうしか見ていない、こういうことですね。しかし、指導員要員だけは四百四名ですか、ほとんど倍近くまで増員していった。この点は理解できます。  私は一つ例を申し上げておきたいと思うのですが、実はこれは岐阜県です。資本金は百八十万円です。これは、五月の二十三日に、不渡りの危険がある、こういうことで、系列下親会社、いわゆる商社ですが、これは住友商事下請会社になるわけです。どうも不渡りの危険があるからということで、何とか金融処置をしてくれ、こういうことで経営者相談に行ったんですね。それじゃたいへんだということで、いろいろ商事がこの会社調査しましたところが、大体資金はこの会社が発足しますときに土地と建物約一億三千万円の担保物件として持っておるわけですね。さらに、そのときの商事が貸した金は八千九百万円、現在の借金が五千四百六十六万円、さらに綿の食い込みと申しますか、これが約一千万円、したがって、商事借金としては六千四百六十六万円あるわけです。ところが、そのほかに借金が、東海銀行に五百万円、信用金庫に三百二十万、相互に二百万、労金に二十万、これは労働者の労銀の支払い不足労働組合が借りた、こういうことになっておるわけです。十六銀行預金七十万を差し引くと、なべて九百七十万。そのほかに借金がどのくらいあるかと申しますと、売り掛け金の未収入が二百十四万、さらに個人で二千百万借りておるわけです。これは一般地方個人から借用しておる、それが二千百万、なお労働者社内預金が三百五十四万、それから工賃未払い――いわゆる賃金未払いが百八十万、その他借金が八百五十万、これが三千六百九十八万あるわけです。そこで、いろいろ住友商事調査した結果、原綿による下請加工賃をかせいでおったわけですね。ところが、原綿取引はどうなっておるかというと、売買取引をしておるわけです。だから、売り買いもしておるわけですから、住友商事としてはこれは当然の商売的なやり方をしておるわけですね。ところが、二十三日相談に行ったところが、何とかめんどう見ようといっていろいろ調査したところが、原綿先売りをしておる。というのは、売り掛け金の二百十四万、これが焦げついたために、原綿をつまりまた売りをした、そうして運転資金をまかなっておったということなんですね。それはけしからぬということで、住友商事原料原綿を――当時住友が引き上げた原綿が一万二千五百五十二キロ、製品が五百俵、これを直ちに、住友商事としては、不正である、不正な経営者やり方だから、もう下請はまかりならぬ。したがって、三日分の操業の原料だけ置きましょうということで、それを引き上げていったわけです。ところが、私はここで感じたんですが、繊維産業の綿から糸にするのに、三日分の原料で糸ができるはずはないのです。たまたま私がちょうど岐阜県に帰ったものですから、いろいろ調査してみたところが、これは経営者商社がぐるになって、労働者つまり社内預金まで、何らの仮処分するような製品すらないようにしてこれを閉鎖しようという意図があるのだということを私は感づいたのです。したがって、直ちに通産省連絡し、労働省にも連絡して、大体労働者が請求をすべき、退職金その他で約二千万円の要求をしておったのですが――千八百万円近く、これは取ることは取りましたけれども、こういう悪らつな経営者がおるということですね。私は、さらにまた、この会社からいうならば、先ほど言った売買取引をしておるわけですから、製品を持っていく、原料を持っていくという商社の権利はないと思うのです、その下請契約の上でやるとするならば。それに製品まで持っていってしまった。あるいはまた、製品はいいとしましても、原料まで持っていくというのは、まことにこれは悪らつだと言わざるを得ない。こういうことを考えますと、これは実に今日の中小企業親会社と――いわゆるこれは商社でごさいますけれども、メーカーにいたしましても、また中小企業経営者にしましても、このやり方そのものが非常に悪らつなやり方だと私は思うのです。  そこで、私は先ほどもちょっと触れましたが、この中小企業白書を見ますと、なるほど中小企業育成強化をしなくちゃいかぬという事情を克明に調査して出しておられます。さらに労働事情が悪化するであろうというこの事態に対する処置もこまかく出してもらっておる。ところが、実際の労働者に対するその問題については、何も中小企業はお考えになっていない。きょうびの産業の発展だとかあるいは企業存立拡大をどうするかという問題は、労働者を無視してできるはずはないのですね。しかも、中小企業というような不健全な経営であるという事態においては、雇用対策環境整備あるいは統合をやるということもむろん必要であるけれども、一方においては労働者の擁護があって初めて労使一体再建と健全なる経営に移行することができるのだ、これが出てこない以上は、私は中小企業対策にならないと思うのです。この点についてはどうお考えになっておるか、お聞きしたいのです。
  14. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 先生の御指摘のとおり、この岐阜県の例は、この経営者も、それから商社も、やり方が非常によくないというふうに感ずるわけでございます。特にこの経営内容、先ほど先生からお聞きいたしました限りにおいては、相当不健全なやり方をやっています。そのしわ寄せを労務者のほうに持っていくというのは、もってのほかのやり方であろうかと存ずるわけでございます。それで、先生のほうからも、通産局のほうへおそらく御連絡があったのだろうと思いますけれども、残念ながら私どものほうにこれがまだ上がってきておりませんので、至急にこれは通産局とも連絡をいたしまして、調査をいたしまして、うまく再建がいくようにひとつ取り計らっていきたいというふうに考えております。  先生指摘の労働問題でございますが、これは私どもも、中小企業対策をやってまいります上におきまして、労働問題というものを抜きにしては中小企業対策の進展というものは考えられないわけでございまして、私どもといたしまして、正直申しまして、通産省全体、あるいは中小企業庁といたしまして、労働問題の勉強不足しておるということを申し上げざるを得ないわけでございます。今度中小企業庁にも、四月から組織の変更をいたしまして、計画部振興課というものを置きまして、そこで労働問題をひとつ専門勉強するあるいは施策を立てるということにいたしておるわけでございます。それと同時に、通産省全体といたしましても、労働省幹部通産省幹部とが定期的に懇談会を開きまして、連絡をやりあるいは勉強をするということにいたしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、私どもといたしましても、今後ともこの労務対策につきましては力をいたしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  15. 高山恒雄

    高山恒雄君 いい回答をいただきましたので、私は今後その方面に対する努力をしてもらいたいと思いますが、そこで、この下請取引問題ですね、これはあっせん機関企業振興協会ですか、こういうのが大阪、名古屋を中心にして出ておりますが、今後拡大しようという方針が出ておるようですが、どういう地域をさしておられますか。それが決定しておれば報告していただくと同時に、ある産業に片寄ってはいけないと私は思うのですが、特に中小企業の密集地帯を指定されておるのだろうと思いますが、数県のそういう指定地域をつくるということでは、まだまだ私は不足だと思うわけです。もっとそういう機関を増大する考えはないのか、また私はやるべきだと思うのですが、長官はどうお考えになっておるのか、予算の関係もありましょうけれども
  16. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 先生指摘の中小下請企業の振興協会、これは四十年度におきまして大阪と名古屋に設立をいたしたわけでございますが、四十一年度におきましてはさらに五カ所指定することにいたしております。これは中小企業が密集いたしておりますところの東京都、神奈川県、あるいは京都、石川、静岡というような、まだ最終的に決定はいたしておりませんけれども、そういう密集地帯を頭に置きまして五カ所設置いたします。それから、将来の方向といたしましても、これは大幅に増加をいたしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  17. 高山恒雄

    高山恒雄君 将来増大するということでありますけれども景気が上昇して先行きが明るくなれば、近代化もできるし、再建もできるわけですね。私は、一番重大なのは、やはり下請取引あっせん機関をどうするかということが一番問題だろうと思うのです。これを実例を申しますと、いま私の知っている範囲内の倒産実態は、日本の場合は大体昭和三十五年から八年ごろまでにもうほとんどの近代化、増設、これが終わった。いよいよ中小企業の段階は昭和三十九年であったのです。その三十九年が中小企業の近代化を拡大しようというやさきであったのにかかわらず、政府は国際収支の赤字ということで金融の引き締めをした。先き行きは不安になった。そのために、近代化が非常におくれているわけです。それで、企業なるものは、何といっても先き行きの明るくないときに銀行も金はなかなか出さないだろうし、また業者自体がその金を借りる気持ちにならない。近代化する気持ちにならないのですね。ここから中小企業の近代化がおくれているわけです。そこで、何とかしてやらなくてちゃいかぬというので、三十九年一ぱいに自己資本を、何ぼか運転資金を含めて、さらにまた近代化資金を借りて近代化した結果、不景気になった。さあ運転資金はまかなえないので、私は倒産が一番多いのだと思う。したがって、これは続くわけですね。  そこで、私は先ほども申しましたように、運転資金に対するめんどうというものを見るために今日まで努力はしていただいているけれども、一そうの努力をしてもらうことが一つと、もう一つは下請取引あっせん機関ですね。その実例の中には、三十九年に近代化した。しかも、それが九月ごろに完成しておる。もう十二月には下請全部打ち切られた。そうして今度新しい製品を加工しようと考えますと、なかなか歩どまりがない。あるいは二等品が出る、三等品ということになって、歩どまりが六五、六%しかない。そのために、運転資金はない。これですよ、倒産の大きな理由は。こういう事態を、大体メーカーもメーカーだと私は思うのでありますが、極端な切り方をする。したがって、その辺の調整ですね。この調整を中小企業庁としては十分考えてやっていただくことが一つ。そのためには、いまお聞きしました東京、神奈川、京都ということもよろしいのですけれども中小企業は大体密集地帯というのは至るところにありますので、早く申し上げますならば、北陸三県あるいは四県を通じて一カ所とかですね。あるいは近畿に、大阪で足らなければ、もう一カ所はよろしいでしょう。さらに東北に一カ所、あるいはまた九州方面に一カ所、四国に一カ所とか、大体地域別くらいにこの下請取引あっせん機関なるものを設置していただいて、そうしてここでめんどうを見る。そうして、非合法な極端な打ち切りをする企業家に対しては、政府がやはり勧告をするなりして、中小企業の育成強化をはかる、こういう方針を立ててもらいたいと私は考えるわけですが、長官はどうお考えになっておるか。
  18. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 先生指摘のとおり、倒産例の多くは、近代化をやはり始めて受注が安定をしないあるいは打ち切られたというようなことで倒産に至ったものというものも非常に多いわけでございまして、そういう点も考慮いたしまして、先般国会のほうで御審議を願いまして、通過成立いたしました官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律、これもやはり、中小企業者が近代化、合理化をする前提といたしましての受注の安定あるいは需要の増大ということを念願としたところの法律でありまして、こういう法律も運用のいかんによりまして大いに中小企業の安定に寄与するのではないかというふうに考えております。  それから、先生指摘中小企業あっせん機関でございますが、私どもといたしましても、地域のグループ別にできるだけこれを設置していきたいというふうに考えておるわけでございまして、ただ、先生も御承知のように、こういう機関を設置いたします場合は、県のほうがやはりある程度やる気になっていただきませんとだめなんでございます。そういう県とも連絡をしながら、できるだけグループ別、地域別に設置をいたしたいというふうに考えます。それで、まだそういうあっせん機関が設置されていないところは、通産局が県とも具体的に相談をしながら、下請関係の合理化調整ということに努力をさせていきたいと考えております。
  19. 高山恒雄

    高山恒雄君 私は要望を申し上げて質問を終わりたいと思いますが、何といっても中小企業に一番重要な問題は、私はこの不況の中で一番問題にしたいのは運転資金なんですね。不況が長ければ長くなるほど、運転資金に困るわけです。なかなか、法律では、手形決済にしても、延長手形はいかぬということになっておりますけれども、それが表向きに言えないのが中小企業経営者実態でありますから、したがって、せめて政府機関である三金は、もっとすみやかな金融の措置方法を講じてもらいたいと思うのであります。これは長官に言うまでもなく、実は私は本日の質問の中に商工中金の理事長なりお呼びしたいと考えておったのでありますけれども、通産関係の質問等はあと回しになっておりますから、一応中小企業のほうの見解だけをきょうはお聞きして、また希望意見を申し上げて終わっておきたいと、こう考えておったのです。したがって、中小企業の関係は何といっても金融でありますし、先ほどおっしゃったように、五百数十件というもののいろいろなめんどうを見てきて、その再建をはかっておるという、この事実はですね、これはまあ非常に私は感謝せにゃいかぬと思いますけれども、もう一歩進めて金融界との相談ですね、中小企業の立場から、特に政府機関である三金の処置については、私は中小企業長官としての大きな努力を必要とするのではないか、こう思うのです。なお、中央でそういう政策をとり、かつまたすみやかな方法でやりたいと言ってもですね、地方の支店はなかなかそうでない。四カ月も五カ月もたってもですね、金融がない。不況が長いですからね、それでは乗り切ることができないですから、労働者経営者一体になって何とか再建運動をしたいというけれども、金融がなければ再建できないというのが実態ではないか。そういう立場から、ひとつ中小企業長官のほうもそういう面に対する私は全力を尽くしていただきたい、こういう希望意見を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  20. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  21. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  22. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 先生の御要望、もっともな点があるわけでございまして、何と申しましても、いろいろと不況に対処いたしまして、下請中心といたしまして中小企業再建をはかっていくという場合におきまして、運転資金が一番の中心になるということは当然のことでございまして、まあそういう点で、政府関係の金融機関におきましても、実績から申し上げましても、たとえば商工中金におきまして、長期運転資金がこの不況下におきまして相当ふえております。三十九年度におきましては長期運転資金実績が純増ベースでは八十八億七千四百万円でございましたけれども、四十年度の実績は四百七億八千百万円というふうに、長期運転資金が大幅な増加をいたしております。これはほとんどがやはり、そういうつなぎ資金であるとか肩がわり資金であるとかというような不況対策としての運転資金が多いわけでございます。そういう意味もございまして、私どもといたしましては、商工中金、あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫とも密接な連絡をいたしておるわけでございまして、通産局ごとにやはり金融連絡懇談会を設けておりまして、随時相談をいたしながら実施をいたしていくというわけでございますが、さらに中小企業庁からもこれを万遺憾なく実施するように指導いたしていきたいというふうに考えるわけでございます。
  23. 高山恒雄

    高山恒雄君 最後にもう一つ。  これはけさの朝刊に載っておったんですけれどもね、中小企業政策審議会で、有沢会長を中心とする、協業組合の設置をはかっていきたいということですね。内容的に大体中小企業庁とも打ち合わせがあったんではないかと思いますが、従来の協同組合の考え方をもう少し強化して、アウトサイダーを何か規制するような考え方でもあるのか、どういう強化をはかろうとしておられるのか、ひとつこの点政府のほうとして、お考えがあるならば、発表願いたい。
  24. 影山衛司

    説明員影山衛司君) 本日の朝刊で新聞記事に出ましたところの協業組合の構想でございますが、これは中小企業政策審議会の組織小委員会で過去一年以上にわたりまして慎重審議をした結果の中間報告が審議会から出ておるというわけでございまして、今後これを私ども受けまして、いろいろと法制上あるいは助成措置等の検討をいたしてまいりたいということでございまして、この協業組合の内容を簡単に申し上げますと、私ども中小企業対策の重点的な方針といたしまして、中小企業者先生御承知のように非常に個々の力では弱い企業が多いわけでございますので、また小さい企業が多いわけでございますので、そういう人たちは共同の力、団結の力によって近代化、合理化をはかっていかなければいけないということで、協同組合等を中心といたしまして組織化を推進いたしておりますとともに、共同事業も――私どもは協業化と申しておりますけれども、そういう事業も推進をしていきたいということを考えておるわけでございますが、現在の協同組合の構成上におきましては、協同組合のメンバーが事業に没入してしまう場合、たとえば長崎県あたりであるいは三重県あたりで、みそあるいはしょうゆ等につきまして、メンバーの人たち製造業者でやることをやめまして、協同組合で共同工場を建てまして、全部これが生産をいたしておるというような場合におきましては、どうもこれは協同組合法で実施するワク外の問題がございますので、そういうのを表から認めて、組織化をいたしたらどうであろうか、共同出資会社、株式会社あるいは有限会社考え方もあるわけでございますが、どうも中小企業者人たちはそういう会社形態というものにつきましてなじみが少なく、あるいは人的結合というようなところにも重点を置いていかなければなりませんので、そういう意味におきまして協同組合を一歩進めたところの協業組合というものを設立したらどうだろうかということが中小企業政策審議会で中間報告が出てきたわけでございますが、まあ私どもといたしましては、これを受けまして、先ほど申し上げましたように、今後検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  25. 高山恒雄

    高山恒雄君 質問終わります。
  26. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  27. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  28. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、参議院、裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会及び国立国会図書館の決算について審査を行ないます。  まず、参議院の決算の説明を聴取いたします。宮坂事務総長。
  29. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 昭和三十九年度参議院関係歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。  まず、歳入につきましては、歳入予算額三千七百八十四万四千円に対し、収納済み歳入額は三千二百五十一万三千二百十円となり、差し引き五百三十三万七百九十円の減少となっております。  次に、歳出について申し上げます。  当初の歳出予算額は四十三億八千三百九十二万九千円でありまして、これに前年度から繰り越した額一千六百九十四万二千円、給与を改善するための予算補正追加額二億一千三百二十九万五千円、国会の会期延長、臨時国会開会等のための予備費使用額一億六千七百五十六万円を加え、既定経費の節約に伴う予算補正修正減少額四千六百二十八万五千円、裁判官弾劾裁判所へ移用した額六十万三千円を差し引きますと、歳出予算現額は四十七億三千四百八十三万八千円となります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は四十四億八千六百五十五万六千百四十八円でありまして、その内訳は、国会の運営に要した経費三十一億八千百九十九万九千三百十円、参議院営繕工事に要した経費十二億九千九百五十五万六千八百三十八円、国会予備金の使用額五百万円であります。  歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は二億四千八百二十八万一千八百五十二円となりますが、このうち議員会館新営関係経費七千七百四十八万六千円を翌年度た繰り越しておりますので、不用額は一億七千七十九万五千八百五十二円であります。不用額のおもなものは、議員歳費でありまして、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の修正議決により議員歳費を要することが少なかったこと等により不用となったものであります。  以上が昭和三十九年度参議院関係の歳入歳出決算の概要でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  30. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、裁判官弾劾裁判所の決算の説明を聴取いたします。内田事務局長
  31. 内田喜一

    ○裁判官弾劾裁判所参事(内田喜一君) 昭和三十九年度裁判官弾劾裁判所関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は一千三百六十万二千円でありまして、これに給与を改善するための予算補正追加額四十万五千円及び参議院からの移用増加額六十万三千円を加え、既定経費の節約に伴う予算補正修正減少額二万六千円を差し引きますと、歳出予算現額は一千四百五十八万四千円となります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は、一千三百五十六万七千五百三十一円でありまして、これは裁判官弾劾裁判所の運営に要した経費であります。  歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は百一万六千四百六十九円となっております。  不用額は百一万六千四百六十九万円でありまして、そのおもなものは裁判費の項に属するものであります。  以上が昭和三十九年度裁判官弾劾裁判所関係の歳出決算の概要でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  32. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、裁判官訴追委員会の決算の説明を聴取いたします。中川事務局長
  33. 中川衞

    ○裁判官訴追委員会参事(中川衞君) 昭和三十九年度裁判官訴追委員会関係歳出決算の概要を御説明申し上げます。  当初歳出予算額は千二百二十六万四千円でありますが、既定経費の節約に伴う予算補正修正減少額五万一千円を差し引きますと、歳出予算現額は千二百二十一万三千円となります。  この歳出予算現額に対し、支払済み歳出額は千百九十一万六千七百三十二円でありまして、このうちおもなものは職員の人件費であります。  歳出予算現額と支払済み歳出額との差額は不用額でありまして、二十九万六千二百六十八円となっております。  以上が昭和三十九年度裁判官訴追委員会関係歳出決算の概要でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  34. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、国立国会図書館の決算の説明を聴取いたします。河野国立国会図書館長。
  35. 河野義克

    ○国立国会図書館長(河野義克君) 昭和三十九年度国立国会図書館関係歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。  まず、歳入につきましては、歳入予算額一千三百六万八千円に対し、収納済み歳入額は一千四十万八千二百八十八円であり、差し引き二百六十五万九千七百十二円の減少となっております。  次に、歳出について申し上げます。当初の歳出予算額は、九億二千二百五十三万五千円でありまして、これに給与を改善するための予算補正追加額二千七百二十五万一千円を加え、既定経費の節約に伴う予算補正修正減少額六百七十三万五千円を差し引きますと、歳出予算現額は九億四千三百五万一千円となります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額は九億三千五百九万八千四百八十七円でありまして、歳出予算現額と支出済み歳出額との差額は七百九十五万二千五百十三円となっております。この不用額のおもなものは、光熱水料等でありまして、光熱水料を要することが少なかったこと等により不用となったものであります。  以上が昭和三十九年度国立国会図書館関係の歳入歳出決算の概要でございます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
  36. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から、参議院、裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会及び国立国会図書館についての検査報告を聴収いたします。斉藤検査院第一局長
  37. 斉藤実

    説明員(斉藤実君) 昭和三十九年度国会所管の決算につき検査いたしました結果は、特に違法または不当として指摘いたしましたことはございませんでした。
  38. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより質疑に入ります  質疑のある方は、順次御発言願います。
  39. 相澤重明

    ○相澤重明君 本日の国会及び関係機関の決算にあたり、各委員にも御了解をまず冒頭にお願いをしておきたいと思うんでありますが、実は参議院及び弾劾裁判所、訴追委員会、国立国会図書館等の決算の規範をつくろうと考えて、実は関係者にたいへん御努力をいただいてきょうの資料提出をしていただいたわけです。したがって、お手元に配付してあります質疑の要旨に基づいて実はこの案ができておりますので、御承知願いたいと思いますが、まずその一番最初に、私ども決算委員会として従来あまりこの国会及びいま申ま上げた機関については、決算審査を行なわなかったのでありますが、憲法の条章から考えまして、いままでどういうことがあったかといいますと、決算委員会合同審査会の事例、先例集があります。それは、第一回国会におきまして国家公務員法案を閣法六十一号により扱う、国家公務員法の規定が適用されるまでの官吏任免等に関する法律案を閣法第六十七号により扱う、第二回国会におきましては国家行政組織法案を閣法第六十号により扱う、これが決算委員会が実は扱ってきたことであります。  決算委員会の合同打合会の先例は、第五回国会、昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算、この打合会において決議方針が出ております。その一つは、細目の決議事項については、各院の自由意思で行ない、政府への要望の点については一致すること。二は、決議事項の政府への要望の草案は両院の委員長に一任すること。これがその打合会の先例であります。これで私が、昭和三十七年の決算委員長のときに、虎の門公園あと地の問題について、衆議院の決算委員長に打ち合わせを行なったのが、いままでの衆参両院の決算委員の合同審査及び先例、そういうことでそれ以後、実はどうして国会等の決算をやろうかということで、先日衆議院の決算との打ち合わせも行ないまして、衆議院は衆議院だけのやはり決算をやるから、参議院は参議院の決算をやってもらいたい、こういうことでいままであまり審査をしなかった問題を、ひとつこういう点で規範をつくろうということで、実は今回の措置になったわけでありまして、関係者の努力も多といたしますが、御了解願っておきたいと思う。  そこで、この決算に対するいろいろ解釈がございますけれども決算委員会が取り扱う規範は何か、それは憲法九十条による「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」会計検査院法は、第三十条で、「会計検査院は、前条の検査報告に関し、国会に出席して説明することを必要と認めるときは、検査官をして出席せしめ又は書面でこれを説明することができる。」こういうようなことで、私どもは憲法、会計検査院法と、さらに国会法二十条、三十二条、七十二条、参議院規則第四十三条それぞれのいわゆるいろいろ解釈がありますけれども、こういうものをお互いに議院として尊重し合いながら、そうして適当な時期にお互いに審査をする必要があるだろう、そうしてまた国会並びに弾効裁判所、訴追委員会あるいは法制局、国立国会図書館こういう関係者の意見というものも十分反映してもらう必要があるのではないか、こういう立場で今回の措置をとりましたことは、あらかじめ御了承願っておきたいと思う。  時間の関係で、河野国立国会図書館長が公用のために退席をしなければならぬようでありますから、最初に国立国会図書館の質問を行ないたいと思います。  そこで、ただいま御説明をいただきました事案については、私も了解をいたしますが、まず国立国会図書館の中で、提出をしていただきました昭和三十九、四十年度国立国会図書館の組織図で、この組織から考えてまいりまして、この国会議員の国立国会図書館の利用状況、どんなに利用しておるだろうか、あるいはまたそれが国会にどのような反映をしておるだろうかということをひとつ御説明を私はいただきたいと思う。  それからいま一つは、この国会図書館が、今日までのとってきた、いわゆる国の最高権者としての国会に対する希望というものを、どういうふうにしたならば幾ぶんでも助成することができるとか、こういう点については、いわゆる関係各国との法律関係、あるいはもろもろのそういう条件というものを、新しい知識を植えつけるということが必要だと思うのであります。そういう点は図書購入等の問題を含んでどのようになっておるのか。  三番目は、国立国会図書館の整備ということで、これに伴うところの国会周辺の整備ととも関係をいたしますが、国立国会図書館の整備はどうしたらいいのか、こういう点をあわせてひとつ御答弁をいただき、以上、三点についてお答えをいただきたいと思うのであります。
  40. 河野義克

    ○国立国会図書館長(河野義克君) ただいまのお尋ねに対してお答えを申し上げます。第二の点につきましては、多少把握しそこねておりますので、あとでもう一ぺんお尋ねをいただいてお答えを申し上げたいと思います。  第一の国立国会図書館の組織、それが国会議員の当館に対する利用状況等との関連においてのお尋ねがあったと存じます。国立国会図書館が直接国会議員の活動に奉仕するための機構といたしましては、お手元に差し上げました国立国会図書館の組織図にあります中の調査及び立法考査局、この現員は配置員数にして百五十二名、昭和四十年度末で百四十五名の実員がございますが、これはあげて国会議員の活動に対する奉仕のための機構であるのでございます。また閲覧部の中には、本館におきまして議員研究室という備えがしつらえてございます。議員研究室は、議員の個室もございますし、数人または十数人の方が自由に討議をなさるための研究室もございますし、そのほかに新聞、雑誌等を備えました議員閲覧室というものもございますが、総じてそういう議員関係のための閲覧のための職員が、閲覧部の中に配置されてございます。この議事堂の中に国会分館という当館の分館がございまして、そこの全機構はあげて国会議員の活動に奉仕するためのものであることは、御承知のとおりでございます。その他におきましては、たとえば国会議員からのレファレンスの御要求に対しまして、それの通常大部分は、先ほど申し上げました調査及び立法考査局でこなしまするけれども、事柄によりましては、参考書誌部という行政、司法その他国民のためのレファレンスの職責をになっている参考書誌部で処理するものが若干あることは、これまた御承知であるかと存じます。  そういうふうな機関が国会議員の奉仕のために直接奉仕する機関でございまするが、そういう各部が国会議員のために奉仕をするために必要な図書とか文献とかを収集し、整理し、これを利用に供し得るために収書部、整理部、閲覧部、いろいろございますし、それからそういった全体を組織、管理し、館全体の業務をまかなっていく上に総務部というようなものもございまして、組織図の上でいろいろ分かれておりますが、私どもはいわば国立国会図書館は、全体をあげて一はもって国会議員に奉仕をし、行政司法の各部にも奉仕し、さらに一般国民にも奉仕をする、こういうつもりでおるのでございまして、重点を申し上げますれば、先ほど申し上げたようなことになろうかと思います。  それから、国会議員が現実にどういうふうにこれを利用されておるかという点につきましては、資料の四の、「昭和三九・四〇年度の利用人員とその内訳」というのをごらんいただくとわかると存じまするが、三十九年度及び四十年度の両年度にわたりまして国会議員、国会議員秘書、国会職員等がどういうふうに利用をいただいておるかということが出ております。たとえば、レファレンスにつきましては、国会議員は昭和三十九年度において三千二百三十一件、四十年度において三千四百六十九件。閲覧は、これは本館だけでありますが、三十九年が八百十人、四十年が八百八十四人となっております。貸し出しが二千三百二十三件、これが三十九年度、四十年度が二千五百五十七件あります。これは件数でありまして、冊数といたしますと、三十九年度が五千五百五冊、四十年度が六千三百八十冊でございます。それから、写真複製が三十九年度が百八十三件、四十年度が六百二十四件になっております。その他、この議事堂にあります国会分館におきましては、これは分館の性質上国会議員の利用がそのほとんど大部分でございますが、レファレンスにおいて、三十九年度が千三十三件、四十年度が千八十二件。閲覧につきまして、これは秘書や職員等も含めておりますが、三十九年度が一万六千三百五十七人、四十年度が一万五千六百十三人となっております。そういうふうでございまして、直接本の閲覧、貸し出しにおきまして、あるいは現在特にふえてまいりました複写という形において御利用をいただくという点におきまして、またいろいろレファレンスの問い合わせをいただき、それに回答を申し上げるという関係におきまして御利用を願っておるのでございまするが、先ほどそういうことに関連して、当館としての考え方、希望等というような意味の御発言もあったかと思いますが、総体として利用を十分いただいておるわけでありますし、ことに個人的に申しますと、非常に驚くべき回数にわたって御利用願っている向きがございますが、全体の数からいたしますれば、なお御利用願って十分奉仕を申し上げたいというふうに考えておる点もあるわけでございます。  それから、第三の、国会周辺の整備の点でございまするが、御承知のとおり昭和三十六年に現在の建物ができたのでございますが、これは国立国会図書館の建築につきましての第一期の工事でございまして、本年度から第二期の工事を行なわなければならないことになっております。これは、国立国会図書館の本館をこの永田町の地に建てるということになった当初からの予定計画でございまして、国会全体の営繕工事との関係から第一期、第二期と分けておりますが、ことしから三年計画をもって第二期の工事をいたすことになっております。第一期工事が約八千二百坪ほど行なわれておりまして、第二期工事が六千八百坪でございますか、これが完了いたしますと約一万五千坪の建物が完成をするわけでございまして、図書館の機能の中枢とも申すべき図書の書庫から申しますと、現在二百四十万の収容能力を持っておりますが、第二期工事ができ上がりますれば四百五十万の収容能力を持つことに相なります。その周辺の整備計画で申しますと、この衆参両院を含んだ国会の周辺の整備計画としまして、広く官庁営繕計画の一環となっておりまするが、その計画によりますと、当館の現在の敷地のほかに将来は参議院議員公館のあと地、あそこが年々増大する出版量に対応しまして十年、十数年の後にさらにアネックスと申しますか、第二の付属機関を、あるいは付属書庫をつくる際の予定地とされておる。これも両院の議院運営委員会等でも決定されておりますので、御承知であろうかと存じます。  それで第二期工事を完了する際に、敷地の関係でございまするが、建物をつくること自体には直接支障はないのでございますが、整備をするという意味におきましては、どうしてもさらに周辺の土地-若干の民有地を取得をいたしたいということを考えております。それでこれは昨年もその買収について予算を計上して要求をいたしたんでございますが、大蔵省の認めるところとならなかったわけでありまして、本年度も重ねてこれを要求をいたしたいと思います。ただし、これは国立国会図書館だけでなく、衆議院においてもまた各省においても、そういう向きの民有地がありまして、これを国有地化したい。それは予算に計上するのもよし、あるいは他のしかるべき土地と換地するのもいいでありましょうが、そういう国有地にしたいという要望がございますので、大蔵省としては、これを総合的にどうするかということを勘案して定めたいと言っておりますが、それはともかくといたしまして、私どもは本年度の予算において、重ねてこれを要求いたしたい。そうして周辺の土地を国立国会図書館の敷地としてりっぱなものにいたしたいと存じておる次第でございます。  冒頭申し上げましたとおり第二の点については、ちょっと把握いたしかねておりますので……。
  41. 相澤重明

    ○相澤重明君 第二の点については、次の点についてさらに具体的にひとつお答えをいただきたい。国会図書館の連絡調整委員会、これが持たれておりまして、今回まで八回から会合が持たれておる。しかも、その勧告の内容も報告をされておる。しかし、これを見ますというと、勧告の第八回をもって昭和三十六年以来その後連絡調整委員会は開かれておらない。これは必要がなくなったのかどうか。特に前回の場合は、先ほどもこの御説明がございましたが、またこの報告書にもありますように、科学技術関係資料収集等の整備を行なう、こういうような重要な議案が実は含まれておるのでありますが、この連絡調整委員会が三十六年以来持たれておらないというのは、一体どういうことなのか。  その次に、この部内におけるところの図書の購入等についての各種委員会が持たれておるようでございます。特に国立国会図書館が設立をされましてから、衆議院及び参議院並びに上野の図書館から引き継がれたその管理というものは、どのように行なっておるのか。  それから、この資料の中にもございますように、各図書購入等について部内でこの相談をする機関、いわゆる外国図書の選択購入等については、蔵書構成審議会、選書調査会という二つの組織がある。で、この館長の諮問機関というものが設けられておるようでありますが、それがどういうふうに運営をされて、そしてこの外国の図書等の購入というものは行なわれておるのか。こういう点を私はこの資料で拝見をいたしますというと、旧憲法時代のものと、いわゆるこの新しい国会になってから引き継がれたものというこのものと、新しく国会になってからの購入したものと、こういう区分ができると思うので、これは一つの財産になるわけでありますが、そういう点で、いまの館長の諮問機関の運用の方法、あるいはその蔵書構成審議会、選書調査会、そういうものはどういうふうに運用されておるか、こういう点を御説明いただけば、大体の概略が私わかると思います。以上お尋ねいたします。
  42. 河野義克

    ○国立国会図書館長(河野義克君) いまお尋ねのうちの最初にございました連絡調整委員会、これが最近あまり活発に開会されてないが、その理由はどうかというお尋ねであったと思いますが、連絡調整委員会というのは、国立国会図書館法の法律自体に規定されておる機関でございまして、国立国会図書館の活動が行政府あるいは司法府に対して十全に行なわれておるかどうか、それをさらに十全に行なうためには、どういう点に着目すべきかというような点について、両院の議院運営委員会に勧告する機関でございます。法律上は国会に対する奉仕につきましても、連絡調整委員会が勧告する対象になっていると思いますが、実際上から言えば、国会に対する関係においては、常時国立国会図書館の業務を監督する機関として、当初は国立国会図書館運営委員会、現在は議院運営委員会がございまして、そこでやっておりますので現実の問題としては主として行政府、司法府に対する国立国会図書館の奉仕について勧告するようなかっこうになろうかと思います。ただ、組織が議院運営委員会に勧告するところの機関でありますのに、連絡調整委員会を構成している委員の御二人は、議院運営委員長その人であり、また総理大臣の指名する国務大臣、現在は文部大臣がなっておりますが、文部大臣と最高裁判所の判事が一人と、こういう四人の構成を持っておりまして、現実の問題といたしましては、勧告する機関と勧告すべき主体との関係その他においてやや実際から遠いような点もありまして、運用が活発でない傾きもあろうかと思います。大部分の理由は、議院運営委員会がそういう勧告を受けていろいろ行動するまでもなく、常時両院の議院運営委員会は、図書館小委員会をつくるなどして図書館の業務の運用に至大の関心を持っておられ、しょっちゅう勧告を待たないでいろいろわれわれについてただし、また議院運営委員会の意見を述べておられるので、それによって連絡調整委員会で考えた機能の大部分が果たされておるという点もあろうかと思います。それから実際面におきましては、連絡調整委員会に期待された機能が、実は現在では私どもが各省及び最高裁判所等にある支部図書館の館長にしょっちゅう来ていただいて、いろいろ懇談的に協議をしたりいたしております。その間において支部図書館の運用を通じて行政府、司法府に奉仕するという点の問題の大部分が解決されているような事情でございます。また、これは委員会形態ではございませんが、連絡調整委員を通じて連絡調整委員の推薦によって支部図書館長を私が任命しております。たとえば各省の支部図書館の長は文部大臣が推薦をいたしまして私が任命いたしております。最高裁判所につきましては、最高裁判所の判事で連絡調整委員である方の推薦によって私が任命をいたしております。こういうのは委員会形態でありませんが、委員の活動を通じて行なっておるので、連絡調整委員の活動の一つの態様であろうかと存じます。そういうことで、概して言いますれば、実際的に問題が解決していく点が多いために、初期の草創期におけるように、何度もひんぱんに委員会を開会しないでも、まあ事が進んでいるというのが実態であろうと考えておる次第でございます。  第二は、図書の購入でございまするが、御指摘のとおり、国立国会図書館が創設をされましたにつきまして、衆議院及び貴族院と申しますか、時期的には参議院でありますが、そういうところがら相当数の図書を継承をいたしました。十七万余冊になると思いますが、両院から継承いたしました。さらに、百八万余冊を上野の図書館、終戦後のその時期には国立図書館と言っておりましたが、国立図書館から継承をいたしました。これらが創設にあたって引き継いだものでございまして、その後は、わが国の出版物につきましては、国立国会図書館法に、わが国で出版された本は、必ず国立国会図書館に一部納本をしなければならないということが規定されております。民間の本については、一部納本するという規定によって、これが図書館に入ってまいります。また、各省等、政府の出版物につきましては、これは部数によっていろいろありますが、相当部数をやはり国立国会図書館に納本をしなければならないという規定がございます。そういうことによりまして、当館としては、これを買い入れて、納本を受けております。それで、納本は、無償ではございませんので、現在の憲法上のたてまえから、代価を差し上げるべきだということになっておりまして、これは市価の約半分の納入出版物代償金という形でこれを支払っておる次第でございます。外国図書とか、わが国の古本、あるいは漢籍その他につきましては、むろん、そういう納本の対象にはならないわけでありまして、これは図書購入費をもって購入をいたしておる次第でございます。図書購入費の推移、現実に購入した図書冊数の推移、あるいは図書以外の特殊資料、いろいろマイクロフィルムとか地図とか、それからレコードなどもそうでありますが、そういうものの一切は資料をもってごらんをいただきたいと存じます。  そういうふうにして納本によって入ってくるもの、外国図書、その他わが国の古本、漢籍等購入をするもの、そういうものを管理することをどういうふうにしているかということでありますが、いわばこれも図書館全体をもって当たっておると言ってもいいのでありますが、直接申し上げますれば、組織図にございます収書部というところでこれの収納をいたしまして、簿冊に記入をいたしまして、これを整理部というところで分類をし、目録をつくり、以下閲覧部に回して利用をする。それをもって参考書誌部あるいは調査及び立法考査局が国会に対し、あるいは一般国民、行政、司法各部門に対して奉仕をしていく。また、連絡部が国際的な交換をなし、また支部図書館等の活動の補助をする、援助をするというような事情になっております。  それから第二の蔵書、図書を買う上において館内にどういう機構があって、それがどういうふうに運営をされておるかということでございますが、図書の購入につきましては、先ほど御指摘のございましたように、国立国会図書館、あるいはわが国の唯一の国立図書館としてどういう本をどういう構成比率で持っておるのがよろしいかということを判断するための機関として蔵書構成審議会というものをもちまして、そこで当館の蔵書がバランスを持って、また効率的に利用されるような構成を持てるように審議をいたしております。その委員は、当館内の職員で、関係部長、局長あるいは図書について格別に造詣の深い人たちを網羅して検討をいたしておるのでございます。そこで毎年、当年度の収集方針、翌年度の収集の重点を審議して、答申が私に出ておるのでございます。その答申に基づきまして、具体的にどういう本を買うという、やや具体的な作業をなすのが選書調査会でありまして、大筋が蔵書構成審議会できまった点に基づきまして、具体的にどういう本を買うかということを定めるわけであります。調査会は議会・法令、政治・行政、経済・産業、社会・労働、アジア・アフリカ、人文科学、逐刊物、科学技術、総合調整の九部会に分かれまして、私の任命する職員が、担当分野の選書を行なっておるのであります。選書の手段は主としては内外書店あるいは出版社の出しますカタログについて検討をいたしておる次第でございます。その他科学技術関係の資料につきましては、特にそのための審議会を持ちまして、これは外部の茅先生がその審議会の会長でありますが、科学技術に造詣の深い一流の方をみんな委員に委嘱をいたしまして、そこでそこの意見も十分伺って、そこで蔵書構成審議会以下の館内の機関がそれを含みながら決定をしておるという次第でございます。  ざっぱくな説明でございますが、御質問がありますれば補足をいたします。
  43. 相澤重明

    ○相澤重明君 こまかく説明をいただきましたので、たいへんけっこうだと思います。ただ法律に基づいていわゆる、国立国会図書館法に基づく連絡調整委員会があるわけです。御説明によりますと、同じ人がいわゆる、自分で審議し、勧告するというようなことで、運用面で実は問題があるようでございます。そこで私はやはり、法律がある以上は法律を守るというのが、われわれの立場でなければならぬから、そういう点でもし、これが十分機能を果たさないということであれば、改善措置をとらなければいかぬじゃないか。あるいはまたそれが必要がなくなれば、館長のお話しのような実態としてもし必要がないということであるならば、法律を、これを改正しなければならぬだろうということも、これは必ずしも私は、このままでいいということではないと思うのです。そういう面で、三十六年以来一度もこの法律に基づく連絡調整委員会というものが運営されておらないというところを、実は聞きたかったわけでありまして、いまの御説明によればわかるような気がするけれども、やはり、きょうの参議院の決算を行なうにあたって、実際に自分たちのおる参議院だから、別に決算をしないでもわかるじゃないかという気持ちもあるけれども、やはりそういうことではなくして、私は規範というものをつくるということが大事である、こういう意味で特に館長の説明をいただいたわけです。この点については私は理解をいたしましたが、法律のいわゆる順守ということについて、特に希望だけを申し上げておきます。  その他のことについてはけっこうでございますが、ただ一つ、さきに朝鮮に重要文化財を送ったわけでありますが、この日韓条約に伴う文化財等の中に、たとえば国立国会図書館等に図書等があるのかどうか、あるいはいままでそういうものが引き渡されたことがあるのか、現在もそういうものに準ずるようなものがあるのか、こういう点がもしあるとするならば、ひとつ御回答をいただきたいと思います。
  44. 河野義克

    ○国立国会図書館長(河野義克君) 連絡調整委員会の点についての御指摘は、まことにごもっともと存じます。私ども連絡調整委員会の機能の相当部分が、国会においては両院の議院運営委員会、刑して図書館小委員会、それから支部図書館関係につきましては、支部図書館の館長諸君との常時の連絡また会議等によってまかなわれておるということを申し上げましたけれども連絡調整委員会の機能が非常に大事なものであり、また御指摘のとおり法律にも定められていることでもございまするから、それの活用等についてなお意をいたさなければならない点もあろうかと存じます。十分これからいろいろ検討してまいりたいと存じます。  それから第二の、朝鮮関係の文化財として韓国等に引き渡すような図書があるかというお尋ねに対しては、当館についてはそういう該当のものはございません。
  45. 柴谷要

    ○柴谷要君 私、一言だけお尋ねをいたしますが、三十九年度の国立国会図書館関係の歳入でございますが、歳入予算に対して歳入済み額は二百六十五万九千七百十二円の減少となっておる。この原因はどこにあるのか。それからこれに対する対策というものは、どういうふうにお考えになっておられたか、これだけひとつお聞かせいただきたいと思います。
  46. 河野義克

    ○国立国会図書館長(河野義克君) はなはだかってでございますが、副館長からお答えを申し上げたいと思います。
  47. 岡部史郎

    ○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 当館の歳入財源といたしましては、主として印刷カードの販売代金その他印刷刊行物についての販売代金がある。それから複写の代金というようなものが主たる内容でございますが、それが三十九年度におきましては、若干予算の予想よりも下回ったという事情でございまして、これはお手元に差し上げましたとおり、決算におきまして二百六十五万余の歳入不足が生じましたが、それについての措置はそのままになっております。別にそれを充てんする措置は講じません。この点につきましては大蔵省当局とも打ち合わせまして、そのままにすることに了承いただいております。
  48. 相澤重明

    ○相澤重明君 国会図書館どうもありがとうございました。  次に、国会の参議院のほうを御質問申し上げたいと思います。  第二に、先ほど事務総長から御説明いただきました裁判官弾劾裁判所へ移用した額六十万三千円というのはどういうものであったか。これは裁判官弾劾裁判所のほうからも御説明がありましたが、お答えをいただきたいと思うのです。  それから決算委員会に御提出をいただいた資料、たいへんよくできておるわけでありますが、参議院の歳入それから三十九年度から四十一年度までの予算及び定員等における説明を、ひとつなるべく要領よく簡略に御説明いただきたいと思います。
  49. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 冒頭の弾裁への予算の移用は、弾裁の給与の予算が不足しましたため、事務局から移用したわけであります。  以下の資料の説明につきましては、管理部長から御説明申し上げます。
  50. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) まず第一に、予備金の件でございますが、昭和三十九年度及び四十年度の参議院予備金支出額調べというものがございます。これは表にございますように、三十九年度及び四十年度の支出額は、すべてなくなられました議員の遺族に対する弔慰金及び特別弔慰金でございます。  次に、参議院の財産に関する資料でございますが、これは一つは「参議院本館間取略図」というのがございますが、これの中にこの議事堂の建物の衆議院と参議院の所管区分が赤鉛筆でしるしをしてございますが、概略申し上げますと、地階及び一階は、中央の部分が衆議院の所管になっておりますが、二階及び三階それから塔屋の部分はすべて中央の部分が、参議院の所管になっておる、概略そういった所管の別になっているわけでございます。  それからもう一つ、こういう大きい「国会周辺計画図」というのがございますが、これは後に御要求のございました国会周辺の整備計画に関する資料と一緒に考えておりますが、この斜線の部分が参議院の土地、その他の部分が衆議院の土地、こういう区分になっておるわけでございます。  それから三十九年度から四十一年度までの予算及び定員等に関する資料でございますが、これは昭和三十九年度及び四十年度、四十一年度の予算額調べ及び定員に関する資料といたしまして、俸給別の定員及び定数の表及び各部課別の現在員の表、それから衆参両院事務局の組織の比較表がございます。  それから次に、参議院における宿舎に関する資料でございますが、これは参議院の議員宿舎、すなわち麹町宿舎及び清水谷の宿舎の戸数及び入居されております方々の会派別の割当数が記してございます。  なお、職員の宿舎に関する分布状況の資料を添えてございます。  それから次に、自動車の現況及び会派割り当ての数でございますが、これは議員専属車、党配属車、議員予備車、事務局、法制局、弾劾裁判所、その他の区別をいたしまして数字をあらわしているわけでございます。  それから三十九年度から四十一年度までの財産の処分等に関する資料というものでございますが、これは別段に資料を差し上げてないわけでございますが、三十九年度に一件交換がございましたが、これは後ほど御質問によりましてお答えしたいと存じております。  それから、各部課の現員及び級別定数等は、先ほど申し上げましたように定員等に関する資料と一緒になっておりますので、御了承いただきたいと存じます。大体資料として御説明いたしますのは、以上のとおりでございます。
  51. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、まずこの図面ですね。出していただきましたこの図面に基づいて、国会周辺の計画図ですが、いわゆる衆議院の議長が管理監督をするところ、参議院の議長が管理監督をするところという区分をいま御説明をいただいたのでありますが、第一は、これは事務総長にお尋ねをしたいのは、院内の問題で、警備をする場合に、いまの説明によりますと、この国会の両院にまたがる部分の二階の総理大臣室等から三階以上については参議院がこれを管理するということで、そこにある財産あるいは警備員等は参議院が負担をするということになっておると思うのです。そこで、この現在までのいわゆる大蔵省から交付される金額は、すべて議員の頭数によって大体のすべての予算というものが組まれておると思うのです。そうすると、実際のこの参議院の院内における財産とか、警備というものは、衆議院の頭数からいけば参議院のほうの頭数のほうが少ないのに、区分としては多いのじゃないか、こういう気がするが、この点についてはどういうふうに考えておるか。  今度は院内と院外と俗に申し上げますが、議員会館における警備の問題、これを将来の考えとして国会周辺の警備をするこの場合に、議員会館というのは、当然議員のいわゆる活動に対して必要な会館を付与してあるわけでありますから、ここにおけるところの警備というものは、やはり国会の職員、国会の警備員、こういうことになるわけでありますが、現状は必ずしもそういうふうにはなっていない。現状のいわゆるこの警備体制というものは、必ずしも適法であるとはいえないだろう、こう思うわけです。そこで、これをやはり適法にしなければならぬ。つまり議員会館から議事堂までは、地下は廊下でつながっておるわけです。地上は、いわゆる道路で分断されておる。道路を横断しなければならぬ、こういうことからいけば、これは道路等についてはいわゆる警察関係の対象になるだろう、こう思いますが、私はやはりこの国会議員の任務、こういうことから考えていけば当然議員会館をつくった趣旨からいけば、これは議事常及び議員会館は、国会のいわゆる管理監督になければならぬ。したがって、警備についても、そういう適法に行なえるように、将来計画は立てなければいかぬだろう、こう思うのであります。それと、次に、先ほどの国会図書館の周辺整備をも含み、弾劾裁判所の周辺整備をも含み、訴追委員会等の問題も含んで国会周辺というものをどいうふうに考えていくか、この点はきわめて大事なことであります。特にいま財産の説明をいただきながら、いわゆる国会職員等の宿舎関係あるいは自動車のいわゆる車庫等の説明をいただきましたが、これでいいのか。現状では私は十分ではないと、こう思うのです。たとえば私ども国会議員が利用する自動車というものは、朝晩たいへん努力を重ねてもらっておるわけなんです。朝早く運転者には出勤をしてもらい、夜は議会の都合によって夜中にも送ってもらわなければならぬ。こうすると、この通勤時間等、宿舎関係等、公務員宿舎等の利用状況等から考えていくと、必ずしも国会のいわゆる職員の中での運転者の宿舎関係というものは、これは十分ではない、こういうことが指摘できると思うのです。それの改善策というものを考えておるのかどうか。  それから、その次に、これはひとつ他院のことを申し上げるわけではございませんが、衆議院では委員会の庁舎等を新設をする構想があるようでございます。今日、非常な膨大な資料等も国会では持たなければならぬ、こういう形で定員の面や、膨大な資料等を保存をする、管理をする、こういう面からいっても、いまの参議院のいわゆる議事堂及び付属の会館等を考えてみても、私はこれでは十分ではない。衆議院が委員会庁舎をつくろうということでありますから、この面について参議院でもそういう考えはないのかどうか。つまり金がかかるから、どうも大蔵省が金をくれないから、内閣が金をくれないからといってしまえばそれまでですが、私は議会は立法府として大事なところであるから、この点についてやはり整備をしなければいけないのじゃないか、こう思うので、衆議院のことをとやかく私は申し上げるつもりはございません。私ども参議院としてそういう必要性を感ずるのであるが、計画があったならば、ひとつお答えをいただきたい。当面、以上の点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  52. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) ただいま相澤先生から、非常に重要な問題を列挙されての御質問でございますが、一つ一つ非常に重要な問題でございまするので、ちょっと時間を拝借することに相なるかもしれませんが、前もって御了承いただきたいと思います。私の説明で足りないところは、所管部長から御説明いたします。  第一の議事堂内の配分の区域の件でございまするが、これは特に二階等におきまして、衆議院と分離された線は、私どもは大臣室等を所管いたしておるわけでありまして、これは戦前のそのままを引き継いだわけでございまして、旧帝国議会時代は、大臣は全部貴族院の通用門から登院しておったような状態でございますので、大臣室の所管は貴族院にあったわけでございます。それを私どもとしては参議院としても受け継いでやっておるわけでありまして、警備の点につきましても、非常な警務部に重点がかかっておるわけであります。これらの点につきましては、りっぱな部屋がずいぶんあそこにあるわけでございまして、調度その他の点につきましては、大蔵省の特段の御配慮があるわけでございまして、特に足りない部分につきましては、内閣のほうから持ち込みの設備もあるかと思いますが、大体は参議院の予算でまかなっておるわけでございます。この点につきましては、特にどのくらいの金額がそのためにあるかというようなことは、管理部長のほうから御説明申し上げますが、われわれとしては十分御配慮いただいておる、こう思っております。  なお、三階、地下その他の部分につきましても、これらの昔どおりの配分を守っておるわけでございまして、これらの点につきましては、別に衆議院といまどうというような関係はございません。  次に、議員会館でございまするが、議員会館の警備につきましては、木造建業の時代にも問題になりましたのでございまするが、一応衆議院はもちろんのこと、私どもといたしましては、議院警察権の範囲外のものであるというふうに了承いたしまして、警察権につきましては一般の警察権のもとにあると、こういう取り扱いに相なっておりますので、特にまた、ただいま相澤先生の御意見がございまして、新しくつくられたあのりっぱな議員会館は、当然議員の事務室として重要なる役割りを演じておるのでありまするから、議事堂同様な体制を整えたほうがいいじゃないかと、こういう御議論は十分承っておきますが、一応は私どもといたしましては、さく外ということで議長警察権の外に置いておるわけでございます。しかしながら、衆議院が一年先でございましたか、これを警備する職員は警務部の職員を充てたわけでございます。衛視を充てたわけでございます。私どものほうといたしましても、二十一人ただいまこの警備に当たっておるわけでございまして、厳密な意味に申し上げれば、この二十一人の衛視はあそこでは警察権は実施できないということに法律上相なるかと思いますが、一般の職員で警備するよりも、こちらの警備になれておる警務部の職員が出張ってやったほうが、事態をスムーズに警備できるんじゃないか、こういう配慮のもとに、現役の警務部の職員をあちらに派遣しておるわけでございまして、衛視長以下二十一人でございまして、はなはだ手薄でございますけれども、一応の警備体制を整えておる。なお、不時の消火、消防その他につきましては、一番近くおる警務部の職員がはせ参じるという体制を整えていまやっておりますが、お示しのような、議事堂と同じ警備体制をつくれという御議論は、確かに、私どももこれから考えていきますけれども、アメリカ等と異なりまして、あそこに道路があったり、いろんな関係がございまして、全部警察権で一括統合するというような時期にまだ達しておりませんが、いろいろ議事堂周辺が整備いたしますれば、この問題も持ち上がるのではないかと思いますので、そのときは議院運営委員会におはかりいたしまして、十分な措置をとりたいと存じております。  国会周辺の整備につきましては、先ほど国会図書館長が御説明いたしましたところも含みまして、いろいろな整備計画が整って、その大綱につきましては、青写真ができておるのでありまして、相澤委員御心配の弾裁の庁舎等もひっくるめまして、私どもはこれをどこへ持っていくかということを研究しておるわけでありますが、この国会周辺の土地は、私から御説明するまでもなく、終戦後国有地を衆参両院で分け合ったのでございまして、この当時におきましては、その場限りのような、あまり将来を見通して厳密に衆議院と分け合ったわけではございません。まあ例を申し上げますれば、衆議院の第二議員会館の建っております土地、これは参議院の所管になっておるようなわけでございまして、これらの点は、どうも当時の勿々の間でございますので、その区分もはなはだあいまいになっておりますので、この点も衆議院とよく話し合いまして、両方の所管する建物は所管する土地の上に建てる、こういう原則をこれからも守りまして整備いたしたいと、まあ念願いたしておるわけでございます。  それで、続きまして、委員会庁舎の設立の件でございますが、これは衆議院は本年着手予定に相なっておりますので、その構想等につきましても、私たちは逐次御報告を願うことに相なっておりますが、これは申し上げるまでもなく、この議事堂の建物は両方同じ建物でつくらなければ美観上はなはだよろしくないのでございまして、付属建物もちぐはぐなものは実は建てられないわけでございまして、衆議院が建てますと、それと大体似たようなものをやはりこちらの同じ位置に建てなければいかぬという原則に私ども支配されておりますので、まだ衆議院が建てない前にいろいろ構想をお伺いしまして、私どももいろいろこれと似たものをこちらのところに建てようという、こういう考えのもとに、なるべく衆議院からの連絡を密にしておるわけでございまして、これらの庁舎等にいかなるものを収容いたし、いかなるものをつくっていくかということにつきましては、われわれのほうもいろいろ考えておりまして、事務局宿舎等も別に建てる予定地はございますけれども、これらをどうしたものであろうかというようなことは実は考えておりますが、まだ申し上げるような段階には至っておりません。弾裁等の大きな法廷をつくるわけでございまするから、事務室ならば簡単にいきますけれども、法廷をつくる設備でございますから、なかなかちょっと簡単にはできないわけでございますから、それらの点も、この委員会庁舎の設立等と考え合わせまして、十分慎重に計画を立てていきたいと存じております。  それらの建物の建ちぐあいからも勘案しまして、特に議員の足を担当しておる自動車課の整備体制も、これに即応した駐車場等もつくらなければ相ならぬのでございまして、また、職員の宿舎、特に自動車課の職員の精舎等もなるべく近いところに設立されなければならないのでございまするが、それらも十分考えていま案を練っておりますが、なお、こまかい点につきましては、管理部長のほうから御説明申し上げます。
  53. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) 最初の二階及び三階の大臣室または便殿等の管理のための費用の点でございますが、これは別段特に毎年経常的に経費が計上されるというものではなく、たとえば大臣のいすがいたんできたから補修したい、あるいは購入したい、あるいは便殿の陛下のおすわりになるいすがいたんだので補修する、あるいは取りかえる、こういった意味の特段の費用につきましては、別に予算を計上しているわけでございます。で、この点は毎年特段に必要な額を要求いたしまして大蔵省に御了解を願うというかっこうでやっております。  それから次に、会館の院内院外の問題につきましては、ただいま総長からお答えしましたところで大体尽きているわけでございまするが、なお、ちょっと補足申し上げますと、昭和三十六年の六月二日の議院運営委員会におきまして、国会周辺の用地使用計画というものにつきまして、本院の議院運営委員会の御決定がございまして、その際に、いわゆる国会センターの全体計画というものが策定されておるわけでございまして、ほぼこの図面にございますのと同様でございますが、つけ加えまして、この整備計画が全部完成いたしました暁には、このセンターの内部を、道路を含めまして全部を構内とする、つまり、道路も構内道路とするという構想が示されておるわけでございます。具体的には、なおその計画が全部完成いたしました暁におきまして、もう一度御検討願うことになろうかと存じますが、将来は会館につきましても議院の少なくとも構内とするという構想が示されているということを申し添えたいと存じます。  それから、関連しましてこの委員会庁舎につきましては、本年度本院におきましては、なおいかなるものを収容するかにつきまして御意見がまとまりませんでしたので、とりあえず調査費といたしまして百万円を計上いたしまして、これによりまして地質の調査及び一部のプランの設計というものを本年度にいたし、来年度から私どもとしては着工したいと考えておるわけでございます。  それから、運転手の宿舎につきまして若干詳しく補足して申し上げますと、前に御質疑がありましたときにお答えいたしましたことと重複いたしますが、数字で申し上げますと、本院の持っております省庁別宿舎が全部で百十三戸でございますが、その中で、一時間以内で通勤が可能な宿舎が、五等級以下の割り当てが四十三戸ございますが、そのうちの十九戸を運転手のために割り当て、一時間以上にわたる通勤距離の宿舎は運転手に割り当てないという方針をとっておるわけでございます。また、合同宿舎につきましては、五等級以下の宿舎につきましては、一時間以内に通勤可能な範囲に宿舎は一つも割り当てがないわけでございまして、やむを得ず一時間以上二時間以内のととろに六名、二時間以上のところに一名が入居しております。しかし、これもできれば逐次この省庁別宿舎の近いところに移すことを努力したいと存じます。  なお、この自動車の運転手の数は本院に百一名もおるわけでございまして、各省庁における運転手の住居というものとは格段に違うといいますか、比重が非常に高いわけでございますから、そういう意味におきまして、特に運転手の住居というものを、別に土地も求め、運転手専用の住居をつくるということをなお努力いたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  54. 相澤重明

    ○相澤重明君 一番最初の院内のいわゆる警備に関する問題ですが、先ほど警備員については、大臣室及び三階の貴賓室ですね、これらの警備を参議院が受け持つ、それについて調度費等については、必要な場合に大蔵省に特段の努力を求めていると、こういう説明ですね。そこで、衆議院と参議院とのいわゆる警備員の人数、また、院内の参議院と衆議院とのその警備の範囲において、私はやはり人数というものは違ってくると思う。そういう昔の貴族院からの引き継ぎとして受けておるものが、同じような予算関係、同じような基準で割り出したものであれば、私も納得するわけですが、そういうことになっておりますか。私はいま思うのに、少し人件費が警備員に関する限り、参議院のほうは負担が重いのではないか、それだけ大蔵省がめんどう見ておる、事務総長がそれだけ予算をよけいもらっておるというならば、それは私はそのとおり理解してもいいと思うのでありますが、そうでなければ、警備の人件費というものはやはりよけいもらうべきじゃないか、こういうふうに考える。  それから、あとの点についてはよくわかりました。説明で十分でありますが、この機会に、御承知のように、国会周辺の整備の中で、自民党の本部がりっぱなデラックスなものができたために、ずいぶんあと国会周辺にあるわれわれの財産のところがさびしいわけです。特にいまの自動車を置いておる場所は空地になっておりまして、俗に言えばみすぼらしい。そういうととろをいつごろ整備するのか、そのすぐわきの自動車を置いてあるところをいつごろ整備できるのか、そこにはどういうものをつくろうとする考えがあるのか。これはあわせて弾劾裁判所にも開いておきたいのですが、いまの弾裁が会議を持つ場合に、これからあそこでいいのか、どこでやろうとするのか、将来はどういうふうにやっていきたいのか。先ほど事務総長からは、そういう国会周辺ということで、国立国会図書館や弾裁の問題も含んで検討を進めておるというお話であったが、弾劾裁判所として一体どう考えておるか。これは大事なことでありますから、私どもも聞いておきたいと思う。ですから、参議院のほうでいまの自動車を置くところはどういうふうに整備をする計画があるのか。弾劾裁判所としては、どういうふうに会議等を持ち、あるいは今後の方針としては、どう計画を考えておるのか、この機会にひとつお答えをいただきたいと思います。
  55. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 院内の警備につきましては、ただいまの御質疑はごもっともなことだと思いますが、この警察につきましては、私ども、旧帝国議会からずっと伝統を守っておりまして、衆議院につきましては、昔は守衛と言っておりましたが、ずいぶん守衛の定数等も向こうは多かったのでありますが、参議院になりましても、そういう比率はそれほどではございませんが、ついております。それから、課につきましても、一課向こうのほうが確かに多いのでございますが、それらの点は、やはり衆議院はいろいろな点もございますが、人員も多い、議員の定数も多いということだろうと思いますが、そういうような比率の差がついておるわけであります。ただいまでは衆議院は二百六十二名でございまして、私どものほうは百九十六名、六十六名の差がついております。  警備の範囲につきましては、お示しのとおり、同様なのでございますが、議員会館は向こうが倍でございますが、そういった点を含めましても、私どものほうとしては、なるべくこれらの職員の増員を大蔵省にお願いいたしまして、衆議院同様に一課の増設等もいたしたいと、予算のころにはいつもお願いしておるわけでありまして、これらの点につきましては、今後なお努力いたしたいと存じております。  それから、自動車の整備、弾裁の点につきましては、管理部長からお答え申し上げます。
  56. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) 現在の車庫は、これは参議院の会館を建てますために、あそこにありました車庫を取りこわしましたための仮車庫でございまして、本年度予算におきまして、現在の会館の地下にございます車庫を延長いたしまして約倍に増加することになっておりまして、それによりまして、参議院の持っております自動車は全部その中に収容する予定でございますから、この仮車庫は本年度中に廃棄する予定でございます。あとは一応舗装してモータープールにしておきますが、委員会庁舎等が建ち終わりました後に、事務局用の庁舎を建てる予定でございます。  なお、弾劾裁判所につきましては、局長からお答えがあるかと存じますけれども、来年度から着工いたします委員会庁舎の中に含めるか、あるいは、先ほど申し上げましたいまの仮車庫のあとに建てます庁舎の中に含めるか、いずれにいたしましても、参議院側のこれから新築いたします建物に含める予定をもちまして現在計画中であることを申し上げたいと存じます。
  57. 内田喜一

    ○裁判官弾劾裁判所参事(内田喜一君) 弾劾裁判所は二十三年に発足いたしまして、この弾劾裁判所の存在は、司法権に対する立法権というような立場から、国会にただ一つの抑制機関として、非常な重要な任務を果たしておる次第でございます。そういうような意味で、弾劾裁判所の庁舎は、現在、法廷が赤坂離宮にございまして、事務局は国会、参議院の事務室を借用いたして入っておるのでございます。裁判員の皆さんも、非常にこの弾劾裁判所の存在というものは重要なものであって、あまり赤坂離宮を借りておるとかなんとかというようなことでは、司法権に対するこの弾劾裁判所の立場が非常に困るからというので、独立庁舎の建設を計画しておったのでございます。これは二十四年ごろから大蔵省に対しまして予算を要求しておったのでございますけれども、なかなか大蔵省との折衝がつきませんでおりましたのでございますが、昭和三十五年ごろに至りまして、国立国会図書館が新庁舎を建設いたしまして、あの赤坂離宮から移転することになったのでございます。それから法務省あたりの関係も赤坂離宮におりましたものが、本省のほうに移転するというようになりまして、勢い、弾劾裁判所の法廷というものも移転しなければならないのじゃないか、そういうことになれば、弾劾裁判所としては困る、何とか独立庁舎をつくらなければならないのじゃないかというので、裁判員会議の決定に基づきまして、これは弾劾裁判所と訴追委員会というようなものもございますもので、この訴追委員会、弾劾裁判所が合同庁舎をつくったほうがいいんじゃないかというので、訴追委員会とも協議の結果、合同庁舎建設のために協議会を開きまして、要望書を大蔵大臣、両院議長、議運の委員長まで提出いたしまして、裁判長、訴追委員長を動員いたしまして、大蔵省に予算折衝をいたしたのでございますけれども、なかなかその予算の実現がむずかしい状態になっておるのでございます。その後、大蔵省の御理解もありまして、参議院の非常な努力によりまして、独立庁舎ができないということになるならば、参議院の庁舎を何かつくる場合に、何とかその中へ入れて弾劾裁判所の庁舎もやったらいいんじゃないだろうかということになりまして、ただいま総長並びに管理部長から申されましたように、現在におきましては、参議院の新しく建設される場合には、弾劾裁判所を含めていただいて、そうして、この弾劾裁判所の庁舎を建設していくというような傾向になっておるのでございますが、今後ともよろしくお願いいたしたいと思うのでございます。庁舎の点につきましては、大体そういうような状態で今日に至っております。
  58. 柴谷要

    ○柴谷要君 関連して。いま弾劾と裁判官訴追委員会の問題が出ましたから、ちょっと要望しておきたいと思うのです。というのは、裁判官訴追委員会は衆議院の第二の地下一階を提供してもらって、りっぱな事務室もでき、それから委員会議場もできて、私はこれはまあ非常に衆議院の第二会館の建設のときによく考えられた、こう思うのです。ところが、参議院の会館をつくられたときに、弾劾のことをなぜ考えなかったのか、これは非常に残念に思う。私は赤坂離宮にある法廷のように、常時あけっぱなしにしておいて、それで、いつ起きてくるかもわからない裁判官の裁判を、大きな部屋をあけておく必要はないと思う。そこを頭を使ってひとつ法廷をつくってもらいたい。常時何かに使って、利用はできるけれども、利用しておいて、法廷が開かれる場合には法廷にかわれるというような構想を持った建物をひとつ考えていただきたい、それでいいんじゃないかと私は思うのです。普通の裁判所と違って、一年に数十件あるという裁判じゃありませんから、私が三十一年から国会に出て一ぺんしか法廷を使っていない、そういう状態ですから、法廷をつくる場合には、十分ひとつその点を頭の中に入れてやってもらう、こういう点はひとつ参議院として十分検討していただきたい、こう思うわけなんです。それに伴って、大蔵省あたりから予算を捻出していただかなければなりませんが、なぜ参議院の会館をつくるときに、そういうような構想をしなかったか。私は、参議院の会館の内容を見ると、どうも不満が多いのです。しかし、でき上がったものですから、これ以上申し上げませんけれども、まあ、とにかく国会できめて、皆さん方が監督をされてそれをつくらしたというだけなんで、皆さん方に責任はない、国会に責任がありますから、われわれ自身も責任を負わざるを得ないと思っております。それにしては、あまりにも国民の目には豪壮なものができ上がったというふうに目に映っておるけれども、しかし、利用者にはそうりっぱなものじゃないと思う、利用者には。私はそういう点が非常に残念に思っておる。だから何も、確かに国の最高の議決機関であるから、必要なものは備えなければならぬと思うけれども、何から何までかって気ままに予算をお手盛りをすればいいのだ、こういうわけにはいかぬと思う。だから、その点は、われわれ議員としては十分考えなければならぬ、こう思うわけなんです。  で、立ったついでですから、一、二問ひとつ質問をしたいと思うのですが、ただ、不公平な扱いだけはやめてもらいたいと思うことが一つある。これは、別に事務の皆さんが不公平に扱うというわけじゃないですよ、私は資料を出していただいたんで初めて知ったわけなんです。そこで質問をするわけなんです。これはまあ、これからわれわれ選出しておる議院運営委員とか議運の理事とか、こういう連中に――連中と言うと語弊があるけれども、大いに文句を言うつもりなんです。というのは、参議院が持っております車の台数は百十六台、この資料を見ますと。そうしますと、その中で専属車というのが四十一台使われているわけです。四十一台というのは四十一人の人が使っているわけです。そうすると、二百五十人の参議院の議員が使っている車は幾らかというと、二百五十人から四十一人を引くと二百九人。二百九人にあてがわれている車は幾らあるかというと三十七台。いいですか、各党に割り当てられたのが三十四台で、予備車が三台。三十七台を二百九人で利用しているわけなんです。だから、これは平議員というのは、非常に何というのか、利用率が低いわけです。四十一人で四十一台の車を使っていて、それで平議員は二百九人でもって三十七台を使っている。この中には自家用車を持っている者もありますから、かなり利用率は上がるかもしれません。しかし、自家用車を持っているかいないかは別問題として、数字からいえば、こうなるわけです。これほどこできめたかというと、議運がきめたと思う。これは実にけしからぬきめ方ですね、こんな不公平な、同じ選挙で当選してきた議員が、こんなに不公平に扱われておるというのは。この数字で初めて知ったわけです。これが一つ。これは議運の委員長に総長さんから、私が決算委員会で述べたということを伝えてもらいたいと思う。これが一つ。  それから、これはまあお尋ねをしておきたいと思いますが、議長車というのは一台というふうに出ておるのですね。ところが、予備軍が二台あるはずです。予備車が二台計三台議長の車というのは存在をしておる。だけれども、これは私が実は指摘をしましたら、一台は処分したはずなんですが、現在どうなっておるか。実は議長が一台いい車を買って乗っておられる。ところが、新車が出た、三百何万円かの新車が出て、それに飛びついて買った、そのために三台になった。だから、その予備車の一台をどこに利用されておるか。これは議運できめられたと思いますけれども、どこにお使いになられたか。予備車を一台置かなければいけません、確かに。参議院を代表する議長さんのことですから、一台は予備車を置かないと、事故が起きた場合に困りますからけっこうだと思う。だけれども、二台置く必要はないと思う。二百九人に三十七台しか車を割り当てられていないのに、議長一人に予備軍まで入れて三台というのは、そんな待遇はあり得ない、こう私は思う。この点はどうされておるか、お尋ねをしておきたいと思う。
  59. 高山恒雄

    高山恒雄君 関連。この資料を見て私もちょっとびっくりしておるのですが、東京で通勤一時間ないし一時間半ということは私聞いておるのですが、ところが、一時間から二時間以内と言われる七十人、合同宿舎の場合ですね。あるいはまた、合同宿舎、省庁別宿舎の集計ですか、これでも八十四人おるわけですね。この辺の分け方ですね、一時間半以内ならばまだしも往復で三時間ですから、これはある程度疲労度に対する考え方が私はできると思うのです。ところが、二時間以内ということになると、あまりにも区分が大き過ぎる。この程度の疲労度というのはものすごくエネルギーの消耗になると思う。特に東京の場合の交通のあの状態から考えて、私も、この宿舎が足らないということから、五等級以下の人がほとんどだ。これはむろん、いろいろ参議院のほうでも考え方があろうかと思うけれども、私はやっぱり一時間半以内にして、一時間半以上のものが一体どのくらいおるのか、それには、この交通の便の悪いときに、四時間も時間を費やすということは、だれが考えてみたって、産業の戦士であるならば、これはもうほとんど能率はあがりません。大体一時間半以内ならばまだしも、一時間半以上ということになると、私はこれはたいへんではないかと思うのです。したがって、この点は早急に、これは相澤委員もおっしゃったように、計画を立ててもらいたいという希望を申し上げておきます。  もう一つは、この施設の整備費というのが、三十九年と四十年にないですね。何もなしで施設は整備しなかったのか。それから、早く言うならば、議員宿舎等も、私が住んでおる清水谷なんか、雨漏りですよ、入ってからずっと漏っています。私、四年になりますけれども、いまだに直っていません。この整備費というのは、ほかに何か使っておるのか、全然これ出ていないようですが、もっとそういう方面の監督といいますか、あるいはまた、そこからの申し出に対しては、真剣に考えてみて私はやるべきではないかと思うのですね。これは参議院の宿舎が雨漏りなんというと、皆さんお笑いになっておるけれども、私はこれがどうして直らぬのかと思うのです。今日のような建築の進んでおる時代に直らなければどうするのか、私は考えるべきじゃないか、この二点だけ申し上げておきます。
  60. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 弾劾裁判所の庁舎の問題、大法廷の建設の件につきましては、柴谷先生が御経験に基づいて御指示がありましたのでございますので、私はつつしんで拝聴いたしておるわけでございますが、その利用度数の点等も考慮いたしまして、なるべく国費の有効な利用に向けたいと思っております。他の委員会室との兼ね合いもございまするので、その点は慎重に考慮していきたいと思います。これらの点につきましては、議院運営委員会に私からも御説明申し上げまして、御了承を得て実施していきたいと存じます。  会館の新設につきましては、外面に似合わず、中の使い方が非常に不便であるという御不満をお漏らしになられましたが、なお、これらの点につきましては、設備の足りないところは職員のサービスをもって補うという趣旨によりまして、管理部の議員会館課の職員も優秀なのを入れまして、それらの面をカバーして十分な利用をしたいと存ずるわけであります。  自動車につきましては、資料に基づきまして御意見がございましたので、これらの点につきましては、毎年議院運営委員会の庶務小委員会等におきまして、十分御審議を練って決定をお願いいたしておるわけでございますが、御意見のあるところを十分お取り次ぎいたしまして、御希望に沿うようにいたしたいと思います。  なお、議長の予備車の件につきましては、議長が新車を購入いたしますると、現在使っておった車を予備車に向けて、予備車であった車は他に流用するということに相なっておりまして、今回も購入いたしましたときは、ちょっと古い型の大型の車でありましたが、あまり御希望されるところもないので、一般の予備軍、議員全般の予備車の中に繰り入れて、いま自動車課で使用しておるようなわけでありまして、もう間もなく配分の時期でございますので、それらの車を御希望があれば配分利用したいと存じます。そのときの指示を待っておる段階でございます。  なお、高山先生の、通勤状況につきましては、私たちも常に心配をいたしておるわけでございまして、職員が遠方から参るということは、能率に非常に差しつかえるわけでございますが、何ぶん、近辺に土地がないものでございまして、宿舎をつくるところ、たとえば青梅橋に独身の宿舎をつくりましたが、これらから通うのも相当努力と思いますけれども、私たちは若い職員をそこへ置きまして、この周辺にもこれから宿舎を建てていこう、こう考えておりますが、何ぶん、予算等の制約もございまして、思うようにまいりませんが、これらの点につきましては、数字のこまかいことは管理部長から御説明申し上げますが、気持ちといたしましては、若い職員は遠く、だんだん年をとってきますと近くというような方針でやっておるようなわけであります。  なお、施設費につきましては管理部長から……。
  61. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) 最初に、これは若干言いわけめいて恐縮でございますが、弾劾裁判所を、会館の中に事務室を設けなかったことについての御質疑でございますが、実は、これは衆議院に比較いたしましての問題でございますけれども、衆議院は会館が二つ建ったわけでございます。会館の中に収容しております議員室の数は、参議院に比しましてやや倍でございますから、したがって、議員室以外の分が倍できたわけでございます。したがいまして、事務室の余裕というものも倍になったわけでございます。そのために、参議院といたしましては、この前の議事堂の前にありました常任委員会、それから木造の建物の中にありました法制局を会館の中に収容いたしますと、それで非常に余分が少なくなってしまいましたために、弾劾裁判所まで手が回らなかったのが実は実情でございまして、まあ、それでも従来の事務室よりも若干いいところにお移り願ってがまんをしていただく、なお将来は、独立と申しますか、弾劾裁判所のための庁舎を考えまして、そこへお入りいただくというふうには考えている次第でございます。  それから次に、公務員の入居の状況でございますけれども、これは現在のたてまえでは、前回も申し上げましたが、特段の事由のない限り、省庁別の宿舎、すなわち、参議院は参議院で持っている宿舎を建てるということがきわめて困難になったわけでございます。これは前回も申し上げましたが、国設宿舎法というのが制定されまして、公務員の宿舎は一括して国が建て、それを困窮度に応じて各省庁に分配する、こういうたてまえになりましたために、従来持っておりました省庁別宿舎のほかには、大体合同宿舎の割り当てを受けるという関係になってまいったわけでございます。この合同宿舎の建て方につきましては、いろいろ意見も述べる機会もございますけれども、たてまえが、概して申し上げますと、この表でもおわかりになりますと思いますが、大体上級の公務員の宿舎を近くに建て、下級の公務員の宿舎を遠くに建てるというようなたてまえになっておりますために、割り当てもしたがって一時間半以上のものがかなりの数割り当てられる、こういうことになっております。できれば合同宿舎そのものの建て方につきましても、なるべく近いところに建てていただく、それを配分していただきたい、私どもはそういうふうに念願しておるわけでございますが、なかなか土地の取得の状況等によりまして、そうもまいらないのではないかと存じておるわけでございます。なお、ただいまの若い者を遠くという趣旨では、まあ下級者は若いわけでございますから、年をとれば近くに入ってこれるということは、うちの省庁別の宿舎についても言えることでございます。自然にそういう運用になっておることは、ただいま総長から御説明申し上げたとおりでございます。  それから三十九年度、四十年度に施設整備費がなくて、四十一年度にあるのはどういうわけかというお尋ねでございますが、これはこの表をごらんになりますと、その上に「各所新営及改修費」というのがございます。本年度からこれが名前が変わったわけでございます。この内容は、いろいろ議事堂の建物、その他参議院が所管しております建物の補修と申しますか、だんだん議事堂も三十数年たちますために、たとえば電燈の引き込み線でありますとか、電話の被覆線でありますとか、そういうものが次第に摩滅してまいりますので、そういったものの引きかえとか、あるいはエレベーターの改修であるとか、そういったことで各別に要求いたしまして、その工事について予算がついてくる、こういう関係になっております。  なお、清水谷の宿舎の雨漏りということでたいへん恐縮でございますが、実はこれも言いわけめいて恐縮でございますが、地下鉄の工事及び高速道路の工事によりまして、あそこの清水谷の宿舎を建築いたしました場所の下の地下水が全部抜けてしまいまして、そのためにひどい地盤の沈下をいたしておるわけでございます。これは玄関のところをごらんになるとわかりますが、相当地面と建物の差がついてしまっておるわけでございます。これはそういう関係で、コンクリートにクラックが入りまして雨漏りがするということで、これは実はまわりからクラックを埋める作業をやっておるわけでございますが、そのクラックが非常に広く深く入っておりますために、なかなかとまらないためにごめいわくをかけておりまして、これはいずれの日にか、まあ、こわして建て直すか、あるいは根本的に地盤の下がただ松のくいを打ってあるだけでございますから、基礎をやり直すか、いずれかの方法をとらなければ根本的には解決いたしませんので、それまでの間は、できるだけ原因を発見いたしまして、雨漏りをとめることにつとめたいと存じますが、経過はそういうようなことでございます。
  62. 高山恒雄

    高山恒雄君 これは総長にひとつ希望意見を申し上げたいのですが、いま説明を聞いておりますと、下級のは若い層の方だからいいということですけれども、私が申し上げているのは、一時間半以上というのはもう無理だ、こういう見方をしてもらいたいと思うのです。やっぱり幾ら遠くても一時間半までだ。その点を考えてもらわないと、若い、年寄りじゃないと思う。やはり二時間以上と言いますと、八時間勤務しましても十二時間ですから、これは常識外です、東京の場合は特に。だから、一時間半以内、それで十一時間です。その点をひとつやっぱり考慮してもらいたい。したがって、宿舎も早急に、やっぱり統一するということでありましょうけれども、その点はそういう発言のように早急にやっていただくほうがいいのではないか、こういうふうに考えます。
  63. 柴谷要

    ○柴谷要君 関連して。自動車の関係の運転手の通勤の時間が出ておりますね。これは時間的に見るというと、確かに二時間以上とか三時間とかありますけれども、この人たちが全部宿舎があったら入るかというと、入らぬ事情があって、家からでなければ、宿舎があっても入らないというのがたくさんある。実は私けさ自動車課へ行っていろいろ懇談をしてきた。それで、二時間以上の連中が何人いるのだと言ったら、相当数いる。その中で、それでは宿舎を建ててやったら入れるのかと言えば、入れるのは何人でもない。家庭の事情で私はうちから通う、二時間ぐらいの通勤はいまはあたりまえなので、二時間、三時間はあたりまえです、こういうのがあるのだから、数字だけでは問題にはならない。だから、これは実際に即した、業務上支障を及ぼすというふうなことについては、事務当局はそういうことをさせないように配慮してもらうということで、これはいいと思うのです。これは私けさ少し早目に来て、自動車課へ寄って実情を調べた。そういう事情がありますから、単に時間だけのことでは足りないと思う。  そこで、ついででございますから、別なことをお尋ねしたい。国会だからといって、私は無制限に何でもかんでも充足ができると、こう甘くは見ない。要求をしてもなかなかできないと思う。そこで、国会といえども、やはり合理化が必要ではないかと私は思う。現状のままでいいとは満足していないと思うのです。それはなぜかというと、国会見学などに来ている団体を、衛視さんに案内などさしているというばかげたことは、私はやめたほうがいいと思う。これは一体どうしたらいいかというと、長らく国会に勤務されても、退職をされますと、国会勤務の退職者なんていうのは、外郭団体なんてものはあるものじゃないから、仕事にはありつけないはずです。大体老後といいますか、かなり元気な人が遊ばざるを得ないという現状にある。だから、私は、こういう人のために共済制度でもつくってやったらどうかと思う。そうして国会の中の案内ぐらいはこれらの人にさせる。それから、それだけじゃ収入がないから、つまり、運営ができない、だから、地下にある売店等の経営は、こういう共済制度を設けてやらせる。あるいは、できることならば会館の受付あたりも、これらの人にやらせる。これは親切だと思うのですね。それで、あの前あたりにうろちょろして、どの先生のところに行っていいのかわからない、いなか出の人たちが迷っている、そういう人を見かけた場合には、あなたはどういうお仕事で来たのですか、どの先生のところへ来たのですかというように、親切に扱えるような共済制度を設けて、そういう人にちに仕事を与えるというような考え方はお持ちになっておられませんか。私は、それによって浮く人件費なり経費というものはばく大なものがあると思う。そういうものを浮かして、他の重点的に議員が要求しているような部面を充足させる、こういうような考え方をひとつお考えになっていただきたいと私は思うのですが、このようなお考えはお持ちになられるかどうか、なかったらこれから検討していただけるかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思う。
  64. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 一般職員の宿舎、特にまた、自動車課の職員の宿舎等、その勤務の必要に応じました、高山先生や柴谷先生の仰せの件につきましては、十分慎重に考慮いたしまして、業務の能率に差しつかえないようにいたしていきたいと存じております。  ただいま柴谷先生のお話にありました御意見は、ここ数年と申しますか、もっと前でございますか、いろいろな御議論がございまして、われわれといたしましては、非常に進歩した御議論であると考えておりまして、特にまた、いまお述べになった、ここを退職した職員のあとのめんどを見るというような観点からも、そういう案が考えられておるのでございまするが、これらの点につきましては、非常な決断の要る仕事でございまして、一朝一夕ではとてもできかねるのでございますが、私らといたしましては、いま私たちが主宰しております共済組合等におきましては、売店その他の施設についてこれを経営さしていただいて、かぼそい収入をあげさして、一般職員の福利に多少なりとも役立っておるわけでございます。これらの点につきましても、その共済組合の事業能力と申しましょうか、それらの点につきましても、なかなか仕事が拡充できないわけでございます。さしずめ、もう人件費等で行き詰まるような計算になってしまいまして、いまはその仕事を参議院の職員に大体経営さしておるわけでございまして、それらの点につきましては、営利と、われわれがやっておる共済組合の事業の目的との勘案が非常にむずかしいのでございますが、お示しの点につきましては、これは一大機構が必要でございます。何と申しましても、いまは人件費でございます。私たちはいつも研究いたすのでございまするが、いろいろな付設の機構、たとえば印刷、洗たく、自動車、タクシー、そういった方面から庁内のクリーナーに至るまで、いろいろな仕事があるのでございます。これらの人件費を見てこれが運営をはかるというようなことは並みたいていのことではないのでございまするが、いろいろのお示しでございまするので、われわれといたしましては、これらの点を常に考えてこれから処置していきたいと思います。
  65. 柴谷要

    ○柴谷要君 たいへん事務総長はむずかしくお考えのようですが、それは確かにむずかしい問題かと思いますが、やる意思があればできると思うのです。いまの地下の売店等の形式を見ていると、あれじゃやはり採算が合いませんね。私は、採算が合う方法がある。これはばかげた話をするようですけれども、国鉄の退職者が上野の駅で列車を待ち合いをする人たちにあのいすを、簡単ないすをつくって貸して、それで一回十円ずつで貸して列車に乗せるのです。あれで数十人の人が生活ができるのですよ。だから、国会に来る人を案内をする、衛視さんが案内をする、これは衛視さんに月給を払ってあの人たちを案内しておられるわけですね。だから、年間その額に匹敵するものをやれとは言いませんけれども、それよりも安い額を補助金としてあなた方が出される、あるいは会館の受付をやっておる方々の人件費というものは相当の額のものがある、そういうものに見合うというか、そういうものを国会としてそういう団体に多少でも補助する、しかし、いま衛視さんなんかの仕事は、そんな案内役なんというものではない、もっと重責をになった院内の仕事をやられるわけですから。だから、案内役ぐらいのことに考えておるから、給与の面などにおいても軽々しく考えられる節があるのです。だから、もっと本来の姿の仕事をやってもらうようにして、そうして、そういういわば退職者の方とかでもできるような仕事はそういう人にまかせる、こういう形でひとつ十分検討してごらんなさい。やってできないことはないと思います。そうしまするというと、何といいますか、年数が来た人をあなた方が慫慂するということは、退職慫慂するということはたいへんなことだと思うのです。ところが、共済制度ができておるし、安んじて退職ができる、こういう形になれば一挙両得じゃありませんか。これは議員といえども相当協力すると思うのですよ、その点は。また、大蔵省だってそういうことになれば、それは協力してくれると思うのです。だから、そういう点をしかるべく検討する、そのために、この前私が申し上げたように、職員の給与の問題だけの小委員会でなしに、もろもろの問題を検討する委員会をつくられるということに、ひとつ総長さんは努力なさったらいかがですか。私はこれを主張したいと思うのです。そうして、その委員会で議員の諸君のいろいろ知恵を働かさせて、それでそういうものをでっち上げさせるような方向に努力を続けさせるということですね、議員をうまく利用する、使う、こういうこともあって私は事務局はしかるべきだと思うのです。そういう点で小委員会というものを私は提案したのでありますが、あれをひとつ忘れないで、そういう方面までも検討するようにひとつ研究していただきたいということを要望して私は質問を終わります。     ―――――――――――――
  66. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員の異動について報告いたします。  本日、内田芳郎君が委員を辞任され、その補欠として楠正俊君が選任されました。     ―――――――――――――
  67. 相澤重明

    ○相澤重明君 各委員からもだいぶ合理化問題やら金の捻出方について、貴重な御意見が述べられました。そういうことはやはり時間をかけなければいかぬと思いますから、十分御研究をいただきたいと思います。  それから大蔵省の主計局次長がおりますが、次長に質問する時間がございませんから、よく聞いておいて、帰って報告しながら、ひとつ国会の意思を尊重するようにやってもらいたい。まだ、岩間委員や二宮委員から御質問があるようですから、私はできるだけはしょって言います。  そこでお尋ねをいたしますのは、組織、機構の問題であります。手元に資料をちょうだいいたしましたこの組織、機構について、参議院と衆議院との違いをひとつ御説明いただきたいと思います。どういうふうに違うか。これに出ておりますが、私は率直に言って、大きいから、小さいから、院の構成が違うから、これは小さいほうは少なくていい、課を、あるいは部をなくしてもいいということには私はならぬと思う。両院は、それぞれのいわゆる国権の最高機関としての権能を持っている。したがって私は、衆議院にある部課というものは、やはり参議院でも存置をしなければならぬ、こういうふうに私は考える。ただ特殊性のものについて、先ほども総長からも一部御答弁があったようでございますが、私は、原則として衆議院、参議院それぞれは独自性を憲法上持っておるわけでありますから、同じ組織、機構でなくてはならない、こういうふうに考えるが、これについて違いの点は何か、それを改善する意思があるかないか。私は先日もアメリカの下院議会に出席し、上院議会にも出席したのですが、私はこの点を見ると、あるいはまだ少し日本の国会は、参議院のほうは少しそういう点が少ないんじゃないか、こういう点を思うのですが、そこでひとつ事務総長に、衆議院と参議院との機構、組織の違いはどこか、その違うのはなぜか、それを改善する意思があるか、こういう点についてひとつお答えをいただきたいと思うんです。  それから、それに伴うところの人事の問題であります。私は、級別定数等を御報告をいただいたわけでありますけれども、これらについても、当然衆議院の人数が多いから級別定数も多い、あるいは参議院は少ないから、少なくてもいいということにはならぬと、こう思う。そういう組織、機構のあり方の中で人事の問題もやはり進めていくべきではないか。つまり、衆議院であるものは参議院も持つ、こういう形で独立機関としての私は機能というものを十分発揮できるようにしてもらいたい。これは特にそういう強い私の意見でございますから、事務総長からお答えをいただきたいと思うのです。  それから、先ほど弾裁の庁舎の問題を国会周辺の整備に関してお尋ねをいたしましたが、お答えが事務局長からございましたが、やはり訴追委員会、弾裁ともに、こういう点については、独立機関として私は機能が発揮できるようにすべきだという考え、先ほどは議院運営委員会にも独立機関としての合同庁舎の設置を提案してあるようでありますが、それはいつごろしたのか、その文書を私は提出をしてほしい。大蔵省が、いわゆる国会の経費がかさむからということで、これら関係機関に対するところの経費を出せないということはないと思う。これは要は認識の問題であるし、国権の最高機関である国会のいわゆる任務が十分遂行できないということは、大蔵省の四の五のいう言に左右される理由にはならぬと私は思う。この点はきびしく憲法上の解釈をわれわれはとるべきである、こういうふうに思いますので、いまの点の弾裁や訴追委員会のいわゆる合同庁舎設置等の問題について、その意見書を提出されたならば、それらの資料を御提出をいただきたいと思います。  それからさらにいま一つの点は、これは会計の取り扱いの問題であります。事務総長に特にこの点の御意見を聞きたいのでありますが、衆議院は、国会議員の歳費等の支払いについて議員会館でこれが行なわれておる。ところが、本院においてはこの議事堂の中で歳費等の支払いを受けておる。もちろん私は、国会が開会中であればこれは当然のものとして了承いたします。けれども、議員が、いわゆる議会が開会中でなくて休会中の場合には、議員会館には必要があっても、本院の中に来るということはなかなかたいへんだと私は思う。あるいは議員自身ばかりじゃなくて、秘書も一々院内に入るのはなかなかたいへんだ、そういう面で考えてくると、衆議院がいま行なっておると私は聞いておるのでありますが、衆議院が議員会館において歳費等の支払いを行なっておるのに、参議院ができない、こういうことは私はないと思う。そういう意味で、議員会館におけるそれらの事務手続等が行なえるものかどうか。これはもちろん警備あるいは事故等の防止考えていかなければならぬけれども、衆議院で行なえることがなぜ参議院でできないかという疑問が出てくる。そういう点で、衆議院が行なっておると私は聞いておるんだが、そういう点を承知しておるかどうか。承知しておるとすれば、衆議院と同じような扱い方ができるのかどうか、この点については特にひとつ総長の意見を聞きたい。  これで私は質問を、たくさんあるけれども、一応きょうは終わりますが、実は私のほうに、議員のかなりの人から、一度決算委員会でそういう話をしてくれぬかという話があったのは、職員の電話の応答の態度がよくない、きわめて横柄である、こういう話が同僚議員から私にあって、決算委員会の際に一度総長の姿勢をただせ、こういうことがありました。私の聞いているところでは、あまりそうはないように思うけれども、しかし言われてみると、これは私が言うのが一番いいと思う。私も国会十年で、この決算委員会をずっと担当してまいりましたが、いままでこういうことを一ぺんも言ったことはございません。ございませんが、やはり言うべきときには言わなければいかぬと思う。そこで、議員に対して、電話の応対の態度が、やはりお互いに人権を尊重するんでありますから、私は何も卑屈な態度になれとは言いません。けれども、その点はどういうふうに教育をしているのか、どういうふうに職員を統率しているのか、これについては、やはり私ども同僚議員から意見のあることについては率直に私から申し上げて、そして自後そういう苦情が私どもに来ないようにしてもらいたい。これはまあ私が少し長かったために口の悪いことを申し上げてたいへん恐縮でありますが、要は、決算委員会に全部の人が出席することではないので、そういう点については、私がどの人、だれ、いつ、どうと、こういうことは申し上げません。申し上げませんが、そういう点をお互いにひとつ仲よく仕事をやっていきたいために、感情論に走らないようにひとつ職員側を統率をしてほしい、こういう点を私から要望を申し上げまして、きょうたいへん関係者に御苦労いただいたことをお礼を申し上げて私の質問を終わります。
  68. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 第一の両院の組織、機構の問題でございまするが、事務局といたしますれば、衆議院も参議院も全く同じ部課制をつくっていただければ、その連絡調整等につきましては一番いいのでございまするが、昔からの伝統を持っておりまするので、ごくささいなところにおきましては異なった機構に相なっております。たとえば一番最初の秘書室、人事課等を部外に出しておるのでございますが、衆議院は秘書課だけを部外に出しておるとか、こういうこまかい点につきましては違うのでございまするが、私たちといたしましては、先生お示しの両院全く同じ機構でいかなければならないという点につきましては、私らもそうかたく信じておるのでございまするが、人員の多少によりまして、この点参議院が五課ばかり少ないのでございます。申し上げますと、警務部に一課、庶務部に一課、管理部に一課、それからもう一つは、議員会館課は衆議院は二つございまするが、これは衆議院に議員会館課が多いのは無理もないわけでございますが、渉外部に一課、こういう状況で、計五課少ないわけでございます。これらの点につきましては、大蔵省の何ぶんの御協力をいただきまして、必要な限度には同等にさせていただくようにお願いを申し上げるつもりでございます。  それから最後の議員会館の件について、歳費の支払い等につきましては、管理部長から申し上げます。  職員の応答につきましては、非常なおしかりをいただいたわけでありまするが、私もこの職場では長いほうでございまして、よく熟知しておると申しておるわけでございまするが、何ぶん、参議院早々の間にはいろいろな職員を採用いたしまして、私らの目から見まして、国会職員としてはなはだおもしろくないという者がずいぶん多かったのでございまするが、しかし、自来二十年になんなんとする経歴を経ましたので、私といたしましては、いま先生からおしかりをいただくような職員はあったのかどうか、ほんとうに少ないんじゃないかと、こう私は思うのでございまして、大部分の職員は、国会職員の職分というものを十分認識いたしまして勤務をいたしておるものと私は確信をいたしておりまするが、何ぶんの御指摘でございまするので、各部課長に聞き合わせまして、そういう不心得な職員のないように注意いたしたいと思います。特にまた電話等につきましては、何ぶん非常な誤解を生ずるのでございます。職員はもちろんでございまするが、交換手等の職員は非常な注意を払っておるのでございまして、あそこにはもう昔から長いことおったあの監督の有能な婦人職員がおられるわけでございまして、それらは常に新しい交換手を訓育しておると、私は報告を聞いておりますので、これらの点につきましては御迷惑はかかっておらないんじゃないか。特に、最初に受け付ける交換手等の応待は十分注意させていきたいと思っておりますが、その他一般の職員につきましては、私から御意思のあるところをさっそく伝えまして、あやまちのないようにいたしたいと思います。
  69. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) 歳費の支払いの点について申し上げます。  実は、これ端的に申しまして、会計課が衆議院におきましては会館のほうに移ったわけでございます。会計課の部屋で払っておるのが事実でございます。したがって、こちらは会計課は本館の中にあり、衆議院は会館の中に移りましたために、そういう違いが出てきました。ただ、参議院といたしましては、会館で払うことはやれば可能でございますので、なお御希望を伺いました上で、そのほうが便宜であれば会館で支払うように措置をいたしたい、かように存じます。
  70. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いま相澤委員のほうから資料要求がありました、弾劾裁判所のほうよろしゅうございますか。
  71. 内田喜一

    ○裁判官弾劾裁判所参事(内田喜一君) 弾劾裁判所といたしましては、訴追委員会と共同いたしまして独立庁舎の建設に非常に努力をいたしまして、三十五年の七月二十一日に、各関係方面に要望書を提出いたしておりますものでございますから、後刻庁舎新営に関する要望書を調製いたしまして提出いたしたいと思います。
  72. 二宮文造

    ○二宮文造君 だいぶおそくなりましたので、簡単に質問申し、また要領よく答弁を願いたいのですが、従来、非常に私ども関心を持ちながらその機会がなくて、不勉強のまま今日まで終わってしまいました。幸い、ここに資料も出していただきましたので、二、三点お伺いしたいわけです。  その初めに、国会の事務局の職員の採用とか、あるいはその後の配置転換、まあ特に私がお伺いしたいのは採用の大綱です。その事務局の職員の場合と、それから、ここにあります常任委員会の調査室の室員、この採用のほうはどういうような経路をたどって、手続をもって採用されますか。それをお伺いしたい。
  73. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 職員の採用につきましては、一般行政庁と同様に、私どもは、秋ごろ採用試験を実施いたしまして、これに基づきまして採用をいたしておるわけでございますが……。
  74. 二宮文造

    ○二宮文造君 それで、なお出していただいた資料見ておりますと、各部課別現在員表の中に、行政職(一)、それから行政職(二)と、こういう区分けがございます。私ども、ちらりほらりと、従来も職員の方の話として、どうもこれは不合理であると、(一)、(二)の差別はとってもらいたい、何かこれは給与のほうで非常に年数を経るごとに差別が出てきて、納得できないというふうな話になるわけですが、この点はどうでしょうか。
  75. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 行(二)の問題につきましては、先年来非常な問題になっておりまして、議運委員会の理事会、庶務小委員会等につきましても、非常な御審議を願っておりまして、また、予算をいただくときの交渉等におきまして、その問題を論議いたしたわけでございまするが、幸い本年度は、行(二)の職員から三十名行(一)に振りかえる定員をいただきましたものですから、これらの点につきまして、はなはだその数は少ないわけでございまするが、こういう方法をもちまして、来年、再来年に、われわれはこの行(二)の実質的解消ができるんじゃないかと思うわけでございます。先生お示しのように、行(二)は非常に不合理なのだから、これを撤廃して、すっきり、規定による改廃を行なったほうがいいんじゃないかというような御議論があるのでございまするが、これは行政職一般、国家公務員一般に通ずる問題でございまして、しばらくその線には触れることができないわけでございましたので、便法といたしまして、本年度から実際に私たちは、行政職員(二)の行(一)への振りかえという手段をとりまして、この問題に対処してきておるわけでございまして、今年度はもちろん来年度も努力をいたしていきたいと思います。
  76. 二宮文造

    ○二宮文造君 総長のいまのお話で、国家公務員全般にわたる区分だから、どうこうということはできないとこうおっしゃりながら、幸いにして三十人というようなことばを使われるとすると、総長御自身はここに矛盾を感じていらっしゃるわけですね、不合理を感じているわけですね。それにことしは三十人行(一)のほうに振りかえられた。そうすると、逐年努力をされてなくしていく、こういうふうな考えでいらっしゃるというふうに了解してよろしいですか。
  77. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) さようでございます。
  78. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから私、ちらほらと、用務員室、用員室ということを職員の方から聞くんですが、用員室というのはどこのことですか。用員室、これは通称だろうと思うんですが。
  79. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 庁内の整理、清掃等を担当しておる用務課と申しまして、課に独立いたしましたのが最近、昨年用務課と独立いたしましたのでございまして、前は警務課の一つの分野でありまして、その時代は用員室と言っておりました。警務課から独立いたしまして、用務課と相なったわけでございます。
  80. 二宮文造

    ○二宮文造君 これはことばづかいの問題で、あんまりこまかいことにはなるかもしれませんけれども、私、用員室などと聞きますと、やはり以前の身分の差別というふうな感じをいまだに感ずるわけです。幸い、用務課と名称を変えられたということでございますので、しかも、その給与のいわば身分のほうに行(二)とか行(一)という呼び方がある、これさえも私どもは不合理、こう感じておる際でございますから、特にこういうふうな方も、こまかい配慮をしていただきたい、これは要望しておきます。  それから、これもまた私ども同僚議員に比べますと非常に若輩でもあるのですが、しばしば院内だとか、あるいはあそこの正面玄関なんかで衛視の方に挙手の礼をされまして面くらうのですよ。これは外からこの国会を参観された人も、そういう気配を見まして、国会の中にはいまだに事大主義がある、こういうふうに批判をしている面もあるのです。もちろん衛視の方が着帽しておりますから、それで、したがって惰性で挙手の礼をなすっているかもわかりませんけれども、中には直立不動の姿勢で敬礼をされてかえってこっちが面くらう。これは何か衛視のそういうふうな規則としてきめられたことがあるのですか。それとも自然的にああいうかっこうになっているのですか、この点はどうでしょう。
  81. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 用員室から用務課に転じた件につきましては、私たちは用務ということばにも、先生がおっしゃるような配慮に基づきまして昔のことばを改正いたしまして用務ということばを使ったわけでございまして、それらの点に対する配慮を怠っておるわけではございません。  それから衛視の敬礼につきましては、事務局の職員のうちで特に特殊な規律を要する点でございまして、私たちといたしましては、厳正な規律を保っていただきたいというふうに考えておりますので、警務部の職員のすみずみに至るまで厳格な態度をとってもらう、しかも、制服制帽をつけて、いいかげんなあいさつをすることがないようにということをかたく警務部長等には指示しておるわけでございまして、非常に反時代的ということばがありましたですけれども、私たちは規律という点に思いをいたしまして、警務部の職員の厳正なる態度を実は要望しておるわけでございまして、その点誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  82. 二宮文造

    ○二宮文造君 厳正な規律――なるほど衛視の方の職責の上からまことに当然だろうと思うのです。しかし、厳正な規律だから挙手の礼をしなければならぬということは私はないと思う。まして院内です。廊下ですれ違いましても一々挙手の礼をされる、あるいは正面の玄関で朝のあいさつ、これなんかは私はかりにあってもよろしいかと思う。しかし、その場合は着帽されている方もおれば着帽されていない方もおる。席に着いていらっしゃるわけですからね、私はあえて着帽しないでもいいじゃないか、あるいは院内の廊下で会った場合、これはもう当然みんな朝あいさつしているわけですから、あらためてここで挙手の礼をしなければ厳正な規律にはならぬ、こう私は解釈しないわけですがね、どうでしょうか。
  83. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 警務部長からちょっと……。
  84. 二見次夫

    ○参事(二見次夫君) 規定の上で特に議員に対して院内においてごあいさつの際に敬礼すべしということは規定しておりません。しかし、いまも事務総長から御説明申しましたように、議警職というのは最も規律を重んじなければならないというその職務の性質にかんがみまして、院内で先生方にお会いした場合にも、ごあいさつの場合にも挙手の礼をするということを、そういうたてまえからいままでいたしておったわけでございます。
  85. 二宮文造

    ○二宮文造君 矛盾を感じればやめたほうがいいでしょう。
  86. 二見次夫

    ○参事(二見次夫君) いまの御意見十分検討したいと思います。
  87. 二宮文造

    ○二宮文造君 それはひとつほんとうに、われわれ敬礼をするとか礼をされるとかいう場合には、親しみを持ってあいさつ程度でよろしいのじゃないかと思うのです。それが規律には別に関係はない。もっと厳正にやっていただきたい面はほかの面にある、こう思いますので検討を要望しておきます。  それからいま一点。これはもとの副議長公邸ですね、それとそれから都道府県会館との土地の交換の問題でございますが、この経緯をちょっとお知らせ願いたい。
  88. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 管理部長から……。
  89. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) お尋ねの点につきまして経緯を御説明申し上げます。  現在の平河町にございます副議長公邸は、土地が一千坪、建物が三百四十坪でございますが、昭和三十九年二月七日付をもちまして建設省の告示がございまして、土地が約二面二坪、それに建物の約二割ぐらいもかかることになるのでございますが、これを含みました新道路計画が告示をされまして、この土地及び建物の部分が道路にかかることとなったわけでございます。これは五ヵ年計画でございまして、必ずしも直ちに工事が始まるわけではございませんが、計画決定がなされました以上は、五ヵ年のうちには必ず工事が始まりますもので、その間に副議長公邸を他に求めなければならない、こういう事態になったわけでございます。かたがた現存の副議長公邸は、都道府県会館の建物が南側に建ちましたために口当たりが全然悪くなりまして、居住のため、あるいは昼間会合に使うためにも非常に薄暗くかつ建物の構造も窓が小さく、あるいは設備も不完全でございまして、でき得べくんば、これを他のところに副議長公邸を求めまして、現在の副議長公邸は廃止をしたい、かように思っておったところでございます。たまたま都道府県会館のほうから、会館の建物を増築するためにあの土地を譲渡してもらえないか、道路にかかるようになったのであるし、都道府県会館としても自分のところの建物を建てたために日陰にしてまことに申しわけないが、副議長公邸を他に求めるから、あの土地と交換してもらえないか、こういうお話があったわけでございます。そこで私どもといたしましては、慎重に検討をいたしました上、昭和三十九年十月六日に議院運営委員会の理事会におはかり申し上げまして、現在の副議長公邸を新しい副議長公邸と交換をする、そうして財源に余裕があれば職員用の厚生施設を取得するという方針について御了解を願い、かつ、大蔵省に対しましてその趣旨を伝えまして、非公式でございますが、その方針について了解を得たわけでございます。  その後都道府県会館におきましていろいろの物件を提示されまして、結局池田山の上にあります、品川区の五反田の五丁目六十番地にあります土地八百八十六坪、建物二百四坪及び北多摩郡の大和町にございます土地五千四百坪、独身寮となっております、建物百九十九坪、グランド一面、テニスコート三面、プール一つ、こういうものを含みました厚生施設、この両物件をもちまして副議長公邸と交換してもらいたい、こういう申し出でございますので、私どもといたしましても適当な物件であると認めまして、これを交換することといたしたわけでございます。  その手続をさっそく始めたわけでございますが、実は関東財務局に評価を依頼いたしましたところ、一度この現在の副議長公邸一千坪全部についての評価がなされたわけでございますが、その後関東財務局において検討されました結果、この道路にかかる部分が国有地である場合には、地方自治体に対しまして無償で供与することができることになっておりますので、もう道路が計画決定いたしております以上、この道路にかかる部分についてまで交換の対象物件とすることはいかがかという意見が出まして、財務局で検討されました結果、その部分は交換の物件から除外するという方針がきめられ、都道府県会館及び参議院におきましても、その旨を了解いたしましたので、あらためまして二百坪を除いた約八百坪の土地につきまして、その鑑定をし直す、評価をし直すということになりましたために、相当の期間おくれを生じておりますことは、はなはだ遺憾に存じておるわけでございます。私どもといたしましては、でき得る限り早い機会にこれを交換する手続を済ましたい、かように考えておるわけでございます。
  90. 二宮文造

    ○二宮文造君 そこで、大体交渉の経過はわかりました。現在は、もとの副議長公邸、これが行政財産で残っているわけですね。
  91. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) さようでございます。
  92. 二宮文造

    ○二宮文造君 それから、全部一括して伺います。  池田山の副議長公邸は、現に副議長が使っていらっしゃると思うのです。この所有名義は現在だれになっておりますか。それから、青梅のほうの職員の独身寮はもうすでに建って、これも使っておると私承知しておるのですが、この土地の名義は一体いまだれになっておるか。で、こういうふうにすでに実質的に交換が成立して、もういわゆる実質の居住も始まっているにもかかわらず、事務手続がおくれて、そうしてその価格の交渉がどうだとかこうだとか、手続がどうだとかこうだとかいうところに、私は問題が種々発生してくると思うのです。したがって、そういうふうな事態をよく参酌されて、早く正式の名義を変更されるようせっかく努力をしていただきたい、こう思います。  以上の二点についてお伺いして、私終わりにします。
  93. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) お答えいたします。  現在の平河町の副議長公邸は、これは行政財産として参議院の所管に属しております。それで五反田の、まあ新しいと申しますか、交換の対象となるべき副議長公邸及び青梅橋の厚生施設の土地及びその建物は、財団法人都道府県会館の現在所有でございます。なお、この手続が、実は先ほど申し上げましたような経過でございましたので、手続が早急に済むものと考えまして都道府県会館と協議いたしました結果、お互いにこの物件をあき家にしておきますことは、建物の保守上もよろしくないということで、事実上相互にそれを使う、つまり手続的に申しますれば、行政財産のまま使用を許可し、片一方は事実上借り上げるというかっこうになっておるわけでございます。このような状態は、いずれにいたしましてもいいことでございませんので、できるだけ早い機会に、御指摘のごとく処理をいたしたいと考えております。
  94. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がありませんので、私も要点だけ聞きますからね、要点を答えてください。非常に時間が疲労度に達しておると思う、お互いに。  第一にお聞きしたいのは、この資料をいただいた、そうしますと、超過勤務手当の問題が出てきます。昭和三十九年度は一億三十九万、昭和四十年度は一億四千六百九十万というふうにふえたわけですね。本年度になるとこれが一億一千三百九十八万と減っておる。この理由は、これはどういうことなんですか。端的に答えてくださいよ、長いこと要らぬ。
  95. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) これは当初予算は同一でございますが、減っておりますのは、臨時会及び会期延長の分が決算面には入っております。つまり年度の予算には入っておりますが、当初予算にはないためであります。
  96. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは何ですか、さきのやつは決算のですか、この四十年度……。
  97. 佐藤吉弘

    ○参事(佐藤吉弘君) 予算現額と申しますのは、補正後の現額でございます。
  98. 岩間正男

    ○岩間正男君 この件の経過ですね、経緯は、これは資料で詳しく出してもらいたいと思うのですが、ことしなんかは四十日も会期を延長して、それから相当深夜のあれが続いておるわけですね。労働強化の問題と関連して、単に法定の超過額を出す、こういうことでは実態が補われないのじゃないかと思うのです。これは実態に合わないですよ。各官庁全部そうだ。それを国会に押しつけてきておる。しかし、国会には特殊性があります。非常に超過勤務が多いのだ。すでにもう時間が延びるというのが常套手段になっておるわけです。そこへ持ってきて夜分にしか仕事が始まらない、こういうような特殊性があるわけですね。したがって、大蔵省に対して、そういうような特殊性について当然私は処置を要求するということは正しいと思うので、これを官庁並みのやり方で右へならえというようなやり方でやっておったのでは、実際には一番速記の人も衛視の人も、それから自動車の人も議事部も委員部も、全部の職員がたいへんな負担になる。それで実際はじゅうたんの上に寝ておるとか、もうひどい形でしょう。深夜にはうちへ帰れなくて眠っておる。栄養補給だけでもたいへんです。ところが、衛視の人なんかに聞いてみると、結局一晩超過勤務をやって、それで食事代がまかなえないというような現状じゃないですか。これじゃ元気が出ないのですから、こういうことについて――これは大蔵省の主計局来ていますか。こういう点についてどういう考えを持っておるか、ついでに大蔵の意見をお聞きしたい。主計局の方、意見をこれについて述べてもらいたい。国会の特殊性は、特殊性といってもはなはだしい特殊性だ。この問題について、はっきりどのような補償をするのだ。来てないのですか、帰った……。大蔵省がそういうようなかっこうだからこういうことになる。これは帰って来たら当然聞く。これは保留しておきますから、決意だけ伺っておきたい。端的に言ってください、端的に。どうです。
  99. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 国会が夜間に延びる点につきましては、ここ毎会期あるわけでございまして、その点につきましては、岩間委員のお示しのとおりであります。私たちは大蔵省に対しましても十分御説明申し上げまして、職員の超過勤務等につきましても御配慮をいただくことに相なっております。何ぶんこの線に沿いまして努力をします。
  100. 岩間正男

    ○岩間正男君 お手盛りの感じを持っちゃ悪いのだけれども、しかし特殊性がはっきりあるわけですからね。このしわが一切皆さんにいっているんだから、これは黙って見ていられない。当然これは、はっきりこの点は世論に訴えても明確にできる問題ですから、あまりここのところに遠慮して、そして官庁並みでやっていくという私必要ないんだというふうに考えます。  第二点の問題ですが、人事異動の問題です。人事異動については、私たちまあ職員の人たちの声を聞いているわけです。これは、全部耳に入っているわけじゃないけれども相当これはやっぱり意見がありますよ。具体的に言えば不満な声もあるわけです。これは全然不満の声のない人事異動というのは神さましかできないかもしれないから、そういう無理を言っているわけじゃないのです。私は、ただきめてしまうまでの手続に一つ問題があるのじゃないか。これはどういうふうになっているか。ほかのたとえば官公労の労働組合なんかの場合は、これはやはり職員組合を認めて、そしていろいろ意見を聞いて、できるだけ納得の線でこの人事異動をやるという方針をとっておると思うのですね。当然国会も、むろん率先してそういうような方法をこれはとっていただきたいというふうに思うのですが、どうも現状は、前の日あたりに通知されて、そしてもう天下りにきめられる。それはもうそのままで何ともならぬというのが実情だというふうに伺って、これじゃやっぱり国会の民主化の問題、具体的に民主化とは何ぞや、はっきりしている問題ですからね、こういうことがお互いの団結と、そうしてほんとうにここの仕事をよく運営する一つの相互理解ということにつながっていくわけです。そしてそのことは、国会の民主的運営というものを保障する大きな基礎になるわけですね。そういう点から考えて、これは事務総長はどういうふうに処置されるか、この点をお伺いしたいと思います。
  101. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 人事の点につきましては、これは厳正公平に行なわなければならないことは申し上げるまでもないわけでありまして、人事課長が中心になりまして、各部課長と相談いたしまして原案を練るわけでありまして、それを次長が裁断を下しまして、私のところへ裁断が持ってこられるような仕組みに相なっておりますが、いま岩間先生のお話にありましたように、組合とはどうか、こういう問題でございますが、人事権につきましては、組合はこれにとやかく言う筋ではないのでございまして、しかし私といた生しては、組合と定期的に会合をし、あるいはまた臨時に、事件が起きますごとに会談をいたしまして、組合の意のあるところは十分聞いておるわけでございまして、そのときにおきましても、組合は非常に自制をいたしておりまして、具体的な人事についてはとやかく申しません、ここの組合の幹部の諸君は。一般的な人事の方針、われわれが考えなければならないような点につきましては、組合の諸君から十分意見を聞いて、私はむしろ参考にいたしておるわけでございまして、重要なる度合いにおきまして参考にいたして人事を行なっております。組合自身の自制心に非常な敬意を表しておりまして、ただ具体的にこの問題について、組合がどうのこうの、こういうようなことは、かつてございません。その点は御心配のないようにひとつお願いいたします。
  102. 岩間正男

    ○岩間正男君 あなたの耳は必ずしも大きくない。全体のなにが浸透しないというのは事実だと思うんです。われわれの耳に入ってくるのがあなたたちの耳に入らないということはありますから、ですから、これは確信をお持ちになるのはけっこうですけれども、しかしもう念には念を入れて、これはほんとうに聞くということが必要だと思う。第一人事権に関与する権利はないというふうなしゃくし定木じゃなくて、運用の問題です。どういうふうにやはり組合を認めて、そうしてほんとうにあなたの仕事を遂行される上においても、組合が納得して、そうしてほんとうに愉快に協力をする場合と、それから内心は不満だけれども、そういう不満を顔に出すというと、自分の首のほうがあぶないのじゃないかという、そういうことはあるかないかわかりませんけれども、そういう形でいったんではこれはまずい。ですから私はこの運営について、少なくともこれは国公の労働組合なんかは相当ね――いまこの人事権あるなしの問題をここで論争しようとは思いません、ないのが実際おかしいのです。それをいま御承知のようにILOの批准に伴う国内法の規定でもってどんどん締めてきている。これは必ずしもいいことじゃないのです。民主的なことを看板にしている国会において、そういう点では私は十分考慮する必要がある。だから組合の意見をとにかく聞いておって、そうして同じやり方でも、前の日あたりに天下り的にぱあっと来て、もうそこには自分の意見をいれる余地がない、希望を述べる余地がないということじゃまずいですから、そういう運用について、十分にやはり理解のある態度で臨んでいただきたいと、こういうことなんです。いかがでしょうか。
  103. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) ただいま岩間議員がお述べになったそのとおりに私は考えておりまして、事務局職員の異動につきましては、十分その実情を把握しまして、なるべく不満のないように取り計らっていきたいという方針でございます。
  104. 岩間正男

    ○岩間正男君 ただいまの御答弁を確認して、ぜひそのように今後ますます御努力を願いたい。  第三の問題ですが、定年制の問題ですね、一般職員の場合だと、定年は内規で六十三歳というふうになっていると思うのです。しかしそれはあくまでも勧奨の基準であって、どうもこのように勧奨と称しながら実際は半強制的に首を切られているというのが現状だと思います。で、国会ではまあどうなっているか、この点お聞かせを願いたいのでありますが、やはり本人の納得ということは、これはむろん人事権のさっきの問題と関連する同じような趣旨からでありますけれども、その点を納得ずくで話し合いをしてやる、やめるまでの一年間はこれは二号俸引き上げてやるなどというそういうことで、あらゆる手を使って退職を迫るというようなことが行なわれているのですが、そういうようなことは何といいますか、その人の基本的な権利なんだから、それを二号俸上げるからどうだということで、何といいますか、目の前にえさをぶら下げて、それでやはりやめざるを得ないというようにこれはいったんではまずいという感じがしますね。ですから、退職を私は強制すべきじゃない。これはあくまでも納得本位の、そういう本人の希望をいれ、そうして老後のことを考える、こういう立場にやはり総長さんが立たれるということは、これは非常に職員に対して私は信頼を深める、したがってあなたの仕事を積極的に前進させる、そういうことに私はあずかって力がある、こういう点から申し上げているのです。この点いかがでしょう。
  105. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 定年になりました退職は、いま法制的な基礎もないわけでございまして、申し上げるまでもなく、われわれは運用でこれをまかなっているわけでございます。りっぱな社会保障制度ができて、また定年退職法もできまして、長年働いた職員が円満に退職をしていくという時期の早からんことを祈っているわけでございますが、その過渡期のものといたしまして、私たちは行政庁とはこの事務局の立場が違うものでございまするから、それらを勘案いたしまして、数年前から一般職員については六十三歳、それから用務課の職員については六十七歳、特に満年齢等の関係からもいまは満六十四歳、それから後者のほうは六十八歳、こういう原則に相なっているわけでございまして、しばらくこの線で退職を願っているわけでありまして、お示しのとおり職員の了解を得た上で実施しているわけでございますから、特に病気とかあるいはまたいろいろな点につきましては、それらの職員を勘案いたしまして特殊な取り扱いも間々ございますが、これらの点につきましては、私といたしましては、私はここに長いものでございますから、直接お話をしてやめていただいた職員が数多くあるわけでございますが、部課長が初めにやりまして、その次は次長なり私なりがよく懇談をいたす、こういう組織に相なっております。部課長ももうここに何十年勤務いたしておる職員でございまするから、十分部下の事情は知っておるのでございまして、その間において行き過ぎというようなことは私はないものと思います。特にまたいま岩間議員が、二号俸を上げて、これをえさにして職員をどうのこうのというお話でございまするが、これは私は心外でございまして、長年ここの職員をつとめました諸君に、まあここで申し上げてもはなはだ失礼でございまするが、先ほどのお話にあったとおり、外郭団体があるわけじゃない、お世話する能力は事務総長はなはだ微力でございますので、それらの点も勘案いたしまして、規程の運用の範囲内でなるべく給与等も高くして、それで退職金なり年金なりの基礎に幾らかでも有利になるような取り計らいをいたすのでございまして、えさをぶら下げてやめさせるというようなことばは私は非常に残念であります。
  106. 岩間正男

    ○岩間正男君 そのえさ云々というのは、ほかでそういうこともあるやに聞いているということを言ったんです。あなたのことを言ったんでないですから、そこのところをあなたは誤解されないように、これは訂正を願いたい。まさか国会の事務総長がそういうことはされまいというふうにわれわれは信じてるんですからね。だから、そういうことは今後あり得ないだろうというふうに確認しておいてもいいんじゃないかというふうに思うわけですが、これはまああくまで内規的な問題なんで、そこのところはしゃくし定木だけにはいかない。あなたのほうも一応そういう内規をつくれということで上から来てるかもしれないけれども、事は国会の問題です。だから、そこのところは運営の面で十分に考えていただきたい。  次に、いま当面するILOの、管理職を決定する問題ですね。これは人事院の大体方針がきのう発表されたわけですけれども、これは非常に職員は心配してるわけですね。それからこれは当然、労働三権による団結権のあれから非常に問題がある。きのうも私は裁判所の問題を問題にしたわけなんです。国会の場合はどうなんです、これは人事院のああいう方針というようなことでいくのか。まあ基本的に私たち申しますと、今度のILOに伴うあのような政令のやり方は大反対、基本的にあんなことをすべきじゃない。しかし、一般的に人事院あたりからそういう基準を示してやれというふうに迫ってくる現実もあるから、そういう中で具体的な問題としてこれはどういうふうに考えておられるか。これも私はほかの一般の国会の諸君なんかとはやはり違った性格があると思うんですね。そういう中で特にどの範囲にこれは持っていくんですか。何かまあいろいろ賃金をきめるようなところとか、部課長はむろんのこと、それから課長代理あたり、そういうところを考えているというふうにこれは聞いているんですけれども、大体どういうふうな……、それから衛視さんの場合なんかはどういうふうに考えておられるのか。自動車課の運転手さんの場合もございます。これはどういうことでございましょう。
  107. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) ただいま問題となっておりまする、ILO条約に基づく国内法の改正の点につきましては、私ども国会職員の立場と申しますか、この点に勘案いたしますれば、人事院のとおりにこれを実施するというようなことではないし、人事院の指示に従うということではないのでございますけれども、一般国家公務員の一員でございますので、天下の大勢に順応して、これを改正していくという方針は持っておりますが、ただいまお示しの管理職をどの範囲にきめるのか、あるいはまた従来、警察官とは異なりまするけれども、衛視諸君が組合に入っているわけでございます。これらの点についてどうするか、あるいはまた自動車課とかいろんな点もございまするが、これらの点につきましては、衆議院とも十分連絡をとらなければ相ならぬ問題でございまして、いまこの段階でこまかいことを申し上げる時期に達しておりませんが、何と申しましても天下の大勢でございますので、現在よりも厳にそれを規制するというようなことはできないのじゃないか、なるべくILO条約の趣旨に沿って緩和した取り扱いをしていきたいというのが私どもの気持ちでございます。
  108. 岩間正男

    ○岩間正男君 この問題できのう最高裁判所にも申し上げたのですが、やはりあそこでは職員組合といままで数回にわたって話し合いを持っているわけです。国会なんかでもやはりそうしていただくということが私は非常にいいのじゃないかと思う。もう一つは特殊性の問題について、きのう最高裁判所で出たのですよ。私は特殊性としては法律を守る番人として、しかも労働三権を尊重する、団結権をほんとうに認める、これが基本的な憲法の精神でありますから、国会では当然これは最高の機関として、立法府としては私はそういう点で考える必要がある。ここに自民党の方がいらっしゃいますけれども、そういう圧力なんてこれは加わるとは考えていませんけれども、とにかく政令のやり方については私は慎重を、そしてあくまでそういう基本的な憲法に保障されたものを守り抜くということが必要だ、こういうふうに考えております。大勢ということもございますけれども、これは大勢に押されて、そして何でもやむを得ないというかっこうでいくのじゃやはりまずいというふうに考えますから、ここはあくまで立法府としての、国権の最高機関としてのそういう立場、法を守る、そういうような立場から、これはやはり考えていただきたいということを特に付加しておきたいと思うのです。具体的にどうでしょう。これは職員組合の人たちの意見を聞くとか、それから交渉をやる、そういう点についてはお考えになっていらっしゃいますか。
  109. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) この点につきましては、組合とはもう相当前から機会あるごとに私は話しております。もう次長も人事課長も何回となく話し合った問題じゃないかと思っております。お示しのような線がございますのは私から申し上げるまでもないわけでありまするが、この大勢に応じた解決策をとっていきたいと私たちは思っております。
  110. 岩間正男

    ○岩間正男君 最後にお聞きしたいのですが、院内の警備の問題ですが、これは議長の要請に基づくもの以外に、警察官は構内へ入ることを許されているのですか。これは議長の要請がなければ入れない、こういうたてまえになっておりますか。この点どうでしょう。
  111. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 院内は議長警察権の支配下にあるのでございまして、議長が正式に内閣を通して派遣を求めた警察官だけが入ることになっております。
  112. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃどういうとき原則的に議長が警察に要請するか。
  113. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 国会が召集される前に、開会中に要するものを百二名を私たちは要求しております。あとはその時勢に応じまして、緊急を要するときは議長の御裁可を得て、その場その場の御要求を申し上げて御派遣をいただいているわけでございます。
  114. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは具体的な問題で、請願デモがくるその前に警察官が構内に待機して入っていることがありますね。これはどうなんです。あれは議長の要請に基づくものなんですか。これはどうなんです。
  115. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 議員面会所の前の警備につきましては、私たちは、警備の面で非常な神経を使っておるわけでございまするが、特に先生方があすこへ出張られた場合は、デモ隊の警備ばかりでなしに、先生方の一身上の安全を確保するために、先生方を擁護する警察官が先生方を取り巻くわけでございますが、あれは全部私たちが派遣を求めた警察官、議長の支配下にある警察官でございます。
  116. 岩間正男

    ○岩間正男君 デモのとき入って待機しているのもそういうことなんですか。一々それやってるわけですか。それからやはり私たち守っていただくのはいいわけですけれどもね、同時にそれが主権者――国民の威圧になるということもあり得るのですよ。警察がとにかくだあっと来てると、私たちを守るそのために来てると思えないので、国民を威圧するために、そういう印象の行なわれるような議長の要請があって運営されては、これはまずいというふうに考えるのです。だからこの点はよほどむずかしい問題です。だんだんなれっこになって、そうしてわれわれのほうはそれほど感じないけれども、しかし国会請願なんかに新たな人がどんどん来るわけだ。その人は非常に異様な感じを持つらしいので、ここのところがやはり警察官の威圧の、何か包囲のもとにある国会というふうな印象を与えることは非常にまずい。だからといって地下室のほうへ隠しておくというのもうまくない。何べんもこれは見たけれども、こういうことじゃうまくないのですが、そういうことですね。  それからメーデーなんかの場合は、これは国会の審議に別に支障を来たさないと思うんだが、メーデーの日はよくいるんだが、あれなんか勤労者の祝日ですよ。そのとき国会にいるのは芳しくないと思う。メーデーの日なんて、まるで労働者を何かこわがって、そして何かそれが侵入でもするんだというような、こういうのはちょっとまずいと思うんですがね。こういう点ははっきり考え直してもらう必要がある。  それからこの前の例だけれども、請願の人たちが請願書を持ってくるわけだ、雨の中ね。そうしたらあそこへ麹町署が出て来て、イチョウの木のところにふさがっちゃって通さないわけです、通さない。代表だけくるんだ、代表だっていろいろたくさん持ってくる人があるでしょう、こっちへ入るのを一々とめている。私たちが行って、そう無理しなさんな、ここをあけて通しなさい、そのほうが早いんだといってあけるわけでしょう。これはおかしいので、これがまあ議長からの要請によってあんなことをやったのか。あんなことをしないで最初からとにかくもうこれはほんとうに、国会は、主権者、人民の前に奉仕するという立場を態度の上でも貫くしかないのですよ。やっぱりちゃんとそう考えたら、態度の上でもしなくちゃならないんですからね。そういう点からいうと、非常にこれはおかしな印象を与えるんですが、具体的に六月二十一日、青年学生共闘会議が国会請願にやってきました。このとき麹町署があんなことをやったのは、具体的にいったらどういうことなんですかね。これは私は国会としても黙っていられない問題だと思って、具体的なことをお聞きするんですが、いかがです。
  117. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 議員面会所における議長の指揮下にある警察官が請願者に威圧を与えるというような点につきましては、われわれも非常に気を使わなければならないと思いまして、先生方の身分をお守りするのが、かえってそういうふうに向かってははなはだ遺憾なことです。そこはひとつよく勘案いたしまして、いろいろな先生方に対する事件も起きたわけでございますので、警察官ともよく相談いたしまして、請願者に威圧を与えないように配慮いたします。  それからメーデーのときのものものしい警戒をおっしゃいましたが、これらの点につきましては、十分慎重に取り計らっていきたいと思います。  なお六月二十一日の事件につきましては警務部長のほうから……。
  118. 二見次夫

    ○参事(二見次夫君) 請願の場合の警備の所管と申しますか、警備範囲のいわばなわ張りと申しますかにつきましては、あの議院の前の歩道がこれは一般警察官の警備範囲になっております。それからあれから内側、つまり院の構内は議院警察職の所管の範囲になっております。したがっていまのお話の点は、これは一般警察権の警備所管の場所でございまして、これにつきましては、警察のほうでやはり混雑を整理するという目的に沿って、そういう臨機の措置をとったものと思います。
  119. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじゃあれはあくまで麹町署の判断によってやったということですね。しかし国会と非常に紙一重のととろなんですね。だから国会で議長さんなんかもあれについては検討されて、麹町署のほうに話されるということも必要だと思うので、必要がある場合もありましょうけれども、まあほとんどそういうふうに人民を疑ってだけいたんではできないので、その点は考えてもらいたい。  全般的に二、三の問題をお聞きしましたけれども、私も国会でこれで十七年目なんです。それで終戦後の国会の様子は見てきたわけですけれども、いろいろそこには変遷もあります。よくなった面もあり悪くなった面もあるわけです。特に権力が非常に変わってくる、それから政党の力関係が変わってくる中で、これはやはり反動化している面があることは指摘せざるを得ない面があるわけです。ですから、そういう中で事務の実際の掌に当たっていられる事務総長さんの苦労もよくわかります。ですけれども、やはりそういう点についてはあくまで民主的な権利を守るということ、それから不偏不党、公平な立場で貫いて、そうして応援していただくことを私は最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。よろしく頼みます。その点についての答弁いただけますか。
  120. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) お示しの点については十分慎重に考慮いたしまして、善処いたします。
  121. 高山恒雄

    高山恒雄君 ほんとうに時間がないので、私も簡単に終わりたいと思いますが、私も人事権の問題ですが、総長の先ほどの答弁で私はそう差しはさむ疑義はないかと考えますが、ただし、たとえば調査ですね、調査室等における人事の点ですが、当然長年勤続してその人を昇格さすればいいものをさせないで他から持ってくる場合ですね。こういう場合は一体部員の意見を聞くことがあるのかないのか。私はおそらく――円滑なやり方をしているとおっしゃるけれども、そういう点ではかなり内部に不平があるんじゃないか。むしろやはり長期勤続者であり、しかもまたそれだけできた人は、むしろそこから昇格をさせるべきだ。いわゆる室長ですね。そういう点はどう考えておるのか。さらにまた、室長以外にここには一つも階級制がない。いわゆる代理制がない。代理制は考える必要がないのかどうか。こういう点について、他にかなり階級制があるのにかかわらず、調査室においては何にもそういうものがない。どうお考えになるのか。なお先ほど私の質問に対して岩間さんのほうからありましたけれども、私はそういう運転手さんの宿舎の問題は別にして、今日単身者の婦人の方ですね。こういう人たちが大体一万八千円から二万円ですよ。しかもその給科を見ますと、大体そういう給料でありながら、自分で借りておる宿舎は八千円ですね。これは安いほうです。六畳で八千円、四畳か四畳半で七千円くらいとられておりますね。そうすると、交通費はこれは定額ですわね。交通費の定額ということになりますと、大体今度の値上がりからいきますと、半期で八千円くらい払わなければいかぬでしょう。一体生活ができるかということを私は心配するんです。反対に参議院の会館の横ちょに今度宿舎ができましたね。その人たち一体優遇と、そういう人との差というものを全然見ていない。これは何としても不公平な取り扱いだと思うのです。私はそういう意味から宿舎を早急にやはり設備をやっていただくか、それともそれが一般公務員との関連性でできないということであれば、特別の措置はないのか。たとえば住宅手当、こういうものを考慮するかしなければ、憲法にうたわれている国民の最低生活ができないような、国会ともあろう公務員が食えない状態に置くということは、私はこれは一般と比較して非常にその点はおくれておるのじゃないか、こういう点は特別考慮してもらいたいと思うのです。あとの段階は、私の希望意見ですが、それだけで私はきょうは終わります。時間もおくれておりますから。
  122. 宮坂完孝

    ○事務総長(宮坂完孝君) 本院の人事、特に調査室の人事につきましては、非常な御配慮を賜った結果の御質疑かと思いますが、室長、専門員の任命につきましては、近年部内から登用するという根本方針を打ち立てられております。単に調査室だけにとどまらず、事務局、法制局、あるいはまたお隣の国立国会図書館、こういうところに人材を求めまして、室長の人事をやっていくと、こういう方針は私たちは堅持して、なるべくその方針に沿うように配慮をいたしております。しかしながら、ときによりますと、適格者がない場合がございまして、これらの点につきましては、その次の補佐する階級の調査員等の人事とかね合いまして、しばらくの間、室長を外部からとって、その後継者が成長して、室長として能力を発揮できるという時期まで待つというような、そういういろいろな便法を講じまして、いま人事をやっておりますので、これは議院運営委員会で御承認を受ける立場になっておりますので、関係の議員の御了承も得て、非常な御配慮のもとに人事を行なっているわけでございまして、先生の御指摘の点に沿ってわれわれは努力しているわけでございます。今後ともまたそういうふうに努力していきたいと思うわけでございます。  なお、調査室には階級制がないというお話でございますが、先年主任調査員というものを設置していただきまして、室長が事故のある場合には、これを代理する制度をつくりまして、この点につきましては、この主任調査員が仕事の代理をする立場上、また部下の統率等においても、室長に次ぐものとして働いているわけでございまして、逐次こういう方面についても改革を行なっているわけでございます。  なお、最後の婦人職員等のことに触れられました。宿舎の点については、全く私どもそのとおりと思いまして、先生のおっしゃるとおりな現在の状況でございますのは、はなはだ嘆かわしい次第でございますが、これらの点につきましても、政府の大きな方針のもとでなければできかねるようなことでございますが、私らといたしましては、運用上なるべくこの趣旨に沿いまして善処をいたしたいということを申し上げるわけでございます。
  123. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十五分散会