○国立国会図書館長(河野義克君) いまお尋ねのうちの最初にございました
連絡調整
委員会、これが最近あまり活発に開会されてないが、その理由はどうかというお尋ねであったと思いますが、
連絡調整
委員会というのは、国立国会図書館法の法律自体に規定されておる機関でございまして、国立国会図書館の活動が行
政府あるいは司法府に対して十全に行なわれておるかどうか、それをさらに十全に行なうためには、どういう点に着目すべきかというような点について、両院の議院運営
委員会に勧告する機関でございます。法律上は国会に対する奉仕につきましても、
連絡調整
委員会が勧告する対象になっていると思いますが、実際上から言えば、国会に対する関係においては、常時国立国会図書館の業務を監督する機関として、当初は国立国会図書館運営
委員会、現在は議院運営
委員会がございまして、そこでやっておりますので現実の問題としては主として行
政府、司法府に対する国立国会図書館の奉仕について勧告するようなかっこうになろうかと思います。ただ、組織が議院運営
委員会に勧告するところの機関でありますのに、
連絡調整
委員会を構成している
委員の御二人は、議院運営
委員長その人であり、また総理大臣の指名する国務大臣、現在は文部大臣がなっておりますが、文部大臣と最高裁判所の判事が一人と、こういう四人の構成を持っておりまして、現実の問題といたしましては、勧告する機関と勧告すべき主体との関係その他においてやや実際から遠いような点もありまして、運用が活発でない傾きもあろうかと思います。大部分の理由は、議院運営
委員会がそういう勧告を受けていろいろ行動するまでもなく、常時両院の議院運営
委員会は、図書館小
委員会をつくるなどして図書館の業務の運用に至大の関心を持っておられ、しょっちゅう勧告を待たないでいろいろわれわれについてただし、また議院運営
委員会の意見を述べておられるので、それによって
連絡調整
委員会で
考えた機能の大部分が果たされておるという点もあろうかと思います。それから実際面におきましては、
連絡調整
委員会に期待された機能が、実は現在では私
どもが各省及び最高裁判所等にある支部図書館の館長にしょっちゅう来ていただいて、いろいろ懇談的に協議をしたりいたしております。その間において支部図書館の運用を通じて行
政府、司法府に奉仕するという点の問題の大部分が解決されているような
事情でございます。また、これは
委員会形態ではございませんが、
連絡調整
委員を通じて
連絡調整
委員の推薦によって支部図書館長を私が任命しております。たとえば各省の支部図書館の長は文部大臣が推薦をいたしまして私が任命いたしております。最高裁判所につきましては、最高裁判所の判事で
連絡調整
委員である方の推薦によって私が任命をいたしております。こういうのは
委員会形態でありませんが、
委員の活動を通じて行なっておるので、
連絡調整
委員の活動の一つの態様であろうかと存じます。そういうことで、概して言いますれば、実際的に問題が解決していく点が多いために、初期の草創期におけるように、何度もひんぱんに
委員会を開会しないでも、まあ事が進んでいるというのが
実態であろうと
考えておる次第でございます。
第二は、図書の購入でございまするが、御
指摘のとおり、国立国会図書館が創設をされましたにつきまして、衆議院及び貴族院と申しますか、時期的には参議院でありますが、そういうところがら
相当数の図書を継承をいたしました。十七万余冊になると思いますが、両院から継承いたしました。さらに、百八万余冊を上野の図書館、終戦後のその時期には国立図書館と言っておりましたが、国立図書館から継承をいたしました。これらが創設にあたって引き継いだものでございまして、その後は、わが国の出版物につきましては、国立国会図書館法に、わが国で出版された本は、必ず国立国会図書館に一部納本をしなければならないということが規定されております。民間の本については、一部納本するという規定によって、これが図書館に入ってまいります。また、各省等、
政府の出版物につきましては、これは部数によっていろいろありますが、
相当部数をやはり国立国会図書館に納本をしなければならないという規定がございます。そういうことによりまして、当館としては、これを買い入れて、納本を受けております。それで、納本は、無償ではございませんので、現在の憲法上のたてまえから、代価を差し上げるべきだということになっておりまして、これは市価の約半分の納入出版物代償金という形でこれを支払っておる次第でございます。外国図書とか、わが国の古本、あるいは漢籍その他につきましては、むろん、そういう納本の対象にはならないわけでありまして、これは図書購入費をもって購入をいたしておる次第でございます。図書購入費の推移、現実に購入した図書冊数の推移、あるいは図書以外の特殊資料、いろいろマイクロフィルムとか地図とか、それからレコードな
どもそうでありますが、そういうものの一切は資料をもってごらんをいただきたいと存じます。
そういうふうにして納本によって入ってくるもの、外国図書、その他わが国の古本、漢籍等購入をするもの、そういうものを管理することをどういうふうにしているかということでありますが、いわばこれも図書館全体をもって当たっておると言ってもいいのでありますが、直接申し上げますれば、組織図にございます収書部というところでこれの収納をいたしまして、簿冊に記入をいたしまして、これを整理部というところで分類をし、目録をつくり、以下閲覧部に回して利用をする。それをもって参考書誌部あるいは
調査及び立法考査局が国会に対し、あるいは一般国民、行政、司法各部門に対して奉仕をしていく。また、
連絡部が国際的な交換をなし、また支部図書館等の活動の補助をする、援助をするというような
事情になっております。
それから第二の蔵書、図書を買う上において館内にどういう機構があって、それがどういうふうに運営をされておるかということでございますが、図書の購入につきましては、先ほど御
指摘のございましたように、国立国会図書館、あるいはわが国の唯一の国立図書館としてどういう本をどういう構成比率で持っておるのがよろしいかということを判断するための機関として蔵書構成審議会というものをもちまして、そこで当館の蔵書がバランスを持って、また効率的に利用されるような構成を持てるように審議をいたしております。その
委員は、当館内の職員で、関係部長、
局長あるいは図書について格別に造詣の深い
人たちを網羅して検討をいたしておるのでございます。そこで毎年、当年度の収集方針、翌年度の収集の重点を審議して、答申が私に出ておるのでございます。その答申に基づきまして、具体的にどういう本を買うという、やや具体的な作業をなすのが選書
調査会でありまして、大筋が蔵書構成審議会できまった点に基づきまして、具体的にどういう本を買うかということを定めるわけであります。
調査会は議会・法令、政治・行政、経済・
産業、社会・労働、アジア・アフリカ、人文科学、逐刊物、科学技術、総合調整の九部会に分かれまして、私の任命する職員が、担当分野の選書を行なっておるのであります。選書の手段は主としては内外書店あるいは出版社の出しますカタログについて検討をいたしておる次第でございます。その他科学技術関係の資料につきましては、特にそのための審議会を持ちまして、これは外部の茅
先生がその審議会の会長でありますが、科学技術に造詣の深い一流の方をみんな
委員に委嘱をいたしまして、そこでそこの意見も十分伺って、そこで蔵書構成審議会以下の館内の機関がそれを含みながら決定をしておるという次第でございます。
ざっぱくな説明でございますが、御
質問がありますれば補足をいたします。