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加藤(清)
分科員 わかりました。
これで
結論です。この
日本の生産性本部と韓国の生産性本部とが共同してつくりましたところの、日韓経済
協力の方向とその背景という本がございます。これは韓国の産業を指導、育成、強化するところの基本方針とスケジュールでございます。それによりますると、この有償無償の賠償プラスクレジットを加えまして、それをなるべく早く韓国に渡しまして、期近に渡しまして、設備を早くつくり上げる。事と次第によってはその製品を
日本国内へも逆輸出をするのだというところまで書かれているわけでございます。
日本生産性本部と韓国生産性本部の合作なんです。この生産性本部というのは一体何かといえば、これは総本山はアメリカでございます。その際に、いま
日本の賠償支払いの基本骨子とこれとが相異なる、そごしてくるという問題が発生する可能性がございます。私はこの問題について、いまここで
大臣の答弁を要求いたしません。これは後日に譲ります。しかし、問題は残るわけでございます。この点をとくとお
考えいただきまして、そこで
最初に申し上げました、
日本の産業が大事なのか、韓国の産業が大事なのか、アメリカの指示が大事であるのか、この点をとくとお
考えいただきたい。
最後にもう
一つだけ、この一点で終わります。私は数年前に、
外務省の方々で海外の
領事館、
大使館等々に働いていらっしゃる方の
子供さんは
日本人でないのかという質問をいたしました。それはなぜかというと、
向こうに行ってみますと、
子供さん連れの——ほんとうは数字を詰めてお尋ねしたかったのですが、時間だそうですから一方交通で、こっちだけでしゃべっちゃいます。そして
協力いたします。これでおしまいとします。海外に派遣されていらっしゃる方々の
子供の教育は重大でございます。
大使館、
領事館に参りますと、ここに
日本のコックはおられます。おさしみざらまでもございます。けっこうでございます。せめてノスタルジアをこれでいやすということであればけっこうなことです。しかし黒板がございません。教師がございません。この方々は非常に
子供の教育に難渋をなさるわけでございます。
国家のために海外へ防人として行かれた方々が、自分の
子供の教育が十分にできない。その結果は、自分の母校である
日本の指折りのいい
学校へ
子供が入ることができないような小
学校、中
学校教育を受けてしまわなければならないということは、私はまことにすまぬことであると思うのでございますが、
外務大臣、これについて一体どのような見解を持ち、その後どのような
予算措置をなさいましたか。おととしこれをやりましたところ、去年はこの
予算はややふえたのでございます。
次に、一緒にやっちゃいます。もう
一つの問題は、近ごろ、きょうの新聞にも出ておりますが、
外務省はPRのために宣伝カーまで買って海外で
日本宣伝をやってみえる、これは大賛成です。こんなけっこうなことはございません。私も賛成です。しかし、やはり
大使館、
公使館には
日本の美術を宣伝する任務もございまして、ここに絵画、彫刻、
日本の陶器等々が並べられている。これは
日本の文化と権威を保つためにも必要だと存じます。ところが、
日本の美術にして諸外国にすでにその価値をうたわれており、ビエンナーレの展覧会においても、あるいはマチス、ピカソ等々とも一緒に並んで展覧会ができる、ジュネーブにおいてもこれを宣伝しておりますところの書道、これが一顧だにも顧みられていない。どこにもない。ただあるのはアメリカの
日本から移住された農民の家のお座敷に額がかかっておる
程度、これは一体どういうことでございましょう。中国は自分の国を宣伝するために、中華料理が至るところにありますが、その中華料理に行ったら必ず書道が入っている。これは一体いかがなものでございましょうか。これも、二年前にそれを申し上げましたら、文部省と
協力してこれを買い上げて、
大使館、
公使館に掲げて、
日本の美術宣伝の一助にするとおっしゃられましたが、その後一向に音さたを聞いておらない
状況で、まことに遺憾と言わなければなりません。海外に住んでいる
子供の教育と、
日本の美術の宣伝については、書道も当然加えられてしかるべきではないか。二年前の
大臣は、これにごもっとも、だから実行に移すと言われたのでございますが、今日の
外務大臣の御所見を承って、本日の質問はこれで終わります。