○角屋
分科員 後進国の
経済開発あるいは
経済協力という問題が一方にございまして、同時にこの問題は、戦前戦後の独立国の多数出てまいります過程で、
経済的な問題、政治的な問題がからんで、最近でもあちこちにそういう諸国の間でクーデター問題が起こって、政情必ずしも安定せざる傾向がある。これは
日本の
貿易振興の立場から見てもなかなか苦労が多いことだろうと思いますけれども、そういう問題等に対して、
日本として力相応の
経済協力をしていく。
大臣も言われたようにじみちな方向でもけっこうでありますし、同時にまた、
日本自体として
経済がたいへんな時期なんだから、うちをほっておいてよそをというにはいささか程度問題があるということもあろうと思いますけれども、しかし、いずれにしても、一九六四年の
国連貿易開発会議では、一九七〇年までに国民所得の一%というものを
後進国の開発のために出していこうじゃないかということになっている。そこで、
日本政府としても、中期
経済計画の中では、一九六八年の達成目標として〇・九二というところに行くのだ、こう言っておったわけですね。力相応の協力というものが、平和共存
体制の確立の点からも非常に重要であるし、それは積極的に特にアジア方面についてはやるべきである、私はこう思うわけですが、反面、
後進国の問題と、
貿易関係では共産圏
貿易の問題に対する
日本の基本的な態度をどうするか。共産圏
貿易といっても、これは最近ソ連との
関係においては、かつては
三木さんもソ連に渡られたわけですけれども、椎名さんも行かれたりして、航空協定ができたり、いろいろ友好
関係が促進されておる。三月一日から開かれる日ソの漁業交渉はどうなるか、私は非常に注目をしておるのですけれども、それは別として、問題は、このアジアの一角に大きく位置しておる中国との
貿易の
関係です。これは過般、
予算の総括
質問のときでも言ったわけですけれども、お互いの食べる米について、ことしは中国から三十万トン
——百万トンのうちの約三分の一を入れよう。あるいは肥料についても商談がととのっていくとか、その他、資料をいただいておりますが、中国
貿易も往復で大体三億ドル前後というふうな形で進んでおるわけです。ただしかし、これからの
経済外交あるいは
貿易の振興ということを
考える場合に、共産圏
貿易についてもさらに前向きに拡大をしていかなければいかぬということは事実だと思うのです。そういう点で、しばしば国会で議論されてまいりました対中国との
貿易における
日本政府の非常にちゅうちょした態度、吉田書簡問題とかいろいろな点でなかなか正常に前進をしない。特に最近、私どもの党の
関係で中国から代表団を受け入れよう。これはわれわれのほうからも行く、また向こうのほうからも受け入れようということになっておって、本年度こちらへ参ってよろしいというふうに話が伝わる。そうしますと、これは新聞報道でありますけれども、
外務省では、なるべくこういう入国に対してはシビアーな態度でいこうというふうなことが伝えられておる。これは欧米の
先進諸国でも、
経済問題は
経済問題として割り切る態度でやっておる。
日本自身も基本的にはそういうことだろうと思うのですけれども、これから中国
貿易についても、できるだけ条件を整備しながらさらに双方に拡大していこうじゃないかという機運のときに、しかもああいう国柄ですから、
日本のように野党もあれば与党もあり、いわゆる
国内の政党間の平和共存
体制と違って、一党が実権を握っておるところでは、それを受け入れる、受け入れないの問題は、直ちに中国
貿易との
関係にそれが波及するという基本的な問題も慎重に
考えなければいかぬ。むしろこれは国務
大臣として、
大臣は日中間の
貿易問題についでは今後とも暗礁に乗り上げることがないように、スムーズに進めるという立場から、積極的に閣内においても進言をしてもらう必要があるのではないか。私どもは、最近の
外務省の、椎名さんの
国連警察軍の問題、いろんな
関係できわめて先走ったあれを見ておると、共産圏に対しての何かかまえた姿勢というものを感じさせられる。むしろその点は、
通産大臣あたりが非常に革新的だというふうにいわれておるのですけれども、事実そうだろうと思うのですが、革新的とか革新的でないということは別にして、アジア
外交の中では無視できない中国問題について、今度の訪日問題で再び問題を起こすという事態は絶対に避けなければならぬ、こう思うわけであります。共産圏
貿易、特に中国
貿易の今後の問題、いま言った代表団をわれわれ受け入れようという、相互間の国民
外交というものは、やはり必要なわけです。与党の諸君も中国へ行かれたり、あるいは北鮮へ行かれたり、あるいはまたソ連に行かれたり、
政府のいわば補佐的な役割りでやっておられるだろうと思いますけれども、そういうことはやられるわけです。事実、そういう国際舞台に出してくるということが、平和共存
体制の前進のためにも、また中国のためにも私は必要だと思う。だから、そういう点であまり
日本政府としてもかたくなな態度をとらないことがいいのじゃないか。
日本に来た場合に、政治的ないろいろな発言とかという点で問題になることが、あるいは
政府自民党から見ればあるかもしれないけれども、そういうものを重ねていく過程の中で、私は好ましい状態というものが期待をされるのじゃないかと思う。あまり一事が万事に神経質にならないで、そういう大きな気持ちが必要なんじゃないか。いかがですか。