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1966-04-28 第51回国会 衆議院 本会議 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十八日(木曜日)     —————————————  議事日程 第三十一号   昭和四十一年四月二十八日    午後二時開議  第一 地震保険に関する法律案内閣提出)  第二 地震保険特別会計法案内閣提出)  第三 航空業務に関する日本国政府とソヴィエ   ト社会主義共和国連邦政府との間の協定の締   結について承認を求めるの件  第四 失業保険法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  第五 国民健康保険法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第六 労働省設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第七 昭和三十八年度一般会計予備    費使用総調書(その2)    昭和三十八年度特別会計予備    費使用総調書(その2)    昭和三十八年度特別会計予算    総則第十三条に基づく使用総    調書    昭和三十八年度特別会計予算    総則第十四条に基づく使用総    調書(その2)    昭和三十八年度特別会計予算    総則第十五条に基づく使用総    調書    昭和三十九年度一般会計予備    費使用総調書    昭和三十九年度特別会計予備    費使用総調書    昭和三十九年度特別会計予算    総則第十四条に基づく使用総    調書    昭和三十九年度特別会計予算    総則第十五条に基づく使用総    調書    昭和三十九年度特別会計予算    総則第十六条に基づく使用総 (承諾を求    調書            めるの件)  第八 昭和四十年度一般会計予備費    使用総調書(その1)    昭和四十年度特別会計予備費    使用総調書(その1)    昭和四十年度特別会計予算総    則第十一条に基づく使用総調 (承諾を求    書(その1)        めるの件)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提   出、参議院回付)  日程第一 地震保険に関する法律案内閣提   出)  日程第二 地震保険特別会計法案内閣提   出)  公認会計士法の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第三 航空業務に関する日本国政府とソ   ヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協   定の締結について承認を求めるの件  日程第四 失業保険法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第五 国民健康保険法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第六 労働省設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出)  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案   (内閣提出参議院送付)  日程 昭和三十八年度一般会計予備  第七 費使用総調書(その2)     昭和三十八年度特別会計予備     費使用総説書(その2)     昭和三十八年度特別会計予算     総則第十三条に基づく使用総     調書     昭和三十八年度特別会計予算     総則第十四条に基づく使用総     調書(その2)     昭和三十八年度特別会計予算     総則第十五条に基づく使用総     調書     昭和三十九年度一般会計予備     費使用総調書     昭和三十九年度特別会計予備     費使用総調書     昭和三十九年度特別会計予算     総則第十四条に基づく使用総     調書     昭和三十九年度特別会計予算     総則第十五条に基づく使用総     調書     昭和三十九年度特別会計予算     総則第十六条に基づく使用総承諾を求     調書            めるの件)  日程 昭和四十年度一般会計予備費  第八 使用総調書(その1)     昭和四十年度特別会計予備費     使用総調書(その1)     昭和四十年度特別会計予算総     則第十一条に基づく使用総調承諾を求     書(その一)        めるの件)  産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  ベトナム問題の平和的解決に関する緊急質問   (柳田秀一提出)  日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な   特別措置に関する法律案内閣提出)の趣旨   説明及び質疑    午後二時七分開議
  2. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院回付
  3. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) おはかりいたします。  参議院から、内閣提出健康保険法等の一部を改正する法律案が回付されました。この際、議事日程に追加して右回付案議題とするに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  健康保険法等の一部を改正する法律案参議院回付案議題といたします。
  5. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案参議院修正に同意の諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  6. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、参議院修正に同意するに決しました。      ————◇—————  日程第一 地震保険に関する法律案内閣提出)  日程第二 地震保険特別会計法案内閣提出)  公認会計士法の一部を改正する法律案内閣提出
  7. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、日程第一及び第二とともに、内閣提出公認会計士法の一部を改正する法律案を追加して三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  8. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第一、地震保険に関する法律案日程第二、地震保険特別会計法案公認会計士法の一部を改正する法律案・右三案を一括して議題といたします。
  10. 山口喜久一郎

  11. 三池信

    三池信君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  初めに、地震保険に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、住宅等対象とする地震保険の普及をはかり、地震等による被災者生活の安定に寄与するため、地震保険制度を確立しようとするものでありまして、その内容の概略を申し上げますと、  まず第一に、政府は、一定要件を備える地震保険契約民間保険会社等締結したときは、これを再保険できることといたしております。  再保険方式といたしましては、いわゆる超過損害額保険方式によることとし、一定額以下の保険金支払い民間保険会社等負担とし、これをこえる部分について政府が再保険することといたしております。なお、一回の地震等について政府が支払うべき再保険金総額は、毎年度国会議決を経た金額範囲内といたしております。  次に、民間保険会社等が引き受ける一定要件を備えた地震保険とは、住宅または家財対象とし、地震、噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流失を保険事故とし、それによる全損をてん補するものでありまして、特定の損害保険契約に付帯して契約され、保険金額は、その主契約の百分の三十に相当する額を原則といたしております。  なお、保険金額は、住宅については九十万円、家財については六十万円、合計百五十万円を支払い限度とし、一方、異常巨大な地震災害が発生した場合で、支払うべき保険金総額が、民間負担限度政府負担限度との合計額三千億円をこえるときは、保険金が削減されることといたしております。  次に、地震保険特別会計法案について申し上げます。  この法律案は、地震保険事業に関する政府経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理しようとするものでありまして、その内容は、  まず第一に、この会計は、再保険料積み立て金からの受け入れ金借り入れ金、または一般会計からの繰り入れ金等をもってその歳入とし、他方、再保険金借り入れ金等償還金及び利子事務取り扱い費一般会計への繰り入れ金等をもって歳出といたしております。  第二に、この会計において再保険金を支弁するため必要があるときは、その年度の再保険料等の収入が再保険金額に不足する金額限度として、借り入れ金をすることができることといたしております。  第三に、再保険金または借り入れ金償還金及び利子財源等に充てるため必要があるときは、一般会計から繰り入れることができることといたしております。  第四に、この会計事務取り扱い費財源は、毎年度一般会計から繰り入れるものとしております。  第五に、この会計の決算上の剰余金は、これを積み立て金として積み立て、将来この会計歳出財源に充てる必要が生じたときは、この会計歳入に繰り入れて使用することができることといたしております。  以上、両法律案につきましては、参考人より意見を聴取する等、慎重審査の結果、一昨二十六日、質疑を終了いたしましたが、両案に対して西岡武夫君外三十八名より、自民社会民社の三党共同提案にかかる修正案がそれぞれ提出されました。  修正案内容は、原案において施行期日が「昭和四十一年四月一日」からと定められておりますのを、「公布の日」から等に改めようとするものであります。  次いで、採決いたしましたところ、両案に対する修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって両案は修正議決となりました。  なお、地震保険に関する法律案に対しては、堀昌雄君外三十八名提出の三党共同提案にかかる次の附帯決議を付することに決しました。すなわち、   政府は、保険事業の現状にかんがみ、次の諸点を検討し速やかに措置すべきである。  一、地震保険てん補範囲に分損を加えること。  二、保険料を一層低率とすること、殊に地震保険について考えること。  三、保険事業に関する税制について再検討を行ない一般企業との均衡を考慮すること。  四、火災共済協同組合が、可及的速やかに地震保険業務を営み得るよう適切な行政指導をはかること。  五、地震保険については施行後の推移を考慮し適切な運用改善をはかること。  というものであります。  終わりに、公認会計士法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、公認会計士業務公共性と、その最近における実情とにかんがみまして、公認会計士業務改善進歩と地位の向上をはかり、その監査体制を充実し、もって投資者の保護に資しようとするものであります。  その内容を概略申し上げますと、  まず第一に、すべての公認会計士会員とする特殊法人日本公認会計士協会を設立することといたしております。  現在、公認会計士の団体としては、民法に基づいて設立された社団法人日本公認会計士協会がありますが、これを公認会計士法上の特殊法人とし、公認会計士自主責任体制を確立しようとするものであります。  この協会は、会員指導、連絡及び監督に関する事項並びに公認会計士等の登録に関する事務を行なうことを目的とし、また、監査証明業務に関する紛議の調停、公認会計士制度に関する建議、答申等を行なうことができることとしております。  第二は、企業経営規模拡大及び経営多角化に対応して、複数の公認会計士による組織的な監査を推進するため、監査法人制度を設けることといたしております。  監査法人は、五人以上の公認会計士を社員とする等、一定要件を備えることを要し、その設立にあたっては大蔵大臣の認可を受けることといたしております。  この法律案につきましては、審査の結果、本日、質疑を終了し、直ちに採決を行ないましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決となりました。  なお、本案に対しては、谷川和穗君外三十八名提出の、自民社会民社党共同提案にかかる附帯決議を付することに決しました。  附帯決議内容は、日本公認会計士協会への全員の加入が円滑に行なわれるよう配慮すること、広く会計経理適正化をはかる見地から、監査対象拡大検討すること、立ち入り検査権の行使は具体的事実が明らかである場合に限ること、公認会計士制度が一そう社会の要請にこたえるよう、商法、証券取引法、税法、企業会計原則等につき引き続き検討を行なうこと、公認会計士の自主的な組織と運営が確立されるよう指導すべきこと、という趣旨のものであります。以上、御報告申し上げます。(拍手
  12. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 三案を一括して採決いたします。  三案中、日程第一及び第二の委員長報告はいずれも修正、他の一案の委員長報告可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  13. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第三 航空業務に関する日本国政府ソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定締結について承認を求めるの件  〇議長山口喜久一郎君) 日程第三、航空業務に関する日本国政府ソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。
  14. 山口喜久一郎

  15. 高瀬傳

    高瀬傳君 ただいま議題となりました案件につきまして、外務委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  政府は、民間航空協定締結のため、ソヴィエト連邦政府と交渉を行なってまいりましたが、意見一致を見ましたので、本年の一月二十一日、モスクワにおいて、本協定及び議定書に署名いたしました。  本協定は、わが国とソヴィエトとの間に民間航空業務を開設することを目的として業務開始及び運営についての手続及び条件を規定し、附属書において両国の指定航空企業運営する路線及び運営に従事する指定航空企業名並び協定業務の安全、かつ、効果的な運航を確保するための技術的要件を定めております。  議定書は、ソヴィエト連邦政府がさしあたりシベリア上空を外国の航空機のため開放することができないので、協定による相互乗り入れが可能となるまでの期間は、両政府間の合意により暫定的な運航を行なうことを規定しております。  本件は、三月十五日外務委員会付託されましたので、政府から提案理由説明を聞き、質疑を行ない、なお、日本航空株式会社職員参考人として招致し、意見の聴取を行なうなど、慎重審議をいたしましたが、詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、四月二十六日、本件についての質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、本件全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたしました。  なお、本件に関し、自由民主党永田亮一委員から、自由民主党日本社会党及び民主社会党の三党共同提案にかかる政府に対する要望決議案提出されました。  その要旨は、共同運営開始後二年を経過した後において、協定に定められた自主運航ができない場合には、共同運営を打ち切ることもあるべしとの決意をもって自主運航への移行に努力することを強く要望するというものであります。  本決議案は、採決の結果、全会一致をもって可決されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  16. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本件委員長報告のとおり承認するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  日程第四 失業保険法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 国民健康保険法の一部を改正する法律案内閣提出)  〇議長山口喜久一郎君) 日程第四、失業保険法の一部を改正する法律案日程第五、国民健康保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  18. 山口喜久一郎

  19. 田中正巳

    田中正巳君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、失業保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における日雇い労働者賃金実情にかんがみ、日雇い失業保険金日額引き上げ等を行なうものでありまして、そのおもなる内容は、  第一に、日雇い失業保険金日額については、第一級を三百三十円から五百円に、第二級を二百四十円から三百三十円にすること。  第二に、日雇い失業保険料日額については、第一級を十六円から二十四円に、第二級を十二円から十六円にすること。  第三に、日雇い失業保険料日額の区分は、賃金日額が六百六十円以上の場合に第一級とし、六百六十円未満の場合は第二級とすること。等であります。  本案は、去る二月十七日本委員会付託となり、一昨二十六日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  次に、国民健康保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、家族療養給付にかかる一部負担金割合の引き下げと、市町村に対する国の負担を強化しようとするものであります。  そのおもなる内容は、  第一に、家族の一部負担金割合現行の十分の五から十分の三に引き下げ、いわゆる家族の七割給付を法定化することであります。  第二は、市町村療養給付費に対する国の負担現行の百分の二十五から百分の四十に引き上げ、いわゆる定率四割に対することであり、また、調整交付金総額を、市町村療養給付費見込み額の百分の五に改めることであります。  第三は、市町村が徴収する保険料その他の徴収金について、滞納処分を行なうことができることといたすことであります。  本案は、三月十八日本会議において趣旨説明が行なわれ、同日委員会付託となり、自来、熱心なる質疑応答が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録にて御承知願います。  かくて、昨二十七日、質疑を終了いたしましたところ、施行期日についての修正案提出され、採決の結果、本案修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議を付することと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  20. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 両案を一括して採決いたします。  日程第四の委員長報告可決、第五の委員長報告修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  21. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第六 労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出)  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  〇海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、日程第六とともに、内閣提出恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を追加して三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  22. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第六、労働省設置法の一部を改正する法律案恩給法等の一部を改正する法律案国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
  24. 山口喜久一郎

  25. 木村武雄

    木村武雄君 ただいま議題となりました三法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、労働省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、家内労働問題の重要性にかんがみ、労働省附属機関として、家内労働審議会を設置し、その設置期限昭和四十四年三月三十一日までとしようとするものであります。  本案は、去る四月十六日本委員会付託され、四月十九日政府より提案理由説明を聴取し、四月二十七日、質疑を終了し、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、恩給法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案要旨は、  第一に、昭和四十年度における恩給扶助料増額の際の年齢制限を、妻子及び六十五歳以上の者については昭和四十一年十月分以降、その他の者については昭和四十二年一月分以降撤廃すること。  第二は、加算恩給年額について、妻子普通扶助料最短恩給年限に相当する額とすること。  第三は、長期在職者普通恩給年額最低六万円、扶助料最低三万円とすること。  第四は、恩給扶助料年額調整規定を設けること。  第五は、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた旧文官等恩給扶助料の不均衡を是正すること。  第六は、不具廃疾生活資料を得る道のない成年の子についても扶養加給を支給すること。  第七は、特例扶助料支給条件を緩和すること。  第八は、日本赤十字社救護員従軍期間恩給公務員期間に通算すること。  以上の措置昭和四十一年十月より実施することのほか、旧軍人としての加算年を旧文官在職年に通算する措置昭和四十二年一月より実施することとしようとするものであります。  本案は、去る二月十八日本委員会付託され、二月二十二日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、四月二十六日質疑を終了、本二十八日、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対して、自由民主党日本社会党民主社会党党共同提案により、全会一致をもって、調整規定運用について、その実効ある措置が講ぜられるよう適切な配慮をすること、並びに通算及び加算措置に関し、恩給制度共済組合制度間の総合調整をはかることとする趣旨附帯決議が付されました。  次に、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案は、本年二月二日、人事院国会及び内閣に対して行なった意見の申し出に基づき、国家公務員災害補償制度について、  第一に、障害補償年金範囲拡大すること。  第二に、遺族補償のうち、職員親族関係の深い一走要件に該当する遺族については、その遺族数に応じて、平均給与年額の三〇%から五〇%までの年金とすること。  第三に、年金を受けることができる遺族がない場合には一時金とし、その額は、業務上の死亡にかかる他の法令による給付との均衡を考慮するが、当分の間は従前の額の範囲内で人事院規則で定める額とすること。  第四に、年金たる補償額について調整規定を設けること。などであります。  本案は、三月二十五日本委員会に予備付託され、四月二十二日参議院より送付されて本付託となり、二十六日政府より提案理由説明を聴取し、本二十八日、質疑を終了し、討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。  なお、本法案に対し、自由民主党日本社会党民主社会党の三党共同提案により、全会一致をもって、遺族補償一時金の額の決定については、従来の額を十分保障するよう配慮すべきである旨の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  26. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 三案を一括して採決いたします。  三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  27. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
  28. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第七、昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外九件(承諾を求めるの件)、日程第八、昭和四十年度一般会計予備費使用総調群(その一)外二件(承諾を求めるの件)、右十三件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。決算委員長吉川久衛君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔吉川久衛君登壇
  29. 吉川久衛

    ○吉川久衛君 ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件、昭和三十九年度一般会計予備費使用総調書外四件及び昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件の事後承諾を求めるの件について、決算委員会における審議経過並びに結果について御報告申し上げます。  昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件は、昭和三十九年一月から三月までの間に、河川等災害復旧事業等に必要な経費その他の経費に使用を決定したもので、その総額は六百七十三億円余で、昨年十二月二十八日本委員会付託され、本年三月三日大蔵省当局より説明を聴取いたしました。  また、昭和三十九年度一般会計予備費使用総調書外四件は、同年度中に農業施設災害復旧事業に必要な経費その他の経費に使用を決定したもので、その総額は一千七百六億円余で、昨年十二月二十八日本委員会付託され、三月三日大蔵省当局より説明を聴取いたしました。  また、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件は、昭和四十年四月から同年十二月までの間に、農業施設災害復旧事業に必要な経費その他の経費に使用を決定したもので、その総額は一千四百七十五億円余で、本年二月二十五日本委員会付託され、三月三日大蔵省当局より説明を聴取いたしました。  本月二十七日、以上各件について質疑を終了、同日採決の結果、昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件、昭和三十九年度特別会計予備費使用総調書外三件については全会一致をもって、昭和三十九年度一般会計予備費使用総調書については多数をもって、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件については全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決した次第であります。  なお、昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外四件並びに昭和二十九年度一般会計予備費使用総調書外四件のうち、同年十二月までに使用を決定したものについては、昨年四月に本院において議決したものでありますが、参議院において審議未了となったのであります。詳細は会議録によって御承知願うことといたしたいと思います。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  30. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) これより採決に入ります。  まず、日程第七の十件中、昭和三十九年度一般会計予備費使用総調書につき採決いたします。  本件委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  31. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本件委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第七のうち、ただいま議決いたしました案件を除く昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その2)外八件を一括して採決いたします。  九件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  32. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、九件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  次に、日程第八の昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その一)外二件を一括して採決いたします。  三件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  33. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。  産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案内閣提出)  〇海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  34. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  雄炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案議題といたします。
  36. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 委員会報告を求めます。石炭対策特別委員会理事藏内修治君。     —————————————   〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————   〔藏内修治君登壇
  37. 藏内修治

    ○藏内修治君 ただいま議題となりました産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、産炭地域振興事業団は、産炭地域における鉱工業等の計画的発展をはかるため、工業用地の造成、ボタ山処理及び設備資金の貸し付けの業務を行なってきたものであります。  本案は、さらに産炭地域における産業基盤の整備、企業誘致等を一そう推進するため、事業団の業務に、産炭地域振興に必要な鉱工業等を営む者に対する長期運転資金の貸し付け及び出資、並びに事業団の造成土地における工業用水の供給を追加しようとするものであります。  本案は、去る三月三日当委員会付託され、三月九日三木通商産業大臣より提案理由説明を聴取し、自来、数次にわたり慎重な審議を行ない、本四月二十八日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  以上、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  38. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  39. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————ベトナム問題の平和的解決に関する緊急質問   (柳田秀一提出
  40. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、柳田秀一提出、ベトナム問題の平和的解決に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  41. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  ベトナム問題の平和的解決に関する緊急質問を許可いたします。柳田秀一君。   〔柳田秀一登壇
  43. 柳田秀一

    柳田秀一君 私は、日本社会党を代表して、政府に対し、ベトナム問題の平和的解決についての緊急質問を行なうものであります。(拍手)  わが党は、さきに、本国会の壁頭、ベトナム問題の平和的解決のための決議案提出し、平和に生きんとする日本国民の名において、院の意思を内外に宣明せんとしたのでありますが、自来三カ月、自由民主党は、一回だに、その内容あるいはその字句、用語に関し、各党と協議する積極的な誠意すら示さず、さりとて、反対の態度を表明する勇気も、まじめさもなく、うやむやのうちに葬り去らんとして、じんぜん今日に及んだのであります。(拍手)これが政府・与党たる自由民主党の姿であり、佐藤総理を党首とする自由民主党のとった態度であります。何たる無定見、何たる無責任ぞやと称して過言でなく、彼らにあるものは単なる党利党略にすきぬのであります。(拍手)  わが党提案の決議案趣旨は、  一、アジア及び世界平和の実現のため、アメリカの北爆を直ちに中止せしめること。  二、民族自決の原則により、ベトナム問題解決はベトナム人自身にまかせること。並びにジュネーヴ協定に基づいて、アメリカの軍事行動を停止せしめ、すべての外国軍隊を撤退し、平和解決のためのテーブルにつかせること。  三、拡大するベトナム侵略戦争に日本が巻き込まれるのを防ぐため、日本本土及び沖縄の軍事基地の使用、その他ベトナム作戦への協力を一切やめること。  以上を政府に対して要求せんとしたものであります。私は、この趣旨に従って、以下、順を追い質問を行なってまいりたいと思います。  まず第一に、佐藤総理は、ベトナムを中心に行なわれているアメリカの軍事行動をどう見、どう考えているかということであります。  ベトナムは、御存じのとおり、一九五四年五月、ディエンビエンフーの敗戦により、フランス軍がインドシナ半島から撤退した後、関係国によるジュネーヴ協定によって、その国際的地位並びにその後の進むべき方向が協定せられたのであります。しかるにアメリカは、この協定を破り、南ベトナムにみずからのかいらい政権をつくると同時に、軍隊を派遣して、フランスに取ってかわって新たな植民地支配を行なわんとしたのであります。(拍手)これに対して民族独立運動がほうはいとして勃興し、今日の事態となったのでありますが、この間、アメリカは、ジュネーヴ協定はもとより、幾多国際法をじゅうりんし、国際的犯罪行為を続けてきたのであります。南北統一及びベトナム民族の真の独立と平和を願うベトナム人民が、このようなアメリカの軍事行動を、アメリカ帝国主義の侵略として執拗に激しい抵抗を続けていることは、けだし当然といわなければなりません。(拍手)  しかもアメリカの侵略行為は、いまやベトナムだけにとどまらず、不法にもその国境を越えて、ラオス、カンボジアをはじめ、中国国境まで侵犯するという、無差別な北爆を拡大し、あまつさえ、人道上許すべからざる兵器すら使用して、てんとして恥じることがないのであります。(拍手)  このようなアメリカの軍事行動を総理はどのように理解しておられるか、まず伺いたいのであります。  総理は、就任以来、この議場においても、また新聞記者会見においても、事あるごとに、平和に徹する、あるいはアジアの立場を貫くと強調してこられたのであります。一体、総理が言う平和に徹するとの抽象的なことばは、現実的にはいかなる政治行動をさすのであるか、また、それがベトナム戦争に関して具体的にどのような行動をとるのであるか、明らかにせられる責任があると思うのであります。(拍手)この点、念を押して確かめておきます。  もし総理のことばどおり真剣に平和に徹するとするならば、アジアの一角において戦争の火の手が国際法を無視して拡大しておる状態にあって、何らなすすべもなく、手をこまねいて見ているなど、とうていあり得ないはずであります。(拍手)  総理はまた、有言実行をも国民に約束されました。すなわち、アジアの立場を貫き、平和に徹し、これを有言実行する、その言やまさによしであります。要は、形となってあらわれる、その具体的な行動でありますが、その行動の実体を、国民だれしも納得のいくように、十分なる説得力をもってお示しいただきたいのであります。(拍手)さもなくば、それはあなたの単なるその場限りの口頭禅にすぎないといわれても、弁解の余地はないでありましょう。総理みずからが、みずからの国会答弁用の言辞に、習慣性不感症にかかっているといわれても、これまた一言半句もありますまい。(拍手)  さらに、佐藤内閣は、アメリカのベトナム侵略戦争に積極的に協力加担し、沖縄をはじめ日本を輸送補給基地として使用せしめ、神奈川や東京都内には野戦病院までつくられているありさまであります。かくのごとき戦争協力体制は、一触即発、日本が直接戦争に巻き込まれる危険をあえておかすものであり、同時に、みずから侵略の共犯者となる以外の何ものでもないと思うのでありまして、平和に徹する言明とは全く相反し、国民に対する大いなる政治的背信行為としてきびしく糾弾されなければならないと思うのでありますが、総理の御見解はいかがでありますか。(拍手)  もしそれ、百歩を譲って、自由陣営の一員としてアメリカとの同盟関係をおっしゃりたいとするならば、善は善とし、悪は悪として、率直にその非を指摘し、反省を促してこそ、正しい協力者でなかろうかと思うのであります。論語にいう「君子和して同ぜず」とはこのことであります。一にも二にもアメリカの顔色をうかがいながらそれに追従する態度では、国際的信用を失墜するだけであります。東洋には、古来、「良薬は口に苦し」という格言がありますが、アジアの日本、その日本の立場から、正しい平和確立の方途を大胆にアメリカに対して申し立て、その実行を迫るべきことこそ、対等の資格の同盟者の態度というべきであります。(拍手)しからずんば、それは対等にあらずして卑屈な従属者と申すほかないのでありまして、佐藤ざんが好んで口にせられる自主的外交は一体どこに置き忘れたのでありますか。  さればこそ、去る一月二十五日、ライシャワー駐日米大使が、帝国ホテルで開かれた内外情勢調査会の昼食会で行なった「これからの日米関係」と題する演説には、多分に示唆を含んでおるものがあると思うのであります。すなわち、同大使は、「日米関係の調整のために大切なことは、日本の外交政策を完全に自主的なものにすることだと思う。その外交政策を、米国の占領から派生したものであり、米国の政策に順応するものだと考えている限り、そして日本の政策が自国の理想や目標から生まれない限り、日米両国の関係は、いつまでもある程度ゆがんだものになろう。日本の外交が日本の理想と目標にはっきり基づいて推進されるなら、国際政治における日米両国の協力は一段と成果をあげるであろう。」云々と述べておられるのであります。さすがに日本をよく知る大使が、佐藤外交の本質を鋭く指摘したものというべきでありますが、同時に、外国の大使からこのような論評を加えられることは、一種の国家的屈辱でもあり、国民こそたえがたい思いがするのであります。(拍手)  最近、世界の各地においてベトナム問題の平和的解決について活発な論議が展開されていますが、特にマンスフィールド米国上院議員は、去る十八日の上院本会議において、米国、中国、北ベトナム及び南ベトナムの主要勢力が平和解決について日本もしくはビルマで直接交渉を開くよう提唱したのは、周知のとおりであります。本提案に対し、開催国として日本政府は進んでそのあっせん役を買って出るくらいの積極性があってしかるべきものと考えますが、総理のお考えをお聞かせ願いたいのであります。  あるいはまた、四月二十六日のインド議会において、スワラン・シン外務大臣は、米国は南ベトナムから撤退し、北爆は中止せらるべき旨のインド政府の考え方を明らかにしているのであります。せめて日本政府もインド政府並みの自主的態度は打ち出せないものか。北爆に聖域なしとの最近のアメリカ国務省筋の発言をどう受け取っているか、アメリカに対し北爆を中止するよう勧告する意思をお持ちかどうか、あわせて総理お答えください。(拍手)  いまや世界はこぞって日本の動向を注目しているのであります。アジアの先進国たる日本の総理大臣みずから率先してアジア外交をリードするくらいの識見と信念と気魄なくして、どうしてアジアの地に平和がやってきますか。聖書に、「たたけよ、さらば開かれん」とありますが、総理みずから世界に向かって平和のとびらを一度だって力強くたたいたことがあったでしょうか。アジアのためにも、日本のためにも、ついでながら、最近の世論調査に見られる支持率激減の佐藤さん個人のためにも惜しまれるのであります。  また、ハンフリー米国副大統領は、二十五日AP通信の質問に答えていわく、「私が訪日の際、日本側と東南アジアの平和解決について話し合った際、佐藤総理は、椎名外相のモスクワ訪問、あるいは各国への特使派遣など、あらゆることをすると述べていた」と、この間の事情を語っていますが、このハンフリー発言によって、椎名外相の訪ソや、いまどこを旅行しているのか外務省ですらわからないという横山特使の派遣も、実はアメリカのさしがねであったことが明らかになったのであります。ついでに、ここでいう、あらゆることをするという約束とは、一体どういう事実をさすのであるか、この際、国会を通じて国民の前に明示されたと思うのであります。(拍手)  最後に、私は、ベトナム問題の解決には、基本的にはアメリカ追随外交を改め、アジア外交、平和外交から出発しなければならぬと思いますがゆえに、端的に左の諸点をお尋ねしておきます。  すなわち、アジアの緊張を激化し、戦争を拡大しているアメリカの中国封じ込め太平洋戦略体制に対する従来の協力態度を手直しする用意ありやなしや。  同時に、沖縄及び日本内地の基地をベトナム戦争のために使用せしめることを拒否すべきであると考えるが、その意思ありやなしや。  さらにまた、今日大規模な人民の反政府デモが続いておる南ベトナムのかいらい軍事政権に対しては、各種の援助を打ち切るべきであると考えるが、その熱意ありやなしや。  以上、アジアに位置し、アジアの先進国たる日本が、これら一連の積極的な役割りを演ずることは、国際世論を動かし、問題を解決する上においてきわめて効果的であり、かつ、今日ほど適切な時期はないと考えるからであります。(拍手)鉄は熱したときにこそ打つべきであります。佐藤総理の勇気と決断のほどを国民は期待しておるのであります。この意味において、言いのがれのことばでなく、一国を背負って立つ総理大臣たるにふさわしい賞々の御答弁を要求して、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  44. 佐藤榮作

    内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。  冒頭におきまして、ベトナム問題について平和的解決に関する決議案社会党は提案したが、自民党は何らの誠意を示さず、これについて党利党略的な行動をするのみだ、こういう御批判でございましたが、ただいまの質問でよくわかるように、その決議案は、平和的解決という決議案でございますから、たいへんけっこうであります。私どもは、しばしば政府また自民党が申し上げておるように、平和的解決の一日も早いことを希望しており、心から叫んでおります。それと同じことばでありますから、けっこうでありますが、ただいま御質問がありましたように、中身はたいへん違うのであります。私は、自民党に対して党利党略だという御批判、これはそのまま社会党に返上いたしたいと思いますから、お受け取りをいただきたいと思います。(拍手)  次に、御質問に対してお答えいたします。  現在の情勢をいかに見るかということであります。南ベトナムにおける米軍の軍事行動は、申すまでもなく、南ベトナム政府が、その独立と安全を守るために、国内における破壊的活動に対する外部からの使嗾支援を排除するために、アメリカに頼み、アメリカがその要請を受けて、ただいまやっておる行為でございます。これは、申せば、南政府の自衛的な処置である、かように私は考えております。  次に、今日までの政府の努力につきましてお話がございますが、私どもは、さきの戦争が済みましてから、ほんとに平和的な国民として立ち上がっておるのであります。あらゆる国際的紛争を、武力を用いないで、話し合いによって解決しようというのが、わが国の国是であります。この立場に立ちまして、関係者に、一日も早く話し合いを進めるように、そして開くように、これを呼びかけておるわけであります。しかしながら、関係各国におきまする総体的な意見は、ただいまその時期にあらず、時期尚早だ、こういう考え方でございます。私は、この話し合いが始まらない現状につきましてまことに残念に思うのでございますが、ただいま自民党は先頭に立ちまして、その話し合いが始まるように努力するつもりでございます。どうか、社会党におきましても、批判よりも、やはり平和を望むというその立場において、この話し合いが再開されるように御協力を願いたいものだと、お願いをいたします。(拍手)  次に、今日の情勢につきまして、政府のアメリカに対する協力体制、これは一触即発だ、まことに危険だ、かようなお話でございます。私は、ただいま国際的に一触即発のような危険な状態にはないと、かように思います。国民にかような一触即発というような危機感を与えることは、事態に対する正しい認識だと、私はかようには思いません。(拍手)  私は、しばしば申し上げておりますが、お互いに独立を尊重し、内政に干渉しないこと、そうして、ほんとうに平和に徹すること、その気持ちがあるならば、必ず問題は解決するのだと思っております。ただいまの国内における破壊的分子に対する北からの支援、これがないならば、北爆ももちろん行なわれないし、そのことを私は心から願うものであります。  また、マンスフィールドの提案につきましてお話がございます。私は、話し合いの場所が東京であろうがビルマであろうが、心から歓迎するものでありまして、各国がこれに賛成してくれるということが一番望ましい方法でありますから、そういう意味において、各国の賛成を得るような努力を、この上とも続けてまいるつもりであります。  北爆停止につき、あるいはまた外国軍隊の撤退につき、インド政府意見を発表したということであります。また、北爆に聖域なし、こういうこともアメリカで申しておりますが、そこで、北爆中止の勧告をしたらどうかという御提案でございます。私は、話し合いをすることによりまして、これらの問題が解決の糸口を見つけるんだと、かように思います。ことに、外国軍隊の撤退などは、その話し合いによって初めてきまる問題だと、かように思いますので、一日も早く話し合いの場を開けば、北爆も停止されることだと、かように思います。一方的に北爆だけをやめろという、一方的に提案するだけでは、私は、効果がない、かように考えるのであります。(拍手)  次に、ハンフリー副大統領が、AP通信におきまして、日本もあらゆる努力をすると言った、それは一体何かということでありますが、これは、私どもが、現下の国際情勢下におきましてなし縛る努力、平和への努力、これをするということでありまして、具体的に何々をするというような約束はいたしておりません。椎名外務大臣が、訪欧の途次ソ連に参りました際にも、その機会をつかまえ、日本の平和愛好への、また平和招来への率直な意見を披露したわけでありまして、こういう点がアメリカに事前に話が通じていたということで、アメリカからの約束だ、かような御批判は当たらないのであります。わが国は、独自の立場で、みずからの責任におきまして、ただいまのような交渉をいたしておるわけであります。  次に、中国封じ込め政策、太平洋戦略体制の一環、これを手直しする考えはないかということでありますが、私がしばしば申し上げておりますように、わが国は攻撃的な意図は全然ありません。したがいまして、中共とも、貿易はいつでもやるんだ、経済的な交流はその意味において進めております。変則的な状況のもとにおきましても、中共貿易は拡大されております。この点をごらんになりましても、独自の立場をとっておるのでありまして、いわゆるアメリカの封じ込め政策に賛成しているとか、あるいは従属しているとか、みずからを卑しめるような発言は慎んでいただきたいと思います。(拍手)  次に、沖縄の問題について触れられました。また、わが国内における軍事基地等についてのその使用がいろいろ問題になるというお話でございました。しかし、私どもは、安全保障条約、その権利も主張するが、同時に、その義務も忠実に履行するつもりであります。ただいま沖縄にアメリカが施政権を持ち、これをいかように使おうとも、これは施政権の範囲でございます。もし万一、沖縄がアメリカの使用することによって攻撃の危険にさらされる、こういうようなことがあれば、これは私どもも黙ってはいません。しかしながら、この点では、今日の状態は、これが戦争拡大の方向だと、私はかようには思わないのであります。現状において、沖縄が使われておる、補給基地として使われておるとか、こういうような点を拒否しろという。そういう考え方、拒否するような考え方はまだ持っておりません。これははっきり申し上げておきます。  次に、南ベトナム政府に対する援助の問題でありますが、ただいま避難民その他、人道的見地に立ちましてまことに気の毒な状態だ、こういうものでありますので、これについて私どもが援助をいたしておるのであります。ただいまこれを停止するような考え方はもちろん持っておりません。  以上、お答えをいたします。(拍手)   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇
  45. 椎名悦三郎

    ○国務大臣(椎名悦三郎君) 柳田議員の御質問に対しましては、一々総理から具体的な答弁がございましたので、私からは、ただいたずらに重複するのみでございますから、差し控えさせていただきます。(拍手)      ————◇—————  日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案内閣提出)の趣旨説明  〇議長山口喜久一郎君) 内閣提出日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について、趣旨説明を求めます。通産業大臣三木武夫君。   〔議長退席、副議長着席〕   〔国務大臣三木武夫君登壇
  46. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案趣旨説明いたします。  御存じのとおり、日本万国博覧会は、昭和四十五年を期して大阪府下千里丘陵において開催されることになっております。十九世紀半ば以降世界においては二十数回にわたり大規模な万国博覧会が開催せられてまいりましたが、その開催地はいずれもヨーロッパ、アメリカ大陸に限られていたのであります。このたび日本万国博覧会が一八五一年の第一回ロンドン万国博覧会以来一世紀余の歳月を経て初めてアジアの地において開催されることになったのは、世界の文化、経済の歴史の上において大きな意義を有するものと存ずる次第であります。  万国博覧会開催の目的は、一般に、世界各国の産業、文化の成果を一堂に展示することにより、諸国間の相互理解を深め、世界の平和と繁栄に寄与することにあるといわれております。このたび日本万国博覧会の開催により、わが国を広く世界に理解せしめ、日本の伝統ある文化と高度の産業技術水準を示し、諸外国との文化交流と輸出の飛躍的増大をはかり、さらにわが国の国際観光に資するところが大であると考えるのであります。また、この万国博覧会の開催を契機として、経済開発、社会開発を促進し、国民の福祉向上に寄与するとともに、わが国が国際社会において確固たる地位と実力を築く絶好の機会であると存ずるのであります。  政府といたしましては、この国民的な世紀の大事業である日本万国博覧会の開催を四年後に控えて、その開催準備体制を一段と強化することが必要であると考え、博覧会開催の直接の責任者である日本万国博覧会協会に対し、資金調達と人材確保との両面についてできる限りの協力と応援を行なうため、オリンピック東京大会の例にならい、この法律案提出することになった次第であります。  次に、この法律案内容について御説明を申し上げたいと思います。  第一は、国が、日本万国博覧会協会に対し、博覧会の準備及び運営に要する経費について、予算の範囲内においてその一部を補助することができるものとしたことであります。  第二は、日本万国博覧会協会の行なう資金調達事業に関し、国及び三公社の援助に関する規定を設けたことであります。  すなわち、その一つは、郵政省が、博覧会の準備及び運営のための資金に充てることを目的として、寄付金つき郵便切手を発行することができる旨の特例を設けたことであります。  その二は、日本専売公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行なわれる製造たばこの包装を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。  その三は、日本国有鉄道が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行なわれる国鉄施設を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。  その四は、日本電信電話公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行なわれる電話番号簿を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。  第三は、日本万国博覧会協会業務の円滑な運営を期するため、国及び地方公共団体から適任者を採用する場合が予想されますが、こうした場合の人事交流の円滑化をはかるため、これらの者が日本万国博覧会協会職員から再び国または地方公共団体の職員に復帰した場合には、公庫、公団等に出向した後復帰した場合と同様に、共済年金等に関し在職期間を通算する措置がとられることとしたことであります。  また、日本万国博覧会協会業務の厳正を期するため、同協会の役員及び職員は、刑法等の罰則の適用について、公務員とみなすこととしたことであります。  以上が、日本万国博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  日本万国覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑  〇副議長(園田直君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。五島虎雄君。   〔五島虎雄君登壇
  47. 五島虎雄

    ○五島虎雄君 ただいま趣旨説明のありました法律案に関連し、日本万国博覧会に関する諸問題について、日本社会党を代表いたしまして政府の所信をただしたいと存じます。(拍手)  日本万国博覧会は、わが国も昨年正式に加盟国となりました国際博覧会条約に基づき、来たる一九七〇年、すなわち昭和四十五年に大阪府下千里丘陵において開催されるわけであります。日本万国博覧会は、条約上第一種一般博覧会といわれるものでありまして、人数の活動の成果、あるいは達成された進歩の全体を内容とし、被招請国にその国の陳列館を建設する義務を課する最も大規模な万国博覧会であります。しかも、アジアにおける初めての万国博覧会であり、また、国が主催するものとして、オリンピックにもまさる国民的な一大行事であります。このような万国博覧会を開催することは、国際的には、わが国を広く世界に理解せしめるなど、諸国間の相互理解と文化の交流を深め、ひいては世界の平和と繁栄に寄与するものといわれ、国内的には、産業全般の発展を促進し、輸出の振興、観光の推進に役立つほか、住民福祉の向上に寄与するものといわれているのであります。  私も、日本万国博覧会がきわめて血糊的なものであり、理想的な姿で実現されるならば、その効果と意義は確かに少なからざるものがあると思います。その意味において、日本万国博覧会の開催につきましては、これを評価するものでありますけれども、一方、複雑な内外の情勢、特に日米安全保障条約の延長、改定、あるいは廃棄が問題となる一九七〇年という開催の時期、巨額の経費の使用、博覧会運営の基本方針等を考えると、日本万国博覧会の準備、実行の過程に対し、多大の関心を抱かざるを得ません。  特に、日米安保条約の問題は、すでに今国会におきましても、衆参両議院の予算委員会を中心といたしまして、にわかにクローズアップされたのであります。一九七〇年には、政府自民党の安保自動延長論や、あるいは再締結論、全面改定論と、わが日本社会党の主張しております安保廃棄論をめぐって、国論を二分する一大論争の展開が予想されるのであります。しかし、私は、この問題に対しまして政府の意図するところを考えますと、日米安保条約の問題はできるだけ穏便に済ましたい、かつて六年前の安保改定が岸内閣の命取りになったような轍を踏みたくない、国民の関心をなるべく集めないようにして安保体制を維持していきたいというところにあると思うのであります。故意か偶然か、東京オリンピックにもまさる日本万国博覧会はこの一九七〇年に開催されるのでありますが、日米安全保障条約をめぐる国民の関心を意識的に日本万国博覧会に向かわせるような意図がかりそめにも政府にありとしまするならば、せっかくの日本万国博覧会の開催も、その意義の大半は失われるでありましょう。この点は日本万国博覧会開催の根底に触れる問題であります。総理は、その真意をここに十分明らかにすべきであろうと思います。  いずれにいたしましても、ともかく一九七〇年に決定した以上、政府としては、いたずらに愚かな意図を持つことなく、日本万国博覧会の成功に全力を注ぐべきであります。われわれも、日本万国博覧会の問題に関しましては、その進行の過程を見守りつつ、基本的には協力することにやぶさかではございません。  このような観点から、まず第一に伺いたいことは、日本万国博覧会の構想に対する政府の基本的な考え方の問題であります。  現在、日本万国博覧会運営については、国の代行機関として日本万国博覧会協会が設立され、すでに基本理念を策定し、統一主題を採決しているのであります。策定された基本理念は、ごくかいつまんで申しますと、「多様な人類の知恵が、もし有効に交流し、刺激しあうならばそこに高次の知恵が生れ、異なる伝統のあいだの理解と寛容によって、全人類のよりよい生活に向って調和的発展をもたらすことができる」というものであります。「人類の進歩と調和」という統一主題とともに、いささか佐藤総理好みのきらいはありましても、それ自体としては首肯し得るものであります。このほかに、サブテーマとして、一、「人間自身、よりすこやかな生命の充足を」、二、「人間と自然、より豊かな自然の利用を」、三、「人間と技術、よりよい生活の設計を」、四、「人間と人間、より深い相互の理解を」という四つのテーマが出されております。  しかし、これら基本理念や統一主題、サブテーマを見ただけでは、具体的に日本万国博覧会とは一体何であろうか、私はもとより、国民全部がおそらく理解できないのではないでしょうか。私は、アジアで初めての万国博覧会であり、しかもわが国で行なわれる以上、従来欧米の万国博覧会に見られましたような文明誇示の場とすることなく、わが国の現実を虚心たんかいに表示することを基礎といたしまして、その上に産業文化の粋を明らかにすべきではないかと思うのであります。換言すれば、一部大企業のためのショーになったり、日本の伝統文化の誇示にのみ重点を置き過ぎたりすることのないように、わが国の経済的社会的現実の正確な位置づけの上に立った博覧会としまして、中小企業も労働者も、また農民も、国民全部が積極的に参加し得るような構想が必要ではないでしょうか。この点について総理の基本的な考え方を伺っておきたいと存じます。  第二の質問は、日本万国博覧会に招請する諸外国の問題であります。  条約によりますると、万国博覧会は、諸外国が外交上の経路を通じて招請されるものとなっているのであります。ところが、現在わが国は、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国、モンゴル人民共和国、ドイツ民主共和国、イエーメン・アラブ共和国、アルバニア人民共和国の諸国とはいまだに国交関係がありません。一体政府は、これらの諸国に対しましてはいかなる措置をとろうとするのか、まずこの点を言っておきたいと思います。  現在、国連加盟国は百十七カ国を数えております。しかし、残念ながら、万国博覧会条約加盟国はわずかに三十二カ国にすぎません。政府は五十五カ国程度の参加を予定されているようでありますけれども、基本理念を生かすためには、さらに多くの参加国が必要ではないでしょうか。一昨年東京で開催されましたオリンピックは、世界のスポーツ祭典にふさわしく九十四カ国の参加を見たわけでありますけれども、日本万国博覧会も、真に国際的な行事としようとするならば、国交回復のいかんを問わず、きびしい国際情勢に左右されることなしに、すべての国々の参加を呼びかけることが、人類の進歩と調和という統一主題に合致することではないかと思うのです。(拍手)  私は、アジアで初めての日本万国博覧会でもあり、万国博覧会の趣旨からいたしましても、正式招請が技術上不可能ならば、これにかわる何らかの便法措置を講じ、わが国の意のあるところを広く各国に伝えることが必要であろうと思うのであります。また、もしかりに国交回復のない国々から参加の申し出があった場合に、歓迎こそすれ、これを拒否する理由は全くないと思います。政府は、これにどう対処する方針であるか、明らかにすべきであります。総理並びに外務大臣、担当大臣としての通産大臣の所見を伺っておきたいと思います。(拍手)  第三の質問は、日本万国博覧会に対する政府の責任の問題であります。  現在、日本万国博覧会に関する憲法ともいうべき一般規則案は、すでに国内的には最終決定となり、BIE、つまり万国博覧会パリ事務局に提出の運びになっております。これによりますると、日本国政府は、博覧会の準備、開催、運営に関し、必要な行政上、財政上の措置を講ずること、博覧会は通産大臣の監督下に置かれること、博覧会の準備、開催、運営日本万国博覧会協会が当たることなどが定められているのであります。  ところが、この一般規則案作成の過程において、日本万国博覧会政府の監督、責任のもとに行なうという条項が問題となり、政府の監督、責任のもとにという字句は削除されてしまっているようであります。また、最終的に赤字が生じた場合の政府の責任についても明確になっておらないのであります。こうした点を見ると、政府がどこまで熱意を持っているのか、全く疑わしくなってくるのであります。一体政府は、日本万国博覧会に対する責任をどう考えているのか、総理並びに大蔵大臣、担当大臣たる通産大臣の所見を伺っておきます。(拍手)  第四の問題は、地方財政の負担増に対する配慮についてであります。  日本万国博覧会の会場は大阪の千里丘陵であり、当面大阪府並びに大阪市が全面的な協力体制をとっております。昭和四十一年度の経費五億一千万円のうち、国が二億五千五百万円を、残る半額を大阪府と大阪市が折半して負担することになっているほか、千里丘陵の三百三十万平方メートルは大阪府が買収することになっており、現にその買収が進行中であります。日本万国博覧会が地元にもたらす効果はきわめて大きいものであり、最終的にはプラスになることを疑っておりませんけれども、その過程において地元にあまりに過重の負担をかけることは、万国博覧会の本質から見ましても不合理であるのみならず、一般住民の福祉に支障を来たすおそれがあります。  私は、日本万国博覧会については、財政上国が最終責任を負うと同時に、準備、実行の過程においても、地方財政に過大の負担をかけないように必要な対策を十分講ずべきであると思います。総理並びに自治、建設、大蔵、通産大臣の所見を伺っておきます。  最後に、日本万国博覧会に要する経費の総体は、一説には優に一兆円をこすといわれております。それほど巨額なものであり、欧米の例を見ましても、ウイーンの大公園やパリのエッフェル塔など、後世に残る事業が行なわれているのであります。こういう点を考え合わせますると、オリンピックの競技場施設とは異なって、いまから、会場であるところの千里丘陵の事後の利用を十分計算に入れ、計画的に会場施設その他の設計を行なうことが必要であります。なお、これとともに、関連する公共事業、特に道路や港湾などの交通施設や観光施設等の建設は、近畿圏整備の関連におきまして総合的、計画的な配慮がぜひとも必要であります。これら諸点について、総理並びに担当相たる通産、建設、自治、大蔵各大臣の所見を伺いたいのであります。  以上、日本万国博覧会が所期の成果をおさめるように、政府として真剣に対処されんことを要請いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  48. 佐藤榮作

    内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。  まず第一に、先ほど通産大臣から趣旨説明いたしましたように、この万国博は、申すまでもなく、産業文化を一堂に展示して、そうして、各国の理解を深め、世界の平和並びに繁栄に寄与しよう、こういうものでございまして、どこまでも経済的な行為であります。  ただいま、いろいろ日米安保条約、その改定期に向かっているがということで御不安を持たれるようでありますが、政府は、政治の問題と全然関係させないで、ただいまの万国博を進めてまいるつもりであります。誤解のないようにお願いしておきます。  次に、進歩と調和、これを標榜しておるものでございますから、お説のように、国民全体が喜んでとれに参加するというものでありたい、かように思います。したがいまして、ただ単に大企業ばかりでなく、中小企業館もつくる、さらにまた、農業、漁業等もつくる、各界各層の協力を得るようにくふうをしてまいるつもりでございます。  次に、参加国の問題でありますが、ただいままだ全然きめておりません。問題は、やはり多数の国が参加できるように、そういう処置を私どもとしてはくふうしてまいるつもりでございますので、さらに今後、いろいろ閣僚協議会もございますし、また万国博覧会の事務局等もございますから、関係各団体と十分協議をいたしまして、参加国の多いようにそういう処置をとりたい、かように思います。  また、その次に、博覧会に対する政府の責任あるいは行政上、財政上の問題でございますが、これはもちろん日本万国博覧会協会というものにその責任があるといいますか、この博覧会開催の責任があるようでございますが、しかし、何と申しましてもアジアにおいて初めて開かれる万国博覧会でございます。その意味におきまして、政府もこれをぜひとも成功させたいし、成果をあげたい、こういうことで、あらゆる協力をするつもりでございます。いろいろ御心配していらっしゃるようでありますが、資金計画等につきましても、さらに検討をいたしまして、そうして、地方財政等のあまり負担にならないように、また、可能な方向で、ただいま申し上げる、成功さす、これを第一に考えて案を進めていくつもりであります。  次に、万国博は、ただいまお話しになりましたように、千里丘陵を買うことになっております。ここを開くということで、過般陛下もごらんになった、かように伺っておりますが、もちろん、この博覧会が済んだ後に、この土地が、またこの施設が十分使われるように、事前に将来のことも考えて計画すべきものだ、これまた五島君が御指摘のとおり私どもも考えております。  いずれにいたしましても、たいへん多額を要するものであります。これは関連事業等が非常に広範である、こういう意味で私は多額にのぼるんだと思います。五局君は地元の関係もあり、特に御心配のようでございますが、私は、中央の問題といたしまして、これは地方財政を圧迫しないように、先ほど申したような観点に立ちましてぜひとも成功さすように協力するつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇
  49. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。  まず、博覧会の法的性格といいますか、さような問題でありまするが、これは条約上公の博覧会ではない、公に認められた博覧会である。かようなことで、日本万国博覧会協会を設立し、これが最終的な責任者になるわけであります。財政上も、日本万国博覧会協会が責任者となります。ただ、ただいま総理からもお話しのように、この行事は初めてアジアで開かれる、しかもそれが日本で開かれる、こういうものでありますので、日本政府といたしましても、これはできる限りの援助をして、成功裏に終わらしめたい、かように考えておるのであります。  ただ、この誘致のいきさつや、あるいはその施設の受益、あるいはその過程における受益というようなことを考えますると、やはり地方団体にも協力をお願いしなければならぬだろう、こういうふうに考えますが、私どもは、オリンピックで非常にうまくやったという経験も持っております。これを重要な参考資料といたしながら、財政上におきましても万全の努力を払ってまいりたい、かように考えております。  なお、近畿圏との関係いかんという話でありまするが、近畿圏整備、これはもとより長い計画でございまして、これは万国博がなくても進めていかなければならぬ問題であります。しかしながら、たまたま万国博が開かれる、そのための施設が行なわれるということでありますので、これは緊密な連携をとりながら取り進める、かようになるべきものであり、また、さようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣三木武夫君登壇
  50. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 総理大臣から詳細なお答えがありましたので、重複を避けたいと思いますが、とにかく、この博覧会は、政府が監督、協力の責任があるわけで、おそらく日本の最大の国際行事でありましょう。オリンピック以上な、期間からいっても非常に長期にわたりますし、日本が歴史以来初めての最大の国際行事である。したがって、万国博覧会協会というものがありますけれども、政府は、全面的に協力の責任を持っておることは申すまでもないのであります。そのためにこそ、本日も第一回の日本万国博覧会関係閣僚協議会を開きまして、そうして、政府がこれを成功さすために、各省が協力してやろうという申し合わせをいたしたのでございます。すでに関係各省の幹事、いわゆる事務次官による幹事会も発足をいたしまして、今日まで協議を重ねておるのでありまして、主体は万国博覧会協会であっても、政府は全面的に協力して、この世紀の大事業を成功裏に終わらせいというのが政府の決意であることを申し上げて、答弁といたす次第でございます。(拍手)   〔国務大臣永山忠則君登壇
  51. 永山忠則

    ○国務大臣(永山忠則君) 万国博は、御説のとおりに、日本の経済、社会開発を促進して、国民の福祉を向上するものでございますから、国と地方が一体となって、国民的国際行事とするよう努力をいたしたいと考える次第でございます。  なお、計画は、自後の利用を考慮いたしまして、近畿圏整備、地元地方団体との関連公共事業を総合的、計画的に実施するようにいたしたいと存ずる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣瀬戸山三男君登壇
  52. 瀬戸山三男

    ○国務大臣(瀬戸山三男君) おおむね答えは済んだようでありますけれども、この万国博を成功させますについては、この会場の設備を考えることは当然でありますけれども、私ども今後一番努力をし、注意をしなければならないところは、おおむね三千万の人が期間内に出入りするであろう、こういう想定のもとに、運輸、交通、そういう問題をよく解決しなければならないと思います。したがって、現在大阪空港あるいは高速道路、阪神道路、いろいろありますけれども、これだけでは足りませんから、こういうものを整備すると同時に、大阪から会場に至る地下鉄、御堂筋の延長あるいは千里丘に対する阪急電鉄の延長、その他あの地帯の環境整備をよくしなければならない、非常に乱れておりますから。大阪その他の治水あるいは汚濁対策、公園対策等をいろいろやらなければならない。こういう問題は、各省庁総合的に検討を進めるつもりであります。  なお、全体は、もちろんこれは便乗ということは厳に私ども慎みたいと思いますが、近畿圏整備計画とあわせて将来にも備えたい、かように考えておるわけでございます。(拍手)   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇
  53. 椎名悦三郎

    ○国務大臣(椎名悦三郎君) 招請国の問題について御質問がありましたが、これは総理大臣、通産大臣と同意見でありますから、重複を避けます。  なお、申し上げるまでもないことでありますが、外務省といたしましては、当然なすべきことは積極的にいたしまして、万国博の終局の目的を達成するに遺憾のないようにいたしたいと考えます。(拍手
  54. 園田直

    ○副議長(園田直君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  55. 園田直

    ○副議長(園田直君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十二分散会