運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-04-19 第51回国会 衆議院 本会議 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十九日(火曜日)     —————————————  議事日程 第二十八号   昭和四十一年四月十九日    午後二時開議  第一 国立劇場法案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  日程第一 国立劇場法案内閣提出)  特許法の一部を改正する法律案内閣提出)及び   実用新案法の一部を改正する法律案内閣提   出)の趣旨説明及び質疑  野菜生産出荷安定法案内閣提出)の趣旨説明及   び質疑    午後二時十四分開議
  2. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  議員請暇の件
  3. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) おはかりいたします。  議員春日一幸君から、海外旅行のため、四月二十五日から本会期請暇の申し出があります。これを許可するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  日程第一 国立劇場法案内閣提出
  5. 山口喜久一郎

  6. 山口喜久一郎

  7. 八田貞義

    八田貞義君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。  本案の要旨は、特殊法人国立劇場を設立すること、政府は、この法人資本金としてその金額を出資すること、この法人は、わが国古来の伝統的な芸能公開伝承者の養成、調査研究等を行ない、その保存及び振興をはかり、もって文化の向上に寄与することを目的とすること、及びこの法人の組織、業務、財務及び会計、監督等について所要の規定を設けようとするものであります。  本案は、去る二月十四日当委員会に付託となり、同月十八日政府より提案理由説明を聴取いたしました。四月六日には、本案について、俳優守田俊郎君外三名の参考人から意見を聴取するなど、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  かくて、四月十五日、本案に対する質疑を終了、次いで、本案に対し上村千一郎君外五名から、第一条中「国立劇場は、」の下に「主として」を加え、第十九条第二項中「第一条の目的達成に支障のない限り、」を削る旨の自由民主党日本社会党民主社会党共同提案にかかる修正案提出されました。本修正案及び原案については、討論の通告がないため、直ちに採決に入りましたところ、本修正案及び修正部分を除く原案は、起立総員をもって可決されました。  次いで、自由民主党上村千一郎君外五名から、本案に対し、政府は、伝統芸能以外の芸能振興をはかるため、施設その他につき必要な措置を講ずるとともに、国立劇場において行なう芸能について、入場税はすべて課さないようすみやかに検討すべきである旨の自由民主党日本社会党民主社会党共同提案にかかる附帯決議案提出され、採決の結果、異議なく可決されました。  かくて、本案附帯決議を付して修正議決されました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  8. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  9. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  特許法の一部を改正する法律案内閣提出)及び実用新案法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明
  10. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 内閣提出特許法の一部を改正する法律案及び実用新案法の一部を改正する法律案について、議院運営委員会決定により、趣旨説明を求めます。通商産業大臣三木武夫君。   〔国務大臣三木武夫登壇
  11. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 特許法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  最近における技術革新進展、貿易の自由化等を背景として、特許出願激増し、しかもその内容は一段と高度化、複雑化しつつあります。この結果、特許庁における増員機構拡充予算増加等種々審査促進対策実施にもかかわらず、審査は大幅におくれ、特許庁には未処理案件が累積し、現在では特許一件当たり審査に要する期間平均約三年半に達する状況となっており、企業活動幾多の不便を与えておりますのが実情であります。  このような事態を打開し、特許権の設定が、技術進展の段階に即応し、時代の要請に合致して迅速に行なわれるようにするため、政府は、工業所有権制度改正審議会に対し、審査審判促進方策について諮問を行ない、同審議会は三年近くにわたって慎重な検討を加えてまいりました。その結果、同審議会は、制度運用上の諸施策のみをもってしては特許制度機能を生かすことができないとの結論に達し、昨年七月特許制度自体改正に関する答申が出されたのであります。  本法律案は、この答申に基づき、さらに関係方面意見をも取り入れて作成いたしたものであります。ちなみに、諸外国におきましても、審査遅延に腐心しており、審査促進のための改正が次々と行なわれつつあります。すなわち、オランダでは一昨年一月から新制度が施行されており、ドイツでも近く新しい法律が施行される予定であり、また、アメリカにおいても、昨年四月大統領令により特許制度根本的改正に乗り出しているのであります。  次に、本法律案概要について御説明申し上げます。  第一は、特許に関する手続簡素化合理化したことであります。  特許法につきましては、今後とも審査主義を堅持することは現在と変わりませんが、従来から審査遅延一因をなしておりました出願人による自発的な補足訂正をなし得る期間出願後六カ月にすること、方式に違反している手続に対する却下処分を新設すること、補正却下決定制度を廃止すること等、手続面での簡素化合理化を行なうことによって審査処理迅速化をはかるものであります。  第二は、先願に関する規定整備したことであります。  特許制度の根幹は技術公開にあるという点にかんがみ、公開されないものは先願の地位を持たないこととし、また、請求範囲以外の記載事項をも発明新規性判断の基準とすることとして先願者権利保護を厚くすることにより、単なる防衛のための出願をしなくても済むようにいたしております。  第三は、本改正法案施行日現在の未処理案件につきましても、審査促進見地から、原則として改正法を適用することとしたことであります。  現在、特許庁には二十万件余の特許処理案件が累積しておりますが、今回の改正による簡素化合理化された手続を適用することによって、可及的すみやかにその処理を終わり、新法の円滑な実施を行ないたいと考えたわけであります。ただし、出願に対する拒絶理由等権利実質的内容に関する部分につきましては、期待権尊重見地から従来どおりの処理をいたすこととしております。  このほか、審査官は三年以内に出願公告等をするようにつとめなければならないこととし、審査促進の姿勢を明確にいたしますとともに、出願分割期間の制限、特許料納付方法改正等につき、現行特許法の諸規定整備改善いたしております。  なお、本改正法案は、本年十月一日から施行いたしたい所存であります。  以上が本法律案趣旨でございます。  次に、実用新案法の一部を改正する法律案その趣旨を御説明いたします。  最近において、実用新案登録出願増加は目ざましく、このため、特許出願と同様に、実用新案登録出願審査も大幅におくれ、現在では一件当たり審査に要する期間平均三年余に達している状態であります。実用新案制度が、比較的簡易な実用的考案対象としていることを考えますと、このように出願から権利付与までに長期間を要するということは、この制度の意義をはなはだしく減殺する結果になっている次第であります。  このような事態改善し、実用新案制度の本来の機能を発揮させるために、工業所有権制度改正審議会は、三年近くにわたって、実用新案制度のあり方について慎重審議を重ねてまいったのでありますが、その結果、権利の迅速な付与ということが最大要請であることにかんがみ、簡略審査制度の採用を骨子とした改正を行なうべき旨の答申を得た次第であります。  本法律案は、この答申に基づき、さらに関係方面意見をも取り入れて作成いたしたものであります。  次に、本法律案概要について御説明申し上げます。  第一は、公開方式による簡略審査制度を採用したことであります。  すなわち、出願については、まず形式審査を行ない、出願後六カ月を経過すれば出願内容公開し、公開後六カ月間は一般から異議申し立てを受け、この間に異議申し立てのない出願はそのまま登録し、他方、異議申し立てのあった出願は、その申し立てに基づいて審査するというものであります。これは、処理迅速化をはかり、もって実用新案制度本案機能を十二分に発揮せしめようという趣旨に基づくものであります。  第二は、審判制度合理化であります。  すなわち、拒絶査定に対する不服審判における審査前置制度を採用するとともに、比較的簡単な審判事件については単独審判を行なう等、その迅速な処理をはかるようにいたしております。  第三は、存続期間公開後八年としたことであります。  技術革新の目まぐるしい今日において、実用新案のような比較的簡単な技術を長期間独占させておくことは、かえって技術進歩を妨げることともなります点を考慮いたしまして、これを現行十年から八年に短縮した次第であります。  第四は、効力確認審判を新設したことであります。  すなわち、自己実用新案権が侵害されたとき、または侵害訴訟を提起した場合において裁判所が命令をしたときに、権利者自己権利無効理由が含まれていないことの確認特許庁に対し求めることができることといたしました。これは、実用新案権の行使を円滑にし、また、第三者の権利との調整をも考慮して権利乱用を防止しようとするものであります。  その他、手続簡素化合理化等につきましては、特許法改正に準じて制度改善を行なうことといたしております。  最後に、本改正法案施行日現在の未処理案件につきましては、実体的な規定現行法を適用し、手続的規定については新法を適用することによって、その迅速な処理をはかることとしております。  なお、本改正法案は本年十月一日から施行いたしたい所存であります。  さらに、この制度改正とあわせて、予算、定員の充実その他につきましても今後一そうの努力をいたし、その機能を十二分に発揮し得るようにつとめる所存であります。また、本来、特許対象発明であり、実用新案対象考案でありますが、従来から、特許出願されるべき発明実用新案出願されている例が見られるのであります。これらにつきましては、このたびの改正を契機といたしまして、極力特許出願されるよう指導してまいりたいと存じております。  以上が本法律案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  特許法の一部を改正する法律案内閣提出)及び実用新案法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  12. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑通告があります。これを許します。沢田政治君。   〔議長退席、副議長着席〕   〔沢田政治登壇
  13. 沢田政治

    沢田政治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案理由説明が行なわれました特許法の一部を改正する法律案、及び実用新案法の一部を改正する法律案、並びに特許行政に関する諸問題について、政府の所信をただすものであります。  特許実用新案意匠商標の各制度、総称して工業所有権制度は、発明考案等権利保護することによりこれを奨励し、もってわが国産業技術進歩をはかることを目的とするものでありますが、遺憾ながら、特許行政がよろしきを得ないために、この目的達成を困難ならしめておる幾多の諸問題が現在生じているのであります。  今日、最大の課題は、言うまでもなく、審査審判渋滞であります。昨年末現在で、審査処理件数、いわゆる滞貨は、特許実用新案が四十五万八千件、意匠が六万二千件、商標が十万件、合計六十二万件と、信じがたいほどの量に達し、このため、出願から審査までに、特許を三年半、実用新案で三年、意匠で二年二カ月、商標で二年という驚くべき長年月を要しているのであります。審判も同様でありまして、滞貨は二万四千件にのぼり、処理に要する期間は実に平均五年であります。  このおもな原因は、最近における出願件数の著しい増加であります。しかし、出願増加それ自体は、国民発明意欲のあらわれであり、むしろ喜ぶべきことであります。問題は、出願に対し特許庁機能が追いつけないという事態でありまして、これをもたらしたものは、出願件数のこのような激増に対する政府見通しの大きな誤りであるのであります。  昭和三十四年に現在の新法制定した際、年々人員機構拡充をはかっていくならば、遠からず滞貨は一掃されると政府は言っていたのでありますが、今日の状態は全く逆で、当時よりはるかに滞貨増加しております。これは、政府出願激増を予想できなかったために、特許庁機構整備を怠った結果であります。新法制定以来の見通しの重大な誤りについて、通産大臣はどのような責任を感じているか、御所見をお伺いいたしたいのであります。(拍手)  出願増加に対して、政府は、質の低い出願や、めくら出願防御出願等企業道徳の低さによる出願が多いなど、その責任国民にあるがごとき説明をいたしておりますが、もし審査審判が常時迅速に処理されておるならば、このような感心しない出願は当然減るのでありまして、審査審判遅延出願増との悪循環は政府責任であり、汚職問題発生一因もここにあることを認識すべきであります。(拍手)  審査審判促進の手段として、第一に特許庁人員増をはかるのは当然でありまして、実際には年々相当増員が行なわれ、最近では、官庁機構簡素化の例外は特許庁公正取引委員会だといわれているほどであります。私もこの方向にはあえて反対するものではありません。しかしながら、真に有効な増員であり、計画的に行なわれたかどうかは非常に疑問であります。  新法制定以来、毎年の予算の取れ方によって増員をしたりしなかったり、はなはだ無計画な増員でありましたため、部門ごとアンバランス技術職員事務職員とのアンバランスが目立ち、いたずらに滞貨の膨張を招いたのであります。また、年々の増員にもかかわらず、わが国では年間約十万件の処理をする審査官数が四百人にすぎないのであります。九万件を一千人で処理しているアメリカに比して、いまだ絶対数ははるかに不足をいたしているのであります。なお、増員はあっても質の向上が伴わない反面、ベテランが民間に転出していく傾向も指摘されるところであります。  このように不十分な体制のもとで無理に審査促進をはかろうとしておりますから、当然、審査官一人当たり処理件数、俗にいうノルマ増加いたしますが、その実態は、アメリカ、イギリス、西ドイツの年間八十件程度に対して、日本は二百二十件という常識はずれの数に達しており、審査粗雑化を招いて特許庁の権威を失墜しつつあるのであります。通産大臣及び行政管理庁長官は、この無計画な増員と場当たりノルマ強化状態がこのままでいいとお考えになりますか、御見解を承りたいのであります。(拍手)  先般、審査促進に並行して事務処理迅速化をはかるためと称して、電子計算機が導入されましたが、これはみごとに失敗して、かえって能率を落として、世間のもの笑いの種になっております。これから先機械化を進める自信がおありかどうか、通産大臣お答えをいただきたいのであります。  審査審判渋滞について以上の問題点を指摘いたしましたが、今回の改正案によっては、あとに申し上げますように、ほとんど解決しないと思われるのでありまして、今後滞貨の減少のために真に改善すべき点はどこにあるか、実効のある改善方法は何か、通産大臣から明確に具体的に御答弁をいただきたいのであります。  次の問題は、特許庁機構整備検討についてであります。  まず問題になりますのは、特許庁長官人事でありまして、従来から長官ポスト通産省幹部のいわゆるたらい回し人事の材料とされているのであります。そのため、長官はすべて事務官僚であり、本省の局長から就任して、任期一年程度で、あるいは次官になり、あるいは民間に天下るのが通例であります。これは明治以来の法科万能科学軽視の思想から一歩も出ていないのでありまして、最高水準技術を取り扱う官庁責任者人事としてきわめてふさわしくないのであります。民間企業においては技術系の社長が少しも珍しくない今日、特許庁長官人事の旧態依然たる方式は、すみやかに改める必要があります。  業績におきましても、長官任期が短いため、特許行政改善策の重点が定まらず、ある長官予算の獲得だけに力を注ぎ、ある長官ノルマ強化につとめ、ある長官は狭い視野からの法律改正を意図するというようなことをやりかけては、やがてこのポストを去っていっておるのであります。このように本腰の入っていない特許行政が今回の汚職問題を引き起こしたといっても、決して過言ではないと思うのであります。  また、特許庁は、科学技術最高度のものを審査し、工業所有権という独占的権利を取り扱い、したがって、技術法律の知識を兼ね備えた職員を擁しております上に、準司法的な機能までも持つ官庁であります。このような異色ある機関を単なる通産省の一機構としておくことは、はたして適当かどうか、考えざるを得ないのであります。通産省の一外局となっているために、長官をはじめ管理系統職員は次々に異動し、審査審判系統との連絡、意思の疎通に欠けるところが多かったのでありまして、このような体制では、膨大な滞貨その他特許行政の行き詰まりは打開できないと思うのであります。  政府は、特許庁長官人事の過去における欠陥と将来の改善策についてどのように考えるか、また、特許庁の特色と機構上の不備から見て、特許庁機構を抜本的に改革するお考えがあるかどうか、総理通産行政管理の各大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。(拍手)  次に、特許庁歳入歳出予算を見ますると、常に歳入歳出を上回り、国庫は特許行政によってもうけているのであります。特に本年度におきましては、法律改正によって民間の負担のもとに滞貨処理を強行しようとしながら、なお歳入を下回る予算しか計上しておりません。このような悪い慣習をいつ改められようとするのか、総理、大蔵、通産大臣のお考えはどうでありましょうか、明確なお答えを求めるものであります。  さて、提案されております特許法及び実用新案法の各改正案について、最後にお尋ねいたします。  この改正基本的態度をまず検討いたしますと、実態から遊離した片寄った見方からの改正案といわざるを得ないのであります。今回の改正案に対する関係者意見を私なりに聞いてみまするに、驚くべきことには、改正に積極的に賛成する意見はほとんどないのであります。好意的見方のところでも、昭和三十五年の新法施行から数年を出ずして何ゆえに改正を急ぐのか、現行制度のまま滞貨処理促進に強力な手を打ったほうが効果があがるのではないか、滞貨処理必要性はだれよりも認めるが、今回の改正案処理促進達成できるかどうか疑わしく、しかも、運用いかんによっては多くの弊害をもたらすおそれもある等の疑問を寄せております。反対論のところでは、全く特許庁都合、それも目先の都合だけを考え発明者利用者保護、利便は少しも考えない改悪案であると非難しているのであります。これは明らかに、政府民間意見を尊重せず、独善的な法改正を強行しようとしたことを示すものであります。  政府の独善的な態度は、工業所有権制度改正審議会運営に端的にあらわれております。昭和三十四年制定現行法経緯を見ますと、昭和二十五年からこの審議会が、六年余の長期にわたり、三百回近い会議を開いて、そのつど詳細な資料を提示し、慎重な審議を経て答申提出、その後さらに二年余の政府検討あと法案を国会に提出したのであります。審議会発足以来、法施行まで実に約十年を要し、この間、元井上長官任期も四年半に及んでおります。それに比して今回の改正案の場合は、倉八長官が就任して直ちに特許実用新案制度大幅改正論を打ち出し、審議会を終始特許庁側のリードのもとに運営し、しかも、実質審議はわずか数カ月で答申を出させるという強引さであります。審議会委員自己の経験に基づいて修正意見を述べても、全部無視された事実もはっきりしておるのであります。  このような経緯のもとに作成された答申改正案は、実態を知らない一部通産官僚の作文にすぎず、法律の拘束を受ける一般国民意見はほとんど反映していない、非民主的なものとしか考えられないのでありますが、通産大臣の御所見はどうか、お伺いいたしたいと思います。(拍手)  また、改正案は、特許公開制実用新案公開に関する期間及び存続期間等において、答申とも大幅に異なっておるのでありますが、いかなる理由でこのような変更を行なったか、同時にお伺いいたしたいのであります。  ただいまの提案理由の御説明によりますると、審査審判処理促進改正のおもな目的とされておりますが、改正内容から、はたして促進の実があがるか、はなはだ疑問であります。  また、審査処理については、実用新案公開制により、実用新案のめくら出願防衛出願は当然増加し、また、本来の特許出願が、大部分実用新案と二重に出願されることになりますので、実用新案出願件数は倍増するのではないかと思われるのであります。一方、従来実用新案出願が普通であったものが相当数特許出願に切りかえられ、または二重出願になることが予想されますので、特許出願増加するのであります。このため、特許実用新案とを両方審査する審査官は、公開された実用新案に対する膨大な異議申し立て件数と、増加する特許出願件数とによって、現在以上の滞貨をかかえるおそれが十分にあることを指摘したいのであります。  次に、審判及び裁判については、審査以上に処理量増加するのがはっきりしておるのであります。特許法改正によって出願者権利保護が粗略になり、実用新案法改正によって不明確な権利がしばしば登録されることになりますので、審判に持ち込まれ、さらには裁判所に提訴される事例が急増するのは自明の理であります。それ以上に権利侵害に関する審判裁判がふえるのでありますから、改正による混乱のしわ寄せは、もっぱら審判部門裁判所にくる結果となるのであります。  これに対して、政府は、出願の倍増に関する確たる見通し対策もなく、特に重要な審判体制強化裁判所充実に関する施策はほとんど実施していないのであります。これでいいと考えられますか、通産、法務の両大臣にお伺いいたしたいのであります。  実用新案を無審査に近い簡略審査にし、怪しげな権利乱用を防止するためには効力確認審判制度を設ける案になっておりますが、これが活用されるには、審判官が現在の三倍いなければならないといわれておるのであります。現行判定制度において、判定までに二年から三年かかっているような体制では、迅速な確認審判が行なわれようはずがないのでありまして、効果はほとんど期待できないのであります。このようにして制度が悪用されるよりは、審査主義を貫くほうがいいとか、あるいは逆に完全な無審査にしたほうがいいなどとの意見が多く、政府案はほとんどだれも支持していないのであります。権利乱用防止にどのような具体策を講じようとするのか、通産大臣から明確なお答えをいただきたいと存じます。  今回の改正案特許庁側処理の手数を省くことだけに目を向けていることは、補正の制限、拒絶査定をされた出願先願権の剥奪、特許から実用新案への出願変更制の廃止等によくあらわれております。これらはすべて出願人に対し救済の道を閉ざし、不当な不利益をしいるものでありまして、関係者は異口同音に政府案を非難しております。  さらに、実用新案公開制により公報の発行は膨大なものとなりますが、発明者及び企業者は、自己権利を守るためには公報に目を通さざるを得ず、従業員には過当な労力を費やさせるとともに、公報の購入に過重な負担を負うことになるのであります。これもどうにかできるのは大企業だけでありまして、中小企業に至っては全くお手あげの状態になるのは必至であります。最もよく実用新案を利用している中小企業に、理由もなく犠牲をしいるのがはたして妥当かどうか、通産大臣の明確な御答弁をお伺いいたしたいと思います。  工業所有権保護に関するパリ同盟条約におきましては、加盟国の国民はすべて同様の保護を受ける権利を有することが原則であります。しかるに、今回の改正案は、外国人出願手続について著しい制限を加えようとしており、条約違反の疑いがあるとともに、国際信義を傷つけ、日本の信用を失墜するおそれさえあると思うのであります。通産大臣は、なぜこのような粗雑な改正を強行されようとしておるのか、御答弁をいただきたいのであります。  今回の改正案には、時期尚早論が多いのであります。昭和三十五年の新法切りかえ後いまだ日浅く、出願者審査官新法に習熟していない現状におきまして、この上抜本改正が行なわれるならば、大きな混乱を生じ、審査渋滞をかえってはなはだしくするおそれが十分にあるのであります。  学識者の計算によれば、現行制度のまま、出願件数増加に対して審査機能が格段に上回るような方策は、予算さえあれば可能であり、これを計画的に実施するならば、五、六年をもって滞貨は一掃できると聞いております。また、実用新案公開制による公報発行費用は三億円以上見込まれますが、この費用をもって審査官審判官の増員を行なえば、五百人の増員ができるという単純な算術も成り立つのであります。あえて改正を急ぐよりは、このような着実な方法をこそとるべきであると考えるのでありますが、通産大臣と大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。  結論的に申し上げまして、今回の改正案は、一部の事務官僚工業所有権制度一般の経済立法と同様に考え、臨時措置的に制度の改変を意図した気配が濃厚であります。そこには、国民権利義務に対する慎重さも、産業技術向上に関する長期的展望もうかがえないのであります。しかも、改正によって生ずる混乱に対してはほとんど何ら手を打っていない実情でありまして、政府の努力を省略して、その分を国民に負担させようという考え方であり、産業政策としても落第といわざるを得ないのであります。  八十年の歴史を持つ特許制度にここで軽率な改革を加えますならば、将来に大きな禍根を残すことになりますので、私は、この法案委員会においても慎重な上にも慎重な審議を重ねる必要があることを強調いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  14. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 沢田君にお答えいたします。  特許事務の大事なことは御指摘のとおりであります。したがいまして、特許庁長官人事、これは通産省におきましても政府におきましても、十分意を用いておるところでありまして、人材を登用する、こういうことでございます。今後ともその方針でまいるつもりであります。それに際しましては、技術者であるとかあるいは事務であるとか、かように片一方にへんぱ的な扱いをするつもりはございません。要は、この人を起用すれば必ず特許事務について成果をあげる、こういう人を起用するつもりであります。また、任期等につきましても、たいへん在任期間が短い、こういうことでおしかりを受けましたが、政府自身も今後とも十分注意いたしまして、成果があがるように、あまり人をしばしばかえないように努力いたしたい、かように考えます。  また、特許庁通産省にあることが不適当だ、こういう御指摘でありますが、御承知のように、いままでも申し上げましたが、産業政策と特許権、その事務、これはやっぱり一カ所であることが望ましい、かように思いますので、私どもは、通産省にただいまもありますし、また今後もこれを改正する考え方はございません。  また、管理部門と審査審判部門が一体でないのではないか、こういう御指摘であります。管理部門と審査審判部門が一体でなければ、特許庁の成績はあがらないのであります。今後とも、これが一体であるように一そうの努力をいたすつもりでございます。  次に、特許庁出願料あるいは登録料、こういうものが歳入になりますが、その歳入が支出をいつも上回っているのではないか、こういう御指摘であります。戦後の状況を見ますると、歳出歳入を上回った部分もございます。これは約十年近く続いたと思います。しかし、最近におきましては、歳入のほろが多くて、歳出がこれをこしておらない、だからこれは不都合じゃないか、こういうお話でありますが、この種の歳入は、歳入したものを全部特許庁で使うという特別会計のものではございません。これは一般財政、一般行政にも関係のあるものでありますから、そこらは必ずしも歳入歳出が一緒でなければならぬ、かように私は思いませんが、要は、いわゆる審査審判等が適切に行なわれるか、迅速に行なわれるか、それだけの十分の予算がついているかどうかということだと思います。冒頭に申しましたように、特許事務はまことに大事な仕事でありますから、今後とも予算編成等におきましては、特許事務に支障を来たさないように注意してまいるつもりであります。(拍手)   〔国務大臣三木武夫登壇
  15. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) たいへんたくさんの御質問を沢田君からいただいたわけであります。お答えをいたします。  出願件数激増したのは見通し誤りでないかというお話でありましたが、確かにわれわれが考えておったよりも激増したのであります。それは貿易の自由化、技術革新という時代にちょうどぶつかったがために、予定よりも非常に激増いたしたのであります。そのことが国民責任があるなどとは考えておらないのであります。確かにわれわれの見通しよりも激増したという事実はお説のとおりでございます。今後は、したがって、実用新案特許などがどのように増加していくであろうかという増加の趨勢なども測定をいたして、できる限り審査審判官の増加というものを計画的にいたしたいと考えております。  それから、特許庁に働いておる人たちが、標準処理量ノルマのようなものがあって、欧米諸国に比して非常に労働が過重ではないかという御心配でありましたが、われわれはさようには考えていない。欧米よりも過重な労働にはなっていないと考えております。  さらに、電子計算機を導入したけれども、もの笑いになっておるじゃないかというお話でありましたが、それはおいでになって見てくださればわかりますように、初めはそうであったのです。しかし今日では、非常にその利用になれてきて、一括して事務を処理する場合には、たいへんにこれは効果をあげておるのであります。電子計算機による事務能率の効率は、今後も大きく期待いたしておるのでございまして、今日では、笑いものになっておるどころか、みなに感謝されておるのでございます。  さらに、人事の点については適材適所を貫けという御趣旨は、ごもっともに考えております。  予算のことについては、総理お答えになりました。  次に、この法案通産省の官僚独善であるというきびしい御批判がございましたが、御承知のように、もう出願が五十万件累積して、この現状を打破せいというのはちまたの声でありまして、そのために工業所有権制度改正審議会で三カ年間も時間をかけて審議したのであります。その間、民間意見等も徴して、これは広く民間意見を聞きながらこの法案を作成いたしたのでございまして、これが独善とか非民主的という御批判は当たらないと考えておるのであります。  さらに、中小企業の問題についていろいろ御心配の御発言がありましたが、われわれもその点は、この改正が中小企業に悪い影響を与えないように、たとえば、中小企業が組合などで審査をして異議申し立てをしたり、また公報なども分類をして中小企業が見られるようにして、本法の恩典が中小企業にも均てんいたすような努力をいたしてまいりたいと考えております。  さらに、権利乱用に対してどういう保護規定があるのかということでありましたが、法案の中にもありますように、効力確認審判という制度を設けて、権利乱用に対しては保護することにいたしておるのでございます。  最後に、外国人に対してきびし過ぎるのではないかというお話でございましたが、内外人平等の原則の上に立ってこの法の改正は行なわれておるので、外国人を差別待遇はいたしておらないのでございます。  とにかく、五十万件も出願が累積して、これが処理できないということは、一つの発明、発見、いわゆる科学技術振興にも影響いたしますので、手続簡素化して、国民技術開発に対する意欲を失望させないようにいたしたいと考えてこの法案提出いたしたのですから、各位の御賛成をお願いいたす次第でございます。(拍手)   〔国務大臣福田篤泰君登壇
  16. 福田篤泰

    国務大臣(福田篤泰君) 毎年激増しまする出願数並びに滞貨増に対しまして、特許庁では御承知のように処理計画を立てております。行政管理庁といたしましては、この計画を十分検討いたしまして、毎年定員の約一割、本年度は千四百十四名のうち百六十名でありますが、その定員増を例外的に認めておる次第でございます。なお、審査長二、審判長三もさらに増員を認めたわけでありますが、われわれといたしましては、単なる定員増だけでは御指摘のような事務処理はなかなかはかどらない、そこで特許並びに実用新案に関する法律改正、あるいは手続簡素化機械化等もぜひ併用して充実強化をはかりたいと考えている次第であります。  なお、機構に関しましては、われわれといたしましては、通産省の外局である現在の機構をそのまま生かしまして、臨調の答申を尊重し、さらに実情に即したあらゆる改善を行なって、十分その機能強化をはかる考えでございます。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇
  17. 福田赳夫

    国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。  私に対する質問の第一点は、特許収入に比べて特許関係の支出が少ないではないか、こういうことでございまするが、特許庁のやっておる仕事は特許行政でございまして、特許企業ではないのであります。したがいまして、企業会計的な考え方はとっておりません。必要でありますれば幾らでも金は出します。現に昭和三十七年、つまり五年前に比べまして、五年前は八億円でありましたが、今日は二十二億円に激増いたしておるわけであります。ちょうど交通行政と同じでございます。罰金がずいぶんふえてくる。だから交通行政をふやすかというと、そうじゃありません。同じような関係のものでございます。  質問の第二点は、今回の措置は、これは少し早過ぎるのじゃないかというようなお話でございますが、そうじゃないのでございます。いま通産大臣からお答えがありましたように、五十万件近くも事務がたまっておる。これはもうどうしても急いで解決しなければならぬ。それには急ぐ姿勢を示さなければならぬ、こういうのが今回の措置であります。そういうようなことで、われわれといたしましてはできる限り努力をいたしまして、この滞っておる事務を整理していきたい、こういうつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣石井光次郎君登壇
  18. 石井光次郎

    国務大臣(石井光次郎君) お答えいたします。  今度の特許法実用新案法の一部改正のために、その影響を受けますのがわれわれのほうの裁判、あるいは審判というような方向に向かってきて、そこに混乱が生ずるのじゃないかということでございます。私の関係いたしております裁判のほうの問題だけお答えいたしたいと思うのでございますが、この改正によりまして、いろいろな問題が新たな方向に進んでいくものもあると思いますが、裁判の方向に、裁判にかかってくるというものがこのために急に多くなるとは私どもは思っていないのでございます。そこにくる道程において相当な解決がついてくるものだと思うのでございますが、しかし、この種の訴訟というものも、相当いままでもあっておるわけでございます。また、多少増すでありましょう。これらの問題は非常に早く、そして正確に解決しなければならぬ問題でございますから、私どもはこれに力を入れていくつもりでございます。  ことしの予算に変わったものが一つあらわれてまいりましたのは、地方裁判所裁判所調査官の制度を設けてもらいました。これによりますと、特許権に関する特殊専門的な知識と経験を有する者を裁判所の調査官に採用することができるようになりました。こういうふうな新しい制度を加味いたしまして、裁判所において、かかってまいりました事件は、正確に、そして迅速にいままでよりも処理するように努力いたしたいと思うておる次第でございます。(拍手
  19. 園田直

    ○副議長(園田直君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  野菜生産出荷安定法案内閣提出)の趣旨説明
  20. 園田直

    ○副議長(園田直君) 内閣提出野菜生産出荷安定法案について、議院運営委員会決定により、趣旨説明を求めます。農林大臣坂田英一君。   〔国務大臣坂山英一君登壇
  21. 坂田英一

    国務大臣(坂田英一君) 野菜生産出荷安定法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  最近における国民所得の増大に伴う国民の食生活の向上により、野菜に対する需要は増大を続けておりますが、野菜生産の現状は天候に支配せられるところが大きい上、その生産及び出荷体制が必ずしも十分に整備されていない等のため、野菜農業の健全なる発展の上からも、国民消費生活の安定の上からも困難な問題を生ずるに至っております。  特に人口の集中の著しい大都市におきましては、野菜の消費量も多く、かつ種類も多岐にわたり、これを出荷する地域も広範囲にわたる等のため、そこで形成される価格が全国の野菜価格に大きな影響を及ぼしている状況にありますので、大消費地域に出荷される主要な野菜について、その安定的な供給を確保し、もって野菜農業の健全なる発展と国民消費生活の安定に資するための対策が強く要請されているところであります。  このような要請にこたえるためには、野菜の生産及び出荷にわたる施策として、大消費地域に出荷される主要な野菜の安定的な生産と計画的な出荷を行ない得る集団産地の育成をはかるとともに、その価格の著しい低落に対処するための措置を講ずる必要があると考えられます。  このような考え方に基づきまして、ここに野菜生産出荷安定法案提出した次第であります。  以下、この法律案概要を御説明申し上げます。  第一は、需要の見通しについてであります。すなわち、農林大臣は、一定の消費地域における主要な野菜の需要の見通しを立て、これを公表するものとしております。  第二は、野菜指定産地についてであります。農林大臣は、主要な野菜を一定の消費地域に出荷する一定の生産地域で、その主要な野菜の集団産地として形成すべきものを野菜指定産地として指定することができるものとしております。  第三は、生産出荷近代化計画についてであります。都道府県知事は、野菜指定産地ごとに、その区域におけるその主要な野菜の生産及び出荷の近代化をはかるための生産出荷近代化計画を立てるものとしております。  第四は、野菜生産出荷安定資金協会についてであります。この協会は、野菜指定産地の区域内で生産される主要な野菜の出荷者による自主的な機関として、これらの者の発意により設立される法人とするものとしております。  協会は、一定の消費地域において一定の主要な野菜の価格が著しく低落した場合に、野菜指定産地内の生産者の経営に及ぼす影響を緩和するため、会員から徴収する負担金等をもって、生産者補給金の交付の業務を行なうものとしております。  このほか、協会の役員、総会、業務に関する監督等について所要の規定を設けております。  なお、農林大臣または都道府県知事は、野菜指定産地から一定の消費地域に対する主要な野菜の出荷の安定をはかるため、その出荷者に対し、合理的かつ計画的な出荷に関し勧告をすることができることとしております。  以上が、野菜生産出荷安定法案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  野菜生産出荷安定法案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  22. 園田直

    ○副議長(園田直君) ただいまの趣旨説明に対して質疑通告があります。これを許します。兒玉末男君。   〔兒玉末男君登壇
  23. 兒玉末男

    ○兒玉末男君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました野菜生産出荷安定法案につきまして、佐藤総理及び関係大臣に質問を行ないたいと思います。  本法案は「野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資する」とありますが、まずもって、今日この法案を出すに至った背景、すなわち、戦後の日本経済の高度成長過程において消費者物価の上昇と野菜価格がどのような関係にあるかを検討してみる必要があります。  消費者物価は、いまさら申し上げるまでもなく、歴代政府の失政によって上昇の一途をたどり、いまや国民の日常生活に重大な脅威を与えているのであります。これを数字で申し上げますと、昭和三十五年を一〇〇として、総合で、昭和四十年末においては一三七%に至っております。特に、消費者物価の上昇に対して最も深い関係を持っている食料品が全体の物価騰貴に対して占める寄与率は、毎年実に五〇%に及んでいるのであります。中でも野菜は、昭和三十八年を除いて、対前年度価格上昇率、寄与率ともに一〇%をこし、食料品の価格上昇の割合から見ますと、その中の最高にあり、魚介類とともにその双壁をなしております。  わが国は、フランス等と並んで、世界でも有数の野菜消費国であり、一人当たり年間野菜消費量は実に百二十キロに及んでおります。この膨大な野菜を日常必要とする日本の実情から見まして、野菜の価格が国民生活に与える影響がいかに大きいかがうかがい知られるのであります。にもかかわらず、今日まで野菜の価格に対する対策が放置され、そのために、主要野菜の消費量はあまり変化がないにもかかわらず、価格につきましては、昭和三十五年を一〇〇とした場合、一九六・六%、実に二倍も高い上昇率を示しているのであります。このことは、現在まで野菜に関しては全く政治的配慮が払われず、国民生活に最も影響の大きい問題に政府がきわめて冷淡であったことを物語っております。(拍手)  総理は、国民が求めるものは勇気をもって実行すると言われておりますが、この重大な問題を現在まで放置されましたことは、重大な政治責任があると考えます。これらの情勢の中におきまして、ようやく本法案提出されたのでありますが、総理は、この重要案件を現在まで放置した責任をどのように考えておられるか、まず基本的な政治姿勢について総理の御答弁をいただきたいのであります。(拍手)  以下、本法案問題点について順次質問いたします。  まず農林大臣にお伺いしたいのでありますが、第一は、本法案目的は「野菜農業の健全な発展と国民消費生活の安定に資する」とありますが、現況は、野菜価格が高いにもかかわらず生産農家の手取り額はきわめて低く、価格高騰の主因は流通経費の拡大にあります。たとえば、中部管区行政監察局の野菜価格の追跡調査の結果にもあらわれておりますように、小売り価格を一〇〇として、生産農家の手取りはわずか二二・六%にとどまり、小売りマージンの三二・七から六六・二%を筆頭に、中間マージンが実に七七・四%を占めておりまして、農家から小売りまでの価格の倍率は、実に二倍から五倍にも達しております。  これらの実態から考えますと、生産農家の手取り価格を引き上げ、消費者価格を引き上げるという本法案目的達成のためには、中間マージンを少なくすることが先決であるが、大臣は、このことを法案規定せず、ただ単に野菜の産地指定と計画出荷のみで本法案の主目的達成されるとお考えになっておるのかどうか。(拍手)  第二は、消費者価格の安定をはかるためには、生産と需要の均衡をはかることが大切であるが、この関連をどのような形で把握し、消費者価格の高騰を防ごうとされるのか。  第三点は、野菜は天候の変化に大きく支配されます。今日まで、豊作貧乏ということばが示すとおり、豊作のときは価格の暴落で農民を泣かせ、凶作のときは価格の高騰で消費者を苦しめてまいりました。このようなことをなくするための、生産者から消費者に至る過程での市場への出荷調整などはどのように処理をされるのか。  第四点は、産地指定はどのような基準とどのような条件によって行なうのか。また、対象品目が限定かつ大型化されているので、強力な価格保障がなければ生産の拡大と安定した供給が不可能だと考えますが、価格保障をどのようにお考えなのか。あわせて、大型産地の安定策についてお伺いしますが、品種の統合、産地を構成する個々の農家の技術の標準化など、早急に改善のむずかしい問題の処理をいかにされるのか。産地の大型化に伴って、基幹施設である共同選果場、共同防除、かん水施設などの建設が必要であるが、これらの諸施設に対してはどのようにお考えであるか。  第五に、現在の出荷系統の実情をその販売量で見ます場合に、農協関係三割、青果団体二割、商人とその団体二割、個人三割となっております。これを共同出荷という形にする場合には横の調整がとれるかどうかという懸念が生じますが、ただ単なる勧告措置だけで十分の効果を期待できるのかどうか。  第六に、指定消費地域について、これを四大消費都市地区に限定したことに関して伺いたいのであります。物価安定のための総合政策におきましても、人口十五万以上の都市に中央市場を設けることを法的に規制しているにもかかわらず、現実にはこれが十分に整備されていない状況であります。このような状況において指定消費地域を限定した場合、地方都市地域では効果が期待できず、特に指定産地地域では需要と供給のバランスがこわれ、生産地周辺において野菜の価格が高騰するという現象が出てくる可能性が濃厚であります。これらの懸念はどのように解消されるのか、また、地方都市の価格安定については確信がおありなのかどうか。  第七点は、農産物の流通統計調査について伺いますが、野菜指定産地と主要市場との流通についての緊急集計や、産地別の出荷計画量の把握はきわめて重要と考えますが、これについてどのような措置をとられようとしているのか。野菜生産量の調査に関連し、本法案対象の六品目だけでなく、広範な作柄概況調査が重要であると考えますが、調査規模の拡充などについてどのような対策があるのか。  第八に、価格補てん制度の問題についてお伺いします。現在、タマネギ、キャベツについては価格の補償がなされておりますが、これも、現行制度では検討の余地があり、完全でないことは御承知のとおりであります。本法案に盛られました補てん制度は、単にこれを法制化したにすぎないと考えますが、これが拡大年次計画等はつくられているのかどうか。これに関連しまして、出荷調整、いわゆる計画出荷がなされるような組織が整備されれば、価格は安定し、価格補てん制度はさほど重視しなくてもよいとも考えますが、ただ、豊凶作の差の激しい野菜について、もし生産過剰という事態が生じ、これを廃棄処分にした場合には、当然価格の補償がなさるべきであると考えますが、この点どのようにお考えか。  さらに、価格補てんについては、中央市場を通されるものだけに適用されると聞き及んでおりますが、流通の簡素化をはかり、消費者に安定価格で野菜の提供を行なおうとするものについては価格補てんが行なわれない点を、どうも納得ができないのであります。たとえば、学校給食や工場給食などの大口需要者が計画的な直接取引を行なう場合など、当然その対象とすべきだと思いますが、いかがですか。  第九点は、この法案については国からの財政援助が明記されておりませんが、財政的にはめんどうを見るのか見ないのか、この点を明らかにしていただきたい。  最後に、野菜価格は、各市場間において、出荷量の多寡、あるいは扱い品目等によって価格に相違が生ずる場合があると考えますが、市場相互の均衡を保つためには、適正な価格基準をどのようにされるお考えか、下落最低基準等を設けられる考えがあるのか、お伺いしたいのであります。  次に、経済企画庁長官にお伺いいたします。  物価安定の方策として、ボランタリーチェーン、すなわち、生産者と直結した小売り連鎖店、並びにそのための卸売り総合センターを大都市周辺につくり、国が指導や金融あっせん等を行なうという構想をどのようにお考えになっているのか。  第二に、現在の野菜の価格は、生産者価格と小売り価格に非常に大きな格差があります。最近の実例を申し上げましても、大根の場合等では約四倍から五倍、キャベツの場合においても一キロ当たり約四倍の高値であります。せっかくつくられる生産出荷安定の施策も、生産並びに出荷の調整と需要との関係を正常にする方策に加え、輸送、貯蔵、加工等の全般にわたる、いわゆる生産から小売りまでの流通機構のすべてに及ぶ改革がなされない限り、所期の目的達成できないと考えます。経企庁としては、この機会に生鮮食品等に関する流通機構を完全なものに改革すべきだと考えますが、これに対する長官の御答弁を求めます。  第三に、外国の農産物で果実、野菜及びその加工品の輸入が増大の傾向にあり、このことが国内の生産者並びに中小企業を圧迫し、ここにも自由化がもたらした弊害があらわれておりますが、外国産農産物の日本市場への大幅進出に対してどのように対処されるつもりか、その方策をお伺いします。  次に、運輸大臣にお伺いいたします。  生鮮食品、特に野菜は、御承知のごとく、長期間これを同じ状態で保存することがむずかしく、そのためには輸送時間を短くすることが要求されるわけでありますが、輸送時間の短縮とあわせて、品質の低下を防ぐための冷蔵庫などの新・改造など、生鮮食料品の輸送体制の改良にはどのような施策をお持ちであるか、お伺いいたします。  次に、科学技術長官にお伺いいたします。  コールドチェーンの構想は、冷蔵船輸送とともに、今後の生鮮食品、中でも野菜類、肉類の安定した供給の方策として注目を浴びているのでありますが、聞くところによりますと、これを民間資本をもってする計画もあるといわれておりますが、この種の計画は、本来国の力で行なってこそ初めてその真価が発揮できるものであり、営利企業として行なうべきではないと考えるのでありますが、このことも含めて、コールドチェーンの一連の構想並びにその将来について、お考えを明らかにしていただきたい。あわせて、貯蔵、加工部門の構想も承りたいのであります。  以上、十五項目の問題点を提起いたしましたが、いまや、日を追って上昇する物価と、その抑制、安定を怠った政府並びにその政府施策に対し、国民のすべてが激しい憤りを持っていることに思いをはせるべきであります。わが党が従前より主張しているとおり、安定した生産を確保するための生産農民の保護、流通機構の改革、卸売り、小売り業界の再編成など、いまに至っては時期おそしの感もありますが、これらの強力な施策がなされない限り、生鮮食品を中心とする物価の安定は期待できないのであります。  この観点から、総理並びに各大臣は、この法案を野菜に関する限り所期の目的を完全に達し得る法律となすべく、そのためのあらゆる行政措置、指導を行なわれるよう強く要望いたしまして、私の党を代表しての質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  24. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 野菜が国民生活に占むる地位、これはたいへん重大であります。御指摘のとおりであります。したがいまして、この野菜の安定供給、また価格が安定する、この二つの問題について政府は特に留意いたしておるわけであります。しかしながら、野菜の栽培は天候に非常に左右されるし、また、これは国民の嗜好にも関する問題であります。なかなか過去におきまして十分の成果をあげていなかった。ことに、消費者物価の問題が非常にやかましい際に、この野菜が与える影響、これはまことに大きいのであります。今回の法案提出を見るに至ったわけであります。ぜひとも今回はこの法律案を与野党御協力のもとに成立させたいと思いますし、今後とも、生産また消費、その両面において十分生産者も満足するし消費者も満足のいくような、生産、流通、価格の安定、また貯蔵のきくような科学的な措置なども改善を加えて、そうして国民の要望に沿いたいと、かように思います。(拍手)   〔国務大臣坂田英一君登壇
  25. 坂田英一

    国務大臣(坂田英一君) たいへんたくさんの御質問でございまするが、流通経費の圧縮が先決で、生産、計画出荷のみでは、いわゆる野菜農業の発展と国民消費生活の安定という目的が達せられると思うかという御質問でございます。  野菜問題の解決のためには、野菜の生産、流通、消費の各段階にわたって対策を講ずる必要があると思われるのでございまするが、野菜は、他の農産物に比較いたしまして、作付面積、それから作柄の変動が激しいこと、貯蔵性がないこと等の事情により、大きな価格変動を繰り返しており、これが生産者の経営と消費者の家計の双方に悪影響を及ぼしておりまするので、生産と出荷段階の問題を解決することが対策の基本であると考えるのでございます。この法案は、このような考え方に基づきまして、主要な野菜について集団生産地を育成することにより、その生産と出荷の安定をはかることをねらいとするものでございます。しかし、これと並行して流通各段階の合理化についても確実に対策を進めてまいる必要があることは、御説のとおりでございます。  次に、指定消費地域について、これを四大消費都市地域に限定する理由はどうか、この限定により地方都市の需要のバランスがこわれることはないか、こういう地方都市の価格安定について心配はないかという意味の御質問がございました。  大消費地域を対象としたことについては、これらの地域においては、野菜の消費量も多く、また、出荷してくる地域も広範囲にわたっており、また、それで形成される価格が全国の野菜の価格に大きな影響を及ぼしておる現状にかんがみまして、この法案は、大消費地域に主要な野菜を出荷する集団産地の育成をはかることとしたのでございます。このような集団産地で生産された主要な野菜は、大消費地域だけでなく、地方都市にも出荷されるので、その効果は地方都市に及ぶのであり、また、大消費地域における野菜の価格の安定は、地方都市の野菜の価格の安定に資するところも大きいと考えておるような次第でございます。  それから、消費者価格の安定をはかるには、生産と需要との均衡をとることが大切であるが、その関連をどのような形で把握するか、暴落、高騰をなくするための生産と出荷調整等についてどう考えておるか、なお、これらに関連して、指定生産地の指定基準はどうするか、あるいは産地の大型化について、品種の統合あるいは農家の技術の標準化をどう処理するかとか、あるいは共同選果、共同防除等の施設についてはどう考えるかといったような問題についても御質問があったわけでございます。  野菜の価格の安定をはかるには、御指摘のとおり、需要と生産の均衡をはかる必要があるので、この法案におきましては、関係都道府県の密接な協力のもとに、国が大消費地域における主要な野菜の需要の見通しを立てて、その需要の動向に即して、安定的な生産、計画的にこれを出荷するということにいたす、そういう意味で、集団産地を形成するに必要な条件を備えておる地域を野菜指定産地として指定することといたしておるわけでございます。  野菜指定産地の指定を受けた地域については、生産出荷近代化計画の樹立と、これに基づく事業の実施について国が助成することによって、優良品種の選定、あるいは土地基盤、あるいはかんがい排水施設の整備、共同育苗圃の設置、病虫害防除施設の導入等をはかり、その生産性向上促進するとともに、規格、包装の統一、共同集出荷施設の整備等、出荷の近代化を推進することといたしたい。  また、指定産地指導員を設置いたしまして、生産、出荷についての濃密な指導と、国、都道府県の出荷についての勧告によって、各出荷者が合理的かつ計画的な出荷を行なうことを期待しておるのでございます。(拍手)  第四には、指定産地の対象品目が限定され、かつ産地が大型化されているので、強力な価格保障がなければ、生産の拡大と安定した供給はできないと考えるが、これらについてはどう考えておるか、それに関連して各種の御質問があったわけでありまするが、集団産地の育成のためには、価格の著しい低落に対処するための処置が必要でありまするので、現在一部の品目について行なっておりまする価格補てん制度を法制化するとともに、今年度予算において対象品目の追加と財政援助の強化をはかっておりまするが、今後とも、より有効な制度とするため、集団産地の育成と相まって、資金協会の業務内容改善をはかってまいりたいと存じておるわけでございます。  指定産地と主要市場との流通量の集計、あるいは産地別の出荷計画童の把握が重要であると考えるが、これらについてどういう処置をとるかという問題、また、野菜生産量の調査に関連して、六品目だけではなく、広範な作柄概況調査が必要であると考える、これら調査規模の拡充等についてどう考えるかというような種類の御質問でございましたが、野菜の流通量、作況、出荷計画等の把握が肝要であることはお説のとおりでありまするので、今後とも、これらの調査の拡充強化について十分配慮してまいりたいと存じておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣藤山愛一郎君登壇
  26. 藤山愛一郎

    国務大臣(藤山愛一郎君) 消費者物価の問題を扱います上において、野菜の価格の安定ということは非常に重要な問題でございます。したがいまして、野菜の出荷、供給と消費とを適合させ、かつ価格の安定をはかりますことは根本的に緊要な基礎的な問題でございますが、同時に、生産者のためにも消費者のためにも、中間経費ができるだけ削減されることが望ましいことは当然でございます。したがいまして、野菜価格の安定と同時に流通機構改善をはかってまいらなければならぬと思います。したがいまして、本法律とあわせて、われわれは、行政施策として、中央卸売り市場の整備でございまするとか、あるいは取引自体内容改善でございまするとか、あるいは卸・小売り業の近代化等々の施策を並行してやってまいることによりまして、野菜安定法の目的が真に達成されるのだと考えます。  したがいまして、生産、出荷につきましては、輸送の面につきましても、あるいは包装その他の面につきましても、あるいは貯蔵、加工という問題につきましても、政府としては十分な留意をもってそれらに対処していかなければなりませんし、同時に、今日までの中央卸売り市場——ことに、大都会におきましては、過密化しております現状から申しまして、輸送の困難、不便、時間的な問題等もございますので、さらに市場の位置等にもあらためて考慮を加えなければなりませんし、市場内の設備自体についても近代化の必要があると思います。さらに、市場の取引自体につきまして改善の要があると考えております。  また、小売り業の問題につきましては、卸の段階におきまして、ボランタリーチェーンでございますとか、卸総合センターでございますとかをつくりまして、そうして野菜にもこれが適用できるような方法を考えてまいらなければならぬと思います。現在、ボランタリーチェーン等は、白川雑貨、繊維製品等が主たる目的となると思いますけれども、しかし、これらの問題について、野菜の貯蔵、加工の処理方法によっては扱えるのじゃないかと思います。そうした施策を加えてまいりまして、卸・小売りの近代化をやってまいって、それによりまして、零細企業でございます小売り業者が、中間商人としての機能を確実に行ないますと同時に、その生計を十分に確保していくように考えてまいりませんと、いたずらに零細企業をいじめることになってもいかぬと思います。  そういうような点で、これらの施策が総合的に取り行なわれまして、野菜の価格が安定してまいりますれば、消費者物価の真の安定を期し得られると考えております。   〔国務大臣上原正吉君登壇
  27. 上原正吉

    国務大臣(上原正吉君) 私に対しまする御質問は、コールドチェーンのような新しいことは国の費用でやるべきではないか、こういう御質問と承りました。もとより、科学技術庁が計画しておりますコールドチェーンは、実験をやろうというのでございますから、その費用は全部国で負担いたします。そして、この実験は、各省庁の御協力を得なければやれないのでございます。たとえば、府県並びに農林省、これが産地につきまして産出物の貯蔵、加工、それから輸送に関しましては運輸省あるいは私鉄、国鉄、それから配給に関しましては通商産業省、これらの省庁の御協力を得て実験を重ねまして、これでよろしい、これでやれるとなったら、それは各省庁にお渡しして御実行願う、こういう構想でございます。   〔国務大臣中村寅太君登壇
  28. 中村寅太

    国務大臣(中村寅太君) 生鮮食料である野菜類を迅速に、しかも鮮度の高いものを消費者に送り届ける使命を国鉄その他輸送機関は持っておるのでありますが、そのためには、急行の貨車、特急の貨車を増設するとか、あるいは荷役の機械化等によって速力を早めるとか、あるいは特別に、生産地の集荷設備等を考慮いたしまして、生産地から消費者への専用列車をつくるとか、そういうことを考慮してまいりたい。さらに、冷蔵庫あるいは通風車とか、あるいは重保冷高速貨車とか、あるいは重保冷コンテナ等のような、そういう輸送途中において品いたみのしない設備を整えまして、鮮度の高いものを消費者に迅速に届けるようにいたしてまいりたいと思っております。
  29. 園田直

    ○副議長(園田直君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  30. 園田直

    ○副議長(園田直君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十二分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 石井光次郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         文 部 大 臣 中村 梅吉君         農 林 大 臣 坂田 英一君         運 輸 大 臣 中村 寅太君         国 務 大 臣 上原 正吉君         国 務 大 臣 福田 篤泰君         国 務 大 臣 藤山愛一郎君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正巳君         科学技術庁資源         局長      佐々木 即君         特許庁長官   倉八  正君      ————◇—————