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1966-03-25 第51回国会 衆議院 本会議 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月二十五日(金曜日)     —————————————  議事日程 第十九号   昭和四十一年三月二十五日    午後二時開議  第一 住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金   融通法の一部を改正する法律案内閣提出)  第二 日本住宅公団法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第三 農業近代化資金助成法の一部を改正する   法律案内閣提出)  第四 農業信用基金協会法の一部を改正する法   律案内閣提出)  第五 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する   法律案内閣提出)  第六 最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内   閣提出)  第七 物品税法の一部を改正する法律案内閣   提出)  第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  第九 地方税法の一部を改正する法律案内閣   提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 住宅金融公庫法及び産業労働者住宅   資金融通法の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第二 日本住宅公団法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第三 農業近代化資金助成法の一部を改正   する法律案内閣提出)  日程第四 農業信用基金協会法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第五 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正   する法律案内閣提出)  日程第六 最高裁判所裁判官退職手当特例法案   (内閣提出)  日程第七物品税法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  日程第八 租税特別措置法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第九 地方税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提   出)    午後二時七分開議
  2. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 日本住宅公団法の一部を改正する法律案内閣提出
  3. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第一、住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案日程第二、日本住宅公団法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————
  4. 山口喜久一郎

  5. 田村元

    田村元君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、住宅金融公庫業務範囲拡大するとともに、既存の貸し付け制度改善等を行なうことを目的とするもので、おもな内容は次のとおりであります。  第一に、理事の定員を一名増加して七名以内とするほか、役員欠格条項について所要改正を行なうこととした。  第二に、賃貸住宅または分譲住宅事業主体に対し、住宅建設にあわせて幼稚園または児童保育施設建設に必要な資金貸し付けることができるものとし、その貸し付け限度額は八割五分、利率は年六分五厘、償還期間は十年以内とすることとした。  第三に、宅地造成事業主体が新住宅市街地開発事業またはこれに準ずる事業を行なう場合には、幼稚園その他利便施設建設及び道路、公園、下水道等公共施設整備に必要な資金貸し付けることができるものとし、その貸し付け利率は、現行の年七分五厘を年六分五厘に引き下げることとした。  第四に、中高層耐火建築物等で、公庫貸し付け金による賃貸住宅等と一体として建設されるものの非住宅部分についての貸し付け限度額を八割から九割に引き上げることとした。  第五に、中高層耐火建築物寺内住宅部分公庫の定める用途以外の用途に供したときは、全部について繰り上げ償還を請求することができることとした。  次に、産業労働者に、住宅建設し、または購入して譲渡しようとする事業者等に対し、その建設資金または購入資金貸し付けることができるものとし、貸し付け条件は従来の住宅建設融資と同様とするほか、譲渡条件等譲渡を受ける者の負担能力を考慮して適正に定めるものとすることとしたことであります。  次に、日本住宅公団法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、日本住宅公団宅地開発部門を拡充し、これを担当する副総裁を一名増置するとともに、管理委員会及び役員欠格条項について所要改正を行なうこととし、また、公団業務範囲拡大して、公団が行なう住宅建設宅地造成とあわせて、道路下水道等公共の用に供する施設整備等を施行することができることとするほか、新住宅市街地開発法等に基づく事業施行者としての規定公団法に明らかにすることとしたことであります。  両案は、いずれも二月十五日本委員会に付託され、二月二十五日建設政務次官より提案理由説明を聴取し、慎重審議いたしましたが、その詳細につきましては会議録に譲ることにいたします。  かくて、三月二十三日、両案に対する質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決の結果、全会一致をもって両案とも原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党日本社会党民主社会党共同提案による、勤労者住宅建設促進に関する附帯決議が付されましたが、その内容会議録によって御承知を願いたいと存じます。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  6. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第三 農業近代化資金助成法の一部を改   正する法律案内閣提出)  日程第四 農業信用基金協会法の一部を改正   する法律案内閣提出
  8. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第三、農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案日程第四、農業信用基金協会法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  9. 山口喜久一郎

  10. 舘林三喜男

    舘林三喜男君 ただいま議題となりました両案につき、農林水産委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず、農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における農業者等資金の需要の動向に即応し、なお一そう資本装備高度化等農業経営近代化を推進し、あわせて農業団体系統資金の活用に資するため、農業近代化資金貸し付け対象事業範囲拡大償還期限及び据え置き期間の延長を行なうとともに、農林中央金庫が行なう農業近代化資金貸し付けにつき政府が直接利子補給を行なう道を開くなど、農業近代化資金制度拡充強化をはかろうとして提出されたものであります。  次に、農業信用基金協会法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、農業近代化資金制度拡充整備とあわせて、農業信用基金協会が行なう農業近代化資金の債務の保証について、及び農業中央金庫が行なう近代化資金貸し付けについて保険を行なうため、農業信用保険協会を設立し、その業務運営により、農業近代化資金融通円滑化をはかり、もって農業者等資本装備高度化及び農業経営近代化に資しようとして提出されたものであります。  以上両案は、二月二十五日内閣より提出、同日本委員会に付託となり、三月四日政府から提案理由説明を聴取し、三月十五日から両案の一括質疑を行ない、三月二十三日質疑を終了し、同二十四日、討論を省略して採決を行なったところ、本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案には、自由民主党甘木社会党及び民生社会党党共同提出にかかる、農業近代化資金貸し付け条件緩和等、本制度の円滑な運営をはかるために必要な数項目附帯決議が付されていることを申し添えまして、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  11. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  12. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第五 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改   正する法律案内閣提出
  13. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第五、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案議題といたします。
  14. 山口喜久一郎

  15. 藏内修治

    藏内修治君 ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  炭鉱離職者臨時措置法は、石炭対策の一環として昭和三十四年に制定されたものであります。すなわち、石炭鉱業合理化に伴い、一定地域に多数発生した炭鉱離職者の職業及び生活の安定をはかるための就労対策事業及び再就職対策等を講ずるため制定されたものでありますが、さらに、昭和三十八年、石炭鉱業調査団の答申に基づき、炭鉱離職者求職手帳の発給及び就職促進手当支給等制度を設け、炭鉱離職者対策をより一そう強化拡充し、今日に至っていることは御承知のとおりであります。  本案は、最近の経済情勢その他を勘案した結果、就職促進手当最高日額四百五十円を五百七十円に引き上げることとし、これにより炭鉱離職者生活安定に資するとともに、求職活動を容易ならしめようとするものであります。  本案は、去る二月十七日当委員会に付託され、同月二十三日小平労働大臣より提案理由説明を聴取したのであります。自来、数次にわたり質疑を行ない、昨三月二十四日、質疑を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対して、一、炭鉱離職者臨時措置法の存続については、合理化進行状況を勘案して検討すること、二、緊急就労対策事業等については、滞留離職者状況を考慮して、昭和四十二年度以降も実施するよう善処すること、三、炭鉱離職者求職手帳の失効した離職者就労について万全の措置を講ずること、以上を内容とする自民、社会、民社三党共同提案による附帯決議が付されたことを申し添え、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  16. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  17. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 最高裁判所裁判官退職手当特例法   案(内閣提出
  18. 山口喜久一郎

  19. 山口喜久一郎

  20. 大久保武雄

    大久保武雄君 ただいま議題となりました最高裁判所裁判官退職手当特例法案について、法務委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最高裁判所裁判官の地位の重要性や、その任用の特殊性等にかんがみ、最高裁判所裁判官退職した場合に支給する退職手当を増額するため、国家公務員等退職手当法特例を設けようとするもので、そのおもなる内容は次のとおりであります。  第一は、最高裁判所裁判官退職した場合に支給する退職手当の額を、その者の退職の日における報酬月額に、勤続期間一年につき百分の六百五十を乗じて得た額とし、その退職手当の額が、退職の日における報酬月額に六十を乗じて得た額をこえるときは、その乗じて得た額を退職手当の額としようとするものであります。  第二は、最高裁判所裁判官としての在職期間高等裁判所裁判官その他の職員としての在職期間と引き続いている場合には、その期間は通算しないこととし、それぞれの在職期間について各別の退職手当を支給しようとするものであります。  当委員会におきましては、本案が二月十八日付託せられてより慎重審議を重ね、三月二十四日、質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、「政府は、臨時司法制度調査会の意見を尊重し、速やかに裁判官並びに検察官等報酬、俸給又は退職金等について検討を行ない、改善すべきである。」との附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  21. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第七 物品税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出
  23. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第七、物品税法の一部を改正する法律案日程第八、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。     —————————————  物品税法の一部を改正する法律案  租税特別措置法の一部を改正する法律案   〔本号(二)に掲載〕     —————————————
  24. 山口喜久一郎

  25. 三池信

    三池信君 ただいま議題となりました両法律案について、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  初めに、物品税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案のおもな内容は次のとおりであります。  まず第一に、税負担軽減合理化をはかることといたしております。  すなわち、その一は、課税物品の最近における消費の性質や、課税物品製造者企業規模零細性等から見て、課税することが適当でないと見られるに至ったもの、すなわち、煙火、ネオン管等品目余について課税を廃止することといたしております。  その二は、耐久消費財等課税物品のうち、その普及が国民生活水準向上と密接な関連を有するもので、かつ、その消費拡大輸出振興に寄与すると考えられるもの等、すなわち、写真機テレビ受像機小型乗用自動車等十七品目について税率を引き下げることといたしております。  その三は、現下の経済情勢等に顧み、本年中に期限の到来するステレオ装置等物品に対する暫定軽減または非課税措置は、現状のまま二年間その期限を延長することといたしております。  その四は、税負担の均衡をはかる等の見地から、清涼飲料課税従量税方式から従価税方式に改めるとともに、銃の部分品に対し新たに課税する等、課税合理化をはかることといたしております。  第二に、納税手続簡素合理化をはかることといたしております。  すなわち、納税義務者税務署長承認を受けないで未納税移出のできる範囲拡大するとともに、別表に掲げてある課税物品表を見やすくするため、同種の物品ごとに区分する等、所要規定整備をはかることといたしております。  続いて、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案のおもな内容は次のとおりであります。  まず第一に、中小企業体質強化に資するための措置を講ずることといたしております。  すなわち、その一は、資本金一億円以下の法人について、二年間、貸し倒れ引き当て金繰り入れ限度額を二〇%引き上げるとともに、中小商社海外市場開拓準備金繰り入れ率現行の〇・五%から一%に引き上げることとし、あわせて、商工組合とその組合員に関する中小企業海外市場開拓準備金制度簡素合理化をはかることといたしております。  その二は、主務大臣承認を受けた組合について、中小企業構造改善準備金の積み立てを認め、その組合員が支出する賦課金を、所得計算必要経費または損金に算入するとともに、その組合員が取得した一定共同利用施設について特別償却をすることができることといたしております。また、個人が二年以内に協業のため現物出資をした場合の譲渡所得税について、三年間の延納制度を設けることといたしております。  その三は、中小企業近代化促進法による指定業種割り増し償却制度について、その指定期限を延長するとともに、割り増し償却対象範囲拡大し、また、ボランタリーチェーン用倉庫について、正年間割り増し償却をすることができることといたしております。  第二は、企業体質改善促進に資するための措置を講ずることといたしております。  すなわち、その一は、資本金一億円超の法人が二年以内に自己資本比率向上した場合には、その向上の度合いに応じて、法人税額の二%ないし一〇%に相当する税額控除を行なうことといたしております。  その二は、一定産業に属する企業が、二年以内に主務大臣承認した計画に従って機械設備スクラップ化を行なった場合には、そのスクラップ化を行なった機械設備取得価額の一〇%に相当する所得税または法人税税額控除を認めることといたしております。  その三は、法人が二年以内に合併した場合には、合併後三年間、法人税額のうち、合併によって増加した資本の割合に応じた金額の二〇%に相当する税額控除を行なうほか、合併登記登録税軽減することといたしております。  第三に、輸出振興に資するため、輸出割り増し償却制度について、その割り増し率現行の八〇%から一〇〇%に引き上げるとともに、技術等海外取引特別控除制度適用対象に、第一次産品の輸出収入及び外貨による旅行あっせん手数料を加える等の措置を講ずることといたしております。  第四に、農業構造改善に資するため、個人農地管理事業団に対し、またはそのあっせんにより、農地等譲渡した場合の譲渡所得税について、五十万円の特別控除を行なうとともに、農地等の生前一括贈与にかかる贈与税合理化及び登録税軽減を行なうことといたしております。  最後に、従業員勤務先から有利な条件住宅等分譲または住宅資金貸し付けを受けた場合の経済的利益について、所得税を課さないこととするとともに、航空機用揮発油等に対する揮発油税及び地方道路税免税措置適用期限を延長する一方、新規重要物産免税制度を廃止する等、所要措置を講ずることといたしております。  以上の両法律案につきましては、去る四日それぞれ政府より提案理由説明を聴取し、自来、慎重な審査を行ないました。  おもなる論議の内容は、祖税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、特別措置の効果、利子及び配当所得特例資本構成改善等特例交際費課税特例等、また、物品税法の一部を改正する法律案につきましては、物品税減免額消費者への還元、物品税改正案の政令の内容租税法定主義課税最低限引き上げ等でありましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて、昨二十四日、質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本社会党を代表して山田耻目君は両案に反対の旨を、民主社会党を代表して竹本孫一君は、物品税法の一部を改正する法律案賛成租税特別措置法の一部を改正する法律案反対の旨を、それぞれ述べられました。  次いで、採決いたしましたところ、いずれも多数をもって原案のとおり可決となりました。以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  26. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 両案につき討論の通告があります。これを許します。只松祐治君。   〔只松祐治登壇
  27. 只松祐治

    ○只松祐治君 日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長報告のありました租税特別措置法の一部を改正する法律案、及び物品税法の一部を改正する法律案反対討論を行ないます。(拍手)  政治の要諦が予算の編成とその行使にあることは申すまでもないことでございます。したがいまして、予算委員会は国会の代表的存在としての討議がなされます。しかし、その予算がいかに重大であろうとも、その予算は税収の裏づけがあって初めて予算たり得るものでございます。具体的には、いわゆる税の調査課税、徴収がいかに行なわれているかということであると申せましょう。したがって、またこれを演繹いたしますならば、税制とその税務行政がいかなる姿にあるか、民主的であり近代的であるかどうかということが、直ちにその国の政治が民主的であり近代的であるかどうかということにも通じるといっても過言ではありません。(拍手)逆に、税例とその行政が非民主的、非近代的であること、すなわち、近代税制税務行政の基本である公平、応能、法定をはじめ、実質課税権利確定主義、信義誠実などの原則がほとんど貫かれず、踏みにじられてしまっていれば、いかに声を大にして政治民主化近代化を訴え、愛情ある政治を、など幾百回唱えようとも、それは国民のための政治からほど遠いものといわざるを得ません。(拍手)  私が討論しようとする租税特別措置法は、まさにそのとおりであり、大資本擁護、山林、配当所得を持つ大金持ち中心の、全く非民主的、非合理的、非近代的なものであります。(拍手)  税金が、支配者と被支配者の、強者と弱者の権力争奪の象徴的なものであり、現在のわが国が独占資本中心とする資本家階級支配下にあることをいかほど私たちが認めようと、一九六六年の現在、それはあまりにも極端なものであり、強者の専横のそしりを免れることはできません。希代の悪法でございます。さすがに、政府影響力の強い税調でさえ、現行特別措置法にたまりかねて、たびたびその改廃を要望し、昨年度の長期税制報告では、強くその整理と縮小を勧告してまいっております。ところが、これらの勧告や強い国民反対世論には馬耳東風、いや、馬耳無風でございましょう。昭和二十五年に措置法改正されてから年々増大の一途をたどり、ついに現在四十六項目にも達し、本年度さらに経済危機克服理由に九項目の新設を行なおうとしているのでございます。盗人たけだけしいと言おうか、横暴と言おうか、全くむちゃくちゃでございます。(拍手)本年新設しようとしている措置のおもなものは、みずから招いた経済の失敗を、経済危機克服の名のもとに全国民の責任に転嫁しようとするもので、昨年の株式配当分離課税とともに、悪質きわまりないのでございます。  すなわち、その一つは、資本金一億円以上の大会社が自己資本を一%以上向上させた場合には、その向上割合に応じて、一%から一〇%の間、その適用事業年度の法人税の額に乗じて計算した金額を控除しようとするものであり、この金額は九十六億円にのぼります。その二は、セメント、紙パルプ、織物機など、特定の産業のみのスクラップ化に対し、そのスクラップ化を行なった機械のスクラップではなく、取得した当時の価額の一〇%もの金額を所得税額または法人税額から控除するもので、この金額は二十九億円。さらに悪質なものは、企業が二年以内に合併した場合、その後三年間法人税額を、また登録税、引っ越し不動産税などをそれぞれ引き下げようとするものであり、その金額は三十億円であります。このように、大法人にはかゆいところに手の届く、全く至れり尽くせりの減税でございます。  さらに、現在資本金一億円以上の法人で欠損申告をしているものが千三百社に及んでおります。これらの大企業は交際費だけでも五千三百億円を支出しており、税金のがれに利用されておる額は多大であります。これらの交際費の整理、政治献金、寄付金等の整理も断行せず、特別措置をますます拡大することはもってのほかでございます。(拍手)  高度経済政策の失敗とその被害は、何も大会社、大資本家のみではありません。むしろ、弱い中小企業者がさらに強く被害を受けており、国民大衆個々の家計は、相次ぐ物価の上昇によって全く破綻に瀕しているのでございます。もし特別措置の新設を必要とすれば、それはまず第一に勤労国民であり、次いで中小零細企業者であり、これらを顧みることなく大法人のみ行なうとは、本末転倒もはなはだしいものでございます。(拍手)  このように不法な結果、本年の特別措置による滅免税、すなわち、合法的な脱税とでも申して差しつかえない金額は、国税で二千二百二十億円、この国税の地方税へのはね返り大言三十九億円、地方税独自の特別措置七百五十六億円、合計何と三千六百十五億円ものばく大な額に達するのでございます。昭和二十五年以来、国税関係の単純合計は一兆八千八百四十九億円であり、地方税関係を総合計すると三兆円にも及び、さらに、インフレの進行による貨幣価値の下落指数をかけるならば数兆円にも達することになりましょう。一方、エンゲル係数四七にも達し、低賃金にあえぐ勤労生活者、すなわち、月給、日給月給、完全日給者などからは、一銭ものがすことなく一〇〇%の事前徴収の源泉所得税を取り上げ、さらに、その低賃金を補う主婦の零細な家庭内職までも徴税を強行しているではありませんか。中小零細な事業所得者に対しても同じようなことが言えます。  また、同じ法人税でも、大法人は、山陽特殊鋼に見られるように、商法上は、利益法人として一割から一割二分の配当をし、税法上は、欠損法人として六年間も納税しないというように、粗雑な調査の上に、さらにこのように多くの特別措置の恩恵を受けるが、中小法人、特に事業所得税のきびしさに耐えかねて形式上法人化をしている、とうちゃんが社長、かあちゃんが専務、じいちゃんが常務の、三ちゃん農業ならぬ三ちゃん会社の同族会社は、きびしい調査と厳格な課税をしいられながら、ほとんど特別措置の適用を受けることができない状態でございます。  このような結果、昭和三十六年度の法人実効税率を見ますと——これはなかなか新しいものを出さないのです。十億円の所得法人は三一・一五%、一千万円の所得者は三二・四四%、五百万円で三一・七七%という、大法人より中小法人がより多くの税金を納めるという、腹立たしいというよりも、ナンセンスな事態を生じ、大法人と中小法人との税率が多少緩和されてまいりました今日でも、十億円もうかっておる会社も、一千万円の所得の会社でも、その実効税率はほとんど大差のない、せいぜい一、二%でしかないという状態でございます。アメリカでは二二・五%対五七・五%、英国では三八・七九%対五三・五%という中小法人対大法人の適正なる格差は、わが国においては見ることができないのでございます。  さて、自局党政府は、口を開けば、わが国は世界で一番高度成長を遂げている国であるとか、あるいは、世界の資本主義国の三本の柱の一つであるとかPRにつとめております。わが党は、それならば、当然に、あるいは国勢に対応して、わが国の行政のすべての点において他の資本主義国家に見合う施策を行なうべきであり、この租税特別措置法も、さきの米英の法人の実効税率の引例にも見られるように、少なくとも他の資本主義国家並みに引き戻すことが緊要であるにかかわらず、引き戻すどころか、ますます拡大しようとしているのであります。われわれは、ここに、冒頭に申し述べましたように、税制を通じて、明らかに自民党政府、佐藤内閣の反動性の実体を見出すことができるのでございます。(拍手)  しかし、人間は永久に眠り続けるものではございません。急騰する物価問題で、政治に無関心だった御婦人や、いわゆる中間層の人々もまた、急速に政治への関心を示してきていることは御存じのとおりでございます。課税の重圧、徴税のきびしさにたまりかねた中小企業者も、徐々に税への関心を示してきております。天引きされて、ほとんど無関心というより、その慣習になれて気づきさえしなかった労働者も、重税反対のスローガンを掲げるようになってまいりました。いつまでもかかる無謀な特別措置、専横な租税体系が続けられると思い上がっていたならば、それは資本主義陣営の大きな誤算となってあらわれるでありましょう。  私は、このことを強く警告し、本年度の新設法に反対し、租税特別措置法のすみやかなる改廃を強く求めてやみません。(拍手)  第二に、物品税法改正について反対の意見を申し述べます。  間接税は、直接税に比べて国民の負担感の鈍い、したがって取りやすいものでございます。朝起きて、電気、ガスをつければ電気ガス税、たばこをのむ、マッチをつけると専売益金、物品税、通勤にバスに乗るとガソリン税、コーヒーを飲むと物品税、砂糖消費税、夜一ぱいやると酒税、全く寝てもさめても税金でございます。しかし、国民はほとんど気づいておりません。これらの間接税のほとんどがまた、億万長者も日雇い労務者も保護家庭の者も同じ負担率であり、いわば所得に対する逆進性のきわめて強いものであります。したがって、この間接税の逆進は、応能、公平、累進という租税原則にもとるものでありますので、先進諸国家では順次直接税中心課税体系へ移行してまいっております。このことは、当然に課税の新設、改廃にあたっては十分なる考慮がなされなければならないのであります。  本年度改正されようとしている物品税は、その引き下げと廃止であり、部分的には賛意を表するものもありますが、前述の観点からするならば、貴金属、奢侈品などにはもっと高額を適用し、マッチ、清涼飲料水、普通化粧品など、国民が日常使用しているものなどはすなおに廃止すべきであります。また、世界一高いビールや酒の酒税、たばこの専売益金なども、今日のように大幅な物品税の改廃を行なうときには、現在までの大蔵委員会におけるたびたびの政府の答弁から見られますように、何らかの考慮が払われるのが当然であるにかかわらず、何一つその方向さえあらわれていないことは、わが党のきわめて遺憾とするところであります。(拍手)  労働者、農民、中小企業者など、広く勤労国民大衆の立場に立つわが党といたしましては、すみやかに一般生活必需の物品税の軽減と撤廃を強く要求いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手
  28. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第七につき採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  29. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第八につき採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  30. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第九 地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出
  31. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 日程第九、地方税法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————  地方税法の一部を改正する法律案   〔本号(二)に掲載〕     —————————————
  32. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 委員長報告を求めます。地方行政委員長岡崎英城君。     —————————————   〔報告書本号(二)に掲載〕     —————————————   〔岡崎英城君登壇
  33. 岡崎英城

    ○岡崎英城君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、第一に、個人住民税の各種控除や個人事業税の事業主控除等の引き上げ、その他料理飲食等消費税の旅館等における免税点を引き上げるなど、住民負担の軽減をはかること。  第二に、住民税、法人税割りの税率調整を行なうとともに、農地を除く土地に対する固定資産税及び都市計画税について、現行の暫定措置にかえて、負担の漸進的な調整をはかるほか、土地について固定資産税の免税点の引き上げや評価の据え置き措置を講ずること。  第三に、ゴルフ場にかかる娯楽施設利用税の税率の引き上げなど、負担の合理化をはかることをおもな内容とするものであります。  本案は、三月十七日付託され、翌十八日大西自治政務次官から提案理由説明を聴取し、二十二日には参考人から意見を聴取するなど、慎重な審査を行なったのであります。  昨二十四日、本案に対する質疑を終了しましたところ、渡海元三郎君外二名から、固定資産税の免税点を引き上げること、及び上水道事業等に使用する電気に対する電気ガス税を非課税とすることを内容とする三党共同提案にかかる修正案、及び日本社会党から、地方税制全般にわたる修正案が提出され、渡海委員及び秋山委員から、それぞれ趣旨の説明を聴取いたしました。次いで、政府原案、三党共同提出の修正案及び日本社会党提出の修正案を一括して討論に付しましたところ、奥町委員は、自由民主党を代表して、三党共同提出の修正案及び同修正部分を除く政府原案賛成日本社会党提出の修正案に反対、細谷委員は、日本社会党を代表し、また、門司委員は、民主社会党を代表して、三党共同提出の修正案及び日本社会党提出の修正案に賛成政府案に反対の意見を、それぞれ述べられました。かくて、採決の結果、三党共同提出の修正案は全会一致をもって可決日本社会党提出の修正案は賛成少数をもって否決、三党共同提出の修正部分を除く政府原案賛成多数をもって可決、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  なお、本案に対し、三党共同提案により、昭和四十二年度以降の固定資産税の基本的な検討、修正による減収額の補てん措置及び宅地税負担増による地代、家賃へのはね返り防止策を内容とする附帯決議を付することに決した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  34. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告は修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  35. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣   提出
  36. 海部俊樹

    ○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、内閣提出厚生省設置法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  37. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。  厚生省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  39. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 委員長報告を求めます。内閣委員会理事岩動道行君。     —————————————   〔報告書本号(二)に掲載〕     —————————————   〔岩動道行君登壇
  40. 岩動道行

    ○岩動道行君 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案の要旨は、医療内容向上に伴う臨床検査業務の増大にかんがみ、国立病院に衛生検査技師養成所を付置することができることとすること、及び社会保険研修所の名称を社会保険大学校に改めることであります。  本案は、去る二月二日本委員会に付託され、二月十五日政府より提案理由説明を聴取し、本三月二十五日、質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  41. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  43. 山口喜久一郎

    議長山口喜久一郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時五十五分散会      ————◇—————  出席国務大臣         法 務 大 臣 石井光次郎君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         厚 生 大 臣 鈴木 善幸君         農 林 大 臣 坂田 英一君         労 働 大 臣 小平 久雄君         建 設 大 臣 瀬戸山三男君         自 治 大 臣 永山 忠則君  出席政府委員         通商産業政務次         官       進藤 一馬君      ————◇—————