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1966-06-16 第51回国会 衆議院 法務委員会 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月十六日(木曜日)    午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 大久保武雄君    理事 玉村千一郎君 理事 大竹 太郎君    理事 小島 徹三君 理事 田村 良平君    理事 濱田 幸雄君 理事 井伊 誠一君    理事 坂本 泰良君 理事 細迫 兼光君       安藤  覺君    大石 八治君       鍛冶 良作君    唐澤 俊樹君       四宮 久吉君    田中伊三次君       千葉 三郎君    中垣 國男君       馬場 元治君    濱野 清吾君       早川  崇君    神近 市子君       山口シヅエ君    山田 長司君       横山 利秋君  出席国務大臣         法 務 大 臣 石井光次郎君  出席政府委員         法務政務次官  山本 利壽君         検     事         (刑事局長)  津田  實君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁交通局         交通企画課長) 片岡  誠君         専  門  員 高橋 勝好君     ————————————— 六月十六日  委員佐伯宗義君、馬場元治君及び濱野清吾君辞  任につき、その補欠として大石八治君、安藤覺  君及び鍛冶良作君が議長指名委員選任さ  れた。 同日  委員安藤覺君、大石八治君及び鍛冶良作君辞任  につき、その補欠として馬場元治君、佐伯宗義  君及び濱野清吾君が議長指名委員選任さ  れた。     ————————————— 六月十五日  人権侵害に対する適正処理等に関する請願(坂  本泰良紹介)(第五三八七号)  印章法制定に関する請願灘尾弘吉紹介)(  第五三八八号)  ベトナム中央歌舞団日本公演実現に関する請  願(加藤進紹介)(第五四一一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  刑法の一部を改正する法律案内閣提出第三八  号)      ————◇—————
  2. 大久保武雄

    大久保委員長 これより会議を開きます。  刑法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は去る四月七日に提案理由説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑に入ります。横山利秋君。
  3. 横山利秋

    横山委員 今回この刑法の審査に入ります前に、一言申し上げておきたい点がございます。それは、今回この衆議院が非常に混乱状態に入っておるのであります。私どもはこの混乱の原因が、一年前に衆議院議長のあっせんによって三党の約束があって、その約束が完全に履行されない限りにおいてはILO条約国内法の施行は待つべきである、こう主張をしておったにかかわむませず、政府与党はその約束をじゅうりんをいたしまして、この国会の運営をしようとしておるのであります。私ども国会の秩序というものは政党政党との信義、約束というものは履行しなければならない。それが先決問題であって、わが法務委員会における審議——ただ激務委員会のみならずすべての委員会審議は、その約束の履行が先決であると主張してまいりました。したがいまして、円滑な審議のルールにのせるためには、このことの解決をしなければならないと主張いたしまして、本委員会開会については、委員長をはじめ与党諸君に深甚な注意を促し、その反省を求め、与党内部、また政府内部において十分にその審議を尽くして、われらの理解を求めるべきことを主張してきたわけであります。しかるところ、先般来何としても委員会を強行するというようなお話でありまして、まことにこれは遺憾千万なことだと思うのであります。したがいまして、私どもも本日の理事会におきまして、ことばをきわめてこの開会を阻止をすべく、また与党並びに政府諸君反省を求めたのでありますが、遺憾ながらこれを承知をいたしません。われわれとしては、ここにこの刑法審議というきわめて重大な問題について基本的な見解を持っておりますけれども、まずもってこの委員会開会に至ったこと、並びにここに、よって生ずべき幾多の問題につきましては政府与党責任であるということを強く指摘をしておきたいと思うのであります。こういうやり方によって法律案制定をされ、基礎法であります刑法が短時間の間にもしも成立をするようなことがありましたならば、きわめてこれは重大なことでありますから、もうわれわれとしては、あらゆる慎重な審議をもってここに対抗すべきことを申し上げておきたいと思うのであります。  私はその意味におきましてまず資料要求をいたしたいと思います。  ここ数日前、最高裁料所はこの刑法改正に関します重大な判決をいたしました。それはかって西武鉄道で起こった問題でありますが、終電車におりた酔っぱらいが存在しておったことを確認をしなかったということで、駅務係業務過失傷害の罪に問われて、そして最高裁まで進んだわけであります。最高裁はこの事案に対しまして過重な注意義務駅長並びに従業員に負わせることは妥当でないと判決をいたしました。まさにこれこそは、私ども刑法の問題について議論をいたします最も焦点となるべき問題であります。この駅長並びに従業員並びにすべての交通従業員業務過失事故が三年以下の禁錮でありましたのを、いま刑法改正草案の中に五年以下の懲役にいたそうとするゆえんのものは、過当な注意義務業務注意義務が過重に課ぜられている状況でありますから、私どもこれに反対しておったわけでありますが、いみじくも最高裁がこの判決をいたしましたことは、きわめて審議に重大な影響があるのでありますから、まず第一に資料として先般の最高裁判決の写しを本委員会提出されるように要望したいのであります。  第二番目には、各国刑法草案事例についてであります。この刑法のような重大な改正につきまして、政府の口頭で説明をいたしましたような酔っぱらい運転、無免許運転スピード違反、これが多いから今回の改正をしたいというのでありますが、法律には酔っぱらいだとか、スピードだとか、無免許ということは書いてありません。それにもかかわりませず、この改正法が施行されますならば、利益を得るといなとにかかわらず、職業であるといなとにかかわらず、すべて生活上反復しておる行為は業務過失とされるのでありますから、政府の口で言っておることと、実際に適用される範囲というものは全く月とスッポンの相違があると考えられるのであります。外国におきます刑法事例の中にはいろいろな点について具体的にいっておるのでありまして、私が見ております一九六二年ドイツ刑法草案を見ましても、第三百四十五条に「アルコール飲料、またはその他の麻酔薬を用いているため、または精神、または身体に欠陥があるため、乗物を安全に操縦できないにもかかわらず、乗物を操縦し、」というように具体的にこの種の問題、政府がいっております諸問題に具体胸にずばりと触れて法で制定されておるのであります。したがいまして、私ども刑法でこれを規定すべきでなくて、むしろ今日においては道路交通法改正によるべきが理論としては妥当ではないかといっておるのでありますが、各国におきましてこの種の「アルコール飲料またはその他の麻酔薬を用いているため」等々の、具体的に法制をいたしております各国法律事例について資料を提供してもらいたいのであります。  それから第三番目には、交通災害で死んでおります者の統計を見ますと、もしも事故があったその場で適当な措置歩行なおれているとするならば、全国の死八のうちの三分の一は助かるであろう。これは厚生省統計に出ておるのであります。私どもはこの事故が起こったときの責任ばかりを政府が追及しておりますことについて非常な不満を持っておるのでありますが、交通事故が起こった場合における緊急措置という点についての資料がない。その意味におきまして一つの事例としてはまことに恐縮でありますが、愛知県におきまして交通災害コントロールセンターというものが財団法人で設立されました。しかしながら、この民間から起こり、県市が一緒になって財団法人を設立いたしましたコントロールセンターに対する政府の補助はきわめて乏しいのであります。厚生省はこのような民間からわき上がって、その場でテレメーターで傷害を受けた者を診断し、直ちにそこへ応急手術ないしは具体的な手術までできます自動車を派遣して、その場で手当てをいたしますようなやり方につきまして、一体どう考えておるのか、どういうふうな予算措置を今後しようとするのか、この点につきまして政府の今日までとってまいりました交通災害コントロールセンターに対する措置、ものの考え方、今後の方針を、書面をもって提出をせられたいと思うのであります。  その次は、いま国の予算の中で、交通安全の確保についてまちまちであります。建設省建設省、運輸省は運輸省まちまちでありまして、われわれが交通安全を論議をいたします際に、全貌の把握がきわめて困難であります。したがいまして、この際資料として、交通安全確保に関する政府措置並びにその予算状況、それを統一約に把握し得る資料提出をしてもらいたいのであります。  最後には、政府が開いております国民交通安全会議でありますか、すでに二年にわたる歳月をもたらしておるのでありますが、言うばっかりで一向何らの実をあげていないと私どもは考えております。一体交通安全会議というものはどういう論議が行なわれ、政府は意見の出たものに対しましてどういう措置をしておるのか、昨年並びに本年もあったそちでありますが、二回にわたる会議の経過並びにそれに対する措置を文書として提出をしてもらいたいのであります。  私ども質問は、以上の資料の提供がございませんと質問に入りにくいのでありますから、資料提出を待って本委員会を開くことにして、本日はこれにて散会されんことを要望して、私の資料要求を終わります。
  4. 大久保武雄

    大久保委員長 ただいま横山委員からの資料要求の御発言に対しましては、委員長において善処いたしたいと思います。
  5. 横山利秋

    横山委員 資料要求と同時に、その資料提出されなければ審議が行なわれないから、本日はこれにて散会せられんことを要望いたします。
  6. 大久保武雄

  7. 大竹太郎

    大竹委員 ……   〔「だめだよ資料が出てからにしろ」「実質審議」「質問は野党が先だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  8. 大久保武雄

    大久保委員長 大竹君、発言を願います。——大竹君、発言を願います。   〔「散会散会」と呼び、その他発言する者多し〕
  9. 大久保武雄

    大久保委員長 この際暫時休憩いたします。    午前十一時二十三分休憩      ————◇—————