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1966-06-02 第51回国会 衆議院 法務委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二日(木曜日)    午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 大久保武雄君    理事 上村千一郎君 理事 大竹 太郎君    理事 小島 徹三君 理事 田村 良平君    理事 濱田 幸雄君 理事 井伊 誠一君    理事 細迫 兼光君       鍛冶 良作君    佐伯 宗義君       四宮 久吉君    田中伊三次君       千葉 三郎君    中垣 國男君       濱野 清吾君    早川  崇君       山田 長司君    横山 利秋君       志賀 義雄君  出席政府委員         検     事         (大臣官房司法         法制調査部長) 鹽野 宜慶君  委員外出席者         判     事         (最高裁判所事          務総局民事局         長)      菅野 啓蔵君         参  考  人         (東京大学教         授)      三ケ月 章君         参  考  人         (日本執行吏連         盟会長執行吏) 長田 公麿君         参  考  人         (東京執行吏役         場労働組合執行         委員長)    広沢 豊喜君         専  門  員 高橋 勝好君     ――――――――――――― 六月二日  委員馬場元治辞任につき、その補欠として鍛  冶良作君が議長指名委員に選任された。 同日  委員鍛冶良作辞任につき、その補欠として馬  場元治君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 六月一日  ベトナム中央歌舞団日本公演実現に関する請  願外十九件(岡田春夫紹介)(第五一八三号)  同外一件(川俣清音紹介)(第五一八四号)  同外一件(黒田壽男紹介)(第五一八五号)  同(河野密紹介)(第五一八六号)  同(戸叶里子紹介)(第五一八七号)  同外一件(中村高一君紹介)(第五一八八号)  同外一件(原彪紹介)(第五一八九号)  同外一件(松浦定義紹介)(第五一九〇号)  同外一件(山花秀雄紹介)(第五一九一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  執行官法案内閣提出第一四九号)      ――――◇―――――
  2. 大久保武雄

    大久保委員長 これより会議を開きます。  執行官法案を議題といたします。  本日は、本案について参考人より意見を聴取することといたします。  本日出席参考人は、東京大学教授三ケ月章君、日本執行吏連盟会長長田公麿君、東京執行吏役場労働組合執行委員長広沢豊喜君、以上三名であります。  参考人各位には、御多用中のところわざわざ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  何とぞ各位におかれましては、それぞれのお立場から、本案について忌憚のない御意見をお述べくださるよう心からお願い申し上げます。  なお、議事の都合によりまして、御意見最初お一人二十分程度にお取りまとめをお願い申し上げます。  それでは、まず三ケ月参考人よりお願い申し上げます。三ケ月参考人
  3. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 このたびの執行官法案は、従前の執行吏執行官に改めまして、それを通じまして裁判所の正式の機構の中に包摂いたしまして、一歩強制執行国家機関責任を負うべき権力行使であるという理念を明らかにならしめることをねらうものでございますが、一方現実の面におきましては、依然伝統的な手数料制を維持しておるという点におきまして、執行機関のあり方として純然たる公務員制俸給制、それから特殊な公務員手数料制、こういう大きな対立の中で、いずれの方向に持っていくべきか)こういう大きな問題から見ますならば、一種の妥協的と申しますか、中間的と申しますか、あるいはまた漸進的と申しますか、そういう性格を持つ立法であるということができるかと存じます。もっとも手数料制を一応維持しておりますものの、その取り扱います金銭保管等につきましては、これまでのたてまえを大きく改めまして、裁判所が保管するという姿勢を出し、いわば裁判所責任を負うという体制を表に出しましたり、あるいはまた指名委任制度をできるだけ廃止していくというような形で、これまでのような手数料制のもとで、その弊害として指摘されておりました欠陥を除くことをも試みまして、一歩執行活動の面では裁判所という機構を通じまして責任を負う、こういうことを示しておるわけで、単に「執行吏」が「執行官」になったというのは、名前の問題だけではないということを打ち出そうとねらっているわけでございます。  そもそも執行機関の構成に対する基本的な考え方は、比較法的にもさまざまでございますし、日本でどういうふうに持っていくべきかにつきましては見解が分かれると存じますが、私の考え方は学問的な立場から別に「執行機関の再編成」というふうな論文も公にしていることでございますので、それに譲りたいと存じますが、基本的には、将来は執行機関裁判所職員という面、すなわち正式の国家機関の中の正式の職員というふうなものが責任を負っていくべきであるというたてまえを明瞭にしながら、また手数料制と本質的に結びつくと指摘されておりますいろいろな弊害の除去を試みながら、漸次俸給制を中心とする給与体系を持つ執行機関に移っていくべきだということを大きな方向としては考えなければならないと私は考えておりますし、大体の方向といたしましては、学者の間でもこういう方向を是とするのが大勢であると言ってもよろしいかと存じます。そういう理想から見ますならば、本法案手数料制を振り切ってはおらないという点で、先ほど申しましたように、多少中途はんぱな面を持つというところがあることは確かであろうと思います。さりとて、いますぐこうした大きな理念的な方向をそのまま実現するというふうなことがはたしてできるかということになりますと、やはり私どもはこの領域日本法律がしかれましてから七十年、ほとんど手がつけられていない、いわばコケ蒸してしまっている法領域ともいうべき面があるだけに、そう一挙にはむしろいかない面がいろいろあるということも現実の問題としては考えなければならないという感じも持たざるを得ないわけでございます。むしろ遠い方向といたしまして、大きな方向はにらみながらも、やはり過渡的におきましては一つ一つそれを取り囲んでおります条件を考えながら、そちらの方向にいくことの努力を積み重ねていかなければ、とうていこれだけいわば固まってしまいました法領域改正はむずかしい、こういうようなことを私は感ずるのでございます。その意味におきましては、先ほど申しましたような中途はんぱな性格という消極面、これは確かにございますが、そういう消極面よりもむしろ先ほど申しました一歩前進をあえてしようとする、そういう意味があるというふうな面のほうをとらえまして、現在の段階ではこの法案成立させまして、そうして執行法域の中に一つの新しいステップを持ち込むきっかけにする、こういうことが妥当ではないかと感ずるのでございます。逆にいささか中途はんぱであるという、この法律が確かに持っております弱点にかかずらって、この時点におきまして、たとえ一歩であるにせよ、やはり改革を試みることを怠ってしまいますと、将来の強制執行法改正はさらに一そうむずかしくなるのではなかろうかということを、強制執行制度改正ということがきわめてむずかしい作業であるということを痛切に感じておりますものとして考えておる次第でございます。  何ゆえに多少の妥協を試みながらもこのような改革がなされなければならないかを考えるにあたりましては、もちろんいろいろ指摘しております目に見える欠陥ということも考えなければなりませんが、もう少し大きく手数料制執行吏制度というものの流れを見てみまして、そうして制度改革方向というものを、多少外国の動向なり、歴史的な体験なりというものと照らし合わせまして考えてみる必要があると私は考えます。率直に申しまして、こういうふうに手数料制職員執行をやらせるというたてまえは、これは強制執行ということを、執行吏という裁判所機構の中でも特異な立場に置かれている職員にいわば請け負わせる、こういう思想を背景に持っていることは否定できないと思います。手数料制が問題とされる、こういうふうになってくる背景には、こういう執行という法の実現の最も先端の分野を、こうした体制のままに放置しておいてよいのであろうか、それとも法の実現ということについて一国の司法機構が最も責任をもって体制を築き上げなければ、とうてい強制執行制度のような、経済生活社会生活進展と対応していくことが非常に重要な法律領域においては、そういう当然要求される弾力性を持ち得ないのではなかろうか、こういうことを問題にすることが必要であろうと存じます。やはり私はこういう執行体制のままにいつまでもほうっておいたのでは、その内部からは決して新しい社会進展に応じた改革の力というものは、出てくるよりも、むしろ従来の法制というものの中でもこまかくなる一方である、こういうようなところを考えざるを得ないわけでございます。  元来、この制度フランスの革命前の制度伝統に根ざすものでございます。そこでは裁判官も、それから書記官も、執行吏も、みんな手数料制でございました。こうしたフランスのアンシャンレジームでは、こうした手数料制もかえって強大な絶対主権からの干渉を守る司法活動独自性をはかるというふうな逆説的なプラスの面を持っていたと言われるのでございますが、そうした制度はその地盤のないところに置きますと、やはりむしろ弊害の面を露呈してくるということが多いようでございまして、それはかなり世界各国の実験がそれを示しているように思われます。この手数料制執行吏制度がまずフランスからドイツに入りまして、それが日本にも入ってきたというふうに考えることが許されるのでございますが、いずれの国にいたしましても、伝統のないところではこういう手数料制執行吏制度は修正される動きが見られるように思われます。ドイツはやがてこの制度を大きく離れようとする態勢にあるといってよいかと存じます。日本でもいろいろと手数料制の問題が論ぜられてくるのも、このように伝統のないところにこうした特異な制度を立てられておるということと深く結びついていると思われますし、そういう問題の出てくるのもある意味では必然ではないのだろうか。アメリカの体制を見ましても、また日本国内法領域だけに目を注ぎましても、同じような権力的な権利実現というものを担当する税の徴収職員公務員制をとっておるというふうなことともやはりにらみ合わせるべきではないかと思うのでございます。  にもかかわらず、俸給制への移行がこの段階実現しないで、やはり手数料制を維持しているということの背景には、先ほど申し上げましたような、何ぶんそのままかなり大きな伝統を形づくってきておる制度でありますだけに、一挙に非常に多くの予算を伴い、人員の増加を伴わざるを得ない俸給制への転換現実問題としてむずかしいと判断されたことにあるのではないかと考えております。私自身といたしましては、これは残念なことでございまして、やはり法治国の看板を掲げます以上は、権利実現の機能について、もっと国家機関の奉仕ということを覚悟した上で、責任ある体制をつくるという方向にいくことこそ、将来じみに努力し続けなければならないとは考えますが、あわせてこの法案成立の過程において関係いたしましたところから感じましたことは、何ぶん初めて停滞した領域をかき回そうということから生ずるいろいろなむずかしさもあるんだなということも感じさせられた次第でございます。そういうところから先ほど申しましたように、中間的、妥協的であるということは、まことにそのとおりでありますけれども、一歩前進というメリットを評価したいと思います。逆に申しますならば、この法律をこしらえただけでは問題は解決せずに、このメリットを伸ばすことをこれから考えていかなければならない、こういう問題も引き継いでいくというふうに考える次第でございます。したがいまして、この問題だけで長い間要望されてまいりました執行制度改革というふうなものは、ほんのきっかけを与えられただけでございまして、私も学問の立場からそういう批判を怠ることなしに、将来やはりここで一つ方向転換努力をしてみたことが、やはり強制執行制度動きを引っぱり出す役割りを果たしたと評価されるように、これからこの執行官運営を見守ってまいりたいと存じます。  なお、これはもっぱら組織規定でございまして、これが完全に動いていきますためには、手続規定の整備が必要でございますが、これはあわせまして、現在法制審議会において検討を続けておるわけでございまして、これがすみやかに完了いたしまして、執行官が単なる組織法として孤立したまま取り残されることのないように注目する必要があるということを申し添えまして、一応私の見解の陳述を終わらせていただきます。
  4. 大久保武雄

  5. 長田公麿

    長田参考人 私は、日本執行吏連盟会長をいたしております東京地方裁判所執行吏長田公麿であります。  日本執行吏連盟は、全国執行吏が年来唱えてまいりました待遇改善を期するため、その職務特殊性困難性にかんがみまして、その自覚と認識の上に立って執行吏制度改善につとめ、みずからの品位、識見の向上と相互の親睦、福祉の増進をはかることを目的として、約三年前、全国執行吏三百四十名を打って一丸として結成されたものでありまして、この結成により、執行吏全国的に有機的なつながりを持ち、右目的達成に邁進してまいったのであります。したがいまして、本連盟といたしましては、執行吏制度がいかにあるべきかについては、最大の関心事といたしておったところであります。しかしながら、現制度下における諸弊害を改め、近代的な理想的制度にすることについては、すでに政府当局の多年にわたる努力にもかかわらず、容易にその成果を得られないことからしても明らかでありまして、いわんや本連盟の微力をしてはとうてい所期し得ないのでありますが、執行吏が第一線の現場的立場からして執行吏制度について申し上げますれば、まず手数料制度の是非が根本をなすものと考えられるのであります。  もとより、現在この手数料制度につきましては、すでに昭和三十一年、当局によって固定俸給制裁判所職員たる執行官制度に改める方向が打ち出されて今日に至っているのでありますが、執行吏事務特殊性等からして、手数料制には俸給制のもとにおいては期待し得ないすぐれた面があると思うのであります。すなわち、手数料制能率主義実績主義に徹したものであり、欧米の実情は多くこの手数料制を採用しているところからしても、執行事務特殊性に最も合致したものであるということを容易に肯定し得るものと思量いたします。  この問題に対する全国執行吏意見も、地域的条件からして多少異なるものがありますが、方向的には手数料制を是とする方向をさしていると言えるのであります。  もちろん、現制度を改める要因として、この手数料制度に基因する諸弊害は必ずしも否定すべきでないことは言をまたぬところでありますが、それあるがために、俸給制に改めることにより、執行事務本来の能率と速度を害する結果を招くことをおそれるものであります。要は、手数料制度に基因する諸弊害は、この制度運用する人の問題に帰着する場合が多いととを知るのでありまして、われわれその衝に当たる者じくじたるを得ないのであります  しかして、これら諸弊害は、その原因のいかんを問わず、これを除去しなければならず、手数料制を維持するとせば、まずもってこれを除去する方策が講ぜらるべきであり、これが達成されれば執行吏制度改革は根本的とは言えないとしても、大きな前進を示すことになると信ずるものであります。  以上、まずもって執行吏制度改善についての愚見を申し述べた次第であります。一さて、執行官法案に対する日本執行吏連盟としての意見でありますが、この法案については全国執行吏は、前に述べたとおり、深い関心を持って経過を注視するとともに、法案の内容について検討を重ねた結果、いまだこの法案実施によって実際の運営がどうなるかはつまびらかではありませんが、個々の事項については格別、原則的にはわれわれの待遇改善を期し得ることを信じまして、これを支持すべきであるとの結論に達したのであります。しかしながら、次の諸点について、実務に当たる者としては修正または促進方の要望切なるものがありますので、実現されることを切望する次第であります。  その一、法案第十五条二項について、費用概算額予納現行どおり執行官直接の取り扱いとすることに修正されたい。その理由といたしまして、執行吏金銭上の事故等にかんがみ、執行官監督強化その他の理由から現行保管方法を改めたものと思われますが、手数料制を維持する以上、予納金執行官に対してなさるべきであると確信するのみならず、法案による方法とするときは、本来機動性を最も必要とする執行事務運用について、手続の繁雑さ等から関係当事者の不便は言うまでもなく、ひいては事件処理渋滞を招来する結果となり、加うるに執行官はその使用人員を増加せしめざるを得ないこととなり、その影響は大なるものがあります。  二、法案第二条二項について。執行官事務の分配については、手数料制度による執行事務特殊性にかんがみ、できる限り各地の実情を尊重し、弾力のある運用を要望いたす次第であります。  三、法案第二十一条について。新規定による採用執行官たると旧規則により在職する執行官たるとを問わず、国庫補助金支給基準額を一律にするよう努力されたい。  四、同附則第十条第二項について。手数料に関する規定の適用について、「当分の間」とあるも、早急に実施方を要望いたす次第であります。  五、同附則第十二条、第十三条について。退職手当及び退職後の年金その他の給付金法案にいう改正給付について、早急に検討実現方を要望するものであります。  六、同附則第十一条について。執行吏代理――執行代理者送達代理者でございます。及び事務員に対し、昇進意欲を満たし得るような方策を講ずるとともに、送達専任執行吏代理については特別の措置を講ぜられたい。その理由といたしまして、現在、執行吏役場に従事する者の最終の希望は、通常執行吏代理または執行吏に任ぜられることにあるところ、本条によってこれら昇進の道が閉ざされるばかりでなく、特に送達事務処理には今後大きな支障を来たすことになろうと思いますので、善処方を要望する次第であります。  最後に、当日本執行吏連盟は、先に述べましたごとく、結成以来全員打って一丸となり、熱意と努力を傾け尽くし、目的達成に邁進し、一応その陣容が整った観がありまするが、いまだ日浅く、何ぶんにも思いにまかせ得ぬものがありますが、今後はさらにその基盤を強固にするとともに、より高い次元に立ち、目的達成のために積極的に活動を行ない、飛躍的な充実、発展を期する覚悟であります。よろしくお願い申し上げる次第であります。   〔委員長退席大竹委員長代理着席
  6. 大竹太郎

  7. 広沢豊喜

    広沢参考人 東京執行役場労働組合委員長をつとめております広沢です。  私は、昨年三月四日に、訴訟費用臨時措置法等の一部を改正する法律案を審査した際に、この委員会出席をいたしまして、執行吏制度全般に関して労働組合立場を表明して、われわれ職員身分についても概括的に意見を述べました。このときの意見については、昭和四十年の法務委員会議録第九号に収録されておりますので、御参照願いたいと思います。  今回、執行官法案の審査にあたりましては、労働組合立場から見ましたこの法律案に対する若干の意見と、今後予想されます執行官制による実施面でのわれわれ職員身分について述べてみたいと思います。  最初に、総括的な意見としては、長年懸案となっていました執行吏制度改革の第一歩として、執行官法案が提出されたことは当然のことでありますし、むしろおそきに失したといえるのではないかと考えております。  執行官法案提案理由の中で、制度近代化をはかったといわれておりますが、過去、執行吏制度は確かに非近代的なシステムのもとに置かれてまいりました。たとえば、きのう視察されましてごらんになったように、庁舎の問題を取り上げてみましても、東京の場合、これが霞ヶ関の官庁街の中にある建物かと思われますようなバラック建てでありますし、執行吏役場という呼び方にしましても、非常に古い呼び方であるし、執行吏制度全般についても根本的な改革が必要とされてきたということはいうまでもありません。そういった状況の中で執達吏規則廃止して、執行官法成立によって執行官制度を発足させる、この意義は非常に大きいものといえると思います。  以下、執行官法案に対する具体的な意見を述べてみたいと思います。  従来の執行吏規則第十一条に定められました執行吏代理条項が、今回の執行官法では触れられておりません。その附則十一条の中で、「臨時職務の代行についての暫定措置」として規定されているだけであります。このことは、執行吏代理制度を否定して、今後執行吏代理をなくしていく方向であろうかと思われますが、執行官法案説明の中で、執行吏代理制度弊害が指摘されておりますが、どういう意味なのか、その意味が明らかでない面がありますが、弊害があったということになれば、執行吏代理制度弊害があったのではなくて、むしろ執行吏制度そのものに存在していたのではないかというぐあいにわれわれは考えております。執行吏代理は、むしろ執行吏役場運営の面で重要な役割りを果してまいりましたし、老齢化したところの執行吏を一面ではささえてきたといっても過言ではないと考えております。  執行吏代理制度を設けないという考え方は、執行官公務員性強化方向から推してみますと当然だという結論が出るかもしれません。しかしながら、交通違反等送達事務が激増している現状において、送達面での執行吏代理をどう取り扱うのか、人員が減ったとしても、代理増員ができないということになれば、送達事務渋滞化をきたして、重大なる影響を招くことになるのじゃないだろうか。まだ、執行面での執行吏代理にしましても、執行吏自体の若返りと大幅な執行官増員を早急に行なわない限り、この面でも大きな支障を来たすと思われます。  いずれにいたしましても、執行吏代理制度廃止については、現行その仕事に従事している全国約二百名の代理の処遇問題への対策、これらを明らかにして、また、執行官をその同人数程度増員する、こういう方向を打ち出さない限り効果があげられないのではないかと判断しております。  また、執行吏制度廃止方向は、現行執行吏役場で働く職員の将来に対する職務上の昇進意欲等を大いにそいで、生まれてくる執行官制度運用上も大いに議論のあるところではないか、こういうぐあいに考えておりますので、この執行吏代理制度個所につきましては、十分なる検討が必要かと考えております。  次に、執行官法第六条にあります金銭保管等に関する条項についてでありますが、これは附則暫定措置が設けられております。しかしながら、東京の場合、執行吏が二十数名、職員代理を含めて八十五名もいる大世帯の執行吏役場においては、かなり問題がある個所ではないか、こういうぐあいに考えております。七東京の場合、毎日受理する新しい事件数が六十件から七十件あります。予納金及び競売その他による保管金の払い戻しの件数は一日に五十件から六十件にも及んでおります。この金銭処理がすべて所属裁判所で行なわれるということになると、事件当事者の繁雑化はもちろん、われわれ職員のオーバーワークも生まれてきますし、また、事務処理全般についても大きな停滞をきたすのではないだろうかと推察しておる次第であります。過去、執行吏または執行吏代理金銭上の不正事件を起こしたことがありましたが、この点は、今後とも最高裁等の監督、管理を強化するということによって十分に防ぎ得るのではなかろうかと考えております。手数料制度が維持される限り、特に東京のように、事件が多くて、しかもその処理が比較的近代化されている役場においては、金銭保管の問題は十二分に一考されるべき問題の性質を持っていると思います。  このほか、法文上での意見としましては、附則第十一条二項の執行官の代行者に対する報酬が、旧執達吏規則の第十七条一項における手数料十分の三以上を支給すべしという条項を、今回の執行官法の中にも生かしておりますが、これは全く旧態依然とした条文を受け継いだものと言えるんではないかと思います。従来からこの十分の三の報酬は一体何なのか、非常にあいまいである条項として、われわれの間で論議されたところのものなのでありますが、どういう根拠で十分の三の考え方が出てきたものなのか、さらに近代化を目ざす執行官法において、なぜこういう意味のない規定を存続させたのか、その理解にわれわれは非常に苦しむものであります。  そのほか、将来の問題としましては競売制度改善の問題もあります。あるいは執行官制度実施に伴う十分なる国家の予算措置の問題なりが検討される必要があるんではないか、こう思っております。また、今回の執行官法がその制度実施面での近代化を目ざし、なおかつ一般職公務員への移行を考えたところの第一歩、そのステップであるとすれば、今後執行官の新規採用者に対する収入面での問題等につきましても、抜本的に対策が講ぜられない限り、執行官制度改革は、竜頭蛇尾に終わるのではないかという危惧を、この際に表明しておきたい、こう思います。  さて次に、執行官法実施の面で、われわれの将来の問題について触れていきたいと思います。  現在、われわれの東京執行吏役労働組合には、送達面での執行吏代理を含めて七十四名の組合員がいます。非組合員は、執行吏代理を含めて十一名、合計八十五名の職員東京の役場では働いております。この職員執行吏とは労使関係にあり、合同役場と労働組合とは現在労働協約を締結しております。この職員の中で執行吏代理者は三十五名いまして、この代理者に対する条文あるいは規則あるいは今後の身分規定については、今回の法改正の中でも触れられておりますが、残る五十名の職員全国ではそれ以上の数の職員がいるわけですが、その職員については、従来ももちろん、今回の執行官制度実施の中においても全く言及されておりません。この点については将来の問題を含めて八十五名の職員及び代理者が、大きな危惧と不安とを抱いているということをこの機会に強調いたしておきたいと思います。  いままでは合同役場というものがあって、そこに執行吏という使用者が集まり、その使用者の中から幹事長が選出され、その団体にわれわれ職員は雇用され、働いてきた、こういう雇用関係がありました。ところが、今度は役場という観念も名称もなくなる。そこでたとえば執行官部というようなものがある、それだけである。その新しい制度における雇用関係は一体どうなるのか、こういう疑問も一般組合員の中から率直に出されております。まあ私たちは、もちろんその点は従来と変わらないというぐあいに説明しておりますが、今後執行官が特別職の国家公務員から一般職の国家公務員に移っていく可能性があります。一般職の公務員たる執行官が事業主にはなれないだろう、とすればわれわれ職員自体の公務員化ということに一体なるのかどうか、そういう疑問にも今後答えていただく必要があるんではないかというぐあいにわれわれは考えております。当分の間はもちろん、よほど執行官制度が大きく変わらない限り、将来とも繁雑な執行事務執行官だけでは処理していけない、絶対に処理し得ないということは、もう明らかであります。先ほど述べました執行吏代理の今後の処遇の問題にいたしましても、関連があることだと思います。東京の場合、執行面での執行吏代理は別といたしましても、送達面での執行吏代理とそうでない一般職員との間には、何ら異なった年齢なりあるいは勤続年数なり、成績なりという問題は介在しておりません。入所した職員のある人は送達事務を取り扱う代理になる、ある人は一般職員になっていく、いわゆる新旧年齢の区別なく分かれているだけで、全く同等の職員でありますし、執行吏代理だけを切り離しまして何らかの特別の措置を講ずる、こういうことでは問題の解決にならない、こういうぐあいに考えております。   〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、全職員をどのように処遇するかという今後の問題につきましては、もちろん職を失うことのないような方向で十分なる対策を講ぜられるよう強くこの機会に要望する次第であります。  さらに強調したい点として、今後執行官への採用を大いにわれわれ職員の中から行なっていただきたいということであります。明治二十三年に執行吏制度が発足して以来今日まで、何ら身分的に保障のない職員が何百、何千、あるいはそれ以上の数がこの強制執行事務に携わって働いてまいりました。言いかえれば、国家で定めた事業に奉仕してきたということが言えるとも思います。しかもある時期には非常に劣悪な労働条件のもとで働きました。健康保険や失業保険制度あるいは退職制度がない、こういう状況のもとに置かれた職員がたくさんおりました。そういう中でやめていった職員も数限りありません。労働組合昭和二十九年に結成されまして、初めて人間らしい労働条件をかちとりました。しかしながら現在決して高いとは言えない賃金でありますし、その庁舎にいたしましても、あるいは環境にいたしましても、あるいは年金等による将来の保障にいたしましても、非常に不満足な状態に置かれているのではないかと思っております。現在東京の八十五名の職員中、勤続十年以上の者が六十三名に達しております。そのほとんどが強制執行事務に精通し、現在の執行吏制度をささえている、こういう言い方をしても決して過大な表現ではないのではないかと考えます。直接現場に出て差し押えや仮処分等を行なわないだけの話で、その後の事件の進行や、あるいは毎日毎日の事件の処理から事件の終結に至るまで、そのほとんどがわれわれ職員の手によって行なわれておる、処理をされておる、こういう事実をひとつ銘記していただきたいと思います。執行吏と全く同一の仕事を行なっている執行吏代理送達事務を処理している送達代理をさらに加えれば、われわれ職員責任とその貢献度は実に大なるものがあるのではないかと言えると思います。こういう職員を将来執行官に登用する門戸を開いて、最も執行事務に精通してすべての事情をわきまえた執行吏役場職員を、執行官に採用してこそ初めて執行官制度の意義が生まれてくるのではないかということをわれわれは確信してやみません。今後執行官採用の場合、書記官の横すべりだけではなく、どんどんわれわれ職員の中から採用するよう重ねて要望する次第です。  以上、執行官法に対する意見と、執行官制度実施にあたっての意見を述べてまいりましたが、今後、最高裁規則等の作成なり、あるいは六カ月以内に実施していく面での運営の問題等、またはその後二年なり三年にわたる新制度実施の面で、われわれ労働組合及び職員意見を十二分に反映され、執行官制度がより前進をするようわれわれの意見を基礎にしていただきまして、ひとつ十二分に今後とも意見を反映されるよう特に要請いたしまして、組合代表の意見を終わります。
  8. 大久保武雄

    大久保委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。横山利秋君。
  9. 横山利秋

    ○横山委員 最初長田さんに伺いますが、この法案立案の過程で、あなたないしは執行吏連盟は、最高裁等から御相談を十分受け、意見を言い、その主張は認められましたか、どうですか。
  10. 長田公麿

    長田参考人 ただいまのお尋ねにお答えいたしたいと思いますが、執行官法案がつくられます前に、この法案をつくる要綱というものがございまして、その要綱をわれわれ東京執行吏の内勤の者に示されたのでありまして、なおその説明もございました。しかし十分に検討する日時がなかったのであります。
  11. 横山利秋

    ○横山委員 そういたしますと、法案作成について、連盟意見が十分反映できなかった、こういうわけでございますね。
  12. 長田公麿

    長田参考人 とにかくといたしまして、この執行官法案をわれわれに示されました日があまりに浅うございましたので、十分検討する余裕がありませんでございました。
  13. 横山利秋

    ○横山委員 広沢さんにお伺いをするのですけれども、基本的に組合としては将来どうあることを望んでいらっしゃいますか。たとえばですね、第一は、現状維持、第二番目には、完全な国家公務員として身分の変更ということ。大別して二つあるのですが、あるべき姿として、職員としてはどうお考えでございますか。
  14. 広沢豊喜

    広沢参考人 初めにまず、今回の執行官法による制度改正執行官自体が一体どういうぐあいになるのか。たとえば、特別職の国家公務員から一般職の国家公務員に移っていく、変わっていくという過程では、当然これは職員も、またわれわれの立場も、一般公務員でなければならないのではないか。いわゆる一般公務員が事業主となり、使用主となり、その職員を使うということはあり得ないのじゃないか。そういう意味では、まず執行官がどういう形になるのか。執行吏がいま言いましたように公務員になるなら、これは当然われわれ職員もその中に吸収され一般公務員になっていくのじゃないか。執行官が現在のまま置かれる限り、言いかえれば手数料制が維持される限りは、現状のまま雇用関係が存続していくのではないか、こういうぐあいに考えております。
  15. 横山利秋

    ○横山委員 そうしますと、政府の方向によって、ケース・バイ・ケースで自分たちの立場をきめていきたいということのようでありますが、私はこの法案に関係なく、皆さんに、基本的には執行制度に携わる者はどうあるべきか。つまり、完全に国家公務員の中に組み入れられる方向に、つまり全部国家公務員ですね、この方向にいくことを望まれるのか、あるいは、手数料制度のもとにおける改善、現状を一つ一つ改善をして現状にとどめるという方向を望まれるのか、白紙でお答えを願いたい、こう考えたのでありますが、組合側としてはいま積極的にどちらを期待するということではありませんのですね。
  16. 広沢豊喜

    広沢参考人 執行官制度そのものに対する考え方につきましては、さっきも述べたような内容があるかと思います。非常に十分ではないし、妥協的であるし、あるいは中途はんぱである、こういうような意見も、執行官制度についての改革の面での考え方も持っております。当然、私たちは現行手数料制が、俸給制に移っていくことのほうが理想的なのではないか、こういう考え方を持っている人のほうが多いかと思います。しかしながら、これは非常にむずかしい問題でありまして、言いかえれば、国家が七十年間、明治二十三年以来この問題についてはなかなか手をつけ得なかった、いわゆる手数料制のうまみというようなものがあるのではないかというようなことで、外国等の例なんかも参考にしながら現状維持を続けてきた。こういう面でやはりなかなかむずかしい面があろうかということは、私たちも否定できない事実ではなかろうか、私たちもこういうぐあいに考えております。しかしながら、現在の状況のもとで一つ結論をしいて出すとすれば、手数料制よりは俸給制のほうに移っていくことのほうが理想的ではないか、こういう考え方を持っているということだけは言えるのではないかと思います。
  17. 横山利秋

    ○横山委員 三ケ月さんにお伺いしたいのですが、先ほどのお話、やや抽象的で真意を把握するのに私苦しんだのであります。お話しのように、妥協的、ないし別のことばで言えば一歩前進ということでありますが、いま私が御両所に質問しておる、本来的にいかにあるべきかという点に立てば、三ケ月さんのお話は、どうも国家機構の中へ順次漸進的に繰り入れることを望んでおられるように拝聴いたします。ただ、私が先般来質問をいたしました一つの焦点になりましたのは、先ほど広沢さんのおっしゃったように、竜頭蛇尾に終わりそうだということであります。長年やってきてうまくいかなかった、検討ばかりやってきていまちょっと変える、ちょっと変えたことで名目は立った、そこでまた居眠りをする、こういう可能性が実に強いと私は思っております。おそらくここからさらに――多少の改善は、手数料の多少の改善、そういうことはあり得ることですけれども、制度的な改善はしばらく望めないのではないか。ようしないのではないか。もしするのだったらいま改善しなくたっていい。むしろいまの弊害をもっと拡大して、大きくしていって、社会的にどうにもならぬところで思い切った改善をしたほうがやりやすい。いまやったんだからこれで申しわけは立ったという政治的判断を私はするわけであります。そういうことになってしまう。その点についてどうお考えでございましょうか。
  18. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 ただいまの御指摘、確かに妥協的な立法をある段階にいたしますと――私、学者の立場からでございますが、ともかくひとつここで、何もしないことが、何かできたということで、何か眠り込みがちであるということは、これはあり得ることだろうと思います。私が非常におそれますこともそのことでございます。ただ私感じますのは、先ほど執行吏代理の方から御説明ございましたように、この問題を一ついたしますと、必ずしもまだ明確には問題になっておりません、たとえば過度的な、経過的な取り扱い等々を通じまして、これまでは停滞したままで問題の所在すらわからなかった問題が、司法当局責任として正面に浮かび上がってくるきっかけになるであろう。それを一つ一つ解決することを通じて、とうていこういう形での妥協的なものは長くやっていけないというふうな動きが、逐次出てくることを私は期待しておるわけであります。  さらに申しますならば、執行法律制度改正に対する全般的なものの考え方といたしまして、最近におきまして学者なり識者なりというものが、単に法律の仕組みのみをいじることなしに、むしろ法律の機能なり実体なりというものに対する関心が非常に高まってきておる、そういう段階でこの法案をながめます限り、私は、過去と同じような意味で眠り込むことはむずかしいし、眠り込ましてはならないと思いますので、私が先ほど申しましたことは、そういう伸ばすステップにしていく要件になっておるということを申し上げたつもりでございます。
  19. 横山利秋

    ○横山委員 広沢参考人執行吏代理廃止することについて非常に不満を持っておられるのでありますが、長田さんに伺いたいのですが、この法案についての政府側の説明は、いまの執行吏代理を、少なくともある一定年限に達しておる者については執行官に登用をいたしたい、あるいは中には国家公務員に転職してもらう、どうにもならぬ人はしょうがない、こういうような大体政府の御答弁であったわけであります。もちろんその三つもいますぐというわけでないのですけれども、執行吏連盟としては、執行吏代理を原則として廃止していくことについてどういう御意見でございますか。
  20. 長田公麿

    長田参考人 ただいまの執行吏代理廃止していくということにつきましては、これは最高裁におきます大きな方針でありまするから、私ら執行吏といたしましてはこれに従わなければならない次第でありますが、さりとてこの執行吏代理諸君あるいは事務員の諸君を失業させるというようなことがありますと非常に重大な問題でありまするから、われわれは身命を賭してもさようなことのないように最高裁当局にも再々具申いたしまして、最高裁当局におきましても、決してそういう心配はない、執行吏代理でも相当資格のある者は執行吏昇進させる道もあるし、また事務員の人も裁判所事務官にでも採用される道は十分講ぜられるから安心しておれという御意見がありましたので、私らもその最高裁の言明を信頼いたしておる次第であります。
  21. 横山利秋

    ○横山委員 ちょっとあなたのお考えは違っていますね。ここは立法府でありまして、ここできめるのですよ。最高裁や政府が何と言おうと、ここでいかぬと言えばいかぬのですよ。あなた方においで願いましたのは、職にある者として、あるいは学者として、自由奔放に国民の一人としてみずからの信ずるところ、希望したいところを率直に言ってもらえばいいのであって、最高裁がきめたのだから一応その前提に従わなければいかぬというお考えでは、真のあなたの声が聞かれない。ですから、最高裁が原案をつくったから一応従うということでなくして、白紙で、執行吏代理廃止することについての率直な御意見を伺いたい。
  22. 長田公麿

    長田参考人 ただいまの御質問にお答えしたいと思いますが、われわれの実際の率直な意向といたしましては、執行吏代理を今後とも存続していただくほうが事務運営について非常に好都合であるという私だけの考えは持っておる次第であります。
  23. 横山利秋

    ○横山委員 三ケ月さんにお伺いをしたいのですけれども、私は自分で質問しながら矛盾を感じていることが一つあります。それといいますのは、これは方向としては国家機構の中へ入っていく方向にある、そして最高裁なり裁判所執行業務に携わる者の教育研究をもっとやってやれとやかましく言いましたら、去年初めてやったわけです。あとは執行吏諸君が執行吏の者だけの補助的な研究機構を持っているだけで、執行吏代理に対する教育もそうやっておりゃせぬし、それから事務員に対する教育なんか全然やっておりゃせぬ。それで本来的にいいますならば、裁判所がもっと教育訓練、それから啓蒙、福祉活動等をやれといいたいところでありますが、この問聞いてみたところ、銭がない、予算がない、こう言っているわけです。私は、その立場からいうならば、先ほど長田参考人がおっしゃったように、執行吏連盟を強化する、執行吏連盟が、この過渡的な段階におきましても、もう少し自主的な機能を発揮することを望みたいということを、矛盾をしておるようでありますが、考えておるわけであります。理論的には、だんだん国家公務員になっていく人たち、まだいまは特別公務員の人たちが、一つの団体をつくり、そしてその従業員に対する教育訓練機関としての機構を持ち、たしかいまは任意の法人でありますが財団法人たる性格を持ち、そういうふうにやっていくことが望ましいと、私は矛盾をするようでありますが、考えておるのであります。この点について御意見を伺いたいと思います。
  24. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 ただいまの御指摘、まことに問題の所在をついておられるかと存じます。日本執行吏制度が問題になります場合に、一番おくれておるのは研修の問題である。その研修の問題と申しますのが、たとえば裁判官の研修制度、検察官の研修制度、書記官の研修制度、調査官の研修制度等は戦後非常に司法部内において出てまいりますのに、執行吏の研修が取り残されておるというふうな感じは、私は前から感じております。どうしておくれるかというと、やはりこれは、執行吏というものが、一応公務員とされておりながらも手数料制であるというところからくるいろいろな問題があるのではなかろうか。逆にそれをもう一歩取り込むこと、相対的な関係におきまして、これは当然研修体制というものを取り込んでいかざるを得なくなっていくだろうと思いますし、私自身も、そういう制度がほんとうに動き出すためには、調査官や書記官というふうなものと同じような研修体制をつくりつつ、そこから新しい時代の執行に対応し得るようなものをつくり上げていくことが司法政策として当然考えられてくるでございましょうし、私自身この法案の作成に多少関与いたしました際に、法制審議会で特に研修体制の充実に本腰を入れていただきたいということを要望したものでございまして、そういう面から考えてまいりますと、これまで取り残されていたということをむしろ直していくというかっこうに使っていくという方向がいいのじゃないか、逆に、執行官と申しますか、執行機関の問題に私前からいろいろと興味を持って、多少、十年前で古いことでございますが、いろいろ実態も勉強させていただいたりしたこともございますが、この執行吏というふうなものに、大都会と地方都市、さらにはその地方ごとによっていろいろな違いがある、これは一つの独立の団体を通じてそしてやっていくというふうなことがはたしてできるのかどうなのだろうかというふうな問題を感じておるのでございます。実は私、先ほどのそういう組織は、ごく最近と申しますか少なくとも十年以内にできたようでございまして、どういう実態であるのかということを必ずしも存じ上げておりません。したがいまして、否定的な評価も積極的な評価もできませんけれども、これにかわるものを――やはり研修というものは司法機構一つの問題として取り上げていかなければならないという問題が、この法律ではっきり出てこざるを得ないのではなかろうか、そういう動きとの関連において、そういう動きを評価していくということになるのじゃなかろうか、これは私の全く実態を存じないものの観測でございます。したがいまして、感じておりますことは全く同じでございますが、さりとて、伸ばしていく方法といたしましては、すでにかなりの成績をあげております司法部内のかなりの研修制度に範をとりながらやっていくということを考えていくべきではなかろうか、こういう感じでございます。
  25. 横山利秋

    ○横山委員 私も実はそれを望んでおるのでありますが、おそらく政府側また最高裁側としては、一つには予算がない、一つには執行吏役場執行吏代理並びに事務員は国家公務員ではない、それに予算を出す必要はないという傾向があると思う。そこで、矛盾するようではありますけれども執行吏連盟の機能を強化して、執行吏それ自身の教育のみならず執行吏代理並びに執行に当たる職員諸君の仕事をやらせたり教育をやらせたらどうか、ただそれには金がない、したがって何か政府がそこに対する援助をすべきではないか、この連盟の機能強化という意味において援助すべきではないか、こういう方向を考えておるのでありますが、重ねて御意見を伺いたい。
  26. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 私司法当局立場にあるものでございませんので、こうしろと言いましてもあれでございますけれども、まあ学者の立場から考えますと、そういう職業に属しておられる方が自分たちの経験を持ち寄りて、いろいろと自発的な研修をされる、エンカレッジしていくということは、これは必要なことであろうということは考えております。さりとて、そのかわりに、逆に今度は、せっかく執行官をこしらえながら、司法研修所等々のものと似たような、そこまで大きくないにいたしましても、そういうふうなことをやはり考えていけないこともないのじゃなかろうか。これもどうも司法当局者の考えじゃございませんけれども、そういうことも考えております。これだけの法律をとにかく通していく以上は、これは当然事後措置的なものがあとの宿題としてぶら下がっておりますし、その一つの宿題として研修制度というものがあるのだということを考えておりますが、御返事になっておりますかどうか。立場立場でございまして、私がそういう立場でございましたらどうするということを申し上げるのでございますが、実態も存じませんし、学者の意見にすぎないわけでございますが、そういう感想を申し上げてお許しいただ弄一たいと思います。
  27. 横山利秋

    ○横山委員 こまかいことで恐縮ですが、長田さんに伺いたいのですが、刑事送達手数料はただでやっていらしゃるのですか。それともただだからやらないといろ立場でやっていらっしゃるのですか。全国的にまちまちのようでありますが、本来どうあるべきだとお考えでございましょうか。
  28. 長田公麿

    長田参考人 ただいま御指摘の刑事送達手数料はずうっと無手数料であります。それは規定がありますので、手数料はちょうだいできないことになっておりましたが、今回の執行官法案におきましては、予算の処置が講ぜられれば手数料を支給するという条文に変更されたのでありまして、われわれといたしましては非常にありがたいと思っておる次第であります。
  29. 横山利秋

    ○横山委員 そうでしたか。われわれはいままでは刑事手数料はただだと聞きましたが、最高裁、今度は銭を出すことになったのですか。
  30. 菅野啓蔵

    ○菅野最高裁判所長官代理者 従来も手数料は刑事送達についてはなかったわけでございます。今回も、手数料はないという点につきまして、これを直ちに改めるということにはいたしておりません。ただ将来考えるという意味での暫定措置規定を置いておるにとどまるわけであります。
  31. 横山利秋

    ○横山委員 暫定措置というのは何ですか。
  32. 菅野啓蔵

    ○菅野最高裁判所長官代理者 当分の間支給しないという規定になっておるわけであります。それで研究した上で、手数料を払うべきものならば払うということに法案はなっておるわけであります。
  33. 横山利秋

    ○横山委員 民事は手数料を払っておるのに刑事はただだ。ただでおまえやれというのは私はおかしなことだと思うのですが、何か聞くところによりますと、執行吏役場でも元気のないところは、ただでやれと言われればしょうがないからいやいやただでやる、元気のいいところは、ただとは何だ、おれはやらぬと言うておるそうですね。やらぬと言ったって、別にやれと言うわけにはいかぬでしょう。法律上ではやれと強制するわけにいかぬでしょうが、何でただでいつまでもごまかしておるのですか。これも研究して、もしやらなければならぬのだったらやる。当分の間――当分の間というのは、法律用語でいいますと、五十年たっても当分の間で通ったのです、最高裁の判決にそういうのがあった。これから五十年研究するというばかなことはないし、こんな小さなことをこれからなお研究するというのはばかげたことだと思うのですが、銭を出す気持ちはないのですか、どうなんですか。
  34. 菅野啓蔵

    ○菅野最高裁判所長官代理者 刑事送達の手数料につきましては、法律上の問題もあるわけでございますけれども、実際問題として一番問題になる点は、執行吏の送達が利用されるということは、郵便による特別送達との関連におきまして考えなければならないことでございまして、つまり郵便よりも安ければこららを利用するということが、民事におきましても、刑事におきましても、それは経済法則からいって当然だと思います。そこで執達吏送達が利用されているのは、郵便送達よりも安い、ということは、つまり距離が短いところでありますると、その旅費は現行は一キロ八円の割合でございますが、その利用価値があるわけでございます。遠くなりますと、旅費がかさみますから郵便料よりか高くなって利用が減るわけでございます。手数料を払っていないということは事実でございまするけれども、旅費と実費との間には、そこにやはり多少の余裕がございますので、実質的な収入にはなっているわけでございます。その収入は比較的多いのでございまして、手数料を旅費に加えるということになりますと、郵便料金のほうがかえって安くなって、そちらのほうが利用される率が多くなるということになりますと、実際の送達件数というものは減ってまいりまして、実質的には執行吏の収入が減ってくるという面があるのでございます。でございますから、手数料を加えるということが執行吏の利益になるかどうかという点は問題でございます。おそらく……(横山委員「安いか高いかじゃない、郵便よりもはるかに安い、ただなんだ」と呼ぶ)もう少し具体的に数字で申し上げますと、ただいま郵便法は改正案が審議されておると聞いておりまするけれども、現行では特別送達料は百三十五円でございます。そういたしますると、百三十五円以下でなければ、執達吏の送達ということが実際上利用されないわけでございます。そうしますと距離からいいますると、四キロ程度の往復の旅費がかかります。今後それに手数料を加えるということになりますと、執行吏による送達を利用するという率が非常に減ってまいりまして、実質的な収入においては執行吏が得をするか損をするかというかね合いの問題があるわけでございます。
  35. 横山利秋

    ○横山委員 大いに意見がありますけれども、質問を終わります。
  36. 大久保武雄

  37. 上村千一郎

    ○上村委員 きょうは実は重点一、二だけお尋ねをしていく関係がございますので、能率的に御意見を承る意味におきまして、私の大体の考え方を先にちょっと述べさしていただきたいと思います。と申しますのは、この前の委員会で、大体自分の考え方を基点にしまして、法務、最高裁御当局に質問をいたしたわけであります。で、その基本的な考え方は、本日三ケ月参考人が冒頭にお述べになった立場と同じ立場でございます。議事録に出ておるわけでございますが、概要は、昭和三十一年度の法制審議会の答申に基づきまして現行執行吏制度廃止して、固定俸給制裁判所職員たる執行官制度に改めようとする、これは七十年来のいろいろな制度の問題もあったりしまして容易に踏み切れなかったのでしょうが、やっと十年たって前進してきた、おそきに失しておる感がある。けれども、半面からいえば、大きないろいろな諸問題を含んでおるわけであります。手数料主義と両立しないままやっていたという点につきましては苦心の存するところであろうけれども、一歩前進した意味においては、中途はんぱあるいは妥協的であろうけれども、前進的な一つの意義を認めたい。が、しかしながら制度的にはそうであるけれども、運営面としましては、場合によっては事務渋滞するおそれがある。で、この運営という問題につきましてどう考えておるかということにつきまして、実は三ケ月参考人も教員の立場に立たれておられるからよく御存じだと思うのだが、執行制度というものが日本の裁判制度の中に占める地位というものは相当大きなものである。それで、ある意味においては、裁判官が裁判をしていくと同じように法の一つの具現形態とすれば、執行吏執行していく際におきましても、規模の差はあっても一つの法の実現形態である。そういう意味からいいますれば、そこに単なる事務という問題と違った一つの判断というものが大きく作用してくる。だから、その運営、人の問題はよほど慎重に考えないと、制度だけでは解決し得ない。場合によっては渋滞状態を来たす。こういう観点のもとに質問を展開したいわけです。  実は従来執行吏制度についてはとかくの批判があった。たとえば役場の問題に関連し、また、日本の法治主義と申しましょうか、民主主義と申しましょうか、その基盤というものが脆弱であるというような問題もからみ合って、金銭の問題にしましても、あるいはそれに関連した事件屋の介入の問題にしましても、あるいはいろいろな能率の問題にしましても、要点を言いますれば、執行吏というものに対する、執行制度に対する国民の信頼感というものをどう高めるかということに要約される、こう思うのであります。  そういう意味と、もう一つは、どうして能率を高めるかということにあるわけであります。たとえば、今国会においても特許法の改正案が出ておるが、全く行き詰まってきた。事件処理というものがほとんどできなくなってきた。どうするかということになる。だから、国家公務員の中に完全に入れていく場合においてその配慮が欠けておりますと、むしろ、いま裁判の遅滞の問題にしましても、あるいは特許関係の問題にしましても大きな別の問題を提起してくる。だから、どうして能率をあげるか。特に、裁判も能率をあげなければいけませんが、強制執行の場合においては最も緊急性を要求しておる一つの部面である、場所である。こういう点からいいますれば、この能率ということを非常に考なければならない、こう思うのであります。それで、その能率をあげる意味においては、一番従来の経験のある人々を活用していくことが必要である。また、新規に採用されるところの執行官にっきましで、あるいは旧来の執行吏の方々が執行官になられていく場合においても、研修制度というものを相当するということは当然の前提であるわけでございましょう。しかしながら、多年の経験と、そうして法の具現が利害関係の最も前戦、直結面といいましょうか、一線といいましょうか、そこで発現されていくということでありますから、多年の経験というものも必要である。こういう意味からいいますと、従来の執行吏の方々を執行官にするということでございましょうが、実際問題として、要するに地方裁判所に所属されるわけですが、その事務分配にしても、指揮監督にしても、これはよほどうまくやりませんと、従来の経験なり、有能な人々の運行なり、執務状態その他をかえって阻害をする。そうすると、やはりこの制度を変えたために、かえって渋滞を起こして、別の問題を起こすおそれがある。また、先ほど広沢さんがおっしゃった点につきましても、いまの職員の方々、あるいは執行吏代理、送達代理の方々にしましても、多年の経験と熱意を持っておられる人材はそこにそろっておられるだろう。こういう意味から、いまの能率を高め、期待に沿う意味においては大幅に採用されて、一つの人的供給源とすればよかろう、こういうふうな観点のもとに、実は質問を展開したいわけです。  ひとつ三ケ月さんにお尋ねをいたしたいのですが、現在の執行吏執行官になったその際に、いずれ裁判所の中に一つの部みたいなものを設けると思いますが、どういう運営状態を考えたならば、いま私が意見を陳述しながら御質問する能率化といいますか、適正化を進めていくにいいかという、一つ制度的なお考えでもございますればこの際承っておきたい、こう思うわけであります。
  38. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 これは具体的にどういう部局を設けていくがいいかということになりますと、これはやはり仰せの面に触れてまいりますわけで、学者が頭の中でどうこうという問題でありませんが、おっしゃるとおりこういう公務員制方向になっていきます場合には、裏といたしましてやはり公務員に伴う権利というふうなものも保障していかなければならない。いままでは手数料制であるがゆえにとかくある程度放置されていたものが、あるいは勤務時間の問題なり出張の問題等々の問題が出てまいりましょうし、そう能率のみを言っておるわけにいかない面があるということが当然出てまいりまして、それは一見いたしまして、当然能率の低下というふうな現象を伴いがちであるということは、これは諸国で手数料制執行吏から俸給制に移りました場合にいろいろなデータが出ておりまして、われわれもこれを能率のみでいく場合には、同じ形で考えたのだったら基本的な能率の低下が将来は出てくるのではないか。むしろその能率の低下を生ぜしめないようにするためには、じゃどうするかという方向で考えていかないといけないのじゃないか。すなわち、具体的に申しますと、全国でわずか三百人でもって法の実現を第一線においてやっているという体制自身がすでにおかしいのでありまして、これをもっと広げていく必要があれば広げていかなければなりますまいし、また窓口にしてもあるいはあれにしても、もっと近代的な装備が必要ではなかろうかということを考えますと、私よくわかりませんが、裁判所の部局の中にやはり執行局というのでありましょうか、執行課というのでありましょうか、かなりそこには、執行という問題からこの法律の生み出す問題を全部責任を持って処理するという体制を持って、裁判官ないし法律家自身が、そういう問題の所在にとにかく確答していく体制をつくっていただかなければ困るのじゃなかろうか、こういう感じを持っております。  停滞の問題はともかくといたしまして、能率化の問題でございますが、これは近代的な装備をもって処理する以外にない。いまあまりに前近代的な形の中でやっておりますが、この手数料問題も、執行吏の物的費用を国家が持っていくという方向をはっきり打ち出して、もっともっといろいろな面で能率を発揮し得るような手数料問題あるいは運搬の問題、輸送の問題といったような問題を含めてやっていくことを、その際司法当局責任において考えていかざるを得ない立場にこの法律は追い込んでいくように思いますし、そういう問題はやはり指摘しておくべきであると考えるわけであります。学者の立場の発言でございますから、具体的には私がこのときにこういう部局をつくって、こういう人間をつくってというのはとうてい申し上げられませんが、やはりそういう問題は必然的に出てくるであろうと考えておるわけでございます。
  39. 上村千一郎

    ○上村委員 もう一点だけ。もちろん学問的な立場の専門の御意見を聞いておるわけでございまして、実際面のあれではございません。しかしながら、新しい運行状態に入りますときには非常に御意見が重要であろう、こう思うからお尋ねをしたわけです。  実は先ほど長田参考人からちょっとお話が出ましたが、執行吏代理という制度が今後恒久的に置かれるということについてはいささか疑問がある。これはなった人から考えますれば、かつて代行書記官制度の場合におきまして、書記官の方々が職務を同じようにさせながらいつまでたっても  「代行」という名前がついておってはかなわぬというようなことで、いろいろ配慮されてこれを解消する。結果的には代行書記官が全部書記官というものになられる措置によりまして処理をしたことがある。考え方としましては、いまの実情を直ちに執行官ということで処理するわけにもいきかねる点もありましょうけれども、制度として、要するに執行官代理という制度を恒久的に置くという今後の考え方ではむしろいかがかと思いますが、この点についてのお考えをお尋ねしておきたいと思います。
  40. 三ケ月章

    ○三ケ月参考人 ただいまの執行吏代理の問題、私も基本的に同様に考えております。やはり執行吏代理という制度が現在のような形で、執行吏の本職まではまいりませんが、相当な数を持ってかなり重要な仕事を営むようになってまいりましたのは、やはり手数料制度から出てくるところの変形現象という面があるのではなかろうか。これを将来執行体制を考えていきます場合には、できるだけ正面の機構に吸い上げられる能力と素質のある人は吸い上げて、そして正式の権利を与えてやっていくという方向に進むと同時に、やはりそこでいろいろ指摘される問題点というものが非常に出ておるわけでありますから、これは過渡的なことを、しばらくの間やはり時間が要るかと思いますけれども、やはり二十年先の姿というものを考えてまいりますならば、私は廃止していくべき方向にあるのではなかろうか。そうでなければ、やはり執行官制度をとりますと、いままでのような代理制度というものは多少出てきにくくなるであろう、そういう寸法をうまくつかまえながら、十年なら十年、二十年なら二十年の、現状に大きなショックを与えないで方向を変えていくことも考えていくべきではなかろうかというような感想を持っております。
  41. 上村千一郎

    ○上村委員 実はもう十二時になりましたので、私の質問はこれで打ち切りたいと思いますが、打ち切るに際しまして、実は長田参考人から日本執行吏連盟の諸要望、これは一つ能率化という問題に関連しますし、私らも基本的に相当重要な御意見だというふうに思うとともに、また広沢さんの御意見なども非常に参考になる、こういうふうに思いますが、もう時間がまいっておりますので、お二人の参考人にお尋ねすることをここでやめまして、私の質問を終わりたいと思います。
  42. 大久保武雄

    大久保委員長 これにて参考人に関する議事は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ長時間にわたり貴重な御意見をいただき、本案の審査に御協力くださいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、ここに厚く御礼を申し上げます。  どうぞ御退席ください。  この際、暫時休憩いたします。    午後零時三分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕