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上村委員 いまの点の御
説明よりなかなか
説明はつくまいと思うのです。ただそこでいつも問題になりますのは
計数上の点ということになるけれ
ども、しかし要はいかに
計数上でも、一名の
株主というものはそこに存在しておるわけです。要するに不
統一行使をする
株主というものは、
計数上とは別個に
株主というのが一人そこにおることは確かだ。それがどうなっていくかということが、要するに各
委員の
方々も御
質問された場合の
一つの
問題点になっている。ただここで問題になるのは不
統一行使をした場合に一人のからだが
半々にいくようなかっこうになってしまう。それを一人前の一人として見るのはおかしいじゃないかという
考え方が根本にあるわけです。だからそれでは
両方なしかというと、不
統一行使をする
株主が一人あることだけは、いまの
設例においてはあるのですから、これを無視するわけにはいかない。そうかといってその
株主が
両方へ
行使したのですから、
半々の立場にあるとしても、それは
株主であるに間違いはない。そういう場合をどう
理論構成をするかというところに従来の
質疑の
中心があったわけです。だからいまのようなお話で大体わかるけれ
ども、しかし、それをもっと掘り下げておかないというと、いまここで
委員の方からも出ているように、ちょっとわかりかねるぞということばが出てくるわけです。と申しますのは、不
統一行使をする
株主というのは一人ある、それはなくなったりせぬのですから。ただし
行使をした場合におきましての
計数上の問題として、それは
頭数に入れるか入れないかという問題、入れるとすればどういう
概念に入るのかという問題になってくる。要するに私は、不
統一行使をした場合においても
計数に入れざるを得まい、またそれを
一つの
頭数に入れざるを得まい、またそれが、完全な
株主であるかないかは別としても、
株主であることには間違いない。しかしながら従来の
株主名簿にある
株主とは
員数においてはっきり違う。だからその問題が非常に微妙であるけれ
ども、いまの御答弁において、結果的には法の趣旨に反するものではなかろう。だからそれを
議事録に
記載をする際にそこで解決をしておきさえすれば、私は今後の法解釈、あるいは
理論構成において、なお
疑問点を解決し得るものであるというふうに
考える。
それで二百四十四条の
議事録でどういうような
記載方法をするかということに相なると思うのであります。ですから、この
法律の施行
過程におきましても、その点の
混乱のないようにひとつよく御配慮を賜わりたい、またそういうふうにすべきものではなかろうか。そうしますれば、いま
局長が言われておることは大体なるほどと思われる点で、しかしながら、そこに何となくはっきりせぬ点があるのじゃないかという
感じが流れる、それを現実に解決するには、現在の
段階としては二百四十四条の
議事録の
記載の点において明白に指導をしますれば、また方針をきめていきますれば、私は解決し得るものだというふうな
感じをいたしまして、了承をするわけであります。
それから第三点でございます。これは、二百八十条ノ二の二項の特別に有利な
発行価額というものは一体具体的にどういう点をいうのであろうか。この趣旨は大体了承できる。要するに
新株の
発行価額についてどういう価額にするのだということは、これは非常にむずかしい問題である。何となれば、発行を有利にしていく、しやすくするということは、これは企業の資本力をどういうふうに集めていくかという問題におきまして、集めやすいほうがいいにきまっておる。しかし、集めやすいということと——あるいは企業自体の資本充実を阻害するという集め方では、集めやすくても、これはかえってまずい。また既存
株主に対しましても
新株の発行がしやすいというだけで適当な標準がないとなれば、かえって
株主に対して保護が十分でないという問題、その点、
発行価額というものをどこら辺に置くか、またどういうような規制をするかということは、これは重要な問題であると思うのであります。だから二百八十条ノ二の二項に、特に有利な
発行価額の場合におきまして特別
決議が必要だということ、だからここでひとつ歯どめをしておくわけです。それはよくわかるが、しかしながら、特に有利な
発行価額というものは一体具体的にどこら辺をさすものであろうかという、
一つの大体の
考え方、基準というものも、審議の
過程において明白にしていく必要がある。だからこそ、この
委員会におきましてもいろいろと
質疑がかわされてきておる。これはもっともだと思う。ですから、これもまたひとつ統一的な、またいわば最終的な御
見解というものを承っておく必要がある、こう思うわけでございます。その点ひとつ
お答えを賜わりたい。