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1966-02-23 第51回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月二十三日(水曜日)    午前十一時十六分開議  出席委員    委員長 小笠 公韶君    理事 木村 俊夫君 理事 倉成  正君    理事 砂田 重民君 理事 舘林三喜男君    理事 山本 勝市君 理事 井岡 大治君    理事 兒玉 末男君 理事 村山 喜一君       井出一太郎君    海部 俊樹君       坂村 吉正君    竹内 黎一君       床次 徳二君    藤尾 正行君       粟山  秀君    伊藤よし子君       大村 邦夫君    玉置 一徳君  出席政府委員         総理府事務官         (統計局長)  野田  章君         総理府事務官         (経済企画庁国         民生活局長)  中西 一郎君  委員外出席者         総理府事務官         (統計局調査部         消費統計課長) 明石  頌君     ————————————— 二月十八日  委員平林剛君、帆足計君及び吉村吉雄辞任に  つき、その補欠として沢田政治君、芳賀貢君及  び板川正吾君が議長指名委員に選任された。 同日  委員板川正吾君、沢田政治君及び芳賀貢辞任  につき、その補欠として吉村吉雄君、平林剛君  及び帆足計君が議長指名委員に選任された。 同月二十三日  委員井出一太郎辞任につき、その補欠として  坂村吉正君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(消費者物価に関する統  計)      ————◇—————
  2. 小笠公韶

    小笠委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  本日は、消費者物価に関する統計について説明を聴取することといたします。総理府より野田統計局長明石消費統計課長が見えております。野田統計局長
  3. 野田章

    野田政府委員 総理府統計局長野田でございます。  お手元に「消費者物価指数」と「家計調査報告」と二冊配付してございますが、消費者物価指数のつくり方の概要を簡単に申し上げます。一番うしろ裏表紙のところに実は要点が書いてございますので、ちょっとごらんいただきたいと思います。  この問題につきましては、議員の皆さま方におかれましてもすでに御承知の向きも多いかと思いますが、消費者物価指数昭和二十一年から始めまして、逐次今日まで合理化してきたわけでございます。現在の物価指数基準時は、昭和三十五年一カ年をとりまして、これを基準として実施しておるわけでございます。この指数を出すための基礎になる価格につきましては、これも統計局で実施しております小売り物価統計調査による小売り価格昭和三十五年現在で家計調査を施行している二十八部市——現在百七十の市町村で実施しておりますが、それを基礎にしているわけでございます。  なお、この消費者物価指数を計算します場合に、実際の価格調査する日は大体月の半ばでありますが、それを、毎月十二日を含む週の水曜日、木曜日、金曜日の中の一日を調査日にする。ただ、魚とか野菜というものにつきましては、この三日間のうちの中値を調査する、その他のものについては、十二日を含む週の水、木、金のうちの一日を調査するという調査のしかたであります。  その次のウエートというのがございますが、これは、品物によりまして各家庭で買う金額が非常に多いものと少ないものとありますので、これを家計調査の結果全体の消費金額を出しまして、そうして各品目ごとに一万分の一以上のウエートのあるものについて、全部ウエートをきめて使っておるというわけであります。そこで、この指数を出す品目は、ウエートが、つまり一万分の一以上のものでありますから、三百三十二品目指数計算品目として使っております。  そうして算式は、ここに書いてありますようにラスパイレス式と申しますのは、価格ウエートを全部かけたものを全部足してそれを割る。つまり、単純に価格だけを足して品目で割るのではなくて、価格ウエートをかけ合わしたものを全部足して、そして全体の量で割るというとり方であります。都市別指数、全都市指数、それを数式で書けばそういう形であります。  こういう形で消費者物価指数をつくっておるわけでございまして、この消費者物価指数の公表は、大体翌月の月末の金曜日ごろに発表しております。お手元に配付してございます表は、四十年の十二月の分と、それから四十年の一年間の分を、ち、一うど十二月でありますのであわせて御報告してあるわけでございます。  この内容等につきましては、すでに御承知のことと思いますが、二ページのところに、十二月の全都市消費者物価指数概況が書いてございます。それから三ページ以下に、昭和四十年の平均の全都市消費者物価指数概況を書いてあるわけであります。表は、六ページの表が非常に重要な表かと思いますが、六ページの表に、三十年から四十年までの指数、それから対前年比、月別指数、それから七ページには、四十年の平均の今度は食料とか住居、光熱、被服、雑費等約三十五の費目についての指数、それと三十八年と三十九年の比較、三十九年と四十年の比較、この物価が、つまり指数が上がったのについて、どれが上がったために多く影響を受けたかというのが、いわゆる寄与率というものでありまして、そういう寄与率として出ておるわけであります。つまり、三十五年−四十年の物価指数が上がった中で、食料が上がったためにその分だけ上がったという、そういうのが寄与率の五三・七、そういう意味であります。この表の六ページ、七ページ、この辺のところをぜひごらんいただきたいと思うわけでございます。  それから昭和四十年十一月分の家計調査報告書がお手元に配付してございますが、これも一番うしろの五十二ページのところに家計調査概要が書いてございます。  この家計調査も、やはり昭和二十一年の七月に始められました消費者価格調査から発展してきたものでございます。現在は、上から九行目に書いてございますが、調査対象を百七十市町村、約八千世帯について毎月詳しい調査をいたして集計をしておるわけでございます。この八千世帯をどういうふうに選ぶかというふうなこともここにございますが、大体県庁所在地の市を全部入れまして、そのほかに全国消費代表になるものを選んでいくという形で、まず市町村選びまして、その市町村の中から今度は調査区を選ぶ。その調査区も、全国消費家庭実態をあらわすのに比較代表と思われるようなものを選び、そのあとで、今度はその中から調査世帯を選んでいくという三段の抽出方法によりまして、できるだけ片寄らない、全国的な標準なり、代表的な数字が出るようにという面から、一番合理的と思われる選び方をしているわけでございます。  ただ、この家計調査は、その調査に当たりました世帯で、笹月毎月一カ月分の家計簿をつけるわけでございます。毎日毎日詳しい家計簿をつけていくものですから、農家、漁家というふうなところでは、比較的正確に消費実態があらわれにくい。そこで非農家農家でない世帯をこの家計調査では対象として選んでおります。それから収入の面につきましても、勤労者世帯に限っていく、そういうことによって収入というものが比較的正確にあらわれる世帯というものを限定していきたい。  なお、5のところに、世帯名簿をつくって、世帯調査対象にする場合の不適格世帯というのを(1)から(9)まで書いてございますが、買うものが、日分でつくって自分で食っているということになると、家計簿になかなかあらわれにくいというふうなことを考えまして、耕地一反歩以上を耕作して農業を営む世帯、それから単身者世帯単身者は普通の家計簿なんかつけませんから、そういう単身者世帯、それからここに書いてありますように、まかないつきの同居人がいる世帯、そういうふうな調査の落ちがあったり漏れがあったり、もしくは調査が正確に行ないにくいようなものを除きまして、比較的標準の調査が確実にできる世帯というものの中から抽出していく、こういう意味でございます。この調査世帯につきましては、原則として六カ月間調査を継続する。そのうち毎月六分の一ずつ二カ月で新しい調査対象と交代していくという形をとっております。  家計調査の進め方の概況は、以上のようなことでございます。  この調査は、いま申し上げましたように、全国で八千世帯から毎月毎月の家計簿をつくっていただきまして、それを集めて集計をいたしますために、支出収入等こまかく家計簿内訳等を符号につけかえましたり、もしくは数量の換算をいたしましたりする人手間が非常にかかります。今日、電子計算機その他で、最後の段階になりますと早いのでございますが、家庭の主婦がつけました八千冊以上の家計簿を一々内容を審査するとか、あるいは電子計算機に乗りやすいように、普通の名称を数字に書きかえていくとか、そういうような作業で、家計調査並びに消費者物価指数調査で、現在、毎日働いております所用人員というのは、大体三百四、五十人くらいの数でこの作業を実施しておるわけでございます。  後ほど御質問ございましたら、また申し上げます。
  4. 小笠公韶

  5. 明石頌

    明石説明員 ただいま局長のほうから、ごく概略の御説明がございましたが、一応復習になりますが、かいつまんで申し上げます。  消費者物価指数のほうで、つまり物価指数を毎月つくっていきますのに、個々のいろいろな商品とかあるいはサービスの値段がどういうふうに動いたか、そういった物価調査をする必要がありますので、そういった調査につきましては、小売り物価統計調査という大がかりな調査でやっておるわけでございます。  それからもう一つ個々商品上がり下がり、これを物価指数の中に全部まとめて総合するわけでございますが、その場合に、それぞれ家計にどれくらいの影響を及ぼすか、そういった面でウエートをつけますので、そのウエートを、ただいま御説明になりました家計調査のほうから求めていく、そういったことになりまして、消費者物価指数をつくりますために小売り物価統計調査、そちらのほうから価格を得まして、それから実際のウエートのほうは家計調査のほうからいただく、そういうような二つの調査から出ている、そういう仕組みになるかと思います。  それから消費者物価指数は、大体その名前であらわしておると思うのですが、一応消費者家計に及ぼします物価影響、そういったものを測定していこう、そういったねらいでございますので、たとえば、よく似たような指数といたしまして、日本銀行小売り物価指数というのがございますが、そちらのほうとやや性格を異にしております。したがいまして、毎月の上がり下がりも、消費者物価指数とそれから日本銀行小売り物価指数と若干違うのでございますが、その大きな違いは、やはり消費者物価指数のほうは消費者家計のほうを相手にする、日本銀行小売り物価指数のほうは、消費者以外に、たとえば会社とか、工場とか、あるいは官庁とか、学校とか、そういったところで買う品物相手にしておる。そういったことで品物が若干違うといった面がございます。  そのほかに、いわゆるウエートをつけるわけでございますが、その場合のウエートに、消費者物価指数のほうでは、実際に家計支出しました家計費の中から幾ら幾ら払った、そういった実際の家計費ウエートを使っているわけでございますが、日本銀行小売り物価指数のほうでは、小売り店舗が実際に販売した販売額、そういったものを使っておりまして、ウエートの面でも違うわけでございます。  それから、そのほかに、一番大きな違いでございますが、消費者物価指数のほうは、家計に及ぼします全体の物価、そういった意味合いで、理髪料とか、あるいはパーマ代とか、あるいは入浴料とか、あるいは公共料金とか、そういいましたいろんなサービス料金を含んでおりますが、日本銀行小売り物価指数のほうではサービス料金を含んでいない。そういったような違いがございまして、消費者物価指数のほうでは、家計影響を及ぼします物価全体の上がり下がりをとらえよう、そういう仕組みでやっておるわけでございます。
  6. 小笠公韶

    小笠委員長 以上で政府当局説明は終わりました。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。村山君。
  7. 村山喜一

    村山(喜)委員 この統計数字とり方の問題につきましては、今日において、国民消費実態統計の上にあらわれてまいります指数との上において、正確に消費実態統計指数の上に反映をされている仕組みになっているかどうかということで問題が提起されておることは、御承知のとおりでございます。その問題点というのは、私は、大まかにあげてみるならば四つの問題点があるのではなかろうかと思うのであります。  第一の問題点は、その小売り価格の中で占めます品物品質銘柄変動というようなものが、正しく指数の上にあらわれてくるかどうかという統計上の問題点一つあろうかと思うのであります。というのは、同じ銘柄でも、純粋な物価変動をつかむことは非常に困難性が伴うという、これは統計上の不可避的な問題であろうと思うのでありますが、そういう質、内容の面からくる問題が、第一の問題点であろうと思うのであります。  第二の問題は、これは私、きょうはそれを中心にお尋ねをいたしてまいりたいと思うのでありますが、ウエートとり方の問題であります。これは、ウエート総合指数にして一万点にいたしますと、食料が四千五百二十二点ということになっておる、そこで、この食料ウエートが、いわゆる最近の生活水準上昇と申しますか、エンゲル係数低下という点から見てまいりまするならば、その点においてそれを正確に反映していないのじゃないかという意見が出ているわけでございます。したがいまして、食料費値上がり分物価上昇に及ぼす寄与率というものがきわめて大きいという今日の段階におきまして、この点から指数をいらってまいりまするならば、物価上昇指数というものは、そのエンゲル係数低下にかんがみまして、若干この面においては低下するのではないか、こういうことが指摘をされるわけでございます。したがいまして、いわゆる国民生活の実際の上から見てまいりました場合、エンゲル係数を、これは三十九年度で平均いたしますると、三五・八ということになるようであります。四十年度上期においては、物価上昇等によりましてエンゲル係数上昇いたしまして、三六・二ということに相なっておるわけでございます。そういうような面から見てまいりました場合に、現在のウエートとり方がこれで正しいのかという一つ問題点がございます。  それと同じく、私たちが一番生活実態とかけ離れておるというのは、住居費とり方の問題でございます。これは九百二十八しかとっていないわけでございまして、私がここでお尋ねいたしたいのは、一体持ち家比率というものはどういうふうにあなた方は押えておられるかという点であります。というのは、いわゆる家賃、地代のウエートが二百四十二に対しまして住宅修理というものが百六十六であります。こういうようなウエートとり方からまいりますると、持ち家を持っておる人の比率が、調査対象人員の中の七割を占めているのではなかろうかと思うのです。だとするならば、最近のいわゆる借家、間借りの上昇率というものが正確に反映をしないということになってまいる。したがいまして、あなた方が対象として調査をされているその階層というものが、はたして統計指数の上に正しく反映される仕組みになっているかどうかということについて、非常に大きな問題がございます。  それと、最近におきましては、いわゆる雑費上昇率というものが、いま統計資料をいただきましたが、その中においても、非常に大きく上昇寄与率に占める割合が示されているのでございますが、その中におきまするいわゆる交通、通信というようなもののウエート、たとえば国鉄等につきましては、一万分の九十八であるということで、物価に及ぼす影響度合いは〇・三%だという説明が、政府当局から公式的になされるというのが今日の問題点でございます。こういうような点が、いわゆる公共料金値上げ問題等にからんで、はたして国民生活実感の中に訴えるような指数としてあらわれているかどうかということについての問題点指摘をされているわけでございます。したがいまして、このウエートとり方という問題については、生活実態とかけ離れているのではないかという点を私たちは感ずるのでございますが、これについて、あなた方はどういうふうに改正しようと——いま作業を進めておいでになるようでございますが、この消費者物価指数の改正の方向を、ここで説明を願がっておきたいのでございます。  それから第三点は、いわゆる対象品目の選定の問題でございます。これは、いわゆる二万七千店舗対象にして三百三十銘柄の二百五十品目についての小売り物価調査をやっておいでになるわけでございますが、その対象品目国民生活実情とマッチしているかどうかという点が、一つ問題点ではなかろうかと思うのであります。したがいまして、この対象品目選び方については、正しい数値があらわれてくるような仕組みになっているかどうかについて説明を願っておきたいのでございます。  それから、第四点の問題は、適格世帯と称して、いわゆる勤労者世帯一般世帯対象にしているわけでございますが、その中で、外食関係は除外されている。まあ人によりますと、この外食関係は現在の家計簿指数に引き直しまして、その状態を換算して、こういうような形で食料費の中にはね返ってくるということで見ている人もありますが、私の記憶しているところでは、外食関係は除外をして指数というものが出してあるのではないかと思うのであります。だとするならば、いわゆる独身者というような人たち外食関係生活をするということになり、あるいは単身者、そういうような人たち生活に及ぼしている影響度合いというものが統計数字の上には反映をしない仕組みになっているのではないか、こういうような点を今後どういうふうに改善をしようとお考えになっているのか、ということについてお伺いをしたいのでございます。  それから、もう一つ問題点は、これはいわゆる勤労者世帯の五分位階級ごとの実収入、可処分所得消費支出、それの黒字赤字統計数字を調べてまいりますと、三十九年度におきましては、第一分位階級に属する人たちの場合には、月平均四千三百六十九円の赤字を出している。しかも、このところは四三・九%というきわめて高いエンゲル係数を示している。それに対しまして五分位階級は、黒字が三万一千四百四十六円ということで、エンゲル係数も二九・一という数値を示しているのであります。これが四十年の上期になりますと、黒字幅が各階層とも大いに減少をいたしますし、特に第一分位階級のところにおきましては、六千五百四十四円というふうに赤字幅が増大をしておるのであります。そういうような形の中から、エンゲル係数も、先ほど申しましたように上昇をたどりつつあります。平均して三六・二%、それに五分位階級のところにおいてもエンゲル係数が高まっておるということで、物価上昇が全都市勤労者世帯の各階級にひとしく影響を与え、しかも収入の少ないところは、なお赤字幅が増大したという統計数字が出ておる。あなた方が調査対象としてお選びになっておる勤労者世帯対象ごとの、いわゆる五分位階級に属する対象物件が何件であるか、そうして四、三、二というふうにそれぞれに分類をしていく、それの調査対象とり方によりまして、この家計調査のあり方という点につきましても大きな変化があるのではなかろうかと私は思うのであります。そういうような点はどのようなふうにして、あなた方が世帯適格世帯として抽出されます際において、全国平均集計では約五千七百世帯集計しておいでになるのですが、それらの世帯選び方が問題になろうかと思いますので、どういうふうにそれらを指定してお選びになっておるか、適格世帯の中における選び方の具体的な問題点について説明を願っておきたいのであります。
  8. 明石頌

    明石説明員 ただいまの点につきましてお答えいたしたいと思います。  最初に、指数にいろいろと入れております調査品目の中で、いろいろ品質変化した場合、あるいは銘柄変化した場合、それをどのように指数に組み入れるか。たとえば、ポマードならポマードが同じ百円にいたしましても、品質がよくなったら、それだけ実質的には安くなっておるのですから、そういったことが指数の上で反映されるかどうか。そういったことにも関連するかと思うのですが、それにつきまして、最初銘柄のほうでございますが、たとえば、最近新しい商品がたくさん出回りまして、あるいはテレビにいたしましても、過去の十四型が十九型になる、そういったことで、銘柄がたいへん変わってきておるわけでございますが、それにつきましては、私どものほうで随時銘柄の出回り調査というものを行ないまして、できるだけ新しい、現在出回っておる銘柄に合わせてとるということをいろいろいたしておるわけであります。  それから銘柄をきめます場合に、非常に極端にいいもの、極端に悪いもの、そういって非常に恣意的にとりますと、正しい指数があらわれませんので、一応家計調査記入状況あるいはいろいろ銘柄の出回りの状況、そういったもので研究しまして、各都市におきまして、その都市消費者が最も一般的にとっておる、そういったような銘柄を把握しよう、そういうようにしておるわけでございます。  それから、最初にちょっと触れました品質変化でございますが、これに対しましては、非常に指数の取り扱い上むずかしい問題でございまして、実は私どものほうでもちょっとうまい名案がございません。たとえば、国によりましては、アメリカのような国ですと、自動車がしょっちゅうモデルチェンジをするわけでございますが、その場合に、それを何か等質化して価格変化をあらわすとか、あるいはスエーデンでは、牛乳がしょっちゅう脂肪分が変わるわけでございますが、そういった脂肪分に換算して指数に組み入れるとか、いろいろなことを研究しておるわけでございますが、全部の商品につきまして、どういうふうにして品質を等質化して組み入れたらいいか、そういった点に実行上の非常に難問がございまして、現状では、品質変化に対しましては別に考慮しておらないような実情になっております。  以上が第一点でございましたが、次に、第二点といたしまして、ウエートとり方でございます。先ほど御指摘のありましたように、三十五年のウエートでは、食料費が、全国平均で一万分にいたしまして四千五百二十二でございます。それが最近非常に——もちろん消費構造が変わっておりまして、エンゲル係数が若干低下しております。相対的に、雑費もその分だけふえておるわけでございますが、そういったように、現行の指数は三十五年のウエートに基づきまして計算しておるわけでございます。したがいまして、現状から見ますと、いろいろ消費構造が変わっておりまして、ウエートがだいぶ変化しておって、現状を正しく反映していない、そういうようなことも考えられるわけでございます。ただ、この場合に指数を作成する理論のほうからの問題点があって、ウエートをしょっちゅう現状に合わして変えていきますと、指数連続性といいますか、そういった面で非常にむずかしくなる。そこで、一応ラスパイレス式といいますか、そういったような考え方をとりまして、一たん基準時のウエートをきめましたら、それに基づいて、それを固定して、それに基づいた指数変化を見たい、そういったようなやり方で行なっておるわけでございます。ただ、問題点は、いつまでも固定しておりますと、もちろんだんだん古くなるわけでありますので、いままでのCPIのやり方では、大体五年ごとにウエートを改定しておるわけでございます。一応昭和四十年がちょうど五年目で改定の時期になりますので、そういった問題について改定の検討を進めておるわけでありますが、ただ、CPIだけを改定するわけにもまいりませんので、日本の各省あるいは各種の経済指標全体の基準の統一という問題がありますので、統計審議会のほうでどの年を基準時にするかという、そういったことをきめていただくことになっておるわけでございます。  それから、第三点といたしまして、品目とかあるいはその調査銘柄でございますが、それが実際に実情反映しておるかどうか、そういうような御指摘でございましたが、一応品目とり方といたしましては、先ほど一万分の一以上、そういったような説明を申し上げましたが、家計調査実態調査結果からとっておるのでありまして、たとえば、三十五年に全国でもって家計調査をやっておりますが、その結果、一年間でもって家計消費支出がかりに五万円なら五万円、そういうようなことが統計調査で出てくるわけであります。その五万円の中でどういうような品目家計で買っておるか、それをこまごまと並べまして、そして一万分の一以上、つまり家計上重要なウエートを持ちますものは全部網羅する、そういったことで家計調査実態から重要なものを、現在では三百三十ばかり選んでおるわけでございます。  第四点といたしまして、現在の指数で外食費を除外しておるわけでございますが、外食は最近非常に上がっておるわけでありまして、そういった点から、現在の指数の組み立て方では現状を正しく反映していないんじゃないか、そういうような御指摘でございますが、これは現在の消費者物価指数の、率直に申し上げまして一つの欠点でございまして、三十五年当時、外食のウエートがあまりなかった、そういった事情もありましたし、それから外食を実際に調査するということが調査上非常にむずかしい、そういった事情もございまして、現在の指数では入っておらないわけでございます。ただ、ウエートのほうには、一応外食に相当しますウエートが、食料費のいろいろな魚とか野菜とか、あるいは調味料とか、そういった各分類がございますが、そちらのほうに分配してございますが、価格の面からは外食がどれだけ上がったか、それが直接に入っておらない、そういった欠陥がございます。したがいまして、この次に改定いたします指数といたしましては、外食費を入れまして直接に実情反映したい、そういうように計画しておる次第でございます。  それから第五番目といたしまして、五分位に関係しまして、対象をどういうふうにとっておるか、実際の家計調査調査世帯とり方、それに片寄りがあるかないか、そういった点に関連するかと存じますが、これは、いわゆる戦後の統計調査全般に関連することでございますが、一応標本調査法という理論に基づきましてランダムにとる、そういうような思想でございます。ただ実際にランダムに当てまして調査員の方が記入を願いに行くわけでございますが、どうしてもやむを得ない事情、たとえば急に転居するとか、あるいはお産で入院されるとか、そういったやむを得ない事情が必ず起こるわけでございます。そういった場合に、そこで記入をお願いするわけにいきませんので、またかわりの世帯を選ぶわけでございますが、その場合に、ただ調査員の方がやりやすい家を選ぶ、そういったことではなくて、その場合も必ず乱数表を使いまして、またランダムに抜きかえましてそれで選ぶ、そういったようなことをしておりますので、そういった面からの片寄りはないと申し上げられると思います。  それから住居費関係で、持ち家を含めまして、ウエートが非常に実感よりか過小に出ておるじゃないか、そういった御指摘でございますが、これは、実を言いますとそのとおりでございまして、この家計調査あるいは指数全般に関しますことでありますが、一応この調査対象の何千万という調査世帯消費者世帯がございますが、それ全体を相手にする、そういったことを第一に取り上げておりますので、そういった意味で全体を含めまして出しておるわけでございます。ただ持ち家、あるいは借家とか、そういった面で、それぞれ実情が異なりますので、そういった重要な項目につきましては、たとえば家計調査のほうで、住居の所有関係別とか、そういった別の統計表がございまして、そちらのほうで結果をまとめておる、そういうふうにくふうしておる次第でございます。  以上、あるいはお答えが不十分かと思いますが……。
  9. 村山喜一

    村山(喜)委員 物価上昇の足どりをずっと年度別に追ってまいりますると、三十六年度から四十年度までに平均一・一%上がっております。そうして四十一年度は五・五%の見込みだ、こういうことでありますが、それを三十一年から三十五年の間に統計数字を追うてまいりますると、これはその五年間に二・四%しか上がっていない。ところが、三十六年から三十九年までの間に二七・八%上がっているわけです。ということは、その物価上昇が急激に消費者物価指数の上にあらわれてまいりましたのは、池田内閣の経済の高度成長政策がとられてきてから以来のことであるというのがはっきりしてきている。その間において、なるほどエンゲル係数低下していくという形があらわれてまいっておる。そういう形の中から見てまいりまするならば、三十五年の基準時というものは、今日の段階においては非常にかけ離れた実態に相なっているということが、統計の上からもはっきり指摘をされるわけでございます。先ほど私、そういうような立場で基準年次のとり方、これは統計が継続性を持たなければならないことは言うまでもございませんが、四十年という年が大体統計数値を変える、その該当年次に当たるようでありますので、そこからやっていただくといたしまして、新しいウエート等をつくりました場合においては、そこで物価指数上昇をしないような形に遮断をするのではないかという印象を与えるわけです。そういうようなことではなくて、やはりあなた方が今後統計上の数字をお出しになる場合には、旧指数に基づく場合にはこういうふうになるのだというものを、これをやはり対外的に明らかにしていただくことが、正しい統計行政のあり方だと私は思うのでありますが、そういうような考慮というものを統計局長はお考えになっているかどうか、この点については重要でありますので、局長のほうから御答弁を願っておきたいのであります。  それから、先ほど標本調査によって調査をして、しかし、いろいろ統計上のとり方で、統計調査員がやむを得ない理由で代替の世帯を選ぶというようなこともあり得るんだという説明でございますが、私が聞いているのはそうじゃなくて、いわゆる五分位階級に属する人たちが、一体対象人員の中で幾ら占めているか、あるいは三分位階級人たちがどういうウェートを占めているのかという、いわゆる統計対象世帯収入別の数値というものを明らかにしてもらわなければ、これは五分位階級あるいは四分位階級という上のほうを中心にとったのでは、統計実態に即した正しい数値というものは生まれてこない。そういうような点から私はお尋ねをしているのであって、それがどういうような階層にまたがっているのかという点について説明を願わないと、ただここに平均値されました数値では、これははたして統計上の問題点になるかならないかはわからないわけですから、その点は重ねて説明を願っておきたい点でございます。  それから、先ほど三十五年というのを基準時にとって指数の連絡性を強調して、ラスパイレス式によって補正するんだという話でありますが、これにいたしましても、月の価格を三十五年の基準価格で割りまして、ウエートをかけて出てきたものを加重平均をして算出をするということでありますから、そのもとになるものが正しく反映されなければ、これは若干の補正にはなるけれども実態とはかけ離れた数値になるんじゃないか、そういうふうに私たちは受け取っているわけでございます。その説明の不十分でありました点について、この際明らかにしておいていただきたいのであります。  それと、最後に、局長のほうからお答えを願っておきたい点でありますが、これがCPIだけの改定ではなくて、やはりその他の経済指標の指数変化ももたらすので、統計審議会の意見を聞いて対処したいということでございますが、これらの問題点につきましては、どういうふうに、いつごろになるのか、いろいろ物価の問題をめぐりまして論議をされておりまするので、いまあなた方が作業をやっておいでになるそれらの見通しについて、いつごろ新しい指数というものが出されてくるのかということも、この際説明を願っておきたいのであります。
  10. 野田章

    野田政府委員 指数基準時の改定につきましてお尋ねがございましたが、この改定は、あくまでも指数理論上定められた方式で、いわば世界各国共通な、最も合理的と思われる作成方法によって、客観的に作成するわけでありまして、その指数は、あくまでも実情をよりよく反映するための、現在可能な、一番合理的、客観的なものをつくるという以外には全然考慮をしてはおらないわけでございます。したがいまして、物価上昇について、それをある程度作為的に低く印象づけるようなものにするとか、そういうような目的意識というものは全然ないわけでありますから、その点は御了承を願いたいと思います。要するに、純粋に統計という立場から、正しい結果をできるだけ早くつくっていくということが問題であろうと思います。私ども統計の仕事をしておりまして、先ほど来御意見がありましたとおり、統計というものを、現在の調査員なり、統計局をはじめ全国統計係官が努力してつくっていくわけでありますけれども、何ぶんにもその力にも限度がありますので、理想的ないい統計というものから見れば、なお今日幾多の問題を持っていると思いますけれども、われわれの力の及ぶ限りできるだけ客観的な、そしてできるだけ正確な、迅速な、また経済的な、そういう目的に沿うように、仕事を、各関係者の努力と協力によりましてやっていきたいと思うのであります。  また、この機会に一言申し上げますと、今日統計で、統計の理論あるいは統計のサンプリングサーべー、標本調査の計画、そういうような面、あるいは電子計算機その他の機械技術の面、こういうものは非常に発達してまいりまして、いわゆる統計技術面からいえば、標本誤差というものが非常に少ない、いいものをつくるということを考えているわけでありますけれども、問題は、実態調査段階におきまして家計簿をつける、あるいはいろいろ国勢調査等につきましてもそうでありますが、世帯主なり調査対象の方が調査票に記入していただくという段階、つまり調査票なり家計簿というものが、いかにありのまま真実を正確にあらわしているかという点につきましては、全対象者、全国民の積極的な協力というものを得なければできない問題であると思うのであります。そういう意味で、いい統計をつくるというための一つの基本的な条件というものは、あくまでも合理的な設計と同時に、全国民の統計調査に対する理解と、統計の重要性にかんがみて、誠実にありのままにこれを申告するという状態を、逐次高めていかなければならないという問題があろうと思うのであります。そういう面で、ある意味実情統計との間に隔たりがあるということは、これは現在でも避けられない問題であろうと思いますけれども、これをわが国の市民意識なり文化生活の向上と相まって、逐次全般的に水準をあげていくように努力していきたい。われわれもまた統計関係者といたしまして、全国民との間によき協力関係をつくるように、統計に対する信頼感というものを高めることができますように、最善の努力をしてまいりたいと思うのであります。  そういう意味におきまして、私どもは、統計というものは、決して行政を実施している実施官庁の御都合に適するものを出そうなどとは考えていないのでありまして、全国民の統計に対する信頼、あらゆる関係者の誠実な協力、そういうものに支障があるようなことは一切いたしたくないというふうに考えているわけでございまして、あくまでも統計を純粋な立場で、そしてできるだけ実情が正しく反映される可能な方法を、最善の努力を尽くして実施するという基本的な考え方、そういう決意を申し上げまして、御質問にお答えしたいと思います。  なお、基準時改定の作業がどういうふうに進んで、いつごろになるかという御質問でございますが、この問題につきましては、先ほど明石課長からも御説明いたしたとおり、通産省関係あるいは日銀関係等で同じような重要な統計を持っておりますので、その改定作業とも歩調をそろえるようにして、同時に実施するように準備を進めていきたいというふうに考えております。時期は、現在のところ必ずしも明確に申し上げられませんけれども、ウェートを計算するということになりますと、昨年中の消費実績その他を全部集めて、それを一々計算していくわけでありますから、作業を始めましても、最低数カ月はその作業にかかると思います。したがいまして、本年の秋ごろまでには作業をなるべく終わって、新しい基準による指数の作成と、従来の指数をそれにリンクしていくという作業を始めて、本年中くらいには実施する運びにしないといけないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。そういう方向で鋭意今後努力を続けてまいりたいと思っております。
  11. 明石頌

    明石説明員 五分位階級の中身、あるいはどういうふうな対象世帯が入っておるか、そういうようなことでございますが、どのように五分位階級世帯が散らばっておるか、これにつきましては、あるいは御承知のことで、蛇足かと思いますが、一応家計調査で八千世帯調査しております。その中で、五分位階級に関係いたしますのは、勤労者世帯、つまり収入調査している勤労者世帯だけでございますが、約五千数百あるわけでございます。その五千数百の世帯を、収入の低いほうから高いほうに全部順番に並べまして、それを単純に五等分したということだけでございます。したがいまして、かりに六千世帯あるといたしましたら、千二百世帯ずつ単純に五等分しまして、下のグループから一、二、三、四、五と、そういうようにつけているわけでございます。したがいまして、各五分位に入ります世帯の数は全く同じでございます。  それから、しからばその各五分位にどういうような世帯が入っておるか、そういうような御質問でございますが、それを直接に五分位階層別に、たとえば職業とかあるいはつとめ先の企業規模とか、そういうふうにクロスといいますか、二重集計いたしまして統計表を出しますとすぐわかるのでございますが、現在のところではいろいろ標本数が少なくなる、あるいは結果の精度がそれだけ荒くなる、そういうような事情もございまして、そこまで詳しい集計は行なっておりません。ただ、大体の感じでは、たとえば第一分位あるいは各分位ごとの収入とか支出平均値が出ておりますが、それと、また別のほうの統計表でもって職業別に詳しく出ました統計表がございますが、そこで収入の額なら額でもって見合うものを比べますと、どのような職業階層が入っておるか大体の類推がつくわけでございますが、正確には、集計を現在のところはやっておりませんので、ちょっとわからないような事情があります。
  12. 村山喜一

    村山(喜)委員 私がそれにどうもおかしいな、統計指数にはごまかしがないはずでありますが、その調査対象とり方によりまして、どうも数字が合わないなというふうに考えましたのは、これは経済企画庁からの統計数字として私もらったのですが、三十九年度の全都市勤労者の一世帯の一カ月の平均収入が六万四千五百三十三円、それを、おたくからいまいただきました家計調査報告の中の六ページですか、そこで見ますると、都市階級・地方別一世帯当たり一カ月間の収入支出勤労者世帯の分として、収入総額が八万三千七百九円というようになっておるわけです。こういうような実態の上から見た場合の消費支出の割合というものが基本になってまいりますので、それらの関連性からいまの問題点をただしたのでございますが、それについては単純に平均支出を求めて五等分していったのだということがわかりましたので、このあたりできょうは質問はやめておきたいと思います。
  13. 小笠公韶

    小笠委員長 山本勝市君。
  14. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 もうお伺いしたいと思いましたことの大部分が前の委員から質問をされたので、ちょっと五、六分、資料をいただきたいという注文を出しておきたいと思います。  この家計調査報告というのを、前回私が実はお願いして出していただいたわけですが、とにかく消費者物価指数というものが今日閣議で決定されて、そうして経済見通しの中で国会にまで提出されて盛んに議論されておる。しかも四・五とか五・五とか、こまかい数字で議論されておる過程を見ますと、どうも、あたかもこの物価指数というものは精密な、正確なものであって、これが事実貨幣価値の変動とか、あるいは国民生活に対する影響反映しておるような、ややもすれば錯覚を持たれると思うのです。それで、先ほど来御質問がありましたように、また御答弁がありましたように、これはそれほどそういったものをそのまま反映しておるようなものではないということであります。これで見ましても、エンゲル係数が変わってきておる。したがって、四十年度には食料がこれだけ上がったからこれだけ上がったというふうな、消費者物価指数説明にこまかい分析をしておりますけれども、しかし、それほどこまかい分析をするのならば、食料費に対するエンゲル係数が、これで見ましても非常な下がり方で、四千五百二十二というのが三千八百六十幾つに下がっている。非常な下がり方ですから、四十年度にこれだけ上がったといって前のと比較されるなら、少なくとも閣議で決定して国会に出されるときに、ごく概算でもいいから、実際は現在の家計調査におけるウエートをとればこの指数はこれくらいに変わってくるのだというくらいのことを、あなた方のほうからも同時に説明を出されて、それで大臣が頭にのみ込んで国会で説明すれば、ああいうふうなこまかい議論でむだな議論は起こらないのじゃないかと思うのです。それは全部こまかく統計で印刷するというのはむずかしいでしょう。しかし住居費なんかでも、御承知のとおり、シュワーペの法則というものがあって、これも食料費と同じように、所得が上がればウエートが減ってくるといわれまして、これで見ましてもずっと減ってきております。だから、こういったごく国民生活に大きな影響を持つもの、したがって、それが上がったからこれだけ上がったのだというふうに指数であらわしておるようなものについては、実際は三十五年の家計調査におけるウエートをとったからこうなっておるけれども、現在のウエートをとればこういうふうにこの点は下がるのだ、そのかわりほかの面で、たとえばスキーに行く費用とか旅行費というようなものはふえております。といったようなことを実際に説明されれば、私は誤解されるおそれがないんじゃないかと思うのが第一点です。それで、もしできることなら、あるいはつくっておられることでしたら、この次に、現在のウェートでとればどれくらい、まあごく概算でいいですが、消費者物価指数というものは四十年度においてはこれくらいになるんだということを示してほしいということが一つです。  それから、先ほど局長はちょっと誤解しておられるのじゃないかと思いましたが、ラスパイレス方式をとっておるんだ、それは価格だけでなしに、価格に対してウエートをかけて出しておる、それがラスパイレス方式だというふうに説明されましたけれども、そうではなくて、ラスパイレス方式というのは、三十五年の基準を動かさないできておるのがラスパイレス方式なんです。それはウエートをかけるというだけなら、パーシェ方式で現在を基準に置きましても、これはウエートをかけてやるんですから、これはちょっと誤解されて、ことばがちょっと間違っておったんじゃないかと思います。しかし、その継続性がなくなるということを先ほど言いましたけれども、もし現在にウエートを変えたら継続性がなくなってしまうのなら、それはもう四十年でウエートを変えた場合は、それ以前のものとは全く継続性が切れてしまうということになりますが、私はそんなことはないと思う。それはパーシェ方式で現在を基準に置きましても、やはり過去との継続性をとることはできる。これは結果は違ってきます。その方式そのものを変えますと。ラスパイレス方式でやっておったものを今度はパーシェ式に変えるというようなことをやりますと、それは継続性はなくなるでしょうけれども、しかし、そのウェートを変えただけですぐ継続性がなくなってしまうというものなら、これは来年からとこれまでとは全く比較できないようになりますけれども、私は、それは多少の差は生じましょうけれども、それはそれで継続性をつくることができるんじゃないか。これはまあ私の考えですが。  資料としていただきたいのは、価格が上がっておる品物の中で、一般にどのものも共通に上がった部分がどれくらいかということと、それから、そのものがほかの商品に対して相対的に上がった、下がった、変動したという部分とを大体分けて考えておられるかどうか。たとえば、化粧品なんというようなものは、ずっと戦前から比べると二百倍くらいに上がっておる。しかし、一般にどれもこれも千倍以上上がっておるという場合に——通貨価値が戦前に比べて千分の一に下がっておると大体言えると思います。その場合に、二百倍より上がっていないという品物はむしろ下がったんだ。相対的価格は下がったんだ。逆にまた、一般の物価水準というか貨幣価値が千倍になったときに二千倍になっておれば、これはもう一般よりも相対的価格が上がっておるというわけですから、それを分けられると、かなり下がった品物もあり、上がった品物もあるという、どの品物が上がってどの品物が下がったかということがもっとこまかくわかってくるんじゃないか。つまり百円上がった部分で、どれだけは共通に通貨価値の下落から上がっているんだ、このものの特有の値上がりじゃなくて、これだけはこのものが上がったんだというふうに分けて——どの品物もそういうふうにはいかぬでしょうけれども国民生活に関係の深いもので分けて考える必要があると思うが、そういった点も、消費者物価指数という家計への影響ということから、つくられる場合に考慮しておられるものかどうか。もしそういうものがあったら、この次に、二、三の例でもけっこうですけれども、出していただきたい。それだけです。
  15. 明石頌

    明石説明員 一般の上昇のほかに、相対的に上がったものあるいは下がったもの、つまり品目別にどれだけ指数が上がったかあるいは下がったか、そういったことが詳しく出ているかどうかということにあるいはなるかと存じますが、実は指数計算の過程におきまして、それぞれ三百三十くらいの重要な品目につきまして、最初に三十五年、それから現在のそれぞれ個別の価格指数をつくりまして、それにウエートをつけまして固める、そういうようなつくり方をしておりますので、作業の過程上品目別の指数が出ておるわけです。これを毎月発表いたしますのは、いろいろスペースとかあるいは時期的の関係でやっておりませんが、家計調査の年報のほうで、年平均につきましてこまごまと、三百幾つの全体の品目につきまして、現在、三十五年に比較いたしまして各品目別に指数が幾らかという統計表を出しておりますが、それを御利用いただければよろしいんじゃないかと思います。
  16. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 現在のウエートでやった消費者物価指数は、大体どのくらいになるかということは、概算何かありませんか。
  17. 明石頌

    明石説明員 実は、パーシェ方式でチェックするというようなことになるかと思いますが、いろいろ計算を全体についてやったり、あるいはその年のウエートを、たとえば四十年のウエートをこれから算出するとか、いろいろ技術的な問題がございまして、まだなかなか毎年できないような事情になっております。昭和三十七年ころにつきまして、やはり統計審議会のほうで指数の検討をすることがあったわけでございますが、そのころにやった結果では、大体二%前後という数字が出ております。最近につきましては、まだ計算ができておらない次第でございます。
  18. 小笠公韶

    小笠委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後零時二十九分散会