○
明石説明員 ただいまの点につきましてお答えいたしたいと思います。
最初に、
指数にいろいろと入れております
調査品目の中で、いろいろ
品質が
変化した場合、あるいは
銘柄の
変化した場合、それをどのように
指数に組み入れるか。たとえば、
ポマードなら
ポマードが同じ百円にいたしましても、
品質がよくなったら、それだけ実質的には安くなっておるのですから、そういったことが
指数の上で
反映されるかどうか。そういったことにも関連するかと思うのですが、それにつきまして、
最初は
銘柄のほうでございますが、たとえば、最近新しい
商品がたくさん出回りまして、あるいはテレビにいたしましても、過去の十四型が十九型になる、そういったことで、
銘柄がたいへん変わってきておるわけでございますが、それにつきましては、私
どものほうで
随時銘柄の出回り
調査というものを行ないまして、できるだけ新しい、現在出回っておる
銘柄に合わせてとるということをいろいろいたしておるわけであります。
それから
銘柄をきめます場合に、非常に極端にいいもの、極端に悪いもの、そういって非常に恣意的にとりますと、正しい
指数があらわれませんので、一応
家計調査の
記入状況あるいはいろいろ
銘柄の出回りの
状況、そういったもので研究しまして、各
都市におきまして、その
都市の
消費者が最も一般的にとっておる、そういったような
銘柄を把握しよう、そういうようにしておるわけでございます。
それから、
最初にちょっと触れました
品質の
変化でございますが、これに対しましては、非常に
指数の取り扱い上むずかしい問題でございまして、実は私
どものほうでもちょっとうまい名案がございません。たとえば、国によりましては、アメリカのような国ですと、自動車がしょっちゅうモデルチェンジをするわけでございますが、その場合に、それを何か等質化して
価格変化をあらわすとか、あるいはスエーデンでは、牛乳がしょっちゅう
脂肪分が変わるわけでございますが、そういった
脂肪分に換算して
指数に組み入れるとか、いろいろなことを研究しておるわけでございますが、全部の
商品につきまして、どういうふうにして
品質を等質化して組み入れたらいいか、そういった点に実行上の非常に難問がございまして、
現状では、
品質の
変化に対しましては別に考慮しておらないような
実情になっております。
以上が第一点でございましたが、次に、第二点といたしまして、
ウエートの
とり方でございます。先ほど御
指摘のありましたように、三十五年の
ウエートでは、
食料費が、
全国平均で一万分にいたしまして四千五百二十二でございます。それが最近非常に
——もちろん
消費構造が変わっておりまして、
エンゲル係数が若干
低下しております。相対的に、
雑費もその分だけふえておるわけでございますが、そういったように、現行の
指数は三十五年の
ウエートに基づきまして計算しておるわけでございます。したがいまして、
現状から見ますと、いろいろ
消費構造が変わっておりまして、
ウエートがだいぶ
変化しておって、
現状を正しく
反映していない、そういうようなことも考えられるわけでございます。ただ、この場合に
指数を作成する理論のほうからの
問題点があって、
ウエートをしょっちゅう
現状に合わして変えていきますと、
指数の
連続性といいますか、そういった面で非常にむずかしくなる。そこで、一応
ラスパイレス式といいますか、そういったような考え方をとりまして、一
たん基準時の
ウエートをきめましたら、それに基づいて、それを固定して、それに基づいた
指数の
変化を見たい、そういったような
やり方で行なっておるわけでございます。ただ、
問題点は、いつまでも固定しておりますと、もちろんだんだん古くなるわけでありますので、いままでのCPIの
やり方では、大体五年ごとに
ウエートを改定しておるわけでございます。一応
昭和四十年がちょうど五年目で改定の時期になりますので、そういった問題について改定の検討を進めておるわけでありますが、ただ、CPIだけを改定するわけにもまいりませんので、日本の各省あるいは各種の経済指標全体の
基準の統一という問題がありますので、
統計審議会のほうでどの年を
基準時にするかという、そういったことをきめていただくことになっておるわけでございます。
それから、第三点といたしまして、
品目とかあるいはその
調査銘柄でございますが、それが実際に
実情を
反映しておるかどうか、そういうような御
指摘でございましたが、一応
品目の
とり方といたしましては、先ほど一万分の一以上、そういったような
説明を申し上げましたが、
家計調査の
実態の
調査結果からとっておるのでありまして、たとえば、三十五年に
全国でもって
家計調査をやっておりますが、その結果、一年間でもって
家計の
消費支出がかりに五万円なら五万円、そういうようなことが
統計調査で出てくるわけであります。その五万円の中でどういうような
品目を
家計で買っておるか、それをこまごまと並べまして、そして一万分の一以上、つまり
家計上重要な
ウエートを持ちますものは全部網羅する、そういったことで
家計調査の
実態から重要なものを、現在では三百三十ばかり選んでおるわけでございます。
第四点といたしまして、現在の
指数で外食費を除外しておるわけでございますが、外食は最近非常に上がっておるわけでありまして、そういった点から、現在の
指数の組み立て方では
現状を正しく
反映していないんじゃないか、そういうような御
指摘でございますが、これは現在の
消費者物価指数の、率直に申し上げまして
一つの欠点でございまして、三十五年当時、外食の
ウエートがあまりなかった、そういった事情もありましたし、それから外食を実際に
調査するということが
調査上非常にむずかしい、そういった事情もございまして、現在の
指数では入っておらないわけでございます。ただ、
ウエートのほうには、一応外食に相当します
ウエートが、
食料費のいろいろな魚とか野菜とか、あるいは調味料とか、そういった各分類がございますが、そちらのほうに分配してございますが、
価格の面からは外食がどれだけ上がったか、それが直接に入っておらない、そういった欠陥がございます。したがいまして、この次に改定いたします
指数といたしましては、外食費を入れまして直接に
実情を
反映したい、そういうように計画しておる次第でございます。
それから第五番目といたしまして、五分位に関係しまして、
対象をどういうふうにとっておるか、実際の
家計調査の
調査世帯の
とり方、それに片寄りがあるかないか、そういった点に関連するかと存じますが、これは、いわゆる戦後の
統計調査全般に関連することでございますが、一応標本
調査法という理論に基づきましてランダムにとる、そういうような思想でございます。ただ実際にランダムに当てまして
調査員の方が記入を願いに行くわけでございますが、どうしてもやむを得ない事情、たとえば急に転居するとか、あるいはお産で入院されるとか、そういったやむを得ない事情が必ず起こるわけでございます。そういった場合に、そこで記入をお願いするわけにいきませんので、またかわりの
世帯を選ぶわけでございますが、その場合に、ただ
調査員の方がやりやすい家を選ぶ、そういったことではなくて、その場合も必ず乱数表を使いまして、またランダムに抜きかえましてそれで選ぶ、そういったようなことをしておりますので、そういった面からの片寄りはないと申し上げられると思います。
それから
住居費関係で、
持ち家を含めまして、
ウエートが非常に実感よりか過小に出ておるじゃないか、そういった御
指摘でございますが、これは、実を言いますとそのとおりでございまして、この
家計調査あるいは
指数全般に関しますことでありますが、一応この
調査対象の何千万という
調査世帯、
消費者の
世帯がございますが、それ全体を
相手にする、そういったことを第一に取り上げておりますので、そういった
意味で全体を含めまして出しておるわけでございます。ただ
持ち家、あるいは借家とか、そういった面で、それぞれ
実情が異なりますので、そういった重要な項目につきましては、たとえば
家計調査のほうで、
住居の所有関係別とか、そういった別の
統計表がございまして、そちらのほうで結果をまとめておる、そういうふうにくふうしておる次第でございます。
以上、あるいはお答えが不十分かと思いますが……。