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松野国務大臣 御
承知のように、中共における核実験というのは、非常に大きな問題点として、私は戦術的にこれは大きな問題だと思います。したがって、その中共における核兵器の開発というものがある
程度進んでおる、こういうことは、やはりアジアにおける緊張を激化させる
一つの要因である。これは言えると思います。したがって、
アメリカが直ちにこれをどうするということは、これはこの報告書の中にも出ておりません。しかし、そういうもの、それから中共の出方、あるいは中共の国柄というものを、われわれはやはりよく的確に把握しなければならない。なお、もう
一つ、先般ソ連と中共の相互軍事同盟というものが相変わらず厳存しておるということを、両国間で
発表しております。中共とソ連が一時冷たいと言われながらも、やはり軍事
協定については、両方とも、三月に中共から軍事同盟についての
発言があって、ソ連から五月に軍事同盟は厳然としてあるという
発表があったということも、私は記憶しております。そういうことから
考えて、核爆発以来、非常に緊張感というものを、アジアにおいては私
たちは身近に
感じなければならないと思います。だからといって、直ちにどうだということではありません。やはりこういう問題は、その日その日、長期的な
見方をして対処していかなければならない、その
情勢の変化に応ずる
防衛というものをやっていかなければならないというのが、私の職務だと思って、そういうことについては、細大漏らさず、世界中の話を聞いたり、報告書を見たり、
資料を集めたりしております。だからといって、
大出さんの御
意見のように、これから先を的確に言えるようなふうには、まだまだそれほど科学的な
分析はできておりません。そういうのが私のいまの
感じです。