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1966-04-28 第51回国会 衆議院 内閣委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十八日(木曜日)    午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 木村 武雄君    理事 伊能繁次郎君 理事 岩動 道行君    理事 辻  寛一君 理事 長谷川四郎君    理事 藤枝 泉介君 理事 大出  俊君    理事 田口 誠治君 理事 山内  広君       臼井 莊一君    加藤 高藏君       海部 俊樹君    纐纈 彌三君       野呂 恭一君    保科善四郎君       堀内 一雄君    前田 正男君       湊  徹郎君    中村 高一君       村山 喜一君   米内山義一郎君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 松野 頼三君         国 務 大 臣 安井  謙君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務官         (職員局長)  大塚 基弘君         総理府事務官         (人事局長)  増子 正宏君         総理府事務官         (恩給局長)  矢倉 一郎君         防衛庁参事官  鈴木  昇君         防衛施設庁長官 小幡 久男君         防衛庁事務官         (防衛施設庁総         務部長)    沼尻 元一君         防衛庁事務官         (防衛施設庁施         設部長)    財満  功君  委員外出席者         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  恩給法等の一部を改正する法律案内閣提出第  八〇号)  国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二六号)(参議院送付)  防衛施設周辺整備等に関する法律案内閣提  出第一二二号)      ————◇—————
  2. 木村武雄

    木村委員長 これより会議を開きます。  恩給法等の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  本案に対する質疑はすでに終了いたしております。  これより本案討論に付するのでありますが、討論申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  3. 木村武雄

    木村委員長 起立総員。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  4. 木村武雄

    木村委員長 この際、岩動道行君外二名より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、趣旨説明を聴取いたします。岩動道行君。
  5. 岩動道行

    岩動委員 ただいま議題となりました自民社会民社党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。   恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、次の事項についてすみやかに検討の上善処することを要望する。  一、改正恩給法第二条ノ二の調整規定運用について、その実効ある措置が講ぜられるよう適切な配慮をすること。  二、通算及び加算の措置に関する恩給制度共済組合制度との間における不均衡是正について、その総合調整を図ること。 右決議する。  本案内容は、先般来の当委員会における質疑の中ですでに明らかになっていると思いますので、委員諸君の御賛同をお願いします。
  6. 木村武雄

    木村委員長 本動議について採決をいたします。  本動議賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 木村武雄

    木村委員長 起立総員。よって、本案附帯決議を付することに決しました。  この際、安井総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。安井総務長官
  8. 安井謙

    安井国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿うよう極力努力をいたしたいと存じます。     —————————————
  9. 木村武雄

    木村委員長 なお、ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 木村武雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書附録掲載〕      ————◇—————
  11. 木村武雄

    木村委員長 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
  12. 田口誠治

    田口(誠)委員 国家公務員災害補償法改正に関する問題点で、昨日大出委員のほうから相当詳細な質問をいたしましたけれども、なお昨日の質問になかった点で確認を要する重要な点がありまするので、その点を質問申し上げたいと思います。  お聞きをいたしたいと思いまするのは、昨日の質問では、特にこの法案が通ってから後の処理の問題についての質問が重点になったわけでございますが、ここで同時に確認をしておきたいと思いますることは、今日まで年金受給対象者が、相当物価上昇が伴っているにもかかわらず、年金額が低いわけであります。したがって、既往公務員方々と最近年金受給を受けられる方々との金額の差というものは、およそどの程度の格差があるかということをまずお答えをいただきたいと思います。
  13. 大塚基弘

    大塚政府委員 従来現行法年金支給されておられる方は、障害補償の一級から三級まででございます。これは三十五年の改正でもって年金にいたしましたわけでございますが、三十五年以降昨年までの件数は二十五件ほどでございます。  ところで、その年金支給基礎になりますのは平均給与額でございますが、この平均給与額上昇というものをとらえて考えますと、実は災害補償法適用になっております職員には、五現業を含んでおります。ところが、五現業給与法適用一般職公務員とのベースを合わせまして計算した指標はございません。残念ながら、国家公務員給与ベース変動でとらえてみますと、四十年九月をかりに一〇〇といたしまして、三十五年以降の変動を比率であらわしますと、三十五年が一七〇、三十六年が一四六、三十七年が一三七、三十八年が一二四、三十九年が一一二、こういう数字になります。
  14. 田口誠治

    田口(誠)委員 当時の給与ベース基礎になるわけでございますので、その後の物価上昇に伴って公務員給与は引き上げられておるわけでございます。したがって、十年前に退職された方々年金額というものは、きわめて低いわけでございます。そこで、今度の改正案の中には、特に年金額については職員給与生計費その他国民生活の水準に著しい変動等が生じて改定措置の必要なときにはそうした改正を行なうんだという読みができる文章になっておるわけでございます。したがって、ずばりとお聞きをいたしたいと思いますが、この法案が通った後には、ただいま申しました既往の非常に低いベース算定基礎に基づいた受給者は、引き上げを行なわれるものかどうか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
  15. 大塚基弘

    大塚政府委員 御指摘のような訓示規定が入りましたわけでございますが、この運用に関しましては、一方において労災法の非常に機械的なベースアップ、それから他方国家公務員災害補償法対象になります職員は大部分共済関係支給をあわせて受けるというような関係になりまして、恩給及び共済スライド方式というものとの中間で考えなければならないという非常に苦しい立場にございます。しかし、御指摘の点の既往の分に関しましては、恩給共済方式とは違いまして、単に訓示規定が入ったというようにお考えいただくだけではなくて、現行法規定に基づいて改定をすることが可能でございます。これは現行法の四条におきまして、平均給与額が著しく不均衡、不当であると思われるような場合はこの平均給与額改定ということができますので、私ども考え方といたしましては、改正による訓示規定を受けまして、現行法の四条を動かしまして、既裁定の分の年金の著しく大きな変動があったものに関しては改定を行なうつもりでございます。ただ、その改定の場合の率なり方式なりをどういうふうにいたすかということは、こまかく詰めてはおりませんが、しかし、一方において労災の非常にきちんとした機械的な改定方式もございますので、同じ勤労者としてその辺は著しい差が出ないような方法でもって改定いたしたい、そう考えております。
  16. 田口誠治

    田口(誠)委員 御答弁のありましたように、現行法四条によってもスライドの道は開けておるのでございますけれども、なかなか実質的な面においてそうしたことがとられておらないという点から、特に今度の改正案が決定された場合には、その四条をたてにとって、そうしてスライドしていただくには非常に好都合なバックアップする条項であろうと思いますので、そういう点で、金額の面、率の面については、それは本日回答をしていただくことはできないと思いますけれども、基本的な考え方としては、スライドを行なうのだ、こういうように受け取ったわけでございます。それに間違いございませんでしたら、この点についての質問は終わりたいと思います。
  17. 大塚基弘

    大塚政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  18. 田口誠治

    田口(誠)委員 そこで、もう一点お伺いをいたしたいと思いますが、常勤非常勤の差が相当あると思うのです。それで、この点についても数字的にひとつお示しをいただいて、あとから御質問をいたしたいと思います。
  19. 大塚基弘

    大塚政府委員 国家公務員の場合の常勤非常勤と申します点は、一種の運用上の扱いとして確かにございます。しかし、災害補償法の上では、実は常勤非常勤差別は全くございません。一切の給付が、療養にいたしましても、障害にいたしましても、あるいは遺族関係給付にいたしましても、その点での扱い上の制度的な差異は何らございません。ただ、常勤非常勤の間に給与上の差があったりしますから、たとえば先ほど申し上げました平均給与額というようなものを算定基礎に置いている場合に、それから出てくる積み上げた数字が違ってくるというようなことはございますが、扱い上はもう全く同一でございます。ただ、かりに職員立場に立ちますと、非常勤の場合には、共済に入っておらず、厚年あるいは国年に入っていらっしゃる方々がある。これはそちらのほうでもって若干の差が出てくるというようなことはございますが、災害補償法の上では差別は全くございません。
  20. 田口誠治

    田口(誠)委員 そうしますと、この常勤非常勤関係は、将来基礎をいじくるということになりますと、これはまあ平均賃金ということで基礎を置いた場合には何かのプラスアルファの方法をとらなければできませんけれども制度上では常勤非常勤の場合、この労災関係では差はない、こういうことなんですね。
  21. 大塚基弘

    大塚政府委員 災害補償法としての制度上の差は全くございません。ただ、災害補償法でも、福祉関係その他の多少恩恵的な裁量による措置もとれますので、この辺で他の法令によるといいますか、給与上その他の扱いで実質的に不利になるというような点は運用によって若干カバーしていきたい、こう考えております。
  22. 田口誠治

    田口(誠)委員 常勤非常勤という表現公務員の場合に使うわけでございますが、民間労働者の場合には、臨時とか、試雇とか、こういう表現を使っておるわけです。それで民間の場合の臨時工取り扱いについては、これは基準法規定がされておる。そしてその規定に基づいて常時使用する臨時工については、期限つきのもの、それから季節的なもの、それから一般のものは一カ月以上というように一つの線が引いてあるから、それに基づいて正式の雇用をするわけなんです。したがって、同じ事業所長期臨時工としての勤務というのはあまりありませんけれども公務員の場合にはそれがあるわけなんです。そういうことから、仕事内容は別段変わっておりませんけれども、実際に給与の面に格差があるということから、この労災補償給付を受ける場合に相当の開きが出てくるのではないか、こう考えるわけなんです。したがって、特に災害補償を受ける場合には、非常に気の毒な立場になった場合ですから、ふだんの場合の常勤非常勤給与格差と違いまして、気の毒な立場になった場合に、基礎額に差があるから補償にも相当格差が出てくるということになりますると、私は気の毒だと思うので、こういう点を何か緩和する方法はないのか、またお考えになっておらないのか、その辺のところをもう一度御答弁の中で明確にしていただきたいと思います。
  23. 大塚基弘

    大塚政府委員 先ほどから申し上げておりますとおり、原則的には、非常勤でもって役所に入って仕事を始めたその日に災害を起こしましても、災害補償法上の給付は全く一般職員と区別なく支給されるわけでございます。御指摘の点の、しかし給与額が低いではないかという点でございますが、実は算定基礎になります平均給与額は、その職員の過去三カ月の本俸及びいろいろな手当を加えて加算して出すわけでございますが、先ほど申し上げました四条において、著しくそれが不均衡な場合は、これは是正できることになっておりまして、現在まででもそういうふうな著しく低いというような場合は是正して、実際の平均給与額より以上の給与額算定して認めておるわけであります。
  24. 田口誠治

    田口(誠)委員 そうした措置を行なっていただいておるようですけれども金額的に拝見をいたさないので、具体的に指摘を申し上げることも無理でございますが、ただいまの答弁考え方で、いずれにいたしましても、災害補償を受ける気の毒な人に対する補償という考え方から、ただいまの既往法律においてもできる、またやっておるということでございますから、特に私の心配しておる点は、そうしたことがなされており、またなされるということになっておっても、どうしても非常勤の者は不利な取り扱いにされやすいわけでございますので、今後ともただいまの答弁考え方を十分に生かしていただいて、なるべく平等な待遇を与えていただくように強く要望を申し上げたいと思います。  二点にわたって質問を申し上げたわけでございますが、答弁内容からいきますと、私の要望をいたそうとしたことは、答弁の中で消化されたと思うわけです。したがって、このことは局長からの答弁でございましたけれども総裁のほうからも、何ら異議はないと思いますが、一言総裁から御説明をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  25. 佐藤達夫

    佐藤(達)政府委員 私から重ねてくどく御説明を申し上げるまでもなく、ただいま大塚局長の答えましたところ、全く私の考えておるとおりでございます。
  26. 田口誠治

    田口(誠)委員 それでは、ただいままでの答弁は私も十分に了解のできる答弁でございましたので、そのとおり実施されることを期待をして、私の質問を終わりたいと思います。
  27. 村山喜一

    村山(喜)委員 関連して一点だけお尋ねをしておきます。それはきのう大出君のほうからも質問一がなされたわけでありますが、遺族年金が一時金一として千日分の補償がなされ、これが暫定的に経過措置はございますけれども、その間は人事院のほうで原則的に下回らないように措置するということで了承をいたしますが、問題はこれが完全に年金に切りかえられる、その場合に、遺族構成によりましてそれぞれ支給額が違うというかっこうになっておる。社会保障制度の様式を取り入れておることは賛成ですが、たとえば一日当たり千円の給与額を受けておった者が死亡した、そうして妻が一人残っておる、その場合には百分の三十を支給するということになりますから、これで計算をいたしてみますと、一年間の年金支給額が十万九千五百円ということになる。そこで、これでかりにその人が十年間生きておったということになりますと、百九万五千円、こういうことになる。ところが、一日の平均給与額が千円の場合には、一時金としてこれを千日分もらった場合には、百万円ということになる。その百万円を一年定期のリレー式で、五分五厘の約定利率によりまして利息を組み入れる。そうして利息に対する税の一〇%の課税分を控除した残額が十年先には幾らになるのかという計算をしてみますと、百六十二万一千百三十三円ということになる。だから、かりにこの人が二十年なら二十年長生きをした場合、そのいろいろな具体的な計算に基づいてあなた方としては措置されているんだろうと思うのですが、このような数字をお出しになりました根拠というのですか、一時金を年金に切りかえることによって決して不利にはならないんだという証明ができますかどうか。この点をただ利息計算しないでやるという考え方は間違いだと思うのですが、そこまで検討をして措置されたものであるかどうか、その一点だけをお伺いをいたしておきたいと思います。
  28. 大塚基弘

    大塚政府委員 遺族に関する年金の率に関しましては、これは労災と合わせました。労災とことさら違った率を作成するほどの根拠を見出せなかったわけでございます。大まかに申しまして、従来の一時金はほぼ六年分に当たるのだという考え方で、一時金の千日分の六分の一に当たるものが、ちょうど百分の三十から五十までの中間を単純に率をとって、四〇%に当たるだろうと思います。  それから御指摘の例は、確かに、かりに十年でもってそういう遺族方が受けられなくなるという場合で、それ以後も全く受給権者がないという場合ですと、御指摘のような例になりますが、しかし、これはその他の遺族であって受給者がございます場合は、続いてまいるわけでございます。したがいまして、そういう点で考えますと、われわれの算定では、ほぼ遺族年金は三十三年間くらいに平均的に及ぶだろう、こういう算定をいたしておるわけでございます。これは御指摘のような利息計算いたしましても、従来の千日分の支給の場合と比べますと、額においては二・六倍多くなる、こういう試算をいたしております。
  29. 村山喜一

    村山(喜)委員 まあ全体的に見た場合には、そういうことになる。しかしながら、家族構成が非常に少ない場合には、この利息計算をやってのけますと、かえって不利になる。これは一つの具体的な例です。そこで、これを是正するためには、やはり年金が、物価事情その他の変動によって貨幣価値が下がってきた、そういう場合には、それに対応する措置をとらない限り、ますますそういうような不利な場合が拡大をするという事態が生まれてくる。だから、その点については、今度やはり恩給法等改正の場合にも、先ほど附帯決議等にあるいは見られましたような措置がとられているのですから、この点については十分それらの事情検討していただいて、善処方要望しておきたいと思います。終わります。
  30. 木村武雄

    木村委員長 これにて本案についての質疑は終了いたしました。     —————————————
  31. 木村武雄

    木村委員長 次に、本案討論に付するのでありますが、討論申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  32. 木村武雄

    木村委員長 起立総員。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  33. 木村武雄

    木村委員長 この際、大出俊君外二名より、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨説明を求めます。大出俊君。
  34. 大出俊

    大出委員 ただいま議題となりました自民社会民社党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。   国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 本改正法附則第七条の規定に基づく遺族補償一時金の額の決定については、従来の遺族補償の額を充分に保障するよう配慮すべきことを要望する。右決議する。  本案内容は、先般来の当委員会における質疑の中ですでに明らかになっていると思いますので、委員諸君の御賛同をお願いいたします。
  35. 木村武雄

    木村委員長 採決いたします。本動議賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  36. 木村武雄

    木村委員長 起立総員。よって、本案について附帯決議を付することに決しました。  この際、安井総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。安井総務長官
  37. 安井謙

    安井国務大臣 ただいま御採択になりました附帯決議につきましては、政府といたしましてもその御趣旨に沿うよう極力努力をいたしたいと存じます。     —————————————
  38. 木村武雄

    木村委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 木村武雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書附録掲載〕      ————◇—————
  40. 木村武雄

    木村委員長 防衛施設周辺整備等に関する法律案議題とし、審査を進めます。  質疑を行ないます。質疑申し出がありますので、これを許します。村山喜一君。
  41. 村山喜一

    村山(喜)委員 きのう残りました問題をきょうは終えてまいりたいと思いますが、初めは技術的な問題から入りますので、この点については長官より施設庁長官あるいは事務当局のほうから説明を願いたいと思います。  第一の問題は、今回法律案として提案をされましたこの内容規定問題でございますが、これは例の米軍との間における特損法法律に基づく規定との表現関係において、大部分は一致し得るものであると思うのであります。しかしながら内容的には多少異なっているような点もございますが、従来ありました法律との関係においてどういうふうに改正をしたものか。その適用対象等は、これはほとんど変わっていないようにも思われるのでありますが、第一次産業に従事する者あるいは特に政令で定めるもの、それ以外については一般基地周辺住民であるとかあるいは商工業者であるとかいうようなもの等については、この救済の対象にはなっていないわけであります。そういうような点について、基地周辺住民からは非常に強い要望がなされておるわけでありますが、その第一次産業並びに特定の政令で指定をするもののみに限って措置をした。この場合は特損法も同じような規定になっているわけでありますけれども、そういうような措置をとらなければならなかった理由というものを中心に説明を願いたいと思います。   〔委員長退席辻委員長代理着席
  42. 財満功

    財満政府委員 特損法の中にございまして今度の九条の政令の中にないもの、これは、一つ学校教育法における学校医療法による病院で、それから内航運送業につきましては特損法におきましてもございます。ただ、対象になります船舶のトン数が特損法では四十トンというふうに相なっておりますが、ただいま私ども検討いたしておりますものの中ではそれが四十トンになるかあるいはもっと違った数字になるかについては現在煮詰めておるところでございます。結局、特損法の中にあって今度の法律の中にないもの、これは従来の特損法被害軽減措置としてだんだん学校工事あるいは病院工事その他が進んでまいりました。したがいまして、現在におきましては、損失補償の必要がなくなり、補償にかえまして防音工事を行なうということで整備されてきておるわけでございまして、この間約十数年たっておるわけでございます。したがいまして、そのような実態に徴しまして、今度の法律の中では、政令でもって学校病院のほうを除いておきたい、こういうふうに考えた点が違っておる点でございます。
  43. 小幡久男

    小幡政府委員 それから先ほど第一次産業的なものに限って、商工業者個人等はどうなっておるかという御質問がございました。これにつきましては、一般論としまして防衛施設周辺住民に与えております障害のうちでどのような障害損失補償対象にするかは、これは非常に複雑多岐でございまして、御承知のように一般公害問題として議論されておることは先生も御承知のとおりでございます。また社会党のほうも公害基本法というものを検討されておるということも聞いておりますが、そういう問題ともからみまして、今後公害の概念が確立していく過程でこういうものを検討していくという道が残っておるのではないかと思っておりますが、現在のところは、農業とか林業あるいは漁業などの土地とか水面、自然環境を利用するものにつきましては直接被害が明確でございますので、こういうものにまず重点を置きまして、損失補償対象に選んだということは特損法と同じ趣旨でございます。
  44. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで条文の中に入ってまいりますが、第三条の中で、今回法案全体を通じて見てみますると、障害防止、工事の助成というような、この工事の助成というものが大きく出てきているわけであります。あるいは民生の安定、施設の助成というようなものが出てまいりまして、特損法の場合には損害を受けたものに対する救済措置というものが中心になっておるように私は見受けるのでございます。そこで、具体的な例といたしまして、第三条で五項まで規定がされているわけでありますが、これらの施設に対する災害防止工事の助成が行なわれる。これは費用の全部または一部を補助する、こういうことになっておりますが、防衛というのは、これは国の専管的な所掌事務であろうと思うのです。決して地方公共団体に対する委任事務ではないと思っております。それに対する権限は専有的に国が権限を行使しているわけですから、そういうような点から考えてまいりますならば、一体補助するという思想というものが正しいのかどうか。当然国が責任を持って措置するということにならなければおかしいのではないかと私は思うのです。問題はこの補助率の問題で、かりに補助するという思想が認められるといたしましても、当然国が責任を持つべきものなんだ、こういう考え方が中心になるとすれば、この補助率は一体どういうふうに考えておるのか、その具体的な問題が出てまいりまするのでお尋ねをしておきたい。
  45. 小幡久男

    小幡政府委員 国が原因になってやっておることであるから、当然地方団体の責めに負わすべき問題でないという御質問でございましたが、一般にある原因によりまして障害が生ずる場合、実定法上当然その障害を防止する義務というものはすべてのものにあるわけではありません。損害の生じた場合に、その救済の方法は、いろいろ法律できめられておりますが、障害そのものを防止する義務というものは、実定法上現在完備しておるわけではございませんし、また、その中で技術的に困難な問題があるわけでありますので、われわれとしましては何とか障害を防止し、また軽減、防止できないまでも社会的な許容限度といいますか、社会的に許される限度まで防止するような方式をとりたい。このことにつきましては、当該市町村と地方団体が一番御苦労なさっておられまして、よくその実態も知っておいでになるという意味で、そういう地方自治団体の発意と責任で申し出られましたことにつきまして、国家が応分の補助をしたいというふうに考えております。したがって、先生もおっしゃいましたように、この障害につきましては、国も相当責任を感じておりますので、たとえば四条と比較しまして三条は高額の補助を考えております。
  46. 村山喜一

    村山(喜)委員 高額の補助というのではわからない。というのは、すでに大蔵省との間に三条関係については話がついたと私は聞いておるのですが、どうなんですか。
  47. 財満功

    財満政府委員 三条の関係の補助率でございますが、ただいま施設庁長官から申し上げましたとおり、原因が直接的でございますし、また直接的に防止、軽減することができるものではございます。いま申し上げましたような趣旨で、三条の補助率は原則として百分の百でございます。ただ、この必要な工事を行ないます原因に関しまして、自衛隊等の行為のほかに他の原因が加わっております場合、それはその部分だけ減額補助いたしたい。なお、その工事を実施いたしますにつきまして、必然的に改良部分が加わえられる、機能的に高められるというふうな場合、この場合にもやはり地元に対しましてその部分の負担をお願いし、補助率を減じたい、このように考えておるところでございます。
  48. 村山喜一

    村山(喜)委員 原則として百分の百ということなんですが、この百分の百という補助率がほかの法律にあるのか。このことについて、これは法律の形式の問題なんですけれども政令で補助率については定めるということになりましょうが、まあ、補助というのは、少なくとも十分の九とか、十分の九・五とか、そういうようなところまでの高額の補助というものはあっても、十分の十の補助というのがはたしてあるのかということを考えますと、これはもうそういうような話し合いがつくようであるならば、当然国が責任を持ってやる、ただし、いまお話がありましたように地方がその分だけを利益を受けるような改良部分等については、地方に負担金を課することができるというような、そういう法律体系になぜできなかったのか、この点がはっきりいたしませんので、これはやはり法律をつくるにあたりまして、それぞれ作業をし、あるいは関係省と協議された責任者のほうで御答弁を願いたいと思います。
  49. 財満功

    財満政府委員 先ほど申し上げましたように、原因が自衛隊等の行為にございますと、したがいまして、それに対しまして障害防止の工事を行なうについての補助をいたします。したがいまして、原則として百分の百というのは当然だろうと思います。  例を申しますと、学校の防音装置について、木造の学校が一定のホン以上の音によって阻害されます場合、これを鉄筋改築する必要がある、その場合に、百分の百補助すべきところでございますけれども、しかし木造の建物からは発生材、古材が生じますので、その部分を大数観察して一〇%に見込んで、その部分を引き百分の九十を補助する。しかし、これは古材の処分を学校のほうにおまかせしておりますので、考え方としては百分の百ということに考えておるところでございます。一方、新しく学校をつくらなければならぬ、やむを得ずやや音の高いところに建てるという場合に、これはいま申しましたような発生材がございません。新しく学校を建てますのでそのようなものがございません。したがって、この場合には文部省の補助によります本体部分に属して防音工事部分を一〇〇%補助する、こういうふうな考え方をいたしておるわけでございます。このような措置を助成というのかということでございますが、私どもとしてはそのような補助も助成であるというふうに考えておるところでございます。
  50. 村山喜一

    村山(喜)委員 いまの点については、私はどうも会計法上百分の百の補助というものがはたしてあるのかどうか、ちょっと疑問に感じますが、全部または一部ということでなにしていますので、政令で定めて有利になるようにしてもらうことは、これはいいことなんですから、あえて追及はいたしませんが、会計法上の問題はありませんか。
  51. 財満功

    財満政府委員 私どもとしてはそのような問題は起こらないものというふうに想定いたしております。
  52. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで問題になりますのは、われわれが地方公共団体の政治に携わっておりましたころにもよく実例としてぶつかった問題でありますが、重量級の戦車、特車、これが演習をやります。コンクリートの二十五センチ以上のそういうような舗装道路であるならば、これはあまり障害にはならない。しかし、アスファルト道路とか、あるいは砂利道路、こういうようなところで演習をやりながら、演習の都合その他もありますので急回転をする。その場合に道路を非常に損壊をするわけです。そこで原因者負担の道路法によりまして当然損害負担を自衛隊に要求するわけです。ところが、それに対しましては、それの現認、確認が必要であるということから非常に手続がうるさくて、なかなか実効を期し得ないという問題が出ておる。そこで、演習にあたっては、キャタピラにゴムをつけてそういうような損壊を起こさないような措置をとるんだ、こういうようなことになっておったようでありますが、この法律によりますと、「自衛隊等の機甲車両その他重車両のひん繁な使用」ということで、ひんぱんな使用ということになりますると、それらはあまりひんぱんな使用ではないわけです。たまたまそういうような問題が出たというような場合には、第三条関係適用するわけにはいかないと思うのですが、それらは一体どういうようなふうに、この法律が制定されたあとにおいて処置されるのか、これが一つ問題点であります。  それから学校問題が出ましたので、学校問題をちょっと質問をいたしますが、防音工事をやる。ところが九十ホンも幾らもあるような強いジェット機の演習が絶えず行なわれるということで、これも使用度数、頻度その他いろいろ政令特損法の場合にも定めてあります。おそらく今度の場合にもそういうような規定によって処置されると思うのですが、その場合に建物は木造分を差し引いた残り分を、あるいは文部省の助成分の残り分を完全に補償してもらって建物はできた、ところが南のほうになりますと、これは換気装置なりあるいは冷房装置をしなければならんとか、二重窓にしないと効果があらわれないわけですから、そういうような場合に、現在の学校教育法の定める政令定数によりまして児童がその中に入っているといたしますると、そういうような装置をつけない限り、学校教育法に定める保健衛生の上から大きな害が発生をするわけであります。そこでそういうようなものを施設をしなければならぬ。こうなってまいりますると、学校全体のそれらの建物の新設に伴う付随的な経費というものが必要になってまいります。たとえば水洗式にやった水洗便所のトイレットペーパーの話もございましょうし、あるいは電気代の問題もございましょうし、それらの維持、管理、運営という面から、そういうような基地の問題がなかりせば従来の木造でほとんど問題はなかったような問題が、財政的にも負担を伴う問題として発生をするわけであります。ただ、基地周辺の市町村は、それをまかなうだけでもう手一ぱいだという問題が出ている。  そこで問題になりますのは、今後助成金というような措置がとられる。そうして交付金がいままでよりも若干増額をされて、ことしは十五億円というものが予算に計上されている。こういうようなものとの関係において、そういうようなものに対する措置をどういうふうにお考えになっているのかということを説明を願っておかなければ、基地があるがために市町村財政の非常に大きな負担増になる。そうしてまたせっかくつくったものが生かされないということになったのでは意味ないと思いますので、説明を願っておきたい。
  53. 財満功

    財満政府委員 行為のひんぱんの問題につきましては、私どもとしましては、もちろんこれが継続反復して行なわれる行為であるということは、行為に関していわれておるのだということはわかるわけでございます。何をもって当該障害防止工事の助成を必要とするひんぱん度かという問題につきましては、これはそのとき、その場所等に即しまして個別的に検討してまいらなければならないものであろうというふうに考えまして、ただいまのところ何回通ったらひんぱんで、何回以下はひんぱんでないというふうな具体的なきめ方はまだいたしておりません。それから学校防音工事をいたします。確かに先生のおっしゃいますとおり、夏休み前くらいのころになりますと、非常に暑い、あけはなさなければ蒸し暑くてどうにもたまらぬというふうな事態、あるいは水洗便所でございますか、そういうふうなものの消耗する特別な紙の経費がかさんでくる、あるいは電気代がかさむという問題は確かにあろうかと存じます。防音工事を実施した結果、必要となりますこのような経費の増につきましては、一応原則といたしましては、施設の管理者が負担すべきものというふうに考えます。しかしこのような維持費が非常にかさみまして、一般財源にかなりなウエートを持ってくるというふうな場合には、私どもは自治省ともすでに連絡してございますけれども、財源措置についてはもっと考えて研究してまいりたいというふうなつもりであります。
  54. 村山喜一

    村山(喜)委員 それはやはり特別交付金等において措置する以外に、現在の財政法上の仕組みではなかろうと思うのですが、その特別交付金の場合には、最近は非常に災害が発生するわけですね、そちらのほうに使われまして、特に財源需要が増大をする状況にありますし、最近の地方財政は非常に窮迫をしておりますので、なかなか特別交付金として回し得る金というもののワクが狭まってきている、こういう実態にあるということはよく御承知だと思うのです。  そこで、私は非常にむずかしい問題がこの中にはあろうかと思うのですが、基地があるがゆえに地方財源が普通の市町村よりもよけいに必要だという事態をどう改善をするかということになりますると、現在の交付金というものに対して、これをやはり一元的に運営をするか、何らかの措置がなされない限りは、十分でなかろうと思うのです。しかもさらにその金額問題問題になろうと思うのですが、十五億円の中で、はたしてそういうようなものに回し得るような金というものがどの程度あるのか、事業費的なものに回し得る金というものはほとんどわずかなウエートしか占めていないんじゃないかと思うのです。残りは特別交付金ということで措置しようという二本立ての考え方だろうと思うのですが、これでそういうような状況にあるのに、各基地のある市町村が、このような程度にしてもらったらこれで満足だということに持っていけているのかどうか、この点についてはどういう把握をしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
  55. 小幡久男

    小幡政府委員 基地交付金と、本法にいいます四条の民生安定施設の助成の金とがいろいろ関連を持っておることは、これは本法案を制定する経緯にもございましたように、一時は地方交付金も一緒にやったらどうかというふうな議論のあったことは先生も御承知のとおりでございます。地方交付金は、大体の趣旨は、基地内におきますところの固定資産見合いに運用されている部分が非常に多うございますので、原則として自治省はそういう本旨で運営をしていることは事実でございます。しかしそのうちの若干は、われわれの意見も加味して運営をしてもらうというふうな慣行になっておりますので、額はそう多くないと思いますが、われわれもそういった問題につきましては、今後とも自治省に対しまして、たとえ若干でもわれわれの意見が反映するようにしたいと思っております。  今度この両立てでいくことになりましたのは、従来基地交付金ではその基地を管轄する市町村だけでございまして、しかもその施設が非常に民間に迷惑を与えるかどうかということに関係なく、固定資産的なものを中心に考えておったものですから、本法では、民生安定助成施設の予算としましては、そういったかたくなな運用でないように、むしろ飛行場なら飛行場に例をとりますと、その飛行場を管轄しない市町村でも、その付近にございまして迷惑をこうむるところの市町村、あるいは射爆場等はこれは相当広うございますが、その周辺の市町村とか、そういう周辺の市町村に対して、しかもその基地の持つ動的な機能によりまして、いかに迷惑を与えるかという点に重点を置きまして、四条を運営していきたいと思います。当初はいずれも金額は十分ではございませんから、先生がおっしゃったように、直ちにもって地元の方々に御満足をいただけるということはわれわれも考えておりませんが、漸を追いまして、両々相まって完全なものにしたいというのがわれわれの念願でございます。
  56. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこでこの第四条の、「生活環境施設又は事業経営の安定に寄与する施設」ということですから、その内容説明を願わなければわかりませんが、従来基地がありますその当該市町村は、一番の悩みというのは防音その他もありますけれども、それだけ営外居住の隊員がふえることによりまして、当該市町村は住宅に一番困るのです。自衛隊がそこにおるために、今度は普通のサラリーマンの人たちが転居しましても家がない。自衛隊のほうに全部提供しておるかというとそうではないわけです。住宅事情が非常にむずかしいという困難な状況が派生をしている。そこで、ジェット飛行機が飛ぶようなそういう基地をかかえている市町村の場合はわりあいに基地交付金も多いわけです。千五、六百万円というものをもらっている。ところがただ陸上自衛隊の基地がある、そこには車両部隊もおる、教育訓練施設を中心にする部隊が駐とんをいたしておりますると、そこには基地交付金はわずかに五、六十万円しかないわけですよ。そこでこれを増額をしてくれといっても一こうに解決はしてくれない、住宅は払底をしている、住民税は入ることは入りますけれども、とてもじゃないけれどもそれで十分な見合いができない、こういうようなことを基地のある市町村では嘆いているわけです。こういうような問題を考えてまいりますると、ここにある生活環境施設とかあるいは事業経営の安定に関する施設だとかいうものは一体何を目ざしているのか、住宅というような問題は入っているのか、こういうような点について説明を願っておきたいのであります。  それと民生安定のものが今度ここにあらためて出てきたということは、一応進歩した考え方でしょうが、この金額が五億円だということなんですね。いま承りますと、基地周辺の市町村にまで広げようということでありますが、ますます薄められていって、全国にたくさんの基地があるわけですから、それが薄められていった結果は、それぐらいのものでは焼け石に水のようなかっこうで、まことに微々たるものとしてほとんど期待が薄いという状態になるのではないか。しかも当該市町村はこういうのをつくってもらいたいということから防衛庁のほうに陳情に行く。陳情に行って施設はつくったものの、今度はまた地元負担金も伴う問題ですから、それによってますます市町村の台所は苦しくなる、こういうことになったのでは、何のための助成かということになりかねないわけでありますから、その内容についてちょっと説明願っておきたいと思います。
  57. 小幡久男

    小幡政府委員 詳しい具体的な内容につきましては施設部長から答弁しますが、とりあえず先生の御質問の、陸上自衛隊等が、あまり騒音とかそういうものがないにもかかわらず、部隊がおるがために地方の住宅に非常に迷惑をかけておるという問題です。これは私もよく知っておりまして、私もかつて人事局におりましたときにそのことを非常に痛感いたしまして、いわゆる営外居住者の問題でございますので、これは下士官とか将校でございますが、そういうものにつきましては一般の官舎よりはテンポを早めて大量に官舎を建築するという方針に踏み切りまして、たとえば下士官でいいますと待機宿舎というような名目でアパート式のものを現在年次計画で続々建設中でございます。したがってその問題はだんだん地方に迷惑をかけずに済むのではないかというふうに期待いたしております。  なお、先ほど予算が五億しかないというお話がございました。確かにことし新しくついたのは五億でありますが、第四条該当の行政措置として見ますと、従来やってきたものがさらにそのほかに八億四千万円ございまして、五億と合わせまして第四条該当と見られるのは合計十三億四千万円あるということもひとつ御了承願いたいと思っております。  なおどういう項目をやるかは、施設部長から答弁させます。
  58. 財満功

    財満政府委員 第四条に生活環境の施設の整備、それから事業経営の安定に寄与する施設の整備という抽象的な書き方をしているが、一体中身は何であるかという御質問であるかと存じます。私どもが当面考えておりますのは、生活環境施設といたしましては、水道、汚水排水施設、ごみ処理施設、それから道路、消防施設、公民館、それから老人ホーム、共同集会施設、有線放送、電話施設等を考えたいと思っております。  それから事業経営の安定に寄与する施設と申しますのは、事業活動が著しく阻害されまして、事業経営が不安定になっているという状態を改善したいということでございまして、農業用施設、畜産用施設、林業用施設、水産業用施設等を考えてまいりたい。  なお、いま申し上げましたのは大分類的なものでございますが、その中にはさらにこまかくそれぞれの施設の内訳というか、細分と申しますか、そういうふうなものを考えていくつもりでおります。
  59. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで第三条関係にいたしましても、あるいは第四条関係でもそうでありますが、必要な工事を行なうときは、この事業認定あるいはその範囲というものはだれがやるわけですか。施設庁長官がやるのですか。それともあるいはその政令でそれは指定をするわけですか。その必要な工事を行なうというその範囲とか、あるいはその認定権者というものは、どこにもだれがやるということは書いてないわけですね。
  60. 財満功

    財満政府委員 必要な工事の限度、工法の認定等につきましては防衛施設庁長官が行ないます。三条で「障害を防止し、又は軽減する」というために必要な工事と申しますのは、予算の効率的な使用の見地から妥当と認められる限度のもの、あるいは原状回復工事のみでなく、先ほど申し上げましたように、機能回復として施設の改良及び新設の工事を含むもの、それから必然的に著しく改良される場合の工事、そのようなものを含んでおるわけでございまして、そのようなものの認定は防衛施設庁長官がいたしたいというふうに考えております。
  61. 村山喜一

    村山(喜)委員 いよいよこうして法律がつくられて、そうして移転とかなんとかいう問題が出てくるわけです。出てまいりますと、この法律の第五条関係で見てみますと、それらの所有権者あるいはまたその他の権利を持つ者が自主的に移転を申し出てきた場合等について、国が適正な価格でこれを買い上げるなり損失補償するという形になっておるわけですが、これはそういうような形をとって、現在の土地収用法等の規定適用しないのだということでわれわれはおるわけですが、この点についてはどうでありますか。
  62. 小幡久男

    小幡政府委員 そのとおりでございまして、こういった地域は危険感とか騒音等はございますけれども、必ず危険で、法律的に強制立ちのきをするという性質のものではございませんので、もしその区域内の方々が、自分たちは引っ越したいというふうな申し出がありました場合は快くこれに応ずるというかまえで足りるのではないかというふうに処置したわけでございます。
  63. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、基地をつくるということに伴いまして、今後どういうふうになるかわかりませんが、その場合等においては強制収用というようなことはやらないのだ、こういうふうに考えて差しつかえございませんね。
  64. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいまちょっと誤解があったかもしれませんが、私が申し上げますのは基地の周辺でございます。滑走路の延長上とかあるいは転移表面のいわゆる危険感とか騒音区域につきましてはいま申し上げましたような処置でございますが、基地そのものにつきましては、これは御承知のように収用法の特例もございまして、法のかまえとしましては強制的な収用の道も開かれておるということでございますが、大体は買収をしてやっていくというかまえでございます。
  65. 村山喜一

    村山(喜)委員 百里原の問題等も出ているわけですね。そういうような場合に、土地収用委員会等にかけていろいろ問題を処理されるような形が生まれている。そのために今日でもなお誘導路については問題が解決しないようであります。そういう事態があるわけですから、国が強制的に権限を行使してやるというかまえでなくて、そこには納得を求めて措置するということでなければ、やはり事、防衛の問題に関しましては強権でやるのだということになってまいりますと、これは問題がまことに大きな問題として派生をすると思う。今回のこれは周辺整備の問題でありますし、第五条関係はそういうような強権発動をやるというかまえの内容ではないとわれわれも理解しておりますが、それは一つの心がまえの問題でありまして、今後こういうような法律をつくることによってさらにこれを改悪していこうというような意識が働かないでもない。これは運用にあたりまして、今後のその方向というものをこの際防衛庁長官のほうから明確にしてもらったほうがいいのではないかと思いますので、説明を願っておきたいと思います。
  66. 松野頼三

    ○松野国務大臣 第五条は強制的な意味は全然含んでおりません。したがって土地収用法の強権発動という意図もなければ、この法案内容にはそれは全然含まれておりません。ことに御説のように防衛施設というものに対する住民の感情もありますので、かりに基地そのものは強権発動による土地収用法の適用を受けますけれども、この法案を出します理由は、そういうかどばったことじゃなしに、もう少し円満にいこうという趣旨法案ですから、どちらかといえばそういうものは今後影をひそめて、周辺整備における円満な運営をはかるための法案であります。したがってこの法案は強制的意図もなければ、そういう法律内容も含まれておりません。
  67. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで、私は現在の特損法政令条項等をずっと調べてみたのです。そしていろいろ今回の基地周辺法律案内容並びに伝えられる政令案等の内容等についても調べてみましたが、特損法の施行令の第五条関係の第三号、第四号、第五号、これには具体的に「用水施設又は排水施設の設置、維持又は使用」とか、「水源又は水路の損壊、変更等により農地の浸水又は渇水を生ぜしめる行為」また「かんがい用水の汚毒」とか、いろいろな事項が具体的に例示してあるわけなんです。ところが、この周辺整備の法律の中ではそういうものは考えられていないように見受けるのでありますが、それは第何条で措置されるわけですか。
  68. 財満功

    財満政府委員 私どもとしましては、第九条の中でこのような自衛隊の行為の特性に基づく行為をとらえております。それによって、実体的な損失が生じます場合にはそれを考えていくという趣旨でこの法律案をつくっておるわけでございます。
  69. 村山喜一

    村山(喜)委員 そういたしますと、第九条の第三号「その他政令で定める行為」この中で、それらの問題を具体的に政令規定をしようという考え方ですか。
  70. 財満功

    財満政府委員 実態がございますればそのように考えてまいりたいというふうに思っております。
  71. 村山喜一

    村山(喜)委員 そこで例の特損法には防潜網とかなんとかいうのが、たしか法文の中にありましたね。水中工作物の設置とか、こういうようなものは、もう今度の自衛隊の基地周辺の中では予想されないわけですか。
  72. 財満功

    財満政府委員 一応特損法とのバランスにおきまして、防潜網というものも残しておくというつもりでございます。ただ、これは直ちに実態があるのかということになりますと、その点はさしあたり考えられないことであろうと思います。水中工作物等につきましては、いわゆる聴音装置その他の問題もございます。したがいまして、防潜網だけにつきましては、これは特損法とのバランスの問題としてここに置いてあるということでございます。
  73. 村山喜一

    村山(喜)委員 具体的な問題として、たとえば潜水艦に対する演習のための魚雷発射訓練、そういうようなものが月に一回くらい行なわれる場合は、これはひんぱんに行なわれるというように解釈できるのですか。
  74. 財満功

    財満政府委員 月に一回では私はひんぱんであるとは存じませんが、ひんぱんにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、ある種の継続性、ある種の反復性を私どもは考えてまいりたいと思います。ただ、この法律とは別個の問題といたしまして、漁船の操業制限等に関する法律、あるいは自衛隊の場合にありましては、自衛隊法の百五条によります制限、これによる補償は、別の法律の中で行なわれるということでございます。いま言われましたひんぱんという問題に関連しては、私どもは、そのようなものはこの法律の中では考えておらないわけでございます。
  75. 村山喜一

    村山(喜)委員 水面の利用とか、あるいは漁業権に対する制約とか、そういうようなものは、別個の法律措置するのですか。やはりそこに基地をつくり、そこが発射訓練基地になり、部隊が駐屯をし——それは継続的に駐屯をさせる必要はなかろうかと思うのですが、部隊が駐屯をする基地が生まれ、そこに発射台が備えつけられて、発射訓練が行なわれる。しかし、それはあまり頻度は大きくない。しかし、漁業その他に与える影響というものは、ある程度伴うわけですね。その期間は漁業の操業ができない。あるいはその他の湾内で行なう場合等においての沿岸漁業、養殖漁業等に支障がある、そういうような場合は、私はこの第九条の「損失補償」というところで措置されるべきものだと思うのですが、別な法律でやるのですか。
  76. 財満功

    財満政府委員 ひんぱんという問題につきまして、それがひんぱんであります場合に生じました損失がございますれば、それは第九条でいたすことに相なろうかと思います。  なお、生じた障害を防止する工事等が必要に相なりました場合には、これは三条でそのようにいたしたい、こういうことでございます。
  77. 村山喜一

    村山(喜)委員 もう大体質問も終わりますが、今度は、先ほどもちょっと質問で触れたのですけれども、民生安定関係の助成措置が十三億四千万円で措置される、片一方においては交付金が従来のとおりある、そういうような形の中でなお足らない分等については、特別交付金等による場合もある。財源措置問題を考えてまいりますと、そのほかにいわゆる第三条関係工事に対する助成補助がある。いろいろな形において、全体の調和をどこでそれをとっていくのかという問題が、派生するのではなかろうかと思う。しかも、所管省については自治省があり、防衛庁が主として担当するわけでしょうが、それらのいわゆる調整というものはどこでやられますか、その点について再度お尋ねをしておきたいと思います。
  78. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいまおっしゃいましたように、本法では第二章に障害防止工事の助成、民生安定施設の助成という場合がございます。自治省では交付金制度がある。この三つがあるわけでありますが、自治省のほうの交付金の問題は、これは先ほども申しましたように、そこに置いてございます演習場とか、基地がございますその土地を管轄する市町村等の固定資産税見合いの配慮が、非常に強うございます。したがいまして、直接その演習場なり基地を持っております市町村はよろしゅうございますが、それ以外の周辺の市町村に対しましては、自治省の配慮が足りないという点が一つ。それから自治省のやっております交付金は、その基地が非常に騒音があるかないかというふうな点につきましては、重点的には配慮されるような仕組みになっておりません。したがいまして、その欠点を補うために、われわれとしましては、本法の第四条、民生安定施設の助成という項目で、必ずしもその基地が所在しなくとも、その周辺の市町村、これは交付金の及ばないところでありますが、そういう周辺の市町村に対していろいろな迷惑をかけておるというところにそれを払っていくという制度を併用して、基地周辺の対策も万全を期しておるわけでありますが、三条のほうは、これは具体的に明白な因果関係が把握されまして、それにつきまして、その防止なり障害の軽減なりを直接にやるのが三条でありまして、四条のほうは間接的に、具体的にその原因に直ちにはつながらないにしましても、その周辺の苦しみを若干でもやわらげたいという意味で四条を設けまして、これは弾力的に運用したい。むしろ市町村の発意によりまして、いろいろ御意見も聞きながら行なっていきたいというふうに考えておりまして、本法の三条、四条、並びに自治省が所管しております交付金というものは、おのずから分野があるわけでございまして、両者ともども弾力的な運用によりまして、基地問題は前進していくものというふうに考えております。
  79. 村山喜一

    村山(喜)委員 先ほど説明されました中で、海上運送法あるいは内航海運業法、これによる従来の特損法により取り上げたトン数は四十トン以下であるということで、今度は百トンにするということでありますが、その場合、トン数による制限というものは、小規模の企業者に対する補償措置を手厚くしようという考え方から発足しているのであろうと思う。そこで、それはそれといたしまして、その百トンなりあるいは四十トンというものにした根拠というものを説明願っておきたい。今度百トンにまで広げるということですから、改善の方向でありましょうが、なぜそういうふうに百トンというところで線を引いたか。  それから次に問題になりますのは、今度保育園とかあるいは養老院施設、こういうようなものを政令として定めるような方向で、従来特損法にはなかったものを拡大されようとしているようであります。その点はいいといたしまして、先ほどもちょっと質問をいたしたのですが、いわゆる第一次産業または政令で定める施設等については補助する、こういうような考え方でありますけれども、その政令で定める施設も、ワクも拡大をされている方向が考えられていることは、これはいいといたしましても、どうも基地というものは、特にアメリカ軍の基地——まあ自衛隊の基地もそうでありますけれども、きのうもちょっと長官にただしてまいりましたように、今日、日本における軍事基地というのは、これは戦略上の基地ではなくて、戦術上の基地としてとらえられなければならない。特にアメリカの世界戦略体制下における日本の基地の位置づけというものを考えた場合には、そういうふうになる。これが核戦略体制に入ろうが入るまいが、基地の重要性というのは、戦術内容が変わるにしても、重要性は増しこそすれ、減るようなことはない。これは防衛庁長官も認められた点であります。とするならば、現在の国際法の上から見まして、日本の基地というものが交戦区域として指定をされる可能性というものは、これは理論的にあり得るわけであります。そこで、その場合に戦術的な基地が一番たたかれるということは、これは戦略、戦術上の問題といたしましては、当然の帰結であります。とするならば、かねてはそういうような騒音等に悩まされながら、いざというときには第一に攻撃をされる目標になり得るということも想定をされる。その中で基地の住民というものは生活をしなければならない。ということになってまいりますと、その日常生活の上における影響度合いというものは、きわめて大きなものがあります。たとえばテレビがなかなか見えないとか、ラジオが聞こえないとかいうような問題もあります。そういうような問題に対しては、地方税法上、あるいはその他の税法上、特別な措置というものはとられていないわけですね。これらの問題について、いわゆる基地周辺に住んでいる住民に対する何らかの措置というものが、単に農業、水産業というような第一次産業を営む者が損失を受ける、それを補償するだけでなくて、何らかの措置を講ずるということが、やはり均等の上から考えたら必要ではないか、私はそういうふうに思うのですが、これらの点について、防衛庁長官のほうから説明を願っておきたいのであります。
  80. 松野頼三

    ○松野国務大臣 ラジオ、テレビにつきましては、NHKの免除基準というものが、一応重要な基地については今日施行されております。ただ、まだ施行されていないところがないわけじゃありません。演習場というものについては、常時じゃないものですから、臨時的という意味で、まだ軽減されておりません。常設的な重要基地については、その周辺のラジオ、テレビの受信度合いが障害されるという意味で、今日免除基準にたしかのっておると私は記憶します。御趣旨のように、基地というものの体質は、これは国民の立場からいうならば、いろいろ不安な場合もある。また、必要な場合も存在する。また、必要な場合は、必ずしも国民にとってありがたい時期ではないかもしれません。ただ、今日言えることは、あくまで安保条約、日本の防衛の憲法の精神からいって、攻撃的なものではないことだけは、これは私ははっきり言えると思います。したがって、他国からの攻撃を受けた場合においてのみ、日米の問題というのが発生いたします。米軍の場合は、事前協議という項目で、攻撃的立場というものは独自ではとれないように制約をしております。したがって、この防衛的立場米軍の基地もあるし、また、日本の自衛隊は憲法上そのようなものとして存在する。この意味から考えますと、やはり日本の安全を保障する意味においては、ある意味の不便はあるにしても、これを撤廃することは、私は、今日は国民のためにできないのじゃないか。といって、国民生活に個々に言うならば障害が起こる。それで、今回その穴埋めと申しますか、その間隙が今日多々ありますので、これもすなおに認めて、今回のような法案というものが必要になってきたわけであります。したがって、この問題は、ただいまの質疑の中にもありますように、非常に多種多様に実はわたっておるわけで、それだけに各省の連絡には十分気をつけないといけないと私は思います。かりに漁港をつくってくれという申し出があったときには、直ちに農林省とも打ち合わせをしなければならない。上水道の場合には厚生省とも打ち合わせをしなければならない。申し出は、おそらく基地を通じて施設庁にくると思います。この場合に、保育園の場合には厚生省、所管省と連絡をとっていく。そして、その所管省の規格、基準に合うものにわれわれはこれをやっていかなければならない。その辺は、この運用については、御趣旨のとおり、御指摘のように、綿密にやらなければならないと考えます。したがって、この法案は、一応法案の文面においては平面的でありますけれども運用のときには相当立体的な運用をするつもりで、そうして皆さん方の不便も大部分は救い得るのじゃなかろうか。もちろん、予算の足らないということは、これはもちろん満足じゃございませんが、しかし、一応のところは、防音装置についても見通しはつきまして、あと三年もすれば、いま申し出の小学校については完了するのじゃなかろうか。あと残りますのが、保育園あるいは養老院という施設まで今回含めまして、拡大しながら住民立場一つ一つ解決していきたいという趣旨で、この法案提案となったのであります。ただいま指摘されたのは、一つ一つみな問題のところを御指摘いただいて、私のほうも法案をつくるときに大体そういうものを想定して入れましたので、特損法との差は実はほとんどございません。文句の文面が多少変わったということ、それから、内航船におきましては、御承知のごとく、内航船そのものの基準というのが非常に最近は強化されまして、弱小企業では内航は危険であるというので、内航船の運輸省の規格がある程度強化されて、旅客の安全という方向に向かいました。したがって、われわれもそれに応ずる対策を立てた。この基準の変更というのは、私はあると思います。いままで十五トン未満というのがあったかと思いますが、最近はだいぶ基準が変わって、そういう危険状態のものは、内航船としては、補助率を引き上げて、補助金を出して、改装したり、改造したり、老朽船の禁止規定的なものが、今日運輸関係規定されておると私は記憶します。そういうことから、百トンという程度まで引き上げるいうのは、現状に合わしたわけでありまして、なるべく実情に沿いながらやるのが趣旨で、基本に、これで縛るという気持ちはありません。逆に拡大しながらいきたいという趣旨であります。
  81. 村山喜一

    村山(喜)委員 よくわかりますが、昭和二十八年に特損法ができた。それからもう十三年たっているわけですね。それがそのままの形で移しがえをされる。中には、政令事項で、いまお話がありましたように、ワクが若干は広げられておる。しかし、基本的な考え方としては、あまり変わっていないわけですね。ですから、もう少しそういうような点については、進歩したものをやられる必要があるのではないかと私は思うのです。しかし、特損法のワクからあまり出なかったということは、こういうような基地周辺法案をつくって民生安定をやるというのにはどうも不十分ではないか、こういうように私としては考えざるを得ない。  あと中村委員のほうから関連質問があるそうでございますので、これでやめますけれども、日米安保条約の問題については、これはまた例の防衛二法が提案されました際に、いろいろ関連して質問をいたしますが、ただ、基地の問題についてだけ触れておきますと、日米安全保障条約そのものの内容規定からくる米軍の出動というものは防衛的なものがあろうといたしましても、アメリカは、日米間だけではなくて、多国間におけるそれぞれ防衛協定を結んでおるわけであります。米韓という問題もありますし、米台もあります。そういうような問題で、日米間の問題に関連をしないものとして派生した紛争に、アメリカ軍が日本の基地から飛び立っていった場合には、これは当然軍事行動を展開するということになりますから、日本は国際法上いうところの交戦区域に入ることは間違いない。その場合に、米軍の基地に攻撃が加えられた場合には、安保条約上、日本が防衛行動を起こさなければならない義務がある。こういうような関連性がありますので、特に米軍の基地というものに対しましては、単に日米安全保障条約の上からとらえるだけではなくて、そういうようなアメリカの世界戦略の上から問題をとらえて、基地の問題を明らかにしなければならない。私たちはそういうように受け取っているのですが、長官はいま日米安全保障条約だけの問題を提起されましたので、この点について御説明があれば、承っておきたい。
  82. 松野頼三

    ○松野国務大臣 安保条約の運用の解釈の問題だと私は思います。また、その運営上において、御承知のごとく、戦闘作戦行動の場合においては、事前協議事項という一項目が入っております。したがって、作戦行動の場合には、日本にある基地を米軍が自由に使うということは制限されております。したがって、他国の紛糾に巻き込まれるという危険性は、それで私は制限される、こういう趣旨からただいま申し上げたわけで、日本もアジアに位します以上、アジアの情勢というものが全然無関係であるわけじゃありません。しかし、少なくとも戦闘行為については、日本は危険に巻き込まれる危険はない。こういう趣旨が、実は先ほどの私の話の内容であります。したがって、今後安保条約の問題は、またいずれ別の機会にありましょうが、それとこの法案とは、基地という意味では関連がございますが、安保条約に飛躍する議論は、この法律にはございません。あくまで国内的なものにだけ、これは限定しておりますので、どうぞそのように御理解いただきたいと思います。
  83. 村山喜一

    村山(喜)委員 終わります。
  84. 辻寛一

    ○辻委員長代理 中村高一君。
  85. 中村高一

    ○中村(高)委員 今度の法律ができますと、いままでの特損法と同じようなところがありますが、たとえば学校とか病院なんかのそういう防止の工事のことなども載っていますけれども、これはそういう具体的な問題が起こったときには、どちらの法律でやるというようなことになるのですか。だいぶダブっているものがあるのですね。
  86. 松野頼三

    ○松野国務大臣 自衛隊の場合は、この法律で実行いたします。米軍の場合は特損法でいたします。ただし、特損法は第九条だけでありまして、第三条、第四条は、これは日米共通でございます。したがって、いままでは第九条に該当するものだけが特撮法でありまして、あとのものはみななかった。したがって、今度は自衛隊のものも九条に入れまして特損法については、自衛隊と米軍は同じです。しかし、それだけでは幅が狭い、直接被害を与えた場合だけでありますので、今度はもう少し民生安定とかあるいは関連的なものまで広げて、これを日米両方ともに共通にする、こういうことに幅が広がりました。したがって、特損法に関連するものは、第九条だけです。あとの条項は新たに設定して、日米両方とも共通でございます。
  87. 中村高一

    ○中村(高)委員 今度損失補償をするという法律の中に、農業、林業、漁業というものがありますが、「その他政令で定める事業」というものに、商業なんかは入る予定でありますか。
  88. 財満功

    財満政府委員 九条の政令で定めますものの内容といたしまして、いま考えておりますのは、先ほど村山先生の御質問にございました内航海運業法による百トン未満の船舶ということだけを考えておるわけでございます。いまおっしゃいました商業その他の問題は、予定しておりません。
  89. 小幡久男

    小幡政府委員 若干補足いたしますと、第九条では予定しておりませんが、その理由は、一般公害問題とからみまして、なかなか法律的にも熟しておりませんので、将来の問題として扱いたいと思っておりますが、われわれとしましては、とりあえず一般の商工業あるいは一般の市民にも何ほどか負担をかけておるものがあるのではないかということを考えておりますので、第四条で、周辺施設の民生安定というところで、市町村等が公共の施設等をいろいろつくりたいというふうな申し出がございました場合には、それに応じて助成の措置を講じまして、多少ともそういう御迷惑を緩和したいというふうに考えております。
  90. 中村高一

    ○中村(高)委員 第四条は施設をする範囲でございましょうけれども、実際に横田の飛行場の場合は、ちょっと条文にははまらないように思うのです。裏のほうはみんな六百戸も引っ越してしまって、表で商売をやっているけれども、お得意さんはみないなくなってしまうからたいへんで、商売ができないか、もしくは食っていけないような形になるだろう。これを補償してもらえないだろうかという。これは直接の損害ではない、間接的です。しかし、そのうしろの住宅を目当てにして私はここで商売を始めたんです。ところが、その後の事情でとにかくみな引っ越してしまって、商売ができなくなるんだから、これを補償してくれろと、表通りの諸君防衛施設庁にお願いに行っているはずです。あれはあなたのほうでは、考えてやるとか言っているから、われわれもそれには何か補償をもらえるのだろうというようなあいまいなことを言っているんです。言っているけれども、的確なところを、だめならだめだというならば、今度は、いてもしようがないから、それじゃ移転の中に入れてくれろと言ってくるかもわかりません。そういうのはどうなりますか。
  91. 財満功

    財満政府委員 横田の進入表面下にございます住宅の移転の問題につきましては、約七百戸あるのでございます。四十年度におきまして二百二十戸ないし二百二十五戸移転していただきたいというふうな計画で進んでおります。まず、いまおっしゃいました商店のほうはどうなるかということを抜き出してお答えしておきたいと思いますが、確かに背後にございます住宅がよそへ行ってしまったのではどうにもならぬということは事実でございますので、これは私どもとしては、住宅がお移りになるときに一緒に移っていただくという措置で解決いたしたい、こういうふうに考えております。なお、二百二十戸ないし二百二十五戸移転したいという計画で、一番騒音の激しい、変化の大きいところにつきまして、地元の方々と折衝いたしたわけでございますが、まず移転補償費については、大体防衛施設庁の提示するものでよろしい。それから問題になりますのは、土地の価格は幾らにしてくれるか。これは先生承知のとおりかと思いますが、この土地は、その方々の土地ではございませんので、現在昭和飛行機が持っておる土地でございます。そこで、私どもが提示いたしました価格は、坪二万円でございます。ところで、土地の所有者のほうは、長く自分の土地の上にお住みになった方々であるから、国から二万円あるいはそれ以上受け取った場合には、二千円なり何がしかを分けましょう、こういうふうなことになっております。ところで、地元の移転をされます方々は、土地の所有者のほうから分けてくれる金がどうも少ない、もう少しほしいという御交渉を、内々土地の所有者との間になすっておるように聞いております。と同時に、われわれに対しまして、もう少し土地の価格を上げるわけにいかないものかという交渉をされておるわけでございます。私どもといたしましては、権威ある第三者の土地の評価、鑑定等を経ましてその結論が出ましたときには、それに従うことにやぶさかではございませんという態度でおります。  それからさらにもう一つ問題点は、二百二十五戸が引っ越しされます場合に、代替地、いわゆる移転先はどこへ求めるかということがございます。この点につきましては、地元の市長さんその他と御相談申し上げまして、あとう限りすみやかに代替地を見つけていただき、さらにそのために必要とされます協力、あっせん、そのようなものをいたしたい。これは今度の法律の中にもそのようなことが述べられておるわけでございますけれども、そういう際には、移転先地の中につくります公道あるいは下水道等については、国のほうから何ぶんの協力をしたいということでございます。したがいまして、横田の飛行場周辺におきます集団移転の問題点は、一つは土地価格の問題一つは代替地の発見の問題ということで、おおむね話し合いは進んでおります。しかし、残念ながら、いま申し上げたようなことで、昭和四十年度におきましては計画の達成はできませんでした。しかし、地元の方々と円滑に協議を進めながら、ぜひ四十一年度において早々に実現いたしたい、このように考えております。
  92. 中村高一

    ○中村(高)委員 土地の所有をしております者とか家屋を所有しておる者は補償がもらえるのですけれども、そこに長く住んでおって、非常に安い家賃でその家に住んでおるという借家権ですね、これは居住者にとってはたいへんな利益です。ところが、それに対しては何にも対象にならないのですね。これでみんな問題がこじれちゃうのです。家屋を所有しておる昭和飛行機にも、われわれ地元の議員がみんな出そろって行って社長に面会をして、とにかくもう二十年も、終戦以来ずっと長く住んでいるんだから、補償を受けた金はまるまる私はいただきますといって全部取られて、居住者には一文もやらぬというのでは、実際に移転の問題は片づかないからと言って、社長に私たちは談判した。ところが、議員さんなんか出る幕じゃありませんよ、われわれのほうがやるからというようなことで、ていよく追っ払われてしまった。私たちは協力してやるつもりで善意で行ったのですけれども、われわれやるからいいなんて言って、実はやる気はないのですね。賃借人に分けてやろうというような気はないのです。もらったものは全部いただくというのでは、十年も二十年も非常に低額の家賃でおって、どこか公団なりあるいは都営住宅に行くというようなことになると、たいへん家賃が高くなる。こういうものに対しては、何か移転の際に考えてやらなければ、賃借権というものがゼロじゃ私は片づかないように思うのですが、これはどこかこの法案の中でそういうようなことを考える余地はありますか。
  93. 財満功

    財満政府委員 先ほどちょっと私申し上げましたが、土地の所有者のほうでは、国から受け取る土地の価格の中でその一部を借家人の方に分ける、分けたい、このように言っておられますし、このことは、市役所のあっぜんで地元の方々と御一緒にお話をしました際にも、そのように言明されておりますので、私はそのとおりになるであろうというふうに考えておるわけでございますが、さらにもう少したくさんよこせというふうに、所有者と借家人の方々の間で交渉されておるやに伺っておるわけでございます。  それから、ことばが足りませんでしたが、家屋の移転補償、これは当然にして、そこにお住まいになっている方々の手に入るものでございます。そういう意味のほかに、最後に先生お尋ねになりました、いままで六百五十円ないし七百円くらいの家賃で住んでおったものが、第二種公営住宅といっても、三千円とか三千五百円と高くなる、それはどうするのだというお話でございますが、この家賃の差額の補給につきましては、われわれ通常生じます損失の範囲内におきまして考えてまいりたい、善処いたしたいというふうに考えておるわけであります。
  94. 中村高一

    ○中村(高)委員 その差額を補償してくれればいいんですよ。一ぺんじゃ何にもならないから、それはいつまでやるのですか。
  95. 財満功

    財満政府委員 地元側の御要求は、二十年間差額を補給せよということでございます。しかし、それは私ども考えまして、通常生ずる損失の範囲を出るであろう。そこで、東京都あたりが実施いたしております例に準じてやりたい。これはほぼ二年以内一年程度という例が多いようでございますので、そのようにいたしたいと考えておるわけでございます。これはバランスの問題もございますし、そのようにいたしたいと思います。
  96. 中村高一

    ○中村(高)委員 一年とか二年じゃ、だまされたと思うから、なかなか動けないと思うのです。何かがある人はいいのです。建て増しを持っているとか、何か物権を持っている人はいいけれども、ゼロの人は全く追い出されるだけで、移転のトラック代とかを出してやるとかいうんですけれども、それでは実際には移転もできないんだな。だから、やはり政府のほうで持ち主との間の中に入ってあっせんでもしてやらなければ、事実上移転ができない。一番問題は居住者ですから、あの六百戸から住んでいる人にどう移転してもらうかという点なのですが、それはほとんど何にももらえないんです。そして家の持ち主、土地の所有者だけは、時価相場で金をもらえる。これはそこに何かどうも解決のできない問題があるようですから、そういう場合は、あなたのほうで中に入ってあっぜんをするとかなんとかいうことはやるでしょうけれども、法的根拠がなければなかなかこれもできないから、それは政令の中へでも賃借権というようなものでも入れられますか。
  97. 財満功

    財満政府委員 どうも申しわけありません。私のことばが足りなかったかと思いますが、借家人の方々に対しましては、会社のほうは、家を五千円くらいでお渡ししましょう。そこで、その家の移転に関しましては、私どものほうで移転補償をいたします。したがいまして、それはそこにお住まいの方の手に入るわけで、そのほかに住宅金融公庫の資金のあっせん、あるいは離れて自分は別のところへ行きたいとおっしゃいます方に対しては、いわゆる公営住宅のあっせん、そのようなこともいたしていきたいというふうに考えておりまして、その点につきましては、地元の方々は特段のあれがないわけでございます。御賛成をいただいておるわけでございまして、そういう点、御了承いただきたいと思います。
  98. 中村高一

    ○中村(高)委員 坪五千円で売ってくれるのはいいけれども、大体十坪くらいの家だとしたなら、五万円で売ってもらえるのはいいけれども、これは持っていくところがないのです。実際に土地もありませんし、そんな古いものを持っていくところもない。やはり居住者に対しては、移転料の中に多少ゆとりのあるようにしてやる以外にはないんですね。計算方法はどうでもいいのです。計算方法はいいけれども、実際に使われる金が引っ越しのできるようなことを考えてやらなければ、事実上できないようになりますから、これだけは注文しておきます。
  99. 田口誠治

    田口(誠)委員 ちょっと関連で。同居者の場合はどうなります。
  100. 財満功

    財満政府委員 同居者につきましては、私は、その家の主たる居住の方との間で話をつけていただきたいということを考えますが、しかし、同居される方があらためて公営住宅等に入りたいという場合には、そのあっせんはいたしたいというように考えます。
  101. 田口誠治

    田口(誠)委員 先ほど質疑内容はわかりましたけれども、そこで問題になりますのは、今度商人の方がほかのほうに移転していかれる。この費用は出るといたしましても、お得意さんをつくるまではたいへん年月日がかかるわけです。そういう生業補償に類するものは、この中には入っておるか、入っておらぬか。   〔辻委員長代理退席、委員長着席〕
  102. 財満功

    財満政府委員 それは入れていきたいと考えております。
  103. 田口誠治

    田口(誠)委員 どの程度ですか。
  104. 財満功

    財満政府委員 さっき包括的に申し上げましたが、通常生ずべき損失の範囲内ということでございまして、幾ら入っているかという問題は、それは営業の規模あるいはその他によってきまってくる問題でもございますので、一律に幾らというふうには言えないかと思います。
  105. 田口誠治

    田口(誠)委員 質問のほうはよろしいのですが、同居者の場合に、その移転される方とつとめ場所が同じで、そこにまた同居できる人はいいけれども、そうでなしに西と東に行くような場合には、相当支出が多くなる。それで、こういうことがなお問題になろうと思うのです。それからいまの生業補償関係は、これは商人の内容にもよりまするけれども、お得意さんをつくるまでに相当日時がかかりまするので、そういう補償というものはやはり問題になろうと思うのです。これはダム等ができるときの移転の補償のときには、こういう問題がじょうずに処理されておりまするので、こういうものを参考にされることがいいのではないか、私はこう思っておりますので、希望を申し上げておきます。
  106. 木村武雄

  107. 大出俊

    大出委員 これは新しい法案ということになると思うのでございますが、したがいまして、中途はんぱな論議に終わりますと、地元でたくさん問題がありますので、後ほどまたいろいろめんどうなことが起こる、こういうことになりかねません。したがいまして、将来の一つの基本にもなりますから、時間をかけていただきたいという希望があるわけなんです。ついては、一時半から私ども代議士会がありますので、おそらくやってみなければわかりませんが、時間が足らなくなって残っていくと思うのでございますが、私は、実は大論争というよりは、この法律の条文並びに政令にゆだねる部分、あるいは訓令に基づく部分というふうに分けてまいりまして、一つ一つ確認をいただいてまいりたいわけであります。なおまた、大蔵省との折衝過程も調べておりますので、ある程度わかっておりますが、それらについても今後どうなるかという点、また次会までに、不明確な点は、大蔵省との間におけるやりとりの中で明らかにしていただきたい、こういう問題もありますので、そういうことについての確認一つ一つ求めるという意味の質問をいたしますから、お答えをいただきたい、こう思うわけであります。  なお、私、神奈川の出身でございまして、かれこれ五年間期成同盟の諸君等を中心にしてやってまいりまして、皆さんのほうにもすでに前にあげてあります民生安定法が起案をされて出されたわけでありますが、出てまいりました法律政令等を見ましても、似て非なる法案になっておりますから、そういう面について、いろいろ将来に向かっての所見等を承りたいのでありますが、条文を的確に明らかにしていただくことのほうが先だと思いますので、次会等にその点は譲りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  つきまして、まず法律案の条文と政令の、これは一条から十七条までございますけれども、この両方につきまして対比をして質問いたします。第一条の点で確認をいただいておきたいのは、「自衛隊等」の等は、米軍が入る、自衛隊並びに米軍、こういうことでよろしいかどうかという点、それから「防衛施設運用により生ずる障害の防止」の「運用」とは何かという点、それから「自衛隊の特定の行為により生ずる損失補償することにより、」こうなっているのでありますが、「特定の行為により生ずる損失」とは何かという定義を、とりあえず第一条について承っておきたいわけであります。
  108. 財満功

    財満政府委員 第一条の「等」ということは、先生のおっしゃるとおりでございます。  それから「特定の行為」、これは自衛隊等といえども、特定のある行為のほかに一般通常人と同じような、乗用車で通行するとかいうふうな一般の行為もございます。ここで言っておりますのは、そのような行為ではなくて、「特定の行為」と申しますのは、あとに出てまいりますが、「機甲車両その他重車両のひん繁な使用、射撃、爆撃その他」云々というふうなものをさした意味でございます。
  109. 大出俊

    大出委員 一つ落ちておるので、もう一ぺんお尋ねをいたしますが、「運用」とは何かという点、非常にあとで大きな問題が出てきますので……。
  110. 財満功

    財満政府委員 これは第四条に「運用」というふうに出てまいるのを受けておるわけでございます。運用と申しますのは行為との関連で考えるべきだと思いますが、防衛施設を機能の点から大別いたしますと、飛行場とか、飛行基地とか、通信基地とか、補給基地とか、演習場、艦船根拠基地等、いろいろ分けられると思います。これらの機能を発揮するために、もちろん人員の配置、整備、及び人員と装備による訓練活動、そういうようなことを行なうわけでございまして、このようなことをわれわれは運用、こういうふうに申したわけであります。つまり行為よりはやや広い概念としてこれをとらえたいというふうな意味で使い分けたところでございます。
  111. 大出俊

    大出委員 そうなりますと、一つ質問を申し上げておかなければならぬのですが、ここでいう「防衛施設」とはどら解釈すればよろしいのですか。
  112. 財満功

    財満政府委員 防衛施設の定義というふうなことにつきましては、いろいろ考え方もあろうかと思いますが、要するに自衛隊及び米駐留軍のいわゆる活動に関します根拠地となる施設区域、これは米軍の場合には施設区域というふうに概念されておりますし、それから自衛隊の場合には施設というふうに概念規定がございまして、その二つを含めまして「防衛施設」というふうに申したわけでございます。
  113. 大出俊

    大出委員 そうしますと、単に基地という概念は当てはまらない、もっと幅の広いものというふうに理解してよろしゅうございますか。
  114. 財満功

    財満政府委員 基地ということばの概念をどうきめるかということによっていかようにも変わろうかと思いますが、おおむねの関係におきましては、私どもは大体同じような意味に解釈されておるのではなかろうか。一つの例を申し上げます。とり方によりましていわゆる防衛施設であるというふうにいわれておるものの中には、隊員が住んでおります国設の宿舎、先ほどお話が出ました住宅宿舎等がございます。これをしも基地というかどうか、これはいろいろ意見の分かれるところでございますが、一般的な概念から申しまして、そのようなものは、私どもは基地概念には入らないのではないかというように思っております。したがいまして、キャンプ、それから飛行場、演習場、そのようなものが防衛施設ということに観念されてくるかと思います。
  115. 大出俊

    大出委員 そうしますと、一般的に防衛施設といった場合には、いまの住宅は入るのですか、入らないのですか。
  116. 財満功

    財満政府委員 入るわけでございます。
  117. 大出俊

    大出委員 これも後ほど関連が出てまいりますので、念のために伺ったのであります。防衛施設周辺整備等に関する法律案、こういう表題なわけでありますが、防衛施設、こういうことになりますと、単なる基地ではない、住宅その他を含む、こういうふうに理解をしなければならない。ですから、この表題からすると、旧来の皆さんが考えておられました行政措置、いろいろなことが行なわれておりますけれども、ここで基地に対する、あるいは防衛施設全体に対するものの考え方が、ひとつ前進をして変わってきたんだという実は受け取り方を四条等との関係でいたしたいと思います。またそうでなければ、今日やっておる行政手続その他を通じて措置をとっておられますから、それで事足りているかに見えるものもたくさんあるわけであります。それを整理してこういうふうにされて、五条の一部は今日行なわれておりますが、四条を新設をされたという趣旨は、私がいま申し上げたような趣旨に解したいわけでありますが、この条文、政令を当たってまいりますと、一々不満足な点が出てくるわけでございまして、それがある意味では、民生安定法等を取り上げてやってこられた方々にとっての不満にもなっているわけでありまして、根本的な問題でございますから、この点は、意見として冒頭に申し上げて、あと逐条について御質問いたします。  二条関係は、一条と大体同義語その他についての解釈でありますから、問題がありますけれども、時間の関係で省略をして「第二章防衛施設周辺の整備(障害防止工事の助成)第三条」とこういうことになるわけなので、この第三条について御質問を申し上げたいと思います。「一 農業用施設、林業用施設又は漁業用施設 二 道路、河川又は海岸 三 防風施設、防砂施設その他の防災施設 四 水道又は下水道 五 その他政令で定める施設」、こういうことになっているのでありますが、ここでひとつ「三」の「その他の防災施設」という、その他の防災施設を例をあげてまず御説明をいただきたいのであります。
  118. 財満功

    財満政府委員 その他の防災施設というふうにいっておりますのは、典型的なものといたしましては、防衛施設の整備に伴います土地の著しい形質の変更等によりまして生じます被害、そういうふうなものを防ぎたいという意味でここに掲げたわけでございまして、地すべりに関しましては、その一つの例でございますが、かなり防衛施設の周辺におきまして、それはたとえ雨が非常に降ったとは申せ、いろいろな現象が起きておりますので、その他の防災施設ということで救済をはかるべきじゃないかと考えておるわけでございます。
  119. 大出俊

    大出委員 となりますと、いささかこれはダブるわけでありますが、政令のほうの、これは案でございましょうけれども、「防衛施設周辺整備等に関する法律施行令、昭和四十一年四月五日」というのがございますね。この表題は、「内閣は、防衛施設周辺整備等に関する法律(昭和四十一年法律第何号)——何号になるかわかりませんが、こういう政令案の第一条に、「第三条第一項の政令で定める行為は、次に掲げる行為とする。」ということになりまして、その一に、「法第二条第二項に規定する防衛施設を整備するための土地の著しい形質変更」というのがございます。これは条文的に申しますと、法律本文のほうの第三条の一項の五、「その他政令で定める施設」これを政令の第一条のほうでうたっているわけですね。そうならば、この政令に書いてありますように、「防衛施設周辺整備等に関する法律第三条第一項の政令で定める行為は、次に掲げる行為とする。一 法第二条第二項に規定する防衛施設を整備するための土地の著しい形質変更」、こうなっておりますが、そうなると、いまの御説明は、土地の著しい形質変更、つまり地すべり等を三のその他の防災施設について御説明があったわけでありますが、おたくの政令の案からいきますと、そうでなくて五の「その他政令で定める施設」の中に入っておりますから、してみると、いまの御答弁は当たらぬと思いますので、そこの点を念のために聞いているのですから、そこの点を分けて明確にしてもらいたい。
  120. 財満功

    財満政府委員 さきにお読みになりました「ひんぱんな実施その他政令で定める、」これは行為でございます。形質変更、それから艦船または舟艇のひんぱんな使用、航空機の離着陸、これは行為としてとらえたものでございます。「その他政令で定める施設」と申しますのは、これは施設の面でとらえたわけでございまして、必ずしも先生がおっしゃいましたようにダブっているという感じではないのでございます。このような行為で、その他政令で一、二、三、四、五とありまして、防災施設とありますが、そういうふうな行為によって生ずる災害を防止する施設だというふうにお読みいただきたいと思います。
  121. 大出俊

    大出委員 これは事法律ですから、こまかいようなふうにおとりになるかしれませんが、内閣委員会の性格上、本来こういう条文あるいは政令などという形における審議が比較的少ないので、大ざっぱな討論になっておりますけれども、新しく出てくる法律でございますので、旧来はないのですから、そういう意味で、そういうふうにおっしゃらずに、まずければまずいでお直しいただけばいいのですから、お答えいただきたいのでありますけれども、行為でございますと言うのですが、「防風施設、防砂施設その他の防災施設」というものは、行為ではないのです。あくまでも施設なのですね。そうなりますと、その他政令で定める施設のほうに、タイプ印刷で、形質変更、土地の著しい形質変更、いまあなたの御答弁にも土地の著しい形質変更とおっしゃっているので、全く同じことですね。そうすると、その他の防災施設の説明にはならない。したがって、私はそこのところを——法律条文ですから、つじつまの合わぬことをわれわれは法律で認めることはできない。そこのところをもう一ぺん明確にしておいていただきたい。
  122. 財満功

    財満政府委員 ひんぱんな実施その他政令で定める行為は、私ども案として持っておりますのは、ただいま先生がおっしゃったとおりでございます。そこの第三号に「防風施設、防砂施設その他の防災施設」、これの例として私が申し上げましたものは、そのような著しい形質変更に伴って、一つの例としてあげましたのは地すべりでございます。これを防ぐのにはどのような施設をしたらいいか、これは地すべり防止行為ということでございまして、したがいまして、前の行為によって生じました地すべりをどのようにして防ぐかという行為、それを例として私はこの防災施設、こういうふうに申し上げたわけでありまして、その意味におきまして、先半はその他政令で定める行為ということでとらえ、それから本文におきましては、その行為によって生ずる災害をどのように防止するかという施設の名前をあげた、こういうことでございます。
  123. 大出俊

    大出委員 三条の本文のほうにいうところの「自衛隊等の機甲車両その他重車両のひん繁な使用、射撃、爆撃その他火薬類の使用のひん繁な実施その他政令で定める行為」、こうなっているわけですね。そういたしますと、いまの御説明によりますと「その他政令で定める行為」、これの中につまり土地の著しい形質変更、これを政令でうたっておる、いまの点はこういう趣旨なんですね。そういたしますと、つまりそのあとの条文からいきますと「により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、次に掲げる施設について必要な工事を行なうときは、」云々、こうなっているわけですね。そうしますと、この一、二、三、四、五とあげておりますのは、前のほうの行為を受けたつまり工事、こういうことになる、こういう理解になりますか。
  124. 財満功

    財満政府委員 そのとおりでございますが、なおつけ加えますならば、そのような行為によって生じました障害につきまして、いわゆる障害の軽減または防止の対象になる施設も、同時に含んでおるわけでございます。五の「その他政令で定める施設」というものは、ただいまのところ、私どもは鉄道を考えて「おります。したがいまして、この行為によりまして鉄道という施設が障害を受けるという場合に、それを防止する工事をするというふうに考えて「おるわけでございます。
  125. 大出俊

    大出委員 政令のほうの第一条の一は先ほど申し上げたとおりでありますが、二に「艦船又は舟艇のひん繁な使用」というのがございますね。おわかりですね。三に「航空機の離陸、着陸等のひん繁な実施」、こうございますね。よろしいですね。これはたとえば相模鉄道が神奈川にございますが、厚木基地の周辺に天蓋などをつくって危険を防いでいる、こういう実例がございますが、これらのところはこの中に入る、こういうことになりますか。
  126. 財満功

    財満政府委員 そのとおりでございます。
  127. 大出俊

    大出委員 この艦船又は舟艇のひん繁な使用、ひん繁な使用の程度と場所等についての実例をあげてください。
  128. 財満功

    財満政府委員 広島湾と申しますか、あるいは海田市付近と申しますか、あの辺には非常にカキの養殖が盛んに行なわれております。いわゆる艦艇のひん繁な使用というふうなことでカキだなに付着すべきカキの種が付着しなかったというふうなのは、その一つの例であろうかと存じます。
  129. 大出俊

    大出委員 厚木飛行場ではコンクリート舗装が行なわれておりまして、あそこに引地川という川があるのでありますが、この舗装のために水を吸収しない。したがって、この水が引地川に入っていく。したがって、汚水がたいへんなはんらんを起こして、周辺がたいへんな迷惑をこうむっているというような実例があるのですが、これらはこの中に入りますか。
  130. 財満功

    財満政府委員 三条一項に入ると思います。
  131. 大出俊

    大出委員 としますと、そういうふうなものをさすということに例からいくと大体なるわけでございますが、さてその中で「ひん繁な使用」という、その程度ですね。これはいま御質問したのですが、お答えございませんので、その点について実例をあげてお示し願いたいと思います。
  132. 財満功

    財満政府委員 大出先生が御予定になる例でないかもしれませんが、道路の例について申しますと、いわゆるひんぱんな程度に自衛隊等の車両が通行する、こういうことで道路の損壊を来たす。これが場所によりまして先ほどもちょっと一がいに言えないと申し上げたわけでございますが、たとえば自衛隊が朝演習に出ます。一回の演習に出ます場合に、私ども聞いておりますところでは、約七十台の車両が並んで出る。それが朝出かけて、そして晩に帰ってくる。一体これはひんぱんであるかどうかということでございますが、その道路全体の交通量から見まして、そのような車両の交通は非常に大きいものであるというふうな場合に、それをひんぱんと認定することもあり得るのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。そういたしますと、その交通によりまして生じました道路の損壊については、これはこの条文で補償してまいらなければならぬということに相なろうと思っております。
  133. 大出俊

    大出委員 そうしますと、「ひん繁な使用」だとか、あるいは「ひん繁な実施」だとか、「土地の著しい形質変更」、こうありますけれども、その度合いは実態に即しておのおのその場その場によって検討しなければならぬ、特段の基準があるわけではない、こういうことになりそうなんですが、そういうことですか。
  134. 小幡久男

    小幡政府委員 「ひん繁な実施」といいますのは、先ほど申し上げましたように、そのことだけ使いますと、非常に抽象的で判定しにくい問題でございます。われわれの実際の運用は、ここにございますように、現実の被害がございます場合には、その結果から判断いたしまして、具体的にケース・バイ・ケースできめたい。社会的な良識の線に沿いまして「ひん繁」という定義をものによってきめたい、こういうふうに考えております。
  135. 大出俊

    大出委員 飛行機の騒音なんかの場合は、御存じのような「音響の強度及びひん度等に関する規則」という告示などもございます。告示という限りは長官の告示だと思いますが、したがって、測定要領その他もあります。私はこれは改正すべきだと思っておりますが、そういう一つの基準めいたものも出てくるのでありますけれども、その他一般のここにあげられておるような問題は、尺度をきめて告示する、訓令を出すといっても、実際問題として困難だ、こう私どもは理解をするわけであります。したがって、この点については、問題が起こったときに、どうもこれは著しい形質変更ではない、「著しい」というほどではないとか、あるいは「ひん繁な実施」の「ひん繁」というほどでもないとか、「ひん繁な使用」の「ひん繁」というほどでもないとか、何しろ予算のワクがきまってくるわけですからね、そういうことで押えられると、迷惑するのは住民ばかりで、法律をつくったがしり抜けだ、こういうことになりかねない。したがって、私がいま申し上げたようなその被害の実態に即して、根本はその被害を救うのが前提なんですから、そういうことでお考えいただく、こういう趣旨でなければならぬと思うのですが、もう一ぺん念のために伺っておきたい。
  136. 小幡久男

    小幡政府委員 第三条の二項の騒音のほうになりますと、比較的これは明確に基準がきめられておりますので、問題はすっきりすると考えられるのであります。  一項のほうは、「ひん繁」というのは抽象的でなかなか難解だということは、おっしゃいますように、ここはやはり相当因果関係というものを重視しておりますので、こちらの行為が原因で被害が明白にあるというものにつきましては、その「ひん繁」というものの解釈については、相当フレキシブルに考えなければならないというふうに考えております。
  137. 大出俊

    大出委員 次に政令の第二条、内容は「法第三条第一項の規定により補助する割合は、百分の百とする。ただし、障害の発生に関し自衛隊等の行為に他の原因が競合する場合には、当該競合部分の割合に応じ、防衛施設庁長官の定めるところにより、補助する割合を減ずるものとする。」こういう文言なんでありますが、ここで問題になりますのは、大蔵省との話し合いなんですね。ここでこの自衛隊等の行為で障害を受けて防止工事の行なわれる場合に、改良部分が加えられるときは、一応改良が生ずる場合地元で持ってもらいたい、こういう趣旨一つあるわけですね。これは私はたいへんなことだというように思うわけなんであります。理由を申し上げますが、私は、この大蔵省の受益者負担というような形の考え方が、事防衛施設周辺、こういう形における整備、この根本的な趣旨から申しますと、いささかどうも誤りがあるのではないか、こういうふうに考えるわけです。例を申し上げますと、これは長官にひとつ承りたいのでありますが、ある種の利益を、改修工事その他をやる上で、つまり古いものが新しくなるとか、何か新しい施設がつくとかいうことで、受益者的な負担を要求する、こういうことなんですが、基地が本来なければ、学校にしても木造で済むわけです。新しい鉄筋コンクリートの学校をつくらなければならぬ理由は一つもない。ましてささやかな町の費用、市の費用ですから、やりたくはない。学童もふえる。だから、木造にしておいて、町の予算を使って新しい校舎を木造で建てたい、こういうわけですね。ところが、さて航空機の騒音が激しくて授業ができない。お手元にいまお持ちになっております、私がいま差しあげてあります基地周辺安定法の中にございますけれども先生がここでしゃべっていると、第一列目の端から、七十五ホンのときにはどこでどの程度聞こえるかという調査をしているわけですね。そうなりますと、七十五ホンもあると、第二列目からは聞こえない。そうなると、どうしてもこれは建てかえざるを得ない。そうすると、鉄筋にしなければ防音装置ができない。したがって、泣く泣く市町村は学校を鉄筋建築につくり直すわけですね。その結果、二重窓あるいは一重窓も今度は出てくるようでありますが、そういう形の防音装置をつくろうとする。さあ今度つくると、夏なんかの場合、子供さんは暑くてしかたがない。そうすると、防音装置をしておる二重窓をあけなければならない。冷房装置がない限りはあけざるを得ない。暑くていたたまれないから、せっかく防音装置はしたんだけれども、子供はあけっぱなしで遊んでいる。相変わらず騒音は絶えない、こうなるわけですね。さらに、防音装置をつくりますと、必然的に水洗便所にしなければやっていけない。さあ今度は水洗便所にする。そうなりますと、学校の子供さんですから、水洗に合うような紙を持ってこいというわけにいかない。そうなると、ペーパーのほうは学校で用意をせざるを得ない。そうすると、横浜の瀬谷小学校の例なんかからいいまして、年間その紙代が百万かかるというわけです、それだけで。そうなりますと、それもまた自治体の負担になってしまう。これは卑近な例なんですけれども、そうなりますと、これは基地がなければ一切起こらない問題を、基地があるというその原因に基づいて——その基地の性格云々を私はしているのじゃない。現実の問題として、あることによって起こる現実なんですね。そうなりますと、百分の百補助するのは当然な話で、会計法上疑義があれば、それは直していけばいい。この法律の文言を変えていけばいい。方法は幾らでもある。つまりそのことが原因になって、木造建築を鉄筋につくり直すのだとすれば、地元から、新たに改装したところ、改築したところ、そういう部分を含めて、そういう理由に基づいてその分だけ地元負担であるという形は、私はどうも実情に沿わぬ、というよりも、考え方が少しおかしいのじゃないかという気がするわけであります。したがいまして、ここのところあたりについて、長官のほうから基本的な考え方を御説明をいただいておきたいわけであります。
  138. 松野頼三

    ○松野国務大臣 この補助率の対象物件は、御承知のように、農業関係あるいは厚生関係の各種において、そのものの対象事業によって補助率が違うという趣旨は、これは各般にお認めいただけると存じます。ただ、防衛施設の場合は、その一般的な事業にプラスするというか、特殊な事情があるために、全部または一部という補助率としては、全部の補助率というものはおそらく会計法上はたしてほかにあるだろうかと考えても、これはおそらく例はないのじゃないかという——全部の補助ということばを使ってはいけないという規定禁止項目もありません。したがって、これは合法的なものとしてはいいけれども、いままで九九・九九までは補助で、一〇〇は補助じゃないということばを、今回は全額ということばにした、これはおそらくこの法案が最初じゃないかもしれないと思います。しかし、何%以上は補助と認めないという会計法上の文言もありません。したがって、今日採用したという特殊のものであります。したがって、今日問題はないが、ただいま大出さんが言われた維持費の問題、維持費についてはなかなか議論があります。しかし、一般的にその所管するところの市町村に負担がかかるのでありますから、その負担が明らかに非常に膨大である場合には、これは自治大臣と防衛庁長官と連絡いたしまして、これは当然必要経費として認める。したがって、地方財源にそれだけの補助をするという調整をいまはかっております。大体事務的には、その問題は調整済みであります。なお、これは念には念を入れてやりたい。ことに基地交付金というのが自治省にありますので、その運用についても両省一応の話し合いはしておりますが、できれば政令事項か何かできめたいとさえ思っておりますので、方向はそのように進んでおります。今後政令できめるか、あるいは両省の申し合わせできめるか、何らかこの基地交付金の運用し得る範囲内においてこの負担を軽くしたい。しかし、軽くすることについて、明らかにそれが基地のための経費、施設でありませんその運用経費ならば、自治省もそれを見るべきだという基本的な調整は進んでおります。しかし、ただいまのような事例は明らかに今後調査しますと出てまいりますから、それならもう少しはっきりしたことばで両省の申し合わせをしたい、大体それができると私は思います。
  139. 大出俊

    大出委員 長官からそういう答弁を承ったのは初めてなんですが、重ねていまの点について承りたいのですが、換気装置をつけなければ暑くてしかたがない、換気装置をつければこれまた電気料がかかるが、電気料は見ない、こういういきさつですね。そこで、自治省と話をつけて、また何か政令事項みたいなことにしたいという前向きの御答弁なんで、わかるのですけれども、そこまで御答弁がありますと、ここでひとつ聞いておかなければならぬわけですが、この法律提案をされる、立案をされる過程におきまして、二転あるいは三転をしているわけですね。二年間皆さんのほうでいろいろな意味で御検討いただいたわけですから、そこで、まず今日の防衛施設米軍の中にあるドル財産などというものに対しまして、防衛庁の皆さんのほうで何らかそれに対する調整措置その他を考えなければならぬだろうということで、大蔵省と折衝された経緯があるはずです。どのくらいの額を見積もって大蔵折衝に入られたのかということと、それから大蔵省の側で——途中でこれは交付金のような形をおとりになる案ができて、それが大蔵省からクレームがついてまた変わってきた。つまり交付金的な意味は、基地周辺方々個々に金を出すわけにはいかない。だから、周辺の自治体に交付金の形でドル財産に見合うものをやる。名前は交付金。ところが、交付金という形は、一方に基地交付金というのがあるのでうまくないというので、また変わってまいりまして、結果的には四条を中心とする形でこの法律の中に入ってきたという経緯があるはずです。このあたりのところのものの考え方をつまびらかにしておいていただきたい。
  140. 財満功

    財満政府委員 まず、ドル財産の関係でございますが、これは私どもが見積もりましたところでは、約四百億ないし四百四十億円程度所在すると考えます。それに対しまして、基地交付金の例に準じまして千分の七、いわゆる千分の十四の二分の一でございますが、要求をした、こういうことでございます。ところで、いま先生おっしゃいましたように、基地交付金はこれは固定資産税の減収に見合うものである。したがって、これと、それから私どもが後に至ってドル資産の関係のものを切られまして、そのかわりに出てまいりました防衛施設の周辺の整備のための助成補助金、つまり四条にいう五億円、それに該当する場合に、やはり基地交付金と助成補助金というものは、性質は違っておるわけであります。しかし、交付金という名前では了解を得られませんでしたので、補助というかっこうになって、現にこの法律の形に落ちついたというのが、その経緯でございます。
  141. 大出俊

    大出委員 心配がありますので、これは長官に承りたいのですが、今回の四十一年度予算の内容からいたしますと、基地交付金は一億増の十五億円、こういうわけですね。それから新たな助成補助金として五億円が計上されたわけですね。ところで、昨年の暮れ以来、自治省と防衛庁との間で所管をめぐって意見のやりとりが行なわれていて、ところで、基地交付金はもとどおり自治省の所管ということになったわけですね。新補助金は防衛庁の所管、こういうことに一応結論が出た。ところで、地方側が補助金をもらって周辺整備の事業を行なう場合に、たとえば道路などの土木事業については、これは建設省が、それから開田などの農地関係仕事になってまいりますると、これは農林省、社会福祉施設等になってまいりますと厚生省、それぞれ一元的に掌握すべきだという思想も、一面なくはない。各省間の争いのあるところであります。ところで、この間の調整でいろいろないきさつがいままであって、ようやくここにまとまったということなんでしょうが、ところで問題になるのは、大蔵省の側から文句がついてこうなってきた経過からすると、再びどうもドル財産をどうしろとかこうしろということは、皆さんの側では言えなくなってしまう。こういうことになりはぜぬかと私は思うわけです。そうしますと、年来の地域における宿願であったそれらのものは、肩がわりをすることになる。そこで、将来交付金がふえるという頭を押えられやせぬかという気がするのであります。  それからもう一つは、先ほど長官が言われたことばなんですが、自治省との間でということばなんです。所管を明確に分けてしまって、争いが一応裁断をされて、皆さんの場合にはこの種の助成補助金になってきたということですから、そうなると、自治省との間で、先ほど長官の言うような維持費等について、電気代とかあるいはさっき申し上げた例だとかたくさんあるのでありますが、それらをはたしてどういう根拠で交付金の中に認めていくということに理由づけるのかという点が、私はそう簡単に長官の言うようにいかないのではないかと思っているわけです。というのは、長いやりとりを知っているものですから、そこでいまのせっかくの御答弁なんですが、重ねて——政令事項というふうにお話しになりましたが、まさにそのくらいのことをかっちりしなければ、お手盛りでどうにでもできるものではない。そこらのことをもうちょっと突っ込んだ御答弁がいただきたい。
  142. 松野頼三

    ○松野国務大臣 御趣旨のようないきさつは、いきさつとしてはそういう事実はそのとおりです。といって、その結論がそのとおりでは実は多少ないので、結論は、実は両方の次官の申し合わせで、七、三くらいで、三分は防衛庁の意向を聞こうという程度の話と申し合わせ文書くらいは残っているのです。ただし、これは義務でもなければ、強制でもない。そこで、私がもう一歩固めるならば、政令に指定しなければいかぬな。思想は、だから、そこにはすでに過去においても一、二回交渉があって、生きております。ただ、これはあまり表面に出されますと、自治省は、おれのほうはそんなものは聞かないということを言われるかもしれません。というのは、現在やっておることの交付金の比率と合わないかもしれない。したがって、防衛庁の意向をいれるということは、基地交付金の制定当時から思想としてあった。ただし、自治省は、地方財源とあるいは固定資産との見合いという基準でやりますから、こちらの意向があの予算では反映しにくい。もっとふえた場合には、その申し合わせが生きるであろう、こういうわけでありますので、これは政府部内のことで、それをとらえられて一々十五億の内容をやられても困るのです。したがって、ぽこっとこの予算がふえるならば、この意向は反映できる。それからドル財産子その他については、御承知のように、一般的に国鉄とかあるいは林野とかいうものについても、交付金という制度があるから、あれが前例になってやったわけです。しかし、必ずしも国内法と駐留米軍とは、これはいろいろな場合で論じてまいりませんと、同一にはまいりません。というのは、七%の数字は軽減されている。したがって、思想としては私の言ったことばも根拠がない。ただ、この法案のかけ抜けのためのことばではなしに、そういう基礎の上に立って私は政令事項にしたいということは、実は自治省大臣には口頭でこの法案を制定するときに申し入れをしました。自治省大臣も、突然の話で、事務当局と打ち合わせした上でという、実は懸案事項にはなっておるのです。しかし、事務当局がなかなか直ちに賛成いたしません。ということは、十五億そのものが少ないものですから、少ない中から分けられぬ。将来ふえたらという印象がいまあるわけです。したがって、私はこの問題は所管争いをあまりしたくなかった。しておりません。いずれにしても基地に運用がうまくいけば、自治省からいこうが、防衛庁からいこうが、同じことでございます。どっちかというと、防衛庁のほうは出たくなかった。この法案は総理府でやってもらうほうが、こんなに多種多様にわたりますから、私のほうは楽じゃないかというので、この二年間、実は所管の問題でもめて、協議会ができて、予算措置として今日までやってまいりました。しかし、あくまでも基地というものの問題はいずれ防衛庁へくるのですから、じゃわれわれのほうがこれはしょって立とうということでこの法案を出したわけで、そのいきさつは、二年間御承知のとおりであります。一時は、総理府が協議会長になってやったこともあります。駐留軍労務者というものも、実は総理府でやったことが一時はあります。いずれにいたしましても、所管省である防衛庁へみなきてしまうのですから、思い切ってわれわれが引き受けようというので引き受けたので、おっしゃるようなことは私もよく承知の上で、将来政令事項にしたい。ただし、自治省大臣と了解はついていない。したがって、自治省大臣がどう答えられようが、私はそこまて——申し入れだけはこの法案制定のときにいたしたので、将来やはりそうあるべきだ。自治省の立場もわかります。十五億では、既存の基準でさえ足りないのに、防衛庁の意向をこれに入れられるか、これはあります。一億ふえたのだから、一億くらいは入れてくれぬかと冗談話に言ったくらいで、したがって、思想はその方向にいけると私は思います。
  143. 大出俊

    大出委員 私は、これは実はこの法律を審議するにあたっての非常に大きな心配の一つなんで、現実に歩いてごらんになるとわかりますけれども、とにかくひどいもので、子供がたまらぬという親の気持ちを買って、せっかく自治体が防音装置その他のできる学校に建てかえてあげた。しかし、その後の維持負担費が非常に高い。中には親御さんから出してもらっているところもある。こうなると捨ておけぬです。だから、所管のこともわかるので、一応いま質問をしたのですけれども、調べてみた結果、私は、やはり防衛庁の側が相当の責任を持っていただかぬと、ましてこの種の法律を出すのですから、これはやはり将来その面からくる地域の方々の大きな運動になるだろう、こら思いますから、かつまた旧来も意見のあるところでございますので、そこのところは、いま言われた文書、こういうことばがありましたが、これはいままででも、たとえば港湾労働法をつくるにあたっても、労働省と運輸省のたいへんなもめごとがあってようやくまとまった、最後には文書が残っております。そういうものは各省間にいろいろあるわけですが、そこまでのことがおありになるのだとすれば、なおのこと、これはひとついま御答弁をいただきました方向で解決するということで、両省の折衝を実らしていただきたい、こういうふうにこの点はお願い申し上げる次第であります。  それから、いまお話が出ましたから、ちょっとさかのぼるようで恐縮なんですが、一つだけ二条のからみ合いで聞いておきたいのですけれども、当初立案過程で、国連軍の建物がありますね、いま座間なんかにPR機関がございますが、これが入っておるように私は承っておったのですが、出てきたのを見ると、いつの間にかなくなっているのです。この国連軍の建物、施設等との関係はどうなっておるか。
  144. 財満功

    財満政府委員 国連軍につきましては、現在約五十名が国内に参っております。半分は立川におると思います。タイの空輸部隊だったと思います。その他は座間の、後方支援としておりますものの一部分、残りの大部分はいわゆる駐在武官として連絡に任じております者でございます。そこで、そういう大使館にいわゆる机やいすを置いて連絡に任じておる者を除きまして、現在立川及び座間におります米軍施設を、その一部を共同使用として使わしてもらっておるというのが実情でございまして、その数十名の方々の行為によりましてこの法律で予定いたします障害が生ずるという実態はないであろうということで、この法律を仕上げました節には、これを落としたということが実情でございます。
  145. 大出俊

    大出委員 あまり障害がないであろう、にもかかわらず載せると、国連軍などという名称からしてつまらぬ紛争が起こっても困る、こういうことだろうと思うのでありますが、まあ了解をいたしておきましょう。  ところで、瀬谷の通信基地から流れている相沢川という川があります。このときに、これは政令の二条のところで申し上げておるのですが、自治体負担になる受益者負担云々とさっき申し上げたのとからむのでありますが、この場合に、あの川の改修工事をやることになって、私もかつてこの委員会で御質問申し上げて、途中から皆さんから紙が回ってきて、やるからその辺にしてくれぬかというお話で、私質問をやめたことがあるのですが、おかげさまで何とか手をつけていただきました。しかし、これは実はいまのこの政令二条からいきますと、あれなんかも地元負担云々が非常に出てくるのですが、そういう理屈になるのですけれども、実は基地があって、基地からいろいろな廃物を流す。川がたいへん汚染する。被害がふえる。また護岸がくずれる。いろいろなことがある。ところが、近所にも会社があるではないか。その会社からも流れるじゃないか。そうすると、この政令からいうならば、基地によって生ずる被害だけではなしに、付近の会社も一、二そこに汚水を流出させているので、わがほうで受け持つ分野はこれこれだ、こういうことになるのではないか。ところが現実は、基地がなければ、一、二の会社の廃液が流れたくらいならば、改修工事そのものに手をつけないで済んでいるわけです。ところが、そこに大宗をなす基地があるために、どうしても手をつけざるを得なくなったというのが現実なんですね。そうなりますと、逆に二、三そういうところがあるのだから、負担は何割なんだ、こういうことになると、地元はいい迷惑です。基地がなければ、そんな必要は毛頭ない。二、三あったってどうということはない。ただ基地があるからそういう結果になるということなんで、そういう点は冒頭に私が申し上げたように、これは防衛庁長官にお尋ねをしたい点なんだけれども、そういうところはやはり建設関係だって原因者負担というのはちゃんと法律上もあるのだから、原因者負担で、河川改修をやるときに、水利組合のせきなんかがあれば、そこから金を出させぬで、河川改修を建設省が持ってやるでしょう。現実には直しているのです。だとすれば、こういうことを特につけておくと、そのほうにとかくウエートがいきかねないものの言い方に将来なってはたいへんなことになる。だから、ここのところはあくまでも原因はというところに中心を置いて、その他二、三の事由が重なったというほうが比較的少ないということである限りは、やはり国が責任を持って百分の百なる補助はすべきである、こういうふうに私は考えておる。特別な場合は別ですよ。特別な場合は別ですが、通常の場合は、私はそうでなければならぬというふうに思っているわけでありますが、そこらあたりを基本的にどうお考えになっているか、承りたいと思うのです。
  146. 松野頼三

    ○松野国務大臣 その原因の実態によって、必ずしもしゃくし定木に考えておりません。この政令事項が多いと言われるのは、そういうふうにぴしっときめるのには、あまりに判定がむずかしい。したがって、そのほかに関連があるにしても、主として自衛隊及び米軍基地によって行なわれた場合には、それは全額を適用することにこの法律は含め得られるものであります。したがって、その原因の探求が主としてであって、全部でなければいかぬ、七、三だとか、そんなこまかいことを言うわけじゃありません。それは私のほうも十分考えて、主として自衛隊の場合には割り勘にするのだという、そんなかた苦しいことを私たちはする意思はございませんので、主として自衛隊、米軍の場合には、全額国の補助適用というものも考えられる。また、この法律はそれも運用できる。じゃどこをどうだと言われると、それはまだ判定がありますけれども、運営できるということだけはお答えしておきます。
  147. 大出俊

    大出委員 私はそうだとすれば、この政令第二条のこの文言は、お直しをいただきたいと思うのです。政令案ですから、これからおつくりになるのですからね。これは一応の案だろうと私は思う。  そこで、この二条からいきますと、「法第三条第一項の規定により補助する割合は、百分の百とする。」これはいいですね。「ただし、障害の発生に関し自衛隊等の行為に他の原因が競合する場合には、」としか書いてない。「当該競合部分の割合に応じ、防衛施設庁長官の定めるところにより、」−長官の定めるところによってですからね。「補助する割合を減ずるものとする。」ということになる。さっきの相沢川のような場合であっても、幾つかの他の会社から汚水が流れてくるということになりますと、通信基地から来るものがたとえば八十だとすると、片方のものが十ずつで合計百になる。そうすると、残りの二十分は割合により長官がきめて減ずる、こういうたてまえになる。主としてその原因は基地にあるのに、中小企業の工場の廃液が入ってくるというようなときにでも、この政令の条文からいけば、厳密にはそこのところは競合するのだから、長官の御決定によって割合を減ずる、こうなる。そうなると、いまの主としての趣旨が生きないことになる。したがって、そこのところは明確にしておいていただきたい、こう私は思うわけであります。
  148. 小幡久男

    小幡政府委員 ただいま大臣の申されるとおりでございまして、この条文を抹殺いたしますと、相当部分自衛隊以外のものが原因になっております場合に困るわけでございます。お示しのような非常に少ない原因が他にあります場合は、十分弾力的運用をはかりたいと思っていますので、そう申し上げておきます。
  149. 大出俊

    大出委員 せっかくの長官の主としてといういまのおことばがどこにも生かされていないのでは、せっかく明確な御答弁をいただいても意味がないから、せっかくの御答弁を私はどこかに生かしていただきたいという趣旨でございまして、いま小幡さんの言われる大半以上の原因がほかにあってというような場合は、私がさっき申し上げたように特別の事情でございまして、いまの例は特異な例になる。したがって、主としてということばが出てくるので、そういう意味で手を入れていただきたいということを申し上げているわけであります。
  150. 松野頼三

    ○松野国務大臣 運用はそういうふうにいたしますが、文面に書きますと、いろいろな関連工事が出てくるのです。その部分については、これは上流、下流——防衛庁あるいは基地のそこまでで河川改修が終わるものじゃなしに、ある意味においては関連的にこれを延ばす場合もある。そういう場合に、その部分についてまでは被害といえないじゃないか。大体河川というのはその局所だけでは済まぬものですから、その辺は割り勘的思想が出てくるのはあたりまえじゃないだろうか。しかし、その部分については、私は主としてということばを運用して、住民の皆さんに御迷惑をかけるような気持ちはありません。しかし、会計検査院法からいうと、それは違うじゃないか、ここまではいいが、これから上流は自衛隊の関係じゃないじゃないか。その部分の改修については、これは一緒に工事しても、それは別な割合であるというのが、この文面にある意味で含まれている。両方読んでいただくと、ちょうどいい文面にできて「おると私は思うのです。
  151. 大出俊

    大出委員 長官がせっかく主としてという御答弁をされたが、私は長官にたいへん迷惑な答弁をされたことがあるのです、予算委員会の分科会で私が質問したときに、防衛力の限界というのはあるかと言ったら、向こう岸が高くなればこっちも高くしなければしょうがないということで、時間がないから私不本意ながらほかの時間にと思ったことが、毎日新聞のかこみ欄か何かに出てえらくひやかされましてね。だから、長官答弁というのはそれなりに聞いておきますと、あとのたたりがこわい。したがって、私は詰めておかなければいかぬ、こういうことでいま申し上げているのです。いま主としてと言われたが、あとになったら、どうも主としてではなくなったという場合に、しりの持って行き場所がない。明確に御答弁をいただいたのですから、何らかの形でそれを入れられないはずはない。だから、さっき私は大蔵省との話し合いということを前例として申し上げてあるのであります。主としてということを入れたからといって、話し合いがこわれる筋合いのものでもないはずであります。したがって、いまの点はどうせ時間がございませんので、この次に——これはたくさんございまして、いま申し上げましたように、これだけの質問を申し上げてもたくさん問題があるのですから、そういう意味で、新しい法律をつくるのだというたてまえで、多少の時間はかかりましても聞いていただきたい。したがって、次の機会に申し上げなければなりませんので、一ぺんそこのところは御検討いただきたいわけなんです。即答しろとは申しません。そういうことにしていただきたい。
  152. 松野頼三

    ○松野国務大臣 ただいま主としてあるいは大部分というふうなことばについて、もし政令に入れろとおっしゃるなら、その方向に努力するということは、私は少しも否定いたしません。ただ今日、その問題では政令はまだそこまで進んでおりません。われわれ立案者の意見としてはそのつもりでおりますが、あとは大蔵省のほうと多少時間的関係があるかもしれません。この運営はそのようにいたすつもりでおります。また、御疑問があるなら、大蔵省と打ち合わせて、政令をそういうことばに改正することについては努力いたします。
  153. 大出俊

    大出委員 たいへん恐縮なのですが、三条の一項だけのところで時間が一ぱいになってしまいました。他意ある質問ではございませんで、いまお聞きになっておられますように、できるだけこれは詰めておきたい、そういう気持ちなので、ひとつきょうはこの辺で切らせていただいて、次のときに保留いたしたいと思いますから、お認めいただきたい、こう思うわけであります。
  154. 木村武雄

    木村委員長 次会は、来たる五月六日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十分散会