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1966-03-30 第51回国会 衆議院 逓信委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年三月三十日(水曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 砂原  格君    理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君    理事 佐藤洋之助君 理事 内藤  隆君    理事 栗原 俊夫君 理事 畑   和君    理事 森本  靖君       綾部健太郎君    大野  明君       木部 佳昭君    佐藤 孝行君       志賀健次郎君    服部 安司君       星島 二郎君    本名  武君       南  好雄君    村上  勇君       安宅 常彦君    卜部 政巳君       大出  俊君    大柴 滋夫君       中井徳次郎君    原   茂君       前田榮之助君    松井 政吉君       佐々木良作君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 郡  祐一君  出席政府委員         郵政政務次官  亀岡 高夫君         郵政事務官         (大臣官房長) 鶴岡  寛君         郵政事務官         (監察局長)  山本  博君         郵政事務官         (郵務局長)  長田 裕二君         郵政事務官         (貯金局長)  稲増 久義君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      武田  功君         郵政事務官         (人事局長)  曾山 克巳君         郵政事務官         (経理局長)  淺野 賢澄君  委員外出席者         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 三月三十日  委員徳安實藏君及び片島港君辞任につき、その  補欠として村上勇君及び大出俊君が議長指名  で委員に選任された。 同日  委員村上勇君及び大出俊辞任につき、その補  欠として徳安實藏君及び卜部政巳君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員卜部政巳辞任につき、その補欠として片  島港君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵便法の一部を改正する法律案内閣提出第三  一号)      ————◇—————
  2. 砂原格

    砂原委員長 これより会議を開きます。  郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を続行いたします。原茂君。
  3. 原茂

    ○原(茂)委員 原則として、時間もあまりないようですから、私がお願いしましたら大臣の御答弁をお願いしますが、あと大臣にとお願いしない問題は、局長なり当局から御答弁をお願いしたいと思います。恐縮ですが、改正法の逐条でいろいろとお伺いしたいと思いますので、それによってお答えをお願いしたいと思います。  十八ページの小包郵便物のちょうど中ごろのところに、「郵政大臣は、取扱上支障がないと認めるときは、必要な取扱条件を定め、容積において第一項の長さ、幅及び厚さの各々二倍を、重量において二十キログラムを超えない小包郵便物を取り扱うことができる。」こういう重量の問題なんですが、重量というのをはかるのに、出そうとする本人が局の窓口へ行ったときに、本人がはかれるようにすべきだと思うのですが、いまなっておるかどうか、おそらく一々窓口にいる係員にはかってもらっているのではないか、これは実は非常に不便なので、行ったお客さんのほうが自分ではかれるような、そういうふうになっていることのほうがサービスという点では非常に便利です。しかし、そうなっているかどうか私知りませんが、昔局へ行ったときにそういう経験がある。その点いまそうなっているのか、なっていないとするならすべきだと思うがどうです。
  4. 長田裕二

    長田政府委員 仰せのように、小包を出されました際に、取り扱いの職員がはかりまして、その料金を差し出し人に告げるという形をとっているかと思います。利用者方々も一々はかりを持っている方ばかりございませんから、仰せのように、そのほうがベター、より望ましいことは仰せのとおりでございます。いまそのように双方から見えるようなはかりというものを配備することができるかどうか、あるいはまた局の利用者人たちのたむろしているところにそういうものを置けるかどうか、そこらの点につきましては関係部局とよく相談してみたいと思います。
  5. 原茂

    ○原(茂)委員 およそ、この改正案を見ても、郵政関係法律は全部一方的にまるで昔のお役人さん方式で、国民に対してはサービス主体にした考え方が近ごろ出ておるようですが、まだ姿勢としては、こういうふうにきめた、法律はこうなっておるのだ、だからそれに合わせてくださいというふうに局のほうに合わせさせる、そういう思想が流れておるわけです。この点をやはり基本的に変えなければいけないという感じがするわけです。そういう点からは、いまの御答弁検討されるそうですが、そのほうができればいいのだとお考えになっておるように聞こえたのですが、局長考えでその必要はないとは言っていない、たぶんそのほうがいいのではないかというお感じのように聞こえましたが、いいというなら、相談をした結果やるということに解釈してよろしゅうございますか。
  6. 長田裕二

    長田政府委員 結局置き場所の問題もございますし、また窓口に備えるべき器材をどういう順序で用意していくかというようなこともございますので、それらとあわせまして関係部局検討いたしたいと存じます。
  7. 原茂

    ○原(茂)委員 もう一度くどいようですが、あとで実施したかどうかという検討の結果は御報告をいただくようにお願いしたい。  それから二つ目に、十九条の半ばに「貴重品郵便物として差し出すときは、」という貴重品という項目があるのですが、貴重品というのを、われわれ一般国民の側からいうと何が貴重品だということはわからないのですが、何かで国民周知されておるものか、するつもりがあるかどうか。およそ、あとでこれは大臣にお伺いしようと思っていたことなんですが、ついでにここで大臣の御答弁をお伺いしたい。この改正案が通ったといたしますと、やはり郵政の側あるいは局の方々はこの内容をよく知っているわけなんですが、ところが国民はそんなこまかいことは実は知っていないわけです。それで新聞や何かにこういう法律によってこう改正になったのだということが出ましても見ておりませんから、したがって国民の側からいいますと、窓口に行きまして、あら料金が上がったのかとか、あるいはこういうふうに手続が変わったのかということを知って、人によってはまたうちへ帰ってやり直して封筒を書き直してくるというようなことで、この種の改正のあったつど非常な迷惑が当分の間かかるわけです。したがって、郵政当局としても、国民に対して十分にこの法律がきまった瞬間からPRをする義務があるだろうと思うのです。現在PRをするとすれば、新聞に公告などを出されてももう習慣で新聞じゃ見ませんから、おそらくテレビが一番わかりやすくていいんじゃないかと思うのです。郵便料金、全体の改正内容を、まあNHKはもちろんでしょうが、民放まで使って金をかけて徹底的なPRをしてやることが非常に大衆に対するサービスということになるのですが、そのことをやるべきだと私は思うのです。法律のできた直後にすぐやろうというお考えがあるかどうか。予算措置の問題があるのでしょうけれども、予算措置予備費その他で何とかなるとかならないとか、これはそこまできわめて具体的な大臣の見解をお伺いしたい。で、局長からは、いま言った貴重品内容というものが一体周知徹底しているものかわれわれにはわかりませんが、わかっているものなのかどうかということをひとつ……。
  8. 郡祐一

    郡国務大臣 周知方法を講じなければいけないことは仰せのとおりでございまして、私自身もこの法律改正を立案いたしました当時から、私どもは定形、非定形ということはわかっていて便利なつもりで使っておりまけれども、国民皆さんには定形、非定形ということばはまことになじみのないことば、いわんやそれがどういう寸法でどういう厚さということに至っては全くおわかりにならない。また郵便局自身窓口でほんとうに親切にそれをお教えする能力がはたしてあるであろうかどうであろうか、そういう点まで心配されます。それで自分のところの郵便局で扱う仕事でございますから、郵便局窓口でのあらゆる掲示でありますとか、御親切な教え方、これはもちろんでございますけれども、そのほかにもいま御指摘のありましたテレビの活用というものは非常に有効だと思うのです。それで周知のための、ことに民放に対する予算等は見込んでおります。それからNHKあたりは進んで協力するからということを言ってくれております。それから各新聞もなるべく記事の形で周知をしてもらうから、だからいい材料をよこせという親切なお申し出も受けております。それでこうした方法は十分講じなければいけないと思いますし、それからチラシ等も、チラシでどの程度までいくかと思いますけれども、チラシを使いますること。それから私郵政省に入ってみまして、かなり多くいろいろな機関紙を持っております。あそこにすぐれた方と申しますか、興味のある方の対談の形だとか、必ずしも宣伝という形でなく、国民皆さんに喜んでいただけるような形であらゆるものをこのPRに使うように、ことにいまお話のございました放送については、スポットなどでも誤解のありそうな点は絶えず出していくというような形で、周知方法をいま考えております。これも適当な機会にさっそく実行に移してまいるつもりであります。
  9. 原茂

    ○原(茂)委員 次に十九条の二ですか、「天災その他非常の災害があった場合において、必要があると認めるときは、」というのですが、これは災害があったときにそのつど大臣が必要を認めたときという意味でしょうか。それともいまからもう恒常的に、災害なんというものはおよそ種類がわかっているし、いままで経験したことのないような災害というものはあまり予想できないわけですから、おそらく過去の経験に徴して災害のあったときという災害でしょうから、言うならばもうそのつどそのつど何かを認めるというのじゃなくて、原則は恒常的な、災害時におけるこの種のものに対してはこうするということをきめるべきだと思う。この条文からいいますと、災害が起きたときに何かそのつど必要を認定するように見えるわけですが、たぶんそうだろうと思うのですが、災害は非常に急速に手当てをする必要があるし、いろいろな手を打つ必要があるわけですから、そのつどではいけないので、恒常災害対策の精神から一定の基準をきめて、はっきりと、こういう災害、この種の問題があったときには、あるいは過去のこの事例のこういうような状態のときにはこういうふうな措置を講ずるということを、やはりもう少し常時きめておく必要があると思うのですが、どうでしょう。
  10. 長田裕二

    長田政府委員 十九条の関係で先ほど御質問の「貴金属、宝石その他の貴重品」とは何かという点につきましては、これはただいまのところ真珠及びそれの製品が大部分でございます。  それから十九条の二の郵便葉書等無償交付をどういう場合にやるか、事前に何か基準のようなものをつくっているかという仰せでございますが、これはこの条文に基きまして「災害地被災者に対する郵便葉書等無償交付に関する省令」、ちょうどそこにも書いてありますこれは大蔵大臣と協議いたしましてつくりました省令がございまして、家を失ったりして応急施設に収容されているような被災者、これは災害救助法適用があった地域応急施設に収容されている被災者ですが、その人たちには郵便局長から従来簡易てがみ一枚、葉書五枚の範囲内で支給することにきめております。
  11. 原茂

    ○原(茂)委員 ですからその災害があったときにその措置を一々きめるのか、もう災害があったら自動的にそういうことが実施されるようになっているのか。
  12. 長田裕二

    長田政府委員 災害救助法発動とともに現地郵便局長応急施設に収容されている者にやれるようになっております。
  13. 原茂

    ○原(茂)委員 自動的にですね。わかりました。そうあるべきだと思うので、じゃその点はいいわけですが、十九条の三、料金の免除という点でございますが、「これは地方公共団体又は日本赤十字社」以外の団体、たとえば学校でございますとかあるいは養老院とかその他、とにかく身体不自由児施設等もあるでしょう、何か社会保障関係団体が直接受ける場合に、この地方公共団体日赤だけであと適用がされないというふうな解釈では、少し狭過ぎるのじゃないかと思うのですが、この点少し納得できないのです。
  14. 長田裕二

    長田政府委員 社会福祉法人に収容されております方々についてもかなり似ている事情もあるとは思いますが、災害の場合には従来普通に暮らしておりました人たちが突如として全くの無一物になるということなどもございますので、その点で少しく事情も変わっていると思われます。国鉄等の例なども参考にいたしまして、当面この条文発動災害救助法適用を受ける地域に限定いたしたいと考えておるわけであります。
  15. 原茂

    ○原(茂)委員 その地域における地方公共団体日赤あてのものだけが特別の扱いを受けるようになっているわけです。それを学校だとかその他社会福祉関係への団体等に送られるものも適用を受けるように幅を広げるべきだと思うのだがどうかという意味です。
  16. 長田裕二

    長田政府委員 そういう社会福祉法人学校等特別の部分に対してやるというのも相当意味があるかと思いますが、災害の場合にはそこに住んでおります人たちがひとしく裸になってしまうというような状態でもございますので、その地域を総体的に見ております。いわば災害救助対策本部的な性格を持ちます市町村とかあるいは日赤とかいうものに配りまして、そういう対策本部的な性格を持っておりますところが、それぞれの実情に応じてそれを配分するというほうが妥当ではないかというふうに考えるわけでございます。
  17. 原茂

    ○原(茂)委員 災害現地に何回もわれわれ率先行っていろいろやるわけです。そのときに現地を見ますと、災害対策本部というのは役場ですとか、確かにここで言う公共団体で、必ず一カ所にあるわけです。ところがいなかの村に行きますと、そこからまたあの災害地に持っていくのです、そういう規定があるものですから。そうでなくて、もうはっきり分所とは言っていませんが、学校にも一ぱい収容されているわけです。そういうときにはたいがいそうなんです。あるいはその他の何かの公共に準ずるような団体がありますと、そこにも収容されている。それを一々対策本部といわれる公共団体に一ぺん来まして、そこから災害救助作業に当たっている人間が何十人も手分けをしてまた持っていっているのです。そんなことをするくらいなら、災害地域に指定をされた場所における受け取り人日赤または地方公共団体だけが無料扱いというのをもうちょっと幅を広げて、その地域における避難民の集まっている学校その他があて先になった場合でも無料扱いをするようにすることのほうが実情に合っているし、現地は非常に手が省けてありがたいことなのです。だからそういうふうに広げるべきだというのが私の考えなのです。もう一ぺん考え方を聞かしてください。
  18. 長田裕二

    長田政府委員 実は被災地個人あてての小包なども相当出るわけでございますが、個人から被災地個人あてますものまで無料にすることはちょっと考えておりません。一般的にその地域救護活動をし、かつ救護活動義務づけられておりますところ、一番責任も権威もあるところに無償で送らせることにいたしまして、そこから法律上の義務に基づいて活動しておる、その活動の一環として配分をしてもらうというほうが好ましいのではないか。非常に広げますれば、災害地に住んでおります被災者個人あてたものまでもやるべしということも十分考え得るわけでございますが、そこまで広げますことは、いろいろな場合との対比等におきまして、まだ私ども少し範囲が広まり過ぎるような感じもいたしまして、大体国鉄その他の例にならいまして、ただいま申し上げましたような措置にとどめたわけでございます。
  19. 原茂

    ○原(茂)委員 現行の制度はよくわかっていますし、たいへんだからそういうことになっているのだと思うのですが、かといって個人まで一挙に拡大したらというふうには私は申し上げているわけではない。災害救助の事態の突発した一週間くらいの間はたいへんですよ。一週間から十日あるいは十五日過ぎますと、いよいよ復旧にかかり始める。実際は村の手をあげてその仕事にかかるのです。その時分になってきましてもなおかつ災害対策本部へ来ておる。そこから持ってこられるのです。だから学校に集まっている者はもうきまっているのです。復興できるまではここで生活するという場所が三つか四つ必ずできるわけです。その場所くらいは、届け出があれば直接扱いができるようにすべきだと私は思うのですが、いまここできめられないでしょうからいいのですが、個人にまで広げろとは言いませんが、検討しておかれまして、一歩前進して現地に合わせて、なるべく近い将来に、こんな公共団体とか日赤という小さな幅でなくて、現実に復興作業が始まりかかる地域では、もうちゃんと被災民が二、三カ所にグループでもっているところがきまっているのです。そのところに対しては、届け出があったら、やはり公共団体日赤に準じて、そこあて小包無料で扱うとかいうように幅を広げるような配慮をなるべく近い将来にすべきだと私は思うので、これは検討をしておいていただきたい。他省との関係もあるからできないかもしれませんが、しかし親切という点からいったら、現地実情に合わせませんと、かえって足手まといになるのです。大量にそこへ持ってきまして、そこからみんな復興にかかっている人が配るんですよ。そういうことをさせないためにも、二、三カ所くらい分散してもうきまっているところは、届け出があったら、無料郵便物扱いあて先にできるようにでもするほうが、私は現地実情に合っているし、郵政親切心が出るのじゃないか、そういうことですからあとで御検討願います。  検討したやつはあとでまた聞かしていただく機会をつくってくださいね。この委員会というのはおもしろいもので、検討いたします、いいと思うから考えてみます、それっぱなしで全然応答なし、一方通行ですよ。ここで私が何か言っても、言ったのが一方通行なら何にもならないわけですから、親切心を起こして委員会で、正式な質問などの機会でなくても、こうしたよというような親切な回答があると、なるほどという気になりますよ。あと文句を言いたいときだって言いたくなくなりますよ、人間ですから……。そこのところをうまく、ひとつ一方通行にしないようにお願いしておきたい。  それから次のページの十九条の四、ここに「郵便切手交換する。」とうたってあるのですが、書簡などをなぜ郵便切手交換するんでしょう。これがちょっとわからないのです。
  20. 長田裕二

    長田政府委員 ちょうどその持ってこられましたはがきあるいは郵便書簡等に対応するものがない場合でございますが、具体的な例としましては年賀はがき書き損じを持ってきました場合に、売り切れてない、そういうような場合に切手交換するということになるわけであります。
  21. 原茂

    ○原(茂)委員 ないときには一方的に当局のほうで切手交換してしまうというのか、それとも本人が同じものができるまで待ってもう一ぺん来ると言ったら、それと交換するのですか。
  22. 長田裕二

    長田政府委員 取り寄せることができて、御本人が希望しておりますれば、もちろんそのように取り計らうつもりであります。
  23. 原茂

    ○原(茂)委員 それから一番末尾の手数料の問題ですが、この手数料計算の基礎というのは一体どういうところから出てくるのですか。
  24. 長田裕二

    長田政府委員 はがき等製造原価、それから第一線の郵便局までの運送費、それから窓口の売りさばき関係経費、そういうようなものを考慮してきめてまいるわけであります。
  25. 原茂

    ○原(茂)委員 たとえばいまの切手ですが、郵便書簡書き損じて持っていって、その代替品がない、切手でもらってきたときの手数料も同じですか。
  26. 長田裕二

    長田政府委員 実は今回交換の対象にしておりますのははがき郵便書簡だけについて考えておりまして、切手は同じものがない場合に差し上げるものとしては考慮しておりますが、交換主体としては考えておりません。
  27. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、郵便はがきなり郵便書簡書き損じて持っていったときに、代替すべきものがないから切手でかんべんしてくれというときには、手数料は一切とらないということですね。
  28. 長田裕二

    長田政府委員 そういうことではございませんので、はがきなり郵便書簡なりを買いましたものが、それを汚損、棄損した、それでその同じ価値のものをこちらから交換いたしますのに対していただく手数料でございますので、切手を差し上げました場合にも、もちろん相手に御承認をいただいてからでございますが、切手交換いたします場合にも手数料はいただくということになっております。
  29. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、いま前に局長が答えた紙代印刷代だというものを原価として手数料をもらうのだというと、切手紙代印刷料というのと、はがき紙代印刷料が違ってくるから、二種類手数料があるということですか。
  30. 長田裕二

    長田政府委員 もとのはがきなり郵便書簡なりを使えなくなったということに対して上げますので、経費もそれのほうの経費を算出いたしまして、手数料をきめるということにいたしております。
  31. 原茂

    ○原(茂)委員 こんな小さいことどうでもいいような問題ですが、交換をするその手数料という意味には、こっちが書き損じましたと持っていったものの原価計算だけをして、代替品でそちらからよこすやつの原価計算は入ってないといういまの答弁は、手数料というものを考えたときに少し成り立たないのじゃないかと思いますから、それはもうちょっと検討する必要があるように私は思いますよ。こっちが書き損じはがきならはがきを持っていくと、その書き損じたものの原価によって手数料を算出するというその御答弁は少しおかしいので、その場合に、その代替品としてのはがきをよこしたときと、切手をよこしたときと、その向こうからよこしたものだけは全然手数料という原価計算の中に入れないのだというのは、少しロジックが合っていない、そう思いますから、これはひとつ検討してみたほうがいいのじゃないでしょうか。
  32. 森本靖

    森本委員 ちょっと関連して。  この第十九条の四については省令にゆだねた点が非常に多いわけであります。それで今回の郵便法改正についてはかなり重要な点で省令にゆだねた点が多いわけでありますが、その省令内容については当委員会にひとつ明らかにしていただきたい。それが明らかにならないと、これはここで審議いたしましても、実際重要な点が省令にゆだねられているわけでありますから、そういう点でひとつその新しい改正による省令内容というものは資料として早急に当委員会に御提出を願いたい、こう思うわけでありますが、よろしゅうございますか。
  33. 長田裕二

    長田政府委員 重要な項目につきまして省令に記載すべき内容委員会資料として差し上げることにいたしたいと思います。
  34. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、第十九条の四の省令等についても直ちに提出できますか。
  35. 長田裕二

    長田政府委員 大体ここでははがき一枚について二円くらいを予想しておりますが、ほかのと合わせましてなるべく早い機会提出いたします。
  36. 森本靖

    森本委員 なるべく早い機会にと言うが、これはこの委員会においてこの法案を審議しておるときに早急に出してもらわぬとこの審議に影響いたしますので、この審議の途中において、とにかくあしたにでも早急にこの省令内容を出していただきたい。そうでないと、この肝心のところが、一体それじゃこのはがきあるいは郵便書簡書き損じについてはどこへ持っていったらかえてくれるのか、何枚でかえてくれるのか、あるいは手数料はどうなるのか、あるいはまた年賀はがきはどうなるのか、こういう疑問が国民に出てきた場合において、国会でそれが明らかでないというと問題になりますので、こういう重要な省令内容についてはこの審議の途中において早急に委員会に出してもらいたい。本来ならば、もう審議する前に私どもはこういう腹案を持っております。こう言って出してもらわなければなりませんけれども、あなたのほうはなかなか出しませんので、出すか出さぬか、こういうことであります。
  37. 長田裕二

    長田政府委員 早急に提出いたします。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 そこでいまの書き損じの問題ですが、一枚書き損じても交換するのかというような問題はこれから省令で何かきめるのじゃないか、前回の委員会のときにどなたか質問したのを聞いたら、枚数が少ないと交換をしないようなやりとりを聞いたような気がするのですが、枚数制限があるかどうかもここでお答えいただきたい。  それから、同じ手数料を取るにしても、十枚でもって交換してやるという手数と——人件費だってあるのですから、手数料の中には。百枚一ぺんに持ってきたときと、千枚一ペンに書き損じて持ってきたときというふうに枚数による手数料の軽重があってしかるべきだと思うのです。したがって、一枚でも二枚でも交換するかどうかが一つ。それから十枚、百枚、五百枚というふうに書き損じの量が非常に大量になったときには、手数料といったって人件費の分においては非常に削限されますから、手数料がそこで変わってきていいのじゃないかと思いますが、段階的に考えているかどうか。この二つをお答えいただきたい。
  39. 長田裕二

    長田政府委員 最小限の数のきめ方、それをきめるかどうかの問題でございますが、この交換郵便局窓口でやりますとほかの業務と非常に錯綜いたしますし、また内部の取り扱い上も系統としては会計課の系統の仕事にもなりますので、会計課のほうでこの交換仕事はやってもらおうというふうに考えておりますが、その際、一枚、二枚でたびたび持ってこられたりいたしましても、これはこちら側のあれでたいへん恐縮ですが、非常に事務の面でもほかのほうに支障を来たしたりするということも考えられますので、一応私どもは二十枚程度以上ということにしぼりたいというふうに考えております。  それから非常に数が多くなった場合には一枚当たりの手数料を割り引くかどうかということでございますが、ここでいただく手数料は主として製造から配給、売りさばきまでのものを積算いたしまして考えておりますので、数が非常に多くなりました場合に特に割り引くというようなことは考えておりません。実は、何枚なら幾ら、何枚なら幾らということになりますと、内部のほうの会計処理の面でもいろいろ問題もございますし、かたがた先ほど申し上げましたような積み上げ方式ということもございますので、そういうことにいたしております。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 そうしますと、なるほど実施上段階的に割り引くといろいろな問題が起きるかもしれませんね。ただ手数料ということばが出てきますと、その手数料の中にはいやしくもその業務を扱う人間の人件費が当然入ってこなければいけないわけですから、その面から言うなら、二十枚持ってきたときと二千枚持ってきたときでは、一ぺん交換の手続をやりますと、二十枚ずつ百人来られた日にはたいへんなことですよ。ですから手数料ということばにひっかかるのですが、手数料なら人件費というものが加算されてこなければいけない、計算の中に入ってくべきだというふうに思います。そういう意味では何か段階的に割引があっていいのじゃないかという気がするわけですから、これもひとつ検討してみたらどうでしょうか。  それから二十枚で制限しようと思っているということは、これは絶対反対です。  それからもう一つ、会計の窓口といってもどこだか知りませんが、一般の郵便局で取りかえないくらいなら、これは実際には、書き損じ交換してやりますといっても国民の大半とは無縁のものですね。われわれなんかわりあいに書き損じというのはないし、あったってうまくごまかすことを知っていますよ。ところが二十枚以下、一枚、二枚の書き損じをやるというような人はめったに書きつけない。こういう通信物は、一年に二十枚か三十枚しかやらない人のほうが書き損じが実に多いのです。それが国民の大半です。これは量は少ないかもしれません。会社で買うとか、あるいはわれわれの選挙区へやろうとかといって大量に買うやつは量は多い。しかしながら、全体の郵政はがきの数の上から言うと量は少ないかもしれないが、国民というものを対象に考えたときには、国民大多数に影響のある問題であるから、一枚でも二枚でも書き損じをかえてやるといったときに初めて、なるほど郵政省もよくやってくれたという感じが出てくると思う。それを二十枚で制限すると、私はどうも国民大多数がよかろうということにはならない、有名無実になるという心配を一つ持ちます。同時に、どの郵便局でもかえてくれないなんというのは不都合千万だと思うのです。これはどういうことが基準か、理由はあるだろうと思うのですが、もし、第一回だからこれでやってみて、大衆の声として不便だという声があったら、だんだんに一般の郵便局でもやるようにしてやるのだという気持ちでもあって、これを、いま最初だから試みにやってみたいんだというならそれもわかります。われわれの言う理想的なものに一ぺんにいけなんていうことを言ってもこれは無理かもしれませんから、ただせめて段階的なんだ、一度これでやってみたい、現実にやってみた結果、いま私の言うように一枚からやらなければいけない、国民の声が非常に起きてきた、あるいはどの郵便局でも取りかえなければ国民に対するサービスにならぬということがわかったら、次の段階では考えたいと思うんだという試みの第一歩をこれでという説明なら、これ以上固執する必要はないのですけれども、ずっとこれでいくつもりだ、これが一番いいんだとおっしゃると、こんなばかなことないじゃないかというようなことをどうしても言わざるを得ないわけですね、この問題は。それをちょっと……。
  41. 長田裕二

    長田政府委員 私が会計課ということばを先ほど用いましたために御質問いただいたわけでございますが、会計の事務の系統、そういうふうな意味で申し上げたわけでございますので、その点は……。  なお扱います郵便局は、大体集配特定局までおろしたいと思っております。集配特定局まで広げますと、あまり遠く歩かなくても大体目的は達せられるかと考えております。  なお、枚数につきましても、お説も非常にごもっともかと存じますが、他方郵便局側の手数等も考えますと、これは手数の多寡はひいては料金の問題とも若干関係してまいることにもなりますので、二十枚程度にしぼりますことが、国民の側から見てできるだけ少ない枚数まで交換したほうがいいということと、それから内部のいろいろ手数あるいは経費等の関係との調和点のような感じがいたしまして、さようなことでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  42. 原茂

    ○原(茂)委員 この問題は、いま当局のそういう考えでおやりになるのでしょうが、もしそういう実施がされた場合でも、あとで一応国民の声ももうちょっと聞いてみて、だんだんには拡大していくということにできたら無集配局にもやっていくんだという思想を持って将来にわたっては検討するほうがいいのじゃないかと私は思います。いまはいきなり無集配局までやるんだというわけにいかないなら、将来必要があれば、大衆の声がそこにあるなら、拡大をしていくことを考える、検討はするということにやはりしておくべきだと思いますから、そのつもりでこれも検討していただきたいと思います。  それから郵便書簡の二、三、その次第一種郵便物ですか、一、その表面及び裏面が長方形で、大きさは、長さ十四センチメートルから二十三・五センチメートル、寸法が出てますね。この寸法あるいは厚さなんかは省令できめるのだそうですが、現行とどうなのですか。大きくなるのですか、小さくなるのですか。
  43. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまの御指摘の二十一条の第二項は定形郵便物の規定でございまして、実は郵便物の最大限、最小限をきめました規定はその前の十七条でございます。二十一条第二項の定形郵便物の規定は、従来こういうのがございませんでしたので、従来との比較はちょっといたしかねますが、この形のものが国際的にも一番扱いやすいということになりまして、一昨年の第十五回万国郵便会議におきまして圧倒的多数でこういう形を採用していこうという決議もされましたので、また日本の業務の取り扱いから見ましてもちょうど手ごろだということからこういう形をきめてまいろうと思ったわけでございます。ただいま御指摘のところの最大、最小は、最大がこの大きさ、最小がこの大きさでございます。この範囲内のものを定形郵便物にきめようということでございます。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 料金を上げながらこの点は私はサービスの低下だと思うのです。いままで私たちは紙の使い古しを、送ろうとするものに合わせましてかってに封筒をつくりまして、のりで張って出すことができたんですよ。その点非常に便利だった。国際的に何か会議できまったそうですが、そんなことは何も不便なほうにきめる必要はないので、われわれの側からいいますと、非常に便利だったのです。普通の大きさより幅の広いものをつくって送りたいと思ったらこれに合わせてかまわない——かまわないことはないが、デパートの紙を持ってきて合わせて封筒を張り書いて出すことができたのです。今度これができると、おそらく寸法がきまったのですから、これは局で発見しますとコンマ五センチなんというところまで出ておりますけれども、たとえばいたずらに二十三・五というのを二十四に今度私はやってみますが、ところが知らずにきっとやっちゃうのじゃないかと思うのです。発見されたら返されるだろうと思うのです。この二十三・五とか十二センチというふうに寸法が出ることは、いままでの習慣からいって実に重要なんですね。日本の郵便物を扱う上での国際的な特徴だったとすら思っているわけです。非常にサービスをしている、われわれの側からいうとそう思っていた。今度これができまして、この寸法よりちょっとでも大きいものは目くじら立てて追っ返されたら、習慣がありますからたまったものじゃないです。いままで実はそれがなかったのです。ですから、実は何でもできる——あまりでかいものはやりませんけれども、しかし、この寸法ができるということになると、料金を値上げしながら極端にサービスを低下させるのと同じ結果になるのではないかという意味と、この寸法の書き方、表現のしかたはこれでいいかどうか、非常に疑問なんです。たとえば幅九センチとか十二センチメートルまでの郵便物だというのですが、従来の郵便物を見てみますと、この寸法に大体が入っているという見当をおそらくつけたんだろうと思います。国際的にもそれでいいのだ、圧倒的多数できまったということも、大体郵便物といえばこのくらいのものだったというふうに、いままでの実績が、まあまあこれならあまり引っかかるものはないという実績の寸法だろうとは理解しますよ。しかし現実には、そのはみ出した一回か二回が追い返されたり、そのためにどういうことなんですかね、小包郵便物になるかどうか知りませんが、何かされて、料金がよけい取られるとか、どっちにしても郵便料を値上げしながら、この点はきわめてこの改正案サービス低下の特徴だというふうに私は思うのです。だから原則として何点何センチメートルというようなことばがもし入れば、「原則として」ということばが入っていればまだ妥協の余地があるのです、要するに、原則ですからね。私が意地悪く二十四センチにこれをしましてポストに入れたって、郵便局は気がつかないでおそらく配達してくれるだろうと思うのです。これは配達するほうも違法ですよ、とにかく二十三・五センチと書いてあるのだから。だからこんなきちっとしたものではなくて、原則として十四センチメートルから二十三・五センチメートルにしてくれると、一センチというのか一ミリというのか知りませんが、このくらいのことが伸びたってどうでもそう支障を来たさないし、配達するのにそう困ったりもしないだろうし、ここらのところは表現が、ちょっと簡単に数字を並べましたけれども、きっちりきちょうめんにこれを取り上げられたら国民の迷惑は非常に大きいだろうと思う。郵便料の値上げをしながら、サービスを低下しているということが言えると思う。原則としてくらいにすべきだと思うのですが、できないでしょうか。
  45. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまの定形郵便物の規定は、実はこれをこえるものは扱わないということではございませんので、規格外非定形郵便物として料金を少し多くいただくということになるわけでございますが、また利用の状況を見ますと、現在この定形範囲内に入りますものが一種のうち九八%くらい、それから第五種郵便のうちの七五%くらいでございます。このこえるものが今後どうなっていくかということでございますが、実は一方では料金関係でだんだん定型化するだろうと考えておりますが、これはこちら側がそう持っていくことでございますからあれですが、他方、封筒の規格化ともこれは関連いたしまして、現在紙製品工業組合のほうで封筒の規格化の作業を進めております。四、五年前は何百種類とありました、ほとんど無限と言ってもいい封筒が、一昨年くらいで二十一種類、昨年で十七種類になりまして、ことしの二月で十五種類くらいに変わってまいりました。おそらく今後売られます封筒では、もう買います際に帯か何かに、あるいはそれ自体に、これはどういう大きさのものであるということが表示されることになってまいろうと思います。そういうような意味で、たまたま知らずに出したら、規格外だったということは例としても非常に少なくなるのではないかというふうに思います。  なお若干こういう形に制限いたしますことで、心理的にも、場合によれば心理的以外にも、国民の利便感を少し制限するということにもなりましょうが、今後の郵便の取り扱いとしまして、非常に量のふえてくるものを何とか機械化でもして能率をあげていこう、全体のコストを安くして、公共性を発揮していこうというような観点からしますと、やはり操作しやすいということからする事業の側からの要請というものについても、国民の方に協力していただくということが必要でございまして、この点国際的な、先ほども申し上げたようなこともございますし、ぜひお願いしたいというふうに考えております。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 実施するのはそちら側だから、私にお願いされたってしょうがない。ただ国民の側から言うと、この点はサービスの低下という印象は免れないという意味から、原則としてということばが使えないなら、実施時期を暫定的にいつからやるのか知りませんが、さっきの大臣のお答えになったようなPRを徹底的にやったあと、一年半とか二年後にこれをやるとかなんとかするような配慮ができるならすべきじゃないかとまだ思っておりますから、これもそういかないならいかないでけっこうですが、検討する材料にしておいていただきたい。あまりきちょうめんにこの数字で書いたものをいきなりぴしゃっとやるのは、料金を値上げするのだから、百人のうち一人が迷惑してもいけないと思います。したがって一定の暫定期間を置いて、二年後に実施するということになればまあまあいいのじゃないかと思いますが、この実施期間をいつからどうするか私知りませんが、そういうことをひとつ検討していただきたい。  それから厚さですが、厚さは何ではかるのですか。厚さというものは前からきまっていたのでしょうか、新しくきめるのかどうか知りませんが、厚さの基準というのは、省令で定めるというのですが、時間がないからどんどん聞くのですが、もし基準があったとしても、ぴしゃっと押えたときの厚さと、それからこんなような調子でやったときの厚さとずいぶん違うのですよ。ぴしゃっとやったらずいぶん薄くなりますからね。そこまで配慮した基準というのが省令であるのでしょうか。
  47. 長田裕二

    長田政府委員 実は書状自動押印機とか選別機とか、あるいは将来開発してまいります区分機などを考えますと、事務的には〇・五センチ、五ミリくらいの厚さが好ましいというふうに考えられますし、一昨年十一月に出ました郵政審議会の近代化に関する答申でも〇・五センチくらいというようなことが明記されておりましたのですが、しかし、なかなかただいまの仰せのようにはかることもむずかしいと思います。それから内部で移動するものなどもあるというようなところからしまして、一応めどとしましては一センチくらいの厚さのものを考えておりますが、その運用につきましては少し弾力的に考えてまいりたいと思います。
  48. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、いまの厚さに関してだけは省令で定めるといいながらも、運用でできるという幅を持っております。それならば、この一号全体の寸法に関しましても、もう少し幅を持つようなことが省令で配慮されてしかるべきだと思います。この寸法に関しても、前に言ったと同じ思想で考えていただきながら、同時に厚さに関しては、特に一センチなんという厚さに規定されてこれでやられますと私はずいぶん困ることが起こると思いますよ。ですから、どうしたらよいのかわかりませんが、こんなことを厚さを五ミリとか一センチということでPRされても、いままでよりうんと窮屈になるだろうという印象だけが残ります。しかもこれらを皆さんのほうで、これの厚さでよいとか悪いとか一々はかってくれと言われたら、言われたほうが困ってしまうと思います。ですからこの種のことは、あまりいままでなかったほうがりこうなのであって、あると、私どもが行ったときに、五百枚も千枚も持ってきまして、厚さが適合するかどうかはかってくれ、していないものはもらっていくからと言われたら、窓口で意地悪くみんなはかってもらったら、おそらく応接にいとまがないと思います。規則としてこの厚さが省令できまり、幅はどうということがきちんと出た以上は、やらなければいけません。それは労働組合に対しても、一つの規定があるのだから守れとおっしゃる、それはあたりまえだと思います。規定ができてしまった以上はその範囲でやろうというのがたてまえでしょう。同じようにこれだって、こういうふうな数字がここに出てしまって厚さが省令で〇・五センチとか一センチと出てしまったら、かえって非常に窮屈になるという感じがしますから、これもひとつ十分省令をおきめになるときに配慮をされるべきだと思います。こんなことはかえって窓口の業務を繁雑にするし、国民にはサービス低下の印象を与えるし、実質的に益は何もないと感ぜられるので、それを避けるようなうまい省令を何か考えたらよろしいという感じですから、それを申し上げておきます。  それから重量が五十グラムをこえないことということで、先ほど冒頭に申し上げましたように、この点もやはり窓口に行った者がいつでもはかれるようなものがございませんと——こういう規定をするならば、これらは確かにある程度の制限は必要だと思います。これはある程度じゃなくて絶対必要なんです。しかし行ったときに、一々すみませんがはかってくださいと言わないで、人件費を節約する意味からも、機械も一台置いて自分ではかれるようにしておかないと——これは冒頭に局長から答弁があったからいいのですが、五十グラムということがここできまっておるのですから、さっき言ったサービスの面で自分ではかれるようにしてもらうことがここでも必要だという感じがしますから、冒頭の問題と一緒に検討してもらいたいと思います。  それから三号で、「省令で定める場合を除き、その外部に、差出人及び受取人の氏名及び住所若しくは居所以外の事項を記載し、又は他の物を添附しないものであること。」ということがはっきり規定されておりますね。いままであったのかないのか知りませんが、このことも、たとえばあて名以外に、親展とか気付とか侍史とか御机下とか書くこともあるが、こういう居所以外の事項を記載してはいけないくらいなことは常識上われわれ国民はわかっておりますから、こんなことをわざわざ何を好んで書くのかという気がするわけですよ。これはあと同僚の質問の先生方が一ぱいおられますから、いろいろまた質問があると思いますが、これもひとつ十分検討しておいて、あと質問があったときに答弁ができるようにしてもらいたい。こんなものは書く必要がない、こんなものは書いたほうが損だという気がいたします。すべきではないと思います。これは時間がないですから答弁は要りませんが、あと考えておいていただきたい。  それから次の四号で、「受取人の氏名及び住所又は居所の全部又は大部分をかなの活字で記載するものにあっては、省令で定める記載上の要件を備えるものであること。」というのですが、いままで何かそういう事例があって、今回特に何かを変えたのか、新しくこれだけをいまここでおきめになろうとするのかお聞きしたい。
  49. 長田裕二

    長田政府委員 第四号の「かなの活字で記載するもの」についてでございますが、現在考えておりますのは、普通パイカ活字といっているそうですが、一センチの範囲内に四字入る活字でIBMなどの機械で扱かわれておりますあの活字を限度にいたしたいと考えております。かなであて先などを書かれますと、実は非常に読みにくくて相当能率が下りますので、こういう場合には、ここに省令で規定いたします内容といたしまして、分かち書き——何々県で一字あけて何々町で一字あけていただく、あるいはわきに線を引いていただくようなことをこの省令内容にいたしたいというふうに考えております。  なお、三号についての先ほどのお話がございましたが、外部記載事項等は、親展とかその他の文字はあて名と一体というふうに考えております。現在省令で外部記載事項の制限を現在の郵便規則でやっておりますが、現在の五種の規定をそのままこちらに移しましたわけでございます。こういう規定が要りますのは、封筒に広告文などを書いたりするのが相当ございまして、それがあまり広くなりますと、作業上も非常に困る点もあります。そういうような次第でこういう規定を移したわけでございます。
  50. 原茂

    ○原(茂)委員 前号の答弁は要らないと言っておきましたが、お聞かせ願ったのでもう一ぺん言っておきますが、それくらいなら、広告文等を記載してはいけないということのほうがぼくはベターだと思うのです。こういうことをもし規定するなら、第五種にその規定がいままであったのを移したそうですが、もしそんな広告文などを心配するなら、広告文等を記載してはいけないといったほうがいいのじゃないか。ずいぶん私などはインチキなことを書いているのです。小さくこちょこちょうまいことを書くと、向こうではすぐわかります。それはあて先ではない、住所以外のことを書いている。あて先以外のことをいろんなことを書いている。だけれども、手紙の内容ではないのですけれどもね。しかし、少し目くじらを立てられますとそれはいけないことになってしまう。だから、広告文等は書いてはいけないとかなんとか、それも一ぺん検討してみてください。さっき私が言った意向に沿って検討していただくことが必要だと思います。  それから、かなの活字で、この点も手で書いたのじゃ見にくいからというので、別に省令で定めて一字あかして何とかかんとかということになっているのですね。何々県、一字あかして何々郡と書くのは、かなの活字の場合に一字あかせるのですか、それとも手でかなで書いたときのみ一字あかせるという意味なんですか。
  51. 長田裕二

    長田政府委員 活字の場合だけでございます。
  52. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、手で書いたときに、かなで書いたやつはどうなるのでしょう。
  53. 長田裕二

    長田政府委員 実は手で書きます場合は、たいてい作業をする場合にも十分読めるような例が多うございまして、特に手で小さく書かれました場合のことは、実はあまり制度として予想しておりませんので、非常に多い活字の例を対象としたわけでございます。
  54. 原茂

    ○原(茂)委員 ここもちょっとひっかかるところですね。こういうふうに規定が出てくると、やはりひっかかるところなんですが、それもまたあとであいつのひっかかると言ったのはどうだろう、もしいい考えがあれば考えていただいたほうがいいのじゃないかと思います。  それから、「第一種郵便物で前項に規定するもの以外のものの料金」というその「以外のもの」というのはどういうものなんですか。
  55. 長田裕二

    長田政府委員 先ほど申し上げましたこの範囲外のものでございます。通常郵便物の最大限は、十七条に出しました長さ四十センチ、幅二十七センチ、厚さ十センチでございます。最小限は長さ十四センチ、幅九センチということでございますので、その最大、最小の範囲内で、この範囲に入らないものがちょうどただいま御指摘の条文に該当するわけでございます。
  56. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、以外のもので規定するのは重量だけですか。
  57. 長田裕二

    長田政府委員 五十グラム以上のものにつきましては重量だけで料金をきめてまいります。と申しますのは、機械作業などをやりますのは五十グラム以下のもの、ほとんど定形郵便物に限られますので、それ以上の大もの、厚いもの等につきましては初めからそういうものの対象外にありますので、従来の郵便料金と同じように重量だけできめてまいるわけであります。
  58. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると寸法は全然考慮しないでいいという考えですね。
  59. 長田裕二

    長田政府委員 最大限、最小限の範囲内でしたら、寸法のほうは全然関係ございません。
  60. 原茂

    ○原(茂)委員 前に御質問したところにまた返るのですが、時間があったらこれをもう一度チェックさせてもらいますけれども、ここで重量だけを中心に考えてきて、最大の寸法の範囲ということになると、さっきの寸法がもう一歩重要になってくるような気がします。  次に、「郵便書簡は、省令で定める場合を除き、これに他の物を封入し、その外部に他の物を添附し、又は原形を変えて差し出すことができない。」郵便書簡というのは、例ののりで両わきを張る書簡のことをいうのでしょう。封緘はがきとかいっておるものでしょう。「前項の規定に違反して差し出された郵便書簡は、」「第二項又は第三項に規定する第一種郵便物として取り扱う。」逆に言いますと、私が封緘はがきといっておるものですが、郵便書簡というものは物を入れてもいいのですね。物を入れてはいけないと私どもは従来頭から信じ切って習慣になっておりますが、この規定がここにできますと、入れていいということなんです。そういうことになりますね。
  61. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまの簡易てがみ——これでございます。これにつきましては、売価は十二円、料金が十円ということになります。考え方切手つきの封筒というような考えです。今度発行を予定しております郵便書簡は、製造費込みで十五円、一般の一種の定形と同じ料金でありましは、ちょうどはがきが私製はがきでも五円、官製はがきで製造コストを入れても五円、官製はがきと同じような性格のものになるわけでございますが、その形などからいたしまして、また料金が一種であるというようなことからいたしまして、たとえば中に写真程度のものは入れるということが使用の実情にも合うのではないかというようなことからしまして、一般の定形郵便物のように二十五グラムというところまで持ってまいりますと、取り扱いやすいということを眼目にして、製造費も込みで十五円としております趣旨等にも少し反してまいりますので、手札型の写真一枚程度を限度にいたしたいというふうに考えております。
  62. 原茂

    ○原(茂)委員 おっしゃることはわかるのですが、局長は写真一枚程度と言っても、入れるとなったらそんなものは二枚入ってもわかりませんよ、実際には。一枚程度というのは皆さんが机の上でお考えになるので、実際にやるのは入れ始めたら二枚でも三枚でも入れてしまうし、透かして見て手でさわってみると二枚程度だからいけないというわけにいかないし、実際にはもっと入ります。目方が多ければ金を取られればいいのですから、それはお考えでしょう。いままで私どもは、それには何にも入れてはいけないのだというのが常識だった。今度は郵便書簡というのですか、封緘はがきに物を入れてもよろしいという規定になるわけですね、ずばりと。
  63. 長田裕二

    長田政府委員 実はいままでも入れてよかったわけでございますが、今度料金を先ほど申し上げましたように規定しますことと関連いたしまして、ある程度取り扱いやすいところに限度を置こうということから、写真一枚程度と申し上げたわけです。具体的な省令のきめ方は十グラムぐらい、これ自体が五グラムぐらいの重さになりますから、十グラム程度を省令内容にいたしたいというふうに考えております。
  64. 原茂

    ○原(茂)委員 私はこれは入れていいようになったのは、初めていいようになったのだと思って、実はほっとした一人なんですから、反対じゃないのです。入れることはいいことだと思うのです。だけれども、一般のわれわれの常識では入れてはいけないのだと思っていたのです。これは私が音痴なのか知りませんが、おそらくいなかでだれに聞いたって、封緘はがきの中に何か入れてもいいと思っている人は一人もない。局長はいま聞いたら入れていいということですが、ばかみちゃったのです。ぼくらわざわざ別に十円で送っておったのです。いま局長に聞いて、これは非常にいいことをやったなと感心したところなんですが、大衆は実際にいま入れてはいけないということを思っていますからね。入れていいのだということをPRしていただきたい。それならこれはずいぶん助かりますよ。ただし写真一枚ぐらいなんと言ったって、そんなことはわかりませんよ。何を入れたってわかりやしません、薄いものなら。だから省令で何を入れるか知りませんが、入れていいのだということを徹底的にPRするということと、内容に関して、もし適切にしろうとの大衆にわかるように言えるなら言ってあげたほうが親切じゃないですか。これはもう入れてはいけないのだと思っておったのですから、これは入れていいのだというのですから、徹底的に教えていただきましょう。これはずいぶん便利です。では、これはひとつあと省令内容がどうなるかを期待したいと思います。  次に、そのいまのところで「原形を変えて差し出すことができない。」と言っているわけですね。たとえば、原形とは、いま持っておられる封緘はがきなんです。それをちょっと済みませんが…。これは始終書いていますから。これはこんなに要らないのです。ここを切っちゃうのです。これはないのですよ。そうしてこれだけ張るのです。この一番上を切るのです。これは原形を変えたことになるのです。実際には使用できないでしょう。はい、お返しします。
  65. 長田裕二

    長田政府委員 実はこの規定を置きました趣旨は、取り扱いに支障を来たさないようにということでございますので、ここらを三角にしてしまうとか、あるいはこれを二つ折りにするとかそういう形ではなしに、普通のはがき程度、今度発行することを予定しております郵便書簡も新しい型のはがきと同じ大きさにしたいと思っておりますが、結局はがきの区分機などにもやはりかかり得るというようなこともねらいとしているわけでございますから、あまり形を変えて、操作がしにくくなるようなことでは困りますので、この規定を設けたわけであります。
  66. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、三枚に折ってある一番こっちは切ってもいいわけだ。いいのですね。そうすると、その分だけよけい中身が入る、そういうことですね。いいのですね、それは。
  67. 長田裕二

    長田政府委員 仰せのとおりでございます。
  68. 原茂

    ○原(茂)委員 それではなかなか進歩していますよ。サービスがよくなっているほうだからいいのですが、その次終わりから四行目に、「但し、省令の定めるところにより」これはきっと前の規定なんでしょう。「年賀状として差し出された通常葉書料金は、四円とする。」これはサイドラインが引いてありますから削除する。それが今度はなくなっちゃっているのですね。要するに年賀はがきみたいなものはやめちゃうのだという意味ですか。
  69. 砂原格

    砂原委員長 ちょっと、参議院のほうでいま採決をやるそうですから、大臣に退席していただいて、すぐ帰ってもらいます。
  70. 長田裕二

    長田政府委員 年賀はがきをやめるわけではございませんが、年賀はがきを一円安くするという制度をやめることになるわけでございます。
  71. 原茂

    ○原(茂)委員 その一円安くする制度を、どうして、何の理由でこれはやめるのでしょうか。
  72. 長田裕二

    長田政府委員 長い間年賀はがきと普通はがき料金は同一でございましたのを、昭和二十六年の料金改正の際に、封書が八円から十円に、それからはがきが二円から五円にということで、はがきの値上がり率が二倍半になったわけでございます。かなり上がる率が高うございますので、大部分国民が相当数利用する年賀はがきだけは、一円でも安くしたほうがいいではないかということが一つと、当時はまだ郵便物の量と比べまして、要員、局舎等に相当余裕がございまして、年賀はがきの量が相当ふえましても、比較的低コストで扱うことができるという事情でございましたのと、さらにはこれは事業内部の問題かどうかということは問題でございますけれでも、戦後相当荒廃した社会情勢の中で、お互いの交信をまた深め合うということも社会的にも望ましいということなどが重なり合いました結果だと思いますが、一円安い料金をきめて今日に至っているわけでございます。その後の事情考えますと、年賀はがきの数も非常にふえてまいりまして、コストの面におきましても非常に大量に扱いますから、安いコストのようにちょっと思われますけれども、実は仮局舎を建てるだけでも五億円をこえる程度にまで金がかかってまいります。アルバイトの手配なども、金の面でもその他の面でも非常に苦労が多くなってきて、必ずしも現在の状態からいいますと、年賀はがきはコストが安くないということもございます。それからもう一つ、これは郵便本来の姿でありまして、内容が年賀のことばであるから安い、年賀のことばでなければ高いという点につきましては、実は通信の内容は見ないのがたてまえということからも、問題とすれば相当問題と言えるわけでございます。今回の料金改正機会に、普通のはがきと同額にしていただきたく、こういうふうにいたしたわけでございます。
  73. 原茂

    ○原(茂)委員 これも、郵便料を値上げするその代替としては、サービスが少しでもよくなるという国民の期待とはうらはらになるわけなんです。私は実は大臣にここで聞きたいという瞬間にいなくなったのですが、むしろお年玉つき年賀はがきばかりではなくて、通常の郵便の場合にも、世間の常識からいいまして、五千通だのあるいは三千通というふうにまとめて出すときには、そのかわり行く方向別にたばねてこいぐらいのことは言われてもけっこうですが、今度はがきは八円になるのでしたかしら、まあいい、幾らになるのか覚えていないのですが、八円なら八円、十円なら十円になる。そういう大量に出すときには、一円ぐらい下げるということを通常むしろ拡大すべきである。郵便料値上げを機会に、そういった面のサービスがなるほどできたのだという改正点というものはそうあまりないのでしょう、値上げはしますよと言っておきながら。あと第何種、第何種の扱いでどうこうすればいいのだという規定がありますよ。ありますが、それの規定に準じないでも、大量に出すものは、少量よりは多少でも安くできるというほうが正しいと考えていたのに、逆に最も大量に出す。これは逆に言うと、仮テントをつくったり何かの費用がかかるから上げてもらいたいというのだが、どうもこの精神は、もっと拡大すべきときに縮少されたような感じがするのです。したがって、こういう基本的な問題ですから、あとでお考えがあるならお聞かせいただいてけっこうですが、実は時間があまりないので、皆さんもないだろうと思うのですが、この問題に関しては、もうこういうふうにきめてしまうのだということでいろいろな計算ができておられるのかもしれませんから、いまどうこうしろと言う考えではありませんが、この精神は逆に、大量に出す人には拡大していくべきものであって、その方向が後退した感じを受けて、どうもこれは逆じゃないかという感じを私は持っておりますから、それだけ申し上げておきます。  次に、終わりから二行目の「郵政大臣の定める通常葉書又は往復葉書の規格及び様式を標準として、これを私製することを妨げない。」というのですね。この「私製することを妨げない。」のですが、また省令で何かきめるのでしょうか、たとえば目方に制限はないか、これが一つです。それから二つ目に、上にビニールみたいなのを張るのがはやっているのです。あれはビニールじゃないでしょうが、しかし相当厚いものを張りますと、永久にとっておけるほどじょうぶになる。たとえば私の写真を印刷しまして、どんなことをしてもよごれぬようにきれいに張るやつがいまあるのです。目方が相当重くなる。目方に制限がないのなら、相当永久にこれがとっておけるようなことができるのですが、一体目方の制限は考えていないのかどうか。表面にビニールのようなものを張っていいかどうか。
  74. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまの規定は今度の改正の中には入っておりませんので、いままでどおりのことでございますが、私製はがきのきめられております重量は二グラムから四グラムの間ということになっております。なお、張りつけますものは、一部張りつけ、シールを張るとかそのほか裏のほうに収入印紙を張るとかそういうようなことも予想しまして、一部ものを張りつけることは、現在でもできることになっております。
  75. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると、目方さえ四グラム以内なら、シールではなくてビニールを張ってもいいわけですね。
  76. 長田裕二

    長田政府委員 全面に張りますことは、ただいまの制度では、自分の書いた記事を訂正するためなら認めることになっておりまして、それ以外の場合に全面にものを張りつけることは、現在の郵便規則の上ではできないということになっております。
  77. 原茂

    ○原(茂)委員 これは私製ですよ。私製の紙で張りつけると私は言いましたが、事実は、張りつけるのだけれども、見た目には張りつけたなんて、目に見えなければいいわけですね。——けっこうです。これはこれからずいぶんはやりますから、そのつもりでひとつ……。  それから、「郵政大臣は、省令で別段の定をすることができる。」というのですが、何か別段に省令で定めをしなければいけないようなことがそのほかにあるという意味でしょうか。二行目にありますね。「郵政大臣は、省令で別段の定をすることができる。」何を予想して「別段の定をすることができる。」——いま私が言ったようなことを郵政大臣に頼むとできるようになるのか。何か別段の定めが必要なのか。
  78. 長田裕二

    長田政府委員 ただいま私が申し上げましたシールを張ってもいいとか、収入印紙程度のものを張ってもいいとか、そういうようなことを省令できめられているわけでございます。
  79. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。  それから、ちょうどまん中の二十三条の三項の二号ですか、「掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないものであること。」と第三種郵便物にあるのですが、しかし終期の予定されるものはいけないということになるのでしょうか。要するに、「掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないものである」というふうになりますと、終期が予定されるもの、三年で終わると予定される、五年で終わる、十年でこれはやめようという予定をされるものはいけないのかどうかですね。しかし何年ではあるのですよ。
  80. 長田裕二

    長田政府委員 この規定の予想しておりますのは、全集ものとか、そういうようなものを予想しておるわけでございます。ただいまの、では三年に限ったらどうかということになりますと、それが非常にはっきりしております場合は、終期を予想しているということにならざるを得ないかと思いますが、この規定との関係もありまして、相当長いものについてあらかじめ非常に明確にするものは私どもはあまり接しておりませんが、全集ものなどはこれの中に入るわけであります。
  81. 原茂

    ○原(茂)委員 終期を予定しているものがずいぶんあるのです。しかも第三種郵便物扱いをさしているものが一ぱいあるのです。ここにもおいでになる、私の知っている人、私なんかでもずいぶんあるのですが、実はごまかしているのですよ。自分の腹できまっているのです。その取り扱いをしているやつもちゃんときめているのですよ。いつやめるということを……。だからこれはほんとうに「掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないものであること。」ということに、この原則をきびしく適用されますと、いじ悪くやろうと思えば、ずいぶんこれは予定しているものがあるのですよ。だからその例は言いませんが、あとでこっそり来たら幾らでも知らしてあげますけれども、一ぱいある。実はだましているのです。そのことが現実に行なわれているのですから、「予定し得ないものであること。」というような、こんなばく然とした書き方をするくらいならやめてしまうか、もっと要領のいいことばで何か言いあらわさないと、おまえらうまくうそをつけと言われたような気がするのです。事実ごまかしているのですから。現実には違法を犯しているのです。そういうことにならないように、しかも現実に合わせるような表現のしかたなり何かを、これも検討していただきましょうか。私がまたひまのときに懇談をしていろいろとお聞かせいただいたり、私の意見を言ってもいいですから、こういう表現のしかたが妥当であるかどうかの検討をひとつやっていただく。現実には終期を予定しながら発行しているものがあります。第三種扱いをさしているものがあります。これからも数多く行なわれます。したがって表現のしかたに関して検討をしていただく。  それから「第三種郵便物料金は、重量百グラム又はその端数ことに六円とする。但し、毎月三回以上発行する新聞紙、官報及び公報」ということになっているのですが、この三回以上というのにどうしてこだわるのでしょうか。三回という回数になぜこだわるのかということですね。何の基準でこの三回ということになるのだか、これがわからないですね。ただ従来そうなんだからそのとおりするのだと言われたのではどうしようもないのですが、前にきめたときにあったのでしょうか、何かの理論的な根拠が……。毎月三回以上発行する新聞紙、この三回以上というのが、何の基準で一体そういうことをおきめになったのかをひとつ……。
  82. 長田裕二

    長田政府委員 戦前は日刊紙とその他というふうな分け方でございましたのが、昭和二十二年の郵便法の大改正の際に、こういうふうに変わったわけでございます。おそらく週刊誌も入り得るということを予想したのではないかというふうに考えております。
  83. 原茂

    ○原(茂)委員 そうすると三回以上という、三回というものに対しては科学的な根拠というものはあまりないということですね。将来これは変えることができる、二回以上にしてもらうとずいぶん助かるのですよ。サービスという点から言いますと、いままで四回以上だったやつを三回以上に今度下げてくれたのか知りませんが、サービスという点から言うならば、国民の利便という点から言うなら二回以上にしてくれるとずいぶんと助かる、そういうふうに料金をとにかく上げるのだから、上げるのにかわってはこういうサービスがあるのだよというようなことを言ってもらいたいという立場から、またそうすべきであるという立場から言っているだけで、ほかに根拠はないのです。私も根拠はないのです。ただ利用する側からいうと、毎月二回以上にしてくれたほうがずいぶんサービスが拡大されたということになります。それが一つ。  それからこの「発行する」というのですが、発行される数量に対する制限なり規制が省令か何かであるのでしょうか。「発行人又は売さばき人から省令の定めるところにより差し出されるその一日分又は一部を内容とするものの料金は」とあるのですが、一体第三種郵便物料金が定められようとするその配慮の中に、発行されるものの部数の制限というものがあるのかないのか。
  84. 長田裕二

    長田政府委員 現在あまねく発売される——相当公共的なもので広く発売されるものというこの第三号を根拠にしていると思いますが、一千部以上ということを基準にして認可事務を取り扱っております。
  85. 原茂

    ○原(茂)委員 一千部以上というのは規定ですか、それとも省令ではっきりきまっているのでしょうか。
  86. 長田裕二

    長田政府委員 その点は、現在その事務は各郵政局でやっておりますが、各郵政局での内規と申しますかそういうようなことでやっておりまして、その点につきましては、実は一昨年秋の郵政審議会の近代化の答申の中にも、もう少し基準のきめ方を明確な形にすべきだというようなことがございまして、このたびの改正では省令でそれを記載することにいたそうと考えております。
  87. 原茂

    ○原(茂)委員 では今度は省令で何部という部数をきめようかと考えているわけですね。——これも省令ではっきりきまるとなると、いま言った三回以上というのを二回以上にしてくれたほうがサービスになりますよというのと同じように、部数をできるだけ少なくしてくれることが、郵便料を値上げしたときに国民に対するサービスとして考えたのだということになりますから、あまり上増しをしないでできるだけ下増しをするように配慮してもらいたいですね。もし省令で部数をきめるなら、少ないほうがわれわれに利益するわけですから、そういうことをおきめになるのでしたら、また省令を中心に先ほどの御発言にあったように検討なされるでしょうが、ぜひこの点は低目低目に押えていただくようにお願いしたいと思うのです。
  88. 森本靖

    森本委員 ちょっと。いまの第三種の問題についての千部以上ということについては、各郵政局ことにやっておるのですか。もしそうであるとするならば、これは法律違反ですよ。
  89. 長田裕二

    長田政府委員 本省で大体考えをきめまして、各郵政局の運用の指針という形でやっております。
  90. 森本靖

    森本委員 だからその千部以上ということについては、東京郵政局では五百部、松山郵政局では七百ということではないわけであって、これは全国一律に千部以上という形をとっておるはずであります。ところがあなたのいまの答弁を聞いておると非常に誤解しやすい答弁になりますから、そういうことはきちんきちんと答弁していかないとあとで誤解を生じますよ。千部ということについては、全国を統一した見解として郵政省は行なっておるわけでしょう。三回以上ということは法律にちゃんとあって、それから残りの部数その他については省令で定める、こういうことになっておるわけであって、これを各郵政局ごとにまちまちにやるということはあり得ないはずだ。それをはっきりしておいてください。
  91. 長田裕二

    長田政府委員 仰せのとおりでございます。認可事務が各郵政局に権限委譲をしておりますこととからんで、私先ほど申し上げましたが、実態は仰せのように本省が指針として示し、それを各郵政局が認可する際の内規として運用しているわけでございます。  なお、月二回以上にまで三種の範囲を広めるようにという御意見でございますが、これは実は郵政審議会の答申では、むしろ日刊的なもの——日刊紙、日刊紙に準ずるものとして週三回以上発行するものと、それから月三回以上発行するものと、それより少ないものと三段階に分けるべきだ、それで料金に差をつけろという答申がございました。この新しく改正することにつきまして、いろいろ関係のほうとも打ち合わせたりいたしましたが、三回というきめ手がないから二回にしろというお話のように、また三回で差をつけてしまうということも非常に決定的なきめ手というものを論議の過程で見出すことはなかなかむずかしゅうございまして、結局旧来どおりということで落ちついたわけでございます。
  92. 原茂

    ○原(茂)委員 次に二十六条へいきましょう。二十六条一項の一号の二行目に「(筆書した書状を内容とするものを除く。)」とある。なぜ筆書したものを除くかというのが一つ。それから最近非常にプリント技術がうまくなりまして、まるで自分で書いたと同じようなプリントができるようになったのです。絵だってそうです。大観の絵が、技巧画と小さく判を押してありますが、まるで遠くから見ると大観の絵と間違うような絵を大観の技巧画として売っております。同じように、私が書きましても全く書いたと同じように全部あて名ができるのですよ。これちょっと見ますと、書いたのか印刷したのかわからぬものがありますよ。これはどこでだれが判定するのか知りませんが、その基準ですね。なぜ書いてはいけないのか。
  93. 長田裕二

    長田政府委員 これは通信教育のための教材を安くするという趣旨でございまして、これが普通の個人的な信書に至るまでこの低料金を広げるものでないという趣旨を規定したわけでございます。
  94. 原茂

    ○原(茂)委員 そうであるなら、「(筆書した書状を内容とするものを除く。)」とあるが、筆書してもいいじゃないかという気がするのです。これもわざわざ書いてあるけれども、そのとおりならむしろ局長がおっしゃるとおりのことを書くほうがいいと思うのです。この「(筆書した書状を内容とするものを除く。)」というのはそういう意味であったら、このカッコの中はどうもぴんとしないし、誤解を招くのじゃないかという気がするのです。それはひとつ検討してもらってけっこうです。  次に「盲人用の録音物又は点字用紙を内容とする郵便物」云々と書いて、「盲人の福祉を増進することを目的とする施設から差し出し、又はこれらの施設あてて差し出されるもの」は認可するわけですね。そこで、この料金の値上げの機会に、いま身体障害者の施設なども非常に国民的な世論でたくさんできるようになりました。こういうところへ、やはり国家的な機関ないしはまさに民間人の血の出るような金を集めてこれらの人々を慰安するための本部みたいなものができ、それからの通信なりいろいろな慰安のための郵便物がいくわけです。   〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕 あるいは農協から農協の数多くの組合員に対して、農協のやる農民のための本来の仕事を一律に通達しようというようなときに、第四種郵便物扱いをどうしてできないのだろうか。盲人だけに限るというのはどういうわけですか。もうちょっとこれも幅を広げて、少しいままでよりはサービスするということができないか、そういう質問です。
  95. 長田裕二

    長田政府委員 非常に気の毒な救済の手を差し伸ばさなければならない人はいろいろあるわけでございますが、その中で最も程度もひどいし、また区別もはっきりしやすい点字という形をとっておりまして、もう一見何の疑問もないというようなものにつきましてこれを無料にすることは、世界各国多くの国で行なわれておるところでございまして、日本も三十六年の改正からそういうことにいたしたわけでございます。
  96. 原茂

    ○原(茂)委員 おっしゃることはわかるし、各国ともほとんど盲人用だけですよ、こういうことをやるのは。あれはたしか無料にしています。  そこで、いまめくらとはっきりわかっていて程度の低い気の毒な人という規定をされたんだけれども、いまの身体障害者の中には、おしでつんぼでめくらで小児麻痺で、ヘレンケラーの三重苦より四重苦なんというのが一ぱいいるのですよ、重身体障害者なんというのは。その施設がいま全国にたくさんできつつあるわけです。ただ盲人で、目が見えなくてもきちっとあんまさんをやって、りっぱに自分で食っていける人がずいぶんありますよ。この人もお気の毒ですが、これ以上お気の毒なのは身体障害者なんですよ。実に気の毒です。家族の一人が始終ついていなければ便所にも行けない。外にはもちろん出ていけない。盲人のほうが一人でつえついて歩けますよ。もっと気の毒な人がいる。だから気の毒な、程度の低いとおっしゃるその精神をほんとうに生かしていただけるなら、もう少し拡大をすべきだ。これも大臣がいたら大臣に言いたいところだったんですが、あとでお伝えおきを願いたい。検討していただきたい。もっと拡張すべきです。私は料金値上げのこの際、サービスの拡張の対象として少し広げるべきではないかという意見ですから、あとで御検討おきをいただきたい。  それから二三ページのうしろから四行目「同一の郵便区内、」という規定がここに出てきたわけです。同一の郵便区でなければいけないことになるのですが、同一の郵便区の、しかも規定をしようとする場所が京都、大阪、横浜、神戸あるいは名古屋、北九州市というふうに規定がまた重なってあるわけです。私はまた拡大しろ拡大しろということを言って恐縮ですが、もう少し広げていいのじゃないかという感じがしますので、さっきの問題と一緒に検討していただきたい。これはこれだけでやらないで、もう少し拡大したっていいじゃないか、郵便料金を値上げするときに一緒にサービスしたらどうか、不公平じゃないかということを考えるわけです。それが一つ。  それからもう一つは、これは代議士という立場に返るわけですが、われわれがこの種のものをもし出したいと考えるときには、この規定だと、これに準じてやれる地域の人はある程度これは適用されますよ。この地域以外のところにいると、われわれ選挙活動じゃないが、日常活動をやるときに、第五種をやろうといったときに、不公平があるのじゃないかなという感じがするわけです。この点をちょっと教えていただきたい。
  97. 長田裕二

    長田政府委員 同一の郵便区は、御承知のとおり、全国の各集配郵便局自分の集配区域を持っております。それの集めるほうと配達のほうは食い違っているところがありまして、これは配達のほうの地域でやっているわけですが、その同じ配達区内、同じ郵便局の区域内にありますものにつきましては、途中の運送等の手数も省けますので、ほとんど配達だけで済むわけでありますから、二割引きにしているわけであります。東京とか大阪とか、そういうところの区については一般には地方の集配局よりも区域が狭いわけでございます。しかし、郵便物の量が非常に多いために、たとえば東京などでは一つの行政区の中に幾つも集配局などがあるところがございます。そういうところでは同一の郵便区という区切りだけではほかとのバランスがとれない、少し気の毒だということもございまして、こういう後段のきめ方をしたわけでございます。もっとも大阪あるいは名古屋のようなところに、一郵便局の郵便区内に行政区が二つもあるという逆なところもありますが、どちらも該当する区はこの規定の適用があるわけです。
  98. 原茂

    ○原(茂)委員 これもいま言ったように、私の感じで言いますと、何かここに不公平が起きると思うわけです。実際の例を知りませんから、このことは当を得ていないかもしれませんが、どうも不公平がどこかで起きる、そういう気持ちがしますから、これもひとつ検討していただきたい。  それから次の二四ページの第二十七条の二、一行目の下から「(郵便書簡及び市内特別郵便物を除く。)」というのですが、なぜこれだけ特別郵便物を除くのでしょうかということが一つ。それから「又は第二種郵便物(料額印面のついた郵便葉書及び公職選挙法の規定による選挙運動用の通常葉書を除く。)の料金については、」というのですが、なぜ一体これだけは除くのか。これはわからないから聞くだけです。
  99. 長田裕二

    長田政府委員 第二十七条の規定は、実は今度の改正によりまして現在の一種と五種とが統合される。その結果、全体を定形郵便物と非定形郵便物に分ける。定形郵便物については、現在の一種、二種と同じように比較的早く送達するというやり方をとっております。統合の結果、早く送達すべき郵便物の量がある程度ふえてまいりますので、大口差し出しの人たちについては、従来報償制度で協力を要請しておりましたのを、さらに安定した高額の割引ができますように法的に裏づけようという規定でございます。そういう趣旨からいたしますと、郵便書簡及び官製はがき、料額印面のついた郵便はがきについて見ますと、せっかく区分の協力をしてくれましても、消印をしなければなりませんために、一ぺん区分してそれぞれ把束をしたものをまたほぐして消印をする。いわば区分の協力の実が利用者の側から見れば十分あがらない。こちら側から見ますとやはり同じようなことになるということからしまして、二十七条の二の規定を大体別のほうの郵便物に限ろうとするものでございます。また大量に差し出されますよものも、従来の例から見ますとほとんど別のものになっている例が多うございます。そういうような観点から規定したわけでございます。  それから市内特別郵便物は、二十七条の二は一割までの割引でございますが、これは二割の割引をもうやっておりますために除いたわけでございます。  公職選挙法の規定による選挙運動用の……。
  100. 原茂

    ○原(茂)委員 それはいいです。それはわかります。  一番最後の「その合計額の百分の十に相当する額をこえない範囲内において、これを減額することができる。」これはまた省令で定めるということになるのだと思うのですが、「百分の十に相当する額をこえない範囲内」ということは、数量その他によって段階が省令できめられる、こう解釈していいのですね。
  101. 長田裕二

    長田政府委員 数量も若干関係いたしますが、区分の協力の程度等によりまして、あるいはまたそれと結びつきました状態で優先扱いをしなくてもいいとか、そういうようなことも考慮に入れまして幾段階かの割引率を適用しようというわけでございますが、これは先ほどのお話にもございましたし、省令で規定することを考えております内容も早急にお目にかけることにいたします。
  102. 原茂

    ○原(茂)委員 これはやはり省令が出てきてから相当検討さしてもらわなければいけない問題があるでしょう。  それから「一郵便物取扱量が大量であり、」というところと、「二同一差出人から形状、重量及び取扱いが同一のものを同時に三千通以上」というところ、この一と二は同時にこの条件が具備されなければいけないのかどうかが一つ。それから「時期により変動する郵便局」というのは何のことか、私はしろうとでわからないから聞かしていただきたい。その次に「三千通以上」というふうにここで数字が初めて出てきたわけですが、三千通以上で幾らというなら、先ほど言ったように二千通なら幾ら、あるいはどのくらいなら幾らというふうに段階があってしかるべきだと思うのですが、これもあと検討してきめられるのかどうかです。
  103. 長田裕二

    長田政府委員 一号と二号は両方の要件を満たさなければならないことに考えております。それから、時期により取り扱い量が変動する郵便局といいますのは、郵便はどこの局でも、こちらが自主的に作業量をきめるわけにまいりませんので、ある程度変動するわけでございますが、特に大都会の郵便物におきましては、たとえば会社の決算期とかあるいは徴税の時期だとか、そういうようなことによりまして非常に著しい変動を起こすことが多うございます。大都会の郵便局でなくても、たとえばうちわの名産地とか特殊なところで、ある時期だけ量が非常に多くなるというような局がございまして、そういうところにつきましては、ふだんからそれに応ずる要員を用意しておくわけにまいりませんので、そういうピークの際は、できるだけ差し出し人の協力を得まして、ほかの郵便に支障を来たさないようにという趣旨でございます。なお三千通以上に限定いたします理由は、この場合の協力は最小限府県区分程度とこちらは考えておりますので、府県区分をいたします場合に、三千通以下の量ですと、非常に多い県、少ない県等もございますために、せっかく協力してもらいましてもあまり実効が上がらないわけであります。相当多くなりますとたいていの府県に把束といいますか、十通以上くらいずつ出てきますので、あと作業が非常にやりやすくなるということなども考えまして、三千通に押えたわけでございます。
  104. 原茂

    ○原(茂)委員 およそ郵便局の業務でわれわれが困るのは、三千通というものが出てきますね。そうすると二千八百九十通のときに困っちゃうのです。惜しいなと思うが無理していろんなことをやるわけです。これはやはり料金値上げのサービスの拡大という趣旨なんですが、ここのところももし省令や政令できめることができるなら、少し段階というか、もうちょっと幅を持たせられないかということです。表現のしかたです。どうもちょっと少ないので困ることがずいぶんあるのです。だからこの点はもう一度掘り下げて検討する必要があると私は考えています。三千通と書くと、何かそこにアローアンスを少し置いてもらいたいというように考えるわけです。  それから次の二十六ページ、三十五条「(無効な切手類)汚染し、若しくはき損された郵便切手又は料額印面の汚染し、若しくはき損された郵便葉書若しくは郵便書簡は、これを無効とする。」というのですね。ところで、たとえば切手なら切手のところが汚染されたものが無効になるのです。その汚染されたものが、出す前じゃなくてポストに入れてから汚染されたようなやつはどうなるのですか。その認定がきちっとできますか。
  105. 長田裕二

    長田政府委員 ポストに入りましてから汚染するという例は非常にまれかと思っているわけでございます。郵政省の扱います範囲に入ったわけでございますから、ポストに入りましてから汚染しましたものについては、無効ということにはいたさないわけでございます。
  106. 原茂

    ○原(茂)委員 多分そうだろうと思うし、あまり汚染はないだろうと思うのです。だけれども、冒頭にちょっと申し上げたように、お役人根性といいますか、一方的にかってにきめているのですが、われわれの側からいいますと、ポストに入れてから配達の途中で汚染されるというようなことだってあるじゃないかと言いたくなるわけです。したがって、郵便局というか、局の側というか、皆さんの側で汚染したときにはこの限りにあらずという、はっきり自分たちに対する自戒の条項も何か一緒にくっつけたらいいじゃないかという感じで言っているだけです。実は実例が一つだけあるのです。というのは、間違いなく私のところに来るまでにとんでもない汚染をされたのがありました。一回だけです。私の経験は。向こうからそんなことになっているのじゃないことは、それの内容でわかります。   〔加藤(常)委員長代理退席、委員長着席〕 そのときにはおまえの責任じゃない。こっちの責任のときはこの限りにあらずということは、必ずこのときには出てこなければいけないのじゃないかという気がするので言っているだけです。おまえしろうとだから、わからないとおっしゃるかもしれませんが、そんな必要があるならば何か書くべきだと思う。おまえ汚染したら罰金だというより、おれのほうが悪かったからそうじゃないということを書く必要がある。感じだけですから、これはひとつ検討していただきたい。  それから二十六ページのおしまいから二行目のところに、「当該郵便物が速達としたものでも、速達の取扱をしない。」と書いてある。速達で出したものが受け取り人がいないからといって返ってきた。そのときにはゆっくり返してやる。速達で出すほどに急いでおるから、高いお金を出してやったわけです。ところが善意で、きのう引っ越した、ついに行く先が引っ越し中でわからなかったといって返されるときには、それは速達で返さない。これは不親切に通ずると思う。速達で返すのが原則であって、ただし、何々の場合には速達にしないとか、速達の取り扱いをしないと規定されると、速達で出すほど忙しい内容と、受け取り人が何かの理由でいなかったとか、渡らなかったというときに、返すときにはのんびりと普通で返されたのではたまったものじゃない。こういうふうに文字があると何か心配になるわけです。だから速達の取り扱いをしないというのは、私は原則として速達で取り扱うべきであるというのが一点。  その次に、「配達の際あらたに受取人に左の料金を納付させる。受取人が納付しないときは、差出人がこれを納付しなければならない。」こういうふうにあるわけですね。四十四条の規定が……。いま言った速達の取り扱いはしないという、そういう考え方や、「その届出の日から一年内に限り、これをその届出に係る住所又は居所に転送する。」四十四条の一項にそういうことが書いてありながら、「受取人が納付しないときは、差出人がこれを納付しなければならない。」というのですが、料金を納付させようとしたが受け取り人も納付しない。差し出し人がこれを納付しようとしたのだが、何かの都合で納付はしない。それでも「届出の日から一年内に限り、これをその届出に係る住所又は居所に転送する。」というふうに解釈していいのですか。ここに「納付しなければならない。」と書いてあるのだが、納付しないとき一方には一年内に限って、それで「届出に係る住所又は居所に転送する。」とはっきり義務をうたってあるわけです。ところが次に、「左の料金を納付させる。」とある。しなかった場合、善意にできなかった場合、この条文と前項と一体どういう関係になるのかということがお聞きしたかったわけです。  それから小包郵便物だとか書留速達、通常郵便物に限ってこのことが規定されているようですが、どうして普通のはがきでございますとか、普通の第一種郵便物でございますとかいうものに関してはこの配慮をしないのか、不親切ではないかというふうに感じますので、三つに分けてお答えを願いたい。
  107. 長田裕二

    長田政府委員 第一のお話の、速達郵便物を転送する場合に、あて先から転送先までの間の取り扱いを速達にしないという点でございますが、大体そういうような場合には転送にまた時間がある程度かかりますために、速達の効果があまりあがらないのではないかということが一般的に考えられますのと、その場合に速達料金を必ず取って転送するということにいたしますと、目的は達していなかったにもかかわらず、速達料だけ取られるという結果になる場合が大部分かと考えられますので、これにつきましては速達で送るということにいたしてないわけです。  それから第二点の小包や書留とした通常郵便物の転送の場合は、これは相当コストがかかります。小包につきましても、かなりコストがかかります。そこで、かかったコストを、通常郵便物程度でしたら無料で転送いたしますけれども、小包や書留のようなものは、小包については相当コストがかかります。書留については、書留にしなければならない事情があった郵便物ですから、これは書留にするのが当然でございます。そういうものについては、経費も普通の郵便を転送する場合と違ってかなりかかりますので、もらうということにしなければならないと考えているわけでございます。  それからなお第三の御指摘の点でございますが、受け取り人も差し出し人も払わなかったらどうするかという問題でございます。受け取り人は郵便の受領を拒否することができるわけでございます。受け取り人から料金事情もあって受け取りを拒否されれば差し出し人に当然返すことになるわけでございます。差し出し人も拒否した場合は、不能還付郵便物として郵便局で保管しまして、一定の期間たちますと売り払う、そういうような措置をとるわけでございます。
  108. 原茂

    ○原(茂)委員 時間がないので……。いままでよりもっと時間がかかりそうな問題を次から用意しているのですが、三分の一ぐらいお聞きしているうちに時間がなくなってきそうなんで、いまの問題に関しては私は実はもう少し突っ込んで意見があるのです。次の機会があるかどうか知りませんが、それももう一度再検討してもらわなければいけない。  ただ一つだけ、小包郵便物、書留通常郵便物に関しては、書留の手数がかかる、小包は重たい荷物だからやはり金はもらうのだ、普通のはがきその他は無料で返すのだということに何か矛盾を感じませんか。人間が同じように運ぶのに、軽いからただでよろしい、しかし一人前の人間が運ぶことに間違いがないのですよ。だから全部取れというのじゃないのです。そんなことを言うとおこられちゃうから……。取れという意味じゃない、取るなという意味でもない。こんなことまで規定をするなら、普通のはがきや何かを除外するのはおかしいというふうに感じますが、これもおかしくないならおかしくないでけっこうです。ただ私はそういうふうに思っておるので、検討してください。  それから、答弁は要りません。私が聞きたいことを全部一ぺんに言っておきますから——もしこの次の機会がなければ同僚の委員から質問をしていただくかもしれませんし、あるいは別個に私が個人でお伺いするようにしてもいい。とにかく聞きたいことだけを全部言っておきます。それをあとでお答えいただくようなら、個人的でもけっこうですし、この委員会で同僚委員からの質問にゆだねてもいいです。チャンスがあれば別途にやります。  その次にお伺いしたいのは、五十二条ですか「郵便物の還付」というところで、この条項が私にはちょっとわからないところがあるのでお聞きだけしておきますが、同じく第一項に「受取人に交付することができない郵便物は、これを差出人に還付する。この場合には、当該郵便物が速達としたものでも、速達の取扱をしない。」というのは、もっと突っ込んでお伺いしたい。これはさっきのと同じ問題です。  その次に「第八十一条に規定する場合、第四十二条の規定により棄却された場合並びに前条の規定により受取人が受け取った場合を除いて、これを差出人に還付する。」こういうことをいっているのですが、私は、これはおこられるかもしれませんが、善意に、配達人がたずね当てなかったときはどうか。悪意ではない、善意に配達人がたずね当てなかったということが明瞭になった場合どうするのか。そういうときだってあり得るのだが、一体そういう場合どうなんだということをここで考えたわけです。  それから二十九ページへ飛びます。二十九ページの二行目の「全部又は一部を賠償する。」ということがここに規定されました。この一部というのは、どこでこの一部でいいということをきめるのか。たとえば「書留の取扱においては、郵政省において、当該郵便物の引受から配達に至るまでの記録をし、若し、送達の途中において当該郵便物を亡失し、又はき損した場合には、差出の際差出人から郵政省に申出のあった損害要償額の全部又は一部を賠償する。」という、要するに差し出し人の申し出が中心である場合に、「全部又は一部」という、その一部とは何を意味するのかがわからないから聞いているだけですから、これをひとつ教えていただきたい。  次の行の「郵便物内容たる物が現金である場合には、前項の損害要償額は、その現金の額をこえない額であって、」五万円というのは今度は「十万円をこえないものでなければならない。」ということに規定をしたわけです。送金は何十万でもできるんじゃないのかと思うのですが、この点はわからないのですが、何十万でも——五十万とか百万とか、できるはずなんですが、そのうち損害要償額というものだけは「十万円をこえないものでなければならない。」という、このことを一方的にきめているように思うので、これもあとで教えていただきたいことです。  それから次に損害要償額、七行目「前二項の場合において、差出人が第一項の損害要償額の申出をしなかったときは、損害要償額を三千円として申し出たものとみなす。」五百円送ったときに、記録がないのですが、損害要償額三千円という申し出があれば払うのか、ということを聞きたかったわけです。これは、もし払うとすると、ずいぶんお伺いしたいことが出てくるのだが、ということを私は疑問に思っておりますので、聞きたかったわけです。  それから二十九ページの終わりから二行目、「二千円を限度とする実損額を賠償する書留の取扱いをする。」というのですが、だれがどんなふうに算出するのか知りませんが、算出できるなら、何も二千円限度なんということにしなくてもいいじゃないかという感じがするわけです。その限度二千円というのは、どうして一方的にきめるのか、おかしいじゃないかという意味です。  それから次のページ、第六十条の三行目「速達の取扱は、郵政大臣の定める地域あて郵便物」——現在速達の配達をしていない地域、これが一体全国でどのくらいあるのか。どんなことが基準で速達の扱いをしないのか。これは実は、私たちの地元にも速達の扱いをしてくれというところがずいぶんいっぱいあるので、そのことをいろいろ今後考えるために必要なので聞かしていただきたいのです。  それから次の三十一ページ、第六十二条、配達証明。通常は、郵便料や書留料を値上げすれば、値上げの必要がないということになるのかどうかですね。この「配達証明の取扱においては、郵政省において、当該郵便物を配達し、又は交付した事実を証明する。配達証明の取扱は、書留とする郵便物につき、これをするものとする。」だから、配達証明というものは書留にしなければ、配達証明という取り扱いができないから書留にするのだというなら、書留の料金を値上げをしてあるなら、これにその上にまたなぜ六十円を七十円にするというその十円を上げるのか、あるいは、十円上げるとすれば七十円を八十円に上げるのか。書留のところでもうすでに値上げをしているのだったら、配達証明というものは本質的に書留でなければ配達証明ができないのだから、そのときにその上にまた今回値上げになるというその上乗せる部分の理由ですね。そんなにしなくてもいいんじゃないかなという感じがするものですから、それを聞きたいという意味です。内容証明も全く同じように聞きたいわけなんです。それから、代金引換の場合も同じです。  次に、六十八条。終わりから二行目の「賠償金額は、左の通りとする。」というふうにあって、「書留とした郵便物の全部を亡失したとき申出のあった額」次の二号も申し出のあった額と書いているのですが、「申出のあった額を限度とする実損額」というその「申出のあった額」が幾らでもいいのかどうかという心配といいますか、疑問が起きますので、これはあとで教えていただきたいというふうに考えたわけです。  そこで、大臣がいま来られましたので、大臣にお伺いしたいのですが、いま各国の郵政業務というものを、よくはわかりませんが、数字をとらまえて一応見てみますと、特に郵便業務の範囲内では収支の点でいずれも赤字になっている。最近になればなるほど赤字が多くなっている、アメリカにしても何にしても。そういう中で、なぜ一体いま郵便料を値上げして赤字にならないような配慮を日本だけはやらなければいけないのか。要するに、諸外国におけるこの種の赤字をがまんをしているということも、郵政事業の公共性というふうな観点に重点を置いて、ある程度の社会保障をするというような精神から、この赤字に対しては赤字のままでずっと今日まできているんじゃないかという感じが私はするわけです。わが国の場合でも、公共性という点からいって、郵便事業というものは最も大きな公共性を持った仕事だと思う。そういう点からいうなら、国家がだからこそ、公社にもあるいは何々公団にもしないで直接おやりになっているということとも関連して、多少郵便業務による赤字があったって、それを国の立場で補てんをしていって当然ではないかというふうに考えるわけですが、この点について一点、大臣のお考えを聞きたい。  それから、郵便のすべての配達が——いろいろな種類郵便物が配達されるのですが、いろいろなことを国民の側に対しては、料金は幾らでこういうことをしたら違反だとか、こういう内容ではいけないということをきめつけていますが、すべての郵便物を配達の責任を負っておられる郵政の側としたら、各種郵便物に対して最大限度幾日あるいは何時間以内には配達するという責任を負うべきだと思うのですが、全然その種の郵政省側の国民に対する責任、料金は取っておきながら、うっかりするといついくかわからない。常識で二日くらいでいくだろうと思っておるという調子でわれわれもなれてきています。しかし現実には料金を取り、いろいろな規則を当てはめて、これに規則を与えるからには、国の立場で何々の種類郵便物は幾日以内には必ずやる、それ以後におくれたときにはそれ相応の賠償なりその他をやるんだというたてまえで何かの形で打ち出さなければ不公平じゃないかというふうに考えますが、一体各種郵便物に対する配達の責任、期限というものをどういうふうに考えるか、はっきりとそのことをきめて打ち出していただくべきではないかというふうに考えますが、それが二点目。  それから第三点目には、郵便の取り扱いの時間というものが局によってみんなきまっているだろうと思うのですが、料金を値上げした機会にこの取り扱い時間というものを私はもうちょっと幅を広げていただく。要するに、サービスというものを——大臣いないうちに私言ったのですが、料金を値上げしたらそれにつれて何かサービスをしたらどうかというたてまえで言っているわけですが、いままでの取り扱い時間というものを多少でも広げる。これは郵政の従業員諸君に労働強化しろという意味ではない。やはり科学的、合理的に人の配分なり時間の割り振りをやって、ふやすなら人をふやしてでも、これはもう少し取り扱い時間を場所によって広げるということを、現行のままでいくのか。広げるべきだと思うが、その御意思があるかどうかを三つ目にお聞きしたい。  その次に、改正料金全体の算出の基礎というものが科学的にきちっと把握されているのかどうか。この算出の基礎に関しては私は相当時間をかけてお伺いしたかったのですが、もう時間がないので、あとでお聞かせいただいてもいいのです、ほんとうの基礎は。しかし、一応お持ちでしたら、改正料金というものはこういう算出の基礎があってこれだけ上げたんだ、これにはこういうふうな原価計算ができているんだというようなものをお聞かせをいただきたい。これは大臣から四つ目にお伺いをしたい。  それから、先ほど申し上げたように、徹頭徹尾PRはすべきだ、こういうふうに思いますので、そのPRはさっきおやりいただけるという答えもございました中に、民放を使って——民放テレビですが、それを使ってでもやるべきだと私申し上げたのに関してはお答えがなかったのですが、NHKも協力してくれるからというだけではいけない。もう新聞や何かがいかに出してくれても、それでは大衆の目はなれていまして、テレビでなければよくわからない。したがって、テレビは徹底的に使うべきだ。NHKばかりにただで協力してもらうだけでなくて、予算も行使して民放を使ってやってでも周知徹底さしていただきたいと思いますが、答弁漏れのつもりで四つ目にそのことも大臣からお伺いをしたい。  一通りのお答えをいただいただけでそのあと追っかけて質問する時間がないようですから、あとに護りますので、いま言った四つをお答えをいただきたいと思います。  最後に資料の要求をしておきたいと思いますので、委員長にお願いしたいのですが、一つは、諸外国の年度別の郵便物引き受け数ですね、そういうものを、日本の年度別の引き受け数と対比できるような資料がひとつほしいのです。  二つ目に、諸外国の郵便料金国民所得との比率を知りたいわけです。その資料をお願いしたい。  最後三つ目には、諸外国の郵便物の寸法、重量、その制限と割り引きをする取り扱い内容というものを、日本との比較ができますような資料を三つ目にお願いをしたい。  以上の資料要求はあとのことでけっこうですが、四点だけ大臣からお答えを願って終わりたいと思います。
  109. 郡祐一

    郡国務大臣 冒頭、先ほどの答弁に触れてのお話の周知宣伝の方法でございますが、これは現在予算で見ておりますのも、約三千万円ばかり見ております。それから、その中に民放の利用、主としてなるべく数多くというスポットを考えておりますけれども、民放利用の予算も含めております。これは大いに民放にも御協力を願うように、この予算は十分活用いたしたいと思っております。  ただいまお尋ねの四点でございますが、第一には、郵便事業会計というものの性格から非常に経理の苦しいもの、これは私もそう思います。諸外国の例を見てみましても、確かにアメリカでは、たとえば一般会計から必要に応じて見ております。しかしながらこれも一九六三年に、ある程度見ながら同時に料金の引き上げをいたしております。それからイギリスにいたしましても、これはイギリスのベン郵政大臣が先般見えましたとき、自分の国は現在労働党が政権をとったが、やはり労働党になってもまた二度目の料金引き上げをしなければいかぬ、郵便事業というものはまことに苦しいというようなことを相ともに言いました。ただそのときに申しましたのは、両名とも期せずして意見が一致しましたのは、何とか郵便事業では物数をふやすということが大事なのだ。これは先ほどお触れになりましたが、アメリカだのを私自身見ましても物数が非常に多い。イギリスでも多い。日本の物数を何とかしてふやしてまいる、そうして積極的な意味合いを持たないと、この会計というのはなかなか苦しいし、従業員の処遇はなかなかむずかしい。それで、いまの日本の特別会計がやはり企業的に経営いたすということをいうて、そして独立採算を考えております現状、これは私は日本の現在のそれぞれの企業の状況からいって、一般財源にもゆとりのない現在、どうも補てんをする方法が外部資金によって、そうして利息をつけて返すというのでは、後年度の利用者の負担になりますし、それから日本の現在の財政状態全体から見て一般会計からの補てんということが困難であれば、どうしても料金にたよらざるを得ない。しかしながら、御指摘になりましたように、料金を値上げして、何か窮屈なところを、ことに提携していくようなところなどはよほどよく国民にわかっていただかなければ、窮屈にさしたような感じを持たれると思います。それを私どもひとつPR、いろいろ示唆に富んだお話をいただきましたが、ひとつ乗り越えて物数の増加をしていくということによって改善をしていくのが一番本筋じゃなかろうか、こんなことを考えておる次第でございます。しかし、外国のいろいろな例等は——私たちは郵政事業の立場から決して一般会計を論じているのではない、郵政事業の立場から、十分外国の例などを私は検討いたしたいと思います。  それから、二番目の送達時間の点でございます。これは私非常にごもっともだと思います。これから年次的な計画を追いまして、御説明の中にも申したかと思いますが、ことし、とにかく四十一年度で、その日の夕方五時か六時までに出したらば、一〇〇%汽車に乗るなり飛行機に乗るなりして、そして翌日主要都市に届くのだ、それが今度は自県と他県との間、大都市の周辺の県との間、こうしたことも同時にはかってまいり、あるいは夕方に出しましたものが翌日に送達ができるというところに標準は置かなければいけないと思います。私は、これは働いてくださる従業員の皆さんの御了解も十分得ておりますが、大都市間の航空機がこれだけ発達いたしましたから、大都市間についてはいつの時間に出したらいつ届くということが一応計画表でできております。それをある程度そのとおりにならなかったら料金を返せというような受け取り方をされましても初めはちょっと困るかもしれませんけれども、とにかく国民皆さんに、こういうことでやっております。これからもし東京から福岡に出した郵便が、あるいは東京から静岡に出した郵便がその時間に届かないならば、それはおかしいのだからということを、国民皆さんに送達時間の表でもはっきりわかっていただくように公表してみたらどうだろうか、そして私どもの責任を、また国民の皆さまにも御信用をいただく、そうしてその範囲が次第に広がって、日本全国には夕方出した郵便は翌日には一〇〇%届け先に持っていけるのだというところまで持っていけるような送達速度の改善というものは、ぜひこの機会にお約束もし実行もいたしてまいりたいと思います。  第三番目の執務時間の点でございますが、御承知のようにこれは郵政省設置法に基づきまして告示がされておりますが、この執務時間はわりあい、休日は別といたしまして、平日は午前八時から午後八時、集配事務を扱います特定局では午前八時から午後六時、無集配特定局では午前八時三十分から午後五時というように、取り扱い時間は充実してやっておるように思います。ただ私のところに投書などいただくのも、中の人間がおるのに昼めしなどといって休んでおったというような御投書はじかに非常にいただきます。したがいまして、執務時間の改善をいたします点は、これはひとつ十分郵政部内で勉強させていただきたいと思います。この告示の出ました時期を見ましても、もうそろそろその時分よりはもう少し執務をいたしてもいい時期に世の中は落ちついてきておるのではなかろうか。いろいろ事情はございましょうが、私は現在の告示の時期を見ましてそんなことも部内で申しておるような状況でございます。  それから第四番目に算出の基礎でありますが、これは確かにきちんとした根拠が必要なものでございます。ただ総括原価主義によっておりまするために、三種等で軽減しております分が勢い一種のほうでかぶっております。またこれはいろいろな御計算があると思います。二種のほうでは、まずまず私どものほうの想定原価でございますと、原価に近いところで七円というものをきめた。しかしこれは一番初めのお尋ねの、一体独立採算をどこまで貫いていくかということとうらはらになる問題でございますが、一応ただいまの総括原価主義で独立採算を前提といたしまして各種間の均衡をはかろうと努力した次第でございます。
  110. 原茂

    ○原(茂)委員 御答弁いただきましたので、これで質問を終わりたいと思いますが、いずれもこの問題こそ実はもう少し、私自身意見もありますのでお聞きいただきたかったわけですが、きょうは時間がありませんので、保留して後刻に譲りたいと思います。これで終わります。
  111. 砂原格

    砂原委員長 午後二時より再開することとし、この際休憩をいたします。    午後零時五十八分休憩      ————◇—————    午後二時二十一分開議
  112. 砂原格

    砂原委員長 これより会議を開きます。  郵便法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。佐々木委員
  113. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 今回の料金の改定によりまして、大体どれだけ増収があって、それをどういうふうに使われるのか、概略の御説明をいただきたいと思います。
  114. 郡祐一

    郡国務大臣 四十一年度の七月一日から値上げをいたす案でございますので、初年度においては二百八十六億、これを平年度化いたしますと三百六十四億に相なります。そうしてこの中身は、何ぶんにも八割に及ぶ人件費を持っておりますから、そうした仲裁裁定による次第に人件費の重圧もございますから、そのほうにも当然見てはまいりますけれども、この機会に従来心がけておりました郵便事業の近代化、ことに送達速度の確保という点に主眼を置きまして、したがいまして、遠距離については自動車による輸送であるとか送達であるとか、それから近距離につきましては専用自動車便の増加等もいたしますし、またごらんのとおり百七十五億、前年度の五割増しの郵便局舎の改善をいたすとか、そういうような近代化をはかることにいたしております。そして一挙には各種の窓口事務の機械化、整とん等もできませんけれども、そうしたほうにそれぞれ向けまして、一昨年末ちょうだいいたしております郵政審議会の近代化の答申にでき得る限り沿うように使ってまいる、そういう中身にいたしております。
  115. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 予算委員会の総括の締めくくりでお伺いをいたしたのでありますが、この郵便料金の改定の基本はどうも過去の赤字、あるいはこのままでほうっておいては赤字になるからというので赤字解消を中心としてつくられたような印象を受けます。いまの郵政大臣のお話のような積極的な意味を持つならば、これから増加する収入の中で直接に新しい事業にどれほど、どういう年度に投資をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
  116. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、来年度におきまして二百八十六億円の増収を見込んでおりますが、そのうちで八十二億円が事業の近代化に向かうものと考えております。八十二億円のうちの約六十億円を建設勘定としまして局舎の整備、新営に回します。残りの二十二億は郵便の機械化等の近代化に使用することに相なる予定であります。あとは引き続きます昨年度と同様赤字分、それから仲裁裁定等の人件費、それから自然増に伴う物件費、こういうことに相なっております。
  117. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 本来五カ年計画で郵政の収支を安定するというたてまえであったのが、いろいろの事情で三年間の方針を立てた、こう書いてありますが、もっと詳しく、新規事業に三年あたりどうどうというような、もうちょっとしろうとですからわかりやすく説明してくれませんか。
  118. 長田裕二

    長田政府委員 ただいま経理局長が申し上げましたように、四十一年度に局舎に五十九億、その他近代化に二十億余りを使うことにしているということでございますが、局舎につきましては、引き続き次年度以降今後の五カ年のもくろみを基礎にいたしまして建設を進めてまいる所存でございますけれども、次年度以降は財投の部分がだんだんふえてまいるのではないかというふうに考えます。  近代化、機械化につきましては、四十二年度におきまして機械化の関係で約四十億を予定いたします。そのほか通常郵便物の航空機搭載がことしの十月からに予定されておりますのを、四十二年度は一年間全部やりますので、七億六千六百万、郵便番号制度の経費を加えまして四十二年度で五十五億円、四十三年度につきましては同じく機械化の関係で二十九億円、航空機搭載九億余円り、全体で約四十億円、そういうものを近代化、機械化の関係に今後の三年間といたしますと予定しているわけでございます。
  119. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 どうも私がしろうとなりに聞いた話と違いますから、もう一ぺん具体的に伺いたいと思います。  まず四十一年度で航空機関係が幾ら、機械化が幾ら、番号制度というのが幾ら、その三カ年計画をきちっと出してください。
  120. 長田裕二

    長田政府委員 四十一年度では先ほど経理局長が申し上げましたところですが、その内訳を申し上げますと、まず第一に窓口事務の改善でございます。窓口事務の改善では、四十一年度は郵便料金計器五百十台、切手はがきの自動発売機をそれぞれ百台、別納料金受領証作成機二十台、郵便物の計数はかり三十台、そういうようなものを窓口事務の主たるものにしております。  それから局内施設の機械化でございますが、四十年度まで開発を続けてまいりました自動選別機を七台、自動取りそろえ押印機を九台、小包の自動区分機を九台、そのほか、これは建設費のほうに入ります搬送設備を二局、あと書状自動押印機を六十三とか、小包輸送用に使いますコンテナを約五百、コンテナ用のフォークリフト、自動把束機、ポータブルコンベア、そういうようなものを機械化として考えているところでございます。なお集配運送施設の機動化といたしましては、四十一年度で軽自動四輪車二百四十三両、スクーター二百四十一両、第二種の原動機つき自転車、これは二種類、合わせまして二千六百五十五両等が近代化の内容になっているわけでございます。四十二年度以降は、大体それを押し広げていく計画を持っているわけでございます。
  121. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それはこの値上げによる増収分でまかなわれる分という意味ですか。
  122. 長田裕二

    長田政府委員 一部従来の予算にも入っていたのがありますが、これは非常に微々たるものでございまして、四十一年度の料金改正を背景とした予算案において初めて実現可能になるという意味では、やはり料金値上げの結果できることになったと申せるかと存じます。
  123. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 赤字を補てんすべき内容を持つ経費は全部で幾らですか。
  124. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 来年度の分を申し上げますが、もし料金値上げなかりせば、来年度は二百億を上回る赤字になる、かように判断いたしております。
  125. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 大臣、私は予算委員会質問しましたように、この答申書を見ましても、それからあなたのこの説明書を見ましても赤字が累積してきた。これをほっておけばなお赤字になる。だからこれを改善せんならん、こういうたてまえになっているわけだ。それならばサービスの改善はほとんどできないではないかと言うたのに対して、あなたが言われたのは、航空機を使用するとか、一、二の例を言われただけなんです。私はいまいい悪いは言いやしません。これは数字の問題ですから、正確に赤字、収支のバランスを埋めるためのものと、それから収入増のために新しくこういうところに投入しようという計画とを、少なくとも三カ年間、明確に出してもらいたい。
  126. 郡祐一

    郡国務大臣 おっしゃるように非常に苦しい収支状況に相なりましたので、料金の値上げをお願いしておるわけでございます。ただ収支のバランスをとると申しましても、事業でございます。これも佐々木さんお察しのつきますように、どの程度に——ほんとうに現在働いておる人間の給料と、それから現状の機械だけを維持するというだけでは、事実事業ができてまいりません。したがいまして、幾ら押えても、幾ら節約しても、相当の新しい設備なり新しい機械を加えてまいらなければなりません。ところがその限度をどこに見るか、これによって見方がだいぶ変わってまいります。ただいま経理局長郵務局長の申しておりますのは、まず普通の状態仕事を続けてまいりますが、その中にはやはり機械化や何かの点が入ってまいります。したがって、航空機の搭載でありますとか、五割近く相当増しました局舎の改善でありますとか、それからサービスの改善の点——私、郵便事業でつくづく感じますのは、そういう送達速度を確保するとか、機械力を導入するとか、専用の小包機をこしらえる、大型の普通局をこしらえる、こうしたことのほかに、わりあいにこまかい面で、速達の配達区域をもっと広げてくれとか、それから学術雑誌を優遇しろとか、たいした額じゃございませんけれども、非常災害時の小包料は免除しろ、書き損じ交換をしろ、これも幾らか金額には出てまいりませんが、そういう比較的個々の方の御要求でまた取り上げなければならないもの、そういうぐあいに分かれてまいります。そうなると勢い金額の点で申し上げますのは、そうした送達速度の確保だとか、機械化だとか建設だとか、こうしたことについて料金の引き上げを行ないまするならば、そういう近代化ができるということを申し上げておるわけであります。そういう点について、さらに資料といたしまして用意をいたしまして、ごらんをいただくように事務のほうに準備させることにいたしましょう。
  127. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 郵政大臣、少なくともお話のように事業なんですよ。事業で収入の増をはかろうとするなら、役所でなくて考えてごらんなさい。わかり切ったことだ。このままほうっておけばこう、こう、こう。収入を今度初年度で幾ら、次年度で幾ら、次の年度で幾ら、そうするとその中で従来の体制のままでいくならばこの分が赤字補てん策に回ります、この分が残ってくるから、これを新規の事業の財源に充てますというお考えが出てこなければ、こんなもの審議のしようがない。まず資料をはっきりと出してもらって、少なくとも三カ年の中で、新しい事業——われわれはまずその中で今度増収が行なわれるように、したがって郵便料金が高くなるに従って、少なくともいまの状態のままではこの部分が改善されるという認識がなければやりようがない。はっきりしたことを出してください。大臣、私どもあっちこっちで聞いてみてよくわからぬのだけれども、せいぜい一割足らずのものしか新規の仕事には回りそうな財源がなさそうに思いますが、目の子でそんなところじゃないですか。
  128. 郡祐一

    郡国務大臣 おっしゃるように見方でございますが、大体料金の引き上げをいたさない。したがいまして、かりに何らかの方法でつじつまを合わせるというときと比較いたしますならば、引き上げいたしました料金の三割は——これはちょっと目の子でございますが、改善のほうに向け得る計算で、いろいろな計画を立てております。
  129. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 郵政審議会の郵便事業財政の改善方策に関する答申というのがあって、おそらくこれがこの値上げの根拠だろうと思いますが、まず主文の中に、この料金改正のほかに、「その他所要の財政上の措置を講ずるとともに、」と書いてあるが、これは具体的に内容は何ですか。
  130. 長田裕二

    長田政府委員 これをちょっと読み上げてみますが、主文に「郵政省は、国民生活上不可欠の郵便サービスを確保し、その向上をはかるため、このさい適正な料金の負担について国民の協力を求める関係法令の改正措置を進め、その他所要の財政上の措置を講ずるとともに、郵便事業の合理的能率的な運営を推し進める諸施策を積極的にとりあげる必要がある。」ということでございますが、現在考えられておりますのは、財政投融資原資を局舎のために確保した、そういうことであろうかと考えます。
  131. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 私はきちっと出せると思うのですけれどもね。お願いしておるのは、料金改定によって三カ年計画の収支の計画を立ててもらい、それから今度は、その投融資を含めて、その他の所要の財政上の措置をこれだけやるという計画を立ててもらって、三年間の具体的な計画を出してください。あなた方、それなしにこの審議というようなばかな話はないですよ。
  132. 長田裕二

    長田政府委員 それはつくって早急にお出しいたします。
  133. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 この答申の一番最後に「付言」というところがございますね。この「付言」の一番しまいのほうをごらんいただきますと、「郵便事業の運営、改善、サービスの向上などについて、つねに国民の信頼をかちうるだけの実績をあげ、これを確保することが大事であることはいうまでもない。」「郵便事業財政の改善方策に関する答申」の出発点は、まず郵政当局が「郵便事業の運営、改善、サービスの向上」を行なって、国民の信頼をかちうる実績をあげること、そしてその実績に基づいて、二、三行下に「広く国民の理解と協力を得て今後一そうのサービスをあげ、運営をあげる、こういうことになっておると思うのです。大臣は、郵便事業の現状について、国民の信頼をかちうるだけの実績をあげておると御判断になりますか。
  134. 郡祐一

    郡国務大臣 郵便事業は、何と申しましても終戦を境にして非常にいろいろな意味合いで経営いたす側のほうも苦しい。それから国民に対しても非常に御不満を買う点も多うございます。私は、率直に言って、電話のほうは戦前に比べて非常に改善をされた。郵便のほうはそこまでまだまだ取り戻していない。そういう意味では私はまだまだ不十分な点がたくさんあると思います。しかしながら、近ごろにおきます郵便事業の、ようやく送達速度の改善ができてまいりました現状というものは、これにただいま申しました、あるものについては三カ年の計画を持っております。あるものについては五カ年の計画を持っております。これを進めていきますならば、もちろんこれは、とにかく十一万人の従業員を持っておりますから、私は、その職場規律というものはきびしく立てられることを前提とはいたしておりますが、そういたしてまいりますならば、私は、国民の信頼を十分かちうる、また私ども自身も独占事業をいたしておるのでありますから、これについてはどうしてもそういたさなければなりません。いまの計画を物的な面で進めてまいりますと同時に人的な整え方ができますならば、私は国民の信頼を十分かちうる事業になると信じております。
  135. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 いま国民の信頼をかちうる実績をあげておると御判断になりますか。
  136. 郡祐一

    郡国務大臣 国民皆さんから私直接伺いますところ、また私が出向いて伺いますところでも、やはり一部についての遅配等についての不満は率直に承るところでございます。しかしながら料金の値上げをお願いしてこういうことを言うわけじゃございませんけれども、とにかく、安い料金でわりによくやれているというような意味合いの御批判を同時に受けております。私は率直にそういう感じで受けとめられているのではないかと思います。  ただ、おくれてくるということの御不満を受けるところは、私はすぐその場所をいつも伺っておるのですが、ある特定の場所に限って、あるいは場合によっては特定の地方から特定の地方にくる分に限っておくれている事態がかなりございます。こうした点はその地方の方にとっては非常に御不満である。それからもう一つ、折り曲げることを禁ずるということで外国から届いたのが、家にきたとたんに折り曲げられていて非常に残念だったというような、そういう扱いの点もございます。私はそういう点がわりに素朴な御不満だろうと思います。しかしながら、やはり根本には私は機械化等ができていないために、全体的に無理な、やや前時代的な事業をやっておる。そこにどうも、働く側からも、利用なさる方からの御不満もあるのだと思います。しかし私は非常に日本の郵便事業について——これはさらに論じますと、世界じゅう、郵便事業というものはなかなかむずかしいものだという感じがいたしますし、また、日本のように、どんな山奥でも、ごく特殊の場合を除いては、そのうちまで郵便を届ける、そうした広いサービスをいたしております。郵便事業としては、私はそう著しく国民の御不満を現在いただいているという状況ではない、こんなぐあいに考えております。
  137. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 予算でも申し上げましたが、民間の飛脚みたようなものが非公式に行なわれているといううわさをお聞きになりませんか。
  138. 郡祐一

    郡国務大臣 これは私も新聞の投書などで見ます。これは監察局等から——もしそうでありますならば、ことに信書につきましては郵便法の違反でもございまするし、事情は十分調べております。役所の当該部局に聞きましても、まだはっきり返事はつかめていないようでありますけれども、どうも世間でそういう声があるというので調べてみますと、信書についてはまず——私が役所の者の説明を聞くところによりますと、非常な豪雪地帯等では、とかく冬などは、小包めいたものはほかの荷物と一緒に届けるというようなことは例としてあるようでございます。信書についてはまずそういうことはないようでありますが、最近、いつごろでございましたか、新聞紙上に郵便も届けてもらっているというような、名前の入ったものがありましたので——新潟県だったと思います。それについては現に調査を進めております。
  139. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 私設の飛脚事業みたようなものがあれば郵便法違反だから断固として取り締まる——郵政大臣、それだけで仕事は済みますか。私の根本的な疑いは、この出発点になっておるところの郵便事業についての国民の信頼を、いまかちえておるだろうか、そういう実績をあげておるだろうかという出発点なんです。国の行なっておる郵便事業に全幅の信頼を得ており、迅速に確実に行なわれておるものであるならば、そういう事業が新聞に出たりあるいはうわさされたり、行なわれたりする気づかいはございません。私は、決していま最低の状態だと言うわけじゃございませんけれども、郵便事業が国民の信頼を、いわれるごとく十分にいま獲得しているとは思いません。むしろ相当に深い不満をいま国民が抱いておることは間違いない事実だと思うのです。その認識は郵政大臣と私とは相当違うようでございますけれども、国民の信頼を、郵政大臣、それはほんとうに心配せぬでもいい状態でいまつないでおるとお考えですか。もしそれならば、もう出発点からこっちは話のしょうがないわけだ。御所見をもう一ぺん承りましょう。
  140. 郡祐一

    郡国務大臣 国民にいろいろの御要望があるということは、私どももそのとおりだと思います。それから、残念ながら一〇〇%信頼をつなぎとめているだけの業績をあげていると言えないかもしれません。ただ御指摘のように私設の飛脚のようなもの、私設郵便局があるのではなかろうかということになりますと、それについては、そういうことを申しますけれども、ほとんどないのが実情なんです。とかくそういうことを申します。それで今度、新聞に投書のありましたのも新潟であります。私はかつて新潟県に勤務をしたことがあるのです。そのときに、とにかく豪雪地帯にはもう小包や何かはその当時から——もう二十年以上前でありますから、一つの食べものであるとかいろんなものを一緒くたにかついで、かなり危険な場合があるから、そういうことをむしろふしぎでなくやっておった例は私も見ております。知っております。ことに当時は警察関係をいたしておりましたから、わりにそういう例のありましたことは私も具体的の例で見ております。ただし信書を扱いまするとか、また郵便局で扱っておりますような仕事を私設の飛脚でいたしましたら、これはペイしないことは明瞭であります。そしてまた事実、新聞に投書がありまするけれども、そうしたものの実態というのは私のほうではほとんどつかまえておりませんし、私もそういうお話を伺いますときに、それじゃどこであるのかと言いまするときに、多くの場合、それは郵便事業に当たるものが私設で行なわれているという状態ではございません。ございませんということは、いまの郵便料金に当たるようなもので、特殊な縁故の関係で、特殊の人間が荷物を預かってきている例は、いま私が申しました豪雪地などの例で経験をいたしました。しかしながら私設の飛脚がある、私設の郵便局があるという状態にはなっていない。したがって、そういう意味国民の信頼を得ていないのではないかということになりますと、私はそうではないのだ、こう申し上げる次第であります。
  141. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 いろいろ言われておりますが、要するにそれじゃ国民の信頼は十分ある、こういうお考えですか。
  142. 郡祐一

    郡国務大臣 それで一〇〇%つないでいると申し上げられないという点ではそうであります。
  143. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 遅欠配に対する国民の不満はあなたの耳には入っていないのですか。原因のいかんを問いませんよ。私設の飛脚があるかないかということを聞いているのじゃない。そういううわさが出ているけれども、いまあなたは十分に認識して、国民の信頼にたえるような事業を営もうとする努力があるのかないのか、いま十分であるならやる必要はないじゃないか。
  144. 郡祐一

    郡国務大臣 そういたしますと、非常に議論が明瞭になってまいります。しかし念には念を入れて監察局あたりに調べさしておりますのは、いわゆる飛脚屋があるということについて、これは大きな問題だから考えなければいけない。しかし先ほど来申しましたように、遅配に対する不満、これは非常に多くございます。東京都内におきましても、一定のきまった局のところ、これは先ほども申し上げたとおりであります。伺いますと、私の耳にもかなり入ってまいります。手紙でもいただきます、じかに電話でもいただきます。調べてみますと、多くの場合、特定の局の関係のところで起こっている。特定の地方と特定の地方の間に起こっている。これについてはいろいろな事情がございます。やむを得ない事情と思われるくらいの事情がございます。団地等で非常に集配局が遠くてというような、直さなければいけない点もございます。しかし一方では規律の面で直していかなければならない面もございます。そうした意味で私は国民の御不満というものがあり、私どものこれから努力しなければならない面が非常にあるということは率直にそのまま認めております。
  145. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そのような国民の不満をはっきりと抽出をして、それをどういう方法で具体的に金をかけるなり、かけないなり、改善されようとしているかということが聞きたいのです。
  146. 郡祐一

    郡国務大臣 資料でもお目にかけまするし、またここでも政府委員から御説明申し上げますが、いまのところやはり一番大事なことは近距離通信の速達化、送達の確保ということだと思います。これはかなりな人間を、今度も四千数百名増員になります分を東京都でありまするとか、ことに大阪、京都の付近等にはずいぶんなれた者を配置いたしましても、団地等で絶え間なく移動がある、そのための遅欠配の訴えというのは非常に多いのであります。そういたしますると、近距離通信を速達化するということ、近距離の送達を確保するということと運送便の増強ということがこれでひとつ固まってまいると思います。  それから一、二種郵便物の航空機搭載等によりまして主要所在地間の送達の確保ができるように思います。  それから三番目と申しますか、配達業務そのものを向上いたしますためには、やはり何と申しましても近代的な郵便局を増設いたしますことと、要員を確保することだと思います。ことにその場合に、やはり要員の確保とともに管理の面で改めるべきものも相当ございますので、これは必ずしも予算の上でどれだけということではございませんけれども、管理に万全を期するということが出てまいります。  そのほかに住居表示の問題もありますし、それから機動車等の要員問題もございます。根本的にはやはり三カ年なり五カ年なりの計画に基づいて大型局あるいは小包の専用局というものを十分並行して進めてまいりますし、大型局とか機械化をいたしました小包の専用局だと言いながらも、予算のためにおくれがちでありましたのが、こうした面で比較的軌道に乗ってまいり、大きな面は確保してまいれると思います。  さらにそのほかに必要がございますれば、また政府委員からお答えいたさせます。
  147. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 どうも精神訓話みたいな話でちっとも事業の話にならない。要員の増加が必要だと思いますが、要員の増加計画がきちんとあるのですか、資料があったらお出しいただきたい。
  148. 長田裕二

    長田政府委員 今後三年あるいは五年計画と申しますか、見通し等できておりますので、これは明白にでも提出をさせていただきます。
  149. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それからいまの大臣のお話のように、私にはことばがよくわかりませんけれども、機動化して自動車を引っぱったり、配達人が自転車をオートバイにかえたり、そういうものの計画も具体的にあるのじゃないですか、それを全部出してもらいたい。  それから同時に、郵便局舎の何か改善しなければならない点が一ぱい書いてあるが、これについても、これから三年か五年で改善し得る計画を出してもらいたい。出せますか。
  150. 長田裕二

    長田政府委員 局舎の機械化、機動化、航空搭載等を込めまして全体のものをお出しいたします。
  151. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それをはっきりと出してもらった上で、内容を吟味してまた御相談をいたしたいと思います。  そこで大臣にお伺いいたしますが、いまこれから出される計画で大体十分にやれるおつもりですか。いま国民の不信感を買っておるものを十分に補って、そうしてサービスが十分に改善し得る内容を持ったものですかと聞くのです。
  152. 郡祐一

    郡国務大臣 私は三年とか五年とかで完全に国民の御不満を解消するだけの物的の設備ができるとは思いませんが、しかしながら、これを続けていくならば、その目的に非常に近づくことができ、十分郵便に対する信頼を取り戻すことができる。またそこに目標を置いておりますことは、これから資料をお目にかけて申し上げますが、大都市近郊でありますとか、いまおっしゃったような国民の不満の好転に特に重点を置いておりますから、そういう点は解消することができると思います。
  153. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それならば、もう少し積極的な形でもってサービス改善計画とかいうものがどうしてわれわれに見せられないのですか。これを一貫しておるものは、従来のままやっていっても赤字が累積してうまくいきませんという思想ですよ。それとサービスが、いまの国民の信頼を十分につなぎ得るような状態になるということ、これはどこからも出てきはしませんが、それをどうしてつないでもらえますか。
  154. 郡祐一

    郡国務大臣 ごらんくださいましても、郵便事業会計というのは比較的こじんまりした会計です。したがいまして、これに対して、物の面でもこの程度の料金の引き上げをしていただきますならば、——もちろんぜいたくなことはできません。できませんけれども、必要なことだけはいたすだけの穴埋めもいたし、そして必要なことをいたすだけの——ただこれは当委員会でも繰り返し私申しておるところでございますが、結局これから物の量がふえていく傾向をとるかどうか、いまは物の量をかなりきびしく見ながらいろいろな計画を立てております。今後五カ年間くらいの計画で物の伸びをかなり気をつけながら見ております。しかしここで大事なことは、物の量を伸ばすこと。そういたしますと、結局またここで問題は、佐々木さんのおっしゃった国民の信頼がなければ物の量が伸びないじゃないかという問題になってまいります。しかしながら、物の量を伸ばしていけば、比較的こじんまりしたこの郵便事業というような事業では十分両面が——収支の均衡をはかってまいりますと同時に、サービスの面と申しますか、事業の改善が可能である。それだけはお目にかける計画で、これを何年か続けていけば必ずはかれる、こういうふうに考えております。
  155. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 大臣、それではほんとうの腹の中を聞かせてくださいよ。ほっておけば赤字が累積して処置ないから、いま値上げ方針を出されたのですか、積極的なサービス改善計画を推進するためにこれを出されたのですか。
  156. 郡祐一

    郡国務大臣 これは両方でございます。両方でなければ、もし処置なしだけのための値上げでしたら、これは率直に申し上げましてもう少し小幅に押えることはできるかもしれません。それではいつまでたっても郵便事業というものはだんだんおくれていく一方です。それではいけない。しかしながら、ある意味では郵便料金の引き上げをお願いする時期が少しおそかったかもしれません。かなりおくれながら——おくれながらというのは、その郵便の配達がおくれるというのではなくて、改善がおくれながら今日に至っております。したがいまして、いまはちょっと苦しい時期だと思います。苦しい時期だと思いますから、なかなか要員をふやすというような点は思うとおりできないかもしれませんが、しかしそれらは徐々にやりながら、私はむしろ職場規律の確保という、精神訓話とおっしゃるかもしれませんが、そうした面で少し補っていかなければいけない問題があると思います。しかしながら、物の面では私はこれを計画の上に軌道に乗せることができる、それをあわせてお願いした予算になっておる、こう申していいと思います。
  157. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 ですから、それであるならば、これに一貫しておるのは、収支の銭が足らぬという話ばっかりだから、先ほどから繰り返すように、積極的なサービス改善計画をくっつけて出しなさい。そして私は、この主文の下に書いてある「その他所要の財政上の措置」というのは、財政投融資計画の見通しをつけて、自動車は何ぼふえます、それから何とかいうオートバイみたいなものは何ぼふえます、そうすると自転車はなくなりませんからという、そういう面がきちっと出てきた前向きの姿勢が、この料金の改定と財政上の措置とあわせてどの程度できるかというやつをはっきり出していただきたい。それをはっきり見た上でないと、ほんとうは議論のしようがないのです。これは一応留保してやめてもいいけれども、もうちょっとやりましょうか。  それならば郵政大臣にあらためて聞きますけれども、今度はこれの答申内容によりますと、ほんとうは五カ年間を前提として安定すべきだ、そして、その収支計画を立ててそうすべきだ、しかしながら、目下いろいろな政治的経済的あるいは社会的な条件があるから、とりあえず三カ年にした、こう書いてありますけれども、それならば、五カ年間を三カ年に圧縮したわけですから、三年済んだらまた料金改定を行なって、あわせてサービス改善になお積極的なプラスをしなければできないじゃないかと私は思いますが、そのことも明らかになりますか、これから出していただく資料では。
  158. 郡祐一

    郡国務大臣 これは提案理由でも申し上げましたように、前に一種、二種の料金を上げていただいてから十五年たっております。郵便料金全体がそうでありますけれども、そうやたらに上げることのできないものであることは、御指摘を待つまでもなくそのようだと思います。そういたしますと、この答申の出ましたときには、何と申しましても物の量を非常に低く見ながら答申はできております。そして、私どもとしては、この三カ年で一応出されましたが、同時に、その三カ年というところは、国のこれからの経済の見通し等も、中期経済計画をああいうぐあいに一応御破算にいたすような状態のときで、将来の見通しの問題もございます。そのような意味合いで、私どもは先ほど申しましたように、これからの物の増加というものを見てまいりますと、これはお目にかける計画でごらんいただけばわかることでございますが、私は、今後一方では事業の改善をしながら、五カ年間の見通しは十分立ち得るものだというぐあいで計画を立てております。
  159. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そうすると、三年目にはなお料金改定をやられるつもりですか。つまり値上げの措置をもう一ぺんやられるという前提に立っての計画ですか。
  160. 郡祐一

    郡国務大臣 そうではございません。五年はもち得るという考え方でいろいろな計画もいたしております。
  161. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そこのところはどうも了解しかねるのですが、それをずっと読んで、通読だからよくわかりませんが、読んだ感じでは、本来は五カ年間で安定的計画を立てるのだが、しかしいろいろな事情でそれがしにくいから、とりあえず三年間で、こう読んだのですが、そうじゃないのですか。
  162. 郡祐一

    郡国務大臣 郵政審議会の答申は確かにおっしゃるようなことであります。したがって郵政審議会はその三カ年ということを考えて、それから先については何も触れておりません。しかしながら、私どもその後物の量や何かの検討をいたしまして、また同時に三カ年で郵便料金をまた上げるというような公共料金扱い方はできません。それだから、こんなに物の量を少なく見る必要があろうか。そんなものではございませんが、それは機械化を急速にいたせばでございますけれども、これは今年の建設計画にいたしましても、そのままをいまの郵政省の能力でいたしまする点ではかなり一ぱいでございます。そういたしますると、おのずからそこで事業の拡張と申しまするか近代化の面でも限度がございます。その限度を果たしながら計画を立てていく。まずすべての計画を五年というぐあいに見まして、その間は郵便料金の値上げはお願いしないでやっていける、こういう考え方でいろいろな計画を立てております。
  163. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それならばだいぶ読んだ感じが違うのですが、もう一ぺん繰り返すようですが、こう理解してよろしいのですね。答申には、五カ年計画で行こうと思って、それは少し値上げの幅が足らぬように見えるけれども、この答申によりますと、五カ年計画でやるべきことを三カ年でやるのだから、三年目にはもう一ぺん値上げをしなければならぬように読めるのでありますが、郵政当局検討の結果今度の値上げで五カ年間の計画を立て得る、こう判断されて、そしてこれは収支のバランスがとれるだけではなくて、この答申書が予定しておるような積極的なサービス面もこれでやり得る、こういう判断に立っておられると理解してよろしいのでございますね。
  164. 郡祐一

    郡国務大臣 先ほども申しましたように、その答申をこさえました当時の前提となります物価の動向でありますとか、また今年度予算をこさえました当時には、将来の経済動向を判断するのに非常にむずかしい時期でありました。したがいまして、不確定な要素というものをいろいろ持っておりました。しかしながら郵政省として、その答申をいただいて判断をいたしますときには、適正な事業計画をしながら、しかしながら三年たってまたすぐ料金の値上げをしていただかなければものが動かないというような収支の見積もりでなく計画が立つのではないか、こういう判断で計画をいたしたのであります。
  165. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 わかりました。  次に、私は初めてですから原則論を伺いたいのです。郵便料金決定の法的根拠は、郵便法一条だけですか。
  166. 郡祐一

    郡国務大臣 「郵便の役務をなるべく安い料金で、」これが料金についての法律上の、法定されております基準でございます。
  167. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 「なるべく安い料金で」ということだけがこの郵便料金決定の法的根拠であるとするなら、これからはなるべく安い料金という、安い高いというのはこれは支払い側の判断だと私は思います。「なるべく安い料金」という意味は、これは安い高いというのは払う者が高いと感じるか安いと感じるかということであろうと思いますが、こういうものがあって、料金基準というものがどうして何にもないのですか。私はこの条文から原価主義という基準は出てこないと思いますよ。それを原価主義に持っていかれた理由はどこにあるのです。
  168. 郡祐一

    郡国務大臣 郵便法の現行法の読み方については、また政府委員のほうから申し上げると思います。総括原価主義と申しまするか、独立採算でやっていくということは、特別会計法の一条のほうから、はっきりとは申しておりませんけれども、出てまいると思います。ただ、これが、私は日本の現在の法律、必ずしもそれが正しいかどうかはわかりませんけれども、この料金のもとになりますきめ方というのは、まことにばくとしたきめ方をいずれもしております。電電公社の料金につきましては「合理的な料金」だということをいうております。国有鉄道では、これは「公正妥当なもの」であり「原価を償うもの」といういい方をしておりますが、「合理的」でありまするとかあるいは「安い」とか——私は、この郵便法一条は、結局安いというても収支の償わない安さというものではないのでございますから、あまねく公平に提供する役務を果たすための「安い料金」でございますから、公衆電気通信法にいっております「合理的な料金」——公衆電気通信法では「合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供する」、郵便法のほうでは、「安い料金で、あまねく、公平に提供する」、「安い」というところと「合理的」というところが違うだけでございます。ですから私は、「安い」というても、公衆電気通信法にいう「合理的」と同じ意味合い、だから「安い」ということがあるから払うほうからできるだけ安くさえあればいいのだというのではなくて、あとの「あまねく、公平に提供する」という趣旨が達成できるだけの「安い」ですから、そうすると電電公社について確実で合理的な料金という読み方と私は同じになると思います。しかし、もしことばを、さらに法律を、私は、これで目的が達しておりますのを、この際置きかえてみましても、あまり、それではきちんと何を押えるかと、もしここにさらに書くといたしますれば、公平妥当だとか、国民経済にどうであるとか、社会の発達と歩調が合うだとか、いろいろいうことばはあろうと思います。あろうと思いますが、置きかえてみても、そのためにぴたりと基準の出てくるようなものではないと思います。ただし、この法律が何か少し古い時代の法律めいた表現であるという御指摘があれば、私はそのようだと思います。
  169. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 古い時代であろうが何であろうが、これはいませっかく改正法が出ているのだから、そんなわかりにくいことを言わずに、あなたが必要だと思われたら必要なる改正案をどうして出さないのですか。原価主義なら原価主義と書いたらいいじゃないか。伝統があるか何か知らぬが、「なるべく安い料金」それからいま大臣が言われたようなかっこうにどうしても読めません。それはあなたの読み方はなかなかじょうずかも知らぬが、私も私流の読み方があります。「料金」というのと「公平に提供」というのと並行的に書いてあるとしか読めません。そうして両方合わせて公共福祉の増進です。だから、何だかくるくると回って、そういう読み方は、大臣、それは無理だ。私は、こういうところをいいかげんにしておくから、話がこんがらかって、どうにもならぬと思うのです。もしほんとうに原価主義に立とうとせられるならば、いまあなたの指摘された国鉄法のように、「原価を償うものであること」。という条文をなぜ入れられないのか、どうしてです。
  170. 郡祐一

    郡国務大臣 私は、その点は、法律を今度の立案にあたりますときに、ずっと一応検討いたしました際に、特別会計法で、「企業的に経営」をいたすということをあげております。企業的と申しますならば、収支が償うようにということは私は明瞭だと思います。特に、そうした特別会計法と郵便法と合わせて見まして、私はこの一条——ですから、考えられることをみんな書けというものの見方もございましょう、ございましょうけれども、私はさっき申しましたように、目的というところをそう変えるような、変えてみてここに原価主義ということを書いてみたところで、一体どれだけの意味があるのだろうか。むしろ郵便法そのものの目的というのは、ここに書いてあるような、おっしゃるように「安い料金」ということと「あまねく、公平に提供する」これが並んでおって、目的を特に変える必要はないのであろう、そういう判断を私はいたしました。
  171. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 先ほど大臣が言われましたが、関連してお伺いいたしますが、公衆電気通信法の一条の「合理的な料金」というのは、そうするとどういうのですか。
  172. 郡祐一

    郡国務大臣 この「合理的」というのもあまり特別な意味はないので、おそらくその「合理的」というのは、リーズナブルな、だれが見ても納得のできる料金だということでありまして、「合理的」ということにそれほどの意味を含めているとは思いません。
  173. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 電気通信法の料金のたてまえと郵便法料金のたてまえとどう違うのですか。
  174. 郡祐一

    郡国務大臣 私は別にそこには変わりはないと思います。ただ、変わりはないと申しまして、事業の内容というのは別でありましても、料金のきめ方としては私はここには変わりはないと思います。
  175. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それは私はおかしいと思います。「合理的」というのは、料金のたてまえを合理的にせよということで、文字どおり読めばそういうことですよ。それから、安い高いというのは、一般福祉に通ずる意味のなるべく安い料金ということで、原価主義というたてまえは出てこない。もしそれがはっきりしておるのならば——今度は「郵便事業近代化に関する答申」というので、料金決定の基準の明確化、これは「明確にする必要がある。」と書いてあるじゃないですか、答申しているじゃないですか。明確になっているのだったら答申する必要はない。大臣法律書生の一時代を過ごされたと思いますけれども、私はこのごろ一番痛感していることは、裏の裏から読まなければならぬような法律はつくらぬほうがよろしい。私は立法者でありますから、したがって国民にわかるような法律をつくるべきだ、こう考えるのです。なるべく安いようにといえば、国民は安いというふうにしか読みやしません。その中から、郵便事業がどういうふうに営まれなければならぬか、原価がどれだけかかっておるから、原価部分だけは払わなければならぬ、こういう読み方は私はしないだろうと思うのです。この不備は認められますか。
  176. 郡祐一

    郡国務大臣 私は、郵便法国鉄のように——特に国鉄を見ますと「公正妥当」とか「産業の発達」とか「原価」だとか、「賃金及び物価」こうした点を並べております。それに比べますと、確かに郵便法でいおうとするところは、私はそれが独立採算を否定するとは思いません、否定するとは思いませんけれども、郵便というわりに素朴な事業であるから、なるべく安いことが要請されるのだ、これは率直にいうておるのだと思います。しかし、だからというて、今度は特別会計が、「企業的に経営」するとは書いてあるが、採算がとれなくてもいいのだぞというぐあいには、その郵便会計全体がなってくることはないと思います。しかし私は、率直にいって、なるべく安くと書いてあるこのことを置きかえるという必要はどうもない、こういうぐあいに考えます。
  177. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 くどいようですけれども、この条文大臣原価主義ということをほんとうに読み取れますか。そんなことどこに書いてあるのだ。この条文だけから原価主義ということを読み取らなければならぬということなら何べんでも解釈論をやりましょう。私はわかりません。
  178. 郡祐一

    郡国務大臣 先ほど申しましたような特別会計法の一条に「企業的に経営」すると書いてございました、そういう表現、これはほかに、企業的にというたら、償わない企業的にということにはどうにも読めないと思います。私は特別会計法の一条から出てまいる、こう思います。ただし料金のことは、「安い」と書いてある、全体が企業的にまかなえればそれでいいのだという議論はあります。あり得ると私は思います。思いますけれども、郵便事業特別会計法と郵便法と照らし合わせてみて、その会計自体が全体企業的に営まれ得るということであれば、その限度においてできるだけ安くする、これは私は矛盾しないで読めることだと思います。
  179. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 特別会計の原則は、独立会計の原則だと思います。独立会計とそれから原価主義会計と私は違うと思う。特別会計が全部原価主義に基づくものですか。一般会計からそこにほうり込んだらいけませんか。
  180. 郡祐一

    郡国務大臣 それはまた議論になってまいりますが、私は、およそ特別会計といえばその会計が独立している、独立した会計であるということは、もうことばを用いずに特別会計を設ければ独立した会計である、これはもう間違いないと思います。
  181. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 特別会計に一般会計からほうり込んだらぐあいが悪いのですか。
  182. 郡祐一

    郡国務大臣 一向そういうことはございません。「企業的に経営し、」と書いてある、それを読めば企業的に成り立たなければいかぬということを申しているのでありまして、一般会計から繰り入れていかぬということはどこからも出てまいりません。
  183. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 収入のもとは一般会計から繰り入れられるということと、国民から直接取らなければならぬという原価主義と、それはおかしくないですか、いまの議論は。
  184. 郡祐一

    郡国務大臣 私が特別会計を一条で申していますのは、企業的に経営するというたら、それが一般会計からいつも持ち込んでくることを考えているとは読めないじゃないかということを申し上げるのです。
  185. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 一条の条文によってその収入のほとんどすべてを料金によって取らなければならぬと読めますかと言うのです。国民からの直接料金によって取らなければならぬと読めますかというのです。料金をきめる根拠は、料金をどれくらいの大きさで取るかという意味を、あなたはいまの原価主義的な考え方というのでしょう。原価というのは、その収入の大部分料金によって取らなければならぬと書いてある、そういう意味だろうと思うのです。一般会計から補えるなら補ったっていいじゃないですか。その内容がどうしてこの条文から読めるのですか。
  186. 郡祐一

    郡国務大臣 何べんでも申し上げるようでございますが、企業的に経営して健全に発達していけということをいうているのです。企業的に経営するというたらしょっちゅう一般会計から繰り入れていたら、借り入れていたら企業的な経営とはいえない、こういうことだと思うんでございますね。そうすると今度は、この会計にもし料金以外で入れます収入があって、非常に財産でもあって、そしてできるなら企業的と申せましょう。しかしそれがない以上は、企業的といえば、料金で収支をまかなっていくということになってまいります。そして一方郵便法の中では、これはただ料金はなるべく安く、このなるべく安くというのは、私は電電の合理的というのとそれほど違わないのではないかと思いますのは、郵便事業というわりに素朴な事業なんだから、国民になるべく安い料金——それは電電の場合にはああいう事業は非常に大きい事業をいたしております。建設投資もありますから、これを安いというあらわし方はできませんでしょう。しかしながら言おうとするところは、安いと申しますか、必要にして最小限度のものしか利用者からはちょうだいいたさないという思想を料金面には出しておる。その点においては考え方に変わりはない、こう考えております。
  187. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 それならどうして「なるべく安い」なのです。なるべく安い料金というのは、どうしてそういうことになるのですか。
  188. 郡祐一

    郡国務大臣 これはもう私は、ただ安いというのじゃことばにならないと思うんでございますね。その事業をやっている、なるべく安く、なるべくということばがあるから法律になるので、ただ安いということばをこの目的に置くことは、私は無理だと思います。
  189. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 安い高いじゃなくて、あなたの議論によれば、必要なる経費料金でまかなえというふうにしか読めないじゃないですか。高い安いの主観というのはどこから出てくる。収支を原価主義によってまかなえと読むならば、安い高いの主観はどこから出てくる。関係ないじゃないですか。
  190. 郡祐一

    郡国務大臣 必要にして最小限度の費用をちょうだいするということを、私はそれを今度は「なるべく安い」という書き方をしてもそれがそう——それはいまずらっと書けば、それは必要にして十分という、そういう法律上のあらわし方はあまりないと私は思いますけれども、置きかえてももっと違ったいいことばがあろうかと思います。しかし私は「なるべく安い」ということばでも、いま言ったような意味合いでの動かし方をするよりしかたがないじゃないだろうかと思います。
  191. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 大臣、あまり牽強付会な解釈をかってにされたら困る。これは法律だから。したがってこの安い料金という意味は、これまでの慣例その他から、これの根拠はしかたがないからこの条文に求めておるが、しかしながら原価主義に基づく料金を立てたいという方針できておるとか——その原価主義と企業とは直接結びつくものではない。私はこの条文から原価主義が直ちに出てくるという解釈を固執される限り、これを改正しなければならぬと思う。それなら先に進めません。もう一ぺん相談し直しましょうか。これは委員長、やってもいいけれども、あまりひどいぞ。
  192. 郡祐一

    郡国務大臣 それじゃいまの点この現行法を立案したとき、それからいままでこれを維持してまいりました経過、これをひとつ事務当局から一応お聞き取りを願う——それで御納得いただきたいというわけじゃないのです、お聞き取りをいただきたい。
  193. 長田裕二

    長田政府委員 郵便法の第一条「なるべく安い料金で、」というものを改正するかどうかということを事務当局としまして一応検討したわけでございます。一昨年の十一月に料金決定の基準郵政審議会からの答申の中に料金決定の基準ということなどもうたわれておりまして、基準を明確にする必要があるということがいわれておりましたので、第一条のその部分改正するかどうか検討いたしたわけであります。仰せのように第一条のその字句それ自体からいろいろな意味が出てくるかどうかということについては問題はあろうかと思いますが、特別会計法の規定あるいはまた郵便事業というものが、その経費を、たとえば道路とか学校のように全国民に割り掛けるのが妥当なのか、あるいは利用者のグループというものに割り掛けるのが妥当なのかということとか、あるいは特別会計法の規定の企業性の問題とか、そういうことをからみ合わせまして、ただいま大臣がお答え申し上げましたような解釈にまあなるというふうに考えました点と、それからもう一つは、この「なるべく安い」という部分改正いたして、何か書くとしますれば、合理的とか原価を確保し得るとか、いろいろな表現になるかと思いますが、私ども公共料金の値上げが非常に大きな問題になっておりますただいまの時期に、特別会計法を総合し、あるいは本来の郵便事業の性質等を考えて、まあほぼ利用者のグループがその費用をまかなうということになってもおりますし、またそうも読めると思われますものを、この機会にあえて変えますことは、何かこうなるべく安いということと反対の方向にいくという印象を世間に与えるおそれもあるのじゃないか、誤解を与えるおそれもあるのじゃないかということからしまして、あえてこの条文に手を触れずに大臣にも格別お伺いもせずに進んだような次第でございます。
  194. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 郵便法の中の料金関係に、これは具体的に何ぼにすると出せるというようになっているから私はほんとうに救われていると思うのですよ、条文のたてまえは。今度改正する中できちんと数字が書いてあるでしょう。そこから国民義務も発生する。それで私は救われておると思う。しかしながらいまこの法律改正によって国民に課そうとする義務内容とそれからこの郵便会計が収支とんとんでなければならぬということとは、私は別問題だと思うのです。特別会計法の規定から収入の原価主義というものが当然に出てくるという考え方は、ちょっとこれは飛躍でないでしょうか。関係ないと思うんだが。私はこれは新しく別に条文を起こして、今度から何ぼとこう書くのですから、国民義務はこの条文から発生するのだから、それはそれなりに読んだらいいと私は思う。しかしその義務は幾らが妥当かという基準を出すのに「なるべく安い料金」というのは、私は読んで字のごとく安い料金、なるべく国民に負担をかけない料金、こう読めばいいのであって、別にここから原価主義というものは出てこぬというように思うのですが、違いますかな。
  195. 淺野賢澄

    ○淺野政府委員 おことばと若干当たらないかも存じませんが、特別会計法を設置いたしましたのは、おっしゃいましたように、一般会計と分かつ場合もございますし、それから企業的に収支を考えてまかなっていく場合の特別会計もございますが、私どもの郵政事業特別会計法は、先ほど大臣が申し上げましたように、企業的に経営の健全な発達に資するため特別会計を設置する。そしてまずここと、それから六条で原価計算をやっていくようにする。それから足りない場合には借り入れ金をやっていく。一般会計から繰り入れるとか、そういったことはこの法律上は考えていない。あくまで独立採算で運営してやっていくなり、公債を発行していく、それから利益金が出ました場合には積み立てていく。こういった会計自身から見てみますと、やはり独立採算をたてまえにいたしております。したがいまして、郵便法との関係におきましては、明確な表現ではございませんが、ここにあらわれております二十四年にこの法律をおきめいただいた背後におきまして、やはり原価主義的に事業は経営さるべきである、こういうふうに私どもはやってまいっております。
  196. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 原価主義的に事業が経営さるべきであるという考え方を私は否定しているんじゃないのです。ここは立法を相談しているのです。よろしいか、あなたのほうは郵便事業を運営、経営せんならんと思っているから、そこばっかりが焦点になっているのです。私のほうはこの法律改正して、この法律をしろうとが読んでもああそうかといって国民が納得して、料金を払うようにせんならん。その立法作業を行なっているのです。この審議は。したがって、あなたの言わんとされるところはわかるけれども、私は立法技術上まずいではないか、こう言っているのです。それから、たてまえとしても独立採算というたてまえと原価主義というたてまえはイコールじゃないですよ。独立採算というのは収支がとんとんということです。バランスをとるということだ。それから原価主義に基づく収入という場合は、収入だけをとって原価主義をとっていこう、こういうたたてまえですから、これは話は別です。独立採算を健全化するために、原価主義のたてまえをとってやることが健全であるという考え方は成立すると思うのです。その成立した考え方に基づいて、従来なるべく原価主義的な考え方に立って郵便料金をきめようという方針がとられてきたんだろうと思うのです。それはそれだけのことだと思う。しかしながらここに規定しているようになるべく安い料金というものは、通常ですから原価主義は出てこない。もし一般会計にでもうんと余裕があれば、ほかのことでもしながらなるべくならば安い料金でやる、このままの解釈のしかただと思うのです。この問題はこの問題で一応留保しておきましょう。  もう一つだけ問題を出しておきましょう。第一の問題で、郵政大臣、私は積極面のサービス改善が含まれておる計画を出すべしということをお願いいたしまして、その積極面のサービス改善の計画はあらためて提案をしてもらって、その内容を十分私ども審議をいたしたいと思います。これと関連して大臣は、先ほど人力に依存することの非常に高い事業だから、人事管理の面が非常に大事だということを言われましたが、人事管理の面で特別なお考えがあるのですか。
  197. 郡祐一

    郡国務大臣 私、人事管理の面で、特に中間の管理者に対していつも訴えておりますことは、中間管理者がもっと積極的に、またある意味ではなるほど団交のような場合には必要なことをいたしますけれども、平素比較的むずかしいことに触れていかないような態度がありはしないだろうか。私はこの中間管理者の態度というものをまずもってもう少し積極的に、もう少し勇気のある態度で職場に臨んでもらいたい。そして職場全体の規律というものを一方では全従業員に期待しなければいかぬことでありますが、特に管理者、そして直接現場の仕事に当たっておる中間管理者、これに強い態度、しっかりした正しい態度を期待しておる、こういう一つの方針を立てて事柄に当たっております。そして同時に、その中の職場の規律全体というものと一もとよりこうした仕事を近代化していくためには、先ほども申しました遅欠配の問題にも関係しておる部分がございます。特定の場所にそういうことが起こっております。そういうことについては、もっとはっきりした信賞必罰と申しますか、そうした行き方をしていかなければいけないと思っております。
  198. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 間接になるかと思いますが、関連してお伺いいたします。  いま春闘が盛り上がろうといたしております。全逓及び全郵政おのおの要求を掲げて、交渉に入ろうとしておる重大な段階だろうと思います。人事管理の一番基本になると思いますが、これに対する対処、方針をお伺いいたしたい。
  199. 郡祐一

    郡国務大臣 特にただいまのような郵政事業の非常に苦しい、また現に料金の値上げをお願いしておりまする時期でありますから、その実情をつぶさに組合の幹部の方にもお訴えをいたして、そしてわれわれの職場では、私どものほうにしても筋が通る、相手方にも筋の通った話を十分練ろうじゃないかというようなものの言い方で、時々接触をいたしておるというのが現状でございます。
  200. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 これも精神論はけっこうであると存じますが、現実に従来から例の当事者能力の問題が出て、おそらく郵政大臣の動く余地はほとんどなかろうかと私は思うのですが、現下の法制上のたてまえで、あなたの善処し得る条件がございますか。
  201. 郡祐一

    郡国務大臣 当事者能力の問題も一つの大きな問題であり、審議会にも現在一つの大きな問題として出されておりますが、私自身は最後の判断をいたしますときにいろいろな——ことに現在の郵政事業を扱っておりますとむずかしい問題がございます。したがって、当事者能力があるという判断を持ちながら、かなり窮屈なものであることは事実でございます。事実でございますけれども、私は組合との間に、両組合の間とも去年の暮れもそうでございました。今度の春闘に際しましても、どこまでも話し合いでいき得る。必ずしも法律的な窮屈さというものを感ぜずに話し合いを進めていけておる状態でございます。
  202. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 苦しい答弁だし、有能なる管理者的答弁でけっこうだと思いますけれども、私は現実にいまストライキの問題を爼上にのせようと思っておるのじゃないのです。料金値上げと関連をいたしまして、本格的に国民の信頼にこたえるようなサービス能力を持つ郵政事業を一日も早く建設をすべきであるという観点に立って議論を進めておるわけです。したがってその物の問題につきましては、先ほど来お話がありましたように、あしたでもいただきまして、局舎がどれだけであるか、それで大丈夫であるか、十分であるか。足りないところはどういうところかという検討が実際問題としてできるのです。この人力に依存することのこれほど高い事業はないのにかかわらず、この問題について郵政大臣がいまの法制下において十分自分でやれるという判断を立てられたのでは、ほんとうは私は信頼できない。十分やれると言われたってやれやせぬにきまっているし、そこの矛盾をはっきりと郵政大臣自身が内閣にぶつけられる気魄でなければ、私は、本格的な人事管理面にも打開はできないという気がしてならないのです。私は、事実上、これまで仲裁裁定でやった経過から見、それから論ぜられておるところのいまの財政法上のたてまえ、それから予算の拘束、その近所から見て、ほとんどやれる範囲というのはないではないか、何をやろうとされているのか、口の先だけでいいかげんにごまかそうとされるならば、なかなか組合というものは、それでああそうですかというようなわけにいきはせぬものだから、したがって計画的な、初めから決裂を予想した戦いにならざるを得ないと思うのです。そこからは、事業をほんとうに協調的に管理していこうという基本的な考え方は私は生まれてこないと思うのです。重ねて御所見を承りたいと思います。
  203. 郡祐一

    郡国務大臣 最終的には仲裁裁定に持ち込まれる、その意味合いで当事者能力に欠けているのじゃないかと言われれば、私はそれはおっしゃるとおりだと思います。しかしながら給与総額等の制約がございましても、一般的に団体交渉を私が自主的に進めますることに何らの制約も受けておらないのであります。そのような意味合いで、交渉をいたしますることに私は十分な意味があると考えております。しかしそれ以上に今度は、法律上の問題でこれをどう扱っていくかということは、私は現在の公務員制度審議会が十分考えなければいけない問題だと思っております。思っておりまするけれども、私は去年の暮れの場合と同じように、このたびの場合についても、一般的に団体交渉を自主的な判断で制約なしに進めていく、そうすることによって、私は現在の限度においてなすべき仕事が十分できるものだ、こう考えております。
  204. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 とめようと思っても、大臣、理屈でこられるものだから、正直言って、こっちも理屈でいかざるを得なくなる。団体交渉ということは、団体交渉によってあなたがこれだけ賃金を上げようと思ったならば、その協定が結ばれることを意味する。したがって結ぼうと思っても、予算上の制約があってできないならば、事実上できないということじゃないですか。しようがないじゃないですか。団体交渉を形式的にできるということと、あなたが賃上げなら賃上げをしようと思ってそのままできるということとは別じゃないですか。
  205. 郡祐一

    郡国務大臣 当然給与総額というものの制約を受けております。そのような意味合いでは確かに制約のある状態、したがって、先ほど申しましたように、このままで必ずしもいいものだとは思いません。思いませんし、いつも最後の解決は仲裁裁定にいっておる。しかし、今度は法律の問題を離れまして、実際に誠意をもっていろいろな話し合いをいたす段階に現在きておりますから、そういう態度で事柄を続けておるということでございます。
  206. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 団体交渉はいかにもできることは間違いございませんけれども、予算上資金上不可能な支出については、これは約束をして支出をしてはならないという条件がある。そしていまもめておるのは、そういう大臣のでき得る範囲内ではほとんど話がうまくいかないところに問題があるわけであります。したがいまして、基本的な問題が明確に私は残っておると思うのです。この問題は何ぼやりましてもいま切りがないことでありましょうから、私はただ繰り返して申し上げますけれども、これは普通の状態ではなくて、いま独立的な事業として、先ほどのように営まれようとし、国民の信頼をつながれようとするならば、ここに基本的な問題があるということをはっきりと承知されて、やはり閣内において、事務当局ではなしに、これはあくまでも国務大臣として対処せられんことを私は要望するわけであります。  いろいろ御質問申し上げたいこともあり、申し上げたのでありますけれども、正直な話、私は本日の質問におきましては、私の疑問の大きな部分が解明されずに残ったことははなはだ遺憾に存じます。第一回の第一の、その積極的なサービス面の問題にいたしましても、それから二つ目条文整備の、言うなれば料金基準の問題にいたしましても、それから人事管理の基本がほんとうにあり得るのかどうかという問題にいたしましても、私はあくまでもこれは法制上の不備と、それからいろいろな矛盾を持った内容が解明されないわけであります。したがいまして、せっかく郵便法改正がここに提案されておりまするから、これはただ単に惰性的に料金を上げるというだけではなくて、ここはひとつお互いに矛盾をはっきりとつつき出して、これから本格的な国民の信頼をつなぎ得るような郵政事業を導き出すように、これは与野党力を出してやりさえすればいいわけでありますから、そういう形に今後なお審議を進めていただきたいことを特に希望を付しまして、本日はこの程度で終わりたいと思います。ありがとうございました。
  207. 砂原格

    砂原委員長 次会は、明三十日午前十時より理事会、理事会終了後直ちに委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十六分散会