○平林
委員 きょうは時間もありませんし、この問題については、私、適当なときにあなたにもお示しいたします。私
資料を具体的に全部持っているのです。だから、あなたがこれからおやりになるときには、いつでも私のほうへ参考のために
資料を見に来てもらいたい。とにかく私は、そういう
意味では、信用金庫の監督について昨年来いろいろ言ってきたんですよ。結局今度の紛争を契機にして表に出てきたのが多い。だけれ
ども、ふだんの信用金庫に対する銀行局の監督について少し欠くるところがあるんじゃないか。
そこで、私はこの機会に一、二要望しておきます。
それは、
一つには、
全国の信用金庫の中で同族で経営をしておるということは、やはり今度の中央信用金庫の紛争に関連をして
考えてみなければならぬ問題じゃないだろうか。たとえば、今度の中央信用金庫においては、職員組合の要求では、小野
理事長をはじめ一族の即時退陣ということがうたわれております。これだけ聞きますと、どうもたいへんな要求のように見えますが、私が得た
資料によると、やはりこういうことをせないと金庫の明朗化ははかれないということを私は事実として知ったのであります。たとえば、専務
理事、経理課長、支店長、
理事長、全部一族で経営をされておりますと、こんなことも表に出てこない。そこで、多数の善良な預金者あるいはこれに加入をしておる
人たちにたいへんな迷惑をかける結果になる。それは
全国に何百とありますね。この機会に銀行局は、こうした同族によるところの経営についてやはり何かのけじめをつけるべきだ、私はこういう感想を持つのであります。
もう
一つは、最近
大蔵省の役人が信用金庫界に入っていくという傾向が強くなっています。
大蔵省の役人の人は、従来は偉い人のほうですと、
政府関係金融機関に入っていくとか、地方の銀行へ入っていかれまして、世間でも
批判を受けたことがございます。ところが最近では、上のほうではないが、中堅クラスのほうへだんだん翼が広がったというか、手が伸びて、信用金庫界に就職をされるということが多い。このことは、去年もことしもかなりの数あります。私きょうは全部申し上げません。適当な機会にあれしますが、全部調べてみるとたいへんな数です。その割合も非常に高くなっています。これは検査や
指導にあたって
大蔵省の
措置が適正を欠くおそれが出てくる。何らかの便をはかってやるという役割りを持ってそこに入るという効果がないわけではない。
大蔵官僚がたくさん迎えられた信用金庫は、信金界のほうでもとかくうわさが流れている。入ったとたんにそれが下火になるというような、これはうわさですが、口にとびらを立てるわけにまいりません。しかし、そのうわさは、やがて真実になる場合もあるわけでございまして、こういうようなとかくのうわさが出るようなことはやはり避ける必要がある。
大蔵官僚がもし金融界に入るとするならば、実力を買われて入るという場合もありましょう。その人が有能であるから、どの部門においても役に立つということで、特に
大蔵省の役人は頭がいい人がそろっていますから、これはある程度認めないわけではない。しかし、在職時と関係のないところにやるような配慮はやはりしなければならぬ。これは政務次官も十分
考えてもらわなければならぬ。
大蔵大臣にこの点は確認をしておきたかったのでありますが、いずれこの全部の問題をひっさげて、金融小
委員会などの適当な機会にやりたいと思っているのです。
そこで、あなたに直接関係はないかもしれませんが、私、去年不動信用金庫の問題を取り上げたことを
覚えておられると思うのであります。あのとき、不動信用金庫が破産をすることによって小口の預金者は救われたけれ
ども、大口の預金者はとうとう預金を奪われた。大口といっても二百万、三百万、五百万の人ですよ。そこで結局、小野孝行という
理事長と
大蔵省の管財局とが、私に言わせると、しめし合わせて、導入預金というレッテルを張った。そうして三割の預金を返すだけで始末しようと
考えた。その立て役者になったのは小野孝行さん、自分ではいろいろやっているくせに……。そしてこの問題については、管財の役人と一緒になって、結局善良なる預金者がとうとう導入預金という結論へ流れた。その善良なる預金者の資金を三割しか返さぬということで結末をつけた。ところが、最近私はわかったのです。私がこの
質問をするときに
大蔵省の役人が、平林先生のような方が導入預金の肩を持つようなことはよくありませんよ、と言って牽制をしたのですよ。私は良心に恥ずることがない、こういう信用金庫の営業的な、公共的立場に立たないものは、預金者保護の上からもまことにけしからぬことだと思って、
委員会で追及しました。ところが、しきりに私に牽制する役人がいた。
名前を言ってもいいですよ。その
大蔵省の役人が、実は不動信用金庫に導入預金をやっていたんですよ。そして、たぶん小野孝行さんだろうと思うんだ、話して、自分のやつだけは全額返してもらった。そうして私に対しては、こういう問題を取り扱うべきではないぞ、こう言う。
大蔵官僚の全部ではありませんね。全部ではありませんけれ
ども、特定の地位を利用して、そして、当時この問題は、小野孝行氏と一緒になって、裏で糸を引き、導入預金というレッテルを善良な預金者に張って始末をして、自分では陰でうまくやっている。これは私は、
大蔵大臣にも一度調査してもらう必要があると思う。こういうことを許しておいてはいけないですよ。これは最近になってわかったんだ。そのときは、しゃあしゃ
あとして、平林先生、導入預金なんかの問題についてあんまり関係しないほうがいいですよ、なんて言ってきている。これはまた別の機会にやります。つまり、こういうふうに、特定の金融関係の役人が力のある者と組んでやられるところの検査、
指導というものについては、私は今後警戒していかなければならぬ問題が含まれていると思うのです。私は、この問題については、新しく
銀行局長になられたあなたの直接の
責任じゃないわけですが、高橋さんにやりたいと思うのです。高橋俊英
銀行局長――彼じゃないですよ。彼の下僚だけれ
ども、いずれあらためてこまかくやって、その後の処置もしっかりとってもらわなければならぬと思っています。きょうは時間がありませんし、約束がありますから、こまかい問題については、適当な機会にさらに
政府にお尋ねをしてまいりたいので、保留をしておきたいと思います。
なお、本法案の問題につきまして若干お尋ねしたいことがありますが、次の機会に保留しておきたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。