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1966-04-27 第51回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月二十七日(水曜日)    午後一時十四分開議  出席委員    委員長代理理事 田邉 國男君    理事 大石 武一君 理事 田中 榮一君    理事 高橋 重信君 理事 前田榮之助君       伊能繁次郎君    上村千一郎君       海部 俊樹君    佐藤 孝行君       砂田 重民君    八木 徹雄君       佐藤觀次郎君    長谷川正三君       小平  忠君  出席国務大臣         文 部 大 臣 中村 梅吉君  出席政府委員         内閣官房長官 竹下  登君         文部事務官         (体育局長事務         代理)     河上 邦治君     ————————————— 四月二十七日  委員栗山礼行辞任につき、その補欠として小  平忠君が議長指名委員に選任された。 同日  委員小平忠辞任につき、その補欠として栗山  礼行君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  体育振興に関する件(オリンピック冬季札幌大  会準備等に関する問題)      ————◇—————
  2. 田邉國男

    田邉委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長所用のため出席されませんので、私が、委員長指名により、委員長の職務を行ないます。  体育振興に関する件について調査を行ないます。  この際、一九七二年冬季オリンピック大会札幌開催の問題について質疑申し出がありますので、これを許します。前田榮之助君。
  3. 前田榮之助

    前田(榮)委員 札幌冬季オリンピック招致することは、国民の念願であり、ことに、札幌市からは当委員会へ請願も出ており、また、私や島村君が当委員会を代表して現地視察等を行ない、これはいままでの国際オリンピック競技場等と比較して決して劣らないりっぱな地域であるということを認定いたして、当委員会へ報告され、そのことは文部大臣も御承知のとおりだと思います。したがいまして、すでにかように決定いたしました限りにおいては、調査だの何だのということはもうおそきに失するのであって、直ちに準備にかかるということでなけらねばならぬと思うのであります。したがいまして、この点は東京オリンピックの例もありまするから、国がやること、地方庁がやること、それぞれ手分けをするのは、さきオリンピック前例に従ってやるべきであろうと私は思います。  私が、この際文部大臣所信の表明を願い、その態度を明らかにしてもらいたいことは、国際オリンピックの際の例にかんがみましても、いわゆるジャンプ場やあるいは競技場その他、大体四、五カ所くらいに分かれて行われる。その準備が、すでに札幌地元のほうでは研究が進められておるのでございます。そういう点から考えますると、国立競技場として行なうものは、東京オリンピックの例から見ましても、おのずから明らかだと思う。そういう点について、文部大臣はどういう覚悟でこれに臨み、こういう施設等について、まだもちろん閣内での意見等決定もございましょうが、いかなる所信を持っておられるか、その御所信のほどをお伺いいたしたいと思います。
  4. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 お答えをする前に、まず、  一九七二年の冬季オリンピック大会開催地が、昨日のローマにおけるIOC総会におきまして、非常に圧倒的な票数みごと札幌決定をいたしましたことは、まことに御同慶にたえないところであります。  いま御指摘のありましたような諸施設等につきましては、開催地決定をして、これから冬季オリンピックで取り上げるべき競技種目をどうするか、こういうことをIOCとの間に詰めていかれると思うのであります。そういう詰めをしていただくと同時に、それに必要な諸施設につきましては、つとめて私どもとしては、東京オリンピック大会のときの例にならいまして、適当にその地方団体とも協議をいたしまして最善を尽くしたい、かように思っておる次第でございます。ただ、具体的にどうするかということになりますと、これは私一存ではお答えいたしかねますので、いずれ内閣官房長官総理大臣等にお願いをしまして適当な機会関係閣僚会議のようなものをつくっていただき、地元地方団体とも十分緊密な連絡をとりまして、そしてこまかく検討し、せっかく——招致がきまりました以上は、もう大体場所の中心はきまったわけで、個々の競技につきましては、すでに予定されておるところが大体いいのだと思うのでございます。また同時に、IOCに対しましては、招致に際して具体的な概略設計というものを説明しておるはずでありますから、場合によっては多少の変更も余儀ない場合があるかもしれませんが、招致に際して説明をした趣旨に大体たがわないようにつとめていくのが、開催地並び開催国のつとめであると思います。同時に、今度の決定が、IOC総会において一挙に三十二票という圧倒的な票数支持を受けたということは、日本期待するものが非常に大きいと思います。したがって、われわれといたしましては、その期待にこたえるような努力をすべきである、かように考えております。
  5. 田邉國男

    田邉委員長代理 関連して質問申し出がありますので、これを許します。佐藤觀次郎君。
  6. 佐藤觀次郎

    佐藤(観)委員 大臣にちょっとお願いいたします。私は札幌誘致委員の一員になっておりますが、先回これがうまくいかなかったという理由は、札幌の市の中が統一しなくて、一部反対もあって、そのためにだいぶもめた。今度おそまきながら七二年にやることになったことはいいですけれども、御承知のように、東京オリンピック世界的に有名になっておる。それから、非常に一致してやったということで、今日世界のどこに行きましても、東京オリンピックは非常にりっぱだったという声を聞く。その影響で、あなたの言われるように、予想以上の成績でこういうことになったと思うのです。そこで、これは文部大臣の権限でないかもしれませんけれども、少なくとも冬季オリンピックのような世界的な競技は、やはり地元札幌という市が中心となってやることはもちろんでありますが、ひとつ一致の行動をとってやれるような施策をこの際とっていただくようにお願いしたいと思います。そうしないと、何といっても、外部に出る場合には、いろいろ内部的な摩擦とか、そういうものが非常に悪い影響を与えてくる。せっかくたくさんの選手が来るのに、それが来れないような、そういう結果が生まれないとも限らないので、そういう点をひとつ十分検討していただきたいと思いますが、その点は、大臣、どのようにお考えになっておりますか、この一点だけお伺いしたいと思います。   〔田邉委員長代理退席大石(武)委員長代理着席
  7. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 いまも申し上げましたように、IOC総会で圧倒的に支持をいただいた。この支持国期待に対しても、われわれとしては万全を期すべきである。そういう意味で、特に文部省としては、体育及びスポーツを所管しておりまする関係上、地元札幌市の一致した奮起を求めたい次第で、この点につきましては、北海道庁あるいは北海道知事とも十分相談をいたしまして、まず地元ほんとうに強力な体制ができる必要がありますから、その点については今後十分に遺憾なきを期したいと思っております。
  8. 前田榮之助

    前田(榮)委員 文部大臣はお急ぎのようでありますから、最後に一言希望を申し述べまして、大臣の御所見をあわせてお伺いいたしたいと思います。  それは、一九七二年の札幌における冬季オリンピック決定いたしたのですが、約六カ年間ございます。東京オリンピックのときには、約四カ年そこそこで準備をいたして、開催された年にようやく間に合ったというようなことであった。これは日本人がたいへん考えなければならぬことでありまして、特に冬季における競技等については技術の点が非常に大事なのでありまして、少なくとも国際的な競技に十分即応したりっぱな競技場を早くつくり上げて、そこで日本選手に二年なり三年なり十分な訓練を行なわしめて力をつけて、そうして全世界青年選手を迎えて堂々と戦わせる、こういうことでなければならぬと思う。そういう点について東京オリンピックとは趣の違った事情があると思うので、その点を十分お考えになりまして、今後、閣議決定や、あるいは財政当局に対する努力等、非常に骨が折れると思いまするが、これらの点に十分なお力尽くしをお願い申し上げます。その点について、ごく簡単でけっこうでありまするから、御所見をお伺いしたいと思います。
  9. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 冬季競技についてのいろいろな施設等については、すでに専門家の間に研究をされておるわけでありますが、さらに具体的に諸外国の施設あるいは競技状況等も今後十分研究を重ねて、施設等についても遺憾のないようにいたすべきである、また、さように努力するのが、札幌市をはじめ国としても責任であると思いますから、私どもとしては万全の努力を傾けたい、かように考えております。
  10. 大石武一

    大石(武)委員長代理 小平忠君。
  11. 小平忠

    小平(忠)委員 文部大臣はお急ぎのようでありますから、要点をしぼってお伺いいたします。  このたび、ローマにおいて開催IOC総会において、来たる昭和四十七年の第十一回冬季オリンピック大会札幌にきまったということは、地元関係者はもちろん、全国民とともに喜びにたえない次第であります。   〔大石(武)委員長代理退席田邉委員長代理着席〕 このことは、招致委員会関係者はもとより、主務大臣である文部大臣をはじめとして、政府当局の非常なお力添え、てこ入れがあったことで今日の大いなる成果をあげたと思うのであります。  そこで、ただいまさき質問者も言いましたように、この大会東京オリンピック大会同様に成果をあげるように、この大会契機に、日本特殊競技であるウインタースポーツについて、国民体位向上というような見地から、大いにいまから準備をしてもらいたい。そこで、誘致をするについては、関係各国に呼びかけたいきさつもありますから、最終的なものはもちろん今日まだ確定はいたしていないでしょうが、スキースケートなどの競技施設、あるいは選手村、これらに要する大体の予算、また、これに対して政府はどの程度の、どういう腹をもって援助、補助をしようと考えているのか、これらの点について、文部大臣の忌憚のない所感をお伺いしたいと思うのであります。  なお、これは最も重要なことですが、まだ六年間あるから、これはゆっくりやっていいということは、非常に危険であります。特に、条件の悪い冬季間に工事を進めるというようなこともありますので、やはりこの決定契機にすぐに準備をする必要があるのではなかろうかと思いまするので、直ちに明年度予算編成にも影響する問題でありますから、この際文部大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
  12. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 まだ具体的にどういうふうに運ぶか、私ども一存で申しかねるのでありますが、要は、急いで準備に着手すべきである、こういう御指摘に対しては、全く同感であります。同時に、関係施設については、金の問題もさることながら、これは地の利に合致した設計が非常に基本的なものだろうと思いますから、関係者は早くそういう諸般の設計準備に取りかかる、あるいは他の国の施設等を十分に参考にして進めて、十分に間に合う期間を見て万全を期するようにしてもらいたい、こう思っております。それに伴いましては、抽象的には、東原オリンピック大会の例にならってわれわれ国の例としては力を注ぐ、こういうかっこうにいたしたいと思うのであります。同時に、このオリンピック施設関係だけでなしに、やはり長期間を要しますものとしては、それに必要な関連道路とか飛行場整備とかいうようなことは、一つの施設をつくるということとは違いまして、相当長期間を要すると思いますので、こういう点もわれわれとしましては関係方面に要請をいたしたいと思います。いずれにしましても、関連道路をつくるにしても、これらの必要な施設をつくるにしても、用地その他の関係がありますから、これはどうしても札幌市を中心に、北海道地方関係機関はもちろん、住民の方々にも理解ある御協力を願うことが必要でございますから、私どもそういうようなことを衷心から期待いたしておる次第でございます。
  13. 小平忠

    小平(忠)委員 お説の趣旨はわかります。わかりますが、あえてさらにもう一点お伺いいたしたいのは、政府がこの決定と同時にこれに対して臨む腹がまえは、いま伺いましたからわかるのでありますが、同時に、施設等に対して、また関連施設に対して、国がどれだけの予算を計上してやるかということは、これからの作業でありましょう。これも理解できます。これをあえていまお伺いしようというのではありませんが、やはり、どの程度の規模のものがこれから準備が進められるかということは、国民の大きな関心事であります。したがって、これは政府自体がやるのではなくて、組織委員会もでき、また現地期成会等もできて、いろいろ東京オリンピック大会のような前例で進められるわけでありますが、この際、参考に、札幌地の利というか、そういうものなどを利用して——スキーでいえは、結局ジャンプ施設が最も費用のかかる競技施設でありましょう。スケートでいえば、いわゆるスピードの、結局国立競技場的なものが一番費用のかかるものであろうと思うのであります。それに関連する選手村、こういったようなものは、いままでの誘致運動を通じて、総体でどのくらい計画しておったのか、これに対して政府当局はどのように見ておるのか、そういったことについてお伺いいたしたい。  さらに、いまから四年前に敗れました、ただいま佐藤委員からの指摘もあったそういった現地実情も、これはいなめない事実であろうと思うわけであります。しかし、今回は三十二票という圧倒的な得票で当選決定を見たということは、やはり東京オリンピック大会成果なり、さらに、札幌現地実情調査した結果、現在出ておる五つ六つの候補の中では最も有力であるという結果だと思うわけであります。そういう見地からして、これは大臣もちょっと指摘されましたけれども、今朝、日本時間では今未明決定連絡を受けたわけでありますが、その瞬間に私は、やはりその期待にこたえ、また日本としても恥ずかしくない——遠くさかのぼれば二十数年前からの悲願でありますが、これを達成して成果をあげるについては、単なるオリンピック施設だけでなく、関連する各種施設や、あるいは各国のそういった関係者に来てもらっても恥ずかしくないだけの体制を整えるということが、ひいては日本国民体位向上、これからの日本を背負って立つ若人の体位向上ということに大きく役立つのでありますから、そういった問題について、やはり政府は直ちに具体的な腹がまえをもって進めてもらいたい。これは、大臣への質問が終わりましてから、官房長官にも具体的な政府考え方についてお伺いしたいと思うのでありますが、主務大臣でありますから、その二点についてさらにお伺いいたしたいと思います。
  14. 中村梅吉

    中村(梅)国務大臣 非常に時間の関係もありますから、まとめてお答えをさしていただきたいと思います。  大体、招致計画していろいろ現地IOC関係者説明をしておるわけでありますが、この招致計画の上における積算の数字で見ますると、大体競技施設整備するのに約二十億くらいかかるという計画のようであります。私どもも、もちろん、これは詰めて計算をしておりませんから、よくわかりませんが、今後こうしたものについては、国も助成し、お手伝いをするとすれば、どういうふうな施設、あるいはその建設費は正確なところ幾らになるのか、こういうことは詰めて見なければならないと思います。先ほども申し上げたように、これは現在の積算でありますけれども、少なくともIOC関係者日本招致側説明をしましたことにうそがあってはならない、必ずその説明よりもまさるとも劣らない施設は、これは地元及び国として協力をいたしまして完備すべきものである、かように考えております。  なお、その他の点につきましては、いろいろございますが、特に大事なのは、私は選手強化であろうと思うのであります。東京オリンピックの際にも、選手強化につきましては国のほうも経費をある程度負担しまして、体協を中心選手強化につとめてまいりましたので、今度はまだ六年も年限がございますから、その間において選手強化をいたしまして、とにかく開催国として恥ずかしくない程度成績——これはスポーツですから、ほかの競争と違いますので、スポーツマンシップはあくまでも堅持しなければなりませんが、その上に立って、相当の成績があげられるような努力は当然傾けていくべきである。特に日本の国は、国内的にはいろいろ議論がありますが、この三十二票が一挙に入って——競争相手がかなり有力な国や都市でありますから、場合によったらどうも決選投票にでもなるのじゃないかと心配しておりましたら、こういう圧倒的な支持を得たということは、国際的には日本の国はずいぶん信用があるんだなあということをいまさらのように私は知ったわけで、この国際的信用にもこたえる努力をしなければならぬ、かように思っております。
  15. 小平忠

    小平(忠)委員 文部大臣への質問は以上で終わりたいと思いますが、ただいま文部大臣からきわめて適切な御答弁がありましたので、主務大臣たる中村文部大臣決意のほども理解できます。しかし、これは内閣全体の問題であろうと思いまして、特に内閣官房長官がお見えでありますから、本件に対します心がまえというか、基本的なものを二、三お伺いしたいと思うわけであります。  ただいまも文部大臣がおっしゃいましたように、私も誘致委員の一人であり、昨晩は寝ないで外電の入るのを委員とともに実は待機しておったわけであります。やはり四年前のことがあるものですから、今回はずれますとまたたいへんなことになるということ、それからやはり長い間の悲願でもあるということから、非常に朗報を得まして関係者ほんとうに喜んでおりまして、筆舌に尽くし得ないものがあるわけであります。このことは、結局日本の国際的な地位というか、そういう面からも非常に意義深いものだと思うわけであります。文部大臣は率直にそのことを認められておるわけでありますが、そこでこれを具体的に進めるのに、かつて東京オリンピック大会開催準備の過程においても、われわれは政府に対してたびたび督励申し上げたこともあるのでありますが、やはり何といっても、国自体の腰の入れ方というか、そういうものが大きく影響するのであります。特に今度は開催地東京から津軽海峡を隔てた北海道という遠隔の地にありますために、特にいまから準備体制を整えていただかなければならぬ、こう私は思うのであります。そこで、政府といたしまして、東京大会のように、いわゆる冬季オリンピックに対して、閣僚協議会あるいは担当大臣、こういうものを設置する、私は当然だと思うのでありますが、こういった担当大臣を置いてこれを進めるという考え方があるのかないのか。もちろん、文部省だけでなく、あるいは内閣官房だけでなく、自治省や農林省、建設省、各省に関連する問題だと思うわけであります。そういうことから、関係閣僚会議あるいは協議会的なものをお持ちになるのか、こういう点をまずお伺いしたいと思う。
  16. 竹下登

    竹下(登)政府委員 ただいまの御質問でありますが、まず、このたびのオリンピック冬季大会第十一回大会札幌開催決定につきまして、政府といたしましては、今朝、文部大臣談話の形式をもちまして、国民とともにその決定について欣快にたえない趣旨と、また決意のほどと、今日まで御努力いただいた関係各位に対する感謝の談話を発表したような次第であります。  さて、そこで、ただいま小平委員の御質疑に対しまして、文部大臣がそれぞれお答えになりましたことを大きく出て御答弁をすることに相ならないかとも思うのでありますが、先ほど内閣官房長官文部大臣、私、おおよその筋を協議いたしまして、先例にならいまして、まずとりあえず、東京オリンピックのときのように近々準備対策協議会を、これは総理府が庶務をつかさどるという形で置かなければならないであろうということをお互い確認いたしたのであります。これには、開催地札幌市はもとより、北海道全体の御協力が必要でございますので、けさ来、近々に札幌市長も御上京に相なるやに御連絡をいただいておりますので、さっそく市長さんともよく協議をして、また道庁、道知事さんのほうともよく協議いたしまして、万遺漏なき形で進めたいということは、基本的に申し上げておかなければなりません。そうして最も適当な時期に——ちょうどいつがいいかということは、ある程度事務段階における計画等整備した段階がよくないだろうか、これは判断でございますけれども東京オリンピックの場合には、当時閣僚懇談会と申しておりましたが、先般各種閣僚懇談会の整理をいたしました際、今後閣議決定で行なうものは閣僚協議会という名称に統一をいたしましたので、当然、第十一回オリンピック冬季大会関係閣僚協議会というものを適当な時期に置くということに相なろうかと思います。しこうして担当大臣を置くという方針で今後進めていくという手順に相なろうかと思う次第であります。  事務段階対策協議会東京オリンピックの際できましたのがちょうど五年前でございますので、ただいまの小平委員の御意見にもありましたごとく、東京を離れた地域でもあり、私個人としては、地元との打ち合わせが終わったら、少なくとも総理府を窓口とする事務段階協議会は最も早い機会に設置しなければならないというふうに考えております。  もとより、オリンピック大会自体は、所管省文部省であります。お説のとおり、これに伴う宿泊施設でありますとか、道路飛行場等々、あらゆる環境整備連絡調整の任には内閣官房が当たらなければなりませんし、十分御趣旨の方向を体して、また東京オリンピック大会の体験を生かしながら万遺漏なきを期してまいりたい、かように考えております。
  17. 小平忠

    小平(忠)委員 あと一点お伺いいたします。  現時点においては、竹下官房長官説明、御答弁、まことに適切であると私は思います。よく了解いたします。どうかそういう趣旨のもとに——六年あるからまだゆっくり取りかかってもいいということには、私はまいらぬような気がいたします。そこで、ただいま御答弁のような基本的な考え方あるいは精神で推進を願いたいと思うわけであります。  特に私がこの際もう一点お伺いいたしたいのは、オリンピックは、勝ち負けは抜きにして、参加することに意義があるということばは、あまりにも有名であります。特に北海道は、冬季間は、多くの関係者が、ウインタースポーツに適する地域であるというようなことから、日本において特に戦後スキースケートなどの関心あるいはこれに対する選手の養成、こういったものが非常に前進していることは喜びにたえませんし、また、これらの選手の中では、国際的水準において相当な成果をあげる選手ができてきております。しかし、まだまだ——東京大会契機日本のあらゆる体位向上によって選手強化がなされたと思うのでありますが、やはり少なくとも開催地日本国選手に、勝敗は抜きといえども、その成果期待するのは、これは国民必然性だと思うわけであります。そういう意味で、やはりそのことは体位向上ということにももちろんつながる問題であります。これはもちろん文部省所管ではありますけれども内閣全体として、今後このウインタースポーツに対する国の積極的な施策、これは従来のような手ぬるいいき方では、なかなか困難ではなかろうか。というのは、やはり施設ども伴いまする問題があります。陸上と違って、選手そのものがいろいろ装備をしなければならぬというような問題も実はあるというようなことから、私は、このオリンピック開催決定契機に、いままでとは変わった観点から、大いにこのウインタースポーツの振興に対する適切な施策が必要である、このように考えるのでありますが、この点についてはどのようにお考えか。  さらにもう一点、実は文部大臣も、非常な熱意をもって推進したい、ただいま副長官、あなたも、積極的に進めたい、こうおっしゃっておられるのでありますが、本国会も会期末であります。会期も余すところ非常に少なくなりました。しかし、この会期内にある程度の段取りをいたしてかからぬと、もうすでに昭和四十二年度の予算編成というか、そういった作業も各省では始めておるような現状でありまするので、この点についてもっと積極的な推進を願いたい。  この二点についてお伺いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  18. 竹下登

    竹下(登)政府委員 前段の、ウインタースポーツの振興、それに伴うところの施設整備等を含むもろもろの施策につきましては、これは私からお答えするのはいかがかとも思うのでありますけれども文部省におきまして、十分これを契機としてさらに積極的な充実をはかるべきであると私も考えております。  第二段の、会期末に相なりました今日でありますが、先生の御趣旨は、きょうこの開催地決定を耳にして、直ちにでも行動に移って万遺漏なきを期せよという、御鞭撻の意味も兼ねた御質問であろうかと思いますが、その御趣旨に沿いまして文部省体育局のほうでもかなり準備がそれなりに予測をしてなされておる状態でございますので、内閣としてもこれを督励して、御趣旨に十分沿うような措置をいたしたい、このように考えております。
  19. 小平忠

    小平(忠)委員 終わります。
  20. 田邉國男

    田邉委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十四分散会