運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-02-11 第51回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年二月十一日(金曜日)    午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 大石 武一君 理事 島村 一郎君    理事 田中 榮一君 理事 只松 祐治君    理事 前田榮之助君       伊能繁次郎君    上村千一郎君       海部 俊樹君    砂田 重民君       橋本龍太郎君    佐藤觀次郎君       坂本 泰良君    栗山 礼行君  出席政府委員         文部事務官         (体育局長)  西田  剛君         厚 生 技 官         (公衆衛生局長中原龍之助君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  角井  宏君         文部事務官         (社会教育局青         少年教育課長) 石川 智亮君         文部事務官         (体育局体育課         長)      諸沢 正道君         文部事務官         (体育局スポー         ツ課長)    松島 茂善君         厚 生 技 官         (公衆衛生局栄         養課長)    坂村 堅太君         厚 生 技 官         (児童家庭局母         子衛生課長)  萩島 武夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  体育振興に関する件(国民の健康、体力つくり  関係施策)      ————◇—————
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  体育振興に関する件について調査を行ないます。  この際、国民の健康、体力つくり関係施策につきまして、文部省及び厚生省よりそれぞれ説明を聴取することにいたします。西田体育局長
  3. 西田剛

    西田政府委員 文部省関係の健康、体力関係施策概要方針につきまして、最初に一言ごあいさつを申し上げます。  国民の健康、体力増強対策につきましては、さきのオリンピック東京大会におけるわが国選手体力劣位性を反省しまして、政府におきましても体育スポーツ振興をはじめ、広く国民保健栄養改善等をも含め基本方針を閣議決定し、これが具体的施策実施について検討をいたしておる次第でありますが、さらに、国民運動としての体力つくり国民会議等においても、種々の要望が行なわれておるところでございます。文部省といたしましては、これらの要望学校教育社会教育の両面にわたって積極的に施策の上に反映させていく基本方針のもとに、これが一段振興を期してまいっておる次第であります。  まず、学校教育面においてでございますが、第一に、学校体育改善充実面について、屋内体操場水泳プール柔剣道場等施設整備をはかるほか、特に体育教員資質向上のための現職教育充実に力をいたし、クラブ活動をも含め、学校体育全体の振興をはかることにつとめております。  第二は、学校保健及び学校安全についてでありますが、学校における健康診断貧困児童生徒医療費補助等、諸施策一段充実を期するとともに、学校安全につきましても、事故防止普及徹底及び学校管理下における事故救済措置改善充実等を期している次第であります。  また第三に、発育期にある児童生徒の体位、体力向上をはかるとともに、国民栄養改善にも資する見地から、学校給食普及充実に格段の努力をいたしてまいることが肝要と存じます。  したがって、学校教育における児童生徒の健康、体力つくりは、学校体育振興とともに、学校保健学校給食と、この三本の施策を調和のとれたものとして、三分野を通じての振興をはかってまいりたいと存じます。  次に、社会における体育スポーツ振興についてでありますが、民間における各種団体大会行事国際交流指導者養成等の諸活動助成をはかるとともに、スポーツ施設整備、また学校開放等事業を積極的に推進するほか、特に国民一般体育スポーツ振興をはかるため、地方における体育指導者育成及び勤労青少年に対する対策等重点を置いて、各般の施策を講じてまいりたいと存じます。  明年度予算におきましては、以上のような施策推進見地から、体育局関係予算につきましては、前年度に比べ、約十一億三千万円増の百億三千万円を計上しております。全体的に見まして、なお不十分な予算とは存じますが、内容的には新規事業、また、従来困難でありました事項についての増額等相当改善が見られておりますので、これらの有効適切な執行を期したいと存じます。  なお、この際、明年度予算の編成にあたりまして、いろいろ当委員会先生方のお骨折りをいただきましたことを、厚くお礼を申し上げます。  なお、予算の詳細につきましては、お手元資料によりまして簡単に御説明さしていただきます。  お手元に「昭和四十一年度予算要求重点事項体育局」という見出しの六枚刷りの資料がございますが、ごらんを願います。資料見方といたしましては、要求額とありますのが明年度、四十一年度予算として御審議を願うことになっておる経費でございます。次が四十年度、本年度予算比較増減、こういうような見方になっております。  第一は、スポーツ普及でございます。最初青少年スポーツ施設整備関係でございますが、全体としまして、十億九千万円余りということで、前年度に比較しまして一億六千万円余り増額を見ております。そのうち特に重点といたしておりますのは、体育施設整備関係で、公共団体設置する水泳プール体育館運動場高等学校夜間定時制照明施設柔剣道場等の五項目に分かれておりますが、主として水泳プール重点を置きまして、その他定時制高校夜間照明施設及び柔剣道場の増設につきまして、相当額増額を見ておる次第であります。  なお、次に国立競技場施設整備でございますが、これは約二千万円の増額を見ております。そのうち備考欄にあります1でございますが、明年ユニバーシアード大会東京で行なわれますが、オリンピックと違いまして庭球種目が新たに加わりますので、庭球関係施設国立競技場整備いたしたいというための経費が四千三百万円ばかり計上されております。また、そのほか競技場施設整備ということで、たとえば、ラグビー場夜間照明施設を設けて、これらの活用を一段とはかるというような経費が千五百万円ばかり計上されております。  次に、第三の国立登山センター設置でありますが、最近の登山ブーム、これに引きかえまして指導者が非常に不足しておるという状況にかんがみまして、富山県の立山町に国立登山センター設置するということにいたしまして、明年度約五千四百万円の経費をもちまして、四百坪ばかりの建物を構築する予算計上いたしております。  第四番目は、冬季オリンピック施設調査という分でございますが、これは、目下冬季オリンピック日本に招致する運動を行なっておりますが、これに伴いまして、札幌における冬季オリンピック施設関係調査をするための委員会及び現地視察経費を、少額ながら計上いたしておるような次第でございます。  次は、2の項目体力増強国民運動推進でありますが、そのうちの(1)は学校体育施設開放でございます。学校体育施設開放につきましては、かねての御要望もありまして、いろいろとこれが普及奨励をはかってまいりまして、おかげさまで大都市におきましては、相当学校開放を見ておるような現状でございますが、特に勤労青少年の場合には、夜間開放してもらいたいという要望もございますので、今回夜間開放のための照明施設等につきまして補助をする予算新規計上いたした次第でございます。これは体育館運動場等夜間照明施設整備するとか、あるいは一般開放のためにさくを設けたり、便所を別に設けるというような管理上の施設、こういうものを設ける場合に、国が三分の一の補助をしようとするものでありまして、明年度はほんの十カ所でございますが、モデル的にやってみようというものでございます。  次に、(2)のスポーツテスト普及奨励につきましては、青少年約八万人につきまして、運動能力調査を例年やっていきたいということで、そのための予算計上いたしておるものでございます。  次に、3の項目青少年スポーツ組織育成指導者養成。この関係の(1)は、国民体育大会等助成で、その内容は、増額分といたしまして千九百三十万円ほどの増額になっておりますが、そのおもな増額内容は、国民体育大会に対する補助が一千万円増加いたしましたこと、また、全国青年大会経費が約倍増されまして三百三十万円増額されたこと、また、新規教員養成大学学生スポーツ大会等に対する補助計上されたという点であります。五百万円計上されましたので、これは教員養成関係学生スポーツ水準が、戦前に比較しても劣るような実情にありますので、これを普及奨励しようという趣旨のものでございます。  次に、(2)の国際スポーツ交歓でありますが、総額として五千六百万円余りで、前年度に比較いたしまして千七百八十万円の増額となっております。その中身のおもなものは、第一に、アジア競技大会が本年十二月にタイ国で行なわれますが、それに派遣する選手団派遣費に対しまして、約三千万円の補助をしようとするものであります。  二番目は、ユニバーシアード東京大会準備のために組織委員会が設けられて、その準備に当たっておりますが、この運営に要する経費につきまして、千五百万円の補助を新たに計上したものであります。  日独スポーツ青少年交歓行事につきまして、若干経費が減額されておりますのは、明年度ドイツ側日本に来るという番になりまして、受け入れ側の場合には、多少経費が安くて済むというような事情から三百万円に減額されておりますが、そのほかに、日本とスエーデンとの青少年交歓行事、これが新たに三百万円認められております。  また、アジアユースフットボール競技会派遣、これも新しく認められたものでありまして、百万円の計上がされております。  そのほか六番目に、体育指導者海外派遣費補助が新たに二百八十万円計上を見ております。  次に、スポーツ団体助成という項目になりますが、全体として八千三百万円、前年度に比較いたしまして六百七十万円の増となっておりますが、その内容は、日本体育協会に対する補助が、三千万円から三千五百万円に伸びております。その五百万円の伸びは、ユニバーシアード東京大会選手強化費補助でございます。  高等学校及び中学校体育連盟に対する補助及び日本武道館運営費に対する補助は、前年どおりでございます。  以下、日本ユースホステル協会及び日本レクリエーション協会補助につきましては、それぞれの事業の拡張に伴いまして、所要の経費を若干増額いたしておるような次第であります。  次に、(4)の項目指導者養成及びスポーツ教室等助成でございますが、この事業は、ほぼ例年どおり軌道に乗ってまいっておりますので、諸経費単価増等を見込む程度になっております。  内容といたしましては、スポーツ教室と申しますのは、各県に十二ばかりの教室を設けまして、主として勤労青少年対象に、スポーツを覚える機会に恵まれなかった青少年に対して、スポーツ入門の手ほどきをしてやろうという趣旨のものでございます。また、指定市町村育成というのは、各県に二カ所ばかりの市町村を指定いたしまして、特にスポーツ振興の拠点といたそうとする趣旨のものでございます。  次に、4のオリンピック記念青少年総合センター整備でございますが、一億八千八百万円ばかり計上されております。そのうち施設整備につきまして約一億六千万円が計上されておりますが、そのうちの一億につきましては、主として研修室及び食堂等の新築に充てるものでございまして、あと六千万円ばかりが、現在ある施設の改修及び設備整備というような経費でございます。  以上のような次第で、体育及びスポーツ関係を含めまして、明年度十六億の要求となっております。したがいまして、前年度に比較いたしまして二億八千万円の増加というような内容となっております。  次に、青少年の安全、保健関係について御説明申し上げます。  第一番に、学校安全の普及でございますが、最近の交通事故等にかんがみまして、交通安全の徹底を期するために手引書を作成するため、少額ながら手引書作成経費計上いたしております。そのほか、日本学校安全会に対しまして、これは、児童生徒学校管理下におきまして事故を起こした場合に、これを共済しようとする趣旨のものでございますが、この事業を行なうにあたりまして、主として人件費の増及び安全教育普及という面に重点を置きまして、三千四百万円ばかりの増額計上いたしておる次第であります。  次に、学校保健振興でございますが、その第一の要保護及び準要保護児童生徒援助費補助が百万円ばかり減額されておりますのは、これは生徒数の減によるものでございます。  次に、僻地学校保健管理につきましては、従来二千校ばかりの僻地校につきまして、医師及び歯科医師巡回診療を行なっておりますが、明年度は、さらに薬剤師を加えることにいたしまして、三百万円の増加といたしております。  また、僻地における学校設備等整備費補助でございますが、僻地におきましては特に衛生環境が悪くて、ふろに入らない子供が非常に多いというような実情もございますので、これらを調査しました結果、約五百校につきまして、五年計画をもちまして学校ぶろ整備していこうという趣旨で、明年度はさしあたり百校分、千六百七十五万円を計上している次第でございます。  教員健康診断関係補助及び学校環境衛生設備整備費補助、これらにつきましてはほぼ前年同様でございます。  その次のページにまいりまして、学校給食普及充実関係でございますが、その第一番は、準要保護児童生徒給食費補助でございますが、約二十億と前年度に比較いたしまして三億八千万円ばかりの増額を見ておりますが、その内訳は、主として学校給食普及によりまして人員伸びたということが第一点と、給食内容改善したということが第二点、また、高度の僻地校に対しまして補助率かさ上げを行なうとか、あるいは産炭地についてかさ上げを行なう、こういうような経費を含めまして三億八千万円の増となっておるわけであります。  次に、給食施設設備費補助でございますが、前年度八億が約九億六千万円に、前年度と比較いたしますと一億六千万円ばかりの増額を見ておりますが、その主たる内容は、学校数におきまして、単独校及び共同調理場を合わせまして、明年度は二千百五十校分を見込んでおりまして、百三十校ばかりの増加を見ておりますほか、建物単価につきまして、実情に沿うよう増額計上いたしておるのが主たる点であります。そのほか、なま乳殺菌設備等につきましては、前年度の八カ所から三十カ所に伸ばす等の措置を講じておりますほか、高等学校夜間高校につきましては、単価の増を見込んでおる程度でございます。  その次のページにまいりまして、高度僻地学校児童生徒パンミルク給食費補助でございますが、これは新規に認められたものでございます。その内容は、三級地以上という特に僻地校の中でもその程度の高い地域について、特殊な事情がございますので、それらの地域につきましては、約十四万人の児童生徒に対して。パンミルクを無償で供与しようとする趣旨予算でございます。  それから夜間高校夜食費補助についてでございますが、これは内容的にはほぼ前年どおりでございます。ただ、単価の面におきまして若干の改善を見ておる次第でございます。  次に、学校栄養職員設置費補助でございますが、これは、前年度四百七十七人の栄養士補助がございましたが、明年度は七百九十七人と三百二十人の増を見込んでおります。なお、内容につきましては、従来は共同調理場だけにしか栄養士を置かないという制度になっておりましたが、明年からは単独校にも置くということにいたして、百五十人分を見込んでおります。  次の日本学校給食会補助につきましては、ほぼ前年同様でございます。  また、その次の義務教育学校給食用脱脂粉乳購入費補助、これにつきまして相当の減額を見ておりますのは、国内産なま乳の使用が、本年の六十七万石から九十七万石と大幅に増加いたしましたので、これに伴いまして、脱粉の使用量が減少いたしたために生じたものでございます。  なお、食管へ繰り入れにつきまする小麦粉の補助につきましては、前年どおりの一円補助ということで積算がされておりますが、一億五千万円ばかりの増額分は、人員伸びによるものであります。  以上、体育局関係を合計いたしますと、本年度八十九億の予算に対しまして、明年度は百億ということで、約十一億三千万円の増額となっておる次第であります。  次に、社会教育局関係で関連する予算でございますが、おもな点について二、三説明をさせていただきます。  一番上の国立青年の家の拡充整備関係でございますが、これが約二億円の増額になっております。その内容は、従来からあります御殿場、阿蘇、磐梯、大雪の四つの国立青年の家、現在工事中でありあるいはすでに完成しておるものもございますが、これらをさらに拡充整備するほか、第五青年の家といたしまして五千万円を計上いたしておるわけでございます。この候補地は、備考欄にありますように、広島県の江田島の予定となっております。  なお、第二の公立青年の家の整備につきましても、約七千万円の増額となっておりますが、この増額内容の主たるものは、備考欄にあります並み型十三カ所、これは前年どおりでございますが、中型二カ所というのが新規に認められたものでございまして、従来、いわゆる公立青年の家は百人足らずの小規模のものでございまして、国立青年の家の場合には四百人程度を収容し得る大規模のものでございますので、その中間的な程度青年の家もひとつ考えようということで、新しく中型青年の家というものが二カ所認められることになりまして、一カ所二千五百万円ということで、五千万円が追加計上されておるわけでございます。  なお、次におもに変わっておる点としましては、六番目の事項青年学級等充実振興というのがございます。これは、内容はほぼ前年同様でございますが、備考欄の第二にあります勤労青年学校運営費補助という分につきまして、従来六十校が八十校と、二十校増加いたした分と、それから最後の欄にあります青年教室の委嘱五百五十万円が新規に認められた、こういうふうな点で増額を見ているのでございます。  以上、簡単でございますが、文部省関係の健康、体力関係施策予算概要説明をさせていただきました。
  4. 大石武一

    大石(武)委員 ちょっと一つ。一番前のスポーツ普及のところで、上から六、七行目の運動場十カ所、千百万円とございますが、これはどこへつくる運動場ですか。
  5. 西田剛

    西田政府委員 これは学校以外に、市村町で、いわゆる市民のためにつくられる運動場に対しての補助でございます。
  6. 大石武一

    大石(武)委員 それは前からあるのですか。
  7. 西田剛

    西田政府委員 前からございます。ただ、運動場の場合には、土地購入費が認められませんので、整地費とか、ネットとか、さくとか、そういうものがおもな対象になっております。
  8. 大石武一

    大石(武)委員 その上の体育館も同じことですね。市村町のやつですね。
  9. 西田剛

    西田政府委員 そのとおりでございます。  なお、説明をちょっと落としましたが、学校屋内体操場という点では、小中学校を含めまして格段の改善がはかられまして、約十八億の予算計上されております。
  10. 福永一臣

    福永委員長 それはどこの予算になっているのですか。
  11. 西田剛

    西田政府委員 これは文部省予算でございますが、学校建物関係予算の中に含まれておるわけであります。公立文教施設予算です。
  12. 福永一臣

    福永委員長 局はどこですか。
  13. 西田剛

    西田政府委員 局は管理局でございます。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 局長にちょっと希望を申し上げますとともに、お尋ねをしておきたいのですが、冬季オリンピック施設調査費が四十八万三千円計上されておるようでありますが、これはほんとうに初期の調査をされるということの経費にすぎないものでありますか、ひとつ大臣相談をされて、後日御答弁を願いたいのです。どうせ冬季オリンピック日本において開催しなけばならぬ、また、これは国際的にも、早いかおそいかの問題はいまあるようでありますが、必ず日本にくる情勢であることも間違いない。したがって、さて日本で国際的な冬季オリンピックをやるということになりますと、当委員会から派遣されて私も現地を見ましたが、札幌が第一であることも大体もう想像もつくだろうし、そうなるものだときめて差しつかえないものだと思う。したがって、調査をされることはいいけれども、どうせ国際的な競技に差しつかえないものをつくらなければならぬ。それは国で幾らやって、地方庁で幾ら出すかという問題ももちろんありますが、できるだけ早くやって、国際オリンピックというものを日本でやっても、日本青少年選手——日本の国の中にも冬季競技場はありますけれども、国際的に恥ずかしくない設備というものは、まだはっきりとあるということはいえないと思うのです。したがって、いずれにしても国際オリンピックをやるだけの設備をどこかにつくらなければならぬ。どこかにつくるということになれば、いま申し上げたように、札幌を第一として差しつかえないものだと思う。そうすると、調査調査ということよりも早くつくって、そうしてこれらの選手に即応したところの技術の強化練習等をやることは、これは当然のいくべき筋道だと思う。したがって、単なる言いわけに調査をするような、四十八万円というようなことでなしに、もう実施ということをはっきりと頭に入れて進むべきではないかと思います。この前参りました調査団島村君が、すでにそのことは調査報告文部省のほうへも申し入れしてあるはずだと思うのであります。これは、単に文部省だけでなしに、一般オリンピックについて東京大会が開かれたときに、国がやはり国際的な立場に立って、東京都だけにやらせるというのではなしに、国が進んでやった。それと同じように、やはり札幌で開かれる冬季オリンピックについても、やはり国が努力しなければならぬものはどういうことになるかということは、おのずから出てくると思う。そういう立場に立って、ひとつ内閣でも、こうすべきだということも大体もうそれとなく方針も話があったはずだと思うのですが、そういうこと等をよく内輪で御相談の上で、はっきりとした態度でひとつ御意見を、後日でよろしゅうございますからお聞かせを願いたいと思います。以上であります。
  15. 西田剛

    西田政府委員 なお、お話のように大臣とも相談の上、後刻また答弁さしていただきますが、考え方といたしまして、第一点、候補地としては札幌ということを一応考えておるわけでございます。ただ、調査をいたします内容につきましては、冬季オリンピックと申しましても、種類が、御案内のようにスキー、スケート、アイスホッケー、ボブスレー、リュージュ等種目ほどございます。またスキーの中でも、これもジャンプ、ノルディックその他種類がございまして、それぞれの施設種類別があります。そういうふうな関係もございますし、およそオリンピックをやる場合に、どの程度のものを用意する必要があるかというような問題点とともに、将来地元でそれを活用していく場合にどの程度のものが必要であるか、こういう点も問題になろうかと思います。したがいまして、将来地元で十分に活用されていく規模としてどれくらいのものを考えるか、さらにまた、国際的な大会を行なうために、たとえば仮設施設としてどれくらいの整備を必要とするかというような問題、あるいはこの施設種類によりまして、たとえばスキー場のような場合には、なかなか採算に乗りにくい面もございますが、スケートのような場合には、非常に採算に乗りやすい面もございます。したがいまして、かような施設のうち、地元でどういうふうな施設を分担し、国がめんどうを見るとすればどういうふうな施設を援助することになるかというような問題、あるいは、たとえばさようなものを国が援助をする場合に、国立のものとしてつくるのがいいのか、あるいは特殊法人的なものでやらせるのがいいのか、あるいは府県に援助することによってやっていくほうがいいのではないか、いろいろの問題点もございますので、さような点をいろいろあわせて検討いたしたい、かような趣旨でございます。
  16. 砂田重民

    ○砂田委員 いまの前田さんの御質問に関連してですが、委員長にひとつお願いしておきたいと思います。それは、冬季オリンピックの招致委員会というものがすでに構成を終わって活動を開始しておられると思うのです。そこで、当委員会で適当な時期に招致委員会の方においでをいただいて、どういう招致運動をしておられるか等について話を聞かしていただくような機会を御検討願いたいと思います。  それから、局長に一つお尋ねしておきたいのは、この一枚目の紙の学校体育施設開放について千二百万円予算計上されているのですが、一校三百六十万円の夜間照明というのは、どの程度夜間照明を考えておられるのか。
  17. 西田剛

    西田政府委員 ただいま夜間照明施設関係は、一応運動場関係の照明という場合に、約百八十万円ばかりかかる。それから、体育館夜間照明をやる場合に九十万円ばかりかかるのではないか。その他一般の利用者のための便所を別につくるとか、あるいは境界とかさくとか出入り口を子供とは別につくる、こういうふうな経費を約九十万円計上する。こういうようなことで、合わせまして三百六十万円の経費がかかるだろう。その三分の一を補助しようという形になっております。実際的な運用の面につきましては、この三本がすべてそろわなければ、補助を出さないということでなしに、実情に即した補助のしかたを考えてまいりたい、かように考えております。
  18. 砂田重民

    ○砂田委員 その百八十万円で照明された運動場では、サッカーぐらいはできるということですか、そういった具体的なことをちょっと伺いたい。何本電柱を立てて、どういう電球をつけるか…。
  19. 西田剛

    西田政府委員 一応、さような積算もいたしておるわけでございますが、大体サッカー程度は、多少無理もございますけれども、できるという計算になっております。
  20. 福永一臣

    福永委員長 別に質問ございませんか。  ただいま砂田君から御質問の、冬季オリンピックの招致委員の代表者に話を聞くという話は、関係各省によく聞きまして、適当な日を選びたいと思います。     —————————————
  21. 福永一臣

    福永委員長 次に、中原公衆衛生局長
  22. 中原龍之助

    ○中原政府委員 厚生省関係体力増強に関する問題について、来年度予算関係に関連いたしまして申し上げたいと存じます。  厚生省関係につきましては、いわゆる健康をあらわす指標といたしまして、体育体力あるいは栄養など積極的に健康を増進する面からの指標と、それから疾病、障害の程度種類、あるいは死亡率などのような、健康を害するという面からの指標と、大体二つに大別できるわけでございます。また、これに関連いたしまして、健康を育てる場として、いわゆる生活環境の水準を向上するということも、一つの指標になるわけでございます。したがいまして、健康増進対策を広く考えてまいりますと、厚生行政のほとんど大部分に関係をするということになってまいるのでありますが、これをなお少し狭い意味におきまして、健康、体力の増強ということで申し上げてみたいと思います。  その所管関係におきましては、まず第一番目に、国民栄養改善をはかるために給食栄養管理、それから栄養指導、こういうようないろいろ事業がございます。これは、公衆衛生局の栄養課が所管をしておりまして、栄養課が中心になってこの方面をやっておりますが、このほかに、直接現場に働く面におきましては、保健所という面も関係してくるわけでございます。そのほかに、疾病全体につきましては、ガンとか結核、伝染病、性病対策、精神衛生、こういう面がございます。  それから、次に大事なことと私ども考えておりますのは、国民の体位向上の基礎には、いわゆる乳幼児の健康増進といいますか、そういう面から始まるべきでありますので、このために母子保健、乳幼児の栄養、母子の健康管理、こういうような事業がございます。これは児童家庭局の母子衛生課が中心になってやっております。  次に、体育スポーツ、レクリエーション、こういうものの普及のためには、施設整備、それから指導者養成、集団訓練、このような各種事業がございますが、厚生省といたしましては、自然を中心としたレクリエーション活動ということのために、国立並びに国定公園の施設整備、それから国民宿舎、国民休暇村の建設というような面につきまして、これは国立公園局の管理課、計画課、休養施設課とございますが、この国立公園局が中心になってやっております。  次に、児童のために健全な遊びを与え、そうして児童の健康を増進するばかりでなく、情操も豊かにしていくという一つの面から、児童館の設置とかあるいは児童遊園、児童用のプール、児童公園というようなものがございますけれども、この問題につきましては、児童家庭局が中心になってやっているわけでございます。  そのほかに、全般といたしまして、いわゆる勤労者に対する体育、レクリエーションという面がございます。この面につきましては、社会保険の福祉事業関係予算がございます。たとえば健康体操の普及あるいは指導者養成という例がございますけれども、社会保険の福祉事業としての予算がございます。  このほかに、大きく健康な生活を送る場としては、いわゆる環境整備といたしまして、環境衛生局の環境衛生課あるいは公害課というものが中心になって事業を進めているわけでございます。  次に、予算関係の概略について申し上げたいと思いますが、これにつきましては、諸先生方の非常な御協力をいただきましたことを厚くお礼申し上げたいと思います。  国民栄養改善につきましては、これは前年度に比較いたしまして二千百七十万円ばかりの増が内示されてきております。そしてこの中におきましては、いわゆる集団給食の指導というものの増額が特に認められております。あるいはまた衛生関係指導者養成等委託費というものが八百万円ばかりの増額が認められております。  次に栄養研究所でございますが、これにつきましては若干増になっております。  次は、いわゆる母子の保健栄養改善という面から、これは児童家庭局の所管でございますけれども、広い意味の健康増進というものに関連いたしまして、保育所を含めまして約二十五億一千四百万円、これだけの額が前年度に比較して増額の内示を受けております。  次に、国民のレクリエーション施設といたしましては、国立公園の施設整備費あるいは国立公園等の管理費というものが主でございますけれども、これが前年度に比較いたしまして約四千万円の増でございます。  次は、児童の体育、レクリエーション施設といたしましては、前年度に比較いたしまして、前年度五千五十万円でございましたのが、これが五千九百三十万円の増ということで内示されてきております。これの大部分といいますものが、ここに出ておりますのは児童館の運営補助、それから特殊法人「こどもの国」の出資金というものでございますけれども、その他児童用プールあるいは児童遊園の設備、こういうものにつきましては現在未定になっております。これは国民年金の特別融資のほうの関係で現在まだ未定になっております。  それから勤労者の体育、レクリエーションといたしまして、前年度に比較いたしまして百三十二万四千円の増というかっこうになっております。  はなはだ簡単でございますけれども、概略につきまして御説明申し上げました。
  23. 福永一臣

    福永委員長 次に、補足説明を求めます。坂村栄養課長
  24. 坂村堅太

    ○坂村説明員 ただいま局長から予算の概略につきまして御説明申し上げましたが、なお、若干内容につきまして補足説明を申し上げたいと思います。  お手元の厚生省関係の「昭和四十一年度健康増進関係予算額」という資料をごらんいただきたいと存じますが、国民栄養改善につきましては、一億四千三百五十万円計上されております。特にこの中では、集団給食とそれから僻地栄養指導ということで、栄養指導車の整備を考えている次第でございます。  それから次のページにまいりまして、これは母子関係でございますので、母子衛生課長からでも御説明願えればと存じます。  それから国民のレクリエーション施設でございますが、これも体力増強の三つの柱の一つとして考えられております、いわゆる栄養運動鍛錬、休養というその三つの柱の、休養の部分に相当するものとして考えられておりますけれども、この中では、国立公園等を中心にいたしまして、ハイキングであるとかそういうような指導を充実していく、あるいは国民休暇村の整備をはかるというようなことでございます。  それから児童の体育、レクリエーション、これも児童館の整備あるいは児童用プール、児童遊園あるいは「こどもの国」の補助というようなことでございまして、いわゆる小さい年齢のときに、その一生を支配する体力ができ上がるわけでございますので、そのような意味で整備をはかってまいるという考え方でございます。  それから、最後の勤労者の体育、レクリエーション、これも各界で実施されておりますけれども、健康保険に加入している勤労者を特に対象にいたしまして、毎年各種の大会実施しているわけでございますが、それの必要経費、それから健康体操の普及につきまして、それの必要経費計上してあるような次第でございます。  以上、簡単でございますが、内容につきまして補足説明をさしていただきました。
  25. 福永一臣

    福永委員長 次に、萩島母子衛生課長
  26. 萩島武夫

    ○萩島説明員 児童家庭局の母子衛生課長でございます。  児童家庭局の関係部分につきまして御説明をさしていただきます。  二枚目の上のほうでございますが、母子の保健栄養改善につきましては、妊産婦、乳幼児の集団指導、それから妊産婦、新生児、未熟児の訪問指導、三歳児の健康診査、これが今回母子保健法が成立されまして、大いに強化をすべき方向の問題でございますが、補助率のところに書いてございますように、これは保健所の運営費の補助金の中に組み込まれております。四十年度予算でゼロと書いてございますけれども、これは年度当初地方交付税のほうに組み込まれておったために、予算上はゼロとなっておる次第でございます。  それから、続きまして母子栄養強化費、これは昨年初めて予算化をしていただいて、いろいろお世話をいただいたわけでありますが、摘要に書いてございますように、一人一日牛乳一本を九カ月間支給しようという対策でございます。本年度は、対象のところに書いてございますように、生活保護世帯の妊産婦、乳幼児、それから市町村民税非課税世帯の妊産婦、乳幼児につきまして対象にいたしておったわけでございます。四十一年度におきましては、対象の3のところに書いてございますが、市町村民税の均等割りの納入世帯のところまで範囲を拡大して支給をいたしたいと考えておる次第でございます。  次に、母子健康センターは、未定と書いてございますのは、社会福祉施設整備費補助金二十九億の中から支出しておりますので、予算額としてはまだはっきりしておりませんが、毎年九十カ所程度増設をされておるような現状でございます。  それから、次の保育所整備費につきましては、摘要欄にございますように、保育所の措置費でありますとか、あるいは僻地の保育所の運営費でございますとか、また農繁期その他におきまして、季節的に保育所を運営いたします費用でございますとか、あるいは保育所の整備費そのものでございますが、保育所につきましても、大体毎年三百カ所ぐらいの増設を計画いたしております。  それから母子休養ホームにつきまして、四十年度二カ所できておりますが、これにつきましても必要な方向だと考えております。  それから、最後の妊産婦、乳幼児の保健指導費、これも母子保健法に関連して強化をすべき方向の項目でございますけれども、この四十年度予算額ゼロと申しますのも、同様に地方交付税に組み込まれておったためでございます。これは、特に摘要に書いてございますが、生活保護その他保健の指導が必要であるにかかわらず、見てもらえない方々のために補助を出す費用でございまして、十分の八の補助率でございます。  以上でございます。
  27. 福永一臣

    福永委員長 ただいままでの文部省及び厚生省の説明に対しまして、資料要求並びに御質疑があれば、この際承ります。
  28. 前田榮之助

    前田(榮)委員 一応聞いたのだから、またこの次、いつかの機会にこちらも研究してから質問をしたいと思います。
  29. 福永一臣

    福永委員長 それではそういうことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十九分散会