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伊藤(卯)
委員 市中銀行はもちろんこれは貸しません。開発銀行のほうも中小にはなかなか貸さぬ。そうすると、一体どこから金を借りるかという問題になります。したがって、中小企業金融公庫というか、そういうところで特別のワクをつくってやらなければ、これらの問題は
解決しません。この点を十分考えてやってもらわなければならぬことは申し上げるまでもありませんから、この点は別にいま
答弁をいただかなくともよろしゅうございます。市中銀行は貸さぬ、開発銀行もだめ、そうすると、
あと、中小企業金融公庫というか、そういうところのこれらに対するワクを何か特にお考えにならぬ限りにおいては、これらの問題の
解決はできないということを、これは局長も横で承知の上ですから、十分ひとつ考慮していただきたい。
それから、
あと三つ問題がありますが、これは言い古しておる問題ですから、ごく簡単にお尋ねします。
この前労働
大臣がおられたときに御質問申し上げたことでありますが、新鉱を開発しても、ビルド
炭鉱を近代化しても、
炭鉱をいまのような不安定な
状態のままにしておけば、人的に老朽・老廃してしまう。もうすでに平均年齢が四十近くなってきています。そうしますと、これはもうおじいさんみたいになってしまうのですね。職員だって
自分の子供を職員として
炭鉱に残さない、従業員はもちろんのこと
自分の子供を
炭鉱に労働者として残さないというくらいですから、若い者が入ってくる道理がありません。ですから、だんだん平均年齢が老化していってしまうから、こういう
状態であると人的に老朽・老廃してしまうのじゃないか。したがって、計画出炭というものはなかなかできなくなってしまうのじゃないか。だから、そういう点から、特に
炭鉱労働者、坑内労働者に老齢年金制をつくる、これが
一つの魅力になるのじゃないか。定年まで働けば老後の生活は保障される、あるいは、山の寿命というものはきょうあってあすないというものがありますから、転々としても、とにかく少なくとも
炭鉱に十五年、二十年以上といって永年勤続をすれば、永年勤続者としてそれは
計算される、そして老齢年金で老後の生活ができる、こういう
一つの特別な保険制というものがつくられれば、これは大きな魅力として、Aの
炭鉱にはいなくなってもBの
炭鉱で働ける。そうすれば
炭鉱の計画出炭というものはできていくわけでありますから、そういうものをつくる以外にもはやないのじゃないか。ああいう危険重労働だから、したがって、特に最低賃金という問題、労働諸条件の問題等もありますけれ
ども、しかし、一番魅力になるのは老齢年金である。そういうことから、これは私、石田さんが労働
大臣をしておられたときにも話をし、それから、この間小平さんとも話しました。それから、厚生省関係とも話しました。労働省も厚生省も、いずれも賛成でございます。これはあなたのところではありませんけれ
ども、しかし、影響を受けるのはあなたのところですから、保険の問題は労働省、厚生省に関係しますけれ
ども、その生産の上に被害を受けるか有利になるかどうかという問題は、これはあなたのところですから、やはり、あなたが音頭をとられて進めていただきたい。労働省、厚生省関係などは賛成であります。ただ、厚生年金との関係をどうするか、あるいは退職金との関係をどうするかという、その辺の扱い方をいろいろ
検討し合っておるようでありますけれ
ども、これはぜひひとつあなたが音頭とりになって積極的に促進してもらいたい。この間小平労働
大臣は、できれば
臨時国会にでも出すようにしたいと思います、少なくとも
自分が労働
大臣中にこの問題は
解決できるようにしますと、ちょうど、あなたがいま、
石炭問題はおれの
通産大臣中に
解決すると言われたと同じような、そういうなかなか意気込みの強いことを言っておられました。まことに喜ばしいことですが、どうか、ここで
答弁だけうまいこと言っておったらそれでもう関所をのがれるのじゃないかというようなことでなく、せっかくこの問題は労働、厚生両省とも賛成していますから、あなたの音頭とりでひとつぜひ積極的にやってもらいたいと思うが、どうです。