○板川
委員 どうもこの間の競輪
審議会の答申以降のことしか大臣は考えていないのですね。こういうギャンブル行為のあり方というものは、政治家としてこうあるべきだという
見解があっていいのではないですか。これは大臣、
昭和三十三年七月二十九日の
閣議了解として
——これは競輪だけに限って議論してみますが、今後、競輪等の競技場の新設は認めないように
措置するほか、既設のものについてもその運営の健全化をはかるように配慮しようというのが
閣議決定になっている。大々的に奨励などしないことはもちろん当然ですよ。奨励すべきじゃないのですよ。ただ新設を認めないという
趣旨は従来認めておったが今度はさせぬぞということは、できればこれはなるべく少なくしていこうという
趣旨に基づいて
閣議決定がされたんだろうと思うのですよ。そうして池田
内閣のときに公営競技
——こういう競輪、競馬その他、こういったものはどうあるべきかということをこの
調査会を設けて
審議して答申をさせたのですね。これは御承知と思うのですが、公営競技
調査会長の長沼弘毅氏が
昭和三十六年七月二十五日に答申をしているのです。この答申の前文でこういっておるのです。これは基本的な考え方なんですが、「本
調査会としては現行公営競技の存続を」認める。しかし「少なくとも現状以上にこれを奨励しないことを基本的態度」とする。そして「その弊害を出来うる限り除去する方策を考慮した。」こういう
趣旨なんですね。これは存廃を議論しておるのですから、廃止するまでに至らないが、しかしこれ以上奨励しない。そして残す以上は悪い点は直せ、これが公営競技
調査会の報告なんです。この公営競技
調査会というのは内外のこれこそは学識経験者といわれる人を集めて国民的な立場から
審議した結果の結論なんです。この点からいえば、こういうギャンブル行為というのはいろいろな議論があるから全廃するわけにいかぬ。しかしこれを基本的にはこれ以上拡大するような方向はやめるべきだ。残っておる以上はその悪いところを直せ、こういうことです。この原則の上に立って車券等の場外売り場については現在のものを増加しないことを原則とするといって、ふやさないということを答申しておるのですね。これは頭に入れておいていただきたい。
次の議論なんですが、この法に基づいて公営競技
調査会が内外の学識経験者を集めて答申をした。大臣が先ほどからいっておる競輪
審議会の答申というのは、競輪を存続するという、競輪の運営をどうするかということで、この競輪
審議会のメンバーを見ますと、大部分は競輪に賛成しておる人なんです。計算してみたところが、大臣、この競輪
審議会の十八名の中に競輪の恩典を受けていると思われる者は八人おるのです。四人はこれは重工の局長とかあるいは
通産省官房長とか警察庁保安局長とか、こういった人ですから、これは
政府機関の者で、きまればそのとおりにやりますということなんです。みずからその積極的な
意見を言い出す者じゃないのですね。第三者と称する人は六人ですよ。だから六対八ですから
——たとえば賛成者の中には関東自転車協議会の会長だとか、九州電力常務取締役小出さん、これは昔競輪
関係をやった局長でしょう、そのほか何とか産業の社長とかあるいは自転車振興会の会長とかあるいは何とか工業の社長とか、みんなこれ競輪
関係者です。競輪によってある種の
——まあ競輪の存在を是認した上の運営ですね。ですから私はこの競輪
審議会の答申が前の公営競技
調査会の答申を曲げるようなことがあってはいけないと思うのですね。競輪
審議会は、これは競輪を是認した上ですよ。それから公営競技
調査会は、これはある種の公平な第三者という者の
意見、それでこの基本的な方向を出されたのですから、だからその方向の内で競輪
審議会というものは運営さるべきだ。競輪
審議会の答申が正しいのだから尊重しているといって
内閣総理大臣答申の公営競技
調査会の答申をはみ出すような競輪
審議会の答申なんというものは、大臣は聞く必要はないですよ。そうじゃないですか。そうしますと、この場外車券売り場を五年間さらに存続しろ、これはやはり問題だと思うのです。どうしてかというと、競輪の場合、従来の公営競技
調査会の報告に基づいて
通産省がやっていた中には、この
調査会ができるときにはすでに
通産省は
一定の売り上げの基準に達したらば場外売り場をやめるという原則をとっておったのです。そのとっておった上において、この公営競技
調査会の報告が出されておるのです。だから、この公営競技
調査会の報告というのは、競輪の場合には
一定の売り上げ基準になったらばそれは場外をやめるんだということを基本的な
前提としているというふうに私
どもは
解釈するのです。ところが、今度の競輪
審議会では、これはさらに五年間延長しろ。五年を目途に延長しろということは、競輪
審議会が公営競技
調査会の方針を変更するような答申じゃないだろうか。こういった答申を大臣が尊重する必要はないのではないか、こういうふうに考えるのです。いかがですか。