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三木国務大臣 青写真青写真と言われますけれども、やはり
中小企業者自身が
近代化をはかって、
中小企業の持っている大
企業に比べての
格差をみずから是正しようという自発的な
努力がやはり根底になって、そして
政府もこれに対して助長しようということが本筋で、
政府が全部
中小企業をこういうふうにするのだという青写真をつくってやる、そういう
経済の仕組み、そういうことを私は適当だと思えない、それができるわけじゃない。こんなに零細な単位の
中小企業が、これだけの比重を占めている
日本の産業界で、鮮明な
中小企業の青写真をつくってこのようにやりますということは、ことばでは言えても実際にはできない。だから
中小企業者自身も、これから新しくこういう国際競争の激しいときに処していくためにはみずからもやるのだ、みずからを一番よく知っているのは自分ですから、そのみずからの
努力をするということに対して
政府がこれを助長していくということでなければ
中小企業問題の解決への前進というものは、私はなかなかむずかしいと思う。一ぺんに青写真をここで出してみるといってもそれはなかなか青写真の出せるような性質のものではない。そこで
中小企業に対しては、いま言ったような
中心は
中小企業の
近代化、立ちおくれを取り戻すということが
中心になるので、こういう点を今後の予算などにおいても重点的に考えていきたいと考えておるわけでございます。しかし当面の、いま御指摘の
倒産件数が毎月ふえていくよう晦
状態は非常に憂えて、新聞の三面記事にもいろいろな不幸な事件が毎日のように出ることに対して私も心を痛めている一員であります。その
対策については本日御
審議を願うようなことも、
担保力の弱い零細
企業者に対して少しでも年末、これからにかけての負担を緩和したいという気持ちからこういう二
法案の御
審議を願うようなことにもなっておりますし、あるいは御
承知のように八百二十億
政府、三
金融機関が
資金追加もいたしまして、市中銀行に対しても、年末の
金融などに強く要請をいたしておるし、あるいは
中小企業三
金融機関の
金利を引き下げたり、いろんな手を
政府は、
佐藤内閣になって以来、いろいろやっておるわけです。しかし、根本は、そういうことだけでは
中小企業というものが安定してやっていけるということにはならない。そのためには、やはり
中小企業の持っておる弱さ、その構造上の弱さというものに対して、今後、
政府がその弱さをなくしていくことに、
中小企業が立ち上がれるような助成策を講じていくことが前向きの
中小企業対策の
中心である、これに力を入れていきたい、こう考えておる次第でございます。