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1965-12-22 第51回国会 衆議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十年十二月二十日)(月曜日) (午前零時現在)における本委員は、次の通りであ る。    委員長 内田常雄君 自    理事 浦野 幸男君 自 理事 小川 平二君 自    理事 始関伊平君自 自 理事 田中 榮一君 自    理事 中川 俊思君 自 理事 板川 正吾君 社    理事 加賀田 進君 社 理事 中村 重光君 社      稻村左近四郎君 自    遠藤 三郎君 自       小笠 公韶君 自    小沢 辰男君 自       海部 俊樹君 自    神田  博君 自       菅野和太郎君 自    黒金 泰美君 自      小宮山重四郎君 自    佐々木秀世君 自       田中 龍夫君 自    田中 正巳君 自       田中 六助君 自    中村 幸八君 自       二階堂 進君 自    長谷川四郎君 自       古川 丈吉君 自    三原 朝雄君 自     早稻田柳右エ門君 自    石野 久男君 社       大村 邦夫君 社    五島 虎雄君 社       桜井 茂尚君 社    沢田 政治君 社       島口重次郎君 社    田中 武夫君 社       楯 兼次郎君 社    松井 政吉君 社       山崎 始男君 社    麻生 良方君民社       山下 榮二君民社 ————————————————————— 昭和四十年十二月二十二日(水曜日)    午前十時五十四分開議  出席委員    委員長 内田 常雄君    理事 浦野 幸男君 理事 小川 平二君    理事 始関 伊平君 理事 田中 榮一君    理事 中川 俊思君 理事 加賀田 進君    理事 中村 重光君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       小沢 辰男君    海部 俊樹君       神田  博君    黒金 泰美君      小宮山重四郎君    佐々木秀世君       田中 龍夫君    田中 正巳君       田中 六助君    中村 幸八君       長谷川四郎君    三原 朝雄君     早稻田柳右ェ門君    大村 邦夫君       桜井 茂尚君    島口重次郎君       山崎 始男君    麻生 良方君  出席国務大臣         通商産業大臣  三木 武夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官       進藤 一馬君         中小企業庁長官 山本 重信君         中小企業庁次長 影山 衛司君  委員外出席者         国民金融公庫理         事       油谷 精夫君         中小企業金融公         庫総裁     舟山 正吉君         中小企業信用保         険公庫理事   菅 博太郎君     ————————————— 十二月二十一日  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第九号)  中小企業信用保険臨時措置法案内閣提出第一  〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第九号)  中小企業信用保険臨時措置法案内閣提出第一  〇号)      ————◇—————
  2. 内田常雄

    内田委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求の件についておはかりをいたします。  今国会における当委員会活動を円滑ならしめるため、従来どおり議長国政調査承認要求をいたしたいと存じます。  調査をする事項といたしましては  一、通商産業基本施策に関する事項  二、経済総合計画に関する事項  三、公益事業に関する事項  四、鉱工業に関する事項  五、商業に関する事項  六、通商に関する事項  七、中小企業に関する事項  八、特許に関する事項  九、私的独占の禁止及び公正取引に関する事項  十、鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上の十項目といたし、調査目的といたしましては  一、日本経済総合的基本施策樹立並びに総合調整のため  二、通商産業行政の実情を調査し、その合理化並びに振興に関する計画樹立のためとして承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  なお、議長に対する要求書の作成に関しましては、従来どおり委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。      ————◇—————
  5. 内田常雄

    内田委員長 次に、昨二十一日、本委員会に付託となりました内閣提出中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに中小企業信用保険臨時措置法案、右両案を議題とし、通商産業大臣から趣旨説明を聴取することといたします。通商産業大臣三木武夫君。     —————————————
  6. 三木武夫

    三木国務大臣 ただいま提案になりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  小企業者金融を円滑にするため、政府といたしましては、これまで、信用保証協会が行なう小企業者であって一定の要件を備えているものについての無担保、無保証人による保証について特別小口保険制度を設け、小企業者信用補完を促進している次第であります。  しかしながら、小企業者を取り巻く最近の経済環境は一段とそのきびしさを加えつつあることにかんがみまして、この際特別小口保険制度に所要の改正を行ない、もって、小企業者信用補完に遺憾なきを期する必要があるものと考えられる次第であります。  以上の趣旨に基づきまして、今回、中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。  すなわち、特別小口保険の小企業者一人についての保険価額限度額を改正し、現行の三十万円から五十万円に引き上げることであります。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。  次に中小企業信用保険臨時措置法案提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  中小企業を取り巻く経済環境は最近に至ってますますそのきびしさを加えていることは御承知のとおりでありますが、政府といたしましては、中小企業者に必要な資金が適正な条件によって円滑に供給できるようこれまで政府関係金融機関等を通じて資金量の拡充、金利の引き下げ、信用補完制度充実等を行なってきている次第であります。  しかしながら、中小企業者は、物的担保が乏しく金融機関からの借り入れが困難な状況にあること、また取引相手方たる事業者倒産事業活動の制限の実施により一部の関連中小企業者経営の安定に支障を生じていること等の事態が生じていることを考えますと、この際信用補完制度に関し、四十二年三月末までの間特別の措置を講じ、もって信用力の薄弱な中小企業者信用補完に遺憾なきを期する必要があると考えられる次第であります。  この法律案は、以上の趣旨に従いまして、中小企業信用保険担保を提供させないで行なう中小企業者の債務の保証にかかる特別の保険制度を設けるとともに取引相手方たる事業者倒産等に伴い経営の安定に支障を生じている中小企業者経営の安定に必要な資金にかかる中小企業信用保険に関する特別措置を講ずること等により、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にし、もって中小企業経営の安定に資することを目的とするものでありますが、その概要は次のとおりであります。  第一は、第一種保険について、そのてん補率を改正して、百分の七十から百分の八十に引き上げることであります。  第二は、無担保保険を新設することであります。無担保保険制度は、信用保証協会が行なう物的担保の提供を要しない保証についての保険でありまして、中小企業者一人についての保険限度は二百万円、てん補率は百分の八十であります。  第三は、倒産関連中小企業者が受けた倒産関連保証について中小企業信用保険特例を設けることであります。特例の内容は、当該中小企業者に認められる信用保険通常ワクに対して保険価額限度額を別ワク扱いとし、保険てん補率通常の百分の七十から百分の八十に引き上げ、保険料率通常年百分の三以内でありますところを年百分の二以内において政令で定める率に引き下げることであります。  以上がこの法律案提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  7. 内田常雄

    内田委員長 以上で両案に対する趣旨説明は終わりました。     —————————————
  8. 内田常雄

    内田委員長 次に両案に対する質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。島口重次郎君。
  9. 島口重次郎

    島口委員 ただいま説明がありました二法案に質問いたしたいのでありますが、この二つ法案が出てまいりました経済的な背景の問題で若干大臣にお聞きいたしまして、そのあとで二法案にお尋ねいたしたいと思います。  そこで、大臣、御承知のとおり、戦後の破産倒産最高記録は三十八年の十一月、二百六件が最高記録だと思っております。ところが三十九年、四十年に至りまして、一そう深刻になりまして、約三倍にわたる破産倒産者が多くなりつつある。その原因がどこにあるか、政府のほうの理解のしかたをお尋ねしたいと思います。
  10. 三木武夫

    三木国務大臣 これはやはりいろいろな理由があると思いますが、端的に言えば、最近に倒産が非常にふえてきた原因は、仕事がなくなった、受注の減少、それからそれに伴って経営の悪化、こういうことが主たる原因——ほかにもたくさんあると思います。あるけれども、一番は仕事がない、こういうためにやっていけぬといった倒産が、現象の面としては一番大きな原因になっておる、こういうふうに考えております。
  11. 島口重次郎

    島口委員 大臣おっしゃるように、いろいろなケース・バイ・ケースがあると思います。それを集約いたしましていうと、やはり高度成長政策の結果に構造的な矛盾が出てまいりまして、まさに高度成長政策失敗だと考えておりますけれども、大臣はどう考えておられますか。
  12. 三木武夫

    三木国務大臣 高度経済成長にはやはり二つの面がある。非常に日本経済に与えた、貢献した面と、弊害の面と両面があると私は思います。たとえば今日の輸出の増進にしても、これだけの国際競争力がついたという背景には、日本設備投資を通じて生産性を高め、コストを下げ、品質を改良して競争力をつけた。これはやはりあれだけの設備投資という背景を持たずして、今日の輸出伸びというものは私は考えられない。非常にそういう面においては高度経済成長功績というものは日本経済の中にある。ただ、しかし、一面において高度経済成長のもとに、経済成長の歩みが早過ぎたために、いろいろなひずみが起こって、現に今日においても生産調整をやったり、いろいろな不況対策を立てなければならぬのは、高度経済成長がもたらしたひずみである。高度経済成長功績を全部抹殺する議論には私はくみすることはできません。
  13. 島口重次郎

    島口委員 まさに大臣おっしゃるとおり、高度成長政策功績の面があり、失敗の面があると思う。この二つの面を総合思量いたしましてどっちであるかということを聞いておる。
  14. 三木武夫

    三木国務大臣 非常にむずかしいけれども、もし、それならば、高度経済成長というものを否定して日本縮小均衡経済をとったときには、もっともっと今日よりも大きな問題を日本経済の上に私はもたらしたと思う。だから、おまえはどちらかどちらなこういう質問はむずかしいけれども、私は、高度経済成長というものが日本経済の発展の過程としてああいう過程日本がたどらざるを得なかったのだ。もしそれが終戦後縮小均衡という形でいくならば、これはいまよりももっと大きな問題が起こっておったに違いない。そういう意味において、歴史的過程として高度経済成長に対してそれを評価するものである。だから、どちらかと言えば、これを全面的に否定をする議論には賛成ができない。
  15. 島口重次郎

    島口委員 大臣おっしゃるとおり高度経済成長政策功績も、私も全面的には否定しないのであります。ただ成長速度の問題であるが、この速度があまりにも急激であるから、政府みずからが経済審議会のほうに諮問いたしまして、この高度成長を続けるならば、中小企業にいたしましても農民大衆にいたしましても、ひずみの格差が拡大するだけだ、今度は安定成長をやるから中期経済計画を採用したものだ、こう私は考えております。その面においては、やはり高度成長政策伸びを続けるということは悪いことではないけれども、あまりにも急激であった。しかも高度成長政策計画よりも、実際面においてははるかに成長率が大きかったのであります。そこにひずみが出てきて、いわゆる経済界不況になり破産倒産が出てきたものだ、こう私は理解しておる。ただいまの答弁と、中期経済計画政府みずからが諮問いたしまして答申を採用するといいました点の見解、どうですか、その点をお尋ねいたします。
  16. 三木武夫

    三木国務大臣 中期経済計画でも縮小経済だと私は思わない。八・一%の実質経済成長というものはかなり高度経済成長であります。諸外国においても成長率五%ということを目標にしてもなかなか達成できないのですから、中期経済計画日本経済基調を変える計画というふうには理解してないのであります。ただ年率一〇%をこえるような成長をずっと続けていくということは無理があるので、それをもう少しモデレートな成長に直したというのが中期経済計画目標であって、それは高度経済成長基調といいますか、高度というか、安定的な成長経済という基調であって、それが全部縮小経済基調に変えたというものが中期経済計画ではないと私は理解しております。
  17. 島口重次郎

    島口委員 そこで安定成長に対する中期経済計画では成長率は八・一に見ております。それから高度成長政策計画では七・二に見ております。ところが平均は九・七の成長率なわけであります。そこに失敗があると私は理解しておりますけれども、大臣のただいまの答弁を聞いておりますと、高度成長政策失敗ではないけれども行き過ぎだ、行き過ぎだというところに見通し誤りがあったのではないか、こう考えますが、どうですか。
  18. 三木武夫

    三木国務大臣 われわれ自民党政府はやはり計画経済というものをとらないわけですから、一つ経済見通しというものが目標である。計画経済であれば当然に統制経済ですが、そういう形をとらないのですから、やはり一応の経済活動指標としての効果は持っておりましょうが、成長率などについても多少計画どおりにいかぬということは、やはり自由経済を原則にしておる以上はやむを得ない。計画を立てて統制経済でやっていこうというものでないのでありますから、多少七%が八%になったり、そういうことは当然に起こるべきことであって、数字も、経済指標計画どおりにやっていこうというたてまえをわれわれはとっていないのでございます。
  19. 島口重次郎

    島口委員 七が八になり、八が七になるということなら、自由主義経済下でありますから大臣のおっしゃるとおりだと思います。ところが七・二が九・七と二・五の大きな違いが出てきている。そこに高度成長政策のひずみが出てきている。いわゆる破産倒産、構造的な矛盾が出てきた、こう理解したいと思いますが、大臣はどうでしょうか。
  20. 三木武夫

    三木国務大臣 これはやはり一面から言ったら日本国民の持っておる一つ活力というものです。政府が何もかも経済運営に対してタッチしてない。財政面においては経済に大きな影響力はやはり与えますけれども、全般としての日本経済活動というものは民間の分野が非常に多いわけであります。そこで平均一〇%をこえるというような状態というものは確かにそれが長続きはしない、そういうことで政府としてもやはりできる限り、経済過熱状態になったときにはそういう将来の行き過ぎということを考えて、政府自身としてもできるだけ慎重な、経済運営というものに対して政府見解を述べ、できるだけ鎮静さすような努力はいずれの場合においても必要であると私は思います。しかし何。ぶんにも、やはり何かじっとしてはおられないという日本国民活力というものが、政府高度経済成長という政策をとっておるから、政府方針民間活力というものが両々相まって多少行き過ぎた傾向があることはいなみがたい、反省をいたしておる次第でございます。
  21. 島口重次郎

    島口委員 反省しておるということばを、行き過ぎたと認め、間違いだ、こういう意味にも解釈されると思います。大臣おっしゃるとおり、戦前における日本企業自己資金借り入れ資金の比率というのは、自己資金は六〇%内外であったけれども、今年の九月の集計を見ますと、九・七ですかに下がっておる。非常な危険状態になっておる。そのために金利のウエートというものが大き過ぎまして、操短をやらなければならない。損益分岐点が大きく上がってきている。そこに日本経済の危機があり、破産倒産が出てきているゆえんだと思いますが、そういう面から見ますと、大臣といたしましては高度成長政策功績をたたえますけれども、大企業の面から見ますとそういう議論が展開されますが、そのあらゆるしわ寄せを受けて破産倒産しておられる中小企業の面からいいますと、マイナスの面がある。むしろ罪悪が多い、こう私は理解しておるのであります。  そこで、この議論をこれ以上やりましてもどうにもならぬから、この点でおさめまして、次の問題ですが、政府は来年大幅に公債発行をいたしまして、景気の刺激策をやる、こういっているのでありますけれども、この面と中期経済計画との関係はどう把握しておられるか。その見解をお尋ねしたいと思います。
  22. 三木武夫

    三木国務大臣 中期経済計画というものは、これは再検討されなければならない。中期経済計画公債発行前提としてない計画でありますので、これは企画庁においても検討を加えておると思います。だから今日では中期経済計画はそのまま通用しない、これはやはり検討されなければならぬものである、こういうように考えております。
  23. 島口重次郎

    島口委員 そこでこれも結論を申し上げますが、高度成長政策行き過ぎをいたしまして、今度は安定成長をやらなければならぬので中期経済計画を立てた。そこでまず一つ経済見通し誤りがあったということであるが、ところが今度は公債発行をいたしますから、公債発行をしないという前提計画を立てておる中期経済計画も変更せざるを得ないという現実に直面しておると思います。この面でもまた経済見通し誤りであります。こういうところに破産倒産が出てくる最大の原因があるものだと私は理解しておりますけれども、大臣はどうでしょう。
  24. 三木武夫

    三木国務大臣 私は、やはり中期経済計画というものが計画どおりに行かなかったことで、破産倒産が起きたというふうには考えていないのでございます。経済計画というものはあくまでも一つ参考指標であって、中期経済計画そのものによって中小企業がいろいろ事業をやっているというものではない。参考にはしておるけれども、全体とすれば、計画自体よりももっと経済の実際の動きというものが非常な影響を受けるので、それを中期経済計画が誤ったから倒産がふえた、こういう直接論法で倒産の責任をそういう経済計画見通し誤りに持っていくことは、私は無理があると思うのであります。
  25. 島口重次郎

    島口委員 中期経済計画の中でも一〇%以上の高度成長をいたしますと、いわゆる中小企業がついていけない。大企業中小企業との構造的な矛盾が出てくる。ひずみを是正いたしますというたてまえから成長率を押えまして、その間において安定成長の中で中小企業を守る、経済安定をはかろうというところに中期経済計画のねらいがあると思う。成長率が大きくなりますと、また大企業中小企業との格差が拡大してくる。勢い生産性の問題あるいは労働力問題等中小企業しわ寄せがきまして、破産倒産が出てくる。大臣答弁を聞いておりますと関係ないというような答弁でありますけれども、関係のない部分もあるけれどもむしろあるほうが多い、こう私は理解しております。
  26. 三木武夫

    三木国務大臣 それは計画というよりも、実際の日本経済状態ですね。たとえばいま言ったように、やはり非常な高度経済成長のもとで非常に行き過ぎるぐらいの設備投資が行なわれた。そのために生産過剰のような状態が起こって、そして減産をしなければならぬ。そうなってくると、そのことが中小企業などに対しても影響が及んできて、中小企業仕事が少なくなっていく、こういうことで、私は、経済実態というものは、むろん計画というものも大きな参考にはなっておるけれども、過去の経済計画というものを検討してみると、その計画どおりには必ずしも、動いていないのですから、やはり経済そのもの動き、このことからくる影響というものが中小企業などの場合においても非常に大きいんだ、こういうふうに理解をいたしておるのでございます。
  27. 島口重次郎

    島口委員 なるほど経済実態と称するのが計画どおり動いておらぬのは承知しております。ただ現地の面から見ましてもそういう現象が出ておりますけれども、私は先ほど申し上げましたように、高度成長過剰設備をいたしますと生産過剰になってくる。生産過剰になってくるから、大企業の諸君は下請に仕事をやらせないで自分のほうの工場でやってくる。その意味で私は先ほど高度成長政策失敗だと言っている。その流れをくんであとを引き受けたのが中期経済計画なんだ。だから中期経済計画方針でやりましてひずみを是正するというのであれば、その裏づけといたしまする政策はどうやっているか。その政策のやった結果によりまして、その成果がどうあがりつつあるかということが皆さんのやらなければならない仕事だと思う。  そこで、佐藤内閣が昨年の十一月から政権を担当いたしまして、中小企業対策と取り組んでおるのでありますが、そのやったことがどのように成果があがっているかをお尋ねしたいと思います。
  28. 三木武夫

    三木国務大臣 御承知のように中小企業というものは非常に多種多様で、だから何かこうやったから日本中小企業というもの全部がすぐに安定するということは、実際問題としてなかなかむずかしい、時間をかけるよりほかにない。私は、日本中小企業農業、この問題が今後構造改善といいますか、この中でやはり一番時間をかけてやらなければならぬ問題の中心点だと思っております。だから、佐藤内閣が去年組閣した、どんな成果があがったかということは、なかなかやはり、中小企業対策としては少しせっかち過ぎるのではないか。日本経済の一番の問題点である中小企業農業にはもう少し時間をかけてこの対策を考える以外にはないのではないか。その時間をかけるという中心が何かといえば、結局において中小企業農業生産性を高めるということだと私は思う。これの近代化——技術の面、設備の面、経営の面、いろいろな点でやはり合理化をはかり、これを近代化していくということでなければ、ただ困ったから救済するということだけではやはり中小企業が安定してやっていけるというわけではないですから、そこにどうしても、日本中小企業と大企業と比べてみればやはり生産性の面においても非常な格差があるのですから、その原因に対してメスを入れて、そして中小企業というものの近代化をはかっていくということを相当年限をかけてやるということだと思います。そういう意味におきまして現在中小企業対策をやっておる、近代化あるいは高度化、今後は機械貸与制なども行なって、そして中小企業近代化をはかっていこうという政策のねらいというものは誤ってはいない。そういうことで、この努力を積み重ねて、今日中小企業の持っておる弱点を是正していくにはやはり年限をかけていくことが必要である、これは一気にはなかなかいかない、こういうふうに考えております。
  29. 島口重次郎

    島口委員 短期間には効果が出てこないという御答弁ですが、これも一理あると思います。ただそういう態度では、このとおり破産倒産が日に増して大きくなっている中小企業の救済対策にはならないということです。あるいは中小企業の育成の問題ではいろいろな問題点があるのでありますが、しかし基本的な問題は何といいましても生産性を上げなければならぬということは私も同一意見であります。しからば中小企業生産性を上げるとい百青写真というものが政府にあるかどうか、全然ない。私は昨年、一昨年、当委員会中小企業近代化、生産力の向上という青写真があるかどうかということを聞いてみましたら、一つもない。これではいかに生産性を上げなければならぬといいましても、かけ声だけでありまして少しも地についた仕事をやっておらない、こう考えているが、三木通産大臣が新しく就任いたしましていわゆる生産力を向上いたします青写真を持っておられましたら発表願いたいと思います。
  30. 三木武夫

    三木国務大臣 青写真青写真と言われますけれども、やはり中小企業者自身が近代化をはかって、中小企業の持っている大企業に比べての格差をみずから是正しようという自発的な努力がやはり根底になって、そして政府もこれに対して助長しようということが本筋で、政府が全部中小企業をこういうふうにするのだという青写真をつくってやる、そういう経済の仕組み、そういうことを私は適当だと思えない、それができるわけじゃない。こんなに零細な単位の中小企業が、これだけの比重を占めている日本の産業界で、鮮明な中小企業の青写真をつくってこのようにやりますということは、ことばでは言えても実際にはできない。だから中小企業者自身も、これから新しくこういう国際競争の激しいときに処していくためにはみずからもやるのだ、みずからを一番よく知っているのは自分ですから、そのみずからの努力をするということに対して政府がこれを助長していくということでなければ中小企業問題の解決への前進というものは、私はなかなかむずかしいと思う。一ぺんに青写真をここで出してみるといってもそれはなかなか青写真の出せるような性質のものではない。そこで中小企業に対しては、いま言ったような中心中小企業近代化、立ちおくれを取り戻すということが中心になるので、こういう点を今後の予算などにおいても重点的に考えていきたいと考えておるわけでございます。しかし当面の、いま御指摘の倒産件数が毎月ふえていくよう晦状態は非常に憂えて、新聞の三面記事にもいろいろな不幸な事件が毎日のように出ることに対して私も心を痛めている一員であります。その対策については本日御審議を願うようなことも、担保力の弱い零細企業者に対して少しでも年末、これからにかけての負担を緩和したいという気持ちからこういう二法案の御審議を願うようなことにもなっておりますし、あるいは御承知のように八百二十億政府、三金融機関資金追加もいたしまして、市中銀行に対しても、年末の金融などに強く要請をいたしておるし、あるいは中小企業金融機関金利を引き下げたり、いろんな手を政府は、佐藤内閣になって以来、いろいろやっておるわけです。しかし、根本は、そういうことだけでは中小企業というものが安定してやっていけるということにはならない。そのためには、やはり中小企業の持っておる弱さ、その構造上の弱さというものに対して、今後、政府がその弱さをなくしていくことに、中小企業が立ち上がれるような助成策を講じていくことが前向きの中小企業対策中心である、これに力を入れていきたい、こう考えておる次第でございます。
  31. 島口重次郎

    島口委員 大臣のおっしゃるように、中小企業者がみずからの企業努力なくして発展なり、向上はしないと思います。この点も同一見解であります。ただ、最近における中小企業金融と称するものは、むしろ資金量がだぶついておるのであります。なぜ資金量が余るかと申しますと、新しく投資をしよう、近代化しようといたしましても、見通しがつかない。なぜっかないか。いわゆる大企業過剰設備をいたしまして、生産過剰であります。大臣承知のとおり、いずれも企業操短をやっておる。生産過剰であるから、新規の設備をいたしまして、追いついていくといいましても、購買力がない。そこに資金がだぶついているのであります。そういう面から考えますと、やはり高度成長政策の全体計画でありましても、あるいは中期経済計画の全体計画でありましても、その中に中小企業の位置づけというものをどうするかということがないから、そういう状況になると思う。そういう全体の対策をとらないで、ただ単に金融対策だけで年末融資をどうするかといいましても、全体面から考えますると、実に枝葉末節の議論であると思う。私は、この問題があるよりもないほうがいいから、やらぬほうがよろしいというのではないけれども、私がただいま申し上げましたとおり、全体コースの中で中小企業というものをどう位置づけまして、どう安定させるかという計画がないからこういう状況になるのだと言うのであります。
  32. 三木武夫

    三木国務大臣 そういう点ではわれわれも、懇談会方式、こういうものによって、大企業あるいは中小企業との間に、こういう不況のときにできるだけしわ寄せ中小企業にいかないように仕事中小企業に回すような、こういうことを大企業に対しても、まあ中小企業と一緒に通産省も入ったりして、懇談会方式で努力をしておる部門が相当にあるわけであります。あるいはまた各通産局に対しても、不況相談室のようなものをつくって、これは資金ばかりではなしに、仕事のあっせんも局長が中心になってやるようにという指示を行なっておるわけでございまして、できる限り、ただ資金だけではなしに、中小企業仕事がある程度維持できるような努力は、われわれとしても当然に払っておる次第でございます。金だけではないということの認識のもとに努力いたしておる次第でございます。
  33. 島口重次郎

    島口委員 そこで中小企業問題ばかりやってもしようがないから、法案審議に入りたいと思います。  今度の無担保信用保険の問題で、予算額が十億追加をされております。そこで、約五百万と称する中小零細企業の方がたくさんあるのに、十億では実に微々たるものでありまして、中小企業者の期待にこたえるものではないと考えます。まあこれを保険公庫に政府が出す。政府では各都道府県の信用保証協会に流してやる。信用保証協会では銀行に預託をいたしまして、これの三倍なり四倍の融資をお願いいたしますと、いままでの保証協会の例から見ますると、この十億という金を回転いたしますれば、最高度に回転いたしまして年五回程度だと思います。そういたしますると、単に五十億、約五百万と称する企業者がある中で、ただの年間五十億の開きであるが、ところが大臣承知のとおり、山一証券に対しましては金利もたな上げにいたしますということで、無保証、無担保で二百八十億の金を融資をしておるのであるが、ただ一つの財閥に対しましては二百八十億というような多額の金を融資をしておきながら、五百万と称する中小企業者の方々にわずかに十億の裏づけであるとするならば、残るところは第四・四半期であるけれども、あまりに少ない。まさに中小企業、零細企業者の期待にこたえるものではないと考えますが、こういう点はどうですか。
  34. 三木武夫

    三木国務大臣 これはこういうことです。この制度というものが非常に利用されて効果があがるならば、資金というものは——零細企業に対しての政策としては、これはわれわれとしても相当に考え抜いた政策でありますので、資金量が不足ならば、この問題は、これを追加することにちゅうちょしない。ただ十億円というもの、これは一応の基金として出したわけで、それがなくてもやはりいろいろな市中銀行でできるだけ、信用保証協会保証さえすれば金は出すわけでありますから、したがって、これが金額が五十億程度でないかというふうには考えていない。そういうふうな金額の程度には考えていないのであります。このことが非常に利用されてみんなから喜ばれるということならば、必要があれば資金はちゅうちょなく追加をいたすつもりでございます。
  35. 島口重次郎

    島口委員 状況を見てから必要であるならば追加を出す、こう言うのでありますけれども、そういう点は実に無定見だと思う。ただいまこの議題になっておりまするところの特別小口保険でありますが、昨年度の通常国会で私が当時の櫻内大臣に質問をいたしましたら、その際に、政府が政令で定めておりまするところの国税、都道府県税を完納しなければ融資の対象にならぬと言う。こういう点はまさに看板に偽りありじゃないか。一昨年、三十八年度の選挙におきましては、自民党が、今度こそ中小企業と農民のためには革命的な施策をやるのだと言い、その出てきたものが無保証、無担保の制度であるが、中身を開いてみますると、国税、都道府県税、市町村税を三年間にわたりまして完納しなければ申し込みの対象にならない。そこで私らが申し上げましたのは、第一番には、零細企業と称する二百六十万の小規模業者に国税を納めている方が幾らあるのか、三分の二は納めておらぬ、ほんとうの困る零細企業の救済にはならぬじゃないか、残る三分の一の税の対象になっている方でありましても、三税を完納しておるということは、あってもおそらく微々たるものである、むしろ市町村でやっている三十万の融資のほうが成果があがるじゃないか、これなら利用価値がない、こう申し上げましたところが櫻内大臣は、三十万を五万件見ておりまして、百五十億の融資はやれる自信があるのだ、こういう話である。やってみましたら、どうですか、十月までで七億ですか、ないのです。二十分の一もいっておらない。実際の実情を見てから追加をするとか、手直しをするというのではいつもおそいのであります。政府のやることはかけ声だけでありまして、いつでも後手後手をやっている。状況を見て追加をするというなら、初めから思い切って出したらよろしい。そういう態度が、大臣が先ほど言っているように、経済の実情実情と言うけれども、経済実態を把握しておらぬ証拠だと思うが、どう考えておりますか。
  36. 三木武夫

    三木国務大臣 これは御指摘のとおりやはり利用率は少ないのです。これはやはり条件が厳格過ぎた。それから金額も三十万円というのは少ない。そういうことで今度はその反省の上に立って条件の緩和あるいは金額、限度額の引き上げを行なったわけです。しかし何らかの条件をつけなければ、来る人にみな金を渡すというわけにいきませんが、しかしだからといってあまり厳格な条件をつければ、御指摘のように利用者が少ないわけでありますので、こういう今回のような条件緩和によって、相当利用率は高まると考えておる次第でございます。  また前段の保険公庫の基金が、非常に資金的な需要が多くて不足があれば、これは追加することをちゅうちょしないということと、いまのお話とは別問題でございます。
  37. 島口重次郎

    島口委員 条件がきびし過ぎるということを大臣はいまわかった。われわれはさきの通常国会のとき指摘した。こういうきびしい条件では対象者がない、利用者は少ないのだ、だからもっと緩和しなさいと言った。それを大臣は、その後約半年以上過ぎていまわかった。そういう感覚だから、中小企業は救済されないということになる。それから今度の無担保、無保証の問題とは別個の問題であるというけれども、状況を見て追加をするということは、状況を見て条件緩和をするということと共通点があるのです。  私はいままで自民党政府のやりました、いわゆる零細企業金融対策を見て、今度のは幾らか価値あるものだ、こう価値判断をしている。相当申し込みがあると思う。あるからにはそれだけの期待にこたえるような財政的な裏づけをすべきではないかと思うのです。またやってみてから追加をするということは非常に態度が緩慢でありまして、中小企業を救済するという態度が不明確だと思うのです。  先ほど大臣もおっしゃるように最近に至りまして、中小企業者の中でたくさん——たくさんということばが妥当でないかわからぬけれども、自殺をするし、一家心中をするという方があるのであるが、こういう方々にこたえるには——先ほど申し上げましたとおり、山一証券一件だけでも二百八十億以上の融資をしておる。まして五百万と称する中小零細企業の方にもっと大幅な財政の裏づけをするのが中小企業をほんとうに救済する、中小企業のために働く政府だと思いますから、この点どうですか、もう一度ただします。
  38. 三木武夫

    三木国務大臣 いまいろいろ、今度の提案された法律案は、これは評価するというお話であります。これは実際問題として私は相当に効果がある、自民党政府が零細企業に対して相当に心を配っておるという証拠であると考えるわけであります。あなたも相当点数はからいほうですけれども、この法案については評価をされましたことは、多といたす次第でございます。  そこで山一証券という例もお話になったのですが、これは山一証券、証券、こう言われるのですが、政府が出したわけでもなく日銀が出したわけで、あの場合ああいう形をとらなければ、日本の信用恐慌が起こる。だから山一証券を助けるというよりも、あれだけ何百万という投資信託、いろいろの加入者もございますし、そういうことで、このことで山一をやって中小企業をやらぬじゃないかという議論は少し飛躍し過ぎるのではないかというふうに考えますが、これは本論でないから別にいたしまして、もし無担保の貸し出しの制度がみなに非常に喜ばれて、これの利用度が高いということならば、私は、このことが保険公庫の基金が少ないからこれに応じられぬというようなことはいたさないという決意であります。これがみなに喜ばれれば、それが非常に円滑に運用されるならば、この資金は、ただそのときになってきて考えるということなしに、これからやってみてわかりますから、その経過でそういう保険公庫の基金の点から、これに対して非常に制約を受けるような運営はいたさないという覚悟でおるわけでございます。
  39. 島口重次郎

    島口委員 山一証券の問題は私も議論のあるところですけれども、それをやると別個のほうへ走りますから、この点でこの問題をおさめます。  そこで私が価値評価したというのは、これから個々に審議をしていきまして、私の期待するとおりであれば高く評価してよろしい、これから徐々に審議をしていきたいと思います。  そこで第一番の問題は小口保険のほうからやっていきたいのですが、小口保険は御承知のとおり、大臣みずかう言うとおり、やってみてあまりにも条件がきびしかったから利用価値がなかったという点、みずから認めたのですからこれ以上言うのもどうかと思いますので、この点で打ち切ります。  そこで五十万まで無保証、無担保である、こういうことなんですが、これに並行いたしまして考えたいのは、国民金融公庫の問題ですが、この国民金融公庫も、御承知のとおり零細な中小企業の方が融資を申し込んでいるのであります。したがいまして、国民金融公庫の融資の場合も、五十万以下の場合は無担保、無保証で貸してもよろしいじゃないか、こう思いますが、大臣と油谷理事さんに来ておりますから、この二人から答弁を願います。
  40. 油谷精夫

    ○油谷説明員 いま御質問の点でございますが、国民金融公庫で無担保、無保証で少額の五十万円以下は貸してはどうかというお話だと存じますが、これは政府機関でございますので、政府のほうでさようにおきめ願うということになりますと、さようにいたさざるを得ないのでありますけれども、金融機関の立場として申し上げますと、いわゆる救済融資ではございませんので、金融ベースでお貸しをするということでありますので、たとえ少額でありましてもやはり回収をするというようなことが基本になりますので、少額といえども何らかの保証人、何らかの担保というものを徴求いたしましてつけるのをたてまえにいたしたい、こう思っております。
  41. 島口重次郎

    島口委員 事務的にはそうでしょうが、大臣どう考えていますか。
  42. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 国民金融公庫の運営につきましては、ただいま油谷理事から申し上げたとおりでございまして、特に零細企業者を相手にしておる公庫でございますから、できるだけ弾力的に無担保の限度を広げたいというので、実は先般審議会におきましてもそういう話が出まして、われわれも賛成をしてそういうようにしてもらうように方針をきめた次第でございます。
  43. 島口重次郎

    島口委員 長官は初めだからよくわからぬと思うのですが、国民金融公庫の場合も百万までは無担保なんだ。公正は済んでおるけれども無担保なんだよ。そこで私の言うのは、五十万以下は保証人も要らない方法で融資をしたらどうかということをお尋ねしておるのです。
  44. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 先般審議会で話が出ましたのは、その百万円の限度をもう少し上げたらどうかというお話がありまして、しかし金額で限定することがもともと無理でございますから、百万円という限度を一応この際はずしまして、必要に応じて担保をとるというふうに変えよう、したがいまして、それがかりに二百万円でございましても、必要なしと認めれば担保はとらないで融資するということにいたしたわけでございます。  保証人の問題につきましては、これはいろいろ金融公庫のほうでも考えておるようでございますけれども、ただいまのところそれまでなにするという考えは持っておりません。
  45. 島口重次郎

    島口委員 きょうは要請だけしておきますから、やはり零細業者がこのとおり五十万まで無担保、無保証でやるのですから、国民金融公庫のほうでは保証人も要らないという程度で大臣も検討してみてください。  それから油谷理事にお尋ねいたしますけれども、業種別によりまして貸し付け条件が違っておりますし、一般、第二次産業あるいはサービス業あるいは貸し付けの対象になっておらない業界等があります。それを一応説明してみてください。
  46. 油谷精夫

    ○油谷説明員 貸し付けの業種によって国民金融公庫の貸し付け条件が違うというお説でございますが、現在はそういうことはございません。貸し付け得る業種には同じ条件でございます。  それから業種によって融資の対象にならないのがあるじゃないかというお話でありますが、実は昔はだいぶそういうのがございまして、これは金融全体でそういう空気もあって、一部の業種については融資しないのが多かったわけです。現在はそれをほとんど撤廃いたしまして、きわめて特殊なものについてだけお断わりする。たとえば不動産業あるいは金融業、そういうものは当然融資から除かれておるというふうに御了解願いたいと思います。
  47. 島口重次郎

    島口委員 国民金融公庫が貸し付けをいたします業種の決定は、このおたくのほうの業務方法書を見ますと書いておらぬけれども、これはだれがきめるのですか、どこの機関できめるのですか。
  48. 油谷精夫

    ○油谷説明員 お答えいたしますが、いま御指摘がありました業務方法書というのがございまして、これは主務大臣が認可をするわけであります。それでその業務方法書に基づいて業種をきめるわけでありますが、これはしたがって主務大臣の了解を得てやるというたてまえになっております。したがって、その前に国民金融審議会というのがございます。この審議会に付議いたしまして、議を経ていたすことになっております。
  49. 島口重次郎

    島口委員 大臣急ぐなら帰ってもいいです、大体大臣に質問することは終わりましたから。  これは衆議院の委員部の調査課が私にくれたのですが、これを見ますと、貸し付け対象になる業種が書いておらぬけれども、これはどういうわけなんですか。
  50. 油谷精夫

    ○油谷説明員 したがって、業種が書いてないのは、すべての業種が貸し付け対象になるということだと思いますが……。
  51. 島口重次郎

    島口委員 料理屋はどうなっているのですか。料理屋は貸し付け対象になるのですか。
  52. 油谷精夫

    ○油谷説明員 料理屋もよろしゅうございます。
  53. 島口重次郎

    島口委員 実際面において貸し付けをやっておりますか。
  54. 油谷精夫

    ○油谷説明員 料理屋はだいぶございますね。ただ特殊なものは除きまして、いわゆる普通の料理屋さんはずいぶん多うございます。
  55. 島口重次郎

    島口委員 大衆食堂には貸しているけれども、割烹店には貸しておらぬでしょう。
  56. 油谷精夫

    ○油谷説明員 いや割烹店もございます。ただあまり高級なものは、おそらくわれわれのほうでは、金額が少ないから申し込みがないのだろうと思います。
  57. 島口重次郎

    島口委員 いま経済界不況ですからね。お客さんはだてやみえで使うものではない、やはり商取引をきめるのに必要だからというので使うのだが、経済界不況になってくると、お客さんが少なくなって、相当金融操作に困っているのだが、貸しておるのだというのですから、これ以上質問いたしませんけれども、あとで貸しておる具体的な例を書面でけっこうですから、私のところにお知らせください。私の記憶では、大衆食堂には貸しているけれども、割烹店には貸しておらない。なるほど割烹店といっても大小格差がありますけれども、二百万、三百万を使用するいなかの割烹店はたくさんあるわけです。私の知っておる範囲では貸しておらぬと思いますが、貸しておるというのだから、あとで私のところまで書面でけっこうですから教えてください。  それから大臣がおらなくなりましたから長官にお尋ねいたしますが、破産倒産に関連いたしまして融資をいたします場合には、大臣がこの会社には法の適用をするという指定をするわけですね。そして下のものには市町村長、区長等の証明でお金を出してもらうというような制度のようですけれども、この場合はどうなるのですか。大企業、親会社の下に子会社がある、子会社の下にまた下請があるというように、何段階もあると思いますけれども、この面の操作はどうなるのですか。
  58. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 今回の制度におきましては、とりあえず第一次の下請を救済するということに考えております。第一次が救済できればおそらくそれによりまして、第二次、第三次のほうも救える、こういう前提で考えております。
  59. 島口重次郎

    島口委員 いま長官の答弁したようなケースで救済される場合もあると思います。だけれども、第二次、第三次の下請にも融資をしなければ解決ができないという例が多々あると思うのです。そういう場合はどうなりますか。
  60. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 今回の倒産関連の制度は、激甚災害に大体類似した考え方で制度をつくったわけでございますが、二次、三次のほうにつきましては、これ以外の信用保証の制度がいろいろあるわけでございますから、そちらのほうを使ってやることも考えられます。  それから何と申しましても第二次、第三次が影響を受けますのは、第一次のあ曲りを食って関連倒産をするということもございますから、それを防ぐことによって一応はその波がそこでとめられるのではないか、さらに必要があればこの制度以外の従来からある制度、あるいはまた今度新しくできます無担保、そういう制度が活用できるようになっております。
  61. 島口重次郎

    島口委員 関連倒産のほうはその程度におきまして、無担保保険の問題、これが相当利用価値があると、先ほどおたくさんは申されましたけれども、無担保だけれども保証人はつけるわけです。この保証人というものの評価のしかた、査定のしかたの問題ですよ。この保証人を非常に厳格にやられますと、仏をつくりまして魂を入れないという結果になりまして、利用者が非常に少なくなると思うのです。この際の保証人というものの、あなた方の考えている評価のしかたはどうなんですかね。
  62. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 今回の制度は当面のきびしい情勢に対処するということが一番の主眼でございますので、運用につきましては、全般的にできるだけ弾力的に運用するということを私たち念願しておるのでございます。具体的に保証人にどういう資格要件を必要とするかということにつきましては、これは個々の信用保証協会の判断できめることにはなるのでございますけれども、私たちは、一般的な考え方としては、できるだけそこは弾力的に緩和して運用してもらうようにしよう、このように考えております。
  63. 内田常雄

    内田委員長 島口君に申し上げますが、御要求によって、中小企業金融公庫から舟山総裁、中小企業信用保険公庫から役員の菅理事も出席をいたしております。
  64. 島口重次郎

    島口委員 はい、わかりました。  そこで、先ほど保証協会の方にも参考人として来てもらいたいという要請をいたしましたが、時間の関係からできないようですから、保険公庫の方にお尋ねしたいと思います。  そこで、問題点が、従来の金融機関で考える保証人と称するのは、二百万まで融資の対象にするというのでありますから、二百万の資産のある者とか、対外的にそれだけの力のある者というものが、常識的な保証人の解釈であります。相当弾力的にやる、こういう長官の答弁でありますけれども、そうだとするならば、私が例をあげて申し上げたいと思います。おやじさんが借り人で奥さんの保証人でよろしいかどうか、この問題が第一番のケース。第一番の点は、甲と乙とが相互に保証人になる。ところが、その場合、甲と乙がともに相当の負債、金融機関から借り入れがあるという、こういう場合もよいかどうか、それを長官と信用保険公庫の方がおりましたら、まずそのほうから伺いたいと思います。
  65. 菅博太郎

    ○菅説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、保証協会は物的担保力のない方を保証しておりますので、保証人物的担保の十分な方が必ずしも立っておられないわけであります。したがって、御主人がお借りになる場合には奥さんなり、それからお子さんなり、親御さんなりという身内保証で相当分保証しておる。それから、会社でございますと、会社の役員の方々の連帯保証ということでやっておる場合が非常に多いと思います。
  66. 島口重次郎

    島口委員 いままで大体保証協会では二十万、三十万の融資が多いわけですね。その程度のものであるならば、従来、ただいま菅理事さんのおっしゃるとおりやってきたわけなんです。今度は二百万までですから、若干金額が大きくなったわけですよ。それでも従来どおりやるということですか。
  67. 菅博太郎

    ○菅説明員 金額が多くなりますと、やはりこれはケース・バイ・ケースになると思いますが、若干身内保証だけでは不十分な場合には、同業者とか同じ町内の方とか、これは必ずしも物的担保の十分な方を保証人として立てるとは限らぬと思いますが、要するに、借り入れ人の人的信用を保証してやるという方であれば、同じ町内の方あるいは同業の方に保証人になっていただく。したがって、相保証という場合も相当考えられると思います。
  68. 島口重次郎

    島口委員 相保証でありましても、資産の裏づけがなくても、対社会的にこの人ならと思われる人ならばよろしいというのであるならば、それでけっこうです。そこで、これがてん補率を七〇から八〇に上げた、こういうけれども、これを最大限保証協会が保証する融資をいたしますると、危険性も大きくなってくると思います。やはりその際に二〇%を保証協会が立てかえ払いしなければならぬとなりますと、相当大きい負担になる。やろうという意欲がありましても、そういう補てん率の負担力の関係からやれない面が多々出てくると思います。そういう面で、私の考えでは八〇ではまだ少ないから、九〇まで引き上げるべきだ、こう考えますが、そういう点で長官と菅理事はどう考えておられるか。
  69. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 てん補率を八〇からさらに九〇にするという点でございますが、実は今度の改正及び臨時措置法の制定に関しまして、その点もいろいろ検討いたしてみました。現在の制度の中で一番てん補率の高いのが激甚災害の八〇%、これが最高でございますので、一応最高にしようということにしたのでございます。保証協会の負担をできるだけ減らして積極的に活動してもらうという点からいいますと、九〇%という案も立法論としてはあり得るのでございますけれども、その場合にはまた同時に保証協会の性格論が出てまいりまして、九〇%までになりますと、これはもう、ある意味からいうと、国の直接保険にほとんど紙一重である。そして性格も、どっちかというと、保険公庫の出店というようなかっこうで一元的な運営をすべきじゃないかというような考え方も出てくる点もございますし、それからまた保証協会の運営につきましては、現在は公庫からの資金等も出ておりますし、特殊法人にはなっておりますけれども、運営はできるだけそれぞれの地方の実情に応じて自主的な運営をしていただいており、またそこに非常な妙味があるわけでございますから、そうした点を今後もやはり生かしていくということからいいますと、どうも八〇%というのが一つの限度ではないだろうかというので、今回八〇%ということにいたしておる次第でございます。
  70. 菅博太郎

    ○菅説明員 先生御指摘のとおり、最近代位弁済が非常にふえておりますので、保険金でてん補されない二〇%は保証協会の持ち出しになるわけでございます。この二〇%の持ち出しに対しましては、私ども、資金のほうから保証債務履行に必要な資金を貸し出しております。これを現在五億程度にふやしております。本年度に入りまして四十億ぐらいの代位弁済がございますが、七割ぐらいは保険公庫の保険が入る。足りないところは私どもの融資金の中で、法律に規定してあります保証債務履行資金を手厚く考えて、何とか持ち出しの少ないように考えております。
  71. 島口重次郎

    島口委員 私が先ほど、相当利用価値があるだろう、こう申し上げたのは、保証人があまりきびしくないということが第一点、第二点は、保証人が緩和されましても、てん補率の問題で保証協会自体が消極的にならざるを得ないじゃないか、これはたしか三十年ごろだと思いますけれども、いまの信用保険公庫がまだできておらないときですが、てん補率が、保証協会の負担率は一〇%でありました。そういう面から見ると、二割となると非常に高いものだ。特に私は各県の保証協会が二割の負担率が高いというのは、焦げつきをいたしますと、債務者のところに集金に行く、催促に行くというのは一切保証協会がやる。保険公庫は、たいへん恐縮な表現だけれども、すわり事務なんだ。集めてきたものをもらえばいい。普通の融資と違いまして、焦げつきになりますと——普通の融資なら、一回債務者のところに足を運べばよろしいですけれども、十回も二十回も歩かなければならない。単に金の面だけで八対二というけれども、その使う労力から見ますと、実際には五対五になっているかもわからぬ。そういう面から考えても、私は、九対一でよろしい、こう思う。そういたしまして各県の保証協会にこの無担保保証というものを積極的にやってもらう姿勢をとってもらわなければ成果があがらない。この問題と、十億の資金が足らない面——先ほど大臣は、必要に応じまして追加をするというけれども、ことばのとおりやるかどうか、まだ疑点が残っておりますけれども、この点を解決しなければ有効に活用されないと思います。この点、もう一回、長官それから菅理事に御答弁願いまして、できるなら九対一にしてもらいたいという要請をいたしますけれども、その見解をお尋ねしたいと思います。
  72. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 てん補率を引き上げることにつきましては、現在の法制下におきましては、一応八〇%というものが最高になっておりますので、先ほど申し上げましたように、保証協会の活動の自主性と各地方の実情に応じた運用というようなことを、ぜひともますます尊重してやっていきたいというようなことから、その辺が一応いまの段階では限度ではないかというふうに考えます。将来、実際に運用してみまして、その結果非常に大きな穴が出てくるような状態になりますれば、これに対する対策はまた別途考える必要があろうかと思います。  それから、十億円の出資の金額が少ないというお話でございます。基金は確かになるべく多いほうがいいのでございますが、当面私のほうで計算いたしましたところでは、今年度内はとりあえず十億円追加しておけば間に合うのではないか、それから来年度、実は融資基金九〇億、それから保険基金十億、合わせまして百億円のいま要求案をつくっておりまして、これから財政当局のほうと折衝に入るわけでございますが、これをできるだけ多額に取りまして、そして追っかけて出資をするようにいたしたい。そうすれば、今度の新しい制度の運用には支障がなくいけるのではないか、このように考えております。
  73. 菅博太郎

    ○菅説明員 てん補率のほうは、政府方針もございますので、なかなかむずかしいと思いますが、保証協会の回収の努力といいますか、非常に足を運ぶ、これは私どももよく理解はできますので、従来とも回収費用の一部を還元したいという意味の、還付金のお願いを政府に申し上げておったわけであります。これは、実際は回収費用を保険公庫のほうで見るのも、保険料を下げるのも同じことだから、保険料をしっかり下げてやるから、このほうはがまんしろ、こういうことになっております。私どもの気持ちとしては、回収の費用は、回収したほうもシェアでもらうわけでございますから、先生の御指摘のとおりでございまして、何とか回収費用の一部分でも還元をしたいという気持ちはいまでも持っております。  それから、十億の資金は、これは多々ますます弁ずで、たくさんいただければ、量的にも質的にも、中小企業の方の希望される保証融資が実現できると信じますので、できるだけ多額にいただくことを希望いたします。
  74. 島口重次郎

    島口委員 菅理事にお尋ねいたしますが、これをやりますと、第一種の保険と無担保保険との保証関係まで出てくるわけですね。そこで、第一種をやらないで、ほとんどこの無担保金融のほうに来るのではないか、こういう面から、操作の面でどうやるのかという面でございます。むしろ、第一種をやらないで、最初から無担保保険のほうをやったほうがいいじゃないか、そういう面から考えると、むしろこれは時限立法でありますけれども、中小企業者の要請、期待にこたえるためには、永久的にあったほうがよろしいじゃないか、こう考えますが、菅理事と長官の御答弁を求めます。  それから、長官は、先ほど災害保険のほうもこうなんだ、こう言うけれども、いまの経済界不況と称するのは、終戦後といいますか、終戦後というよりも、日本経済あって以来の大恐慌なんだ、破産者、倒産者がある。この点災害のほうは補てん率が八対二になっているからそれでいいじゃないかということではなくして、今度の不況を評価する、深刻だという面を強く取り上げまして、私が先ほど申し上げました九対一で保証協会のてん補率を一〇%にしてもらいたい、こう思いますが、その考えはあるのかないのか、もう一度お尋ねいたします。
  75. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 てん補率の問題につきましては、確かにその保証協会の危険負担をなるべく軽減して、積極的な保証業務ができるようにという観点からいきますと、できるだけ高いほうがいいわけでございますけれども、やはり保証協会の現在のあり方、自主性というようなことから考えまして、いまの段階でこれを九〇に上げる、そしてその結果非常に画一的な監督のきびしい制度の中に押し込めてしまうというようなことにつきましては、非常にまたマイナスの面もございますので、できるだけこの自主性は尊重するというたてまえで、てん補率は原案のとおり八〇%ということでいたしたいと思います。その結果保証協会のほうが非常に代位弁済が多くなって、そうして困るというような状態が出てきました場合の対策については、実情をまたよく見まして、その上で対策を考えたい、かように思います。
  76. 菅博太郎

    ○菅説明員 無担保保証人保険と無担保保険の違いでございますが、てん補率は同様でございますので、どうしてもその保証人が立てたくないという方は、無担保保証人制度を利用していただく。それからもう一つは、保険料が日歩五毛ほど安いわけでございます。負担の軽いほうがいいという方には、やはり無担保保証人の制度が利用されるのではないか……。   〔「答弁が違うじゃないか」と呼ぶ者あり〕
  77. 内田常雄

    内田委員長 菅君、再答弁
  78. 菅博太郎

    ○菅説明員 第一種保険は大部分無担保保証が多いわけでございますので、先生御指摘のように、相当部分は無担保保険に移行するであろうと思われます。しかし、やはり第一種の中でも、担保とか、それから特に多いのは商手の見返りとか、いろいろな保証金の引き当てというような条件がついたのがございます。これらはやはり有担保保証保険ということになっておりますので、そういうものはやはり第一種として伸びていくのではないかと思っております。
  79. 島口重次郎

    島口委員 いや、だから、第一種のほうでも、第二種のほうでも、担保がなければ融資が受けられないという、こういう制度だから、勢い今度の無担保保証のほうに流れるじゃないか、そういう面から、いまの臨時立法で四十一年度の三月三十一日までの時限立法になっているけれども、これを永久法にしたらどうかということであります。  それから、あなたいま第一種のお話をいたしましたが、第一種でも担保を取っている場合が多々ある。むしろ取らないほうが少ないと思うのです。そういたしますと、第一種のほうでは担保を取られ、今度の無担保保険のほうでは取らない、こうなってくると、私が言うように無担保保険のほうに流れるのではないか、そういう面から、無担保保険というのが中小企業者が要請いたすものでありますから、これは時限立法でなくて、半永久的にやる意思があるかどうかということを長官と菅理事に聞いた。長官の答弁では、やってみて代位弁済が多くて保証協会がその負担にたえかねるということがありますれば、状況によりましては考える。考えるということは、そういう事態が出てくると、九対一なりあるいは九・五と〇・五と比率を変える、保証協会のほうに有利にするということなのであるか、はっきりお答えしてください。
  80. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 今度の改正法は、とりあえず現在のきびしい不況下の中小企業対策として考えたのでございまして、そのために有効期限が四十二年の三月ということになっているのでございます。制度として第一種と無担保とがいろいろな意味で非常に類似した体系でございますので、先生のお話のように、その関係では、もう基本的にこの制度を変えてしまって、永久法にしたらどうかという御意見も一応ごもっともな御意見かと思います。ただ、この点は、一般的な経済情勢の動向との関係もございますので、この期限が切れる前にその辺の情勢をもう一回判断をして決定をいたしたい、かように考える次第でございます。それからなお実際に現在行なわれておりますのを、数協会のサンプルで調査をいたしてみますと、第一種の保険の中では担保のないものが相当多い〇八割くらいが無担保、二割くらいが有担保、こういうふうになっておるようでございます。したがいましてこの臨時措置法が適用になりますと、まず最初の分は二百万円までは無担保の場合、いわゆる無担保保険になり、それからそれをこえる部分が、次の百万円が第一種になる。これはもう先生御存じと思いますが、そういう適用になるわけであります。  それからさっきのてん補率の引き上げの問題に関連しまして、かりに実際に実施してみて非常に代弁が多い。その場合の対策としては、てん補率の引き上げを考えるのかという御指摘でございますが、その辺はまだ全く白紙でございまして、やはり実情を見まして、その上でどういう方法がいいか検討いたしたいと思います。
  81. 菅博太郎

    ○菅説明員 無担保保険は利用率が相当高いと思いますので、一年後に実績なり状況なりを考えまして、また延長をお願いしたいと思います。
  82. 島口重次郎

    島口委員 いまの長官の答弁を聞きますと、新しく保証協会に保証を願いに来るという際の事務処理の問題でありますけれども、その際は無担保保険のほうを第一番にやらせまして、二百万の限度をこえるとその次の第一種なり第二種なりをやる、こういうわけなんですか。
  83. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 そのとおりでございます。
  84. 島口重次郎

    島口委員 そのとおりなら間違いなくやってください。
  85. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 ただいま申し上げましたのは無担保の場合でございます。担保がない場合に、今度の新しくできる二百万が優先するということでございます。
  86. 島口重次郎

    島口委員 それはあたりまえじゃないか。一般業務を質問するのですよ。
  87. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 ただいまの第一種保険でも、無担保のものが八〇%あるわけでございます。したがいまして無担保保証をするという場合に、それが従来の制度による第一種の無担保なのか、今度の新しくできる無担保保険なのかということでありますが、今度の法律によりまして、その辺は新しくできる無担保のほうが優先適用する、こういうことにいたしておるわけであります。
  88. 島口重次郎

    島口委員 第一種であっても第二種であっても、無担保のものは何も議論がない、どうせ無担保なんだから。私の質問しているのは、担保がある場合、希望者が行った場合、保証協会が取り扱いをいたしまするに、どっちの保険を最初利用させるのかということを聞いている。だから、あなたが今度の無担保保険のほうをやって、それから一種なり二種なりのほうをやるというから、じゃそうしてください、こういうことなんです。  それから最後に、これが国会通過をいたしますると、十二月の十七日に遡及するわけですね。これはどういうことなのか。
  89. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 今回お願いしております法案は、実は臨時国会で御審議をお願いして、十二月一日から適用して、この年末対策としても活用いたしたい、こういう考えでおったのでございますが、不幸にして臨時国会審議未了となりました。各現地のほうからは早くこれを実現してほしいという要望が非常に強うございます。いろいろ考えまして、まあまことに窮余の一策でございますけれども、かりにもしこの通常国会にすぐ急いで出しましても、二十日からの国会でございますから、すぐに二十日に可決していただくということも期待できない。どうしても数日かかる。そうなりますと実際に各県がこの法律に基づく体制をそれからつくって準備をするというのでは、遺憾ながらことしの年末には間に合わないという情勢になった次第であります。そこで一応この法案の再提出を決定いたす予定になっておりました十七日という日にちをきめまして、そうして法案が通った場合は十七日からさかのぼって適用になる、こういう仕組みに変えた次第であります。そういたしますと、各保証協会ではそういうことを前提にしてそれぞれ独自の判断で、中にはさっそく具体的な業務に入られるところもあるでしょうし、中にはそのために準備をして、そうして法案が通ったらそのときにさっそく実施に移れるようにいろいろな段取りをしておく、こういうことも可能であろうかと思いまして、まことに異例な措置でありますけれども、十七日という日にちをきめまして、それまで遡及するようにいたした次第であります。各県ともこの点は非常に強い要望もございますが、何といたしましても法律が通りませんことには非常に不安定な状況でございますので、何とぞ一日も早く法案が通過しまして実施できるようにお願いしたいと思います。
  90. 島口重次郎

    島口委員 どうもいまの答弁おかしいじゃないか。準備をしなければならぬというのであるならば、例の臨時国会十三日までに通るということでみんな準備をやっていると思う。そうでしょう。十七日というところに切ったのは、もう融資をしているところがあるのでしょう。どうせ融資をしようとする、保険を成立をさせようといたしましても、この法律が通らなければどうにもならない。ならなければ、前に準備したってしょうがないじゃないか。あなたのおっしゃる全く事務的な準備であるとするならば、もう十二月一日からやっておると思う。これは準備のためではないと思う。すでに各県の保証協会が保証融資をしているところがあるから、十二月十七日まで遡及するということなんでしょう。
  91. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 中には県で、もう情勢ほうっておけないというので、県の独自な判断で、もし法案が通らなかったといいますか、こういう新しい制度ができなくても、県の責任においてやろうということで踏み切ってやっておられるところもあるように聞いております。また中には、この法案が通って店開きをしましても、それから受付をして審査をしたのではとても間に合わないから、十七日からさかのぼって適用されるという前提で、かりにもう受付をしてそして審査だけしておく、そうして法案が通ったらすぐに実施する、こういうふうにいたしておるところもございます。私が準備と申しましたのは、特に後者のような場合でありまして、やはり審査に幾日か日にちもかかると思いますので、事前にそういうことをできるようにしておく、こういう意味でございます。
  92. 島口重次郎

    島口委員 十七日からできるとこううたっておりましても、この法案が通らない限りは融資できないでしょう。何も遡及する必要はないじゃないか。実際におきましては臨時国会で補正予算が成立をするという予定で各県の保証協会が受付も受け、審査もする。法さえ通ればいつでも保証するという体制があるじゃないか。法が通らなければ融資ができない。したがいまして十七日まで遡及するという必要がないじゃないかね。
  93. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 日にちをはっきりさせておきませんと、いつから新しい制度による保証の受付をしたらいいかということがわからないわけでございまして、したがいまして、やはり日にちをはっきりさせるということがぜひ必要であったように思います。  それからすでに県のリスクにおいて踏み切ってやっておるところもございますが、またやはり法律が早く通らないといつから適用になるかはっきりしない、実際の仕事にかかれないというところもございますので、日にちをはっきりさせまして、そういたしますと、たとえばいままでの制度のもとにおきましてはいわゆる無担保の二百万円というようなものは制度がないわけですから、これは申し込みのしようもないわけであります。十七日までさかのぼるということがはっきりしておれば、それを前提にして申し込みをしてそして審査が進められるという差が出てくるわけでございます。
  94. 島口重次郎

    島口委員 いかに十七日からこの法律が適用になるとこう決定いたしましても、法律が通らなければどうにもならぬでしょう。通ってから実施されるんでしょう。あなたのおっしゃった準備のためならばすでに十二月の一日からどこの保証協会もやっているんです。審査も終わっているんです。法案さえ通ればいつでも保証するという態勢がある。だから十七日まで遡及するという必要はないと思う。
  95. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 中にはそういうところもありますが、また一般の中小企業者のほうにいたしましても、こういう新しい制度がいつからほんとうにできるのかということを知りませんと、また保証協会のほうに話しにいくこともできないということでありまして、やはり国会審議を経てそのあとであらためて適用するということにいたしますと、そのときから業務を開始する。それで、申し込んで審査をしておったのではもうとても年末には間に合わない、こういう事態になることをおそれておる次第であります。
  96. 島口重次郎

    島口委員 いかに十七日とこう前提を置きましても、法が通らぬ限りこの法は適用にならない。結果的にも法が通ってからなんです。だから遡及するということは必要ないと思う。あなたの答弁答弁になっておらないと思う。
  97. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 ただいま申し上げましたように、業務の準備、段取りという点が一つ。それからもう一つは、各県の中には、すでにほっておけないというので県独自の判断で実施をしておるところもあります。しかし、そうしたところのてん補率は従来どおり低くなっておる。ですから、これをできるだけ府県負担といいますか、県のリスクを早く解除してやるということが必要なわけであります。ただしかしさかのぼらせるのにもそう先にまでさかのぼらせることもできませんので、国会へ再提出をするということを決定する予定になっておりました日をもって適用の日とする、こういうふうにいたした次第であります。
  98. 中村重光

    中村(重)委員 関連して。いまの答弁答弁になっていないんだ。十七日というのを設定をした。十七日まで遡及をするというんだな。ところが、いま島口君の質問のとおりですよ。法律が通らなければ、これは適用できないわけなんだな。だから準備だけだったら十七日とかなんとかいうのじゃなくて、あなた方のほうの見通しで準備をさせておけばいいわけなんだ。そうでしょう。だから遡及するというのがてん補率の問題だとか、あるいは保証率の問題であるとか、中身の問題でできるだけ早くしてやることのほうが中小企業者のほうの負担が軽くなるから、だからそうしたいんだというならばわかるのですよ。そうでなくて、準備だけだ、こういうことで遡及するというのではこれは話にならぬ。答弁になっておらぬ。だから中身にどういう効果をねらっておるのか、そこらあたりをもっと的確に御答弁にならぬと、遡及するという意味が、これはいまの答弁では納得いかないです。ここらあたりはどうなんです。  それと、県の責任でやるという。県の責任ならば、それではどういうようなことを県はみずからの責任においてやるのか、その点もはっきりしない。県の責任において一応やっておいて、そうしてあとで何か繰りかえをやるというような考え方なのか、そこらもわからないんですね。ですから、その点もっと明確にお答えになっていただきたい。
  99. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 私の御説明申し上げた点が若干舌足らずだった点がございますので、あらためて申し上げますが、この法律が適用になりますれば、保険公庫と保証協会との関係は、保証協会にとっては相当に有利になる点がいろいろ入っておるわけでございます。そうした条件をできるだけ早く実情に合わせて保証協会のほうに均てんさせたいというのがその一つのねらいでございます。現在はそういう保険公庫からのてん補率の引き上げもない、また料率もある面においては従来どおりというような状態のままで、ある県ではもう踏み切ってやっておる。しかしこれは不当に県のほうに負担をかけておるわけでありますから、できるだけそれを解除していきたいというのが一つのねらいでございます。ただいま中村先生が御指摘になったとおりでございます。
  100. 島口重次郎

    島口委員 質問を終わります。
  101. 内田常雄

    内田委員長 次は田中六助君。
  102. 田中六助

    田中(六)委員 中小企業信用保険法の一部改正案と中小企業信用保険臨時措置法案の両法案につきまして、法案の細部につきましてはわが党の同僚が後刻また質問申し上げますが、私は最近の中小企業実態について若干の質問をいたしたいと思います。  中小企業庁長官にお尋ねしたいのですが、現在非常に倒産がふえておるわけでございますが、最近の中小企業倒産実態を簡単に御説明願いたいと思います。
  103. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 最近の倒産の件数は、東京商工興信所の調査によりますと依然として高水準で推移をいたしておりまして、昭和四十年一月から十二月十日までで五千七百七十一件でございます。昭和三十八年にはこれが千七百件程度でありましたので、約五倍近くになっております。おそらくこの十二月も相当な高水準であろうかと思います。したがいまして、四十年は暦年で六千件をちょっとこす程度にいくのではないかというふうに思います。最近の倒産の業種別の傾向を見てみますと、機械関係あるいは鉄鋼、金属関係、それから建設関係等が多くなっております。そのほかにもいろいろな業種に広くまたがっております。最近の傾向としましては、比較的小規模企業倒産が相当ふえておるのではないか。いわば倒産が小口化してきているということと、若干関連倒産がふえてきているという傾向が察知されるのであります。  それから倒産原因でございますが、これは調査のしかたにもいろいろむずかしい点もございますが、先ほど申し上げました東京商工興信所の調査で見ますと、倒産原因の中に一番多いのが販売不振、いわゆる受注の減少に基づくものでありまして、これが全体の二五%になっております。それから売り掛け金の回収難が一四%、それから連鎖倒産が二二%、この三つを合わせまして五二%がいわゆる最近の不況からくる倒産というふうに思われます。それから、いわゆる放漫経営というのが、これはいつでもあるのでありますが、放漫経営が約一五%になっております。  概略、以上のとおりであります。
  104. 田中六助

    田中(六)委員 今後の倒産の、増減というのはおかしいですが、政府のいろいろな施策によって倒産が減っていくというふうに現在の情勢で思いますか。
  105. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 特に中小企業中心にして今後の景気動向を考えます場合に、経済全体の動向が何よりも大事でありまして、中小企業だけがどうということはないと思うのであります。政府としては、財政投融資の面で相当積極的な手を打っております。一−三月は、どっちかといいますと、季節的にいつも資金的にも揚げ超になるときでございますので、一−三月はある程度まだ現在のような若しい状態が続くと思いますが、四−六月以降になりますれば漸次上昇に転じてまいりますのでおそらく倒産件数も四月以降になれば相当に減ってくる、こういうふうに観測いたしております。
  106. 田中六助

    田中(六)委員 いま倒産の実情と今後の見通しということが大まかな線でわかったわけですが、この中小企業倒産高度経済成長政策のひずみからくるものだという見解があるわけです。そういう面も当然認められますが、やはり日本の貿易自由化という大きな至上命令から、一つ設備投資、それはやらざるを得なかった。したがって、近代化をしたために、いま国際収支がある程度よくなっておるのですが、こういう面から日本経済が助かっている面があるので、必ずしも高度経済成長政策が悪いのだということは言えないのでございますが、ただ、他の一面で、金融面からこの中小企業倒産を助けるという観点があまりにも強く出され過ぎると、ほんとうの抜本的な中小企業対策にならないのじゃないかという懸念があるわけです。したがって、この二つ法案も、金融面から中小企業を助けようというのが大きな趣旨でございますが、これだけで中小企業対策がうまくいくと言うことができないことは、先ほど長官もちょっと触れておりましたが、最近の動向を特に見ると、金融面からできないという証拠には、金利は大体この一年ほとんど最低というほど下がっているわけです。   〔委員長退席、始関委員長代理着席〕 それなのにまだ倒れていくということが大きな私は経済一つ矛盾として考えられるのですが、この点はどういう御見解ですか。
  107. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 私たちは、いま、中小企業問題の当面の課題といたしまして、不況の克服ということにできるだけの力を注いでおるのでございますけれども、お説のように、金融のつなぎをしておるだけでは中小企業問題の解決にはなりませんので、この不況の克服を考えると同時に、次の段階での中小企業の新しい進むべき道を早く各中小企業が発見して、そうして新しい情勢に適応した体制をつくっていく、こういうふうにすることが、何よりも長期的に見て必要なことであるというふうに考えております。そのためには、何と申しましても中小企業近代化合理化、また観点をかえて言いますと、新しい時代に応じた分野に進出していくということが必要であろうかと思います。特に国際情勢もどんどん変わってまいりますし、労働賃金の今後の趨勢も、労働需給が非常に逼迫するという状態にありますので、そういうことも計算に入れまして、中小企業がりっぱに生きていけるような体制をつくるようにいたしたい、それにはいろいろな面で中小企業の相談相手になりまして、経営合理化、技術の改善、またそれに見合った税制の改正等々、いろいろなことが必要であろうかと思っておりまして、来年度の政策にもそういう点に相当大きな力点を置いて努力をいたしておる次第であります。
  108. 田中六助

    田中(六)委員 舟山総裁にお尋ねしたいのですが、中小企業金融公庫の窓口から見た中小企業のいまの倒産の実情でございます。この点について舟山さんの御意見を伺いたいのですが、先ほど長官に質問しましたように、結局高度成長で過度の借り入れ金への依存ということと、企業間信用膨張という企業金融のひずみがやはりあくまで問題だという点で私は問題点をしぼっているわけですが、もちろん放漫経営ということも、中小企業者経営そのものにも問題があるでしょう。しかしそういう面から長官が中小企業の倒れていく実態をごらんになって、これをどういうふうにしたら打開できるかということでお感じのことがあると思うのですが、その点をお話し願いたいと思います。
  109. 舟山正吉

    ○舟山説明員 最近倒産中小企業の間にふえておるようであります。その原因につきましては、なかなか捕捉しがたいあるいは調査から漏れるというようなものも数多いのでございます。しかしただいまのところは年末のことでありますから、業者お互いあるいは金融機関におきましても、年末に事を起こしちゃたいへんだという懸念から、できるだけめんどうを見ておる、政府機関もその間にできるだけの配慮をしておる、こういうことが実情であろうと思います。しかしそういうような状況でありますから、来年に入りまして、ことに一−三月の揚げ超期になりますと、金融難のほうも相当深刻になってくるのじゃないかということを私どもは心配して、いささか対策を練っておるわけです。しかしいま山本長官のお話にもありましたように、金融難からする倒産ということは一つの結果のあらわれでありまして、その前に、業界が不振である、そのために仕事の量が減った、売り掛け金が回収不能になった、こういうようなことから来る倒産がいまや主たる原因になっておるというふうに観察しております。それでありますから、金融対策ももとより必要で、まじめにやっております企業が倒れることを救うことが必要でありますけれども、そのほかに、景気を早く回復しなければならぬということの重大性を感じておる次第でございます。
  110. 田中六助

    田中(六)委員 金融面からの救済も必要でありますが、根本的に景気の回復、つまり不況感をまずなくすということが抜本的対策になるということはもちろんでございます。私はさらに思うのに、中小企業者自身の経営の放漫というか、たとえば私どもが非常に経験しておるのですが、われわれの同僚で中小企業経営者がたくさんおるわけですが、ウイークデーに昼間からゴルフに行くとか、自分の企業そのものは非常に火の車なのに、そういう態度をとるとかいうようなことがあるわけです。つまり政府が幾らいろいろな方策をとってやっても、それに甘えるどころか、それに乗っかって、倒れても何とかなる、非常に一般の雇用者が迷惑するわけでございますが、そういう面が私にはいつも納得できないのですが、三百六十万の中小企業者がおる、あるいは五百万とも言われていますが、日本中小企業というものはあまりにも多過ぎる。それで必然的にこれが自然淘汰されていくんだということを政治家としては言うべきじゃないんでしょうが、倒れるものは倒れていくという一つの概念が、根本的に政府の事務当局にあるならば、これは大きな誤りでありますし、何とか社会問題としてこれを救っていくことは当然でございますが、といって、それに甘えておる人々も問題です。そういう面の経営者に対する行政指導というか、具体策というものはありますか。
  111. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 経営者の心がまえというものは御指摘のように、非常に重要な問題でございますので、私たちは、一方において金融、税制等の面で一般的な施策を講ずると同時に、他方、いろいろな組織、制度を通じまして、中小企業者に対する経営あるいは技術の面の指導体制を強化しておるわけでございます。その点をさらに行き届いて行なえるようにしますために、実は、来年度は各県単位に総合指導所というものをつくりまして、従来、県の試験研究機関あるいは中央会、商工会等の出先が、横の連絡、総合調整が必ずしも十分でなく行なっておりましたものを、総合指導所という一つの組織の中に組み入れまして、総合的な運営ができるようにして、それだけ中小企業者に対する指導を行き届かせたい、かように考えておる次第でございます。
  112. 田中六助

    田中(六)委員 経営者の考えの指導につきまして、もう一つ私は質問したいのは、不渡り手形が非常に乱発されております。これも明治、大正の経営者の考えからすると、われわれがものの本を読みますと、一つの信用という面からやってはならない。三年間の銀行取引停止というようなことが現実に行なわれておりますが、そういうことも平気で弊履のごとく捨て去られるというような、モラルの問題が経営者に徹底してない、私はそう思っておるのですが、政府中小企業庁のほう、あるいは通産省の事務当局では、むしろそういう不渡り手形を救済するような措置を考えておるというようなことをいわれておりますが、被害者のですね、この点はどうですか。
  113. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 不渡り手形自体につきましては、もらった人は非常に迷惑をするわけでございますので、信用保険の中の関連倒産防止のための制度も、ある意味からはある企業倒産をしまして、その企業からもらっていた手形が不渡りになったという場合に、その急場をしのぐための金融、そのための信用保証をするというようなことを考えておるわけであります。これはあくまでも被害者の立場を考えておるのであります。ただその場合に、不渡り手形を対象にしてどうこうするというのではないのでありまして、結局、倒れた企業に対して債権を持っている、その債権が回収不能になったという事実から発足しておるわけでございます。実は、一部に不渡り手形の保険制度みたいなものを考えてみたらどうかという意見もあるのでございますが、いろいろ議論をして詰めてみますと、どうも適当でないということで、現段階では、私たちはそういう問題の取り上げ方はする考えは持っておりません。と申しますのは、不渡り手形保険というのを考えた人の説明を聞いてみますと、たとえば手形を出した人が保険にかける、こういうことはちょっとおかしいんですけれども、これは自分がいかにも信用がないということを天下に示すようなものですから、とてもそういうことは考えられない。それから、受け取る人が保険にかけるということになりますと、おそらくあぶなそうな手形を逆選択して持ってきまずから、とても保険としては危険度が高くて成立しない。金融機関がかりに保険にかけるという場合も同じような弊害がやはりあって、おそらく保険という概念にははまらないんじゃないかというふうにも考えます。そんなようなこともありまして、現段階では不渡り手形そのものを救済するとか、そういう考え方は持っておりません。
  114. 田中六助

    田中(六)委員 私がこの質問をしたのは、結局被害者を助けることが、消極面で、不渡り手形を出すほうの頭が、そういう救済があるからというふうになるおそれがあるわけです。現実にアメリカなどは、もしも不渡り手形を出したならば、これは窃盗罪という刑法に触れるし、ヨーロッパあたりでも不渡りを出すと詐欺というような刑事問題にちゃんとなる規定がありますし、そういう点、日本は非常にあいまいで、これがやはり中小企業経営者の頭に非常に安易な傾向を与えておる。したがって、事務当局で考える場合に、むしろ被害者の救済がかえって逆の効果を生むというおそれがあるということを十分知ってもらいたいという意図から質問したわけでございます。  それから、きょうは信用保証協会の方が来ておりませんが、信用保証協会の窓口で中小企業者あるいは零細企業者に貸し付けるのに、問題をいつも提起するわけですが、私ども小口保険を実施しましても、実態面で百四十億の金があっても七億程度しか貸していないということは、条件がきびしいということもあるでしょうが、やはり信用保証協会の窓口がほんとうの意味でこれを救済してやろうという態度から出ておるならば、まだまだこれを利用する人もあるのじゃないかと思うのですが、この点、信用保証協会の方々の態度にも私は問題があると思うのですが、さらに信用保証協会の基本財産について長官にちょっとお尋ねしたいのですが、現在、信用保証協会の基本財産、つまり貸し付け金の内容ですね、これはどういうふうになっておりますか。保証協会の方がいないから何ですが、知っておる限りでいいです。基本財産の、たとえば府県から出しますね、金融機関からも出すでしょうが……。
  115. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 四十年九月末現在におきまして、信用保証協会の出指金の合計が百六億円でございます。その内訳は、都道府県から六十八億円、市町村から二十五億円、金融機関から十一億円、業者団体から一億円余り、このようになっております。
  116. 田中六助

    田中(六)委員 大体、出捐金は都道府県と市町村、あるいは金融機関あるいはその他業者の団体ということになっております。これは、実は私が問題にするのは、最近ある金融機関信用保証協会に出指金を出そうと思って、それをきめているわけですが、それに税金がかかる、この税金も非常に過度で、その前に一つの例があるのですが、最近埼玉銀行が出した七千万円に対しまして、二千五百万円の税金がかかっている、こういう金を出すわけがない。もう少し保証協会の窓口あるいは基本財産を潤沢にするためには、こういう点の配慮というものを、やはりきめのこまかい線を出さなければならぬと思うのです。東京の銀行協会が、一応十二月十四日に三億円を金融機関から出すというふうにしているのですが、これとてもやはり税金というような関.係で一これを利益と見積もられているわけだから、そういうことになるのですが、こういう点の税制面の配慮というものは考えておりませんか。ちょっと意見を聞きたいのです。
  117. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 ただいまお話しの点は、私自身も地方で懇談会、座談会等でそういう要望を聞きまして、そして何かもっと金融機関が積極的に保証協会に出禍できるような体制をとれないかというふうに考えたのであります。税の法というのは、なかなか体系があってむずかしいこともあるようでございまして、結局税の立場から言いますと、かりに保証協会が将来解散をして残有財産の配分をするという場合に、やはり出捐をした人がそれに対して権利を持つということから、税の問題を全然なくするということはむずかしいという一つの基本的な原則とぶつかっておりまして、どうも話が進みにくいような状態になっております。
  118. 田中六助

    田中(六)委員 以上、私はこの二つ法案による、三十万円を五十万円に上げたとか、あるいは二百万円を無担保で出すというようなことだけで中小企業対策が済む、あるいはそれで自分たちの仕事は終わったのだというような考え方で、約三百六十万ある中小企業の問題を解決するというような安易な方向に流れることをおそれたから、経営者の心がまえ、あるいは現在の経済実態をどうつかんでおるか、あるいは保証協会の窓口の問題などを言ったわけでございますが、そういう点十分配慮した上で、この二つ法案運営をはかってほしいというふうに思っております。  時間があるようでございますので、法案の内容に入りたいと思います。特別小口保険の四十一年度の利用額は当初百四十億円というふうに予定しておりますが、現在この実績はどういうふうになっておるのでございますか。内容をちょっと言ってください。   〔始関委員長代理退席、委員長着席〕
  119. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 当初特別小口保険をつくりますときには、本年の保証額の目標を百四十億円程度と考えておったのでありますが、PRが行き届かなかったこと、それから要件が若干きびし過ぎたというようなこともございまして、予想よりもはるかに下回った足取りできております。五月から八月までが千五百十九件、三億九千百万円、それから九月は五百五十六件、一億四千九百万円、十月が五百三十二件、一億四千三百万円、十一月は条件緩和によりましてかなり順調に進んでおりまして、ただいまのところでは千四百六十件程度、三億七千万、いままでの足取りの二倍半くらいになるのではなかろうかというふうに見ております。
  120. 田中六助

    田中(六)委員 十月二十日の省令の条件緩和で、いままでの二倍半くらいですか、ふえているということで、これで少しは軌道に乗るのでしょうが、この三十万を五十万にした場合、どの程度を対象に見ていますか。
  121. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 本年度の目標額、予想額でありますが、本日現在では大体五十億円見当になるのではないかと思っております。
  122. 田中六助

    田中(六)委員 次いで、臨時措置法のこの法案について若干質問したいと思いますが、この法案は大体一年間の時限立法になっておるようですが、これはどういうことで、そういう一年間の臨時措置法にしたのですか。
  123. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 最近の経済情勢がきわめてきびしい動きをいたしておりまして、中小企業のほうの倒産も高水準で推移して、なかなか減らないというような状態でございますので、この不況を乗り切るために臨時の措置をしようというのが、今度の法案趣旨でございます。ただいまの見通しでは、来年の半ばくらいから景気は上昇に転ずると思いますので、若干安全を見ましても、再来年の三月までという期間適用すれば、現在の不況は克服できるのではなかろうか、こういうことで時限立法にいたした次第であります。  なお、このあとどうするかにつきましては、制度の運用の実態もよく見きわめまして、その上でさらに延長をするか、あるいは現在の制度そのものを本格的に切りかえるというようなことをするかということも含めまして、検討したいと思っております。
  124. 田中六助

    田中(六)委員 多少からむようですが、現在の不況が一年間で克服できるという見通しをお立てになっておるようですが、これはどういう点で、そういうように、一年間で不況が克服できるという見通しなのですか。
  125. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 経済情勢の今後の見通しはなかなかむずかしい問題でありますし、いろいろ見方もあろうかと思いますが、最近の景気動向で一番特徴的なことは、需要が減っておる。生産活動が非常に沈滞しているということでございまして、それを直すために、政府財政面その他で相当積極的な政策を打っておりますので、おそらくそういう措置によって官公需が出てくるのが、本年度の終わりから来年度にかけてではないか、そういたしますと、来年の半ばくらいからは、全体として経済成長率も若干上向いてくるということから想定いたしますと、来年の後半にはかなり景気は回復してくる、こういう見方に立っておる次第であります。
  126. 田中六助

    田中(六)委員 経済一つ見解ですから、あまり言いませんが、私は必ずしも不況がそう簡単に克服できるというふうには思っておりませんが、一年間に不況克服ということを予想して、時限立法にしたと言っておりますが、さらにこの制度の運用の実態を見きわめた上、また措置をすると言っておりますが、また措置をするという措置の内容は、どういうふうなお考えを持っておるわけですか。
  127. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 中小企業対策、特に零細企業に対する行き届いた金融の制度というのは、従来必ずしも十全でございませんので、かりに今度の制度が非常に効果をあげてうまくいけば、これは不況克服ということだけでなく、ある程度長期的な制度として続けていくほうがいいというような観点もあるいは出てくるんじゃないかというふうに思います。これはしかし新しい制度のことでございますので、実績を見た上で、その辺は考えたいと思います。それから保証制度自体といたしましても、先ほどもちょっと御意見もございましたが、たとえば第一種と無担保との関係等は、かなり類似の制度でございまして、実際に運用してみてこれがうまくいくならば、場合によったらあるいは無担保保険というような制度を恒久化するというのも、確かにこれは立法論として考え得る道ではないかというふうなこともございます。しかしどちらにいたしても、今回はとりあえずの急を要する当面の対策だということで、実は政府部内で議論をします場合にも、おっとりかまえて普通の状態議論しているとなかなか話が進まないようなことも、これはもうこの際緊急だからやろうということですと、相当踏み切ってできるというような点もありまして、おそらく従来普通ならばこれがなかなか踏み切れなかったような点まで踏み切って、制度ができたわけであります。これをとりあえず暫定措置としてやりまして、その実績を見た上で、次の手は考えたい、こういう考え方でございます。
  128. 田中六助

    田中(六)委員 保険金額を二百万円にしているわけですが、この二百万円の根拠というのは……。
  129. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 従来の中小企業向けの貸し出しの実績を、中小企業専門の金融機関であります地方銀行、相互銀行、信用金庫等で調べてみますと、大体二百万円前後という実績が出ております。それからまた担保を提供しないで保証人だけで信用保証をするという場合に、あまり大きな金額もいかがかというような点もありまして、その辺から見ると、二百万円程度というのが一応の限界ではないかというふうにも考えた次第であります。それから特に従来から第一種保険の百万円、第二種保険の一千万円というものがございますので、さらにそれにプラスして緊急必要な資金提供ということから見ると、まあ二百万円程度というのが妥当なところではないか、そういった点を勘案して決定した次第であります。
  130. 田中六助

    田中(六)委員 まあ私どもも二百万円が限度で、ちょうど手ごろだというふうに思っておりますが、この保険の総額の見込みはどの程度ですか。
  131. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 先般の特別小口保険のときも見込みがだいぶはずれまして、御批判を受けたのでございますが、今回の無担保保険につきまして、私たち実は相当大きな期待を持っておりまして、本年度ちょっと予定より出おくれましたけれども、五百億見当は、本年度三月末までにこなせるのではないかというふうに期待しております。
  132. 田中六助

    田中(六)委員 この三月までに五百億見当というのですが、具体的に検討してみた内容はどうですか。何かどういう材料で……。
  133. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 これは信用保証協会の実務をしておられるほうの観測、実際の要求のありそうな業態等を一方においては勘案いたしまして、それからまた他方、従来の第一種保険と非常に類似をしておりますので、第一種保険の従来の利用度等も勘案いたしまして、最終的にはある程度腰だめでございまして、非常に精密な算出の根拠があるわけではございません。
  134. 田中六助

    田中(六)委員 ただ私どもが懸念するのは、信用保証協会が一応これを認めてやったとしても、金融機関がこういうものに応ずるかどうかという点ですね。この点はどうです。
  135. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 金融機関といたしますと、信用保証がつきますれば、もう全然危険はなくなるわけでございますから、その点は私は比較的スムーズにいけるのではないか。むしろ信用保証協会が踏み切ることが第一ではないか。それからなお、そうなった場合に、資金の量の問題等もありますので、来年度はなるべく融資基金をふやしまして、そうして保証協会に配付する。保証協会はそれを金融機関に預託をするということによって、この制度をさらに活発に活用できるようにいたしたいと思っております。
  136. 田中六助

    田中(六)委員 この保険とそれから特別小口保険と重複できないようにしておりますが、これはほんとうに救うという意味からすると、ちょっとはずれているような印象も与えるわけですが、この点の見解を……。
  137. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 特例小口保険のほうは、ほんとうのごく零細企業を対象にしておりまして、料率もきわめて低い心保証協会によっては、もう保証料ゼロというところもあるくらいでございますので、そういう制度を利用される方と、それからある程度まとまった二百万とか何かという資金を必要とされる方とは、一応階層が別といいますか、というふうに考えて、重複しないようにいたした次第であります。
  138. 田中六助

    田中(六)委員 この法律の二条ですね。二項の第一号に「清算開始の申立てその他通商産業大臣が定める事由」というふうに書いてございますが、これはどういうことなんですか。
  139. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 この法律のねらいの一つは関連倒産の防止ということでございますので、ここに普通の観念によります倒産という事例を列挙したのでありますが、なおそのほかにも実質的に同じような影響を与えるものがあるのではないか。たとえば先般の山陽特殊鋼の場合に、あそこのトンネル会社といいますか、ほとんど実質は同じ資本であって、会社としては別になっております国際運輸というのがありまして、その場合に、山陽特殊鋼を対象として指定しましても、国際運輸のほうの関連業者には救済措置が及ばないというようなおそれもございますので、そういう場合に、特に通産大臣が、いわゆる倒産という概念とは違いますけれども、それに関連しているという意味で、この国際運輸のほうを指定できる道を開いた、こういう趣旨でございます。
  140. 田中六助

    田中(六)委員 やはり同じ二条の第二項の同じ号の規定ですが、通産大臣が指定するものの範囲ですが、この範囲はどういうふうに考えておるわけですか。
  141. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 これは今後の運用の問題でございますが、ただいまとりあえず考えております指定の基準は、倒産企業につきましては、負債総額が、金融機関からの借り入れ金額を除きまして、十億円以上の企業倒産、そうして関連中小企業経営に重大な影響を及ぼすおそれがあるものを、ずばりその具体的な会社の名前を指定をするつもりにいたしております。
  142. 田中六助

    田中(六)委員 つまり、具体的には十億円以上ですが、その倒産企業は全部指定するのか、あるいはまた、過去に倒産したものについても指定するのかという点はどうですか。この二点について、具体的に言ってください。
  143. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 倒産企業で、負債金額が十億円以上のもので、特に今回の制度を適用する必要があるものをするわけでありますが、負債総額が、金融機関からの借り入れを除き十億円以上のものは、おそらくよほど特別なものでない限り、すべて適用をすることになろうかと思います。  それから、すでに倒産をしておるものにつきましては、現にその影響がありまして、こういう特別な措置を適用する必要があるというものにつきましては、過去のものでも指定をしたい、かように考えております。
  144. 田中六助

    田中(六)委員 この第二条の二項二号の規定に、「事業活動の制限であつて通商産業大臣が指定するもの」というふうに書いてありますが、これは具体的にはどういうことなんですか。
  145. 山本重信

    ○山本(重)政府委員 指定基準といたしましては、過去一年間の生産実績に比べまして、生産が六ヵ月以上の期間にわたって一〇%以上減少すると見込まれるもの、それから、過去一年間の実績に比べまして、関連中小企業者のうち相当数のものの受注量が二〇%以上減少すると見込まれるもの、この二つの要件を備えたものにつきまして、通産大臣の指定をいたしたいと考えております。
  146. 田中六助

    田中(六)委員 以上で法案の内容についての質問を終わりますが、同僚の委員が、また後刻具体的内容を数項目にわたって質問するそうですから、その点お譲りいたしますが、いずれにしても、中小企業倒産の件数が、本年に入って月平均五百件ということはあまりにも多過ぎる。一年間六千件、これは日本でも未曽有なことでしょうし、世界の経済体制から見ても、各国もこれをほんとうかどうか疑っているのじゃないかと思いますが、こういう面も十分御勘案の上、行政指導を十分することを私は希望いたしまして、質問を終わります。     —————————————
  147. 内田常雄

    内田委員長 参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  両法案審査のため必要な際には、参考人として、商工組合中央金庫、信用保証協会等、関係機関の随時出席を求めて、意見を聴取することとし、その手続等は委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は、明二十三日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとして、これにて散会いたします。    午後一時二十五分散会