○滝井
委員 そこなんですよ。結核
予防法でも結核の
届け出をします。そうすると、これはしただけであって、その
患者をどう処置するかということについては何もやらなかったのです、いままで。だから、集団検診をやる、そしてあなたは結核ですよと言って、しても、何もやらなかったのです。だから、一体何のために
検査するんだ、
検査したってしっぱなしじゃないかというのが、少なくとも結核の初期の批判だったのですよ。それと同じなのですよ。やはりいま
河野さんも質問しておったように、二十歳以下の若い層に非常に
梅毒が
蔓延をするというならば、これは真実を医者のところに行って
患者が語って、相手はこの人ですと言ったら、その相手を治療させるときには強制的に、国が金を出しますから、ひとつあなたは治療しなさい、こういうことでないと、金を持っておるならおまえはやれと言ったら、その
患者はそれでもう放任したと同じですよ。おまえは金を持っておるからどこに行って治療しなさいと言ったら、その人の恣意にまかしているわけです。そうでなくて、やはり、人格をある
程度傷つけるかもしれないけれ
ども、最後の最後まで見届けて治療をぴっちりして、医者が治癒という転帰を認定するまではしてもらうという拘束がないと
意味ないのです。罰則をつけておるだけでは
意味がないのです。金持ちはやれ、貧乏人はある
程度金を出しますと言うだけでは、この
法律はざるですよ。底抜けです。役立たないです。そこを金を出してやるということでないと
意味ないです。
それから、あなた方のこの予算を見てごらんなさい。私これをほんとうにやると、また四、五時間かかる。こういう
法律というのは、転換をするときは非常に重要だからきちっとやらなければいかぬですよ。(「転換じゃない」と呼ぶ者あり)これは
性病対策の大転換ですよ。たとえばあなた方がやる場合に、予算をごらんになっても、妊婦の血液
検査というのは負担は一〇〇%です。しかし、実施率は三割でしょう。それから
婚姻時の血液
検査だって、負担は一〇〇%負担をするのだが、百八十八万の
結婚対象者に対して三割です。非常に低くしか見積っていないわけです。私は、これでは
意味がないと思うのです。やるならばやはり徹底をして、全部国が見てあげます、こんなもの金を全部出しても一億か二億しかかからないですよ。民族の将来を思うならば、けちくさく
性病対策に五千万円かそこらの金を出して、菅原通済さんが言うからこれからひとつ何とかやらなければならぬというような、そういう中途はんぱなことじゃだめです。やるのなら、やはり徹底してやらないとだめです。中途はんぱだったら、何もこんなものをやらなくたって、みんな中途はんぱでやっていますよ。それは抗生物質を買って飲んで、そうして発しんとか硬性下疳とかいうのがすうっと消えれば、みんなそれでもうよくなっておると思うておるのだから。私はこういう政策をおやりになるとすれば、いま言ったように、恥を忍んで医者に行って真実を語るのですから、そうしたらその
届け出を県知事にしたら、県知事は相手方をやはりきちっとなおしてやるという体制でないとだめです。来ておる
患者は、苦痛があるなり病状があるからこそ、医者に来てなおしておるわけです。これはわりあいすぐになおせるという可能性があるわけです。ところが、もう
一つのほうは、知事に
届け出、知事が治療命令を出したって、これは聞かなかったらそれまでです。やはり国が金を出して最後まで見届けてあげます、こういうことによって初めて人権を傷つけずに済むわけです。私は、そこまでいくべきだと思うのです。どうも読んでみてそういうことがないから、まず六条を一番先に聞いておるわけです。私は、そういう方向にこれは修正しなければうそだと思うのです。相手方の病毒をうつした者はだれだということを認めさしたならば、その病毒をうつした人を、感染源というものを治癒するまでやるのだ、それは全部国が金を持つ、こういうことがどうしてできないのですか。どこかあるのですか、それで国の財政が破綻するようなこともないでしょう。それは健康保険もあるのですから、差額だけを国が見てやるという方法だってあるでしょう。
法律六条でこういうように
届け出の義務を課したら、今度国が反射的に治療の義務をもたなかったら
意味ないです。それは、お金持ちであろうと貧乏人であろうと、やるべきだと思うのです。国が全部出して最後までやる。そして治癒の認定ができたら。そのあとで、ひとつあなたは何ぼか出してくれという精算をするのならいいですよ。負担能力に応じて精算をいたします、しかし、なおるまでは、とりあえずまず国が金を持ちますと、こういう大前提をつくって、そうしてミーンズテストその他をやって、払えるものについてはそれは返済をしてもらいます、こういう形を後につくるのなら、私はそれも
一つの方法だと思うのです。しかし、これでは何もないです。相手方に対する治療を、最後まで運命を見届けていないでしょう。どうしてそれを見届けないのです。