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鈴木国務大臣 ただいま松山
委員から、両法案につきまして
結論的な御
所見を交えての
お尋ねがあったわけでありますが、こういう気の毒な子供さんたちの児童扶養手当なり特別児童扶養手当なり、この手当の
制度だけでなしに、総合的な諸施策を講じて、ほんとうにその福祉のための対策が十分行き届くように
政府としても努力を払っておるところでございます。
現在、重度精薄児の施設といたしましては、全国で二百二十カ所ございます。また、重度身体
障害児等の施設は六十八カ所ございます。また、今回は、特に気の毒な重症心身
障害児のために国立の収容施設を全国で十一カ所、五百二十床設置することにいたしたのでありますが、この重症心身
障害児だけを取り上げましても、なお一万六千人くらい収容して療育を要する子供さんがおるわけでございますので、
政府としては第一次の計画として、少なくともその三分の一
程度を収容する施設をつくりたいということで、昭和四十一年度に、その第一年度としての五百二十床、十一カ所というものをつくることにいたしたのであります。そのほかに、重症心身
障害児や、また
障害者の総合的な収容施設としてコロニーの設置計画を進めておりまして、群馬県の高崎市郊外にこれを設置するということで、用地等の決定もいたしたような次第でございます。
ただいま松山さんからお話しの、そういうお子さんをかかえた御家庭の苦労というものを私どもよく
承知いたしておりますので、今後できるだけ収容施設を増置いたしまして、一人でも多くの子供さんたちをそこに収容できるように、
政府としても最善を尽くしてまいりたいと考えております。
最近は、幸いにいたしまして各都道府県におきましても、また大きな市
町村等におきましても、こういう施設の必要というものについてだいぶ御認識が深まってきておりまして、そういうものを設置したいという機運も出ております。また、民間におきましても同様の機運が出ておりますので、
政府としても各方面の御協力を得まして、そういう収容施設が全国に行き渡るようにさらに一そうの努力をいたしたい、かように考えておるわけであります。
ただ、そういう施設に収容いたします場合でも、いまお話がありましたように、介護のための、療育のための介護職員が非常にたくさん要るわけであります。今回四十ベッドを一単位として国立の収容施設をつくるのでありますけれども、それには、お医者さんはじめ看護婦さん等合わせて三十名の介護職員が要る。四十ベッドに対して三十人の介護職員が要るというように、非常にたくさんの人手を必要とするのであります。そこで、今後国立療養所、病院等におきましても、そういう介護職員の養成という面につきましてもただいま努力をいたしております。また、十一カ所の国立の収容施設を今年の年度末にはぜひ開設をしたい、こういう考えでおりますので、
厚生省の中に、医務局、児童局、社会局等でこれに対する準備
委員会を設けまして、そしてその開設についての
諸般の準備を、手落ちのないように万全を期しておるところでございます。