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1966-04-01 第51回国会 衆議院 建設委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月一日(金曜日)    午前十時三十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 丹羽喬四郎君    理事 井原 岸高君 理事 廣瀬 正雄君    理事 松澤 雄藏君 理事 岡本 隆一君    理事 川村 継義君 理事 下平 正一君       逢澤  寛君   稻村左近四郎君       大倉 三郎君    木部 佳昭君       服部 安司君    湊  徹郎君       森山 欽司君    山本 幸雄君       渡辺 栄一君    井谷 正吉君       石田 宥全君    金丸 徳重君       三木 喜夫君    山下 榮二君  出席国務大臣         建 設 大 臣 瀬戸山三男君  出席政府委員         建設政務次官  谷垣 專一君         建設技官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         参  考  人         (日本道路公団         副総裁)    佐藤 寛政君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 三月三十日  委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として中  村時雄君が議長指名委員に選任された。 四月一日  委員三木喜夫辞任につき、その補欠として和  田博雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員和田博雄辞任につき、その補欠として三  木喜夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十九日  国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する  法律案内閣提出第一二四号) 同月二十六日  川内川下流の洪水時における堤内地湛水排除に  関する請願池田清志紹介)(第二一三六  号)  川内川上流改修工事促進に関する請願池田  清志紹介)(第二一三七号)  川内川下流改修区域改修促進に関する請願  (池田清志紹介)(第二一三八号)  九州縦貫高速自動車道南九州区間早期建設に  関する請願池田清志紹介)(第二一三九  号)  国道三号線御陵下地区拡張工事促進等に関する  請願池田清志紹介)(第二一四〇号)  国道二六八号線改良等に関する請願池田清志  君紹介)(第二一四一号)  建設業法改正反対等に関する請願(林百郎君  紹介)(第二一八四号)  同外一件(村山喜一紹介)(第二二七四号)  建設機械貸与業の育成に関する請願藤枝泉介  君紹介)(第二一八五号)  公営住宅法改正反対に関する請願金丸徳重  君紹介)(第二二七三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する  法律案内閣提出第一二四号)      ————◇—————
  2. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため出席できませんので、その指名により、私が委員長の職務を行ないます。  国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。谷垣政務次官
  3. 谷垣專一

    谷垣政府委員 ただいま議題になりました国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  国民経済の均衡ある発展を期し、国土普遍的開発をはかるためには、その基盤となる交通輸送施設整備拡充、とりわけ近代的な高速自動車道路網の全国的な整備が必要であることは、多言を要しないところであります。  政府におきましては、国土開発縦貫自動車道建設法制定以来鋭意その建設につとめてきたのでありまして、昨年名神高速道路全線開通を見、引き続き中央自動車道及び東名自動車道建設を推進いたしているところでありますが、近年急速な発展を遂げつつある自動車交通実情から見て、さらに飛躍的にその建設を促進すべき段階に至っているものと考えます。  高速自動車道路建設国土開発の根幹となるものであり、国民経済及び国民生活の各般にわたって重大な影響を与えるものでありますから、その整備にあたっては、長期的な観点のもとに計画的に進めることが必要であります。  御承知のように、高速自動車道路路線につきましては、現在国土開発縦貫自動車道建設法をはじめとして六つの法律で定められていますが、わが国国民経済の今後の発展基盤となるべき高速自動車道路網としては、これら諸法による路線だけでは全国的に見て必ずしも十分ではなく、また、これら路線相互の有機的な結びつきも十分でないうらみがあります。  このような観点から、政府としては、かねてから進めてまいりました高速自動車道路網設定のための調査の成果を基礎として、高速自動車道路網の将来像を明らかにし、その建設計画的に行なうため、ここに国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。  次に、この法律案要旨について申し上げます。  まず、国土開発縦貫自動車道建設法東海道幹線自動車国道建設法ほかこれに類する四法を統合し、国土開発幹線自動車道建設法に改めることといたしました。  次に、高速自動車道路網整備をはかるため、国土開発縦貫自動車道をはじめとする既定の法定路線約五千キロメートルに北海道横断自動車道等の必要な路線約二千六百キロメートルを追加して、約七千六百キロメートルの国土開発幹線自動車道予定路線を別表で定めることといたしました。  また、これらに関連して関係規定の整理を行なうことといたしました。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いをいたします。
  4. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  5. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 この際、本案審査のため、本日、日本道路公団総裁佐藤寛政君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、参考人からの意見聴取質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。     —————————————
  7. 丹羽喬四郎

    丹羽(喬)委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。井谷正吉君。
  8. 井谷正吉

    井谷委員 大臣がお見えになりませんから、その前に、道路公団のほうにお尋ねをいたしたいと思います。  今回提案されましたこの国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案、これは道路公団と非常に関係が深いと思います。それで、大臣おいでになってから質問をいたしたいと思ったのでありますが、さような事情でございますから、公団のほうに先にお伺いをいたしたい。  縦貫道路を審議いたします上において一番伺いたいのは、この高速道最初おやりになりました名神が現在どういう状態になっておるかということを承りたいのであります。というのは、巷間伝えるところによれば、最初のこの自動車交通量というものが予定された数量、あるいはそれ以上にはあるでありましょうけれども収入の面においてだいぶそこに差ができておるというようなこと、あるいはまた、部分的には非常に利用しておるけれども、全体的には利用度が落ちておるというようなこと、いろいろそういうことを承っておりますが、これをお始めになりましたときから、あるいはこれに要する総体的な費用、また世界銀行等からも借り入れがあったと聞いておりますが、そういうような財源の面においても私十分に承知しておりませんので、御説明をいただきたいと思います。
  9. 佐藤寛政

    佐藤参考人 御質問の要点かと存ぜられまする名神高速道路開通後の特に営業状況について、まず御説明を申し上げます。  御承知のように、名神高速道路建設が進みますのにつれまして段階的に供用開始をいたしてまいりましたが、計画全体ができ上がりまして、交通利用開始をいたしましたのは昨年の七月でございます。昨年七月以来の統計を調べてみますと、西宮から小牧までの交通量全線を平均いたしますと、計算した数字は七千九百六十一台ということに相なっております。これは当初の計画から見ますと七五・一%、それから収入でございますが、収入のほうも、交通量がそういうような状況でございますから予定まで達しておらず、予定と比較いたしますと六四%ぐらいに計算の結果は相なっておる。これが実情でございます。  しかし、名神全線を少し砕いて考えますと、御質問の中にもございましたが、当初一番先に開通いたしました尼崎−栗東、大体におきまして栗東から西のほうでございます。栗東から西につきましては、交通量におきましても、また、したがってその収入におきましても、区間的に見ますと計画より相当上回っておる。京都東大津の間のごときは計画に対して一四九%というふうに上回っておる。京都南京都東の間もしかりでございます。栗東から西に対しましては相当成績がいいと申すことができるかと思います。この栗東から東のほうに参りますと、これは計画と比べますと予定どおりいっておりませんので、全線で申し上げますと先ほどのような状況に相なっておるわけでございます。  ただ、しかし、統計数字を申し上げますとそういうことでございますが、私どもとしてどう考えているかということを若干説明させていただきますと、先ほども申しましたように名神、名古屋と京阪神というこの大きな経済的な中心が結ばれたのは昨年の七月でございまして、今日まで半年とちょっとたっているということで、まだ時間が非常に短いということが一つ。したがいまして、一般有料道路でもそういうことはもうほとんど至るところに見られるのでございますが、有料道路におきましては、供用開始が始まりましてしばらくの間はどうしても、理屈ではそうであっても、実際の交通量はなかなか予定どおりにはいかない。これはいろいろ考えられますが、やはり道路というものは無料公開道路がたてまえであり、大部分がそうでございますが、特別な道路であるにしろ、料金を払うということに対する一つ感じの問題、そういう感じになれるまでしばらくの閥は、理屈の上ではそうであっても、予定どおりにはいかないというような事情もあるのじゃないだろうか。一般有料道路でもそういう傾向がございます。そういうあらわれもこの名神の上に出ているのじゃないだろうか。  それからもう一つ、特に名神の場合は高速道路でございますから、この高速道路を利用していただく利用者側のほうの体制と申しますか、こういうものもまだ半年やそこらでは十分なものが用意されておらないのじゃないだろうか。たとえて申しますと車の性能でございます。バスあたりにつきましては、御承知のように高速バスというものを供用開始に先立って御用意になって、ただいま特別な高速道路用バスが走っておりますが、その他トラック等を見ますと、高速道路用というものは必ずしもまだそう多くのものが用意されていないように感ぜられます。そのほか高速道路ほんとうに有効に利用するために、たとえばバスターミナル、トラックターミナルというものも、調べますと、栗東付近とか二、三のところに御計画はあるようでございますが、まだそういうものもほんとうには動くところにいっておらない。それから荷物の集貨所というものをあちこちに考えられておるようでございますが、そういうものも現在においてはまだ動くところまでいっておらない。これはほんの一例でございますが、そういった利用者側体制がまだほんとうにできていない。これから先近い将来においてできることかと思いますが、現在のところではそういうこともある。  それからもう一つ名神でございますが、これは高速道路の長さは約百九十キロでございます。阪神地区中部地区を結んでおるのではございますが、この百九十キロという高速道路距離は、高速道路ほんとうに利用する、ほんとう効果をあげるという場合には必ずしも長い距離ではない。裏を返して申し上げれば、ちょっと中途はんぱな距離ではないかというような感じもいたします。御承知のように名神の東の終点である小牧からさらに東京へ向かって東名高速道路工事をただいま鋭意進めておりますが、この東名工事が、まあ東京までつながればもちろんでございますが、相当進みまして、部分的にも供用開始交通利用ができるようになりますならば、高速道路として相当まとまった距離になりますし、したがいまして、これを利用する各車両にしますと、時間節約その他において相当効果があがる、こういうふうになってきますと、高速道路ほんとうに実際に運輸事業あるいはその他の生産品輸送等にも現実に著しく時間が短縮されるということで、目に見え効果があがってくる。したがいまして、そういうような形が今後進んでいくに従いまして、そうしてまだ半年でございますが、それが一年なり二年なりたっていくに従って、名神東名というようなものは相当御利用していただける状態になるのではないだろうかというふうに、私どもは解釈いたしておるわけでございます。
  10. 井谷正吉

    井谷委員 いまちょっとお答えが漏れておったように思うのですが、これの費用の総額ですね。  それから地域によって違いましょうけれども、およそ四十年なり五十年なり償却のめどというものはあろうと思うのです。そういたしますと、名神はいまの調子だったら何年ぐらいで償却ができるかということをちょっとお答えいただきたい。
  11. 佐藤寛政

    佐藤参考人 名神高速道路の総事業費は、精算はどういうふうにされましたか、御承知のように千百六十数億であります。当初の計画ではこれを二十五年間で——当初にかかりました経費、それに対する利子がございますし、また管理運営費がございますし、補修費等もございますが、そういうものを含めまして二十五年間に一応償却するものといたしまして、いわゆる償還計画を立てておるわけでございます。その償還計画数字から申しますと、先ほど申しましたように、今日現在では六、七十%というはなはだ残念な数字になっておるわけでございますが、これを私どもはそう暗い見方をしていないということを御了承願いたいと思います。
  12. 井谷正吉

    井谷委員 その財源はどういう内訳になっておりますか。
  13. 佐藤寛政

    佐藤参考人 これは私はっきりした数字をちょっといま持っておりませんが、三回にわたって八千万ドルほどのあれを世界銀行から借りております。  それからそのほかのお金は、御案内のように道路公団一般と同じように道路債券を発行いたしまして、各銀行、金融機関の御協力をいただいておる。それから政府のほうから、預金部からいただいておりますし、産投会計からもいただいております。それから政府からいただいておる政府出資もそのほうに回って、結局私どもとしては、そうした方々から借りましたお金総合利子が六分になるように政府でもお計らいをいただいておりますので、その六分の金利で二十五年間に償還するような計算を立てておるわけでございます。
  14. 井谷正吉

    井谷委員 外資の入ります場合は、電源開発でもそれから愛知用水の場合でも非常に条件がついて、結局は何のことだったかわからないというようなことになっておる例があるのでありますが、この名神の場合は何か条件がございましたか。
  15. 佐藤寛政

    佐藤参考人 世銀からお金を借ります際に、たとえば国際入札にせよとか、そういう条件はついておりますが、先生御承知のように利子はそのつどそのつどによって違いますし、それからその他の返済条件も少し違いますが、三年くらい据え置いてあと二十二年で均等償還するというような、大体そういう考え方で、特別の条件はついてない、そういうものはないというふうに私は考えております。
  16. 井谷正吉

    井谷委員 それから先ほどのお話を聞いておりますと、高速道公団道路だけつける。そうすると、その他のサービス施設利用者がつくる、こういうふうにとれたのですが、現在は名神、あの距離ならたいしたことないと思いますが、将来これは東名に接続する、あるいは東北に延びるというような場合に、たとえば運転手諸君がお便所へ行かないといかぬ。そうすると、うしろの車がつかえてくるということもありましょうし、やはりそういうような施設もまた利用者のほうにおいてやるのでありますか。私は、そういう施設はやはり道路とともにやってやるのがほんとうだと思うのですが……。
  17. 佐藤寛政

    佐藤参考人 利用者のための便宜施設といたしましては、いろいろなものがございますが、御質問の趣旨をサービスエリア施設というふうに考えまして事情を御説明いたしますと、名神では二つのやり方をやっております。  当初サービスエリアのうち大津サービスエリア整備いたしました節は、土地等はもちろんのこと、レストハウス等建物等公団において築造いたしまして、つまり施設は全部公団で準備いたしまして、そうしてそこで食事の支度をするとか物を売るとか、そういう営業を専門の業者の方にお願いした、こういうふうなやり方でやっております。  その後進みまして、サービスエリアにも養老吹田とございますが、ただいま御指摘のように、あれだけの交通量になりますと、やはり当初考えたごとく、吹田、多賀、養老にもそういうサービスをする施設が必要だと認めるようになりましたので、ただいまこの準備をいたしておるのでございますが、この場合には大津サービスエリアと違いまして、建物公団では建てない。と申しましても、純然たる民間施設建物を建てさせますと、いろいろまた将来にわたりましてむずかしい権利等が発生いたしまして、むずかしくなることもいかがかと考えまして、道路公団のそういうサービス施設等を主たる仕事としてやります財団法人道路施設協会というのができておりますが、この道路施設協会にそういう建物を建てさせまして、そして営業大津と同じように民間にやってもらう、こういうたてまえをとっておるのでございますが、東名におきましても、ただいまの見通しでは、おそらくそういうようなやり方で、ただいまサービスエリア予定されているところに、レストハウスその他の給油所等が建てられるのではないかと考えられるのでございます。
  18. 井谷正吉

    井谷委員 それからこれは技術上の問題でございますが、たとえば新幹線ができた。そうすると、毎年豪雪の場合に非常に心配が起きてきます。この名神にいたしましても、やはりあの付近に非常な濃霧というようなものが発生した場合にかなり事故ができておる。また事故が頻発する危険性もあるというようなことを聞いておるわけです。そこで、将来全国的な大きい高速道ができました場合、山岳地帯をいやでも通らなければいかぬ場合もありましょう。こういうような豪雪あるいは濃霧、こういうものに対して何かお考えを持っておられるか。さらにまた、現在事故相当ひんぱんに起きておるといわれる名神に対する御処置は、どういうふうに考えておりますか。
  19. 佐藤寛政

    佐藤参考人 霧と雪の問題はまことは重大な問題だと考えております。名神供用開始いたしまして以来、私どもは、高速道路はどんなことがあっても交通をストップしてはならない、すべきものじゃない、こういうたてまえに立って運営をいたしておるのでございますが、この霧と雪に対しましては、非常にむずかしい問題でございまして、残念ながらそのために交通を閉鎖いたしたことが何回かありますような次第でございます。  そこで霧でございますが、霧に対しましては、その後研究いたしまして、いろいろな霧の予報を出すとか、それから、濃霧が発生いたしますれば、予報を出すほかに、スピード制限をするとか、私どもにいたしますと、どんなに霧がかかっても、通る方がそのつもりで注意していただけば、一般道路よりはずっと楽なはずだ、こう思っておりますので、交通利用者の方には極力予報その他御注意を申し上げて、霧のときでもとまることがないようにいたしたい、こう思っていろいろ実験をし、実験の結果、これはいいと思ったことを逐次現場の実施に移しておる次第でございます。  それから雪でございますが、雪も、毎年一月、二月になりますと、特に関ケ原地区で非常に困難いたしておるのでございますが、この雪に対しましては、まず、雪を積もらせないようにする。雪が降り始めたら、直ちに除雪に至る前に溶かしてしまうような措置を講ずるとか、早いうちに除雪をするとか、それから、相当積もってまいりました場合にも、昨年の冬でだいぶ経験いたしましたので、ことしの冬は除雪力をかなり増強いたしまして、まあことしはかなり昨年よりは除雪に対する力は、また実際の効果は発揮いたしたようでございます。これらにつきましては、さらに研究いたしまして、除雪による交通障害をなくするようにいたしたいと思っております。特にこの雪の問題は、今後高速道路を東へ西へあるいは裏日本へとこう延ばしてまいりますと、相当大きな問題であります。私どものほうでは、この雪の問題については特に研究班を組織しまして、国内のいろいろな雪の事情のみならず、海外における道路の雪の問題の扱い方等を一生懸命勉強させておる状況でございます。
  20. 井谷正吉

    井谷委員 現在できておるのは、関ケ原中心にして、さらにまた大きな雪を考えてやっておられると思いますが、これが今度予定にあります北海道になり、特に北見のほうにいくということになり、あるいは奥羽地方でも横断道路になってきますと、これは想像以上の大きな問題だと思いますので、十分ひとつ御検討をお願いしたいと思います。  それから、今度の計画によりまして相当広い範囲の高速道ができるわけであります。はなはだ失礼でございますけれども、現在の公団体制で、また要員で、これらに対して即応したお仕事ができるかどうか。これは非常に不安に思いますので、お考えを承りたい。
  21. 佐藤寛政

    佐藤参考人 先日来、全国の高速道路建設に対する政府の御構想が公表されておりますし、その前からもいろいろ様子を伺っておりますが、これは私はたいへんなことだと思っております。道路公団がどういうふうに御協力申し上げるようになるか、つまり施行命令をどういうふうにいただくようになるか、これからでございますが、この大計画、大事業に対しましては、道路公団としては全力をあげて努力しなければならない。  ところで、ただいまの道路公団事情でどうか、こういう御指摘でございますが、ただいまの公団体制、規模そのままでは、私は、これはこの大きな御計画に沿えるようなところまでいっていないのじゃないだろうか。それならばどうするか。私ども、御承知のように、ただいま東名高速道路をやっております。中央高速道路をやっております。このどこの現場へ行きましても、どこの工事事務所へ参りましても、たいてい五分の一から三分の一ぐらいは名神経験を持った者がおります。名神経験を持った者が各地に分散いたしまして、東名高速道路中央高速道路工事に当たっております。本社等計画等におきましてもおおむね同様でございます。そういう状態でございますので、今後東名中央道のほうにもだんだんと進捗いたしてまいります。したがいまして、経験を持った者がだんだんとできてまいります。新しく学校を卒業して現場へ入った者も、三年たてば相当働いてくれるようになります。そういう職員を、今後の御計画に応じるように、種にいたしまして、そうしてまた、新しく有能な方を、建設省からもいただくし、あるいはそのほかの政府機関あるいは民間機関から、有能な方で御協力願える方がありましたら、おいでを願うというようなふうに、いろいろ体制を整え、職員陣を強化いたしまして体制を整えていくならば、このお仕事相当御協力できるんじゃないかと、こう思いまして、先のことを考えながらいま一生懸命やらしておる次第でございます。
  22. 井谷正吉

    井谷委員 私の公団に対する質問は終わります。  そこで、大臣がお見えになりましたけれども、ちょっと話の行きがかりですから、道路局長にひとつお願いしたいと思います。お伺いしたいのは、私、いま申し上げました、実際第一線に働いておられる道路の技術者の問題が気になる。そこで、建設大学というのがございます。これはどういう機構でどういうふうな教育といったらなにですが、聞けば、これは再教育だという話も聞いておるし、その辺がどうなっておるか、承りたい。
  23. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 私の所管じゃございませんで、正確な御答弁はできないかと思いますが、建設大学は、御承知のように、性格的には研修所、建設大学では職員の再教育とかこういうことになっておりまして、いわゆる大学法にいう大学ではございません。大学校という名前になっておりますが、建設省の職員のための再教育施設考えております。建設省の中堅職員あるいは実際に働きます現場職員、それの各種の研修、また委託を受けまして都道府県の職員の研修、そういうようなこともやっております。ねらいはやはりそういうところに置かれておる、かように承知いたしております。
  24. 井谷正吉

    井谷委員 そうしますと、この建設大学を出た人が直ちに現場の測量に行くとか、そういうような実務に行く人を再教育するというわけでもないのでございますね。
  25. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 御承知のように、建設省の職員の中にもたくさんおりまして、大きく分けますと、事務職員、技術職員とございます。それからまた、別の見方で申しますと、行政職の(一)の職員、行政職の(二)の職員、こういうふうになっておりまして、それぞれやっておる仕事を分担しておるわけであります。目的によりまして新しい職務ができるように再教育する、新しい知識、技能を再教育するということもやっております。測量等は建設大学の教科内容の重要な一つになっておるわけでございます。ですから、中の職員をそういう方向に転用しようというような場合には、十分そういう機能を発揮しておると申してよいかと思っております。
  26. 井谷正吉

    井谷委員 大臣おいでになりましたから、お伺いをしたいと思います。  今度の御提案になりました高速幹線自動車道は、われわれ常に考えておりますように、日本の道路が非常に悪い。これをよくしていただくことに反対する理由一つもないわけであります。ただ、心配をいたしますのは、先日も申し上げましたように、この路線の決定にあたって、とかくの世間の批評もあるし、私どももやはりそうした政治的な意味が加味されておるのではないかというような点もあるわけであります。さらに、あとから御追加になろうとする黄色線というものは、これはほとんどそういう目で見られがちなものが含まれてくるということを懸念いたしておるわけであります。ただそういう図面が、予定路線ができましたといっても、これは一気にみな全部できるものではなくして、重点的におやりになるということはわかっておるのでありますが、ただいたずらに総花的にぱっとはなやかに出るということに、やはり世間にいろいろ言われるもとがあろうと思うのであります。ここにお出しになりましたこの路線は、伝え聞くところによると、建設省においてそういうものの入る余地のない立場においておきめになった、こういうふうに承っておるのでございますが、そうなければならぬのでございますけれども、ひとつ大臣の忌憚のない御心境を承りたいと思うわけであります。
  27. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 よくこういう道路網などをつくりますときには、政治路線であるとかないとか、いろいろ議論があります。それは一体何を観点として政治路線であるかないかということが明確でないわけなんであります。ざっくばらんに申し上げて、一つの政治目的を達成しようという意味から、まさに私は政治路線だ、こう申し上げておるのです。ただ、問題は、そういう政治目的とは何ぞやということで、本会議でも簡単に申し上げておきましたけれども、現在の道路交通事情、それから将来の日本の農業を含めての産業経済の発展の想定、及びただこれを自然のままに流さないで、道路政策によってそれを誘導する、あるいは人口の非常な偏重と申しますか、特定地域に集まって非常に社会環境が悪くなる、これをどう交通、通信その他の施設整備によってこれを適正な配置に誘導するか、いろいろな経済情勢の変化あるいは自然の変化をどういうふうに適正に誘導するか、いろいろなデータを考えまして、この路線をきめておるわけであります。詳細なことを御必要であれば、これは専門家がいろいろ検討しておりますから、その方面から申し上げさせますが、そういうことを考えて、今度つくります道路は、私は常に妙なことを言っておりますけれども、徳川時代からある道路にへばりついておるこの現状が混乱を来たしておるのだから、新たな観点からそういう意味において全然ないところに道路をつくろうというのが、今度の高速道路網の主眼であります。したがって、そういう意味からすると、これは全く政治路線である。そういう政治を考えないで、めくらめっぽうに、ただ何か図面を見て筋をひっぱるというのでありますれば、政治なんか要らないことである。問題は政治路線とはどういうことを言うのか、私は、しかし普通にはそういうことはあたりまえのことで、やるべきことでありますが、普通に言われておる政治路線というのは、そういうものでなくて、そういう要素を含まないで、何となくこっちにひっぱれ、あっちにひっぱれといいますと、それを政治路線と言われておると私は私なりに解釈しておるわけです。そういう意味における政治路線は不適当である、意味がない、私はかような一つ考えを持っております。しかし、いま言いましたように、われわれは真剣にやっておりますけれども、あるいはわれわれの考え方は必ずしも金科玉条ではない、神さまではありませんから。ほかの各種の考え方は、こうあるべきだということも全然ないとは私は断言はできない、さように私も思い上がっておりません。したがって各種の意見が、われわれが、これが現時点においては最良であろう、財政経済とも考え合わせてこの程度がこの機会においては最良であろう、こういう案を出しましても、またこういう案もあるとかなんとかという意見があるわけであります。そういう意見も私どもは全然馬耳東風というわけにはいかない。やはり各方面の意見というものを聞いておりますけれども、さらに新たに出る意見というものも全然馬耳東風でばかにするというわけにはいかない。なるほどと思うものは、やはりそれを適当に取り扱わなければならない、かような態度でおりますけれども、いまの時点で私どもはこれ以上追加することは必ずしも適当でない。また必要性を感じない。将来の検討は、世の中はいろいろ変化してまいる。経済情勢も変化してまいりましょうから、そういうときには検討すべきものもあるという考えを現在持っておるのであります。これを直ちに新たな路線をさらに相当数追加しなければならないなどという考えは、現在は持っておらないのでございます。
  28. 井谷正吉

    井谷委員 いまの大臣の政治路線に対する御解釈は私も同感であります。結局はこれはどこできめると申しましても、これは政治の中心がきめるのですから、ただ一般で言っておるのはお話のとおりの俗説でございます。ところがそういうふうに一般に思わずこともまたあるわけであります。というのは、卑近な例を申し上げますると、どこということは申しませんけれども、どうせ高速道ができるにしても二十年や三十年ではできやしない。だからそれまではお互い死んでいるかもわからない。選挙民をひっぱるにはこうやっておくのが一番いいから賛成せぬかということを私は言われたことがある。議員自身がそういういやしい気持ちでそういうことを心に思っておるから、まして周囲の人はそういうふうな解釈をしていくこともこれは当然である。これは私は議員が悪いと思う。ですから、大臣のようなそういうお考え一般に徹底すればいいけれども一般ではそのとおり受け取っていないところに問題がある。第二次追加という線にはそういうところが多分に私は出てくると思うのです。いまのお話によりまして了解はできたわけでありますが、一応これは申し上げておきたいと思ったのであります。  それから、この間もちょっと申し上げましたが、私の一番心配するのは財源の問題、それから第二は用地の買収の問題でございます。私の言わんとするところはお聞きいただいたと思うのでありますが、いままで道路五カ年計画におきましても、ガソリン税が主体であったのは申し上げたとおりの状況にある。ですから、こうした大きな仕事をする場合、しかも一ぺんにはこれはおやりになるわけではないけれども、大蔵大臣は五回くらいに区切ってやるということを言われておりますけれども、そういう面についてやはり私どもに安心の与えられるような財源面についての御説明をひとついただきたい。
  29. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 この前も簡単に本会議でお答えいたしておきましたが、現在財源をどうするというようなことを結論的に申し上げ得る段階では、率直に申し上げてございません。ただ、こういう道路をつくります場合に、これは原則としてというか、有料道路でやらなければ、いまの日本の財政状況ではできませんから、基本の態度はやはり有料道路でやるべきであろう、かように考えております。けれども、いままでやっております短区間の有料道路、こういう考え方では、今後いわゆる高速路線自動車網としてやります有料道路は成り立たない。これはどなたも同じであろうと思う。成り立つところもありますけれども、成り立たない面が、地域が多いと思います。これは申し上げるまでもなく、将来の日本の——将来といっても遠い将来のことでなく、現在を入れた、今後将来の日本の経済社会の根本的な建設をしよう、こういうきわめて画期的といいますか、日本では歴史的な大事業である、意味のあるものである、またそうあらしめなければならない、かように考えておりますので、これは通行料によってこの建設費をまかなうのだ、そういう甘い考え方でこの大事業はできない。料金制度はとりますけれども、これは問題は、産業経済に寄与し、将来の日本の発展の大きな基礎となり得る、その要件を備える程度の料金でなければ意味をなさない。これが基本だと思います。したがって、料金もその程度の料金にして、その他の建設というものは、そういう料金でペイするという考え方でない資金を投入しなければならぬ。言いかえますと、事務当局ではいまいろいろなことを検討しておりますけれども、ざっくばらんに申し上げて三〇%ないし四〇%はやはり国費を投入する。現在一五、六%であります。そのくらいにしないと、これが有効に、先ほど申し上げましたような目標を達成する意味のある道路にはなり得ないであろう。現在の時点における考えはさようであります。したがって、それで一方国費をどう調達するかということは、これは現時点においては公債以外には私は考えられない。特定財源のガソリン税は現在約三千億ぐらいで、これは伸びてもとてもこの大事業をまかなうことはできない。これだけの決意をし、国民全体がこの大事業に邁進するという態勢ができなければ、この事業は成り立たない。また、この事業が成り立たないようでは、現在のこの混乱の状態は解消しない。私は、それほど重要な意味のある道路網の政策である、かように考えておりますので、これはこの間大蔵大臣も申し上げましたように、積極的にやるべきものであるという態度だけ表明いたしておりますが、そういう財源構成等については、いつまでもほうっておくわけにいかないのでありますから、次の五カ年計画改定までにはその結論を出しておかなければならない、かように考えておるわけでございます。
  30. 井谷正吉

    井谷委員 先般も申し上げましたように、こうした大きな事業が通行料金あるいはガソリン税、こうしたものによるというちゃちなことではいかない。私は、大いに国費を御投入になっていただきたい、こういうことを申し上げたつもりである。さらにまた、原則としてはこれは国道から料金を取るというようなことは非常な矛盾があるのでありますけれども、そういうことをいっておったのでは、これはいつまでたってもできない。   〔丹羽(喬)委員長代理退席、井原委員長代理着席〕 あれは一つの理想ではあるけれども、この理想に近づく方法としては、一般から出します通行料金を漸次安うしていくとか、負担のかからない方法をとっていくとか、先決は道路を先にこしらえることであるから、その点は私は了解しておる。そうして国費の投入の方法がどういう方法をおとりになるかということは、これは政府におまかせすることでありますから、私どもはいまここで言うことではないわけであります。  次は用地の買収の問題であります。これは私は大きな問題だと思う。申し上げましたように、ほんとうに先祖伝来その土地を持っておる者が、その土地を取られたために、これからどう生計を立てていこうかという、ほんとうにまじめな苦悩をしておる者もあります一面には、ごね得でもうかろうという考えの者もおるし、あるいはまた、この道路がついたために周囲の者は労せずして地価が上がる、こういうようなことの方法を立てておきませんと、ここへ今度は高速道がつくという予告があまり早くありますと、こういう、労せずして大きな得を得ようとする者がばっこして、これはなかなか解決が困難になろうと思うのでありますが、この点について何かお考えがあれば承りたい。
  31. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、こういう高速道以外でも事は同じでありますけれども、特に高速道路の大事業をなすについては、用地の問題がきわめて重要であると思います。また用地の問題が、比較的スムーズにと申しますか、解決することが、この問題解決の大部分であろう、私どもはさように考えております。  そこで、これは単なる法律や行政能力等、単純なものだけで解決するとは思っておりません。この大事業に対して、言うべくして簡単なものじゃないと思いますけれども、やはり国民が総力をあげてやるのだという機運をぜひつくってもらいたい。現に井谷さんも御承知だと思いますけれども、全国にまたがっておりますので、それぞれブロック、ブロック等においては、知事さんその他の指導的な立場の人たちが、この大事業の完成のために、用地でいろんな問題が起こらないように全力をあぐべきだということで、いろいろ各地に、各ブロックごとに協力会といいますか、推進会といいますか、そういうものを現につくってもらって、いろいろ御協議願っておる。やはりこの空気が大前提になると思います。しかし権利は個々に分かれておりますから、いままではそれからがまたいろいろ問題が起こる。私は第一には、やはりこういう大事業をしますときには、相当の決意を持ってやらないとできない。したがって、これは今後の行政のあり方でありますけれども、やはりこれは、事業認定をするときには、直ちにあらかじめ土地収用法を適用する。これをやらなければ、従来のように一つずつ話をしていこうというような態度では解決しない。もちろん、土地収用法を適用するといったって、簡単にそれを取り上げるという態度ではございません。一応、この路線についてはこの時点における価格でございますと、その価格はいろいろ評価の方法がありますから御相談できめますけれども、後に至っていろいろ変動すべきものでない、かような措置をとらなければ、これは非常なトラブルを起こす、混乱を起こすと思います。これは今後の検討事項でありますが、従来やっておりましたように、ただ単に四車線なら四車線、ところによって六車線というところもあると思いますけれども、その道路敷だけの用地を確保するという以外に、別の用地を確保する方法もこれは考える必要があるのじゃないか。そうしておいて、今度は農耕地はできるだけ避けるという線を選んでもらいたいと思っておりますけれども、なかなか日本の地形はそうばかりもいきません。したがって、そういう予備的な用地も確保する、そして代替地でお話し合いをする、そういう従来の惰性のようなやり方をしておったのでは、との大問題は解決しない。こういうことをやはり専門家、事務当局には検討してもらわなければいけない。いろいろなやり方があると思いますが、用地の価格というものにあまり偏差、不平等があってはならない。と同時に、いまおっしゃったように、その用地の大部分によって生活をしておる、こういう立場の人の生活を立てるためにこういう大事業をやるわけではございませんから、その人たちの立ち行く方法はどうあるべきか、こういうことも、単に従来のありきたりの考え方では問題は解決しない、基本的には私はさような考えを持っておりますが、そのこまかい方法等については、これはいろいろ検討を要する事項がある、かように考えておるわけでございます。
  32. 井谷正吉

    井谷委員 私が申し上げるのは、その接収された土地の所有者がこれからの生計に困る、こういう者に対しては、お話のように、いままでのようなことではいけないので、十分なる手厚い話し合いをして解決してもらいたい。さらにごね得であるとか、そして自然に地価が上がってくる、こういう二つのものに対しては、私はもっと強い態度で整理をしていくべきだ、この二つに分けてやるべきだ、そうせぬと、これはいつまでたっても解決しないということを考えておるわけであります。大体大臣のお考えもその辺にあるのじゃないかと推察をするわけですが、私は、ほかの人は知りませんけれども、こうした大きな問題を整理をしていく上については、いままでのようなことじゃいけない、ただし生計を失う、こういう者に対しては格段の配慮をしていかなければならないと思うわけであります。  次は国道整備でございますが、これは高速道と非常に関係がございます。私は、先般も申し上げましたように、この高速幹線の大動脈に接続する、また接続したことが地域の開発、将来のためにいい、こういうものはこの新しい五カ年計画等において国道整備をする、これが伴っていかなければならぬと思うのです。地域におきましては、うわさされておりました紫線が入っても、これは国道と並行するようなところが出てきやせぬかということも考えられるのであります。でありますから、私は、そういうむだな費用を省くためにも、これはただ走れるわけではございませんから、並行した場合には、一般国道のほうを通るというのは、経済的にも、また人間の心理の上においてもそうなってくるわけだから、この際、全国的な一つ国道整備をあわせてやっていただく、そして大動脈が生きていく、こういう方法をおとりいただきたい、こういうことを先般申し上げたわけでありますが、ことばが足らなかったと思いますが、大臣のお考えをひとつ承りたい。
  33. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 お説のとおりであると思います。これは七千六百キロですか、日本のいわゆる最高の動脈幹線をこういうふうにするのが、将来の日本の、さっき申し上げました産業、経済、文化の建設に適当であろう。これは国民の皆さんが御承知を願って、それに即応した諸活動を今日からやるべきである。どこがどうなるかわからないでいろいろなことをやるということが混乱のもとである、私はさような考えを持っておるわけであります。  しかし、これをどこでも一挙にやれということではございません。先ほど来申し上げておりますような目標を達成するには、順を追うてどこからやるべきか、これはそう簡単でないと思いますけれども、非常に大事なことであろうと思います。その前にはもちろん現在の国道、あるいはこの後さらに補足すべき国道もあると思いますが、そういうものの整備が先決であります。もちろんその整備がされた後にこれに着手するという意味ではなしに、それは高速道路ができ上がる前に整備したい。その整備された幹線道路、また地方道の幹線的なものの大部分、これの活動を統一するために、ちょうど同じ時点で幹線道路相当部分がつながる、こういうことでないと、せっかくの道路網の全面的な活動はできない、かような考えを持っておるわけでありまして、またそう進むべきである。したがって、いまどこそこという問題は出ませんけれども国道整備されて、それでまかなえるところは、さらにまたこれと並行してやるなどということは、国家経済上からいっても資金効率からいってもやるべきではなかろう。私は、常日ごろ、青森から鹿児島までの縦貫自動車道を十年以内にやれということを申し上げております。前にも申し上げておると思いますけれども、十年以内ということはいまから勘定してちょうど昭和五十年ころであります。その時分になりますと、もちろんいまの一般国道は全部整備されております。この国道網というものをそれに全部つなぐ、そして全国的な大動脈として活動ができる、ちょうどそういう時点になりますから、その時点をはかって少なくともこれは完成すべきである、こういうことを申し上げておるのでありまして、そのほかにももちろん今度のものの中でその期間内にやるべきところがあると思いますが、まず背骨はそれと必ず一致させる、こういうことを申し上げておるのはそういう意味でございます。実際の行政に当たりますと困難が相当あると思います。あると思いますが、それは政治の姿勢と申しますか、政治家の良識と申しますか、それを期待する、こういうことでございます。
  34. 井谷正吉

    井谷委員 これほどの大事業計画でございますから、これをどういうふうにしてやっていくかということについては、大臣御構想があろうと思うのであります。私は、先般も申し上げましたように、やはりこれは建設省が主体になってやられるべきもので、道路公団とはちょっと性格が違うとは申しませんけれども仕事はちょっと荷が張りはしないかということを懸念しておるわけであります。先ほど公団にお聞きすると、現状ではやり得る自信のあるようなお話でございましたけれども、いまここで大臣は、それならどうかということは御発表になりにくいと思いますが、私の考えとしては、これは先長く続く問題でございますから、これだけのことをやるのに、やはり一本大きな基盤をつくってやることが必要じゃないか、こういうふうに思うわけであります。  それから若干地方の問題になりますが、前の国会で成立をいたしました長崎−大分の九州の横断路線が四国の横断につながり、京阪神の経済圏につながって初めて九州、四国の開発が完成する。距離的に申しましても、時間的に言っても、これは非常に有望な期待できる線だと思っているのでありますが、ただ、問題は、明石−淡路の橋の問題が結論が出ないために、この路線は三崎から徳島に横断するといたしましても、今回の御発表でも大洲から徳島に横断はできておりますけれども、徳島からの行く先がしり切れトンボになっていたのだが、きのうかおとといの新聞を見ますと、千葉の研究所のほうで、これはだいじょうぶできるというような御発表の記事があったわけであります。これができるとするならば、またこの構想は非常に力がついてくるわけでありますが、局長、何かその辺の御報告が耳に入っておりますか、伺いたいと思います。
  35. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山国務大臣 私のほうから申し上げます。  いまお話しのように、四国の今度の高速自動車道網は、井谷委員承知のとおり、まあこれはよけいなことかもしれませんけれども、松山から大洲までいけたのは、これは政治路線であるというようなお話しもちょっと聞きました。まさに政治路線であります。これはいまお話しのとおりに、四国、九州をつなぐ、問題のフェリボートでつなぐ必要がある。これは大動脈でありますから、松山では意味がない、大洲までやるべきであるというのがあの線を引いたゆえんであります。その先の国道整備はまたやらなければならぬ。したがって、四国と本土と申しますか、近畿、中国をつなぐということは当然にやらなければならぬ、そういう考え方で、従来あの調査を進めておりました。御承知のとおり、大まかに申し上げまして、路線にすれば五路線、地点にすると三地点、明石、鳴戸、岡山、香川あるいは広島、尾道を起点として愛媛に至る、こういうのが今日まで十数億の金をかけて調査して、これは全く技術調査、専門家の真剣な調査を依頼して数年かかっておるわけです。これがようやく昨日その報告がありました。こまかいことがもし必要であれば道路局長から申し上げますが、技術的にはいずれも橋をかけることが可能である、こういう結論の報告であります。ただ問題は、もちろん五地点になるわけでありますけれども、技術的には可能であるが、その間においていろいろ——これはまことに貴重な研究の結果だと私は思いますが、詳細にデータが出ております。その間においてももちろん甲乙があるわけであります。これはただ技術上こういうふうになりますというだけでありますから、その工法その他資金がどのくらいかかる、材料はどうだ、それじゃどういう資金構成でやるか検討を要しますから、どこの地点をやるべきであるかということは今後相当日時を要します。そういう報告があった、その報告を受けた、あらましの結論はそうだ、こういうことでございます。
  36. 井谷正吉

    井谷委員 瀬戸内海の総合開発、また九州、四国の開発、これの観点から見まして、四国から中国あるいは近畿に橋の二本や三本かかってもいいのです。ただこういう国力でございますから、資金の面において一ぺんにそういうことが望めぬことはわかっております。ただ問題は、九州、四国の総合開発、そして近畿の接続ということになると、これはどうしても明石、淡路になってくる。私は愛媛県でございますが、今治から尾道の線、これは最も重要でございます。しかしこれを上げまして、尾道から今度神戸あるいは大阪へいく。これは途中から向こうへまたがるわけであります。しかもこの路線は、広島県、大分県、愛媛県は中国と四国の開発に結んだ線であります。こういう意味合いでぜひこれはやらなければならぬ。ただ九州、四国と近畿の直結した一大動脈というものは、できればこれは私は正しいと思うのであります。ですから、これは私個人の考えでありますけれども、そういう気持ちを持っておるということを御参考までに申し上げたいと思います。  これで私の質問は終わります。
  37. 逢澤寛

    ○逢澤委員 関連質問。  ただいまいわゆる中国と四国に関連する架橋の問題についてお話がありました。これは非常に複雑多岐の問題であります。やはりその地区の住民の考えをもってすると、必ずしも前者のお話しになったことが全国的共通のものとは考えられません。そこでこれは御意見として私も拝承するのでありまするが、岡山県、香川県地方の者は異なった考え方を持っておることを、私はこの機会に、これは質問でなしに申し上げておきたいと存じます。私もここに列席しておりませんのならこれはわかりませんが、いま前者のお話しを拝承しまして、ちょっとそれは黙っているわけにはいきませんから、あえて一言申し上げます。
  38. 岡本隆一

    ○岡本委員 ただいま井谷委員質問を聞いておりますと、幹線自動車道が建設されましても、国道整備されないと、結局道路交通というものは相も変わらない交通戦争が起こるのであります。たとえて言えば、道路を抜きにして羽田−伊丹間を飛行機で飛んでも、結局飛行機をおりてから京都なり大津なりまで行くのに時間がかかる。それと同じことが、また今度幹線道路ができましても、インターチェンジから目的地へ着くまでに、道路がふくそうしておったのでは何にもならぬ。いま直接、たとえば私自身が気のついたことでございますが、名神道路ができまして、そうなりますと近畿縦貫ができます。しかしながら京都近辺にできますのは、今度の計画でありますと名神だけでございますし、それじゃその京都−奈良間の交通はどうなるのか、名神へ大阪から阪和を通って入るということもできるでしょうが、また第二阪和もできるということも聞いております。しかしながら国道二十四号線がいま非常にひどい交通難の状態になってまいっております。こういうふうな地域の一般国道整備をやはり同時並行的にやっていただかないと、結局局所的な交通難というものはいつまでも残ることになってまいると思うのです。したがって、私は、この機会に、二十四号線の整備計画建設省はどのように立てておられるのか、これをひとつはっきり、年次計画というふうな形でもありましたら、何年度にはどの程度か、それから何年まではどの程度か、五カ年計画で一応完了できるのかどうか、あるいは延びるとすれば何年延びるのか、その辺のところもこの機会にはっきりさせておいていただきたいと思うのです。
  39. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 一般論として申し上げますと、今回御提案いたしております。千六百キロの中には、主として都市周辺の交通難を直接緩和するという路線は入っておらぬと言ったほうが適当かと思います。と申しますのは、縦貫道法を改正して提案いたしておりますが、縦貫道法の精神というものは、やはりどちらかといいますと、国土の改造、そういうようなことをねらいといたしております。したがって、これだけで交通網が完全になるとは私ども考えておりません。東京付近でも、あるいは中部、名古屋付近でも、あるいは近畿付近でも、同様なことが言えるわけであります。ごらんのように、東京付近でも、このほかに環状線なり放射線をやる必要は十分あるわけであります。また、現に、御案内のように、先般開通いたしました第三京浜道路は、六車線のりっぱな高速道路の規格を持っておりますが、この計画網の中には入っておりません。そういうものがほかにもたくさんあるわけでございます。したがいまして、私どもは、都市周辺におきましては、そういう交通難の直接緩和のための道路網というものを当然整備しなければならぬと思っておりますから、この網の中には入れなかったというととでございます。それからまた、かりにそういうものをやります場合にも、御承知のように、高速自動車国道法によりますところの高速自動車国道というものがあるわけでございます。現在の名神の西宮から吹田までは、実は縦貫道の中央道ではなくて、高速自動車国道法によります普通の自動車国道としてやったわけでございます。そういう手段はこれには入っておりません。そういう手段が残されておるということがございます。したがいまして、たとえばそういう高速自動車国道法によりますやり方でいくか、あるいは第三京浜——これは県道で、地方道になっております。地方道としての自動車専用道路。実質的には自動車専用道路でございますから、この付近では高速自動車国道とほとんど変わりはありませんが、そういうふうな形でいくかという方法によりまして、現実のたとえば二十四号の将来の姿というものは解決すべきであろう。もちろん、現時点において隘路になっておりますところの個所については、たとえば奈良の入口の奈良バイパスであるとかそういうものは、新しい自動車専用道路的な構想でやりたいと思っておるのでありますが、いずれそういうものをつなぎまして、いま申し上げましたようなもので補わなければならぬと思っております。どこの地点においてそれがつながるかということは、新しい五カ年計画の際に具体的に私ども積み上げてみたいと思っております。いまの段階ではそういう詳細申し上げるようなお話はございませんが、もちろんそういう考え方でこういう網を補って進めたいと考えております。
  40. 岡本隆一

    ○岡本委員 さらに具体的な問題でお尋ねいたしたいと思いますのですが、国道二十四号線が奈良から北上してまいりまして、最上で行き詰まっておるのは御承知のとおりです。それの改良計画を立てまして、新しくできる二十四号線から現在の二十四号線にインクラインで合するというところまでいま工事が進められております。それをさらに竹田街道に結ぶ、こういうことになっております。その竹田街道に結ぶものは、本年度はどの程度までというか、用地買収だけで終わるのか、あるいはまた、さらにそれを進めて、工事にまで四十一年度に入っていくのかどうかということが一点でございます。  その次に、竹田街道に二十四号線が結びつきますと、御承知のように、竹田街道はいま京都市電の路面電車が走っております。現在ですら交通量が比較的多いところで、路面電車が片側を半分走っておりまして、片側のほうが自動車用にあけられておるわけです。非常に危険なところでございまして、従来とも路面電車と自動車とが正面衝突をしたというふうな事故もございましたり、非常に危険な道路になっておりますのですが、二十四号線がいまの竹田街道に結びつきましたら、これは国道国道とは結ばれるのは原則でございますから、私は、国道一号線までつながるまでの間の竹田街道は、ずっと現在は京都の都市計画道路でございますが、それは当然国道に編入されるものだ、このように理解いたしております。そうすると、編入された竹田街道は、当然国道として改良されなければならないと思うのでございますが、それらについての具体的計画が現在立っておりますなれば、その内容を承りたいと思います。
  41. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 御承知のように、現在の二十四号の改良の方法として、これはいまお話しのように、竹田街道にとりあえずおろす。おろして、その交通のネックを解消するということを第一義的に考えております。したがいまして、陸橋を渡りまして竹田街道までおろすということは、私どもといたしましては、あらゆる条件を排除しまして、とりあえずおろすということに重点を置いております。予算的にもそういうことで使えるだけ使うという姿勢でおります。それから二十四号を竹田街道におろしますれば、当然これは国道といたさねばならない。いまの電車通りを国道にすべきであるし、またそう考えてやるわけであります。その際に、いまの竹田街道はあのままでは国道としても不十分でございますから、私どもは将来、電車を撤廃しまして、国道らしくしなければならぬと思っております。ただ、いずれにいたしましても、先ほどお話がございましたように、京都と奈良を結びます二十四号はああいう姿でいいかどうかという問題は残るわけでございますから、いま竹田街道をどの程度まで整備しておくか、あるいは適当にその整備をとめまして、むしろ別に京都と奈良を結ぶ、つまり、両側に人家がないといいますか、自動車専用的なものを別途考えるべきではないか、むしろそのほうの問題が起こってくるのじゃないかと思いますので、その竹田街道を最終的にどういう姿まで持っていくかという問題と近代化というものを並行して、どの程度やるべきかということをあわせまして、竹田街道の処理というものはいくべきだと思っております。もちろん国道として竹田街道を処理することは当然でございますけれども、それを最終の姿として考えていいものかどうかという問題はあろうかと思います。ただ、その場合に京都にどういうふうにして入るかということは、問題は、新幹線の問題もありますし、どこをどういうふうに町の中に入っていくかという問題は、さらに調査いたさなければなりませんから、そういう問題とあわせまして、いま申しましたような竹田街道の始末というものは私ども考えたい、かように考えております。
  42. 岡本隆一

    ○岡本委員 そういたしますと、二十四号線の現在の改良計画というものは、これは一時的な段階のものであって、竹田街道に入って、竹田街道を北上して京都の市内へ入るというところの現状というものは、将来の構想としては好ましいものではない。したがって、当然二十四号線は新たな構想によって改良というものが取り上げられねばならない、こういうふうにいま拝承したのでございますが、そう理解してようございますか。
  43. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 大体そういうことでございますけれども、ただ、時点的にやはり現在の二十四号をある程度始末しておくことは必要だと思いますし、その程度をどこまででとどめるか、どの段階で近代化を考えるかということは、なお研究の余地はあるだろう、そういうことを申し上げておきます。
  44. 岡本隆一

    ○岡本委員 それでは段階的な処理方式として、現在の二十四号線をとりあえず竹田街道に結びつける。しかしながら、竹田街道に結びつきましたら、竹田街道の交通量は、二十四号と従来の竹田街道の交通量相当ひんぱんであります。それで、二十四号線のものが全部入っていきましたら、もう二倍、三倍の量に交通量がふえて、これはまことに危険きわまりない道路になってまいります。そういうことになりましたら、当然、一番簡単にそれを処理できる方法は、まず路面電車の撤廃でございますが、そうしますと、それはトロバスにしなければなりません。トロバスにしますと、新たにトロバスにすることによって、トロバスを購入する費用とか、さらにまたそういうふうな設備の費用が要りますね。そこへ今度は、あとの維持費が、トロバスと電車とでは非常に人件費が変わってまいります。いまですら京都市電は、京都の交通局は赤字で、この間もストライキをやって大量処分が出たというような状況でございますが、ただでさえ公営企業としての京都の市電、市バスが経営難のところに、あの竹田街道を現在走っておる路面電車をトロバス化いたしますと、相当経常費の面で、交通事業の面におけるところの財政面に大きなしわ寄せが起こりますが、それは国の国道事業のほうから、道路事業の財政から、何らかの形で補てんなりあるいはそれに対する財政的な措置が講じられるものかどうか。これは道路局長からは事務的なお答えがあるいは困難でもあるかと思いますが、もしそうでございましたら、建設大臣からそういう面についてお答えを願いたいと思います。
  45. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 電車は軌道になっておりますから、軌道の道路占用になっておりますたてまえからいきますと、電車を撤廃するという問題には、道路管理者がそれを補償するということはございません。ですから、占用しているものが撤廃するときには、現実には自分で始末するというたてまえになっておるわけであります。しかし、その前に、まず撤廃できるかどうかという問題が一つある。それから、撤廃したあと、いまお話ししたようにトロバスにするか——京都はトロバスが得意ですから、それも一つの方法かと思いますが、いまあまりやらないわけですから、普通のバスに切りかえる場合が多い。どういう方法にそれを切りかえるということによりまして、京都市の交通局のいろいろ出入りの数字も変わってまいると思います。またその処理の方法も変わってくると思います。そういうことをあわせて、京都市があの電車を撤廃するかしないかという問題が、一番大きな問題としてその前にあると思います。そこで、普通いままでは、道路管理者側からはこれに対して補償をしたということはございません。地方鉄道などの場合、これは立体交差をとるとか、そういうことの経費の範囲内で、たまたま軌道会社が赤字であるために、その範囲内で、立体交差の分担費を出さないで、それに相当するものを、こちらでも立体交差をやればそれだけ節約になりますから、その範囲内で補償的な結果になったことはございますが、いわゆる路面電車に対してはないわけです。ただ、実はこれは今後の問題で、いま大臣からお答えになると思いますが、私どもとしては、路面軌道の廃止ということは、やはり今後積極的に考えるべきではないか。そうなりますと、ただ市なり市の交通局なりにそうしろといいましても、大部分が非常に赤字的な性格を持って経営しておりますから、なかなかそういう事情からできない、あるいはたくさんのそういう従業員を持っておりますから、バスといってもそう急に切りかえられないというような事情から、かなり近代化のためのお金が要るわけである。それを何も遠慮なしにできるかといいますと、なかなかできにくいことが多いわけです。そうなりました場合に、国が道路管理者とは一がいに言えないかもしれませんが、国が何かそういう撤廃に対して助成することが必要であるかという問題は今後残ると思います。したがいまして、その問題は今後の検討課題といたしましても、できるだけ話し合いを進めまして、まず撤廃できるという方向に、竹田街道についてもいろいろ京都市当局と私どもは話し合っていかなければならない。その上金をどうするかという問題が起こってくるかと思いますが、いまのままですと、なかなか道路側から出すということは制度的に困難である、できないと申し上げる以外にないと思います。
  46. 岡本隆一

    ○岡本委員 道路側から補償措置が講じられないということでありますと、現在西側のほうに自動車の走る部分がございまして、東側半分を路面電車が占領しております。こういうふうなことはあまりないのです、道路の片側だけを路面電車が走っておるということは。したがって、いま都市計画としては、現在東側にさらに自動車の走れる部分だけの拡幅をやろうという計画がございまして、一部すでに旧練兵場あとのごときは拡幅されております。ただ、全線にわたってそれが——ほとんどの部分は行なわれておらないということでございますが、そういう場合には、もし路面電車の廃止が道路側の負担において困難であるなら、当然道路管理者のほうで、現在あるところの都市計画の拡幅の計画を早急に進めなければならないというふうに思うのでございますけれども、それは当然そうされるべきものというふうに理解してよろしゅうございますか。
  47. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 常識的にはそうだと思います。国道になれば国道の改良事業としてそれをやるか、あるいは都市計画事業の中で管理者負担金として出すか、やり方はいろいろあろうと思いますが、計画がきまっておる以上、そういう姿にするというのがたてまえであろうと思います。ただ先ほども申しましたが、ここでいろいろ用地の買収であるとか、そうまで無理をしてやるか、あるいは軌道をこの際撤去できて、結果的には計画どおり広げたと同じ幅員が与えられるということで事済むならば、それも一つの方法であろう、そしてそのかわり近代化というものはまた考えるという方法もあろうと思います。しかし、筋としては、いまの都市計画の幅員を確保するのが第一の筋だと思います。そうなりますと、電車がまん中に残るというかっこうになりますが、なかなかそれまでに時間がかかるとすれば、電車を片側を走らせることは危険であるので、これに対する何らかの対策を講じなければならない。当分の間暫定的に電車をまん中に持ってくるということはあるいは必要かもしれません。そういうような問題がございますので、なお今度の新しい国道という観点から、それらの問題を十分私どもは検討したい、かように考えております。
  48. 岡本隆一

    ○岡本委員 いまの二十四号線が竹田街道に取りつき、さらにそれの北上の問題についてはいま局長からお答えがございましたが、いろいろな問題を含んでおりますから一ぺん御検討を願って、早急に、今後二十四号線を、応急的であるにせよ、どういうふうに国道一号線に結び付けるかという点についてお願いして、今国会中に大体の方針をきめて、委員会でお答え願いたいと思います。  なお、それに関連しまして、私は建設委員になって間もなしに出した意見でございますが、最上に行って行き詰まりになって北上がかなり困難である、したがって竹田の街道に結び付けようという計画の出る前に、私は疎水を利用せよ、こういうことを主張して、高山市長なんかに話をいたしまして、高山市長も一時は乗り気になっておったが、それが近畿地建のほうでどうも反対が強かったために、その結果実を結ばないで今日に至っております。国道二十四号線が最上からインクラインに入るそのダムのところで、すぐそのまま疎水に入ることができる。疎水に入って、疎水の上をずっとふたをして走るということも可能でございますが、むしろそれよりも——疎水というのは御承知のように運河でございます。そうして背は京と大阪の間を淀川を通って貨物を運んでまいりまして、その運河を船頭が引っぱって上がったのですが、そして帰りは櫓でこいでおりたというように物資運搬の通路だったわけですね。ところが、自動車運送が発達いたしまして、いまはそれは運河としての歴史的使命は終わって、現在はいわば開放された公共下水路というような形になっておるわけです。だから、下水路とするならば、あれだけの大量の水は要らないわけでありますから、下水道の本管を下におろしまして、その上を道路につくり直しますならば、立体交差でずっと国道一号線まで、五条まで入ることができるのです。もちろん多少蛇行しております。蛇行しておりますが、しかしながらゴーストップなしにずっと入れるということは、はるかにすみやかに安全に市内に入れるわけでございます。またその幅も現在の二十四号線の市内を走っている部分よりも広いのです。だから、そういう構想を出して、私は早くからそれの実現ができればいいがなというふうに考えておったのでございますが、やはりこれはひとつ検討の対象にしていただくべき段階にきておるのではないか、こういうふうに思います。ただ、そこに問題は、関電の約六千キロワットくらいの発電所がある。それの補償に十五億ほど要る、こういうふうなことでございます。しかしながら、今日これだけ地価が暴騰いたしてまいりました段階では、新たに道路を設定するための用地費というものは、市内を通る場合にはそんなに簡単に済むものでございませんから、十五億くらいの補償でもって疎水を立体交差の道路として使うことができたら、むしろ安いのではないか、こういうふうに私は思いますので、国道二十四号線の近代化という構想の一つとして、現在の疎水というものを路線として使うことが可能かどうかということをひとつ御検討をお願いして、あわせてその結果をひとつまた委員会でお答え願いたいと思います。  それから、この機会ですから、もう一つお尋ねをいたしておきたいと思いますが、いま国道二十四号線は大久保付近で非常な混雑でございます。この間も私木津へまいりますのに六時ごろ大久保付近を通りましたが、約三キロ以上にわたって自動車がずっと並んでおるんです。大久保から近鉄の電車の停留所にいたしますと、大久保の次は久津川です。その次は寺田でございます。その近鉄の停留所二つ分ぴしっと出動車が詰まってしまっているんですね。だから非常な交通難の状態になっておるのでございますが、早急にその部分については何らかの改良計画が立てられるべきである、こういうふうに思うのでございます。先般、一昨年でございましたか、昨年でございましたか、建設委員会が現地調査にまいりまして、陳情を受け、その必要があるということは委員会にもすでに報告されておるんです。したがいまして、建設省としても、早急にひとつ大久保付近交通難を打開するための道を講じていただきたいと思うのでございますが、政務次官は自分の選挙区のことでもありますから、ある程度陳情も受けておられるでありましょうし、また事情をよく御存じでございますから、政務次官からでも局長からでも、いずれからでもけっこうでございますが、お答えを願いたい。
  49. 谷垣專一

    谷垣政府委員 岡本委員のおっしゃるように、あそこの二十四号線、大久保のところで大へん停滞をいたしております。これをどういうふうにして打開するか、いまの一号線と二十四号線の間に連絡する車線を入れる方法とか、あるいはそれに類したいろいろな方法が考えられ、検討されておる状況でございます。どちらにいたしましても、あの状況は一日も早く解消しなければならぬ、こういうふうに考えておりますので、岡本委員と全く同感でございます。
  50. 岡本隆一

    ○岡本委員 政務次官もおそらく陳情を受けておられると思います。したがって、この問題を今国会中にどのように解決するか。今国会中であなたの任期も大体なくなるんじゃないかと思います。だから、せめて置きみやげに、谷垣さんの次官時分にこれができたんだということになるように、ひとつ今国会中に解決方法というものを明確にお示し願いたいと思います。  それから、最近次から次へと国道の歩道橋と申しますか、ブリッジがつくられております。ところが、あのブリッジは高うて、上がるのも大へんでございますし、またひょろひょろっとした細高い歩道橋ができておりますから、見るからに不安定なんですね。だから、利用者のほうも何か渡りにくいから、利用度が低い。危険でもやはり道路を歩く、こういうことになってまいります。陸橋をああいうふうにつくるくらいなら、むしろ地下道にされたらどうか。あるいはその問一時交通の障害にはなりますが、しかしながら経費の面ということを考えていけば、あれだけの陸橋をつくるくらいの費用をかけるなら、地下道にしてもそう大きな差がないのではないか。地下道であれば、人間が通るだけの高さのものを下へ掘ればいいのでございます。ところが陸橋でありますと、クリアランスを残さなければならぬということで、ものすごう高いものになっております。これは前の安全設備のときにお尋ねすべき性格のものではございましたが、陸橋がどんどんつくられるが、むしろそれは地下道にすべきではないか、私はこのように思いますが、局長はいかがお考えになりますか。
  51. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 陸橋でも地下道でも、どちらでも私どもはよろしいわけですが、一般的にいいますと、陸橋のほうがずっと安いのでございます。地下道のほうが高いのでございます。  それから、横断歩道橋、横断施設のあるところは大体都市またはその付近でございまして、大体そこには埋設物がございまして、さらにその下を掘らなければならないということで、決して浅いものはできない。それから地形によってはやはり水がたまりまして、不潔になるおそれがある。もちろん夜おそくなりますと照明も要りますし、夜になると女子供が通るのに危険だということで、むしろ、いまのようなお話がございますが、そういうような点から陸橋のほうが安全である、いろいろな点で始末がしやすいというふうに考えて、実際には陸橋が多いわけでございます。しかし、地形によっては地下道のほうがやりやすい、あるいは地下道のほうが最も利用されやすい、地下道でなければできないというところもございますし、それは場所によりまして私どもはどちらでなければならぬということは考えておりません。しかし、どちらかというと、いま申しましたような理由で、陸橋のほうが多いというのが事実でございます。
  52. 岡本隆一

    ○岡本委員 たとえば四車線の幅員のある道路といたしますと、交通量相当あるところを通るのには、二車線の幅ぐらいでもって立体交差した自動車が走るためのブリッジをおつくりになったらいかがか、こういうふうに思うのですね。ゴーストップが至るところにできますと、一たんストップ、また一たんストップということになりますから、むしろ四車線のところは一時ちょっと狭うなりましても、むしろゴーストップでストップしているぐらいなら、その部分だけ自動車が通るためのブリッジをつくっていただくというふうなことも一つの方法ではないかと思いますが、今後の道路管理の方法としてひとつお考えを願いたい。  それからもう一つ、京都市内の例でございますが、たとえば堀川通というようなところ、四条通あるいは丸太町通というような交通量相当多いところは、道路を二階建てにして、まん中に直行用の高架の道路を路面の中に併設していくべきではないか、こういうふうに思いますが、局長のお考えはどうでしょう。
  53. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ごらんのように、東京でもいろいろ昭和通なんかやっておりますが、あれは地下が多いわけです。だんだん面積や道路の幅が十分ありますところで交通量がふえてまいりますれば、そういうふうになってまいると思いますが、京都も幸いにして幅の広い道路がございますから、そういう余地が残っているということで、非常にそういう高架あるいは立体化ということにいい条件だろうと思いますから、だんだんそういうふうになっていくだろうと私ども考えております。そういう余地がないところはたいへんむずかしゅうございますけれども、幸いにして何十メートルという幅がありますので、そういう余地を持っている。ちょうど先ほどの疎水と同じでございます。道路としては、そういうことをやりやすい地形だと思っております。いつやるかということは別問題でございますが、そういうことは十分可能であるということだけは申し上げられると思います。
  54. 岡本隆一

    ○岡本委員 この法案についての質問は、いずれ次にゆっくりさしていただきますが、きょうは時間が余りましたのを機会に、地元の問題点を指摘した次第でございます。  これで終わります。
  55. 下平正一

    ○下平委員 ちょっと、この国土開発縦貫自動車道関係資料を三つ、四つお願いしたいと思います。  一つは、いままでの五法案が一括してありますね。その予定路線のほかに新規に二千六百キロぐらい追加してあると説明がありますが、それを法案のいままでの五千キロの路線と新しくできた二千六百キロの路線と分けて、ひとつ地図で資料をいただきたいと思います。  特に、新たに指定した二千六百キロの路線別の指定事由、経済的な事由とかいろいろな事由があると思いますが、それをやや詳細に説明した資料をいただきたいと思います。これが第二番目。  それから第三番目は、これの実施計画をどういうふうに考えているか。実施計画のおおよそのものをいただきたい。  それからもう一つは、実はこの法律道路をたくさんつくることについては反対ではありませんけれども、一級国道は別として、元の二級国道、あるいは主要な地方道等がきわめて未整理のまま残されているのであります。特に首都圏等、都会地はいいのでありますが、いなかへ行きますと、ある市町村の中では数年間セメントが一度も入っていないというような国道、県道がずいぶんだくさんあるわけです。元の二級国道、それから主要地方道の改修状況、パーセンテージでけっこうでありますが、全国のものをいただきたい。  この四つの資料を、なるべく早い機会に当委員会に出していただきたい。これをお願いしておきます。
  56. 井原岸高

    ○井原委員長代理 ただいま下平委員からの要求の資料の提出をお願いいたします。
  57. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 至急調製いたしまして、御提出いたしたいと思います。
  58. 井原岸高

    ○井原委員長代理 次会は来たる六日水曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれで散会いたします。    午後零時二十四分散会