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1966-04-15 第51回国会 衆議院 決算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月十五日(金曜日)    午前十時二十五分開議  出席委員    委員長代理 理事 押谷 富三君    理事 白浜 仁吉君 理事 堀川 恭平君    理事 勝澤 芳雄君 理事 田原 春次君    理事 山田 長司君       山手 滿男君    神近 市子君       栗原 俊夫君    中村 重光君       華山 親義君    森本  靖君       吉田 賢一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村 寅太君  出席政府委員         運輸政務次官  福井  勇君         運輸事務官         (大臣官房長) 深草 克巳君         運輸事務官         (大臣官房会計         課長)     須賀貞之助君         運輸事務官         (海運局長)  亀山 信郎君         運 輸 技 官         (港湾局長)  佐藤  肇君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      堀  武夫君         運輸事務官         (自動車局長) 坪井 為次君         運輸事務官         (航空局長)  佐藤 光夫君  委員外出席者         農 林 技 官         (水産庁漁港部         長)      瀬尾 五一君         建 設 技 官         (道路局国道第         一課長)    蓑輪健二郎君         会計検査院事務         官         (第三局長)  佐藤 三郎君         会計検査院事務         官         (第五局長)  保川  遜君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (運輸省所管日本国有鉄道)      ————◇—————
  2. 押谷富三

    押谷委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため欠席いたしまするので、その指名により、私が委員長の職務を行ないます。  昭和三十九年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道決算について、審査を行ないます。  まず、運輸大臣より、概要説明を求めます。中村運輸大臣
  3. 中村寅太

    中村(寅)国務大臣 昭和三十九年度運輸省所管決算大要について御説明申し上げます。  まず、一般会計について申し上げますと、予算現額八百九十八億九千九百万余円に対して、支出済み歳出額は八百三十四億六千六百万余円であり、この差額六十四億三千三百万余円は、翌年度に繰り越した額が五十七億一千二百万余円と、全く不用となった額が七億二千万余円あったためであります。  次に、特別会計について御説明いたしますと、運輸省には四特別会計が設置されており、その第一は、木船再保険特別会計でありまして、この収納済み歳入額は三億九千百万余円であり、支出済み歳出額は二億七百万余円となっております。  第二は、自動車損害賠償責任保険特別会計でありますが、保険、保障、業務、三勘定合わせまして申し上げますと、収納済み歳入額は三百二十八億七千五百万余円となり、支出済み歳出額は七十七億八百万余円であります。  第三は、港湾整備特別会計ですが、これも港湾整備及び特定港湾施設の二勘定合わせて申し上げますが、収納済み歳入額は四百八十三億一千六百万余円であり、支出済み歳出額は四百五十九億七千六百万余円となっております。  第四は、自動車検査登録特別会計でありまして、この収納済み歳入額は十五億三千二百万余円で、支出済み歳出額は十三億七千六百万余円となっております。  以上が決算大要でございまして、このうち特に重要な事項につきましては、お手元に配付しました資料をごらん願いたいと存じます。  なお最後に、会計検査院指摘を受けました不当事項について申し上げます。  常々予算の適正、効率的な使用に努力いたしておるにもかかわらず、なお若干の指摘を受けましたことは、まことに遺憾とするところであります。  指摘を受けました件については、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一そう厳正な態度をもって、これが絶滅を期する所存であります。  何とぞ御審議のほど、お願い申し上げます。  昭和三十九年度日本国有鉄道決算書を、会計検査院検査報告とともに、本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十九年度における日本国有鉄道収入は、旅客収入におきましては、国民生活の向上にささえられて順調な伸びを見せましたが、貨物収入におきましては、経済界の不況を反映して前年度をやや下回り、結局雑収入増収を加えまして、営業収入は前年度より三百十五億円余の増収にとどまりました。  他方経費面におきましては、日本国有鉄道は、極力経費の節約につとめ、経営の合理化をはかりましたが、輸送量増加に伴う経費増加のほか、仲裁裁定による人件費増加と、会計制度改正に伴う減価償却費等増加により、営業経費は前年度より約一千百八十二億円増加いたしました。  このため、損益計算上は、営業外損益を含めまして、三百億円余の純損失となっております。  以下、収入支出決算内容勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入済み額は六千三十九億円余、支出済み額は六千三百七十億円余でありまして、収入支出に不足する額は約三百三十一億円であります。これに収入支出決算に含まれていない営業外損益等金額を加減いたしますと、昭和三十九年度損失は、前述のように三百億円余となります。この決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額六千二百八十六億円余に対しまして、約二百四十七億円の減収となっております。その内容は、運輸収入におきまして二百六十六億円余の減収雑収入におきましては十九億円余の増収となっております。  他方支出におきましては、予算税額六千四百四億円余から支出済み額六千三百七十億円余を差し引きますと、その差額は約三十四億円でありまして、そのうち翌年度への繰り越し額は二十五億円余で、残りの八億円余は不用額となっております。  次に資本勘定におきましては、収入済み額は三千二十八億円余、支出済み額は三千四十九億円余であります。  この決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額約三千七十五億円に対しまして、約四十七億円の収入不足となっております。これは減価償却引き当て金の増三百三億円余、資産充当による収入増加約百四億円、鉄道債券繰り越し発行による収入増加三億円余に対し、損益勘定からの受け入れが四百五十七億円余減少したことによるものであります。  他方支出におきましては、予算現額三千二百九億円余から支出済み額を差し引きますと、その差額は百六十億円余でありまして、そのうち翌年度への繰り越し額は二億円余で、残りの百五十八億円余は不用額となっております。  最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は二千六百十一億円余、支出済み額は二千五百九十二億円余であります。  この決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが少なかったため、予算額二千六百二十二億円余に対しまして、約十一億円の収入不足となっております。  他方支出におきましては、予算現額二千九百四十一億円余に対しまして、約三百四十九億円の差額を生じておりますが、そのうち約二百二億円は翌年度への繰り越し額であり、残りの百四十七億円余は不用額となっております。  この工事勘定決算内容に関連して、主要施策の実績について申し上げますと、東海道幹線増設工事をはじめといたしまして、主要幹線複線化輸送方式近代化車両増備等国鉄五ケ年計画の諸工事を実施いたしました結果、第四年目に当たる昭和三十九年度事項別決算額は、東海道幹線増設六百五十七億円余、通勤輸送百二十三億円余、幹線輸送約七百七十九億円、電化・電車化百十六億円余、ディーゼル化八十四億円余、取りかえその他約六百九十八億円、総がかり費百三十五億円余、合計二千五百九十二億円余となっております。  この国鉄五カ年計画主要工事であります東海道幹線増設工事につきましては、昭和三十七年度及び昭和三十八年度に必要な予算補正措置をいたしまして、昭和三十九年十月予定どおり完成し、営業を開始いたしました。  なお、輸送安全対策を推進するとともに、大都市附近通勤輸送改善し、幹線輸送力を大幅に増強する必要が生じましたので、昭和四十年度から総額約三兆円にのぼる新長期計画を実施することといたしました。  最後に、昭和三十九年度予算の執行につきまして、会計検査院から三件の不当事項と三件の改善事項の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算効率的運用に一段の努力をいたすよう、指導監督してまいりたいと考えております。  以上、昭和三十九年度日本国有鉄道決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど、御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議のほど、お願いいたします。
  4. 押谷富三

  5. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院説明員 昭和三十九年度決算運輸省所管についての検査概要説明申し上げます。  昭和生十九年度決算検査報告に、不当事項として掲記いたしましたものは、直轄工事にかかるものとして空港整備工事一件、補助事業にかかるものとして四件、計五件でございます。そのうち五七八号は、運輸省大阪国際、名古屋両空港において、定電流調整器等機器購入設置と、ケーブル布設等工事を一括請負施行しておりますが、本件の場合、これら機器を国において購入して、ケーブル布設工事だけを別途請負に付しても支障はなく、経費の節減ができたと認めたものでございます。  それから五七九号から五八一号までの三件は、地方公共団体が施行いたしました補助工事にかかるものでありまして、いずれも工事の出来高が不足していたものでございます。  五八二号は、三十九年発生災害復旧工事査定額について検査し、当局に注意いたしました結果、当局において補助対象となる工事費を減額是正したものでございます。以上をもって、運輸省所管説明を終わります。
  6. 押谷富三

  7. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 日本国有鉄道昭和三十九年度決算に関しまして、検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三件、改善事項三件でございます。  不当事項として掲げましたものは、東京工事局、それから大阪新幹線工事局におきます給排水管布設工事出来形が設計と異なっていたというものが二件ございます。  それから物件におきましては、車両用信号炎管点火装置購入にあたりまして、仕様書と異なったものを検収の不十分のまま購入したという事案でございます。  改善事項の第一点は、ケーブル布設工事の埋設の積算実情に合わない、したがいましてこれを実情に合うように改善を求めたものが一件。それから随道工事におきまして、やはり所要の材料、特にセメントあたり所要量積算実情に合わないというもの、これに改善を求めましたものが一件。それから、立体交差関係におきまして、工事進捗が十分でないということで、建設省とあわせまして、その改善方を求めましたものが一件。以上でございます。
  8. 押谷富三

    押谷委員長代理 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————
  9. 押谷富三

    押谷委員長代理 この際、資料要求についておはかりいたします。  日本国有鉄道から、鉄道弘済会、交通公社高架下株式会社、その他国鉄が出資している会社について、その各組織機構事業内容国鉄との取引状況明細を記した資料国鉄部門事業発注指名業者一覧表役員名、定款、昭和三十七年から四十年までの取引高とその内容国鉄構内営業規則により営業している業者一覧表年間取引高、及び国鉄に納めた金額、その他事業内容明細を証する資料を、国鉄に向かって要求をすることについておはかりいたします。  御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 押谷富三

    押谷委員長代理 異議なしと認め、要求することに決定いたします。     —————————————
  11. 押谷富三

    押谷委員長代理 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
  12. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 先に運輸省水産庁、それから建設省関係を……。  まず、清水港の興津埠頭建設に伴って、昨年の九月、台風二十四号の際に、清水興津本町の海岸堤防決壊いたしまして、目下復旧工事が行なわれてはいますが、満潮のときあるいは波が高潮のとき、砂浜がなくなってしまって、海が接近をいたしておりますので、民家が波をかぶるときがしばしばありまして、まことに不安な状態になっております。   〔押谷委員長代理退席白濱委員長代理着席〕  そこで、私は、まず、この海岸堤防がなぜ決壊したのか、その原因を明らかにいたしたいと思うと同時に、当面、災害復旧工事を一日も早めて、住民の不安を解消することはもちろんのことでありますが、海岸の原状が変わってきたのでありますから、原形復旧のみでは不十分であり、不安がまだ続く。しかし、ここは将来国道一号線にかわるバイパス道路建設も考えられている地点でございますので、この際抜本的な措置を講ずべきである、こういうふうに思いますので、こういう立場から、運輸省それから農林省の水産庁建設省関係者の方々にお尋ねいたしたいと存じます。  最初、まず、運輸省にお尋ねいたしたいのは、この興津埠頭工事概況と、その現在の進捗状態がどうなのかという点を御説明願いたいと思います。
  13. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 興津埠頭は、昭和三十五年度から着工いたしまして、全体で八バース、大型船の岸壁をつくることを計画したものでございます。現在までに、昭和四十一年度を入れまして、二十九億二千万円の工事費がつぎ込まれることになっております。  なお、この埠頭全体の前面防波護岸については、昭和三十九年度をもって完了いたしております。
  14. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、次に水産庁にお尋ねいたしますが、この海岸堤防決壊いたしまして、目下災害復旧工事を行なっているようでありますが、この工事概況について御説明願いたいと存じます。
  15. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 興津漁港海岸災害につきましては、昨年の九月の二十四号台風によりまして約九千三百万円、それからことしの一月初旬の冬季風浪によりまして二千一百万円で、合計約一億一千四百万円の災害復旧工事でございます。これは本年度中に完成を目途としておりまして、最も緊急な部分の大部分につきましては、台風前に完成をいたしたいと考えております。
  16. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 工事進捗状態内容につきましては、私も地元でございますので、よく存じておりますから、詳細な点は省くといたしまして、そこで、運輸省にお尋ねしたいのですが、この海岸堤防決壊をした原因というのは、むろん台風影響もあるでしょうけれども、埠頭工事によって潮流変化をしたのだということが、現地を見てみると、見えるわけであります。それはなぜかといいますと、埠頭工事をやる前は、砂浜がずっと広くありまして、御案内のように、西園寺さんが住んでおりました清見潟というところに岩がありまして、相当風景がよかったところであります。その岩を中心として興津埠頭をつくっていますから、砂を全部洗ってしまって、結局、海岸堤防に波が来てしまって、砂浜がなくなってしまっておるわけです。そういう点から、私は、やはり埠頭建設をするときには、潮流はどういうふうに変化をするというふうにあなたのほうは考えられておったのか、という点をお尋ねしたいと思います。
  17. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 埠頭工事をやったことによって砂浜が著しく削られた、その原因潮流ではないかということと、その潮流についてどういうふうに調査をしたかということでございますが、あの海岸は、従来からも、台風時の波につきましては、大体方向が直角にぶつかりますので、沿岸流として、西から東に向けての流れというものは従来からもあったようであります。ただ、埠頭建設後、決壊が相当急であったということは、そのとおりだと思います。ただ、その原因として考えられますことは、元来、あの海浜地というものは、興津川から出ておった流出土砂によってできたものでございまして、これが波との調和で、あるバランスを保っておった。最近は、上流の砂防工事完成いたしまして、土砂流出も少なくなったということで、全体的にやはり前進よりも後退の傾向にあったわけでございまして、それがわれわれとしては、この埠頭をつくるために、第一に、防波護岸をつくったわけであります。これに反射して、それを加速したのではないかということが考えられるわけであります。ただ、埠頭全体の計画といたしましては、その際、防波堤をつくりまして、波をそこで減殺したいという計画を持っているわけであります。この防波堤建設につきましては、漁業者との間に補償の話し合いがまだつきませんので、着工をいたしかねておりますが、われわれとしては、この防波堤によって波力を減殺するということによって、いまのような原因についての効果はありはしないか。さらに、海岸決壊全体については、それらの状況を見て、その上で総合的な防災計画というものを立てていくべきではないか、かように考えております。
  18. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまの漁業補償との関係防波堤計画は、具体的にはどういう計画になっているのですか。
  19. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 これは、興津埠頭は、防波護岸によって、一応船の着くところは陰にはなるわけでございますが、三保の先をかわしてくる太平洋からの波というものは、やはり港内に入ってくるわけでありますから、興津埠頭全体の前面を被覆するために、沖合いに、いまちょっとここにあの調査資料は持っておりませんが、防波堤をつくる計画を、全体計画の中には持っているわけでございます。
  20. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、それはあとで資料で御説明いただくといたしまして、そうしますと、埠頭建設にあたっては、いまのような砂浜がなくなってしまって、そうして海岸堤防まで波が接近する、こういうふうに最初から計算をされていたのですか、いや、そういう計算はなかったけれども、興津川の全体的な改修工事の関連でああいうふうに変わってきたのですか、あるいはそれは予測しない事態なのですか、そういう点はどうですか。
  21. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 工作物をつくりますときには、ああいう海浜地におきましては、必ず何かの影響が見られるわけでございまして、しかし私どもは、当初、このような大きな、海岸の砂がとられていくということは予想いたしませんでした。その後、工事進捗いたしてまいりまして、海岸が明らかに後退している。その原因について探究すれば、先ほど申し上げましたように、全体としては、昔から見ると、興津川流出土砂というものが少なくなってまいった、そういうことも一つの原因だろうし、われわれの出した埠頭というものも、現在は直接波にさらされているわけでございますから、そういうふうなことも、その海岸の安定を維持できなくなったといいますか、決壊を加速した原因ではないか、かように考えております。
  22. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 地元人たちは、港をつくることについては、いろいろ賛成反対ありましたけれども、一応清水市に合併をするということで協力し合って、漁業補償も円満にきまって、協力してきたわけですね。協力してきた結果が、砂浜がなくなってしまった。そして遊ぶ場もなし、海水浴もできなくなって、その上、もう海岸堤防に波が打ちつけるので、高潮のときには民家にかぶるということで、約束が違うという言い方はありませんけれども、とにかく一応、最初計画より違っておるじゃないか。これではもう、波をだいぶかぶったうちは引っ越さなければならぬ。あるいはその被害の補償をしてくれ、しかし当面は、何とか災害工事を早くやって不安のないようにしてくれということで、いまやっておるわけであります。いまの局長の話を聞いておりますと、少し浜が最初計画よりも変わってきたという、そういう点がはっきり見通せなかったということで、その点はよくわかりました。  それから、それでは次に建設省にお尋ねしたいのですが、いまここが、実は災害復旧工事をやっているわけです。私たちが見ていますと、もう国道一号線が飽和状態になってきている。当然このバイパス計画がなければならないと思うのですが、国道一号線にかわるその辺のバイパス計画はどうなっていますか。
  23. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 お答えいたします。いま御指摘国道一号線の現況は、興津のところで大体幅員が八メーターから十二メーター、十三、十四メーターという、はなはだ複雑な幅員になっております。現在の交通量が、四十年の交通量調査によりますと、由比から興津清水の間で、大体一万四千台から一万八千台くらいになっております。これがただいま東名高速道路を、四十二年開通を目標に工事をやっておりますが、それができましても、四十七、八年ごろには約二万台から三万台の交通が現道に残るのではないか、こういうふうに考えております。それから見ますと、やはり一号線のバイパスというもの、興津清水静岡、この辺についてのバイパスというものは必要になってくると思います。実は現在のところ一番込んでおると思われますのは、この付近で言いますと、静岡から清水の、静清と称しておりますが、この間の調査を、三十九年からいろいろ計画線調査をやったのでございますが、現有の三十九年に固まりました道路の五カ年計画でいいますと、興津地区バイパスに着工するのが、資金的に非常に困難ではないかというふうに考えておりまして、実はここのバイパス計画調査がまだ進んでいない状態でございます。ただわれわれあの地形から考えますと、当然、バイパスをする場合には、海岸にいく案と、もう一つ山にいく案も一応あるのではないかと思います。これは一般的にいいますと、やはり海岸にいく場合は、防潮堤のような護岸も必要になりますし、かなり工事費がかかるのでございますが、山にいった場合のトンネルよりはちょっと安いのではないかと考えております。しかし、山にいった場合に、トンネルはどのくらいの延長になるか、実はその辺はまだ十分調査をしておらない次第でございます。このたび興津運輸省所管海岸の照会がございまして、その辺協議を受けたのでございますが、ことしの冬の状態では、まだ私のほうの国道のほうといたしまして、海岸でいくか山側でいくか、ちょっときめかねておるような次第でございましたので、そのために災害復旧工事がおくれるのも非常に問題になりますので、現状のままやっていただきたいというような御返事を申し上げた次第でございます。
  24. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、いまのお話を聞いていますと、国道一号線の交通事情についての把握が、私は不十分だと思う。この間彼岸のお中日に富士川橋でちょっと工事をやりました。そうしますと、富士川橋から約十二キロの間に車がずっと並んでしまって、とにかく三時間か四時間かかって動いているわけです。私なんかもときどき車に乗っておりますけれども、たとえば興津から藤枝へ、まあ大体四十分から五十分だなと思っても、一時間半くらいかかるわけです。いま毎日のように、一カ所で事故がある、あるいは少し雨が降って見通しが悪ければ、信号から信号まで国道一号線は詰まってしまっているわけです。国鉄が一時間二時間おくれれば、新聞の記事に大きく載って、これはたいへんなことになるわけですけれども、国道一号線が連日のように麻痺状態になっているにかかわらず、マスコミの上に載っていないから、認識が浅いと思うのです。私は、いまの国道一号線というのは全線が交通容量が超過して、まさに連日のように麻痺状態が繰り返されていると思う。その点が、建設省の把握——地元の警察は、線路のない汽車が走っているようなものだ、こう言われているわけです。自動車の列のようなものがやっているわけですから。ですから、こういう点を考えますと、いまのバイパス計画はまだここ二、三年考えられないというようなお話ですと、これはたいへんなことになると私は思う。このことは、静岡県などというのは、道路は黙っていても国がつくってくれるだろう、よその県では県知事が先頭に立ってやってきた、静岡県のほうでは、その点はのんびりしておったというたちおくれが、国道一号線の麻痺状態、あるいはわれわれの責任かもしれませんけれども、そういう点があると思うのですが、これはまた別の機会に私は申し上げますけれども、やっぱりもう少し具体的なものになっていなければならぬのじゃないだろうか。そうしないと、ここ半年一年の間に国道一号線は麻痺状態になって、もう静岡県へ入ったとたんに車が動かなくなってしまったという状態が出てきているわけでありますから、いまの御説明としても、四十年度調査で一万四千から一万八千と言われておりますけれども、私はどうもこれには納得がいかない。私が地元の警察に聞いても、この五割あるいは七割以上増しのように思うのですけれども、これはもう少し、最近の実情について十分把握をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  25. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいま御指摘のように、東海道の交通の現状と現在の道路交通容量からいいますと、確かに交通容量をかなり超過しております。その中で道路の補修工事などをやりますと、非常に交通阻害になることは十分承知しておりますが、そういう意味で、早くこのバイパスをつくりたいということは、私もそのほうがいいということは十分わかっておるのでございます。その一環といたしまして、現在由比から蒲原のほうに向かって工事を進めております。御承知のように、富士川橋から由比を通りまして清水へ行くこの間は、国道一本しかない状態でございます。できれば、バイパスをつくるなら、現在の国道を拡幅するより非常に困難な点もございますが、もう一本つくって、両方で、何かの場合には別の道を通るというような形のバイパスをわれわれ考えていきたいと思います。ただいま御指摘のように、非常におくれているではないかということでございますが、私も非常に、交通の現状から見ると、同感に思っております。ただいまの五カ年計画そのものが、四兆一千億という金額でいいますと非常に多いのでございますが、これを高速道路なりその他地方道あたりへ細分しますと、なかなかまだわれわれが思うようにバイパスができるような、十分な資金がいまないのでございます。しかし、東海道は、特に日本の幹線の最たるものでございます。できるだけバイパス計画を促進するように、今後していきたいと思っております。
  26. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いずれ、建設大臣がお見えのときに、また建設省決算のときに、私は五カ年計画を中心に、投資のあり方について御質問することにいたしますので、実情をもっと十分把握をされまして、早急な解決策を考えていただきたいと、特に要望いたしておきます。  最後に、今度は運輸省のほうにお尋ねしたいのですが、結局、ここにバイパスが通る計画が早くできておるならば、いまの災害復旧バイパス計画とあわせてやるならば、これは二重投資にならずに、むだがなくなる。ここ一、二年後の計画があるならば、その計画とあわせてやれば……。御案内のように、いま由比は地すべりのために、その土砂を利用して、海岸道路をつくっているわけであります。しかし、あの地点は、もうあの道路のできたときから、いつも高潮のときには波をかぶって、あの道路は、国道一号線の難所とされていたわけであります。波返しをいくらつくってもやはり波が入るということで、一年に五、六回はそういうことがあったわけでございます。それが、やはり金をかければ何でもできるということで、ああいうものができて、波の入るおそれがなくなったのですから、このバイパス計画があるとするならば、二重の投資にならずにいいと私は思ったわけでありますが、いまの計画ですと、建設省のほうがおくれているといいますか、まだそこまでいっていない。いま地元人たちは、この埠頭建設されたために、こういう海岸決壊をされて、まさにこれは、天災じゃない、人災じゃないかという話がありまして、地元人たちは不満が多いわけであります。ですから、当面、不満を解消するために、市長も中心になりまして、とにかく早く工事を急げということでやっておるわけでありますが、被害の補償というような声も実はちらほら起きているわけでありまして、被害の補償よりも、まず、とにもかくにも災害復旧工事を早めて、そして不安のないようにせよということをいっているわけであります。当然災害復旧工事のほうも、運輸省は直接関係はございませんけれども、農林省と相談をしながらひとつ促進をしていただくと同時に、やはり被害補償というような問題については、法律的にはいろいろ問題があろうと思いますけれども、これはやはり当然なことだと私は思いますけれども、ものの考え方として、十分やはり御検討をしておいていただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
  27. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 災害復旧と、さらに防災については、私ども現地で実態を調べて、検討しているわけでございますが、補償の問題につきましても、実はこの海岸が、砂浜が後退したために、児童の海水浴場であったところが危険になってきた、こういうような問題がありまして、学校にプールをつくるについて、県市共同で、われわれについても、補償として一部を負担してほしいという話もございます。これについては、積極的に、現地の局長が市長と会って、現在話を煮詰めている段階でございまして、できるだけ地元の方にも御協力申し上げたい、こういう態度で進んでおります。
  28. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いずれ私も、地元のことですから、無理のない範囲内で、やはり、国として責任を持たなければならぬ点については、十分お考えいただくことにしていただきまして、この問題を終わりまして、次の問題に入ります。  鉄監局長にお尋ねいたしますが、最近モノレールの会社ができているようでありますが、いまどんな状態でしょうか。
  29. 堀武夫

    ○堀政府委員 現在すでに運行しておるモノレールは、御承知の浜松町から羽田まで行く、あれが一番代表的なものでございます。なお、その前からありましたものは、名鉄がやっておりますが、犬山の明治村のところに非常に短いモノレールがございます。それから目下工事中のものは、大船のところに建設線が一線ございます。それから姫路にも、市がやっておるモノレールの建設中のものがございます。このようにして、非常に短い線が大体多うございます。そういうような状態でございます。
  30. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 こういうモノレールがつくられるときには、この会社の申請が出されて、鉄監局で許可すると思うのですが、それは何のために許可制度になっているのですか。あるいはまた、許可するときには、どういうことを対象として考えられるのですか。具体的にいいますと、たとえば東京モノレール会社の状態を見てみますと、相当赤字だといわれておりますね。このモノレール会社を許可するときには、あなたのほうで、監督上、どれくらいの資金が要るのだ、どういう収入があるのだ、そうしてこれは採算が合うのだ、だから許可するのだ、こういうことで許可したはずだと思うのです。そうでなければ、あなたのほうが許可する権限を持っている必要がないと思うのです。ですから、そういう採算が合わないのをなぜ許可したのかという点が、実は疑問になるわけです。そういう意味で聞いているのですから、たとえば東京モノレール株式会社の場合、いかがでしょう。
  31. 堀武夫

    ○堀政府委員 モノレールはなぜ許可制になっておるか、そうして羽田のモノレールは非常に赤字になっておるが、それはどうしてかということでございます。モノレールも、輸送需要というものに応じてこういうものの計画が出てくるわけでございまして、運輸省としては、これを許可制にしておるゆえんのものは、安全上の点を十分チェックする必要があることが一つと、真にそういうような輸送需要があるならば、そういう公衆の輸送需要に応じてやるということが一つの点、そういうような観点から、申請があればよく検討して、認可をいたしておるわけであります。  その審査の際に、まずわれわれの調べますことは、申請者の資産、信用といいますか、そういうものがちゃんと堅実なものであるかどうか。それから、その事業の成否と申しますか、申請者が予定をしておるような輸送需要があって、そうして十分経営が成り立つような収入があるかどうかということを、これはあくまで見通しでございますけれども、検討をするわけでございます。そうして、その事業をやればどのような効用と申しますかがあるかというような点を、いろいろ審査をいたしまして、許可をいたしておる次第でございます。
  32. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、そういう方針で許可したのですけれども、赤字が依然としてこうして続いている、経営が不振だというのは、鉄監局として十分な審査が行なわれていないじゃないか。輸送需要がある、経営が成り立つ、こういう見通しでやったわけでありますから、資力、信用あるとか、そういうものよりも何よりも、私はあれは趣味でつくったものじゃないと思う。経済採算に乗るものとしてつくられたと思うのです。また乗るから許可してもいい、ある程度公共性もあるというので、許可したと思うのですが、それが実は採算がとれない、やっていけないということは、逆にいえば、申請が出たものについて、あなたのほうが十分な審査をせずに、輸送需要を無視して、経営が成り立たないということを承知しながら許可したということになれば、あなたの方で許可する権限を持っている必要性は何もない、こういうことなんです。いかがですか。
  33. 堀武夫

    ○堀政府委員 東京モノレールの場合について見ますると、これは昭和三十六年に免許をいたしまして、三十九年に運輸開始をしておるわけであります。もちろん採算が合うか合わぬかという点の審査も当然いたしております。申請時の工事費が大体九十八億、キロ当り七億という見当で、申請者は出してきた。ところが実際にやってみますと、倍以上かかった。一キロ当たり十五億くらいかかっておる。この工事費が倍以上になったという点が、この事業のその後の経営に一番大きな影響を与えておる点だと思います。次に、輸送需要の見当のつけ方でございますが、申請時におきましては、一日五万八千人くらいはあるであろうという見当でおったのです。ところが三十九年度の実績を見ますと、一日に一万三千五百人という、予想よりも実際乗る人は非常に少なかった。このために、収入は、申請のときには一年で約二十一億あるであろうと思っていたのが、三十九年度の実績では、五億一千万くらいにしかならなかった。非常に大きな見込み違いであったということが言えるわけであります。これは一つの非常に新しい日本における——まあ世界においても、あまりこういうモノレールというものはないようでございまして、企画としては非常に新しい。したがって需要見通しを立てる場合においても、新しいものでございますから、なかなか正確にはつかめないという事情があるのではないか。それともう一つは、高速道路が羽田までできたわけです。これはもちろん、このモノレールを計画しておったときには、そういう計画があるということは十分わかっていたわけでありますが、それにしても、もっと乗ってくれるだろうという考え方をしておったわけであります。それも一つの狂いでございます。それからもう一つは、羽田の高速道路にバスが免許されました。これもあまり予想どおりは乗っておらないようでございますが、要するに、こういうバスにしても、モノレールにしましても、羽田向けの旅客需要というものは予想に反して少なかった、そういうことが一つの大きな原因でございます。そうすると、とにかくおまえたちは審査をしたんじゃないか、それにあまりにも狂いが大きいじゃないか、これはまあいまとなってみれば、そのような御批判をされてもやむを得ないところと存じますが、何しろ非常に新しい企画でありますので、その需要の見通しというものが正確にはできなかったという点は、まことに遺憾に存じております。
  34. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 わざわざ運輸省で許可する権限を持っているということは、やっぱり、その企業についての採算点、輸送需要というものを考慮する立場であるわけであります。それ以外には何ものもないと思うのです。その一番中心になるものを誤って許可をしたということは、これは私は問題だと思うのです。  これ以外にもあるわけです。たとえば昨年、山形県の、県知事としても問題になりましたが、蔵王山でケーブルが二つかかっているわけですね。両方の土地がみんな国有地なんです。国有林野の土地なんです。国有林野の土地で、山の頂上に二つもケーブルカーを、言うならば、あれは鉄道監督局関係で許可しているわけです。一体なぜ一つにできないのか。結局、政争の中に巻き込まれて、二つを許可せざるを得なくなって、許可したわけです。しかし、国全体から見たら、これはむだなものです。一つあれば十分なんですから、また、貸しておる土地が国の土地なんですから、こういうことはやっぱりどこかでチェックしないといけない。あなた方はチェックするために権限を持っている。その権限を持っている者がチェックできないなら、許可権なんて必要ないじゃないかと私は思うのです。それは運輸省で持っている、たとえば自動車の問題でも同じことです。ハイヤー、タクシーの問題も、あるいはトラックの問題も同じことです。許可権を持っているからには、私たちが自動車なんかの話に行きますと、いま輸送需要が輸送需要がという。その輸送需要を公開をして、たとえば運輸省はこういうふうに考えています、一般の民間ではこういうふうに考えています、輸送需要の調整をやって、それじゃいいだろうということで許可するならともかくも、官側が一方的に輸送需要でもって、これはだめだということに許可権がなっているわけでありますから、こういうことだと私は問題だと思う。それで輸送需要のとり方がどうかというと、私も乗ったことがありますけれども、それは一日に五万八千人も乗りっこないですよ。いまでもふえる見通しはないと思うのです。また、始発駅が浜松町という問題もあるわけですね。ですから、こういうところを許可するということは、あるいは業界か財界の圧力かもしれないけれども、やはりいいことはいい、悪いことは悪い、採算のとれないものはとれないのだということを明確にすることが、私はむだをなくすことになると思うわけであります。これはいまさら、許可したものを取り消すというわけにいきませんけれども、やはり許可についての考え方というものを慎重にやっていただきたい。慎重にやっていただきたいということは、むだなことをやめてもらいたいということです。それから、あなたのほうでは、許可せなければならぬときには輸送需要を大きく見ます、許可しないときには輸送需要を小さく見ます。だから、そういう点はやはり責任を持って、こうだというものを出してもらわなければいけないのじゃないかと思うのです。  それから、今度は航空の関係をお聞きいたしますが、各地にある飛行場が、いろいろと会社に貸しておるわけであります。たとえば、まあ飛行機会社に貸してあるのはともかくも、東京国際空港などでは、日本航空や全日本空輸のほかに、日本空港ビル株式会社あるいは羽田東急ホテル、西武百貨店、こういうようなところに貸しているわけでありますけれども、この貸し付けの土地使用料といいますか、これを見ますと、どうも使用料の算定について、少しばらばらのような気がするわけであります。この使用料の算定はどういうふうになされておりますか、お尋ねいたします。   〔白濱委員長代理退席、押谷委員長代理着席〕
  35. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 行政財産を、その使用の目的を害しない範囲で、空港実情によって、一部他の使用に供するという事実は、いま勝澤委員指摘のように、たくさんあるわけでございますが、その際の使用料の算定基準につきましては、従来、相続税課税標準額を標準として算定する方式と、若干その中に賦課を基準として算定する方式の二つの方式が現実に取り入れられておりましたために、御指摘のように、使用の土地によりまして、具体的には所在の財務局等と十分連絡をとってきめたわけでございますが、その標準の取り方について二つの方法があって、若干の差異が生じておったという事実があるわけであります。
  36. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは、たとえば空港ビルなどの場合には、ヘクタール当たりの単価は年間幾らということになるのですか。
  37. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 昭和四十年度において、坪当たり七百三円という計算をいたしております。
  38. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 坪当たり七百三円というと、時価は、逆算をするとどういうふうに見ておるのですか。
  39. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お答えいたします。  昭和三十七年、二万三千四百四十円の計算でございます。
  40. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは年ですね。そうすると、ここに出ております空港ビルの場合は、坪二万三千四百四十円として時価評価をして、そして貸し付け使用料は坪七百三円で貸している、こういうことになるのですか。
  41. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 二万三千四百四十円の百分の三という計算で、いま申し上げた金額を算出いたしておるわけでございます。
  42. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、そのあとにある羽田東急ホテル、西武百貨店も同じですか。
  43. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 計算方法は同じでございます。
  44. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、この中の一つであります空港ビルの場合、時価評価を算定したいろいろの資料があるわけですね。相続税なりあるいは固定資産税なり、それから坪単価、貸し付け契約書、会社の財務諸表、こういうものを、資料として御提出願いたいと思います。それによって、また質問いたしたいと思いますので、資料をまずとりあえず出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  45. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 承知いたしました。
  46. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは鉄監局長、もう一回戻りますけれども、この日本鉄道建設公団に対して、行政管理庁から、行政監察の結果が勧告されているわけであります。その勧告によりますと、鉄道新線の建設のために、鉄道建設公団に、昭和四十年度末、資本金三百四十一億五千万円のうち、政府が出資したのは二十五億だ、七・三%にすぎない。国鉄出資が百四十四億五千万、現物出資百七十二億で、国鉄が圧倒的にこの鉄道建設公団の資本金を出しておる。しかも国鉄は運賃の値上げをしているような状態で、運賃を値上げをしているような国鉄建設公団に出資をするのはおかしいじゃないか、当然国鉄はやめて、政府が出資すべきだ、こういうことが書かれておるわけであります。これはこの間の運賃値上げのときに、私も質問して、当然なことだと思う、運賃を値上げをしなければならぬ国鉄が、建設公団に、赤字の線路をつくるために投資をするなんて、そんなばかばかしいことはあり得ないわけです。赤字路線をつくることについては、それが経済的に必要ならば、当然なことだと私は思うのです。しかし、独立採算を強要されておる国鉄がそれを負担するということは、私は間違いだと思うのです。これはいずれ運輸大臣なり、あるいはまた建設公団、あるいは大蔵大臣に来ていただいて、この問題についてお尋ねしたいと思いますけれども、一応、運輸省としての御見解をお聞きしたいと思います。
  47. 堀武夫

    ○堀政府委員 ただいまの御質問は、運賃法の御審議のときに、非常に何回も御批判を受けました点でございます。これは従来からのあれでございますが、国鉄が出資をいたしておりますのは、長期的に見て、これらの線は国鉄の事業のためにもなるというような観点から、そしてまた、一体と申しますか、そういうような非常に密接な関係のある事業でありますので、従来から出資をいたしておるわけであります。もちろん、この国鉄の出資額と国の出資額というものは非常にアンバランスでございまして、われわれといたしましても、国の出資を今後ふやしていくべきであるということば当然と考えておるわけでございます。公団が発足いたしました年は五億の出資でございましたが、その次の年は十億、四十一年度予算では三十五億というふうに、漸次ふやしておるような次第でございまして、今後は、先生のただいまおっしゃった趣旨に沿いまして、国の出資をふやすように努力をいたしていきたい、かように存じておる次第でございます。
  48. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 局長、そういうことじゃないですよ。国が出資をふやすのはあたりまえです。私は、国鉄が投資をするのが間違いだと言うのです。行管もそう言っておるわけです。過去のことはよくわかっております。ですから、それを監督する運輸省の立場で、運輸省としても、国鉄が新線建設の費用を出すのはおかしい、行管も言っておるし、あなたのほうもおかしい、しかし実情からいって、というのは、それは大蔵省から説明してもらえばいいのです。この次に大蔵省が来たときに説明してもらいます。運輸省として、建設公団が行管から勧告を受けておるのですから、運輸省の立場をきっちりしなさいと言うのです。それが矛盾でないとするならば、これは行管と運輸省の見解とは意見が違っておるわけでありますから、行管と運輸省の意見がどこで違うかの調整をやはりしてもらわなければなりません。だから、運輸省としての見解をきっちりしてください。それが受け入れられる受け入れられないというのは、行政全体の問題です。そういう意味です。
  49. 堀武夫

    ○堀政府委員 国鉄自体は、出資する必要はないじゃないかという御意見でありますが……。(勝澤委員「意見ではない、行管が勧告しておるのだから」と呼ぶ)われわれといたしましては、長期的に見まして、やはりこういう新線建設というものは国鉄のためになることだ、そういう新線建設から流れてくる客が、結局、幹線に流れてくるのでございますし、国鉄の全国的な輸送網というものを形成するという考えからいたしましても、長期的には、やはり国鉄もこの公団の事業の一端をになっていくのだという考え方をしておるわけでございまして、これは今後はやめるべきであるという考え方は、運輸省としては、しておらないのであります。
  50. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 行管の勧告とまっこうから対立しておりますから、それは、行管の長官と運輸大臣とどちらがどうかということで、一回聞かしてもらいますが、それは局長国鉄は国から一銭も援助を受けていないわけです。全部借金でやっているわけです。あとは、利用者負担で、運賃の値上げをしたわけです。結局、貧乏人なんです。国のほうは金があるわけでありますから、貧乏人が金持ちに金をやるなんていう話がありますか。政府のほうは、国鉄に金を貸している立場なんですから、そういうふうにものを考えていったら、それは運輸省の監督として、なっていませんよ。監督をする鉄監局長がそんなものの考え方だったら、これは国民はたいへんな迷惑ですよ。これはまさに——ましてや、新線が建設されれば、毎年十八億ずつ赤字ですと言っているわけですから、それは別に、国が国鉄について投資しているならいいです。しかし、国鉄にはどんどん借金だけさしておいて、借金がにっちもさっちもいかなくなったから運賃値上げだといって、大幅に、史上最高の値上げだといわれる値上げをしておいて、そうして国鉄の中の経営をよくするためにこうせよと、行政管理庁が、国鉄は新線の建設に投資しているのはおかしい、あるいは二重投資になるじゃないか、こういう勧告をしている。私はもっともだと思うのです。もっともだと思うのに、運輸省がもっともでないという話をしておるのでは、これはいつまでたっても国鉄は借金でやりなさい。郵政省と電電公社の監督のあり方と、運輸省国鉄の監督のあり方というのは、大幅に、同じ公共企業体でも取り扱いが違う。まあこれは局長と論争しても、なかなか大臣でもよう言えぬことでしょうから、大蔵大臣のほうによく話をしてみましょう。  それから、もう一つの問題を質問しておきますが、戦時中建設工事が行なわれた戸井、松前、大畑、長倉、渥美、こういう五つの路線が、結局ほったらかしになっているということです。私も、最近、こういう地元の人から、とにかく線路を敷くようなかっこうでそのままになっておる、そして毎年国鉄もこれについて保守の費用を相当費やしておる。これもまたむだなことです。検査院も指摘をしていないんですから、これもまたおかしいと思うのです。何か、こういうものは、やはり使わないなら使わないように結論づける、というふうに思うのですが、戦争が終わってからもう二十年もたっておるけれども、こういう点はどうなっているのですか。
  51. 堀武夫

    ○堀政府委員 ただいまのお話の五つの線路などは、戦争中に軍の作戦上の必要だとか、あるいはいろいろな要請で、工事をやりかけたが、戦争によって中止したというような事情のものであります。この線をそのまま使って新線建設をする、ちょうどその予定線があって、その中止した工事のできておる部分を使えれば、それはもう当然そういうふうに使っていくべきであろうと思います。ところが、これらの路線については、現在のところ、戦後においても、国鉄側でも建設を再び始めるという意図もなかったわけでございますし、また、現在公団としても、基本計画の中に指示をして、この建設線を再び取り上げるという計画もいまのところまだございません。といって、このままほっておくのも、これはまことにもったいない話で、これは先生のおっしゃるとおり、私もそう思います。何かの利用のしかたというものがないかどうかということにつきまして、地元の方々とも相談をいたしまして、何か役に立つような使い道があればそれに使いたい、こういうことで、検討をしていきたいと思っております。
  52. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 二十年検討して、まだ結論がない。  会計検査院、この実情を御存じですか。あるいは、御存じだとするならば、一体何かの対策をお考えになっておりますか。
  53. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院説明員 所管の五局長がいまちょっと席をはずしたものですから、あとでまた御説明に上がります。
  54. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国鉄との関連がありますから、そのときにもう一度お聞きすることにいたします。  これで私の質問を終わります。
  55. 押谷富三

    押谷委員長代理 山田長司君。
  56. 山田長司

    ○山田(長)委員 さきに問題になりました外航船舶の建造建設に関する利子補給のことでございますが、その後依然として補給が続いているようでありますが、これは黒字になったならば中止することになっておるのではないかと思うのですが、補給を得るために、赤字決算をしているのではないかといわれますけれども、こういうところはどうなっておるのですか。同時にまた、いつまでこの補給というのは続くのですか、海運局長にお聞きしたい。
  57. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 お答えいたします。  利子補給を受けておる会社は、すべて厳重な監査を受けておりまして、補給を受けるための赤字決算ということはあり得ないというふうに考えております。利子補給は、政令によりまして、会社の経理が一定率、たとえば資本金に対して一割の利益率を生じた場合には、利子補給を停止する、一割二分の利益率を生じた場合には、過去に補給した利子補給金の返還を命ずる、こういう規定になっておりまして、その規定に従いまして、それぞれ厳重な監査をした決算内容によって利子補給をし、あるいは利子補給を停止または返還をさせるというふうなことをいたしております。  利子補給はいつまで続くかということでございますけれども、現在の日本の金利水準が、競争国の外国と比べまして、依然としてなお、一般的な設備に対する長期の資金は相当な高さにあり、そこで、現在の海運においては、全く関税その他による保護は一切ない、まる裸で競争をいたします関係上、この金利負担の差というものは非常に競争力に影響があるわけでございますので、日本の一般的な金利水準が外国と同等になるまでは、私どもは、利子補給がやはり必要である、そうしなければ、日本の海運が世界において占める地位を喪失して、日本の輸出入貨物の多くの部分を外国船にたよらざるを得ないというふうな事態になるかと思われますので、国際水準にさや寄せをするという方針で進んでいる次第でございます。
  58. 山田長司

    ○山田(長)委員 海運企業の基盤を強化し、それから競争する相手国に負けないために、これが補給をする、こういうことのようでありますけれども、しかもそれが見通しがつかないというふうなことになりますと、何かしら甘やかして日本の船舶業界に臨んでおるような印象を持つわけですけれども、競争国と目されるのはどんな国々なんですか。
  59. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 極東方面におきましては、英国、それからノルウェー、その他オランダ、それからさらに便宜置籍船といいますか、リベリア船、パナマ籍船、さらにギリシア船、こういうところが、極東、日本の物資の輸送に関与する世界の海運国でございます。
  60. 山田長司

    ○山田(長)委員 世界の事情をよく知りませんけれども、ほかの国々におきましては、やはりみんなこういうふうに、建造融資というものの補給を、国々でやっているものなのでしょうか。
  61. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 世界の海運国における海運に対する助成の態様は、いろいろやり方が違っております。先ほど申し上げました国では、イギリスは、もっぱら税制によって海運に対する保護をいたしております。たとえば特別の償却を、船の値段の一五〇%まで償却に算入してよろしい。これは税制上の措置であります。最近は、建造船価の二〇%を国が補助する、そのかわり税制の優遇措置をやめる、労働党内閣になって、最近このような変更が行なわれた模様でございます。その他、ノルウェーにおきましても、税制上の優遇措置がある程度講じられております。なお、日本に一番近い米国におきましては、船の建造をする価格を、アメリカで建造する場合と外国で建造した場合の差額を、国が予算で補助する。アメリカ国内で建造した場合には補助する。なお運航上、船員費等が、たとえば日本より非常に高いという場合に、その運航費の差額を補助する、こういうやり方で、アメリカ海運の維持につとめ、さらにはアメリカの政府もしくは政府の関与する銀行の融資を受けた物資については、アメリカ船に優先積み取りをさせる。つまり荷物を確保するというやり方で、補助をいたしております。そのほか西ドイツ、イタリア——イタリアは、国家が相当の資本を持つというやり方をいたしております。それぞれ利子補給というようなやり方をしておりませんけれども、ドイツは利子補給をとった期間もございますが、いろいろな方法によって、それぞれ必要に応じた助成を行なっている実情でございます。
  62. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの一連の例は、やはり日本の場合においても、開発銀行が、日本郵船ほか二十一社に対して、低利の融資をしているという事例もありますし、それから外貨獲得の一助として、補助をしておるものもあるし、それから輸送船団の場合などは、特に指定をしておるという場合もあるし、ちっとも変わっていないような印象を持ちますけれども、この点について見通しのつかない利子補給ということにつきましては、どうも甘やかして日本の海運業の仕事に臨んでおるという印象を持ちますけれども、そういう点はないんですか。
  63. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 利子補給が相当多額に上がっておるということは、御指摘のとおりでございますが、わが国の、これは古いことでございますけれども、わが国の海運が戦前保有しておりました船腹は、戦争によりましてほとんど全部沈められたわけであります。残ったもので、外国へ行けるようなものはほとんどなかった。つまり八割の船を戦争中に喪失いたしました。これは他の産業でもそうでございますが、海運の場合には、その総資産の八割という大きな額であったことと、それから敗戦に伴いまして、それに対する補償は一切打ち切られ、しかも日本としてはどうしても船腹が必要である。そうなりますと、蓄積資本もございませんので、これは外国たとえばイギリスの場合は、戦争中の喪失船舶に対する国家補償は全額いたしております。それが資本になりまして、船がどんどん戦後発展してまいった。日本はそれをしなかったために、すべて借金でそれをまかなっていかなければならない。そういうことで借金にたよっている以上、金利の負担というものが非常にかさんでまいります。そこで、現在見通しがつかないというふうに申し上げましたけれども、日本の金利水準そのものが、外国に比べて非常に高い。この金利の差額というものがなかなか縮まらない以上は、日本の海運会社がその船腹の拡充を借金にたよらざるを得ない事情が続く限り、利子の補給は必要である。日本の海運が十分な蓄積を得まして、自己資本で、つまり金利のかからないお金で、ある程度の船はつくっていけるという事態になりますれば、この利子補給の額は逐次減少してまいる。つまり借金でつくるものに対する利子の補給でございますので、私どもとしては、長期的な考え方として蓄積をさせていく、よそで使ってしまわないで、蓄積をして、自己資金で船をつくるという方向に進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
  64. 山田長司

    ○山田(長)委員 どうも海運界のことはよくわからないので、私は妙なことを伺いますけれども、この船舶融資を受けている中などに、外国から船の注文などを受けて適当な利益を得ているところがあるやに伺っていますけれども、これらの点については、注文船の取引状況などはどんなことになっていますか。
  65. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 御質問の趣旨がちょっとわかりかねたのでございますけれども、利子補給を受けて船をつくった会社が、その船をよそへ売って利益を得たというようなことがあるかどうかという問題につきましては、当然、古くなった船を有利な値段で売却することはあり得ますけれども、私どもは、財政資金でつくりました船は、原則として外国への譲渡は認めない、譲渡をする場合には、借りておる借金を全部返して、きれいにおしまいになってから売る。事実、ある程度日本の国家的な必要性があってつくった船でございます。これが十分その国家目的に沿って動いているときは、たとえ外国へ売ったら値段がいいからといって、そういうものの輸出を許可をするということはいたしておりません。ただ、非常に古くなって非常に非能率になってしまった、すでにこの船を運航しておっても赤字が生ずる——これは、船舶が古くなりますと、最近の技術の革新によって陳腐化するということがございます。その場合に、そういう船でも使いたいというふうなところに、いまのように、財政資金は全部返済させて、その上で売船を認める、これは非常に古い船だけに限っております。
  66. 山田長司

    ○山田(長)委員 利子補給の問題につきましては、過去においてかなり問題があったわけですが、これらについて、会計検査院当局は、検査の対象として現在やられておると思うのでありますが、どうお考えになっておりますか。
  67. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院説明員 おそれ入りますが、これも五局長の所管になっておりまして、私、三局長だものですから、失礼いたします。いますぐ五局長を呼びますから……。
  68. 押谷富三

    押谷委員長代理 中村重光君。
  69. 中村重光

    中村(重)委員 会計検査院指摘事項によって質疑をしてみたいと思ったのですが、時間の関係がありますから、簡単に申し上げます。  会計検査院から、工事あるいは補助金等々の不当事項としての指摘があるのです。たとえば災害復旧事業の査定額の減額の問題にしても、一府三県で三十二の工事ですか、千六百九十四万七千円の減額が適当であるというような指摘を受けている。これはあまりにも大きな減額に相当する金額である、こう思うわけですが、運輸省の扱いとしては非常にずさんだと私は思うのです。さらにまた、名古屋の空港の北側の進入灯の整備、あるいは大阪の国際空港の滑走路の整備、これも別に会計検査院からの指摘はないのですけれども、私がこれを見てみますと、明らかにこれは談合であるということが感ぜられる。大阪の場合は随意契約、名古屋は指名競争入札で、二回で落札をさしている、こういうことなんです。しかしこれは証拠はない。だけれども、一回で落札しなかった、二回で落札しない、三回目は随意契約であるというのが従来の慣習だろうと思うのです。ですけれども、二回目で必ず落札できなければ随意契約でするのだというような、そういう慣習をつくるということは、私は適当でないと思う。そうやっておるのかどうか、これからお尋ねしてみなければわからないが、だからそういったような場合は、三回の入札もあり得るのだというような方針でなければならないのではないか、そのように考えます。いろいろお答えを願いたいと思いますけれども、ただいま申し上げたように、時間の関係もありますから、一応簡単に私がいま申し上げたことに対して、お答えがあればお答え願いたいと思います。
  70. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 御指摘のように、運輸省所管の港湾災害復旧事業の中で、算定粗漏として指摘されたものがございまして、三十二件、千六百九十四万七千円となっております。これは私どもとしてたいへん申しわけないことと思うのでございますが、この原因として考えられますことは、限られた日数と人員によりまして査定をしなければならない、そのために十分慎重にはやっているわけでございますが、内容の審査が不十分だということが、その原因であると思います。この指摘されました個所につきましては、それぞれ設計変更により、減額是正しているわけでございますが、今後はさらに査定の際の慎重を期していきたい、かように考えております。
  71. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 別途購入することができる定電流調整器等を各工事のうちに含めたために、いま指摘を受けていることは、非常に恐縮に存じておる次第でございます。この批難を受けた事項が起こった原因は、定電流調整器等の物品について、支給品扱いとする明確な基準がなかったことによるものでございますので、今後、この種の工事における定電流調整器等の取り扱いについては支給品扱いとすることにいたしまして、その基準を定めて、四月一日から実施をいたしておる次第でございます。
  72. 中村重光

    中村(重)委員 空港別の、消防車及び要員の配置状況についてお尋ねをするわけですが、御承知のように、最近非常に航空事故が多いのです。そうした点から化学消防車の配置が行なわれておるのだろうと思うのです。ところが肝心の化学消防車は配置したのだけれども、要員の配置が行なわれていないということが伝えられておるわけです。この点はどういうことになっていますか。
  73. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 空港別に、いま先生が御指摘のように、第一種空港及び第二種空港には、化学消防車を配置しておるわけでございますが、従来、第二種空港におきましては、化学消防車のみで要員の配置がないというのは、御指摘のとおりでございます。本件につきましては、昭和四十一年度以降、非常勤職員を、各第二種空港ごとに十名という予算化をいたしましたので、今後はこの非常勤職員の運用によって、消防活動の万全を期したい、こう考えておる次第でございます。
  74. 中村重光

    中村(重)委員 非常勤職員は、その名のごとく非常勤職員なんだ。だからあなたがお答えになったように、非常勤職員をもってそれをどのように運用されるかわからないのだけれども、お答えのとおりの、いわゆる万全を期することができるのかどうか。非常勤職員をどういうように運用をするのか。
  75. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 非常勤職員につきましては、その積算内容として、月三回ほどの練習に出動する内容を持っておるわけでございます。したがいまして、常時この訓練をいたしまして、出動の必要があった場合は、この訓練出動の経費を用いまして、その活動をすることにさしたい、こう考えておる次第でございます。
  76. 中村重光

    中村(重)委員 四十一年度は非常勤職員ということで、できるだけ万全を期するようにつとめていきたい、こういうことですが、常勤職員を配置するというような用意はないのですか。
  77. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御承知のように、第一種空港であります東京、大阪については、常勤職員を配置しておる次第でございますが、第二種空港につきましては、なおこの非常勤職員の運用状況を見て、将来の要員配置については、さらに十分考えてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  78. 中村重光

    中村(重)委員 せっかく化学消防車を配置したのに、航空事故はどんどん起こっておる、こういうことだから、これは第一種空港だけでなくて、第一種空港にしても、さらに化学消防車をふやしていくとか、要員は十分に充足していくとか、第二種空港にしても、相当重点を置いた配置というものが行なわれなければならぬ、こう思いますから、その点は十分ひとつ配慮してもらいたいと思います。  続いてお尋ねしますが、壱岐、対馬の空港の問題なんです。御承知のとおりに、対馬空港は、全国でもまれであるところのいわゆる水陸両用、水上機飛行場をつくった。ところが、わずか数回飛んで、故障でもってどうにもならない。故障でなくたって、全然採算が合わない、こういうことで、せっかく地元負担というようなものも相当要求をし、あるいは用地も、関係の市町村に対しては提供させるといったような犠牲を求めたわけなんだけれども、この飛行機は飛ばない、そういうことなんです。だから、最近どこかからチャーターしてきて飛ぶようなかっこうをつくっておる、こういうことなんだが、これで航空局長はよろしいとお考えになっておるのか。これは水上飛行機ではどうにもならないのだ、やはり陸上の空港をつくっていくということでなければならないのだろう。しかしそれは離島振興といったようなことからすると、非常に予算が高額になるので、むずかしいのだというような考え方もあるようだけれども、そういったことではどうにもならない。離島振興という立場からも、当然離島の住民というものが不安がないように、十分な整備をしなければならない、こう考えるのですが、その点はどうお考えになっておりますか。
  79. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先生御指摘のように、離島と本土との交通においては、航空の占める役割りは非常に大きいわけでございます。そこで、対馬については、具体的にいろいろ固定翼飛行場の設置について検討いたしました結果、水上飛行場というものの答えを得まして、御指摘のような水上飛行場の設置を見、これの運用をしておる状態でございますが、関係いたしております事業者の機材の関係等で、必ずしも十分に円滑に水上機が飛んでおらないというのが御指摘状況でございますが、なお、われわれといたしましては、関係業者を督励しまして、十分この設置されました空港が活用され、一般の需要に応ずるように、われわれはできるだけの指導をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  80. 中村重光

    中村(重)委員 あなたのほうでどんなに指導をしようとしても、いまの水上飛行場ではどうにもならないでしょう。対馬にヘリポートができるということに刺激されて、これは飛ばさなければ将来たいへんなことになるというので、無理してチャーターして、いま飛ばしているのです。ところが、今度一方ヘリポートはあなたのほうで認められた。認められたけれども、せっかくつくったヘリポートが定期運航をするということに対しては、いまの水上飛行場との競合関係が起きるのだから、これはなかなかむずかしい、こういうことをお考えのようです。そうだとすると、水上飛行場はつくった。しかし、それはなかなか故障があって飛ばない、また採算もとれない。それがだめなんだから、地元としては、それならばせめてヘリポートでもというので、あなたのほうに認可申請をやって、これは認可になったのか。認可しようというお考え方であろうと私は思っている。そのこともお答え願いたいと思うのです。ところがヘリポートはつくったけれども、水上飛行場との競合が起きるから、これに対して定期運航はさせないということになってくると、迷惑をこうむるのは地元ではありませんか。そういうことでは私はだめだと思う。ともかく役所の立場あるいは役所のメンツ、そういうものにとらわれて行政は行なうべきではない。あくまで国民の幸福、離島においては離島住民のしあわせというものを重点に置いて、私は行政は進めていかなければならぬと思う。そういう点に対して、どのようにお考えになりますか。
  81. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 離島におきまして、産業輸送用、その他観光用ヘリポートの設置を希望する場合には、われわれとしては、その実情に応じて、審査をして、必要なものはこれを認めていくという立場をとっておるわけでございます。その際に、現実にヘリコプター輸送と固定翼輸送との関係をどういうふうに考えるかという御質疑でございますが、われわれといたしましては、現在のヘリコプターの状態からいたしまして、まだいわゆる計器飛行方式をとることができない。ヘリコプターの構造状態からいたしまして、国内のいかなる地点の輸送におきましても、これを定期輸送を認めるということは従来とっておらないわけでございます。ただ一部有視界飛行に限って、不定期で認めた例は、先生御指摘のようにございますので、将来この輸送実情に応じてもちろん考えていかなければならないと思いますが、現在の状態におきましては、ヘリコプターで定期輸送を認める考えはとっておりません。しかし、たとえば団体輸送需要その他の需要がございまして、貸し切り輸送に十分適する状態である、しかも有視界飛行で飛行し得る状態であるというような事情におきましては、そういうものを現実に認めておるわけでございます。
  82. 中村重光

    中村(重)委員 定期便をもって旅客輸送をやらせるということに慎重を期すということに対しては、これは生命の問題でありますから、慎重を期せられることは、私はけっこうだと思うのです。十分慎重を期してもらわなければならぬ。しかし、定期は認めないが、団体輸送は認める、こういうことになってくると、団体輸送だってこれは生命の問題なんです。だから、その限りにおいては、あなたのほうは、安全であるとお考えになっていらっしゃるわけでしょう。それならば、この定期という問題に対しても、その離島の事情、そういうことによって判断をして、適当な弾力的な取り組みをしていかれる必要があるだろうと私は思っておる。ましてや、私がいま指摘した対馬の水上飛行場が不完全であるということによって、いまあなたのお答えによっても明らかなとおり、いまはチャーターして臨時的みたいな形で運航しているのだけれども、これが将来とも続くという保証はないわけですね。だから、地元としては、ぜがひでも陸上飛行場をつくってもらいたいというような運動が展開されておると、私も伺っておるわけです。そういった点を埋めようという考え方であろうと私は思うのですが、今回、対馬の厳原町から、ヘリポートの建設をやりたいということで申請が出た、こういうふうに伺っておりますが、これは許可されたのかどうか。定期輸送については慎重を期するということでありました。全国的にはまだそういったような例はないのだとおっしゃいましたから、そのことは重ねてお伺いいたしません。また私の考え方もただいま申し上げましたから、十分ひとつそれらの点に対しては、実情に即するような配慮をされる必要があるだろう、このように考えます。だから、いま私が申し上げたこのヘリポートの認可はされたのか、認可されたとするならば、当然これはヘリポートをつくっただけでは、ヘリが飛ばなければしょうがないのだから、これに対しては続いての申請が行なわれるだろうと思いますが、これに対してはどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
  83. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 厳原に公共用のヘリポートを設置することにつきましては、厳原町から、昨年の十一月一日に申請書が出まして、現在その内容を審査中でございます。
  84. 中村重光

    中村(重)委員 それから、先ほど私が申し上げた水上飛行場の問題ですが、これはあなたのほうも、これではどうにもならぬとお考えになっていらっしゃるだろうと思う。陸上飛行場をつくらなければならないということじゃありませんか。その点どうです。
  85. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど申し上げましたように、この点は、地形その他を種々検討の結果、現在水上飛行場が建設され、利用されておる状態でございますが、現地を非常によく御承知の先生の御指摘でもございますので、将来この運用あるいは新しい飛行場の設置ということについても、十分われわれとしても検討をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  86. 中村重光

    中村(重)委員 当初、水上飛行場をつくるというときに、地元は反対したのでしょう。水上飛行場では無理だというのを、あなたのほうでは、水上飛行場でもいいじゃないか、こういうことで、水上飛行場をつくったわけですね。ところが、つくってみた結果は、やはりうまくいかない、こういうことですから、離島振興という立場からは、積極的にこの問題の解決に当たられる必要があるだろうと私は思います。しかし、いまあなたは、十分そうした措置をとっていきたいというようなお答えでありますから、それでけっこうです。  さらに、壱岐の飛行場の問題、これは、どうも私は不可解に思うのは、飛行場をつくるときに十分な計画を立てられ、実地測量等もおやりになっただろうと思うが、完成をした、ところが、向こうに家があって、山に突き当たる。だから、これは飛行機が飛び上がることができない、こういうので、また一千二百万という多額の費用を投じて、手直し工事をやらなければならぬということになった。その手直し工事たるや、これは設計を間違ったのは県なのだから、県が全額負担すべきものであるといって、国は知らぬふりをして、地元にだけこれの負担を押しつけて、地元が手直しをするということが起こってきている。それで、政府として、運輸省としては、よろしいとお考えになっておるのか。私がいま申し上げたような例が他にも起こったことは、あなた方御承知のとおり、これはたいへん大きな問題になったはずなんです。初めからあなたのほうとしては、書類審査だけではなくて、十分な指導をおやりになったんだろうと思う。そして、まあこれでよろしいというので認可された。そして工事をやった。やったところが、その山に突き当たり、だめなんです。どうしてそういうことになったのか、いや、家があったんで向こうが見えなかった。まるでおとぎ話みたいなことなんです。国が手直し工事の費用を負担するにしても、地元が負担するにしても、貴重な国民の血税であることに変わりはない。もっと慎重に対処する必要があったのではないか。さらにまた、手直し工事をしなければならないということになった場合に、県側のミスなんだからというので、地元に負担させるということをおやりになったことは、私は適当ではないと考えますが、その点はどうでしょう。
  87. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 壱岐の空港につきまして、御指摘のような事態が起こったことは、われわれとしてもたいへん遺憾でございますし、こういうような経過にかんがみまして、その後、中間検査その他計画立案の段階における審査等に慎重を期するように、十分注意をしておる次第でございます。ただ、御承知のように、この空港——もちろん離島で、国の一〇〇%補助ではございますが、空港の設置、管理をする主体は県でございまして、その補助金の範囲は法律によって定められておりますので、われわれといたしましては、やむを得ず、障害物の除去については県の単独工事で実施をお願いし、またそれによって完成したというようないきさつがあるわけでございますが、将来の措置といたしましては、こういうような手戻りが生じないように、十分注意を払ってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  88. 中村重光

    中村(重)委員 これは終わったことですが、終わったことについて、正しく国民の税金が使われたかどうかということを、私どもは、十分審議をすることが決算委員会の責任ですから、だから再びそのようなことが繰り返されてはならぬ、こういうことでお尋ねもし、問題の指摘もしておるわけです。なるほどいまあなたがおっしゃるとおり、県が工事をしたでしょう。補助金の範囲も法律によってきまっておりましょう。それによってやった。ところがそれが間違っておった。県が工事をしたけれども、そのことが適当であるかどうかということについては、あなたのほうでは十分調査されたんだ。それによって、政府がこれを認めたんだから、これでだいじょうぶだというのでやった。工事をやる中において何か間違いがあったんじゃないのです。設計そのものが間違っておった。そのために飛行機が飛ばなくなったのでしょう。だから、それはもとへ戻って——当初の補助金の範囲の中に、それらの手直し工事等についても十分入れて問題を処理するということが、適切な行き方ではないのかという感じがいたします。私の考え方が間違いなのかどうか。決してそれを押しつけようといたしませんが、まあ、私の常識で判断をすると、これは県が工事をやったんだから、県が間違ったんだ、だからこれは県が責任を負うべきだということはどうかと思う。何か工事をやりながら、そこで地すべりが起こったとか、何か工事を監督しておる監督がまずかった、そういったようなことで予定価格以上に費用がかかった、予算が必要になった、というならば話はわかる。そうじゃないのですね。計画そのものに、あなたのほうで認められたそのことに間違いがあったということなんだから……。県が工事をやったんだから、県が全額責任を負うべきものだというようなことで、これは他にもそういったような例がないことを私は望みますけれども、ないとは言えない。そういう場合は、国の立場のみにとらわれて、端的に言えば、国の優越的な地位、その上に立って、地方自治体あるいは住民に対して負担を強要するという結果になるのではないか、そのような感じがいたしますが、そうじゃないですか。
  89. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 結果において、先生御指摘のような非常に困難な問題が生じますので、従来、他の個所に起こりました事例等をわれわれ見まして、こういう問題を事前に防止することをまず考えねばならぬ。したがいまして、申請書に添付する障害物件に関する図面を、従来よりさらに詳細なものにするとか、障害物件の位置、種類、障害の程度、除去の見通し等につきまして明瞭に記載をして申請してもらって、それをまたわれわれのほうで十分チェックをするというようなことを考えていく必要があるということで、航空法の施行規則を実は改正をいたしまして、そういう措置をとったわけであります。従来すでに工事をしたものにつきましては、先ほど申し上げましたように、法令上の補助の範囲が明瞭に定められておりますので、われわれの気持ちといたしましては、何らかあたたかい措置がないかということで、いろいろ検討いたしましたわけでございますが、そういう名案を発見することができなかったのでございます。今後は、十分そのような点を事前に防ぐ措置を講じてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  90. 中村重光

    中村(重)委員 あなたのほうから資料をいただいておるのですが、ヘリコプターの事故、これは連年若干ずつふえておるというようなことですが、この事故の原因として、操縦者の過失というのがある。三十九年度の十三件に対して四十年度は十七件、こういうことになって、操縦者の事故というものが一番多いのです。これはヘリコプターの操縦者も、飛行機のパイロットと同じような重要な任務を負っておるわけですが、これはいろいろな条件があるんだろうと思う。またあなたのほうでも十分な指導をしておられると思うのですが、これはどういうことで事故の原因として、操縦者の過失というものがこんなに多いんだろうか。どういうことでしょう。
  91. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のように、航空機一般の事故の原因は、いろいろ調査をしてまいりますと、操縦者の過失が比較的比率として高いわけでございますが、ヘリコプターについて特に申し上げられますのは、ヘリコプターの事故の中で、いわゆる農薬散布時における事故というものの比率が相当高いわけでございまして、三十八年度全体のヘリコプター事故の中で五〇%、三十九年度は六〇%、四十年度は七五%というような比率を占めておるわけでございます。これは先生御承知のように、農薬散布時における事前の調査の、ミス、あるいは飛行時における操縦者のミスというようなもので、電線にひっかけて墜落事故を起こすというようなものでございますので、これらの点をさらに重点に指導してまいりたいと、われわれとしては考えておる次第でございます。
  92. 中村重光

    中村(重)委員 いま開拓、開墾などというものがどんどん進められ、そういうことから、農薬散布にヘリを使うということが非常にこれから多くなるだろうと思うのです。ところが、いまあなたのお答えのとおり、農薬散布のための事故というのが、この資料ではわからないのだけれども、私の調べたところによると相当ある。ところが、農薬散布のために、三メートル程度の低空飛行でもって散布をやっているのです。これはあなたのほうの関係ではない。技術的な研究というのは農林省になるのだろうと思うけれども、やはり事故を防止するという立場から、あなたのほうも十分な研究というものはなされるべきだろうと思うのです。また、農林省との十分な話し合いというものもされておるだろうと私は思うのです。もっと高度から農薬散布をするということになってくると、いまお答えのように、電線に引っかかるということはなくなる。しかしあまり高度だと、肝心なところに散布できないということになるわけですけれども、それができるように、何かいろいろ研究しておるのではないかと思いますが、その点どうなんですか。
  93. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほども申し上げましたように、農薬散布時において、架線、電線等との衝突事故というのが、具体的に非常に多うございますので、これらの事前の路線調査その他について、具体的に指導を行なうという措置をとっております。さらに、航行中のヘリコプターの発動機の回転数を常に自動的に一定に保持する装置というものの実用化を進めまして、低速、低空飛行時の失速その他の事故を防止するというような技術的の検討も進めておる次第でございます。
  94. 中村重光

    中村(重)委員 それでは次に進みますが、離島航路の問題をお尋ねします。これは亀山さんですね。これはいろいろあるのですけれども、時間の関係で一点にしぼってお尋ねをいたしますが、離島航路の補助が、従来の会社主義から航路主義になった。これは一歩前進だ、こう思います。従来のこの補助金の交付のあり方というものにもいろいろ問題があるのです。これは貴重な国のお金を支給することになりますから、ずさんな算定ではこれはだめであるから、慎重を期することはよろしいわけです。しかし、どうも必要以上に手続が繁雑である、そういうところから、業者はもううるさいというので申請しない。ところが、そうした業者と国の関係だけで事が終わりであればよろしいわけでありますけれども、これは結局、利用する旅客に問題が出てくるわけですね。できるだけサービスをしてもらいたい、できるだけ運賃を安くしてもらいたいということ、そういうことで、やはりこの離島航路に対しての補助金というものが考えられておるわけです。いろいろと、陸の、国道であるとか県道であるとかいったような、そういう基本的な点もあるわけでして、それらの点に対しても、いろいろと議論をしてみたいと思いますけれども、きょうは時間の関係もございますから、その点は省略をいたします。  いろいろ問題はあった。あったが、一歩前進ということになった。一歩前進ということになったけれども、これをどのように運用するかということによって、事実上の改善にならないということになってはだめだと私は思います。ですから、その点は十分新しい制度をおつくりになったということにおいでこれが生かされるように、十分な配慮をされる必要があるであろう、このように考えます。ところが、そうした期待を持っておりますやさきに、どうもあまり好ましくない、私はあえて問題と言いたいのですが、問題がある。昨日、課長さんがおいで願って、十分詳細な答弁ができるように研究していただきたいということを前もって連絡をいたしましたから、十分調査をし研究をしていらっしゃると思います。だからお尋ねいたしますが、高島、端島という島、これは炭鉱ですが、島があるわけですね。そこで、従来、野母汽船という会社が運航をしております。その前に、会社自体が直営でもって、炭鉱の従業員を輸送しておったわけです。ところが、会社との話し合いによって、野母汽船という私企業が直接輸送して、会社はいわゆる自家用船の輸送というものをやめたというので——従業員に対しては従来、三十円の運賃を取っておった。一般は百二十円だったのです。ところが、その三十円というのは、従来は、百二十円と三十円のその差額は会社が負担をするということで、別に特殊料金ということで、あなたのほうは認可をしておられたわけではない。それは当該の炭鉱と野母汽船との間の協定によって、そのとおり行なわれておったのだろうと私は思っております。ところが、今度は、百二十円の運賃が百五十円に値上げされた。この値上げ幅は、その他一般の値上げ幅といたしますと一八%程度でございますから、これは高いとは私は申し上げません。好ましいことじゃないけれども、これは値上げ幅としては、他と比較するとたいした大きい幅ではない。ところが、従来の従業員の輸送の三十円というのが特殊料金というので、今度七十五円に引き上げられた。同じ航路です。同じ船で運ぶ。それが、一般の運賃と特殊運賃と二本立てということがいいのかどうか。そういうケースがほかにあるのか。私はこの点がどうもわからない。だから、いま一応まずお答えを願って、それからお尋ねしてまいりたいと思います。
  95. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 定期航路の旅客運賃は、御承知のように、海上運送法に基づく認可制でございます。その場合に、割引きをする場合には、往復割引き、あるいは団体割引き、あるいは定期の割引きということで、はっきりその割引きの内容及び条件を免許を受けることになっております。ただいまの高島鉱業所の問題でございますが、これはいまのお話のような経緯で、従来無認可的な割引きであったのを、はっきりと割引きにさせるということで、特殊団体割引きということで認可をいたしたわけでございます。このような例はほかにはございません。この高島の従来の経緯並びに特殊性から、暫定的に、私どもとしてはこういう措置を認可をいたした次第でございます。
  96. 中村重光

    中村(重)委員 たいへん苦しいお答えです。しかしながら、実情をそのままお答えになったんだから、私は、お答えはそれでけっこうですが、ところが、問題はそれじゃ解決しないのですね。暫定的に、他には例はないと思うけれども、特殊料金として認可をした。その暫定的ということはどういうことなんですか。それは、暫定的という意味は私はわかるけれども、この場合に暫定ということがあり得ますか。それじゃ、恒久的にはどのようにお考えになっているのですか。
  97. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 御承知のように、非常に特殊なケースでございまして、この一般の規則をしゃくし定木に当てはめるということが、率直に言って非常に困難でございます。利用者の側が高島鉱業所の従業員及び家族であり、この高島鉱業所が従来持っておった船をやめて、かわりに野母商船がこの航路の経営をする際に、鉱業所側といたしましては、野母商船に対して、非常に大きな援助をいたしております。これは野母商船にとりまして、この補助がなければ会社がつぶれるという程度の大きな補助でございます。これは現在、年間きめられた補助を、鉱業所から会社へ七百万円出しておりますが、それ以外に、桟橋の従業員は鉱業所のほうの人にやっていただいておる。あるいは、切符売り場、待合所、そういうものの施設は、高島側では鉱業所の施設をただで利用させております。さらに資金の融通というのが、二千万円以上の融通を鉱業所が会社にいたしました。これは会社として、やはり従業員のために、日本で最初の旅客船と申しますか、といっていいくらいのものをつくって、非常に歴史のある、会社自体の自家輸送というものをやめるわけでございますので、また利用している方々にとっては、御承知のような、島から長崎へ行くという、その交通量というのも、もちろん大きい。物見遊山に行くわけではございません。しょっちゅう行く。したがって、この輸送路は、会社として、あそこの非常に孤立した島に多数の従業員を労働させている以上、やはりそういう措置が必要であった。しかし私どもが暫定的と申しますのは、この運賃形態というものを直していきたいという意図を持っておるから、そう申し上げておるわけでございまして、これをどういうふうに直すかということは、一般の場合のように、規則だからといって、一刀両断に申すわけにいかない。やはり従業員の方々、あるいは鉱業所、あるいは会社とのある程度の話し合いを通じてやっていきたい。最後までうんと言わなければ、私のほうは何もできないということではございません。法律に基づく権限がございますから、それによって最終的には措置をする、ということも考えられます。現在、現場においていろいろな方法を考えておりますが、私といたしましては、運賃はやはりきまった運賃にしていただきたい。それに対して会社が、これは通勤ではございませんけれども、通勤以上に、私は従業員の家族にとっては必要な足だと思いますので、それに対して、会社が運賃負担を援助するというやり方が一番まっとうな方法だと思っております。そして、野母商船自体が援助を受けておるいろいろな経費というものを、これは厳格に算定をいたしまして、その分は会社からもらっておるというふうな体系をはっきりつけるということにして、一般の利用者の方々、この鉱業所の従業員以外の方々に、自分たちが従業員の方々の運賃まで負担しているんだというような感じを持たせないようにする、はっきり筋目を立てていきたい、こういう線で、現地の鉱業所並びに会社と話し合いを進めていきたい。けさ方も、現地の支局長が特に上京してまいりましたので、かように指示をいたしております。それまで、ひとつ暫定的ということで御了承いただきたいと思います。
  98. 中村重光

    中村(重)委員 後段のはきわめて正しいです。そうあるべきです。後段のがあなたの考え方ですね。それはわかります。しかし前段は、これは間違いです。しかしこれも、あなたはやはり責任者ですからね。これは支局が中心になってやったんだろうと思うのですが、間違いはすみやかに正さなければならぬ。前段の考え方というのは、それはあなたのほうがやるべきものではない。後段がほんとうなんだから、そういう特殊関係というのは、会社と鉱業所との間において問題は解決しなければならないんですよ。それは特殊料金という形で認可をするんでなくて、野母商船が会社に対して割引をすべきだ。鉱業所の従業員に対して割引という扱いをする。従来もそうやってきた。従来のが正しかったんですよ。それをことさら今度特殊料金だなんという間違ったことをするから、問題になるわけですね。だから、暫定というものがそんなに長いんではどうにもならない。これをすみやかに是正をしなければならないわけですが、その点に対してはどのようにお考えになっていますか。あなたの言う暫定というのはいつまでなのか。
  99. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 現在の特殊料金と申し上げましたけれども、現在認可いたしましたのは、団体割引の一種、つまり認可し得る法的にぎりぎりのところまで一応合法的である、私どもはかように判断をいたしまして、一般の団体割引の一種として、特殊団体割引ということで認めております。これが暫定的というのはいつまでかということですが、いま申し上げましたように、経常をしている野母商船、高島鉱業所、この両者と十分、法の趣旨、全体のやり方等について話し合いを詰めて、現在やっておるところでございますので、何月何日までということでなくて、なるべくすみやかにいたしたいということで、御了解を願いたいと思います。
  100. 中村重光

    中村(重)委員 それではいかぬのです。四月五日に認可をして、百二十円を百五十円にした。ところが高島、端島が、そういうけしからぬことをやってはいかぬということで抗議をした。抗議をしたところが、五、六、七と、値上げをしたのに、そのまま値上げしないできた、これは悪いと考える。ところが、特殊料金のほうは今日に至るまで実施していないのですよ。認可をしたままですよ。そういうことがあり得ますか。これは実施できないことなんです。会社も実施する意思はないのですよ。それをあなたのほうは認可しているのです。こういう現実離れしたやり方がありますか。いまのあなたのお答えをもってしても、適当でないということがわかるのですから、そういうむずかしいことを言わないで、取り消したほうが純粋です。いままでやってきたことが正しい。だからこれをさっそく取り消す。やったのだからといって、メンツなどにとらわれていることではありません。そうしてまたもとの振り出しに戻る。一般の値上げだって、私は百五十円に値上げをしたということも、これとの関連があるのだから、これを一応取り消す。そうして振り出しに戻って、あなたのほうも慎重に検討する。そうして会社と鉱業所との関係も、従来のも十分あなたは検討される。先ほどの後段の答弁の点を生かして。いままで七百万円鉱業所が野母商船に補助をしておった、あるいはあなたがお答えになったようないろいろな問題の助成があるわけです。あるけれども、幾らになっているとお思いですか。七百万円は一人十五円にしかなっていないのですよ。三十円と四十五円でしょう。一方一般の旅客は百二十円払ってきたのですよ。そうすると、会社の補助は足りないということになるじゃありませんか。一般の利用者に対して、それだけ過重な負担をさせたということになるのですよ。あなたのほうとしては、これを認可するにあたって、適当な算定が行なわれていない、ずさんな計算のもとに認可をしたということになる。これも行政上のあなたのほうのミスなんです。だから、先ほどあなたがお答えになったように、炭鉱の従業員のために一般の利用者が、自分たちが負担をさせられているのだというようなことがないように十分に検討したいとおっしゃったのだから、それがほんとうなんだから、だからこれを取り消して振り出しに戻って、そうして問題の適正な解決をはかっていくというあり方でないといかぬと私は思う。そうしますか。
  101. 亀山信郎

    ○亀山政府委員 現在の認可運賃は百五十円、その際に七十五円に引き上げる。従来三十円のものを七十五円に引き上げる。その七十五円の負担について、鉱業所と従業員の間に現在話し合いが行なわれているということでございます。これは実は私どもの立場からすれば、会社と従業員の間の話し合いによって左右さるべきものではないと思いますけれども、仰せのように、暫定的な措置をいつまでもやっていることはよろしくございませんので、御趣旨に従うように、すみやかに正規の方法に戻るように努力をいたしたいと思います。ただ、現在の運賃を全部取り消すということは、かえって混乱が生ずると思いますから、はっきり早急に新しい運賃体系をつくりまして、そうしてそれによってやっていく。私は、七十五円というのは、団体のこういう場合の新しい割引制度として、決して間違ってはいないと思う。ただ、それが一般の方々の負担になるようであれば、それはおかしいということでございますので、その金額を厳密に計算をいたしまして、鉱業所側が負担をするものを厳密に計算した上で、ただいま一人当たり十五円ということでございましたが、そのほかに資金融通に対する金利の問題がございます。それらも厳密に計算をいたしまして、すっきりとした割引率というものを出したい、かように考えております。
  102. 中村重光

    中村(重)委員 あなたは、その七十五円という特殊料金のそういうことをやったのは間違っていないのだ、こうおっしゃるのですよ。それでは、ということになる。それでは、あなたが先ほどお答えになったこととは矛盾するのですね、それは、私の聞き取り方が違っておったのかもしれないけれども。これは特殊料金というものは、全国にもそういうケースはない。しかし全国にはやはり、何というか、運送業者とそれから特定の会社の従業員を輸送するための割引といったようなことを、団体割引だけじゃなくて、定期的にやっている例はあると私は思う。だけれども、こういう特殊料金なんというようなことをやったことは、あなたの御答弁のとおりに、今度が初めてなんだ。だから、あなたのほうとしても、この特殊料金というのが適当かどうかということについては、根本的な問題として検討する必要があるのだろうと私は思う。一たん認可をしたのだからと言って、こだわるのではなくて、取り消すものはさらりと取り消して、話し合いをやるということがあたりまえなのです。その百五十円の問題も、関連がなければ別ですよ。関連があるのです。値上げのための値上げをするんじゃないですよ。要するに、船会社の利益のためにのみ値上げをあなたのほうで認可をしているのではないはずです。認可をしなければならないという実態であるかどうかということを、あなたのほうでは十分検討をして、離島航路の補助金というものもそういうことであるはずなんだから、十分検討して、そしてこの程度はやむを得ないということで認可をされるだろうと私は思う。それならば、会社が七百万ということでなくて、従業員をどの程度輸送しているのかというのも、ちゃんとデータがあるし、それから、いまあなたがお答えになったようないろいろな施設の補助がある。あるいは会社から出札の係というのですか、そういうものも何人か出しているという話ですから、そういう人件費等の計算もあるでしょう。だから、それはそれとしてやってみて、そして七百万でなくて、もっと一千万、二千万、そういうものを会社が出さなければならぬということになってくるならば、一般の旅客の運賃というものは、百五十円にしなくても、従来のとおり百二十円、あるいは百円でもいいかもしれないですよ。あなたのほうとしてはそれがほんとうです。あなたのほうがあまり、そういう炭鉱側と船会社という個人間の関係に入り過ぎるから、筋違いのことをやるのです。もっと純粋に行政をお進めにならなければだめなんです。だから、そんなにこだわらないで、取り消しなさいよ。それが賢明なあり方ですよ。
  103. 福井勇

    ○福井政府委員 非常に重要な決算委員会において、よく御調査になった事情を拝聴いたしましたので、局長がいま、取り消す、取り消さぬということをこの席では言いかねると存じますから、早急に、私責任を持って調査さしていただいて、御報告させていただきたいと思いますから、御了承をお願いいたします。
  104. 中村重光

    中村(重)委員 それでは、ただいまの政務次官の御答弁を信頼いたしまして、この問題はこれで打ち切ります。局長も十分考えておられるようですから——私は追及するのが目的ならば、昨日わざわざ課長に来てもらって、十分ひとつ研究しておいてください、こういうことは言わないですよ。だから問題は、間違っていることはすみやかにこれを直さなければ、正さなければという考え方で、建設的な取り組みを、私はやっておるつもりですから、いま政務次官も、そのことを十分判断されての責任ある答弁ですから、この問題はそれを期待して、打ち切ります。  まだ、運送のことでお尋ねしたいのですが、時間がないようですから、保留して、きょうはこれで終わります。
  105. 押谷富三

    押谷委員長代理 本日は、これをもって散会いたします。    午後零時四十六分散会