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1966-06-27 第51回国会 衆議院 運輸委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十七日(月曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君    理事 田澤 吉郎君 理事 田邉 國男君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       小渕 恵三君    川野 芳滿君       木村 俊夫君    草野一郎平君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       長谷川 峻君    松浦周太郎君       小川 三男君    勝澤 芳雄君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君       竹谷源太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 中村 寅太君  出席政府委員         通商産業事務官         (鉱山局長)  両角 良彦君         運輸政務次官  福井  勇君         運 輸 技 官         (港湾局長)  佐藤  肇君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      堀  武夫君         運輸事務官         (航空局長)  佐藤 光夫君         運輸事務官         (観光局長)  増川 遼三君  委員外出席者         外務事務官         (欧亜局東欧課         長)      山田 淳治君         日本国有鉄道常         務理事     今村 義夫君         日本国有鉄道参事         (運転局列車課         長)      山岸 勘六君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  日本国有鉄道経営に関する件(旅客輸送計画  等に関する問題)  航空に関する件(日ソ国際航空路線等に関する  問題)  港湾に関する件(新潟港の整備等に関する問  題)  請 願   一 国鉄運賃値上げ反対に関する請願原茂     君紹介)(第三六六号)   二 同(中澤茂一紹介)(第三六七号)   三 同(中澤茂一紹介)(第八九九号)   四 同(林百郎君紹介)(第九七八号)   五 東京北砂町一丁目の踏切り立体交差に     関する請願天野公義紹介)(第一〇     六七号)   六 国鉄運賃値上げ反対に関する請願吉川     久衛紹介)(第一〇六八号)   七 国鉄小口貨物輸送改善に関する請願     (井出一太郎紹介)(第一〇八七号)   八 同(増田甲子七君紹介)(第一〇八八     号)   九 同(唐澤俊樹紹介)(第一一八七号)  一〇 同(吉川久衛紹介)(第一一八八号)  一一 同(下平正一紹介)(第一一八九号)  一二 同(中澤茂一紹介)(第一一九〇号)  一三 同(羽田武嗣郎紹介)(第一一九一     号)  一四 同(原茂紹介)(第一一九二号)  一五 同(松平忠久紹介)(第一一九三号)  一六 十八歳未満勤労青少年鉄道運賃割引に     関する請願宇野宗佑紹介)(第一一     二四号)  一七 身体障害者国鉄運賃割引等に関する請     願(小川平二紹介)(第一二三九号)  一八 同(小坂善太郎紹介)(第一二四〇     号)  一九 同(羽田武嗣郎紹介)(第一二四一     号)  二〇 同(増田甲子七君紹介)(第一二四二     号)  二一 東京八丈島間航空料金値下げに関する     請願山田彌一紹介)(第一二五八     号)  二二 国鉄小口貨物輸送改善に関する請願     (小川平二紹介)(第一二七六号)  二三 同(小坂善太郎紹介)(第一二七七     号)  二四 同(林百郎君紹介)(第一二七八号)  二五 国鉄運賃値上げ反対に関する請願志賀     義雄紹介)(第一四四九号)  二六 同(志賀義雄紹介)(第一四七七号)  二七 同外二件(志賀義雄紹介)(第一五一     二号)  二八 同(長谷川正三紹介)(第一五一三     号)  二九 同(井岡大治紹介)(第一五五一号)  三〇 同(小川三男紹介)(第一五五二号)  三一 同(勝澤芳雄紹介)(第一五五三号)  三二 同(久保三郎紹介)(第一五五四号)  三三 同(泊谷裕夫紹介)(第一五五五号)  三四 同(野間千代三君紹介)(第一五五六     号)  三五 同(肥田次郎紹介)(第一五五七号)  三六 同(松井政吉紹介)(第一五五八号)  三七 同(矢尾喜三郎紹介)(第一五五九     号)  三八 同(山口文太郎紹介)(第一五六〇     号)  三九 同(志賀義雄紹介)(第一五七六号)  四〇 同(久保三郎紹介)(第一五九四号)  四一 同(志賀義雄紹介)(第一五九五号)  四二 同外一件(大出俊紹介))第一六五一     号)  四三 個人タクシー免許促進に関する請願     (竹谷源太郎紹介)(第一五一一号)  四四 同(島上善五郎紹介)(第一五二八     号)  四五 同(久保三郎紹介)(第一五九三号)  四六 鳥取県赤碕町の港湾改良工事に関する請     願(足鹿覺紹介)(第一五七〇号)  四七 鹿児島大隅半島東部志布志湾沿岸に大     型港湾新設に関する請願二階堂進君紹     介)(第一五七八号)  四八 国分線鉄道建設工事早期完成に関する     請願二階堂進紹介)(第一五七九     号)  四九 古江線高須駅、根占川北間鉄道予定線     の延長に関する請願二階堂進紹介)     (第一五八〇号)  五〇 古江線高須駅、根占川北間鉄道調査     線編入に関する請願二階堂進紹介)     (第一五八一号)  五一 鹿児島西桜島村鹿屋間国鉄自動車     路線を内之浦町まで延長に関する請願     (二階堂進紹介)(第一五八二号)  五二 鹿児島西桜島村鹿屋間国鉄自動車     路線根占町まで延長に関する請願(二     階堂進紹介)(第一五八三号)  五三 個人タクシー免許促進に関する請願     (内海清紹介)(第一六七四号)  五四 国鉄運賃値上げ反対に関する請願外七件     (大出俊紹介)(第一六七五号)  五五 同(久保三郎紹介)(第一六七六号)  五六 同(矢尾喜三郎紹介)(第一六七七     号)  五七 同(志賀義雄紹介)(第一六七八号)  五八 同外三件(大出俊紹介)(第一六八七     号)  五九 同(志賀義雄紹介)(第一六九九号)  六〇 同(久保三郎紹介)(第一七〇六号)  六一 同外一件(志賀義雄紹介)(第一七〇     七号)  六二 同(久保三郎紹介)(第一七一四号)  六三 同(野間千代三君紹介)(第一七一五     号)  六四 同外一件(大出俊紹介)(第一七五九     号)  六五 土讃本線須崎土佐新荘両駅間の新町踏     切無人化反対に関する請願森本靖君紹     介)(第一七〇〇号)  六六 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願有馬輝武紹介)(第一七五八号)  六七 三陸沿岸縦貫鉄道早期建設に関する請     願(森田重次郎紹介)(第一七六〇号)  六八 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願山田彌一紹介)(第一九三九号)  六九 油による海水汚濁防止条約批准等に関     する請願田川誠一紹介)(第一九四四     号)  七〇 東武鉄道高架化による余剰地公共利用に     関する請願天野公義紹介)(第二〇三     〇号)  七一 紀伊半島縦断五新鉄道調査線編入に関     する請願早川崇紹介)(第二〇三一号)  七二 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願外一件(山田彌一紹介)(第二二九     二号)  七三 備讃瀬戸航路しゅんせつ等による香川県     下の漁業被害補償に関する請願福田繁     芳君紹介)(第二三〇七号)  七四 嬉野新線建設に関する請願外九件(大坪     保雄君紹介)(第二四〇八号)  七五 同外九件(舘林三喜男紹介)(第二四〇     九号)  七六 同外九件(三池信紹介)(第二四一〇号)  七七 備作線建設に関する請願亀山孝一君紹     介)(第二四一一号)  七八 同(黒田壽男紹介)(第二四一二号)  七九 相互保険による自動車損害賠償自家保障     制度に関する請願山田彌一紹介)(第     二五六四号)  八〇 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願外五件(山田彌一紹介)(第二五六     五号)  八一 備作線建設に関する請願(逢澤寛君紹介)     (第二六〇六号)  八二 自動車運転速度色別装置に関する請願     (永井勝次郎紹介)(第二七七四号)  八三 智頭線建設促進に関する請願足鹿覺君     紹介)(第二九六五号)  八四 大阪国際空港周辺の民生安定に関する法     律制定に関する請願山口丈太郎紹介)     (第三〇七五号)  八五 小型船造船業法案成立促進に関する請願     外六件(山口彌一紹介)(第三五九九号)  八六 備作線建設に関する請願小枝一雄君紹     介)(第四〇八〇号)  八七 国鉄第三次長期計画工事地元業者の入     札参加に関する請願小川平二紹介)     (第四二九九号)  八八 同(唐澤俊樹紹介)(第四三〇〇号)  八九 同(小坂善太郎紹介)(第四三〇一号)  九〇 同(羽田武嗣郎紹介)(第四三〇二号)  九一 同(吉川久衛紹介)(第四三二六号)  九二 同(下平正一紹介))第四三二七号)  九三 同(中澤茂一紹介)(第四三二八号)  九四 同(倉石忠雄紹介)(第四四三三号)  九五 同(原茂紹介)(第四四三四号)  九六 同(増田甲子七君紹介)(第四四三五号)     鹿児島県山川町に九州海運局鹿児島支局     の出張所設置に関する請願上林榮吉     君紹介)(第四三四九号)  九八 小型船造船業法案成立促進に関する請願     (高橋清一郎紹介)(第四四一五号)  九九 湖西線建設に伴う江若鉄道買収に関する     請願草野一郎平紹介)(第四四四五号) 一〇〇 東海道新幹線の騒音防止対策に関する請     願(草野一郎平紹介)(第四四四六号) 一〇一 国鉄第三次長期計画工事地元業者の入     札参加に関する請願井出一太郎紹介)     (第四四九九号) 一〇二 同(松平忠久紹介)(第四七六三号) 一〇三 自動車損害賠償保障法の一部を改正する     法律案に関する請願池田清志紹介)     (第四八四〇号) 一〇四 薩摩半島国鉄循環線建設に関する請願     (上林榮吉君外十名紹介)(第四八九二     号) 一〇五 鹿児島交通南薩線日本国有鉄道化に関     する請願外三件(上林榮吉君外十名紹     介)(第四八九三号) 一〇六 同外二件(床次徳二君外十名紹介)(第四     九四一号) 一〇七 同外三件(床次徳二君外十名紹介)(第五     〇二五号) 一〇八 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願外一件(床次徳二紹介)(第五〇九     九号) 一〇九 川崎市臨海工業地帯上空飛行禁止に関     する請願外十件(秋山徳雄紹介)(第五     二二八号) 一一〇 同外十五件(小泉純也君紹介)(第五二二     九号) 一一一 同外九件(田川誠一紹介)(第五二三〇     号) 一一二 同外五件(中嶋英夫紹介)(第五二三一     号) 一一三 同外九件(野間千代三君紹介)(第五二三     二号) 一一四 同外一件(門司亮紹介)(第五二三三号) 一一五 臨時行政調査会及び地方制度調査会の答     申に基づく運輸行政分断反対に関する     請願池田清志紹介)(第五二八五号) 一一六 国鉄第三次長期計画工事地元業者の入     札参加に関する請願(林百郎君紹介)(第     五四五五号) 一一七 中央線三鷹、立川両駅間の複々線化に関     する請願福田篤泰紹介)(第五五三五     号) 一一八 都道府県陸運事務所地方移譲反対等に     関する請願坂本泰良紹介)(第五六六     四号) 一一九 同(島上善五郎紹介)(第五七三〇号) 一二〇 同(林百郎君紹介)(第五八五三号) 一二一 自動車のパンクによる交通事故防止に関     する請願小川半次紹介)(第五八六五号) 一二二 都道府県陸運事務所地方移譲反対等に     関する請願内海清紹介)(第五九二六号) 一二三 同(山内広紹介)(第六〇一九号) 一二四 東京国際空港B滑走路延長に関する請     願(宇都宮徳馬紹介)(第五九七九号) 一二五 山陽新幹線の西宮市文教地区通過反対に     関する請願外一件(永田亮一紹介)(第     五九八〇号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 簡単にこの国会の中でできなかった国鉄経営について二、三お尋ねしたいわけであります。  そこで私はまず第一に、一つ実例から申し上げたいと思うのでありますが、常磐線準急は、今回の運賃値上げと並行して全部急行列車に格上げしたわけであります。これはよその準急もみんなそのようになったと思うのでありますが、これも経営方針というならばやむを得ないのであります。いままでの急行という概念からするならば、運賃値上げ前まで準急列車であったものは、決して従来の急行の形にはなっておらないと思うのであります。それはどういうことかと言うと、一つには、御承知のように急行とは、言うなれば各都市間を結ぶようなものであります。一府県一カ所、多くても二カ所程度停車して、運転時間をかなり縮めたものでなくてはならない。ところが今回準急列車から急行列車に格上げしたものは、言うなればセミ急行という、急行列車普通列車との間でありますから、当然一つ都道府県でも七カ所ないし八カ所停車いたしておる。よって、時間は急行列車よりは長くなっています。これが急行準急との違いで、よって料金にも差があったわけであります。それが先ほど申し上げたように、すべてかかる列車急行列車にするということであります。時刻表から見れば、同じ汽車の姿で同じ駅に同じ時間にとまる。それがきのうときょうでは急行列車準急列車の違いだというので、当時も第一線の専務車掌のごときは汗を流して、一般乗客の詰問に対し、国鉄当局を代表してこれの理解と納得につとめていたようであります。しかし、これはどんなに優秀な職員を使おうとも、あるいは国鉄の重役、さらには石田総裁をしてかかる乗客説明させても、乗客である国民大衆には理解しがたきものが今日ただいまでもある。しかし、それも時代の変遷ということであるならば、これもやむを得ない措置だとあきらめざるを得ないかもしれません。しかしながら、いまから申し上げる実例は、断じてこれはただいまでも容認しがたいものがある。私は常磐線水戸から上野までを利用する者でありますが、従来、午前七時二十一分水戸発、というよりは、これは始発はたしか平であります。ときわ何号というのかわかりませんが、上り列車で、上野着がたしか九時五分であったと思うのです。私が時刻改正を知らぬでそのあと乗ったときに、すでにこれは急行列車料金を取っている。水戸発は五分繰り下がったダイヤで七時二十六分でありますが、上野着は九時三十五分かと思います。そこに時刻表をお持ちですからおわかりと思います。二時間以上もかかることになっておる。いままでの準急列車時代には、その列車は一時間四十五分であったと思います。急行列車に衣がえしてからは同じ時間、同じ汽車の、同じ駅を同じだけとまっていってこれは二時間五分ということになる。なるほど国鉄部内説明を聞けば、部内でだれもふしぎに思わないんです。なぜかというと「ゆうづる」という特急ができて、この急行列車を石岡という駅で追い抜きます。だからこの急行列車は退避します。それから取手から先上野までの間は電車区間でありますので、列車運行が乱れるというと、この整理にいろいろたいへんな苦労があるというのでありましょう。電車と同じスピードで一切の列車を走らせる。いわゆる等間隔ダイヤといって、しろうとができるダイヤを引いたのであります。その結果当然のごとく二時間五分かかるわけです。準急時代には安くて早いのに、急行になったら何で高くておそくなるか、そういう経営方針はどこから出るのか、明快な答弁をしてもらいたいと思う。これは運輸大臣にも出席を要求します。事は小さい問題かもしらぬが、これは独善というものの上にあぐらをかいた国鉄経営精神だ。そんなことをだれが許しておくか。いままでもぼくは非公式にその説明を求めた。積極的に回答をした人は一人もいない。しかも、私は回答を求めているんじゃない。乗客大衆が納得する処置を要求していた。誤解してはいけません。どうしてこの汽車料金が高くなったらおそくなるのか。その理由を聞いているんではない。いかにしたならば乗客大衆は納得するか、その方法を見つけてくることを要求している。ます鉄監局長、大臣来ていないから、あなた、大臣代理答弁してもらいたい。あなたのところではもちろんそういうダイヤの一々についてまでの相談はないと思う。しかし、料金運輸大臣決定事項だ。その料金を決定した際の心境と、いまぼくがあげた実例とを対比して矛盾はないと思うか、答弁を願いたい。
  4. 堀武夫

    堀政府委員 ただいまのお話、私このような矛盾があるという具体的な例をお聞きしたのは初めてであります。まことに不勉強で申しわけありません。急行のほうが逆に時間がおそくなっているにかかわらず、料金が上がった。なるほどこれは乗客感情と申しますか、そういうものからはもちろん許しがたい事例だと思いますし、また理論的にいってもこれは何とも説明のできない事例ではないかと思います。従来から急行よりも準急が早かったり、いろいろ指摘された事項がございました。そこらの点を勘案いたしましてこのたびの料金改定の際には、百キロ以上の準急急行にするというふうな制度改正が行なわれたのでありますが、細部の点において必ずしもすっきりとしない、いまお話のありましたような事例があったということは、まことに遺憾な点でございます。なお、この事例のみならず、そのほかにもこういうような事例があるかどうかよく調べまして、善処するように国鉄を指導していきたい、かように存じております。
  5. 久保三郎

    久保委員 これは一つの例であって、日本全国国鉄経営しているところにはおそらくたくさんの数があると私は思う。そこで、今村常務はいまの問題をどう考えられているか。あなたはきょうは常務会とおっしゃったからたいへん気の毒だと思うけれども、そういう問題は常務会にはかからぬか。  それからもう一つ、こういう例は各所にあると私は思うのですが、あなたはおそらく答弁をするときにはこう言われるだろうと思っているのです。常磐線はいろいろな種類の列車が入っていて、列車運行上、定時というか、正常化を確保するのにはどうしても同じスピードで全列車を走らせなければならぬ。混乱が事故の大もとになった三河島の事故を再びやりたくないからこういうふうにするのだというふうに答弁するだろうと私は思うのです。しかしそれは単なる鉄道だけの話であって、乗客にはわかりませんから、その答弁は抜いて答弁を願いたい。
  6. 今村義夫

    今村説明員 いま先生から御指摘の点はまことに遺憾な点でございます。そう答弁をするだろうとおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりで、ございまして、列車輸送力をふやすために、また事故保安というような問題からいたしますと、どうしても平行ダイヤを引くことが一番望ましいことでございます。したがいましてこういうダイヤを引いているわけでございますが、この場合におきまして「ゆうづる」が行くために若干従来よりもおそくなった点も先生指摘のとおりでありまして、今後におきまして、この問題が列車ダイヤ技術上可能かどうかを十分検討してまいりたいという気持ちは持っているわけでございます。
  7. 久保三郎

    久保委員 あなたに聞きたいのは、いまのようなお話ではないのです。私どもが国会最終日に、わざわざこういう日を無理して質問したのは、冒頭申し上げたような気持ちがあるから申し上げた。直す意思があるのかないのか、乗客が納得するようなダイヤに引き直す用意があるのかないのか、それを聞きたい。日本全国幾つもあることを承知しております。あげろというならば、みんなあげます。もしここで答弁できないならば、暫時その問題は保留しておきますから、御相談願いたい。いかがですか。私は真剣にこの問題を取り上げているのです。いままでもそうですが、特にわれわれは大幅運賃値上げの問題で十分にものを申すことができなかった。しかし、よもやかかる大衆を欺瞞するような方策はとらぬと思っておったのであります。ところがどうでしょう。こういうことですよ。だからいま、君の言うような答弁ができないとおっしゃるならば、暫時この問題は留保しますから、お答えをきょうじゅうにこの場所でいただきたい。よろしゅうございますか。いかがでしょう。
  8. 今村義夫

    今村説明員 ダイヤ技術上の問題でございますので、十分いろいろな技術的な検討が必要でございますので、私はいまこの場でできますということは申し上げかねますけれども、そういう方向で検討さしていただきます。
  9. 久保三郎

    久保委員 検討させるだけでは、この問題は私は承知しない。だから担当常務と、担当運転課長というのか局長というのかわかりませんが、その人をここへ呼んでください。それまでこの問題を保留します。ダイヤを持っきてもらおう。二分目でなくて荒っぽいダイヤでけっこうだが、常磐線のを持ってきてもらおう。わかりにくい人があるから、全部これは運輸委員先生であるから、ぼくの話がわからぬと困るから御了解をいただきたい。  次には、観光局長にまずお尋ねいたします。  観光基本法というのは議員立法でわれわれがつくったわけだが、あなたは国鉄の扱っている観光旅客扱い方について御相談なり御検討をいただいたことがあるのかどうか、いかがでしょう。
  10. 増川遼三

    増川政府委員 従来は観光旅行普及発達に関係いたします点につきましては、そのつど連絡を受けておりますが、最近におきましては、最近の国鉄ダイヤあるいは国鉄運賃変更関係につきましては、連絡はまだ受けておりません。
  11. 久保三郎

    久保委員 ちょっとお話がよく聞き取れませんでしたが、私の質問は、従来も、今日に至るまで日本国有鉄道が扱っている観光旅客、これに対する扱い方について御連絡があるのかないのか、あるいは御検討をいただいているのかどうか、この二つなんです。
  12. 増川遼三

    増川政府委員 従来は御連絡はしばしばいただいております。ただ、その形といたしましては、直接お話もございますし、また観光関係関係者打ち合わせ会等におきまして、たとえば国際観光振興会の場におきまして、そういった点につきましては十分御連絡をいただいておりますし、また日本観光協会の場におきまして連絡をとっております。
  13. 久保三郎

    久保委員 それも連絡を受けるのはけっこうでありますが、私がいまから質問しようとするのは、国際的な話では、ございません。扱っている国内の国民の観光旅行者、たとえば団体と一口で国鉄では言っておりますが、団体の中には観光団体もあるし、そうでない宗教団体もあるし、あるいは何かの学術団体もあるし、みないろいろ団体の扱いがあるわけです。ところが国鉄で扱っているのは、従来もそうだと思うのですが、事実ただいまでは、その中身についてはあまり考慮されずに、団体旅客の輸送の扱いということでやっておられるわけであります。すでに先般観光基本法ができたのだから、そんな扱いだけでは国の政策を実行することはできないとわれわれは考えておったのであります。中身はいざ知らず、人数が多数あるものは団体旅客であるというたてまえに立って、これは別に中身を調べる必要がなく輸送をしております、運賃も取っております、これでいいのかどうか、まず第一に聞きたい。いいのでしょうか。
  14. 増川遼三

    増川政府委員 観光基本法のたてまえといたしまして、観光旅行者の利便の増進並びに家族旅行その他健全な国民大衆観光旅行の容易化につきまして、当然国といたしまして施策を講ずる義務を負っておるわけでございますが、こういう点につきましてはわれわれも十分配慮いたしております。なお、実際の具体的な問題につきましては、ひとつ国鉄側と十分な連絡をとってまいりたいと考えております。
  15. 久保三郎

    久保委員 具体的な問題はこれからとってまいりたいというのは、いままでとっていない。国鉄は運輸省の観光局があることをわかっておられると思うし、鉄監局長は同じ省内に観光局長もいることはわかっておられると思います。そこでこれは監督局長に聞きたいのだが、観光基本法をお読みになったことがございますか。
  16. 堀武夫

    堀政府委員 大体の趣旨、精神と申しますか、そういうものは省議等でかかったときに知っておりますが、こまかいところまで勉強しておりません。
  17. 久保三郎

    久保委員 それは局長さんだからこまかいところまでは御勉強いただいてないと思いますが、承知しているというから読んだのでしょうが、私が先ほど来言っていることはおわかりでしょう。国鉄はこの団体の扱いについて、制度的に変更していったのだが、それはおそらくあなたのほうの認可事項でありますから、あるいは認可事項でなくともあなたのほうに御連絡のあった事項でありますから、観光基本法の大綱を御存じであったとするならば、それにオーケーのサインをすることはいかがかと私は思うのです。これから中身は申し上げます。だからこれは妥当なものであるということでサインをされたのですか。まず聞きます。  それからこれは観光局にも関係あるというふうにお気づきにはならなかったのか。以上です。
  18. 堀武夫

    堀政府委員 具体的事項をお聞きしないとしっかりした答弁ができないのでありますが、いまの団体割引、どういう場合にどういう団体割引をするということにつきましては、国鉄総裁にまかされた事項であります。ただしこれは、報告事項ということで報告があがってくることになっております。
  19. 久保三郎

    久保委員 そうすると報告は聞いているが、気がつかないということですね。そうですな。要するに気がつかないと言われればやむを得ない面もありますけれども、結局大臣の名において、言うならば団体の扱いは承認したということで、言うなら国鉄と同じ立場にあったといってもいいですね。観光局長に関係があるとは考えていないから、いまだに連絡はとっていない、そうですな。国鉄はあなたのところには連絡を直接とらなければいかぬ、観光局長にはそういう問題はほんとうは参考だ、本来あなたのところから観光局長に正式に連絡するのがあたりまえだと思うのですが、観光局長にはいまだにしていないようですね。その点どうですか。
  20. 堀武夫

    堀政府委員 具体的なことは、先生これからおっしゃるということで、その具体的な話を先にお聞きしたほうがいいと思うのでありますが、いろいろな団体割引のケースがあると思います。そういうものの処置についていろいろ報告事項がくる中に、たしか入って報告があると思います。もちろんその事項によりまして観光局と相談をするものは相談をし、連絡をとるものは連絡をとるということにしておりますが、また国鉄のほうでも、これは直接観光局と連絡をとったほうがいいという判断をされた場合は、従来からも観光局に直接連絡をしておられるようでもございます。どういうケースでありますか、よくお伺いをした上でまたお話をいたしたいと思います。
  21. 久保三郎

    久保委員 中身はこうです。これは一つの例でありますが、はかにもこんな同じようなケースがあると思うのでありますが、いま私の質問の中心的なものはこれです。すなわち、未亡人会というか、それが従来積み立て旅行貯金というものをやっておられて、年に一ぺん、その未亡人の方々が国鉄を利用して旅行をしている制度があります。これは今回の団体扱いの変更によって——こういうものは、大口は持ち回り臨時列車というのを仕立てます。たとえば熱海へ行って、次の日には京都に行って泊まって、次には大阪へ行って、まあそれから帰ってくる。いわゆる車両を持ち回るという意味でしょう。これは私が言っているのじゃなくて、国鉄です。持ち回り臨時は採算がとれないから、これは割り引きしないということになったそうであります。中身のいかんにかかわらずの扱いであります。そのほかにも団体の旅行の扱いはいろいろありますが、質問の中心はそれでありますから申し上げているのです。おかあさんの積み立て旅行貯金、それによるところの割り引き、これはたとえば二割引きであっても、汽車賃が高くなったといっても、旅行費全体から見れば、そういう二割引きなんというのはたいした金目ではないと私は思う。多かったって二千円まではいかぬだろうと思う。だからこれは割り引きする必要ないという論評をする人もおります。しかし、観光局長もあわせて答弁してもらいたいが、観光基本法の第十条に、「観光旅行者の利便の増進」と書いてあります。それから十一条には「家族旅行その他健全な国民大衆観光旅行の容易化」、こう書いてあります。この十条と十一条について、これは関連があるものと思って、いま鉄監局長、さらには観光局長答弁を求めておる。だから、ます第一に観光局長に聞くが、そういう積み立て旅行貯金でやる旅行などの扱いは、十条と十一条に抵触するものであるとぼくは思うが、あなたはどう思うか。それぞれ、観光局長と鉄監局長から伺いたい。
  22. 増川遼三

    増川政府委員 その点につきましては、観光基本法十条、十一条には関連のある問題だと考えております。したがいまして、この点につきましては、私どものほうも気がつかずおりましたが、十分今後連絡をとりまして、所要の処置をとらしていただきたいと考えております。
  23. 堀武夫

    堀政府委員 ただいまの未亡人会の積み立て旅行、これは報告事項国鉄から報告が参っておりますということでございますが、私うかつにしまして記憶に残っておらないのです。ですから、その内容について詳細に検討をまだいたしておりません。基本法の精神にもとるような内容のものでありますれば、よくこれも検討しまして、改善をするように指導していきたい、かように存じます。
  24. 久保三郎

    久保委員 鉄監局長、お持ちでないようだから、十条と十一条を、いま今村常務に質問するから、その間じゅうあなたは読んで解釈しなさい。それで、観光局長答弁を求めた点を答弁してください、あとはいいから。  今村常務に尋ねるが、あなたは観光基本法を読んだことがございますか。
  25. 今村義夫

    今村説明員 制定の当時に、趣旨だけは一応聞いておりますけれども、詳しく読んだことはございません。
  26. 久保三郎

    久保委員 あなたは読まないのは道理なんだ、あなたの部下も読んでないのだから。議員立法だから読まないのか、関係がないと思って読まないのか私は疑う。観光基本法ができたそうだということは、新聞とテレビでわかったはずだと思う。そのときには、関係者一同は、何百条もあるところの観光基本法じゃない、これはお読みになるのが当然だし、運輸省観光局長はこの子法を提案するのがほんとうなんだが、関連した法律上の提案は、もちろん今日ただいまでもない。ないけれども、少なくとも観光関係の個所にはその趣旨の伝達をはかるべきだと思うが、いまだにはかっておらない。国鉄は受領しましたか。受領してないでしょう。観光局長はそのことをやったかどうか答弁願いたい。
  27. 増川遼三

    増川政府委員 観光基本法のほうに関しましては、従来から観光につきまして国鉄も非常な関連を持っておりますので、国鉄自体も御承知のはずとわれわれは解釈いたしております。かつ、関係の会合には、必ず国鉄の責任者も委員なり幹事なり入っていただいておりまして、それぞれの具体的な問題につきましては打ち合わせをしております。御承知願っておるものと考えております。またわれわれとしましては、具体的な個々の問題につきまして、過去におきましてもいろいろ御連絡はいたしておりますが、ただいまの御指摘のような団体割引の内容につきましてはまだやっておりません。
  28. 久保三郎

    久保委員 あなたにあまり強いことばを言うのはいかがかと思うのだけれども、私は、そういう態度は残念でたまらぬと思うのです。関係の会議には国鉄の大幹部も出ていらっしゃっているからおわかりだろうと思った、なるほどそういう答弁もあります。しかし私にすれば、あっせん業者あるいは輸送担当者、そういう者には、少なくとも、観光基本法の中で最も大事なものについては、それはお話し合いがあるはずだ。そういう会議はいままでも一つも開いていないのですよ。開いたのは、オリンピックの客をどう輸送するかというようなことであって、観光旅客の輸送について、あるいは運賃の問題等についてお話をしたことは、私はいまの答弁から聞いてみれば何もしておらなかったというのであります。もししたというのならば御答弁をいただきたい。鉄監局長も初めてお読みになるような顔でありますが、はなはだ残念である。あなたはたしか、これができるころは官房長ではなかったか。官房長かもしれぬ、あるいは航空局の監理部長かもしれぬ。いずれかその辺の地位におられた。全部観光基本法には関係のある部署におられたはずであります。今村常務も当時は——いまは何か組織が変わったそうだが、何て変えたかいままで説明を聞いていない。おそらくそのころは営業局長であったかと思うのでありますが、営業局長であれば当然のごとく、自分の担当の職務にはこの法律は関係があるものと気がつくのがほんとうだと思うのだが、いまだに気がついておらない。  では今村常務に聞くが、これは読んでおらなかったんですね。そうでしょう。だからいまだによくわからぬ。  鉄監局長に聞くが、そのお貸しした観光基本法によれば、いまぼくが提議したところの旅行というものは、観光基本法の十条、十一条に関係が深いのか、浅いのか、ないのか、いずれか聞きたい。
  29. 堀武夫

    堀政府委員 この十条、十一条いずれも観光旅行者あるいは家族旅行その他健全な国民大衆観光旅行の利便の増進あるいは旅行の簡易化、そういうことのために施設の整備あるいはサービスの向上、そういうことが中心になっておるわけであります。ただいまの未亡人会の場合は、持ち回り臨時列車、そういう臨時列車そのものはやめないで残すということになっておるわけでございまして、問題は割引をやめたというところにあるのではないかと思います。それでこの十条、十一条の施設の整備——この持ち回り臨時列車をやめるのじゃございませんから、施設そのものが低下したということにならないのではないか。ただ、割引を従来していたのをやめたというところに問題があると思います。そういう従来あった割引制度がなくなると、利用者側から見ればサービスが低下したという感情を持つわけであります。そういう点から関係がある、さように考えます。
  30. 久保三郎

    久保委員 あなたはやっぱり頭がいい。だから局長さんになっているんだな。だけれども、ときたま表面解釈である。十条、十一条の精神は、容易にするということです。だからここでわれわれ社会党が考えたこと、社会党ばかりでなくて三党共同提案だった、積み立て旅行貯金もやろう、それから週二日の休日給、時間短縮でそういうものもやる、そういうものには優先的に輸送もつけよう、割引もしようというようなことが法律の基本なんです。あなたが言う設備の問題もありますよ。そこで今村常務にお聞きしたのでありましょうが、持ち回りという制度はやめるのじゃないし、それがサービスの最大のものであると言いたかったのでしょうね。ところが普通の汽車賃を取って、五百人も千人も一緒に全部同じところへ同じ時間に行くといって東京駅へ殺到したときには、国鉄はどうやるんだ。それをしも恩恵というんですか。  今村常務に聞きましょう。いま鉄監局長が持ち回りという制度はいまでも生かしておくんだと答弁した裏側は、サービスは低下しておりませんと言いたかったんだろうと私は思う。この基本法からいって、まさに基本法に背反することですよ。持ち回りを許さざるを得ないのが、いまの観光旅行の大口団体の形態なんだ。五百人も千人も同じ時間の列車に乗るんだといって、東京駅なら東京駅の窓口で千枚も切符を買って千人も入ったときの輸送は可能なのか。現在の定期の列車で可能なのか、どうしてもこの列車に乗るといったらどうするのか、答えてもらいたい。
  31. 今村義夫

    今村説明員 団体列車を動かすということにつきましては、これは先生お話のとおりに、臨時列車では非常にお客さんに不便をかけるという意味が確かにありますので、したがって団体列車によってお客さんの利便をはかるということはあります。またそれによっての国鉄の営業上の問題、私はこの二点があるであろうと思います。
  32. 久保三郎

    久保委員 もう一ぺん簡単にいまの御答弁を願います。
  33. 今村義夫

    今村説明員 お話のとおりに、千人というような大きな団体がまいりますれば、それを一々個札で売るということでは、また定期の列車で運ぶということでは非常な混雑を生ずるということがございます。したがいまして、国鉄としては自衛的にもそういう臨時列車を走らせるということはあり得ます。そういうことで臨時列車制度というものは前からやっておるわけでございます。また一面、これが国鉄の営業増進にも寄与するということでやっておるわけでございます。
  34. 久保三郎

    久保委員 鉄監局長おわかりでしょうか。いまぼくが強い語気で言ったもんだから、あなたに教えたことと多少違ったニュアンスでお答えをいただいたと私は見ている。たいへん人のことを失礼な話をしますが、私もこの問題を真剣に取り上げている、取り上げているというのは、ここでやりとりだけすればいいというのじゃない、これは直しなさい。直せ。観光基本法にもとるし、しかもこれは一カ月前とか二ヵ月前とかに申し込みをして——あなたはよくおわかりにならぬから、ぼくは経験があるので申し上げますが、こういう団体はいろいろあります。交通公社が不特定多数の人間を集めて一括して、松島へ行きませんか、料金は幾らというものも、それもこの持ち回り臨時となります。ところが私が取り上げているのは、そんなものじゃないんです。おかあさんの計画、いわゆる国民大衆の健全な旅行を容易にするという観点から、これは当然のごとく、国鉄の公共性からいうならば、このくらいはめんどうを見るのがあたりまえだし、輸送の観点からすればそれは当然のごとく車を出さざるを得ないのですよ。それをしも恩恵だなんていっているのは、これはいわゆる国鉄の官僚性が根強く張っているという証拠であります。きのうかおとといの新聞にも総裁のことばが何か出ていた。お客さんは乗せてやるものじゃなくて、乗っていただくものだという話が出ていたでしょう。とんでもない話です。持たせ切りはやらせない、やめよ、こんな末端の小さなことで世間をごまかしてはいけません。ダイヤの問題といい、いまの問題といい、あとからもう一つ出しますが、新聞に書かれた精神はちっとも——特にこれは首脳部においてなっていない。首脳部でその政策なり規定をきめる人、その人にこそ国民大衆に対して乗せてやるのだという精神があるから、準急列車急行列車にして、時間も早くならないのに、てんとして恥じない。さらにいまの団体旅行を十ぱ一からげに考えている。実際はこれは困るということだ。原価計算をしたらば割引する理由がないそうだという。原価計算は緻密にできるのか。緻密にできますか。国鉄経営は、全体の原価計算はできるかもしれないが、個別の持ち回り臨時が幾ら得して損するということは、厳密にいえばできないはずなんだ。できるというならば、これは運賃値上げは了承できかねる、大きな問題です。そうですぞ。私はいまの答弁じゃ引き下がりませんよ。監督局長観光局長と違った答弁をしているが、監督上それでもよろしいのかどうか。ますあなたから聞きましょう。
  35. 堀武夫

    堀政府委員 同じ列車運行しておりながら、従来やっていた割引をやめた。したがって、同じサービスをしておりながら運賃が逆に高くなった、こういう結果になるわけでありまして、そこに利用者感情と申しますか、それからどうしても割り切れないものがあります。先ほどの観光基本法の精神から、従来よりも料金的にサービスが悪くなった、こういう感じがあることは事実でありまして、これは決していいことではない。どうしても改善をすべきであるという御趣旨はごもっともなお話でございまして、報告事項の中に一括して入っていたと思うのですが、まだ詳細にこの内容につきまして検討していなかったわけでございますので、私十分気がつかなかった点がございます。あらためてよく観光局とも相談をいたしますし、国鉄ともよく相談をいたしまして検討をいたしたい、かように存じております。
  36. 久保三郎

    久保委員 今村常務もここで国鉄を代表して最終的な答弁はできないと思うのだが、原価計算などは当てになりませんぞ。原価計算は大衆にはわからないのです。なるほど内部的には、あなたのほうではわかるだろう。だけど切符買って乗る人にはわからないのだから、値上げになって、その上に割引がなくなって、どうしてそういうことが理由づけに——あなたの言うような理由づけをしてみたって、ちっとも了解がいかないのだ。未亡人団体がこの間来て、ぼくの前に開き直っていった。それはそのとおりだと思うのだ。そうだと思いませんか。あなたらは原価計算、経営がどうの、りっぱなことを言うけれども、国民大衆があってこその国鉄なんです。その国民大衆説明のできないようなことをやっているのは、これは根っからの独善というものだ。いままで割引しておいたものを今度は取り消す、それならいっそのこともう持ち回り臨時は引き受けません、団体は引き受けません、これはほかのバスか何かにやってもらいたいということで、鉄道には乗れないものだという制度に置きかえるのがいいと思うのだが、その覚悟ありやなしや聞きたい。
  37. 今村義夫

    今村説明員 持ち回り臨時をやめようという気持ちは全然ありません。先ほど先生お話のように、構成人員の多い団体が来た場合にはやはり臨時列車で輸送せざるを得ない、これはそう思います。ただ、お話でございますが、普通の場合の客と持ち回り臨時とでは、これは相当手数もかかりますし、特に持ち回り臨時というものは、私どもの規程では、全行程が三日以上の行程で、臨時列車の設定区間のおもな区間を同一列車でやっております。しかもその間に滞留とか回送とかいうような手がかかるわけです。しかもそういう持ち回り臨時のいままでの実績を見ますと、輸送人員的にもかなり楽な輸送をしておったわけでございます。したがって、こういう列車に対しましては、一般の臨時列車と比較いたしましても、かなりサービスのいい列車になっておるわけでございまして、しかもコストがかかるということで、今回は一応無割引にしたい、しかし閑散期において、多少車のゆとりが出てくるという場合にはそういうサービスをしてもいいではないかということで、閑散時期におきましてはいままでの半分くらいの割引をするということでございます。現実に客車はだんだんディーゼル化なりあるいは電車化してきますので、客車は減ってきますし、こういうものは今後物理的にだんだん少なくならざるを得ないと思うのであります。しかし、もちろん何も全部バス輸送というようなことでやっているわけではございませんで、私どもとしてはこういうお客さんも十分御利用願うという気持ちはもちろんでございますけれども、そういういままでのお客さんの態様からいきましても、あるいは私どもの経営上のコストからいきましても、ある程度の差がつくのはやむを得ないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  38. 久保三郎

    久保委員 そうすると結論としては、あなたはいまの制度が最善であるということであるようであります。そこで私の意見を聞いてもらいたい。二、三あなたが答弁した中で、輸送せざるを得ないということばは、きのうの新聞とは相反する。これは反省を求めます。そうじゃないですか、そうですか。
  39. 今村義夫

    今村説明員 輸送させていただくというふうに訂正させていただきます。
  40. 久保三郎

    久保委員 それから閑散期にはいままでの半分くらいはやるとおっしゃいますが、半分やったらお客がたくさん乗ってくれますか、いかがでしょう。あなたは閑散期には従来の半分くらいの割引はいたします、というのは、閑散期だから割引でもして幾らかでもよけいに乗ってもらって収入をあげよう——これは閑散期というからには割引なんでしょう。そうだとすれば、あなたのおっしゃるような割引をすればお客がよけいに乗ってくれますか、いかがでしょう。
  41. 今村義夫

    今村説明員 閑散期には客車のゆとりその他もございますので、私どもとしてはこういう持ち回り臨時列車がつくりやすいということでございまして、それによってある程度のお客さまは乗っていただけるのではないかというふうに考えております。
  42. 久保三郎

    久保委員 その話も私はあまりわかりません。閑散期に割引するというのはお宅のほうの都合で割引するのであって、観光基本法に抵触することは、もうその精神で抵触しております。これは鉄監局長観光局長も十分聞いてほしい。そういう解釈は成り立たない。鉄道の営業政策として半分くらい引けば来てくれるかもしれない、原価に合わないものを何でさらに割引をするのですか。しかも、少しばかり割引してもお客がよけい乗ってくれるなんということはありませんよ。はっきり申し上げておきます。そんなに来ません。来るとするならば、これはおかしな人です。頭のおかしな人が来るくらいです。しかも旅行費全体から比べれば、汽車賃の割引などは百円かせいぜい二百円でありますから、考えようによってはなくてもいいのです。考えようではそういう理屈も出ます。出ますが、政治には、たとえば持たせ切りはいたしません、お客さんには乗っていただくものだというようなことを考えるという精神的なものの発露がなくてはならぬと私は思うので、しつこくあなたに強いことばで申し上げておるのです。あなた一人を責め立てるようでたいへんお気の毒でありますが、それが独善と言わないで何が独善でありましょうか。一割や二割引いたところで、汽車賃を値上げしたといっても、全体の物価から見れば、たとえば宿泊賃とかその他の観光、レジャーの楽しむ料金に比べれば、旅行費全体の中での運賃、そしてその割引したものの額というものはたいした額ではないと私は思うのです。おみやげに買うようかんを一本やめれば、あるいはその程度の額になるかもしれぬ。しかし私が言いたいのは、持たせ切りなど失礼なことはしないのだぞ、乗せてやるというような態度ではないですぞということ、そして観光基本法というのは旅行がたやすくなる、そしてみんなが健全な旅行ならばこういう裏づけもあるのだということを助長していきたいということなんですよ。もちろん、あなたは国有鉄道の代表でありますから、政府がやるべき当然の観光基本法にのっとる大衆旅行の容易化について、直接の責任はあるいはないかもしれない。しかしこれは、少なくともいままでのようなお話では私は納得できない。しかもかような持ち回り団体臨時列車に使う車両は、これもおそらく原価計算のほうだろうと思うのでありますが、すでに原価計算で払って残りがあまりないような古い車両ではないかと心配しています。それはあまりにも極端な言い方かもしれない。しかしそれほど原価計算や区別をきっちりするならば、その料金の値上げは国民大衆に返してもらおうじゃないか。いまの観光基本法にもとるところのおかあさん積み立て旅行については割引しないというならば、水戸発七時二十六分の準急列車急行列車になったその料金は返してもらおうじゃないか。いかがでしょう。
  43. 今村義夫

    今村説明員 お話しのように、もちろん原価計算を厳密にやれるというものではございません。それはそのとおりでございますが、しかし私どもは一応原価計算の方式というものはつくっておりまして、われわれなりに内部的にはそういう方向で、この列車はどういう原価になりどういう収益をあげるかというようなことについては一応見当をつけておるわけでございます。したがいまして、一般の臨時列車に比べて持ち回り便はかなりそういう面でコストがかかるということは、もうはっきりしておるわけでございます。しかし、もちろん先生のおっしゃるように、そういった積み立てというようなことに対してなぜ考慮を払わないかというお話でございますけれども、私どもといたしましては、いままでの形態が必ずしも合理的になっていない、したがって私どもなりに合理化したつもりでございまして、これをいまさら返すとかいうようなことは考えておりません。
  44. 久保三郎

    久保委員 全然考えておらないですね。ぼくも長いことこの問題は扱ってきておる。きっとあなたと同じぐらいの年月やっておる。そのときに何の矛盾もなくやってきて、最近矛盾が出てきたということなんですね。あなたは原価計算も厳密に出ないと言うが、さっきのお話では、原価計算もしてみるとどうも間尺に合わぬ、閑散期ならば多少車の余裕もあるからできるというような話をするから、それだったら常磐線の七時二十六分の汽車の値上がり分は返せというのですよ。御答弁はどうですか、これも返さないのですか。  それからもう一つ、これは鉄監局長も聞いてもらいたいのだが、今村常務理事答弁してください。持ち回り臨時列車というのは去年一年でどのくらい収入があったのですか、それで何人ぐらい乗せたのですか、それから全体のいわゆる団体旅客というものは何人くらいあって、運賃はどのくらいか、お知らせ願いたい。
  45. 今村義夫

    今村説明員 全体の団体収入は三十九年度で約二百億でございます。その中で大口団体が大体六十億ぐらいでございまして、この六十億の中で約半分が宗教団体の臨時列車でございますので、残りの三十億程度が持ち回り便だというふうにお考えになってけっこうだと思います。
  46. 久保三郎

    久保委員 半分がいわゆる宗教団体である。創価学会の団体だろうと思うので、これは鉄道にとれば大きな財源だと聞いております。しかしあとの半分全体が持ち回り臨時だとは私は聞いてない。小口団体というのもあるでしょう。小口団体というのはかなりの数でしょう。だから半分なんてありませんよ。きっと十億か十二億だ。
  47. 今村義夫

    今村説明員 先ほどお答え申し上げましたように、団体収入全体としては二百億ございますので、その中で大口が六十億で、小口が百四十億でございます。その六十億の大口の中で宗教団体の関係が三十億、こういうことでございます。
  48. 久保三郎

    久保委員 そうするとやはり説明としては、結論として三十億が大体持ち回り便である。そうすると、全体の収入の中でこれは何%になりますか。
  49. 今村義夫

    今村説明員 〇・八%程度だと思います。
  50. 久保三郎

    久保委員 〇・八%というのは、国鉄経営に大きな影響を与える要素でありましょうか。
  51. 今村義夫

    今村説明員 絶対額そのものとしては問題があるかと思いますけれども、要はその絶対額の問題でなくて、私は考え方の問題だというふうに考えます。
  52. 久保三郎

    久保委員 考え方の問題についていままで申し上げてきたのだが、あなたは考えを変えるつもりはないというから、それじゃ収入にでもうんと響いてくるのかと私は見たから、それでこのお話を聞いているのですよ。考え方からいえば、観光局長、これはあなたがさっき答弁したとおりだと思っていいかどうか。かあちゃんの旅行に対して一割五分か二割いままで引いていたのをやめるということは「これは矛盾があると思う、そういう答弁をしたが、そのとおりといまでも思っているでしょう。しかも収入が国鉄の全収入の〇・八%、経営の大半ではない。甚大な影響を与えるものではない。ところが国鉄を代表した今村常務は、われわれの計画は変更する意思はないと言っている。それでよろしいかどうか、あなたに聞きたい。
  53. 増川遼三

    増川政府委員 その点につきましてはあらためて御配慮をいただきたいと考えております。
  54. 久保三郎

    久保委員 鉄監局長は先ほどの答弁では、これは三者でもってよく協議してやりたいというのだが、いまの今村常務答弁では、あなたが何ぼ監督局長でもできかねるというふうに私は見るのだが、あなたはどう思いますか。
  55. 堀武夫

    堀政府委員 先ほどから議論をされておる常磐線急行の問題も、未亡人会の団体旅行の問題も、いずれも料金問題でございまして、いろいろ十分検討をしなければいかぬと思っております。やはり今村常務もここで即答をしかねる点もあると思いますので、今村常務自身としてはいまの考えであることはよくわかりましたから、よく三者で相談をいたしまして十分検討をいたしたい、かように存じております。
  56. 久保三郎

    久保委員 今村常務理事ははっきり理屈の上からも私の理屈は通らぬと言うし、それからもう一つ収入の面からいってもそれは違うのだ、たてまえの問題だと今度は言っている。毛頭ないというような話もするから私はしつこく聞いているのですよ。今村常務が、検討する——もちろんここで、わかりました、やめましょうか、どんな人だってそんなことを言えるはずはない、相談もしなければならぬし、いろいろものも書かなければならぬし。でありますから、私はそうだと思うのです。あなたの答弁ではどうもそういう余裕も見当たらぬままにあるから、私は、きょうはこの通常国会の最終日だから一応いまのような答弁でない答弁を聞いて後に残そうかと思ったのだが、違うようだが、私の聞き違いかな今村さん。
  57. 今村義夫

    今村説明員 いろいろ御議論がございましたが、私ども現時点においてはそういういままで御答弁申し上げたような気持ちでございますけれども、さらに運輸省ともよく御相談いたしたいと思います。
  58. 久保三郎

    久保委員 時間もなんでありますから次に移ります。  ダイヤの話はわかりましたが、その整理ダイヤを一枚こっちへください。何便車というか知らないが、水戸から上野まででよろしいから、赤い線を引っぱってください。   〔久保委員に整理ダイヤを示す〕  赤線でこういうふうになっていますから、どうぞ与党の諸君見てください。  そこで質問を続けますが、こういう姿は妥当なものと思いますか。列車課長おいでですね、あなたのこのほうの常務さんはどなたですか、林さんですか。
  59. 山岸勘六

    ○山岸説明員 ダイヤにつきましては今村常務です。
  60. 久保三郎

    久保委員 それはたいへん失礼しました。今村常務は、これは初めて見た、初めて聞いたということだな、そうでしょう。いままで聞かなかったのでしょう、ここへ来るまで。
  61. 今村義夫

    今村説明員 本日初めて承りました。
  62. 久保三郎

    久保委員 国鉄は組織も大きいしするから、なんですが、列車課長は、これはローカル局際列車じゃないから、支社だから——しかし、あなたはわかってはいますね。
  63. 山岸勘六

    ○山岸説明員 わかっております。
  64. 久保三郎

    久保委員 ではあなたに聞くが、こういうのは全国でどのくらいあるのですか。汽車賃が上がって急行料金になって、それで列車がおそくなったというのは。
  65. 山岸勘六

    ○山岸説明員 全国でどのくらいあるかはちょっと記憶いたしておりませんけれども、常磐線の問題の列車については、特急「ゆうづる」の増発によりまして、さらに昨年の十月のダイヤ改正でこの便がさらに延びましたのは、通勤列車の増発によりまして常磐線の松戸まで平行ダイヤを採用せざるを得なくなったという状況によって、特に本列車の到着時分が延びたのであります。
  66. 久保三郎

    久保委員 いままで今村常務にそういうことばで質問したのですが、ぼくももう気力がなくなった。がっかりしたのだ、実際は。話をやっているうちに。これくらい無神経な国鉄経営があるものかと思うと、残念ながら、ぼくも古巣だが、こんなことで大世帯がもっていけるのだろうかと思うのですよ。これは課長さん、このダイヤ汽車賃を払って乗る人には、石田総裁がどんなに言っても了解がつきにくい問題ですよ。あなたはそう思いませんか。
  67. 山岸勘六

    ○山岸説明員 結局、「ときわ号」のような準急列車につきましては、列車がその線区について混んでない間はできるだけ速く走らせまして乗客の便利をはかるという線で考えておりますが、全体的な通勤列車の増発あるいは長距離特急の増発等が出てまいりますと、線増までの間は一応サービスがダウンしていくということは各線区で起こっていることでございまして、私どもとしては、通勤は増発する、特急列車の増発も必要だということで、さらにいままでの「ときわ号」のような急行もスローダウンを一切しないというような条件ではダイヤはできない、こういうふうに存じます。
  68. 久保三郎

    久保委員 ダイヤはできないと言うが、いまの説明で、そういう列車をつくるのも無理しているのだからまあその辺はわかりそうなものだという御答弁のように聞く。そうですね。そうでしょう。われわれは国会議員だから、ただ乗っているのだから、あまり文句も言えない。文句を言ったらおかしな話だ、自分の乗っている汽車だから。だけれども、これはどうしても直してもらわなければいかぬと思うのですよ。「ゆうづる」の待ち合わせば、たしか両方が定時なら石岡待避は七分だ。ものの順序でいけば七分よけいにがかったようなかっこうだ。だから、教えてあげましょうか、これはいまさらダイヤをうんと変更するわけにはいかぬし、「ゆうづる」をやめるわけにもいかないから、七分間の石岡待避はやむを得ないとしても、これを終着駅までには取り返すという方法をとる。取り返すという方法は、等間隔ダイヤはこれに限ってはやらないということなのですよ。それはできましょう。  それからもう一つ、「ときわ号」の全列車は我孫子の駅で上りも下りも停車するが、乗降するお客さん、いわゆる汽車賃を払って乗ったりおりたりする人はあるのかないのか、あわせて聞きたいのです。いかがです。
  69. 山岸勘六

    ○山岸説明員 最初に御指導にあずかりましたダイヤのかき方でございますけれども、なおできるだけ検討させていただきたいと思います。  それから第二の我孫子の乗降でございますが、私ども聞いておる範囲では平均二、三十人でございます。
  70. 久保三郎

    久保委員 そのうちぼくは調べてみたいと思っているのです。あそこは大体下り列車で我孫子行きの急行列車に乗って行くために汽車賃を払っている人は、この世でもずいぶんゆっくりした人だろうと思っているのです。というのは、等間隔でしょう。電車に乗ったって急行列車に乗ったって同じなんですから。それを上野から乗るのに急行料金を払っていくのは、どこかの殿様ぐらいしかないのじゃないかと私は思うのです。ふしぎだと思うのです。だから、ふしぎなことをおやりになっているから、一ぺん機会を見て私もよく調べてからこの問題は申し上げます。あの石岡の待避もそうやればできますなんということをなまいきに言ったが、ぼくはダイヤは経験者じゃないんですよ。経験者じゃないけれども、そういう努力のあらわれが幾ぶんでもあれば、人間というのは了解するのです。ところが、いままでそんなものつくるのはあたりまえだというふうにつくっていられるから、腹に据えかねるということですよ。おわかりでしょう。今村さん、そうでしょう。総裁がくれば話はわかっちゃうのだ。あの総裁ならおそらくそうだと思う。日本一の合理主義者だといわれているから。汽車賃上げたらサービスはよくなるということがあるんですよ。そのほかに急行料金も上げたんだから、おそくなるなんて不届き千万、あしたからやめろ、きっとこうきますよ。きょうはぜひ石田さんにきてほしかったんだが、常務会だというから、それじゃうまくないというので今村さんを代表にお呼びしたのであります。  これからもう一つありますから、今村さん聞いてください。観光局長は私のほうはもうよろしい、あとでこれを監督してもらう。これで最後ですからおつき合いをいただきたいと思います。  次は、小口荷物の輸送の問題であります。これは昨年、たしか十月一日からだと思うのだが、早くて安くいくということで、それぞれの小口貨物は基地駅を設定して、いわゆる小口混載という制度で大半運ぼう、こういうふうになったはずであります。当時私も委員会で念を入れた質問をいたしまして、ほんとうに安くて早く着くというから、われわれも心配はしたが同意をした形になっております。もちろん国会でこれが審議の対象になるようなものではありません。運輸大臣がせめて認可するぐらいのものでありました。しかし現実には荷物は安くも早くもありません。それどころか、金の問題は別としても、荷物が到着する日にちは当てにならないということなんです。だからこの姿を見れば、もはや国鉄は小口貨物は扱わぬで、大会社、大工場の製品だけ、専用線を引っぱったものだけを輸送するというふうに、世間ではまだ言っていないが、ぼくはそう思っている。なぜこの小口集約が最初の約束どおりにいかないのか。いかない理由はどこにあるか。それに対して改善の努力をしたのかどうか。私はいままでの、理由は聞く必要はないけれども、改善の努力をしたかどうか聞きたい。いままでは、たとえば東京から水戸へ荷物を送るのに十日も十二日もかかったためしはなかった。これはぼくが実験したから言うのであって、ぼくの荷物は何日かかったって決して腐るものでも必要の品物でもなかったからいいのだ。しかし何か現実につかまなければ質問ができなかったので、荷物を送った。ところがいま話したとおり、十二日もかかっているのだ。これは運送屋が悪いというならば、国鉄の看板で小口荷物を扱うことはやめろということだ。いかがですか。あの当時の答弁といまの現実の姿はどうなんです。なるほど大半はいっているというのだが、ちっとも早くならない、前と同じぐらいにいっているだけだ。それで国鉄の合理化だというのかどうか、聞きたいです。国鉄の営業局も、聞くところによれば、旅客と貨物の二つに割ったそうだ。この問題は課でないので課長はいないそうだ。調査役が取り締まっているそうだ。ほかには何とか課という課があって、課長がやっているそうだ。それはいわゆる専用線でも引こうかという大きな貨物をまとめて出してくれるところのサービスの課だ。小口のほうは課にも昇格できない。この姿を見て世間の人に、もはや国鉄は小口荷物というものには魅力もなし、責任も負わぬということか、こうとられてもやむを得ないと思うが、今村常務はいかに考えますか。
  71. 今村義夫

    今村説明員 小口改善の問題につきまして、いろいろまだ完全でない点は御指摘のとおりでございまして、その点はおわびを申し上げますが、しかし全体といたしましては、これは一例でございますけれども、汐留−久留米間でございますと、従来の小口扱いでは、五日目の午前に到着しておりましたものが、最近六月の実績では三日目の午後には到着しておるということで、かなり早くなっておるという事例もございます。いろいろ私ども実績に徴して調べておるわけでございまして、決して改善の努力をなおざりにしておるわけではございません。私ども、お約束した線に従ってぜひともこの小口の輸送改善に努力をしてまいりたい、完全な姿にしてまいりたいということで、実はこの二月、三月に長野、仙台につきまして、全小口貨物について実態調査をいたしております。その数字が大体でき上がって——これは一個一個の貨物について調査しておりますので、この輸送の荷物がどこでおくれたかということもすぐにわかるようになっておりますので、その点で十分その結論が出るようになっておりますが、全体としては、私は、当初の十月−十二月の混乱からいたしますれば、非常によくなっておるのじゃないかというふうに考えております。もちろんただいま先生お話しの東京から水戸までのものも、一応調査はいたしましたが、大部分は三日から四日くらいで到着いたしております。ただ中に少し悪いのがございまして、おっしゃるとおりに部分的にはまだ改善を要する問題がたくさんございます。したがいまして、私どもとしては、今後ともこの輸送の改善につきましては極力努力をいたして、最初のお約束に近づけたいというふうに考えておるわけでございます。  機構改正の問題でおしかりもございましたが、私ども決して小口の荷物をなおざりにしておるわけではございませんで、小口の問題はやはり担当調査役を置いてやっておることでもおわかりいただけますように、今後とも全社をあげて努力してまいりたいというふうに考える次第でございます。
  72. 久保三郎

    久保委員 今村さん、こういう問題は常務会の議題になったことがいままでにあるのか。——ある。それにしてはお粗末だ。あなたは全体としてはうまくいっておるというが、全体としてうまくいかなかったらどうなる。これこそたいへんなことですよ。まごまごすると総理大臣の首まで飛んでしまうかもしれない。なぜならば、東京へ来る品物はみんなストップだなんと言ったら……。そうでしょう。しかも小口といえば、この制度改正前はあなたがおあげになったようになるほど五日だったが、今度は三日になった。早いものばかりあげないで、十二日もかかるような例外もあるのです。前は十二日もかかるようなものはなかったのだ。今度は早くて安いというのだから、例外であろうが何であろうが、そんなものはあなたの答弁として、国会くらいまでは、あるいは国鉄本社内というか、国鉄内部ではそれは了解できる面もあるかもしれない。しかし、一歩外へ出て大衆から見れば、荷主から見れば、そんなことは残念ながら通用いたしません。これまた独善というものであって、あの切りかえのときには貨車そのものが滞留しておる、一個一個の荷物が滞留したのではない、まとめてめんどう見るわけじゃないが、どこかの停車場へとまってしまっている。だから、あたりまえの話なんだ。東京へ行く貨車がとまった。だからこれをやろうというのだったってできるのですよ。この間勝澤委員の荷物もそうだったそうだが、言ったらこれはすぐきたそうだ。電話かけたらすぐくるんだから、こういうような方法があるはずだ。これじゃいろんな問題が重なって、しかもこういうことでは、さっき私が申し上げたように、国鉄は小口貨物は扱わぬつもりか、それとも減っていったほうがいいと考えておられるのかどうか。それから通運業者との関係では、通運業者には貨車だけを貸すのか、将来いわゆる利用運送という立場のものに貨車だけ貸して営業を続けていくという方針でいわゆる調査役を置いておるというか、そういうことも頭に置いて縮小の方向に持っていこうとしているのかどうか、その基本的な方針についてこの際承りたい、いかがですか。
  73. 今村義夫

    今村説明員 私ども小口貨物の改善をやりました趣旨は、サービスの向上によってむしろ小口貨物全体としてふえる、鉄道の営業増進にもなり得るということでやったわけでございまして、これを縮小しようなどという考えは毛頭持っておりません。むしろわれわれは輸送の近代化を通じてこの荷物をふやすということこそ、われわれの目標でございます。したがって、そういう機構の改正につきましては、これは見方によりましていろい御批判もございましょうが、私ども決してそういう考えでないことだけを申し上げておきます。
  74. 久保三郎

    久保委員 大臣はおられないですね。政務次官がおいでになっているけれども、大臣はいないんだな、閣議の関係がありますからね。あなたではたいへん悪いんだけれども、鉄監局長にお尋ねします。いまのような事実で、今村常務理事がどう答弁しようが、実際はそういうことなんだ。所々方々にあるのですよ。長野から、茨城県の端っこのほうでありますが、取手の近くヘリンゴを送ったら二十五日かかったことがあります。贈りものだけれども大半腐って、受け取ったほうはたいへん失礼なことをしやがったと思うし、贈ったほうは贈ったのに礼状一本こないというので頭にきているかもしれない。国民生活の破壊、これにすぐるものはなしというのです。そうでしょう。いまの政府は何を目当てにしている、物価の問題が一番大きな問題なんです。物価の問題では車へんというか、運輸省は一役買わなければならぬという立場にあるのですよ。国鉄を含めて流通機構の改善によって物価の引き下げというか安定をはかろうというのでありますから、こんな国鉄の輸送で物価の安定などははかれっこはないですよ。いつかこれまた勝澤委員が言ったのだが、削り節などは十日以上かかっていった向きもあるそうです。そんなものは腐ってしまう、腐ってしまうばかりではなしに、これは鮮度が落ちる、かまぼこと同じように、これは一日二日でみんなゼロになってしまうのですよ。あなたのほうへは何の報告もないのですか、小口はうまくいっているという報告ですか、いかがでしょう。
  75. 堀武夫

    堀政府委員 小口の問題につきましては、昨年十月一日に実施されて以来、当初においては非常に方々から苦情がありました。そのためにわれわれといたしましても、どうしてこういう状況になっているのか、どういうところに問題があるのかということを相当突っ込んで国鉄説明を求めたのであります。当初確かに国鉄の報告そのものによって見ましても、相当混乱を来たしたことは事実で、ございます。それでその後だんだんおさまりつつあるという状況を聞いております。最近においては、若干のそういう例外的なおくれとか混乱というものもまだ残っておるようでありますけれども、相当改善されてきた。こういう新しい制度をやるにつきましては、いろいろ問題があると思います。当初予見し得なかったような原因もあったりしまして、うまくいかないという場合もあるかと思います。われわれとしてはあまり国鉄を責めるばかりではなしに、かすに若干の時間をもって、まだ一年になりませんので、できるだけ早く所期の、予定したとおりの早くて安いという小口のサービスができることを国鉄に期待をいたしております。  なお先生のおっしゃったような例外的なそういうおくれ、そういうものがまだ若干残っておるようでありますから、これはどういうところに原因があるかということを十分国鉄に調べてもらいまして、その原因を除去するためにはどうしたらいいかということを十分検討いたして、今後所期の目的を達したい、かように存じております。
  76. 久保三郎

    久保委員 時をかせというのだが、たいへんりっぱな態度、寛容な態度でありますが、日本の国民というものはせっかちでありまして、去年の十月一日から始まるというと、何カ月になりましょうね、もう一年に手が届こうという時期でありまして、新しく荷物を運び出したのではなくて、国有鉄道ができてから以来小口荷物というものは運送していたのではなかろうかと私は思うのです。それは国鉄内部のシステムの変更によっていまだに例外的ということばをお使いになるが、そういう輸送をしなければならぬというのは、どこかに原因があるだろうと私は思うのです。その原因もいまだにわからないのですか。わからないで、そのうち落ちつくだろうとでも思っているのか。それからさっきの今村常務お話では、いや、おまえの質問のように、小口貨物などやめてしまえというのではなくて、もっとサービスをよくしてとろうと思っているのだ、とろうと思っているのに、こんなにおくれが出ておるのに原因の探求もいまだにできない、手配もできない。国鉄は日本で一番大きい企業で、一番優秀な人物がたくさんおられるそうであります。そのものがかかってもできないというのには、何か大きな問題があるのかと疑いたくなる。常務会で討議なさったけれども、討議の結論として、中身はどうだっていいのですよ、国民大衆や荷主は当初のとおり安くて早く着けばいいのですよ。安くて早く着かない。安いのはもうこの間の運賃値上げでパーになってしまったのです。ところが運賃値上げでパーになったばかりではなくて、やはり人並みに運賃値上げをされたという話もあるわけです。ある業界紙によれば、小口混載というのは通運業者の非常に魅力のある仕事であったわけですね、ほんとうかどうか知りません。顧客運賃というのがありまして、その中にはいろいろあるそうですね。だからこの小口混載というのはいままでもあったが、これは利用運送をやっておる人に国鉄は貨車を貸したということですね、貸しておったでしょう、そういうことの延長としてやっているのかどうか、今村さんどうなんですか。小口輸送の形態は十月一日以前とお客さんに対しては何も変わりはないのでしょう。中身が変わっただけだから、そのとおりおやりになっているのですか、どうですか。
  77. 今村義夫

    今村説明員 混載の問題といたしましては、従来の混載と、荷主対通運業者、通運業者対国鉄の関係においては形態は変わりございません。
  78. 久保三郎

    久保委員 そうすると、変わったというのは運賃が高くなっておそく着くというのが変わったということになるのでしょうか、いかがでしょう。皮肉な質問だが、百歩譲っても、運賃は安くならなかった、これは事実ですね。   〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕
  79. 今村義夫

    今村説明員 いままでの小口運賃に比べて、混載は顧客運賃でいただきますので、一七%ですか、安くなった点は確かでございます。しかしこれが……。(久保委員「安くなっていませんよ、安くなりましたか」と呼ぶ)安くなりましたが、運賃値上げでまた若干の分は上がりましたので、従来から比べると大体とんとんじゃないかというふうに考えます。
  80. 久保三郎

    久保委員 従来から比べてとんとんじゃないから問題になっているんですよ。業界紙によれば、とんとんじゃない。やはり世間並みに値上げされました。あなたの答弁は、この前の国会答弁したことを、今度は運賃値上げ答弁すればそういうことになるのです。一七%くらい運賃は混載にすれば安くなるから、だから賛成しろとおっしゃったから、ああそうかと思って実は賛成の意を表したわけなんです。だけれども、そのあとで運賃値上げ一七%したから、これはパーだ。だから前に比べればちっとも運賃値上げも何もなくて、そのままでやったといま御答弁なさったのでしょう。ところが人並みに一七%高くなっているというのが業界新聞に書いてあったから聞いているんだよ。ぼくは経験しませんよ。ぼくが送った荷物が前に幾らだったかなんということは計算していませんよ、たいした品物じゃないから。ぼくのところにあやまりによこせばそれでいいなんという、そういう感覚も私は官僚の独善だというのです。そんなものをあやまりに来てもらってどうなるんだ。あやまりに来てもらいたいからおれが忠告したのか。やせても枯れても私は代議士だ。しかもそれを扱った当運輸委員会のメンバーだ。だから私は、一刻も早くそういう欠点があるなら直すように申し上げたのです。おわかりでしょうか、この気持ち。あなたよりぼくのほうが切ないのだぞ、いままで三つあげたことは。あなたのほうはこれからも、出世なさるのに一票一票をとる必要はないのです。これは皮肉な話は言いません。われわれは一人一人の人の支持によってここに来ているのですから、担当している仕事でいいかげんなことでやめた日には、これは政治家としても恥ずべき行為だし、もちろんわれわれは今後も政治家としてやっていかなければならないのだから、そのためにはあなたよりつらいのだ。なんだこのばか、早くて安いというのでおまえは賛成したじゃないか、それが半年以上もたった今日、高くておそいのはどういう理由だと言われたときに、何とおれが報告できるかというのです。あなたは国鉄本社なり運輸省にいて、そういう投書が一通か二通来たときにお話を聞けばいいのですよ。われわれはそういうわけにはいかない。これはどんな小さい問題でも真剣勝負なんだよ。真剣勝負といったらたいへん失礼か知らないが、いやがらせやなんかできょうは質問しているのではありません。はっきりした答弁をもらうために、私は少なくとも私の支持者のためにもこれはやっている。これは国民大衆のためにやっている。その気持ちは了解してもらいたい。しかし、小口の問題で改善の方策はあるのですか。いつになったら、これは安くて早くできるのですか。値段のほうがだめだというなら、だめでいい。少なくとも公約した、一番魅力のあるところの、早く輸送するんだという流通機構対策の問題にも関連して、この問題はいつの日に解決するのですか、お尋ねをしたい。
  81. 今村義夫

    今村説明員 御承知のように流通問題と申しますのは、もちろん私は国鉄自体が合理化、近代化しなければならぬと思いますが、小口輸送につきましては、特に中に通運問題が入っていることは御承知のとおりでございます。今度の問題につきましても、私どもがいままでいろいろ調査いたしました点では、通運の問題がかなり大きなウエートを占めておるようでございますので、この問題を十分検討いたしまして、できるだけ早い機会に当初の目的が達成できるようにやっていきたい、かように考えるわけでございます。
  82. 久保三郎

    久保委員 鉄監局長、あなたからはこの問題であんまり答弁いただいていないな。あなたは何か移りかわりのときのような話をされたが、これは通運業者の監督も運輸省になっているんだな。違うか。運輸省でしょう。
  83. 堀武夫

    堀政府委員 自動車局です。
  84. 久保三郎

    久保委員 だから運輸省だな。国鉄は監督じゃないな。これは国鉄は通運業者とは対々だな。いまの契約はどうなっているの、今村さん。通運業者と小口の問題は、契約はどうなっているの。答弁できなければ、あとできちっとした資料を出してください。時間がございませんから。私は容赦しませんぞ。この三つの事件はもっとあるけれども、もうきょうはやめておく。いままでの答弁は——私の気持ちはわかってくれたかどうか。だけれども、いやなことを質問されたな。いやなことを質問されて不愉快な顔もしたな。おれもした。だけれども、それは忘れちゃいけないことなんだ。こんなことで、総裁に伝えてほしいんだ。きょうは支社長会議なり局長会議があったら伝えてほしいんだ。久保三郎鉄道のことも多少知っていたが、何とかこれを直そうと思って事前に連絡したことがあるが、返事がこないままに、あるいは少しひきょうかもしれぬが、返事をやらぬ前に国会で、今村常務を中心にしてつるし上げに類するような質問をしたとよく言ってほしい。それでくやしかったらば、ここへ出てきて回答を希望する。もう来月の中旬はお盆だ。お盆は年に一ぺんだから、地獄のかま開きというものがある。十五、十六日は鬼でもかまのふたをあけてくれるというんだ。だからそれが済むまでには、およそ半月の日にちがある、その半月の間にそれぞれ三つの回答をしていただきたいと思うのでございますが、鉄監局長並びに今村常務、いかがでございましょうか。
  85. 堀武夫

    堀政府委員 御趣旨を体して十分検討いたしたいと思います。
  86. 今村義夫

    今村説明員 本日先生お話の御趣旨は十分よくわかりましたので、御趣旨を体しまして私どもも真剣に検討いたしたいと思います。
  87. 久保三郎

    久保委員 委員長を通じて申し上げておきますが、来月の十五日とか十六日のころは閉会中だから、委員会があるいは持たれないかもわからない。ついては、その際には私個人としてこれらの三つの問題についての回答をさしあたりは受け取って、これはまた非常に問題があるというときには、私から委員長に対して委員会の開催をお願いする場合がありますので、これは単に私だけの問題でなくて、国鉄経営に対する委員会の全メンバーの問題として開かれたときには、これは答弁のしにくい問題だと私は思うが、ぜひ委員会の開催をこの際もお願いしたい、かように思うわけです。  大臣が来ましたから一言申し上げて終わりにしますが、大臣、お席にお着きになったら、いままでのことをかいつまんで申し上げます。御答弁はなかなかむずかしいから鉄監局長あるいは今村常務から承りましたから、それで一応いこうと思う。  きょう質問したのは、特に国鉄経営問題についてであります。その中で、未亡人の積み立て旅行貯金というものを全国的にやっているようであります。中村運輸大臣の地元のほうでもおやりかもしれません。これらは大きな数でありますから、五百人とか六百人を乗せていくそうでありますから、いわゆる国鉄でいうところの持ち回り団体旅客というのだそうであります。これは従来おかあさんの積み立て旅行貯金だから割り引きをしたのじゃなくて、こういう団体に対しても、いわゆる持ち回り以外の団体のこういう制度の中での旅行にも、同じような割り引きをしたそうであります。今回は運賃値上げをしましたが、国鉄当局としては、そういう持ち回りといわれるような団体旅客に対して一切割引はしないというふうになったそうであります。これは観光基本法、大臣も御承知のように、大衆旅行の容易化、あるいは健全な旅行を助長するというのが基本法の中のかなりの部分にございます。基本法からいうならば、この経営方針は全く相反する経営でありますので、私はこの経営の是正方をいま要求しておりますが、研究というか、検討というか知りませんが、いま返事はできないからしばらく待てという御返事でありました。  第二番目には、先般国鉄運賃値上げと同時に、いままで準急列車といわれたものも全部急行列車と名前が変わって、従来の急行料金と同じだけの急行料金を取ることに相なりました。ところが全国にはいろいろありますが、値上げをしたとたんにダイヤがおそくなりました。従来の準急列車よりはかなり時間がおくれた列車もあります。汽車がおそくなって、料金だけは急行という珍現象が出ましたが、国鉄内部の説明については、これは技術的な問題があって、あるいはそのように了解します。しかし汽車賃を払って乗る大衆は、これには同意しかねるというのが私の主張でありますから、これまたこのダイヤの是正方について要求をいたしました。しかしお返事は先ほどのことと同じであります。  さらにもう一つは、小口貨物の輸送についてであります。去年の十月一日から始まって、始まる前に、小口貨物のやり方は混載を主としてやる、だから運賃は安くて早く着くはずだということで賛意を表しました。ところが現実には、大半はうまくいっているそうでありますが、しかし運賃は決して安くなっておりません。運賃値上げはそのまま、なまのままで値上がりになっているようであります。最後のたった一点、現内閣の一番ウイークポイントである物価の問題に関して、流通機構の改善運輸大臣所管の大きな部分を占めております。ところが早く輸送ができるという看板が、驚くなかれ、いままでの何倍かかかってやっと着いたという荷物が所々方々に今日ただいまでもあるのであります。これまた国民大衆は納得しないと同時に、これに賛意を表したわれわれ運輸委員会のメンバーも承服しがたいものがあるので、改善方を要求しておりますが、いまだこの具体的方策は御発表になっておりません。よってこの三つの問題全部について、来月十五日以降において——少なくとも十五日ごろまでにはそれぞれの回答を私は要求いたしました。よって大臣も、これから内閣改造等もおありだと思うのでありますが、もちろん私は佐藤総理ではありませんから将来のことについてはわかりません。しかし中村運輸大臣は留任されてしかるべき人物かと私は思うのでありますが、その際は格別お願いすると同時に、よしんば、万が一党内人事のことからして留任されないでも、この七月十五日までもし御在任でありますれば解決を願いたいし、そうでなくて一般の、野に下るというか、台閣から去るということに相なりました場合には、次の運輸大臣に大きな問題としての引き継ぎをお願いしたいし、三番目には、いまだ佐藤内閣の閣僚として御在任中でありますので、早い時期に本問題を閣議の問題に提供をお願いできないものかと私は思うのでありますが、いかがでありましょうか。
  88. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 汽車料金等は、これは久保議員も指摘せられるように、私は安いほどいいと考えております。ただ国鉄経営の状態とやはりにらみ合わせなければなりませんので、割引運賃等につきましても、経営の許す範囲内で割引を十分やって、その方向で当然検討していくべきものであると考えております。  さらに、準急がなくなって、料金が高うなって汽車はおそうなったという御指摘でございますが、私は、国鉄全体の輸送実態というものはやはり向上しておるということを信じておるものでございまして、部分的にはいろいろ問題があるかもしれませんが、全体の目で見ていただくと、国鉄の事業の実態は大衆の要求に応ずるような方向で私は向上しつつある、かように信じておるものでございます。  そのほか御指摘がありました問題につきましては、これは運輸行政を預かる者の当然考えなければならない課題でございますので、私が在任しておる間は十二分に努力をすることを御約束いたしますと同時に、交代の際には当然次の責任者に申し送りまして、運輸行政の万全を期するように処理してまいりたい、かように考えておるものでございます。
  89. 久保三郎

    久保委員 大臣は私の主張を全部お聞きになっておりませんので、少しくいかがかと思う御発言もございましたが、鉄監局長、後刻おひまを見て大臣には御説明をいただきたい。あなたの主観を入れないで、ぼくがこう言ったと言ってください。  以上で終わります。ありがとうございました。      ————◇—————
  90. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 次に航空に関する件及び港湾に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
  91. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 時間もありませんし、私の質問の要旨は簡単明瞭をきわめます。したがいまして直蔵簡明に、要旨だけ重点に御答弁願いたいと思うのであります。いまのように鋭鋒鋭くも迫らないし、ごくおとなしい質問内容でございます。  ます、日ソ航空協定に関する項でありますが、これが妥結いたしまして、いわゆる世界を結ぶ第三の空路といわれますシベリア上空が開放されたことは、お互いに喜びにたえないところでありますが、問題は、運航開始の見通しはいかがかということであります。
  92. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 日ソ間の航空路につきましては、現在通信施設の設置、管制区域の設定等の、いわゆる協定附属書IIに基づく両国航空当局間の技術的とりきめはすでに済んでおります。現在日本航空及びアエロフロートのいわゆる共同運航に関する商務協定の締結につきまして、日本航空とアエロフロート及びソ連民間航空省間の航空機の賃借契約、いわゆるチャーター契約の締結、しかしてさらに日本航空及びアエロフロート両者によるわが国航空法上の免許、許可、認可等の取得という手続が残っておる現状でございます。商務契約及びチャーター契約につきましては、日本航空、アエロフロート及びソ連民間航空省の間で大筋の合意がすでに成立しておりまして、現在モスクワにおいて最終案文作成のための交渉が行なわれ、近日、七月上旬中には調印される見込みでございます。航空法上の手続は、両者から申請があってからなるべくすみやかに処理をいたしたいと思っておりますので、運航開始は早ければ七月末ごろになろうかと考えておる次第でございます。
  93. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 外務省、つけ加えることはありませんか。
  94. 山田淳治

    山田説明員 別にありません。
  95. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 この航路実現によりまして東京−モスクワ間、ひいては欧州諸都市が最短距離で結ばれるわけでございます。しかし今後わが国と密接な関係を持つと見られまする極東地域との距離は、実を申しますと少しも縮まらない勘定になるわけでございます。これを具体的に例を申し上げますならば、拠点でございますハバロフスク、これは一たんモスクワに至りまして、再びモスクワまで引き返さなければならないという大きな不便があるわけでございます。したがいまして、この首都間相互乗り入れが、もう間もないことでございますが、実現いたしました現在といたしまして、政府は思い切って新潟−ハバロフスク間の局地航路、この開設のお考えはないかということであります。
  96. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 新潟−ハバロフスクの問題は、これは将来の課題として当然考慮をしていくべき問題ではございますが、現時点におきましては、東京−モスクワ間を完全な日本の航空機で飛べるようになるようにあらゆる努力をいたしまして、現在のソ連との間に結んでおります協定の実現に努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  97. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 この間の航路実現のための障害がかりにあるといたしますならば、その理由を具体的にお示しを願いたいと思うのであります。
  98. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 大臣から申し上げましたように、さしあたって運航いたしますのが首都間相互で、しかもソ連機のチャーターという形でございますので、これをすみやかに自国機及び自国乗員による運航にするということが、まず先決すべき問題であろうと考えておるわけでございまして、高橋委員御指摘の、新潟−ハバロフスク線をかりに開設した場合に、技術的に何か障害があるかということでございますれば、技術的には特段の障害がないと申し上げたほうがいいと思いますが、いずれにいたしましても首都間相互自国機による乗り入れということをます実現すべきだというふうに考えておる次第でございます。
  99. 田澤吉郎

    ○田澤委員長代理 関連を許します。泊谷裕夫君。
  100. 泊谷裕夫

    泊谷委員 運輸大臣にお尋ねをしたいのですけれども、今次の航空企業の再編成の問題といったらいいのか、日航と国内航空との問題について、昨日の交通新聞によりますと、日航の松尾社長は、国内航空との妥結に際しまして、今後は国会の協力を得てということばを使っております。前回、国内航空が発足する際の富士、日東、北日本、これが合併する際には、たしか綾部運輸大臣時代でありましたけれども、当委員会は小委員会まで設置をいたしまして、相当長時間論議をしたのでありますけれども、中村運輸大臣はこの問題についていつ国会相談を持ちかけるのか、それをます明らかにしていただきたいと思います。
  101. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 航空企業の再編成といいますか合理化を進めてまいります過程におきまして、いますぐ問題になってまいりますのは、ローカル線等の不採算路線の問題でございますが、そういう問題、あるいは乗員の養成施設とか、いろいろそういう航空企業の力だけでは解決し得ないような問題につきましては、できるだけ早い機会に委員会等の御協力を得て、そうして航空企業の体制を強化してまいりたい、かように考えております。   〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕
  102. 泊谷裕夫

    泊谷委員 国会はもうきょうでおしまいでありますから、私は当然事前に相談があってしかるべきであると思いましたけれども、もうこの時点ではそれもせんないことでありますから、そのことについては強く追及しようと思いませんけれども、日航と国内航空の始末をさせるためには経済界の協力を求めた、その中に日航の会長が責任者として入ってこの問題を調整せしめるということについては、第三者的な立場からながめてどうしてもふに落ちないのでありますが、なぜ日航の会長が調整の主たる任務を担当するように配置をしたのか、その必要性についてお答えいただきたいと思います。
  103. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 航空企業の集約化を深めていきます際に、当然これは当事者同士で御相談をしてもらって解決をしていくのが一番正しい姿である、かように考えてきたのであります。ただ、それぞれの企業にはやはり利害関係等もございますので、日本の経団連の会長、副会長の石坂、植村両長老にあっせん役、お世話役をお願いしたわけでございまして、日航の会長の植村氏に委嘱したというようなことではないのであります。ただ、両者を兼ねていられるということでありますけれども、私のほうでお願いしました対象は、経団連の会長、副会長、しかもこれは財界の長老として世間も認めておりますりっぱな人格者でありますので、そういう意味でお世話役をお願いしたわけでございます。
  104. 泊谷裕夫

    泊谷委員 大臣がいま冒頭にお答えに際して、利害関係があって両当事者間で話をするのが好ましい、こういうふうに規定づけられておって、同じ人が片や経団連の副会長、片や日航の会長という人に委嘱をするというのは、何と言いましょうとも、前段で言ったことは相矛盾しませんか。と同時に、この国内航空の場合は、地域の地方自治団体に対してしかるべく応援方を要請して今日の企業が成立したと思うのでありますが、これは関係する地方団体の意見はどういう形において聴取され、そうしてその作業は進められておるのか、その具体的な内容を明らかにしていただきたいと思います。
  105. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 今回の経営基盤の強化に対してとりました措置のうちで、日本航空と日本国内航空との関係は、たてまえとしては、まず両者の自主的協議というたてまえをとりました次第でございます。いま大臣から申し上げましたように、なるべく官庁が直接その話の中に入らないというたてまえで、経済界の御両所にあっせんを願ったという次第でございます。したがいまして、われわれとして特に具体的にこの問題の中へ入るとか、あるいは他の地方公共団体にお願いするということはいたさなかった次第でございます。
  106. 泊谷裕夫

    泊谷委員 じゃ、航空局長の言われたのが筋だとすれば、松尾さんが新聞に出しております、国会筋との協力を得てなんという話は、私どもは聞く必要がありませんね。航空局なり運輸大臣はそう理解をしておるのでしょう。経団連で自主的にやったということであれば、私どもは関知しなくていいのですね。それが一つ。だとすれば、中村さんはこれについて閣議の了解事項をとったはずです。この前の委員会で私どものほうから一応申し上げておきましたが、どの企業をどうせいという意見まで発展しませんでしたが、いまのままでいくと、国内航空はローカルだけ、しかも飛ばせば飛ばすだけ赤字が出る企業で、結局は野たれ死にするのを待つという答えしか航空政策から見ればない。そうでないとするならば、当然運輸大臣なり航空局長の手元から航空企業に対する青写真が本委員会に提示されて、私どもを含めた議論があって、その任務のためにこの企業をこうするというスケジュールがあっていいはずであります。でありますが、それもいままで一度もなされていないのでありますから、結局はそういう形をとらざるを得ないと思うのでありますが、ともあれ二つ目のお尋ねとして閣議で了解事項をとったということが新聞に報じられておりますが、中村さんとして閣議了解事項をとる際に、この国内航空に対する事後の経営についていかなる措置をとるように提案され、閣議了解されたものか、その詳細をこの際御報告いただきたいと思います。
  107. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 いまお話の出ました航空企業の経営基盤の強化につきましては、本年五月二十日付で閣議の了解をとっております。その大骨を申し上げますと、まず幹線につきまして、各企業における保有機数の増加を抑制することにより需給の調整をはかるというのが第一点でございます。第二点が、日本航空と日本国内航空とは、適正な条件により将来合併することを前提として、適正な条件により運営の一体化をはかるというのが第二点でございます。第三点は、日本航空は、全日本空輸とは営業及び技術の両面において運営の協調化をはかるというのが第三点でございます。  ローカル線につきましては、航空企業の経営合理化の徹底をはかるとともに、ローカル線運営企業の幹線企業への統合を促進するということでございます。なおそのほかに、政府において飛行場の改善整備、乗員養成施設の充実強化等の施策を強力に推進するということでございます。以上が閣議了解の内容でございます。
  108. 泊谷裕夫

    泊谷委員 閣議了解事項航空局長に聞かしてもらおうと思わなかったのです。あれば、もう少し早く国会に対してそれを報告すべきでありましょう。BOACが落ちた、カナダ航空事故を起こした、そして全日空の事故についてもずいぶん鳴りもの入りで宣伝をしておりましたけれども、結果的に予備費を利用してやるなどとあなた方は演説を打たれておるのだけれども、いまの時点で何がなされたか。航空管制官のわずか二、三増員にとどまるだけでありましょう。ローカル空港の時間帯の延長は間違いなく実施されるのですか。
  109. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 今回の事故に伴う緊急の措置でございますが、いま先生指摘のように、予算上いろいろ問題がございましたが、乗員につきましては全体で百八名、今年度におきます凍結定員の解除を認めていただいたわけでございます。そのほかに、航空保安施設の整備等の緊急措置を実施するという措置をとったわけでございます。  なお、ローカル空港につきます十四時間運用でございますが、これはすでに四十一年度の当初予算におきましてお認めをいただいたわけでございますが、一部職員の住宅対策その他でおくれておるものがございますが、これは早急に実施すべく、いま関係のところと協議をいたしておる段階でございます。
  110. 泊谷裕夫

    泊谷委員 関連ですからこれで最後にしますけれども、一つ不満を申し上げておきます。いままで運輸委員会は、昭和三十八年、三十九年はほぼ国鉄問題を中心に、そして四十九年の上期は中小私鉄の経営をいかに確立せしめるかということに力を入れて、さらに港湾整備について体系づけてこの問題を整理してきた。私はほかの委員会に見られないよさがあったと思うのです。ところが、今度中村運輸大臣古川委員長の組み合わせになってから、どうしたものか、あれだけ大きな航空事故が起きておるのに、従前あった航空小委員会も一回も開かず、また設置しようともしない。この大きな問題を経団連にまかして、閣議の了解事項をとって、そしてあとの始末だけは国会相談させるということでは、私は迷惑千万な話だと思うのです。これじゃ国会は必要ないじゃないか。役人と財界の人だけでやって、あと採算が合うとか合わないとかいうことで国会の中にぶち込むということは、私は迷惑千万な話だと思うのです。このいままでやってまいりました運輸委員会でことしは何をやったか、運賃値上げだけでしょう。あと見るべきもの何もない。そういうことでいいのか悪いのか、最終日にあたりましてこれは大臣からと委員長から考え方を明らかにしてほしい。と同時に、これで最後ですから、お互いに私ども代議士なり、政治に携わるものとして尋ねておきたいのですけれども、前回北日本、日東、富士が合併する際、基盤が弱かったせいもありましょうけれども、合同劇に一生懸命働いておりますその当該企業の従業員があせるあまり、大分で、あるいは大阪の空港で、合同寸前に矢つぎばやに飛行機をひっくり返してしまった、こういう事故が発生した。今回の国内航空と日航の問題にしましても、日東や富士はよくわかりませんけれども、北日本のごときは三年間も昇給ストップで、自分でペンチを買って、むしろの上に寝ころんで機械を整備し、そうして飛行機を飛ばして今日まできた。結果的に一回の事故も起こしたことがないということで、航空事業に携わることをたった一つの楽しみにして、歯を食いしばってがんばってきた者が、全然自分たちの意思も発表できずに、自分たちの選んだ国会議員を通じて国会の場で議論もさしてもらえないままに、人員整理だ、あるいは採るだ採らぬだということを松尾さんと菅野さんとがやり合って、大きな動揺を与えて、ローカルしか運営できないこの国内航空が、万が一、不吉な話でありますが、前回の合併のときと同じように事故を起こしたとするならば、一体だれがその責任をとってくれるのか。この点大臣から責任を持った答弁と、特に雇用関係について不安動揺を持っております当該企業の従業員に、心配ないということをこの委員会を通して約束できるのかどうか、それを明らかにしていただきたいと思います。
  111. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 航空企業の集約化にあたりましては、従業員等に不安動揺を起こさないように十分配慮して進めるように、政府といたしましても注意をいたしておる次第でございます。
  112. 泊谷裕夫

    泊谷委員 三つ尋ねておるのですよ、委員長にも大臣にも。いま大臣が言うように、不安動揺のないように——現実に起きている。それは与党のさる代議士だって同じでしょう、千歳におりるたびに押えられて、当該企業の者から聞かれること、これが六カ月であります。ところが、それほど胸を張って不安動揺のないことをやっているというなら、具体的にどういう措置をやっているのか、それを明らかにしてください。全部この合併によって吸収され、そして今日までがんばってきた意欲をそのまま続ける限り、企業からはみ出すことがないということが、あなたの口から約束できるのかどうか、それを明らかにしてください。
  113. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 航空企業の当事者同士で協議をいたして、合併あるいは集約化等の問題は進めておるのでございます。政府といたしましては、その際に従業員等の処置については不安動揺を起こさないように十分配慮をして事に処するようにという注意を申し上げておる次第でございます。
  114. 泊谷裕夫

    泊谷委員 現実に起きておるのです。きょうはそれで起きておるということを私から地元の空気としてあなたに話を申し上、げたのですから、どういう措置を具体的にとられますか、それを明らかにしてください。
  115. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 不安動揺が起こらないように十分配慮してやるようにという注意を、企業の責任者に伝えるということでございます。
  116. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そのことは、日航と国内航空がどういう形になろうと、まじめにやっていた者はそのまま雇用関係が確保されるというふうに理解されていいのですか。
  117. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 当事者の責任者同士で話し合っておりますので、その内容は私は詳細に存知しておらぬのであります。ただ、航空企業の集約化を話し合っていきます場合に一番大切なことは、従業員の不安動揺を起こさないような処置であるということで、当然責任者同士で話し合っておるはずだと私は信じております。
  118. 泊谷裕夫

    泊谷委員 私は社会党に所属するから、自分の畑の者のことを言うのではありません。またまた大阪空港や大分空港で起きた事故のようなことが出てから、わあわあ言ったって始まらぬと思うのですよ。あなた方は、なぜ国会にも相談を持ちかけて、私どもにもそういう不安のあることを発言する機会も与えないで、そこを責めれば業界、経済界に要請をしている、お願いをしている……。働いておる者が、いままで一回も事故を起こさぬだけがんばって、昇給は三年もストップですよ。そうしてあなた方かってに、企業がどうのこうのということを言っているけれども、従業員の立場になったら、どうしてくれるのですか。これでまたつますいたからといって、従業員が責められてしかるべきものなんですか。その点は当該監督官庁の大臣として一番先に、とにかく事故のないように配慮して、そのあと経営がどうかこうかということをやるのが筋でありましょう。それを第二義的に置いているあなたの考え方というのはどういうものです。それが違うとするならば、松尾君、菅野君にこういうことを言って、それを実施されているから従業員に動揺はないはずだということをここで言えるはずだと思うのです。抽象的な、そして現実に不安動揺がきております者に、お通夜の晩に薬を届けるような話じゃ、きょうは帰れないのです。あしたから一斉に選挙区へ帰るわけでありますから、逃げ場のないところでありますから、動揺しておる現実をどうとめるかということをあなたから一これは企業の問題ではありません、航空行政全般の問題としてどういう措置をとるのか、この点だけは明らかにしてほしいと思うのです。
  119. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 私は航空企業の安全を確保する一番大切な問題は、従業員が安心して仕事に対処していけることだと思っております。そこで、先般から各企業の責任者を集めて、航空企業の集約化を話し合って進めるように手配いたしましたときも、その点を十分申し伝えまして、各企業の責任者はその点を十二分に考えて、今日それぞれの処置を進めておるはずでございますので、不安動揺をしておられる人があるとすれば、それは私はやはり心配をし過ぎておられるような点があるのではないか、かように考えます。日航でも国内航空でも、責任者はその点は、従業員の処置というようなものは、非常に慎重に配慮をして話を進めておるはずでございますから、私は不安を起こされるようなことはないような話し合いが進められておるということを信じておる次第でございます。
  120. 泊谷裕夫

    泊谷委員 もう一つだけ。中村さん。団体交渉じゃないんです。国会ですから、あなたがそうおっしゃられるとすれば、松尾さんなり菅野さんにーローカルだけ運航する国内航空は、飛ばせば飛ばすだけ赤字になる。しかし地域開発の要請にこたえて飛ばさなければならぬ。そのためには政策上の措置がなければならぬでしょう。閣議の了解事項を取りつけたというのだから、あなたは私の質問に答えて、こうすることによって国内航空も間違いなく経営ができる、だから君らも不安動揺がないように、それを信頼して従来どおりがんばるべきだという話が、あなたの場合は必要になる。ただ説教を聞くだけなら、学校に行って講座を聞いていればいい。ここは政治家の集まりで、特にあなたは主管事務の責任者である大臣であります。でありますから、国内航空側に、こうすることによって当然経営は成り立つはずだという具体的なものを提示されたはずなんです。それをお聞かせ願いたいと思うのです。
  121. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 日本航空と国内航空当事者同士で、国内航空の将来体質を強化していくという話は進められているわけであります。政府は、いろいろ干渉しましてこうせよああせよという指図をしたわけではございません。そこで先ほど御心配のありますようないわゆる従業員の問題も、先ほど言いますように、航空企業の責任者が一番大きな問題としておりますのは安全運航でございますので、その安全運航のためには、従業員に不安動揺があるようなことではそういうことが実現できないのであります。そういう点は当の責任者としても十分心得ておるはずでございますし、さらに大臣といたしましても、集約化を進める際に、両方の責任者を呼びまして、その点は十分注意をいたしておりますから、その配慮の上で双方の協議は進められておるということを私はかたく信じておるものでございます。
  122. 關谷勝利

    ○關谷委員 関連。いま泊谷委員と大臣との間の質疑応答を聞いておりまして、大臣のお話は、日本航空と国内航空と両当事者間で自主的に話し合いをさせておる、役所の介入すべき問題ではないというお話がありましたが、これには役所が介入をして、役所がある程度の線を出さなければこの問題は解決がつきません。両当事者間にまかしただけでは、国内航空というものは野たれ死にをする以外には方法はないのであります。  そこで私は御参考までに、いまの泊谷委員と大臣との間の質疑応答を聞いておって、私の私見でありますが、両者を合併さして、安全運航をさして、事故をなくするためにはi幹線輸送の問題につきましては、両当事者間で話し合いがついて調印も終わったそうであります。そうして聞くところによりますと、従来国内航空経営をしておって、年々十五億程度の赤字を出しておったその幹線輸送の赤字は将来出なくなる。日本航空経営することによって、その利益の十一分の二を受け取ることになるので、欠損がなくなるのと同時に、その分の利益配当にあずかる。来年からはまたその比率が十二分の三になり、追い追いふえてくるということで、この点はひとます解決がついておるといって差しつかえないと思います。  ところが、残されたローカル輸送の問題であります。これを解決いたします際には、何と申しましても、これは政府の行政措置がなかったならばとうていやれません。そこで私がます第一番に申し上げたいのは、僻地航空路整備法をつくって、将来どんなに能率的に経営をやっても赤字を余儀なくせられるような僻地航空路に対しましては、その生ずる欠損を国と地方公共団体とが分担をして、九割と一割になるか、八割と二割になるか知りませんが、それで赤字を埋めてやるという方法をとらなかったならば、国内航空と日本航空のローカルの合併というようなことはできないということをはっきり申し上げておきます。どのような頭のいい人が考えましても、これなくしてはできないんだということをひとつ銘記していただきたいのであります。地方開発その他でどうしてもなければならないこの僻地の航路確保のためには赤字を補てんすべしというのが、業界の再編成の根本になることを私は銘記していただきたいと思います。これは離島航路整備法、地方鉄道軌道整備法との均衡上でも当然しかるべきものでありまして、すでに離島と鉄道とにはこれができておるのでありますから、航空路においても当然なすべき措置であると思いますので、これは早急に具体案をつくって、これの実現をはかる方向に持っていってもらいたいと思います。そうなりますと、将来に対しては不安がなくなってまいります。  現在までの累積赤字についてはどういうふうにするか、これも私の私見でありますので御参考までに聞いていただきたい。  第一点は、出資者も当然この赤字については責任がありますので、三分の一の責任は負うべきであります。そうしてそれについての減資をし、減資しただけのものはこれは増資すべきであります。これが第一点。第二点は、日航はこの赤字補てんをすることを前提とするローカル輸送を引き受けた場合には、その路線権というようなことも考えましょうし、さらにはこれが幹線輸送の培養線となるというようなことも考えて、この場合に当然三分の一のものは日航もこれを見てやるべきだというふうに私は考えております。それともう一つは、政府がこのような免許をした行政の責任は、これはのがれるというわけにはまいりません。これについては、北方の不採算路線のみを経営させたという責任もありましょうし、いろいろな点を総合いたしまして、政府はこの際積極的に働いて、債務のたな上げというふうな方法、あるいは利子補給というふうな方法を考えまして、それによってそれが三分の一の責任を負うと同等の効果があるような方法を考えるべきであろうと思います。  こういうふうなことを考えなかったならば、再編成というものは絶対にできるものではありません。いままで公共事業として、しかも赤字に悩みながら一生懸命で働いてきた、航空事業に従事したそれらの努力も考えてやるべきであって、ここまでやってこそ初めて業界の再編成もでき、従業員も安心して従事することができて、事故を防止することができるのであります。これは私の考えておる私見であります。私見でありますので、このとおりいくかいかぬかわかりませんけれども、こうする以外に方法がないであろう。私が多年携わっておった海上の関係、陸上の関係その他を考えました際に、こういうふうにする以外には解決の方法はないのではなかろうかと考えておりますので、私がいま申し上げたことに対して直ちに御返答を願おうとは申しませんが、よくひとつ大臣も局長も重要な参考にしていただきたいということだけを関連して申し上げておきます。
  123. 泊谷裕夫

    泊谷委員 人員の問題が気になってしょうがないのです。現地側はたいへん動揺しています。大臣はその部分は事務局におまかせしているような印象を受けますから、従業員が動揺して事故を起こしたらたいへんなことになりますから、佐藤航空局長は当然これは考慮されて措置をされておると思いますので、ひとつその事務的な面からお答えをいただきまして、そのあと大臣からそれに対する考えを明らかにしてもらう、こういうことにして私の質問は終わることにしたいと思います。
  124. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 泊谷先生指摘のように、今回の問題が生じましたのは、安全対策が発端でございます。安全対策上経営基盤を強化するということを考えたわけでございます。したがってその内容といたしまして、先ほど申し上げましたように、幹線につきましては先ほどのような措置を講ずることによって、収益力が非常に弱かった幹線はその収益力を高める措置ができるということであったわけでございます。その他、ただいま關谷先生から非常に貴重なお話がございましたが、こういうようなことを総合的にやることによりまして、この企業が企業として将来成り立ち得るというめどをつけてやることができたとわれわれは考えておる次第でございます。ただ、これが将来具体的にどういうふうにいくかということは、いま關谷先生からもお話がございましたようなローカル線の助成の問題もございます。その他具体的にいろいろ問題があるわけでございますが、現段階において直ちに人員整理というような問題が起こるというふうにはわれわれは考えておりません。
  125. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 先ほど關谷君から非常に適切な御意見を拝聴いたしたのでございますが、私もやはり不採算路線、ローカル路線航空企業全体の問題として目下検討させておる課題でございまして、国内航空のローカル線における赤字だけを対象として考えておらぬのでございます。それで、全体の問題としていま検討させておる段階でございます。近く立法化して何らかの対策を立て、皆さま方の御審議をお願いするような所存でございます。  それから人員の問題は、先ほどから申しますように、この間から新聞等でも私も見まして、日航と国内航空との話し合いの過程において従業員の心配するような線が出てこないように聞きましたので、日航の社長を呼んで、この際従業員に不安を起こすことのないような格段の配慮をしながら話を進めるようにということを十分注意をいたしておる次第でございます。
  126. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは、いま關谷さんから具体的な提案があったわけで、それが出るまでは航空局長としても大臣としても、当該企業の責任者に人員整理だ何だということで必要以上の動揺を与えないような措置を当然とっていただけるものと思うのですが、誤りないでしょうね。
  127. 中村寅太

    ○中村(寅)国務大臣 各航空企業の集約化によって従業員が動揺することのないように、政府といたしましては万全の処置をとってまいりたいと考えております。
  128. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 最近ソ連から年間約二十億立方メートルの液化ガスを輸入する話を聞いておるのであります。しかも、これはほんとうかどうかわかりませんが、第一船入港は昭和四十三年の秋であるというような目標が立てられているということであります。これは基地をどうするかというような問題もいろいろございましょうけれども、必ずや新潟、直江津というような新潟の地域開発進展に寄せる期待は大きいというようなことで、地元も、騒ぐといってはおかしいのですが、特に使節と申しましてみずから県知事、市長等ともソビエトへ行っているわけでございます。それだけ県民の期待しまする期待空気というのが非常なムードとしてあらわれているわけなんでございますが、これは予想にすぎないのであります。あなたのほうでは、しからば輸入開始の時期はいつかという質問に対してお答えをいただきたいのであります。
  129. 両角良彦

    ○両角政府委員 お答えいたします。  北樺太の天然ガスの輸入問題は、ただいま御指摘のございましたように、北樺太オハ地区におきまして年間約四十億立米の天然ガスを開発をいたしまして、そのうちの半分の二十億立米をわが国に輸出したいということで、本年の一月ソ連側から提案がございました。なお、これに対しまして、ソ連は日本側から現地の開発設備及び資材、パイプラインでございますとか、あるいは液化設備、タンカー等を長期延べ払いで購入をいたしたい、こういうことで交渉があった次第でございます。その後本件は交渉が難航いたしましたが、目下第二回の交渉をモスクワにおいて継続中でございます。したがいまして、政府といたしましても、新潟地区を中心といたしまする天然ガス需給の現状にかんがみまして、本件の実現方につきまして前向きの姿勢で十分努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  130. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 しかし、この液化天然ガスというのは、私どもにわからない危険物でありますだけに、受け入れということについては万全の措置をとらなければならぬと思うのであります。何にいたしましても、これに関係深いものは陸揚げ港となろうと思うのであります。港湾局長にお尋ねしたいのですけれども、新潟県の二カ所と申しましたが、新潟の東港、それから直江津、この二港の受け入れ整備状況はどうかということについてお尋ねいたしたい。
  131. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 私どもが県並びに市当局から聞いておりますところでは、昭和四十三年の九月以降ということでございまして、それまでには、新潟の東港につきましては受け入れ態勢の計画ができておりまして、もしこれが確定いたしますれば間に合わすことができると思います。もう一つの直江津港でございますが、これにつきましては、もともと直江津はそう大きな港でございません。したがいまして、いまだに、県当局が今後この受け入れについてどのような施設をするかということについて計画が確定しておらないわけでございます。私どもは、計画が確定すれば間に合わせ得ると思いまして、早急に計画を確定してほしいということを直江津港については要望しているのが現状でございます。
  132. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 特に、お話しになりました直江津港の場合でありますが、三万五千容量トシとか一万五千容量トンの液化ガス専用タンカーが六日に一回ピストン的に入港してまいりまする受け入れを持たなければならぬということであります。これについては相当の整備計画を要すると思うのでありまするが、いろいろ皮算用をいたしまして、建設事業費が二十七億円程度というのはほんとうでしょうか。その程度の追加で間に合うかどうか、この際お聞きしたいのであります。
  133. 佐藤肇

    佐藤(肇)政府委員 直江津港の場合は問題になりますのは、どこに貯蔵のタンク工場をつくるかということでございまして、その場所さえきまれば、先ほどお話のございました三万三千トンの船というのは、港湾の水深で申し上げますと十メートルの水深でいいわけでございますから、私どもはそれに対する接岸施設はできると思います。先ほどおっしゃられました二十七億円というのは、工場施設の金であるか港湾の金であるのかちょっとわかりかねますが、港湾につきましては、先ほど申し上げましたように、位置が確定しておりませんので資金計画もまだできておらないというのが現状でございます。
  134. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に、航空局長に、また御迷惑ながら国内ローカル線に移るわけでございまするが、将来、YS11型機で統一する方針で施策を進めておられるということを聞いておるのでありますけれども、実は佐渡も来年の春からこれを運航させるようにということで、それぞれ市当局あるいは県におきましては運航希望があるわけでございます。何にいたしましても、佐渡は観光地でございますだけに、非常に希望しております。でありますけれども、何せ、第三種空港というものの指定は得ておるのでありまするが、実態がそれに伴うておらぬというそしりを受けましてもしかたのないような状態でございます。るる申しません。あなたの手元では全部承知しておりまするから重複を避けますけれども、障害物除去の問題でございます。地元関係者との話し合いがうまくまいっているかどうか、それをまずお尋ねしたいのでございます。
  135. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 障害物撤去につきましては、先生御承知のように、地元も従来非常に努力をしていただいておりますし、われわれとも十分連絡をとって鋭意努力を続けておる、折衝の状態は現在においては比較的うまくいっておるというように考えておる次第でございます。
  136. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 ここで問題がありますが、私のこれからお尋ねしますことはきわめて重要な影響力を持ちますので、はっきりした御答弁を賜わりたいと思うのであります。  まず、あなたのほうで指摘いたしまする障害物といたしましては、農協の建物四棟、電柱が三本、立ち木約二十八本と聞いておるのであります。それでとりあえず立ち木の伐採を要求しておられると思うのでありますが、地元民は、もしこの立ち木の伐採を承知いたしますると、やがてわれわれ民家の立ちのき要求にかかってくるということを心配しているわけでございます。過去のいろんな面からいたしまして些少の不信感を持っておりまする地元感情もございまして、かような、はたしてどうか、うまいこと言って、あとでまた、どうしても関連するこの分野だけはということで迫られては何もならぬということに対する心配があるのでございます。したがいまして、率直のところ、立ち木を除去いたしましたあと民家の立ちのきを要求することは絶対ない、そういう御答弁が得られるかどうか、明確に御回答願いたいのであります。
  137. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これはケースを分けて御説明を申し上げたほうがよろしいかと思いますが、計画では本年度は濃霧期の運航を考えておるわけでございまして、これの運航を確保するためには、設置管理者たる新潟県を指導いたしまして、本年末に旋回進入標識及び簡易進入角指示標識を設置さしたわけでございますが、御指摘のように樹木数十本を除去する必要があるので、これを現在鋭意折衝しておるところでございます。  次に、先ほど高橋委員も仰せられましたように、このローカル線についてはYS11を使うということに相なっておるわけでございます。したがって、われわれとしては将来の計画はYS11を基準にしてものを考えねばいかぬし、またそれで現在の計画に合うものであるというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、先ほど申し上げました樹木のほかに、農協倉庫四棟の移設、照明施設の設置を必要とするわけでありまして、これらは本年度から来年度早々にかけて実施する考えでございます。  そこで御質問の、樹木を除去したあとで民家の立ちのきを要求するかどうかという点でございますが、これについてはもちろん設置管理者は新潟県でございますので、新潟県が決定すべきことではありますが、わが省といたしましては民家の立ちのきを要求する計画は持っておりません。
  138. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 最後でありますが、新潟空港の整備拡張ということについてでございます。御承知のとおり新潟空港は日本海沿岸地帯におきましてはたった一つの第二種の空港でございます。重要な地位を占めておるわけでございますし、国内経済の交流促進に大きく寄与している、日本海沿岸におきまする開発拠点であるわけでございます。もちろん国内幹線の航空路といたしましても、飛躍的な発展を期待されている要衝でございます。したがいまして、関係者全部が何とか現在の状況よりも思い切った整備と、そしてその拡張が望ましいという念願に燃えているわけでございますが、その辺の具体的なものがありましたならばお示し願いたい。
  139. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 新潟空港につきましては、先生御承知のように、昭和三十九年度から災害復旧事業を三カ年計画で実施中であります。特にYS11の就航に対処するために、本年度は滑走路の舗装厚を増強する改良工事を実施しておるわけでございます。ローカル空港につきましては、航空機の大型化に対応し、定期性の確保、安全性の向上をはかるため、御指摘のように既設空港の拡張整備及び航空保安施設の充実強化を逐次推進していく考えでございますので、新潟空港の整備拡充につきましても、今後十分御趣旨を体しまして検討してまいりたいと考えておる次第でございます。      ————◇—————
  140. 古川丈吉

    古川委員長 次に、本日の請願日程全部を議題として、審査を行ないます。  本日の請願日程に掲載されております請願は百二十五件でございます。これらの各請願につきましては、委員各位もすでに文書表でその内容は御承知のとおりと存じますが、理事会において慎重に検討いたしましたので、これより直ちに採決したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。  本日の請願日程中、日程第五、第七ないし第二四、第四六ないし第五二、第六五ないし第七八、第八〇、第八一、第八三、第八四、第八六ないし第九七、第九九ないし第一〇二、第一〇四ないし第一二〇及び第一二二ないし第一二五の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決し、第一ないし第四、第六、第二五ないし第四二、第五四ないし第六四、第七九、第八五、第九八及び第一〇三の各請願はいずれも議決を要しないものと決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  144. 古川丈吉

    古川委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、委員各位のお手元に配付してありますとおり、三十四件であります。御報告申し上げておきます。      ————◇—————
  145. 古川丈吉

    古川委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  すなわち、都市鉄道整備促進法案、陸運に関する件、海運に関する件、航空に関する件、日本国有鉄道経営に関する件、港湾に関する件、海上保安に関する件、観光に関する件、気象に関する件を閉会中も引き続き審査を行ないたいと存じますので、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  147. 古川丈吉

    古川委員長 なお、これらの閉会中審査案件が本委員会に付託されました場合、委員を現地に派遣して実情を調査する必要があります場合には、その委員派遣承認申請の諸手続に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  149. 古川丈吉

    古川委員長 なお、閉会中の委員会において、緊急やむを得ず参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、その参考人招致に関する件の取り扱いにつきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時四十四分散会