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1966-04-06 第51回国会 衆議院 運輸委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年四月六日(水曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 壽原 正一君 理事 田澤 吉郎君    理事 田邉 國男君 理事 久保 三郎君    理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    小渕 恵三君       川野 芳滿君    木村 俊夫君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       長谷川 峻君    松浦周太郎君       山村新治郎君    小川 三男君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君       竹谷源太郎君  出席政府委員         内閣法制局参事         官         (第一部長)  関  道雄君         総理府総務副長         官       細田 吉藏君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房陸上交通安         全調査室長)  宮崎 清文君         大蔵事務官         (銀行局長)  佐竹  浩君         大蔵事務官         (銀行局保険部         長)      上林 英男君         運輸政務次官  福井  勇君         運輸事務官         (自動車局長) 坪井 為次君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君         消防庁次長   川合  武君  委員外出席者         警  視  長         (警察庁交通局         交通指導課長) 広山 紫朗君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局監察審         議官)     諸永  直君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局総合研         究課長)    緒方 雅彦君         法務事務官         (人権擁護局総         務課長)    辻本 隆一君         厚生事務官         (医務局総務課         長)      中村 一成君         農林事務官         (農政局参事         官)      横尾 正之君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 四月一日  委員内海清辞任につき、その補欠として春日  一幸君が議長指名委員に選任された。 同日  委員春日一幸辞任につき、その補欠として内  海清君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月四日  備讃瀬戸航路しゆんせつ等による香川県下の漁  業被害補償に関する請願福田繁芳紹介)(  第二三〇七号)  嬉野新線建設に関する請願外九件(大坪保雄君  紹介)(第二四〇八号)  同外九件(舘林三喜男紹介)(第二四〇九号)  同外九件(三池信紹介)(第二四一〇号)  備作線建設に関する請願亀山孝一紹介)(  第二四一一号)  同(黒田寿男紹介)(第二四一二号)  相互保険による自動車損害賠償自家保障制度に  関する請願山田彌一紹介)(第二五六四  号)  臨時行政調査会及び地方制度調査会の答申に基  づく運輸行政分断反対に関する請願外五件(  山田彌一紹介)(第二五六五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一〇六号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 前回に引き続いて関係の向きに質問をするわけでありますが、関係する個所が非常に多くなりましたので、順序を立てて逐次御質問申し上げます。  なお、質問の済み次第、私から申し上げた場合は、私としては御退席になってよろしいと思いますので、あらかじめ断わっておきます。  それじゃ、法制局おいでですね。前回質問した中身は御承知かと思うのでありますが、埼玉川口市において、市条例によって市自体交通災害共済制度をつくった。この四月一日から発足しておるようでありますが、その起こりは、新聞記事から知ったわけでありますが、これをつくる過程において、言うならば大蔵省はそういう制度自体は困ると言ったのか悪いと言ったのかわかりませんが、そういうことでいろいろ話があったが、最終的には法制局見解川口当局が求めて、その結果これは合法というか、よろしいということになって発足したのだという記事があります。  ついてはこれは全国的な問題でもあるので、法制局で法の解釈をオーソライズしたとするならばどういうふうにしたのか。これは、自賠責というか、いま審議中の法律保険といわれる。ところが、川口市が一日から行なったものは共済制度、その中の一つ制度のようにとれるわけであります。  そこで法制局にお伺いしたいのは、川口市が行なった共済制度というのは、どういう点で制度としては正しいのか、この見解をお示しいただきたい。
  4. 関道雄

    関政府委員 先生いま御指摘になりました新聞記事は、私も拝見しましたのですが、実は多少誤りがありまして、その点から経過をお話ししたほうがいいかと思います。  これは去年の十二月の中旬であったかと思いますが、大蔵省自治省の係官が私の部の担当参事官のところに参りまして、当時の川口市で考えておったところの条例の案なるものにつきまして、保険業法等との関係はどんなものであろうかという御相談があったことは事実でございます。それにつきまして、私ども研究をいたしまして、名前が何であれ、どうも国の一般の国民とか、あるいは地方公共団体住民というような地位そのものに基づいて共済という関係は、非常に成り立ちにくいのではないかというふうに考える。それでは一体、当時考えておったような案なるものが保険業に当たるかどうかということにつきましては、実は、御承知のごとく、保険につきましてはいろいろな保険数理上の問題等がございまして、法制局では判断のつきかねる問題でございますので、これは大蔵省において保険業に当たるとすれば、もちろん地方公共団体保険業を営むわけにはいかないのではないかということで、そういう趣旨のことを御相談に応じて申し上げた経緯がございます。直接に川口市から御相談を受けたこともございませんし、それについていいとか悪いとか申したことも、したがってございません。そういう経緯がございます。
  5. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、法制局としては、自治省及び大蔵省担当の者からこの制度について問い合わせがあった。いまむずかしいことばもたくさん並べられたのでよくわからないのでありますが、結論として、この交通共済川口共済といいますか、このものは、どういうふうに解釈されますか。結論としてどうなのか。
  6. 関道雄

    関政府委員 御承知のごとく、法制局自分行政をやっておりませんものですから、ある具体的な現象が直ちに保険業法にいう保険業に当たるとか当たらないとかいう判断を下すだけの能力がないわけでございますので、したがって抽象的にお答えをしたわけで、地方公共団体の営みます事業でございますから、住民福祉になることでありますれば、一定の範囲内でそういうことができないとは言えないということが一点。  それから、かりにその事業保険業に当たるとすれば、これは保険業法及び地方自治法の両方を照らし合わせてみまして、保険業に当たるものを営むわけにはいかないだろう。その判断は、これは当然大蔵省において下すべきであるという趣旨答弁をいたしたわけでございます。
  7. 久保三郎

    久保委員 どうもお話がぴったりしないのでありますが、法制局自分仕事をしていないからいいか悪いかの判断はできない——判断ができないのですか、判断をすることが誤りなんですか、どっちですか。判断することができない、そういう立場にあるのですか。たいへんこれは横道にそれて悪いですが……。  私の聞かんとするところは、それでは、あなたのほうは、川口共済というか、これについては関係はない。この合法性か何か、そんなものについては関係ない。だから、言うなら、銀行局自治省のほうで、それぞれ自分の持っている権限というかあるいは解釈というか、そういうものでやってよろしいのだ、こう考えていいのかどうか。
  8. 関道雄

    関政府委員 私のほうで申しましたことは、結局保険業法にいう保険業に当たれば、地方公共団体たる川口市がこれを営むわけにはいかない。そうでなくて、住民福祉に関する事業保険業に当たらないものであれば、やってもさしつかえないであろう。その点は具体的に川口市で計画しております事業内容検討してみませんとわからないわけで、その検討資料——法制局においては資料と申しますか、能力がないわけで、これは保険業法を施行しておる大蔵省において判断すべきであるということを、その当時申したということでございます。
  9. 久保三郎

    久保委員 自治省はまだですか。——それでは銀行局長銀行局長でなくて専門家おいでですか。あなたのほうは川口共済について法制局の何のために担当官を派遣して問い合わせをしたのか、その目的は何であったか、おっしゃってください。
  10. 上林英男

    上林政府委員 先般の御質問にもお答えいたしましたように、当初の案におきましては、この共済事業といいますか、それに入ります者につきましては一年に三百六十五円の掛け金をとる、そうして交通上等の事故が起こりまして死亡をしたりいたします場合には、五十万円を支払うというような計画になっております。一応これは保険料を集めて保険金を支払うというものに似ておるわけで、かつ、当初も申し上げましたように、保険ということばを使っておられたわけであります。したがいまして、保険業法違反の疑いがあるということでいろいろ検討をいたしたわけであります。なお、その法律的な性格地位などにつきましても、直接地方公共団体を御担当になります自治省なり、あるいは法制局なりに御相談をし、そうしていま第一部長のほうからお話のありましたような御見解を得まして、なかなかむずかしい問題ではあると思いましたが、保険業法違反ではないという確証は私どもなかったわけでございます。特に慎重に扱っていただきたいということで申し上げたわけでございます。
  11. 久保三郎

    久保委員 自治省が来ないので話が進まぬのでありますが、もう少し早く呼んでもらわぬとほかの人も迷惑だと思う。  それでは保険部長、これは川口市役所の、例の一日一円であなたを守る交通災害共済というので、市民の皆さんに配ってそれぞれ加入を呼びかけている資料です。これを見ますと、あなたが保険でないというそのあれは、たとえば保険金に類するものはいわゆる保険金とはいえないから見舞金、それから給付の額も五十万以内、いわゆる以内という字をつけてある、あとはもう大体同じだろうと思うのです。  そこで、これは法制局に聞いたほうがいいと思うのでありますが、共済保険との違いはどこにありますか。というのは、こういう形式的なことを聞いているのではないのです。保険金給付は何円、何万円とか保険金なら書くわけです。共済の場合は以内と書けばいいとか、それは保険法に抵触しないとかいうようなことを、いままで銀行局長を中心に聞いてきたわけですが、法制局見解として共済保険の大きな違いはどこにあるのか。
  12. 関道雄

    関政府委員 共済保険というものの区別ということにつきましては、先生も御承知のとおり、学者の著書等を見ましても、いろいろな、なかなかむずかしいことが書いてございますが、現行法制について突き詰めて考えていきますと、共済というものは、結局それに加入しておる者がみずから相互救済という精神を持っているところに成り立つ、そのためには、そういう相互救済という精神が成り立つだけの基盤といいますか、そういうものが必要である。それは特殊の職業にみんな従事している者の間であるとか、そういう何か社会的な人的な一つの特殊の社会といいますか、そういうものがまず基盤にありまして、その社会に属する者の間に初めて相互に助け合おうという精神が成り立つものと認めて、そこに法律共済というものの特殊の性格を認めるという関係に相なるだろうと思います。それに反しまして保険というのは、全く個人個人自分の危険を分散しておこうという経済的な打算といいますか、計算といいますか、そういうものの上にそういう計算が合えば直ちに成立するところの関係である。そこに本質的な差があるのではないかと思います。その結果として、通常の場合、極端な例でございますが、共済の最も原始的な形といいますか、それだけに最も基本的な形と考えられまずものは、損得を度外視いたしまして、何か不幸があったときに、その社会に属する人が金を出してそれの救済に当たるというような、きわめて原始的な形がまず共済の本来の姿であったものが、だんだん発達をいたしまして、いろいろ経済的にもある程度成り立つような形態にまでいま発達してきているわけだと思います。それに反しまして保険というのは、そういうこと等は度外視いたしまして、全く経済的観念から引き合うかどうかという関係だけで結びついた関係保険関係である。本質的な差と申しますれば、そこにあるのではないかというふうに考えております。
  13. 久保三郎

    久保委員 自治省おいでになったからお尋ねするのでありますが、埼玉県の川口市でもってこの四月一日から一日一円、年間三百六十五円かけて、交通災害にあったときにはいわゆる見舞い金を払うという制度ができたわけですが、できるまでの過程において、いまも話を聞きましたら、あなたのほうの担当官銀行局担当官が行って法制局見解を求められた。そこまではわかった。求められたその見解に基づいて、川口当局に再三にわたって注意をされたような新聞記事が出ておるわけです。自治省として川口当局に対して、この交通災害共済制度についてどういうふうな、指示というか反省というかわかりませんが、話をしたのか、それをまずひとつ聞きたい。
  14. 佐久間彊

    佐久間政府委員 本件につきましては、これが保険事業に該当するかどうかということが、私どもに御相談がありました際にも問題といたしました点でございます。もし保険事業に該当するということになりますと、法律上できないことになるわけでございますので、違法な条例ということに相なるわけでございます。そこで、違法な条例ということになりますとこれはたいへんなことになりますので、私どもといたしましては、法制局大蔵省の御見解も伺っておったわけでございます。その結果、保険事業にぴたり該当するというところまでは結論が得られませんでしたので、これを取りやめろということは申しませんでしたけれども、その過程におきまして保険事業に該当するという心配が多いから、その点は十分留意をして扱ってほしいということで注意をいたしましたことはございます。
  15. 久保三郎

    久保委員 地方自治というか、そういうことについてこまかい点は私も存じませんが、たとえばいまお話が出ました川口市の交通共済というか、そういうものができたのでありますが、 これは自治省認可とか何かは必要ないことですか。
  16. 佐久間彊

    佐久間政府委員 地方自治法におきましては、法令に違反いたしません範囲内におきましては、地方公共団体がみずからの事務につきまして条例をつくるということは国の認可を要しません。
  17. 久保三郎

    久保委員 それから川口市がやっているいまのあれは、それはそれで正しいと思っておりますか。これはそれでよろしいのだという見解に基づいているわけですか。先ほどのお話では、法律に違反してはいかぬから、保険というか、そういうものに近いものであっては困るというので注意をしたようなお話でありましたが、注意したからそういう心配はなくて、これはそれぞれの法令範囲内においてやっていることである、こういうふうに考えているのかどうか、いかがですか。
  18. 佐久間彊

    佐久間政府委員 保険事業に該当しないということでございますれば、地方公共団体住民福祉のために行なう事業でございますから、これは法律上違法という問題はないわけでございますから差しつかえないわけでございます。ただ、保険事業に該当するかどうかの点につきましては、先ほど申し上げましたように、法制局なり大蔵省に御照会をいたしました時点におきましては、なお最終的な結論が得られなかったのであります。保険事業に該当するかどうかにつきましては、主管省である大蔵省の御見解に私どもとしても従うべきだと思っておるわけでございますが、大蔵省のほうでももう少しその点については検討をしたいということでございますので、その検討の結果該当するという結論が出ますならば、そしてまた、法制局におきましてもその結論を確認されますならば、私どもとしても市に対して是正方要求をせざるを得ないと思いますが、それまでの間におきましては違法ということにはならないわけでございますので、市がどうしてもやるということでございますれば、私どもとしてはこれ以上関与する考えは持っていないわけでございます。
  19. 久保三郎

    久保委員 それでは、この川口のやつは合法的にやっている、大蔵省見解が出ればまた別かもしらぬ、こういう御答弁ですが、そう聞いてよろしいですか。
  20. 佐久間彊

    佐久間政府委員 法律問題といたしましてはそのとおりでございます。
  21. 久保三郎

    久保委員 どうも私はわからぬのですが、大蔵省にこれは保険じゃないですかと聞いているのはあんまり権威がなさそうに思うのですが、どうなんですか。おたくのほうでは、監督と言っては語弊があるが、関係筋にあるそれぞれの自治体が住民福祉のためにやっている共済、そういうものが正しいかどうかを調べて、どうもこれは共済ではおかしい、かたがた大蔵省にも保険かもしらぬから聞いてみましょうというなら、話の筋はわかるのだが、最初から大蔵省見解を求めて、結論はまだ出ませんが云々では、これはどうも話が少し変じゃないかと私は考えます。そうじゃないですか。
  22. 佐久間彊

    佐久間政府委員 こういうことを川口市において計画をしておるが、このことがどうかという見解を、県当局から非公式に御相談をいただいたわけでありますが、その際、私どもの受けました印象といたしましては、これは保険事業に非常に似ている内容のものだという印象をまず持ったのでございます。そこで、保険事業かどうかにつきましては、保険事業についての主管省である大蔵省見解を求めるということが、これが筋でございまするので、その見解を伺った上で、その条例適法かどうかという私ども判断もいたしまして地方団体に連絡をしよう、こういうようなことで、大蔵省に御照会をしたわけでございます。これが私どもだけで常識的に見まして問題のなさそうなものでございますれば、これは格別他官庁に御相談いたしませんで、私ども判断で、これは適法だという回答がいたせるわけでございますが、保険事業というとかなり専門的な、技術的な内容を持った法律の分野の問題でございまするので、やはり主管官庁の御意見を伺った上でいたしませんと、私どもの申しましたことによって、地方団体にかえって御迷惑をかけるところがあってはいかぬ、かような配慮から御相談をいたしたのでございます。
  23. 久保三郎

    久保委員 これはどうもはっきりよくわかりませんので、質問しているわけです。わかれば質問しないのです。その答弁がまた、どうも春の日の答弁のようにねばっこい。これはそうならざるを得ない性格のものであるからだろうと私は思うのです。これは政府を代表して、だれかその解釈にオーソライズができるのですか。大体政務次官、副長官お二人がおいでになるから、この二人のいずれかが答弁していただかぬというと、役人ではちょっと答弁できないのじゃなかろうかと私は思うのですよ。というのは、こうなれば、保険共済の違いについてじゃなくして、共済なら共済保険なら保険についての解釈をオーソライズできるものはだれですかということを聞きたいのです。何かいまの話だというと、大蔵省銀行局保険部長あたりが、保険についてはれは保険部長、そうだね。共済についてはだれもオーソライズされるような解釈ができないらしい。銀行局のほうで、これは保険ではございません、こういったときに初めて、これが川口共済であり、農協でやっている共済であり、あるいは職域でやっている共済だ。何かどうも、銀行局保険部長解釈が先に出ないというと、共済解釈が出ない。そういう仕組みになっているのかね。これは法制局部長さん、どうですか。保険というのはこれである、共済はかくかくのものであるということを権威を持って解釈できる人は、政府の中ではだれがやるのです。保険についてはわかった。名目上は大蔵大臣がやる。ほんとうの実務はここにいらっしゃる保険部長がオーソライズできるのだな。だが、共済についてはだれがやるかわからぬ。(「農林大臣だ」と呼ぶ者あり)農林大臣ばかりじゃなくて、今度は川口共済であるからこれは自治大臣かもしらぬ。そのほかにもまだ共済制度が出てくるから、労働大臣であったり厚生大臣であったりするかもしれぬ。だけれども、これは大蔵省保険部長の、これは保険でありませんという見解が出て初めてほっとして、これは共済でいいんだという解釈が出そうなんだが、そういう仕組みになっているのかね、どうなんだ。
  24. 関道雄

    関政府委員 裁判所は別といたしまして、政府部内だけで考えて申し上げますと、まず、私の属しております法制局仕事といたしましては、各省から御照会があれば、法律問題について自分のところの見解を申し上げるという職務がございます。それから、川口の問題がどうであるという具体的な問題につきましては、それぞれその関係法律を施行しておりますところの主管大臣というものがいらっしゃいますわけで、その大臣がそれについての判断をくだす。したがって、いまのある特定現象保険業に当たるかどうかということになりますれば、保険業を取り締まるという関係からいたしますれば、大蔵大臣がその認定をいたすでございましょう。また、その現象がたとえば特定共済組合あるいは協同組合等において起こった現象でありますれば、それはそこの組合で行なうことのできますところの共済事業に当たるかどうかということは、その組合監督官庁であるところの、農林大臣であるとかあるいは通産大臣において、それが組合事業の域を越えているかいないかということの判断をいたすわけであります。
  25. 久保三郎

    久保委員 いまの法制局答弁権威あるものとすれば、先ほどの自治省行政局長答弁ははなはだ権威のない話だ。そうでしょうな。大蔵省問い合わせる必要はないんだ、共済として正しいかどうか、その認定をするのは担当所管省だ、こう言う。法制局のあなたもおっしゃったわけだ。そうでしょう。違うか。違うなら取り消してほしい。
  26. 関道雄

    関政府委員 多少私のことばが足りなかったと思いますが、私が申しましたことは、私自身は間違っておるとは思いませんが、いまたとえば自治省の話が出ましたからそれについて申し上げますと、ある地方公共団体がある種の条例を制定しようとする場合に、それが法律上許されている範囲のものであるかどうかということは、自治大臣照会を受けました場合においては、その照会に答えるのは自治大臣の任務であろうと思います。その場合に、それが保険業法の問題であるということで、それが保険業法と抵触するかどうかという問題になりますと、これはやはり大蔵大臣のほうと協議いたしまして、その保険業法に関する解釈、運用の立場からの大蔵大臣意見というものを承知しておくということは必要であろうと思います。
  27. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、いまの話は、大蔵大臣意見を聞くことは必要である、それは疑わしい場合においてのみですね。自分でこれはどうも共済にしちゃおかしい、保険類似行為じゃないか、こう思ったときには、大蔵省見解を求めて、なるほどこれは類似行為であるとか、いや、そうじゃない、これはこういう解釈でいけばりっぱに共済でよろしいということで、安心して自治省共済でよろしい、こうなるのですか。
  28. 関道雄

    関政府委員 いまお話しになっております問題は、実は厳密には法律の問題ではないと思いますが、たとえば川口市の条例についていかがなものであるかということを非公式にでも聞かれた場合に、その回答をするのは、自治大臣がその自治大臣の責任においてするわけです。その場合に、もちろん非常に自信のある自治大臣であって、保険業法については自分はよく承知している、従来の大蔵省の運用もよく心得ておるということでおやりになれば、それは自治大臣の責任においておやりになれるわけでございますが、ただその場合にあとで大蔵大臣としましては、保険業法の運用の権限を持っておりますから、それは保険業法違反であるという解釈を立てるおそれがあります。その場合にその保険業法解釈としては、大蔵大臣権威を認めざるを得ないわけでございます。したがって行政の普通の慣行といたしましては、そういうトラブルがあとに起こることは非常に対象である自治体なり一般国民なりが非常に迷惑をいたすわけでございますから、十分にその前に調整をはかるということは当然でありまして、それがわが国における行政の慣行であるというふうに考えております。
  29. 久保三郎

    久保委員 ことばじりを云々するわけじゃありませんが、いまの御答弁の中で、大蔵省見解保険であるということになれば、それはもう取り消すほかはない。自治大臣といえどもですね。この辺はどうも……。そうすると、自治大臣は大体共済とか、とにかく金を積んで、保険料あるいは共済掛け金ですかわからぬが、そういうのをやって、そういう制度については、これもやはり大蔵大臣見解を聞かなければオーソライズできないようなお話になりそうなんですが、私はそうじゃないと思うのですね。やはり前段お話があったように、自信のある自治大臣ならば、保険のことについて十分知っている大臣であるならば、大蔵省に何も照会することなく、これは共済であるからやってよろしい、あるいは、これは保険業に全く同じであるからこれは大蔵省のほうでやらなければいかぬ、いわゆる自治体ではこれはうまくないというようなことになるというのだが、どうもその辺のことがわからない。  ところで、それじゃ自治省行政局長にもう一ぺんお答えをいただきたいのだが、現実問題として川口市の交通災害共済というものは、これは共済としていまあなた自身はお認めになっておるのかどうか。いかがですか。
  30. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先ほど来申し上げましたように、私どもとしては保険業法に抵触する疑いが相当ある事業ではないかという疑念を持っておったわけでございまするし、現在におきましてもそういう疑念がなお残っていると、率直に言って感じております。そこで法律的に申しますと、これが保険業法に抵触しない限りにおいては、これは適法事業である、かようになるわけでございますが、その保険業に抵触するかどうかについては、まあ自信のある自治大臣ならばというお話がございましたけれども、これはやはり主管省の御意見を伺うのが行政の筋道でございますので、大蔵省の御意見に従いたい。しかし、まだ大蔵省のほうで現在その点については明確な結論を伺っておりませんので、はっきり抵触するということがおっしゃっていただけぬ限りにおいては、これは違法じゃない。したがって、川口市がこの事業をやりたいということであれば、それはやって差しつかえない、こう言わざるを得ない、かように考えておるのでございます。
  31. 久保三郎

    久保委員 貴重な時間でありますから押し問答のような問答はこの辺でやめておきますが、実際にわからぬので何べんもお伺いをしておる。そこで、お互いにこれはもう少しきちっと何かほしい。日本人の特徴として、どうも、特に自治省の局長の言うようなあれが一番上等な答弁だと思うのですが、しかし何かどっちかにぴたっとやってもらいたい気持ちが私は多分にあるのです。だからそういうことにいかぬものかどうか。これも研究しなければいかぬもので、これがちょっとどうも自治省答弁、そういうことになっておると言えばこれはしかたがないと思うのだが、しかしどうもこれでは実際問題として、そんなことをやった日には自治体が迷惑だろうと思いうのです。途中で銀行局から、これは保険類似行為だからやめてもういたいと言われれば、自治大臣は当該市町村に対して、これはやめなさいというようなことを言うのでしょうね、やっぱり。だからこれは前にも申し上げたように、共済とか保険とかいうものは、すでにその制度自体相交錯するような社会情勢になってきたということも、まず第一に考えないではおられない時代だと私は思うのです。だからこれは、あなたらのところでやるのがいいのかどうかわかりませんが、少なくとも私はそういう時代になったと思うのです。それを無理やりに、これはどうも本裁ちの着物らしいが、肩あげをしたり、腰あげをしたりしてやれば大体間に合う、そういうような時代じゃなくなってきたわけですよ。それに対してはどういうふうにすべきか。これは細田副長官、あなたのところは何でも扱うようだから、ひとつ政府としてどう考えているか、ちょっと答弁してください。
  32. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいま法制局並びに大蔵、自治両省からいろいろ御答弁がございました。しかし問題は、川口市で現実に共済制度として始めようとしている。あるいは始まっているかもしれない。その事実関係は私は詳しく存じませんけれども久保先生の御指摘のように、これがどうも疑わしいとか、これはどっちであるかいま研究中ということでは済まされない問題だと思います。したがいまして、これは法制局を交えまして政府といたしまして、現行法上はこれはできないならできない、いや、これはいいならいいということをはっきりきめるべき性格のものと思います。したがってこれは、私のほうは連絡調整の仕事をいろいろいたしております。結論を出さなければならぬ。さらに、現行法上はいけないが、これはこういうふうにすべきであるかどうかという問題は、また研究の問題だ。これはいま客観的な事態がここにきているじゃないか、こういうお話もあるわけでございますから、そういうふうに二段に分けまして政府としての見解を統一的に申し上げるべき筋だ。これはどうしても両省できまらぬならば、行政府としては閣議でやはりはっきり総理大臣の責任においてきめるべきだ、裁判所の問題は別であります、そういうふうに考えております。私どもも実はそういう実情について詳しく存じておりませんが、筋道としてはそういうふうに考えます。早く政府としての見解を統一するように考えなければならぬ、こういうふうに思います。   〔「いつまでだ」と呼ぶ者あり〕
  33. 久保三郎

    久保委員 それは法制局見解もありますが、いまの細田副長官の答弁のとおり、やはり手順を詰めてひとつこれは検討する時期だと思うのです。いま、いつまでにという声がありましたが、ぜひ早急に大体結論はつけるべき性格のものであると思う、こういうふうに私は思うので、いつまでと約束できるのかあるいはどうするのか、もう一ぺん答弁してください。
  34. 細田吉藏

    ○細田政府委員 たいへん申しわけございませんけれども、先日初めて実は伺いまして、本日さらに伺っているわけでございます。ずるずるとこういうことを延ばすなんという考え方は毛頭ございません。これは早くきめなければ、どっちにしましても、違法なことであれば一日たりとも許せないことでございますし、やるべきことなら安心してやらせなければいけませんし、いま日にちを切ることはちょっとできませんが、十分関係各省庁間で話をしまして、できるだけすみやかに政府としての見解を統一いたしたいと思います。
  35. 久保三郎

    久保委員 それじゃ法制局の方は、私はきょうのところは質問ございません。あとの方はこれからですからお残りいただきたい。  行管の諸永審議官は内閣委員会に呼ばれておりますので先に質疑をお願いいたしますとのことでありますので、御了承をいただいて行管のほうから御質問申し上げますが、きのう御発表になったというか、それぞれ関係の向きに勧告助言というかわかりませんが、いたしました交通事故に関する問題、その中でも特にいまわれわれの手によって審議中のいわゆる損害賠償あるいは救急業務制度、こういうものについて、それぞれ結論を出しているようでありますが、時間の関係もありますので、勧告された全文については後刻われわれの手元に配付願いたいと思うのです。  そこで、あなたにさしあたり二、三質問申し上げておきたいのは、いままで何回かあなたのほうの行管としては交通問題、事故対策を含めて関係各方面に実は勧告をしているわけです。その効果のあらわれ方をどう感じ取っているか。それから勧告はしっぱなしでなくて、あとのチェック制度はどうなっておるのか、これについて御答弁をいただきたい。
  36. 諸永直

    ○諸永説明員 いままで交通事故に直接関係のある監察をいたしましたのは、三十六年の十一月に「陸上交通の緩和ならびに事故防止に関する行政監察」というテーマで勧告をいたしました。そのほか若干陸運行政関係についても一、二回勧告をいたしておりますが、直接事故に関係がある監察は、ただいま申し上げました三十六年十一月に勧告いたしました事故防止の関係でございます。この際の勧告は、大きなものといたしましては自動車の路上放置の取り締まりの関係、運行管理制の充実の問題、賠償、補償関係、それから交差施設整備の関係、大体こういうことを勧告いたしましたが、そのほとんど全部が相当の効果をあげておるというふうに考えております。
  37. 久保三郎

    久保委員 そこで、きのうお出しになりました中で、交通事故による被害者の救済対策として何項目か出されておるわけであります。その中で特にいまの救急業務の指定は、施行令でありましたか、十万以上の都市か何かになっておりますね、そこでは救急業務をやれ、こうしているわけです。これの改善に言及しているようでありますが、どの程度に考えるべきであるか。それからもう一つこの中であるのは、いわゆる事故多発の幹線道路については、一町村単位だけで考えない、二以上の単位で考えていわゆる救急業務をやらせるべきだ、それはそのとおりに私も従来考えていたのです。そういう二つについて、どういう考えで、どういう内容を持った勧告なのかお話しをいただきたい。
  38. 諸永直

    ○諸永説明員 救急業務の実施市町村の指定基準は、ただいま先生おっしゃいましたように、人口十万以上、それから集中地区の人口五万以上、こういうふうに現行ではなっておりまして、単に人口数によって救急業務の市町村を指定する、こういうことになっておるわけでございますが、幹線道路の交通事故が非常に多うございまして、その沿線の小規模の市町村の中には救急業務を実施していないものが相当あるわけでございます。したがいまして、指定の基準を人口数だけによらないで、交通事故の発生状況も勘案して指定できるような基準を御検討いただきたい、こういうことが第一点でございます。  第二点は、財政等の理由で単独で実施の非常に困難な市町村がございますので、やはり二つ以上の市町村を一括して指定いたしまして、適切な国の助成措置を講ずる、こういうことによって共同して救急業務ができるというふうな指導をひとつお願いいたしたい、こういう二点の勧告をいたしました。
  39. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、大体内容としては、たとえばこういうところはこういうふうにという具体的なものじゃなくて、やはり抽象的なことで、もう少しいまの十万というのを手直ししたらどうか。あるいは、単独じゃできないが、交通事故が多いというような幹線については、二市町村を合わせるとかいうことでやれ、こういうことだけの勧告でございますね。
  40. 諸永直

    ○諸永説明員 そうでございます。
  41. 久保三郎

    久保委員 ところで自治省にお伺いしますが、自治省としてはこの勧告はきのう受けたばかりだから、この勧告自体についていまどうしますかと聞くわけにはいかぬかと思うのですが、しかし常日ごろ救急業務については研究されていることでありまして、この程度のことはやはり考えていたのじゃなかろうかと私は思うのであります。ついては、いま行管から話のありました二点について、自治省としてどういうふうに考えておられるか。
  42. 川合武

    ○川合政府委員 ただいま行管からお話のありました勧告でございますが、私どももこの問題につきましては当然関心を持っておりまして、検討、研究をいたしておりました。ただ高速道路の発達がここのところ非常に急ピッチでございますし、それからまだいろいろ計画もどんどん進んでおるというような進行形でございますので、それに対する体制について現実には非常に苦慮しておるところでございますが、一応の案として私どもが考えておりましたのは、交通事情を勘案いたしまして百三市町の追加指定を、これは人口基準だけでなく、要するにいまの交通事情といったようなものを勘案して行ならべきだ、こういうふうな一つの案を検討中でございます。  御参考までに——御参考というと恐縮でございますが、現在指定しておりますのは百五市でございます。そのほかに交通事情等によって、任意といいますか、自主的にやっておりますのが二百九十六ございます。こういうのがすでに現実の必要から自主的に、任意的に行なっているものでございますので、私ども指定につきまして急速に追加を実施しなければならない、かように考えておる次第でございます。
  43. 久保三郎

    久保委員 消防庁のいまの答弁でありますが、今年度予算の中で、そういう救急業務の関係でいまのようなお話があったのですが、その裏づけとしての財政措置というものはどうなっているか。
  44. 川合武

    ○川合政府委員 財政措置、財源措置につきましては、救急車に対します国庫補助と、それから人員——救急車そのものについてもございますが、主として搭乗員、隊員に対するいわゆる交付税による財源措置と二つございまして、国庫補助の分につきましては、四十一年度はまだこれからでございますが、ただいま申しましたようなことも考えまして、これからの配分につきましては行ないたい、かように考えております。  正直申しまして、これは指定をいたしましても、国庫補助だけでなく、交付税措置のほうもやらなければなりませんものですから、これとにらみ合わせてとなりますと、いますぐこの指定を追加するというわけにはいかないのでございますけれども、どうしてもやりたい、私どもはかように思っております。
  45. 久保三郎

    久保委員 別に制度上の改正というか、そういうものは考えてはいるが、具体的に四十一年度では何も前進していませんというふうにとってよろしいかと思うのです。もちろん内部的にはいろいろあると思うのですが、いま行政管理庁から勧告になった二つの点は、これはだれも当然のことだと思っているわけなんです。少なくとも今日ただいまでは、すでに四十一年度、新しい年度の予算も通ったことでありますから、あらためてこれ以上することは不可能かと思うのです。ついては、来年度予算要求とあわせて、そういう制度改正まで持っていくべきだと思うんだが、そのとおりに解釈してよろしいですか。どうです。
  46. 川合武

    ○川合政府委員 お説のとおりでございます。
  47. 久保三郎

    久保委員 消防庁は私はきょうはこれでいいです。  それから自治省はおられるかな。——おられる。これは、消防庁のいま答弁なんだが、むしろあなたのほうの答弁でないとぐあいが悪いのじゃないかな。人陰にいるものだから気をきかして早く帰ってしまったと思ったんだが、行政局長答弁することであって、現制度内部におけるところのものは、消防庁がやってもいい。行政局長が支配するということじゃないけれども自治省本省が消防庁を支配しているのでしょう。違うのか、これは。
  48. 川合武

    ○川合政府委員 それはそうではございませんで、私どもは外局でございまして、これは消防法に基づいてやっておりますので、私どもの責任でやっております。
  49. 久保三郎

    久保委員 それでは消防庁はよろしいです。ただ、消防庁、資料を下さい。大体どの程度あれに乗り組んで行くのか、その単位、救急単位というのか、救急車に乗り込む人、これは大体救急の知識、そういうものをどういうふうにして訓練してやっているのか、書いたものがあるでしょう。
  50. 川合武

    ○川合政府委員 講習の科目みたいなものでよろしゅうございますか。
  51. 久保三郎

    久保委員 ええ。それを下さい。それじゃ、どうぞお引き取りになってけっこうです。佐久間さんもよろしいです。ただ、答弁がまずいから、あとで来ていただくかもわかりません。  行管はまだですから、ちょっとお待ちください。  次には、いまの自賠責制度の拡充について行管は言及しております。そのうちの一つである、支払い限度額が低いからこれを上げろという、これは当然だと思うんですが、いま審議中のこれが通れば、現在の百万が百五十万になることはすでに御案内と思うわけであります。この百五十万でも外国に比べれば非常に低いということでありますので、この勧告の内容は具体的にこういうものをどの程度まで上げるべきだということを指摘しているのかどうか。いなければいない、あるならどの程度。もう一つは、この査定基準について改善をはかれ、あるいは仮渡し金制度についても改善をはかれというが、その中身はいかなるものであるか。
  52. 諸永直

    ○諸永説明員 いまの支払い限度額の引き上げにつきましては、御承知のとおり累次関係各省とも努力をされまして、今回も相当大幅の限度額の引き上げが実現を見るわけでございますが、私のほうとしましては、なお引き続き引き上げ額の検討をしていただきたいということでございまして、特にいまの時点で幾らがいいということは申しておりません。  それから第二点の、仮渡し金制度の活用でございます。これはこの制度ができましてからずっとですが、一年間の全体の平均を見ますと、一割程度しか利用をしてない、そこで仮渡し金は被害者にとりまして、賠償金の受領までのつなぎ資金として非常に重要でございますので、この周知をまずはかっていただきたいと同時に、この仮渡し金の支払い限度額と申しますか、その引き上げについても御検討をいただきたい。これも幾らがいい、こういう具体的な数字は勧告をいたしておりません。  以上でございます。
  53. 久保三郎

    久保委員 そのほかにもこの制度の保障業務を改善しろとか、あるいは自家保障の問題についても言及されています。その一々の新聞記事に出ている文言についてはだれも異議のないところでありますが、具体的にどういうふうに勧告されたのかお聞きしたいと思いますが、時間の関係もありますので、勧告の文章をいただいてから関係各省庁に、私のほうからもっと質問をしたいと思う。本日のところは、いまの資料を出していただくことを約束して、あなたのほうは本日はこれでよろしいと思います。  次に、科学技術庁来ておりますね。あなたのほうからは資料が出ておりますので、詳しい説明はよろしゅうございます。ただ、警察庁からも来ておられるが、四十一年度やろうとする事業もこの資料にあげてありますが、これはもうすでに関係各省庁に予算のほうは渡すことになっているのだろうと思うのです。ついてはその中で、いままでいろいろ研究されたものが実際に適用されているというふうな御報告でありますが、特にこの科学警察庁研究所ですか、これは警察庁の外局か何か知りませんが、ありますね。警察庁の方そうですね。
  54. 広山紫朗

    ○広山説明員 ございます。
  55. 久保三郎

    久保委員 このほうで本年も引き続きやるわけでありますから、だからこういうのはいわゆる原局である警察庁のほうから科学技術庁のほうに来年度はこれとこれという要求をして、大体固まったやつをもらうという制度になっておるのですか、これはいかがですか。
  56. 広山紫朗

    ○広山説明員 お答えいたします。  科学警察研究所は御存じのとおり警察庁の付置する機関でございまして、毎年の予算のときに、こういったそれぞれの研究部門におきまして計画を立てまして、それを本年度において科学技術庁のほうに折衝いたします。こういう手続でやっておるわけでございます。
  57. 久保三郎

    久保委員 この警察庁の、科学警察研究所というのですか、ここでは運転者の疲労と事故の問題、あるいは適性の問題、そういう問題は研究されるかどうか、いかがです。
  58. 広山紫朗

    ○広山説明員 科学警察研究所の関係の研究の資料先生のほうにお配りいたしておりますが、経常的な研究の中にもそういう運転の適性の問題も入っておりますし、また昨年度の科学技術庁の項目の中にもそういう研究のあれがありますので、現在引き続いてそれをやっておる次第であります。
  59. 久保三郎

    久保委員 特にこの中で「適性検査の基準化に関する研究」、これは四十一年度に出ておりますが、いままでにもやった継続の仕事かと思うのですが、継続じゃなくて、これは今度初めてですか。
  60. 広山紫朗

    ○広山説明員 昨年度、運転の適性検査につきまして、心理面その他につきまして研究をいたしました。一応の運転者検査用バッテリーといいますか、腹案を得たわけでございます。これの確率度と申しますか、こういうものをさらに詰めていきたい、このような観点から研究を継続したい、こういうわけでございます。
  61. 久保三郎

    久保委員 継続研究でありますが、そうしますと、今年度必ずしも結論が得られるというものじゃないですね。
  62. 広山紫朗

    ○広山説明員 これはすでにバッテリーのなにができておりますので、それを逐次積み重ねてやっていきたいと思っております。なお、これは警察全体の問題といたしまして、本年は運転者の適性につきまして、適性検査所その他につきまして、こういうバッテリーを活用いたしたい、そういうものをいろいろデータを積み重ねてさらに確度の高いものに持っていく、こういうような計画でございます。
  63. 久保三郎

    久保委員 それじゃ科学技術庁並びに警察庁はよろしいです。消防庁もよろしいです。  厚生省は、この前に引き続いての話でありますが、いわゆる救急医療機関といいますか、この指定については、いままで見ていると、何か申し出があって条件に合いそうだというのをやっているわけですが、実際に特に交通事故に適合するような医療機関、こういうものの整備についてはどうなっているのか、これをまずお伺いします。
  64. 中村一成

    ○中村説明員 厚生省といたしましては、救急のための指定病院や診療所を整備いたしますにつきましては、公的な機関、私的な機関いずれを問わず、その整備に要しますところの資金につきましては、還元融資あるいは医療金融公庫の融資によりまして、これについて優先的な取り扱いをいたすというような体制で臨んでいるわけであります。
  65. 久保三郎

    久保委員 そこで、たとえば、これはまだ動いていないかどうかわかりませんが、名古屋に東海災害センターというか、そういうものができておるように聞いているわけですが、これはどういう中身なのか。
  66. 中村一成

    ○中村説明員 名古屋の交通災害センターは、組織は公益法人の組織でやっていらっしゃるのでありますが、実際におきましては、愛知県その他各方面の協力によって機関ができ上がって、これからその機関が直属の医療施設を持つかどうかというところでただいま検討しておられるようであります。結局、私どもといたしましては、医療機関をおつくりになる場合におきましては、公益法人でございますので、これに対します直接の補助金というわけにはまいりませんけれども、しかし医療金融公庫の対象にもなりますし、その他設立に対しましてもできるだけ御援助を申し上げたい、かように考えておりますが、まだ財団法人のほうで病院部門をやるかやらないかにつきましては検討中というふうに伺っておるところでございます。
  67. 久保三郎

    久保委員 あなたは医務局長さんですか。
  68. 中村一成

    ○中村説明員 医務局の総務課長でございます。
  69. 久保三郎

    久保委員 それではちょっと無理かな。救急医療制度についてのビジョンをお持ちかと思うのでありますが、これを持っておられるか。ビジョンというような大げさなものでなくても、もっと前進した体制が必要だということは、これは行管の勧告にはないけれども、お互いにわかっておるわけですね。特に脳外科を中心にした、そういうものが非常に足りない。そのために、なおってもかたわもいいところだというようなことがよくいわれるわけです。ついては、救急医療機関というかそういうもののあり方、どういうふうにしたら一番いいか、そういうことはあなたのほうでは考えておられるかどうか。おるとするならば、内容を簡単に説明してほしい。それから新しく制度上に乗せたものがあるのか、そういうことです。
  70. 中村一成

    ○中村説明員 救急医療の問題につきましては、予算的には当面の問題と、先生質問の将来の大きな構想ということになろうかと思うのでありますが、当面の問題といたしましては、私どもは救急医療につきましてはその実態をもう少し把握したいということで、昨年も調査いたしたのでございますけれども、さらに突っ込んだ救急医療施設における実態をもう少しきわめたいと思っていることが第一。  その次には、救急施設におけるところの医師の研修の問題でございまして、これも本年は引き続き実施していきたいということであります。  それから、救急医療につきましては、これから先考えますと相当大きな災害、集団的な対策というものも考えなくちゃいけないのじゃないかということで、特に今年度におきましては地域を広げまして、単に一つの県内にとどまらず、数府県にまたがる大きな事故というものに対するところの救急体制につきまして、われわれとして、各都道府県と共同でこういうことを勉強していきたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、冒頭申し上げましたように、救急病院、診療所の整備につきましては、これを優先的に整備することについて協力を申し上げたいということでございます。  それから、御指摘のございました脳外科の専門医等の問題につきましては、これは結局大学におけるところの医学教育の大きな御協力がないとできないわけでございますから、そういうことにつきましてもよく文部省当局と御連絡申し上げて、今後その確保をお願いいたしたい、こういうところでございます。
  71. 久保三郎

    久保委員 私どもが考えておることは、先ほど若干申し述べましたが、これも保険制度というか、そういうものと同様に、こうなってきては、単なる調査と言ってはたいへん語弊がありますが、調査も必要ですが、むしろもう少し前進した救急の制度、いわゆる救急業務、これはお宅ではなくて消防庁の仕事でありますけれども、そういうものとからんだ救急体制というか、そういうものをきちんときむべきではないだろうか。きめるについては、もちろん法制化の必要のものも出てくるだろう、こう思うのですね。ところが、いまのお話だというと、しろうとのわれわれにとっても、ちょっと何かこう、ゆっくりしているように思わざるを得ないのであります。すぐに脳外科医をたくさんつくるというわけにもまいりません。五年なり六年の年月が必要なんでありますから、そういうことも考えれば、もう少しテンポを早める必要がある、こう思うのです。  ところで、この国民会議も開かれていろいろ出ているそうでありますが、これは細田副長官のほうが何というか主管の、取りまとめのほうだと思うので、私はこの救急医療体制全体、いわゆる救急車を含めた、医療機関を含めた新しい体制について、政府はもっと早急に完全な体制をつくるべきじゃないか。ところが、いままでのお話を総合しても、あまり前進はない。しかもこういうものをつくる場合には、現在審議中の自賠責法、これによる保険医療か知りませんが、そういうものの使い方、こういうものも考えていいのではないか、こう思っているわけです。ついては、政府としてどういう決意であられるのか、これは細田さんからお聞きしたいと思います。
  72. 細田吉藏

    ○細田政府委員 救急医療対策は、ただいま御質疑の中にもございましたように、厚生省、消防庁両省庁にまたがる問題でございまして、これまた交通安全、事故防止の見地から起こった問題でございますが、非常に立ちおくれておる部門であると私ども考えております。交通安全国民会議にも救急医療対策というものが取り上げられて議論がされておりまするし、また、三十七年にできて、三十九年に答申をいただいた交通基本問題調査会におきましても、この問題が大きく取り上げられておるわけでございまして、私どものほうで所管いたしております交通対策本部、また、その本部の幹事会というものが実際の運用をしばしばやっておるわけでございますが、ここにおきましてもこの問題を取り上げてまいっておるわけでございます。残念ながら、いまおっしゃっておりますように、著しい前進を見ておらない、こうはっきり申し上げていいと思うのです。一番困りますのは、事故の際のお医者さんが少ない。特に脳関係のお医者さんが非常に足りない。実は最近大学にも脳外科の新設を多数見ておるわけでございます。こういう点で、着々いろいろな点で実施はいたしているわけでございますが、今後ともこの面につきましては、先進各国の状況等も十分参考にいたしまして、政府としては力を入れてまいりたい、かように考えている次第でございます。
  73. 久保三郎

    久保委員 これはあらためてまた取り上げるときもあろうかと思うのでありますが、法務省の人権擁護局からおいででありますから、この前の質問の続きを御回答いただきたいのであります。資料が出てきておりますが、私どもが言いたいことは、先般申し上げたように、勝訴の見込があるものとかいうものだけに金を融通するというか、その制度を活用させるというようなことはいかがかということであります。そういうことから言うと、どうもこれまた何か必要な人には恩恵が与えられないのではなかろうかという心配があるわけです。出されたこの資料の中に交通事故によるものはどれに書いてあるのかちょっとよくわかりませんから、交通事故によるものが中に何名あったのか、これもあわせて御答弁いただきたい、かように思います。
  74. 辻本隆一

    ○辻本説明員 まず、件数のほうから申し上げると早いかと思いますが、資料の中身の二ページ目で、昭和三十九年度法律扶助事件内容別一覧表というのがございます。その中に、法務省としまして法律扶助をいたしておる区分を大ざっぱに分けますと、金銭関係と不動産関係と家庭関係、それから動産関係、その他というふうに分かれておりますが、問題の交通事故に関するものは、第一番の金銭関係の中の損害賠償請求事件、この中に当たるのでございます。結局、被害者がかたわになったから損害賠償として金をよこせというのでございます。備考欄に、ほぼ全事件が交通事故関係というふうに記載してございますので、その内容をもう少し御説明いたしますと、昭和三十九年度の損害賠償請求事件は合計で、その表にございますように四百六十五件でございますが、そのうち、交通事故についての扶助決定をした事件は四百六十一件でございます。つまり、四件だけが交通事故以外の事件でございます。じゃ、扶助決定をしない同年度の交通事件は、扶助申請はいかほどであったかと申しますと、そこには載っておりませんが、わずかに二十二件でございます。つまり、二十二件だけを扶助決定しないで、四百六十一件は全部扶助決定をしたというわけでございます。したがって、交通事故に関する限り、扶助申請に対する扶助決定率は九五・四%に当たるわけでございます。扶助決定をしなかった二十二件、つまりパーセンテージでいいますと四・六%でございますが、これはどういう理由でしなかったかと申しますと、大きく分けると三つございまして、第一番目が、申請者が資力を持っておる、自分でやる能力があるというのが十件でございます。それから、申請者に重大な過失があって、たとえば申請者自身がめいてい運転して自分でけがしている、あるいは無免許運転してけがしておる、こういったものが三件でございます。これは結局勝訴の見込みがない、こう思われるものが二件でございます。そのほかは、事故発生当時の直後でございまして、一体申請者が被害者に当たるのか加害者に当たるのか証拠上十分でない、現にそれが刑事手続で進行しておるというふうなものは保留して十件でございます。したがって、交通事故に関する限りは、法律扶助は九五・四%を取り上げて全部扶助決定しておる、実質上の運営は交通事故についてはもうほとんど一〇〇%近く扶助の手を差し伸べておるというのが実情でございます。
  75. 久保三郎

    久保委員 お話だと、交通事故については大半のものが扶助決定になっている。そうなりますと、もうこの程度、大体全部だから、この改善の必要もない、こういうふうにとれるわけですが、そうとってもよろしいですか。
  76. 辻本隆一

    ○辻本説明員 われわれとしましては、法律相談という窓口がございますが、この法律相談の窓口を広げまして、そこで被害者を救い出し、法律扶助に乗せていくという方法を講じたい。  もう一つは、実態調査でございます。被害者でありながら資力がない、あるいは知人に頼んでも費用が要る、あるいは訴訟がめんどいからというので泣き寝入りをしている、こういった正当な請求の権利を持っておる者が、まだまだ訴訟ぎらいのために隠れておる、やみに埋もれているというのがございます。これにつきまして、現在各地に実態調査を進めて大々的にやらせております。昨年度は関東ブロック管内一斉に実態調査をいたしました。今年度は東北管内でも随所に実態調査を実施する計画をいま着々と進めておりますし、現在準備がかなり進んでおります。このように実態調査の面でも大いに力を入れたいと考えておる次第でございます。  第三点は、法律相談だけではなくて、実は交通被害につきましては、相談の窓口が各行政官庁で非常にたくさんございます。たとえば弁護士会あるいは交通事故処理委員会ですか、そのほかに法務省管内では法務局、各地に法務局あるいは地方法務局、それから支局というものがございます。あるいは全国に約一万人の人権擁護委員がございます。その他警察署の家事相談部、あるいは都道府県や市町村の民生部、あるいは福祉事務所、民生委員、あるいは新聞社や大学などの法律相談所、こういったものがございますが、これらのいろいろの相談所と連絡を密にしまして、法律扶助へ乗せていくというふうに持っていきたいというのが、現在考えておる構想でございます。
  77. 久保三郎

    久保委員 わかりました。  特に私から申し上げておきたいのは、こういう制度が限られた人だけに活用されている。大半の者はこういう制度を知らぬ。それは法務省としてのPRなり、あるいはそれ以外に関係各省庁のPRというか、そういうものが非常に微弱であるというふうにとれるわけなんです。いま御答弁の中では、そういうものを解消するためにいろいろ調査をするということでありますが、それはけっこうであります。少なくとも、いまの制度自体では年間五百件足らずであります。実際には何万件か件数があるわけでありますから、九牛の一毛といっては語弊がありますが、言うならばそのとおりだと私は思います。それでも救い得られた者はいいと思うのです。これはそれでいいと思います。この五百件でも、要らぬということじゃない。  さらに考えてもらいたいのは、実はあなたに考えてもらうのはちょっと無理かと思うのでありますが、少なくともいまお述べになったように、交通事故に対して、国民というか、大衆というか、被害者というか、そういう者が相談をかける機関というのが非常に個々ばらばらにある。個々ばらばらにあるというのは、機会をとらえるのに便利であるというふうにもなるけれども、これまたいろいろな性格から見て、必ずしもこれが十分だとは私は見ていないのであります。たとえば警察にある安全協会か何かでやっているかもしらぬあの交通事故の相談、これは言うならば、そういう形であるならば、むしろ加害者が店をつくっているようなものである。加害者でありますから、被害者の立場にといってもなかなか無理ではなかろうかという気もするわけです。弁護士会の中にもあるが、これも弁護士という一つ仕事からきた場合には、一般の者は、金のない者は弁護士に相談ができないというふうに先入観を持っているのでありますから、当然いまの扶助制度などにはひっかからぬ、行かぬということなんです。そのほかにもまだあるかもしらぬ。いろんなものがあるんですね。しかし被害者の立場にすっかり立ち得る者は、今日ただいまではあまりなさそうに思う。ついては、これはやはり被害者の立場に立った制度というか窓口、こういうものをこの際まとめてつくるべきだと思うのです。これも総合調整連絡のほうの責任者である総理府に御回答をいただいたほうがいいと思うのであります。これはいずれ大臣が出たときに再確認しますが、きょうのところ細田副長官に、被害者の立場に立った相談窓口というか、そういうものの一元化と制度化についてやるべきだと私どもは思うのですが、どういうふうに考えられているか聞きたい。
  78. 細田吉藏

    ○細田政府委員 全くおっしゃるとおりでございまして、被害者の立場に立って親身になって相談する場所が、非常に各方面でやっていただいているわけでありますが、これは別な見方からするとばらばらだ。またPRが十分であるかどうかというような点につきまして相当検討を要すべき問題がございまして、これまでもしばしば問題にいたしております。一部には交通保護司といったような制度をはっきり確立したらどうかというような意見も出ておりまして、検討いたしているわけでございますが、現状なり、またこれまでやっておりますような点につきましては、交通安全調査室長からお答えをさせていただきたいと思います。
  79. 宮崎清文

    ○宮崎政府委員 交通保護司の問題につきましては、前回先生から御指摘がございましてお答えしたとおりでございまして、私たちも非常にいいアイデアだと思っております。何ぶん先ほど法務省からもお答えがございましたように、現在既存のいろいろの機関がそれぞれの分野で交通事故相談に乗っておりますので、これらの実態をよく調査いたしまして、どこが抜けているかというようなことを確かめましてから本格的に考えたいと考えております。  なお、交通事故相談一般につきましてPRが不足しているのではないかということでございますが、これは率直に申しまして御指摘のとおりであります。そこで最近各省庁におきましても、それぞれ関係しております交通事故相談関係の機関に対して、もっとPRをして、国民の皆さんにそういうものがあって何をしてくれるかということを徹底させるということになりまして、積極的にそのPRをはかっております。特に本年五月に春の恒例の全国交通安全運動旬間を開催いたす予定になっておりますが、その際には大きな項目の一つといたしまして、交通事故相談の積極化ということを打ち出しておりまして、これによって相当程度国民の皆さんに、そういういろいろの機関、相談に乗ってもらえるいろいろな機関があるということをおわかりいただけるのではないかと期待いたしております。
  80. 久保三郎

    久保委員 検討をされるそうでありますが、私はもう少し責任持った立場で進めてほしいと思うのです。ここまで来るまでに、思いつきでなくて、もっと堀り下げた被害者の救済というか、こういうものを確立せねばならぬだろう、こう思うのでありますが、いまの答弁で大体了承を得られたわけであります。  そこで、人権擁護局のほうはこれでよろしゅうございますが、いま申し上げた、あなたのお話にあったとおりにすることが——やはり総合的な窓口というか、そういうものが一番必要だと思うので、従来の制度をそのままやっていくことも必要でありますが、そういう点でもひとつぜひあなたのほうでも考えていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、農林省は農政局長おいでですか——農政局参事官ですか。  あなたのほうには前々から課題を申しておるわけです。共済保険はどこが違うのかということであります。これは前会、前々会申し上げておるのでありますが、保険のほうは銀行局でありますからこれはいいとして、共済制度というのはいかなる中身か。いま問題になっている、保険との関係というか、保険の領域というものと共済制度というものの——領域と言うことがいいのかどうかわかりませんが、これはどういうふうに考えられておるか。  それから、この自賠責の法案は、いま改正の要点は、いわゆる補償額の限度の引き上げもありますが、そのほかに大きなものは、原付自転車、これを再保険なしで自賠責に繰り入れよう、こういうことです。ついては、農林省は、そういうものを含めて農協の共済でやるべきではなかろうかというふうに考えているやに聞くのだが、それはそのとおりか。大体その二つ要約して……。
  81. 横尾正之

    ○横尾説明員 農林省といたしましては、御承知のように、農協法に基づきまして農協の事業として共済事業をやっておりますので、その農協の共済事業がどういう性格のものであるかという点を最初に申し述べたいと存じます。  御承知のように、農協は農民という特定者を対象にいたしまして、その相互扶助の精神事業を営んでおるのでございますが、共済事業もその一環といたしまして、組合員という特定者を対象にいたしまして、相互扶助、相互救済の理念に即して実施をするというたてまえでございます。ただ、その実施の手段、方法、手法につきましては、その事業の合理化をはかる観点から、収支相当の原則、給付反対給付の原則等、保険と同様な高度な技術を採用して、理念といたしましては相互救済相互扶助の精神に立ち、組合員という特定の者を対象として事業を実施する、こういう性格及び内容事業と心得ております。  それと、第二の御質問の点でございますが、現在農協共済は、いま申し上げましたような趣旨及びたてまえのもとに、共済事業といたしまして四兆円に達する契約高と四千億円に達する責任準備金を保有をいたしまして、御承知のような、単位組合、つまり総合農協、県段階の共済連合会、全国の共済連合会という、系統一元組織のもとに体制を整えまして事業を実施いたしますと同時に、これまた御承知のごとく、農協法におきまして事業を規制しかつ監督する規定を整備し、合理的な基準のもとに統一的実施の体制を整えてやっておりますので、そのような観点からいたしますならば、事業実施体制及び能力を十分に保有しておるということでございますので、自賠責法の観点につきましても、そのような実施能力及び体制を強化して、十分な事業が実施できるように進めることが望ましいというふうに私どもとしては考えております。
  82. 久保三郎

    久保委員 厚生省は御退席いただいてけっこうです。御苦労さまでした。  いまのお話だというと、現行の共済制度の中で、自賠責というのかどうかわかりませんが、自賠責ですね、これはやれるし、またそういう体制を強化していっていけないことはない、このような御答弁であったと思うのであります。  銀行局長おいででありますが、これはあなたに聞くまでもないですかな。どうなんです。あなたからやはり一ぺん答弁してもらわなければいかぬですな。
  83. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 その点につきましては、先般も田邉委員から御質問ございましていろいろ申し上げたところでありますので、要点だけごくかいつまんで申し上げたいと思います。  この点は実は二つ問題がございます。一つは非常に基本的な問題、すなわち先ほど来先生いろいろ御指摘になっておりました保険共済というものの差異に基づく問題、二つには、これが強制保険であるということからくるいろいろな問題、これは田邉先生は技術的なものにすぎぬのじゃないかという御指摘もございましたが、その技術的な問題というのは実は非常に本質的な問題でもございます。そういう基本的な問題と実際にあたってのいろいろ技術的な問題、こういうもろもろの問題が実はございます。したがって、農協にまでこれを拡大することの可否ということにつきましては、実は非常に問題が多いために、にわかに結論を出しがたい、むしろ非常に慎重に今後とも検討してまいらねばならぬ問題、かように考えます。
  84. 田邉國男

    ○田邉委員 関連。ただいまの銀行局長答弁は、先般提出資料の「保険制度及び自賠責保険について」の中の「保険の本質」という項、また「保険事業」等の内容で、いろいろと保険会社がやらなければだめだというような趣旨がここに書いてあります。しかし、先ほど農林省の参事官から答弁がございましたし、また前回の委員会において農政局長からも答弁があって、農協においても保険事業共済制度としてりっぱにやっていかれるのだと言明をしておりました。その際、自動車局長に私がお尋ねした際は、目下検討中である、その共済制度について自分も大いに検討をしてみたい、こういう話がございました。そこできょうは、自動車局長は約十日ほど勉強されたと思うので、一体農協等にこういう自賠責の制度ができる能力があるか、その点についてお答えをしていただきたい。
  85. 坪井為次

    ○坪井政府委員 農協の実態につきましては、われわれは不勉強でございましたが、単位農協とか連合会とかあるいは全国とか、そういった組織、あるいはその仕事がどうなっておるのか、そういったことをいろいろわれわれも勉強いたしまして、先ほど農林省が言われましたように、法律上の問題は共済とかあるいは保険という議論はあるにいたしましても、能力的にはわれわれとしては、自家保障をいま認めているたてまえからいたしまして、十分耐え得る力はある実態を持っておるというふうに思います。
  86. 田邉國男

    ○田邉委員 そうしますと、農政局長も自動車局長も、この保険をやる能力が十分ある、こう言明をしておりながら、銀行局長は、この資料によれば、まさに農協は能力がないというような判断を下すような資料が出ておりますが、その点はいかがです。
  87. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 その点は前会の先生の御質問にお答えしたときにも申し上げたわけでございますが、農協が現在行なっておりますいわゆる火災共済、建物共済、そういう現在行なっている共済事業そのものについて、私どもは決してそれがどうこうということを申しているわけじゃない。問題は、こういう自賠責制度というものを行なうにあたってこれが適当であるかどうかということを判断しておるわけであります。先般も申し上げましたように、要するに自賠責法というものを、この法の精神に即して理想的に運営していく、被害者保護という大目的を完全に貫くというためには、どういう体制が一番いいのかという角度からものを見ていった場合に、先ほど申し上げましたように、共済制度というもの即農協制度と申しますか、そういうものについて私は非常に問題があるということを実は申し上げておるわけであります。したがってその問題をやはり十二分に解明しないと、それはなかなか簡単にはまいりませんということを申しておるのでございまして、現在行なっている農協等の建物共済、火災共済それ自体が非常に問題だとか、不完全だということは、私は一度も申したことはございません。
  88. 田邉國男

    ○田邉委員 銀行局長に伺いますが、自賠責制度というものは銀行、保険会社がやれば完全なる制度として運営ができる、しかしながら農協等にやらせれば、この自賠責制度についてはまことに不安があるんだ、結論的に表現すればそういうようになるわけですね。私は自賠責任制度というものは、これはもう再三申し上げたように、本来国家保険であるわけです。そうすると、それを営利を追求する保険会社がやるよりも、むしろ共済仕組みにおける保険制度のほうが、より合理的な経営ができるんではないか。そういう意味で現実にもう建物、地震、火災、あらゆるものをやって、保険会社と何ら変わらない、料率算定会等、同じ制度のものを施行して、しかも先ほどの部長の表現によれば三兆円ですか四兆円の蓄積がある、そして責任準備金は四千億を持っておる。ですから要するに再保険をしなくてもできるだけの体制ができておる、そういうものに、自賠責制度だから、これは問題があるからできないんだ——どうしても私どもは聞いておって銀行局長答弁は、保険業務だけを弁護して、共済制度の中で保険事業をやることがまことに不適当であるがごとき表現をしておるけれども、私に言わせれば、むしろこういう制度というものは、自賠責制度、責任保険というものは、共済制度のほうでやるほうがより適当であると考える。その点はどうですか。
  89. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 私はそう思わないわけでございます。まあ先生のおっしゃいますこと一々ごもっともな節も確かにあるとは思います。思いますが、やはり本質的に、この点また誤解があってもいけませんので申さしていただきたいと思いますけれども、確かに自賠責制度は公共性が強い。通常の保険も、これは御承知のように非常に公共性の高い性質のものでございます。さればこそ保険業法という法律もございまして、大蔵大臣というものが常時厳重な監督、検査を行なっておる。これひとえに不特定多数の加入者の方々の利益を守らなければならぬ。それが単なる一営利会社のかってにまかされてはいかぬということから、厳重な実は監督制度というものが行なわれておるわけでございます。この自賠責を見まするに、そういう一般的な保険の公共性があるが、さらにまた一段と公共性の高い性格のもの、これはもう先生よく御存じで釈迦に説法の感もございまするけれども、非常に高い。つまり不特定多数の第三者というものの利益が問題になるわけでございます。自分の家が焼けるか焼けないか、あるいは自分の命がどうなるかという保険じゃない。つまりいついかなるときに路上においてどういう人がやられるかわかりません。そのやられた人を守るための実は制度でございます。それだけにいやが上にも非常に公共性が高い。したがって被害者保護については、従来よりもまず特段の注意を払わなければならぬということにもなりますし、その損害査定の問題にいたしましても、あるいは保険料の支払い等々につきましても、あるいは料率算定等についても、これは一段と高度の公共性が要求される、これはもう申し上げるまでもないわけであります。そこが普通の建物の火災保険といったようなこととはまた違う。しかも一方、それは強制保険でございます。入ってもいい入らぬでもいいというものじゃない。制度のたてまえは悉皆保険ということで、いやおうなし、こういう制度でございます。ですからそこのところは、つまり先ほどいろいろ御議論が出ておりましたが、共済というのは、一つの限られたグループの中の人たちがお互いに助け合っていこうという、ミューチュアルエードとかなんとか言うようでございます。まあ中でも農林関係の農作物共済のほうは、あるいは農業災害補償保険、つまり補償ということばが入ってきますので、保険だけでカバーできない、つまり国り補償というものまで入り込んだ特殊な形態のものももちろんございますけれども、いま問題になっておりますのは、いわゆる普通の建物共済なり生命共済なりといったようなものかと思います。そういたしますと、どうも第三者の利益を守るという制度から見て、実は本質的になかなかそぐわないという難点がある、その難点を今後どういうふうに考えていくかという、そういう基本の問題があるということを先ほど来申しておるわけでございまして、決して先生のおっしゃることにさからうつもりはございませんけれども、実は事の本質はそういうことでございますので、重ねて申し上げたわけでございます。
  90. 田邉國男

    ○田邉委員 それでは私は重ねて銀行局長に伺いますが、いまの保険会社にこの自賠責保険というものをさしておくことが公共性をとうとび、公共性が大いに強くなる、しかも被害者保護である、こういう点、それからまた共済制度によれば非常に本質的な困難がある、こういう回りくどいような答弁をしております。じゃ私が具体的にこの問題を突っ込んでいきますが、その点において明快な答弁をしていただきたい。  先般私はこの委員会で、なぜ軽四輪それからオート三輪、こういうものに強制保険が普及しないのか、こういう話をした。銀行局長答弁は、これは車検制度というものがないからその保険に入らないのだ。そうしますと、強制保険というものは公共性をとうとび、被害者保護という立場で徹底するならば、保険会社は、この車検制度にたよらなければ一般の軽四輪やオート三輪は保険の加入率が悪いのだという。要するに保険会社は自己の営業の代理店というものが十分機能が発揮できない、だから軽四輪とかオート三輪については七七%ですかしか入っておらない。あとの二三%、普通の自動車に至っては一一%加入していないということは、保険会社がその機能を十分発揮しておらないということなんです。もしほんとうに被害者保護に立って公共性をとうとぶということであれば、なぜ保険会社がもっと積極的にやらなかったか。この間の銀行局長答弁によれば、いや、それは車検制度がないから、チェックできないから保険に加入しないんだ、こういう答弁。私はこれはまことに論弁であると思う。その点について自動車局長、どう考えられますか。
  91. 坪井為次

    ○坪井政府委員 現在御指摘のように、軽自動車につきましては車検制度はとっておりません。これはあくまでも保安上の見地からきめている問題でございまして、軽四輪についても車検をしてはどうかという意見も、最近の議論からいたしまして出ております。しかし要員関係、施設その他の関係もありますので、これらについてはさらに検討していきたい、かように考えております。ただ、車検制度は強制保険の付保のために設けられたものではなくて、われわれとしてはあくまでも保安上の見地から考えていきたい、かように思っております。
  92. 田邉國男

    ○田邉委員 そこでぼくは自動車局長に伺うけれども、一体この保険の普及率が——軽四輪やオート三輪に保険会社は十分手が伸びない、それは車検制度をやれ、そうすればわれわれのほうもうまくいく、こういう表現をして逃げておるわけです。そこで私は、こういうようにできない、能力のないところにばかりやらしておくことが一般の被害者保護になるか、自動車を運転しておる人たちが一体そういうことを好んでおるか、こういうことになると非常な疑問があると思う。そういう点において、私は、農林省が見えておるから、こういうような保険でも農林省がやったら、農協がやったら、完全にこれを把握してできるかどうか。その点はできない、大蔵省はこう言っているのですよ。その点、いかがです。
  93. 横尾正之

    ○横尾説明員 御承知のように、総合農協は全国の農家のほとんどすべてをその構成員、組合員にしております。しかも組合員と組合との関係は非常に密接の関係にございます。したがいまして組合員が付保する、共済に付する必要のある車を所有している場合に、その組合員と組合との関係は非常に密接でございます。捕捉力は非常に高いというふうに考えております。
  94. 田邉國男

    ○田邉委員 捕捉力が非常に強いということは、農協にやらせれば、この自賠責の保険は十分その能力を発揮して、未加入の分の一〇〇%は大体いく、こういう見通しなんですね。
  95. 横尾正之

    ○横尾説明員 先ほど来申し上げておりますような事業体制、能力及び御説明申し上げましたような捕捉力等を総合勘案いたしますれば、お説のとおりに考えております。
  96. 田邉國男

    ○田邉委員 いまの農林省の参事官の話を聞いても銀行局長おわかりのように、全国にあらゆる組織網を持って、各町村に全部支所が、農協というものがあって、その組織でやればきちっといくと言っておる。あなたのほうのこの調査によれば、全国で六十四カ所が六十五カ所に今度ふえる。そうしてこの組織で完全に把握できない町村は、一千町村に及んでいるのですよ。代理店で十分把握できないようになっておる保険会社に、どうしても自賠責をやらせなければならぬ、それが一体公共性であり、被害者保護の立場に立っておる制度であるか、この点を伺いたい。
  97. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 どうも先般お答え申し上げたことの繰り返しになってはいけませんので、簡単に申し上げますが、実は統計が、正直にいってはっきり示しております。現に自動車は、先生承知のように、一〇〇%加入になっておるわけであります。軽四輪を除いたいわゆる普通の自動車は、一〇〇%の実績になっておる。この前差し上げた統計資料に出ております。(田邉委員「八入%か九十何%だ」と呼ぶ)失礼いたしました。いろんなものを平均しますと九十何%、中には一〇〇%のものも実はあるわけです。そこで、軽四輪が実は七三%くらいでございますね。これは先生おっしゃるような保険会社の努力が足りないという問題よりも、先ほど申し上げておるように、やはり強制加入を確保するための、何と申しますか、手段、こういうものが欠けておる。だからさっきから申しておるところは、そこが実は非常に大事だと思いますのは、つまり第三者の利益保護のための強制保険ですね。したがって自動車を持っている人の、つまり人間の本能からいきますと——それは考え方からいったら正しくない考え方ですが、人間の本能からいえば、なるべく入らずに済ませたいという気持ちがある。だから、ともすれば逃げるおそれがあるわけです。そこで現に普通自動車のごときは、最初の制度発足以来三、四年というものは、加入率が八〇%と非常に低かったのは御承知のとおりです。それが三十七年でしたか、ステッカーでもって車検と結びつけるということを運輸省がおやりになった。これは車検が通ってなければ町を走れませんから、その車検に持っていったときに保険に入っているかどうかを見られるわけで、そして保険に入ってなかったら車検を受け付けませんとやられるから、これはどうしても保険に入らなければいかぬというので、一〇〇%近くに実は上がってきた。これは統計がはっきり示しておるわけでございます。ですから軽四輪について、私は別に車検そのものが必要だということを言っておるわけではないので、それはまさに自動車局長の言うように、車検というのは保安上の見地からおやりになるものでございましょう。だから、それなら車検でなくてもいいのです。要は、ちょうど普通自動車において車検がチェック制度になっておると同じような仕組みというものをやはり考えていかないと、そこはなかなかむずかしいのじゃないか。現に今度の原付自転車でございますか、そういうものは一体どういうことになるのか、私はそこに実は非常に問題があると思っておるわけでございますが、やはりこれは保険会社の努力云々ということよりは、むしろそっちのほうの制度の面に問題があることはひとつ御了承いただきたいと思います。
  98. 田邉國男

    ○田邉委員 私はそこが問題だと思います。と申しますのは、車検制度というものを強制加入の問題と何かからめて話されました。私は、車検制度はあくまでも車検制度、それから保険会社が強制保険に加入させるという制度は、あくまでも保険会社が今日まで努力をしてやることなんです。ところがその努力が、私に言わせれば足りない。要するに末端の町村に保険会社の代理店の組織が十分できておらない。ですから、これをやろうとすれば非常に経費がかかるので、なるべく経費をかけないようにして強制保険をとっていこう、それにはうちにいて、片方で自動車局に命じて強制保険をやれば、そこで網にかかってくるからそれをひとつやろう、そういう安易なもののねらいがあるわけです。ましてや今度は原動機付に至ってはおそらく把握できないでしょう。だからこれも車検制度にしてもらいたい、おそらくそういうのだろうと思います。そういう車検制度とこの保険とを銀行局長が結びつけてものを言っているのは、私は営利会社である保険会社の保護の話をしている以外の何ものでもないと思う。だから、もう少し保険会社の末端の組織、代理店が整備されておるならいい。されていない現実において、この被害者保護ということ、公共性というものをうたうならば、何で能力のある農協にこれをやらして悪いことがあるか、こういうことなんです。
  99. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 これは私ども決して何も保険会社の利益を擁護するとかなんとかいうものじゃございません。むしろ私どもの使命は、保険会社を厳重に監督すべき立場でございます。ただいま私が車検との関係を申しましたが、これは何も私だけが言っておるのじゃない。むしろ取り締まり当局も同じような見解をやはり言うておるわけでございますから、そこはどうぞひとつ御了承いただきたいと思います。
  100. 久保三郎

    久保委員 もはや時間でありますので、一応本日はこの程度にしたいのでありますが、一ぺん考えてもらいたいことがありますので、関係されておる政府当局のそれぞれに短い御返事をしてもらいます。  これはあんまり大きい問題じゃないが、いまの損害賠償保険制度の中で、農村で使うテーラー、耕うん機ですね、こういうものが保険の対象に実はなっているわけです。この事故率は、先般聞きましたらばやはりそう大したものではない、こういうふうな報告であります。よって、この際入れるものは原付自転車というのが法案でありますが、これはどうするか、これから非常に問題が多いと思うのですが、それと同時に、いま申し上げた自動耕うん機というかテーラー、この種のものは自賠責から除いてはいかがかとわれわれは思うのであります。もしも使用者そのものが不安であるとするならば、それはまず、保険共済かは別にして、それぞれの農協でこれはかける。これはいまの田邉委員とか私が論争しておる問題とは別個に考えてもらえるのではないか、こういうふうに思うわけです。もっともいま銀行局長はじめそれぞれの局長が——局長と言ってもお二人がよければいいのですからね。農林省はきっと文句はないでしょう、どうですか。これだけの答弁をしてください。
  101. 坪井為次

    ○坪井政府委員 耕うん機につきましては、これは性格上本来道路上を運行するものではありません。運行はしますけれども非常に少ないというようなこと、それからまた構造、性能、そういったことから考えましても、事故発生の可能性も非常に薄いということで、われわれとしては廃止の方向で実は検討しておったわけでございます。その場合に、さらに廃止の理由としては、原動機つき自転車も強制保険になっておらぬから、それらから比較しても廃止できるのではないかという意見に固まっておったのでありますが、今回たまたま原付を人命保護のために強制保険にするということが一つと、それから耕うん機についても事故が皆無でないというような事実がありましたので、一応慎重のために見送ったわけでございますが、われわれとしても廃止の方向で検討しますし、また廃止することについても異存はございません。
  102. 佐竹浩

    ○佐竹政府委員 本件につきましては、実は自賠責審議会から、久保先生御指摘のように、こういうものははずすべきじゃないかという答申をいただいております。したがって、大蔵省としてははずすことについて全く異存ございません。
  103. 久保三郎

    久保委員 農林省も問題はないでしょうね。
  104. 横尾正之

    ○横尾説明員 農林省といたしましては、先ほど御指摘のとおりに、はずすべきであるという方向で考えております。
  105. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、これをはずすことについて関係省庁は全く同意見であったと思うので、これをはずす技術的なものは、これは当委員会で考える以外にないと思うのです。政府で修正というのもちょっといまの時期ではおかしいと思うのです。そういうことも含めて、これはひとつ確認事項としてきめていただきたい、こういうように思います。  本日は時間もありませんから、この程度で次会に譲りたいと思います。
  106. 古川丈吉

    古川委員長 次会は明後八日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会