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小林武君 まあ、そういう申し入れがあった。
保存の申し入れがあった。これについていまのところ態度を決定しかねておるというような現状で、
調査はまだやっておりませんね、
発掘調査は、本年度においては。これはどうですか、いつまでも
調査もやらぬでおくというようなことをやっておったら、会社でもいつまでに一体あれしてくれるのかというようなことになるんではないですか。
調査を、やるものはやる、
保存する態度をきめるならきめるで、早くやらないというと、相手方は結局企業ですからね。もういつまでも損をさせられてはかなわぬですから、だから私は、早く態度を決定すべきだと、
文化財については。あなた方にそういうことを申し上げるのは釈迦に説法みたいな話ですけれ
ども、たとえば日韓の問題
一つ取り上げましても、
文化財問題というものはたいへんな大問題ですからね。これはある雑誌である
考古学者の書いたものをちょっと見たのですけれ
ども、かりに正倉院の中の何かがなくなったというようなことになったら、これはどえらいことです。あるいは法隆寺の壁画にちょっと絵を書くというような
人たち、模写する
人たち、修理する
人たちが事故を起こして焼いたというだけでもたいへんな責任問題です。というふうに、文北財というものはたいへん大鵬にされている。それを一そう大事にするというのがあなた
たちの役目です。ところが、出てきたところのそういう、たとえばつぼであるとか、絵であるとかいうようなことも大事であるけれ
ども、また地中に埋没された
文化財というようなものも、これもまた重要なものだという認識がなければだめだ。骨とう品のような形で、こいつは値段があるとかないとかいうふうに
理解されては
文化財もたまらぬ。この辺は日本の
文化財に対する
考え方というものをやはりある程度
考え直してもらわなければならぬところだと私は思うのですが、どうも地面の底にあるやつは、問題でも起きなければかまわないのだというような、そこまでは言わぬけれ
ども、問題がなければあまり取り上げないというような、そういう
考え方じゃ困るのであって、やはり積極的にそういうものに対して一体どうするのだということにならないというと、これはたとえば
道路公団は
道路公団で、あるいはその他のいろいろな土木、国土開発に
関係のある団体等はいつでも問題が起きると思うのです。問題が起きてからあわててかけつける、かけつけるというと、お前らがそんなふうにじゃまするのじゃ
工事が進まぬとかいって、そうして同じ
政府部内でも
意見が衝突するというようなことが過去にあった。これがいわゆる実力者であったために江戸城の中の重要なあれが
調査されないままにこわされたという事実もあるのでしょう。だから私は、あなた
たちのほうは神経をもう少し鋭敏にして、
文化財というようなものが大事だということを国民にも知らせ、それぞれの
関係の諸団体にもよく知らせるというような役目をあなた
たちお持ちになっているのだから、私はそういう意味でひとつ十分お
考え願いたいと思うのです。そこで、まあいまどうしたらいいかというようなことでは、相手もそれはもうもうけるためにやっている会社ですから、やはりがまんにも限界があるだろう、どうしてやるというようなめどをつけてやらなければならない。急速な解決を必要とする、こう思うのです。私はちょっと予算の面で、たとえば買い上げのことを言うと、平城宮跡の
あとの買い上げに必要な
経費は、四カ年
計画のことしは第三年度ですね。そうすると、来年でもってこの問題は解決する、そうすれば、このことは何ぼ出しておるか、あなたのほうは数字のほうの
専門家ですから、四十年度の買い上げは六万三百四十九坪で、これは幾らになるか
——三億九千万、約四億ですね。四億出しておる、これを四カ年
計画で四億くらいずつ出しておるのですね。そうすると、これが第三年度ですから、来年四十一年度で大体終わりになる。そうすると、こういうところが解決すれば、その次のことは、これは
あと一万坪くらい買えばいいはずですから、大体四億幾らの金が浮かんでくれば千葉県とか何とかにいろいろ話をして、これも
一つの解決の道があるのじゃないか、こう思うのです。だから、私は態度をやはりはっきりすべきだと思う。学者の間でもいろいろな
意見のあることは私も知っておる。この間も
静岡へ行ったら、たくさんの学者がいていろいろな
意見を言うので、何とかかんとかいう話を聞いたけれ
ども、そんないろいろな
意見があるとか、学問上のことで対立するとか、そんなことは問題じゃない。われわれはいろいろやっておる間に、それぞれのいい
意見を聞いて
保存すればいい。結局、
文化財の
保存のことで
仕事をやればいいのですから、その両方のけんかをおもしろがって見ていたり、片方をたきつけたりする必要はない。われわれはそういう態度でもってものを
考えれば、これはいろいろな想見も出ておるやに聞いておるのですが、そんなことは抜きにして、ひとつ
加曽利貝塚をどうするかということについて
結論を出していただきたい。これはどうですか、長くかかりますか。あなたのほうで、
委員会の中で
お話し合いを持って早急に解決できませんか、どうですか。その点をお伺いいたします。