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1965-08-05 第49回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年八月五日(木曜日)    午前十時二十二分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         田中  一君     理 事                 植竹 春彦君                 白井  勇君                 新谷寅三郎君     委 員                 古池 信三君                 迫水 久常君                 西村 尚治君                 谷村 貞治君                 久保  等君                 鈴木  強君                 光村 甚助君                 石本  茂君                 鈴木 市藏君    国務大臣        郵 政 大 臣  郡  祐一君    政府委員        郵政政務次官   亀岡 高夫君        郵政大臣官房長  鶴岡  寛君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        郵政省郵務局長  長田 裕二君        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君        日本電信電話公        社経理局長    中山 公平君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政省所轄事項に関する件)  (日本電信電話公社運営に関する件)     ―――――――――――――
  2. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから委員会を開会いたします。  速記をとめて。   〔速記中止
  3. 田中一

    委員長田中一君) 速記を起こして。  まず、委員長及び理事打合会協議事項について報告申し上げます。  当委員会定例日につきましては、当分の間、火曜日と木曜日の午前十時に開会することになりましたので、御了承願います。  なお、本日の委員会においては、郵政大臣から郵政省所管事項概要説明を、また、日本電信電話公社総裁から公社事業概況について説明を聴取した後、両件に対する質疑を行なうことになりましたから、御了承願います。     ―――――――――――――
  4. 田中一

    委員長田中一君) それでは、これより議事に入ります。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  まず、郡郵政大臣から、郵政省所管事項概要について御説明願います。
  5. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) この機会に郵政省所管行政につきまして概略御説明申し上げたいと存じます。  まず郵便事業について申し上げます。  最近におきまする郵便業務運行は、東京及びその周辺地区の一部に若干の遅配が見られますほかは、おおむね順調に推移いたしております。この遅配につきましては、常に適切な対策を講じて早期解消をはかることといたしておりますが、今後は、特に業務正規取り扱いについての指導を徹底いたしまして業務の正常な運行を確立するように考えております。  また、郵便事業近代化につきましては、昨年十一月の郵政審議会答申に基づきまして、郵便物種類体系の改定、郵便物規格化局内作業機械化郵便輸送近代化郵便番号制度実施集配作業機動車化住居表示制度実施促進等各種施策を着実に実施いたしてまいりたいと考えております。  なお、最近は、逐年にわたる人件費物件費増高によりまして、財政状態は非常に悪化しております。このような状態では、今後ますます増加する郵便物を円滑に処理し、時代要請にこたえ得るサービスを提供するために必要な諸施設整備拡充をはじめ、事業全体の近代化を早急に実現することは困難な状況にありますので、これらに必要な財源を何らかの方法で確保することが急務であると考えております。  次に、郵便貯金簡易保険及び郵便年金について申し上げます。  これらの事業は、関係各位の深い御理解と御協力によりまして、現在まことに順調に推移いたしております。  まず郵便貯金の増勢でありますが、三十九年度増加目標額二千七百億円に対しましては、三千八百七十億円(一四三%)の実績をおさめることができました。本年度に入りましても、七月二十日現在におきまして、増加目標額三千八百億円の四四%に当たる一千六百八十一億円の増加をあげておりまして、これは昨年同期の実績より三二%上回る成績であります。  なお、七月二十日現在の郵便貯金現在高は、二兆三千七百七億円に達しております。今後もざらに一段と郵便貯金増強につとめまして、本年度目標額の完遂をはかる所存であります。  次に、簡易保険におきましては、三十九年度の新契約募集目標三十二億円に対し、三十八億二千九百万円(二九・六%)の実績をおさめましたが、本年度も四十三億円の新契約募集目標に対し、七月二十日現在、九億九千七百八十万円(二三・二%)に達しております。このような募集面の好調を反映いたしまして、五月末における契約高は三兆六千三百億円、資金総額は一兆一千五百億円となっております。  また、郵便年金におきましては、本年度の新契約募集目標額十億円に対し、七月二十日現在、三億円(三〇%)となっております。  今後開放経済体制下わが国経済の安定と発展をはかるには、資本蓄積、なかんずく長期的貯蓄が必要とされることにかんがみ、事業の推進にあたりましては、これら経済要請にこたえるため、新契約募集増強につとめるとともに、加入者福祉施設拡充整備等努力いたしまして、国民生活の安定と福祉の増進をはかるとともに、事業使命達成を期してまいりたいと存じております。  なお、ただいま簡易保険郵便年金の両事業近代化につきまして郵政審議会審議を願っており、近く答申がなされる予定でありますので、答申を待って事業近代化に積極的に努力し、その発展をはかる所存であります。  次に、事故犯罪について申し上げます。  郵政事業における事故並びに犯罪の防止につきましては、郵政事業そのもの国民信頼を基礎にして悩まれていることにかんがみまして、かねてから郵政省の大きい方針の一つとして努力してきたところでありますが、なお、各種事件が免じていることはまことに遺憾であります。  昨年度において発覚した犯罪は、件数において三千二百八十八件、金額にして二億六千九百五十万円で、これを前年度と比較いたしますと、件数では八%減少しておりますが、金額では三%増加いたしております。  今後とも国民信頼にそむかないよう公務に携わる職員全体の道義心を高めますとともに、各種の方策を充実させ、綱紀の粛正をはかっていきたいと存じます。  次に、電波関係について申し上げます。  電波法及び放送法改正につきましては、次期通常国会改正案を提出すべく、目下鋭意検討を加えているところであります。  御承知のごとく、今年は放送局の再免許の年に当たりましたので、日本放送協会からは、標準放送局工費九十七局、テレビジョン放送局五百八局、また、一般放送事業者からは標準放送局百三十七同、テレビジョン放送局二百六十六局、計千二百八局につきまして再免許申請がありましたが、これらについては、慎重に審査をいたしまして、去る六月一日すべての放送局に対しまして再免許を与えました。  なお、これらのうち、株式会社日本教育テレビ、及び財団法人日本科学技術振興財団に対しましては、教育番組確保等に関する条件を付し免許を与えました。  次に、さきの第四十八回通常国会におきまして電波法の一部を改正する法律が可決成立いたしましたことに伴いまして、これの施行に備えまして、電波天文業務等受信設備の運用の保護基準無線従事者検定制度合理化のための従事者養成課程認定基準等について関係省令改正するよう目下取り運び中であります。  次に、日本電信電話公社経常概況について申し上げます。  三十九年度事業収入は、四千二百三十五億円でありまして、収入予定額に対し、三年ぶりに七十九億円の増収となりましたが、四十年度に入りましてから六月末までの収入予定を若干下回っておりまして、今後の推移を注視しなければならない状況であります。  また、三十九年度における加入電話増設は、当初予算工程八十二万加入予定に対し、約八十五万七千加入公衆電話は約二万九千個、市外回線は約四百一万キロメートルを増設し、それぞれ所期目標を若干上回る成果をあげており、また、本年度建設も順調に進捗するものと考えております。  以上をもちまして、私の説明を終わります。  所管行政の円滑な運営のため御協力のほどお願い申し上げます。
  6. 田中一

    委員長田中一君) 次に、米沢日本電信電話公社総裁から、日本電信電話公社事業概況について御説明願います。
  7. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 電信電話聖業につきましては、平素、格別の御配慮と御支援を賜わっておりまして、まことにありがたく、厚くお礼申し上げます。  ただいまから日本電信電話公社の最近の事業概況につき御説明申し上げたいと存じます。  まず昭和三十九年度でございますが、全般的には、わが国経済景気調整のうちに推移いたしましたが、幸い、電信電話事業につきましては、所期以上の成果をあげることができました。すなわち、事業収入は四千二百三十五億円となり、収入予算額四千百五十六億円に対し約一・九%の増収となりました。また、建設工事におきましても、加入電話八十五万七千加入公衆電話二万九千個、市外電話回線四百一万キロと、いずれも予定を上回る増設を行ないました結果、昭和三十九年度末における加入電話は六百三十三万五千加入公衆電話は二十二万四千個、市外電話回線は一千八百五十七万キロとなり、市外電話即時化率は八三%となっております。  次に、本年度経営状況でありますが、四十年度予算におきましては、事業収入を四千人掛十四億円と見込んでおりますが、六月末における実績は一千百六十六億円でありまして、二四・二%の達成率にとどまっております。これは最近における一般経済界の情勢を反映して電報・電話につきましても、若干利用の減少傾向があらわれてきたためと考えられますが、公社といたしましては、予算予定した収入額を確保するため努力を重ねてまいる所存であります。  また、建設工事につきましては、その工事総額は、成立予算三千三百六十九億円に前年度からの繰り越し額百八十八億円を加え、三千五百五十七億円となっておりますが、六月末における支出額は七百六十九億円でありまして、総額に対し二一・六%の進捗率となっております。なお、六月末における加入電話増設数は三十万九千、公衆電話は一万でありまして、年間予定のそれぞれ三〇・九%及び二九・四%を消化しており、建設工事は順調に推移する見込みであります。  以上簡単でございますが、最近の公社事業概況説明を終わらせていただきます。
  8. 田中一

    委員長田中一君) それでは、これより両件に対する質疑に入ります。御質疑のある方は、順次、御発言願います。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 きょうは、私は基本的な一つ二つの問題について大臣最初にお尋ねしたいと思います。  その一つは、郵便料金の問題でございます。ちょうど、ただいま四十一年度予算編成に着手されている時期だと思います。それで私たちが一番心配しますのは、四十年度予算歳入三千六百二十四億、歳出が三千六百八十一億、出超の異例な郵政省予算特別会計として国会に提案されました。私はそのときの審議で前の大臣にも御所見を承ったんですが、幸い、持ち越し金というのが六十七億ありまして、そのうちから五十六億の支出をして四十年度はつじつまを合わしたんです。バランスシートをとったんですが、おそらくこれは、これからの収入推移がどうなりますか、よくわかりませんが、いずれにしても、四十一年度予算編成に際して、この郵便料金の問題が必ず出てくると思うわけですね。合理化もやり、いろいろ節減もされることでしょうが、おそらく歳入がなかなかふえてこない、歳出はふえていくという結果になると思いますので、新大臣として、これらの経緯は当然前大臣からお引き継ぎがあったと思いますが、聞くところによると、郵便料金値上げは、四十一年度からすでに大蔵省では暗黙裏に内々に認めておったとかおらなかったとかいうようなうわさも私たちは聞いておるわけです。大臣はそういう点については、議事録を見ますというと、私の質問に答えて、料金値上げとか、そういうものも十分考えて四十一年度予算編成しなきゃならぬだろうと思うと、こういうふうに御答弁なされているんですが、はたしてこれはそういうかっこうになるのかどうなのか、非常に私たち郵政予算経常について心配している者の一人として、大臣から御所見を承りたいと、こう思うわけです。いかがでございますか。
  10. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 鈴木さんから御心配いただきますとおり、確かに、これからの事業近代化を実現してまいりますためには、いまの財政状態はまことに困難な状態にございます。それで、おっしゃるような必要な財源を何とか確保したいということは考えております。その一つの方向としては、確かに料金の引き上げ、これは確実に財源を得ることができる方法でございます。しかしながら、同時に物価への影響、いろいろなことを考えなければならない際でございます。そうすれば、一体どんな方法によって財源を確保するか、いろいろと予算概算要求、また順次、予算時期に入ってまいりますので、省といたしましても、また大蔵大臣等ともいろいろと折衝を現在いたしておる状況であります。これは、何と申しますか、衆知を尽くしてひとつこの時期を乗り切るように措置を講じたいと思います。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 お差しつかえがあったらいけませんですけれども、まあ、たいへん御苦心なさっているのですが、結局、簡単に言ったら、四十一年度特別会計予算編成に際しては、郵便料金値上げをやらなければどうにもならぬのだ、その扱いについて、いま慎重に考えているのだ。上げるのはどれを上げるのか私は聞きませんけれども、とにかく、そういうふうに理解しておいていいですか。
  12. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 料金でいくという方法一つ、あるいは繰り入れ金または借り入れ金等による方法もございましょう。上げるとすれば、ある程度財政が確実に持っていけるだけの十分な上げ幅を持たねばならないと思います。そういうような状況でこれから五カ年くらいの計画を考える。当然出てまいるものでありますから、四十一年度どうするか、これがただいま申しましたように、どの方法でやるかということ、これはこれからの、四十年度、決していまの経済状態はいい状態ではございません。ございませんが、まあ三カ月経過したのを見まして、今年度推移見込みをもう少し立てまして、そうして、どの方法でいくかということで、そのもとをいまひとつ考えておるところでございます。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、なかなか言いにくいだろうと思うけれどもね。借り入れ金をすると言ってみたって、一体どういう方法でやるのかということを私は知りませんがね。非常に借金しなければならぬ。それから繰り越し金といっても、繰り越し金はたしか、去年の御説明ですと、六十七億円。三十九年度の決算のとき、どのくらい繰り越しがなされたか、よく私わかりませんけれども、聞いていませんから。いずれにしても、そういう金はもうほとんどないわけです。ですから、結局、借り入れでいくか、料金値上げかという二つしかないわけでしょう。なかなか借り入れというのは、これは借金ですから、むずかしかろうと思う。これは公共料金値上げは、政府の総理の答弁等も聞いておりますが、国民感情としてはこれは許さぬ。そういう中で一体郵政事業をどうやっていくかということは、新大臣としてもたいへん頭の痛いところだと思うのですよ。ですから、あらかじめそういう経営実態というものをよく理解していただくと同時に、所信を明らかにして早くやるべきだと思うのです。そうして国民理解を得ぬといけないのだ。ぼくらは上げてもらいたくない、率直に言って。しかし、あなたのほうからすれば、なかなかそう言ったって、経営をやるには、収支ペイしなければならないだろうし、そういうようないろいろなことがあるでしょう。その事実をなるべく早く理解してもらうことが私は大事だと思うのですね。そういう意味で、せっかく開かれた臨時国会ですから、私はその辺は非常に困っているだろうと、こう推察しますからお伺いしたのです。もう少しどうするのかというはっきりした線は出ないですか。
  14. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) これは私の私見でございますけれども、公共料金というものをぽつぽつ、ぽつぽつ上げていくよりも、ある時期に――郵便にいたしましても、電信電話にいたしましても、運賃にいたしましても、ある町制に公共料金というものは、解決しなければならないものはあわせて解決する、一つのものの考え方でございます。ただ、もう鈴木さんが御指摘になりお察しになりますとおり、そうした解決をするのにまことに悪い事態でございましてね。それで問題を郵便だけに限って見ましても、非常に小幅な低位に押えるやり方で一体はたして健全な財源を得ることができるであろうか、確実な。そういたしますると、一体それじゃ、すべての国家経済なり国民生活を離れて郵便事業だけを堅実にするには、どうしてもこうしなければならぬと、これはある意味では、御指摘のように、私どもがその実態をはっきりさせる努力が少し足らなかった、率直に私は考えております。したがいまして、これは何と申しましても、非常な無理を重ねておる。これから国民生活に役立つためには、やはりこれだけは忍んでもらわなければいかぬのだということをもっと徹底させることが必要だと思います。しかし、それを一体この四十一年度予算のときに、どのような判断で解決をいたすか。そこは、いま御指摘ございましたが、何ともいまのところ、まだ決心をつけかねておる状態であるというのが、いまのありのままの状態でございます。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 これ以上、きまってないのに聞いても答えが出ないと思いますから、きょうはこの程度にしておきます。で、時間は大臣どのくらいいいんですか。
  16. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 呼び出しが来ますまでは、なるべくこちらにいさせていただくつもりでおります。向こうの何か呼び出しが参りましたら、失礼さしていただきます。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 それから、これは少し私は突っ込んだ論争になるので、きょう、どうかと思いますけれども、大きな考え方だけを伺っておきたいと思うのです。それは、放送法改正が、御承知のとおり、前国会で前大臣やるという所信を表明したんですけれども、ついにできなかった。したがって、放送法改正がおくれております。そこで、当面、六月に再免許をやりましたね。これもあとから伺いたいんですが。それから、たとえばFM放送免許基準が、技術というものを一体どうするか、それから一体いま盛んに問題になっておる相互乗り入れの問題をどうするか。あるいは近畿テレビの、この長い紛争問題をどう解決していくか。私は、当面非常に電波行政は重大問題があると思うのです。そこで、詳しいことはあとにいたしますが、御所信の中で、次の通常国会放送法改正を提案したいと、こういうお考えなんですね。そうなりますと、これらの当面緊急に解決しなければならない問題があるのだが、FMについては、NHKに優先的に置局させておりますから、実験放送としてですね。しかし、それに対して各方面からこのFMの第三エリアとしての申請が出ております。ですから、こういうものも放送法改正があるまで、そのままにしておくのかどうかということで、これは問題があると思いますがね。あなたはそれまで、放送法改正があるまでは、これらの問題はもう手をつけないで、放送法改正の暁に、いま申し上げたようにほかにもあると思いますが、問題は解決していくのだという御所信か。それとも、そういう問題は逐次解決していくという考えか。特にUHF親局の設置の問題だとか、中継局の問題だとか、近畿テレビについては当然かかってきますから、その問題は、問題がいま放送法としての関係でまだしっかりしていないわけですから、ですから、そういう点だけ、改正があるまでは手をつけないのか、それとも、それまで、できるものはどんどんやっていくということか。そこらはどうお考えですか。
  18. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 鈴木さんのお話のように、放送関係法制は、どうしてもいまもうこれから十五年なり二十年なり、放送関係法制については、非常に長い歴史はともかく、その時代に適合した制度改正をしなければ相ならぬと思っております。現在問題になっております非常に多くの懸案は、一体、新しいと申しまするか、全国的にどういうチャンネルプラン考えたらよろしいかということで、あわせて考えなければ、もう解決しない問題が非常に多いと思います。しかし、同時に、これはもっとはっきりしておかなければならないのは、法律改正前提とせずと、将来このようなチャンネルプランを全体に考えることが妥当だとするなら、その一つとして、UHFの活用をしたら問題が解決するんじゃないかというような問題が現にあるように考えております。ただ、いずれの問題も相当問題が率直に申せば時間を経ております。時間を経ておる間に、いろいろな派生的な問題も起こっておる。したがって、そうした問題を解決していきますならば、私は必ずしも放送法改正を待たなければ、すべての問題をたな上げにしなければいかぬというぐあいには考えておりません。ただ、それがどういう手順でこれをほぐしていくことができるか。これは私も私なりに事態を早く承知をいたしまして、めどをつけようと思っております。お尋ねの点、端的に申し上げますれば、多くの問題は、やはり放送関係法制を、この間の審議会の御答申を拝見いたしましたが、放送法の点に触れておりますが、放送法電波法を通じて改正して、そうして日本全体にどうやったら一番理想的な姿になるかということを考え解決する問題が多いとは思いますけれども、そうしたことの一部分を、だれが見ても改正ということはほかに方法がないじゃないかというような前提を持ちながら、解決する部分法律改正を待たずに解決をいたしたい、こういうふうに考えております。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 もう一つ徳安さんが前にたいへん苦労されて一応まとめた案があると思うのです、最終的なものではないと思うのです、構想がね、臨時放送関係法制調査会ですね、その答申に基づいて、前大臣が一応まとめた幾つかの基本問題に対する考え方があると思いますが、そういうものは全然白紙にして、大臣たいへん勉強されておるようですが、あなたの考え方最初から答申に基づいてやっていこうという気持ちですか。その辺はどうなりますか。
  20. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) おっしゃるとおり、前大臣の手元でもいろいろお考えをいただいたようでございます。それで、現に私が審議会答申に基づいてずっとすべてのことをリリーフしながら、それでこの部分については前大臣はどのように考えたかというようなことを聞きながら、貴重な参考にはいたしております。しかし、私、この際、必ずしも前大臣がこう考えたからという、そのワクにこだわらずに、とるべきものはとり、また、前大臣は取り上げられなかったことでも取り上げてまいったほうがいいようなものもあるような気がいたしております。そのようなことで十分考慮には入れながら、新しい観点でいくというようなやり方をしていきたいと思います。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 十二チャンネル、十チャンネル、これらの点については、私、関西テレビとか、意見がありますけれども、大臣関係がありますから……。  次に、きょう、もう一つ伺っておきたいのは、これは大臣もよく研究してもらいたいと思いますが、現在、郵政省では、いろいろな理由はあるでしょうけれども、われわれの郵便物を委託配達をしておられるようですね。かねがね、いろいろな事故が起きまして、この委員会でも問題になっておるのです。たまたま、私はきのうの毎日新聞の朝刊を拝見しますと、埼玉県熊谷市の古岡郵便局という、集配特定郵便局ですね、そこの配達員の十六の少年が、五月の一日から七月の十六日までの間に、配達に持って出た速達郵便百九十通を毎日家に持ってきて、ハト小屋にしまい込んでおった、こういう不祥事件が起きまして、各方面から非難を受けているわけです。これは私は、信書の秘密もあるでしょうし、一体、十六の少年が、どういう人か、あとからまたいろいろお伺いしたいと思うのですけれども、百九通も速達郵便を象に持ってきて、ハト小屋にしまい込んだというのは、これは許すべからざることだと思います。こういうことをやっていると、郵便事業の信用が失墜しますよ。速達ということになると、特にこれは急を要する問題だと思いますからね。普通郵便でも変わりないと思うのですけれども、特にそういうような速達ということになりますと、問題はまたよけい国民からひんしゅくを買うと思うのです。一体、こういう制度が逐次拡大していっているのですね。そういうことはもう原則ではないと思うのです。ですから、何かの理由でやむを得ない場合は、法律もあるわけですから、その法律に基づいておやりになることは、これはわれわれもいいと思うのですけれども、それが、その原則がだんだんくずれて拡大していくということは、一体どういうことですか。私はいろいろな理由があると思いますけれども、もう少しこれは考えてもらわぬと困ると思います。大体こういういきさつをよくわかるように説明をしてくれませんか。
  22. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 御指摘になりました吉岡の問題というのは、これは私も非常に、どういう事情がありましても、あってはならないことだと思います。ただ、私は、これは感ずるのですけれども、日本郵便なり電報なりというのはまことに親切な、これくらい親切に行き届いてできているところは少ないのじゃなかろうか、安い料金で。だから、先ほどの料金の問題にも触れてくるだろうと思うのでありますが、そうすると、取り扱い数の著しく少ない局だとか、取り扱いの少ない時間帯の要員配置をなかなかこれは完全にすることができないから、それで請負制というのが出てきたんだと思います。私も聞いてみますと、こういう今度の御指摘のような取り扱いにつきましても、一方、郵便法もございますが、信書の秘密を守るような点は、請負の際にも非常に気をつけては扱っておるようでございますけれども、事柄としては、かなり、ことに少年が扱いました場合、先般の場合などは、夜は少年でもあり、また、少年が私の聞いたところでは、あまりたよりになる少年でないので、保護者である親がいつもついて歩いておるというようなふうである。ところが、少年を雇わざるを得なかった。また、何か事故があったときに、法律に基づく制裁は別でございますけれども、請負の関係では、ただ契約を解除するよりほかに方法がない、これはどうも事柄としては不安な問題ではありますが、それだけに、近ごろなるべく拡張しないようにしているそうでございます。むしろ、今度のようなのは特例でございまするけれども、でき得る限り、受託者に対する手数料と申しまするか、支払いしまする額もつとめてふやすとかというようなこともいたして、役に立つ請負にするようにしていく。しかし、それ以上にさらに必要なところはなるべく定員に組み入れていくような措置を講じていくということが根本だと思います。ただ、どうにも当初申しました数が少ないところでございますね、これについては、やはり請負制というのを間違いのないようにしながら活用していくというのが、いまの郵便のサービスをするむしろ適当なやり方じゃないだろうか。しかし、それと吉岡の問題は全然別でございます。十分この請負制度の扱いについては、これからも気をつけることにいたします。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 大臣ね、ちょっとあれですけれども、郵便料金が安くてなかなか人も雇えぬ、簡単に言えば。だから、そういう請負制度でやるのはやむを得ないという、そういう言い回し、ぼくは大臣の発言としてちょっとどうかと思いますよ。これは。タクシーの運転手さんは給料が安いからお客さんに当たる。給料が安くても、やはりサービスはサービスとして、お客さんに親切を尽くすのが、ぼくは運転手の任務だと思います。ですから、そういうことでなくて、やはり特殊の請負制度をしなければならぬ理由があってやっているんですから、そのことはわれわれもわかっております、法律もあるのですから。そのことはわれわれも否定しない。しかし、大臣おっしゃったように、夜間はおやじがおったからついていったんだと思います。夜変な頭のやつが昼間頭がよくなるわけはないですから、昼だれかついていかなければ配達できないような、そういう不適格者を雇っているということは知っておったのですか。たまたま、この事件が起きて調べてみたら、そういう経過があったというのですか。人が足りなくてやむを得ずそういうほとんど気違いみたいな頭の狂った者でも雇ったというのか。これはきわめて大事ですから、これは、こまかいいきさつわからなかったら、事務局でもいいですから、これは非常に大事なことだと思いますがね、これはどうなんですか。
  24. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) この吉岡局の状況でございますが、先日、郵便をハト小屋の中に隠しました内島信次、十七歳未満の少年でございますが、これの契約の内容は、午後の四時三十五分から午前八時半までの電報と速達の配達という内容になっております。で、十八歳未満でございますので、夜の十時から朝の五時までの間は父親がかわってやるということが、契約内容になっておりまして、そのことが、父親がついていくというふうな誤解を招いたのかと思っております。委託契約の内容としましては、本人がやる時間、父親がやる時間、こういうふうに分けております。で、電報が一日に平均三通ぐらいと、それから速達のほうは、これは到着するのが、二便でございますが、そのうちの午前七時十三分に到着いたします便の速達だけを配達する、おそらく大体一時間ちょっとぐらいで済む仕事でございます。そういう契約内容になっているわけでございまして、主たる内容は、時間的に見ますと電報配達――非常に通数の少ない、一日約三通ぐらいの平均でありまして、三通ぐらいの電報を午後の四時半から朝の八時半までにわたって配達するのが勤務のほうからいいますと主になりまして、その中に七時過ぎの速達を配達するというのが含まれているという形になりまして、こういうようなところで、本務者を置いて電報なり速達なりを配達するというのが一つ方法でございますが、おそらくこの時間にわたって本務者を置くといたしますと、二人あるいは休暇要員など入れますとそれ以上の人間になるかとも思いますし、かれこれあれしまして、こういう制度をとりますことは、制度自体としては必ずしも当を得ないことではないというふうに考えられるわけでございまして、待遇の問題も一つでございまして、この勤務につきましては電報と速達両方合わせまして一万六千円くらいの報酬でございました。この八月四日から改めまして、三千円ばかり上げて一万九千円ばかりにいたしたわけでございますが、結局深夜にいつ引っぱり出されるかわからないというようなことなどで、給与全体も低いこともあれですが、報酬が少ないということで問題もございますが、最近は夜中に引っぱり出されるかもわからぬということをきらう傾向がだんだんふえてまいりまして、過去三年ばかりの間に四人ばかりかわりました。この少年につきましては、五月一日から七月十五日まで契約を結んでおりましたが、先ほどお話しのございましたように、ときどきどうも速達を配達しないことがあるというようなことなども、次の配達に回したりするというようなこともありまして、七月十五日に契約を解除しているわけでございます。事件の発覚いたしましたのはあとでございましたけれども、七月二十四日でございましたが、十五日に解除いたしまして、新たに二十八歳になる堀という人と契約していたわけでございます。この事件が起こりまして知れ渡りました関係で、その後任者の堀という人も実はやめさしてくれということで、一応こちらは解除されたというのでございますが、八月四日以降になってから、またあらためて郵便局のほうから本人によく事情を話してもらうし、三千円給与も引き上げるということによりまして、きのうからまた二十八歳の堀氏が働いているわけでございます。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 大臣が御答弁の中で父親がついておらなければいかぬと言ったものですから、私はこれは少年に対する失礼な発言をしたのですよ。だけれども、もしそうでないとすれば、これは名誉のことですから、私もさっきの発言は訂正しなければならぬと思うのです。いまの郵務局長のお話だと、午後十時以降父親がやるという以外は少年がやったというのですから。そうすると、ちょっと食い違いがあるし、そういうふうなだれか付き添っていかなければならぬような者であったのかどうなのか。もしそうだとすれば、非常に不適格者ですから、そういう不適格者と知りながら雇っておるのですから、これは郵政省の大きなミスです。そういう点見解を統一さしてもらいたいと思います。
  26. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 私、事実についての承知のしかたが不十分でございました。その点は郵務局長の申しましたとおりでございます。私の承知しておりますところでも、契約のときに書類の上にそのことは、いま郵務局長の申しましたようなことは書類にも残っておりまするので、夜間は親がいたすということに相なっております。そのように先ほど申しました点は改めさしていただきたいと思います。したがいまして、結局、こういうものにつきましては、健康である成年男子がいたす、少なくとも請負にいたしましても。したがいまして、今度の吉岡局のような少年を使うということは今後いたさないように、全国どういうぐあいの状態になっておりますかつまびらかにいたしませんが、健康な成年男子にやってもらうというようなぐあいにいたし、実行してまいりたいと思います。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 この制度そのものは、一応現在の段階においてやむを得ない、これはしようがないと思いますが、ただその制度の活用が非常に問題があると思うのですね。そこで、一体そういう制度がだんだん拡大しているのか、あるいはどうなっているのか、そういう推移はおたくのほうからデータをもらわぬとわかりませんけれども、おそらく集配特定局というのは全国に七千くらいあると思うのですね。そうすると、一万以上の人が速達配達、電報をやっているのじゃないですか。ですから、そうなりますと、制度の活用というのは、一体逐年減少していっているのか、あるいはふえていっているのかというようなことはどうなんでしょう。数字的にそれはどうなんですか。
  28. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) 電報と速達の関係でございます。それ以外にも若干請負集配あるいは運送の請負がございますが、これらはその量あるいは地況などに応じてだんだん定員化してまいっております。ここで問題になります電報と速達の関係でございますが、電報の請負配達は全国で七千三十一人ございます。それから速達のほうは三千五十人というふうになっておりますが、この局におきますように電報と速達を両方やっているのが大部分でございますから、これは七千三十一プラス三千五十ということではなしに、総人数で大体七千人台でございます。今後ふえていくか減っていくかという問題でございますが、大体非常に業務量が多いわけじゃございませんので、勤務時間の関係等で、非常に少ない通数を処理するのに、いつ来るかわからないけれども、来たら受け得る態勢をとるのがこの制度でございますために、ふえることはほとんどございません。むしろ通数がふえていくところから定員化するということのほうがおもでございますのと、もう一つは、電報配達につきまして、公社側の電話の直轄化、あるいは電報配達自体につきましても、大局へ集中して機動力を使って遠くまで配達するということも逐次広められております関係で、だんだん減っていく傾向にはあるわけでございます。それから速達につきましても、通数が非常にふえる等の事情がありますと、勤務の服務のさせ方を再検討し定員化していくことも、そう多くはございませんが、少しずつ進められているわけでございます。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 これはやはりできるだけ郵政省の職員がやるというのが筋ですから、ですからこれはあくまでもいまの郵便物運送委託法というのは例外だと思うのです。ですから、その活用について誤るとたいへんなことにもなりますね。ですから、できるだけ本定員によってやっていく――それは郵便法上特別地域のどうしても配達できないところも例外的にありますけれども、原則として皆さんが直接持っていくというのが郵便法の精神ですし、そのために万難を排してやっていかなければならぬのですから、そういう大原則を忘れて、こういう安易な便法に乗って、しかもやり方が非常に国民から非難されるようなことになりますと、これは郵政省の信用失墜になると思うので、私はあえてきょう質問したのですけれども、ぜひそういう方向にひとつ解決してもらいたい。  それからもう一つ、最後にはっきりしておきたいのは、この少年も十六の人ですから無理だと思いますよ。中学の三年ですか、まだ高校生になっていないでしょう、おそらく年齢的に数えてみると。そういう労働基準法上夜十時以降の深夜勤務の問題になるような人を雇って、そうして夜はおやじがやる、それでそのほかの時間は子供がやるということは、これはちょっと不自然ですな。ですから、もう少しくふうをして、適当な人が見つからないのでしょうか。一万六千円では確かに安いと思いますよ。しかし、これはなかなかにわかに上げるといってもできないでしょうけれども、その範囲内でももっと創意くふうをして何とか郵政事業に忠実に従事してもらえないかということで、もう少し真剣に、局長以下吉岡の人たちがやっているのですから、これはあなた方がその点をどう把握しているのかどうか。確かにこれは、少年が百九通もハト小屋に持ち帰ってしまい込んでしまったということは、これはあってはならぬことだし、子供の心境なんかをちょっと新聞で拝見すると、もうめんどうくさいからうちへ持ってきてしまったとか、配達するのがばかくさくなったというようなことを言っているのですね。ですから、子供自体は十六歳ですし、これはなかなかまだ労役につかせること自体にいろいろ問題があるので、労働基準法でいろいろ規制しているわけですから、しかも、おとうさんでもめんどうみなければまともにできないというような面もあるかもしれませんが、よく調べていないからわからぬけれども、そうなってくると雇ったこと自体に問題があると思うのです。非常に安易過ぎるじゃないですか。もう少し、国民郵便であり、これはたとえ一通でも速達が持ち帰られて焼かれたのかどうか知りませんが、その後の処置はどうなっているのか聞きたいのだけれども、百九通の郵便というのはどういうふうに処理したのか私は聞きたいが、そんな不適当な人を雇うというような人事管理はなっていないのですよ。あなた方はこれに対して相すまぬという気持ちがあるのかどうか。
  30. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) こういう事件を起こしましたことにつきましては、先ほど大臣が申しましたとおり、私どもまことに相すまぬという気持ちで一ぱいでございます。問題の郵便物につきましては、発見しました翌日、七月二十五日に全案配人が手分けをしまして各戸に配達をいたし、それと前後いたしまして局長と局長代理がそれぞれ受け取り人宅におもむきまして、よくおわびをいたしました。  なお、その中に就職関係の手紙が数通あったようでございますので、これらにつきましては、それの関係会社に東京郵政局の業務課長がおもむきまして、事情をよく話しまして、あと本人に、関係者に不利にならないように措置を依頼いたしましたところ、関係会社もほとんど全部が快く了承してくれたということでございます。  なお、お説のように、こういう仕事のやらせ方でいいのかどうかということ、そういうお話でございましたが、本務者で仕事をやることをもちろん原則にしているわけでございますが、先ほど申し上げましたような事情からいたしまして、ほとんど電報なり何なりがあるかないかわからないというような事態のために、本務者を一人、二人ということで配置いたしますことの経済性の問題等から、ある程度やむを得ない形としてやっているわけでございます。今後の方向といたしましては、待遇改善、それから公社側にもよくお願いもし、私ども自身のほうもさらに努力いたしまして、待遇の改善ということに極力傾けてまいりたいと思います。七月十六日からは、先ほど申しましたように、二十八歳の堀という人に働いてもらっておりまして、一たんとぎれましたけれども、さらに昨日からずっと働いてもらっております。これにつきましても、給与を少し上げたということもございますが、これは近辺で外務員の欠員でもあった際にはできるだけそちらで働いてもらうというようなことなども話して、本人に再び職場で働いてもらうということもあったようでございます。全国的にまだ相当請負配達の形をとらなければならない場所も多いわけでございますが、待遇の改善その他につきまして、さらにはまた仕事のやらせ方につきまして、今後とも十分気をつけてまいりたいと思います。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 それで、そこはわかりましたけれども、採用する場合に、A少年というものが未成年者でもありますし、特に十六歳であるというようなことから、相当にこれはよく検討しなければならぬことだと思うのです。いろいろ総合してみますと、どうも知能程度が低いということがわれわれ推察できます。特に少年――十六歳くらいですと、ちょっと変わりやすい時期ですけれども、それは例外であって、大多数の人たちが正常な気持ちを持っておれば、自分がやろうということで引き受けた以上は、その仕事を一年懸命やるということは、ぼくらの若いころを考えてみても、積極的にやるというのが普通だと思います。ところが  ハトを飼っていると、子供たちはハトのめんどうを見たくなるのですよ。そんな仕事を夜やらせられたらいやだなということから、つい仕事をいいかげんにするということは、環境というものを全然調べないで、ただ少年にお願いしますと頼んだように思うのだが、いままでも、ほかにも、人のうちに速達や電報を間違って配達したり、それからなくしたりしてしまった事件が前に、五、六、七約二カ月半の間にもう幾つかの事件が出てきておるわけですが、ぼくは不適格者を郵政省は採用しておったと結論的には言わざるを得ないですよ。やはりそういう人事任用の面において、たとえ臨時者であっても、委託者であっても、もう少し真剣にやる必要があったのではないかという気がするのです。これらについて、実情を把握しておったらその実情を、まずかったらまずい、将来どうするということは、当然私は答えとして出てこなければならぬと思うのですよ。そういうことがありませんから、すまぬと口で言っても、その精神が流れて、結論的にわれわれを納得させていないのですよ。これはどうです。
  32. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、こういう請負契約を結ぶ際には、できるだけ成年男子で健康な者と契約するようにということで通達にもうたっているわけでございますが、現在、御承知のように、一般の郵便局の配達、本務者である配達員につきましても、なかなか成年男子が得られない場合が多うございますので、御承知のような少年集配人等を全国的に募集して大部会の配達に当たらせているような状況でもございまして、必ずしも成年男子で健康な者というものが得られない事情もある程度やむを得ないかと思いますが、ただ本人につきましては、先ほどからもお話が出ておりますように、五月一日の契約以後ときどき事故が起こっていたことも事実でございますし、そういうことからして七月十五日限りやめさせたわけでございます。選任といいますか、請負契約の相手方として適当であったとは必ずしも申せない事情でございまして、ただ、なかなか契約の相手方が見つからぬということから、やむを得ずそこでたまたま得られる少年と契約をしたということになったかと思いまして、そこらの点はまことにいろいろ事情があったとは思いますが、その間十分な調査を欠いておった、選任自体があまり適切ではなかったという感じはいたしました。その点、非常に遺憾に存じております。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 私はまだこの問題は了承ができませんから、いま少しく、採用時から今日までどういう事故であったか、その事故は一体どう処理しておったか、それから言動がどうであったか、その人の性格、素行、こういったものをもう少し現地に係官を派遣して詳細に調査をしてください。その報告を私たちはもう一回開きたいと思う。その上でさらに私は質問を保留しておきます。  それからもう一つ、これは資料として出していただきたいのですが、さっき私が質問しました集配特定局の全国にいる七千人近い委託要員の年令とか、あるいはどういう兼職をしているとか、それから長いのはどのくらい勤続しているか、それを採用するときに一体どういうふうな審査をしたか、そういうものをひとつ、たいへんお忙しいでしょうけれども、できるだけ早い機会に御調査をなさって、資料としてひとつ出していただきたい。これはよろしゅうございますね。
  34. 田中一

    委員長田中一君) ちょっと私からも一つ追加して要求したいのは、資料を要求したいのですが、それは請負契約が一律の条件で、標準請負書があって、それに合致する者だけが契約するのだというのは、あるいは地域地域によって閑繁があると思うので、その場合にはどういう請負契約を結んでいるのか、そのほうも一緒に資料として鈴木委員の要求されたものの中に加えて出していただきたい。
  35. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) 年令あるいは兼業等、御趣皆に従って調査いたしたいと思いますが、相当時間もかかると思いますが、ひとつよろしく願いたいと思います。極力資料を提出いたします。
  36. 光村甚助

    ○光村甚助君 関連して。大臣にこれについてはまた詳しく質問いたしますが、ただ、「郵便業務運行は東京及びその周辺地区の一部に若干の遅配が見られる」と、あなたもこれは認めておられる。たいがい一週間に一回ぐらい新聞に出ていますね、苦情が。こないだどこの郵便局でしたか、一週間に二回ぐらいしか配達しない。それも一ぺんにまとめて二十通か三十通くくってほうり込んである。一体こういうことが起こるということ自体が私は想像ができないんですよ。一体郵政省は何をやっているんだと言いたくなりますね。それが一つと、それから、同じ東京都内で、一週間もかかるとか、五日かかるとか、ほとんど三日にあげず苦情が出ているようであります。それからもう一つ、大阪から積み込んだ船で郵便行のうが盗まれていますね、二回ぐらい、赤行のうですか。そういうのも片づいていない。それから羽田の郵便局でひすいか何かが盗まれていましたね、貴金属が。こないだ私、羽田の郵便局へ行って聞いてみたら、これもまだ片づいていない。一体これじゃ、郵政省の信用というのは、もうほとんど国民が信用しない状態になっています。そのために監察局というようなものもこしらえているんですが、最近の犯罪状況とか、そういうものもこの次の機会までに一度出していただいて、ほんとうに郵政省はもう少し抜本的に対策を立てろということは、国会のたびに私が言っているんですね。人が足りない問題にしろ、それから規格の問題にしろ。こういうのを一ぺん次の、今度は間に合いませんが、次の臨時国会には出してみてください。そうしないと、あの小さいかばんにはみ出るぐらいなものを積んでこの炎天下に配達するなんて、配達するほうもほんとうに気の毒です。こういうものも、郵政審議会答申を待つまでもなく、郵政省がどんどんやりなさいということも、ぼくら口をすっぱくして言っているんだけれども、ちっとも解決あとが見られない。こういう点で、大胆、せっかく就任されたんだから、一年、二年-何年おやりになるか知りませんが、あなたも郵政委員を長くやっておられて、いままであなたのほうもそれを言っておられたわけです、中央郵便局を見たりして。ちょうどあなたが大臣になられていい機会だと思いますから、ほんとうに世間の信用を挽回するようがんばっていただきたいと思います。
  37. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 関連。私は実情を申しますが、私はいま練馬の大泉学園というところに仮の住まいをしているんですが、ここは一週間に一度ないし二度配達があればいいほうなんですね。それで間に合わないのがしばしばある。それがもうみんなたばになって、要するに郵便物が一括して小包になってくるというのがいまの実情です。私のところでそうですから、おそらく隣近所はなおひどいと思う。何回もこのことについてしかるべき所轄の郵便局にはお話ししているんですけれども、人が足りない、最近急速に膨張した人口やその他の関係で間に合わないということのままで約一年たっていますね。だから、この事情をひとつ十分に調査をしていただいて、いまの光村委員の資料要求に関連して、特にこの東京及びその周辺における遅配状況をどう解決するかという具体策をもって、ひとつ調査をして資料を提出していただきたいと思う。   〔委員長退席、理事新谷寅三郎君着席〕 速達だって同じですよ。第一、もう参議院の公報が間に合わない。
  38. 長田裕二

    説明員(長田裕二君) 資料の点につきましては、御趣旨に沿うようにいたしますが、ただいまの郵便運行のことにつきましてちょっと申し上げさしていただきたいと思いますが、全国的に見ますと、実は東京とその周辺ぐらいに限られておりまして、ほかの地域ではいろいろ問題はあるにいたしましても、郵便運行が非常に乱れているということは私どもないというふうに考えております。東京とその周辺でございますが、五月の末から六月十日前後ぐらいまで、実は中央郵便局で例の株式関係郵便物増高に対する非常勤の手配が少し手違いがございまして、かなり混乱いたしました。あわせてその時期に大型郵便物を大鳥町の分室で処理するということにしまして、移すことにつきまして若干の数の見込みなどの食い違いなどもございまして、確かに五月下旬から六月十日前後ぐらいまで東京中央郵便局並びに大島町分室に関連しまして混乱が起こりました。それが方々の局に影響いたしますので、おくれた郵便物がかなり出ましたことは事実でございます。六月中旬以後につきましては、全般的には私どもは郵便の速度がかなり回復しているというふうに考えておりますが、先ほどからお話のございましたように、東京都周辺にも一部にございますが、都内も数局におきまして郵便運行がなかなかうまくまいらないという状況でございます。その原因といたしましては、ことに郊外に近いほうの局におきましては、急激に膨張いたしまして、定員措置はかなりやりました。年間に必要と思われる人員をあらかじめたくさん採っておくというような措置もやりまして、業務量と比較しました現在員の数といたしましては、むしろ頭数は適正な人員の数をこえているようなところが都内大部分の局でございます。ただし、最近この一、二年のうちに採用されました者で、年齢も非常に若い者が三割ぐらいまで達するような局もございまして、先ほどの大泉学園は石神井の関係だったかと思いますが、石神井局などにおきましても、三割ぐらいは非常に年少の、経験の浅い者でございまして、そういう者がどこかで休まれました場合、続く隣の区をやっておる者がすぐその区に振りかわったりするようなことができないというような事情などもございまして、一日じゅう配達できない区がときどき起こるという状況でございます。その状況を、実は東京都内の各局の各区につきまして私ども報告を徴して毎日見ているわけでございます。その是正措置につきましては、実は東京郵政局あるいは監察局等とも連絡いたしまして、ただいま鋭意努力中でございます。局の一つの雰囲気のようなものなどもございまして、すぐにすっかり改善されるというところまでただいま申し切るほどのあれがないのはたいへん申しわけございませんが、鋭意その改善に努力しまして、遠くないうちにそのような状況を解消いたしたいというふうに考える次第でございます。    〔理事新谷寅三郎君退席、委員長着席〕
  39. 鈴木強

    鈴木強君 それから、私、大臣に次に伺いたいのは、報告の中にございますように、御所見の中にありますように、千二百八局の再免許申請に対して、全部これは免許を与えていますね。これについては、後ほど一つは資料として、特に条件とか要望事項をつけた局についての資料等を出していただきたいと思います。きょうは、ここで伺っておきたいのは、一つは、後段にございます日本教育テレビと日本科学技術振興財団、これにはどういう条件をつけられたのか。現在の両会社の経営というのは一体どういうふうになっておりますか。非常にわれわれも前から意見も出し、聞いております。しかく簡単ではないと思うのです。ですから、再免許の際に相当これは慎重に審議をされて問題になったと私思いますが、しかしやはり日本免許に対しては非常に弱いものがありましして、せっかくできた会社に前の条件を守らぬからといってそれをキャンセルして免許を与えないということになると、たいへん問題が社会的に出てくるものですから、つい情にほだされるといいますか、そういうものに押されて再免許をするという傾向が出てきている。私たちは、それはいかぬ、やはり断固として、免許する際に示した条件というものが実施されない場合には、これはもう再免許をやらぬということもあってもいいじゃないか、またそうしなければほんとうに体質の改善ができないという意見もわれわれ出してきておったのです。一体、この二つの会社については再免許したのですから、皆さんのほうでは心配があってもしたのですから、それは責任がある。そういう意味において、つけた条件、要望事項というものは、どういう趣旨においてつけたのか、それが今日まで一体、すぐやらなければならぬものもあると思いますが、守られているかどうか、これらの点もあわせて、簡単でいいです、またいずれ私はあとでやります。
  40. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) 条件の内容そのものの御説明はいずれいたしますが、いま御指摘のように、つけました条件だけを手元にありますもので申し上げておきます。  十二チャンネルに対しましては、一、科学技術教育番組六〇%以上、その他の教育番組一五%以上の放送を行なうこと。二、普通協力費の収入を確保すること。三、支出については、収入総額の範囲内とし、収入総額予定額を上回る場合でも、支出の費目別に、見積もり額をみだりに越えないこと。四、剰余金はすべて借り入れ金の返済に充てること。その他、テレビ事業から一般会計への繰り入れ廃止。協力会組織及びその事務局の強化。テレビ事業に専任する専務理事の任命。こういうことでございます。  それから、十チャンネルに対しましては、一、申請書記載のとおり教育番組五〇%以上、教養番組三〇%以上の放送を行なうこと。二、四半期ごとに放送番組の実施状況を提出すること。こういうふうなものをつけておるのでございますが、再免許にあたりまして、十二チャンネル側からは、財団がその申請書に今後の事業計画としてその実行を誓約しておりますので、郵政省といたしましては、やはり何と申しましてもこの条件が確実に履行されるということを期待し、経営の立て直しに強くその実行を期待しておるところでございまするし、それから十チャンネルにつきましても、いろいろ事情がございましても、教育専門局として開設された趣旨から考えまして、やはりこうした条件をどうしてもりっぱに果たしてもらいたい、こういうぐあいに考えております。科学技術番組でありまするとか、教育番組、これはよくしてまいる。これがために一体どうしたらよろしいかという問題中身の問題をこの条件のほかにいろいろと考えなければ相ならぬと思いますけれども、いまお尋ねのございました条件というようなものの大意は、申し上げたとおりでございます。
  41. 田中一

    委員長田中一君) いま予算委員会から郵政大臣の出席要求がありましたから……。
  42. 鈴木強

    鈴木強君 それでは、これは私は非常に関心を、持っておりますので、もう少し経営の現在の実態――人事の問題に、立ち入るかもしれませんが、これはやはりやむを得ぬと思います。ですから、そういった経営全体に対する面会社の再建策というか、これからやろうとすることもお聞きになっていると思いますから、そういう点も私はもう少し詳細に次の機会に報告をいただいて、それから私の意見を述べさせていただきたいと思いますが、これはそういう意味において資料をできるだけわれわれがわかるように出していただくようにお願いしたいと思います。大臣予算委員会のほうを急がれるそうですから、それじゃ、当事者能力の問題を私はやりたかったのですけれども、電電公社のほうをやることにします。  それから、委員長近畿テレビのことを、これは前から政治家が入ったり、いろいろ錯綜して政治問題になってきているのですが、これについても私はきょう聞きたかったのですけれども、大臣がもう時間がないと思いますので、大体のいままでの経過というものをひとつ文書でもいいですから出してくれませんか。その上でやります。
  43. 郡祐一

    国務大臣郡祐一君) よろしいです。
  44. 鈴木強

    鈴木強君 電電公社のほうに、だいぶ待っていただいているので、少し質問をしておきます。  最初に総裁に伺いたいのは、さきにも郵政の予算編成についてお尋ねいたしましたが、おそらく市電の場合も、予算編成期を迎えて、四十一年度予算をどう組んだらいいかということで御相談なさっていると思います。そこで、いま皆さんのほうでは、電信童話調査会というものを、諮問機関を持っていて、これは総裁の諮問機関ですが、検討されているようでございますが、これは一体現在どういうふうな進行状態であるか、それからそういうものの結論を待って来年度予算にたとえば電報料金あるいは電話料金等の引き上げを考えた上で予算編成をしようとするのか、それとは全く別個の四十一年度は四十一年度として第三次の四年目を考えているのか、その辺の基本構想を明らかにしてもらいたい。
  45. 米沢滋

    説明員米沢滋君) ただいまの御質問にお答えいたします。  最近加入電話の積滞申し込みが非常に多くなりまして、いま約百六十万たまっております。したがって、概算第三次五カ年計画のいままでの――昭和四十一年がちょうど四年目になるのでありますが、第三次五カ年計画では、百十五万の一般加入電話をつけるという計画でありましたけれども、これを拡大する方向で実は検討しなければならないというふうに考えておりますけれども、公社といたしましては、電報の赤字問題、それから今後第三次あるいは第四次五カ年計画を考えまして、長期の経営上の問題をいろいろ審議いたしますために、昨年の十一月に電信電話調査会というものを総裁の諮問機関として発足しておるのでありまして、最初電報関係経営上の問題を主体にしてやりました。その後電話の長期計画並びにこれに関連いたします資金の調達という問題を審議してまいっております。まだ現在のところ最終結論に至っておりませんけれども、大体八月末からあるいは九月の初めごろには調査会としての答申が出るものと予測しております。  それから、四十一年度予算編成をどんなふうにやるかという御質問でございますが、私たちといたしまして、先ほど申し上げました需要の、いわゆる申し込み積滞の増加ということにかんがみまして、既定の第三次五カ年計画で予定しております加入電話増設拡充百十五万を若干拡大をいたしましてやりたいということで、いまいろいろ作業を進めておりますけれども、まだ最終的に公社といたしまして数字を固める段階には至っておりません。  それからまた、調査会と料金等のお話が出ましたけれども、私たちといたしまして、まだ調査会からの報告も受けておりませんので、いま直ちに四十一年度予算料金値上げの問題を入れるかどうかということはまだきめていない、検討中ということでございます。
  46. 鈴木強

    鈴木強君 電報のほうは、大体そうしますと、一応調査会の結論は出されて、引き続いて電話建設資金を中心にした論議をしていただいていると、こういうふうに理解していいのですか。それからまた、一体調査会は最終的にはいつごろをめどに答申を出すようになるのか。これは調査会の会長を呼ぼうと思ったのですが、時間的に間に合いませんからきょうは呼ばなかったのですが、いずれ一回来ていただいて伺いたいと思いますが、公社として、大体諮問をしたほうの立場からすれば、おおよそいつごろまでにその結論を出していただきたい――これは希望事項かと思いますが、そういう気持ちがあると思いますが、いつごろそういう意味において出されるか、その見通しですね。
  47. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先ほど御質問がございまして、電報につきましては審議はいたしましたけれども、最終結論はやはり資金の問題とも関連いたしますので、電話の問題とあわせて最終的な結論を出したいということで、やはり中間的な段階であると御了解願いたいと思います。  それからもう一つの、ではいつごろ答申が出てくるかという点につきましては、先ほどちょっと申し上げたのですが、八月の末あるいは九月の初めごろに出るのではないかと予測しておるのでありますが、まだ、いつ確実に出るかということはちょっと申し上げられませんが、大体そういう予定を予測をしております。
  48. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、まあ八月の末か九月の初めに答申が出されると。その答申がどういう答申かわかりませんが、たとえば調査会設置の目的というのが、公社最初考えられたような長期計画の見通しから見ると、多少やはり経済の動向といいますか、最近はちょっと変わっておりますが、積滞も予想以上にふえてきております。したがって、何と言おうと、既定計画を修正する――拡大修正ということばが適当かと思いますが、修正するという立場に立って考えてみると、建設財源というものは当初の一兆七千億では足りないと、したがって、その幅をふやさなきゃならぬ、その持ってくる金がどうなるかというところに来るわけでしょう。そうすると、やはり問題は金ですから――三十七万か六万か知りませんが、先ほどその程度の金がかかると聞いておりますからね、そういうふうな建設財源をどう調達するかということがこの調査会に諮問した主目的じゃないかと思うんです。そうすると、かりに九月の初めに答申が出た場合、これは予想ですけれども、昭和四十一年度にその答申に基づいて――これは独断してはいけません、一応仮定ですから。料金値上げを何がしかしていただくという形をとって予算編成をするのか、そういうことも可能になってきますね、もし早くいけばですね。ですから、その辺のウエートをどっちかに置かなければ、私はいずれにしても来年度予算というものが編成できぬと思うんです。聞くところによると、負担法をさらに一部修正して、十五万円の最高負担額をもっとふやそうというようなことも、ちょっと私どもうわさに聞くんですけれども、これもやっぱり借金財政でありますから、なかなかむずかしかろうと私は思うんです。そうしてみると、やはり料金値上げということがかなりクローズアップされてくるように私は思うのですけれども、そこら辺はどうなんですか。予算編成する立場から見ると、何か考えないと四千億なり三千七百億なりの建設財源というものは調達できぬと思うんですが、それは一体どうなんですか。答申が出るまでは知らぬ顔しておって、答申が出てから勝負しようというのか。いま予算編成の段階に来て作業する場合に、基本方針がきまらなければ編成できぬでしょう。何か私は含みを持ってやっていると思うんですが、そういう点はどうなんですか。
  49. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 調査会といたしましては、まあ電報の赤字問題と、それから先ほど申し上げました電話の長期計画、まあ長期計画というのは、三次五カ年計画はもう二年しかございませんので、四次五カ年計画まで含めました七カ年という長期計画の段階で考えております。それから、それらに関する資金の問題、こういうふうに三つ大きな柱があると思います。それで、四十一年度予算編成につきましては、これはまあ事務的にも大体八月末とかあるいは九月の初めに一応原案というものを出すことになりますので、第一発といたしましては、結局、公募債を非常に多額にふやしてほしいという形で私はまず出ていって、そして予算編成が最終的にきまりますのは十二月のときでありますから、その時点までにはどうなるかということがきまっていく、そういうふうに予想している次第でございます。しかし、これは予想でございますから、今後若干変わるかもしれません。大体そういうことです。
  50. 鈴木強

    鈴木強君 で、公社としては、前の総裁がこの委員会でも御発言なさっておったんですけれども、いまあなたの申し述べられたような最近の電話事情からして、どうしても七カ年――拡大修正になるか、名前はどうとしても、積滞解消を積極的にやらなきゃならぬと、そうなりますと建設資金が非常に膨大にかかると、その建設資金の調達については、やはり電話料金あるいは電報料金の引き上げというものを考えてもらわなければなかなかできないんだという趣旨の御発言をされているんですよ。ですから公社として、やはりその料金価上げということを考えているのかどうなのか。これは積極的であるか消極的であるか、まあ答申をいま待っているところですから、もし差しつかえがあれば、私はあえて聞きませんけれども、公社の意思としてはやはり何とかしてもらいたいという気持ちがあるのかどうか、これはひとつはっきりしておいてもらいたい。
  51. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 電電公社といたしましては、まあ前の総裁も国会でいろいろ申し上げておりますが、いわゆる第四次五カ年計画が済みます四十七年度末には、申し込んだらすぐつくと、それから全国を即時化するといういわゆる目標を立てております。それによってその前半の計画を達成しようということで、第三次五カ年計画で五百万つけると、こういうことできたのであります。それで、ただいま料金値上げをいつとか、いま考えているかというお話でありますが、結局、私たちがいま調査会に諮問している関係から、私たちとしまして、調査会の諮問を経まして、経営委員会できめていくと、こういう手続をとりたいので、ちょっといまいつやるかというようなお話は差し控えたい、これは検討中であるということで御了解をいただきたいと思います。いずれにしましても、先ほど申し上げました四十七年度末において、その二つ目標を達成するということは変えていないのでありまして、これを達成するために、結局調査会におきましても、料金問題を含めて検討していただいていると、こういう段階であります。
  52. 鈴木強

    鈴木強君 まあ何かうまい知恵があったら、それをどんどん出し合ってやってもらいたいと思うのですが、一言だけ私が申し上げておくのは、電報はなるほど前回は、三十七年の際、一応据え置きになりましたから、これは私は国会として十分論議する責務もあるし、また、そう思います。しかしながら、電話については、例の距離別時間差法という料金制度を採用して、かなりサービスもよくなった段階で、料金も含めた思い切ったサービスをやったわけですね。それからまだわずか三年ちょっとしかたっておらぬ、私は、その当時国会でこれからの収入の見通しについても、当時大泉営業局長ですか、いま総務理事になりましたが、質疑もかわしましたが、初年度三十億ぐらいの減収も予想されるが、第三次、第四次と、四十七年に申し込めばすぐつく電話ということについては支障がないということで、実は体系を移行したはずですよ。その後の経済情勢の変化もあって、積滞がふえていることも、これは一つの予想違いということもありますから、そういうことはいいとして、そういうプリンシプルというものは、前回の三十七年の料金改正の際にかなり論議をしておりますから、ですから料金値上げということになりますと、これは相当国会としても、いままでの経過からすると、むずかしい条件があると私は思います。そういうことを覚悟して、皆さんが調査会にどういう諮問をしているか私どもよくわかりませんが、どういう結論が出るか私どもわかりませんが、やはり既定計画について、こうしなければならないという公社の計画に対して、見通しの甘さがあれば、甘さがあったということを明確にわれわれが理解できるかどうかという、問題はここですよ、勝負は。ですから、こういうことは国民とともに、われわれがもう少し突っ込んだ論議を私はしてみたいと思うのです。ですから、そういうむずかしい段階における七カ年拡充計画というものは、あなた方はどう考えているかわかりませんけれども、スムーズにいくということもまた一つの問題があるように思いますからね。そこら辺は公社としてこういきたいのだという腹があるならば、早くこれはひとつ国民の世論に訴えることも  一つ方法でしょう。わからないじゃないですか、いまここで臨時国会が開かれて、予算編成の時期になっても。前の総裁は上げてもらわなければできないのだと、こう言った。上げてもらいたいのか上げてもらいたくないのか。いい知恵がありそうなことを言うから、われわれは期待するのだけれども、公社当局としても、この際明確に、これこれかくかくの理由において上げざるを得ないという態度があるならば、私は勇断をもって出すべきだと思うのですよ。そうしてわれわれも片方において勉強さしていただきたい、こういうふうに思うのですがね。ですから、私は少し総裁の御答弁は、調査会があるものですから、そっちへ気がねをしているような御発言だが、一体あなた、だんだん積滞が多くなっていくものをどう解消していくのですか。そこいらはもう少し自信と確信を持った御答弁はできないのですか。
  53. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先ほども申し上げましたように、四十七年度末におきまして、申し込んだらすぐつけると、それから全国を即時化すると、この目標は申し上げたとおりであります。それで、第三次五カ年計画をつくるとき、あるいはまた先般料金改正をいたしましたときと事情が違っている点を申し上げますと、電報の赤字問題につきましては、先生も御存じのように、従来中継機械化を進めて、年経費約四十億ぐらい節減してまいりましたけれども、なお約二百五十億ぐらいの赤字があって、今後この赤字というものはふえるような傾向にあると思います。  それからその次に、この電話の問題でありますけれども、いま一加入電話当たりの平均収入というものは月五千円でありまして、これが大体住宅電話あるいはまた一般の電話を平均いたしましてそういうふうになっております。現在住宅電話の大体比率は二〇%を割って一九%くらいになっております。ところが、電話というものは、農村とかあるいはまた住宅方面にももちろん普及させなければならないし、また、そういう方面の需要も多いのでありますが、いま最近の――その四十七年度末のいわゆる電話の需要は、経済の成長等が行なわれました結果、大体千七百五十万くらいだというふうに――現在の加入電話を含めて四十七年度末に予想しておりましたものが、大体二千万くらいになるのじゃないかという予想を立てておる次第であります。したがって、前回料金の、何といますか、距離別時間差法を採用するための料金体系法案の議決をしていただきましたその時期に比べまして、結局、経済の膨張等によりまして、加入電話数が最初予定よりふえておるという点が非常に違っておる点なんでありまして、したがって、第三次五カ年計画あるいは第四次を含めて拡大修正する、こういうことが必要になってきたということになります。したがって、それの資金の調達方法といたしましては、先ほど申し上げましたように、農村とか、あるいは住宅電話になりますと電話収入というものが月約二千円くらいでありまして、現在パーライン当たりの電話収入が五千円というのに対して、いわゆる二千円の収入電話というものが、今後、四十七年末くらいになりますと約五〇%近く、四五、六%くらいにふえてくる、こういう問題を含んでおります。したがって、いわゆる資金調達といいましても、建設資金に要るという問題と、それから損益、いわゆる収支計算の上で赤字になってくるという問題、それからもう一つは、いわゆる四十五年度になりますと、拡充法が出ましてちょうど十年目になります。債務償還も約千五百億くらいに急増する、こういうような要素が入ってまいります。すなわち、電報の赤字問題、それから積滞の――積滞といいますか、経済の膨張に伴って非常に加入電話がふえてきたということ、それからまた債務償還が四十五年度に急増する、それからまたパーライン当たりの電話収入が減ってくる、こういうことがありますので、これらを総合的にどういうふうにしたらいいかということを基本的にいま検討しておる次第でありまして、私は、ある時期が来れば公社といたしまして、料金値上げも含めたそういう方針をきめまして、先ほど先生が言われましたように、世論に訴えるというか、国民の皆さまの了解を得たいというように思っております。現在の時点におきましては、調査会の審議を依頼しておりますので、いつ料金値上げをするかということの答弁は差し控えさしていただきたい、こういうふうに思う次第であります。
  54. 鈴木強

    鈴木強君 総裁のお話ですけれども、拡大修正する理由にはならぬですよ。私はそう思います。パーラインの低下のものが減ったとか、少なくなったとか、多くなったとかいうことは、これは当初計画のとき、どうなるということはあなた方で想定したことでしょう。だから、債務償還だって、これは幾ら加入者負担をやって、公募債券を幾ら買ってくれ、幾ら借金があって、昭和何十年になったら幾ら借金を返さなければならないということは、われわれ資料をもらっておるのですからね。そういうことは論議にならぬのです。ですから、本来は積滞が非常に、予測以上にふえてきた、需要が。その需要を満たすために、その資金計画というものがなかなか困難で、だから電話料金値上げしてくれとか、あるいは借金なら借金で財政投融資から金を回してくれとか、こういう理由だったらわかるけれども、いまあなたの言われるような理由は理由にならぬ。私は、第三次から第四次にかけて、推計ではあってもかなり意見を述べ、しかく甘いものではないかということを言ったのですが、だいじょうぶだという経過があるわけですからね。私は、それは理屈にならぬ。だから、われわれが納得のいくようなことを、私はいまにわかに聞こうとは思いませんけれども、問題は、いずれにしても拡大修正をしようということはもう明らかであって、積滞がふえたことも明らかである。したがって、ある段階においては、料金値上げ財政投融資か、あるいは負担金を変えて負担願うか。いずれかしかないのじゃないですか。だから、そういうふうな意味に立って公社がいま調査会に注文しているんだと、私たち理解しておりますね。われわれは意見がありますけれども、公社側のねらいはおそらくそこにあるんだろうと推察しております。問題は、公社はどういう立場に立ってこの答申を受け入れ、その答申に基づいて、いつからどういう予算編成をして、今後拡充計画に対してどういう施策を出すかということは、国民も非常に注目しておりますし、われわれも注目しておるわけだから、そういうことをひとつ聞きたいと質問しているわけですが、それが無理のようでありますから、およそ九月の初めころに調査会の結論が出るようでありますから、私はその結論を待って、また意見を述べることにしたいと思います。  そこで最近、新聞紙上によりますと、政府の不況対策のカンフル注射的な措置として、電電公社にも何か百億円くらいの財投から資金繰りをして約三万個の電話をふやそう、こういう記事を見るんですけれどもね。そうなりますと、たしか九十四万個でございましたかな、ことしの加入者割りの計画は。その三万入りますと九十七万ですか、その計画は本物になるかどうか。本物になった場合、現在の工事能力というものから見まして、うまく消化できるかどうかということをわれわれは心配するんです。その点はいかがでございましょうか。
  55. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 先般来の百億の建設規模という――公募債が百億というわけではないのです。建設規模が百億ということを本年度予算に追加してはどうかという話がありまして、これはまだ正式というわけではございませんが、郵政省にもこちらの要望を述べて、また、いろいろ折衝しておるという段階でございます。その場合に、いわゆる基礎のつきました加入電話建設するということでいきますと、三万の加入電話増設することになりますが、その工事能力があるかどうかという点でありますが、ことしは、幸い昨年来のいろいろ建設関係の準備を十分進めておりますので、これは四月、五月、六月のいわゆる決算額を見ましても、昨年よりはだいぶ順調に進んでおりますので、私は三万程度の増加ならば十分やっていけるというふうに考えております。
  56. 鈴木強

    鈴木強君 この百億がどういうふうになるのですか。公社収入を期待するなんということは、とてもできないわけですが、それには政府のほうから財政投融資として、一応公社に貸してくれるというのか、あるいは公募債のワクを百億だけふやして、建設資金の調達をしてもよろしいというふうにしようとするのか。まあ正式な話ではないようですが、ちょっと私にもわからないのですが、やり方がどういうやり方か、その点は話がどういうふうにあったんですか。
  57. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 建設規模として百億でありますから、たとえば加入電話三万をつけますと、三万の加入電話につきましては、いわゆる加入電話の社債が入っておるわけです。それから、もちろん公募債もふやしてもらわなければならないのでありまして、いまのところ、私は、どのくらい公募債が百億の中でふえるか。それから工程をどうするかというような点がまだ最終決定にならない状態でございます。しかし、ともかく公募債をふやすということと、それから加入債券と、それから残ったものをどういうふうにするか。その辺がいま折衝中でございます。
  58. 鈴木強

    鈴木強君 あなたはいま料金収入が順調に進んでおるとおっしゃるのですけれども、いま報告を聞いてみると、これは全部黒ですか。収入の見通しが、三十九年度のは詳しく書いてあるんですが、四十年度の分については、四月、五月、六月と、一体どういうふうなぐあいになっておるんでございましょうかね。収入が順調に進んでおるとおっしゃるが、月別にわかっておる点がここに書いてないので……。
  59. 中山公平

    説明員(中山公平君) 収入状況につきましてお答えを申し上げます。四月から六月までの累計について、月割り予算収入額が一千一百六十七億一千四百万円、これだけを予定しておるわけでございます。実績は千百六十五億七千三百万円、総裁から御報告申し上げました数字でございますが、対比いたしまして一億四千訂万円の減収と相なっておりまして、パーセンテージで申しますと、〇・一%の減収ということに相なっております。月割りで申し上げますと、四月は増収が出ておったのでございますが、五月、六月というところで減収がございまして、全体といたしまして、いま申し上げましたように、一億四千百万円の減収ということでございまして、四月は八億八千八百万円の増収予算対比でございます。五月は七億七千二百万円の減収、六月は二億五千七百万円の減収、総計と、いたしまして一億四千百万円の減収でございます。
  60. 鈴木強

    鈴木強君 これは順調でもないのじゃないですか。予定から見ると悪いのだね、これは。
  61. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 私、さっき申し上げましたのは、工事の進行が順調であると申し上げたので、建設工事の進行状態が順調である。建設工事は、今年は総額に対して一二・六%、昨年は――大体いつも年度の初めというのは立ち上がりが悪いのでありますが、今年は年度の初めの立ち上がりがいい。工事の進行状態が準備をしているので順調である、こう申し上げたので、収入が順調であると申し上げたのではないのであります。
  62. 鈴木強

    鈴木強君 この前年度から、三十九年度から四十年度繰り越し建設資金というのは幾らだったのですか、三十九年度中に工事が残って回したやつ。
  63. 中山公平

    説明員(中山公平君) 百八十八億でございます。
  64. 鈴木強

    鈴木強君 これは本来、三十九年度中に全部やってもらえればいいわけなんだが、いろいろ工事能力もあるでしょうし、いろいろなことから例年、多少の繰り越しはあると思うのです。昔は――昔といっても公社発足画後に、梶井総裁のまだおられた当時、百億の繰り越しということになったらたいへんな問題であった、国会でも。ですから原則として、既定計画の中で獲得した予算というものは全部消化してしまう。四月からまた新しい年度といっても、これはつなぎですから、どうしても工事の関係で多少の繰り越しは、私はわかるのですが、百八十億も繰り越してくるということになると、ちょっと理解に苦しむ点もあるのですよ。  それともう一つは、私どもが、工事能力について非常に総裁自信満々ですが、これも聞くところによると、工事会社で倒産をしているようなところもあるようですし、それから最近の農自棄とか、地域団体加入電話とか、新しいサービスを公社が積極的にやり出しておりますから、そういう意味において、なかなか農自集なんか評判がよくて、最近、非常に需要が多くなっていますよ。有線放送接続なんていうのはやめた、いいことを考えてくれたと喜こんでいる。ですから、さっそくつけてもらおうと思っても、もう、工事が一ぱいになってしまって、あるところまでいかなければとてもできないというようなことがあったのです、部分的ですが。ですから私は、はたしてことし百億規模がふえて、やれるのかどうなのかという心配もあり、また二面、あとから私は当事者能力の問題に関連してお伺いしたいと思っているのですが、皆さんが春闘の段階で十五万近い組合員を処分せられ、労使関係はきわめて険悪な、公社発足以来ここに最悪の事態が来ていると思うのです。そうしますと、そうしかく簡単に、あなたたち考えるようなぐあいに仕事が進んでいくかどうか。これを考える場合に、七カ年になろうがどういう計画になろうが、私はこれを無視しては絶対話はできないと思うのです。ですから、たまたまここに出てきたのですけれども、そういう悪条件が重なってきているんじゃないですか。ですからなかなか、現在までの進捗状況というものがはたしてことしの年度においてさようにいくものかどうなのか。これは、私たちはかなり慎重に考えていかなければならない。それに対して公社は、労働問題にどういう手を打つのか。公務員制度審議会なり、あるいは第二回の総評会談等においても、この問題が議題になり、最終的に春闘処分についても議題にすることはよろしい。きのう官房長官が言っておりますから、おそらく議題になるでしょう。ならざるを得ない。いまのような、きわめて私どもから見ても険悪化している労使関係、職場のすみずみまでに不当処分に対する反感というものが根強く芽ばえてきている段階で、これからどうなるのか。私は事業関係する一人として、非常に心痛している。そういうもろもろのことを考える場合に、三万個ふやしてもらって、はたしてぴちっとうまくいけるものかどうかという点を心配するから、私は聞いているのです。普通の場合でしたら、大体公社の皆さんが苦労されて、多少の繰り越しがあっても、まあまあこんなにたくさん残してけしからぬということもなくて来ているから、皆さんの労苦には心から感謝しているのです。しかし、ことしの場合はそういうわけにはいかぬ、そういう悪い条件を考えながら質問しているのです。これらに関して、どういうふうに総裁としてこの難局を、日ごろの国民の世論にこたえていくかということが、たいへんな仕事だと私は一面では同情しているのです。しかし、これはやらざるを得ない。皆さんがほんとうに陣容を刷新して、総裁から末端まで一丸になって、第三次五カ年計画も三年目の残りとさらに四年目をやって、四十七年に、申し込めばすぐ電話が通ずるということを国民に約束することがはたしてできるのかどうかということを私は非常に心配しているものですから、伺っているわけです。
  65. 米沢滋

    説明員米沢滋君) ただいま先生も言われましたけれども、現在、公社の当面しております状態等なかなかきびしい状態であるということは、私も痛切に感じております。しかし、何といいますか、われわれといたしましても、公社の総力をあげましてこの難局を切り抜けていきたいというふうに考えております。  それから建設工事やり方の問題につきましては、先ほど梶井総裁の時代に比べて非常に繰り越し額が多いというお話がございましたが、あのころに比べまして、建設の規模も、当時は六百億とか七百億とか千億とかいう程度でごさいましたが、現在は三千億になっておりますし、パーセンテージといたしましても、昨年の比率を見ますと八%ですから、一昨年度に比べまして昨年の繰り越しはむしろ絶対額もパーセンテージも減っているような状態でございます。参考までに申し上げます。
  66. 鈴木強

    鈴木強君 その点は、米沢さん、あなたがせっかく発言されましたが、私はあまり問題にしていないのです。ただ当時、百億の繰り越しでも国会の中でたいへんな問題になったのです。とにかく継続予算としてある程度年度計画をやるわけですから、工事の関係、季節的な問題とか、繰り延べしなければならぬような問題があるわけですから、そのことはわれわれも認めておりますけれども、できるだけ既定年度において既定計画をやっていく。基礎工程でもサービス工程でも、それぞれ国会の承認を得てやるわけですから、総力をあげて工事能力をフルに活用して、進捗率一〇〇%にしてもらいたいということでやったものですから、公社も発足早々でしたから全力をあげてやっていてもなかなかそれがいかなくて、百何十億かの繰り越しが出ると、これは何だ、こんな大量の繰り越しをしてけしからぬじゃないか、当時規模が小さいものですから、百億といっても非常に多いわけです。そういう発言があったということを言っているわけです。いま百八十億というのは、パーセンテージにすれば、おっしゃるとおりだけれども、基本からいえば、できるだけ年度内に消化するということが原則なんです。そういう意味からいって、最近規模も大きくなっているし、パーセンテージにすれば少ないということは理解できるが、もっと言えば、できるだけ年度内にやってもらいたいという国民の世論なんですから、そういう意味において比較した意見なんです。そこで、いろいろな困難を克服してこれからおやりになるのでしょうが、私は、大臣がきょうはおらぬから、鶴岡政務次官に聞いてもらいたいのですが、いま私もちょっと触れました当事者能力の問題ですね、一体これは公社発足以来の長い問題でございました。きょう、私、時間がないから経過についてはまた後刻にさしていただきますが、いずれにしても、いま一体これをどう解決するかというせとぎわに来ているわけです。長い歴史の中できめられたところは、公務員制度審議会、ここで、公労協、公務員、地方公務員のスト権を含めて、一応当事者能力は解決するようにしようと、こういう運びになっているわけですね。ですから、いま一番大事なのは、設けられようとする公務員制度審議会の中に、一体、電電なり郵政なり、三公社五現業がどういう角度でこの審議会に基盤を築いて、そうしてそういう問題と取っ組んでいくかという、この腹がまえだと思うのですね。当事者能力なんというのは、そんなものはたいして問題ないのだということになればこれは別ですよ。しかし、そうもいかぬ、どうしても解決しなければならぬということになれば、私は、いまから決意を固めて一丸となってこの解決のためにやってもらいたいという希望があるわけです。幸い郵政省から何か出られなかったようですね、聞くところによると。幸いというか、三公社の中から一人、国鉄の副総裁か何かが委員に入るわけですね。労働組合は、全電通の笠原委員長が入ることになっているようです。そういう公労協に関係する人たちも入っているようですけれども、これは労働組合とか経営者ということじゃなくて、私は、長い懸案をこの際解決しようという段階ですから、そういうことを抜きにして、ひとつこの問題に対して積極果敢にいまから決意を固めてやってもらいたい、こう思うのですがね。これはひとつ電電のほうからも聞きたいし、政務次官からもひとつ伺っておきたいと思うのです。これはどうしてもやらなければならぬという立場に立ってあなた方はやろうとするのかどうなのかということです。やるとすればどういうふうにいまからやっていこうとするか、その決意を聞きたい。
  67. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) 鈴木委員お説のとおり、全く御同感でございます。結局、私どもといたしましては、第二次計画に従いまして、先ほど来お話のありましたとおり、申し込めばすぐつく電話、さらに全国どこにでも即時で通ずるという目標を目ざしてやっておるわけでございますから、労使というような問題を離れまして、とにかくみんな安心して全力をあげて国民のために働けるというような環境をどうしてもつくり上げていかなければならないというような気持ちで対処していきたい、かように考えておる次第であります。
  68. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 当事者能力の問題につきましては、公社は、従来からこれを拡大して公社当局に自主性を与えてほしいということを要望しておりましたし、前回のこの委員会でも申し上げましたが、昨年来の経過もありましたので、本年の二月八日にも例の有額回答を出すということを政府にお願いしたことなど、積極的にやってきたことは御了解願いたいと思うのであります。この点につきまして、今後とも十分強く要望し、また努力したいと思います。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 決意はわかりまして非常に敬意を表します。それで具体的に私は、やはり公社公社郵政省は、監督する立場に立って、郵政職員も含めてこれは総攻撃の態勢をつくっておかなければいかぬと私は思うわけですね。ですから、いままで一番問題になったのはやはり大蔵省だと私は思うわけです。昨年の次官会議が両三度持たれて、中間的な結論が出るのをぶちこわしたのは大蔵省だと私は見ている。だからやはり大蔵省は、自分が税金から金を出してやらしている仕事と、汗みどろになって働いて、そうして一生懸命収入をあげてやっている仕事とのけじめを知らない。そうして一緒くたにものを考えておる。しかし、電電公社を発足させた趣旨というのは、高能率高賃金制というのは、ことばの上で出ておっても、少なくとも従来国家公務員制度の中でやっておったよりも以上に企業性を発揮して、一方従業員には努力要請する、しかし、その成績の向上によって従業員はそれ相当の待遇をやる、こういう趣旨でスタートしたと思うのです。ところが、電電公社のようなすでに六百三十万以上の電話をふやしておる。これに要した建設財源が、七兆ですか、六兆ですか、私ちょっとその数字ははっきりは忘れましたがね、そのうち大体三分の二近い、半数以上の金は自己資金としてみずからの金で電話をふやしてきているにもかかわらず、待遇はどうかというと、なかなかうまくいかない。それは結局当事者能力がないからでありまして、そんなことは百もわかっているんですが、それができないというのは、一体どういうところにガンがあったかというと、さっき申し上げましたように、こういう判断をしている。だからこれはやはりそういうことも十分考えて、だからといって大蔵省を敵に回すことはどうか。大蔵省の諸君でも誤解をしている点があれば、これは十分理解してもらわなければならぬ。ですから、われわれも努力しますけれども、やはり政府も電電公社も、そういう点について公共企業体をつくった精神というものを十分理解して、それにふさわしい環境をつくって、そうしてみんなが一生懸命やれるような態勢をつくってやらなければいかぬと思うんです。こういう点について、当事者能力がないために、合理化をやってみても待遇がよくならぬということですから、ばかばかしくて仕事しませんよ。そういう怠慢の気風を生むことも私はここに要因があったと思うんです。ですから、きょうはもうしゃべらぬということですから、私はしゃべらぬけれども、どうも当事者能力について、いまの決意はわかりましたから、その決意を一体具体的にどうするか。これはわれわれ皆さんのよくやることも見ておりますから、ひとつ誠心誠意がんばって何とかこの際目的を達成するようにしていただきたい、私はこう思うのです。きょうは、処分のことは私はこれ以上は触れませんけれども、少なくとも十六万人も処分をして、しかも、それが公労法であれば指導者を処分すればいい。それを一人一人の組合に参加した人たち十六万人について、事業法か何か就業規則か知りませんけれども、そういうべらぼうな処分をするということは、これはけしからぬことなんで、しかも、それだけかりに社会問題になった場合、電電公社総裁はただ黙っておいていいのかどうか。みずから世間に対して責任を私は感じていると思うんです。その責任の感じ方が、とり方が、どうするかはそれは私は申しませんけれども、これはあなた、組合が悪かったから処分すればいいといって済ませられるものじゃないと私は思います。これはまた、私は機会を見て言います。きょうは、まあ処分の問題は私は触れませんけれども、そういった処分を中心にして事業はいまや危機にあるから、その点についての当事者能力をひとつ解決することが先決であろうと私は思いますから、そこにピントを合わして、きょうは意見を伺ったわけですから、どうぞひとつわれわれの意のあるところを了察していただいて、労使間の正常化の問題はかかって当事者能力の問題であるかと私は判断しているので、ぜひ御検討願いたい、これで私は終わりたいと思います。
  70. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 関連。私も鈴木というのですけれども、いま鈴木強委員の言われた問題に関連して、二つの点だけについて、私はこの際聞いておきたいと思います。  私は初めて今度逓信委員会に参りましたけれども、つまり公社制という問題ですよ。これはまあ国鉄しかり、公社しかりでありますけれども、一体、この公社制というものと当事者能力というものとの不可分な関係ですね、これは日本のいままでの企業にもかってないような形で戦後とられた形態でありますが、私は明らかにこれはまだアメリカの占領政策の遺産の継続だというように考えておりますが、この公社という一種のぬえ的存在ですよ。国有、国営でも、私企業でもない、こういうつまり公社というものが一体今後どういう方向において存続していくのか、しょっちゅう問題になるのは当事者能力の問題、特にこの当事者能力の問題でも、中心にかかわるものは労働行政だ、特に労使の関係において当事者能力を欠く、弾圧だけは当事者能力がある、こういうつまりばかばかしい形態の公社制度というものについて一体どう考えているのか。特に公社の責任者がこの点について一体矛盾を感じないかどうか。これはほんとうに将来に向かってのあるべき姿であると考えるのかどうか。あるときにはまた国有、国営というふうなものに変えられなければならないものなのか、どういうふうに、将来におけるところの展望も含めて、この当事者能力の問題を具体的に踏まえながら、この公社制度そのものについて考えているか、この一番基本的な点につきまして、ひとつお伺いしたいと思います。
  71. 米沢滋

    説明員米沢滋君) 公社発足のとき以来、何といいますか、官営でやるか、民営でやるか、あるいは公社をどういう公社にするか、いろいろ基本的な問題が審議されたわけであります。私どもも、先般行政調査会でもいろいろこの公社制度電信電話事業運営方法につきまして意見を求められました。まあ現在の制度といたしましては、やはり公社制度がいい。しかしながら当事者能力とか、あるいはまたいろいろ経理、財務方面につきましてもっと公社に自主性を与えてほしい、こういう要望を現在といいますか、昨年行政調査会にも意見を出しておりまして、したがって、現在こういうふうになっておりますこの公社制度のまずい点は改めながら、改めるといいましても、私たちがじかにできないところは政府なり、いろいろ関係方面によく説明し、また要望し、そうして進めていきたいというふうに考えております。  それから処分の問題が出ましたが、処分につきましては、結局違法行為に対しまして処分したのでありまして、私たちといたしまして、これは今回やったのが初めてではなく、もうすでに昭和三十六年、八年のときにもやっておる次第でございまして、特に組合をひとつ弾圧するということは考えておりません。
  72. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これは時間の関係もあるので、私はこの公社制度の問題につきましては、今後ひとつもっと抜本的な点で意見を戦わしたいと思って、きょうはこのくらいにしておきますけれども、処分の問題につきましては、何もきょう始まったものではない、前からやっているのだということでありますが、ああいういまの総裁の放言は、これはもうまことに労使の関係を軌道に乗せるという態度ではないと思う。特に今回の処分の特徴は、ILOの批准直後の問題であるという点に特別な重要性がある。いままでこの問題をめぐって労使の間でもって非常にしのぎを削るほどの激しい論争点になった問題に、曲がりなりにもようやく決着のついたILOの批准が行なわれた直後においてこの弾圧があえて強行されたということは、やはり批准後においても労使の関係をほんとうに正常化していくという誠意というものが片りんもないという一つのあらわれではないかというふうに考えるわけです。そうしてこの処分問題については、まあこれから後ほどの問題としてこれも十分に本委員会でもやらなければならない性質の問題だと思うが、具体的に一つだけ聞いておきます。  いわゆるこの今回の処分の問題を一日も早く撤回するように努力するのか、それともそうではない、これは法律に違反したのだからしかたがないのだという、そういう観点で押し通すのか、このひとつかまえについてだけお聞きしておきます。
  73. 米沢滋

    説明員米沢滋君) ただいま御質問ございましたが、私たちといたしまして、これはまあ前回の国会でも申し上げましたが、本年度は二月の八日に公社といたしまして、ここ三年来いつも賃金問題につきましては、いわゆる検討中、検討中ということで、最後はゼロ回答をするということをここ三年来やってきたのでありますが、そういう方法は労使関係に対してよくない、したがって、この際有額回答を出す必要があるということを政府関係その他に申し上げまして、その御了解を得て、二月の八日、まだこの時点は民間賃金も十分要求が出そろっていない時期でございまして、五百円の有額回答をした次第でございます。五百円というのは非常に少ないというお考えもあるのでありますけれども、いわゆる定期昇給を含めれば約二千円になりますので、一応の回答の額にはなるというふうに考えておった次第でございます。そういうふうにいたしまして、公社といたしまして努力をしたのでありますが、組合の、何といいますか、調停段階にあったにもかかわらず、ああいう四月二十日あるいは四月二十三日のストが行なわれたのでありまして、私たち国民の皆さんに通信サービスが混乱したことに対して十分遺憾に思っておる次第でございます。しかし処分につきましては、これは公社の中で十分いろいろな時間をかけて慎重に審議をいたしましてきめたのでありまして、これを撤回することは考えておりません。
  74. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 質問をこれでやめます。それで、この処分によって起きた賃金カット、昇給停止あるいは処分者、極端なのは解雇というふうな形においてどういう――つまり財源の問題ですよ、との程度まで、それが金額においてどの程度のものになっているのか、あるいは今後なる見込みなのか、この辺のところは数字が出せるはずだと思いますから、これをひとつ資料として出していただきたいと思う。
  75. 田中一

    委員長田中一君) それでは御承知のように四十年度予算の中で、今度の処分による賃金カットあるいは退職者――解雇者ですね、含めて、予算の賃金、給料面の剰余金ですね、それの推定をひとつ出してください。
  76. 中山公平

    説明員(中山公平君) 資料の点につきましては、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  77. 田中一

    委員長田中一君) これは私から亀岡政務次官にお願いしておきますが、きょうは時間もありませんし、大臣もいませんから、十日の日に私質問いたしますが、ここで時間がないと思いますから、一応要求する資料を申し上げますから、お書き取り願いたいと思います。  それは切手類売りさばき手数料に関する質疑でありますから、第一に、最近三カ年間における切手類売りさばき所における売りさばき総額及びその手数料の総額。第二に、買い受け月払い制売りさばき人数、買い受け総月額及び一売りさばき人当たり買い受け月額とその売りさばき手数料。第三として、平均一売りさばき人当たり売りさばき手数料並びに三千円未満の売りさばき所数。第四に、売りさばき手数料の概要と、その改訂の経過――これは私が紹介人となって、四十二国会、四十三国会、四十六国会と請願を出しておりまして、これはすべて当参議院において採択されております。したがって二十九年、三十三年、三十七年改訂の内容について経過を出していただきたい。第五に、売りさばき手数料決定の基準。第六に、最近六カ年間における郵便官署による切手類売りさばき総額及び売却に要する経費の概算、これはいろいろ特定局または直接局があるはずでありますが、この中の切手類の売りさばきですね、これに要する経費の概算を出していただきたい。第七に、他の類似販売手数料との比較、これはたくさんまあ塩もあるし、いろいろなものがあります。たばこもあるし、そうしたものを出していただきたい。  これだけをひとつ、十日の次回の委員会質疑いたしますから、資料を調整してお届け願いたい。
  78. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) ただいま御要求の資料は大体手持ちのものから拾えると存じます。十日までに提出いたしますが、中には一、二調査に時間のかかるのもあるかと存じますが、その点御了承いただきたいと思います。
  79. 田中一

    委員長田中一君) どんなものですか。
  80. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 一、二ちょっと類似のものがございますが――大体あると思います。あとでただいまの御要求のものを詳細に検討しまして、おくれそうなものだけ御連絡をいたします。
  81. 田中一

    委員長田中一君) それでは一応この資料を提出すると、答弁できますか。
  82. 鶴岡寛

    政府委員(鶴岡寛君) 承知しました。
  83. 田中一

    委員長田中一君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度といたします。  次回の委員会は、八月十日火曜日午前十時を予定とし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会      ―――――・―――――