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1965-09-30 第49回国会 参議院 商工委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年九月三十日(木曜日)    午前十一時二十二分開会     —————————————    委員の異動  八月十二日     辞任         補欠選任      田中 寿美君     大矢  正君      二宮 文造君     鈴木 一弘君  九月三十日     辞任         補欠選任      大矢  正君     亀田 得治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 赤間 文三君                 岸田 幸雄君                 剱木 亨弘君                 近藤 信一君     委 員                 大谷藤之助君                 近藤英一郎君                 斎藤  昇君                 宮崎 正雄君                 柳田桃太郎君                 吉武 恵市君                 阿部 竹松君                 亀田 得治君                 椿  繁夫君                 鈴木 一弘君                 矢追 秀彦君    国務大臣        通商産業大臣   三木 武夫君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    説明員        大蔵政務次官   竹中 恒夫君        大蔵省主計局主        計官       吉瀬 維哉君        通商産業政務次        官        堀本 宜実君        通商産業省企業        局長       島田 喜仁君    参考人        大阪府知事    左藤 義詮君        大 阪 市 長  中馬  馨君        大阪国際博覧会        準備委員会事務        局長       新井 真一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○産業貿易及び経済計画等に関する調査   (万国博覧会に関する件)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員変更について御報告いたします。本日、大矢正君が辞任され、その補欠として亀田得治君が選任されました。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、先ほど理事会において協議いたしました結果、本日は、万国博覧会に関する件について参考人出席要求の御決定を願い、引き続いて参考人から御意見を聴取いたし、これに関し質疑をいただきまして、明十月一日に派遣委員の御報告を承ることといたしましたので、御了承願いたいと存じます。     —————————————
  4. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは、さっそく産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたし、本調査の一環といたしまして、万国博覧会に関する件について、本日の委員会参考人として、大阪府知事左藤義詮君、大阪市長中馬馨君及び大阪国際博覧会準備委員会事務局長新井真一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいま決定万国博覧会に関する件について、三人の参考人方々にはすでに御出席をいただいておりますので、これから順次御意見を承りたいと存じますが、その前に、参考人皆さまに一言ごあいさつを申し上げます。  参考人方々には、御多用のところ、当委員会のために御出席いただきまして、まことにありがとうございます。委員一同にかわりまして厚くお礼を申し上げます。御出席皆さま方から、来たる昭和四十五年に大阪において開催される万国博覧会に関しまして、現在の準備状況及び実施計画等につきまして御忌憚のない御意見を御開陳願い、当委員会の今後の調査参考にいたしたいと存じます。  なお、議事の進め方につきまして申し上げますが、まず最初にお一人十分程度で順次御意見をお述べ願いまして、そのあとで、委員から質疑がありました場合にはお答えを願いたいと存じます。  なお、政府側からは、通産省側から三木通産大臣堀本政務次官高田企業局長柳井担当審議官大蔵省から竹中政務次官吉瀬担当主計官出席になっております。  それでは左藤参考人から御意見を承りたいと存じます。
  7. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) 去る九月十四日、万国博覧会日本開催確定を見ましたが、これまでに寄せられました委員各位のなみなみならぬ御尽力、特に本日、ただいま意見とおっしゃいましたが、実はお願いを申し上げる機会を与えていただきましたことをつつしんでお礼を申し上げる次第でございます。  このたび開きます万国博覧会は、申すまでもなく、日本産業文化成果世界に問う国際的な大行事でございまして、アジアでは初めてという画期的な意義を持つものでございます。国際博覧会条約に基づく最大規模の第一種一般博覧会として、外国参加の招請はすべて外交上の経路を通じてなされました。その開催運営主催国政府責任のもとに行なわれるものでございまして、かような目的性格及び事業規模からいたしまして、未曽有の国家的大事業であると存じます。さらに万国博覧会は、単に事業規模が大きいというのみでなく、その国の内外に及ぼします影響がきわめて大きいものでございます。これを日本主催することによりまして、諸外国わが国の伝統ある文化と高度の産業水準理解させ、これを機会に、景気振興地域開発等効果はいうまでもなく、長期的な輸出の促進効果を含めまして、その貿易振興上の利益は、はかり知れないものがあると存じます。また、アジアに対する名国理解、並びにアジア相互理解を深めまして、世界平和の基礎ともなるので、世界一つという理念の確立にも寄与することができると信じます。かような万国博覧会大阪で開きますことは、地元として非常な光栄と存じますとともに、その使命の重大さを痛感いたしているのでございますが、地元としましても、開催準備に鋭意努力を重ねてまいっている次第でございます。目下の試算では、まだ試みでございますが、試算では、用地取得費を除きまして、会場整備事業費は、約五十カ国の外国出展投資を含めまして、建設投資だけで千二百億円に達すると存じます。また関連公共事業として、輸送、交通基礎となる関連道路建設をはじめ、鉄軌道港湾、空港などの交通基盤整備はもとより、上下水道の整備都市改造事業、それから公園緑地整備など、生活環境改善整備など広範多岐にわたるものがございまして、その事業費は優に一兆円以上に達しまして、オリンピックに要した経費をこえる大規模なものになるものと考えられます。したがいまして、これはとうてい一地方公共団体の負担し得るところではございません。  以上のような万国博目的性格及び規模に照らしまして、また、その及ぼす全国的、世界的な効果にかんがみまして、万国博開催運営につきましては、国の事業であり、国の責任であるという御認識のもとに、今後五カ年にわたる重要国策としてお取り上げをいただきまして、国の総力をあげて推進する体制を確立されるよう熱望をいたす次第でございます。  具体的措置につきましては、これまでにも機会あるごとに関係方面に要望申し上げておりますが、すみやかに国会及び政府内に特別の組織を設けていただきまして、なかんずく関係各省協調連絡体制を確立して、所要の立法措置などにつきましても、すみやかに実現されるようお願いを申し上げる次第でございます。また、会場用地取得につきましては、買収費全額起債の確保、これに伴う利子補給全額国庫負担並びに租税特別措置の適用をお願いいたすのでございまして、会場整備に伴う直接経費につきましても、政府資金の大幅な導入をおはかりいただきたい。関連公共事業整備につきましては、特別地方債ワクの設定ないし国庫補助率拡大等財源措置を確立されるよう要望申し上げる次第でございます。  重ねて申し上げますが、アジアで初めてのこの万国博世界史に残るりっぱな博覧会として成功させますため、今後とも皆さま方の絶大なる御支援、御指導を心からお願い申し上げまして、本日はまことにありがとうございました。
  8. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、中馬参考人の御意見を伺いたいと存じます。
  9. 中馬馨

    参考人中馬馨君) 万国博覧会日本開催が、国際的に確定をいたしまして、一九七〇年に大阪の地においてこれを開催することになりましたことは、皆さま方の御支援、御協力のたまものでございまして、ここに厚く御礼を申し上げる次第でございます。  このたびの博覧会は、アジアにおいて初めて開催されるものでございますから、何としてもアジア的な特色を持たしめて、人類の進歩と平和に寄与するものでなければならないと思う次第でありまして、オリンピック成功につきまして、ある人が、わが国の外務省の全員が五カ年間どんなにがんばっても、一回のオリンピックのあげた外交的成果をおさめることはとてもできないであろうと言ったのでありましたが、今回の万国博もまたアジアアフリカで初めて開くことについて特に世界の関心が深いのでありまして、そうしたことからアジアアフリカ諸国も気やすくこれに参加して、その民族的文化も紹介されるというようなことになるといたしますならば、たくまずして大きく国民外交的な成果をおさめることもできるのではないかと思うのであります。貿易の上から見ましても、会期中の取引が相当多額にのぼることは申すまでもないのでありますが、その後の貿易が相当伸びますことにつきましても、ブラッセルの例で明らかなところであります。私は、かつて大阪東京でそれぞれ隔年に開かれております国際見本市の企画をいたしました一人でありますが、第一回の国際見本市貿易取引もさることながら、日本メーカーたちに対して非常に大きな刺激を与えたということをいま思い出すのでありまして、これは日本科学技術産業の上にも大きな刺激を与えただけでなくて、一般教育の上にもたいへんな効果をもたらすものと思うのであります。さらに今後における国際的な観光競争、そうした観光国策の上からも、近畿、瀬戸内、九州をつなぐ観光ルートを開発する意味においても、また大きな成果があるのではないかと思うのであります。いずれにいたしましても五年後の万国博覧会は、わが国としては今世紀におけるオリンピックとともに最大国家的行事であろうかと思うのであります。他面、万国博覧会はその過去の歴史から、各国開催されたあとを見ましても、常に都市が大きな役割りを果たしていることは申すまでもないところでありまして、つまり国内国外を問わず、膨大な来会者一定期間に受け入れることは大都市でなければ困難なのでありますが、さらに単に会場そのものだけでなくて、都市が蓄積をしてまいりましたその国の文化的、産業的基盤万国博覧会の一部をなすことも見逃がすことができないところであると思うのであります。  これを一九七〇年の日本万国博覧会に沿って申し上げますと、大阪千里丘陵開催いたしますには、何としても大阪中心とする近畿の進んだ道路鉄軌道など交通網の存在、宿泊施設をはじめとする都市的諸施設が具備されていることが基本的条件であることはいまさら申すまでもないところであります。さらに昨年のオリンピックを振り返ってみますと、当時東京すなわち日本という印象を与えたのであります。東京日本、一九七〇年には万国博覧会を通じて大阪日本を代表する都市として印象づけられるものと考えられるのであります。  以上の万国博覧会の二面性を十分御理解をいただきまして、次の二つの点について特別の御配慮、御援助をいただきたいと思うのであります。その第一は、博覧会が国際的に認められた国家的大行事であることに関連するのでありますが、何としても日本の権威にかけてりっぱな博覧会たらしめるためには、会場内の建設投資について国家的大行事として十分なる国庫の支出をお願いをいたしたいのであります。第二の点は、前に申し上げました博覧会のもう一つ性格都市博覧会をささえる一部をなしておるという点から、外人観光客延べ百万人を含めまして三千万人の入場予想者を受け入れる近畿、そしてその中心大阪市の受け入れ体制整備についてでありまして、こまかいことは申し上げませんが、大阪都市の現状は、東京とともにいわゆる過密都市といわれる状態でありまして、道路交通等、非常な混乱状態にあるのでありますが、これらをまず整備してかからなければならないと思うのであります。まず第一は、何といっても街路であり、交通の問題でありますが、幸いに大阪の場合、地下鉄高速道路等建設は、すでに一昨年、昨年、本年とかなりの勢いで進んでおるのでございます。地下鉄も現在の状態で押していくならば、万国博までには現在の東京程度にまでキロ数がふえていくのではないかと思うのであります。高速道路もまた、すでに建設はやや軌道に乗りつつあるのであります。こうした方面をさらに伸ばしていただいて道路交通の問題をまず解決をしなければならないと考える次第であります。さらに、御承知のとおり新幹線の大阪駅周辺などは、世界に誇る幹線の終着駅といいながらあの混乱状態でありますから、これを整備することもかなりの大事業でございます。また、大阪の港も、これも海上の設備等について港湾の利用はかなり活発になるのでありますが、この港湾施設等についても相当の整備を要するものがあるのであります。  さらに大阪市は、非常に公園緑地の少ない町でありまして、近代都市としての体をなしていないとも言わなきゃならぬような状態であるのでありまして、将来の都市開発の立場からいたしましても、公園緑地等整備をいたさなければならないのでありまして、こうした機会都市の外客を迎え入れる体制を整える意味においても、これらの点につきましてもこの機会整備をさしていただきたいと思うのであります。その他宿泊施設ホテル整備問題等がございますが、現在大阪、また京阪神、近畿にあるホテルベッド数は約七千五百程度であります。東京が一万四千程度であります。もう五千ベッド程度ホテル建設等をいたさなきゃならぬかと思うのであります。そうした各般にわたって整備を急がなきゃならないのであります。国鉄等環状線整備問題等もございますが、いずれにいたしましても、これらの整備に、現在概算いたしまして大阪関係で七千億ぐらいの数字があげられる。しかし、これは先ほど申しましたように、すでに軌道に乗ってやっておるものをかなり含んでおりますので、従来の計画に五、六〇%ふやせば、大体受け入れ体制が整えられるのではないかとも思うのであります。これらの点は今後に検討が残される問題でありますが、しかし、いずれにいたしましても国をあげての大事業でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  ただ、この際に、わが国の六大都市財政事情というものが非常に悪くなっておることを御理解をいただきたいと思うのであります。大阪市からあがっております税金の総額の中で七割三分は国にいき、また府にいき、市には一割一分しか自主財源としてとどまらないということでありまして、今日は大阪をはじめ六大都市が逆に交付団体になっているという珍現象を呈しておるのであります。さようなことから去る三月の国会においても、参議院において地方税の一部改正に関連し、都市財政の立て直しを要するという附帯決議をおつけいただいたような事情もありまして、これを消化する財政処置というものはなかなか困難を伴うものであります。  どうか各般にわたって、この世紀の大事業成功に導いていただきますよう、特に御指導を賜わりますようお願いを申し上げる次第であります。
  10. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、新井参考人お願いします。
  11. 新井真一

    参考人新井真一君) 事務局長を拝命いたしました新井でございます。よろしくお願いいたします。たいへん貴重な機会をお与えいただきまして、まず厚く御礼を申し上げます。しばらくいただきました時間の範囲内で、ごく簡単に御説明を申し上げまして、御要望をいたしておきたいと思います。  お手元にあらかじめ三冊ほど資料を提出してございますが、知事市長からいろいろ本質問題のお話がございましたので、ごく簡単に、最初に「万国博覧会について」という資料をちょっとお取り上げいただきたいと思います。この点はごく簡単にいたしたいと思いますが、そこの十、十一ページをごらんいただきたいと思います。先ほど来お話のございましたように、一八五一年から欧米で、あるいはヨーロッパのほうで万国博覧会開催されておるわけでございます。ごらんおきいただきたいと思いますが、特に十二ページに出ているように、初めて欧米地域以外のアジアアフリカ地域である日本でやるということに相なったわけでございます。  それから、二ページにちょっとお戻りをいただきまして、特に重要と思われます点を二、三御指摘をいたしたい。その二ページに「万国博覧会の定義」と書いてございまして、その中の(イ)でございますが、この種の万国博覧会を行ないます場合に、国が直接主催をする場合、もう一つは国が認める団体主催をする、こういうふうな主催音別の分類がございますが、今回は後のほうでございますけれども、その次に書いてございますように、外交上の経路で招請されますということと、国が認めるという意味は、政府との合意によりまして、これを実施するということに相なるわけでございます。なお、条約に基づいておるわけでございますが、条約を詳しく見ますというと、やはり国の代表といたしまして政府委員任命等もございますし、政府責任のもとにおきまして運営をするものというふうに御承知おきを願いたいと考えるわけでございます。  それから、三ページのほうは種類でございますけれども、一般博覧会特別博覧会とございます。今回は一般博覧会の中での第一極でございます。一種、二種の区別がございますが、一種のほうは、参加する諸国は必ずみずからの陳列館を建てる義務を負わされておる、そういう大規模なものでございます。  それから、四ページのほうに、現在ございます条約加盟国の名前が列挙されてございますが、共産圏も含めまして、現在三十二カ国でございます。  次に、もう一つ資料をお取り上げいただきたいと思います。日本の万博の計画と今後どう進めていくかという問題についてお話し申し上げます。先ほど知事市長からもお話がございましたように、一ページをごらんいただきますと、一九七〇年、すなわち昭和四十五年に開催をする。それから期間が六カ月の長きにわたるものでございます。場所千里丘、これはもう一つ資料のほうに地図も添えまして、会場予定地概要を御提出してございますので、ごらんをいただきたいと思いますけれども、約百万坪の予定でございます。入場者総数延べ三千万人を見込んでおります。出展参加国は五十カ国以上、これは最低でございまして、おそらく八十カ国にのぼるのではなかろうか。むしろ国際館とも入れまして、そういう数字になるのではなかろうかと考えております。会場予定地概要も、地図をごらんいただければわかるかと思いますけれども、大阪の付近でよくこんなものが残っていたと思われるほどの絶好の場所でございます。二ページでごらんいただきますように、海抜三十から七十メートルのなだらかな丘陵でございます。いい場所ではないかと考えております。  それから四ページ以降、今後どう進めていくかという問題でございますが、まず第一に組織の問題でございます。先ほど申し上げましたように、これを実施運営いたします責任団体といたしまして、財団法人に早く切りかえる必要があるということでございます。現在私どものやっておりますのは、任意団体としての博覧会準備委員会でございますが、少なくとも、九月十四日に日本開催決定いたしました以上、責任のある財団法人に改組する必要があるということで、十月上旬を目途に目下組織づくりに専念をいたしておるような次第でございます。  それからテーマの問題でございますが、この万国博覧会テーマというものがございまして、これを中心にいたしまして、計画し練られたものが展示をされるというところに、国際見本市とは全然違った万国博覧会の本質があるわけでございますので、テーマ決定ということがまず第一でございます。このテーマがきまりましてから会場計画あるいはいろいろな問題が展開をするわけでございますので、テーマが非常に急ぎますという関係上、十八名のテーマ委員会をすでにきめさせていただきまして、九月一日に第一回の会合を開きまして、少なくともこの秋ぐらいまでにはおおむね指向と申しますか、中心になるテーマの考え方、方向をつくってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。なお、そのテーマの問題にいたしましても、五ページのところに書いてございますように、世界文化多様性を容認した上で、その融和の可能性を期待するようなものであって、万国の方に喜んで参加していただくような方向で考えてまいりたい、こう考えております。  その次をめくっていただきまして、会場計画の策定でございますが、これもテーマがきまりましてから展開をしなきゃならぬことに相なるわけでございますが、ただ、条約上を見ますと、やはり参加をいたします各国かなりお金が要りますことと、事前に日本計画を見まして参加しようかどうかという検討を要しますので、前びろにこの点は示してお呼びかけをしなきゃならない。そういう点がございますので、条約によりますと、三年前、したがって来年末ぐらいまでには会場計画というものはこんなものでございますということにいたしまして、呼びかけをいたす段取りに相なるわけでございます。  その次に資金計画でございますが、先ほど知事からもお話がございましたように、外国館参加、あるいは民間出展等も全部入れまして、あの百万坪の中にどういう建設投資をやるかという点については、現在のところ試算で千二百億円と見込んでおります。これもテーマがどうきまり、会場計画がどうきまるかによっていろいろ変更のあろうことは申すまでもございませんけれども、大体かっこうをつけるにはこんなものであろうということで、千二百億を見込んでおるわけでございます。右のほうをごらんいただきますと、その内訳が出ておりますけれども、これは百万坪の土地買収、あるいは荒造成あるいはそのための金利、こういう用地費関係は除いております。おおむね荒造成二十五億、金利等かなりばく大なものでございまして、おおむね六、七十億だと思っておりますけれども、そういう用地関係は除きました上で千二百億円は要るのだということになるわけであります。ただし、その右のほうの二番目に書いてございますように、参加出展者お金を持ってまいりましてやっていただくものがおおむね八百九十億と考えておるわけでございます。中には外国館あるいは民間のもの、時に第一番のほうには政府館とかあるいは地方公共団体館とか、これはおそらく大阪館とか、東京館とが、こういうものでございますが、それは別にいたしまして、博覧会団体といたしまして、施設整備費としては三百十億というような試算を現在行なっておるようなわけでございます。なお、四十一年度といたしましては、特に先ほど申しましたように、かなりびろに段取りをつけていかなきゃなりません関係上、実際の土建工事に先立ちます測量、調査、このような経費といたしまして、約八億円を要する見込みでございます。  なお、ここには書いてございませんけれども、特に九月十四日以降、PRの関係につきましては、相当長期計画検討中でございまして、近くPR委員会等、専門家の御意見も拝聴いたしたい、こう考えておるわけでございます。  大体、以上が説明でございますが、特にこの際せっかくの機会でございますので、御要望さしていただきたいと思いますが、先ほど知事市長からもお話がございましたのでありますけれども、特に四十一年度の当初の調査、測量関係の費用、この点につきまして特段の御配慮をいただきたいと思うわけでございます。ただ、全体の計画といたしまして、それをどうするかこうするかという問題は、もう少し関連公共投資等の問題の詰めと同時になってまいるかと思いますが、とりあえず、四十一年度といたしまして、急いでやらなければなりません関係がございますので、八億円の要望をいたしております点については特段の御配慮をいただきたい。  もう一点は、御承知のように、四十五年に行なうわけでございまするし、四十五年ぐらいに団体としては初めて金が入ってくる。入場料とか、あるいは敷地の費用とか、そういうもので前渡金をとりますれば、四十四年、四十五年ごろに初めてお金が現実化するわけでございまするけれども、それまでにいろいろな運営、準備といたしまして、相当な運営の金も要るわけでございますし、建設の金も要るわけでございます。そういう意味で、つなぎ融資の問題がかなり重要な問題と相なります。この点につきましても具体的にまたいろいろ御要望いたしたいと思いますけれども、御配慮いただきたい、こう思うわけでございます。  それから、なお最後の一点といたしまして、何と申しましても、私ども大阪において行なうわけでありますけれども、やはり中央関係の、国におきます連絡、協力体制の確立と申しますか、さような点も今後まあ仕事の展開に応じまして、時期等は御検討いただかなければならぬかと思いまするけれども、十分な御指導、御配慮をいただきたいと思うわけでございます。ありがとうございました。
  12. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ありがとうございました。  以上をもちまして参考人方々の御意見の御開陳は終わったのでありますが、ただいまの御意見につきまして、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  13. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ちょっと大臣にお尋ねをいたしますが、一九七〇年に条約に基づく万国博覧会わが国開催されることになり、しかも、これが産業経済の中心であるといわれる大阪にきまりましたことは、地元の一人として歓迎をいたしておるところであります。この博覧会がパリの国際事務局で日本開催ということが決定されました際、事務局の会長のレオン・バルティ氏がメッセージを送って、全世界日本可能性成果を示すものと期待する、さらに言葉を継いで、とりわけ何よりも東洋と西洋を結ぶ友情を深め、世界平和に貢献するものと思う、という意味のメッセージを送っておりますし、私どもも深く共感するところであります。  そこで、私のお尋ねをいたしたいのは、条約に基づく今回の博覧会でありますが、公式博覧会というものは政府主催をする。それからずっと経過を見ておりますと、政府指導によって博覧会協会というものを組織して、そうしてそこに一切の博覧会の準備、組織運営指導というものをまかせる方向政府指導されておるように見受けられますが、これは公式博覧会なのか、それとも公認の博覧会なのかという博覧会性格の問題であります。どうもこれまでの経過を見ておりますと、公認博覧会——博覧会協会というものを組織して政府運営指導の前面に出るのじゃなくて、政府指導のもとに行なう公認博覧会のような印象をこれまでのところ与えておるのでありますが、通産大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
  14. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) オリンピックの場合を考えてみますと、これは財団法人オリンピック組織委員会というのができたわけであります。今度の場合も、これは財団法人組織博覧会協会、こういうものを組織をしていただいて政府が全面的に協力する。いま椿委員の言われるように、公認といいますか、政府が直接やるのではないけれども、財団法人をして運営に当たってもらう、それに対して政府が全面的に協力する。その財団法人は主務官庁が十分に監督のできる民法上の規定がありますから、政府それ自体ではないけれども、そういう形で運営をすることが万国博覧会運営としては好ましい、こういうことでさようにいたしておるわけでございます。
  15. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いま大臣の御答弁を伺いますと、ほんとうは政府がやるべきものなんだけれども、財団法人博覧会協会というものをつくって、それに組織なり指導運営の任を政府にかわってやってもらう、こういうことであれば、全面的に協力というよりも、政府責任においてこの博覧会協会にこれを一切やらせるということじゃないと、条約に基づく公認博覧会性格にもならないように私は思います。ですから全面協力でなしに、政府責任において博覧会協会を通じてこれの運営指導に当たらせる、こういうふうにお考えいただかないと、条約の趣旨とぴったりしないように考えられますので、重ねて大臣の所見を求めます。
  16. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは二つの場合があるようです。こういう形でやるのと、政府自体がやるのと、いままでの万国博覧会の経緯は。しかしこの万国博覧会は、そこにいられる大阪府知事大阪市長、商工会議所、これがぜひ万国博覧会大阪に招致したいということでこの運動を——これが起こってきた経緯というものは、こういう大阪中心とした熱意が実を結ばしたわけでございますから、そういう経緯にかんがみて、財団法人万国博覧会協会、こういうものが主催をして、政府がこれをバック・アップするということが、この博覧会招致をされたいきさつから見て、そういう形が日本の場合は実情に沿うておるのではないかということであります。このことは、おそらく椿委員は、政府がやはり全面的に協力するのには、かわってやるのだというくらいの意気込みでやったほうがいいのじゃないかという、そういう政府の意気込みから言われておるのだと思うのですが、その意気込みは、これは政府としても国家的な事業でありますから、全面的に協力したい。しかし形としては、運営の母体としては、これが大阪に招致されたいきさつから見て、このほうが実情に沿うのではないかということでございます。気持ちの上では椿委員の言われるような気持ちで政府は協力をしたいと思っております。
  17. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 重ねてお尋ねをいたしますが、昨年行なわれましたオリンピックの際も、財団法人組織ということで直接担当してやっていただいた。今回の博覧会協会と政府関係も、オリンピック主催いたしました財団法人政府関係と同一のものである。私は本来であれば、こういう歴史的な催しでありますから、政府が全責任を持って、そしてこの博覧会協会の組織をつくって、それに指導なり運営全体をまかせるということであるべきだと思うのです。ただ、たまたま日本大阪ということで土地がきまりましたから、大阪府知事大阪市長大阪商工会議所会頭などが、地元に来たもんですから事務的な準備をいまされているにすぎない。一切の責任政府にあるもの、こういうふうに私は理解をしておるのであります。オリンピックの場合の政府との関係、今回の博覧会協会と政府との関係、これは同じものとして理解してよろしゅうございますか。
  18. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 今回の場合も担当大臣を置きたい、それは適当な時期に置きたい、そういうことで、オリンピック政府との関係と今回の場合も変わらないとお考えいただいてけっこうであります。
  19. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 担当大臣を置かれるということは三木さんの談話でも承知しておりますし、それから、もしも赤字を出したような場合には政府が負担してやらなければいくまいというような、地元に非常に理解ある談話を出されたことも記憶いたしておりますので、そういう点については実はあまり心配をしておらぬのであります。信頼申し上げておりますが、そこで担当大臣は、これは五年先のことでありますから、いまからいつごろということはいかがかと思いますけれども、通産大臣としてはいつごろ担当大臣を定めて、主管大臣として専心してこれに当たらせるという御都合でありましょうか。  それから重ねてお尋ねをいたしますが、オリンピックの際に、東京で開かれておるのにインドネシアあるいは中国大陸というのが参加をしなかった。いろいろ事情もあったと思いますけれども、今度の一九七〇年のわが国で開かれる万国博覧会は国際事務局も期待しておりますように、社会体制の東とか西、あるいは南とか北というようなものが参加国、招請国の中に差別されるようなことがあってはこの意義が半減すると思います。ですから、オリンピックの際のような、近所の最も全力をあげて参加をしてもらわなければならぬ国が参加できないようなことになっては画竜点睛を欠くと思います。これに対する所管大臣の御方針をあわせて伺いたいと思います。
  20. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) やがて財団法人万国博覧会協会ができまして、そういう協会等ともいろいろ相談をして担当大臣を置く時期はきめたい、だいぶん先ですから、五年先ですから。  それからこの博覧会は政治に関連を持つものではない、したがって、できるだけ広く各国参加をしてくれることが好ましい、したがって出品を希望される参加国は、そういう希望の国があったならば、どの国でも参加してもらいたい、こういう方針でございます。
  21. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ぜひそういう方針で御指導をいただきたいと思っています。これはいままで準備を進めてこられた大阪府の知事さん、市長さんのほうも、いま大臣がお答えになりましたような方針で、一切準備を進めておられますか。
  22. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) 西日本、特に大阪は大陸貿易で栄えてまいりました歴史もございます。現に政経分離の方針で貿易もどんどん進めております。私どもはいま大臣のお示しのように、政治と混淆いたしませんで、ぜひ世界各国がこの博覧会参加をしていただけるように熱望をいたしておるのでございます。
  23. 中馬馨

    参考人中馬馨君) ただいま左藤知事からお答えしたように相協議しながら進んでおる次第でございます。
  24. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 オリンピックの際には、昭和三十六年に国は特別措置法をつくりまして、財政援助ができること、国有財産の無償貸与、あるいは資金調達の便宜、役人がオリンピック運営組織委員会に出向できる道、あるいはオリンピック資金財団の会計検査の組織というようなものを内容とする、大体そういうものが内容になっておったと思いますが、特別措置法が制定されました。四年前に行なわれたのでありますが、こういう特別措置法について三木大臣の所見を伺います。
  25. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 今回の場合も特別措置法が必要だと思っております。したがって、適当な機会国会においても特別措置法を提案して御審議を願いたいと思っております。
  26. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そこで、これは政府にも、いままで準備を担当してこられた府市、商工会議所にも要望したいのでありますが、昨年オリンピックが行なわれます際に、東京都が政府の援助のもとに非常な御努力をなさったのに対しては敬意を表しておりますが、一方で途中で水道の水が出ぬようになったりして、限られた地方団体の財政の主力がその催しのほうに向けられてしまって、肝心のその府市民の民生関係予算というものが圧迫されたと、私はオリンピックの際は見ているのです。こういうことがあっては、全国民あげてこの博覧会を歓迎するということにならないように思いますので、そういう点につきましては、政府並びに会場の指定を受けられた大阪府市においても相当意を用いてもらわなければいけないと思います。民生予算を圧迫してまでそういうことをやってはいけないという考えを持っていますが、そういうことになると、これは先ほどいろいろお話がございましたように、政府としてもだいぶん財政についてのバック・アップが必要になるというふうに考えるわけでありますが、そういう点について政府並びに準備委員会の所見を伺います。
  27. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 地方財政はなかなか困難な時期ですから、そのことで非常な圧迫を加えるということはできもしませんし、またそういうことがあってはいけないというふうに考えております。
  28. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) 先ほど中馬市長から六大都市お話がございましたが、私ども府県といたしましても、現在の財政は非常に苦しいのでございまして、そういう中でこれだけの大きなことをいたしますので、この仕事によって前向きに大阪が発展をして、長い将来の繁栄を期しておるわけでございますが、とりあえずは大臣からも御理解あるお話をいただきましたように、非常に苦しい財政でございますが、皆さん方の御支援のもとに十分な国の御支援をいただきまして、いま御心配になりますような民生、社会福祉、あるいは広く博覧会をいたしますれば、衛生施設、災害防止、特に公害等の問題もございまして、そういう点に欠点を生じませんように、ひとつ全力をあげてまいりたいと思います。財政面等につきましては、十分ひとつ皆さん方の御支援お願い申し上げます。
  29. 中馬馨

    参考人中馬馨君) 大阪市の場合も同様でありまして、限られた自主財源をこの博覧会のためにだけ投入するということは許されない事情にあるのであります。しかし一方では、博覧会関係の公共事業というのは、どうせやらなければならない事情だから、やや繰り上げてやるといったような性格のものがかなり多いのであります。このようなものにつきましては、先行投資という意味で、起債によってやらしていただくならば、直ちに一般民生予算をそう圧迫することなくてできるわけであります。こういうものに限っては八年、十年でやるのを五年に短縮してやる、そのかわり先行投資的な意味を持っている起債を大幅に許していただく、こういうような措置をとっていただくことを希望いたす次第でございます。
  30. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 地方財政がシャウプ勧告以後、非常に苦しくなっておりますことは政府も御承知のとおりであります。特段の配慮を望んでおきたいと思いますが、先ほど参加国、招請国は東西南北を問わぬ、政治の色は持たない、広く参加を望む。こういう政府の御方針でありましたが、これとやはり関連いたしますのは、もう三木大臣の腹の中にもきまっておるのでしょうけれども、例の博覧会協会の会長の人選であります。これはやはり博覧会性格と会長の人選というのは、やはりぴしっといっていないと、人によって色がついておるように見られる場合もあると思います。そういう点につきましては、ここで漏らしていただければ、こういうのを考えているのだが、どうだろうというのがありますれば、ひとつ聞かしてもらったらどうだろうか。石坂さん、足立さんにそれぞれ参加をいただいて、いま代表委員五人ということになっておりますけれども、これは五年先だからといってのんびりしているわけにもいかぬように思う。みな忙しい人ばかりですから、五人で合議して、それぞれの判をもらわぬと何一つまとまらぬということでは、なかなかこれは進みにくいと思いますので、それはいまからずっと出発しているのですから、スムーズに進行していくようにいたしますためには、よほど会長の人選が急がれると思いますが、どういうふうにお考えになっておりますか。
  31. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まあできる限り会長は早くきめたらいいと思いますが、しかしこれは大事業でありまするから、それをするのに会長として最もふさわしい人を広く全国的な視野から選んだほうがいいと思いますので、まだだれをという段階には達していませんが、まあできるだけ慎重に、かつ迅速にきめたいと思っております。
  32. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 早く結論せいということでありますから急ぎますが、できるだけ早く、慎重にきめるということですが、ほんとうに早くきめてもらわぬと、なかなか準備が進みにくいように感じておりますので、強く要望しておきます。  そこで、この間私第一回の委員の顔ぶれを見てちょっと感じたのでありますが、これはどこでおきめになったのかわかりませんが、この東西の友好を深め世界平和に寄与をする、大きな期待を博覧会事務局は持っておるわけでありますが、財界の人が大部分である。学界はその中で茅さんと赤堀さんが二人程度加わっているだけです。全国民的な意欲をもってこの博覧会を歓迎するというにしては、ちょっと片寄った人事のような印象を強くいたします。私はもっと文化人、あるいは学界、労働界などからも委員参加を求めて、そして全国民的な、準備段階において各層の支持を受けているという委員会、協会にしたいものだ、こう思うのでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
  33. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まだ陣容はきまっておりませんから、できるだけ広く、まあしかし博覧会中心をなすものは産業というものが中心になりますから、したがって産業関係の人が多いということはやむを得ないと思います。できるだけいま御趣旨にあるような、そういう国民的な規模で選ぶのは適当だと思いますが、よく検討を加えるようにしてもらいたいと思っております。
  34. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 パリの博覧会でもエッフェル塔が残っておりますし、サンフランシスコの場合でもああいう国際的な名所になるような一つのブリッジが残っております。今度の一九七〇年のこの博覧会におきましても、そういう記念物がやはり残るような心づもりでかかる必要があると思っています。財政が国としても不如意なときでありますし、地方団体でも先ほどから何回も申しますように苦しい状態でありますから、博覧会は六カ月間やったら、あと取りこわしができるようなものでいいのじゃないがというふうな見解を政府の一部で持っておられるような人があるやに聞くのでありますが、そういうことであっては、せっかくの機会を逃がしてしまうことになる。やはり記念物が残るようなものにしていきたいものだ、文化と産業と科学の中心博覧会あとでも、あの近畿のまん中に残っておるというようなものにしたいという気がするのですが、大臣いかがでしょうか。
  35. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) いまテーマ委員会で一体大会のテーマをどうするかということを検討を加えております。これは博覧会を端的に象徴するものですから、それともにらみ合わせて、何か一九七〇年に博覧会をやったが、あとは形のあるものは何も残らぬというよりも、これは一九七〇年の万国博覧会を記念したものだというものが後世に残るほうが好ましいと私は考えております。これはテーマもきまり、今後検討されて、何らか残すような記念的なものがあるほうが好ましいと私は考えております。
  36. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ちょっと申し上げますが、時間がだいぶ詰まってきておりますので、大臣のほうの都合もありますし、ひとつ極力簡潔に……。
  37. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 協力いたします。だいぶんはしょって聞いておるのです。そこで、地元のほうにお尋ねいたしますが、所要の用地百万坪、これは博覧会が済むまではお貸ししましょうという声が一部にあるやに聞いております。いま大臣も強く望んでおられますように、やはり博覧会の記念物が残るようなものとして考えたい。そうなりますと、これはやっぱり用地は全面買収ということじゃないと、府にしても大阪市にしても、道路をつくったりあるいは交通整備をやったり、そのほか数々の環境の整備が行なわれると思うんですが、どうしてもやっぱり全面買収ということでなければいけないと思います。そこで、いままで大阪府としてこの用地買収の仕事をやっておられるようでございますが、特別措置法などが制定されました暁には、その用地は博覧会協会として買収した用地を引き継ぐというようなことにすべきではないかということを考えています。それといま一つは、伺いますと、あの予定地に阪急不動産、それから殖産住宅などが相当広い土地を、千里山ニュータウンをつくります際に関連してでしょうが、持っておられる、こういうところが私は先にこの博覧会用地としてお考えになっておる買収に応ずるという態度がきまりませんと、六百人からの地主の協力を求めることは至難じゃないかというふうに考えて心配をしておるわけですが、これに当たっておられます知事さんの見通しなり御方針を伺います。
  38. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) モニュメントのお話がございましたが、さらに広く学園研究、あるいは文化施設、あるいはいま過密都市の話もございましたが、その解決策としての副都心、あるいは地理的な条件を活用いたしまして、日本全体の流通の中心というような、このせっかくの行事の行なわれましたあとが、そういうふうに長く活用されますように念願をいたしまして、私どもは全面買収の方針でお願いをいたしているのでございますが、特別措置法のできました場合のことは、その際またよく伺って御相談をいたしたいと思います。とりあえずは現在の都市計画等によりまして、そういうふうに進めてまいりたい。いまお示しの大口のところには、もちろん全面買収ということでございますれば、御協力をいただくようにひとつ今後とも折衝を続けたいと存じております。
  39. 赤間文三

    ○赤間文三君 私は、椿議員がお尋ねになりましたこととだいぶ重複した点がございますけれども、これは一切省略をいたしまして、特に質問を兼ねましてお願いを申し上げたいと思います。  まず第一に、お話しのようにこの万国博大阪並びに近畿関係の非常な熱意によって話がまとまり、そうして三木通産大臣はじめ関係方々の御努力によって、いよいよ大阪にきまったということについては、非常にこれは地元としましては感謝をいたしているような次第でございます。ただ、今日われわれが考えておりますことは、おい立ちがそういうふうに大阪並びに近畿中心になってこの問題が発足をいたしましたので、その考え方が幾ぶんかあとを引いて、いよいよ万国博日本に誘致せられて進められておりますが、これはどうしても世界的のものであり、日本の国をあげてやらなければならぬという点が、まだ今後大いにPRも必要であります。現在のところでは、どうもまだ日本の国をあげてやるというような考え方が足りないのじゃないかというような気が私はしているのです。これをひとつできるだけ——すみやかにはいきませんが、この催しは世界的なもので、東洋で初めてで、単に近畿とか大阪というふうな問題ではなくして、国をあげてこれを成功させるということに、大臣はそういう気持になっておりまするが、一般の国民にこれが漸次すみやかにいくような方策を講じないと、万国博といいながら、完全な成功ができにくいのじゃないか、こういうことを私は心配をしている。おい立ちと、いよいよ決定後においてはすっかり思想を変えて、これは国の大きな催しということで、大臣もお話しのように勇敢にひとつこの仕事を進めていってもらいたい。こういうことを私は非常な希望を持っておりますので、大臣はそのとおりにお考えになっていると考えておりますから、この点については私の希望としてお聞きを願っておきます。  それから今度は質問といたしまして、やはり万国博というからには、一般では、これは大企業を中心にやるのだという常識的な考え方も多いようでありまするが、われわれといたしましては、日本は中小企業も非常に多くて、日本の中小企業はやはりきわめてすぐれた点があるので、万国博と中小企業との関係については大臣はどういうふうなお考えを持っておられるか。多くの国民の中には、そういう催しというものは大企業のためになるのだというような考えにおちいりやすい弊害がございますので、この際中小企業と万国博との関係について、まずお尋ねをいたします。
  40. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 赤間委員の御質問、いずれもごもっともなことでございます。いきさつはとにかくとして、決定をされた以上は、全国民的な行事として、理事とかテーマ委員会その他選考などもそういう視野から行なわれておりますが、今後これが具体的に進行すれば、そういうことには徹底してくると思いますが、機会あるごとに、これが国家的行事であるということを、われわれも啓蒙につとめたいと存じます。  第二の大企業中心でないかという御心配は、日本のような、中小企業というものが産業において非常な比重を持っておる国においては、そういう形では国民的な行事とは言えません。政府責任において中小企業館というものを設けたい。そして日本の中小企業が政府が設けた中小企業館に出品ができる、こういうことにしていきたい。したがって、この万国博覧会は大企業のみならず日本の中小企業も非常に出品し、参加しやすいような条件を政府責任においてつくりたい、こういう考えでございます。
  41. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ちょっと申し上げますが、竹中大蔵政務次官が、衆議院の大蔵委員会出席する都合で零時半に退席をさしてもらいたいというお申し出がありました。その点をお含みいただきます。
  42. 赤間文三

    ○赤間文三君 竹中政務次官が他においでになるようでありますから、竹中政務次官、担当の主計官もお出になっておりますから、ひとつ大蔵省の心がまえをどうしても承っておきたい。  オリンピックは、承りますれば、関連投資は約一兆円ということが言われて、そのために東京大阪の新幹線もやっていただいておる。東京高速道路なんかも、われわれ非常に今日オリンピックにありがたさを感じておる。これは選手が八千人、監督その他で約九千人、そのほかオリンピック日本に来た外人は全部で三万人とわれわれは承知をしておる。今度の博覧会は半年間にわたって、しかも外人は八十万くるか百万くるか、とにかくオリンピックに比べてみると、話にならぬような大じかけなものである。こういう点から見て、私は現在の関西を見てみると、関西というのは、私の言うのはただ大阪とか近畿だけでなく、四国も含め、九州も含め、中国も含む、当然名古屋も含みまするが、おそらくこの博覧会にくる外人というものは、何も大阪博覧会だけ見るのではない。おそらく東京をはじめ各所に相当な旅行をやると思う。こういう点からいいまして、現在のような道路関係、あるいはまた大阪から西に行く新幹線の伸び方の問題、あるいはまた兵庫県が盛んにやっておる夢のかけ橋のような問題、あるいは中国縦貫道路の問題、幾多のどうしても日本としては将来必ずやらなければならぬ事業というものが、私はあげれば相当あると思う。こういうものを、この千載一遇と申しまするか、日本成果が問われる、日本の国の値打ちが問われるような万国博を五年後に迎え、思い切ってひとつ金を出して、こういう関連事業について、少なくともオリンピック以上におやりになるだけの熱意とお考えがあるかないか。オリンピックのときにはああいうふうにやったが、今度はやや熱が薄いとかいうようなことでは、とうていわれわれは満足ができない。規模その他のあらゆる面から見て、オリンピックにまさる公共施設のあるいは繰り上げをやる、どうしてもやらなければならぬものはこれを機会にやってもらいたいと考えるが、この点をまず竹中政務次官並びに担当の主計官から、特に個々のものについては言いませんが、大体の心がまえをひとつ承りたい。
  43. 竹中恒夫

    説明員竹中恒夫君) 万国博覧会に対する国としての心がまえにつきましては、ただいま三木大臣から御答弁がございましたが、われわれのほうの省といたしましても、当然その考えにおいてなすべきだろうと、かように考えております。ただ具体的な金額あるいは方法等につきましては、御承知のように現在大臣はIMFの総会に渡米中でございます。具体的なことについて私から申し上げる立場でもございませんし、また現段階におきましては煮詰まった内容でもございません。ただただ、世紀の祭典がオリンピックだったと同様に、今回のこの万国博覧会も国をあげて、国の威信を広く世界に問い、あわせて文化交流あるいは産業開発、貿易等重大な今後の国政にも反映がある問題でございますので、全力をあげて、あとう限りの方法をもって御協力と申しますか、力を貸したいと、かように考えておるわけでございます。具体的な答弁になりませんが、いま申し上げましたように、大臣もおられないことでございますので、一応心がまえだけを申し述べさせていただきました。
  44. 赤間文三

    ○赤間文三君 竹中政務次官もできるだけの全力を尽くしてやる、大臣がいま外国におられるのでということで、私はそれ以上のことは申しませんが、とにかく徹底的にこの際西日本全体にわたる公共施設を繰り上げるなり、思い切った施策をぜひやってもらいたいことを要望しておきます。  それからもう一つ政務次官にお尋ねしたいと思うのでございまするが、博覧会に対するいろいろな費用の問題でございます。地方は御承知のように、今日の自治というのは俗に三割自治といわれて、ほとんど国におんぶしておる制度になっておる。三割しか財政的能力はない。これをたとえばモントリオールあたりでやっておるのは、カナダの国が半分出し、あるいは州が三七%持つとかいうような、そういう例でもってやられることは、私は地方財政ではできないのではないか。非常に困難な状態にある。そういう地方の不況その他に対し、また日本の自治体は外国のものと違う。外国の州、カナダの州は国のようなものと私は考えておりますが、ああいうところの例では日本のものはやれない。できるだけ、国に私は頼るという意味ではないが、これを完全にしおおせるためには、思い切ってひとつ国のほうが金を出すということをきめていただかないと、なかなか私はいかにやっても効果が上がらぬのではないかということを痛感をしておる。私個人の意見からざっくばらんにいうなら、やはりこれは国をあげての——まあいろいろな性格も先ほどお話がございましたが、国が直接やってもいい事業だと私は考える。今度はそうではなくて協会ができてやる、これはけっこうでありますが、思い切って国がひとつこれに金を出す、端的にいうならば、頭を公共施設ぐらいにお考えになって、三分の二は国が持つくらいの覚悟でやってもらって、ほんとうの成功ができるのではないかということを私個人は考えている。これから御研究になることと思うが。  それでひとつ尋ねますが、通産大臣は、これはあれですか、四十一年度におきまして、準備のために、たしか予算が四億七千万円ですか、御計上になるということですが、あとの四億七百万は地元で持つとか、大体八億円ぐらいで準備をまあとにかく始めようということに承知をしている。それで、これはその地元というのは具体的に、今度の博覧会地元というのはどういうところが地元と——言い出したところが地元というばかりでもいくまいと考える。地元が半分持つというのは、その地元とはどういうふうにお考えになるか。その点をひとつ参考のために承っておきたいと思います。
  45. 島田喜仁

    説明員(島田喜仁君) お答えいたします。来年度の予算を大蔵省に提出をいたしておりますが、来年度の事業計画は、基本計画を策定をいたしまして、会場の設定をいたしましたり、あるいは工事の準備をいたすのがおもなものでございまして、そういう意味で、来年度は一応八億円程度を見込んでおりますが、国の負担と府市の負担との関係は、やはり全体の計画が出まして、そのときにきめられると考えますので、これがとりあえずのただいま申しました準備関係の費用でございます。大体半額は国が持ち半額は一応府市が負担をする、こういうことになっております。
  46. 赤間文三

    ○赤間文三君 御承知のように、大阪ということになると、商工会議所等に実はまあ四・四・二とか何とかあるのですが、私は博覧会地元というのは、どうも今度はちょっと研究しておかぬことには、言い出したところが地元というわけにもいかぬと思います。公共施設にいたしましても、言い出したところだけの公共施設であるならば、神戸にしても、四国にいたしましても、これはやはり九州にいたしましても、重要なものはこの際やはり日本の恥にならぬように、施設は全国的にある程度までやらなければならぬような大きなものがあると考えております。それで、その点時間がありませんから、これは地元の方とはいつでも話せますから、この点はいずれまた別の機会にいたします。地元という問題はよくひとつ将来御研究を願っておく必要があると思う。いまそれでおきめになったから別にどうということはない。  それからもう時間がきましたからあれですが、一言だけ椿君の意見とちょっとダブるのでございますが、特にこの博覧会の大きな成功するかせぬかのやっぱり一つの見方としては、露骨に言いますと、米国、ソビエト、あるいは中共とか中国とか、共産圏と自由圏と競うて、この博覧会にひとしく、またその条約参加しておるせぬにかかわらず、また南方の低開発国が競うてこの博覧会参加するということになれば、大体これは成功をおさめるのじゃないか。この問題はまあ三木通産大臣ではなくて外務大臣のほうですが、どうかひとつこの出品参加の国については、特にひとつ外務省あたり督励を願いまして、ほんとうにこれが成功をするように、できれば競うてこれに出品するようなムードをつくって成功させていただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わりまするが、先に公共施設の問題の地方と国とのあれについて、主計官か何か、政務次官は帰られたが、それを詳しくお聞きしたいのですが。
  47. 吉瀬維哉

    説明員吉瀬維哉君) 先ほど政務次官からお答え申し上げましたとおり、具体的な計画決定を待ちまして、私ども必要な関連施設につきまして所要の財政支出を行ないたいと思っております。もちろんまだ全体の計画がきまっておりません段階なので、負担率その他につきましてまだお答え申し上げる段階ではございませんが、いずれにいたしましても、万国博が極力充実するように、私どもといたしましても努力いたしたい。はなはだ抽象的なお答えで恐縮でございますが、そう考えておる次第でございます。
  48. 赤間文三

    ○赤間文三君 あなたがそういうことを言うことは、聞かぬ前からわかっていたが、少し研究してもらいたい。ただ外国の例とか何とかということではなく、日本の実情に合うように、無理がいかぬように、思い切って国が金を出すという度胸をきめてもらいたい。度胸がきまらぬとなかなかいかないということです。以上で終わります。
  49. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまのに関連して、一言企業局長に。  来年度の予算については、何か八億要求しておるということですが、もうすでに事務局は発足しておるのですね、現地で。そしてその所要資金は、何か聞くところによりますと、各銀行の協調融資を受けてやっておるらしい。それでそういうことについての経費もその八億の中に入っておるわけですか。それが一つ。  それからいま主計官がお答えになりましたように、まだ方針がきまっていないのだから、負担区分——国あるいは府市などの負担区分もきまっていないということでありますから、大蔵省が、企業局長のいま言われるように、国が半分、地元が半分というのもまだきまっていないわけだな。そういうことではいかぬから、これが例になって、そういう半々というようなことでは、カナダの例、あるいは各国の例を見ましても、ちょっと意見がございますが、きょうは言う機会じゃございませんから、いまの半々というのもまだきまっていない段階でそういうことを考えている、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
  50. 島田喜仁

    説明員(島田喜仁君) いま椿先生の言われたとおりでございます。
  51. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 大臣に御質問申し上げます。  先ほどからいろいろ質問が出ておりましたが、今回の万国博につきましては、国として相当本腰を入れてやっていただかなければ当然成功が得られないと思います。この場合、地元大阪府ではどの範囲の責任を持つか、また政府としてはどれだけの責任分野でこれに臨むか。先ほど大臣からは、全面協力というお話がございましたが、その責任分野をひとつ明確にしていただいて、これだけを大阪府でやる、これだけは政府でやる、特に財政面の上からもお答え願いたいと思います。
  52. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) まあさしあたりの問題としては、敷地の問題は大阪府で解決をしてもらいたい。それからまあいろいろ全体の計画もこれから立てなければならない。そして立てて、そういう場合に国とまあいま地元といいますか、大阪府、大阪市、そういうものとの負担の区分なども、そういう全体の計画とにらみ合わせて考えたい。さしあたりの問題としては、敷地の問題の解決は大阪府にやってもらいたい、こう考えております。
  53. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますが、この万国博開催によってわが国がどのような利益が得られるか、産業、文化の面に対する影響、また国民大衆に及ぼす影響、どのようにお考えか。それから特にこの事業自体の利益をどれほど見込んでおられるか。と申しますのは、ブラッセルにおきましては、約三億円の黒字があったと聞いておりますし、またニューヨーク博においては膨大な赤字を出したと、このように伺っておりますが、この点についての見通しをお伺いしたいと思います。
  54. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは有形無形の非常に大きな効果を持っておると思うんですが、第一番に各国文化、科学、産業、この交流を通じて相互の理解を深めて、そのことが世界の平和にも大きな貢献をしていく。これは大きな博覧会効果であります。わが国としても、このことが産業、文化、科学の面において大きなやはり刺激になると思います。青少年に対しても将来夢を与えることにもなります。国民に対しての啓蒙、刺激、そのことが日本文化、産業面の向上のために役立つであろう。また実際の面において、将来の日本貿易振興の上からいっても、このことは非常な効果を持つでしょうから、そういう実際的な利益というものも相当にある。通産省でも、少し先のことですから、とらぬタヌキの皮算用のような試算はあるのですけれども、まあその効果貿易上とか、あるいは観光収入、いろいろあるのではないかと思いますが、まだ先のことですからね。ちょっと新聞紙上なんかにはその試算が出ておるようですが、国会の答弁として申し上げる段階でないのかもしれません。やがてもっと計画が進みますれば、適当な機会にその見通しを申し上げることにいたします。
  55. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 今回の博覧会は第一種博覧会で、非常に膨大な博覧会でありますが、実はモントリオール博がやはり第一種で行なわれるわけでありまして、そのモントリオール博以後は大阪万国博まではわずか三年しかないわけであります。この三年間に二つの第一種博覧会が行なわれることによりまして、他国からの出品がどのようになってくるか。また入場人員等が、特に外国からくる場合、わずか三年の間に二つの出品、また二つのこれを見にくるということになるわけでありますが、こういった第一種のような大きなことにしなくても、第二種あるいは特別でもよかったのではないか。どうして第一種にされたか、その理由を大臣にお伺いしたいと思います。
  56. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) これは日本としても、近代国家に日本がなって一世紀、この一九七〇年という年代は、日本の歴史の中においても歴史的な時代である。またアジアアフリカ、こういう今日世界中心世界政治の中心的な立場になろうとしておるアジアアフリカ、こういう地域において一回もなかった、この機会日本開催するという世界歴史的な意味もあるわけです。だからモントリオールのような、アメリカのまあ米州といったらいいでしょう、米州のブロックではいままでにも開かれています。欧州もそうです。これは非常に世界史的に見ても今回の博覧会は大きな意義を持っている。それならば特別にある狭い分野を限った博覧会のようなものでなくして、もう少し規模の大きい第一種一般というようなもののほうが開くならば適当ではないか、しかも第二種というと、これは日本が全部いろんな施設をしてから各国を呼ぶわけであります。第一種の場合は各国政府陳列館を持たなければいかぬ。いま赤間委員の御指摘になったように、東西各国が競い合って、そうして相当大きな陳列館を持つというようなことになれば、日本の地域的な位置からしても、東西の融和という役割りも果たせるのではないか。政府の費用も、日本政府がつくらなくて各国政府がつくるのですから、国としての支出も少なくていいわけです。こういうことで、同じ開くならば、これはもうちょっとアジアでは今後長い間こういう博覧会はないでしょうから、開くならばやっぱり一番規模の大きいものを開いたらどうかということで、このほうが適当だということでそういう申請をいたしたのでございます。
  57. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますが、この万国博の開かれる年はちょうど安保改定の年に当たるわけでありますが、かつての安保に見られたあの騒動のようなことがもし起こるとすれば、やはり万国博にも影響が及ぼされるのではないかと、こう考えるのでありますが、この点についてどう考えるか。特に入場人員の中に、大体外国人が百万人ぐらいくるであろうということを予想されておると新聞等には報道されておりますが、もしそういうようなことになれば、外人の日本に来ることが減るんではないかと、こう考えるのでありますが、これについての見通しをお伺いしたいと思います。
  58. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 私は一九七〇年が安保改定の年で、日本に大騒動が起こるだろうというふうには私はさように考えていないのです。もっと日本人は冷静に対処するであろう。一九七〇年危機説を私は承認しない。そんなにいつもいつも日本がデモに騒がれるようなことはあるまい。この問題を日本は処理するだけの冷静さを一九七〇年には持っておるに違いない。こういうことで、あまり大騒動が起こるから博覧会も一そのときは開けぬのではないかというふうには考えていない。ことにまた博覧会は、時期も適当な時期を一年の間に選べばいいので、安保の改定といっても、国会期間がある限られた時期ですから、ちょうど国会にぶつからぬほうがいいでしょうから、しかし、そのことで博覧会も開かれぬような状態が一九七〇年にくるとは政府は考えておりません。これは安保の改定の年であっても、秩序正しく博覧会は開けるものと、この前提でこの計画を進めていきたいと思います。
  59. 矢追秀彦

    ○矢追秀彦君 これは大阪府側にお伺いしたいのですが、先ほど大臣のお話にありましたように、用地買収については大阪責任を持って行なう。これは先ほど知事さんのほうからもそのお話がありましたが、実はこの用地買収につきましては、非常に困難が伴っておるように考えます。と申しますのは、あの千里丘陵におる、特に吹田市営アパートの住民及びその隣にあります吹田市の分譲住宅、その辺の人たちは、この用地買収についての通告が事前に全然なくて、急にこの話が持ち上がったことに対して非常に反感を持っております。私は一昨日現地に行きまして、いろいろ地元の人とも話をしてまいりましたが、非常にそういった面での反感が強いわけです。これに対してはやはり大阪府としてのいままでの話し合い、説得が足りなかったのではないか、こう考えられるわけです。もう一つは、いま千里ニュータウンができておりますが、その用地買収の際に、最初にすなおに売った人は一坪一万二千円から三千円で売っており、非常に最後までもめてごねた人というのは一万七、八千円の金で売っているわけです。したがいまして、早く売っては損だというふうないわゆるごね得というふうな風潮も農地を持っておる人にも見られますし、また農民の間にはどうしても農地を失うことがいやである、また返してもらえるならとこういうふうな意見も非常に強いわけであります。全面買収ということになりますと、あと地利用の問題におきましても制限が出てまいりますし、こういった点について全面買収が非常に困難が予想されております。また、話が戻りますが、いまの分譲地住宅の場合はまだ家が建って越してない人もおります。また転宅をして二週間しかたってない、そういう人もおるわけです。それは急に寝耳に水で、これは万国博になるからどけろとこう言われたのでは、地元の人たちがおこるのは当然であると思うのです。この買収に関して大阪府としてどのように今後説得をし、トラブルなく全面買収ができるように考えておられるか、その方針をお伺いしたいと思います。
  60. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) 会場が吹田市、大阪府下でございますので、大阪府としてこれに当たることはただいまお示しのとおりでございます。何分にも国際的な関係で、正式に決定いたしますまでにお話をすることができませんでしたことはまことに申しわけなく、いよいよきまりますということで初めてお話をしかけた、それに対していろいろ御不満のあることはお示しのとおりでございます。私も参りまして、その間の事情を申し上げまして、今後はひとつ誠意を披瀝いたしまして、いまお示しのような個々の方々状態等につきましても十分お話を伺いまして、これに善処いたしたいと思っておりますが、何分にもあと地を利用いたしまして、画期的な後世に残ることにいたしたいということで全面買収に踏み切りましたので、大口所有者はもちろん、六百余人の方々にひとつ今後よく誠意を披瀝してお願いをいたしまして、一日も早く確定するようにしたいと存じまするので、皆さま方の一そうの御支援お願い申し上げます。
  61. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは最後に私から一言お尋ねをいたしたいと思います。  先ほど来、今回の日本万国博覧会は国をあげての行事である、これは産業、文化、各面にわたる世紀的な行事でありますので、その点ではやりようによっては日本の国力がテストせられる面から非常に危険を持っておると思うのであります。そういう面において財政的にも最善を尽くすということでないと、私は悔いを後世に残すことになろうという一面憂慮すらいたしておるのであります。その点では、先ほど来三木通産大臣はじめ関係筋からそれぞれお話は承りましたけれども、この際、特に財政的にも最善を尽くすということをあらためて決意を伺っておく必要があるというふうに考えますので、その点がまず第一点。  それからもう一点は、各省の協力体制を確立しなければいけない、この点につきましては、前回は紀元二千六百年記念万国博覧会、その際には紀元二千六百年記念万国博覧会管理委員会というものを各省あげてつくったものでありますが、こういう体制の確立が必要だというふうに思うのでありますが、これについては主催者側のほうでどういう希望を持っておられるのか、そしてまた関係省としてはどういうお考えを持っておるのか、その時期はいつごろを適当というふうに考えておられるのか、これは会長人事、総裁人事等とのにらみ合わせもあるかもしれませんが、各省の協力体制が、これも産業、文化建設交通、あらゆる面からきわめて必要でありまするので、その点について、三木通産大臣はじめ主催者側の構想を承っておきたいと思うのであります。  もう一つは、具体的な問題になってまいりますが、万国博覧会というのは、へたをすると、非常に大がかりではあるけれども、雑然、騒然としてくるという危険性があるのであります。これを防止するのは、一にかかってテーマと、もう一つは砂漠のオアシスのごとく水面を利用するということと、もう一つはモニュメントを何にし、またそれに対してどれだけの資金等をぶち込んでいくか、これは産業文化の真髄を傾けていかなければいかぬと思うのでありますが、要はテーマ、水面利用、モニュメント、これによって引き締めていくより手がないというのが、世界各国万国博覧会の実績に徴してその方面の専門家からは言われておるところであります。これについてどういう構想を持っておられるのか、まだまだこれからだと言われるかもしれませんけれども、事はきわめて核心的な問題でありますだけに、相当の構想を早く固めておかなければいかぬというふうに考えられますので、その点はどういうふうにお考えになるのか、また指導官庁として通産省ではどういう考えを持っていこうとしておられるのか、その点。  もう一つは、万国博覧会開催の際には国際会議をやるのが成功のもとだと言われるのであります。したがって、各般の国際会議をやられるでありましょうが、この点はさっきも赤間委員から触れられたごとく、中小企業関係などにおきましても、国際会議は重点を置いていく、すでに国際中小企業連盟もパリを中心にあるわけでありますから、こういう面についても、大阪が中小企業の本場であるだけに、国際会議については中小企業国際会議をこの際やるというようなことが必要だと思うのでありますけれども、その辺についてはいかなる構想を持っておられるのか、また同じく通産省としての御意向もどういうふうなものを持っておられるのか、先ほど中小企業館をつくられるという決意を大臣から承りまして、非常に適切であると思うのでございますが、国際会議の面につきましてもいかにお考えであるか。こういう点につきまして、時間の関係上あわせてお尋ねをいたすわけであります。
  62. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 第一点は、これは関係市にも協力してもらうことが成功のもとだ、何もかも全部政府ということではなかなかいかないので、やはり地元の熱意が協力の形であらわれることが成功のもとだと思います。どうも全部政府々々というと、何か地元自体の責任、協力に欠ける点もありますので、国は全面的に協力するというたてまえで、関係市と協力しながら成功させていきたい。  第二の各省の協力体制は全くお説のとおりで、担当大臣ができましたならば、関係閣僚会議のようなものを持ちたい。その下に事務局の会議なども持って緊密な連絡をとるようにしていきたい。これに呼応して、地元地元としてのいろいろな機構があります。政府はそのように考えております。  第三の国際会議、これは万国博覧会の場合には、ブラッセルの場合でも三百くらい国際会議が開かれ、日本もいろいろな国際会議というものは、それ自体以外に開催日本でやるということは、日本に対しても理解を深めて好ましいですから、できるだけたくさんの国際会議をその機会に開かれるように努力をいたしたい。御指摘の中小企業などの国際会議も関西で開かれることは場所柄も適当でございますから、ぜひ実現するようにいたしたいと思います。
  63. 左藤義詮

    参考人左藤義詮君) 国の力をあげてこれを御支援をいただきまして、国の責任においてりっぱに仕上げていただきたいことが私どもの念願でございまして、そのためには、先ほど通産大臣からお話のございました担当大臣の御決定、また各省の水も漏らさない緊密な御協力を私ども地元として切にお願いをいたすところでございます。もし、もう一つお願いを許していただきますならば、国会におきましても全力をあげて御支援をいただけるような体制を一日も早くお整えいただきますように、この機会お願いをいたしたいと存じます。  モニュメント、あるいは水の問題等につきましても、二千六百年以来非常な熱意を持って御理解、御支援をいただいておりまして、政府の御指導のもとに、今後一日も早くレイアウト、テーマ等を決定いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。  国際会議につきましても、幸いに京都には国際会議場もお建ていただきまして、ただ、大阪千里の会場だけでなしに、近畿一つにいたしまして、できるだけ広くこういう国際的行事が行なわれまするように念願をいたしておる次第でございます。
  64. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それでは本件に関する質疑はこの程度にいたしたいと存じます。  この際、参考人方々に一言お礼を申し上げます。皆様方たいへん御多用のところをわざわざおいで下さいまして、長時間にわたり、貴重な御意見を承りましたことはまことにありがとうございました。重ねて委員一同にかわりまして厚くお礼を申し上げます。  本日はこれにて散会をいたします。    午後一時十三分散会