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1965-08-31 第49回国会 参議院 決算委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年八月三十一日(火曜日)    午前十時三十八分開会     ―――――――――――――    委員の異動  八月三十一日     辞任         補欠選任      久保  等君     木村美智男君      武内 五郎君     岡  三郎君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 道子君     理 事                 佐藤 芳男君                 谷口 慶吉君                 八木 一郎君                 相澤 重明君                 二宮 文造君     委 員                 黒木 利克君                 内藤誉三郎君                 宮崎 正雄君                 山崎  斉君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 木村美智男君                 柴谷  要君                 竹田 現照君                 横川 正市君                 黒柳  明君                 岩間 正男君                 山高しげり君    国務大臣        国 務 大 臣  松野 頼三君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        防衛庁防衛局長  島田  豊君        防衛庁装備局長  國井  眞君        防衛庁調達実施        本部長      山上 信重君        防衛施設庁長官  小幡 久男君        防衛施設庁施設        部長       財満  功君        外務省北米局安        全保障課長    浅尾新一郎君        外務省条約局条        約課長      松永 信雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十八年度特別会計歳入歳出決算昭和三十八年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十八  年度政府関係機関決算書(第四十八回国会内閣  提出) ○昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  (第四十八回国会内閣提出) ○昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第四十八回国会内閣提出) ○昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  (第四十八回国会内閣提出) ○昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調  書(第四十八回国会内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 藤原道子

    委員長藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和三十八年度決算外三件を議題といたします。本日は、前回に引き続き防衛庁決算の審査を行ないます。  まず、昨日の横川君の質疑に対し、留保されました点につきまして政府より答弁の申し出がありますので、これを許します。國井装備局長
  3. 國井眞

    説明員國井眞君) 昨日答弁を保留いたしました、器材費等十五億余の繰り越し額内訳でございますが、この内訳といたしましては、国内調達関係として二億二千一百万、海外からの調達といたしまして十二億五千二百万、その他製造遅延製造期間長期もの等遅延によるもの、これが三千四百万ございます。  それから、器材費内訳でございますが、どういうものが器材費等に含まれておるかということでございますけれども内訳といたしましては、たとえば、船舶関係機器通信機機械部品、それから航空機関係で申しますと、P2Vの関係の器具、それから特殊のものといたしましてはナイキ特殊装備費等、それからそのほかに、航空関係といたしまして、航空用ヘルメット、これは中に通信機器を組み込んだ複雑なものでございます。そういったものを含みまして総計十五億余の器材繰り越しがなされているわけでございます。
  4. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 質疑のある方は、順次御発言願います。
  5. 横川正市

    横川正市君 まず、憲法の前文の前段のところに、「政府行為によって再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」とありますが、この場合の「政府」というのは、これはいまそこに並んでおられる方々をさしていうのだと思いますし、それから「再び戦争惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」ということは、これは政府国民に対して、再び惨禍を起こさせないための義務責任だと私どもは思うのでありますけれども、この条文をひとつ腹に入れていながら、私は次の質問をいたしていきたいと思います。  その質問の第一は、きのうの島田防御局長答弁によりますと、事前協議協定主題にあげられておりますイロハ、このイロハのそれぞれの該当事項ではないというふうに考えられるから事前協議協定の問題には抵触しない、こういう答弁がありました。長官からは、これが反復される場合にはどういう結果になるかについて、なお検討してみたいという御答弁だったと思うのでありますけれども、この点について、これはきのうは防衛庁との間の質疑でありましたが、きょうは外務省条約局長が見えておりますから、条約局長見解をまずお伺いいたしたい。
  6. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 条約局長外務委員会に出席しておりますので、私条約課長松永でございます、かわりまして御説明申し上げます。  ただいまの御質問B52が爆撃に行った帰り不時着して日本に立ち寄る場合に、これは事前協議対象になるかという御質問と了解しておりますが、これにつきましては、かねてより御説明申し上げておりますとおり、日本国から行なわれます戦闘作戦行動ではございませんから、事前協議対象にはならない、こういうふうに考えております。
  7. 横川正市

    横川正市君 この交換公文の中にあげられております重要な配置だとか、あるいは重要な装備変更とか、あるいは作戦行動とかがあるわけですけれども、その項目外だという判断は、これはどういうふうにしてつけるわけですか。たとえば国内米軍基地から戦闘作戦行為のために出撃する場合と、この規定されている交換公文と、それから事前協議協定に関する公文の中にいまの三項目があげられておるわけでありますけれども、その三項目と対比しながら、米軍自分基地から飛び立って、ベトナム攻撃をしてそうして帰り日本基地に立ち寄るというような事態、言ってみれば不時着もありますし、その他のいろいろなれ例も起こってくると思うのですけれども、そういった事例が起こり得る。そういうそのことを想定して、そのことは事前協議協定対象外である、こういう理解をするには、私どもとしては少し無理だというように思うのですが、この点の解釈をもう少し詳しくしていただきたい。
  8. 松永信雄

    説明員松永信雄君) ただいまの御指摘の点でございますが、これは私どもとして条約第六条の実施に関する交換公文、ここに書いてあります文章の解釈上出てまいることであると考えております。  この交換公文には、「合衆国軍隊日本国配置における重要な変更、同軍隊装備における重要な変更並びに日本国から行なわれる戦闘作戦行動条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く)のための基地としての日本国内区域としての使用」第三番目にあげられております「日本国から行なわれる戦闘作戦行動」ということば、これが英語では「ミリタリー・コンバット・オペレーション・トウ・ビー・アンダーテークン・フロム・ジャパン」と、こうなっております。ただいま御指摘がありました例の場合には、ここに書いてあります「日本国から行なわれる戦闘作戦行動」には該当しない、こう考えております。
  9. 横川正市

    横川正市君 もう一回、きのうの質問を繰り返すようですが、たとえばこれは一つの想定として申し上げることになるわけですが、現実の問題では、台風待避という形で事前日本B52の着陸通告があって、それに対して日本は、よろしゅうございますという返事をいたしましたね。かりに私は、その日米間におけるところの行動の、作戦というのが、国民の知らないところで、あるいはあなたたちも知らないところで行なわれる場合もあるかもわからない。だからその知らないところで行なわれる場合には関知しないと言えないのは、これは政府責任だと私は思う。そういうことから、たとえば日本の現状は、憲法に照らして絶対平和主義を守っている。しかし、その平和主義アジアにおけるアメリカ作戦にとっては、きわめてこれは支障になる。もっと行動的にも、実際的にも、何らかの形で参加してほしいという意思が相手側にある。私は、こういう台風待避を、そういうふうに一部の報道がありましたからそれを取り上げるわけじゃありませんけれども、それを全面的に信用しないまでも、たとえばグアム基地を飛び立ったB52が、南北爆撃して帰り日本へ来て飛行士休養を行なう、それからさらにグアムに飛び立っていく。これの反復行為が行なわれた場合、これは一体あなたのいまの解釈上からいくと、やはり交換公文上、合法というふうに考えますか。その場合の戦闘作戦というのは、どういう範囲だとあなたのほうでお考えになっているのか。私どもは一貫して、それは戦闘行為だと思っているわけです。  それから不時着ということは、この赤十字精神での救済という問題もあるだろうけれども、私は条約外の問題として次の問題としては、相当日本戦争に巻き込まれる危険がそれに伴う。その危険を排除する義務は、これは政府にある。そういう関連性から、この問題についてさらにひとつお答えいただきたい。
  10. 松永信雄

    説明員松永信雄君) まず、日本政府が知らない間に日本国から戦闘作戦行動が行なわれ、そのための基地として日本国内にあります施設区域が使用される事態というものが発生いたしますかいなかという問題でございますが、その点につきましては、条約上の約束といたしまして、こういう場合には必ず事前協議をするということを米国が約束しておるわけでありますから、私どもといたしましては、そういう事態が生ずるということは予想することができないと申し上げるほかないわけでございます。  それからただいまの御質問の中で、グアムから日本に来て補給をして、またグアムに帰る、こういう場合をおあげになりましたかと存じますけれども……。
  11. 横川正市

    横川正市君 ベトナム攻撃して日本へ来て休息をし、休息したものがグアムに行って再びグアムから南へというふうな三角関係を持続された場合にどうするかということです。
  12. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 継続的にかつ計画的にそれが行なわれるというような状態が、はたしてそれが現実的に起こり得ますかどうかこれは私どもわかりませんけれども、それは日本国からB5なり飛行隊が出ていきますときの形の問題あるいはその計画の問題は検討しなければならないだろうと思います。しかし、一般論として申しますならば、グアムから発進して爆撃をする。そうしてその帰りに帰投する場合に日本施設区域に立寄るということがあっても、それは事前協議対象にはならないというふうに考えております。
  13. 横川正市

    横川正市君 戦闘行為あるいは作戦行動としてはどういうふうに考えますか。
  14. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 何が戦闘行為に該当するか、戦闘作戦行動であるかという点は、これは多分に技術的な問題が含まれているかと思いますが、ただいま申し上げましたような例の場合には、それは戦闘作戦行動日本国から行なわれる戦闘作戦行動には核当しないのじゃないかというふうに考えております。
  15. 横川正市

    横川正市君 何かあんたはいつでも第三者でもって、自分だけは安全で自分だけは戦争に巻き込まれないような考え方を持っているかもしれぬけれども、この論議というのは、たとえば安全保障条約では日本の安全は保障されないで、かえって戦争に巻き込まれる危険がこの条約によって増大しているんだと考え国民がいるわけですから、もっと的確に答えてもらわないと、私とあなたのやりとりじゃないわけですから明確にしてもらいたい。だから私は憲法条文の――あなたの責任は、まああんたは責任を全部負うわけじゃないけれども政府の一員としてあなたの責任は再び戦争惨禍国民の頭上に見舞うようなことのないように、これは絶対責任義務を持っているわけですよ、あなたとしては。だからそういう意味で、起こってくる事態に対してわれわれはどういうことが戦闘行為で、しかもいまアメリカ日本に対してどういう意図を持っているいないにかかわらず、そういうような行為がかりにあった場合にどうするか。しかもその前段として私はいま兵員はどういうふうになっているかというと、これは公に戦闘行為参加をした乗員あるいは作戦行動に直接参加した兵員は、これは台湾とか日本とかのそれぞれの町で休息をして、やがてまた作戦行動をする基地に帰っていくわけですね。これについては何らの、何と言いますか、日本としての見解も態度も何も示しておらないわけですよ。だから共産圏あるいは北ベトナム政府日本政府に対して、アジアにおける現在の攻撃の姿勢の中に日本も加担しているじゃないかと、こういうふうに言うわけですよ。私はそういう今日の状態というものから考えてみて、一体この交換公文上明らかにされておる国内米軍基地から戦闘作戦行動のために出撃した場合のみこれは事前協議協定となるのか。それとも米軍の一貫した戦闘作戦行為というものの中のその部分として日本基地が使われる場合には当然これは日本政府として事前協議協定対象とすべきだ、こういうふうに私どもは思うわけです。ところが、どっかこう一本線があって、これは領海か、領空か何かわかりませんけれども、そこから入って来たらもうこれは戦闘行為でない、こういうふうな解釈というのは、国民の側からすると非常に危険だというふりに考えておるわけですよ。もっとその点を明確にしてもらいたいと思うのです。きのう防衛庁長官は、そういう行為については、これは戦闘行為あるいは作戦行為一環として当然事前協議協定対象となるだろうと思われるので検討すると返事をしておるのですね。あるいはそういうことは戦闘行為だと、言ったのかもわかりませんが、これは速記録を見ないとわかりませんが、そういうふうな答弁をしておるはずです。いまあなたの言うやつを聞くと、どっかでもって全部ぽつんと切れてしまって、行為については日本としては何らの打つ手がない、条約上しかたありませんというよりな答弁になるわけなんだけれども、それでは私どもはいささか納得しかねる問題なんです。答えられれば答えてもらいたいし、あなたでだめなら、これは外務大臣か、局長に来てもらわないとだめです。
  16. 松永信雄

    説明員松永信雄君) ただいまの御質問重ねて繰り返すのでたいへん恐縮でございますが、私どもといたしましては、これは交換公文に書いてあります文言の解釈上、法律的、条約的にはきわめてはっきりしておる事柄であると考えております。先ほども指摘がありましたような、ベトナム地域で勤務しております米軍の兵士がたとえば休息であるというような目的のために日本に参りますような場合、それはここでいう日本からの戦闘作戦行動には該当しない。これは条約――法律的にははっきりしておることであろうと、こう考えております。
  17. 横川正市

    横川正市君 そうすると、あなたの考え方でいくと、いまのような三角の基点で日本の提供しておる米軍基地を利用して、兵隊が爆撃帰り日本基地休養に帰るとか、あるいは他の任務を帯びて来るとか、そういうことがあってもそれは事前協議協定には入らないと、こういうことですか。
  18. 松永信雄

    説明員松永信雄君) そういう場合が現実考えられますかどうか、これは別問題といたしまして、休息等目的のために日本に立ち寄る、あるいは不時着のようなことで日本に帰投するというような場合は、これは該当しません、こう申し上げて差しつかえないと思います。
  19. 横川正市

    横川正市君 そうするとですね、まず第一点は、そういう場合にはこれは戦闘行為ないしは作戦一環としては考えない、こういうことですね。米軍のそういう処置については戦闘行為ないしは作戦行為としては考えない、こういうふうに理解していいわけですか。
  20. 松永信雄

    説明員松永信雄君) ここに書いてあります「日本国から行なわれる戦闘作戦行動」、これには該当しないと思います。
  21. 横川正市

    横川正市君 そうすると、安全保障条約に基づいて――これは条約締結過程国内に非常な大きな問題を呼び起こして、安全保障条約とは日本の安全を名実とも保障するものであるというためのその保障一環としてこの事前協議協定交換公文というのがかわされたわけなんだけれども、いまのあなたの言っておる解釈からいくと、この交換公文は実はざるみたいもので、安全については万全を期しがたかったと、交換公文の取りかわしはこういうふうに理解できるわけですけれども、あなたはこれで完全に日本の安全というのは保障される条文だと、こういうふうにお考えになっておるのか、無理かもわからないけれどもお聞きしたいと思います。
  22. 松永信雄

    説明員松永信雄君) いまのお話がございました点、御意見は御意見だと存じますけれども、私どもといたしましては事前協議主題と申しますか、そこに掲げてあります三項目、これのうち日本国から行なわれる戦闘作戦行動基地として施設区域が使用されるという場合は、日本が知らない間に戦争に巻き込まれることのないようにというただいまお話問題点だと思いますけれども、そういう趣旨で設けられたものであることは申すまでもないことでございます。先ほど来御指摘がありましたような例につきまして、その結果、日本戦争に巻き込まれることになるという点は、私どもはそう考えておらないというふうに申し上げているわけであります。
  23. 横川正市

    横川正市君 おらないとか、そういうことは起こらないとかということの前提条件答弁をされても、実は私のほうでは起こり得る可能性があるということを考えて、それに対してどう政府憲法条文にあるような義務責任を果たすのかという点を聞いているわけなんです。だからたとえばいま例に出しましたように、兵員の場合にはベトナム戦争に加担をしていろいろ疲労をしたから日本国内休養する、このことについては日本政府としては容認している。それからもう一つは、原子力潜水艦なんかの場合も、これも同じように太平洋作戦一環としてアメリカの第七艦隊の作戦行動に従事し、しかも長期にわたって行動参加をしたために休養地として横須賀とか佐世保とかということが指定になってきた、それに対しても日本政府はそのことについては容認をしているそうですね。そこで第三段の問題としては、それならばいま言ったように、グアムというのはアメリカの純然たる基地ですね。それから作戦行動地南北ベトナム、それからそこで作戦行動を終わって、そして帰り日本基地を利用して、そこで休養をとり、休養が十分にいったからまたグアムに行く、グアムからベトナムをまた攻撃するという反復が行なわれてもこれは日本政府としては協定条約違反ではない、こういうふうに考えているわけですね。
  24. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 大体そのとおりに考えております。いまお述べになりました点がどういうふうに直接的に相関連しますのかよくわかりませんけれどもベトナムの方面で爆撃をして、そのあと休養のため日本に来るというような場合は事前協議には該当しません。
  25. 横川正市

    横川正市君 それじゃもう一つ聞きますが、グアム台風が来るのでB52が板付に待避したいという話がありましたが、これは交換公文上の問題でなくて、いわば国内におけるところの反戦あるいは米国に対する悪感情と言いますか、これを幾らかでもやわらげる意味もあって事前通告をしてきた、こういうことですか。それとも公文上の事前協議ですか。どちらですか。
  26. 松永信雄

    説明員松永信雄君) それは八月に起こりました問題かと思いますが、台風を待避するために日本に立ち寄る予定であるということを通告してきましたのは、事前協議交換公文によって行なわれたものではございません。
  27. 横川正市

    横川正市君 そうすると、どういう理由で通告してきたのですか。
  28. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 単なる通告と申しますとおかしいのですが、連絡であろうと思います。
  29. 横川正市

    横川正市君 何もそういう連絡をする必要がないのに連絡をしてきたわけですね。
  30. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 事前協議をしてあらかじめ日本政府の同意を求めるという必要があるという意味での通告ではございません。
  31. 横川正市

    横川正市君 B52はいま渡洋爆撃第一線機ですね。まあ言ってみればアメリカの相当重要な作戦行動参加する航空部隊、そうではないのですか。
  32. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 外務省のほうでお答えを申し上げるのが適当かどうか存じませんが、私ども一応そういうふうに了解いたしております。
  33. 横川正市

    横川正市君 これは防衛局長でも長官でもいいのですが、B52というのはいま私が言ったように、米軍における極東作戦行動をとるための第一線機、あるいは渡洋爆撃するための重要な地位を占める航空部隊というふうに判断をするわけですけれども、その点これは担当のあれですから、どういうあれかお聞かせいただきたい。
  34. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 極東に今日おりますB52は、極東における今日重要な爆撃機であると私は思います。ただ横川さんは、アメリカじゃ最新鋭と言われますれども、最新鋭とは私は思っておりません。御承知のように、B52のBからB52のHまでずっと変わっておりますし、飛行機は日進月歩のものでございますので、私は最新鋭ということばは必ずしも妥当ではない、まあとにかく相当大型の飛行機であるということは、これは認めます。
  35. 横川正市

    横川正市君 新鋭新鋭でないかは、われわれが考える重要な装備かどうかという問題には日本の場合にはあまり関係がないようです。日本における現有勢力から勘案してみて、それでいまたいへん重要な問題にぶつかったのは、少なくともこの作戦行動と思われるような反復行為日本の提供している米軍基地を利用して行なわれても事前協議協定にならぬという解釈は、これは交換公文の第三の条項、それから国の条項等から勘案してみて該当すると私は考えるのですけれども、この交換公文の国の米軍の芸備における重要な変更というのは一体何をさしているのですか。ただ核弾頭をつけた云々とか、あるいは大陸間弾道弾だとか、そういうような意味での装備変更ということではないのじゃないですか。これはたとえば第一に言えば新たに一個師団の陸上部隊等配置されたような場合であってもこれはやはり配置に対する重要な変更というふうに解釈をされているわけです。そうすると、ロとハのそれぞれの解釈というのは、これは少なくとも反復そういうような行為が行なわれるということについては、これは事前協議の当然の対象だと私ども判断をするし、そうでなければ何のために交換公文をつくったのかこれはわからぬと私は思うのだけれども、その点の解釈はどいうふうに立てておられますか。それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  36. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 事前協議の三項目の第二番目に合衆国軍隊装備における重要な変更、との個所につきましてはこれはもうすでに繰り返し御説明申し上げておりますとおり、核装備、核兵器の問題を意味しております。
  37. 横川正市

    横川正市君 核か持ち込まれるか持ち込まれないかというのは、実はこれは条約上の問題でなくて政治上の問題だと政府は答えているのですよ。条約上の問題として核が持ち込まれるかどうかというようなことはいままでの論議の中に一回も出ていない。いわゆる兵員装備、これの重大な変更がある場合は当然これは事前協議対象になるというのが交換公文の内容なんです。  もう一つは、これはきのうも防衛庁長官は、何かいま原子力潜水艦も、それから航空機も、核爆弾装備してないからだいじょうぶだと言っていますけれどもアメリカの声明の中には、もし中国か北の援助に動く場合には核攻撃を行なうと声明していますよ。これはあそこの戦争の推移がどうなるかは、われわれの全く予知し得ない状態にあるわけですね。だから、われわれの心配というのは、予知しない事態に対してどう対処するかというのがいつでも、この防衛の問題にしても、それから安全を保障する場合においても中心になって考えられなければいけないんですよ。それを全然度外視して、数年前につくられた、安保条約に基づいて現状を、何といいますか、妥当化していくような答弁をされるということは、いま起こってきている事態ということからは少し遊離をするんじゃないかと思うんだけれども、あなたは答弁しながらその点無理を感じませんか。
  38. 松永信雄

    説明員松永信雄君) 先ほど私が申し上げました点は、実は安保国会のときにも政府側から、その趣旨でお答え申し上げております。軍隊装備における重要な変更というのは、具体的には核弾頭、長中距離ミサイルの持ち込み、及びそのミサイル基地の建設ということではっきりいたしております。
  39. 横川正市

    横川正市君 これは私は、安全保障条約日本の安全のためにきわめてこれは不安全である、危険な条約だ、こういうことを国民は、あなたの答弁によって一そう確信を持つような結果になると思う。私の考え方、きのうも言いましたけれどもB52のような、そういう作戦行為を行なったものは、事前アメリカに対して、日本へはどういう理由があっても立ち寄ってもらいたくないということを意思表示すべきだ。こういう意思表示がなくて、私はこの不測の事態というものについて、日本の安全ははかれないじゃないか、こういうことを申し上げたわけですが、政府考え方としてはそれをとらない。これは重要な問題ですが、われわれはこの点については、憲法の前文上当然の義務責任を持っております政府が、これは怠慢だ、しかもその責任を負えないような状態になっている、こういうふうに考えざるを得ないわけです。  そこで、もう一度きのうの反復防衛庁長官にお聞きをいたしますが、攻撃機が、これはいま言ったように、反復日本へ立ち寄っても何らの違反行為ではないということになりますと、これは行なわれる可能性が出てきます。そうすると領海、これは何海里をとるかわかりませんから、そこまでは日本の自衛隊の出動ということにはならぬかもわかりませんが、それ以内になると、自衛隊法の八十四条により、あなたの指示に基づいてこれは処置をとらなければいかぬわけですね。しかし相手側は当然この日本の現状に対して、これは戦争行為についての協力関係にあるとみなされて、攻撃を受けるということも考えられるわけでありますけれども、その場合の戦争国民を巻き込ませない義務の問題、あるいはそういう凄惨な状態が起こらないための処置、これは当然の任務としてあるわけでありますけれども、どういう処置をとられるか、この際明らかにしておいていただきたい。
  40. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 横川さんの御質問は、なかなか仮定な問題が非常に多いと同時に、この国際情勢の中で、どこの飛行機がどうするかということは、これはなかなか議会でも言うべきではなかろうと私は思いますが、御質問ですから、まあかりにそうであったらということで、非常に緊急なものと、一つの想定なものと混合されると、聞くほうもまた混乱するかもしれません。それはお互い同じ立場だと思いますので……。私たちのほうは、先ほど言いましたように、事前協議の問題と現在の戦闘の問題と、この二つが問題の議論の中によく混合されると私は思います。先ほど条約課長は-安保条約解釈は、私も昨日同じ念頭でお答えいたしました。ただ、そこに二回、三回と言いましたのは、反復されるもの、それがどこから命令をされるか、どこから発進されるかによって、この条項の適用が私は違うと思います。その辺が昨日の議論では、やや私のほうも混乱しておった、また質疑の中に不明確なものがあったと私は思います。したがって、発進が日本基地から発進命令をされるのかどうかによってこの条約解釈がおのずから違う。もう一つは、その条約解釈がいろいろ混合をされやすい状態、そのときにおのずからまた次の方向というものが出てくるのじゃなかろうか。そこで私は、昨日二回、三回ということばが出たのは、それが何回も何十回も繰り返されるならば、その状況の発進命令が混合される。その場合になお検討の余地があるという話を昨日申し上げました。先ほどの仮定の反復行為の場合は、発進地の命令がわからんじゃないか。そこは日本から発進したのか、どこから発進したのかわからんじゃないか。定期的な問題というのが、昨日の答えが実は多少混乱した状態で、御質疑の中でも不明確であったと思います。  第二番の、もしそういうことがあったら――私は万々あるとは思っておりません。また、あるような状況は今日想定できないと思います。私はないと思います。いまの状況ではないと思います。したがって、今日危険はないというのは、いまの状況ではないというから危険はないというわけで、もしそういう場合は自衛隊の職務はどうだ、これはおのずから別です。ただいま自衛隊の職務は、領空侵犯の場合には、規定によって、まず領空を侵さないようにこれに対する警告を発します。領空を侵した場合には直ちに着陸するように措置をいたします。なおかつ、向こうが攻撃をしてきた場合において、正当防衛の発動をしなければならない。この三つの段階が、実は領空侵犯には規定がございます。したがって、領空侵犯に対しては、第一には入らないように警告を発する。入った場合には、これに対して直ちに措置をとる。あるいは直ちに出て行けという場合もある。向こうがどうしても不能な場合には、直ちに着陸しろということもございます。第三は、わが国に対して危険を侵す、攻撃をしてきた場合には、これに対応する措置をとる。この三つの場合が領空侵犯の今日の規定であります。ただ、想定というのは、はたして答えが当てはまるかどうかわかりませんが、私のほうからあまり想定の話をいろいろいたしますと、かえって誤解を招きますから、自衛隊の領空侵犯に対する措置は、これを適用いたしますということをお答えいたしておきます。
  41. 横川正市

    横川正市君 まあ起こらないであろうということなら、これはわれわれの考え方のほうが正しいから、安保条約は要らぬということになる。あなたのほうは起こる起こるというから安保条約を結ぶ。しかも防衛計画を立てて着々と、あまり役に立たないけれども、当面はこれだけのものでとがまんをしながら防御の任務についているわけです。だから起こらないということならば、われわれと同じなんだが、まあ条約のあるほうが危険だという考え方を持っているから、その条約に基づく日本の当然の独立国家として、米軍に対するB52の日本不時着についても、条約があるからお断わりはできない。そのことによって起こる事態というのは、これはどういう事態が起こるかわからない。起こらない起こらないでは、これはあなたのほうの任務を全うするわけにいかん。起こるということを考えて、初めてあなたのほうの任務というものはあるわけなんです。そういうたてまえに立ってみて、いま課長が言うように、反復されても事前協議協定、ないしは国の安全を保障するための阻害行為としては思わないというのだから、当然私は米軍戦闘行為なり作戦行為について、きわめて協力的な態度をとっているということを相手国でも判断をされてもやむを得ない次第である。こういうことをもう容認して、いま起こるような事態に対してどうするか、こういうお尋ねをしたのであります。ところが仮定だ、仮定だ、起こらない、起こらないと言うから、論議というのは実際にはかみ合わないわけです。  ただ、私ども考える点では、たとえばB52等の不時着が行なわれた場合には、たとえば赤十字精神が発揮されるならば、三日とか四日の間にすみやかに退去してもらうとか、あるいはそういうことが起こらないために、事前アメリカに対して強い意思表示をするとか、何らかの形というものがあってしかるべきじゃないかと私ども考えるけれども政府にそれがないということになれば、われわれは一そうこれは現状における平和維持のために非常な危険を感ずるわけです。その点について何ら防御当局あるいは外務省として、注釈を加えておくことはないのですか。なければ、私はこれできょうの質問はやめます。
  42. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 安保条約は御承知のように、日本憲法のもとにおいで、やはり安保条約日本の平和を守るための条約の精神、これは憲法と安保条約というものは矛盾したものではないと私は思います。同時に、直ちにその状況によって安保条約の規定というものをまず守ること、これも国際的に必要なことだと私は思います。したがって、戦闘状況というものは、一番危険なことは、日本基地から発進されるということが戦闘状況の一番大きな問題であります。まあ世界のどこの戦史を見ましても、主として発進地域が攻撃の第一目標であります。したがって、第一目標の発進地あるいはその補給地、あるいはそれの準備する地域、これが一番の私は戦闘における危険な状態、第一の私はホット・ポイントだと思います。それを私は第一に押えたのが、安保条約において発進ということをまず第一に日本においての事前協議対象にしたわけであります。その他の一般施設の使用ということについては、安保条約、総体的なものであります。一般基地の使用、米軍基地を使用することは、安保条約によって日本は提供し、またアメリカはそれを使う、これは一般の安保条約の規定であります。  それから戦闘の一番の問題は、発進をどうするか、日本が知らない間はほんとうの発進基地になるようでは、これは困る。その際において事前協議によって両国の意見を一致しろ、ここで押えたわけであります。  一般の休養とか、一般の入港とか、補給とかというものは、これは安保条約によって全般的に日米間の、日本及び極東地域の平和を守るための両国間の相互協定だと私は思います。だから、安保条約の基本的な精神から今日の状況というものを考えたときに、危険であるかないか、おのずから判断することによって、わかる。いまの状況では、私は日本が危険な状態だというような国際的な緊迫は感じておりません。また、日本も別にベトナム戦争に介入しておるわけでもございません。安保条約における日米間の約束を今日行なっておるのだと、戦闘状況、戦争状態だとは私は、考えておりません。
  43. 横川正市

    横川正市君 これはいまのような解釈が、これが世界共通で、きわめて哲学的で、だれもがそうだといわれるような論議ならば、私も納得しますけれども、それはい衣の論議は、言ってみると、安保条約締結下における日本の宿命的なその立場というものを弁護しただけにすぎないのですよ。だから、そういう弁護が国民の立場から、たとえば日本の安全保障に最大の効果を発揮しているかどうかの判断を当然しなければならぬ時期というものはきわめて近い時期にあるだろうと思う。そういうことで、今日はひとついま言われたことに対して私どもは全然納得しません。しかも、あなたたちは政府責任ある立場で、しかも国会という場所で言っていることなんですから、そういう立場というものを私どもはきわめて遺憾だと、そういう意思表示だけをして、きょうは私の質問を終わります。     ―――――――――――――
  44. 藤原道子

    委員長藤原道子君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、久保等君、武内五郎君が委員を辞任され、その補欠として木村美智男君、岡三郎君が選任されました。     ―――――――――――――
  45. 岩間正男

    ○岩間正男君 議事進行。いまの最後に意思表明をされたのに私も賛成なんです。しかも、時間が制約されておるので、十分討議できない。ことに、きょうは条約課長の説明が出てくると、そうして実にどうもあいまいですよ。あんな答弁をやっていたのじゃ、日本の安全を守るという立場に立っていないことは明確です。防衛庁長官の先ほどの、安保は平和のためになどという前提条件も、非常にこれはここから論議を始めなくちゃならない。そもそも交換公文そのものをきめたときに、大体米軍かおそらくアジアの侵略体制を強化するために安保条約を結ぶのでないかという議論が非常に盛んだった。これに対して、その安全を守るために交換公文というものがあるというので、盛んに当時の藤山外相は、いわば安保を成立させるためにあれを努力したはずですね。それでその中の事由協議の問題についてはずいぶん論議をされて、事前協議で最後に両国間が合意に達しない場合にどうするか、拘束力があるかどうか、そういう問題までやったのですからね。だから、これはいま先ほどから話があるように、非常に国民は不安に思っている。この不安に対して何ら答えていないですよ。ことに政府の態度は、全然これはアメリカの現在の態度を合理化する、そういう答弁に終わっているわけです。私はこんなことは了承することができませんから、あらためてやはり外務大臣、それから防衛庁長官関係の閣僚の出席を求めて、これは今度の四日間でできるかどうかわかりませんが、私は課題としてこの問題を残しておいていただくことが必要だと思う。当決算委員会で突破口をせっかくつくってもらって、非常に重大な関心を持っているときに、これをこのままぐらいの論議で終わらしてしまうべき問題じゃない。どうなんです。これは委員長に私は議事進行の形でお願いしたい。この点に関連して私もたくさんやりたいけれども、これはひとつ協定を守ってやりたいと思いますから、この点どうでしょうか。はっきり当委員会で確認をしておいていただきたい。
  46. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 理事会で十分御相談して態度をきめたいと思います。大臣が十二時ぎりぎりで退席される予定ですから、この問題については理事会におまかせ願いたいと思います。
  47. 相澤重明

    ○相澤重明君 松野長官に、さきに、きょうの新聞に出ておる、ちょうど本院できのう決算委員会でいろいろな飛行機の話をしておったが、米軍が福岡で誤って二十ミリ機関砲弾を落としたということはどういう状況なのか、どう政府はこれに対処したのか、報告をしてもらいたい。  それからきのうの私の質疑に対して、要望いたしておりました回答が来ておりますから、これを説明をしてもらいたい。
  48. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 福岡の問題は、施設長官がおりますので、施設長官から詳細な地形的な問題を説明させます。
  49. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 芦屋で昨日の午前、二十ミリの機関砲弾の薬莢が落ちたということを聞きまして、実は私もけさ新聞で拝見したところでございますので、現在地元に打電いたしまして、調査中でございますので、しばらく御猶予願います。  なお、こういった射爆場の誤投下事件は、まあ大小は別にしまして、最近若干各地にございますので、厳重に米軍側にはそのつど注意を申し入れている次第でございますが、ごく最近非常に減ってまいったというふうに考えておりますが、けさほどの事件は、やはり九州地区の人家の庭に落ちたということを聞いておりますので、非常に重大視しまして、さっそく調査をしておる次第でございます。
  50. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) もう一つの問題は、裁判訴訟の問題、イタリアとの。これは目下係属中でございますので、その詳細はお手元に配付いたしましたが、この関係は、調本部長から、イタリアの裁判問題について答弁させることにいたします。
  51. 山上信重

    説明員(山上信重君) ただいま防衛庁長官から御説明がありましたスタッキー二の問題につきましては、お手元に資料を配付いたしましたので、詳細についてはそれをごらんを願いたいと思いますが、昭和三十二年の三月に契約いたしましたスタッキー二株式会社と防衛庁との間に航空機搭載用八センチロケット弾及び発射装置一式、これにつきましての契約金額の約二分の一に当たります二千二百七十三万円の前金の支払いの点につきまして、契約いたしましたスタッキー二株式会社が破産いたしましたので、この契約が執行できなくなり、かつ、前金を領収できなくなりました事案につきまして、かねて三十三年以来訴訟が係属いたしてきたのでありますが、一昨年第一審の判決がございまして、お配りしました資料にありますように、一昨年の五月に請求を棄却するということになっております。  前金として払いました金はスタッキー二株式会社に払いましたのでございますが、この会社が破産いたしました。これを保険をいたしておりました保険会社のオルトレポという会社にこの返還を求めた次第でございますが、オルトレポ保険会社は、期限がすでに過ぎ去ったことを理由として支払わなかったのでございます。これにつきましては、昨年の五月に種々検討の結果、控訴をいたすことになりまして、イタリアの控訴院におきまして、ただいま控訴中でございます。現在までのところ、予審が四回、合同審が一回行なわれまして、近く判決があるのではないかと思っております。ただいま判決を待っておるような実情でございます。簡単でございますが……。
  52. 島田豊

    説明員島田豊君) 昨日、首都の防災についての御質問がございましたが、資料は御提出してございますが、ごく概略申しますと、わが国における防災につきましては、防衛庁としては、災害対策基本法に基づきまして防災業務計画を作成し、それに基づいて防災業務を実施しております。  また、各都道府県における防災につきましては、自衛隊の部隊指揮官が、地域防災会議の委員といたしまして、地域防災計画の立案に参画し、それにより作成された計画に基づいて防災業務を行なっております。  お尋ねの首都の防災でございますけれども、これは東京都が中心になりまして防災に関する研究を行ない、計画を樹立いたしまして、それに基づいて訓練を実施しておりますが、自衛隊では、陸上自衛隊の第一師団、海上自衛隊の横須賀地方隊が首都防災の業務に任じまして、東京都をはじめ関係機関と協力して防災業務に当たっております。  なお、東京都地域の防災計画に掲げます自衛隊の業務は、資料にございますように、一つは災害派遣の準備、防災関係資料の基礎調査、災害派遣計画の作成。東京都地域防災計画に吻し合した防災に関する訓練の実施。災害派遣の実施といたしましては、人命、または財産の保護のために緊急に行なう必要のある応急救護または応急復旧。それから、災害救助のために防衛庁の管理に属する物品の無償貸し付け及び譲与に関すること。それから、防災に関する研究等を実施しております。  自衛隊は、御承知のとおりに、自衛隊法によりまして、天災地変その他の災害に際しましては、適切な救援活動を実施するよう任務を定められておりますので、この任務を遂行するために種々検討を行ない、研究を重ねております。  なお、しばしば自衛隊の部隊が、警察あるいは消防等の関係機関の行なう訓練に参加いたしまして、協同訓練を行なっておりまして、訓練に対する各種の支援を行なっておるという状況でございます。
  53. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 次に、横濱の三住宅の現況調査につきましてこのほど調査が終わりまして、お手元に配りました資料になっておりますが、概況を申し上げますと、土地は約四十三万四千坪でございます。うち国有地が二十万七千坪でございます。建物は約一千棟、建坪は約六万九千坪、住宅は約七百棟で、その建坪は約五万六千坪になっております。住宅戸数は全体で約一千五百七十戸でございます。  なお、このうちで問題になっております海浜地区の第一号の移転につきましては、先日長官からも申し上げましたとおり、この移転が米側との折衝等におきまして若干の問題は残しておりますが、横浜市の港湾計画等に基づきまして、やはりぜひともこれは実現したいという考えで、われわれとしましては今後努力したいという所存であります。
  54. 島田豊

    説明員島田豊君) 昨日、この領海の範囲について御質問ございましたが、領海のことにつきましては領海の幅に関する三海里規則は、伝統的な慣行により承認されてきたものであり、多くの国際条約に規定されたものであって、いかなる国もこの範囲まで領海を主張し得ることについては疑いはない。この意味で、三海里規則は、現行国際法上一般的に承認されている唯一の確立された規則である。わが国のこの三海里の領海は、国際慣行に従って解釈をいたしておるということでございます。
  55. 國井眞

    説明員國井眞君) 航空機の、飛び得る航空機と、それから整備を要する航空機との数がどういうふうになっておるかということでございましたが、これは本年の四月から六月までの状況、日々のものを平均した数字で資料をつくってございます。全体で千六百六十四機。そのうちで整備を要するものを申し上げますが、千六百六十四の中で、機体定期修理、これは大体三年に一回程度でございますが、四ヵ月ないし六ヵ月飛行機によって違うわけでございますが――定期修理として入るものが百八十四機、それから自隊で整備を要する機数が三百十八機、そのほかに教材等に使われておりますものが三十三機、破損機として八機ございます。合計でこういったものが五百四十三機、これを除きまして千百二十一機が飛び得る状況にある、こういうものでございます。
  56. 相澤重明

    ○相澤重明君 最初の福岡の誤投問題については、詳細はいま現地のいわゆる防衛局のほうに連絡をとっておるようでございますが、これは茨城の射爆場問題でもすでに誤投問題は大きな関心を持たれておることでありますから、したがって、そういう新聞報道をされておるような問題を本省が的確につかんでおらぬということはまことに私は遺憾だと思う。したがって、少なくとも当委員会で昨日これらの問題について質疑が行なわれておる最中に起こった事件でありますから、当然きょうは冒頭にそういうことは質問が出るぐらいのことは、報告する義務が私はある。これは各省に対しても、よく私は決算委員会で言うのでありますが、事故というものは、質問があったから報告をするとか、説明をするということじゃなくて、そういう問題については政府自身が先に早く調査をして、そうして報告をすべきものだ。まず、その姿勢から私はひとつこれは松野長官に苦言を呈しておきたい。一般のものは、まあ、新聞やテレビでわかっているんだけれども、国会議員だけ何もわからぬということは、これはやっぱり政府の姿勢がよくない。こういう点で、これはあとで詳細はやはり報告をしてもらいたい。こういうことをまず官房長あたりはよく連絡をとることだ。そういうふうにしてもらいたい。  それからいま一つは、この発進基地が岩国であるかどこであるかは新聞報道等ではそう出ておるが、これらについても先ほどからいろいろな議論のあった問題だと思う。そういう点で、やはり防衛庁施設庁は慎重に検討した後の対策というものをやはり講じておく必要があるだろう。  第三の問題は、被害者――とにかく農家にせよ、あるいは住家にせよ、いずれにしても被害者に対しては丁重なお見舞いをしなければならない。もちろん、政府がこの問題については手を打つと私も考えておりますけれども、従来、ともすると非常にそういう調査が長引いて国民感情というものは悪くなる。こういう点で私は直ちにこれは手を打ってほしい。  いま一つは、これに関連をして前回の国会にも私から政府に要望しておきましたが、被害者に対するところの補償等の問題については、たとえば人命等の問題についてはホフマン方式を採用した。それを具体的に政府として予算に一体計上してあるのかどうか。予算というものを執行する場合にどうするのか。この点について、以上私から質問をしておきますから、ひとつお答えを願っておきたい。
  57. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 報告がおくれましたことはまことに申しわけないと思っております。この点若干弁解になりますが、飛行機の事故と違いまして庭先に落ちて、本人が届け出ではじめてわかるわけでありますから、地方紙に光に出まして、この点迅速につかみ得なかったことをおわびします。ただいま先生のおっしゃいましたように、直ちに施設局から現場に行っておると思いますが、これは見舞は十分丁重にしたいと思っております。  なれ、人身の被害等につきまして今度は幸いございませんでしたが、将来そういうことがあります際にホフマン方式をとるべき予算を組んでいるかという御質問に対しましては、来年度予算には組んで出したいと思っておりますので、御了承願います。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、文書による回答をもらったことを先に説明を願ったわけですが、第一は、イタリアのスタッキー二会社のいわゆる契約違反に対する処理の問題でありますが、先ほどの説明を聞くと、あれですか、これはイタリアの裁判ですでに時効になったような印象を受けたのですが、そういうことですか。その後、日本の依頼による弁護士を通じて最終的な、つまり、いま手続をとっている、こういうように控訴裁判をやりたいということを言われているように思うのだけれども、最初のローマ裁判所は三十八年五月二十八日に原告の請求を棄却する旨の判決を言い渡した。どういうことなんですか。いま一度説明をしてもらいたい。
  59. 山上信重

    説明員(山上信重君) ただいまの説明、ちょっとあるいははっきりいたさなかったかと思いますが、第一審におきましては、当方の主張に対しまして、イタリアの裁判所は、当方の請求を棄却する――書いたとおりでございまして、したがいまして、当方といたしましては、当方の主張としては、当然前金を保証するというこの保険契約の趣旨に基づきまして、保険会社に対して、オルトレポ保険会社に対して返還を請求する訴訟を控訴いたしたわけでございます。第一審では私どものほうが敗訴いたしたわけでありますが、控訴いたした現状でございます。控訴の判決はまだ下っておりません。
  60. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、いま言った第一審で敗訴したという理由の中に、手続上の問題として時効になるような問題があったのかどうか、これを聞いているわけです。
  61. 山上信重

    説明員(山上信重君) 第一審の判決の主たる理由といたしましては、当方が保険に付しました保険の文言によれば、前金を渡した日から七カ月以内に引き渡しが開始されるというこの契約条項の期限と、保険に記載されておりまする保険の期限との間で、保険の期限のほうが短かった。保険は昭和三十三年三月三十一日限りである。前金を渡しましたのは昭和三十二年十月十八日である。それから七カ月というのは五月十八日である。したがって、保険期間のほうが短い。こういう論拠を第一審ではいたしたのでございます。当方といたしましては、スタッキー二と防衛庁との間の契約によりますれば、当方の考えられる納期は三月三十一日よりも短い三月十六日であるということを主張いたしております。したがいまして、裁判所の第一審の判決は、当方の主張を認めなかったのでございますので、第二審において、さらに当方の主張をいま申し述べている、こういう実情でございます。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 松野長官、これは私が当委員会で、すでに、政府が報告をしなかったときに、いち早く外電が伝えたので、これは私から申し上げたことがある。それでだいじょうぶか、こういう話を取り上げた。ところが、政府としては、顧問弁護士的なダンテ氏を依頼をしてやっているから、まず間違いはない。しかし、そのときにも私どもは心配をしたのは、第一回の契約をして、前渡金を渡したあと、品物が来ないのに、またさらに金を払っているわけです。ところが、今度は相手が、会社がストライキによってつぶれてしまった。こういう経緯のものなんです。ですから、国際裁判上の問題として、よほどこれは早く手を打たないというと問題があとに残るぞということを私は当時指摘しておった。当委員会の議事録をお読みいただけば何回もそういうことを言っているので、私はこまかくは申し上げませんけれども、少なくとも国損になることについては、これは私は責任をとってもらわなければならぬと思う。そこで、いまの話を聞いているというと、結局は私ども決算委員会で心配しておったような方向に行くように考えられる。これは控訴審ではたしてわがほうの主張がいれられて、全額請求が取れるかどうか。これは私も非常に心配するわけです。防衛庁が契約をする場合に、それが相手が会社であろうと、あるいは国であろうと、とにかく国際的な問題なんですから、こういうところを私は防衛庁が契約する場合にははっきりしなければいかぬということで、当委員会で取り上げたのでありますが、今回もこれについてのその後の報告が防衛庁として記載されていない。今度の問題についてどういう結果になっているかということは、実は報告をされていない。そこで私からまた引っぱり出したわけです。非常に古い問題なんですけれども、聞けばいまだにそういう話である。こういう点について、私はもっと慎重に、しかも的確な資料を添えて迅速にしないというと、国際裁判上の問題としては、わがほうが非常に不利になる。こういうことはこの一つ事態を見ても明らかだと思うわけです。そういう点で、なお控訴審を起こすようでありますから、ひとつ国損ができるだけないように、防衛庁政府としてはあらゆる手段を講じてもらいたい、こう思うんです。この点については、なお当時から私が再三申し上げたにかかわらず、こういうふうな事態になったということは、まことに遺憾であります。ひとつ、長官のこれに対するところの態度はどうなのかということを、明らかにこの委員会で私は態度を表明してもらいたい。
  63. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 相澤さんの御指摘のことは、実は私も御指摘を受けてよく昨日来調査をいたしました。まことに考えてみると手おくれのような感じもいたします。しかし、まだ論争の余地は十分残っているわけでありますから、第二審で勝つように、要するに、契約期間と保険期間の問題が焦点のようです。昨日も督励いたしまして、この問題は最後まで十分な資料を整えて第二審では負けないように督励をしております。なお、相当国際的な問題です。ことに防衛庁が発注した品物は非常に特殊なものですから、なお今後もこういうことについてはもう少し慎重にやるべきだと、私もつくづくこの問題については、今後考えるべきところが多々ある。この問題についてはなお督促して、相澤さんの御指摘のような御心配のないように、私のほうは全力を注ぐつもりでございます。
  64. 相澤重明

    ○相澤重明君 長官の誠意ある答弁で、私も今後の政府のあり方を見守っていきたいと思います。要は、昨日も申し上げたように、決算委員会というのは予算委員会と違いまして、予算委員会ではいろいろな予算をつけるのにはなばなしい議論も行なわれる。しかし、決算は待ったなしですね。決算政府が使ったあとのことが白日のもとにさらされるのでありますから、そういう中で、やはり予算の効率運用という問題も含んで実際に国民の税金というものが正しく使われていかなければならぬ、不正不当があってはいかぬ、こういうことからいっても、私はこの問題をいま長官の御答弁されたように処理されることを望みます。  それから第二の首都防衛の問題を含みまして、これは昨日も申し上げましたように、一応の防災計画はあるわけですね。この場合に――ちょっと条約課長、残っておれ、黙って出ていってはいかぬよ――一つは、これは特に防災計画の問題を私が取り上げたというのは、実はこれは外務省にも関係がある。なぜかといえば、日本基地をたくさん提供している。単に日本の首都が地震で被害が出たとか出ないとかということではないんですね。避難計画をどうするのか、あるいは首都防衛をどうするのか。そのときに、いまの自衛隊と今度は米軍に提供している基地関係とはどうなるのか、こういうような問題は、これは首都圏の問題としては非常に大事なことなんです。先ほど領海の問題も質問をしておいたが、三海里という、これは国際的にもそうだという答弁があった。これもやはり首都防衛の問題を含み国土保全を含んで私はやはり問題点があると思うんです。そういう点で、一体最初に説明を受けました、災害対策基本法によって、関係者とこういうふうなことをやっておりますと言っておるのだが、一体それじゃそういう災害時に対するところの訓練等を実際いつやっているのか、どういう形でやったのか、これをひとつ御説明をいただきたいと思う。
  65. 島田豊

    説明員島田豊君) 防災に関する自衛隊の訓練は、実はしばしばやっておるわけでございまして、三十九年におきまして六回、四十年に入りまして二回実施しております。四十年の分につきましては、都、区の主催の現地訓練、これは戸田橋付近でやっております。それから都災害対策本部と協力いたしまして通信訓練をやっております。第一師団の通信隊が一部参加しましてやっております。昨年の分はやはりそういう災害無線関係の訓練あるいは総合防災訓練、水防訓練、こういうものを実施しております。
  66. 相澤重明

    ○相澤重明君 そこで、いま防衛庁長官の時間やまた外務省の時間の関係もあるから、そこで立つ前に一つだけ聞いておきたいのだが、総合訓練、これには俗にいう陸海空の訓練があると思う。その場合に、日本のそういう大災害が起きたような国家非常時の場合、これが米軍基地を提供しておるところを含んだ場合にはどうするのか。外務省としては、政府はどういうように米軍側との総合訓練の場合に行なわれるのか。これは全然国内だけの問題で、いや、米軍基地は提供しておっても米軍のことは一切かまわない、こういうことになるのか。あるいは米軍側とはそういう点は緊密な連絡をとって総合訓練が行なわれるものなのか。あるいはこれが首都ばかりでなくて、たとえば先日決算委員会が現地を調査してまいりました、最も朝鮮に近い山口県であるとか福岡県であるとか、こういうところに大きな災実が起きた――これは国家的な非常時というようなこともある。こういう場合に、一体板付の飛行場を持っている関係もあって、じゃ、どうなのかという点を、私は首都防災についてという問題をきのうは御要望申し上げておいたのでありますが、防災計画というものは、全体から見れば、国土保全という立場にある。あるいはいまひとつ人身の問題を考えてくれば、これはやはり国土防衛ということにもなってくる。そういう場合に国内関係者のいわゆる総合訓練というものと、そうして外国に基地を提供しているような場合、そこに軍隊かいるような場合そういうものとの総合訓練は一体どうなのか。これは大事なことだと思うので、特に明日が関東大震災の記念日になるので、そういう意味できょう御質問して、また政府の所信をこの際承っておきたいと思うのです。
  67. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 原則的には、基地内には基地内における米軍の防災訓練というものが実施されております。ただ、総合的に日本の一般の都市と基地との関連においては、当然主管の、東京都の場合は東京都知事の命令によって自衛隊も実は協力するわけで、主体はあくまでも自衛隊にあらずして主管庁、都道府県知事が基本的にやっております。基地があるなら、基地は管理権及び義務によって米軍において訓練をしておりますが、基地と都道府県の関連においては、おそらくやっていると思いますが、そこのところについては明確に私は調査をしておりませんので、おっしゃるように、やはり基地基地、国は国、都道府県は都道府県、ただし、そこに関連性がなければ防災の私は一体性はないと思いますので、その点はやっておると思いますが、やっておったと言う自信はございませんので、これは関係局長からお答えさせるようにいたしたいと思います。
  68. 松永信雄

    説明員松永信雄君) ただいまの御質問の点は、日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定、いわゆる地位協定によりまして、施設区域におきましては、合衆国がその運営、管理等のために必要なすべての措置をとることができると書いてございますので、その施設区域内におきます地区の防災関係の措置につきましては、合衆国がこれを専管的にとる権利が認められております。御指摘がありました日本側の当局との連絡、協力の問題につきましては、この協定上規定してはおりません。それはしかし、当然のこととして十分な連絡、協議がはかられるべきことであろう、事柄の性質上当然のことであろうというふうに考えております。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 よくわからなかったけれども、いま少しはっきり答弁してもらわぬと……。そこで、条約課長の言うのは、基地を提供しておるから、アメリカ合衆国がそこは専管としておるから、向こうにそういう権原は移っておると、だから、日本側から要請があった場合には、当然、地位協定との問題があるから、そこで話はできるだろうというような話だと私は思う。そこで、先ほど松野長官も御答弁されたのですが、実際の実施計画はあっても、総合的な訓練をやったことがあるのかないのか。それに対しては、先ほど二回とか、四回とかいう防災計画の中の一事項が訓練をされたと、つまり、先ほど私の申し上げた国家総動員的な、いわゆる非常事態的な場合になるというと、いま申し上げた米軍基地を提供しておる関係で、そういう地域を含んだときには、一体どうなのか。松野長官答弁されたのは、東京都の場合は東京都知事がいわゆる皆さんに要請をするという形になるだろう。つまり、自衛隊にも要請されるだろうし、あるいは警察庁にも要請されるだろう、消防庁にも要請されるだろう、こういう話だったのです。ところが、一東京都だけでない場合に、これが範囲が広くなった場合には、そういうわけには私はまいらぬと思う。その場合に、自衛隊というものは、一体、東京都知事から要請がなければ出動しないのだということでは私はないと思う。いわゆる政府自身として、これだけの大きな問題については、どうしなければいかぬという態度が当然出てきてしかるべきだと私は思うのです。そういう点については、一体、いままでそういう机上プランでやったことがあるのか、あるいは実際に実施をしてみたことがあるのか、そういう点を実はお尋ねをしておるわけです。この点については、先ほどの条約課長の話では、まあ、いままでどおりの答弁しか出ておらぬと私は思うのです。つまり、基地を提供しておる問題については、そういう範囲内で……。しかし私は、少なくとも国家非常時といわれるような、関東大震災のような数県にまたがる大きな事態を招来した場合には、そんなことじゃないだろうと思う。こういう点を政府はどうするのですか。それからまた、相手の国の大使館なり領事館があるわけですから、そういう場合にはどうするのですか。こういう点をお尋ねしておるわけです。いま一度ひとつお答えをいただきたいと思う。
  70. 島田豊

    説明員島田豊君) 計画につきましては、先ほど長官から申し上げましたように、都道府県単位あるいは市町村単位ということで計画を立てまして、関係機関が協力をして災害防止に当たるということでございまして、その都道府県が、さらに広域にわたって、いわば一地域につきまして防災計画を立て、それについての訓練等をやっておるかということにつきましては、実は地域につきましては、そういう計画は現在ないのではないかというふうに思われます。したがいまして、実施いたしますとすれば、都道府県知事間の相互の協力、連絡によりまして、たとえば二県下なら二県下にまたがる大規模な災害訓練をやるということは、これはあり得ると思いますけれども、東北地方なら東北地方、関東地方なら関東地方を一単位としたところの広域防災計画というものは、実は私あることを承知いたしておりません。やはり都道府県単位あるいは市町村単位で現在実施されておるというふうに思うわけでございまして、そういうふうな、たとえば関東大震災のように、東京都から神奈川県にまたがるような地震に対する訓練につきましては、当然両者の間で歩調を会わせまして、共同の研究なりあるいは計画というものが樹立されてしかるべきだというふうに考えるわけでございます。なお、米軍基地との関係につきましては、これも実は長官からお答えがありましたように、基地内はやはり基地におりますところの米軍自体がそういう災害訓練をやっておるわけでございまして、それと一体となりまして協力して、わがほうの自衛隊、消防あるいは警察というものが協同して訓練をするということについては、私は実はそういう事例を承知しておりません。おそらく現地では連絡をしながら、当然、お互い承知の上でそれぞれやっておると思いますけれども、両者が一体となって訓練をしておるということについて、そういう事実があるかどうか、実は現在承知をいたしておりません。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 外務省は何かそれに対してお考えないですか。条約課長
  72. 松永信雄

    説明員松永信雄君) それは、協定上の問題といたしましては、御承知のように必要に応じて連絡協議をするという規定はございます。ただ、現在、それがいわゆる防災活動についての協力態勢について、実際に合同委員会等において、日米間で協議され、協定されているという事実はないと思っております。
  73. 相澤重明

    ○相澤重明君 時間の関係で……、いまの問題については、これは少し焦点がぼけておるようであるし、質問も突っ込んだことができないので、答弁を得ることはむずかしいと思うのですが、私はそんなものじゃないだろうという気がするのです。また、たとえば東京都、いわゆる首都の防災計画につきましても、三十八年に要綱を作成をしたのも、そんな考えじゃないんですよ。国家非常時の場合は、もっと国全体の大きな問題として、政府が、実はこれにどう対処するかということをきめていくのであって、一地方長官、知事がお互いに連絡をして、そうして防災計画をやるんですなんというようなことでは私はないと思う。もっと根本的な問題があるはずだ。きょうは、そういう点についてまだ不十分のようでありますから、この次には、この前の要綱をつくった趣旨、それから、これをどうこれから発展をさしていくかということについて、いま少し突っ込んだ点を私は御説明をいただきたいと思うのです。きょうはこの点については、まことにどうも簡単に終わらなければならぬことを遺憾に思いますが、そういう点、ひとつ、いま少し御研究を願っておきたいと思うのです。  それから、横浜の住宅地区の現況確認調査の御報告をいただきましたが、率直に申し上げて、この地区別の中で海浜地区の一号は、これは今年度移転をするという考え政府は予算をつくっておるのかどうか。こういう点についていま一度御答弁いただきたい。
  74. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 海浜地区の一号につきましては、相澤先生も御承知のように、もう長い間の懸案でございまして、今年度の予算では調査費がついております。で、今年度調査いたしまして、われわれの心組みとしましては、来年度から移転の計画に着手したいという考えでございます。私はこの問題で横浜の市長とも二回会いまして、また、現地へも参りました。現地の状況を見ますと、やはり港湾計画か進んでまいっております現状では、何としましてもこれは相談をしてやってまいる必要があるということを決心して偏りまして、現在、きのうも大臣が申しましたように、対米関係にもまだ若干の問題がございますし、あるいは対大蔵関係でも利子の負担をしていただくかというような問題が残っておりますが、そういう問題は、ひとつ大臣のお力を拝借しまして、政治的に解決するものは政治的に解決して、何とかして妥結して、横浜の港湾計画にマッチして移転をはかりたいという決心でおります。
  75. 相澤重明

    ○相澤重明君 最後に、昨日もアメリカ軍に基地を提供しておる、いわゆる基地周辺民生安定の問題で、防音装置等の問題が出まして、予算の執行について不十分ではないか、こういう話がありましたが、そのうち厚木と横田基地の、このコース下におけるところの危険地域の民家の移転、こういう問題は、当委員会でも何回か私どもから指摘をしたことでありますが、政府も三カ年計画で一応厚木、横田基地間における、この住民の直接危険地域の移転はお考えになっておるようであります。そこで、それは今年度は一体初年度として何世帯ぐらい厚木、横田それぞれを移転をする考えなのか、三カ年計画を、ひとつ御説明をいただきたい。
  76. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 担当の施設部長から答弁いたします。
  77. 財満功

    説明員財満功君) お答えいたします。厚木につきましては、本年度六十戸、来年度七十戸、三年度におきまして四十戸をいたしたい。それから横田につきましては、大体七百戸余りございますが、われわれの計画といたしましては、いま申し上げたような、厚木で申し上げたような比率で、二年度に一番処理をする戸数をたくさん置きましてやってまいりたいというふうに考えております。また本年度に九億五千万円だけ予算がついておりますし、来年度以降の問題につきましては、予算要求をこれから出すところでございますので、そのとおりになるかどうかは別でございますが、計画の問題としてはそのようにやってまいりたいというふうに考えております。
  78. 相澤重明

    ○相澤重明君 小幡長官に、いま一点だけ確認をしておきたいのですが、政府がこの爆音下における民生安定の、まず第一着手として、危険地域の住宅の移転、こういうものを取り上げたと私は思う。しかし、この住宅移転というのは、同時にまた他に住宅がつくられなければ移転はできないわけです。この場合に、いまの計画が、初年度なり次年度なりにお考えになっておるようでありますが、作業の進め方として、予算が使用できない、こりいう場合もあり得ると思う。次年度に、初年度はあまり移転ができなくて、次年度ならばいまの計画を上回ることも、これは可能ではないか。三年度になればもっとそれが押し詰まったけれども全部できると、こういう場合も私はあり得ると思う。したがって、単年度のこの実施計画というものが、もしそういう、まあことしは初めてやりますから、もしこの三カ年計画の単年度が不十分であって、そして翌年度に予算を組んだ、その政府考え方よりさらに残ったものも含んで移転ができる、あるいはいま少し前に移転をしてもよろしい、三年度に計画をしておっても、せっかくのよいかえ地ができたり、あるいは住宅ができて移転が可能であるという場合に、予算の流用なり運用というものはどう考えるか、これは閣僚懇談会なり閣議決定の問題もあると思うのです。私はそういうものは、単に机上プランだけでは、私はなかなか問題が残る、だろうと、こう思う。そういう点をどういうふうにするのかというのが一つです。  いま一つの問題は、政府がコースを、進入面、転移面それぞれに一キロをとっておる場合ですね、この一キロが必ずしも私は安全性では危険度が多くて、一キロ二百が安全であるという保証は私はないと思う。したがって、地域住民の希望しているいわゆる直線コースにおいて、一キロ五百なり、二キロなりというようなコースをとってほしいという意見は私は当然だと思うのです。もし政府が、いやそれは一キロ以内ならば危険であって、一キロ以上になればこれは安全でございますと、こういう保証があるなら、その基準を私は示してもらいたいと思う。私は、おそらく地域住民の感情論からいっても、また、実質上の爆音下におけるところの危険状態からいっても、これは改定をしなければならぬ。したがって、政府はそれらについて、米軍側にも、日米合同委員会の中で、特に外務省条約課長に出ておってもらうのはそこです。合同委員会でそういう点を、日本国民の立場を私はもっと反映させるように、防衛庁と同時に外務省もこういう問題に力を入れなければならぬのです。そういう点でこれは両者からお答えをいただきたいと思う。できれば、いままで実験を、いろいろこの基地の爆音の調査をいたしておりましたけれども、これを恒久的に行なって、そういう地域住民に被害がないようにしていくというのが政府の立場であろう、また、日本側の主張でなければならぬ、こう考えるのです。この点についてひとつお答えをいただきたいのが二つ目であります。  三つ目は、住宅の移転と同時に、御承知のように、このコースの直下にある民有地、農民の買い上げてくれという強い要望があります。これについて前回も私、当委員会で申し上げましたが、政府が買い上げる価格は坪五千円とか六千円とかいうまことに安い値段です。しかし、その基地のそばを通っておる道路公団が買収するものは、二万五千円なり三万円ということになると、同じ土地を国の関係機関で買う場合、それだけの差があっていいのかどうか、これはわれわれ感情として許されないと思う。したがって、適正価格というものが私は政府間で守られなければならぬと思うのです。もしこれが、いわゆる政府が前向きの姿勢で解決する努力をしないと、たとえば、厚木で安全旗を立てて、そして米軍の飛行にもやはり重大な影響を与える、こういうことにも私はすぐなってくると思う。これは政府が、やはりアメリカ側との折衡のまずさなり、あるいは十分誠意がその住民に徹底しないところに問題が起きると思うのです。ですから、前回申し上げたように、衆議院の安藤覚さんなり、あるいは木村剛輔さんが、あなた方に強い要請をしたと思うのですが、そういう点については政府はやれるのですね。やる気がないから延び延びになっている。いつ厚木で安全旗が上がらぬとも限らぬです。そういう点で、農地の買い上げ等の問題についてどうするかということを三つ目にお答えを願って、私は本日の質問を終わりたいと思います。
  79. 小幡久男

    説明員(小幡久男君) 第一の御質問でございます家屋の移転等につきまして、なかなか計画どおりにいかぬ、計画が非常に順調にいかぬ場合に、フレキシブルに予算が流用できないという御質問に対しては、私もそのとおりに思っております。もちろん法的に強制はできませんので、勧奨あるいは希望できますので、行き先につきましていろいろ居住者の意見が出ます際、十分その点の折り合いがつくまで時間がかかると思っております。これにつきましては、たとえば公営住宅をあっせんするとか、政府としましても関係省にあっせんいたしまして、できるだけ促進いたしますが、もしも初年度順調にいかずに、次年度にいくということがありましたら、われわれとしては、それに応じた予算を実効的に運用できる範囲で努力したいと思っております。  第二点の、一キロというものがはたして確信のある線かどうかという問題でございます。これにつきましては、われわれのほうで従来の事故の総体を検討いたしましたところ、今度きめました一キロの範囲内において事故率が全体の八割を占めておる、したがいまして、相澤先生のおっしゃる絶無かといいますと、二割は外にあり得る可能性が今後もあるわけであります。この点につきましても、米側ともよく事故対策につきまして今後、従来以上に厳重に申し入れるとともに、両方で事故対策をいろいろ協議いたしたいと思っておりますが、なお、この線は運用上の線でございますので、一応最近決定いたしましたので、ひとまずこれでいきたいと思っておりますが、絶対、将来これではぐあいが悪いということになれば検討する余地はあろうかと思っております。  それから第三の、たとえば厚木の農地買収の例がございましたようですが、これにつきましては、私も農民諸君と二回ほど会いました。そのときもたとえば、厚木で、東名道路との関係の話が出ましたが、東名道路が通っている土地のようには私は必ずしも地代というものは上がらないと思いますけれども、なお、現状では非常に安いことは事実でありまして、これはひとつよく地元の了解を得るような線で適正な価格を出したいという努力をしております。何とかひとつ不十分と思いますけれども、われわれなりに努力いたしまして、少しでも前進したいと思いますので、御了承願いたいと思います。
  80. 浅尾新一郎

    説明員浅尾新一郎君) いまお尋ねになりました基地付近の安全、事故防止については従来とも合同委員会あるいはその下部機構の施設分科委員会等で努力しておりますが、アメリカ側と今後同様に協議していくつもりでございます。
  81. 藤原道子

    委員長藤原道子君) 他に御発言がなければ、本日の審査は、この程度にとどめておきまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会