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藤田(高)
委員 この点については、本日この程度の額を直ちにということも無理であろうかと思いますが、私は、先日の財政方針の中で新大臣が述べられた、冗費を節約し、限られた資金を最も効率的に運用していくんだ、こういうまじめなお考えに対しては非常に傾聴して方針を承ったわけなんですけれ
ども、そういうことは単に財政方針で言うだけではなくて、具体的に、やはり目に見えるように国民の前に明らかにしなければならない。また、特に先ほど指摘しましたような財政難におちいっておる
段階では、なおさら国民的な要望としてそういうことを強く
政府に対して求められると思うのです。そういう点で、これは具体的な数字をきょうどの程度ということまでは申し上げませんけれ
ども、百五十億なんという、私
どもの感覚からいえばみみっちいワクにこだわらないで、積極的な合理化方策をとられることを要望しておきたいと思います。
次に、公債発行の是非については、これは借り入れ金でいくか、公債発行でいくかということは、最終的にまだ決定をしていないんだ、こうおっしゃっておりますし、私
どもは
基本的に反対の
立場にあるわけでありますが、私
一つ昨日の予算
委員会あるいはきょうの先ほどの質疑応答を通して感じておることなんですが、
政府は今日
段階で、すでに公債発行でいくか、それとも借り入れ金でいくかという態度決定、これはもうやっておるような気がするわけです。それはなぜかといいますと、少なくとも今日
段階で、この臨時国会を迎えた
段階でそういう方針がきまっておらないということ自体が私はおかしいと思うのです。これは
一つの私なりの判断でありますが、内閣総理大臣の施政方針においても、あるいは福田大蔵大臣の財政方針においても、やはり公債発行の問題は具体的に触れられておるわけなんですね。総理の施政方針では「公債の発行を準備する等、長期的な財政経済政策を推進する」ということで、具体的な公債発行の問題にも触れられておる。したがって、私がここで感じますことは、これまたたいへん皮肉な言い方かもわかりませんけれ
ども、日韓会談の調印は、ああいう閉会中に、こそどろ的な、政治的にはあまり正攻法でない時期をねらって
政府はおやりになる。あるいは国税収納金整理資金法の政令の改正についても、一昨日私は指摘をしたのですが、われわれは四十年度の予算審議にあたってすでにその
段階でことしの予算というものは歳入欠陥が生まれてくるのじゃなかろうかというようなことを指摘をしたときに、田中大蔵大臣を
中心にしてここに並ばれておる人たちは、そういうことはないんだ、いわゆる均衡健全財政でいくんだ、いけるんだ、こういうことをおっしゃっておりながら、その年度末の三月三十一日に、これまた何かいままでそういう歳入欠陥が出ることは十分わかっておりながら、三月三十一日ぽっと予算が国会を通過する
段階になって国税収納金整理資金法の政令の改正をおやりになる、こういう一連の
政府のやり口、やり方というものを見ますると、たいへん悪意に満ちたような言い方でありますけれ
ども、私はいま大蔵大臣が、公債を発行するか、借り入れ金でいくかというのは方針がきまっておらない。こうおっしゃるのだけれ
ども、実際腹の中はもうきまっておるんだ、そして臨時国会が終わったとたんに公債発行をやるんだ。こう出られるような気がするわけです。これは福田大蔵大臣個人に対する人間のいい悪いとか、そういうものでなしに、
政府のやり方として私はそういう危惧を抱くわけです。したがって、先ほどの平林
委員の
質問にもありましたように、やはり今日
段階で公債発行をやるのであればやる、こういう
一つの条件と
性格のもとに、いつ公債発行の時期を設定をしてやるんだ、こういう
政府の方針というものを率直にお話しになられて、そうしてその是非をこういった議会を通して論議することが一番私はいいんじゃないかと思うのですが、くどいようでありますけれ
ども、公債発行の問題についてのほんとうの真意というものをひとつ聞かしてもらいたいと思います。