○
角屋委員 事務
当局の
説明がそういう抽象的なものでは実は非常に困るのです。たとえば、
ばい煙規制法についてはすでに
指定をしたところ、あるいはこれから
指定をしようとするところ、こういう
実施過程においていろいろな問題が提起をされておる、現実にそれらの問題も
要請に即応してこういう点は特に是正をしていきたいというふうなことでいま鋭意
検討中である、あるいは
水質二法の問題につきましても、現実に
現地の視察を通じていろいろ問題が提起をされてきておるわけでありますが、それらの問題についても、やはり実際の
実施過程に生じてきておる問題、それをすなおに受けとめなければならぬ問題については、やはり法改正を通じてさらに前進させるということをやらなければならぬのであって、これは大臣、政務次官であれば、そういう抽象的、一般的なことでもこちらは了承するのですけれ
ども、しかし、事務
当局としては、それらの問題について、もっと具体的な問題として真剣に取っ組んでいくという姿勢が必要だろうと思う。先ほどの
公害に
関係する地方自治体とか担当の責任者等の会合を通じてという気持を私が持ちましたのも、そういうことを通じて、
公害問題は、いわゆる
政府あるいは地方自治体あるいは
地域、こういうものが一体になってこの打開をやるのだという姿勢が必要だ。その場合に、所要の改正を要するものについては的確にそれらのものを拒否せずにやっていく、こういう心がまえが必要だと思うのです。こまかい問題についてさらに触れようとは思いませんけれ
ども、そういうことでさらに前進をさしてもらわなければならぬ。具体的に三県をずっと視察しても、提起される問題がいろいろございます。
水質二法の問題でも、
ばい煙規制法の問題でもございますし、さらにまた、地方自治体の県あるいは
関係市町村ということになりますと、地方自治体ですでに
制定をしておる
公害防止条例というものが、県と
関係省との間でいろいろ
意見の相違があったり、あるいは国が政令その他で規定をしておる問題と
関連があったりというふうなことで、具体的には
地域でいろいろ問題が出ておるわけであります。それらの問題については、第一線の諸君が困った、困ったという状態で放置しておくことはできないのであって、しかもそれは、国できめておるところのものと、これは過般の
公害防止事業国法案の
審議の過程で、わが党の細谷君が
公害防止条例等の問題については相当きめこまかく議論したことは御承知のとおりであります。これは一例でありますが、そういう問題等を通じて、
公害の問題については、もっとやはり具体的にきめこまかい前進をさしていくということでなければならぬと思います。私の出身の
三重県の
四日市等の
公害の問題を
考えても、
公害の問題は非常に深刻であると同時に、何回か視察に来るけれ
ども、結局視察だけに終わって、具体的な一歩前進の姿というものはなかなか出てこないじゃないかというのが第一線の気持ちであって、すぐ目のさめるようにすべてのものが前進をしていけば一番けっこうでありますけれ
ども、そういうことがなかなか至難の場合でも、
一つ一つ問題を前進さしていくという心がまえがやはり責任者として必要ではないかと思うのです。時間の
関係もありますし、後ほど堀
委員のほうから具体的な問題を含めて御質問がございますので、私は、以下数点についてお伺いして質問を終わりたいと思います。
過般
三重、
大阪、
兵庫を視察した中で、いろいろ具体的にも問題が出てきている。たとえば
大阪に参りまして、堺の例の大規模な埋立地における
工場の新設というようなところを見てみるというと、
産業立地
計画として、あの埋立地をほとんどフルに
工場に使うということがはたして今後の
公害対策として妥当であるのかどうか。相当な緑地帯の
設定であるとか、いろいろなことも配慮しながら、背後に控えておる
住宅地、一般の市民の生活している
地域との
関連において、やはり生産第一主義の立場でなくて、非常に大きな比重をもって
公害対策を配慮した
産業立地のプランというものがなければならぬじゃないか。もちろん、国土
計画その他を通じて
検討しているということを言うけれ
ども、
現地に行ってみると、生産第一主義の弊害というものが今後はたして
公害問題として出ないのだろうかという不安を払拭することはできない。それらの問題。あるいは後ほど堀
委員からも出ると思いますけれ
ども、非常に真剣な議論の問題として
淀川の汚水の問題。結局下流で取る飲料水が年々
汚濁の度を深め、今後このような状態で推移するならば、
大阪や
兵庫の人たちの飲む水は一体どうなるか。場合によっては琵琶湖から直結で水を取らなければとても飲料水を確保できないではないかというような事態に追い込まれているような感がいたします。また、
四日市の場合でいえば、もういまの既設
工業地帯だけで
工場地域と
住宅地との混在、あるいは
住宅地がその中にはさまるという状態の中で、なおかつ山の手のほうにはさらにコンビナートの
工場の
要請というものが強く経営のほうから出てくる。そういう問題を一体野放しにしていっていいのか、あるいはもっと
公害を重要な比重において配慮しながら、それらの問題についてこれ以上はもう認めないというところまでの
規制が具体的にできるのかどうかというようなことが提示されているわけです。そういうふうになってくると、法の問題その他具体的な
現地に対するいろいろ適切な指導の問題についても、何となくまだそこにギャップが存在するのではないか。内閣全体としても、あるいは
関係省全体としても、
公害というものは新たな社会的
課題として大きくクローズアップし、これを
中心にこれからの問題を
考えなければならぬという熱意の点についても、まだまだ不十分なのではないかという感じが率直に言ってするわけです。これらの問題についての今後の
考え方についても、この機会にお伺いをしておきたいと思います。