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1965-08-02 第49回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年八月二日(月曜日)     午前十時二十五分開議  出席委員    委員長 楯兼次郎君    理事 池田 清志君 理事 小沢 辰男君    理事 砂原  格君 理事 田中 正巳君    理事 大村 邦夫君 理事 山口丈太郎君       逢澤  寛君    大久保武雄君       大竹 太郎君    櫻内 義雄君       白浜 仁吉君    田澤 吉郎君       田村 良平君    高橋 禎一君       武市 恭信君    舘林三喜男君       西岡 武夫君    橋本龍太郎君       福永 一臣君    井谷 正吉君       卜部 政巳君    大原  亨君       川俣 清音君    川村 継義君       坂本 泰良君    華山 親義君       武藤 山治君    稲富 稜人君       山田 長司君  出席国務大臣         農 林 大 臣 坂田 英一君         建 設 大 臣 瀬戸山三男君  出席政府委員         内閣審議官         (内閣官房内閣         審議室長)   高柳 忠夫君         総理府総務副長         官       細田 吉藏君         農林事務官         (農林経済局         長)      森本  修君         農林事務官         (農政局長)  和田 正明君         農林事務官         (農地局長)  大和田啓気君         林野庁長官   田中 重五君         建 設 技 官         (河川局長)  古賀雷四郎君  委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  金子 任利君         大蔵事務官         (主計官)   嶋崎  均君         大蔵事務官         (主計官)   長岡  実君         文部技官         (管理局教育施         設部指導課長) 大串不二雄君         農林事務官         (大臣官房参事         官)      尾中  悟君         農 林 技 官         (農政局農産課         長)      加賀山国雄君         通商産業事務官         (中小企業庁計         画部長)    荒玉 義人君         運輸技官         (鉄道監督局国         有鉄道部保安課         長)      筒井 謙二君         運 輸 技 官         (気象庁予報部         予報課長)   斎藤 錬一君         建設技官         (河川局治水課         長)      渡辺 隆二君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      重兼 暢夫君         日本国有鉄道参         事         (施設局土木課         長)      尾崎  寿君     ————————————— 八月二日  委員岡本隆一君、落合寛茂君、泊谷裕夫君、中  村重光君、西宮弘君及び吉村吉雄君辞任につ  き、その補欠として卜部政巳君、山田長司君、  川俣清音君、川村継義君、大原亨君及び華山親  義君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十年六月及び七月の豪雨等による災害対策      ————◇—————
  2. 楯兼次郎

    楯委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十年六月及び七月の豪雨等による災害対策に関する件につきまして調査を進めてまいりたいと存じます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂原格君。
  3. 砂原格

    砂原委員 今回の災害について、六月の十九日、二十日以降七月の二十四日までの間の梅雨前線状況から考えますと、今度の気象状況一連気象前線が起こした災害と見なして、この災害は当然一連のものとしての処理をせられるお考え政府にあるかどうかをお尋ねしておきたい。
  4. 細田吉藏

    細田政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお話がございました今回の豪雨災害でございますが、六月十九日から二十一日までの豪雨、それから一週間ばかり飛びまして六月二十八日から七月二十三日まで連続してほとんど全国にわたって豪雨災害がございました。七都県以外は全部被害をこうむっておるというような報告になっておるわけでございます。この災害を一本のものとして扱うかどうかという点につきましては、政府部内としていろいろ検討いたしましたが、これを一本に扱う、こういう方針で目下進めておる次第でございます。
  5. 砂原格

    砂原委員 それでは単刀直入に、くだらぬ質問を省いて申し上げるのでありますが、今回の気象状況から判断をいたしまして、政府も六月十九日以降七月二十四日までの集中豪雨に対しては一連気象状況としてこれをお取り扱いになるということであれば、当然よってくるものは激甚災としてお扱いをいただけるお考えであろうと思うのでありますが、公共土木事業並びに町村事業等災害についても、これを激甚災としてお扱いになる用意があるかどうか、この点を重ねてお尋ねいたします。
  6. 細田吉藏

    細田政府委員 御承知のように、災害が起こりましてから、政府といたしましては直ちに熊本県及び広島、鳥取、島根に調査団を派遣いたしました。また、中央防災会議を構成しております各省におきまして、被害調査を逐次進めてまいっておるわけでございます。たとえば農作物被害といったものにつきましては、まだはっきりした調査報告が出てまいっておらないわけでございますが、私どもといたしましてはこれの取りまとめを急いでおりまして、大体の見通しは現在ついたと承知いたしております。御承知のように、激甚法適用は、各般の項目が条文によってそれぞれあるわけでございますが、そのおもなものにつきましては、一番大きいのは公共土木でございますが、公共土木につきましては激甚法適用ができるというような基準以上に達しておるものと考えますので、激甚法取り扱いをするように目下準備をいたしておる次第でございます。さらに農地農作物——おもなものだけを申し上げますと、農地農業用施設につきましても基準以上の災害でございまして、防災会議会長専決激甚法適用ができる程度の大きな被害でございますので、激甚法適用をすべくこれも作業を進めております。農作物につきましては天災融資法関係がございますが、これにつきましてはただいま農林省のほうで最終的な調査をいろいろお願いいたしておりますが、大体の見通しとしては、天災融資法激甚適用をしなければならぬというような程度被害であろうと考えておるわけでございます。  その他の項目もいろいろございますけれども、全般としまして、主要なる事項については激甚法適用をいたす考え政府でせっかく作業を進めておるような状況でございます。
  7. 砂原格

    砂原委員 災害地の各住民は、細田長官の御答弁に対してはまことに満足をし、大きな期待をかけるものと思います。どうか政府におかれては罹災地域住民の苦痛の点を御賢察になりまして、すみやかにこれが処置をとっていただきたいと思います。  建設大臣にちょっと伺いますが、私のところの災害地は、実は太田川の上流のそのまた支流上流が今度災害を起こした地域でございますけれども三篠川でございます。この三篠川は原始的な河川でございまして、これまで政府河川改修などというものをやられた前例はかつてないのであります。その河川が今度はんらんをいたしまして、ほとんど無堤防状況地域が、農民の一番大切にしております田畑を全部川原と化してしまったという、まことに見るも哀れな惨状を来たしておるのであります。これが六月の十九日、二十日の分でやられた上に、さらに今度七月の二十三日の分の雨で、応急処置をして土のう等を積んでその切れ口をふさいでおりました個所がまたはんらんによってきれいにさらわれていった、そうして農民復興意欲をもってわずかな土地にでも一株の苗でも植えつけようとして最善の努力を尽くしたものが再び川原と化してしまったという、まことに見るも哀れな状況であります。これが、国の復興計画がただ徐々に復興をしてやるのだというようなお考えであったのでは、とうてい農民また地域住民たちほんとうに安心して自分の農業に専念することすらでき得ないという状況であります。特に私たちのこの三篠川に沿います住民たちは、まことに生活に困窮する貧乏な生活者ばかりでございます。しかもそれたちは一部落をあげてほとんど壊滅の状態になっておるというむざんな状況もあるのであります。こういう河川護岸堤防等について、一体建設省のほうではどういう方向でこの河川堤防を御計画になり、これを強化でき、安心できるような施行をしていただく方針であるか、この点をひとつお示しいただきたいと思います。
  8. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 太田川の改修につきましては、御承知のとおり、太田川は直轄河川指定するのがだいぶおくれまして、もう十年ぐらいになるかもしれませんが、太田川の本流と申しますか、広島地内を数本の川に分かれて流れておりますが、これに重点を置いて今日までやっておるわけであります。ところが、上流左岸地帯のいわゆる三篠川、これはその本流河川改修計画の場合に三篠川については計画がなされておらなかった、こういう事情がありましたが、いわゆる一級河川指定等関係三篠川改修計画を追加計画いたしております。ところが、いまお話しのように、本年再度の災害で、最初の災害のあとに緊急に防除をいたしておるさ中にまた再度の災害があり、地元の皆さんに対してはいわゆる甚大な被害を受けて、たいへん申しわけないと思っております。  そこで、現在やっておりますのは、十数億の金を今年度つぎ込んで太田川の改修を始めておりますが、三篠川災害状況に応じまして、今年度約三億の金を投じて、緊急と同時に本格的な改修計画に着手したい。それに三篠川自体高陽町の大部分計画になっておりますが、十二、三億かかると思いますが、現在計画いたしております。これは今後本年度を加えて三年間ぐらいで計画に従った工事を完了したい、そうして少なくとも高陽町地内の重要な地帯改修工事はそのくらいのスピードで終わりたい。もっと上流まで改修計画の中に入れてくれという御要望がありますが、まず現在計画しておりますところは、水害対策上きわめて重要な地点でありますから、それをすみやかに完了してさらに上流に延ばしたい、こういう考え方であります。
  9. 砂原格

    砂原委員 建設大臣の御答弁で、高陽町地内に対しては今年度からすでに着工をしていただいておる、なお十二、三億の金をかけて三カ年以内にはこれが完成を見るよう努力をしたい、こういうお示しでありまして、たいへんありがたく感ずるのでありますが、高陽町の地形から申しまして、現在建設省がお考えになっております高陽町の直轄河川としての改修計画は、高陽町と白木町の町境まではぜひ直轄河川としてこれが実施のできるような処置をとっていただきたい、かように考えるわけであります。それと同時に、高陽町の地域はまずその三カ年計画で大体水魔からのがれることができるでありましょうが、そうなってまいりますと、その高陽町の町境から白木町に至りますと、現在の災害復旧進行過程が、県のほうの所管になってこれが復興に着手されるわけでありますが、国のほうは十数億という金を三カ年で計画をして実施ができるといたしましても、県のほうの補助対象としてこれが復旧作業にかかりますものが、わずか年間一億や一億五千万程度のワクでこれを県の責任において改修するというような程度では、とうてい水魔からのがれることはできず、危険度はますます大きくなってくる。上流は現在よりももっと大きい災害を受けるであろうということを予想しなければならぬのでありますが、県の管轄事業としてやりますものに対する国のほうの助成としてはどの程度までお考えをいただいておるか、お示しいただきたいと思います。
  10. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 ただいまも申し上げましたように、高陽町地内のきわめて重要な部分については直轄河川としての計画をいたしておるわけであります。それは十数億かかりますので、いま申し上げましたように少なくとも今年度を加えて三カ年間くらいで完了したい、こういう考え方でおるわけでありますが、高陽町地内でも、少なくとも高陽全域にわたっての直轄施行希望されております。またその上流もあるわけでありますが、いま申し上げましたように、少なくとも三カ年で重要な地点改修することは、私どもの見方では、非常に緊急である。上流についてはいま県工事等やっておりますが、あるいは中小河川、必要があればもう少し、現在計画いたしておりますところをやりまして、あるいは直轄区域を延長する、あるいは中小河川で推進するということを検討しなければなりませんので、今後の検討にゆだねていただきたい、こういうふうに思っております。
  11. 砂原格

    砂原委員 御趣旨はよくわかる。国の直轄河川は十数億をかけて高陽町地内はまず安定したものにしてくださるというお気持ちはたいへんありがたいと思う。ところが問題は、その上流白木町という一つの町の境になっておる個所から災害が起こっておる。その災害復旧をしてやらなければ、その上流の者は不安にかられておるわけであります。また農地復旧も可能でないということであります。農地復旧をしても、いまのように、仮堤防を築きまして、仮堤防の裏には何もない。土のうを積んであるだけだから、ちょっとの水が出てもすぐそれは決壊してしまう。決壊すれば、せっかく農民ほんとうに汗とあぶらで築き上げた復興も、たちまちにしてまた水魔に荒らされてしまって、もとの川原と化してしまうという現状であります。いわゆる子供歌に歌われたさいの川原の姿になるわけでありますが、積んでは流し積んでは流すという状況が繰り返される状態であります。この状態をどうして防ぐのか。これが県の所管に移された場合は国は一体どの程度まで——そういう災害実態がかりに二十億あると仮定するなれば、その二十億の億旧に対しては、どの程度まで国のほうの責任において、その一年間の、昭和四十年、あるいは四十一年、四十二年の三カ年計画の間にどの程度までは国のほうの金を支出するような方法によって復旧を立て、あるいは河川改修を加えなければならない場所は改修を加えるというお考えがあるかということを大臣にお尋ねしたのであります。
  12. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 先ほど直轄施行お話でありましたから、その点について申し上げたわけでありますが、もちろん、現に災害を受けて農地その他が危険な状態にありますところは、少なくともこれも三カ年にはそういうところは災害復旧として完了いたしたい、こういうことであります。私が申し上げたのは、直轄区域としてもう少し延長する必要があるかどうか、必要があればこれは延ばしますが、ただ計画を延ばすだけでは、少なくとも十数億かかる高陽町の問題がありますから、その現在計画しておりますところは直轄工事として三カ年くらいで完了したい、こういうことでありまして、現に危険な状態にあるところはもちろんそれを放任するわけにはまいりませんから、これはまた災害復旧として緊急度に応じて少なくとも三カ年以内には完了いたしたい、こういうことであります。
  13. 砂原格

    砂原委員 そうすると、現在の高陽町の河川直轄河川としておやりくださる建設省の当初のお考えは、これは地域的に大臣もおわかりにならぬと思いますが、一の瀬橋という橋のほうまで大体当初のお考えであったのでありますが、その後災害状況等を勘案いたしまして、また、先般楯委員長外委員の方々が現地視察をしてくださって、その現地視察のときにも町村なり県等からも陳情がありまして、高陽町と——これは安佐郡という郡でありますが、安佐郡と高田郡との郡境になりますところの白木町と高陽町との境目は直轄河川として、ぜひ高陽町全体を建設省所管直轄河川として施行していただきたい、その施行をしていただくことを大臣がお認めをいただいて三カ年計画の間にこの仕事はやってやるのだ、こうおっしゃっていただいておるのだと私は了解をしておるのでありますが、そのとおりに考えてよろしゅうございますか。
  14. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 私が申し上げておりますのは、御承知のとおり、高陽全域についていま直轄計画ができておるわけではありません。現在できておる部分が十数億かかるわけです。それ以上に、少なくとも高陽全域について直轄区域に入れていわゆる直轄工事をしてくれというのが地元の強い御要望であり、私よくそれを承っております。ただ問題は、現在計画しておりますところがまだ未着手でありまして、今度災害が再度にわたって起こりましたから、これを緊急に早く完了したいということを先ほど申し上げたのです。それ以上についても検討してあるいは直轄区域に編入する、こういうことも考えておりますが、これは現在計画しておりますところを進めて、それとにらみ合わして計画を進めたい、こういうことであります。同時に、先ほどお話がありました、それ以外の現に災害を受けているその上流地域についての災害をどうするか、こういうお話でありますから、それは御承知のとおり災害復旧事業として緊急なところは三カ年でやるということに現在なっておりますから、希望としては、これは今後の政策でありますが、二カ年で完了したいという希望を持っておりますけれども、現在のやり方は三年ということになっておりますから、そういう災害を受けて将来におそれがあるところは三カ年以内にこれを完了すべきである、こういうことを申し上げておるわけであります。
  15. 砂原格

    砂原委員 私の考え方があまり早計であったかと思うのでありますが、建設大臣は非常に御理解を持たれて、高陽町は全地域において災害の中に取り入れて直轄河川として考えてやるんだ、こうおっしゃっていただいたものと確信をいたしておったのでありますが、ただいまの御説明によりますと、必要があればそれはやってやるんだ、こういうのでございます。これはまさに必要に迫られておる実態でございます。ただ、それをさらに高陽町よりも白木町の町内へまで入って建設省直轄河川にしていただきたいとまで申し上げたいのでありますが、そこまで欲は言いません。そこまで欲は言いませんから、高陽地帯は少なくとも建設省所管において直轄河川としてやっていただきたい。それ以上は県の責任において災害復旧改良を加えながら同時にこういう計画をやってもらいたい。しかも原始的な河川でありますから、これまで河川改修というものはほとんど行なわれていなかった。おそらく私は、百年も、もっと前から行なわれていないと思うのであります。百年前ということになりますと、国の行政が、こういうような整備された行政がしかれていない時代でございますから、いかにこの河川というものが自然にまかせた河川であったかということはおわかりくださると思います。そういう原始的な河川に対して、今日までさらに災害等というような問題が考えられなかった。たまたま水魔に襲われて、がけくずれあるいは堤防の護岸くずれが少しずつあった個所だけが年々改修されていくという程度のことでありますから、ほとんど無堤防状況でございます。こうした集中豪雨が今日の段階になりましてよきみせしめになったわけであります。この上流農民たちは、ほんとうに貧乏な生活と戦いながら生活の確保に努力を続けております。この農民たちを安定した姿にしてやるためには、早急にやっていかなければならぬ。その早急にやっていくのが、国のほうの直轄河川には少なくとも十数億円の金が三カ年間の間にはつぎ込まれるけれども上流のほうは県が災害復旧所管をしたために、その金のつぎ込み方が非常に少なかったということになるのでは、上流のものはとても耐え得られぬではないか。だから、この復旧に対しては格段配慮をしてやっていただけるかどうか、その予算の面を私は先ほどから申し上げておるのであります。
  16. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 先ほど申し上げましたように、現に災害がありましてそして危険な状態にある、こういうところは、河川改修とは別個に、そういう危険を取り除くための災害復旧工事は、もちろん当然にやらなければなりません。と同時に、国の直轄区域以外でも、これは御承知のとおり、計画的な河川改修をしないというわけじゃないのであります。県の管理区域ということになりますと、災害復旧とあわせて改良を加え、災害復旧は御承知のとおり少なくとも三年以内には完了する。これは金額の問題ではありません。事業を完了する、こういうふうに考えておりますということを申し上げているわけであります。
  17. 砂原格

    砂原委員 いろいろまだお尋ねしたいこともございますが、他の委員さんの御質問もあるようでありますから、農林大臣にもお尋ねしたいのでありますが、他の方が農林大臣にはお尋ねがあろうと思いますので、要は、この災害こそほんとうに全国的な集中豪雨でありまして、全国的の災害を受けた、しかもそれが零細な農民に大きなしわ寄せがきているということで、政府におきましては、この際ほんとうに法の拡大解釈と申しますか、あらゆる努力をお寄せいただいて、この際激甚災指定をし、さらに天災融資法適用等をせられまして、農民復興意欲を与えられ、また、地域住民が安定した生活に取り組めるよう格段配慮をくださることを重ねて要望いたしまして、私の質疑を終わります。
  18. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 念のために申し上げておきますが、いわゆる激甚法適用の問題については、先ほど総理府の副長官からお答えがありました。政府は、こういう考え方が適当であるということを話し合っておりますから、念のため申し上げておきます。  御承知のとおり、わが国気象状況は、いわゆる梅雨期、これは避けられない気象状況でございます。従来激甚地激甚災害取り上げ方についていろいろ議論がありましたが、少なくともわが国気象状況として避けられない雨期に関するもの、今年は六月十九日から七月の下旬までかかっておりますが、こういういわゆる雨期に関するものは、その豪雨等がばらばらになりましても、当然これは総体的に見るべきものである。御承知のとおり、激甚法を制定いたしましたのは、被害程度によって地方公共団体等財政事情が非常に逼迫する、と同時に、農民等が非常に苦しい状況に落ち込む、これに対して普通の災害復旧以上の手当てをしなければならない、これが立法のねらいであろうと思います。したがって、その雨が必ずしも連続でなくても、雨期に関する事情は、これは当然に雨期という日本の特殊の気象状況でありますから、この期間の全部をまとめて計算するといいますか、考慮をする、こういう取り扱いにしようではないか、これが基本でありますから、先ほど長官がお答えいたしましたように、全部をまとめて法の適用になるかならないかを検討する、こういう措置をとるということにいたしております。これを念のために申し上げておきます。
  19. 楯兼次郎

    楯委員長 逢澤寛君。
  20. 逢澤寛

    逢澤委員 私は、六月、七月の豪雨による被害につきまして二、三お尋ねいたしたいのであります。農林大臣は十一時にお帰りだそうですから、建設大臣にお尋ねしたいのだけれども農林大臣にちょっとお尋ねしておきたいと思います。  それは、詳細のことはわれわれの同僚橋本君からお尋ねすることになっておりますが、私がお尋ねしたいのは、岡山県の旭川の支流に百間川というのがありますが、これは歴史的に見ると、熊澤蕃山が三百年前に岡山市を守るために溢流堤をつくって、特別の河床をつくった河川であります。したがって、三百町歩ほど土地があるのですが、それは平生は農耕をやっております。そのうちで約二分の一ほどは河川用敷地として政府が買収しております。二分の一ほどはやはり私有地であります。平水でありまするとその溢流堤を越さないことになっておる。大洪水の場合に排水をするために、岡山市を守るためにその溢流堤をつくった。そこへことしは稲作の被害がだいぶ多くて、私は、七月二十二日に百間川改修工事農民大会をやるというのでぜひ帰ってくれというので帰りました。ところが、帰った日にちょうど大水が出たわけであります。そこで、百姓五百人ほど集まって、これをどうしてくれるかということが当面の問題になってきておる。いずれ県のほうからも詳細な報告があると思いますが、当時農民が言いますのには、被害が三割は十分こすだろう、こう言っておる。その後幸いにいたしまして天候が回復しておりますから、だいぶ被害地の稲作も原状に復しつつはあります。しかし、その当時私どもが目で見たときには、まるきり倒れてしまった。他の場合とは違って、政府が一部買収しておる地域と、それから非買収地域とがある。したがって、その補償のことについても一様にはいかないと思う。農民が要求しておるのは、被害が同じだから一様に要求しておりますが、その点はどういうようなことにお考えになっておられるか。聞くところによりますれば、まだ農林大臣のところまでその話はいっておらぬのではないかという話もありまして、これはいま直ちに即答していただかぬでもいいと思いますが、被害が非常に甚大である、しかも三百町歩からの美田が、一部は政府の買収地であるということ、したがって、その補償のことについて——私があえて補償と申しますのは、堤防を溢流させなければ被害は出ない。堤防を越すということは、すなわち水害を生じたということになる。そこが法律的にいままでも幾度も問題点を起こしておる。一部は川である。そこで、地方の者が言いますのには、いま川であるというのは堤防だけ川であって、うちの土地は憲法が保障しておるところの所有権を持っておるのだ、それが堤防を溢流したために被害を起こしておるのだから、それはそういうようなものの考え方で処理してもらわねばいかぬというのが農民考え方で、私ども考えでもそうだと思う。この点は、いま申し上げたようにあとからでもかまいませんが、ひとつそういうような意味合いで御検討いただきたい。  それから建設大臣にお尋ねしたいことがありまするが、私は、いま申し上げたように農林大臣が十一時にお帰りになるというので、これで時間を割愛いたしまして同僚橋本議員に関連のお尋ねを譲りたいと思いますので、あとから建設大臣にはお尋ねしたいと思います。
  21. 坂田英一

    ○坂田国務大臣 いまの事件の詳細、私どもまだ聞いておりません。なかなか複雑なようなことでありますが、よく検討させるようにいたしたいと思います。
  22. 橋本龍太郎

    ○橋本(龍)委員 関連してちょっとお尋ねいたしたいと思います。  御承知のとおり、この六月十九日の雨以来全国各地で水害が非常に続いております。そのために、農業構造改善が叫ばれましてから農家の換金作物の一つとして大きく取り上げられてまいりましたイグサの植えられております地帯、九州においては熊本、大分、あるいは今回の水害において岡山広島、こうした各県のイグサ産地が一斉に壊滅状態におちいっております。いままでこうした作物は特にこうした災害の際に取り上げられたケースがほとんどございません。昨年の春のイグサの貿易の自由化以来非常に値くずれを起こしておりまして、現在生産者は非常に頭をかかえておりますし、またこうした水害のためにほとんど壊滅状態になっております。こうした作物にその収入を依存しております農家は非常に苦痛にあえいでおります。また、農林大臣お急ぎのようなので、簡単にまとめて申し上げますが、私はこの間の水害の直後に岡山県と広島県とざっと各地を見てまいりました。構造改善事業とともに取り上げられました選択的拡大ということで特に果樹の生産がふえております。岡山あるいは広島の両県にブドウ、白桃、こうした果樹に相当大規模な被害があります。また、北部の山岳地帯に参りますと、これは直接農林省の関係されておる作物ではございませんが、たばこ等にも相当な被害がございます。特に出荷の時期を目前に控えましたブドウが、あれだけの水をかぶりますと、ほとんど割れまして、いわゆる裂果を生じまして、商品としての価値がほとんどなくなる。同時に、非常に根腐れを起こしやすい植物だけに、小河川はんらんによりまして一斉に各地ともに溢水または堤防決壊、こうしたもののたびにブドウ畑が水没しまして、現在すでに根腐れが発生しつつあります。同時に、酪農の振興によりまして各地にふえております畜舎関係あるいは養鶏の鶏舎等が、雨のために相当浸水し、あるいは被害が起きておる、そのために現在これらの防疫対策が非常に大きな問題になっております。こうしたことに対しましていま一番関係各県として頭を悩ましておるわけであります。こうした農作物被害に対してどのような対策を——同時に、いままでに近代化資金等さまざまな金融の措置を受けてまいりました。すでに受けております農家も、今回の水害によって非常に大きな被害をこうむり、おそらく返還もむずかしい事態におちいっておると思います。こうしたものについての償還の延期あるいは利子の減免等の措置がお考えいただけるか、こうした問題とあわせてまとめての御回答をちょうだいしたいのであります。
  23. 坂田英一

    ○坂田国務大臣 ただいまのイグサ、たばこ、果樹等の被害が非常に甚大でありましたことにつきましては、いませっかく調査を進めておりますので、その調査の結果を待ちまして措置を講じたい、こう考えております。  なお、天災融資法の発動等について、たぶんこれはできるのではないかという見込みを持っております。なおこれらについてよく調査の結果を待って善処いたしたいと思います。  なお、償還その他の問題については、それぞれの金融機関のほうに、一応かような場合にはかようにするようなことといったような点について注意を促しております。  それから畜舎の浸水についての防疫対策でありますが、これは各県ともにそのつど防疫対策を講ずるようにいたしておるわけであります。十分かどうかはわかりませんが、これらの施策を十分講じておるはずであります。
  24. 橋本龍太郎

    ○橋本(龍)委員 現在稲なんかにいたしましてもいもちその他が発生しつつありますし、どうかできるだけ早い措置をお願いいたしたいと思います。
  25. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 関連して簡単にお尋ねいたしますが、天災融資法適用を受けた場合に、この利率が三分と六分五厘、こういうように二様あるということですが、どっちの利率を適用するかということで非常に手間どってしまう、そのため時間をかけてしまう、こういうようなことでなかなか効果が上がらぬ、こういうことでございますが、これをぜひ三分なら三分に統一をしていただきたい、この点についてお尋ねいたします。
  26. 坂田英一

    ○坂田国務大臣 三分と六分五厘の二つがあるわけです。これはやはり調査の結果によらぬといかぬので、特別の地域についてのものは三分、しからざるところは六分五厘ということに一応きまっています。やはり調査の結果によらなければなりませんので、ひとつ……。
  27. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 調査の結果を聞いているのじゃないのです。三分と六分五厘の二様があって、そういうような調査に手間どって非常にぐあいが悪いから、この際三分に統一をしてくれ、これについてはどうか、こういうお尋ねです。
  28. 坂田英一

    ○坂田国務大臣 これはごく最近改正をしたわけでございますので、一応これでいきたいと思うのですが、なお不十分ないろいろな点がありますれば検討を加えたいと思います。
  29. 逢澤寛

    逢澤委員 建設大臣にきわめて簡単にお尋ねしたいと思います。建設大臣はかつては建設委員を数年やって土木行政に対しては精通者でありまするから、私はきわめて簡単に申し上げます。  この間の七月二十二、三日にわたる水害はきわめて激甚であった。激甚のところは皆さんが見てもすぐわかる。ところが、いま一歩というところがなかなかわからない。これはいわゆるくろうとでなければならない。いま一歩、もう五分間もすればこれが激甚になって堤防も破壊してしまうという個所が多々ある。私は、さきにも言ったように、七月二十三日ですか、あの水害のあくる日に山陽線に乗って上京すると、沿線でもう数カ所見たところがあった。それはどんなところかというと、大きな石垣で堤防してある。その石垣は厳然と残っておる。残っておるが、基礎、下の一メートルくらいがまるで洗われてしまって、根固めというものがみな流れてしまっておる。それは最近の構築法が非常に堅牢な工事をやっているために、基礎は洗われておるけれども、あと、裏のコンクリートのために石垣だけ残っている。それがために激甚になっていない。一部落も助かっておるというところが、これは汽車から見えておるところだけで数カ所ある。これは岡山県だけでなくて、どこの県も同じところがあると思うのです。  そこで特にお尋ねしておきたいことは、いま申し上げたことは一例だが、大きな橋梁でも流れたらみんなの注意を引くが、支流の小さな橋梁が流失したものについては、なかなか世間がよう見ていない。地方民は非常な打撃で、そのために交通が遮断されておる。岡山県においても、旭川、高梁川、吉井川の流域において、また支流の流域においてそういうようなところが非常に多いのです。したがって、大げさではないが、小さい橋梁の流失あるいは堤防の小さいものが破堤しておる、あるいはその寸前のものなどが非常に数が多い、そういうことに対しては、今回は大災害でありましたから、査定官もよく見てくれると思いますが、平生はなかなか見てくれない。ちょっと見たら石垣だけは残っておるからこれはいい。しかし一番大事な基礎が洗われておるというようなところは特によく見ていただいて——いまやればたいした金じゃなしに復旧ができる、こわれてしまうと御承知のとおりのことになるので、これに対するいろいろの考え方があると思いますが、小橋梁に対する処置、あるいは小破堤、支流堤防の破壊等に対する処置はどのようなことでおやりくださるか、お尋ねしたい。
  30. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 いま逢澤さんがお話しのようなことはあるいはあるかもしれませんが、災害災害が起こってからやるということは、これは申し上げるまでもなく後手であります。したがって、ある程度災害があって、それを放置すれば大災害の危険がある、これはもちろん小災害のときにこれを防ぐだけの措置をとるのは当然であります。ただ、査定官が行きましても、何しろ広範囲にわたってたいへんな仕事でありますから、みずからそれを一々見て歩くということは、事実上不可能な場合、困難な場合があると思います。そういうような問題は、地元町村あるいは県等から当然指摘してもらって査定官の査定を実施させる、こういう両々相まっていくべきものだと思っております。また、そういうものは査定しないのだという考え方は当然建設省としては持っておりませんから、特に今後はそういう点についても私どものほうでも注意を促しておきたい、かように考えております。
  31. 逢澤寛

    逢澤委員 もう一点お尋ねをしておきたいと思いますことは、これはちょうど河川局長おいでになっておるが、河川局長が一番事情承知しておられるので、吉井川の下流の改修の問題でありますが、幸いにいたしまして昨年度から少しやってもらった。それを少しやったために大きなことにならずに済んだということを私は拝見して、非常にうれしく存じております。地方民も非常に感激しておる。あれがもし未着手であったならば非常なことになっておる。ところが、幸いにして着手しておって、それがために下流の破堤を免れておるというような事態が出てきておる。熊山駅付近のことであります。したがいまして、吉井川の災害を契機とは申しませんが、災害に対する復旧と同時に、その促進についてもこの際十分考慮を払っていただきたい。これに対し、建設大臣よりも、むしろ河川局長がどういうような考え方で処理をおやりくださるかということをお尋ね申し上げておきたい。
  32. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えいたします。  吉井川につきましては、三十四年と三十六年と今回と相当の災害をこうむったわけでありますが、流域には、あるいは金剛地区とか熊山地区とか、あるいは下流の地区とか、非常に災害が多いわけでありますが、まだ未改修状態に放置されておるわけであります。熊山の災害につきましては、山陽線をとめるという非常に不祥な事態が起きまして、われわれとしても早急に改修しなければならぬというふうに考えておるわけであります。今回治水五カ年計画も策定されるわけでありますので、計画的に施行をはかるように考えておりまして、災害の絶滅にできるだけ努力したいというふうに考えております。
  33. 楯兼次郎

  34. 大原亨

    大原委員 大きな声で質問いたしますから、よく聞こえるようにお願いします。  それでは、簡潔に御質問をいたすのですが、農林大臣はおられませんが、建設大臣と、それから防災会議を主宰しておる総務副長官が列席の上でいま質疑応答なされておるので、統一見解、ぴしっとした政府の見解であるというふうに思うのですが、念のために私最初に御質問いたしたい点は、激甚災指定について、六月十九日に熊本、広島、以降七月二十二、二十三日の中国の一連災害については、これは激甚法による当該災害として指定をしていく、こういう方針の決定を政府としてはされて、それに従っていろいろな資料を整備されておるのかどうか、この点につきまして前提としてひとつ方針を明確に御答弁いただきたい。
  35. 細田吉藏

    細田政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、六月十九日から二十一日まで、それから六月二十八日から七月二十三日までの豪雨を一括いたしまして激甚災害になるかどうかといった基準がございますので、その数字を取りまとめておるところでございます。激甚災害適用方針を決定いたしますのは、閣議で決定をいたしまして政令を出すわけでございますから、まだ決定しておるというわけにはまいらぬと思います。ただ、一括をいたしまして被害調査をいたしましたものの中で、数字が大体固まっておるものと、それから特に農作物といったような、数字がまだ調査中で固まっておらないものとがございます。そこで、最初に申し上げましたように、一番肝心な公共土木災害というようなものについては、大体もう基準以上にただいまの調査のところでなっておりますので、間違いなくこれは激甚法適用ができる、こういうことでいま準備を進めておる、かように申し上げたわけでございます。あるいは農地農作物被害につきましても数字は基準以上に達しております、こういうことを申し上げたので、決定は、最終のいろいろな数字がまとまりますと閣議で御決定をいただいて政令で指定いたす、はっきり申し上げると、かようなことでございます。
  36. 大原亨

    大原委員 だいぶんはっきりいたしました。つまり、いまの御答弁は、政府としては、六月、七月のいま総務副長官のお答えになりました災害については、当該災害として一連災害、こういうふうに方針をきめて資料を整備しながら閣議決定に持っていく方針である、こういうお考えのように私は了解いたしまして——うなずいておられますから、間違いないと思う。つまり、公共土木災害、それから農地農業用施設災害、中小企業の災害、こういうふうにたくさんございますけれども、それらの諸問題については激甚法適用になる、こういうふうに考えてよろしいかどうか。
  37. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま申し上げましたように、個々に一つ一つ申し上げればよろしいわけですが、一番大きいものは、公共土木農地農業用施設でございまして、これについては数字がもうすでにきめております一定の指定基準にかなっておりますので、これは中央防災会議にかけないで、会長である総理が専決できるということに政府ではいたしておるわけでございまして、これははっきりいたしております。それから中小企業関係激甚につきましては、実は通産省のほうで最終的な数字がまだ出ておりません。したがいまして、これはいま申し上げた二者とは多少事情が違います。それから農作物被害についてもまだ数字が出ておりません。ただ、これらの点については、ただいまのところ、激甚指定基準に合致するのではないかという見込みでおりますが、いまはっきりした数字を通産、農林でお調べいただいておる、こういう段階でございます。
  38. 大原亨

    大原委員 それでは、公共土木やあるいは農地農業用施設についてはもうほとんど見通しがはっきりしている、農業災害についてもはっきりしているけれども調査中だ、中小企業については通産省において作業を進めておる、これはなお問題が残っておるようだ、こういうことですが、激甚法の全部について私は申し上げませんけれども、そういう方針だそうですが、すみやかにこれらの資料を整備いたしまして結論を出して、そして当該災害地域に対して将来の復興について安心のできるようにしてもらいたい。きょうは通産省から見えておるかどうかわかりませんが、それらの問題を含めてひとつこの国会中に明確にしてもらいたいと思うのです。  そこで申し上げたい点は、これらの閣議決定に至るまでの見通しなんですが、これは私は国会を通じましていろいろな意見を聞きながら十分資料の整備を急いでいただきまして、今国会開会中にすみやかに激甚法指定についての政令を出してもらいたい。これは今国会開会中を目途としてできるだけすみやかにやってもらいたい、私はこういう要望を申し上げたいのですが、これに対しましてひとつ見解を明らかにしてもらいたい。
  39. 細田吉藏

    細田政府委員 政府といたしましては、一日も早く政令を出したいと思っております。問題は、これまでの例もございますが、政令一本で各項目について出す例にもなっておりますし、またそのほうが適切だと思います。一つ一つの項目を、第何条はどうする、第何条はどうするということよりは、全般にわたって出すのが当然であろうと思います。したがって、まとまったものとして一日も早く出すようにせっかく各省にお願いをしておるところでございます。今国会中できますならば出すことが——どもも、先ほど来申し上げるように、一日も早くという気持ちでおりますが、農作物被害等につきましてどの程度に進捗いたしますか、せっかく農林省のほうでも非常に急いでいただいておりますが、この十一日までというお約束は必ずしもできませんけれども、最大限の誠意をもって一日も早く出したいと思います。  それからこの問題については、あるいは小災害復旧といったような点について、現地の特に市町村の不安があると思うわけでございます。したがって、そういう点については、本日こうした災害対策委員会をお開きいただいて、私どもが現段階の御説明を申し上げることによって、これは国民の皆さん方に申し上げるというかっこうになるわけでございますが、そういう点では、この政令の閣議決定を少しでも早く、こういう問題についてはこうであるということをはっきりさせる必要があると考えて、本日、先ほども、ただいまもかなりはっきり申し上げておるつもりでございます。
  40. 大原亨

    大原委員 国務大臣である建設大臣の瀬戸山さんにお尋ねいたしたいのですが、閣議決定にかかることで、これは災害対策特別委員会においてこれから議論をずっといたすわけだと思うのですが、ともかくもすみやかにこれは出してもらいたい、方針をきめてもらいたい、こういうことは被災地の強い要望であると思うのです。そこで建設大臣の御答弁をいただきたい点は、その点に対しまして、この国会開会中、しかもできるだけ一日も早くやる、こういう点につきましての所信を明らかにしてもらいたい。
  41. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 先ほど私からも申し上げましたが、いま副長官から申し上げたとおりでありまして、少なくとも公共土木等については、現在の調査の結果にまだやや変更があると思いますが、細部にわたって調査の結果に基づいても、激甚法適用があるという結論が出ております。ただ問題は、全体を政令にするということになりますと、先ほど長官から御説明申し上げましたように、こまかい数字の集計がややおくれるところがありますから、今国会中に皆さんにそれをお示しして決定するかどうかということについては、きょう、それをさようにいたしますと言うわけにはまいりませんが、指導といたしましては、いま申し上げましたように、公共土木関係とかは激甚法適用になるという結論が現在出ておりますから、一般の地方には安心するように指導をいたしたい、かように考えております。
  42. 大原亨

    大原委員 今国会中できるだけ一日もすみやかに、こういうことにつきましては大臣も十分御理解いただいて御努力いただく、こういう御答弁であるというふうに私は了解いたします。大臣もうなずいておられますから、その点はひとつ要望しておきます。  それから公共土木事業のやり方なんですが、建設大臣、もちろん、その中には、熊本、広島、中国各地を通じて、純農村地帯あるいは兼業地帯、いろいろあると思うのですが、これはやはり言うなれば生活のかてを失った人々の生活のよりどころである、収入を得るところの事業でもあるわけであります。したがって、その事業のやり方については、十分関係地元住民その他の災害によって痛めつけられた生活が成り立っていくような、そういう点を配慮しながら——もちろん一般的な基準があるわけですが、そういう配慮をしながら仕事を進めていっていただきたい、こういう要望があるわけです。この点につきまして、建設大臣といたしまして事業の遂行のしかたその他につきましてのお考えをひとつお答えいただきたい。
  43. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 従来もそうでありましたが、災害が起こりますと、いまお話しのように、生産物を失いあるいは生活基盤を破壊される非常にお気の毒な状態が出るわけであります。災害復旧等のいわゆる土木工事等については、地元の皆さんの協力を得ることが一番大切でありますから、それによって当分の賃金収入等を得るということ々十分考慮に入れて、今日までもやっておりますが、今回特にそういう点に留意をいたしたい、かように考えておるわけであります。
  44. 大原亨

    大原委員 その点については関係地元町村や県知事等の意見を十分徴していただきまして、仕事のやり方等についても、その点を十分考えてやっていただく。  それから最後の質問ですが、災害特別委員会が広島災害地の現地を視察いたしましたときに、関係町村から、砂原委員から御質問がありましたようなことについて要望があったわけです。というのは、直轄河川、国の責任である災害復旧改良と県のやる仕事でありますが、この分野はできるだけ早くきめておいて、三カ年計画——これは少なくとも二カ年でやるということが前提ですが、三カ年計画ですみやかにやる、こういう方針をきめてもらいたいという要望があったわけであります。そこで私はこの点を明確にしておきたいと思うのですが、つまり、高陽町から安佐町に至る一連河川三篠川があるわけです。高陽町の中の直轄河川は、現在は一の瀬橋というところが境になるわけですが、一の瀬橋上流高陽町の区域全体を直轄河川にしてもらって、何といっても、国か直接にやれば、完全な費用をかけた、現地民も十分な工事ができるという信頼感をやはり持っているわけであります。ですから、その分野、方針をすみやかにきめていただきませんと、県がやるにいたしましても、あるいは国がやるにいたしましても、やはり一の瀬橋までの現在の直轄河川を国が十二、三億円かけてやるのだ、そうやるうちにその上流についても考えたいというふうなことでは、災害復旧改良責任分野が明確でなくなるのではないか、その点を私は心配いたすわけです。特に三篠川は全く無防備河川であります。無堤防河川でございますから、原則といたしましては、本工事改良復旧を一度にやらなければなりません。そういうことですから、そういう方針を早くきめていただくことが、きわめて事態を円滑に進めることではないかと思うわけです。県に対する助成金の形でやるか、あるいは直轄で直接国が責任を持ってやるか、こういう点につきましては早くきめていただきたいと思うのであります。つまり、現在の直轄河川上流高陽町までを直轄河川にしてもらいたいということが、地元の皆さん方からも強く訴えられて、特別委員会もそれは聞いたわけです。善処をお互いに約したわけであります。その点につきましては、建設大臣の御答弁があったのでありますけれども、もう少しそういう事情を勘案して、無堤防河川であるという点等も考えられて、そういう点につきまして建設大臣にもう少し具体的なはっきりした御見解の表明をいただきたい。
  45. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 先ほどその点についてお答えいたしたのでありますが、高陽全域について直轄区域に編入してくれ、計画を立ててくれ、こういう要望は私自身直接聞いておりますけれども先ほども申し上げましたように、現在計画区域に入っておりますところも十数億の金がかかります。そこが高陽町自体でもきわめて重要な地点であるということで計画に入れておるわけでありますが、そこを少なくとも三カ年でぜひ完了したい。いまお話上流部の災害等については、災害復旧でもちろんこれも緊急の三年間で完了しなければなりません。ただ、直轄区域以外の点は放任するかというと、放任するわけでありません。もちろん、県といたしましても、その河川計画的な改修をしてもらわなければなりません。したがって、災害復旧をいたしますときに、現在直轄区域になっております河川と一体とした河川でありますから、計画はそれに応じて上流部も計画を立てる、それに従って改修及び災害復旧をする、こういうことになるわけであります。ただ、高場町全域について直轄区域にすべきであるという御意見、十分聞いておりますが、現在計画しておりますところに少なくとも十数億の金をかけて三年で完了したい、こういうことでありますが、その上流についても直轄にすべきであるか、あるいは県工事として災害復旧及び計画改修をすべきであるか、こういうことをいま検討いたしておるということでありますから、御了承を願っておきたいと思います。
  46. 大原亨

    大原委員 国がやるにいたしましても、県がやるにいたしましても、あそこの復旧工事改良という形でやっていかなければならぬということはよく御承知のとおりなんです。そういたしますと、現在の国の直轄河川の範囲内を十二、三億円でとにかくやる、こういう方針なのですが、県と十分話し合いをしていただいて、国の直轄河川、県の管轄区域内を通ずる一連改良計画を立ててもらいたい、こういうことが地元の強い要望であり、客観的にもこのことが技術的にも正しいと思うのであります。そういう点では、二段戦法ではなしに、高陽町まではまず全域直轄河川として国が直接やるか、あるいは県を通じて、県に対して助成をしてやるかということの方向で金の使い方はあるわけなんです。その使い方を含めまして、直轄河川の範囲を拡大してもらいたい、こういう要望があるわけであります。その点につきましては十分趣旨のあるところを御了承いただきまして、二つの点を私は申し上げます。  つまり、高陽全域直轄河川として国の責任においてやる、こういう基本方針で臨まれるのかどうかということが一つ。もう一つは、国、県を通じまして、三篠川全域にわたっての改良計画というものもやはり国が指導いたしまして一元的に立ててもらいたいと思いますが、その資料を——とにかくこういうふうにしてやるということがわかれば、地元住民は理解できるわけですから、そういう方針を今国会の特別委員会中にひとつ出していただきたい。これは局長からでもいいですが、出していただきたい。とにかく工事はできるだけ短期間、三年よりは二年がいいわけですが、その期間にぜひやってもらいたい。これは改良でありますから、改良しなければ災害は起きるわけです。だから、そういう点につきまして私は二点にしぼって御質問いたしたわけでありますが、その点に対しましてのお考えをひとつ明らかにしていただきたい。
  47. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お尋ねの点でございますが、計画は、一級河川につきましては建設大臣指定区間を含めまして一本で計画してあります。したがって、三篠川計画につきましても、従来から県の区域あるいは直轄の区域を問わず一本の計画になっておるわけでございますが、今回の災害におきまして相当の洪水量が出ておりまして、若干その内容を検討する必要があるという段階にきておるわけでございまして、その検討をいま地建にやらしております。  それから実施につきましては、直轄区域につきましては、ただいま大臣から言明がありましたとおり、ここ三カ年を目途に早急に災害を含めまして改良を行ないたいというふうに考えております。  上流区域につきましては、お話のとおりに、高陽町区域を一本の直轄区域にしてほしいという要望が強いことは、十分お話を承っておるのでございます。この点につきましては、まだ直轄編入の調査が十分に行き届いていないという点と、従来からこれの区域の変更につきましては審議会その他の意見もございますので、それにはからなくちゃいけない、そういう事務手続がまだ終わっておりませんので、ただいま直轄区域を延長するかどうか検討中でございます。  それから、そのまた上流区域につきましては災害が非常にひどいのでございまして、これにつきましては、できるだけ災害関連あるいは助成等を加えまして、一定計画に基づく改良復旧を行なっていきたい。  なお、その助成その他につきまして十分措置ができない部分につきましては、中小河川等におきましても措置をしていきたいというふうに考えております。御了承をお願いしたいと思います。
  48. 大原亨

    大原委員 こういうことであります。つまり、直轄河川にしてもらいたいという強い要望が提起をされたために、災害復旧改良工事が事実上おくれるようなことになっても困るわけであります。ですから、その点を十分留意していただきながら、こういう直轄河川で国の責任でやる範囲を拡大してもらいたいという要望があるということをここで私ははっきり申し上げて、それと一緒に、これは国、県全体を通ずる要望ですが、国、県全体を通ずる復旧について、関係者が無堤防河川、無防備河川改良という観点から納得できるような、県との連絡、指導その他の上に立ちまするそういうこれからの見通しにつきまして、ひとつこの国会中にはっきりしていただきたい、こういう点を付しておきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  49. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 十分検討いたしまして、次の委員会におきまして御報告申し上げたいと思います。
  50. 楯兼次郎

  51. 川村継義

    川村委員 時間もたくさんいただくわけにまいらないようですから、ごく大まかなお尋ねをいたしておきます。きょう皆さん方の答弁をお聞きいたしまして、さらに次の機会にいろいろこまかいお尋ねをしたいと考えております。  第一に、いまの大原君の質問でも明らかになったのでありますが、先ほど砂原委員に対して瀬戸山大臣から御答弁ありましたので、大体政府の皆さん方のお考えというものは私には非常に喜ばしく受け取られておるわけであります。しかし、ちょっとそこに、くどくなりますけれども、はっきりしないところがありますから、再度お尋ねをいたしておきます。と申しますのは、今度の六月から七月にかけて非常に大きな豪雨災害が起こった。当然、日本の特殊な気象のもとにおいては、やはりこれを一括して激甚地指定としてやるべきではないか、こういうことを実は意見としてだれもが持ったわけであります。ところが、一部に、気象庁の御意見であったかと聞いているのですが、あとで気象庁にもひとつお答え願いますが、六月の気象条件と七月中下旬にまたがる気象条件とはまるっきり違うのだから、同じ激甚地災害として指定するわけにいかぬだろうというような意見が出ておるということを聞いたのであります。実際そういう意見が成り立つのかどうなのか、これが一つであります。  それからいま一つは、先ほど細田総務副長官がお答えになっておりましたけれども激甚地指定にするについていろいろ数字を検討しておる、こういうお話でありました。しかし、私が間違っておったらお教え願いたい。激甚災害指定するかどうかが先決ではないか。この災害激甚災害として指定をする、その場合に、公共土木関係がいわゆる政令で指定するところの指定基準に達するかどうか、農業関係のものが指定基準に達するかどうか、あるいは中小企業関係基準に達するかどうか、こういう問題が起こり得るかもしれません。しかし、数字をはじいたあとでこれは激甚災害であるなどというのではなくて、この災害激甚災害として指定をする、そのあとで基準に達したものを援助法にいうところの公共関係あるいは農業関係、中小企業関係、その他のいろいろ基準というもので法律補助の政令基準に該当するかどうかということが生まれてくるのではないか、こういうふうに私は考えるわけです。そこの辺のところはどうなんでしょうか。
  52. 細田吉藏

    細田政府委員 最初の問題からお答え申し上げます。  在来でも、どれからどれを一つの災害と見るかということにつきましては、いろいろ議論があるところだと思います。今回の六月から七月にかけて一月有余にわたる長い間のものをどう見るかということでございますが、この一つの災害を、気象学というか、そういう学問的なもので見れば、それはいろいろ分かれるかもしれません。しかし問題は、起きた被害に対して国が救済の手を差し伸べるということでございますから、その角度から判断すべきものであろうと思うわけでございます。たとえば昨年ございました新潟の地震があって、あとで豪雨があった、これが一つの災害であるかどうかということになると、それは問題はございましょうけれども、今回のような際には、先ほど私からもお答えいたし、また瀬戸山大臣からもお答えがございましたが、そうした自然現象としての、あるいは学問的に見て二つであるのか三つであるのかというようなことは実は議論すべきではないということから、先ほど申し上げたような結論を私どもとしては出しておる、こういうことでございます。したがって、今後といえども、どれを一つに見るかという問題は、これはそのときどきでいろいろあると思いますが、今回に際してはそういう考え方でございます。  それから、あとの点について申し上げますが、あとの点は少し私ども違うんじゃないかと考えております。激甚災というのは、一定の被害以上のものということで、ある程度の線を引きまして、これは立法論としてはいろいろな議論があるかと思いますが、現行法のたてまえといたしましては、こういう程度以上の災害があった際に激甚災害として指定する、こういうことになっておりますから、あらかじめ、何か災害が起ったら、これは激甚災である、あとで数字をまとめるという性格のものではないと考えます。これは立法論としていろいろ御意見があるかどうかの問題は別でございます。激甚法にもいろいろ批判の対象になるような問題はあると思いますが、現行法のたてまえからいたしましてはそういうことでございますから、数字が前提だと思います。ただ、私が申し上げましたように、激甚というのが非常にたくさんな項目に分かれておるわけでございます。その項目別に数字が、現在でもうすでにはっきりしたものもございますし、農作物などは、最終に起こりましてからまだ十日ぐらいですか、とにかくそうたっておりませんので、調査が手間どることもこれはある程度やむを得ない事情があると思います。そういう点について数字を早急に取りまとめる、こういうことをいたしておるわけでございますから、数字も何も要らぬ、初めから起こったときに一本でばんといくんだというたてまえには実は現行法上なっておりませんので、そういう意味でございます。
  53. 川村継義

    川村委員 それはちょっとあなたのことばが言い過ぎじゃありませんか。私も災害程度あるいは被害額というものを無視して激甚災害指定というものがあり得るとは存じません。それはむちゃです。しかし、私のお尋ねしているのは、あなたの先ほど大原君に対するお答えに、どうも私が考えておるのと少し違うようなお考えがありましたので、ここでお尋ねをしているわけです。と申しますのは、申し上げるまでもありませんけれども、この特別財政援助法の第二条に、全部読みませんけれども、「災害が発生した場合には、当該災害激甚災害として政令で指定するものとする。」だから、長雨の災害とか、いろいろございましたね。そういうようにして政令で指定をするのですね。その政令で指定されたところの災害について、第二章以下、「国は、激甚災害に係る次の各号に掲げる事業で、政令で定める基準に該当する」云々とありますから、政令で指定された激甚災害についていわゆる政令で定める基準に達したものについては、公共土木関係についてはかくかくの高率補助をやるぞ、農業関係についてはこうなるぞという特別援助の規定があるわけです。そこで私がお尋ねしているのは、この激甚災害指定されたからといって全部この高率補助に該当するとは考えられぬ。その中で、政令で指定されたものが高率補助の適用を受けるわけですねそうでございましょう。高率補助の適用を受けるものが全部そろうというような考え方激甚災害指定されるのではないのじゃありませんか。こういうふうにお尋ねしているわけです。いかがでしょう。
  54. 細田吉藏

    細田政府委員 どうも私が多少聞き違いしたようでございまして、たいへん恐縮でございました。その点に関しましては、おっしゃるように方法はあると思います。ただ私どもとしましては、在来やっておりますのは、全部の数字を取りまとめて、そして政令一本でこれを出すということにいたしておりますし、また各地方団体でも、これについてのはっきりした政府としての見通しが立っておれば、それで実際はあとあとのいろいろな問題になるわけでございますので、政令としては全部まとまって一本で出すという形にいたしておるのであります。そういうことは、むしろそうでなくて、場合によっては、関係条文でもきまったものから次から次へとやることがいいじゃないかということも考えられないわけじゃございませんけれども、ただいまのところは、少し待っていただけば、これもできるだけ急ぎますので、方針を明らかにしておれば一本のほうがいいんじゃないか、こういう在来のやり方をとっておるようなわけでございます。
  55. 川村継義

    川村委員 どうも副長官は一本一本とおっしゃいますけれども激甚災害指定ということは、それはおそらく一本でありましょうけれども、今度はそのあとに伴って、公共事業関係でやる基準に達したものを実は高率補助の政令指定をしなければならない、農業関係農業関係の政令で指定をしなければならない、何本かこういうことが出てくるわけです。あなたは一本でしたいとおっしゃるのだけれども、ちょっとその辺にお考え違いがあるのじゃないかと私は思っておるわけですが、それならそれでいいでしょう。とにかく、激甚災害とするということは、政令を出していただかなくちゃならない。  そこで、いま副長官からもお話しのように、先ほど砂原委員のお尋ねで瀬戸山大臣からお答えいただきましたが、日本の気象の特殊ないろいろな問題等を検討しながら、六月から七月の、いうならば、広島、熊本のあの集中豪雨災害から鳥取、島根の災害に至るまで、激甚災害として指定するものならば指定する考えがあるか。一緒にして指定する考えがあるということは、皆さん方大体意思御統一いただいている、こう解釈してよろしゅうございますね。これは瀬戸山さんから再度お答えいただきたい。
  56. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 仰せのとおりでございます。
  57. 川村継義

    川村委員 たいへん賛成でございます。  そこで、くどくなりますけれども、気象庁の皆さんにちょっとお聞きしておきますが、私がさっきちょっとお尋ねしたように、一ころ、気象庁の皆さん方の御意見か知らぬけれども、六月の豪雨と七月のいわゆる豪雨災害とは別個に考えなければならぬのであって、これは一緒に考えるわけにいかぬ、こういうふうに気象庁でおっしゃったようでありますけれども、そういう御見解を発表したことがあるのですか。
  58. 斎藤錬一

    ○斎藤説明員 私、気象庁の予報課長でございますが、中央防災会議がございまして、そのときに、ことしの梅雨期の雨についてどういうように解釈するかというようなことが問題になりました。それで、私たちとしましては、いろいろ検討しました結果、梅雨前線で雨が降りますのは、いつも降っているわけではありませんので、梅雨前線が南下したり北上したり、あるいはそこに場合によると低気圧あるいはその他南方からの気流の刺激がありまして、いつも大雨の降り通しではないのでありまして、ちょうどそういうような前線が参りまして、それに刺激するものがありますと大雨が降る、そういう点では、刺激する原因についてはそれぞれ別の原因が働いておる、そういうふうに考えます。それで、これを全体としてどう考えるかということにつきましては、日本の春から夏に移る間の梅雨期梅雨前線で起こったということでは同一の原因である、そういうふうに申し上げておったのであります。  以上でございます。
  59. 川村継義

    川村委員 六月の豪雨のときにも、梅雨前線に対する、たとえば台風九号のなだれ込みというような現象もあったようであります。今度の鳥取、島根の場合も、いまいただいた皆さん方の資料をちょっと見てみても、やはり梅雨前線の移動による、それに対する気圧刺激というものがあげられておる。こう考えますと、やはり先ほど大臣が御答弁になりましたように、日本の六月、七月のつゆどきの気象現象としては、これは何も刺激剤が違ったから全然別の状況だと考える必要はございませんね。やはり梅雨前線が上がったり下がったり、こういうふうに一つの刺激が与えられて大雨を降らせているのですから、私は、そういう点では、あなたたちの学問的な御見解はわからぬでもありませんが、そういう災害等を検討する場合には、やはり政府からいまお示しのあったような考え方で統一的に一つの災害として対処するということが必要ではないか、こう考えるわけであります。  そこで、こまかなことをお聞きするあれはありませんけれども、いま大ざっぱに各県から実は被害状況が出ておるわけであります。私、これをトータルする時間がありませんので、やっておりませんが、公共土木関係について大まかにどれくらいなのか、あるいは農業関係について大体どれくらいいま出ておるのか、その辺のところを数字でちょっとお示しいただきたいと思うのです。全部ひっくるめてよろしゅうございます。各県別は要りません。一般災害がどれくらい、それから農業水産関係、商工業関係、土木関係、林業関係、そういうふうに項目別にまとまったものがありましたらお示しいただきたい。
  60. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 ちょっと私のほうの関係を申し上げておきたいと思います。  第二章関係事業についての現在までの集計でありますが、建設、農林、運輸、文部、厚生——農林は農地、治山、漁港、こういう内容になっておりますが、現在までの被害は三百五十九億八千万余、これは本格的な査定は現地で査定しなければなりませんから、そういうものを待っておるわけにはいきませんので、従来の経験から見て、査定見込み額はその間三百二十七億三千万余、こういうふうな見込みを立てておるわけであります。
  61. 細田吉藏

    細田政府委員 いま建設大臣から公共土木について御説明がございましたが、他のおもな点についてちょっと申し上げたいと思います。  公共土木に次いで大きいのは農地等の施設の被害でございまして、三十日現在でいま調査をしておるのでは約百十一億でございます。  それから中小企業関係でございますが、これが実は商品の被害等で非常につかみにくいものでございますから、変わると思いますが、ただいままでのところでは六十二億という数字でございます。  それから農作物につきましては、まだ調査中で、わかっておりません。  大きいものはそういうものでございます。小さいものも一応ございますけれども、あとは額がずっと落ちるものですから、おもなものはそういうものでございます。  トータルといたしまして、三十日現在で約四百七十八億の数字までまとめておりますが、実はただいま建設大臣の言われました数字は私のほうよりも一日あとの数字でございますので、それを足しますと、まず大ざっぱに言いまして大体五百億という数字になるわけでございます。これは逐次変わっておるものでございますが、大体そういう数字でございます。
  62. 川村継義

    川村委員 わかりました。まだ査定も完全に済んでおらないようですから、査定額というのはまだ出てきておらないと思いますから、この資料ができ次第お見せいただきたいと思うのであります。  それから中小企業関係、特に今度の水害でこれは全般的に当たるかどうかわかりませんけれども、特に、熊本の人吉という市がございますが、これはもう二千戸以上の商店街が水びたしになりまして、ちょうどいなかの盆の仕入れをやっておる商品がほとんど全部やられたというようなことで、相当困っているわけですね。いま商工関係の皆さんがおられるからお聞きいたしますけれども、いまお話しになりました商工関係の数字、六十二億でしたか、この数字で、いわゆる高率補助の財政援助の適用基準から見ますと、どういうことになりましょうか。
  63. 荒玉義人

    荒玉説明員 大体従来の基準でいきますと、六十二、三億というところが一つの線だと思います。ただ、さっきお話がありましたのですが、いま数字自身が五十五、六億という数字で出ております。と申しますのは、いまの六十二億という場合、直接被害、間接被害の、直接被害を対象としておるわけであります。間接被害ですと、たとえば店を締めたために利益があがるのがあがらぬというのあたりが実はあるものですから、したがって、正確にはいまのところそのあたり県と連絡しておりますが、激甚災害指定になるかどうかの基準は六十二、三億が最低限度と考えております。したがって、われわれといたしましては、大体そのあたりにいくのじゃないかというふうに考えております。
  64. 川村継義

    川村委員 そうしますと、いまのところの数字は基準にすれすれだ、こういうようにとってもいいのではないか。これはひとつ厳密に調査をしていただいて、ぜひ中小企業関係も政令基準適用が受けられるようにひとつ御配慮いただきたい。もし残念ながらはずれるようなことがあってはたいへんなことだと私思うのですけれども、はずれた場合には、これはお願いなんですけれども、やはりそれに準ずる可能な限りの援助、めんどうを見ていただきたい、こういうことでありますが、それらについての御用意はおありですか。
  65. 荒玉義人

    荒玉説明員 したがいまして、私はたぶんいけると思っております。ただ、いけない場合も、もちろん、一般災害につきましては、たとえば、いま問題は、金利をどうするかという問題が主でございます。それで、普通災害ですと一般金利というものは現在九分で、九月一日から三厘下がります。それが激甚になると六分五厘、金利が非常にあれです。あるいは、あとは助成法の関係で設備近代化の償還期間を延ばすとか、いろいろありますが、一つは金利問題です。したがいまして、一般災害の場合でも、そういう金利は普通金利でございます。償還期間を猶予する、あるいは限度を従来より大目に見るという点はもちろん、あるいは担保の点を、できるだけといいますか、実情に沿ったように評価する、手続を簡単にする、そういうのはもちろん一般災害でも当然やります。ただ金利問題は、さっき申しましたように、激甚災害になった場合でございます。もちろん、一般災害でも現に現地でやっていると思います。そういう形で処理したいと思います。
  66. 川村継義

    川村委員 それでは、急ぎますけれども建設大臣に一つお尋ねをしておきます。  建設省では新治水五カ年計画の構想をおまとめになったと聞いております。まだおそらく閣議決定はあとになるのじゃないかと思いますが、大ざっぱでよろしゅうございますから、その構想をひとつお聞かせいただきたい。
  67. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 新治水五カ年計画はいま河川審議会に諮問しておるところであります。できるだけ早くその答申を得て閣議決定をいたしたい、こういう順序で進めておりますが、構想といたしましては、御承知でございましょうが、四十年度を起点として一兆一千億の治水五カ年計画を立て、その中で一千億は災害等の予備的な部門に充てておく。それからさらに一千五百億は、これは地方負担の分が入っておるわけであります。したがって、残余の八千五百億が各河川等に割り当てられる額になっておる、こういうことでありまして、大体の考え方は、この五カ年計画で少なくとも重要百河川くらいを直轄工事といたしたい。おおよその今度の構想は、重要河川については十二年間で治水の大体のめどをつけたい、その他の河川は十五カ年の目標で治水のめどをつけたい、こういうねらいで立てておるということであります。大体のことを申し上げた次第であります。
  68. 川村継義

    川村委員 新しい治水五カ年計画については、また審議会等の答申が出ましたらそのあとでお聞きいたしますけれども、今度の水害で特に熊本の球磨川——これは私の出身地の川でありますが、ものすごく荒れ狂ったのであります。地元の諸君に聞きますならば、二百年来、三百年来の大水害だと言っております。実際おそらく古老も経験しないほどのものすごい災害であったわけであります。これは建設省のほうからも実際調査に行っていただきましたから、詳しく大臣のほうにも御報告があったものと思いますが、この大災害のあとを考えて、実は私二つ問題点として考えておるわけです。一つは、今日まで球磨川に進めていただいた治水計画、これを相当根本的に計画変更をしていただくことがやはり必要ではないか、こういうことが一つであります。いま一つは、ダムの管理についてもう少し検討する必要があるのではないか、こういうことを考えたわけであります。  そこで、私初めに少し実際見まして頭に残っておる問題を申し上げますと、ダム管理の問題につきまして、この球磨川には実は一番下流に荒瀬という一つのダムがあります。これは県営の発電をやっておるダムであります。その上に瀬戸石というダムがあります。これは開発のほうでつくった発電のダムであります。上流に、洪水調節と銘打った、発電多目的ダムという名目でやっております市房ダムというのがあります。今度の水害で球磨川全域ものすごい荒れ狂い方でありますけれども、ダムの下流点、放水地点、このダムの放水地点がものすごい被害、特に顕著な被害を受けておる。これは荒瀬ダムのすぐ直下にあります地元の村、駅付近、十条製紙等がございます付近が特に激甚災害を受けているわけであります。それから、ダムの湛水部分といいましょうか、水がたまったところがわりあいに平穏であります。そのダムが切れるところ、つまり、バックウォーターと言っておられますか、地点にまたものすごい実は被害が出ておる。瀬戸石のダムを考えても、そのすぐ真下にございますいわゆる瀬戸石駅、肥薩線の駅付近がものすごく洗われて、駅も実は流失をした。その瀬戸石ダムの湛水部分はこれまた案外平穏である。被害がないではありませんけれども、わりあい穏やかである。ところが、それが切れるところのバックウォーターの地点においてまたものすごい大被害を起こしておる、こういう実は姿があらわれておるわけであります。これらを一体どう解釈していいのか。われわれはそういう方面の全くしろうとでありますから、学理的に、あるいは河川工学的にはよくわかりません。しかし、これはやはりダムというものの一つの大きな影響があるのではないか。ということは、ダムもやはり洪水調節等に何かの手落ちがあったのではないか、こう実は思われてならぬのであります。いま実はいろいろ専門の皆さん方の力をかりてそういうものを調べております。そこで、きょうは、それらについて現地を見ていただきました係の方々でよろしゅうございますし、あるいは建設省でまとめていただいたあれでもよろしゅうございますから、それらについて球磨川の今度の水害に伴うダムの力というもの、効能というもの、それをどう見ておられるか、ひとつ説明をしていただきたい。
  69. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 球磨川は、御承知のとおりに、上流におきまして川辺川と本川と合流いたしまして人吉に下ります。その下流は八代まで狭窄地帯をなしております。ダムにつきましては、現存本川の上流に市房ダムがあります。これは洪水調節の多目的ダムでございます。それから下流の狭窄部におきまして、熊本県営でやっておられます発電専用の荒瀬ダム並びに瀬戸石ダムがあるわけでございます。  市房ダムにつきましては、県の管理に属しておりますが、これは洪水調節を目的とするダムでございまして、そこの地点計画流量を相当部分調節いたしまして、計画放流が六百五十トンでございますが、大体五百トン程度の放流をいたしておりまして、これは洪水調節の目的を十分達しているというふうに考えております。  それから下流の発電専用のダムでございますが、発電専用ダムにつきましては、これは非常に貯水容量は少なくございまして、洪水調節の目的は達し得ないわけでございますが、これらのダムの操作につきまして地元からもいろいろお話があり、先年からもいま御指摘のとおりでございますが、いろいろ現在調査を行なっております。ただ、調節容量がないために、自然の流入量を自然に吐き出すというのがこの発電用ダムの考え方でございまして、その点につきまして流入量と放流量につきましての関係調査いたしました結果、著しい差はございませんので、操作につきましてはまず誤りはなかったんじゃないかというふうに考えられますが、なお、ダムのゲートの操作により、下流地点につきましては相当水の跳躍現象その他が起こるかとも考えられます。その点につきましては今後もう少し調査を進めてみないと判明しない点がありますので、調査を進めたいと思います。  それからダムの上流地点の問題でございますが、ダムの上流地点の問題につきましては、従来からダム堆砂の問題でいろいろ問題が起きておりますが、この瀬戸石、荒瀬の両ダムの堆砂につきましては、ただいま現地調査を行なっておりまして、早急に堆砂の資料を調べて御報告を申し上げたいというふうに考えております。
  70. 川村継義

    川村委員 いろいろお調べいただいた結果についてお知らせいただいて、さらにいろいろと検討をさせていただきたいと思いますが、私が疑問としておるところもいま調査中でありまして、われわれのほうもいまちょっと調べておりますから、ここではいろいろとこまかなことをお聞きいたしません。いつかまたお聞きしたいと思います。  ただ、市房のダムについて、いまお話しのように、洪水調節の役目を果たした、こういう見解でございます。私もいろいろ現地のダムの操作等について聞いたのでありますけれども、これは、なるほど、あなたのほうから出しておられます訓令、いわゆるダム操作規則、これに基づきますと、誤りはなかったのではないか、こり一応見ております。私は実はよくわからぬのでありますけれども、この操作規則というもののいわゆる満水時の標高が二百七十九メートル、洪水時の満水位が二百八十三メートル、そして制限水位がこのとき二百七十七・五メートルとされているわけです。そこで、いろいろ理屈はありますよ。理屈はありますけれども、この操作規則に一つ問題があるのではないかと実は私思っております。この点をひとつ教えていただきたい。というのは、制限水位をもう少し下げておくということになると、それだけの貯水能力がある。そうすると、この制限水位をこえたところの、あなたの言った五百トンをあのとき放流しなくともよかったのではないか。ちょうどその水を放流して人吉市内に到達するのが約二時間。たまたま川辺川という一つの大きな支流の雨量によるところの水のはんらんが非常に大きい。水位が高くなった。これがたまたま時間的に見ても、合流点、いわゆる人吉地域において合致してしまったわけです。ここにあの人吉市内のおそるべき洪水が惹起されたのではないか。私はしろうとながらそう見ておるわけです。そこで問題は、かかる場合に、いわゆる操作規則に違反はしなかった、こう言っておるけれども、その操作規則の制限水位のとり方等にやはり問題があったのではないか。もしもここにいま少しく貯水能力を認めておいたならば、その流す時間、これは実はこまかな時間的計算等も一応私のほうでは調べておりますけれども、そうすると、あの人吉において、一階、ぐっと水が二階まできた。これが二十センチ、三十センチと引き始めた、ところが、やがてまたものすごく増水をして、二階の上はるかに高く浸水をした、実はこういう現象があるのは、私がいま指摘をしておるそういうところに問題があったのではないかと私は見ておるわけです。そこで、この市房等におけるところの流量の問題、あるいは市房ダムの洪水調節機能の問題、いろいろありましょうけれども実態的にものを申すと、いまのような結果になったと私は見ておるわけです。この辺のところはどう御検討くださっておるのか、お答えいただきたい。
  71. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えいたします。  御承知のとおりに、市房ダムは本川水位の流量を調節するわけであります。ダム地点における計画高水流量は千三百トンとなっております。そのうち六百五十トンをカットいたしまして六百五十トンを放流するというのが、既往の高水に基づく調節計画であります。したがって、操作規則につきましては、そういうぐあいに目的に合うようにきめてあるというふうに考えます。今回の災害を見てみますと、ダム地点におきましては約千トンぐらいの高水であります。したがって、計画よりも小さい高水だと考えられます。放流量につきましても、六百五十トン最大放流ができるのでございますが、大体五百トンぐらいを放流しておるという状態でございます。したがって、計画以下の放流を行なっておるというふうに考えられます。この本川の上流の水害をよく調べてみますと、市房ダムの地点につきましては計画高水流量を上回っておりませんけれども、その下流の免田、深田地区におきましては、若干計画高水を上回った地点もございます。これは詳細な計算をやらないとまだわかりませんが、川内川と球磨川の間の山の降雨が相当大きかったということも地元の皆さまおっしゃっております。そういった水利計算をやってみてどういう結果になるか、ただいま検討中でございます。  それから、御指摘のとおりに、今回の人吉地区の災害につきましては、川辺川と本川が同時合流というようなかっこうではないかと思います。それで、御指摘の制限水位をもう少し下げておればという御質問でございますが、もちろん、夏季制限水位を下げておきまして待機容量を設けておけば、さらに今回の放流量を五百トン以下に下げることはできると思います。ただし、このダムにつきましては、農業並びに発電水という多目的のダムでございまして、農業用の水も必要であった時期でございます。そういう点につきまして、計画以上の水が出なかったものですから、そういうぐあいな操作をいたしたものと考えられます。
  72. 川村継義

    川村委員 こまかなことはまたお尋ねしますけれども、要するに、あれだけの大きな雨量に対して言えることは、市房のダムが貯水の役目を十分果たし得ないという結果が出ておるということも、これは一応検討してみなければならぬ。いわゆる計画の貯水量等々に上回ったものがあった場合にこういう事態を引き起こすということもあり得るということも考えなければならぬ。それから、いまのいろいろ発電等に水が必要かもしれぬけれども、こういう事態には、よほどこの辺のところを注意して検討して、やはり調節というものに重点を置いた規則というものがいま一度再検討されねばならぬのではないか。たとえば、下のほうの瀬戸石にいたしましても、荒瀬にいたしましても、われわれが見るときには、発電を犠牲にして、いましばらく早くから放水をしておったならば、あのような結果にならなかったのではないか、これは全くのしろうと判断ですけれども、そう思われてならない。それを、発電を犠牲にせずに、やはりぎりぎり一ぱい、規則がこうであるということでためておった、そこに思わざる大雨でより以上の大きな水が流れ込んできた、そこであわてていわゆるとびらを開いたというところに、やはり一つの問題があるのではないか、こういうことなどが考えられます。そういう点につきまして専門の立場から十分検討いただきまして、とにかくこれは球磨川だけではないかもしれませんが、すべてのそういうダムの調節については再検討を願いたい、こういう考え方で一ぱいであります。  それからいま一つは、球磨川と申しますと、これは従来からおとなしい川だと実はいわれておった。どんなに雨が降っても、今度のように荒れ狂う姿はそうめったに見られなかったわけです。ところが、一昨年からどうも上流に大きな荒れ方を示し、本年は、上流から下流にかけて全水系にわたってものすごい荒れ狂い方を示したわけです。そうなりますと、いままで球磨川に国から改修等の予算をつけていただいたのも、われわれから見ると、そうたくさんつけてもらったとはなかなか思われない。また、こういうような球磨川改修計画水量以上の水があり得るということも考えてみるならば、いま一度やはりこの球磨川改修については計画の変更、検討というものがなされてしかるべきではないか。地建の八代出張所の皆さん方もやはり同様の考え方を持っておられるようであります。この点についてどのようなお心がまえでおられるか、この際お聞きしておきたい。
  73. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 いろいろ議論はありましても、現に人吉あるいは下の坂本瀬戸石ダムの末端において被害があったことは事実であります。それで、先ほど川村委員からの御指摘のように、発電オンリーのダムが二つありますが、こういうものの操作等については検討をすべきものだと思っております。ただ、球磨川の状況はいまお話のとおりありますが、私は技術はよくわかりませんけれども、球磨川の状況を見ておりますと、御承知のとおり、従来は、人吉以下は狭窄部でありますから、いわゆる河川改修というものを必要としない地点が多いわけであります。下流のほうに重点を置いて今日までやっております。八代に一番近い地点をいまやっているわけでありますが、上流地域について人吉地域内の改修がまだ行なわれておりません。ただ、人吉上流本川筋については、先ほどお話にありました五木村その他について最近計画に従って堤防等の築造を始めている。こういうところに私は相当問題があるのではないかという感じを持っております。あるいは、途中に長大な狭窄部がありまして、上流が大体あの辺は雨の多いところでありますが、従来は相当の雨量がありましてもその付近地区に放流されている、こういう状態で、がまんといいますか、そういうものであると地元の人々は従来考えておられたと思うのです。ここ数年来上流部についていわゆる河川堤防等を築いておりますから、相当な雨が降りますと、どうしても河川に統一的に流され、河川に集積されて、しかも早く下流に送水される、こういう現象がだんだん起こってくるわけであろうと思います。したがって、河口に近い下流の状態というものは、急に流量がふえる、こういう現象が、これはしろうと考えでも、当然に起こってくるんじゃないか、これが今度坂本村あたりに溢流した、こういう現象じゃないかと私は想定をいたしております。  そこで、今度の雨は特に非常な雨量でありましたから、ああいう現象があったわけでありますが、こういう異常なと思われるような雨量の際にも、やはり地域住民の安全をはかるということが、いわゆる治水上大切なことじゃないか。むずかしい問題でございますが、そうあるべきだと思っております。そこで私は、これはしろうと考えでありますから、技術的なことは専門家に検討してもらわなくちゃなりませんが、今度の場合は、本流の市房ダムについての説明は先ほど河川局長からいたしましたけれども、問題の川辺川については、先年も、非常な大出水があって悲惨な状態を呈しました。今度の場合はそれ以上に人吉がああいう状態になった。これを見ますと、雨の降り方もときによって違いますが、今度の場合は、特に川辺川流域、あるいはその上流地帯の九州山脈にたいへんな雨が降った。こういうことを見ますと、やはり根本的な球磨川の治水が——従来の発電ダムはただ発電オンリーでやっておりますけれども、治水の面からいいますと、支流で一番大きい川辺川に相当大きな調整ダムをつくる必要がありはせぬか。これは前から一部構想はあったようでありますが、地元としては、ダムをつくるということについては必ずしも賛成をされない、こういう現象が各地にあるわけでありますけれども、しかし、安住の地をつくるためには、どうしても川辺川の上流と申しますか、適当な地域に、調整ダム、あるいは多目的ダムでもけっこうでありますけれども、ダムをつくって、下流の根本的治水をはかるべきであろう、こういう考えを持っております。したがって、あの災害直後直ちに河川局長には、その問題を早急に検討して調査を始めるように、こういうことを言っておりますが、これは技術的なことにかわりますから技術家にまかせますけれども、そういう点もぜひひとつ球磨川流域においては御検討を願いたい。余談でありますけれども、そのほうが、あの川辺川流域の山間僻地の将来の安全と、それからそれ以下の地域の安全と、なおかつ川辺川流域の上流地域、五木村その他の地帯の開発にもなるんじゃないか、こういう構想を持っておりますから、どうかひとつ皆さんのほうでもよろしく御検討を願いたいと思っております。
  74. 川村継義

    川村委員 実は私から大臣のほうにもお願いをしたいと思っておりましたことについて、大臣のほうから川辺川の治水ダム建設構想について詳細にお話がありました。たいへんありがとうございました。球磨川全水系のたびたびの大水害等を考えて、どうかひとつ川辺川にもそのような治水ダムの建設を進めていただくようにお願いをしておきたいと思うわけであります。  なお、先ほどのダムの調整の問題等々につきましては、またいずれ河川局長あたりから十分ひとつお話を聞いていろいろ検討をさしていただきたいと思うわけであります。  時間もたくさんいただくわけにまいりませんから、これで私の質問を終わりたいと思いますが、申し上げるまでもなく、佐藤内閣の方針は、人間の尊重、あるいは社会開発ということであります。建設大臣承知のとおり、熊本、宮崎、鹿児島と、南九州は特に産業面におきまして大きな立ちおくれをいたしております。そういう点で、この防災問題あるいは治水問題、こういうものも、やはり各種の道路網の建設等とあわせて十分尊重してまいりませんと、年々こういう災害によって地方の府県財政あるいは市町村財政というものが大打撃を受けてまいりますと、産業開発等についても大きな財政的影響を与えることは申し上げるまでもございません。ひとつ国の大きな力によってそのように進めていただきますように——先ほど新治水五カ年計画のことをちょっとお話しいただきましたが、一兆一千億程度では実は小さいのではないかと私は考えております。こういう点についてもさらに御努力をいただきたいと思うわけでございます。ただ、本日のお尋ねを通じて、六月から七月、いわゆる広島、熊本の時点から島根、鳥取のこの七月の災害を含めて一つの災害考えて、激甚災害指定をする用意がある、こういうお答えをいただきましたのは、たいへん賛成でございます。今後さらに関係当局の御努力をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  75. 楯兼次郎

    楯委員長 福永一臣君。
  76. 福永一臣

    ○福永(一)委員 ただいま瀬戸山建設大臣から、川辺川のダム建設について積極的な御発言がございましたが、これはわれわれに言わすならば、もう少し早く建設省がこの点について十分の認識を持つべきであった、むしろおそきに失する、こういうふうにわれわれは考えます。本流の球磨川の上流の市房ダムができますときに、われわれはすでに、両方につくってもらいたいと申しておった。川辺川は、御承知のように源を五家荘のあの原始林地帯に発しております。それがずっと年々伐採されまして、今日では治山上非常に憂慮されてきておりますから、その実情を知っておりますわれわれといたしましては、この川辺川の治山治水を早くやってもらわぬと、これはたいへんなことになりますということを、建設省や農林省にもしばしば進言いたしたのであります。ところが、当時市房ダムができますころは、建設省の計算では、これさえあれば十分人吉以下の洪水は心配ないという計算で、川辺川ということについては一向に関心を示さなかったのです。ところが、例の電源開発株式会社、これが主として発電ということを考えまして、いま九州に残されておるところの水力発電の最大のものはこの川辺川でございますから、これに着目いたしまして、相当の期間と相当の費用をかけて調査をいたしております。すでにダム建設地帯の地質調査も終わりまして、いつでもできるようなぐあいになっておったのでございますけれども、九州の電力事情は、御案内のとおり、いまどちらかと言えば余っております。九電も大して関心を示さない。それから産炭地方の石炭利用の火力発電も国家的に考えられておる関係上、水力発電はコスト高ということで見送られてまいりました。そういうことで、この川辺川のダムというものは建設省方面の関心が薄いのです。それからまた電力事情ということで見送られてきたのでございます。ところが、御承知のように、川辺川の上流の五木村は三年続いての大災害でございます。今度は人吉、先ほど川村君から詳細に御説明がありましたとおりでございます。人吉以下の下流の球磨村、坂本村というところが今度は前古未曽有の大災害でございます。これは球磨川の本流だけの調整ダムの市房ダムだけではもう用をなさなくなった。もはや川辺川に何とかしてダムをつくらなければならぬということがようやくわかってきたわけですね。これを歴代の大臣が一向にどうも積極的な発言をしなかったのに、瀬戸山大臣がきょうみずから進んで発言をされたということは、いよいよもってこれは建設省が真剣に取り上げていただくことになったものと、私はありがたく拝聴いたしました。ついては、これはいつごろどういうふうになるか、見通しもひとつ聞かしていただきたい。もっとも、建設省は何もやっておらぬかというと、そうでもないので、電源開発でやったときも、調査費の一部を、幾らだったか、出したと思います。これは付近の台地のほうに一千町歩以上の原野がございまして、いま開拓団が入っております。これは水がないのです。ここに水を引きますと、たちまちにして開田ができて、農業利水上も甚大な利益があがるわけでございます。洪水調節と電気と農業利水、三拍子そろえたダムとなれば、これは当然建設省自体が多目的ダムとして取り上げていかなければならぬと思います。電源開発会社などのように計算づくでは、これはとうてい私はそろばんに合わないと思います。だから、建設省として取り上げたならば、もう来年からでも、ことしからでも、ひとつ踏み切っていただきたいことをお願いして、そのお考えをただしておきたいということが一つ。  もう一つは、この川辺川の——おそらくは、いまダムをこしらえようとするならば、電源開発が調査いたしましたところが一番適当だと思います。そうなりますと、一番災害を受けました五木村、あすこに数百戸の水没家屋があるわけでございます。そうしますと、水没地帯の反対が、これは当然のことでございますが、ございます。そこで、その反対をどうしてがまんしていただくか、納得させるかという問題が大きな問題でございますが、幸か不幸か、この五木村は、ダムができなくても、年々上流のほうから洪水が押し寄せてまいりまして、山くずれがあって、そうして川筋の家屋はすでに百何十戸三年間に流失いたしております。だから、ダムができなくても、もう洪水、天災によって安閑としておれないという村民の非常に不安な気持ちがございます。だから、この説得のしようによっては、非常にまた反対を納得させる材料があるわけでございます。それには、五木村が安全なためには、どうしても五木村の上のほう、五家荘から流れてくる川筋と、もう一つ支流がございますが、その二つの水源地帯に、砂防的役割りをする、あるいは洪水を防ぐような相当思い切った大型の砂防ダムを二つぜひ、むしろこれを優先的につくっていただきたい。そうしますならば五木村も災害から救われるでございましょうし、五木村の村民の今度の洪水調節多目的ダムの水没に対する考え方というものは、反対も非常に緩和されてくると存じます。  この点は、いつごろできるか、どういうダムの設計になっているかということと、それから、上のほうに砂防ダムのでっかいのをつくってもらいたい、この二点についてお考えをただしておきたいと思います。
  77. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 いまもお話が出ましたが、従来河川改修といいますか、治水を取り扱います場合に、よく河川の水利の問題が出てまいりまして、あるいは発電との関係がどうであるということで、治水の面からいいますとだいぶ手おくれになっているところが、全国相当あるのじゃないかと思います。いまの球磨川の問題もさようでありますが、やはりこれもたびたび非常な災害を起こしておる島根、広島にわたる江川の問題、これもやはり同じく調整ダムをつくって治水をしなければ、根本的には治療ができない、こういう地点だと私は判断をいたしておりますが、これも電力会社との関係で進んでおらなかった、こういう事情があります。もちろん、水はたいへんなエネルギーでありますから、そのエネルギーを活用するということを考えなければなりませんけれども、しかし、それに優先するものは、私はやはり人命、財産を守る治水だという考えを持っております。毎年多数の人が災害によって人命を落とし、あるいはばく大な災害を受けるということは、これは国の政治としては相当遺憾とさるべきものであろう。したがって、いまの江川についても同じく、あるいは水力電気を必要としなくても利水上のダムをつくるべきであるという考え方で進めたいと思いますが、いまの川辺川の問題も同じような考えを持っております。もちろん、各方面の研究をいたしまして、あるいは農業水利に使うこと、これはもうけっこうでありますから、そういう点もあわせて検討をいたしたい。従来の技術上の調査がありますれば、それを大いに活用すること、これはけっこうでありますから、技術上の問題は河川局長からお答えいたしますが、来年からさっそくこのダムを建設するという目標で調査に着手いたしたい、こういうことであります。
  78. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 補足説明をさせていただきます。  御承知のように、今回の災害は非常な大洪水でございまして、従来の人吉地点における計画高水量を相当上回ったものと推定されます。したがって、これの流量を処置するためには、さっき大臣お話になりましたように、思い切った措置が要るのじゃないかというふうに考えます。上流の適当な地点にダムをつくる、あるいは人吉の狭窄部を掘さくする、あるいは下流の拡幅をはかる、そういったことも相当思い切った措置が必要ではないかと考えられます。なお、五木の上流につきましては、毎年土砂あるいは洪水が流出して貴重な人命が失われているのは、お話のとおりでございます。上流のほうの砂防につきましても十分配慮する必要があると思います。今回の災害にかんがみまして、事務当局といたしましては、河川調査費を増額いたしまして、球磨川水系にかかる砂防ダム、河川等を含めまして、人吉地区の対策、中流部の対策、下流部の対策、改修計画も再検討を早急に行なうつもりであります。ダムにつきましても、地質調査は従来からも電源開発の調査におきまして相当検討されております。関係方面と打ち合わせまして、早期着工をはかるように努力いたしたいと考えております。
  79. 楯兼次郎

    楯委員長 坂本泰良君。
  80. 坂本泰良

    ○坂本委員 最後になりましたが、若干質問申し上げたいと思います。  今回の集中豪雨については、熊本県だけではなく、島根、広島県等々前古未曽有と申しますか、非常な災害がありまして、一番問題の激甚地災害措置の適用等につきましては、すでに与党自民党並びに社会党の間においても政府に建議して、その実行の運びになっておるということで、私は、必ずわれわれの満足するような措置がとられるものだ、こういうふうに考えまして、この点についての御質問はやめることにいたします。  そこで私は、熊本県においては今度の六月の集中豪雨に際しましては、菊池川、白川、緑川、さらに水無川、氷川、球磨川、こういった県下全域にわたっておるのでありますが、一番被害が大きかったのは、先ほど来、川村、福永君から指摘されました球磨川流域であります。したがって、これに対する若干の御質問と、あわせて水無川、氷川、いわゆる宇城地区の問題等につきまして、若干御質問申し上げたいと思います。  そこで第一に、この災害復旧については、改良復旧、再び災害をこうむらないように、原状復旧だけではいけない、改良復旧をもって次の災害にあてる、こういう点については、政府当局もすでに前回以来の御答弁でも、そういう方針でいかれるということは承っております。そこで、いま一番問題になりました川辺川の根本的の問題をお聞きしたいのですが、これに対する建設大臣並びに河川局長の御答弁は、治水ダムか多目的ダムか、あるいは水は必要であるから電力をやる、こういうようなことで、まだ基本的の問題があいまいだと思うのです。特に川辺川に対する問題は、これは数年前九電が調査しました。しかし、これは発電を目的とすることだけであって、災害いわゆる治水についてのことは何ら考慮していなかった。だから、当時の五家荘その他の地元民の方は、電力会社に奉仕するためにわれわれの先祖代々の耕地並びに家屋敷を放てきすることはできない、こういうことで、それが唯一の反対の理由で、できなかったわけです。しかし、いまから考えますと、その発電ダムができていたら、私は、もっと大きい被害が出たのではないかということが考えられると思うのです。そこで、これについては、先ほどの御答弁では、来年からでもすぐ取りかかるということですが、そういう着手の問題は次にいたしまして、やはり基本的の問題は、すでにこの豪雨が来てもう約一カ月になりますから、いかなる方法でやるかという基本問題についての構想はあってしかるべきじゃないかと思うのです。その点についての構想を承りたい。治水ダムと、それから福永君が申されましたその上流の五家荘に関連するところの砂防ダム——私は、大きな砂防ダム一つだけではだめだと思う。砂防ダムというものはたくさんつくらなければだめだと思うわけですが、そういう点についての基本的な考え方を最初に承っておきたい。
  81. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 先ほど申し上げましたように、河川がいろいろ使われるということは当然であります。当然でありますが、その問題が解決しないから、国民あるいは地域住民が苦しんでよろしいということはないというのが私の考えです。あるいは電力あるいは農業用水等に使われることは希望いたしますけれども、それが並行しないから治水ダム等をやらない、こういうことは間違いである、こういう基本的な考えであるということを申し上げておきます。
  82. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 補足説明いたします。  先ほど申し上げましたとおり、今回の流量は計画流量を相当上回っておりまして、どうしても市房ダムとあわせまして川辺川筋を検討しなくちゃならぬ。従来から、昭和二十五年ごろから私も九州におりまして、四浦地点あるいは頭地地点、あるいは荒瀬地点とか、いろいろダムサイトを検討してまいりました。その段階におきまして、洪水調節もあわせまして、あるいは高見原の農業用水、そういったものもあわせまして検討いたしたわけでございます。その後電源開発の問題が起こりまして、それで電源開発において調査を行なっておるというような状況でございます。  今回の災害につきましては、かりに川辺川において調節するとしましても、どの程度調節したらいいか、そういった洪水流量をどう調節すべきかという基本的な、基本高水をまず定めなくちゃならぬと思います。したがって、その基本高水をどうきめたらいいか、人吉地区の流量をどの程度に押えるべきか、そういった問題を鋭意検討中でございまして、早急に結論を出すように、調査費を特に増額いたしまして行なっております。  上流の砂防ダムにつきましては、相当土砂崩壊が大きいわけでございまして、現在も二、三カ所につきまして砂防ダムを実施しておりまして、今回の災害につきましては相当効果があったというふうに、ヘリコプターから——上空からでございまして、具体的な細部につきましては見ることができなかったのですが、効果があったと思います。たとえば土砂流による人家の埋没あるいはたんぼの流失、そういった問題は、かなり砂防ダムにおいて効果があったというふうに考えられます。なお、山地の崩壊の状態も相当ひどいし、今後上流に砂防ダムをつくる必要があるというふうに考えるのでございます。災害直後に砂防部長を直ちに派遣いたしまして、上流の砂防対策をどうすべきか、検討さしてまいっております。なお、その砂防ダムにつきましては、新たに防災ダムができますれば、あるいは治水ダムあるいは洪水調節ダムができますれば、その埋没防止も兼ねて計画を検討していきたいというふうに考えております。
  83. 坂本泰良

    ○坂本委員 次の質問に入る前にもうちょっと聞きたいのですが、この川辺川はシラスである。ですから、川底が堤防よりも——堤防はないような状況ですが、その川底が、その周囲の土地、いわゆる耕地その他より高くなっておる、こういうことがいわれておりまするが、砂防課長を派遣されまして、そういう点についての調査はどうなっておりますか。
  84. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えいたします。  三十八災によりまして、上流の崩壊地が相当見られたわけでございます。そのために河床が異常上昇しているという点が、たとえば頭地付近の合流点とか、頭地の左支川——左支川と申しますのは、下流に向かって左ということでございます。そういう左支川の上流地区に相当河床が上昇しているんじゃないかという点が見受けられまして、現在、今回の災害にかんがみまして、あらためて調査をいたしております。
  85. 坂本泰良

    ○坂本委員 時間がありませんから、その程度にしまして、結局砂防ダムに着手されて、局長のほうではいま言われたように、それは今度の洪水でも相当役に立っているだろうけれども、しかし、あれだけ大きな災害が出ておるという結果から見ますと、まだまだ不十分であるし、その一部分しかできていなかったといわなければならぬと、こういうふうに思うのです。これはまた基本問題とも関連することと思いますが、そこで、先ほど来問題になりました市房ダムの問題ですが、これは、われわれも議員になりましてから、建設大臣も建設委員だったと思うのですが、このダムをつくれば、先ほど福永君が申しましたように、もう球磨川に対する洪水はだいじ上うぶだ、こういうことで許可になったわけですね。そうしてこれが完成をしたわけです。ところが、雨の降った量も多いでしょうが、いままで人吉市内に浸水したことがないのに、繁華街までほとんど市の全部が浸水をした。こういうことを考えますると、結局ダムをつくっても何にもならなかったのだ、ダムの効能がないじゃないかと、しろうとからこう言われるのもまたやむを得ないじゃないかと思うのです。  そこで、熊本県の災害対策会議が持たれまして、それの報告によりますと、大体三つに分かれておるようですが、第一は「市房ダム計画は、球磨川本流、川辺川その他の支流、及び、発電ダムなどの河川工作物を対象に、有機的な計画のもとで球磨川水害を防除するため計画されたものだが、今度の水害で、その水害防除計画が、根本的に誤算の上に立っていることが現われた。その特徴的なものは、計画高水量の誤算、」先ほど川村君からもちょっと質問がありましたが、「計画高水量の誤算、とくに川辺川の高水量配分に問題があった。」この点考えましても、この市房ダムをつくるときに、川辺川の高水量の配分、いわゆる高水量についてもやはり検討しまして、そうして市房ダムをつくったならばだいじょうぶだというところでできたかと思うのです。この川辺川の高水量についてほんとうに真剣に調査をして、その結果、あの現在の市房ダムをつくれば防除の目的を達するということでやったわけでしょう。それが目的を達していないのです。したがって、川辺川の高水量配分の問題が真剣にその際検討されてやられたかどうか、私は疑わしいと思います。  そこで、第二の問題としては、「市房ダムの最大流入量は、毎秒八百六十二立方メートル(ダム管理事務所七月十五日発表)というが、当時の時間降雨量と流域面積からすれば、流出係数を〇・七として、毎時四百九十六万八千立方メートル(毎秒千三百七十立方メートル)」これは先ほど河川局長が言われたのと同じだと思います。「同〇・八として毎時五百六十七万八千立方メートル(毎秒千五百七十立方メートル)のダムへの流入量となり、県の発表自体が疑わしくなる。従って、同発表のように、調節水量を毎秒三百六十六立方メートルだとすると、毎秒千ないし千二百立方メートル、つまり同ダムの最高放水量毎秒六百五十立方メートルの約二倍を放水したことになり、管理事務所の”毎秒四百九十六立方メートル放水”という発表には、疑問がある。」こういうふうに言っておるわけですね。  第三は、「市房ダムの最大放水量は、七月三日午前二時三十七分から三十八分間の毎秒四百九十六・七〇立方メートル。これに次いで同三時二十三分から四時十八分までの五十五分間は、毎秒四百八十四・九〇立方メートルを放流している。この放流水は約二時間で人吉市に到着するというが、人吉市の水位をみると、最大放流水が到着する四時三十分で四メートル七〇、五時には五メートル二〇と増水、さらにその後も増水し続け、六時には五メートル六五、同十五分には五メートル七〇と増水したあと減水に移っている。一方、市房ダムの流入量は、ダム管理事務所の発表によると、一番放水量が多かった午前二時三十分ごろが、やはり最高で、毎秒八百六十二立方メートルとなっているが、その後は次第に減少して四時十八分には約六百六十三立方メートルに減っている。ところが、こうしてダムへの流入が減っているにもかかわらず、ダムからの放水量は、人吉市が増水を続けているのに、二時半ごろから四時十八分ごろまで、ほとんどかわらぬ毎秒四百八十立方メートルの量を流し続けていたのである。ダムの余力が十分にあったのに、一時間半にわたって、最大もしくはそれに次ぐ放流を続けたことは、人吉市内の災害原因が、市房ダムそのものでなかったとしても、ダムの放流が人吉市の増水に大きな影響を及ぼしたことは明らかである。」こういうことを言っておるわけです。  そこで、この第三の、市房ダムのいわゆる管理に基づいてやったにしても、こういう結果が生じておるわけなんです。ですから、私がお伺いしたいのは、現地に参りまして、そうしてその土地の県会議員の説明によりますと、多目的ダムといっても、やはり電力会社は電気を発電したい、だからそれだけの水をためておく。集中豪雨ならば、それをもっと減水しておけば、やはり治水ダムとしての洪水調節ができたはずである。だから、その管理規程には違反をしていないにしても、やはり先ほど話がありました制限水位の問題もございまして、そういう点を考えると、これは多目的ダムにやっていても、こういう集中豪雨が来た際には決して洪水調節にならない、逆に放流の関係災害を招くのだ、こういふうに考えられるわけですが、その点はいかがでございましょうか。
  86. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えいたします。  市房ダムの流入量は先ほど申し上げたとおりでございまして、八百六十二トン、約手トンが流入いたしております。それで、ダムで調節いたしまして、四百九十六トン、約五百トン近く流しております。計画は、大体流入量は最大千三百トン、放流量は六百五十トンということになっております。これはそういう場合の最大放流量をきめてあるわけでございます。ところで、このダムは、建設省の直轄の多目的ダムとして実施いたしたものでございまして、二十八年から施工にかかりまして、竣工したわけでございますが、その後管理につきましては県の土木部で処理しております。したがって、ほかの発電用のダムと違いまして、企業系統で所管するダムではございません。治水目的を主とした多目的ダムとして、河川管理者である土木部系統で所管しているダムでございまして、ただいま新聞の情報かと思いますが、その情報に基づいて詳細にまだその内容を承知いたしておりませんが、このダムにつきましては十分効果があったというふうに判定します。途中で、先ほど申し上げましたとおりに、川内川水系等の山のところで相当雨が降ったという点も加わりまして、人吉に川辺川の水と一緒に合流していったということであろうかと思います。なお、川辺川の流量も、本川との合流におきまして、従来の計画は約千四百トンでございますが、今回の洪水流量は約二千トン以上に達しているだろうというぐあいにも想定されております。したがって、この辺の十分な流量検討をやりまして、具体的な計画を早急に検討いたしたいというふうに考えております。
  87. 坂本泰良

    ○坂本委員 そこで私がお聞きしたいのは、相当効果があったといっても、あれだけの洪水、天保以来三百年という洪水だって、それは歴史のことは私はわからぬと思うのです。少なくとも建設省が流量を計算して、そうしてここに治水ダムをつくるということになれば、それは歴史的のそういうことがあったなら、なおさらその流量の問題等も十分なる専門的の技術で検討の上やらなければならぬのです。やって市房ダムができた、相当の効果があったと思うけれども、人吉市は未曽有の洪水に浸水してしまった、こういう結果になっておる。したがって、私が先ほどお聞きしましたのは、市房ダムをつくるときに、いま局長がおっしゃったように、川辺川の流量が非常にふえていた、その流量の点の計算についてどういう計算をさしたか疑わしいのです。結局、市房ダムをつくっても何にも洪水調節にならなかった結果がいまあらわれておるのです。ですから、今度川辺川の根本的なダム計画をつくるについては、私は、多目的ダムじゃいけない、やはり治水ダム一本でいかないと、断じてこの流域の住民の保護にならないと思うのです。発電を起こして収入があればそれがいいというならば、最初からつくらぬほうがいい。私は、少なくともこの川辺川においても、多目的ダムといわずに、こういうように二度も災害を受けた川にはやはり治水ダム一本でいかなければならない、多目的ダムでここに発電を加えてはいかぬじゃないか、こういうふうに思いますが、その点の所見いかがですか。
  88. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 第一点の、川辺川の流量が非常に多くて、市房は洪水調節の目的を達したには達したろうけれども、大した効果がなかったじゃないか、それはもちろん御指摘のとおりでございますが、実は市房ダムをやるときにも、この人吉地点の流量、人吉地区をどう処理するかということが問題であったわけです。それは川辺川のダム計画と関連して当然検討されなければいけなかった問題であります。したがって、決して川辺川を考えていなかったわけじゃなくて、川辺川は大体二千六百トンぐらい単独で出ましょうということを一応考えておりました。ただ、本川と川辺川の時差の関係で千四百トンぐらい合流するでしょうということに考えていたわけでございます。ところが、今回の豪雨は、梅雨前線の蠢動によりましてその時差が相当少なくなった。従来からの降雨記録によりますと、ほとんどそういう事象がなかったわけでございまして、今後こういう梅雨前線の降雨を検討いたしまして十分処置を講じたいと思います。  第二点の、防災ダム、治水ダムだけでやったらどうかというような御質問でございますが、現在流量その他を検討中でございまして、どの程度の容量の治水ダムをつくればいいか、そういう点がまだ十分に固まっておりませんので、その辺も十分固めて今後の対策を考えていきたいというふうに考えております。
  89. 坂本泰良

    ○坂本委員 そこでもう一つ聞きたいのは、球磨川には三つのダムがあるのですね。荒瀬ダムと、その上が瀬戸石ダム、それから瀬戸石の上が市房ダムになっている。ダムの放水は、下のダムからやっていくべきではないかと思うわけです。ところが、この際の放水は上からやってきて、瀬戸石、荒瀬と、下があとになっているようなことになっておると思うのですが、その点についてはいかように調査しておられますか。
  90. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 荒瀬ダム、瀬戸石ダムにつきましては、流入量と流出量の時間関係を調べてあります。それによりますと、時間的に流入量と放流量は大差ない。ただ、市房との関連、上流を先に放出したというのは、雨水が先に市房ダムにたまったわけでございます。それを放出していったということでございまして、時間的には下流の電源開発のダム、県営電気のダムは放流していたということは考えられます。時間的にはおそくなったではないかと思います。ただ、下流の県営発電のダムは、いずれも調整能力がないダムでございます。ごくわずかな貯水容量しかなくて、洪水をそこでカットするというダムではございません。したがって、流入量即放流量であるというふうにするダムでございますし、そういう観点からいろいろ調べてみますと、荒瀬ダムの流入量と放流量につきましては、時間的に問題はないと考えられます。
  91. 坂本泰良

    ○坂本委員 大臣が急がれるようですから、一つ大きい問題で聞きたいのは、実は宇城地区に参りますと、ここは水無川、氷川、これの下流地帯が非常に浸水をいたしておりまして、上流豪雨については川辺川の上流のようになかったと見えまして、この二つの川の上流については川辺川のような被害はなかった。そこで問題は、水無川も氷川も、これは三十八年の災害です。これには上流地帯に非常な災害がありまして、ここにはすでに建設省のほうでダム計画ができておるかに聞いておるわけですが、そうしますと、これは山の関係ででしょう。それはわかりませんが、今回の豪雨においては川辺川が非常に荒れてそうして非常な災害をこうむった。そこで、川辺川のダムだ、治水だ、こういうことになると、下流のいわゆる浸水地帯の中で非常な被害をこうむっておりますが、上流地帯被害はなかったから、そっちのほうに対するところの治水ダム計画、これがおろそかにされるのではないかというような点をこの地域住民方から聞いたわけですが、その点についてどうなっておりますか。お聞きしたいのは、この水系は同じ山から出ておるわけですから、治水ダム計画をするならば、やはり双方とも考えてやらなければならぬのではないか、こう考えますが、大臣の所見を承っておきたい。
  92. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 雨はなかなか一定して降りませんので、特にこの梅雨期の雨は非常に降る地点の変化があるように思います。そういうことで、予定されたところ以外に異常な水害が起こるわけでありますが、今度起こらなかったから、前に起こったところを放置する、そういうふうなことは全然考えておりません。やはり水害というものは一定しておりませんから、計画されたものは、ほかの地点が重要であるからそこを除くというような考え方は全然持っておりませんことを申し上げておきます。
  93. 坂本泰良

    ○坂本委員 大臣はもう終わりますが、局長とそのほかの方に、一、二急いで聞きたいと思います。  そこで、大臣のお考えでけっこうですが、この二つの川についての治水ダム計画があるかどうか、調査等はどうなっておるか、その点を承っておきたい。
  94. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 御質問の氷川につきましては、ただいま補助ダムとしまして、治水目的を主としたダム計画で現在調査中でございます。この計画につきましては、熊本県でただいま調査実施中でございます。具体的にまとまれば早急に着工するようにいたしたいというふうに考えております。  それから水無川につきましては、現在のところ、熊本県からこれについてダム計画を具体的に申し出がございませんが、熊本県とよく協議いたしまして、さような地点があれば、具体的に促進するように努力したいと思います。
  95. 坂本泰良

    ○坂本委員 それから激甚地災害適用は、先ほど申したとおり、近く実施されると思いますが、われわれがこの実地調査に参りまして、各村、各地区から聞くことは、災害復旧について十万円以上が激甚地災害等適用だから、その十万円を三万円に下げてもらいたい、いわゆる小規模災害についても助成措置をお願いしたい、こういう要望をこれはどこでも聞くわけなのですが、この点についてはどういうふうになっておりますか、それを承っておきたい。
  96. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 現在、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法におきましては、都道府県工事につきましては十五万円、市町村工事につきましては十万円を法の適用の限度としております。それは現在の負担法における限度額でございます。この限度未満額については、従来から市町村関係から非常に要望が強いのでございますが、十万円以下の工事と申しますのは、本来維持的なものが非常に多いわけでございます。したがって、国庫負担法の対象といたしませず、現在実施されておりますような、事業費に対して全額起債を認めるということで、その元利償還額を地方交付税の交付対象として処理するように考えております。
  97. 坂本泰良

    ○坂本委員 これは河川、土木、いろいろ関係あると思うのですが、やはり被害住民希望は、交付金でなくして、直轄の助成措置にしてもらいたい、こういう要望が非常に強いから、この点についてはひとつ考慮をお願いしておきたい。  それから、おくれましたが、大臣答弁がありましたが、河川局長にこれはお願いしておきたいのは、やはり今度の災害は川辺川だったというので、川辺川、川辺川といって、それの治水、防災等に重点を置いて、そのほかの氷川とか水無川等については等閑視される、そうすると、また豪雨があった場合そっちのほうにくるというようなことがあっては、これは不均衡になりますから、氷川については、治水補助ダムが調査中であり、水無川については、これは一番荒れる川ですが、これについてもやはり川辺川と同じようにひとつ考えてやってもらいたい。こういうことを要望しておきたいと思います。これは県下のほかの河川についてもまだありますけれども、本日は時間がありませんから、ここだけに限定をしたわけですが、ひとつその点を要望しておきたいと思います。  それから中小企業関係災害対策については、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫、中小企業信用保険公庫、こういうことで、先月の質問の際には、どなたでしたか、万全の措置をやるから、御心配要りません、こういう御答弁であったわけです。その後その状況はどうなっておりますか、その点を承っておきたいと思います。
  98. 楯兼次郎

    楯委員長 坂本さん、建設関係だけだろうと思って、いま中小企業庁計画部長を帰しちゃったのです。
  99. 坂本泰良

    ○坂本委員 相手がいなくてはしょうがない。  それではこれで終わります。
  100. 楯兼次郎

    楯委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、明三日午前十時十五分理事会、十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時三十一分散会